説明

表示装置

【課題】
1フレームの画像を複数のサブフレーム画像に分割して階調表示を行う表示装置であって、画像表示時に生じる擬似輪郭ノイズを低減し、プラズマディスプレイパネル等に好適な表示方法を提供する。
【解決手段】
滑らかに階調が変化する箇所で、サブフレームの桁上げ/桁下げを検出し、画素入れ換えを行う事で擬似輪郭ノイズ低減を行う際に、元画像の動き量、表示負荷率に基づき低減処理を制御し、好適に擬似輪郭ノイズ低減を行う。またフレーム毎に異なる処理を施す事で、時間方向のノイズ低減を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1フレームを所定の順序で時間軸上に配列された複数のサブフレームで構成し、各サブフレームを階調レベルに対応させて輝度の重み付けし、映像信号に応じてサブフレームごとに表示パネル上の画素を発光または非発光させることにより階調表示を行う表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
PDP装置など、表示データのデジタル信号をもとに表示パネルにおける画素の表示を制御するデジタル表示装置では、公知のサブフレーム法を用いて映像の表示を行っている。図1(a)は、サブフレーム法による画像表示方式を説明する図であり、1フレームにおける各サブフレームの時間的関係を示す。各サブフレームは、予備放電を行うセットアップ期間T1と、画素毎に点灯か非点灯かのデータの書き込みを行う書き込み期間T2と、書き込み期間において点灯のデータが書き込まれた画素を一斉に発光させる維持期間T3とにおいてそれぞれ所定の制御がなされる。各サブフレームはそれぞれ重み付けがされており、該各サブフレームの重み量は、各サブフレームの発光量に対応し、上記維持期間T3の長さ、つまり維持放電回数(サステインサイクル数と呼ぶ)により決定される。このとき、サブフレームの点灯・非点灯のパターンを点灯パターンと呼ぶ。上記方式に基づき、重みの異なる各サブフレームを選択して組み合わせることで、その重み量の合計量により、映像信号中の輝度に対応した階調レベルを表示可能としている。
【0003】
しかし、上記サブフレーム法では、動画像を表示した場合、視聴者の視線が動画像を追うため、視線上で積分される点灯パターンが変化し、動画像に対して独特の輪郭状のノイズが知覚される。この輪郭状のノイズは擬似輪郭ノイズと呼ばれ、視聴者に知覚される画質を劣化させる要因であることが下記非特許文献1に示されている。
【0004】
図1(b)は、上記擬似輪郭ノイズの発生原因を説明する図である。ここでは、1フレームを8つのサブフレームにより構成し、各サブフレームの重みが2のべき乗で設定されているものとする。図1(b)の画像が静止表示されている場合、視聴者の視線は各サブフレームの点灯・非点灯の状態を画素毎に積分する方向に向き、各画素の表示階調が正しく知覚される。これに対し、図中矢印の方向に移動すると、視聴者の視線は動きに追従し、画像と同様の方向に移動する。このときの視聴者の視線は、図2(b)に示す様に各サブフレームの点灯・非点灯の状態を複数の画素にわたって積分する方向に向くため、各画素の表示階調が正しく知覚されずノイズとなる。
【0005】
この現象は、各サブフレームの重み付けの桁上げ部に当たり、各サブフレームの点灯・非点灯の状態が大きく変化する部位で顕在化するため、従来からこのような重み付けの桁上げ部の使用を禁止する方法が用いられている。
【0006】
上記一部の点灯パターンを使用禁止とする方法により、擬似輪郭ノイズを一部低減する事は出来るが、使用可能な点灯パターン数が減少する。即ち、表示可能な階調数が減少するため、階調表示のダイナミックレンジを保持すると、滑らかであった階調特性が乱され、階調段差が不均一、且つ大きくなってしまう。この階調段差を補間して滑らかな階調表現を行うため、誤差拡散法が用いられている。
【0007】
しかし、一部の点灯パターンを使用禁止とする手法だけでは、擬似輪郭ノイズを全て除去する事が出来ず、残留した擬似輪郭ノイズを低減する手法として、階調レベルの変化の単調性、サブフレームの桁上げや桁下げの有無、及び輪郭の位置に基づき、擬似輪郭ノイズが発生する画素を特定し、画素値入れ換え器で擬似輪郭ノイズ発生要因を分散させる方式が下記特許文献1に示される。
【0008】
当該方式は入力される信号に対し、サブフレームの桁上げ/桁下げをある一定の範囲で検出し、検出されたパターンに対し、階調レベルが単調に変化しており、輪郭部に位置しない事を条件として、擬似輪郭ノイズが発生するパターンを特定する。特定された擬似輪郭ノイズ発生パターンに対し、画素値の入れ換え処理を施す事で、元信号よりも明るい(又は暗い)方向への階調の乱れと、元信号よりも暗い(又は明るい)方向への階調の乱れを交互に配列させる事で、擬似輪郭ノイズ低減を実現する手法である。
【0009】
しかし、該手法においてサブフレームの桁上げや桁下げの検出範囲及び、階調の入れ換え処理範囲は元画像信号の動き量によらず一定である。
【0010】
また、従来手法における画素値の入れ換え処理は全フレームに対し同一の入れ換え処理を施している。
【0011】
【非特許文献1】「パルス幅変調動画表示に見られる擬似輪郭ノイズ」、テレビジョン学会技術報告、Vo1.19、No.2、IDY95−21、pp.61−66
【特許文献1】特開2005−301302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
以上に説明した通り、サブフレーム法により階調表現を行う表示装置は、擬似輪郭ノイズ低減の目的で点灯パターンが削減されている。点灯パターンの削除方式では除去出来ない擬似輪郭ノイズを、画素値入れ換えによるサブフレームの桁上げや桁下げを分散させることにより擬似輪郭ノイズ低減を図っているが、元画像の動きを考慮していないため、画素値の入れ換え処理範囲は元画像信号の動き量によらず一定である。
【0013】
このため、従来手法では、元画像の動き量に応じて擬似輪郭ノイズが発生する領域において、擬似輪郭ノイズ低減処理が適用されない場合や、擬似輪郭ノイズが発生しない領域に画素値入れ換え処理が実施される場合があり、動き量に応じて画質が変化する課題があった。
【0014】
また、従来手法における画素値の入れ換え処理は全フレームに対し同一の入れ換え処理を施している。画素値入れ換え処理により、空間方向の擬似輪郭ノイズ低減は可能であるが、全フレームに対して同一の処理を施すため、複数フレームにわたり、同一の階調が並び、ノイズとして認識される課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明は、1フレームを輝度の重みが異なる複数のサブフレームで構成し、サブフレームの輝度の組合せにより階調を表示する表示装置であって、 表示すべき入力画像の動き量を検出する動き量検出部と、隣接する画素間において点灯するサブフレームの中で少なくとも最大の輝度の重みを有するサブフレームの点灯の桁上げ箇所又は桁下げ箇所を検出する桁上げ桁下げ検出部と、前記桁上げ桁下げ検出部によって検出された前記桁上げ桁下げ箇所の前後複数の画素間で画素値を入れ換える画素値入れ換え部とを有し、前記動き量に応じて、前記画素値を入れ換える画素間の画素値入れ換え幅を制御するように構成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る表示装置によれば、擬似輪郭ノイズを低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照にして説明する。
【0018】
(実施例1)図2は、本実施例におけるPDP装置の概略構成を示すブロック図である。プラズマディスプレイパネル204は、2枚の基板から構成され、基板上には隣接して配置した複数のX電極(X1、X2、…)及びY電極(Y1、Y2、…)と、それに交差する方向に配置した複数のアドレス電極(A1、A2、…)とを備え、電極の交差部分には蛍光体が配置され、2枚の基板間には放電ガスが封入されている。アドレス電極駆動回路202はアドレス電極にアドレスパルスなどを印加し、Y電極制御回路203はY電極に順次走査パルスを印加すると共に、X電極制御回路201と連動し維持放電(サステイン)パルスを印加し、画像処理回路200は、入力画像を各制御回路に入力可能な形態への変換等を行い、上記各部を制御する。
【0019】
図3(a)に、図2における画像処理回路200の処理の概要図を示す。図3(a)において、S301は外部から供給される入力画像信号であり、S301は量子化部301と動き量予測部305へ入力される。
【0020】
サブフレーム法では人間の視線追跡により発生する擬似輪郭ノイズを低減させるために使用禁止される点灯パターンが存在し、量子化部301はこれに合わせた量子化を行う処理部である。量子化部301は量子化後の階調値(実階調と呼ぶ)と、該実階調値と信号S301との誤差を信号S302として、誤差拡散部302へ送信する。誤差拡散部302では、上記量子化により表示不能となった階調を、実階調の空間的な配置比率で擬似的に表現する。該誤差拡散法を適用し、空間的に実階調を配置した結果をS303として擬似輪郭ノイズ低減処理部303へ入力する。
【0021】
擬似輪郭ノイズ低減処理部303は入力としてS303及び、S306を受け取る。ここで、S306は動き量検出部305によって元画像の動き量を検出した結果である。動き量検出部305は入力信号S301から3原色の入力映像信号(入力映像信号と呼ぶ)およびタイミング信号(同期信号と呼ぶ)を受け取って、入力映像信号から画素単位で現フレームと該現フレームより以前のフレームから動き量を検出する。動き量の検出は勾配法等を用いて行うものとするが、これに限るものではない。
【0022】
擬似輪郭ノイズ低減処理部303は入力信号S303のうち、擬似輪郭ノイズが発生する特定のパターンを検出する。検出されるパターンの幅及び低減処理を施す幅は入力信号S306によって制御される。検出されたパターンを空間的に入れ換える事で、擬似輪郭ノイズ発生要因を分散させ、擬似輪郭ノイズの発生を抑制する。また、動き量の検出結果を用いて、検出されるパターンの幅及び低減処理を施す幅が制御されるため、画像の動き量に応じて生じる擬似輪郭ノイズを低減することが可能となる。具体的な処理は後述する。
【0023】
擬似輪郭ノイズ低減処理が施された信号S304をサブフレーム変換部304に送信し、サブフレーム変換部304ではパネルに入力可能な信号S305に変換し、パネルへと出力する。以降、図3、4、5、6、7、8を用いて、本実施例における擬似輪郭ノイズ低減処理部303について、詳細に説明する。
【0024】
本発明では、元画像の階調値を維持しつつ、擬似輪郭ノイズを低減する。該擬似輪郭ノイズの発生は、ある画素の点灯パターンにおいて、点灯しているサブフレーム中で最大の重みを有するサブフレームが桁上げ/桁下げを含むよう空間的に滑らかに変化する部分で発生する。前記擬似輪郭ノイズが発生するパターンを図4(a)に示す。図4(a)において横方向は画像中におけるx座標を表しており、縦方向はx座標における各画素の階調値を表現するサブフレーム(SF)の点灯を示している。図4(a)はx座標が増加するにしたがって、階調が滑らかに増加している場合を図示したものであり、本実施例では、階調が滑らかに変化する領域において、各画素の点灯パターンにおいて、点灯しているサブフレーム中で最大の重みを有するサブフレームが桁上げ或いは桁下げを含む領域を擬似輪郭ノイズが発生する箇所(パターン)として検出する。図4(a)においては、401、402、403、404、405、406、407が擬似輪郭ノイズ発生パターンとして検出される。
【0025】
次に、図4(a)の407と同様に、サブフレーム7とサブフレーム8が滑らかに増加するパターンを検出幅10画素で検出した結果を図4(b)に示し、図4(b)が右方向に10[画素/フレーム]移動した場合に視認される輝度値の推移を図6(a)に示す。図6(a)において、横軸はx方向の座標、縦軸は視認される階調値であり、0〜255の値をとる。尚、図6では各サブフレームが有する輝度の重みをSF1=1、SF2=2、SF3=4、SF4=8、SF5=16、SF6=32、SF7=64、SF8=128、のように、2の累乗に順ずるとした。図6(a)において、菱形は静止画状態の輝度値、四角は10[画素/フレーム]で動いたときに生じる、視線方向の積分によって視認される輝度値、三角は四角で視認される輝度値を隣接画素間で平均化した輝度値を表している。動きが付加されることで、静止画時に視認される輝度値と、動画時に視認される輝度値がx座標5から10にかけて、急峻に変化している。一方、元画像の輝度はx座標15で変化するため、視認される輝度と元画像の輝度差がx座標10から15の間で大きく異なる。急峻に輝度が変化し、元画像との輝度差が大きい状態が続くため、擬似輪郭ノイズとして視認される。よって、図4(a)や図4(b)に示されるように、滑らかに階調が増加/減少する場合に最大のサブフレームの桁上げ或いは桁下げを含む場合、擬似輪郭ノイズが発生するため、これを擬似輪郭ノイズ発生パターンとして検出する。
【0026】
図3(a)における擬似輪郭ノイズ低減処理部303の詳細なブロック図を図3(b)に示す。
S301は元画像信号であり、動き量検出部305に入力される。動き量検出部305はS301および過去の信号から、画像の動き量を検出し、該動き量検出結果をS306としてパターン検出幅算出部308に送信する。該動き量検出部305は勾配法等によって動き量を検出するがこれに限定されるものではない。
【0027】
パターン検出幅算出部308は動き量検出結果S306から桁上げ或いは桁下げ検出部306および画素値入れ換え部307で必要となる処理対象パターンの幅を算出し、信号S310を出力する。処理対象パターンの幅は後述するように、検出された動き量に対して同等または大きくなるよう設定する。
【0028】
S303は誤差拡散部302によって多階調化処理を適用された信号であり、該信号S303を桁上げ或いは桁下げ検出部306、画素値入れ換え部307に入力する。桁上げ或いは桁下げ検出部306は、入力信号として、S303及び、S310を受け取る。パターン検出幅算出部308で算出されたパターン検出幅S310に基づき、図4(a)、図4(b)に示されるようなS303において階調が緩やかに増加或いは減少する点灯パターンにおいて、点灯しているサブフレームの中で、最大の重みを有するサブフレームが桁上げ或いは桁下げを含む場合を検出する部であり、桁上げ或いは桁下げが検出された場合は、信号S308を画素値入れ換え部307へ送信する。
【0029】
画素値入れ換え部307は検出されたパターンを分散し、擬似輪郭ノイズ発生を抑える処理である。画素値入れ換え部307は、上記図4(b)のパターンを擬似輪郭ノイズ発生パターンとして検出した場合、図4(c)のように、x座標が11と18、13と16の点灯パターンを入れ換える。これにより、滑らかに推移していたサブフレーム7とサブフレーム8が乱され、上位サブフレームの点灯と非点灯が繰り返され、擬似輪郭ノイズ発生の主要因を分散させる事が可能となり、擬似輪郭ノイズの低減が実現される。また、画素値入れ換え部307による処理は、点灯パターンの入れ換え処理であるため、処理領域内での平均輝度値は保存される。
【0030】
本実施例では擬似輪郭ノイズ発生パターンの検出幅と画素値入れ換え処理幅は同一とした。擬似輪郭ノイズ発生パターンの検出幅に対し、画素値入れ換え処理幅が大きい場合、擬似輪郭ノイズの発生しないパターンに処理を施す場合が生じてしまう。また、擬似輪郭ノイズ発生パターンの検出幅に対し、画素値入れ換え処理幅が小さい場合、画素値入れ換え処理による擬似輪郭ノイズ要因の分散が不十分となるため、擬似輪郭ノイズ低減されない。よって、擬似輪郭ノイズ発生パターンの検出幅と画素値入れ換え処理幅は同一とすることで、上記問題を解決可能である。
【0031】
図6(b)に、本実施例における画素値入れ換え処理による擬似輪郭ノイズ低減処理を施した結果を示す。図6(b)において、三角は静止画状態の輝度値、四角は10[画素/フレーム]で動いたときに視認される輝度値、三角は四角で視認される輝度値を隣接画素間で平均化した輝度値を表している。擬似輪郭ノイズ発生後の輝度値および、隣接画素と平均した結果を見ると、擬似輪郭ノイズ低減処理を施していない図6(a)と比較し、x座標0から15にかけて緩やかに輝度が上昇している。また、元画像との輝度差も図6(a)と比較して小さくなっている。よって、急峻な輝度変化や、複数画素に渡って元画像との大きな輝度差が続く状況が減少し、擬似輪郭ノイズとして視認されず、滑らかな階調増加が再現され、高画質な画像が視認される。
【0032】
以上のように、滑らかに階調が増加或いは減少する領域において、点灯しているサブフレームの中で最大の重みを有する点灯パターンが桁上げ或いは桁下げを含むように推移するパターンを擬似輪郭ノイズ発生要因として検出し、これに画素値入れ換え処理を施す事で擬似輪郭ノイズを低減する事が可能である。しかし、上述される条件では画像の動き量が10[画素/フレーム]、パターン検出幅及び入れ換え処理幅が10画素である場合を示しているが、動画像は動き量が一定ではなく、パターン検出幅及び入れ換え処理幅より大きな動き量を示す場合や、小さな動き量を示す場合が存在する。このような場合、擬似輪郭ノイズ低減処理を施していない部分を人間の視覚が参照するため、擬似輪郭ノイズを視認してしまい、画質劣化が生じる。よって、擬似輪郭ノイズ低減を成すためには、動き量とパターン検出幅及び入れ換え処理の幅の関係を明確にし、処理を適用すべき条件を限定する必要がある。動き量とパターン検出幅及び入れ換え処理幅の関係は以下の3つ場合が想定される。(1)動き量=パターン検出幅及び入れ換え処理幅、(2)動き量<パターン検出幅及び入れ換え処理幅、(3)動き量>パターン検出幅及び入れ換え処理幅。
【0033】
上記3つの場合において、これを以下、図6、図7、図8、図9を用いて、動き量とパターン検出幅及び入れ換え処理幅の関係を説明する。
【0034】
まず、(1)について、図6(b)を用いて説明する。図6(b)は、動き量が10[画素/フレーム]、パターン検出幅及び入れ換え処理幅を10とした場合であり、動き量と検出幅が等しい場合において視認される輝度値を示している。上記の通り、図6(b)は図6(a)と比較し、視認される輝度値の変化が緩やかで、元画像信号との大きな輝度差が続く状況が減少しているため、擬似輪郭ノイズとして視認されずに、高画質な画像が得られる。よって、動き量と検出幅の関係として、同等である場合、擬似輪郭ノイズ低減が実現される。よって、(1)の場合においては擬似輪郭ノイズ低減される。
【0035】
次に、(3)について、図7(a)、図9を用いて説明する。
図7(a)は動き量を10[画素/フレーム]、パターン検出幅及び入れ換え処理幅を6画素とした場合であり、動き量が検出幅より大きい場合において視認される輝度値を示している。図7(a)はx座標3から12にかけて、視認される輝度が急峻に変化し、x座標13から15までは元画像の輝度と視認される輝度値の差が大きい。図7(a)の結果を図6(b)と比較すると、視認される輝度の上昇が急峻であり、元画像との輝度差が大きくなる期間も長いため、図7(a)は擬似輪郭ノイズが認識され、画質劣化が発生する。
【0036】
図9は動き量を14[画素/フレーム] 、パターン検出幅及び入れ換え処理幅検出範囲を10画素とした結果を示している。図9(a)は擬似輪郭ノイズ低減処理を施す前において視認される輝度値を表している。x座標0から7にかけて、視認される輝度値が急峻に上昇しており、x座標8から15にかけて元画像との輝度差が最大となる。図9(b)は擬似輪郭ノイズ低減処理を施した結果であり、x座標0から12にかけて緩やかに輝度上昇しているが、元画像と視認される輝度差が最大となる期間がx座標13から15の間に存在する。よって、擬似輪郭ノイズとして視認されるため、動き量に応じて画質が変化する。
【0037】
以上より、(3)の条件下では、図7(a)に示される動き量のみならず図9における動き量に対しても、擬似輪郭ノイズが発生する。よって、(3)の場合においては、擬似輪郭ノイズが発生し、画質が劣化する。
【0038】
次に、(2)について、図7(b)、図8を用いて説明する。
図7(b)は、動き量を10[画素/フレーム]、パターン検出幅及び入れ換え処理幅を14画素とし、動き量に対してパターン検出幅及び入れ換え処理幅が大きい場合において、擬似輪郭ノイズ低減処理を施した結果を図7(b)に示す。図7(b)はx座標0から16にかけて、視認される輝度が緩やかに上昇している。元画像と視認される輝度差が大きくなる期間も無い。よって、擬似輪郭ノイズとして認識され難く、擬似輪郭ノイズ低減が成される。このため、動き量に対してパターン検出幅及び入れ換え処理幅が大きい場合、擬似輪郭ノイズが発生せず、画像の動き量に応じて画質が変化せず、高画質な映像を得ることが可能である。
【0039】
図8は検出範囲を10画素と固定し、動き量を6[画素/フレーム] の輝度推移を示した図であり、図8(a)は擬似輪郭ノイズ低減処理を施す前において視認される輝度値を表している。x座標8から12にかけて、視認される輝度値が急峻に上昇しており、x座標13から15にかけて元画像との輝度差が大きくなっている。図8(b)は擬似輪郭ノイズ低減処理を施した結果であり、x座標4から16にかけて緩やかに輝度上昇しており、元画像と視認される輝度差が最大となる期間も無い。
よって、擬似輪郭ノイズとして認識され難く、擬似輪郭ノイズ低減が成されるため、動き量が変化した場合においても、動き量に対してパターン検出幅及び入れ換え処理幅は同等またはそれ以上の大きさで設定する事で、動き量に応じて画質変化が変化せず、高画質な映像を得ることが可能である。
【0040】
以上より、(2)の条件下では、図7(b)に示される動き量のみならず図8における動き量に対しても、擬似輪郭ノイズ処理による擬似輪郭ノイズ低減効果があり、擬似輪郭ノイズ低減を実現できる。
【0041】
上記結果より、(1)動き量と擬似輪郭ノイズ低減処理を施す範囲は動き量と同一、もしくは(2)動き量より大きい範囲で擬似輪郭ノイズ低減処理を施す事が有効であり、(3) 動き量より小さい範囲で擬似輪郭ノイズ低減処理を施す事に関しては、擬似輪郭ノイズ低減が図れず、画質劣化が生じてしまう。そこで、本発明では(1)、(2)を擬似輪郭ノイズ低減処理において、動き量によって擬似輪郭ノイズ低減処理の幅を制御する際の条件とする。
【0042】
本実施例では、動き量検出部305で元画像の動き量を検出し、検出結果に応じて、擬似輪郭ノイズ低減処理を施すべき処理幅をパターン検出幅算出部308で決定している。パターン検出幅算出部308では、上記画像の動きと検出幅の関係より、動き量より大きい幅を指定するものである。本実施例では上記に説明されるように(1)、(2)の条件を含むようにパターン検出処理部308において設定を行うものとする。
【0043】
以上のように、本実施例では、元画像信号の動き量の検出結果を用いて、元画像信号の動き量に応じて、擬似輪郭ノイズ要因の検出及び補正を行う領域の幅を制御することが可能となり、擬似輪郭ノイズ低減処理が実現され、動き量に応じた画質変化を低減可能とする。
【0044】
図4(a)では、検出範囲を4画素とした場合を示したが、これに限定されない。また、図4において、検出される点灯パターンは、発光しているサブフレームの中で最大の重みを有するサブフレーム以外が全て発光している場合を例示したが、これに限定されず、重みの小さいサブフレームが非点灯の場合であっても、最大の重みを有するサブフレームの桁上げ或いは桁下げを擬似輪郭ノイズ発生パターンとして検出する。また、最大のサブフレームの点灯或いは非点灯だけでなく、表示階調に対応して発光しているサブフレームの中で最大の重みを有するサブフレームの次に重みの大きいサブフレームの桁上げ或いは桁下げに着目してもよい。例えば、図4(a)の408において、表示階調に対応して発光しているサブフレームの中で最大の重みを有するサブフレームは同一であるが、次に重みの大きいサブフレームはx座標36、37では点灯しているが、x座標38、39は非点灯である。上記最大のサブフレームの点灯或いは非点灯だけでなく、表示階調に対応して発光しているサブフレームの中で最大の重みを有するサブフレームの次に重みの大きいサブフレームの桁上げ或いは桁下げにも着目した場合は408に示すようなパターンを擬似輪郭ノイズ発生パターンとして検出する。
【0045】
以上の実施例での画素入れ換え方法として、図4(b)を図4(c)の状態になるように画素値を入れ換える際に、画素14と画素15を中心にその前後の画素2つを一組として入れ換えを行う入れ換え処理について説明した。具体的には画素13と画素16を入れ換え、画素12と画素17を入れ換える。このように中心の2個の画素から等距離の2つの画素を一組を一組として入れ換える。そして、検出した動き量に基づく画素値入れ換え幅に含まれる全ての画素に対してこの入れ換え処理を行う。
【0046】
しかし、本発明は上記した入れ換え方法に限るものではなく、例えば図5(b)に示すように、入れ換え幅の全域において入れ換える画素同士の間隔を一定とする入れ換え方法も適用可能である。その際、入れ換える画素同士の間隔は任意であるが、図5(b)に示すように検出した動き量に基づく図5(a)に示す検出範囲の半分とすることが望ましい。このような画素入れ換えを行うことにより、入れ換える画素間の幅が画素の組合せごとにばらつくことが少なく、画質劣化を最小限に止めることができる。
【0047】
更には、2つの隣り合う桁上げ桁下げ箇所が非常に近接しており、動き量検出部の検出結果から算出した2つの画素値入れ換え幅が一部重複する場合には、それぞれの画素値入れ換え幅を一体として、全域において画素値入れ換えを行うようにしても良い。こうした場合においても、動き量検出部によって検出された動き量よりも画素値入れ換え幅が狭くなることはないために、擬似輪郭ノイズ低減効果を得ることができる。
【0048】
(実施例2)次に、本発明の第2の実施例に関して、図10を用いて説明する。図10(a)は、第2の実施例での画像処理回路200の処理の概要図を示す。また図10(b)は、フレーム番号判定部901と、フレーム番号判定部901によって制御される擬似輪郭ノイズ低減処理部902の処理を示すブロック図である。
【0049】
まず、元画像信号S301がフレーム番号判定部901に入力される。フレーム番号判定部901は、元画像信号のフレーム番号を判定し、判定結果を信号S901として出力する。S901は画素値入れ換え部903に入力され、画素値入れ換え部903はS901に応じて点灯パターンの入れ換え方法を変える。上記フレーム番号によって処理を変更する方式により、例えば偶数と奇数フレームにおいて処理を変更する場合であれば、nフレーム目の画像とn+1フレーム目の画像に対して異なる処理を施す事が可能となり、空間方向だけでなく、時間方向においてもノイズ低減処理を施す事が可能となり、同一のパターンが複数フレームにわたり並ぶ事で発生する画質劣化の低減が実現される。
【0050】
図11、12を用いて、画素値入れ換え部902を説明する。図11(a)は注目画素に対し検出範囲が10画素である場合、点灯パターンの発光しているサブフレームの中で、最大の重みを有するサブフレームが桁上げ/桁下げを含み滑らかに推移する場合を擬似輪郭ノイズ発生箇所として検出している。
【0051】
図11(b)は図11(a)で検出されたパターンに擬似輪郭ノイズ低減処理を施す際、フレーム番号が偶数であった場合の処理結果である。一方、図11(c)は図11(a)で検出されたパターンに擬似輪郭ノイズ低減処理を施す際、フレーム番号が奇数であった場合の処理結果である。点灯パターンの入れ換え作業後に、最大の点灯パターンの推移が図11(b)と図11(c)で重ならないように設定される。
【0052】
次に図12を用いて、本実施例の処理の効果を説明する。図12(a)は図11(b)が右方向に10[画素/フレーム]で移動した時に視認される輝度値を複数フレームで平均した輝度値である。x座標1から14までに輝度値が推移しているが、その増加傾向は一定ではなく、輝度値が増加/減少しながら上昇している。ここで、図12(a)は第1の実施例に相当する処理の結果を表しており、上述の通り、擬似輪郭ノイズ発生パターンを検出し、これを画素値入れ換え処理によって空間的に分散しているため、空間方向のノイズ低減が実現されているが、時間方向への分散処理は施されていないため、時間方向における滑らかな階調表現が実現されない。
【0053】
一方、図12(b)は図11(b)と図11(c)に示す処理を時間軸上連続したフレーム1とフレーム2に応じて交互に適用した場合において、右方向に10[画素/フレーム]の速度で動いた時に視認される輝度値を複数フレームで平均した輝度値である。図12(a)では視認される輝度値が上下に推移しており、滑らかな変化ではないが、図12(b)は視認される輝度値が滑らかに推移している。このように、時間軸上連続したフレームに応じて画素値入れ換え部902を制御する事で、滑らかな階調表現が可能となる。
【0054】
以上のように、時間軸上連続したフレーム毎に処理を変化させる事で、全フレームに対して同一の入れ換え処理を適用した際に、時間方向に同一の階調が複数フレーム並ぶ事で発生するノイズを低減することが出来るため、空間方向だけでなく時間方向のノイズ低減を実施され、高画質な画像を得る。
【0055】
本実施例では、フレーム番号処理部901において、フレーム番号を偶数、奇数の何れかを判定し、これに応じて画素値入れ換え部903において、画素値入れ換え方向を変更し、偶数フレーム、奇数フレームでその点灯パターンの推移が重ならないように設定する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、4フレームや8フレームを周期として画素値の入れ換え方を順次変更させる処理も適用可能であることは明らかである。
【0056】
(実施例3)次に、本発明の第3の実施例に関して、図13を用いて説明する。図13(a)に本実施例の処理概要図を示す。
【0057】
図13(b)は図13(a)における表示負荷率算出部1201及び、該表示負荷率算出部1201によって制御される擬似輪郭ノイズ低減処理部1202の処理の構成を示している。
入力される画像信号S201は表示負荷率算出部1201に入力され、表示負荷率を算出する。表示負荷率は下記の(数1)によって算出される。
【0058】
【数1】

【0059】
(数1)においてR、G、Bはそれぞれ座標(x,y)における各色成分の輝度値を表しており、各輝度値は0-255の値を有する場合を示しており、M、Nはそれぞれx方向の画素の総数、y方向の画素の総数を表している。
【0060】
算出された表示負荷率は信号S1201として桁上げ或いは桁下げ検出部1203に入力される。桁上げ或いは桁下げ検出部1203は入力信号S303から擬似輪郭ノイズ発生パターンを検出するが、本実施例では、擬似輪郭ノイズ発生パターンを特定する際に信号S1201に応じて、検出対象とするサブフレームを制御する。具体的には、表示負荷率が高い時は重みの大きいサブフレームのみを対象とし、表示負荷率が低い時は重みの大きいサブフレームから小さいサブフレームまでを処理対象とする。つまり、図4(a)において401から407で示される擬似輪郭ノイズ発生要因を、表示負荷率が高いときは406と407を桁上げ/桁下げ検出部1203で検出する対象とし、表示負荷率が低いときは403から407を桁上げ/桁下げ検出部1203で検出する対象とする処理である。
【0061】
ここで、表示負荷率と擬似輪郭ノイズ発生について説明する。PDPでは、表示負荷率に応じてサステインサイクル数が変化する。表示負荷率が高くなるにつれ、各サブフレームに投入されるサステインサイクル数が減少し、表示輝度が低下する。同一の階調値を表示している場合であっても、表示負荷率が異なることで、割り当てられるサステインサイクル数が異なるため、表示輝度値が変化する。
【0062】
また、人間の視覚は輝度が低下するとコントラスト感度も低下する。従って、表示負荷率が高い場合においては表示輝度が下がり、コントラスト感度も低下するため、表示負荷率が低い場合に視認されていた擬似輪郭ノイズが、表示負荷率が高い際には視認されない場合が存在する。このため、図4(a)に示すような擬似輪郭ノイズ発生要因であっても、元画像信号の表示負荷率によっては擬似輪郭ノイズが発生しないため、擬似輪郭ノイズが発生しない箇所にノイズ低減処理を施す事で画質が変化する可能性が存在する。よって、元画像信号の表示負荷率に応じて、擬似輪郭ノイズ低減処理を制御する事で、擬似輪郭ノイズとして視認される輝度差を示すサブフレームの桁上げ或いは桁下げのパターンのみを擬似輪郭ノイズ低減処理の処理対象として指定する事が可能となる。
【0063】
具体的には、表示負荷率が低い場合、各サブフレームに投入可能なサステインサイクル数が増加するため、輝度が上昇しコントラスト感度も上がるため、図4(a)で401から407で示される擬似輪郭ノイズ発生要因の中で、403から407を処理対象とする。すなわち、重みの小さいサブフレームから重みの大きいサブフレームまでを処理対象として指定する。
一方、表示負荷率が高い場合、各サブフレームに投入可能なサステインサイクル数が減少するため、輝度が低下する。輝度が低下すると、コントラスト感度も低下するため、図4(a) 401から407で示される擬似輪郭ノイズ発生要因の中で、406から407を処理対象とする。すなわち、コントラスト感度低下により重みの小さいサブフレームにおける擬似輪郭ノイズ発生が視認することができないため、これを処理対象としない処理である。
【0064】
以上のように、入力画像の表示負荷率を算出し、該負荷率を用いて処理対象とするサブフレームを変化させることによって、擬似輪郭ノイズとして知覚されるサブフレームの推移のみを擬似輪郭ノイズ低減処理を施す検出対象パターンとして指定する事が可能となり、擬似輪郭ノイズ低減処理をその発生要因にのみ施す事が可能となり、高画質な映像を得る。
【0065】
上記処理では、表示負荷率が高い場合に406と407を処理対象とし、表示負荷率が低い場合に403と407を処理対象としたが、これに限らず、例えば、表示負荷率が高い場合に405と406を処理対象として指定する事も可能である。また、表示すべきパネルによって、表示負荷率と輝度値の関係は変わるため、これに応じて、処理対象を変えることも可能である。
【0066】
以上に記載した第3の実施例では、表示負荷率に基づいた処理を行ったが、これに限定せず、表示輝度と関係のある指標を用いればよい。例えば、平均輝度レベルや元画像のヒストグラム等に基づいて桁上げ/桁下げ検出部を制御してもよい。
【0067】
本発明では、第1、第2、第3の実施例により擬似輪郭ノイズ低減処理を提供するものであるが、各処理は個別の実施に限定されるものではなく、各処理を組み合わせても良い。第1、第2の実施例を組み合わせた場合、動き量検出結果に応じて、擬似輪郭ノイズの発生要因パターンの検出幅及び、画素入れ換えによる擬似輪郭ノイズ低減処理の幅を適切に設定でき、第2の実施例により、画素入れ換え処理部をフレームに応じて切り替える事が可能となり、空間方向だけでなく時間方向のノイズ低減も実現される。従って、第1の実施例と第2の実施例を組み合わせる事で、個別の実施より好適に擬似輪郭ノイズ低減を実現できる。
【0068】
次に、第1の実施例と第3の実施例を組み合わせて実施した場合について述べる。第1の実施例では、動き量検出結果に応じて、擬似輪郭ノイズ発生要因の検出幅及び、画素入れ換えを実施する幅を適切に設定可能となる。第3の実施例は元画像の表示負荷率に応じて、擬似輪郭ノイズ低減処理を施すべきサブフレームを限定する事が出来る。従って、第1の実施例と第3の実施例を組み合わせる事で、元画像において、擬似輪郭ノイズ発生要因のみを処理対象として指定可能となり、これに対し、最適な処理幅によって、擬似輪郭ノイズ低減処理を実施可能となる。よって、第1の実施例と第3の実施例を組み合わせる事で、個別の実施よりも好適に擬似輪郭ノイズ低減を実現できる。
【0069】
また、第2の実施例と第3の実施例を組み合わせて実施した場合は、第3の実施例により、擬似輪郭ノイズが発生するサブフレームの桁上げ或いは桁下げのみを処理可能となり、第2の実施例により、フレーム毎に異なる画素入れ換え処理を施すため、空間方向のみならず、時間方向のノイズ低減を実現する事が出来、個別の実施よりも好適に擬似輪郭ノイズ低減を実現できる。
【0070】
さらに、第1、第2、第3の実施例を組み合わせる事も可能である。3つの実施例を組み合わせる事で、元画像の動きに合わせて最適な検出幅を設定可能となり、元画像の表示負荷率によって、擬似輪郭ノイズの発生するサブフレームのみを処理対象として指定可能となり、フレーム毎に画素入れ換え処理を変更することで空間方向のみならず、時間方向のノイズ低減が実現され、個別の実施よりも好適に擬似輪郭ノイズ低減を実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、テレビジョン用のプラズマ表示モジュールなどに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】サブフレーム法による階調表現方法と擬似輪郭ノイズ発生の説明図である。
【図2】本発明に係る表示装置であるPDP装置を示す概略図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る画像処理を説明するためのブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る擬似輪郭ノイズ低減処理を説明するパターン図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る画素入れ換え処理の他の例を示すパターン図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る第1の条件での視線移動によって視認される輝度値を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施例に係る第2の条件での視線移動によって視認される輝度値を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施例に係る第3の条件での視線移動によって視認される輝度値を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施例に係る第4の条件での視線移動によって視認される輝度値を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施例に係る画像処理を説明するためのブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施例に係る擬似輪郭ノイズ低減処理を説明するパターン図である。
【図12】本発明の第2の実施例に係るフレーム毎の処理による改善を説明する、視線移動によって視認される輝度値を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施例に係る画像処理を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
【0073】
200 画像処理回路
301 量子化部
302 誤差拡散部
303 擬似輪郭ノイズ低減処理部
305 動き量検出部
306 桁上げ/桁下げ検出部
308 パターン検出幅算出部
307 画素値入れ換え部
901 フレーム番号判定部
1201 表示負荷率算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1フレームを輝度の重みが異なる複数のサブフレームで構成し、サブフレームの輝度の組合せにより階調を表示する表示装置であって、
表示すべき入力画像の動き量を検出する動き量検出部と、
隣接する画素間において点灯するサブフレームの中で少なくとも最大の輝度の重みを有するサブフレームの点灯の桁上げ箇所又は桁下げ箇所を検出する桁上げ桁下げ検出部と、
前記桁上げ桁下げ検出部によって検出された前記桁上げ桁下げ箇所の前後複数の画素間で画素値を入れ換える画素値入れ換え部とを有し、
前記動き量に応じて、前記画素値を入れ換える画素間の画素値入れ換え幅を制御するように構成することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記桁上げ桁下げ検出部は、隣接する画素間において点灯するサブフレームの中で最大の輝度の重みを有するサブフレームと二番目に大きい輝度の重みを有するサブフレームの双方が同時に桁上げ箇所又は桁下げ箇所を検出する箇所を検出する検出部であることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記桁上げ箇所又は桁下げ箇所を検出するための検出幅は、前記表示すべき入力画像の動き量が第一の閾値より大きい場合に第一の検出幅において桁上げ桁下げの検出を行い、
前記第一の閾値より小さい場合に、前記第一の検出幅よりも狭い第二の検出幅において桁上げ桁下げの検出を行うことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記桁上げ箇所又は桁下げ箇所を検出するための検出幅は、検出された前記動き量に対応する動き幅に対して同等または広くすることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の表示装置であって、
前記画素値入れ換え幅は前記検出幅と同一であることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記画素値入れ換え部は、前記画素値入れ換え幅に含まれる複数の画素間で、輝度を分散させるように画素値を入れ換えることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記画素値入れ換え部は、前記画素値入れ換え幅に含まれる複数の画素の複数のサブフレームの点灯サブフレーム数の和を一定に保ったままで、画素値入れ換えを行うことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記画素値入れ換え部は、時間軸上で連続する複数のフレームにおいて、画素値入れ換えを行う画素をフレーム毎に異ならせることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記画素値入れ換え部は、時間軸上で連続する第一及び第二のフレームとで画素値入れ換えを行う画素を異ならせることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
1フレームを輝度の重みが異なる複数のサブフレームで構成し、サブフレームの輝度の組合せにより階調を表示する表示装置であって、
入力画像信号に基づいて表示負荷率を算出する表示負荷率算出部と、
隣接する画素間において点灯するサブフレームの中で少なくとも最大の重みを有するサブフレームの点灯の桁上げ箇所又は桁下げ箇所を検出する桁上げ桁下げ検出部と、
前記桁上げ桁下げ検出部によって検出された前記桁上げ桁下げ箇所の前後複数の画素同士を分散させるように画素値を入れ換える画素値入れ換え部とを有し、
前記表示負荷率算出部によって算出された表示負荷率に基づいて、前記桁上げ桁下げ検出部での検出対象とするサブフレーム数を制御することを特徴とする表示装置。
【請求項11】
請求項10に記載の表示装置であって、
前記桁上げ桁下げ検出部は、前記表示負荷率が第一の閾地より高い場合に、隣接する画素間において点灯するサブフレームの中で最大の重みを有するサブフレームを対象として前記桁上げ箇所又は桁下げ箇所を検出し、
前記表示負荷率が第一の閾値より低い場合に、隣接する画素間において点灯するサブフレームの中で最大の重みを有するサブフレームと隣接する画素間において点灯するサブフレームの中で2番目に大きい重みを有するサブフレームの双方を対象として前記桁上げ箇所又は桁下げ箇所の検出を行うことを特徴とする表示装置。
【請求項12】
請求項10乃至請求項11の何れか一項に記載の表示装置であって、
前記入力画像信号の動き量を検出する動き量検出部を有し、
前記動き量に応じて、前記画素値を入れ換える画素間の画素値入れ換え幅を制御するようにしたことを特徴とする表示装置。
【請求項13】
1フレームを輝度の重みが異なる複数のサブフレームで構成し、サブフレームの輝度の組合せにより階調を表示する表示装置であって、
入力画像信号の表示輝度の平均値が第一の閾値より低い場合に、隣接する画素間において点灯するサブフレームの中で最大の重みを有するサブフレームを対象として当該サブフレームの点灯の桁上げ箇所又は桁下げ箇所を検出し、前記表示輝度の平均値が第一の閾値より高い場合に、隣接する画素間において点灯するサブフレームの中で最大の輝度の重みを有するサブフレームと、2番目に大きい輝度の重みを有するサブフレームの双方を対象として当該サブフレームの点灯の桁上げ箇所又は桁下げ箇所を検出する桁上げ桁下げ検出部と、
前記桁上げ桁下げ検出部によって検出された前記桁上げ桁下げ箇所の前後複数の画素間で画素値を入れ換える画素値入れ換え部とを有することを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−134304(P2010−134304A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311715(P2008−311715)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(599132708)日立プラズマディスプレイ株式会社 (328)
【Fターム(参考)】