説明

表示装置

【課題】MEMSを用いてファインダの全面に情報を表示し、かつカメラを小型になしうるファインダ内表示装置を得る。
【解決手段】ペンタプリズム12の左側面12hには、第3の補助プリズム71が取り付けられる。第3の補助プリズム71は、直角三角形の底面を有する略三角柱形状であって、ペンタプリズム12と同じ密度を有する材料から成る。第3の補助プリズム71が有する3つの長方形の側面のうち、底面の最も長い辺と接する第5の側面72は、左側面12hに密着する。底面の2番目に長い辺と接する第6の側面73に光走査部材110が取り付けられる。光走査部材110は、第6の側面73に向けてレーザ光を照射する。レーザ光は第6の側面73、第5の側面72、左側面12hを通過してペンタプリズム12に入射する。そして、第1のダハ面12bで反射された後、入射面12aを透過して結像板120上に照射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラのファインダ内に情報を表示するために用いられるファインダ内表示装置に関し、より詳しくは、光走査部材を用いて情報を表示するファインダ内表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光走査部材、例えば微小機械システム(MEMS)を用いて、光路上のピント板、つまり結像板に情報を表示するファインダ内表示装置が知られている。MEMSは結像板の光入射面に光を走査して、結像板に情報を表示する。ユーザはこれを観察して様々な情報を認識する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−259078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
MEMSは、印加電圧及び電圧の周波数に従って一以上の方向に振動する装置であり、振幅が限定されている。MEMSの振幅が小さい場合、ファインダの全面に渡って表示を行うことが出来なくなる恐れがある。さらに、可搬性が求められるカメラは小型でなければならない。
【0005】
本発明は、これらの問題を鑑みてなされたものであり、MEMSを用いてファインダの全面に情報を表示し、かつカメラを小型になしうるファインダ内表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明による表示装置は、撮像装置のファインダー内に情報を表示する表示装置であって、対物光学系から接眼光学系までの光路上に設けられ、対物光学系から入射した被写体像が出射する光出射面を有する結像板と、被写体像を反射する反射面を有し、結像板と接眼光学系との間であって結像板の光出射面に設けられ、光出射面から出射した被写体像を接眼光学系に導く反射部材と、反射面に向けて光を照射する光走査部材とを備え、光走査部材が照射した光は、反射面により反射されて結像板の光出射面に走査されることを特徴とする。
【0007】
結像板は、ユーザにより視認されうる光が通過する有効面を有し、表示装置は、結像板の有効面外に設けられて光走査部材からの光を受光可能である光検知部材とを備え、光走査部材は、光検知部材が受光した光の位置に応じて光を走査することが好ましい。
【0008】
光走査部材は、微小機械システム、すなわちMEMSが好適である。
【0009】
反射部材はペンタプリズムが好適である。
【0010】
反射部材はペンタミラーであってもよい。
【0011】
ペンタプリズムは、被写体像が通過する光路に対して平行な側面を備え、反射面は、ペンタプリズムのダハ面であって、光走査部材は側面に設けられ、ダハ面に向けて光を照射することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明によれば、MEMSを用いてファインダの全面に情報を表示し、かつカメラを小型になしうるファインダ内表示装置を得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態におけるSLRカメラを、その光軸を通る平面で切断して示した断面図である。
【図2】ペンタプリズムとファインダ光学系とを示した斜視図である。
【図3】第1の表示装置とペンタプリズムとを、SLRカメラの光路を通る平面で切断して示した断面図である。
【図4】ペンタプリズム側から結像板を見た図である。
【図5】可動ミラー(MEMS)の振動特性を示したグラフである。
【図6】第1の表示装置の制御装置のブロック図である。
【図7】レーザ光照射位置の時間変化及びフォトデテクタが出力したアナログ信号の時間変化を示した図である。
【図8】第1の制御処理を示したフローチャートである。
【図9】第2の制御処理を示したフローチャートである。
【図10】ペンタプリズム側から第2の実施形態による結像板を見た図である。
【図11】レーザ光照射位置の時間変化及びフォトデテクタが出力したアナログ信号の時間変化を示した図である。
【図12】第3の制御処理を示したフローチャートである。
【図13】第4の制御処理を示したフローチャートである。
【図14】第3の表示装置とペンタプリズムとを、SLRカメラの光路を通る平面で切断して示した断面図である。
【図15】第4の表示装置とペンタプリズムとを、SLRカメラの光路を通る平面で切断して示した断面図である。
【図16】第5の表示装置とペンタプリズムとを、SLRカメラの光路を通る平面で切断して示した断面図である。
【図17】第6の表示装置とペンタプリズムとを、SLRカメラの光路を通る平面で切断して示した断面図である。
【図18】第7の表示装置とペンタプリズムとを、SLRカメラの光路を通る平面で切断して示した断面図である。
【図19】第8の表示装置とペンタプリズムとを、SLRカメラの光路を通る平面で切断して示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の第1の実施形態による第1の表示装置100について図を用いて説明する。
【0015】
第1の表示装置100が取り付けられたSLRカメラ10を図1及び2に示す。図2では、説明のため第1の表示装置100が省略される。SLRカメラ10の前面には撮像レンズ20が取り付けられ、SLRカメラ10の内部には、結像板120、ペンタプリズム12が設けられる。以下、説明のため、撮像レンズ20の光軸Oと平行な方向をZ方向(あるいはZ軸)、Z方向と直交する方向をX方向(X軸)、Z方向およびX方向に夫々直交する方向をY方向(Y軸)とする。SLRカメラ10が図1に示す正立横位置姿勢状態にある場合、Y方向は重力方向と平行な方向である。Z軸正方向は撮像レンズ200から被写体像に向けた方向であり、Y軸正方向は重力方向に対して反対方向である。そして、ユーザが被写体に向けてカメラを保持したとき、ユーザから見て右方向(SLRカメラ10を背面側から見て右方向)をX軸正方向とする。
【0016】
撮像レンズ20から入射した被写体像は、ミラーボックス15内に設けられるリターンミラー11により反射されて結像板120に結像する。
【0017】
結像板120は、直方体の板状部材であって、被写体像が結像するための結像領域121を有する。結像領域121は、ユーザにより視認されうる光が通過する有効面であり、結像領域121の大きさは、長手方向が20mm、幅方向が14mmである。
【0018】
結像板120に結像した被写体像は、ペンタプリズム12により反射され、SLRカメラ10の背面上部に設けられるファインダ光学系13に導かれる。
【0019】
ユーザは、ファインダ光学系13を介して結像板120に結像した被写体像を観察する。
【0020】
ペンタプリズム12は、主に8つの面から構成される。入射面12aは、結像板120と向かい合うようにペンタプリズム12の底面に設けられ、結像板120から被写体像を受け入れる。入射面12aから入射した被写体像は、ペンタプリズム12の頂部をなす第1のダハ面12bと第2のダハ面12cにより、ペンタプリズム12の前方に向けて反射される。反射された被写体像は、ペンタプリズム12の前部に設けられる前方反射面12dにより、ペンタプリズム12の背面に向けて反射される。ペンタプリズム12の背面に射出面12eが設けられ、前方反射面12dから照射された被写体像をファインダ光学系13に向けて射出する。射出面12eは入射面12aと直角をなす。第1のダハ面12b、第2のダハ面12c、及び前方反射面12dに囲まれるように第三面12fが設けられる。また、入射面12aに対して直角をなすように右側面12g及び左側面12hが設けられる。右側面12gは、前方反射面12d、第1のダハ面12b、及び射出面12eと交わり、左側面12hは、前方反射面12d、第2のダハ面12c、及び射出面12eと交わる。第1のダハ面12bと第2のダハ面12cとの交線は、稜線12iを成す。
【0021】
ユーザが図示しないシャッターレリーズボタンを半押しすると、SLRカメラ10は測光動作、及びオートフォーカス動作を行う。これにより、シャッタースピード、絞り値、及びその他の撮影条件が決定され、撮像レンズ20のピントが被写体に合焦される。
【0022】
ユーザがシャッターレリーズボタンを全押しすると、SLRカメラ10はリターンミラー11を挙げ、撮像素子14に被写体像を導く。撮像素子14は被写体像を電気信号に変換して出力する。電気信号は画像処理等が施され、画像ファイルとして記録媒体に保存される。
【0023】
次に、第1の表示装置100について図3から5を用いて説明する。図4は、ペンタプリズム12側から結像板120を見た図であり、Z軸負方向にファインダ光学系13が、Y軸負方向にリターンミラー11が各々設けられている。第1の表示装置100はペンタプリズム12の周囲に設けられる。
【0024】
結像板120に結像する像とユーザがファインダ光学系を介して観察する像との関係について説明する。結像板120に結像する像のZ軸正方向は観察像においてはY軸性方向となる結像板120に結像する像のX軸正方向は観察像においてはX軸負方向となる。すなわち、ユーザがファインダ光学系13を介して結像板120を観察すると、結像板120に結像する像に関して、図4におけるZ軸正方向は図1のY軸正方向に相当する。
【0025】
第1の表示装置100は、光走査部材110と、結像板120と、結像板120に取り付けられる第1のX方向光検知部材140及び第1のZ方向光検知部材150とから主に構成される。
【0026】
結像領域121の外であって結像板120のX軸正方向に第1のX方向光検知部材140が取り付けられる。第1のX方向光検知部材140は、第1から第9のX方向フォトデテクタPDx00、PDx01、PDx02、PDx10、PDx11、PDx12、PDx20、PDx21、PDx22から成る。これらのX方向フォトデテクタは、X軸及びZ軸の負方向から正方向に向けて第1から第9の順に並べられ、3行3列の正方行列を形成する。
【0027】
結像領域121の外であって結像板120のZ軸負方向に第1のZ方向光検知部材150が取り付けられる。第1のZ方向光検知部材150は、第1から第9のZ方向フォトデテクタPDz00、PDz01、PDz02、PDz10、PDz11、PDz12、PDz20、PDz21、PDz22から成る。これらのZ方向フォトデテクタは、X軸の負方向から正方向に向けて、かつZ軸の正方向から負方向に向けて、第1から第9の順に並べられ、3行3列の正方行列を形成する。各X方向及びZ方向フォトデテクタは、光を受光すると信号を発する。
【0028】
光走査部材110は、レーザダイオード光源111、コリメートレンズ113、及び可動ミラー112とから主に構成される。レーザダイオード光源111は、コリメートレンズ113に向けてレーザ光を照射する。コリメートレンズ113はレーザ光を略コリメートして可動ミラーに照射する。可動ミラー112は、2つの軸周りに揺動自在であって、レーザ光を結像板120に向けて反射する。可動ミラー112の揺動が停止しているとき、すなわち後述する交流信号が可動ミラー112に印可されていないとき、光走査部材110が基準位置にあるという。光走査部材110が基準位置にあるとき、レーザ光は結像領域121の中心Oに反射される。結像領域121上におけるレーザ光の直径(スポット径)が30μmとなるようなレーザダイオード光源111とコリメートレンズ113が選択され、スポット径が調整される。可動ミラー112はMEMSにより構成される。結像板120のX軸方向における可動ミラー112の揺動角度は23.9degであり、結像板120のZ軸方向における可動ミラー112の揺動角度は17.3degである。また、光走査部材110が基準位置にあるときの光走査部材110から結像領域121の中心Oまでの距離、すなわち空気換算の光路長は、23mmである(ペンタプリズムの屈折率n=1.5とする)。
【0029】
可動ミラー112は図5に示される共振特性を有する。所定の共振周波数において最も振れ角度が大きくなる。駆動を安定させるため、制限周波数以上の周波数で駆動される。制限周波数は、低い方向にある共振周波数に向けて高い周波数から可動ミラー112の駆動周波数を変化させたとき、共振周波数まで駆動周波数が行き過ぎないようにするために設定される制限値である。また、振れ角度を安定させるため、駆動開始直後では可動ミラー112を共振周波数よりも高い初期周波数で駆動する。振れ角度が安定するまで数十ms程度の時間を必要とする。
【0030】
ペンタプリズム12の第三面12fには、第1の補助プリズム130が取り付けられる。第1の補助プリズム130は、略四角錐形状であって、ペンタプリズム12と同じ屈折率を有する材料から作成される。第1の補助プリズム130が有する4つの三角形の側面のうちの第1の側面131aは、第三面12fに密着する。第1の側面131aの裏面である第2の側面131bに、光走査部材110が取り付けられる。第2の側面131bと結像板120とが成す角度は、光走査部材110が基準位置にあるとき、レーザ光が結像領域121の中心Oに反射されるような角度である。
【0031】
光走査部材110は、可動ミラー112を揺動させることにより、結像板120上においてX軸負方向から正方向に向けて断続的にレーザ光を照射する。結像領域121のX軸最小位置から最大位置まで、レーザ光は640点の照射点を有する。レーザ光は、X軸負方向から正方向に向けて照射される間、結像領域121に表示したい情報に応じて明滅する。
【0032】
可動ミラー112により反射されたレーザ光が結像板120上においてX軸正方向最大位置まで振れると、レーザ光がX軸負方向最小位置まで戻るように可動ミラー112が揺動する。そして、前回照射したラインよりもわずかにZ軸負方向にレーザ光が照射されるように可動ミラー112が揺動した後、レーザ光をX軸負方向最小位置からX軸正方向最大位置まで照射するように可動ミラー112が再度揺動する。これをZ軸方向に480回繰り返す。すなわち、第1の表示装置100の解像度は、X軸方向に640ドット、Z軸方向に480ドットであって、VGAに相当する。
【0033】
図6を用いて第1の表示装置100の制御装置について説明する。
【0034】
制御装置は、マイコン161、発振器162、X方向反転器163、X方向正電圧アンプ164、X方向負電圧アンプ165、カウンタ166、Z方向反転器167、Z方向正電圧アンプ168、Z方向負電圧アンプ169とから主に構成される。
【0035】
マイコン161は、各フォトデテクタに接続され、光を受光したフォトデテクタから受信したアナログ信号に応じて、発振器162、Z方向正電圧アンプ168、及びZ方向負電圧アンプ169を制御する。X軸方向の振幅を制御するため周波数制御信号が発振器162に送信される。Z軸方向の振幅を制御するため電圧制御信号がZ方向正電圧アンプ168及びZ方向負電圧アンプ169に送信される。
【0036】
第1から第9のX方向フォトデテクタPDx00、PDx01、PDx02、PDx10、PDx11、PDx12、PDx20、PDx21、PDx22、及び第1から第9のZ方向フォトデテクタPDz00、PDz01、PDz02、PDz10、PDz11、PDz12、PDz20、PDz21、PDz22から受信したアナログ信号の状態を記録するための状態変数をマイコン161が備える。第1から第9のX方向フォトデテクタPDx00、PDx01、PDx02、PDx10、PDx11、PDx12、PDx20、PDx21、PDx22に対して、第1から第9のX方向状態変数Vx00、Vx01、Vx02、Vx10、Vx11、Vx12、Vx20、Vx21、Vx22が各々対応し、第1から第9のZ方向フォトデテクタPDz00、PDz01、PDz02、PDz10、PDz11、PDz12、PDz20、PDz21、PDz22に対して、第1から第9のZ方向状態変数Vz00、Vz01、Vz02、Vz10、Vz11、Vz12、Vz20、Vz21、Vz22が各々対応する。
【0037】
発振器162は、マイコン161からの周波数制御信号に応じた周波数の交流信号をX方向正電圧アンプ164、X方向反転器163、及びカウンタ166に送信する。発振器162は、VCO(電圧制御発振器)又はDDS(ダイレクト・デジタル・シンセサイザ)が用いられる。
【0038】
X方向反転器163は、受信した交流信号の位相を反転させ、反転した交流信号をX方向負電圧アンプ165に送信する。X方向正電圧アンプ164及びX方向負電圧アンプ165は、可動ミラー112を駆動するに足る電圧まで交流信号を増幅し、MEMS111が備える可動ミラー112に交流信号を送信する。
【0039】
X方向正電圧アンプ164及びX方向負電圧アンプ165からの交流信号の周波数に応じた揺動周波数で、可動ミラー112が揺動する。交流信号の周波数が上げられると、可動ミラー112の揺動周波数が上がるとともに、振幅が小さくなる。交流信号の周波数が下げられると、可動ミラー112の揺動周波数が下がるとともに、振幅が大きくなる。このようにして、可動ミラー112により反射されたレーザ光が結像板120上においてX軸正負方向に走査される。
【0040】
カウンタ166は、発振器162が発信した信号の周波数を3/4に分周する。そして、分周した信号をZ方向正電圧アンプ168及びZ方向反転器167に送信する。X方向反転器163と同様にして、Z方向反転器167は反転した交流信号をZ方向負電圧アンプ169に送信する。Z方向正電圧アンプ168及びZ方向負電圧アンプ169は、受信した交流信号の電圧、すなわち振幅をマイコン161からの電圧制御信号に応じて変化させた後、MEMS111が備える可動ミラー112に送信する。
【0041】
可動ミラー112は、Z方向正電圧アンプ168及びZ方向負電圧アンプ169からの交流信号の周波数に応じた揺動周波数と電圧に応じた振幅とにより揺動する。交流信号の振幅が上げられると、可動ミラー112の振幅が大きくなる。交流信号の振幅が下げられると、可動ミラー112の振幅が小さくなる。このようにして、可動ミラー112により反射されたレーザ光が結像板120上においてZ軸正負方向に走査される。
【0042】
X方向正電圧アンプ164、X方向負電圧アンプ165、Z方向正電圧アンプ168、及びZ方向負電圧アンプ169は、可動ミラー112に交流信号を同時に印加する。そのため、可動ミラー112により反射されたレーザ光は、結像板120上においてX軸正負方向及びZ軸正負方向に同時に振れる。すなわち、可動ミラー112は、ラスタスキャンにより結像板120上にレーザ光を走査される。
【0043】
X方向に対する駆動とZ方向に対する駆動を同時に行う場合、X方向に対する駆動において共振現象を利用した制御を行っているため、Z方向に対する駆動において駆動周波数を変更しても振幅を必要量まで大きくすることができず、共振現象を利用できない。そのため、Z方向に対する駆動では、電圧を変更することで振幅を制御する。
【0044】
図7から9を用いて、結像板120上のX軸及びZ軸方向にレーザ光を走査する第1の制御手段について説明する。
【0045】
始めに、結像板120上のX軸方向にレーザ光を走査する手段について説明する。簡単のため、第4、第5、第6のX方向フォトデテクタPDx10、PDx11、PDx12のみを用いて説明する。
【0046】
図7における最上段の曲線は、結像板120上のX軸方向におけるレーザ光照射位置の時間変化を示す。レーザ光が結像領域121を大きく超えて照射される場合、及び結像領域121内にしか照射されていない場合、結像領域121に形成される情報、たとえば文字情報や画像情報の形状が崩れ、ユーザが情報を認識できなくなる。そのため、結像領域121をわずかに外す程度の範囲でレーザ光が走査されるように、第1の制御手段が実行される。
【0047】
結像領域121を外れたレーザ光が第4のX方向フォトデテクタPDx10に入射すると、第4のX方向フォトデテクタPDx10は、アナログ信号をマイコン161に送信する。
【0048】
マイコン161は、アナログ信号を受信して、第4のX方向状態変数Vx10をONにする。
【0049】
さらに、レーザ光が第5、第6のX方向フォトデテクタPDx11、PDx12に入射すると、第5、第6のX方向フォトデテクタPDx11、PDx12は、アナログ信号をマイコン161に送信する。マイコン161はアナログ信号を受信して、第5、第6のX方向状態変数Vx11、Vx12を各々ONにする。
【0050】
次に、レーザ光がX軸正方向最大位置で折り返してX軸負方向に移動を始めると、第6のX方向フォトデテクタPDx12に入射する。レーザ光を受信した第6のX方向フォトデテクタPDx12がアナログ信号をマイコン161に送信すると、マイコン161はアナログ信号を受信して、第6のX方向状態変数Vx12をOFFにする。
【0051】
さらに、レーザ光が第5、第4のX方向フォトデテクタPDx11、PDx10に入射すると、第5、第4のX方向フォトデテクタPDx11、PDx10が、アナログ信号をマイコン161に送信する。マイコン161はアナログ信号を受信して、第5、第4のX方向状態変数Vx11、Vx10を各々OFFにする。
【0052】
レーザ光が結像領域121を外れてから再度結像領域121内に戻るまでに必要な時間は、可動ミラー112のX軸方向周期の半分、すなわち半周期より短い。
【0053】
一方、マイコン161におけるX方向状態変数がOFFの時に、レーザ光がX軸正方向最大位置から結像領域121内へ向けて移動している場合がある。このとき、各X方向フォトデテクタがレーザ光を最初に感知してから可動ミラー112の半周期以内に、レーザ光を感知しない。言い換えると、可動ミラー112の半周期以内に各X方向フォトデテクタはレーザ光を2回感知しない。そこで、マイコン161は、最初に感知したときにONにしたX方向状態変数をOFFに変更し、再度X方向フォトデテクタからのアナログ信号を待つ。
【0054】
結像板120上のX軸方向にレーザ光を走査する第1の制御処理について図8を用いて説明する。第1の制御処理は、SLRカメラ10の電源投入とともに実行され、結像領域121から第5のX方向フォトデテクタPDx11までの範囲内にレーザ光を走査するように制御を行う。
【0055】
まず、ステップS801において、初期周波数が設定される。
【0056】
次にステップS802において、可動ミラー112に交流信号が印可され、初期周波数で可動ミラー112が駆動される。
【0057】
ステップS803では、可動ミラー112の振幅が安定するまで20msの間、処理を中止する。
【0058】
そして、ステップS804では、共振周波数及び制限周波数を下回らない駆動周波数で可動ミラー112を駆動する。そして、レーザダイオード光源111がレーザ光を可動ミラー112に向けて照射する。これにより、光走査部材110からレーザ光が照射される。可動ミラー112の振幅が安定してからレーザ光を照射するため、節電できる。
【0059】
ステップS805では、第4のX方向フォトデテクタPDx10がONとなるか否かを判断する。第4のX方向フォトデテクタPDx10がONとなるとき、処理はステップS807に進む。第4のX方向フォトデテクタPDx10がONとならないときは、第4のX方向フォトデテクタPDx10までレーザ光が照射されず、レーザ光が結像領域121内のみに照射されていると判断できる。そこで、処理はステップS806に進む。
【0060】
ステップS806では、マイコン161が周波数制御信号を発振器162に送信して、発振器162が生じる交流信号の周波数を下げる。これにより、可動ミラー112の揺動周波数が下げられ、可動ミラー112の振幅が大きくなる。そして、再度ステップS805を実行する。
【0061】
他方、ステップS807では、交流信号の半周期以内に第4のX方向フォトデテクタPDx10からアナログ信号をマイコン161が受信したか否かを判断する。
【0062】
交流信号の半周期以内にアナログ信号を受信していない場合、レーザ光がX軸正方向最大位置から結像領域121内へ向けて移動していると想定される。そこで、処理はステップS805に戻り、第4のX方向状態変数Vx10をOFFに変更して、再度第4のX方向フォトデテクタPDx10からのアナログ信号を待つ。
【0063】
交流信号の半周期以内にアナログ信号を受信している場合、レーザ光がX軸正方向最大位置で折り返して結像領域121へ向けて移動していると想定される。そこで、処理はステップS808に進み、第4、第5、第6のX方向フォトデテクタPDx10、PDx11、PDx12からこれより後に受信する1回目のアナログ信号で第4、第5、第6のX方向状態変数Vx10、Vx11、Vx12をONに変更し、2回目のアナログ信号で第4、第5、第6のX方向状態変数Vx10、Vx11、Vx12をOFFに変更するように、設定を変更する。
【0064】
次のステップS809では、第4のX方向フォトデテクタPDx10がONとなるか否かを判断する。第4のX方向フォトデテクタPDx10がONとなるとき、処理はステップS810に進む。第4のX方向フォトデテクタPDx10がONとならないときは、レーザ光が第4のX方向フォトデテクタPDx10まで照射せず、レーザ光が未だ結像領域121内を照射していると判断できる。そこで、処理は再度ステップS809を実行し、レーザ光が第4のX方向フォトデテクタPDx10を照射するのを待つ。
【0065】
次のステップS810では、第5のX方向フォトデテクタPDx11がONとなるか否かを判断する。第5のX方向フォトデテクタPDx11がONとなるとき、処理はステップS813に進む。第5のX方向フォトデテクタPDx11がONとならないときは、レーザ光が第5のX方向フォトデテクタPDx11まで照射せず、レーザ光が未だ結像領域121から第4のX方向フォトデテクタPDx10までの範囲内を照射していると判断できる。そこで、処理はステップS811に移行する。
【0066】
次のステップS811では、第4のX方向フォトデテクタPDx10がOFFとなるか否かを判断する。第4のX方向フォトデテクタPDx10がOFFとなるときは、レーザ光が第5のX方向フォトデテクタPDx11まで照射せず、レーザ光が第4のX方向フォトデテクタPDx10の位置で折り返して結像領域121に戻っていると判断できる。そこで、処理はステップS812に進み、マイコン161が周波数制御信号を発振器162に送信して、発振器162が生じる交流信号の周波数を下げる。これにより、可動ミラー112の揺動周波数が下げられ、可動ミラー112の振幅が大きくなる。そして、処理はステップS809に戻る。
【0067】
他方、第4のX方向フォトデテクタPDx10がOFFとならないときは、レーザ光が未だ第5のX方向フォトデテクタPDx11まで達していないと判断できる。そこで、処理は再度ステップS810を実行し、レーザ光が第5のX方向フォトデテクタPDx11に達して照射するのを待つ。
【0068】
ステップS813では、第6のX方向フォトデテクタPDx12がONとなるか否かを判断する。第6のX方向フォトデテクタPDx12がONとなるときは、レーザ光が第6のX方向フォトデテクタPDx12まで達していると判断できる。これは、第1の制御手段が制御するレーザ光の照射範囲を逸脱している。そこで、処理はステップS815に進む。
【0069】
ステップS815では、マイコン161が周波数制御信号を発振器162に送信して、発振器162が生じる交流信号の周波数を上げる。これにより、可動ミラー112の揺動周波数が上げられ、可動ミラー112の振幅が小さくなる。そして、処理は再度ステップS809に戻り、レーザ光の照射範囲を観察する。
【0070】
ステップS813において第6のX方向フォトデテクタPDx12がOFFとなるときは、レーザ光が第6のX方向フォトデテクタPDx12まで達していないと判断できる。そこで、処理はステップS814に進む。
【0071】
次のステップS814では、第5のX方向フォトデテクタPDx11がOFFとなるか否かを判断する。第5のX方向フォトデテクタPDx11がOFFとなるときは、レーザ光が第6のX方向フォトデテクタPDx12まで照射せず、レーザ光が第5のX方向フォトデテクタPDx11の位置で折り返して結像領域121に戻っていると判断できる。これは、第1の制御手段が制御するレーザ光の照射範囲内である。そこで、処理は再度ステップS809に戻り、レーザ光の照射範囲を観察する。
【0072】
ステップS814において第5のX方向フォトデテクタPDx11がOFFとならないときは、レーザ光が第5のX方向フォトデテクタPDx11まで照射する一方で、第6のX方向フォトデテクタPDx12まで照射しないと判断できる。これは、第1の制御手段が制御するレーザ光の照射範囲内である。そこで、処理はステップS813に戻り、レーザ光の照射範囲を再度観察する。
【0073】
この処理により、結像領域121から第5のX方向フォトデテクタPDx11までの範囲内にレーザ光が照射される。
【0074】
図7及び9を用いて、結像板120上のZ軸方向にレーザ光を走査する手段について説明する。図7における第4、第5、第6のX方向フォトデテクタPDx10、PDx11、PDx12を、第4、第5、第6のZ方向フォトデテクタPDz10、PDz11、PDz12にそれぞれ読み替えて説明する。
【0075】
X方向と同様に、Z方向に対して結像領域121をわずかに外す程度の範囲でレーザ光が照射される。可動ミラー112のZ軸方向周期の1/4、すなわち1/4周期でレーザ光の照射位置が把握される。
【0076】
レーザ光は、Z軸座標が0である位置からZ軸方向最大位置まで1/4周期で移動する。そこで、第1のZ方向フォトデテクタPDz10にレーザ光が入射した瞬間から、1/4周期以内にレーザ光が入射したフォトデテクタの位置に応じて、レーザ光の振幅を判断する。
【0077】
結像板120上のZ軸方向にレーザ光を照射する第2の制御処理について図9を用いて説明する。第2の制御処理は、SLRカメラ10の電源投入とともに実行され、結像領域121から第5のZ方向フォトデテクタPDz11までの範囲内にレーザ光を走査するように制御を行う。
【0078】
ステップS901からS904までの処理は、第1の制御処理のステップS801からS804までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0079】
ステップS905では、第4のZ方向フォトデテクタPDz10がONとなるか否かを判断する。第4のZ方向フォトデテクタPDz10がONとなるとき、処理はステップS907に進む。第4のZ方向フォトデテクタPDz10がONとならないときは、第4のZ方向フォトデテクタPDz10までレーザ光が照射されず、レーザ光が結像領域121内のみに照射されていると判断できる。そこで、処理はステップS906に進む。
【0080】
ステップS906では、マイコン161が電圧制御信号を発振器162に送信して、発振器162が生じる交流信号の電圧、言い換えると振幅を上げる。これにより、可動ミラー112の振幅が大きくなる。そして、再度ステップS905を実行する。
【0081】
ステップS907及びS908までの処理は、第1の制御処理のステップS807及びS808までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0082】
次のステップS909では、第4のZ方向フォトデテクタPDz10がONとなるか否かを判断する。第4のZ方向フォトデテクタPDz10がONとなるとき、処理はステップS910に進む。第4のZ方向フォトデテクタPDz10がONとならないときは、レーザ光が第4のZ方向フォトデテクタPDz10まで照射せず、レーザ光が未だ結像領域121内を照射していると判断できる。そこで、処理は再度ステップS909を実行し、レーザ光が第4のZ方向フォトデテクタPDz10を照射するのを待つ。
【0083】
次のステップS910では、第1のX方向フォトデテクタPDz10にレーザ光が入射した瞬間から、1/4周期が経過したか否かを判断する。経過した場合、処理はステップS911に進み、経過していない場合、ステップS910を繰り返して1/4周期が経過するのを待つ。
【0084】
次のステップS911では、第5のZ方向フォトデテクタPDz11がONとなるか否かを判断する。第5のZ方向フォトデテクタPDz11がONとなるとき、処理はステップS913に進む。第5のZ方向フォトデテクタPDz11がONとならないときは、レーザ光が第5のZ方向フォトデテクタPDz11まで照射せず、レーザ光が未だ結像領域121から第4のZ方向フォトデテクタPDz10までの範囲内を照射していると判断できる。そこで、処理はステップS912に移行する。
【0085】
次のステップS912では、マイコン161が電圧制御信号を発振器162に送信して、発振器162が生じる交流信号の電圧、言い換えると振幅を上げる。これにより、可動ミラー112の振幅が大きくなる。そして、処理はステップS909に戻る。
【0086】
ステップS913では、第6のZ方向フォトデテクタPDz12がONとなるか否かを判断する。第6のZ方向フォトデテクタPDz12がONとなるときは、レーザ光が第6のZ方向フォトデテクタPDz12まで達していると判断できる。これは、第1の制御手段が制御するレーザ光の照射範囲を逸脱している。そこで、処理はステップS914に進む。
【0087】
次のステップS914では、マイコン161が電圧制御信号を発振器162に送信して、発振器162が生じる交流信号の電圧、言い換えると振幅を下げる。これにより、可動ミラー112の振幅が小さくなる。そして、処理は再度ステップS909に戻り、レーザ光の照射範囲を観察する。
【0088】
ステップS913において第6のZ方向フォトデテクタPDz12がOFFとなるときは、レーザ光が第6のZ方向フォトデテクタPDz12まで達していないと判断できる。そこで、処理は再度ステップS909に戻り、レーザ光の照射範囲を観察する。
【0089】
この処理により、結像領域121から第5のZ方向フォトデテクタPDz11までの範囲内にレーザ光が照射される。
【0090】
第1の制御処理及び第2の制御処理を同時に行うことにより、可動ミラー112により反射されたレーザ光は、結像板120上においてX軸正負方向及びZ軸正負方向に同時に振れる。すなわち、可動ミラー112は、ラスタスキャンにより結像板120上にレーザ光を反射する。
【0091】
このとき、Z方向に駆動しながら第1から第3のX方向フォトデテクタPDx00、PDx01、PDx02、及び第7から第9のX方向フォトデテクタPDx20、PDx21、PDx22についても第1の制御処理と同様の処理を行う。すなわち、可動ミラー112が1フレームの画像を結像板上に反射する間に、第1の制御処理が3回実行される。
【0092】
このとき、X方向に駆動しながら、第1から第3のZ方向フォトデテクタPDz00、PDz01、PDz02、及び第7から第9のZ方向フォトデテクタPDz20、PDz21、PDz22に対しても、第2の制御処理と同様な制御処理を実行する。すなわち、可動ミラー112が1フレームの画像を結像板上に反射する間に、第2の制御処理が3回実行される。
【0093】
これにより、1フレーム走査中にX方向に対して3回、Z方向に対して3回、走査範囲の調整ができ、レーザ光の照射範囲を緻密に制御することが可能になる。
【0094】
本実施形態によれば、ペンタプリズム12側から結像領域121にレーザ光を照射するため、ユーザの眼に直接レーザ光が入射することを防止できる。また、第1の表示装置100がペンタプリズム12を含む光学系と一体なって組み立て及び調整可能であるため、接眼光学系を小型化及びコストダウンできる。
【0095】
さらに、光走査部材110から結像板120までの光路長を短くできるため、光走査部材110が射出するレーザ光の径を小さくすることが可能になる。これにより、結像板120に照射されるレーザ光の径が小さくなって、高解像度で情報を表示できる。
【0096】
また、レーザ光線が稜線12iと交わらないため、稜線12iにより乱反射されることがない。
【0097】
次に第2の実施形態による第2の表示装置について図10から13を用いて説明する。第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。図10は、ペンタプリズム12側から結像板120を見た図であり、Z軸正方向にファインダ光学系13が、Z軸負方向に撮像レンズ20が各々設けられている。
【0098】
第2の表示装置における結像板120について説明する。第2の実施形態は、結像板120に取り付けられる第2のX方向光検知部材240及び第2のZ方向光検知部材250の配置が第1の実施形態と異なる。
【0099】
結像領域121の外であって結像板120のZ軸負方向に第2のX方向光検知部材240が取り付けられる。第2のX方向光検知部材240は、第1から第3のX方向フォトデテクタPDx0、PDxz1、PDx2から成り、X軸方向におけるレーザ光の照射位置を観察する。第1のX方向フォトデテクタPDx0は、Z軸負方向のZ軸上であって、結像領域121の外に設けられる。第2、第3のX方向フォトデテクタPDxz1、PDx2は、Z軸負方向かつX軸正方向の結像領域121外に設けられる。第1から第3のX方向フォトデテクタPDx0、PDxz1、PDx2は、X軸の原点から正方向に向けて第1から第3の順に一列に並べられる。
【0100】
結像領域121の外であって結像板120のX軸正方向に第2のZ方向光検知部材250が取り付けられる。第2のZ方向光検知部材250は、第1のZ方向フォトデテクタPDz0、第2のX方向フォトデテクタPDxz1、及び第3のZ方向フォトデテクタPDz2から成り、Z軸方向におけるレーザ光の照射位置を観察する。第1のZ方向フォトデテクタPDz0は、X軸正方向のX軸上であって、結像領域121の外に設けられる。第3のZ方向フォトデテクタPDz2は、Z軸負方向かつX軸正方向の結像領域121外に設けられる。第1のZ方向フォトデテクタPDz0、第2のX方向フォトデテクタPDxz1、及び第3のZ方向フォトデテクタPDz2は、Z軸の原点から負方向に向けて順に一列に並べられる。
【0101】
第2の表示装置の制御装置について説明する。
【0102】
第1のX方向フォトデテクタPDx0、第2のX方向フォトデテクタPDxz1、第3のX方向フォトデテクタPDx2、第1のZ方向フォトデテクタPDz0、及び第3のZ方向フォトデテクタPDz2から受信したアナログ信号の状態を記録するための状態変数をマイコン161が備える。第1のX方向フォトデテクタPDx0、第2のX方向フォトデテクタPDxz1、及び第3のX方向フォトデテクタPDx2に対して、第1のX方向状態変数Vx0、第1のX方向状態変数Vxz1、第1のX方向状態変数Vx2が各々対応し、第1のZ方向フォトデテクタPDz0、及び第3のZ方向フォトデテクタPDz2に対して、第1のZ方向状態変数Vz0、及び第3のZ方向状態変数Vz2が各々対応する。
【0103】
図10から13を用いて、結像板120上のX軸及びZ軸方向にレーザ光を走査する第2の表示装置の第2の制御手段について説明する。
【0104】
始めに、結像板120上のX軸方向にレーザ光を走査する手段について説明する。簡単のため、第1、第2、第3のX方向フォトデテクタPDx0、PDxz1、PDx2のみを用いて説明する。第1の制御手段におけるZ軸方向の走査と同様に、第2の制御手段は、可動ミラー112のX軸方向周期の1/4、すなわち1/4周期でレーザ光の照射位置を把握する。
【0105】
第2の表示装置が実行する第3の制御処理について図12を用いて説明する。第3の制御処理は、SLRカメラ10の電源投入とともに実行され、結像領域121から第2のX方向フォトデテクタPDxz1までの範囲内にレーザ光を照射するように制御を行う。ステップS1101からS1108までの処理は、第1の制御処理のステップS801からS808と同様であるため、説明を省略する。
【0106】
ステップS1109では、第1のX方向フォトデテクタPDx0がONとなるか否かを判断する。第1のX方向フォトデテクタPDx0がONとなるとき、処理はステップS1110に進む。第1のX方向フォトデテクタPDx0がONとならないときは、レーザ光が第1のX方向フォトデテクタPDx0まで照射していないと判断できる。そこで、処理は再度ステップS1109を実行し、レーザ光が第1のX方向フォトデテクタPDx0を照射するのを待つ。
【0107】
次のステップS1110では、第1のX方向フォトデテクタPDx0にレーザ光が入射した瞬間から、1/4周期が経過したか否かを判断する。経過した場合、処理はステップS1111に進み、経過していない場合、ステップS1110を繰り返して1/4周期が経過するのを待つ。
【0108】
次のステップS1111では、第2のX方向フォトデテクタPDxz1がONとなるか否かを判断する。第2のX方向フォトデテクタPDxz1がONとなるとき、処理はステップS1113に進む。第2のX方向フォトデテクタPDxz1がONとならないときは、レーザ光が第2のX方向フォトデテクタPDxz1まで照射せず、レーザ光が第2のX方向フォトデテクタPDxz1の手前で折り返して結像領域121に戻っていると判断できる。そこで、処理はステップS1112に進み、マイコン161が周波数制御信号を発振器162に送信して、発振器162が生じる交流信号の周波数を下げる。これにより、可動ミラー112の揺動周波数が下げられ、可動ミラー112の振幅が大きくなる。そして、処理はステップS1109に戻る。
【0109】
ステップS1113では、第3のX方向フォトデテクタPDx2がONとなるか否かを判断する。第3のX方向フォトデテクタPDx2がONとなるときは、レーザ光が第3のX方向フォトデテクタPDx2まで達していると判断できる。これは、第2の制御手段が制御するレーザ光の照射範囲を逸脱している。そこで、処理はステップS1114に進む。
【0110】
ステップS1114では、マイコン161が周波数制御信号を発振器162に送信して、発振器162が生じる交流信号の周波数を上げる。これにより、可動ミラー112の揺動周波数が上げられ、可動ミラー112の振幅が小さくなる。そして、処理は再度ステップS1109に戻り、レーザ光の照射範囲を観察する。
【0111】
ステップS1113において第3のX方向フォトデテクタPDx2がONとならないときは、レーザ光が第3のX方向フォトデテクタPDx2まで照射せず、レーザ光が第2のX方向フォトデテクタPDxz1の位置で折り返して結像領域121に戻っていると判断できる。これは、第2の制御手段が制御するレーザ光の照射範囲内である。そこで、処理は再度ステップS1109に戻り、レーザ光の照射範囲を観察する。
【0112】
この処理により、レーザ光が結像領域121から第2のX方向フォトデテクタPDxz1までの範囲内に照射される。
【0113】
そして、第1のZ方向フォトデテクタPDz0、第2のX方向フォトデテクタPDxz1、及び第3のZ方向フォトデテクタPDz2に対しても、X軸をZ軸に置き換えて第3の制御処理を実行する。ただし、Z方向に対する駆動では共振現象を利用できないため、X方向のような印加電圧の周波数による制御ができない。Z方向に関する駆動は、印加電圧を変更することで制御を実行する。
【0114】
これにより、レーザ光の照射範囲を短時間で観察し、緻密に制御することが可能になる。なお、本実施形態では、1フレームを表示する間にX方向に関して1回、Y方向に関して1回、調整を行う。X方向に関して制御処理を行っている領域はレーザ照射範囲外(すなわち結像領域121外)であるため、電源ON時以外でも常時レーザを照射し制御処理が可能となる。
【0115】
図11及び13を用いて、結像板120上のZ軸方向にレーザ光を走査する手段について説明する。図11における第1、第3のX方向フォトデテクタPDx0、PDx2を、第1、第3のZ方向フォトデテクタPDz0、PDz2にそれぞれ読み替えて説明する。また、第1から第3の制御処理と同様の構成に関しては、説明を省略する。
【0116】
結像板120上のZ軸方向にレーザ光を照射する第4の制御処理について図13を用いて説明する。第4の制御処理は、SLRカメラ10の電源投入とともに実行され、結像領域121から第2のX方向フォトデテクタPDxz1までの範囲内にレーザ光を走査するように制御を行う。
【0117】
ステップS1301からS1309までの処理は、第2の制御処理のステップS901からS909までの処理と略同様である。第2の制御処理のステップS905、S909における第4のZ方向フォトデテクタPDz10を、ステップS1305、S1309において第1のZ方向フォトデテクタPDz0と読み替えて、説明を省略する。
【0118】
ステップS1310では、第2のX方向フォトデテクタPDx1がONとなるか否かを判断する。第2のX方向フォトデテクタPDxz1がONとなるとき、処理はステップS1313に進む。第2のX方向フォトデテクタPDxz1がONとならないときは、レーザ光が第2のX方向フォトデテクタPDxz1まで照射せず、レーザ光が未だ結像領域121から第1のZ方向フォトデテクタPDz0までの範囲内を照射していると判断できる。そこで、処理はステップS1311に移行する。
【0119】
次のステップS1311では、第1のZ方向フォトデテクタPDz0がONとなるか否かを判断する。第1のZ方向フォトデテクタPDz0がONとなるとき、処理はステップS1312に進む。第1のZ方向フォトデテクタPDz0がONとならないときは、処理はステップS1310に戻る。
【0120】
次のステップS1311では、第1のZ方向フォトデテクタPDz0がOFFとなるか否かを判断する。第1のZ方向フォトデテクタPDz0がOFFとなるときは、レーザ光が第2のX方向フォトデテクタPDxz1まで照射せず、レーザ光が未だ結像領域121から第1のZ方向フォトデテクタPDz0までの範囲内を照射していると判断できる。そこで、処理はステップS1312に進み、マイコン161が電圧制御信号をZ方向正電圧アンプ168及びZ方向負電圧アンプ169に送信して、Z方向正電圧アンプ168及びZ方向負電圧アンプ169が生じる交流信号の電圧を上げる。これにより、可動ミラー112の振幅が大きくなる。そして、処理はステップS1309に戻る。
【0121】
他方、第1のZ方向フォトデテクタPDz0がOFFとならないときは、レーザ光が未だ第2のX方向フォトデテクタPDxz1まで達していないと判断できる。そこで、処理は再度ステップS1310を実行し、レーザ光が第2のX方向フォトデテクタPDxz1に達するのを待つ。
【0122】
ステップS1313では、第3のZ方向フォトデテクタPDz2がONとなるか否かを判断する。第3のZ方向フォトデテクタPDz2がONとなるときは、レーザ光が第3のZ方向フォトデテクタPDz2まで達していると判断できる。
【0123】
ステップS1313では、第3のZ方向フォトデテクタPDz2がONとなるか否かを判断する。第3のZ方向フォトデテクタPDz2がONとなるときは、レーザ光が第3のZ方向フォトデテクタPDz2まで達していると判断できる。これは、第2の制御手段が制御するレーザ光の照射範囲を逸脱している。そこで、処理はステップS1315に進む。
【0124】
ステップS1315では、マイコン161が電圧制御信号をZ方向正電圧アンプ168及びZ方向負電圧アンプ169に送信して、Z方向正電圧アンプ168及びZ方向負電圧アンプ169が生じる交流信号の電圧を下げる。これにより、可動ミラー112の振幅が小さくなる。そして、処理は再度ステップS1309に戻り、レーザ光の照射範囲を観察する。
【0125】
ステップS1313において第3のZ方向フォトデテクタPDz2がOFFとなるときは、レーザ光が第3のZ方向フォトデテクタPDz2まで達していないと判断できる。そこで、処理はステップS1314に進む。
【0126】
次のステップS1314では、第2のX方向フォトデテクタPDxz1がOFFとなるか否かを判断する。第2のX方向フォトデテクタPDxz1がOFFとなるときは、レーザ光が第3のZ方向フォトデテクタPDz2まで照射せず、レーザ光が第2のX方向フォトデテクタPDxz1の位置で折り返して結像領域121に戻っていると判断できる。これは、第1の制御手段が制御するレーザ光の照射範囲内である。そこで、処理は再度ステップS1309に戻り、レーザ光の照射範囲を観察する。
【0127】
ステップS1314において第2のX方向フォトデテクタPDxz1がOFFとならないときは、レーザ光が第2のX方向フォトデテクタPDxz1まで照射する一方で、第3のZ方向フォトデテクタPDz2まで照射しないと判断できる。これは、第2の制御手段が制御するレーザ光の照射範囲内である。そこで、処理はステップS1313に戻り、レーザ光の照射範囲を再度観察する。
【0128】
これにより、結像領域121から第2のX方向フォトデテクタPDxz1までの範囲内にレーザ光が照射される。
【0129】
第1の制御処理及び第2の制御処理と同様に、第3の制御処理及び第4の制御処理を同時に行うことにより、レーザ光は結像板120上においてX軸正負方向及びZ軸正負方向に同時に振れる。すなわち、可動ミラー112は、ラスタスキャンにより結像板120上にレーザ光を反射する。
【0130】
本実施形態によれば、ペンタプリズム12側から結像領域121にレーザ光を照射するため、ユーザの眼に直接レーザ光が入射することを防止できる。また、第1の表示装置100がペンタプリズム12を含む光学系と一体なって組み立て及び調整可能であるため、接眼光学系を小型化及びコストダウンできる。
【0131】
次に第3の実施形態による第3の表示装置について図14を用いて説明する。第1及び第2の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0132】
ペンタプリズム12の第三面12fには、補助ミラー30が取り付けられる。補助ミラー30は、2つの長方形の平面鏡を鏡面側が劣角を成すように接続した形状であり、第1の鏡面31と第2の鏡面32とを有する。第2の鏡面32の1つの辺が第三面12fに取り付けられ、その辺の対辺が第1の鏡面31と接続される。第1の鏡面31と第2の鏡面32は第三面12fと向かい合う。
【0133】
第3の表示装置による光走査部材110は、第1の鏡面31に向けてレーザ光を照射する。第1の鏡面31は、第2の鏡面32に向けてレーザ光を反射する。第2の鏡面32は第三面12fに向けてレーザ光を反射する。第三面12fからプリズムに入射したレーザ光は、結像板120上に照射される。光走査部材110が基準位置にあるとき、レーザ光が結像領域121の中心Oに照射されるように、光走査部材110、第1の鏡面31、第2の鏡面32、及びプリズムの位置関係が決定される。結像板120のX軸方向における可動ミラー112の揺動角度は12.6degであり、結像板120のZ軸方向における可動ミラー112の揺動角度は16.8degである。また、光走査部材110が基準位置にあるときの光走査部材110から結像領域121の中心Oまでの距離、すなわち光路長は、39mmである。
【0134】
本実施形態によれば、ペンタプリズム12側から結像領域121にレーザ光を照射するため、ユーザの眼に直接レーザ光が入射することを防止できる。また、第1の表示装置100がペンタプリズム12を含む光学系と一体なって組み立て及び調整可能であるため、接眼光学系を小型化及びコストダウンできる。
【0135】
また、レーザ光線が稜線12iと交わらないため、稜線12iにより乱反射されることがない。
【0136】
次に第4の実施形態による第4の表示装置について図15を用いて説明する。第1から第3の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0137】
ペンタプリズム12の第三面12fには、補助ミラー30が取り付けられる。補助ミラー30は、1枚の平面鏡であり、第三面12fと向かい合う第3の鏡面41を有する。
【0138】
第3の表示装置による光走査部材110は、第3の鏡面41に向けてレーザ光を照射する。第3の鏡面41は第三面12fに向けてレーザ光を反射する。第三面12fからプリズムに入射したレーザ光は、結像板120上に照射される。光走査部材110が基準位置にあるとき、レーザ光が結像領域121の中心Oに照射されるように、光走査部材110、補助ミラー30、及びプリズムの位置関係が決定される。結像板120のX軸方向における可動ミラー112の揺動角度は15.7degであり、結像板120のZ軸方向における可動ミラー112の揺動角度は20.8degである。また、光走査部材110が基準位置にあるときの光走査部材110から結像領域121の中心Oまでの距離、すなわち光路長は、29mmである。
【0139】
本実施形態によれば、ペンタプリズム12側から結像領域121にレーザ光を照射するため、ユーザの眼に直接レーザ光が入射することを防止できる。また、第1の表示装置100がペンタプリズム12を含む光学系と一体なって組み立て及び調整可能であるため、接眼光学系を小型化及びコストダウンできる。
【0140】
また、レーザ光線が稜線12iと交わらないため、稜線12iにより乱反射されることがない。
【0141】
次に第5の実施形態による第5の表示装置について図16を用いて説明する。第1から第4の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0142】
ペンタプリズム12の前方反射面12dには、第2の補助プリズム51が取り付けられる。第2の補助プリズム51は、直角三角形の底面を有する略三角柱形状であって、ペンタプリズム12と同じ密度を有する材料から成る。第2の補助プリズム51が有する3つの長方形の側面のうち、底面の最も長い辺と接する第3の側面52は、前方反射面12dに密着する。底面の2番目に長い辺と接する第4の側面53に光走査部材110が取り付けられる。
【0143】
光走査部材110は、第4の側面53に向けてレーザ光を照射する。レーザ光は第4の側面53、第3の側面52、前方反射面12dを通過してペンタプリズム12に入射する。そして、第1の頂面及び第2のダハ面12cで反射された後、入射面12aを透過して結像板120上に照射される。光走査部材110が基準位置にあるとき、レーザ光が結像領域121の中心Oに照射されるように、光走査部材110、第3の側面52、第4の側面53、及びプリズムの位置関係が決定される。
【0144】
結像板120のX軸方向における可動ミラー112の揺動角度は16.8degであり、結像板120のZ軸方向における可動ミラー112の揺動角度は11.9degである。また、光走査部材110が基準位置にあるときの光走査部材110から結像領域121の中心Oまでの距離、すなわち光路長は、33mmである。
【0145】
本実施形態によれば、レーザ光を結像板120に略直角に照射できるため、結像板120に照射されるレーザ光の収差が少なくなり、結像板120に照射されるレーザ光の形状を容易に補正することができる。また、第1の表示装置100をペンタプリズム12の前方に納めることができるため、SLRカメラ10の頭部が大きくなることを防止できる。
【0146】
次に第6の実施形態による第6の表示装置について図17を用いて説明する。第1から第5の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0147】
第6の表示装置の光走査部材110は、ペンタプリズム12の射出面12eに取り付けられる。光走査部材110がレーザ光を射出すると、レーザ光が射出面12eを通過して前方反射面12dに照射される。前方反射面12dはレーザ光を反射して、第1の頂面及び第2のダハ面12cに照射する。そしてレーザ光は、第1の頂面及び第2のダハ面12cで反射された後、入射面12aを透過して結像板120上に照射される。光走査部材110が基準位置にあるとき、レーザ光が結像領域121の中心Oに照射されるように、光走査部材110とプリズムの位置関係が決定される。
【0148】
結像板120のX軸方向における可動ミラー112の揺動角度は11.4degであり、結像板120のZ軸方向における可動ミラー112の揺動角度は8.1degである。また、光走査部材110が基準位置にあるときの光走査部材110から結像領域121の中心Oまでの距離、すなわち光路長は、49mmである。
【0149】
本実施形態によれば、ファインダ光学系13の上部からレーザ光を照射するため、光走査部材110から結像板120までの距離が接眼光学系と略同じ長さとなる。そのため、可動ミラー112の揺動範囲を小さくすることができる。
【0150】
次に第7の実施形態による第7の表示装置について図18を用いて説明する。第1から第6の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0151】
ペンタプリズム12の左側面12hには、第3の補助プリズム71が取り付けられる。第3の補助プリズム71は、直角三角形の底面を有する略三角柱形状であって、ペンタプリズム12と同じ密度を有する材料から成る。第3の補助プリズム71が有する3つの長方形の側面のうち、底面の最も長い辺と接する第5の側面72は、左側面12hに密着する。底面の2番目に長い辺と接する第6の側面73に光走査部材110が取り付けられる。
【0152】
光走査部材110は、第6の側面73に向けてレーザ光を照射する。レーザ光は第6の側面73、第5の側面72、左側面12hを通過してペンタプリズム12に入射する。そして、第1のダハ面12bで反射された後、入射面12aを透過して結像板120上に照射される。光走査部材110が基準位置にあるとき、レーザ光が結像領域121の中心Oに照射されるように、光走査部材110、第5の側面72、第6の側面73、及びプリズムの位置関係が決定される。光走査部材110と第1のX方向光検知部材140は、フレキシブルケーブル74により接続される。
【0153】
本実施形態によれば、光走査部材110と第1のX方向光検知部材140との距離を短くできるため、両者を接続するフレキシブルケーブル74の長さを短くすることができる。
【0154】
また、被写体像を反射するために用いている第1のダハ面12bを反射面として用いるため、反射効率等を改善するためのコーティング等を新たに施す必要がない。
【0155】
レーザ光線が稜線12iと交わらないため、稜線12iにより乱反射されることがない。
【0156】
ペンタプリズム12側から結像領域121にレーザ光を照射するため、ユーザの眼に直接レーザ光が入射することを防止できる。
【0157】
第1の表示装置100がペンタプリズム12を含む光学系と一体なって組み立て及び調整可能であるため、接眼光学系を小型化及びコストダウンできる。そして、第1の表示装置100が左側面12hに設けられるため、デジタルカメラ10の高さを抑えることができる。
【0158】
次に第8の実施形態による第8の表示装置について図19を用いて説明する。第1から第7の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0159】
第8の表示装置の光走査部材110は、ミラーボックス15の底面に取り付けられる。光走査部材110がレーザ光を射出すると、レーザ光がミラーボックス15内を通過して結像板120に照射される。光走査部材110が基準位置にあるとき、レーザ光が結像領域121の中心Oに照射されるように、光走査部材110と結像板120との位置関係が決定される。
【0160】
本実施形態によれば、ミラーボックス15の底部からレーザ光を照射するため、光走査部材110から結像板120までの距離を長く確保できる。そのため、可動ミラー112の揺動範囲を小さくすることができ、可動ミラー112の小型化及びコスト削減が可能となる。さらに、光学部品を透過しないため、光量損失がなくなる。また、光走査部材110と結像板120とを別々に設置するため、調整が容易になる。
【0161】
なお、本明細書において示した可動ミラー112の揺動振幅は例示であって、他の値であっても良い。
【0162】
また、光走査部材110の光源は、レーザダイオード光源111でなく、LEDであっても良い。
【0163】
フォトデテクタは、各軸方向に対して少なくとも2つ設けられれば良く、各実施形態の数及び配列に限定されない。
【0164】
各実施形態における表示装置の解像度は、X軸方向に640ドット、Z軸方向に480ドットに限定されない。
【符号の説明】
【0165】
12 ペンタプリズム
12a 入射面
12b 第1のダハ面
12c 第2のダハ面
12d 前方反射面
12e 射出面
12f 第三面
12g 右側面
12h 左側面
100 第1の表示装置
110 光走査部材
111 レーザダイオード光源
112 可動ミラー
120 結像板
130 第1の補助プリズム
131a 第1の側面
131b 第2の側面
O 中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置のファインダ内に情報を表示する表示装置であって、
対物光学系から接眼光学系までの光路上に設けられ、前記対物光学系から入射した被写体像が出射する光出射面を有する結像板と、
被写体像を反射する反射面を有し、前記結像板と前記接眼光学系との間であって前記結像板の光出射面に設けられ、前記光出射面から出射した被写体像を前記接眼光学系に導く反射部材と、
前記反射面に向けて光を照射する光走査部材とを備え、
前記光走査部材が照射した光は、前記反射面により反射されて前記結像板の光出射面に走査される表示装置。
【請求項2】
前記結像板は、ユーザにより視認されうる光が通過する有効面を有し、
前記表示装置は、前記結像板の有効面外に設けられて前記光走査部材からの光を受光可能である光検知部材とを備え、
前記光走査部材は、前記光検知部材が受光した光の位置に応じて光を走査する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記光走査部材は、微小機械システムから成る請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記反射部材はペンタプリズムである請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記反射部材はペンタミラーである請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記ペンタプリズムは、被写体像が通過する光路に対して平行な側面を備え、
前記反射面は、前記ペンタプリズムのダハ面であって、
前記光走査部材は前記側面に設けられ、前記ダハ面に向けて光を照射する請求項4に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−185971(P2010−185971A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28936(P2009−28936)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】