説明

表示装置

【課題】 ソースドライバの配線と映像信号線との接続不良を低減する。
【解決手段】 複数本の走査信号線および複数本の映像信号線を有する表示パネルと、走査信号線に接続された第1の回路部品を有する第1の配線板と、映像信号線に接続された第2の回路部品を有する第2の配線板と、制御回路とを有する表示装置であって、第1の配線板は、表示パネルの表示領域を挟んで相対する2つの辺のそれぞれに複数個ずつ接続され、第2の配線板は、表示領域を挟んで相対する別の2つの辺のそれぞれに複数個ずつ接続されており、複数個の第2の配線板は、それぞれ、制御回路と第2の回路部品との接続を中継する第1の配線と、第2の回路部品と映像信号線との接続を中継する第2の配線と、第1の配線および第2の配線が配置された領域を挟む2カ所の領域のうちの一方の領域に、制御回路と第1の回路部品との接続を中継する第3の配線とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に、大画面で高精細の液晶表示装置に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、アクティブマトリクス方式の液晶表示装置は、たとえば、液晶テレビやパーソナル・コンピュータ(PC)用の液晶ディスプレイなどに用いられている。
【0003】
アクティブマトリクス方式の液晶表示装置(以下、単に液晶表示装置という)は、複数本の走査信号線および複数本の映像信号線を有する表示パネルと、複数本の走査信号線のそれぞれに走査信号を加える第1の駆動回路と、複数本の映像信号線のそれぞれに映像信号を加える第2の駆動回路と、第1の駆動回路および第2の駆動回路の動作を制御する制御回路とを有する。
【0004】
また、液晶テレビなどに用いる大型(大画面)の液晶表示装置の場合、通常、第1の駆動回路および第2の駆動回路は、それぞれ、複数個の駆動回路部品(ICチップ)で構成されている。またこのとき、それぞれの駆動回路部品は、たとえば、フレキシブル配線板に搭載(実装)されている。以下、第1の駆動回路に用いる駆動回路部品をゲートドライバICといい、第2の駆動回路に用いる駆動回路部品をソースドライバICという。
【0005】
また、液晶テレビなどに用いる液晶表示装置では、制御回路と第1の駆動回路を接続するときに、たとえば、ソースドライバICが搭載されたフレキシブル配線板の配線および液晶表示パネル上の配線を介して接続している。
【0006】
またさらに、液晶テレビなどに用いる液晶表示装置は、近年、大型化、高精細化、駆動速度の高速化が進んでいる。そのため、近年の大型の液晶表示装置や高精細な液晶表示装置では、たとえば、液晶表示パネルの2つの短辺のそれぞれに、ゲートドライバICが搭載された第1のフレキシブル配線板を複数個ずつ接続し、液晶表示パネルの2つの長辺のそれぞれに、ソースドライバICが搭載された第2のフレキシブル配線板を複数個ずつ接続している(たとえば、特許文献1を参照。)。
【特許文献1】特開2006−237140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
液晶表示装置において、1枚の液晶表示パネルに接続する複数個の第1のフレキシブル配線板は、製造コストなどの観点から、すべて同じ構成であることが望ましい。同様に、1枚の液晶表示パネルに接続する複数個の第2のフレキシブル配線板は、製造コストなどの観点から、すべて同じ構成であることが望ましい。
【0008】
そのため、ソースドライバICが搭載された第2のフレキシブル配線板を介して制御回路とゲートドライバIC(第1の駆動回路)とを接続する場合、1枚の液晶表示パネルに接続された複数個の第2のフレキシブル配線板には、それぞれ、制御回路とソースドライバICとの接続を中継する第1の配線、ソースドライバICと映像信号線との接続を中継する第2の配線、および制御回路とゲートドライバIC(第1の駆動回路)との接続を中継する第3の配線、ならびに制御回路と表示領域の各画素が有する対向電極(共通電極ということもある)との接続を中継する第4の配線を設けられている。
【0009】
またこのとき、第3の配線は、実際には、複数本の配線群であり、1個の第2のフレキシブル配線板上の、第1の配線および第2の配線が配置された領域を挟む2カ所の領域のそれぞれに配置されている。
【0010】
また、従来の液晶表示装置では、たとえば、製造コストの削減のために、ソースドライバICの多出力化などが検討されている。
【0011】
しかしながら、第2のフレキシブル配線板に搭載するソースドライバICを多出力化した場合、第2の配線の数が増加する。このとき、第2のフレキシブル配線板のサイズを従来のものと同じサイズにするのであれば、それぞれの第2の配線のピッチを狭くする必要がある。そのため、多出力化したソースドライバICを搭載する第2のフレキシブル配線板のサイズが、従来のものと同じサイズである場合、たとえば、第2の配線と映像信号線とを接続するときの合わせずれが起こりやすくなり、接続不良が発生しやすくなるという問題がある。
【0012】
また、第2の配線と映像信号線との接続不良が起こらないようにするには、たとえば、第2のフレキシブル配線板のサイズを従来の物よりも大きくして、第2の配線のピッチを広くすればよい。しかしながら、第2のフレキシブル配線板のサイズを大きくすると、第2のフレキシブル配線板の製造コストが増加するという別の問題が発生する。
【0013】
本発明の目的は、ソースドライバICを搭載するフレキシブル配線板の配線と映像信号線との接続不良を低減することが可能な技術を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、ソースドライバICを搭載するフレキシブル配線板の、ソースドライバの多出力化への対応を容易にすることが可能な技術を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、多出力化したソースドライバICを搭載するフレキシブル配線板の製造コストの上昇を抑えることが可能な技術を提供することにある。
【0016】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面によって明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概略を説明すれば、以下の通りである。
【0018】
(1)複数本の走査信号線および複数本の映像信号線を有する表示パネルと、前記走査信号線に走査信号を加える第1の駆動回路部品を有する第1のフレキシブル配線板と、前記映像信号線に映像信号を加える第2の駆動回路部品を有する第2のフレキシブル配線板と、前記第1の駆動回路部品および前記第2の駆動回路部品の動作を制御する制御回路とを有する表示装置であって、前記第1のフレキシブル配線板は、前記表示パネルの外周のうちの、表示領域を挟んで相対する第1の区間および第2の区間のそれぞれに、複数個ずつ接続されており、前記第2のフレキシブル配線板は、前記表示パネルの外周のうちの、前記表示領域を挟んで相対する第3の区間および第4の区間のそれぞれに、複数個ずつ接続されており、前記複数個の前記第2のフレキシブル配線板は、それぞれ、前記制御回路と前記第2の駆動回路部品との接続を中継する第1の配線と、前記第2の駆動回路部品と前記映像信号線との接続を中継する第2の配線と、前記第1の配線および前記第2の配線が配置された領域を挟む2カ所の領域のうちの一方の領域に、前記制御回路と前記第1の駆動回路部品との接続を中継する第3の配線とを有し、前記表示パネルの前記第1の区間に接続された複数個の前記第1のフレキシブル配線板のそれぞれに搭載された前記第1の駆動回路部品は、前記第1のフレキシブル配線板の配線、前記表示パネルの配線、および前記表示パネルの前記第3の区間に接続された複数個の前記第2のフレキシブル配線板のうちの1個の前記第2のフレキシブル配線板に設けられた前記第3の配線を介して前記制御回路と接続しており、前記表示パネルの前記第2の区間に接続された複数個の前記第1のフレキシブル配線板のそれぞれに搭載された前記第1の駆動回路部品は、前記第1のフレキシブル配線板の配線、前記表示パネルの配線、および前記表示パネルの前記第4の区間に接続された複数個の前記第2のフレキシブル配線板のうちの1個の前記第2のフレキシブル配線板に設けられた前記第3の配線を介して前記制御回路と接続している表示装置。
【0019】
(2)前記(1)の表示装置において、前記表示パネルに接続された複数個の前記第2のフレキシブル配線板は、それぞれの前記第2のフレキシブル配線板上における前記第1の配線および前記第2の配線と、前記第3の配線との位置関係が、すべて同じ関係である表示装置。
【0020】
(3)前記(1)の表示装置において、前記表示パネルは、複数個のTFT素子と、複数個の画素電極と、複数のコモン給電配線とを有し、前記表示パネルの前記表示領域には、TFT素子、前記TFT素子を介して前記映像信号線に接続された第1の電極を有する画素がマトリクス状に配置されており、前記第2のフレキシブル配線板は、前記第1の配線および前記第2の配線が配置された領域を挟む2カ所の領域のそれぞれに、前記制御回路と前記コモン給電配線との接続を中継する第4の配線を有する表示装置。
【0021】
(4)前記(1)の表示装置において、前記表示パネルは、外周が概略長方形であり、前記第1の区間および前記第2の区間は、前記表示領域を挟んで相対する2つの短辺であり、前記第3の区間および前記第4の区間は、前記表示領域を挟んで相対する2つの長辺である表示装置。
【0022】
(5)前記(1)の表示装置において、前記映像信号線は、前記第3の区間に接続された前記第2のフレキシブル配線板に接続される第1の映像信号線と、前記第4の区間に接続された前記第2のフレキシブル配線板に接続される第2の映像信号線とを有する表示装置。
【0023】
(6)前記(1)の表示装置において、前記映像信号線は、前記第3の区間に接続された前記第2のフレキシブル配線板と、前記第4の区間に接続された前記第2のフレキシブル配線板との間を接続するように配置される表示装置。
【0024】
(7)前記(1)の表示装置において、前記複数本の走査信号線は、それぞれ、前記表示パネルの前記第1の区間にある複数個の前記第1の駆動回路部品のうちの1個の前記第1の駆動回路部品と、前記表示パネルの前記第2の区間にある複数個の前記第1の駆動回路部品のうちの1個の前記第1の駆動回路部品とに接続している表示装置。
【0025】
(8)前記(1)の表示装置において、前記表示パネルは、一対の基板の間に液晶材料を封入した液晶表示パネルである表示装置。
【発明の効果】
【0026】
本発明の表示装置によれば、第2の駆動回路部品(ソースドライバ)を搭載する第2のフレキシブル配線板の第2の配線と映像信号線との接続不良を低減することができる。
【0027】
また、本発明の表示装置によれば、第2のフレキシブル配線板の、第2の駆動回路部品の多出力化への対応を容易にすることができる。
【0028】
また、本発明の表示装置によれば、多出力化した第2の駆動回路部品を搭載する第2のフレキシブル配線板の製造コストの上昇を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明について、図面を参照して実施の形態(実施例)とともに詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは、同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0030】
図1(a)および図1(b)は、本発明に関わる液晶表示装置の概略構成の一例を示す模式図である。
図1(a)は、本発明に関わる液晶表示装置の概略構成の一例を示す模式図である。図1(b)は、液晶表示パネルの1つの画素の回路構成の一例を示す模式回路図である。
【0031】
本発明は、たとえば、液晶テレビなどに用いられる大型(大画面)の液晶表示装置に適用される。また、本発明が適用可能な液晶表示装置は、たとえば、図1(a)に示すように、液晶表示パネル1と、2つの第1の駆動回路2a,2bと、2つの第2の駆動回路3a,3bと、2つの第1の駆動回路2a,2bおよび2つの第2の駆動回路3a,3bの動作を制御する制御回路4とを有する。また、図1(a)では省略しているが、液晶テレビなどの液晶表示装置の場合、たとえば、液晶表示パネル1の背面側に配置されるバックライトユニットなどを有する。
【0032】
液晶表示パネル1は、第1の基板と第2の基板の一対の基板の間に液晶材料を封入した表示パネルである。また、液晶テレビなどに用いられる液晶表示装置は、アクティブマトリクス方式のものであり、たとえば、第1の基板に複数本の走査信号線GLおよび複数本の映像信号線DLが設けられている。なお、図1(a)には、一部の走査信号線GLおよび一部の映像信号線DLのみを示しており、実際の液晶表示パネル1には、さらに多数本の走査信号線GLおよび映像信号線DLが設けられている。また、図1(a)では省略しているが、液晶表示パネル1には、そのほかにも、たとえば、複数の保持容量線あるいは対向電圧信号線などが設けられている。
【0033】
このとき、液晶表示パネル1の表示領域DAには、複数の画素がマトリクス状に配置されており、表示領域DAにおいて1つの画素が占有する領域は、たとえば、隣接する2本の走査信号線GLと、隣接する2本の映像信号線DLとで囲まれる領域に相当する。
【0034】
表示領域DAの1つの画素は、たとえば、図1(b)に示すような回路構成になっており、TFT素子Tr、画素電極PX、および図示していない対向電極を有する。また、1つの画素は、たとえば、画素電極PX、対向電極、および液晶材料で形成される画素容量CLC(液晶容量と呼ぶこともある。)と、画素電極PX、保持容量線StgL、および絶縁層で形成される保持容量CSTG(補助容量または蓄積容量と呼ぶこともある。)とを有する。なお、近年の液晶表示パネル1では、保持容量CSTGを設けない場合もある。
【0035】
また、図1(b)に示した例では、TFT素子Trのゲートが、隣接する2本の走査信号線GL,GLm+1のうちの下側の走査信号線GLm+1に接続しているが、これに限らず、上側の走査信号線GLに接続している場合もある。
【0036】
同様に、図1(b)に示した例では、TFT素子Trのドレインが、隣接する2本の映像信号線DL,DLn+1のうちの左側の映像信号線DLに接続しているが、これに限らず、右側の映像信号線DLn+1に接続している場合もある。
【0037】
2つの第1の駆動回路2a,2bは、それぞれ、走査信号線GLに走査信号を加える駆動回路であり、一方の第1の駆動回路2aが液晶表示パネル1の左辺側に配置され、他方の第1の駆動回路2bが液晶表示パネル1の右辺側に配置されている。このとき、それぞれの走査信号線GLは、第1の駆動回路2aおよび第1の駆動回路2bの両方に接続している。
【0038】
2つの第2の駆動回路3a,3bは、それぞれ、映像信号線DLに映像信号(階調電圧)を加える駆動回路であり、一方の第2の駆動回路3aが液晶表示パネル1の上辺側に配置され、他方の第2の駆動回路3bが液晶表示パネル1の下辺側に配置されている。このとき、1つの表示領域DAのうちの上半分の領域を通る映像信号線DLと、下半分の領域を通る映像信号線DLとは、電気的に絶縁されている。そして、上半分の領域を通る映像信号線DLは液晶表示パネル1の上辺側に配置された第2の駆動回路3aに接続しており、下半分の領域を通る映像信号線DLは液晶表示パネル1の下辺側に配置された第2の駆動回路3bに接続している。
【0039】
制御回路4は、たとえば、TFTコントローラまたはタイミングコントローラなどと呼ばれる回路であり、液晶表示装置の外部から入力された映像信号や電力、当該制御回路4で生成したクロック信号などを、2つの第1の駆動回路2a,2bおよび2つの第2の駆動回路3a,3bに出力する回路である。また、制御回路4は、たとえば、対向電極にコモン電圧を加える回路や、バックライトユニットの光源に電力を供給する回路なども有する。
【0040】
また、本発明が適用可能な液晶表示装置における液晶表示パネル1の構成は、図1(a)および図1(b)に示したような回路構成であればよく、走査信号線GL、映像信号線DL、TFT素子Tr、画素電極PX、対向電極などの平面形状や位置関係などは、周知の平面形状や位置関係の組み合わせのいずれか、あるいはそれらを応用した組み合わせであればよい。そのため、走査信号線GL、映像信号線DL、TFT素子Tr、画素電極PX、対向電極などの平面形状や位置関係などに関する詳細な説明は省略する。
【0041】
また、本発明が適用可能な液晶表示装置の一例として、図1(a)に示した例では、液晶表示パネル1に設けられた映像信号線DLが、1つの表示領域DAのうちの上半分の領域を通る映像信号線DLと、下半分の領域を通る映像信号線DLとに分割されている。そのため、同じ列の画素に対し、2行同時に書き込むことが出来る。このような走査は分割走査と言い、書き込み速度が向上し、表示領域内の画素数が多い場合に有効である。
【0042】
しかしながら、このような分割走査を行わない場合は、それぞれの映像信号線DLが1つの表示領域DAの上半分の領域から下半分の領域に至って連続して形成されていても良い。この場合、それぞれの映像信号線DLは、液晶表示パネル1の上辺側に配置された第2の駆動回路3aおよび下辺側に配置された第2の駆動回路3bの両方に接続されることになる。
【0043】
図2(a)および図2(b)は、従来の液晶表示装置における第1の駆動回路および第2の駆動回路と制御回路との接続方法の一例を示す模式図である。
図2(a)は、従来の液晶表示装置における第1の駆動回路および第2の駆動回路と制御回路との接続方法の一例を示す模式図である。図2(b)は、従来のソースドライバの概略構成の一例を示す模式図である。
【0044】
液晶表示パネル1の左辺側に配置される第1の駆動回路2a、および右辺側に配置される第1の駆動回路2bは、たとえば、図2(a)に示すように、それぞれ、4個のゲートドライバ2からなる。このとき、1つのゲートドライバ2は、第1のフレキシブル配線板に第1の駆動回路部品(ゲートドライバIC)が実装されている。
【0045】
また、液晶表示パネル1の上辺側に配置される第2の駆動回路3a、および下辺側に配置される第2の駆動回路3bは、たとえば、図2(a)に示すように、それぞれ、6個のソースドライバ3からなる。このとき、1つのソースドライバ3は、第2のフレキシブル配線板に第2の駆動回路部品(ソースドライバIC)が実装されている。
【0046】
また、液晶表示パネル1の上辺側に配置されている6個のソースドライバ3のうちの、左半分の3個のソースドライバ3は、プリント配線板5aおよび第3のフレキシブル配線板6aを介して、制御回路4に接続している。そして、液晶表示パネル1の上辺側に配置されている6個のソースドライバ3のうちの、右半分の3個のソースドライバ3は、プリント配線板5bおよび第3のフレキシブル配線板6bを介して、制御回路4に接続している。
【0047】
また、液晶表示パネル1の下辺側に配置されている6個のソースドライバ3のうちの、左半分の3個のソースドライバ3は、プリント配線板5cおよび第3のフレキシブル配線板6cを介して、制御回路4に接続している。そして、液晶表示パネル1の下辺側に配置されている6個のソースドライバ3のうちの、右半分の3個のソースドライバ3は、プリント配線板5dおよび第3のフレキシブル配線板6dを介して、制御回路4に接続している。
【0048】
また、従来の液晶表示装置では、制御回路4からそれぞれのゲートドライバ3のゲートドライバICに駆動信号および駆動電力を伝送するゲートドライバ駆動配線7が、図2(a)に示したように設けられている。このとき、液晶表示パネル1の左辺側に配置された4個のゲートドライバ2のうちの上半分の2個のゲートドライバ2の駆動電源は、液晶表示パネル1の上辺の左側に配置された第3のフレキシブル配線板6a、プリント配線板5a、ソースドライバ3、および液晶表示パネル1を介して供給される。またこのとき、液晶表示パネル1の左辺側に配置された4個のゲートドライバ2のうちの下半分の2個のゲートドライバ2の駆動電源は、液晶表示パネル1の下辺の左側に配置された第3のフレキシブル配線板6c、プリント配線板5c、ソースドライバ3、および液晶表示パネル1を介して供給される。
【0049】
また、液晶表示パネル1の右辺側に配置された4個のゲートドライバ2のうちの上半分の2個のゲートドライバ2の駆動電源は、液晶表示パネル1の上辺の右側に配置された第3のフレキシブル配線板6b、プリント配線板5b、ソースドライバ3、および液晶表示パネル1を介して供給される。またこのとき、液晶表示パネル1の右辺側に配置された4個のゲートドライバ2のうちの下半分の2個のゲートドライバ2の駆動電源は、液晶表示パネル1の下辺の右側に配置された第3のフレキシブル配線板6d、プリント配線板5d、ソースドライバ3、および液晶表示パネル1を介して供給される。
【0050】
また、従来の液晶表示装置では、コモン給電配線8が、図2(a)に示したように設けられている。コモン給電配線8は、縦電界方式の液晶表示パネル1では、各画素領域内で保持容量を形成するための保持容量線に接続され、横電界方式の液晶表示パネル1では、画素電極との間で電界を形成する対向電極に電圧を供給する対向電圧信号線に接続される。
【0051】
図2(a)に示した従来の液晶表示装置における12個のソースドライバ3は、通常、すべてが同じ構成であり、たとえば、図2(b)に示したような構成になっている。1個のソースドライバ3は、第2のフレキシブル配線板301と、当該第2のフレキシブル配線板301に搭載されたソースドライバIC 302からなる。このとき、第2のフレキシブル配線板301は、制御回路4とソースドライバIC 302との接続を中継する第1の配線301aと、ソースドライバIC 302と映像信号線DLとの接続を中継する第2の配線301bと、制御回路4とゲートドライバ3との接続を中継する第3の配線301cと、制御回路4と対向電極との接続を中継する第4の配線301dとを有する。
【0052】
またこのとき、第3の配線301cおよび第4の配線301dは、第1の配線301aおよび第2の配線301bが配置された領域を挟む2つの領域のそれぞれに設けられている。また、第3の配線301cは、実際には、図2(b)に示したような複数本の配線からなる配線群である。
【0053】
このように、第1の配線301aおよび第2の配線301bが配置された領域を挟む2つの領域のそれぞれに第3の配線301cおよび第4の配線301dが設けられている第2のフレキシブル配線板301を利用すると、1枚の液晶表示パネル1に接続するすべてのソースドライバ3が同じ構成である。そのため、たとえば、ソースドライバ3の製造コストを低減できるとともに、液晶表示パネル1の組み立て作業の作業性を向上させることができる。
【0054】
しかしながら、図2(b)に示した従来のソースドライバ3のように、第1の配線301aおよび第2の配線301bが配置された領域を挟む2つの領域のそれぞれに第3の配線301cを設けた場合、その分、第1の配線301aおよび第2の配線301bを配置できる領域が狭くなる。そのため、第2のフレキシブル配線板301の寸法を変えずにソースドライバICの多出力化に対応するには、たとえば、第2の配線301bのピッチを狭くする必要がある。このように、第2の配線301bのピッチを狭くすると、第2の配線301bと映像信号線DLとの接続不良が生じやすい。
【0055】
また、ソースドライバICの多出力化に対応するには、たとえば、第2のフレキシブル配線板301の寸法を大きくすればよいと考えられる。しかしながら、第2のフレキシブル配線板301の寸法を大きくした場合、たとえば、当該第2のフレキシブル配線板301の製造装置の設定や、使用する絶縁基板の寸法などを変更する必要があり、製造コストが上昇する。
【実施例】
【0056】
図3(a)および図3(b)は、本発明による一実施例の液晶表示装置の概略構成を示す模式図である。
図3(a)は、本発明による一実施例の液晶表示装置で使用するソースドライバの概略構成の一例を示す模式図である。図3(b)は、本実施例の液晶表示装置における第1の駆動回路および第2の駆動回路と制御回路との接続方法の一例を示す模式図である。
【0057】
本実施例の液晶表示装置では、たとえば、図3(a)に示すような構成のソースドライバ3を使用する。
【0058】
本願発明者らは、従来のソースドライバ3において生じる上記のような問題点を解決するために、第2のフレキシブル配線板301上の配線の配置を見直し、第1の配線301aおよび第2の配線301bが配置された領域を挟む2つの領域のうちの一方の領域のみに第3の配線301cを設けるようにした。これにより、従来の第2のフレキシブル配線板301の寸法と同じ寸法の場合、第1の配線301aおよび第2の配線301bを配置する領域を従来のものよりも広くできる。そのため、ソースドライバIC 302を多出力化した場合でも、たとえば、第2の配線301bのピッチに余裕を持たせることができ、第2の配線301bと映像信号線DLとを接続するときの接続不良を低減できる。
【0059】
また、本実施例のソースドライバ3を使用する場合、ゲートドライバ駆動配線7は、たとえば、図3(b)に示すような経路で設ければよい。すなわち、液晶表示パネル1の左辺側に配置される4個のゲートドライバ2には、液晶表示パネル1の下辺の左側に配置される第3のフレキシブル配線板6c、プリント配線板5c、ソースドライバ3、ゲートドライバ2の配線、および液晶表示パネル1の配線を介して、制御回路4からの駆動信号および駆動電力が伝送される。
【0060】
またこのとき、液晶表示パネル1の右辺側に配置される4個のゲートドライバ2には、液晶表示パネル1の上辺の右側に配置される第3のフレキシブル配線板6b、プリント配線板5b、ソースドライバ3、ゲートドライバ2の配線、および液晶表示パネル1の配線を介して、制御回路4からの駆動信号および駆動電力が伝送される。
【0061】
また、本実施例のソースドライバ3を使用する場合、第4の配線301dに接続されるコモン給電配線8の経路は、図2(b)に示した従来例のときと同じ経路になる。
【0062】
以上説明したように、本実施例の液晶表示装置によれば、ソースドライバ3の第2の配線301bと映像信号線DLとの接続不良を低減できる。
【0063】
また、本実施例の液晶表示装置によれば、第2のフレキシブル配線板301の、ソースドライバIC 302(第2の駆動回路部品)の多出力化への対応を容易にすることができる。
【0064】
また、本実施例の液晶表示装置によれば、多出力化したソースドライバIC 302を搭載する第2のフレキシブル配線板の製造コストの上昇を抑えることができる。
【0065】
また、本実施例の液晶表示装置は、上記のような効果が得られることから、たとえば、大型化(大画面化)、高精細化、駆動速度の高速化などが容易になる。
【0066】
また、図3(a)に示した例では、ソースドライバIC 302の右側の第3の配線301cを無くして得られたスペースに第2の配線301bおよび第4の配線301dを配置している。しかしながら、たとえば、図2(b)に示したような配置でも第2の配線301bのピッチに余裕がある場合は、第3の配線301cを無くすことで生じる空きスペース分だけ、第2のフレキシブル配線板301の幅を狭くしてもよいことはもちろんである。
【0067】
以上、本発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはもちろんである。
【0068】
たとえば、前記実施例では液晶表示装置を例に挙げたが、本発明は、これに限らず、液晶表示装置と同様の構成であり、かつ、同様の駆動方法で駆動する表示装置であれば適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1(a)】本発明に関わる液晶表示装置の概略構成の一例を示す模式図である。
【図1(b)】液晶表示パネルの1つの画素の回路構成の一例を示す模式回路図である。
【図2(a)】従来の液晶表示装置における第1の駆動回路および第2の駆動回路と制御回路との接続方法の一例を示す模式図である。
【図2(b)】従来のソースドライバの概略構成の一例を示す模式図である。
【図3(a)】本発明による一実施例の液晶表示装置で使用するソースドライバの概略構成の一例を示す模式図である。
【図3(b)】本実施例の液晶表示装置における第1の駆動回路および第2の駆動回路と制御回路との接続方法の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0070】
1…液晶表示パネル
2…ゲートドライバ
2a,2b…第1の駆動回路
3…ソースドライバ
3a,3b…第2の駆動回路
301…第2のフレキシブル配線板
301a…第1の配線
301b…第2の配線
301c…第3の配線
301d…第4の配線
302…ソースドライバIC(第2の駆動回路部品)
4…制御回路
5a,5b,5c,5d…プリント配線板
6a,6b,6c,6d…第3のフレキシブル配線板
7…ゲートドライバ駆動配線
8…コモン給電配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の走査信号線および複数本の映像信号線を有する表示パネルと、前記走査信号線に走査信号を加える第1の駆動回路部品を有する第1のフレキシブル配線板と、前記映像信号線に映像信号を加える第2の駆動回路部品を有する第2のフレキシブル配線板と、前記第1の駆動回路部品および前記第2の駆動回路部品の動作を制御する制御回路とを有する表示装置であって、
前記第1のフレキシブル配線板は、前記表示パネルの外周のうちの、表示領域を挟んで相対する第1の区間および第2の区間のそれぞれに、複数個ずつ接続されており、
前記第2のフレキシブル配線板は、前記表示パネルの外周のうちの、前記表示領域を挟んで相対する第3の区間および第4の区間のそれぞれに、複数個ずつ接続されており、
前記複数個の前記第2のフレキシブル配線板は、それぞれ、前記制御回路と前記第2の駆動回路部品との接続を中継する第1の配線と、前記第2の駆動回路部品と前記映像信号線との接続を中継する第2の配線と、前記第1の配線および前記第2の配線が配置された領域を挟む2カ所の領域のうちの一方の領域に、前記制御回路と前記第1の駆動回路部品との接続を中継する第3の配線とを有し、
前記表示パネルの前記第1の区間に接続された複数個の前記第1のフレキシブル配線板のそれぞれに搭載された前記第1の駆動回路部品は、前記第1のフレキシブル配線板の配線、前記表示パネルの配線、および前記表示パネルの前記第3の区間に接続された複数個の前記第2のフレキシブル配線板のうちの1個の前記第2のフレキシブル配線板に設けられた前記第3の配線を介して前記制御回路と接続しており、
前記表示パネルの前記第2の区間に接続された複数個の前記第1のフレキシブル配線板のそれぞれに搭載された前記第1の駆動回路部品は、前記第1のフレキシブル配線板の配線、前記表示パネルの配線、および前記表示パネルの前記第4の区間に接続された複数個の前記第2のフレキシブル配線板のうちの1個の前記第2のフレキシブル配線板に設けられた前記第3の配線を介して前記制御回路と接続していることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルに接続された複数個の前記第2のフレキシブル配線板は、それぞれの前記第2のフレキシブル配線板上における前記第1の配線および前記第2の配線と、前記第3の配線との位置関係が、すべて同じ関係であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルは、複数個のTFT素子と、複数個の画素電極と、複数のコモン給電配線とを有し、
前記表示パネルの前記表示領域には、TFT素子、前記TFT素子を介して前記映像信号線に接続された第1の電極を有する画素がマトリクス状に配置されており、
前記第2のフレキシブル配線板は、前記第1の配線および前記第2の配線が配置された領域を挟む2カ所の領域のそれぞれに、前記制御回路と前記コモン給電配線との接続を中継する第4の配線を有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示パネルは、外周が概略長方形であり、
前記第1の区間および前記第2の区間は、前記表示領域を挟んで相対する2つの短辺であり、
前記第3の区間および前記第4の区間は、前記表示領域を挟んで相対する2つの長辺であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記映像信号線は、前記第3の区間に接続された前記第2のフレキシブル配線板に接続される第1の映像信号線と、前記第4の区間に接続された前記第2のフレキシブル配線板に接続される第2の映像信号線とを有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記映像信号線は、前記第3の区間に接続された前記第2のフレキシブル配線板と、前記第4の区間に接続された前記第2のフレキシブル配線板との間を接続するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記複数本の走査信号線は、それぞれ、前記表示パネルの前記第1の区間にある複数個の前記第1の駆動回路部品のうちの1個の前記第1の駆動回路部品と、前記表示パネルの前記第2の区間にある複数個の前記第1の駆動回路部品のうちの1個の前記第1の駆動回路部品とに接続していることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示パネルは、一対の基板の間に液晶材料を封入した液晶表示パネルであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【公開番号】特開2010−60813(P2010−60813A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226045(P2008−226045)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】