説明

表示装置

【課題】狭額縁化の要請にこたえつつ、製造コストを抑制し、かつより高性能な表示装置を提供する。
【解決手段】ゲート駆動用ICと複数のソース駆動用ICに、2枚の矩形のフレキシブル基板を介して外部回路からの信号および電源が供給され、2枚の矩形のフレキシブル基板のうちの第1のフレキシブル基板は、外部回路に接続される接続端子を有し、複数のソース駆動用ICは、入力端子に入力した外部回路からのソース電極駆動用の信号および電源を出力する出力端子を有し、複数のソース駆動用ICにおける各々の入力端子と出力端子とが、当該駆動用ICの中心部に対して対称となるように配置されているとともに、信号用の端子が両端に配置され、電源用の端子のうち基準接地端子が最も中央部に配置されていることを特徴とする。特に、電源用の端子は中央から端部に向かって電流が流れやすい順番に配置されていることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に、駆動用ICが表示パネルに直接搭載されるCOG(Chip on glass)方式の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小型化や狭額縁化などの要請により、表示パネルを構成する透明基板上に直接駆動用ICを実装するCOG方式が採用されている。
【0003】
図12は、COG方式の表示装置における表示パネル上の駆動用ICとフレキシブル基板との接続形態の例を示す説明図である。図12では、表示領域901を有する表示パネル90に、駆動用ICとしてゲートドライバIC903、ソースドライバIC904が搭載されている。また、それら駆動用ICに信号および電源供給を行うために、フレキシブル基板80の一方の端部が表示パネル90の接続部9021に接続されている。接続部9021は、駆動用ICが実装される領域であるCOG実装部902の端部であって、表示パネル90上において、フレキシブル基板80との接続のために異方性導電膜(以下、ACFという。)が設けられる部位である。
【0004】
なお、フレキシブル基板80の他方の端部は、LCDコントローラなどの制御回路が実装されている制御回路基板(図示せず)に接続される。
【0005】
また、配線71は、フレキシブル基板80および表示パネル90上に設けられる各駆動用ICへの配線の例を示している。本例では、いわゆるマルチドロップ方式と呼ばれる接続方式で、各駆動用ICへの配線が設けられている。マルチドロップ方式を使用する場合には、各駆動用ICの端子が各々独立して設けられているため、それぞれの駆動用ICのそれぞれの端子に対して外部(ここではフレキシブル基板80)からの配線71が接続される。例えば、ゲートドライバIC903への配線71は、電源供給用の配線や制御信号用の配線である。また、例えば、ソースドライバIC904への配線71は、データ信号用の配線や、制御信号用の配線、基準電圧供給用の配線、電源供給用の配線である。
【0006】
これに対して、カスケード方式(またはカスケード接続)では、各々の駆動用ICの一部の端子がカスケード配線によって接続される。カスケード配線では、上流側の駆動用ICから下流側の駆動用ICに順に信号が伝達される。駆動用IC側では、カスケード接続の対象とされた入力端子が、自身の回路(駆動用IC内の回路)にて所定の(対応する)出力端子に接続され、入力信号をそのまま隣接する下流側の駆動用ICへの出力信号として出力する。
【0007】
ところで、このような複数の駆動用ICを表示パネル上に搭載するCOG方式の表示装置では、駆動用ICの配置による制約や狭額縁化等の要請により、表示パネルと制御回路基板との接続にL字形状またはT字形状のフレキシブル基板が採用されることが多い。
【0008】
このようなCOG方式の表示装置における表示パネル上の駆動用ICとフレキシブル基板との接続形態に関して、液晶パネルの更なる狭額縁化やフレキシブル基板等の部品コストの低減を目的として様々な試みがなされている。
【0009】
例えば、特許文献1には、表示パネル上に配設された複数の駆動用ICに電源または信号を伝送する複数の配線部材(フレキシブル基板等)を備え、1つの駆動用ICから出力された電源または信号が配線部材を介して他の駆動用ICに入力される表示装置が記載されている。
【0010】
また、例えば、特許文献2には、フレキシブル基板を2つに分割し、分割されたフレキシブル基板間の電源バス配線を透明基板の一主面上に設けたガラス内接続バス配線により電気的に接続する表示装置が記載されている。
【0011】
また、例えば、特許文献3には、例えば、凸部と凸部との間に凹部を有する櫛歯状の端部を有するフレキシブル基板を用いる表示装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2005−114806号公報
【特許文献2】特開2008−20529号広報
【特許文献3】特開2008−89819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
L字形状やT字形状に限らず複雑な形状のフレキシブル基板を採用した場合、一般に定サイズである母材基板から取れる取り数が少なくなり、製造コストが増すという問題があった。
【0014】
これに対し、例えば、特許文献1や特許文献2に記載された表示装置は、フレキシブル基板の形状を単純な形状とすることができる。しかし、特許文献1および特許文献2に記載された方法では、次のような問題は必ずしも解決されない。
【0015】
例えば、ソースドライバICを挟んでゲートドライバICが配置されるような表示パネルへの適用ができない。また、特許文献1および特許文献2に記載された技術はいずれも各ソースドライバICの信号用配線がガラス基板上に設けた配線によりカスケード接続することを前提としている。このため、表示装置の大型化により信号線の本数が多くなればなるほど、ガラス基板上に設けなければならないカスケード配線の本数も多くなるため、狭額縁化が十分に図れないという問題がある。また、信号用配線も抵抗値の小さいフレキシブル基板上に設けられることが好ましい。
【0016】
また、特許文献1に記載された表示装置では、搭載するドライバ数に応じてフレキシブル基板を用意しなければならず、フレキシブル基板の圧着回数が増加し、製造工数がかかるという問題もある。
【0017】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、狭額縁化の要請にこたえつつ、製造コストを抑制し、かつより高性能な表示装置を提供することを目的とする。
【0018】
また、ソースドライバICを挟んでゲートドライバICが配置されるような表示パネルであっても製造コストを抑制でき、各ソースドライバICへの信号および電源供給を安定化することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明による表示装置は、ゲート電極とソース電極とが設けられた表示パネルにゲート駆動用ICと複数のソース駆動用IC(例えば、ゲートドライバIC103、ソースドライバIC104−1〜104−3)が搭載された表示装置であって、複数のソース駆動用ICに、2枚の矩形のフレキシブル基板(例えば、フレキシブル基板21、22)を介して外部回路からの信号および電源が供給され、2枚の矩形のフレキシブル基板のうちの第1のフレキシブル基板(例えば、フレキシブル基板21)は、外部回路に接続される接続端子(例えば、接続端子211)を有し、複数のソース駆動用ICは、入力端子(例えば、外部入力端子1041)に入力した外部回路からのソース電極駆動用の信号および電源を出力する出力端子(例えば、外部出力端子1042)を有し、複数のソース駆動用ICにおける各々の入力端子と出力端子とが、当該駆動用ICの中心部に対して対称となるように配置されているとともに、信号用の端子が両端に配置され、電源用の端子のうち基準接地端子(VSS)が最も中央部に配置されていることを特徴とする。
【0020】
特に、電源用の端子が中央から端部に向かって電流が流れやすい順番に配置されていることが好ましい。
【0021】
第1のフレキシブル基板が、複数のソース駆動用ICのうちの第1のソース駆動用ICに外部回路からのソース電極駆動用の信号および電源を供給するための配線を有し、2枚の矩形のフレキシブル基板のうちの第2のフレキシブル基板(例えば、フレキシブル基板22)が、第1のソース駆動用ICから出力される外部回路からのソース電極駆動用の信号および電源を他のソース駆動用ICに供給するための配線(例えば、カスケードバス配線322)を有するように構成されていてもよい。
【0022】
第1のフレキシブル基板は、複数のソース駆動用ICのうちの第1のソース駆動用ICに外部回路からのソース電極駆動用の信号および電源を供給するための配線を有し、2枚の矩形のフレキシブル基板のうちの第2のフレキシブル基板は、第1のソース駆動用ICから出力される外部回路からのソース電極駆動用の信号を他のソース駆動用ICに供給するための配線(例えば、配線322b)と、第1のソース駆動用ICを介さずに第1のフレキシブル基板から出力される外部回路からのソース電極駆動用の電源を他のソース駆動用ICに供給するための配線(例えば、配線322a)を有するように構成されていてもよい(図6参照)。
【0023】
ゲート駆動用ICは複数搭載され、第1のフレキシブル基板は、複数のゲート駆動用ICのうちの第1のゲート駆動用ICに外部回路からのゲート電極駆動用の信号および電源を供給するための配線(例えば、配線311−1)を有し、第2のフレキシブル基板は、第1のゲート駆動用ICを介さずに第1のフレキシブル基板から出力される外部回路からのゲート電極駆動用の信号および電源を第2のゲート駆動用ICに供給するための配線(例えば、配線321)を有するように構成されていてもよい(図9参照)。
【0024】
第2のフレキシブル基板におけるソース電極駆動用の信号および電源を他のソース駆動用ICに供給するための配線と、第2のフレキシブル基板におけるゲート電極駆動用の信号および電源を第2のゲート駆動用ICに供給するための配線とは、互いに交差しない位置に設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、狭額縁化の要請にこたえつつ、製造コストを抑制し、かつ各駆動用ICへの信号および電源の供給をより安定して行える高性能な表示装置を提供することができる。また、ソースドライバICを挟んでゲートドライバICが配置されるような表示パネルであっても、狭額縁化の要請にこたえつつ、製造コストを抑制し、かつ各ソースドライバICへの信号および電源の供給の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態の液晶表示装置の一例を示す平面図である。
【図2】ソースドライバIC104の端子配置の概略を示す説明図である。
【図3】端子配置の具体例を示す説明図である。
【図4】端子配置の具体例を示す説明図である。
【図5】本実施形態の液晶表示装置の他の例を示す平面図である。
【図6】外部信号供給基板21とバス配線基板22との間の信号受け渡しの例を示す液晶表示装置の要部拡大図である。
【図7】本実施形態の液晶表示装置の他の例を示す平面図である。
【図8】外部信号供給基板21上の配線実装例を示す説明図である。
【図9】外部信号供給基板21とバス配線基板22との間の信号受け渡しの例を示す液晶表示装置の要部拡大図である。
【図10】外部信号供給基板21上の配線実装例を示す説明図である。
【図11】バス配線基板22の配線実装例を示す説明図である。
【図12】COG方式の液晶表示装置における表示パネル上の駆動用ICとフレキシブル基板との接続形態の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の液晶表示装置の一例を示す平面図である。図1に示す液晶表示装置は、表示パネル10と、表示パネル10に接続される2枚の矩形のフレキシブル基板21,22とを備えている。
【0028】
例えば、表示パネル10は、複数のTFT(Thin Film Transistor)がマトリクス状に設けられたTFTアレイ基板を備えるアクティブマトリクス型の液晶表示パネルである。その場合、TFTアレイ基板と対向基板とを備え、それらの間に液晶層が挟持される。また、液晶表示パネルの略中央部には画像を表示する表示エリア101が設けられている。表示エリア101には複数の画素がマトリクス状に配置されている。例えば、TFTアレイ基板を構成する絶縁基板としての透明基板(例えば、ガラス基板)の一面上に、複数のゲート配線(ゲート電極)とゲート配線と直交する複数のソース配線(ソース電極)とが形成され、この両配線で囲まれた領域に画素電極が設けられる。
【0029】
表示パネル10を構成する透明基板上には、複数の駆動用ICが直接実装されている。駆動用ICは、透明基板上の少なくとも表示エリア101に対して突出している一辺に並んで搭載される。図1において、102は、透明基板上の表示エリア101に対して突出している領域を示している。この突出した部分が駆動用ICが実装される領域であるCOG実装部102とされている。
【0030】
COG実装部102の表面上には、駆動用ICとして、ゲート配線駆動用ICであるゲートドライバIC103やソース配線駆動用ICであるソースドライバIC104が必要な数だけ実装される。図1に示す例では、駆動用ICとして、1つのゲートドライバ103と、3つのソースドライバIC104−1〜104−3が搭載される例を示している。
【0031】
本発明では、各ソースドライバIC104は、同一辺に沿って順次実装され、全ての外部入力について、電気的に直列ないわゆるカスケード接続されている。すなわち、各ソースドライバIC104は、外部回路からの入力信号を全てカスケード入力端子から入力して、また全てカスケード出力端子から出力するように設計されている。外部回路からの入力信号には、RSDS(登録商標:Reduced swing differential Signaling)信号やCMOS信号によるデータ信号だけでなく、クロック信号(CLK)、データ出力制御信号(OE)、データキャリー信号(STV)といった制御信号やグランド電位等の基準接地電位となる低電圧電源(VSS)、電源電位となる高電圧電源(VDD)、アナログ電源(VDDA)といった電源供給用の配線も含まれる。
【0032】
また、COG実装される駆動用IC(例えば、各ソースドライバ)の端子(パネル内部に向けて信号を出力するためのパネル出力端子を除く。)は、以下のようである。
【0033】
ソース電極を駆動するためのデータ信号の入力/出力端子は両端に配置される。また、ソース電極を駆動するための電源(具体的には、電圧)の入力/出力端子については、最も中央部に基準接地端子のVSSを配置し、電流が流れやすい順番に中央から端部に向かって配置するものとする。従って、電源としてVSS、VDD、VDDAを有する例においては、VSSを中央に、端部に向かって、VDD、VDDAを順に配置する。また、入力端子と出力端子の配置は、当該駆動用IC中央部に対して対称とする。換言すると、入力端子と出力端子の配置は、当該駆動用ICの長編の中点に対して線対称に配置されている。また、「電流が流れやすい」は、所定期間(例えば、1〜数フレームの期間)における電流量が多いことを意味する。
【0034】
図2は、ソースドライバIC104の端子配置の概略を示す説明図である。図2に示す例では、パネル外部からの入力信号を入力するための入力端子である外部入力端子1041と、その入力信号を隣接ICに出力するための出力端子である外部出力端子1042とを含む当該駆動用ICにおいて長手方向の一端部(外部入力端子が設けられる側の端部)に設けられる全ての端子を対象に、上記条件を合致させた例である。なお、外部入力端子1041はカスケード入力端子であり、外部出力端子1042はカスケード出力端子である。
【0035】
図2において、RSDS−InはRSDS信号用の入力端子(カスケード入力端子)を表している。また、C−Inは制御信号用の入力端子を表している。また、VDD−Inは高電圧電源用の入力端子を表している。また、VSS−Inは低電圧電源用の入力端子を表している。また、VSS−Outは低電圧電源用の出力端子(カスケード出力端子)を表している。また、VDD−Outは高電圧電源用の出力端子を表している。また、C−Outは制御信号用の出力端子を表している。RSDS−OutはRSDS信号用の出力端子を表している。
【0036】
図2に示すように、外部入力端子1041が、ソースドライバIC104の長手方向の一辺の中央から端部に向かって、例えば、VSS−In、VDD−In、C−In、RSDS−Inの順に配置され、外部出力端子1042が、ソースドライバIC104の中央から端部に向かって、VSS−Out、VDD−Out、C−Out、RSDS−Outの順に配置されている。
【0037】
また、図3は、より具体的な端子配置の例を示す説明図である。例えば、図3では、ソースドライバIC104の外部入力/出力端子として、ソースドライバIC104の長手方向の一辺の中央から端部に向かって順に、VSS、VDD、VDDA、RGB信号(RSDSまたはCMOS信号)が設けられる例が示されている。
【0038】
なお、図3に示すように、表示パネル10上のフレキシブル基板との接続用の接続端子(接続部1021に設けられる接続バンプ)についても表示パネル上での配線が交差しないように配置するとともに、低い抵抗値が保持されるように電源関係の配線は線幅を太くすることが好ましい。
【0039】
また、フレキシブル基板21、22は、それぞれ外部回路から入力される信号および電源を各駆動用ICに供給するための矩形の基板である。本実施形態では、2枚あるうちの1つが実際に外部の制御回路と接続され、他の1つは外部の制御回路とは直接接続されずに表示パネル10とのみ接続される。
【0040】
以下、外部の制御回路と接続される方のフレキシブル基板21を、外部信号供給基板21と表現し、外部の制御回路と接続されない方のフレキシブル基板22をバス配線基板22と表現する場合がある。
【0041】
外部信号供給基板21は、外部回路との接続用の接続端子211と、表示パネル10との接続用の接続端子(図示省略)とを備える。また、外部信号供給基板21の一面上には、例えば銅箔などにより、表示パネル10上に実装されている駆動用ICへの信号および電源供給のための配線311、312が形成される。
【0042】
配線311は、ゲートドライバIC103にゲート電極駆動用の信号および電源を供給するための配線である。例えば、複数の電源用配線と複数の制御信号用配線とを有し、これら各線は略平行に形成される。
【0043】
また、配線312は、ソースドライバIC104(直接には、第1のソースドライバIC104−1)に信号および電源を供給するための配線である。配線312は、例えば、複数の電源用配線と複数の制御信号用配線と複数のデータ信号用配線とを有し、これら各線は略平行に形成される。ここで、配線312に含まれる各線の配置は、接続先であるソースドライバIC104の端子配置に対応しているものとする。
【0044】
なお、第1のソースドライバIC104−1は、カスケード接続されるソースドライバIC104の中で最初に信号を入力するソースドライバIC104である。図1に示す例では図中の最左端に配置されているソースドライバIC104−1が該当する。なお、第1のソースドライバIC104は、同一辺上に並んだソースドライバICの中で、外部入力端子が最もゲートドライバIC103に近い位置に配置される隣接するソースドライバIC104であるということもできる。
【0045】
バス配線基板22は一端部に表示パネル10との接続用の接続端子を備える。また、バス配線基板22の一面上には、ソースドライバIC104間を接続するためのカスケードバス配線322が設けられている。カスケードバス配線322は、例えば、第1のソースドライバIC104−1と第2のソースドライバIC104−2間に配置される場合には、第1のソースドライバIC104−1の外部出力端子と、それに隣接する第2のソースドライバIC104−2の外部入力端子とをパネル配線を介して接続するための配線である。なお、3つのソースドライバICを備える場合には、バス配線基板22には、カスケードバス配線322として、第1のソースドライバIC104−1の外部出力端子と、それに隣接する第2のソースドライバIC104−2の外部入力端子とをパネル配線を介して接続するための配線と、第2のソースドライバIC104−2の外部出力端子と、それに隣接する第3のソースドライバIC104−3の外部入力端子とをパネル配線を介して接続するための配線とが少なくとも設けられる。
【0046】
外部信号供給基板21およびバス配線基板22は、表示パネル10のCOG実装部102の外側の端部であって、異方性導電膜(以下、ACFという。)が設けられる部位である接続部1021を介して、表示パネル10と接続される。図1に示す例では、図中左側に外部信号供給基板21が配置され、その右側にバス配線基板22が配置されている。
【0047】
外部信号供給基板21は、例えば、各配線312が、表示パネル10上のパネル配線を介して第1のソースドライバIC104−1の各外部入力端子と接続されたときに、それらパネル配線の配線距離(特に電源用配線)が最も短くなる位置に配置してもよい。
【0048】
また、バス配線基板22は、例えば、各配線322が、表示パネル10上のパネル配線を介して各ソースドライバIC104の各外部入力/出力端子と接続されたときに、それらパネル配線の配線距離(特に電源用配線)が最も短くなる位置に配置してもよい。例えば、図1において、COG実装部102の接続部1021に、第1のソースドライバIC104−1の外部出力端子に対応する位置から最右端に位置するソースドライバICの外部入力端子に対応する位置まで亘るように配置してもよい。
【0049】
本実施形態では、外部信号供給基板21(より具体的には、配線312の接続端子)から出力されるソースドライバIC用信号は、表示パネル10上のパネル配線を介して第1のソースドライバIC104−1の外部入力端子に接続され、第1のソースドライバIC104−1の外部出力端子から出力される。そして、第1のソースドライバIC104−1の外部出力端子から出力された同ソースドライバIC用信号は、パネル配線を介してバス配線基板22(より具体的には、カスケードバス配線322の接続端子)に入力される。このようにして、外部信号供給基板21とバス配線基板22との間で、外部回路から入力される信号の受け渡しが行われる。同様に、ソース電極用の信号および電源は、ソースドライバIC、ここでは第1のソースドライバIC104−1を介して他のソースドライバに供給されている。
【0050】
また、図4に示すように、外部回路からの入力信号は、ゲートドライバICに供給するための、クロック信号(CLK)、データ出力制御信号(OE)、データキャリー信号(STV)およびゲートロジック駆動電源(VGH、VGL)を含んでいる。これらゲートドライバICへの供給信号は、ソースドライバIC104を介さずに、表示パネル10上の配線を介して、フレキシブル基板22に供給されることになる。
【0051】
この図4の態様においても、ソースドライバIC104の端子配置は図3と同様に、中央から端部に向かって電流が流れやすい電源端子配列としている。すなわち、中央部にVSS、その次にVDD、VDDAと順に配置している。さらに、電源端子の外側にRSDS信号を配置している。そして、これらソースドライバIC104の端子はICの中央部に対して対象となるように配置されている。
【0052】
バス配線基板22において、外部回路からの信号が入力されると、カスケードバス配線322と、カスケードバス配線322に対応して設けられるパネル配線(当該カスケードバス配線322とその接続先であるソースドライバICの外部入力/出力端子との間に設けられるパネル配線)とによって、各ソースドライバICにその信号(外部入力信号)が順次供給される。
【0053】
図5および図6は、外部信号供給基板21とバス配線基板22との間の信号受け渡しにおける他の例を示す図である。図5は、本実施形態の液晶表示装置の他の例を示す平面図であり、図6は、図5に示した液晶表示装置の外部信号供給基板21とバス配線基板22との間の信号受け渡しにかかる要部拡大図である。図5および図6に示す例では、外部信号供給基板21から出力されるソースドライバIC用信号のうち電源系の信号は、表示パネル10の端子部の配線33を介してバス配線基板22に入力する。
【0054】
すなわち、外部信号供給基板21に設けられる配線312のうちの電源系の信号配線である配線312aについては、所定位置にてスルーホール40を介して分岐線に電気的に接続され、その分岐線が表示パネル10のCOG実装部102の端部領域に設けられた配線33(以下、パネル内バス配線33という。)と電気的に接続される。また、このパネル内バス配線33が、バス配線基板22に設けられる配線322のうちの電源系のバス配線である配線322aに接続される。
【0055】
なお、図6では、アルファベットaが付された符号は、電源系であることを示している。なお、アルファベットbが付された符号は、電源系の対比としての信号系を示している。例えば、312bは外部信号供給基板21に設けられる配線312のうちの信号系の信号配線を示す。また、322bは、バス配線基板22に設けられる配線322のうちの信号系の信号配線を示す。
【0056】
また、このようにしてもバス配線基板22では各配線が交差することがないため、一層構造のままですむ。バス配線基板22に設けられる信号系の信号配線322bと電源系の配線322aはパネル端子を介して第2のソースドライバIC104−2の外部入力端子1041b、1041aにそれぞれ電気的に接続されている。そして、第2のソースドライバIC104−2に入力されたソース電極用の信号および電源は第2のソースドライバIC104-2に形成された外部出力端子1042b、1042aからパネル端子を介してバス配線基板22に供給され、さらに、第3のソースドライバIC104−3へ供給されていく。なお、第2のソースドライバIC104−2、第3のソースドライバIC104−3は、共に、入力端子と出力端子とがICの中心部に対して対称となるように配置されているとともに、信号用の端子が両端に配置され、電源用の端子うち基準接地端子が最も中央部に配置され、端部に向かって電流が流れやすい順番に配置されている。
【0057】
図7は、本実施形態の液晶表示装置のさらなる他の例を示す平面図である。図7に示す例では、表示パネル10のCOG実装部102において、カスケード接続される複数のソースドライバIC104の両隣に、それぞれ1つずつゲートドライバIC103(103−1および103−2)が設けられている。
【0058】
このような場合、例えば、図8に示すように、外部信号供給基板21に、各ゲートドライバICへの信号および電源供給用の配線311−1、311−2を外部信号供給基板21の両端部側に設けて、その一方(本例では、ゲートドライバIC103−2への信号および電源供給用の配線311−2)を、表示パネル10の端子部の配線33を介してバス配線基板22に入力すればよい。そして、このパネル内バス配線33と、バス配線基板22に設けられる、ゲートドライバIC103−2への信号および電源供給用の配線321とを接続し、配線321が、ゲートドライバIC103−2の外部入力端子と接続されているパネル配線と接続されることによって、ゲートドライバIC103−2の外部入力端子に至るまでの導通が得られる。
【0059】
本実施の形態において、外部信号供給基板21にスルーホール40を設けることなく、外部信号供給基板21の一方の面にのみ配線を形成すればよいので、製造コストがさらに軽減させられる。本実施の形態においても図6に示したように、バス配線基板21に供給されたソース電極駆動用の信号および電源は、第2のソースドライバIC104-2の外部入力端子を介して外部出力端子に出力され、さらにバス配線基板21の配線に供給される。
【0060】
また、バス配線基板21に供給されたゲートドライバIC103−2用の配線321は、バス配線基板21に形成されたソースドライバIC用の配線322に交差しないように、バス配線基板21の接続部とは反対側の端部に沿って配設されている。バス配線基板21においてもスルーホール等を形成しないで各配線を交差させない構成としたことにより、バス配線基板における配線を一方の面にのみに形成することができるので製造コストを軽減することができる。
【0061】
図4に示す態様では、外部信号供給基板21のバス配線基板22側には、ゲートドライバIC103−2に供給するための配線が配置され、バス配線基板22の外部信号供給基板21側にはパネル配線を介してゲートドライバIC103−2用の配線が形成されている。これら配線の中にもゲートドライバICの電源用の配線があるが、電源用の配線の抵抗を少なくするため、その配置順は外側に低電圧用電源(VGL)、高電圧用電源(VGH)とすることが好ましい。
【0062】
図9は、外部信号供給基板21上の配線311−2から、表示パネル10上の配線33、バス配線基板22上の配線321までの配線接続の一例を示す要部拡大図である。なお、図9には、外部信号供給基板21に設けられる配線312のうちの電源系の信号配線である配線312aも合わせて、表示パネル10の端子部の配線33を介してバス配線基板22に入力する例が示されている。
【0063】
そして、バス配線基板22に設けられる信号系の信号配線322bと電源系の配線322aはパネル端子を介して第2のソースドライバIC104−2の外部入力端子1041b、1041aにそれぞれ電気的に接続されている。さらに、第2のソースドライバIC104−2に入力されたソース電極用の信号および電源は第2のソースドライバIC104-2に形成された外部出力端子1042b、1042aからパネル端子を介してバス配線基板22に供給される。なお、第2のソースドライバIC104−2は、入力端子と出力端子とがICの中心部に対して対称となるように配置されているとともに、信号用の端子が両端に配置され、電源用の端子うち基準接地端子が最も中央部に配置され、端部に向かって電流が流れやすい順番に配置されている。
【0064】
図10は、外部信号供給基板21とバス配線基板22との間の信号受け渡しにおける外部信号供給基板21上の配線311に関する他の実装例を示す説明図である。図10に示す例では、外部信号供給基板21に、ゲートドライバIC103−1への信号および電源供給用の配線311を介して、バス配線基板22にゲートドライバIC103−2への信号が出力される。
【0065】
すなわち、図10に示すように、外部信号供給基板21に設けられるゲートドライバIC103−1への信号および電源供給用の配線311に対して、スルーホール40を設けて表示パネル10上の配線33へと接続される分岐線と接続させるようにしてもよい。
【0066】
なお、本実施の形態において、第2のソースドライバIC104−2へのVSS,VDD等の電源の供給を第1のソースドライバIC104−1を介さずに行ったが、図4に示すように、ソース電極駆動用の電源も第1のソースドライバIC104−1を介して行うようにすることもできる。すなわち、第1のソースドライバIC104−1の外部入力端子1041aを介して電源を供給し、同じICの外部出力端子1042aから出力し、バス配線基板22を介して他のソースドライブICの外部入力端子に供給する。このようにソース電極駆動用の信号および電源をソースドライブICを介してカスケード接続することでフレキシブル基板を簡易に形成することができる。
【0067】
図11は、ゲートドライバIC103−2への信号および電源供給用の配線321を含むバス配線基板22の配線実装例を示す説明図である。図11に示すように、ゲートドライバIC103−2への信号および電源供給用の配線321は、ソースドライバIC104間を接続するためのカスケードバス配線322の外側を通るように配線されることによって、バス配線基板22上で各配線を交差させずに、ゲートドライバIC103−2まで外部入力信号を供給することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、複数の駆動用ICが透明基板に直接搭載されるCOG(Chip on glass)方式の表示装置に好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0069】
10 表示パネル
101 表示エリア
102 COG実装部
1021 接続部
103、103−1、103−2 ゲートドライバIC
104、104−1〜104−3 ソースドライバIC
1041 外部入力端子(カスケード入力端子)
1042 外部出力端子(カスケード出力端子)
1043 パネル出力端子
21 フレキシブル基板(外部信号供給基板)
22 フレキシブル基板(バス配線基板)
211 外部回路との接続用の接続端子
311 ゲートドライバIC用バス配線(外部信号供給基板上)
312 ソースドライバIC用バス配線(外部信号供給基板上)
321 ゲートドライバIC用バス配線(バス配線基板上)
322 カスケードバス配線(バス配線基板上)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート電極とソース電極とが設けられた表示パネルにゲート駆動用ICと複数のソース駆動用ICが搭載された表示装置であって、
前記複数のソース駆動用ICに、2枚の矩形のフレキシブル基板を介して外部回路からの信号および電源が供給され、
前記2枚の矩形のフレキシブル基板のうちの第1のフレキシブル基板は、外部回路に接続される接続端子を有し、
前記複数のソース駆動用ICは、入力端子に入力した外部回路からのソース電極駆動用の信号および電源を出力する出力端子を有し、
前記複数のソース駆動用ICにおける各々の入力端子と出力端子とが、当該駆動用ICの中心部に対して対称となるように配置されているとともに、信号用の端子が両端に配置され、電源用の端子のうち基準接地端子が最も中央部に配置されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
電源用の端子が中央から端部に向かって電流が流れやすい順番に配置されている請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
第1のフレキシブル基板は、複数のソース駆動用ICのうちの第1のソース駆動用ICに外部回路からのソース電極駆動用の信号および電源を供給するための配線を有し、
2枚の矩形のフレキシブル基板のうちの第2のフレキシブル基板は、前記第1のソース駆動用ICから出力される外部回路からのソース電極駆動用の信号および電源を他のソース駆動用ICに供給するための配線を有する
請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
第1のフレキシブル基板は、複数のソース駆動用ICのうちの第1のソース駆動用ICに外部回路からのソース電極駆動用の信号および電源を供給するための配線を有し、
2枚の矩形のフレキシブル基板のうちの第2のフレキシブル基板は、前記第1のソース駆動用ICから出力される外部回路からのソース電極駆動用の信号を他のソース駆動用ICに供給するための配線と、前記第1のソース駆動用ICを介さずに前記第1のフレキシブル基板から出力される外部回路からのソース電極駆動用の電源を他のソース駆動用ICに供給するための配線を有する
請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
ゲート駆動用ICは複数搭載され、
第1のフレキシブル基板は、複数のゲート駆動用ICのうちの第1のゲート駆動用ICに外部回路からのゲート電極駆動用の信号および電源を供給するための配線を有し、
第2のフレキシブル基板は、前記第1のゲート駆動用ICを介さずに前記第1のフレキシブル基板から出力される外部回路からのゲート電極駆動用の信号および電源を第2のゲート駆動用ICに供給するための配線を有する
請求項3または請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
第2のフレキシブル基板におけるソース電極駆動用の信号および電源を他のソース駆動用ICに供給するための配線と、前記第2のフレキシブル基板におけるゲート電極駆動用の信号および電源を第2のゲート駆動用ICに供給するための配線とは、互いに交差しない位置に設けられている
請求項5に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−248218(P2011−248218A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122978(P2010−122978)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【Fターム(参考)】