表示装置
【課題】ある程度の色域を確保しつつ、より輝度の高い画像を表示することができる表示装置を提供する。
【解決手段】本開示に係る表示装置は、2次元マトリクス状に画素が配列されている表示部を備えている。表示部の画素は、第1原色を表示する副画素と第1原色とは異なる第2原色を表示する副画素との組から成る。これによって、本開示に係る表示装置は、ある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い画像を表示することができる。
【解決手段】本開示に係る表示装置は、2次元マトリクス状に画素が配列されている表示部を備えている。表示部の画素は、第1原色を表示する副画素と第1原色とは異なる第2原色を表示する副画素との組から成る。これによって、本開示に係る表示装置は、ある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い画像を表示することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置として、例えば、外光の反射率を制御することによって画像を表示する反射型の表示装置や、背面に配置されたバックライトからの光の透過率を制御することによって画像を表示する表示装置が知られている。また、反射型の表示装置と透過型の表示装置の双方の利点を併せ持つ表示装置として、例えば、反射型の副画素と透過型の副画素とを有する半透過型の表示装置も提案されている(例えば、特許第2955277号公報(特許文献1)参照)。
【0003】
通常、カラー表示を行う表示装置は、赤色、緑色および青色といった3つの原色を表示する副画素の組から成る画素を備えており、各副画素の輝度を制御することによってカラー画像を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2955277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、透過部の表示を優先した設計のカラー表示の半透過型の表示装置にあっては、画素において反射型の副画素が占める面積の割合は小さい。この表示装置にあっては、外光の反射によって表示される画像の輝度は低くなるので視認性は低下する。このような場合、色再現はほどほどに抑え、より輝度の高い画像を表示するほうが視認性は向上する。このように、表示装置の用途にもよるが、ある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い画像を表示することができる表示装置が求められている。
【0006】
従って、本開示の目的は、ある程度の色域を確保しつつ、より輝度の高い画像を表示することができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る表示装置は、
2次元マトリクス状に画素が配列されている表示部を備えており、
表示部の画素は、第1原色を表示する副画素と第1原色とは異なる第2原色を表示する副画素との組から成る表示装置である。
【0008】
上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る表示装置は、
赤色表示用の透過型の副画素、緑色表示用の透過型の副画素および青色表示用の透過型の副画素、並びに、赤色表示用の反射型の副画素および白色またはシアン表示用の反射型の副画素の組から成る画素が2次元マトリクス状に配列されている半透過型の表示部を備えている表示装置である。
【0009】
上記の目的を達成するための本開示の第3の態様に係る表示装置は、
赤色表示用の反射型の副画素、緑色表示用の反射型の副画素および青色表示用の反射型の副画素、並びに、赤色表示用の透過型の副画素および白色またはシアン表示用の透過型の副画素の組から成る画素が2次元マトリクス状に配列されている半透過型の表示部を備えている表示装置である。
【発明の効果】
【0010】
本開示の第1の態様に係る表示装置にあっては、画素が第1原色を表示する副画素と第1原色とは異なる第2原色を表示する副画素との組から成る。これによって、ある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い画像を表示することができる。本開示の第2の態様に係る表示装置にあっては、反射型の副画素として赤色表示用の副画素と白色またはシアン表示用の副画素を備えている。これによって、外光の反射によって表示される画像において、ある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い表示を行うことができる。本開示の第3の態様に係る表示装置にあっては、透過型の副画素として赤色表示用の副画素と白色またはシアン表示用の副画素とを備えている。これによって、光の透過によって表示される画像において、ある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る表示装置の模式的な斜視図である。
【図2】図2は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【図3】図3は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
【図4】図4の(A)は、図3のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。図4の(B)は、図3のB−Bで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【図5】図5の(A)は、赤色、緑色および青色を表示する副画素を用いた場合の色域を説明するための模式的なxy色度図である。図5の(B)は、赤色を表示する副画素および白色またはシアンを表示する副画素を用いた場合の色域を説明するための模式的なxy色度図である。
【図6】図6は、第2の実施形態に係る表示装置の模式的な斜視図である。
【図7】図7は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【図8】図8は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
【図9】図9は、図8のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【図10】図10は、図8のB−Bで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【図11】図11は、図8のC−Cで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【図12】図12は、第3の実施形態に係る表示装置における、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【図13】図13は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
【図14】図14は、図13のC−Cで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【図15】図15は、第4の実施形態に係る表示装置の模式的な斜視図である。
【図16】図16は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【図17】図17は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
【図18】図18は、図17のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【図19】図19は、図17のB−Bで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【図20】図20は、図17のC−Cで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【図21】図21は、第5の実施形態に係る表示装置における、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【図22】図22は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
【図23】図23は、図22のC−Cで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、実施形態に基づき本開示を説明する。本開示は実施形態に限定されるものではなく、実施形態における種々の数値や材料は例示である。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示に係る表示装置の全般に関する説明
2.第1の実施形態
3.第2の実施形態
4.第3の実施形態
5.第4の実施形態
6.第5の実施形態(その他)
【0013】
[本開示に係る表示装置の全般に関する説明]
本開示の第1の態様に係る表示装置において、第1原色は、基本的には彩度と明度が高い色とすることが好ましい。中でも、第1原色は赤色であることが望ましい。この場合において、第2原色は白色またはシアンである構成とすることが好ましい。
【0014】
上述した好ましい構成を含む第1の態様に係る表示装置にあっては、赤色表示用の映像信号を用いて第1原色を表示する副画素が駆動され、緑色表示用の映像信号を用いて第2原色を表示する副画素が駆動される構成とすることができる。尚、本明細書において、「映像信号を用いて」には、映像信号をそのまま用いる構成のほか、映像信号を加工した信号を用いる構成も包含される。例えば、緑色表示用の映像信号をそのまま用いて第2原色を表示する副画素が駆動される構成であってもよいし、緑色表示用の映像信号などを加工した信号を用いて第2原色を表示する副画素が駆動される構成であってもよい。
【0015】
上述した各種の好ましい構成を含む第1の態様に係る表示装置にあっては、表示部として液晶表示パネル、エレクトロルミネッセンス表示パネル、プラズマ表示パネル、電子ペーパー(例えば電気泳動式)などといった周知の表示パネルを用いることができる。表示装置の軽量化を図るなどといった観点からは、中でも、表示部が液晶表示パネルから成る構成とすることが好ましい。液晶表示パネルの構成は特に限定するものではない。例えば、反射型であってもよいし、透過型であってもよいし、両者の特徴を併せ持った半透過型であってもよい。
【0016】
本開示の第2の態様に係る表示装置にあっては、赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の透過型の副画素と赤色表示用の反射型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の透過型の副画素が駆動される構成とすることができる。
【0017】
あるいは又、本開示の第2の態様に係る表示装置にあっては、画素は、白色またはシアン表示用の反射型の第1副画素および第2副画素を備えており、
赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の透過型の副画素と赤色表示用の反射型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の第1副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の第2副画素が駆動される構成とすることができる。
【0018】
本開示の第3の態様に係る表示装置にあっては、赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の反射型の副画素と赤色表示用の透過型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の反射型の副画素が駆動される構成とすることができる。
【0019】
あるいは又、本開示の第3の態様に係る表示装置にあっては、画素は、白色またはシアン表示用の透過型の第1副画素および第2副画素を備えており、
赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の反射型の副画素と赤色表示用の透過型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の第1副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の第2副画素が駆動される構成とすることができる。
【0020】
上述した好ましい構成を含む第2の態様に係る表示装置、あるいは又、上述した好ましい構成を含む第3の態様に係る表示装置にあっては、表示部として周知の半透過型の表示パネルを用いることができる。表示装置の軽量化を図るなどといった観点からは、中でも、表示部は半透過型の液晶表示パネルから成る構成とすることが好ましい。液晶表示パネルの構成は特に限定するものではない。
【0021】
表示部に光を照射する照明部を用いる場合には、周知の照明部を用いることができる。照明部の構成は、特に限定するものではない。一般に、照明部は、光源や導光板などといった周知の部材から構成することができる。
【0022】
後述する各実施形態においては、アクティブマトリクス方式のカラー液晶表示パネルを表示部として用いる。
【0023】
液晶表示パネルは、例えば、透明共通電極を備えたフロントパネル、画素電極を備えたリアパネル、及び、フロントパネルとリアパネルとの間に配置された液晶材料から成る。透過型の場合には、画素電極は透明な導電材料から成る構成とすればよい。また、反射型の場合には、画素電極は光を反射する材料から成る構成とすることができるし、あるいは又、画素電極とは独立した反射板を設けておき、画素電極は透明な導電材料から成る構成とすることもできる。半透過型においても同様である。
【0024】
液晶表示パネルの動作モードは特に限定するものではない。例えば、所謂TN(Twisted Nematic)モードで駆動される構成であってもよいし、VA(Vertical Alignment)モードあるいはIPS(In-Plane Switching)モードで駆動される構成であってもよい。
【0025】
より具体的には、フロントパネルは、例えば、ガラスから成る基板と、基板の内面に設けられた透明共通電極(例えば、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)から成る)と、基板の外面に設けられた偏光フィルムとから構成されている。基板の内面に、アクリル樹脂やエポキシ樹脂から成るオーバーコート層によって被覆されたカラーフィルターが設けられている。そして、フロントパネルは、更に、オーバーコート層上に透明共通電極が形成された構成を有している。尚、必要な場合には、透明共通電極上に配向膜が形成される。
【0026】
一方、リアパネルは、例えば、ガラスから成る基板と、基板の内面に形成されたスイッチング素子と、スイッチング素子によって導通/非導通が制御される画素電極(例えば、ITOから成る)から構成されている。必要な場合には、画素電極を含む全面に配向膜が形成され、また、基板の外面に偏光フィルムが設けられる。
【0027】
液晶表示パネルを構成する各種の部材や液晶材料は、周知の部材や材料から構成することができる。スイッチング素子として、例えば薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)といった3端子素子や、MIM(Metal Insulator Metal)素子、バリスタ素子、ダイオード等の2端子素子を例示することができる。これらのスイッチング素子には、例えば行方向に延びる走査線や列方向に延びる信号線が接続されている。
【0028】
表示部の形状は特に限定するものではなく、横長の矩形状であってもよいし縦長の矩形状であってもよい。表示部の画素(ピクセル)の数M×Nを(M,N)で表記したとき、例えば横長の矩形状の場合には(M,N)の値として、(640,480)、(800,600)、(1024,768)等の画像表示用解像度の幾つかを例示することができ、縦長の矩形状の場合には相互に値を入れ替えた解像度を例示することができるが、これらの値に限定するものではない。
【0029】
表示部を駆動する駆動回路などは、種々の回路から構成することができる。これらは周知の回路素子などを用いて構成することができる。
【0030】
本明細書に示す各種の条件は、厳密に成立する場合の他、実質的に成立する場合にも満たされる。例えば、「赤色」とは実質的に赤色として認識されれば足り、「緑色」とは実質的に緑色として認識されれば足りる。「青色」、「白色」や「シアン」についても同様である。設計上あるいは製造上生ずる種々のばらつきの存在は許容される。
【0031】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、本開示の第1の態様に係る表示装置に関する。
【0032】
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の模式的な斜視図である。
【0033】
表示装置1は、2次元マトリクス状に画素12が配列されている表示部10を備えている。表示部10の画素12は、第1原色を表示する副画素12ARと第1原色とは異なる第2原色を表示する副画素12AWとの組から成る。第1の実施形態において、第1原色は赤色であり、第2原色は白色である。
【0034】
表示部10は反射型の液晶表示パネルから成る。説明の都合上、表示部10の表示領域11はX−Z平面と平行であり、画像を観察する側が+Y方向であるとする。尚、図1においては、後述する図2に示す走査回路101と信号出力回路102の図示を省略した。
【0035】
表示部10は、図において+Y方向側のフロントパネル、−Y方向側のリアパネル、フロントパネルとリアパネルとの間に配置された液晶材料等から構成されている。尚、図示の都合上、図1においては表示部10を1枚のパネルとして表した。表示部10は矩形状であり、画素12が配列された表示領域11も矩形状である。符号13A,13B,13C,13Dは表示部10の辺を示す。後述する図6や図15に示す他の実施形態における表示部においても同様である。
【0036】
表示領域11には、行方向(図においてX方向)にM個、列方向(図においてZ方向)にN個、合計M×N個の画素12が配列されている。第m列(但し、m=1,2・・・,M)、第n行目(但し、n=1,2・・・,N)の画素12を、第(m,n)番目の画素12あるいは画素12(m,n)と表す。表示部10の画素数(M,N)は、例えば(768,1024)である。他の実施形態における表示部においても同様である。
【0037】
第1の実施形態にあっては、画素12は、反射型の副画素12AR,12AWの組から構成されている。副画素の詳細について説明する。
【0038】
図2は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【0039】
表示装置1は、行方向に延び一端が走査回路101に接続されたN本の走査線22、列方向に延び一端が信号出力回路102に接続された2×M本の信号線26、走査線22と信号線26とに接続され、走査線22からの走査信号に応じて動作するトランジスタ(TFT)を備えた反射型の副画素12AR,12AWを備えた表示装置である。
【0040】
画素12(m,n)には、第n行目の走査線22(以下、走査線22nと表す場合がある)が接続される。副画素12ARには、第(2×m−1)列目の信号線26が接続され、副画素12AWには、第(2×m)列目の信号線26が接続される。尚、図面においては「×」の表記は省略した。また、以下の記載において「×」の表記を省略する場合がある。例えば、第(2×m)列目の信号線26を信号線262mと表す場合がある。
【0041】
図2に示す液晶容量LC1,LC2は、フロントパネルに設けられた透明共通電極と、リアパネルに設けられた画素電極と、フロントパネルとリアパネル間に挟持されている液晶材料層とから成る。また、保持容量C1,C2は、画素電極などに導通する補助電極によって構成されている。尚、後述する図3および図4においては、補助電極の図示を省略した。
【0042】
表示装置1には、表示すべきカラー画像に応じた信号が外部から供給される。図示せぬ回路によって、カラー画像に応じた信号に基づいて赤色表示用の映像信号VSRと緑色表示用の映像信号VSGが生成される。そして、信号出力回路102によって、赤色表示用の映像信号VSRを用いて第1原色を表示する副画素12ARが駆動され、緑色表示用の映像信号VSGを用いて第2原色を表示する副画素12AWが駆動される。
【0043】
図3は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。図4の(A)は、図3のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。図4の(B)は、図3のB−Bで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【0044】
図3に示すように、副画素12AWは副画素12ARよりも面積が大きい。基本的には、画素12において副画素12AWが占める割合が約60〜80パーセント程度となるように、設計に応じて適宜好ましい値を選択すればよい。
【0045】
図4の(A)及び(B)に示すように、表示部10は、リアパネル20、フロントパネル50、及び、両パネル間に挟持されている液晶材料層40を備えている。
【0046】
フロントパネル50は、例えばガラスから成る基板51、基板51の内面に設けられた透明共通電極54(例えば、ITOから成る)、及び、基板51の外面に設けられた偏光フィルム61を備えている。後述する他の実施形態においても同様である。
【0047】
基板51の液晶材料層40側には、それぞれ隣接する副画素の間に対応して配置されたブラックマトリックス52と、ブラックマトリックス52で囲まれた領域内に配置されたカラーフィルターと、ブラックマトリックス52とカラーフィルターを含む全面を覆う透明共通電極54と、透明共通電極54を含む全面を覆う上部配向膜55が設けられている。図4の(A)における参照番号53Rは赤色のカラーフィルター、図4の(B)における参照番号53Wは白色のカラーフィルター(換言すれば、単なる透明なフィルター)である。
【0048】
リアパネル20は、例えば、ガラスから成る基板21、基板21の内面に形成されたTFTから成るスイッチング素子、及び、スイッチング素子によって導通/非導通が制御される画素電極(例えば、ITOから成る)とを備えている。
【0049】
より具体的には、基板21の液晶材料層40側には、第1絶縁膜23と第2絶縁膜25とが積層して形成されている。第1絶縁膜23と第2絶縁膜25との間には、TFTを形成する半導体薄膜24が形成されている。第2絶縁膜25上には、信号線26が形成されている。TFTの一方のソース・ドレイン電極には信号線26の舌部が接続されている。他方のソース・ドレイン電極には、導通部26Aを介して、画素電極が接続されている。具体的には、図4の(A)においては他方のソース・ドレイン電極に画素電極30が接続され、図4の(B)においては他方のソース・ドレイン電極に画素電極30’が接続されている。尚、導通部26Aは、例えば、信号線26の形成にあわせて同時にパターンニングされて形成されている。
【0050】
TFTは、走査線22からの信号に従って動作するスイッチング素子として機能する。走査線22からの走査信号に応じたTFTの動作に基づいて、信号出力回路102から信号線26を介して、画素電極30,30’に映像信号に応じた電圧が印加される。
【0051】
第2絶縁膜25の上には第1層間絶縁層27が形成されている。第1層間絶縁層27の副画素に対応する部分の表面には凹凸が形成されており、その凹凸上に、例えばアルミニウムが蒸着されて成る反射板28が形成されている。反射板28の上には第2層間絶縁層29が形成されており、第2層間絶縁層29の上に、画素電極30,30’が形成されている。そして、画素電極30,30’を含む全面を覆う下部配向膜31が設けられている。
【0052】
図3に示すように、画素電極30,30’は矩形状に形成されている。画素電極30,30’は、図3と図4に示すように、絶縁層29,27を貫くコンタクトを介して導通部26Aに接続されている。
【0053】
液晶材料層40は下部配向膜31と上部配向膜55とに接する。これらの配向膜31,55によって、電界が印加されていない状態における液晶分子の分子軸の方向が規定される。そして、画素電極30,30’と透明共通電極54との間に形成される電界によって液晶材料層40を構成する液晶分子の配向状態が制御される。
【0054】
図4の(A)及び(B)において符号d1で表す液晶材料層40の厚さは、図示せぬスペーサ等によって所定の値に保持されている。液晶材料層40は、印加される電圧の値に応じて、1/4波長板としての機能の強さが制御される。
【0055】
例えば、偏光フィルム61の偏光軸がX軸に対して135度の角度を成しているとする。外光は偏光フィルム61を通過してX軸に対し135度の角度を成す直線偏光となって液晶材料層40に入射する。
【0056】
液晶材料層40が1/4波長板として機能する場合、外光は液晶材料層40を通過して右回りの円偏光となり、次いで、反射板28で反射して左周りの円偏光になり、さらに液晶材料層40を通過し45度の角度を成す直線偏光となって偏光フィルム61に入射する。偏光フィルム61に入射する光の偏光方向と偏光フィルム61の偏光軸とは直交するので、光は観察者側に出射せず、画素12の輝度は低い状態となる。
【0057】
一方、液晶材料層40が単なる透明層として機能する場合、外光は液晶材料層40を通過したのち反射板28で反射し、さらに液晶材料層40を通過して、135度の角度を成す直線偏光のまま偏光フィルム61に入射する。偏光フィルム61に入射する光の偏光方向と偏光フィルム61の偏光軸とが一致するので、光は観察者側に出射し、画素12の輝度は高い状態となる。
【0058】
液晶材料層40は、印加される電圧の値に応じて、1/4波長板としての機能の強さが制御される。信号出力回路102から信号線26を介して、画素電極30,30’に映像信号に応じた電圧が印加されるので、外光の反射率が制御され、画像が表示される。
【0059】
次いで、表示装置1に表示される画像の色域と輝度について説明する。
【0060】
図5の(A)は、赤色、緑色および青色を表示する副画素を用いた場合の色域を説明するための模式的なxy色度図である。図5の(B)は、赤色を表示する副画素および白色またはシアンを表示する副画素を用いた場合の色域を説明するための模式的なxy色度図である。
【0061】
赤色、緑色および青色を表示する副画素を用いた場合には、加法混色によって図5の(A)に示す符号R,G,Bを頂点とした三角形の領域内の色を表示することができる。一方、赤色を表示する副画素と白色を表示する副画素とで表示を行う場合、加法混色によって図5の(B)に示す符号Wと符号Rを結ぶ線分上の色の表示を行うことができる。尚、図4の(B)に示すカラーフィルター53Wをシアン表示用のカラーフィルターに置き換えた構成の場合には、加法混色によって図5の(B)に示す符号Cと符号Rとを結ぶ線分上の色の表示を行うことができる。尚、2色の加法混色により認識される色については、例えば、高柳健次郎、「二色法によるカラー再現法」、テレビジョン、日刊工業新聞社、昭和35年3月1日、第14巻、第3号、p.111―116、137に記載されている。
【0062】
赤色、緑色および青色を表示する副画素を用いる場合には、副画素に入射する外光のうち特定の波長範囲の光のみを利用して表示を行うため、光の利用効率が低い。これに対し、表示装置1では、画素12の大部分を副画素12Wが占め、更に、副画素12Wは外光をそのまま利用して表示を行う。従って、光の利用効率が高く、より輝度の高い画像を表示することができる。若干光の利用効率は低下するものの、カラーフィルター53Wをシアン表示用のカラーフィルターに置き換えた構成においても同様である。
【0063】
そして、上述したように表示装置1にあっては、加法混色によって図5の(B)に示す符号Wと符号Rを結ぶ線分上の色の表示を行うことができる。また、カラーフィルター53Wをシアン表示用のカラーフィルターに置き換えた構成においては、図5の(B)に示す符号Cと符号Rとを結ぶ線分上の色の表示を行うことができる。従って、ある程度の色域を確保することができる。
【0064】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、本開示の第2の態様に係る表示装置に関する。
【0065】
図6は、第2の実施形態に係る表示装置の模式的な斜視図である。
【0066】
表示装置2は、赤色表示用の透過型の副画素12BR、緑色表示用の透過型の副画素12BGおよび青色表示用の透過型の副画素12BB、並びに、赤色表示用の反射型の副画素12ARおよび白色表示用の反射型の副画素12AWの組から成る画素12が2次元マトリクス状に配列されている半透過型の表示部210を備えている。
【0067】
表示装置2は、表示部10の背面から光を照射する照明部70を備えている。照明部70は、表示部210の背面に対向するように配置される導光板72と、導光板72の端面に対向して配置され、例えば冷陰極線型の蛍光ランプから成る光源71とを備えている。導光板72は略矩形状である。
【0068】
通常、表示部10に照射される光の強度は光源71から離れるほど弱くなる傾向を示す。この傾向を打ち消すため、導光板72は楔状とされている。光源71は辺13A側の導光板72の端面に対向して配置されており、導光板72の厚みは辺13A側から辺13C側に向かって徐々に薄くなる。導光板72内に入射した光が表示部210側の面に向かうときの入射角は、導光板72内において光が全反射する毎に小さくなる。従って、光源71から離れるほど導光板72内の光が表示部210側の面に向かうときの入射角が小さくなり、光が表示部210側に出射しやすくなる。これによって上述した傾向が打ち消されるので、光源71からの距離に関わらずに一定の強度で表示部210を照射することができる。
【0069】
表示部210は半透過型の液晶表示パネルから成る。説明の都合上、表示部210の表示領域11はX−Z平面と平行であり、画像を観察する側が+Y方向であるとする。図6においては、後述する図7に示す走査回路101と信号出力回路202の図示を省略した。これらは、後述する他の実施形態においても同様である。
【0070】
第2の実施形態における副画素の詳細について説明する。
【0071】
図7は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【0072】
表示装置2は、行方向に延び一端が走査回路101に接続されたN本の走査線22、列方向に延び一端が信号出力回路202に接続された3×M本の信号線26、走査線22と信号線26とに接続され、走査線22からの走査信号に応じて動作するトランジスタ(TFT)を備えた副画素を備えた表示装置である。後述する他の実施形態においても同様である。
【0073】
画素12(m,n)には、第n行目の走査線22nが接続される。副画素12ARと副画素12BRには、第(3×m−2)列目の信号線263m-2が接続され、副画素12AWと副画素12BGには、第(3×m−1)列目の信号線263m-1が接続され、副画素12BBには、第(3×m)列目の信号線263mが接続される。
【0074】
図7に示す液晶容量LC3,LC3’,LC4は、フロントパネルに設けられた透明共通電極と、リアパネルに設けられた画素電極と、フロントパネルとリアパネル間に挟持されている液晶材料層とから成る。また、保持容量C3,C3’,C4は、画素電極などに導通する補助電極によって構成されている。尚、後述する図8ないし図11においては、補助電極の図示を省略した。
【0075】
表示装置2には、表示すべきカラー画像に応じた信号が外部から供給される。図示せぬ回路によって、カラー画像に応じた信号に基づいて赤色表示用の映像信号VSRと緑色表示用の映像信号VSGと青色表示用の映像信号VSBが生成される。そして、信号出力回路202によって、赤色表示用の映像信号VSRを用いて赤色表示用の透過型の副画素12BRと赤色表示用の反射型の副画素12ARとが駆動され、緑色表示用の映像信号VSGを用いて緑色表示用の透過型の副画素12BGと白色表示用の反射型の副画素12AWとが駆動され、青色表示用の映像信号VSBを用いて青色表示用の透過型の副画素12BBが駆動される。
【0076】
図8は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。図9は、図8のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。図10は、図8のB−Bで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。図11は、図8のC−Cで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【0077】
図8等に示すように、表示装置2にあっては、画素12の大部分は透過型の副画素が占める(透過重視の設計)。透過による表示は通常の3原色の加法混色で行い、反射による表示はある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い表示で行うといった構成である。
【0078】
図9ないし図11に示すブラックマトリックス52の構成は、第1の実施形態において説明した構成と同様である。ブラックマトリックス52で囲まれた領域内にはカラーフィルターが配置され、ブラックマトリックス52とカラーフィルターを含む全面を覆う透明共通電極54と、透明共通電極54を含む全面を覆う上部配向膜55が設けられている。図9に示す符号53Rは赤色のカラーフィルター、図10に示す符号53Gは緑色のカラーフィルター、図11に示す符号53Bは青色のカラーフィルターである。また、図10と図11に示す符号53Wは白色のカラーフィルターである。
【0079】
リアパネル20は、例えば、ガラスから成る基板21、基板21の内面に形成されたTFTから成るスイッチング素子、及び、スイッチング素子によって導通/非導通が制御される画素電極(例えば、ITOから成る)とを備えている。
【0080】
尚、第2の実施形態にあっては、第1の実施形態とは異なり、基板21の外面に設けられた偏光フィルム62を備えている。また、第2の実施形態にあっては、透過型の副画素に対応する部分の第2層間絶縁層29と反射板28が除去されている。
【0081】
偏光フィルム62の偏光軸は例えばX軸に対して135度の角度を成している。そして、図9ないし図11において符号d2で表す厚さは、符号d1の約2倍に設定されている。反射型の副画素に対応する部分の液晶材料層40は、印加される電圧の値に応じて、1/4波長板としての機能の強さが制御される。また、透過型の副画素に対応する部分の液晶材料層40は、印加される電圧の値に応じて、1/2波長板としての機能の強さが制御される。
【0082】
反射型の副画素の動作は第1の実施形態において説明した動作と同様である。透過型の副画素についての動作を説明する。
【0083】
導光板72からの照明光は偏光フィルム62を通過してX軸に対し135度の角度を成す直線偏光となって液晶材料層40に入射する。透過型の副画素に対応する部分の液晶材料層40が1/2波長板として機能する場合、導光板72からの照明光は液晶材料層40を通過し45度の角度を成す直線偏光となって偏光フィルム61に入射する。偏光フィルム61に入射する光の偏光方向と偏光フィルム61の偏光軸とは直交するので、光は観察者側に出射せず、画素12の輝度は低い状態となる。
【0084】
一方、透過型の副画素に対応する部分の液晶材料層40が単なる透明層として機能する場合、導光板72からの照明光は135度の角度を成す直線偏光のまま偏光フィルム61に入射する。偏光フィルム61に入射する光の偏光方向と偏光フィルム61の偏光軸とが一致するので、光は観察者側に出射し、画素12の輝度は高い状態となる。
【0085】
透過型の副画素に対応する部分の液晶材料層40は、印加される電圧の値に応じて、1/2波長板としての機能の強さが制御される。信号出力回路202から信号線26を介して、画素電極に映像信号に応じた電圧が印加されるので、照明光の透過率が制御され、画像が表示される。
【0086】
TFTは、走査線22からの信号に従って動作するスイッチング素子として機能する。図9に示すように、副画素12BRの画素電極30Bと副画素12ARの画素電極30Aは一体として形成されている。これらの画素電極には、走査線22からの走査信号に応じたTFTの動作に基づいて、信号出力回路202から信号線26を介して、映像信号VSRに応じた電圧が印加される。
【0087】
また、図10に示すように、副画素12BGの画素電極30Bと副画素12AWの画素電極30A’は一体として形成されている。これらの画素電極には、走査線22からの走査信号に応じたTFTの動作に基づいて、信号出力回路202から信号線26を介して、映像信号VSGに応じた電圧が印加される。
【0088】
一方、図11に示すように、副画素12BGの画素電極30B’は、副画素12AWの画素電極30A’とは独立して形成されている。画素電極30B’には、走査線22からの走査信号に応じたTFTの動作に基づいて、信号出力回路202から信号線26を介して、映像信号VSBに応じた電圧が印加される。
【0089】
そして、図8に示すように、図11に示す画素電極30A’と図10に示す画素電極30A’は一体として形成されている。従って、図10を参照して説明したように、図11に示す画素電極30A’には映像信号VSGに応じた電圧が印加される。
【0090】
次いで、表示装置2に表示される画像の色域と輝度について説明する。
【0091】
透過型の副画素12BR,12BG,12BBによる画像は、加法混色によって図5の(A)に示す符号R,G,Bを頂点とした三角形の領域内の色を表示することができる。一方、反射型の副画素12AR,12AWによる画像は、加法混色によって図5の(B)に示す符号Wと符号Rを結ぶ線分上の色の表示を行うことができる。尚、図10および図11に示すカラーフィルター53Wをシアン表示用のカラーフィルターに置き換えた構成の場合には、加法混色によって図5の(B)に示す符号Cと符号Rとを結ぶ線分上の色の表示を行うことができる。
【0092】
したがって、表示装置2にあっては、透過型としての動作時には3原色の加法混色によって良好な画像を表示することができ、反射型としての動作時にある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い表示を行うことができる。
【0093】
[第3の実施形態]
第3の実施形態も、本開示の第2の態様に係る表示装置に関する。第3の実施形態は、第2の実施形態に対し、反射型の白色表示副画素の構成が相違する。
【0094】
第3の実施形態に係る表示装置の模式的な模式的な斜視図は、図6に示す副画素12AWを副画素12AW1,12AW2と読み替え、表示部210を表示部310と読み替え、表示装置2を表示装置3と読み替えればよい。
【0095】
表示部310にあっては、画素12は、白色表示用の反射型の第1副画素および第2副画素を備えている。
【0096】
第3の実施形態における副画素の詳細について説明する。
【0097】
図12は、第3の実施形態に係る表示装置における、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【0098】
画素12(m,n)には、第n行目の走査線22nが接続される。副画素12ARと副画素12BRには、第(3×m−2)列目の信号線263m-2が接続され、副画素12AW1と副画素12BGには、第(3×m−1)列目の信号線263m-1が接続され、副画素12AW2と副画素12BBには、第(3×m)列目の信号線263mが接続される。
【0099】
図12に示す液晶容量LC3,LC4、及び、保持容量C3,C4は、第2の実施形態において図7を参照して説明したので、説明を省略する。
【0100】
表示装置3には、表示すべきカラー画像に応じた信号が外部から供給される。図示せぬ回路によって、カラー画像に応じた信号に基づいて赤色表示用の映像信号VSRと緑色表示用の映像信号VSGと青色表示用の映像信号VSBが生成される。そして、信号出力回路202によって、赤色表示用の映像信号VSRを用いて赤色表示用の透過型の副画素12BRと赤色表示用の反射型の副画素12ARとが駆動され、緑色表示用の映像信号VSGを用いて緑色表示用の透過型の副画素12BGと白色表示用の反射型の第1副画素12AW1とが駆動され、青色表示用の映像信号VSBを用いて青色表示用の透過型の副画素12BBと白色表示用の反射型の第2副画素12AW2が駆動される。
【0101】
図13は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
【0102】
図14は、図13のC−Cで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。尚、図13のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図は、図9と同様である。また、図13のB−Bで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図は、図10において符号12AWを符号12AW1と読み替えればよい。
【0103】
表示装置3の動作は、白色反射副画素12AW2が、青色表示用の映像信号VSBによって駆動される点が相違する他は、第2の実施形態において説明した動作と同様である。
【0104】
第2の実施形態に係る表示部210においては、図8に示すように、画素電極の平面形状をそれぞれ異なる形状とする必要があった。これに対し、第3の実施形態に係る表示部310においては、画素電極の平面形状を同一の形状とすることができる。このため、表示部310の製造がし易いといった利点を備えている。
【0105】
[第4の実施形態]
第4の実施形態は、本開示の第3の態様に係る表示装置に関する。
【0106】
図15は、第4の実施形態に係る表示装置の模式的な斜視図である。
【0107】
表示装置4は、赤色表示用の反射型の副画素12AR、緑色表示用の反射型の副画素12AGおよび青色表示用の反射型の副画素12AB、並びに、赤色表示用の透過型の副画素12BRおよび白色表示用の透過型の副画素12BWの組から成る画素12が2次元マトリクス状に配列されている半透過型の表示部410を備えている。表示部410は半透過型の液晶表示パネルから成る。
【0108】
第4の実施形態における副画素の詳細について説明する。
【0109】
図16は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【0110】
画素12(m,n)には、第n行目の走査線22nが接続される。副画素12ARと副画素12BRには、第(3×m−2)列目の信号線263m-2が接続され、副画素12AGと副画素12BWには、第(3×m−1)列目の信号線263m-1が接続され、副画素12ABには、第(3×m)列目の信号線263mが接続される。
【0111】
図16に示す液晶容量LC3,LC4,LC4’、及び、保持容量C3,C4,C4’は、基本的には、第2の実施形態において図7を参照して説明した構成と同様であるので、説明を省略する。
【0112】
表示装置4には、表示すべきカラー画像に応じた信号が外部から供給される。図示せぬ回路によって、カラー画像に応じた信号に基づいて赤色表示用の映像信号VSRと緑色表示用の映像信号VSGと青色表示用の映像信号VSBが生成される。そして、信号出力回路202によって、赤色表示用の映像信号VSRを用いて赤色表示用の反射型の副画素12ARと赤色表示用の透過型の副画素12BRとが駆動され、緑色表示用の映像信号VSGを用いて緑色表示用の反射型の副画素12AGと白色表示用の透過型の副画素12BWとが駆動され、青色表示用の映像信号VSBを用いて青色表示用の反射型の副画素12ABが駆動される。
【0113】
図17は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。図18は、図17のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。図19は、図17のB−Bで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。図20は、図17のC−Cで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【0114】
図17等に示すように、表示装置4にあっては、画素12の大部分は反射型の副画素が占める(反射重視の設計)。反射による表示は通常の3原色の加法混色で行い、透過による表示はある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い表示で行うといった構成である。
【0115】
図18ないし図20に示すブラックマトリックス52の構成は、第1の実施形態において説明した構成と同様である。ブラックマトリックス52で囲まれた領域内にはカラーフィルターが配置され、ブラックマトリックス52とカラーフィルターを含む全面を覆う透明共通電極54と、透明共通電極54を含む全面を覆う上部配向膜55が設けられている。図18に示す符号53Rは赤色のカラーフィルター、図19に示す符号53Gは緑色のカラーフィルター、図20に示す符号53Bは青色のカラーフィルターである。また、図19と図20に示す符号53Wは白色のカラーフィルターである。
【0116】
反射型の副画素の動作は第1の実施形態において説明した動作と同様である。透過型の副画素の動作は第2の実施形態において説明した動作と同様である。
【0117】
TFTは、走査線22からの信号に従って動作するスイッチング素子として機能する。図18に示すように、副画素12BRの画素電極30Bと副画素12ARの画素電極30Aは一体として形成されている。これらの画素電極には、走査線22からの走査信号に応じたTFTの動作に基づいて、信号出力回路202から信号線26を介して、映像信号VSRに応じた電圧が印加される。
【0118】
また、図19に示すように、副画素12BWの画素電極30B”と副画素12AGの画素電極30A”は一体として形成されている。これらの画素電極には、走査線22からの走査信号に応じたTFTの動作に基づいて、信号出力回路202から信号線26を介して、映像信号VSGに応じた電圧が印加される。
【0119】
一方、図20に示すように、副画素12BWの画素電極30B”は、副画素12ABの画素電極30A”とは独立して形成されている。画素電極30A”には、走査線22からの走査信号に応じたTFTの動作に基づいて、信号出力回路202から信号線26を介して、映像信号VSBに応じた電圧が印加される。
【0120】
そして、図17に示すように、図19に示す画素電極30B”と図20に示す画素電極30B”は一体として形成されている。従って、図19を参照して説明したように、図20に示す画素電極30B”には映像信号VSGに応じた電圧が印加される。
【0121】
次いで、表示装置4に表示される画像の色域と輝度について説明する。
【0122】
反射型の副画素12AR,12AG,12ABによる画像は、加法混色によって図5の(A)に示す符号R,G,Bを頂点とした三角形の領域内の色を表示することができる。一方、透過型の副画素12BR,12BWによる画像は、加法混色によって図5の(B)に示す符号Wと符号Rを結ぶ線分上の色の表示を行うことができる。尚、図19および図20に示すカラーフィルター53Wをシアン表示用のカラーフィルターに置き換えた構成の場合には、加法混色によって図5の(B)に示す符号Cと符号Rとを結ぶ線分上の色の表示を行うことができる。
【0123】
したがって、表示装置4にあっては、反射型としての動作時には3原色の加法混色によって良好な画像を表示することができ、透過型としての動作時にある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い表示を行うことができる。
【0124】
[第5の実施形態]
第5の実施形態も、本開示の第3の態様に係る表示装置に関する。第5の実施形態は、第4の実施形態に対し、透過型の白色表示副画素の構成が相違する。
【0125】
第5の実施形態に係る表示装置の模式的な模式的な斜視図は、図15に示す副画素12BWを副画素12BW1,12BW2と読み替え、表示部410を表示部510と読み替え、表示装置4を表示装置5と読み替えればよい。
【0126】
表示部510にあっては、画素12は、白色表示用の透過型の第1副画素12BW1および第2副画素12BW2を備えている。
【0127】
第5の実施形態における副画素の詳細について説明する。
【0128】
図21は、第5の実施形態に係る表示装置における、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【0129】
画素12(m,n)には、第n行目の走査線22nが接続される。副画素12ARと副画素12BRには、第(3×m−2)列目の信号線263m-2が接続され、副画素12AGと副画素12BW1には、第(3×m−1)列目の信号線263m-1が接続され、副画素12ABと副画素12BW2には、第(3×m)列目の信号線263mが接続される。
【0130】
図21に示す液晶容量LC3,LC4、及び、保持容量C3,C4は、基本的には、第2の実施形態において図7を参照して説明した構成と同様であるので、説明を省略する。
【0131】
表示装置5には、表示すべきカラー画像に応じた信号が外部から供給される。図示せぬ回路によって、カラー画像に応じた信号に基づいて赤色表示用の映像信号VSRと緑色表示用の映像信号VSGと青色表示用の映像信号VSBが生成される。そして、信号出力回路202によって、赤色表示用の映像信号VSRを用いて赤色表示用の反射型の副画素12ARと赤色表示用の透過型の副画素12BRとが駆動され、緑色表示用の映像信号VSGを用いて緑色表示用の反射型の副画素12AGと白色表示用の透過型の第1副画素12BW1とが駆動され、青色表示用の映像信号VSBを用いて青色表示用の反射型の副画素12ABと白色表示用の透過型の第2副画素12BW2が駆動される。
【0132】
図22は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
【0133】
図23は、図22のC−Cで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。尚、図22のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図は、図18と同様である。また、図22のB−Bで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図は、図19において符号12BWを符号12BW1と読み替えればよい。
【0134】
表示装置5の動作は、白色透過副画素12BW2が、青色表示用の映像信号VSBによって駆動される点が相違する他は、第4の実施形態において説明した動作と同様である。
【0135】
第4の実施形態に係る表示部410においては、図17に示すように、画素電極の平面形状をそれぞれ異なる形状とする必要があった。これに対し、第5の実施形態に係る表示部510においては、画素電極の平面形状を同一の形状とすることができる。このため、表示部510の製造がし易いといった利点を備えている。
【0136】
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0137】
なお、本開示の技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)2次元マトリクス状に画素が配列されている表示部を備えており、
表示部の画素は、第1原色を表示する副画素と第1原色とは異なる第2原色を表示する副画素との組から成る表示装置。
(2)第1原色は赤色である前記(1)に記載の表示装置。
(3)第2原色は白色またはシアンである前記(1)または(2)に記載の表示装置。
(4)赤色表示用の映像信号を用いて第1原色を表示する副画素が駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて第2原色を表示する副画素が駆動される前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の表示装置。
(5)表示部は液晶表示パネルから成る前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の画像表示装置。
(6)赤色表示用の透過型の副画素、緑色表示用の透過型の副画素および青色表示用の透過型の副画素、並びに、赤色表示用の反射型の副画素および白色またはシアン表示用の反射型の副画素の組から成る画素が2次元マトリクス状に配列されている半透過型の表示部を備えている表示装置。
(7)赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の透過型の副画素と赤色表示用の反射型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の透過型の副画素が駆動される前記(6)に記載の表示装置。
(8)画素は、白色またはシアン表示用の反射型の第1副画素および第2副画素を備えており、
赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の透過型の副画素と赤色表示用の反射型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の第1副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の第2副画素が駆動される前記(6)に記載の表示装置。
(9)表示部は半透過型の液晶表示パネルから成る前記(6)乃至(8)のいずれかに記載の画像表示装置。
(10)赤色表示用の反射型の副画素、緑色表示用の反射型の副画素および青色表示用の反射型の副画素、並びに、赤色表示用の透過型の副画素および白色またはシアン表示用の透過型の副画素の組から成る画素が2次元マトリクス状に配列されている半透過型の表示部を備えている表示装置。
(11)赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の反射型の副画素と赤色表示用の透過型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の反射型の副画素が駆動される前記(10)に記載の表示装置。
(12)画素は、白色またはシアン表示用の透過型の第1副画素および第2副画素を備えており、
赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の反射型の副画素と赤色表示用の透過型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の第1副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の第2副画素が駆動される前記(10)に記載の表示装置。
(13)表示部は半透過型の液晶表示パネルから成る前記(10)乃至(12)のいずれかに記載の画像表示装置。
【符号の説明】
【0138】
1,2,3,4,5・・・表示装置、10,110,210,310,410,510・・・表示部、11・・・表示領域、12・・・画素、12AR,12AG,12AB,12AW,12AW1,12AW2・・・反射型の副画素、12BR,12BG,12BB,12BW,12BW1,12BW2・・・透過型の副画素、13A,13B,13C,13D・・・辺、20・・・リアパネル、21・・・基板、22・・・走査線、23・・・第1絶縁膜、24・・・半導体薄膜、25・・・第2絶縁膜、26・・・信号線、26A・・・導通部、27・・・第1層間絶縁層、28・・・反射板、29・・・第2層間絶縁層、30,30’,30A,30A’,30A”,30B,30B’,30B”・・・画素電極、31・・・下部配向膜、40・・・液晶材料層、50・・・フロントパネル、51・・・基板、52・・・ブラックマトリックス、53R,53G,53B,53W・・・カラーフィルター、54・・・透明共通電極、55・・・上部配向膜、61,62・・・偏光フィルム、LC1,LC2,LC3,LC3’,LC4,LC4’・・・液晶容量、C1,C2,C3,C3’,C4,C4’・・・保持容量、VSR,VSG,VSB・・・映像信号
【技術分野】
【0001】
本開示は表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置として、例えば、外光の反射率を制御することによって画像を表示する反射型の表示装置や、背面に配置されたバックライトからの光の透過率を制御することによって画像を表示する表示装置が知られている。また、反射型の表示装置と透過型の表示装置の双方の利点を併せ持つ表示装置として、例えば、反射型の副画素と透過型の副画素とを有する半透過型の表示装置も提案されている(例えば、特許第2955277号公報(特許文献1)参照)。
【0003】
通常、カラー表示を行う表示装置は、赤色、緑色および青色といった3つの原色を表示する副画素の組から成る画素を備えており、各副画素の輝度を制御することによってカラー画像を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2955277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、透過部の表示を優先した設計のカラー表示の半透過型の表示装置にあっては、画素において反射型の副画素が占める面積の割合は小さい。この表示装置にあっては、外光の反射によって表示される画像の輝度は低くなるので視認性は低下する。このような場合、色再現はほどほどに抑え、より輝度の高い画像を表示するほうが視認性は向上する。このように、表示装置の用途にもよるが、ある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い画像を表示することができる表示装置が求められている。
【0006】
従って、本開示の目的は、ある程度の色域を確保しつつ、より輝度の高い画像を表示することができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る表示装置は、
2次元マトリクス状に画素が配列されている表示部を備えており、
表示部の画素は、第1原色を表示する副画素と第1原色とは異なる第2原色を表示する副画素との組から成る表示装置である。
【0008】
上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る表示装置は、
赤色表示用の透過型の副画素、緑色表示用の透過型の副画素および青色表示用の透過型の副画素、並びに、赤色表示用の反射型の副画素および白色またはシアン表示用の反射型の副画素の組から成る画素が2次元マトリクス状に配列されている半透過型の表示部を備えている表示装置である。
【0009】
上記の目的を達成するための本開示の第3の態様に係る表示装置は、
赤色表示用の反射型の副画素、緑色表示用の反射型の副画素および青色表示用の反射型の副画素、並びに、赤色表示用の透過型の副画素および白色またはシアン表示用の透過型の副画素の組から成る画素が2次元マトリクス状に配列されている半透過型の表示部を備えている表示装置である。
【発明の効果】
【0010】
本開示の第1の態様に係る表示装置にあっては、画素が第1原色を表示する副画素と第1原色とは異なる第2原色を表示する副画素との組から成る。これによって、ある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い画像を表示することができる。本開示の第2の態様に係る表示装置にあっては、反射型の副画素として赤色表示用の副画素と白色またはシアン表示用の副画素を備えている。これによって、外光の反射によって表示される画像において、ある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い表示を行うことができる。本開示の第3の態様に係る表示装置にあっては、透過型の副画素として赤色表示用の副画素と白色またはシアン表示用の副画素とを備えている。これによって、光の透過によって表示される画像において、ある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る表示装置の模式的な斜視図である。
【図2】図2は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【図3】図3は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
【図4】図4の(A)は、図3のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。図4の(B)は、図3のB−Bで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【図5】図5の(A)は、赤色、緑色および青色を表示する副画素を用いた場合の色域を説明するための模式的なxy色度図である。図5の(B)は、赤色を表示する副画素および白色またはシアンを表示する副画素を用いた場合の色域を説明するための模式的なxy色度図である。
【図6】図6は、第2の実施形態に係る表示装置の模式的な斜視図である。
【図7】図7は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【図8】図8は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
【図9】図9は、図8のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【図10】図10は、図8のB−Bで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【図11】図11は、図8のC−Cで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【図12】図12は、第3の実施形態に係る表示装置における、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【図13】図13は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
【図14】図14は、図13のC−Cで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【図15】図15は、第4の実施形態に係る表示装置の模式的な斜視図である。
【図16】図16は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【図17】図17は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
【図18】図18は、図17のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【図19】図19は、図17のB−Bで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【図20】図20は、図17のC−Cで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【図21】図21は、第5の実施形態に係る表示装置における、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【図22】図22は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
【図23】図23は、図22のC−Cで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、実施形態に基づき本開示を説明する。本開示は実施形態に限定されるものではなく、実施形態における種々の数値や材料は例示である。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示に係る表示装置の全般に関する説明
2.第1の実施形態
3.第2の実施形態
4.第3の実施形態
5.第4の実施形態
6.第5の実施形態(その他)
【0013】
[本開示に係る表示装置の全般に関する説明]
本開示の第1の態様に係る表示装置において、第1原色は、基本的には彩度と明度が高い色とすることが好ましい。中でも、第1原色は赤色であることが望ましい。この場合において、第2原色は白色またはシアンである構成とすることが好ましい。
【0014】
上述した好ましい構成を含む第1の態様に係る表示装置にあっては、赤色表示用の映像信号を用いて第1原色を表示する副画素が駆動され、緑色表示用の映像信号を用いて第2原色を表示する副画素が駆動される構成とすることができる。尚、本明細書において、「映像信号を用いて」には、映像信号をそのまま用いる構成のほか、映像信号を加工した信号を用いる構成も包含される。例えば、緑色表示用の映像信号をそのまま用いて第2原色を表示する副画素が駆動される構成であってもよいし、緑色表示用の映像信号などを加工した信号を用いて第2原色を表示する副画素が駆動される構成であってもよい。
【0015】
上述した各種の好ましい構成を含む第1の態様に係る表示装置にあっては、表示部として液晶表示パネル、エレクトロルミネッセンス表示パネル、プラズマ表示パネル、電子ペーパー(例えば電気泳動式)などといった周知の表示パネルを用いることができる。表示装置の軽量化を図るなどといった観点からは、中でも、表示部が液晶表示パネルから成る構成とすることが好ましい。液晶表示パネルの構成は特に限定するものではない。例えば、反射型であってもよいし、透過型であってもよいし、両者の特徴を併せ持った半透過型であってもよい。
【0016】
本開示の第2の態様に係る表示装置にあっては、赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の透過型の副画素と赤色表示用の反射型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の透過型の副画素が駆動される構成とすることができる。
【0017】
あるいは又、本開示の第2の態様に係る表示装置にあっては、画素は、白色またはシアン表示用の反射型の第1副画素および第2副画素を備えており、
赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の透過型の副画素と赤色表示用の反射型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の第1副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の第2副画素が駆動される構成とすることができる。
【0018】
本開示の第3の態様に係る表示装置にあっては、赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の反射型の副画素と赤色表示用の透過型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の反射型の副画素が駆動される構成とすることができる。
【0019】
あるいは又、本開示の第3の態様に係る表示装置にあっては、画素は、白色またはシアン表示用の透過型の第1副画素および第2副画素を備えており、
赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の反射型の副画素と赤色表示用の透過型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の第1副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の第2副画素が駆動される構成とすることができる。
【0020】
上述した好ましい構成を含む第2の態様に係る表示装置、あるいは又、上述した好ましい構成を含む第3の態様に係る表示装置にあっては、表示部として周知の半透過型の表示パネルを用いることができる。表示装置の軽量化を図るなどといった観点からは、中でも、表示部は半透過型の液晶表示パネルから成る構成とすることが好ましい。液晶表示パネルの構成は特に限定するものではない。
【0021】
表示部に光を照射する照明部を用いる場合には、周知の照明部を用いることができる。照明部の構成は、特に限定するものではない。一般に、照明部は、光源や導光板などといった周知の部材から構成することができる。
【0022】
後述する各実施形態においては、アクティブマトリクス方式のカラー液晶表示パネルを表示部として用いる。
【0023】
液晶表示パネルは、例えば、透明共通電極を備えたフロントパネル、画素電極を備えたリアパネル、及び、フロントパネルとリアパネルとの間に配置された液晶材料から成る。透過型の場合には、画素電極は透明な導電材料から成る構成とすればよい。また、反射型の場合には、画素電極は光を反射する材料から成る構成とすることができるし、あるいは又、画素電極とは独立した反射板を設けておき、画素電極は透明な導電材料から成る構成とすることもできる。半透過型においても同様である。
【0024】
液晶表示パネルの動作モードは特に限定するものではない。例えば、所謂TN(Twisted Nematic)モードで駆動される構成であってもよいし、VA(Vertical Alignment)モードあるいはIPS(In-Plane Switching)モードで駆動される構成であってもよい。
【0025】
より具体的には、フロントパネルは、例えば、ガラスから成る基板と、基板の内面に設けられた透明共通電極(例えば、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)から成る)と、基板の外面に設けられた偏光フィルムとから構成されている。基板の内面に、アクリル樹脂やエポキシ樹脂から成るオーバーコート層によって被覆されたカラーフィルターが設けられている。そして、フロントパネルは、更に、オーバーコート層上に透明共通電極が形成された構成を有している。尚、必要な場合には、透明共通電極上に配向膜が形成される。
【0026】
一方、リアパネルは、例えば、ガラスから成る基板と、基板の内面に形成されたスイッチング素子と、スイッチング素子によって導通/非導通が制御される画素電極(例えば、ITOから成る)から構成されている。必要な場合には、画素電極を含む全面に配向膜が形成され、また、基板の外面に偏光フィルムが設けられる。
【0027】
液晶表示パネルを構成する各種の部材や液晶材料は、周知の部材や材料から構成することができる。スイッチング素子として、例えば薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)といった3端子素子や、MIM(Metal Insulator Metal)素子、バリスタ素子、ダイオード等の2端子素子を例示することができる。これらのスイッチング素子には、例えば行方向に延びる走査線や列方向に延びる信号線が接続されている。
【0028】
表示部の形状は特に限定するものではなく、横長の矩形状であってもよいし縦長の矩形状であってもよい。表示部の画素(ピクセル)の数M×Nを(M,N)で表記したとき、例えば横長の矩形状の場合には(M,N)の値として、(640,480)、(800,600)、(1024,768)等の画像表示用解像度の幾つかを例示することができ、縦長の矩形状の場合には相互に値を入れ替えた解像度を例示することができるが、これらの値に限定するものではない。
【0029】
表示部を駆動する駆動回路などは、種々の回路から構成することができる。これらは周知の回路素子などを用いて構成することができる。
【0030】
本明細書に示す各種の条件は、厳密に成立する場合の他、実質的に成立する場合にも満たされる。例えば、「赤色」とは実質的に赤色として認識されれば足り、「緑色」とは実質的に緑色として認識されれば足りる。「青色」、「白色」や「シアン」についても同様である。設計上あるいは製造上生ずる種々のばらつきの存在は許容される。
【0031】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、本開示の第1の態様に係る表示装置に関する。
【0032】
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の模式的な斜視図である。
【0033】
表示装置1は、2次元マトリクス状に画素12が配列されている表示部10を備えている。表示部10の画素12は、第1原色を表示する副画素12ARと第1原色とは異なる第2原色を表示する副画素12AWとの組から成る。第1の実施形態において、第1原色は赤色であり、第2原色は白色である。
【0034】
表示部10は反射型の液晶表示パネルから成る。説明の都合上、表示部10の表示領域11はX−Z平面と平行であり、画像を観察する側が+Y方向であるとする。尚、図1においては、後述する図2に示す走査回路101と信号出力回路102の図示を省略した。
【0035】
表示部10は、図において+Y方向側のフロントパネル、−Y方向側のリアパネル、フロントパネルとリアパネルとの間に配置された液晶材料等から構成されている。尚、図示の都合上、図1においては表示部10を1枚のパネルとして表した。表示部10は矩形状であり、画素12が配列された表示領域11も矩形状である。符号13A,13B,13C,13Dは表示部10の辺を示す。後述する図6や図15に示す他の実施形態における表示部においても同様である。
【0036】
表示領域11には、行方向(図においてX方向)にM個、列方向(図においてZ方向)にN個、合計M×N個の画素12が配列されている。第m列(但し、m=1,2・・・,M)、第n行目(但し、n=1,2・・・,N)の画素12を、第(m,n)番目の画素12あるいは画素12(m,n)と表す。表示部10の画素数(M,N)は、例えば(768,1024)である。他の実施形態における表示部においても同様である。
【0037】
第1の実施形態にあっては、画素12は、反射型の副画素12AR,12AWの組から構成されている。副画素の詳細について説明する。
【0038】
図2は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【0039】
表示装置1は、行方向に延び一端が走査回路101に接続されたN本の走査線22、列方向に延び一端が信号出力回路102に接続された2×M本の信号線26、走査線22と信号線26とに接続され、走査線22からの走査信号に応じて動作するトランジスタ(TFT)を備えた反射型の副画素12AR,12AWを備えた表示装置である。
【0040】
画素12(m,n)には、第n行目の走査線22(以下、走査線22nと表す場合がある)が接続される。副画素12ARには、第(2×m−1)列目の信号線26が接続され、副画素12AWには、第(2×m)列目の信号線26が接続される。尚、図面においては「×」の表記は省略した。また、以下の記載において「×」の表記を省略する場合がある。例えば、第(2×m)列目の信号線26を信号線262mと表す場合がある。
【0041】
図2に示す液晶容量LC1,LC2は、フロントパネルに設けられた透明共通電極と、リアパネルに設けられた画素電極と、フロントパネルとリアパネル間に挟持されている液晶材料層とから成る。また、保持容量C1,C2は、画素電極などに導通する補助電極によって構成されている。尚、後述する図3および図4においては、補助電極の図示を省略した。
【0042】
表示装置1には、表示すべきカラー画像に応じた信号が外部から供給される。図示せぬ回路によって、カラー画像に応じた信号に基づいて赤色表示用の映像信号VSRと緑色表示用の映像信号VSGが生成される。そして、信号出力回路102によって、赤色表示用の映像信号VSRを用いて第1原色を表示する副画素12ARが駆動され、緑色表示用の映像信号VSGを用いて第2原色を表示する副画素12AWが駆動される。
【0043】
図3は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。図4の(A)は、図3のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。図4の(B)は、図3のB−Bで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【0044】
図3に示すように、副画素12AWは副画素12ARよりも面積が大きい。基本的には、画素12において副画素12AWが占める割合が約60〜80パーセント程度となるように、設計に応じて適宜好ましい値を選択すればよい。
【0045】
図4の(A)及び(B)に示すように、表示部10は、リアパネル20、フロントパネル50、及び、両パネル間に挟持されている液晶材料層40を備えている。
【0046】
フロントパネル50は、例えばガラスから成る基板51、基板51の内面に設けられた透明共通電極54(例えば、ITOから成る)、及び、基板51の外面に設けられた偏光フィルム61を備えている。後述する他の実施形態においても同様である。
【0047】
基板51の液晶材料層40側には、それぞれ隣接する副画素の間に対応して配置されたブラックマトリックス52と、ブラックマトリックス52で囲まれた領域内に配置されたカラーフィルターと、ブラックマトリックス52とカラーフィルターを含む全面を覆う透明共通電極54と、透明共通電極54を含む全面を覆う上部配向膜55が設けられている。図4の(A)における参照番号53Rは赤色のカラーフィルター、図4の(B)における参照番号53Wは白色のカラーフィルター(換言すれば、単なる透明なフィルター)である。
【0048】
リアパネル20は、例えば、ガラスから成る基板21、基板21の内面に形成されたTFTから成るスイッチング素子、及び、スイッチング素子によって導通/非導通が制御される画素電極(例えば、ITOから成る)とを備えている。
【0049】
より具体的には、基板21の液晶材料層40側には、第1絶縁膜23と第2絶縁膜25とが積層して形成されている。第1絶縁膜23と第2絶縁膜25との間には、TFTを形成する半導体薄膜24が形成されている。第2絶縁膜25上には、信号線26が形成されている。TFTの一方のソース・ドレイン電極には信号線26の舌部が接続されている。他方のソース・ドレイン電極には、導通部26Aを介して、画素電極が接続されている。具体的には、図4の(A)においては他方のソース・ドレイン電極に画素電極30が接続され、図4の(B)においては他方のソース・ドレイン電極に画素電極30’が接続されている。尚、導通部26Aは、例えば、信号線26の形成にあわせて同時にパターンニングされて形成されている。
【0050】
TFTは、走査線22からの信号に従って動作するスイッチング素子として機能する。走査線22からの走査信号に応じたTFTの動作に基づいて、信号出力回路102から信号線26を介して、画素電極30,30’に映像信号に応じた電圧が印加される。
【0051】
第2絶縁膜25の上には第1層間絶縁層27が形成されている。第1層間絶縁層27の副画素に対応する部分の表面には凹凸が形成されており、その凹凸上に、例えばアルミニウムが蒸着されて成る反射板28が形成されている。反射板28の上には第2層間絶縁層29が形成されており、第2層間絶縁層29の上に、画素電極30,30’が形成されている。そして、画素電極30,30’を含む全面を覆う下部配向膜31が設けられている。
【0052】
図3に示すように、画素電極30,30’は矩形状に形成されている。画素電極30,30’は、図3と図4に示すように、絶縁層29,27を貫くコンタクトを介して導通部26Aに接続されている。
【0053】
液晶材料層40は下部配向膜31と上部配向膜55とに接する。これらの配向膜31,55によって、電界が印加されていない状態における液晶分子の分子軸の方向が規定される。そして、画素電極30,30’と透明共通電極54との間に形成される電界によって液晶材料層40を構成する液晶分子の配向状態が制御される。
【0054】
図4の(A)及び(B)において符号d1で表す液晶材料層40の厚さは、図示せぬスペーサ等によって所定の値に保持されている。液晶材料層40は、印加される電圧の値に応じて、1/4波長板としての機能の強さが制御される。
【0055】
例えば、偏光フィルム61の偏光軸がX軸に対して135度の角度を成しているとする。外光は偏光フィルム61を通過してX軸に対し135度の角度を成す直線偏光となって液晶材料層40に入射する。
【0056】
液晶材料層40が1/4波長板として機能する場合、外光は液晶材料層40を通過して右回りの円偏光となり、次いで、反射板28で反射して左周りの円偏光になり、さらに液晶材料層40を通過し45度の角度を成す直線偏光となって偏光フィルム61に入射する。偏光フィルム61に入射する光の偏光方向と偏光フィルム61の偏光軸とは直交するので、光は観察者側に出射せず、画素12の輝度は低い状態となる。
【0057】
一方、液晶材料層40が単なる透明層として機能する場合、外光は液晶材料層40を通過したのち反射板28で反射し、さらに液晶材料層40を通過して、135度の角度を成す直線偏光のまま偏光フィルム61に入射する。偏光フィルム61に入射する光の偏光方向と偏光フィルム61の偏光軸とが一致するので、光は観察者側に出射し、画素12の輝度は高い状態となる。
【0058】
液晶材料層40は、印加される電圧の値に応じて、1/4波長板としての機能の強さが制御される。信号出力回路102から信号線26を介して、画素電極30,30’に映像信号に応じた電圧が印加されるので、外光の反射率が制御され、画像が表示される。
【0059】
次いで、表示装置1に表示される画像の色域と輝度について説明する。
【0060】
図5の(A)は、赤色、緑色および青色を表示する副画素を用いた場合の色域を説明するための模式的なxy色度図である。図5の(B)は、赤色を表示する副画素および白色またはシアンを表示する副画素を用いた場合の色域を説明するための模式的なxy色度図である。
【0061】
赤色、緑色および青色を表示する副画素を用いた場合には、加法混色によって図5の(A)に示す符号R,G,Bを頂点とした三角形の領域内の色を表示することができる。一方、赤色を表示する副画素と白色を表示する副画素とで表示を行う場合、加法混色によって図5の(B)に示す符号Wと符号Rを結ぶ線分上の色の表示を行うことができる。尚、図4の(B)に示すカラーフィルター53Wをシアン表示用のカラーフィルターに置き換えた構成の場合には、加法混色によって図5の(B)に示す符号Cと符号Rとを結ぶ線分上の色の表示を行うことができる。尚、2色の加法混色により認識される色については、例えば、高柳健次郎、「二色法によるカラー再現法」、テレビジョン、日刊工業新聞社、昭和35年3月1日、第14巻、第3号、p.111―116、137に記載されている。
【0062】
赤色、緑色および青色を表示する副画素を用いる場合には、副画素に入射する外光のうち特定の波長範囲の光のみを利用して表示を行うため、光の利用効率が低い。これに対し、表示装置1では、画素12の大部分を副画素12Wが占め、更に、副画素12Wは外光をそのまま利用して表示を行う。従って、光の利用効率が高く、より輝度の高い画像を表示することができる。若干光の利用効率は低下するものの、カラーフィルター53Wをシアン表示用のカラーフィルターに置き換えた構成においても同様である。
【0063】
そして、上述したように表示装置1にあっては、加法混色によって図5の(B)に示す符号Wと符号Rを結ぶ線分上の色の表示を行うことができる。また、カラーフィルター53Wをシアン表示用のカラーフィルターに置き換えた構成においては、図5の(B)に示す符号Cと符号Rとを結ぶ線分上の色の表示を行うことができる。従って、ある程度の色域を確保することができる。
【0064】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、本開示の第2の態様に係る表示装置に関する。
【0065】
図6は、第2の実施形態に係る表示装置の模式的な斜視図である。
【0066】
表示装置2は、赤色表示用の透過型の副画素12BR、緑色表示用の透過型の副画素12BGおよび青色表示用の透過型の副画素12BB、並びに、赤色表示用の反射型の副画素12ARおよび白色表示用の反射型の副画素12AWの組から成る画素12が2次元マトリクス状に配列されている半透過型の表示部210を備えている。
【0067】
表示装置2は、表示部10の背面から光を照射する照明部70を備えている。照明部70は、表示部210の背面に対向するように配置される導光板72と、導光板72の端面に対向して配置され、例えば冷陰極線型の蛍光ランプから成る光源71とを備えている。導光板72は略矩形状である。
【0068】
通常、表示部10に照射される光の強度は光源71から離れるほど弱くなる傾向を示す。この傾向を打ち消すため、導光板72は楔状とされている。光源71は辺13A側の導光板72の端面に対向して配置されており、導光板72の厚みは辺13A側から辺13C側に向かって徐々に薄くなる。導光板72内に入射した光が表示部210側の面に向かうときの入射角は、導光板72内において光が全反射する毎に小さくなる。従って、光源71から離れるほど導光板72内の光が表示部210側の面に向かうときの入射角が小さくなり、光が表示部210側に出射しやすくなる。これによって上述した傾向が打ち消されるので、光源71からの距離に関わらずに一定の強度で表示部210を照射することができる。
【0069】
表示部210は半透過型の液晶表示パネルから成る。説明の都合上、表示部210の表示領域11はX−Z平面と平行であり、画像を観察する側が+Y方向であるとする。図6においては、後述する図7に示す走査回路101と信号出力回路202の図示を省略した。これらは、後述する他の実施形態においても同様である。
【0070】
第2の実施形態における副画素の詳細について説明する。
【0071】
図7は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【0072】
表示装置2は、行方向に延び一端が走査回路101に接続されたN本の走査線22、列方向に延び一端が信号出力回路202に接続された3×M本の信号線26、走査線22と信号線26とに接続され、走査線22からの走査信号に応じて動作するトランジスタ(TFT)を備えた副画素を備えた表示装置である。後述する他の実施形態においても同様である。
【0073】
画素12(m,n)には、第n行目の走査線22nが接続される。副画素12ARと副画素12BRには、第(3×m−2)列目の信号線263m-2が接続され、副画素12AWと副画素12BGには、第(3×m−1)列目の信号線263m-1が接続され、副画素12BBには、第(3×m)列目の信号線263mが接続される。
【0074】
図7に示す液晶容量LC3,LC3’,LC4は、フロントパネルに設けられた透明共通電極と、リアパネルに設けられた画素電極と、フロントパネルとリアパネル間に挟持されている液晶材料層とから成る。また、保持容量C3,C3’,C4は、画素電極などに導通する補助電極によって構成されている。尚、後述する図8ないし図11においては、補助電極の図示を省略した。
【0075】
表示装置2には、表示すべきカラー画像に応じた信号が外部から供給される。図示せぬ回路によって、カラー画像に応じた信号に基づいて赤色表示用の映像信号VSRと緑色表示用の映像信号VSGと青色表示用の映像信号VSBが生成される。そして、信号出力回路202によって、赤色表示用の映像信号VSRを用いて赤色表示用の透過型の副画素12BRと赤色表示用の反射型の副画素12ARとが駆動され、緑色表示用の映像信号VSGを用いて緑色表示用の透過型の副画素12BGと白色表示用の反射型の副画素12AWとが駆動され、青色表示用の映像信号VSBを用いて青色表示用の透過型の副画素12BBが駆動される。
【0076】
図8は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。図9は、図8のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。図10は、図8のB−Bで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。図11は、図8のC−Cで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【0077】
図8等に示すように、表示装置2にあっては、画素12の大部分は透過型の副画素が占める(透過重視の設計)。透過による表示は通常の3原色の加法混色で行い、反射による表示はある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い表示で行うといった構成である。
【0078】
図9ないし図11に示すブラックマトリックス52の構成は、第1の実施形態において説明した構成と同様である。ブラックマトリックス52で囲まれた領域内にはカラーフィルターが配置され、ブラックマトリックス52とカラーフィルターを含む全面を覆う透明共通電極54と、透明共通電極54を含む全面を覆う上部配向膜55が設けられている。図9に示す符号53Rは赤色のカラーフィルター、図10に示す符号53Gは緑色のカラーフィルター、図11に示す符号53Bは青色のカラーフィルターである。また、図10と図11に示す符号53Wは白色のカラーフィルターである。
【0079】
リアパネル20は、例えば、ガラスから成る基板21、基板21の内面に形成されたTFTから成るスイッチング素子、及び、スイッチング素子によって導通/非導通が制御される画素電極(例えば、ITOから成る)とを備えている。
【0080】
尚、第2の実施形態にあっては、第1の実施形態とは異なり、基板21の外面に設けられた偏光フィルム62を備えている。また、第2の実施形態にあっては、透過型の副画素に対応する部分の第2層間絶縁層29と反射板28が除去されている。
【0081】
偏光フィルム62の偏光軸は例えばX軸に対して135度の角度を成している。そして、図9ないし図11において符号d2で表す厚さは、符号d1の約2倍に設定されている。反射型の副画素に対応する部分の液晶材料層40は、印加される電圧の値に応じて、1/4波長板としての機能の強さが制御される。また、透過型の副画素に対応する部分の液晶材料層40は、印加される電圧の値に応じて、1/2波長板としての機能の強さが制御される。
【0082】
反射型の副画素の動作は第1の実施形態において説明した動作と同様である。透過型の副画素についての動作を説明する。
【0083】
導光板72からの照明光は偏光フィルム62を通過してX軸に対し135度の角度を成す直線偏光となって液晶材料層40に入射する。透過型の副画素に対応する部分の液晶材料層40が1/2波長板として機能する場合、導光板72からの照明光は液晶材料層40を通過し45度の角度を成す直線偏光となって偏光フィルム61に入射する。偏光フィルム61に入射する光の偏光方向と偏光フィルム61の偏光軸とは直交するので、光は観察者側に出射せず、画素12の輝度は低い状態となる。
【0084】
一方、透過型の副画素に対応する部分の液晶材料層40が単なる透明層として機能する場合、導光板72からの照明光は135度の角度を成す直線偏光のまま偏光フィルム61に入射する。偏光フィルム61に入射する光の偏光方向と偏光フィルム61の偏光軸とが一致するので、光は観察者側に出射し、画素12の輝度は高い状態となる。
【0085】
透過型の副画素に対応する部分の液晶材料層40は、印加される電圧の値に応じて、1/2波長板としての機能の強さが制御される。信号出力回路202から信号線26を介して、画素電極に映像信号に応じた電圧が印加されるので、照明光の透過率が制御され、画像が表示される。
【0086】
TFTは、走査線22からの信号に従って動作するスイッチング素子として機能する。図9に示すように、副画素12BRの画素電極30Bと副画素12ARの画素電極30Aは一体として形成されている。これらの画素電極には、走査線22からの走査信号に応じたTFTの動作に基づいて、信号出力回路202から信号線26を介して、映像信号VSRに応じた電圧が印加される。
【0087】
また、図10に示すように、副画素12BGの画素電極30Bと副画素12AWの画素電極30A’は一体として形成されている。これらの画素電極には、走査線22からの走査信号に応じたTFTの動作に基づいて、信号出力回路202から信号線26を介して、映像信号VSGに応じた電圧が印加される。
【0088】
一方、図11に示すように、副画素12BGの画素電極30B’は、副画素12AWの画素電極30A’とは独立して形成されている。画素電極30B’には、走査線22からの走査信号に応じたTFTの動作に基づいて、信号出力回路202から信号線26を介して、映像信号VSBに応じた電圧が印加される。
【0089】
そして、図8に示すように、図11に示す画素電極30A’と図10に示す画素電極30A’は一体として形成されている。従って、図10を参照して説明したように、図11に示す画素電極30A’には映像信号VSGに応じた電圧が印加される。
【0090】
次いで、表示装置2に表示される画像の色域と輝度について説明する。
【0091】
透過型の副画素12BR,12BG,12BBによる画像は、加法混色によって図5の(A)に示す符号R,G,Bを頂点とした三角形の領域内の色を表示することができる。一方、反射型の副画素12AR,12AWによる画像は、加法混色によって図5の(B)に示す符号Wと符号Rを結ぶ線分上の色の表示を行うことができる。尚、図10および図11に示すカラーフィルター53Wをシアン表示用のカラーフィルターに置き換えた構成の場合には、加法混色によって図5の(B)に示す符号Cと符号Rとを結ぶ線分上の色の表示を行うことができる。
【0092】
したがって、表示装置2にあっては、透過型としての動作時には3原色の加法混色によって良好な画像を表示することができ、反射型としての動作時にある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い表示を行うことができる。
【0093】
[第3の実施形態]
第3の実施形態も、本開示の第2の態様に係る表示装置に関する。第3の実施形態は、第2の実施形態に対し、反射型の白色表示副画素の構成が相違する。
【0094】
第3の実施形態に係る表示装置の模式的な模式的な斜視図は、図6に示す副画素12AWを副画素12AW1,12AW2と読み替え、表示部210を表示部310と読み替え、表示装置2を表示装置3と読み替えればよい。
【0095】
表示部310にあっては、画素12は、白色表示用の反射型の第1副画素および第2副画素を備えている。
【0096】
第3の実施形態における副画素の詳細について説明する。
【0097】
図12は、第3の実施形態に係る表示装置における、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【0098】
画素12(m,n)には、第n行目の走査線22nが接続される。副画素12ARと副画素12BRには、第(3×m−2)列目の信号線263m-2が接続され、副画素12AW1と副画素12BGには、第(3×m−1)列目の信号線263m-1が接続され、副画素12AW2と副画素12BBには、第(3×m)列目の信号線263mが接続される。
【0099】
図12に示す液晶容量LC3,LC4、及び、保持容量C3,C4は、第2の実施形態において図7を参照して説明したので、説明を省略する。
【0100】
表示装置3には、表示すべきカラー画像に応じた信号が外部から供給される。図示せぬ回路によって、カラー画像に応じた信号に基づいて赤色表示用の映像信号VSRと緑色表示用の映像信号VSGと青色表示用の映像信号VSBが生成される。そして、信号出力回路202によって、赤色表示用の映像信号VSRを用いて赤色表示用の透過型の副画素12BRと赤色表示用の反射型の副画素12ARとが駆動され、緑色表示用の映像信号VSGを用いて緑色表示用の透過型の副画素12BGと白色表示用の反射型の第1副画素12AW1とが駆動され、青色表示用の映像信号VSBを用いて青色表示用の透過型の副画素12BBと白色表示用の反射型の第2副画素12AW2が駆動される。
【0101】
図13は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
【0102】
図14は、図13のC−Cで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。尚、図13のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図は、図9と同様である。また、図13のB−Bで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図は、図10において符号12AWを符号12AW1と読み替えればよい。
【0103】
表示装置3の動作は、白色反射副画素12AW2が、青色表示用の映像信号VSBによって駆動される点が相違する他は、第2の実施形態において説明した動作と同様である。
【0104】
第2の実施形態に係る表示部210においては、図8に示すように、画素電極の平面形状をそれぞれ異なる形状とする必要があった。これに対し、第3の実施形態に係る表示部310においては、画素電極の平面形状を同一の形状とすることができる。このため、表示部310の製造がし易いといった利点を備えている。
【0105】
[第4の実施形態]
第4の実施形態は、本開示の第3の態様に係る表示装置に関する。
【0106】
図15は、第4の実施形態に係る表示装置の模式的な斜視図である。
【0107】
表示装置4は、赤色表示用の反射型の副画素12AR、緑色表示用の反射型の副画素12AGおよび青色表示用の反射型の副画素12AB、並びに、赤色表示用の透過型の副画素12BRおよび白色表示用の透過型の副画素12BWの組から成る画素12が2次元マトリクス状に配列されている半透過型の表示部410を備えている。表示部410は半透過型の液晶表示パネルから成る。
【0108】
第4の実施形態における副画素の詳細について説明する。
【0109】
図16は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【0110】
画素12(m,n)には、第n行目の走査線22nが接続される。副画素12ARと副画素12BRには、第(3×m−2)列目の信号線263m-2が接続され、副画素12AGと副画素12BWには、第(3×m−1)列目の信号線263m-1が接続され、副画素12ABには、第(3×m)列目の信号線263mが接続される。
【0111】
図16に示す液晶容量LC3,LC4,LC4’、及び、保持容量C3,C4,C4’は、基本的には、第2の実施形態において図7を参照して説明した構成と同様であるので、説明を省略する。
【0112】
表示装置4には、表示すべきカラー画像に応じた信号が外部から供給される。図示せぬ回路によって、カラー画像に応じた信号に基づいて赤色表示用の映像信号VSRと緑色表示用の映像信号VSGと青色表示用の映像信号VSBが生成される。そして、信号出力回路202によって、赤色表示用の映像信号VSRを用いて赤色表示用の反射型の副画素12ARと赤色表示用の透過型の副画素12BRとが駆動され、緑色表示用の映像信号VSGを用いて緑色表示用の反射型の副画素12AGと白色表示用の透過型の副画素12BWとが駆動され、青色表示用の映像信号VSBを用いて青色表示用の反射型の副画素12ABが駆動される。
【0113】
図17は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。図18は、図17のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。図19は、図17のB−Bで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。図20は、図17のC−Cで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【0114】
図17等に示すように、表示装置4にあっては、画素12の大部分は反射型の副画素が占める(反射重視の設計)。反射による表示は通常の3原色の加法混色で行い、透過による表示はある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い表示で行うといった構成である。
【0115】
図18ないし図20に示すブラックマトリックス52の構成は、第1の実施形態において説明した構成と同様である。ブラックマトリックス52で囲まれた領域内にはカラーフィルターが配置され、ブラックマトリックス52とカラーフィルターを含む全面を覆う透明共通電極54と、透明共通電極54を含む全面を覆う上部配向膜55が設けられている。図18に示す符号53Rは赤色のカラーフィルター、図19に示す符号53Gは緑色のカラーフィルター、図20に示す符号53Bは青色のカラーフィルターである。また、図19と図20に示す符号53Wは白色のカラーフィルターである。
【0116】
反射型の副画素の動作は第1の実施形態において説明した動作と同様である。透過型の副画素の動作は第2の実施形態において説明した動作と同様である。
【0117】
TFTは、走査線22からの信号に従って動作するスイッチング素子として機能する。図18に示すように、副画素12BRの画素電極30Bと副画素12ARの画素電極30Aは一体として形成されている。これらの画素電極には、走査線22からの走査信号に応じたTFTの動作に基づいて、信号出力回路202から信号線26を介して、映像信号VSRに応じた電圧が印加される。
【0118】
また、図19に示すように、副画素12BWの画素電極30B”と副画素12AGの画素電極30A”は一体として形成されている。これらの画素電極には、走査線22からの走査信号に応じたTFTの動作に基づいて、信号出力回路202から信号線26を介して、映像信号VSGに応じた電圧が印加される。
【0119】
一方、図20に示すように、副画素12BWの画素電極30B”は、副画素12ABの画素電極30A”とは独立して形成されている。画素電極30A”には、走査線22からの走査信号に応じたTFTの動作に基づいて、信号出力回路202から信号線26を介して、映像信号VSBに応じた電圧が印加される。
【0120】
そして、図17に示すように、図19に示す画素電極30B”と図20に示す画素電極30B”は一体として形成されている。従って、図19を参照して説明したように、図20に示す画素電極30B”には映像信号VSGに応じた電圧が印加される。
【0121】
次いで、表示装置4に表示される画像の色域と輝度について説明する。
【0122】
反射型の副画素12AR,12AG,12ABによる画像は、加法混色によって図5の(A)に示す符号R,G,Bを頂点とした三角形の領域内の色を表示することができる。一方、透過型の副画素12BR,12BWによる画像は、加法混色によって図5の(B)に示す符号Wと符号Rを結ぶ線分上の色の表示を行うことができる。尚、図19および図20に示すカラーフィルター53Wをシアン表示用のカラーフィルターに置き換えた構成の場合には、加法混色によって図5の(B)に示す符号Cと符号Rとを結ぶ線分上の色の表示を行うことができる。
【0123】
したがって、表示装置4にあっては、反射型としての動作時には3原色の加法混色によって良好な画像を表示することができ、透過型としての動作時にある程度の色域は確保しつつ、より輝度の高い表示を行うことができる。
【0124】
[第5の実施形態]
第5の実施形態も、本開示の第3の態様に係る表示装置に関する。第5の実施形態は、第4の実施形態に対し、透過型の白色表示副画素の構成が相違する。
【0125】
第5の実施形態に係る表示装置の模式的な模式的な斜視図は、図15に示す副画素12BWを副画素12BW1,12BW2と読み替え、表示部410を表示部510と読み替え、表示装置4を表示装置5と読み替えればよい。
【0126】
表示部510にあっては、画素12は、白色表示用の透過型の第1副画素12BW1および第2副画素12BW2を備えている。
【0127】
第5の実施形態における副画素の詳細について説明する。
【0128】
図21は、第5の実施形態に係る表示装置における、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【0129】
画素12(m,n)には、第n行目の走査線22nが接続される。副画素12ARと副画素12BRには、第(3×m−2)列目の信号線263m-2が接続され、副画素12AGと副画素12BW1には、第(3×m−1)列目の信号線263m-1が接続され、副画素12ABと副画素12BW2には、第(3×m)列目の信号線263mが接続される。
【0130】
図21に示す液晶容量LC3,LC4、及び、保持容量C3,C4は、基本的には、第2の実施形態において図7を参照して説明した構成と同様であるので、説明を省略する。
【0131】
表示装置5には、表示すべきカラー画像に応じた信号が外部から供給される。図示せぬ回路によって、カラー画像に応じた信号に基づいて赤色表示用の映像信号VSRと緑色表示用の映像信号VSGと青色表示用の映像信号VSBが生成される。そして、信号出力回路202によって、赤色表示用の映像信号VSRを用いて赤色表示用の反射型の副画素12ARと赤色表示用の透過型の副画素12BRとが駆動され、緑色表示用の映像信号VSGを用いて緑色表示用の反射型の副画素12AGと白色表示用の透過型の第1副画素12BW1とが駆動され、青色表示用の映像信号VSBを用いて青色表示用の反射型の副画素12ABと白色表示用の透過型の第2副画素12BW2が駆動される。
【0132】
図22は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
【0133】
図23は、図22のC−Cで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。尚、図22のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図は、図18と同様である。また、図22のB−Bで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図は、図19において符号12BWを符号12BW1と読み替えればよい。
【0134】
表示装置5の動作は、白色透過副画素12BW2が、青色表示用の映像信号VSBによって駆動される点が相違する他は、第4の実施形態において説明した動作と同様である。
【0135】
第4の実施形態に係る表示部410においては、図17に示すように、画素電極の平面形状をそれぞれ異なる形状とする必要があった。これに対し、第5の実施形態に係る表示部510においては、画素電極の平面形状を同一の形状とすることができる。このため、表示部510の製造がし易いといった利点を備えている。
【0136】
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0137】
なお、本開示の技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)2次元マトリクス状に画素が配列されている表示部を備えており、
表示部の画素は、第1原色を表示する副画素と第1原色とは異なる第2原色を表示する副画素との組から成る表示装置。
(2)第1原色は赤色である前記(1)に記載の表示装置。
(3)第2原色は白色またはシアンである前記(1)または(2)に記載の表示装置。
(4)赤色表示用の映像信号を用いて第1原色を表示する副画素が駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて第2原色を表示する副画素が駆動される前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の表示装置。
(5)表示部は液晶表示パネルから成る前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の画像表示装置。
(6)赤色表示用の透過型の副画素、緑色表示用の透過型の副画素および青色表示用の透過型の副画素、並びに、赤色表示用の反射型の副画素および白色またはシアン表示用の反射型の副画素の組から成る画素が2次元マトリクス状に配列されている半透過型の表示部を備えている表示装置。
(7)赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の透過型の副画素と赤色表示用の反射型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の透過型の副画素が駆動される前記(6)に記載の表示装置。
(8)画素は、白色またはシアン表示用の反射型の第1副画素および第2副画素を備えており、
赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の透過型の副画素と赤色表示用の反射型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の第1副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の第2副画素が駆動される前記(6)に記載の表示装置。
(9)表示部は半透過型の液晶表示パネルから成る前記(6)乃至(8)のいずれかに記載の画像表示装置。
(10)赤色表示用の反射型の副画素、緑色表示用の反射型の副画素および青色表示用の反射型の副画素、並びに、赤色表示用の透過型の副画素および白色またはシアン表示用の透過型の副画素の組から成る画素が2次元マトリクス状に配列されている半透過型の表示部を備えている表示装置。
(11)赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の反射型の副画素と赤色表示用の透過型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の反射型の副画素が駆動される前記(10)に記載の表示装置。
(12)画素は、白色またはシアン表示用の透過型の第1副画素および第2副画素を備えており、
赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の反射型の副画素と赤色表示用の透過型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の第1副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の第2副画素が駆動される前記(10)に記載の表示装置。
(13)表示部は半透過型の液晶表示パネルから成る前記(10)乃至(12)のいずれかに記載の画像表示装置。
【符号の説明】
【0138】
1,2,3,4,5・・・表示装置、10,110,210,310,410,510・・・表示部、11・・・表示領域、12・・・画素、12AR,12AG,12AB,12AW,12AW1,12AW2・・・反射型の副画素、12BR,12BG,12BB,12BW,12BW1,12BW2・・・透過型の副画素、13A,13B,13C,13D・・・辺、20・・・リアパネル、21・・・基板、22・・・走査線、23・・・第1絶縁膜、24・・・半導体薄膜、25・・・第2絶縁膜、26・・・信号線、26A・・・導通部、27・・・第1層間絶縁層、28・・・反射板、29・・・第2層間絶縁層、30,30’,30A,30A’,30A”,30B,30B’,30B”・・・画素電極、31・・・下部配向膜、40・・・液晶材料層、50・・・フロントパネル、51・・・基板、52・・・ブラックマトリックス、53R,53G,53B,53W・・・カラーフィルター、54・・・透明共通電極、55・・・上部配向膜、61,62・・・偏光フィルム、LC1,LC2,LC3,LC3’,LC4,LC4’・・・液晶容量、C1,C2,C3,C3’,C4,C4’・・・保持容量、VSR,VSG,VSB・・・映像信号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元マトリクス状に画素が配列されている表示部を備えており、
表示部の画素は、第1原色を表示する副画素と第1原色とは異なる第2原色を表示する副画素との組から成る表示装置。
【請求項2】
第1原色は赤色である請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
第2原色は白色またはシアンである請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
赤色表示用の映像信号を用いて第1原色を表示する副画素が駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて第2原色を表示する副画素が駆動される請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
表示部は液晶表示パネルから成る請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項6】
赤色表示用の透過型の副画素、緑色表示用の透過型の副画素および青色表示用の透過型の副画素、並びに、赤色表示用の反射型の副画素および白色またはシアン表示用の反射型の副画素の組から成る画素が2次元マトリクス状に配列されている半透過型の表示部を備えている表示装置。
【請求項7】
赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の透過型の副画素と赤色表示用の反射型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の透過型の副画素が駆動される請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
画素は、白色またはシアン表示用の反射型の第1副画素および第2副画素を備えており、
赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の透過型の副画素と赤色表示用の反射型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の第1副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の第2副画素が駆動される請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
表示部は半透過型の液晶表示パネルから成る請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項10】
赤色表示用の反射型の副画素、緑色表示用の反射型の副画素および青色表示用の反射型の副画素、並びに、赤色表示用の透過型の副画素および白色またはシアン表示用の透過型の副画素の組から成る画素が2次元マトリクス状に配列されている半透過型の表示部を備えている表示装置。
【請求項11】
赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の反射型の副画素と赤色表示用の透過型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の反射型の副画素が駆動される請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
画素は、白色またはシアン表示用の透過型の第1副画素および第2副画素を備えており、
赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の反射型の副画素と赤色表示用の透過型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の第1副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の第2副画素が駆動される請求項10に記載の表示装置。
【請求項13】
表示部は半透過型の液晶表示パネルから成る請求項10に記載の画像表示装置。
【請求項1】
2次元マトリクス状に画素が配列されている表示部を備えており、
表示部の画素は、第1原色を表示する副画素と第1原色とは異なる第2原色を表示する副画素との組から成る表示装置。
【請求項2】
第1原色は赤色である請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
第2原色は白色またはシアンである請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
赤色表示用の映像信号を用いて第1原色を表示する副画素が駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて第2原色を表示する副画素が駆動される請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
表示部は液晶表示パネルから成る請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項6】
赤色表示用の透過型の副画素、緑色表示用の透過型の副画素および青色表示用の透過型の副画素、並びに、赤色表示用の反射型の副画素および白色またはシアン表示用の反射型の副画素の組から成る画素が2次元マトリクス状に配列されている半透過型の表示部を備えている表示装置。
【請求項7】
赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の透過型の副画素と赤色表示用の反射型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の透過型の副画素が駆動される請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
画素は、白色またはシアン表示用の反射型の第1副画素および第2副画素を備えており、
赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の透過型の副画素と赤色表示用の反射型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の第1副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の透過型の副画素と白色またはシアン表示用の反射型の第2副画素が駆動される請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
表示部は半透過型の液晶表示パネルから成る請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項10】
赤色表示用の反射型の副画素、緑色表示用の反射型の副画素および青色表示用の反射型の副画素、並びに、赤色表示用の透過型の副画素および白色またはシアン表示用の透過型の副画素の組から成る画素が2次元マトリクス状に配列されている半透過型の表示部を備えている表示装置。
【請求項11】
赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の反射型の副画素と赤色表示用の透過型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の反射型の副画素が駆動される請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
画素は、白色またはシアン表示用の透過型の第1副画素および第2副画素を備えており、
赤色表示用の映像信号を用いて赤色表示用の反射型の副画素と赤色表示用の透過型の副画素とが駆動され、
緑色表示用の映像信号を用いて緑色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の第1副画素とが駆動され、
青色表示用の映像信号を用いて青色表示用の反射型の副画素と白色またはシアン表示用の透過型の第2副画素が駆動される請求項10に記載の表示装置。
【請求項13】
表示部は半透過型の液晶表示パネルから成る請求項10に記載の画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−233944(P2012−233944A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100516(P2011−100516)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(598172398)株式会社ジャパンディスプレイウェスト (90)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(598172398)株式会社ジャパンディスプレイウェスト (90)
【Fターム(参考)】
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