説明

表面処理用籠

【課題】表面処理用籠からの被処理物の出し入れを容易とするとともに、表面処理時には内部において確実に被処理物を均一に分散させることができる表面処理用籠を、製造容易且つ廉価に得る。
【解決手段】処理液21の流通孔2を複数個設けた板材3を、被処理物6の導入出間隔7を介して渦巻状に巻き回して胴部1を形成し、この胴部1を形成する板材3を、胴部1の放射方向に導入出間隔7を介して重合し胴部1の中央軸方向には被処理物6の遊動間隔8を形成する。そして、胴部1の両端を閉止板11にて閉止するとともに胴部1を正逆回転可能とし、胴部1及び/又は閉止板11に導入出口24を形成する。そして、導入出間隔7から被処理物6を導入して胴部1を渦巻きの巻き戻し方向に正回転させることにより、被処理物6を遊動間隔8内に導入可能とし、被処理物6を導入出間隔7から排出することがない。また、胴部1を渦巻きの巻き込み方向に逆回転させることにより、遊動間隔8内の被処理物6を導入出間隔8から外方に排出可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械部品、電子部品、医療器具等の、比較的小型で単独で防錆、洗浄、バレル、メッキ、その他の表面処理を行うことが困難な被処理物を複数個収納して表面処理を行う表面処理用籠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1及び2に示す如く、機械部品、電子部品、医療器具等の比較的小型なもので、単独で洗浄することが困難な被処理物を洗浄する場合に、処理液の流通が可能な流通孔を複数個設けた洗浄籠内に被処理物を収納して洗浄する方法が用いられている。この洗浄方法では、洗浄液を満たした洗浄槽内に被処理物を収納した洗浄籠を浸漬し、この洗浄籠を回転させて洗浄籠内の被処理物を洗浄するものである。
【0003】
上記の如く、洗浄籠を回転させて洗浄を行うことにより、被処理物が洗浄籠内で移動して分散するため、被処理物と洗浄槽内の洗浄液との接触が良好となるとともに、洗浄後も、洗浄籠を洗浄槽内から引き上げて回転させることにより、被処理物の液切りを良好なものとすることが可能となり、洗浄作業の効率を高めることができる。尚、特許文献1及び2に記載の洗浄籠は、回転により内部に収納した被処理物が外部に飛散しないよう、被処理物の出し入れ口に蓋体を設け、この蓋体を閉止した状態で回転させるものである。
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2に示す如く、洗浄籠に蓋体を設けた場合には、洗浄籠から被処理物を出し入れする際に、その都度蓋体を作業者の手で開閉しなければならず、作業が繁雑なものとなっていた。そこで、特許文献3に示す如く、蓋体の開閉を行うことなく洗浄籠から被処理物を出し入れ可能とする洗浄籠が開発されている。
【0005】
【特許文献1】特開平6−47360号公報
【特許文献2】特開平9−257994号公報
【特許文献3】特開平7−148336号公報
【0006】
特許文献3に記載の洗浄籠は円柱状であって、この洗浄籠の内部に、螺旋状のスクリュー体を洗浄籠の軸方向に配置したものである。そして、このように形成した洗浄籠を、洗浄液を満たした洗浄槽内に一部を浸漬するとともに洗浄槽に固定している。そして、上記洗浄籠の一端側に被処理物を投入し、洗浄籠を固定した状態でスクリュー体のみを一方向に回転させる。これにより、このスクリュー体のスクリュー板に沿って被処理物を洗浄籠の一端側から他端側に徐々に移動させて、被処理物の洗浄を行うものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献3に記載の洗浄籠は、内部にスクリュー体を配置しているため、洗浄籠内のスペースがこのスクリュー体のスクリュー板により細かく分断され、被処理物を分散させるのに十分なスペースを確保することが困難となる。そのため、例えば複数個の被処理物を洗浄籠内に収納し、この被処理物を洗浄籠の一端側から他端側に移動させた際に、スクリュー板の間隔内に被処理物が密集して目詰まりを起こし、スクリュー体の円滑な回転が困難となる事態が生じやすくなり、被処理物を洗浄籠内において均一に分散させることができないものとなる。従って、被処理物を洗浄液に十分に接触させることが困難となるとともに、スクリュー体の回転に支障が生じるなど、洗浄作業に時間と手間がかかり、洗浄効率が低下するものとなっていた。また、洗浄籠の内部にスクリュー体を配置するため構成が複雑なものとなり、装置の製造に手間がかかるとともに製造コストも高くつくものとなっていた。
【0008】
また、スクリュー体の回転に伴って被処理物が洗浄籠の入口から出口方向に移動するため、被処理物の入口から出口までの移動時間が一定である。そのため、汚れの強い被処理物の場合は長時間洗浄液と接触させながら回転を加えたり、汚れの少ない被処理物の場合は洗浄液との接触時間を少なくして迅速に洗浄を完了する等、被処理物と洗浄液との接触時間を操作することが、スクリュー体の回転速度の調整を行う以外には困難なものとなる。しかし、このスクリュー体の回転速度の調整は、装置を複雑とするとともに、被処理物と洗浄液との接触時間を長くする場合にも限度がある。
【0009】
そこで本発明は、上述の如き課題を解決しようとするものであって、表面処理用籠からの被処理物の出し入れを容易なものとするとともに、表面処理の際には内部において確実に被処理物を均一に分散させることができるとともに、処理液と被処理物との接触時間を任意に調節可能とする表面処理用籠を、製造が容易且つ廉価に得ようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の如き課題を解決するため、本発明は、板材を被処理物の導入出間隔を介して渦巻状に巻き回すことにより胴部を形成するとともに、この胴部を形成した板材を、胴部の放射方向において前記導入出間隔を介して重合し、胴部の中央軸方向には被処理物の遊動間隔を形成している。このように、胴部に遊動間隔を設けることにより、表面処理用籠を回転させた際の被処理物の移動範囲を十分に確保することが可能となるため、表面処理を行う際に被処理物を表面処理用籠内において均一に分散させることができ、表面処理の効率を良好に保つことが可能となる。
【0011】
また、上記胴部の両端を、閉止板を固定して閉止し、上記胴部を円周方向に正逆回転可能とするとともに胴部及び/または閉止板に処理液の導入出口を形成している。尚、板材に処理液の流通が可能な流通孔を複数個設け、この流通孔を処理液の導入出口としたものであっても良く、また、閉止板に処理液の流通が可能な流通孔を複数個設け、この流通孔を処理液の導入出口としたものであっても良い。
【0012】
そして、上記導入出間隔から被処理物を導入して表面処理用籠を渦巻きの巻き戻し方向に正回転させることにより、被処理物を導入出間隔を介して遊動間隔内に導入可能としている。また、板材を重合させているため、正回転させる限り、被処理物は常に遊動間隔内に保持された状態となり、被処理物が導入出間隔を介して表面処理用籠から外方に飛び出す事態が生じないものとなる。
【0013】
尚、上記渦巻きの巻き戻し方向とは、胴部の渦巻き方向の位置が変化可能と仮定した場合に、胴部の外周側の先端が渦巻きの外方に向かう方向をいう。一方、表面処理用籠を渦巻きの巻き込み方向に逆回転させることにより、被処理物が遊動間隔内から導入出間隔に移動して外方に排出されるものとなる。そのため、表面処理後に被処理物を表面処理用籠から容易に取り出すことが可能となる。尚、上記渦巻きの巻き込み方向とは、上記渦巻きの巻き戻し方向とは逆方向であって、胴部の渦巻き方向の位置が変化可能と仮定した場合に、胴部の内周側の先端が渦巻きの内方に向かい、重合部分が増える方向をいう。
【0014】
また、上記胴部は、一端と他端を被処理物の導入出間隔を介して重合させる必要があるが、この重合量は、放射方向に45°以上重合させたものであっても良い。このように、胴部の一端と他端を放射方向に45°以上重合させることにより、胴部の一端と他端の重合範囲が広くなるため、遊動間隔内に収納した被処理物は、胴部を渦巻きの巻き込み方向に45°以上回転させない限り、外部に排出されることはない。そのため、45°以上重合させることにより、遊動間隔内の被処理物が何らかのはずみで外部に排出されるという不足の事態は生じず、表面処理の際に被処理物を確実に遊動間隔内に保持することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上述の如く構成したものであって、表面処理用籠を回転させるのみで、胴部に形成した導入出間隔から被処理物の出し入れを行うことができるため、蓋体の開閉作業を要することなく表面処理用籠への被処理物の出し入れを容易なものとすることができる。また、胴部の中央軸方向には被処理物の遊動間隔を形成しているため、表面処理を行う際にはこの遊動間隔内において被処理物を均一に分散させることができ、表面処理の効率を良好なものとすることができる。
【0016】
また、板材を渦巻状に巻き回して胴部を形成するとともに、この胴部の両端に閉止板を固定した簡易な構成であるため、容易且つ廉価に製造することができる。また、上記技術効果を備えながら、表面処理用籠の回転数を調整することにより被処理物の表面処理時間を容易に変更できる。そのため、例えば被処理物の洗浄を行う場合には、汚れの強い被処理物に対しては長時間の洗浄を行ったり、汚れの弱い被処理物に対しては短時間の迅速な洗浄を行うことが可能となる。
【実施例1】
【0017】
本発明の実施例1を以下に詳細に説明する。(1)は胴部であって、略長方形状で薄肉であるとともに処理液(21)の流通が可能な円形の流通孔(2)を複数個設けた板材(3)により形成したものである。尚、本実施例では上記流通孔(2)を処理液(21)の導入出口(24)としている。そして、この板材(3)を、被処理物(6)の導入出間隔(7)を介して渦巻状に湾曲して巻き回すことにより、胴部(1)を形成している。このように胴部(1)を形成することにより、図4に示す如く胴部(1)の一端(4)と他端(5)が胴部(1)の放射方向において重合するものとなる。尚、本実施例では胴部(1)の一端(4)と他端(5)を、放射方向に約135°重合させている。
【0018】
また、上記胴部(1)の中央軸方向には、被処理物(6)の遊動間隔(8)を形成している。このように遊動間隔(8)を形成することにより、表面処理用籠(10)を回転させた際の被処理物(6)の遊動範囲を十分に確保することが可能となるため、表面処理用籠(10)内において被処理物(6)を均一に移動・分散させることができる。そのため、表面処理の際に被処理物(6)と処理液(21)との接触が良好となるとともに、表面処理後も、被処理物(6)の液切りを良好なものとすることが可能となり、表面処理の効率を高めることができる。また、上記の如く形成した胴部(1)の両端には、胴部(1)の外径よりも大径な閉止板(11)を固定配置し、胴部(1)の両端を閉止している。
【0019】
そして、この一対の閉止板(11)の外周縁を外周鍔(12)とし、この外周鍔(12)には、係合孔(14)を、図1に示す如く円周方向に等間隔に複数個設けている。上記の如く、本発明の表面処理用籠(10)は板材(3)を渦巻状に巻き回して胴部(1)を形成するとともに、この胴部(1)の両端に閉止板(11)を固定した簡易な構成であるため、容易且つ廉価に製造することができる。尚、本実施例は上記の如く、胴部(1)を形成する板材(3)に、処理液(21)の流通が可能な円形の流通孔(2)を複数個設け、この流通孔(2)を処理液(21)の導入出口(24)としているが、他の異なる実施例では、閉止板(11)に複数個の流通孔(2)を設け、この流通孔(2)を処理液(21)の導入出口(24)とすることも可能である。
【0020】
そして、本実施例では上記の如く形成した表面処理用籠(10)を洗浄に使用する場合について、以下に説明する。まず、上記表面処理用籠(10)の洗浄槽(15)への配置方法について、以下に説明する。尚、本実施例では処理液(21)として洗浄液を使用している。まず、洗浄槽(15)内には、図4に示す如く表面処理用籠(10)を回転させるための一対のコロ(17)(18)を配置し、この一対のコロ(17)(18)の外周には、前記外周鍔(12)の係合孔(14)に係合するための係合歯(20)を形成している。また、一対のコロ(17)の一方には駆動源(図示せず)を接続し、他方のコロ(18)を空転可能なものとすることにより、一対のコロ(17)(18)を円周方向に正逆回転可能としている。また、上記の如く形成した一対のコロ(17)(18)は、洗浄槽(15)内に昇降手段(図示せず)を介して組み付けており、この昇降手段は一対のコロ(17)(18)を水平方向に保ちながら上下方向に昇降可能なものとしている。
【0021】
上記の如く構成したものにおいて、本発明の表面処理用籠(10)を使用した被処理物(6)の洗浄を行うには、昇降手段により一対のコロ(17)(18)を処理液(21)の液面よりも上方に配置する。そして、導入出間隔(7)を上方に向けた状態で、表面処理用籠(10)の閉止板(11)を上記一対のコロ(17)(18)に配置する。次に、図2(a)に示す如く、導入出開口部(22)から表面処理用籠(10)内に複数の被処理物(6)を投入する。
【0022】
そして、一方のコロ(17)に接続した駆動源を作動させて、この一方のコロ(17)を表面処理用籠(10)の渦巻きの巻き込み方向に逆回転させることにより、係合歯(20)に係合孔(14)を係合した表面処理用籠(10)が、図2の矢印で示す如く、渦巻きの巻き戻し方向に正回転するとともに、この表面処理用籠(10)の正回転に伴って、他方のコロ(18)が従動回転する。
【0023】
このように、表面処理用籠(10)を正回転させることにより、被処理物(6)が導入出間隔(7)を通過して図2(b)に示す如く遊動間隔(8)内に導入される。そして、上記の如く複数の被処理物(6)を遊動間隔(8)内に収納した状態で、駆動源を停止して表面処理用籠(10)の回転を一時中断し、昇降手段により、図4に示す如く表面処理用籠(10)を洗浄槽(15)内に配置し、処理液(21)中に浸漬する。
【0024】
そして、洗浄槽(15)の蓋体(16)を閉止して再度駆動源を作動させ、表面処理用籠(10)を正回転させる。これにより、被処理物(6)が遊動間隔(8)内において移動・分散し、処理液(21)中において被処理物(6)の洗浄が行われる。この時、胴部(1)の一端(4)側と他端(5)側を、導入出間隔(7)を介して重合しているため、この重合部分により胴部(1)の内周に段差が生じるものとなる。従って、図2(d)に示す如く、上記段差が表面処理用籠(10)の回転により下方に位置した際に、被処理物(6)は自重によってこの段差を落下する。
【0025】
従って、表面処理用籠(10)の正回転により段差が下方に位置する度に、被処理物(6)が上記段差を落下するため、この落下により被処理物(6)の移動・分散を、より顕著なものとすることができ、被処理物(6)の洗浄効果を更に高めることができる。また、遊動間隔内の被処理物(6)は、表面処理用籠(10)を正回転させ続けることにより、図2(b)〜(e)に示す如く、常に遊動間隔(8)内に保持された状態となる。
【0026】
また、上記の如く本実施例では胴部(1)の一端(4)と他端(5)を放射方向に135°重合させているため、胴部(1)の一端(4)と他端(5)の重合範囲が広くなる。そのため、遊動間隔(8)内の被処理物(6)が何らかのはずみで外部に排出されることはなく、洗浄中の被処理物(6)を確実に表面処理用籠(10)の内部に保持することが可能となる。
【0027】
次に、上記被処理物(6)の洗浄を終了する場合には、まず、駆動源を停止して表面処理用籠(10)の回転を中止する。そして、洗浄槽(15)の蓋体(16)を取り外し、昇降手段により処理液(21)中の表面処理用籠(10)を処理液(21)の液面上まで上昇させる。そして、駆動源を作動させて一方のコロ(17)を、被処理物(6)の導入時とは反対方向である、表面処理用籠(10)の巻き戻し方向に正回転させることにより、図3(a)(b)の矢印で示す如く、表面処理用籠(10)を渦巻きの巻き込み方向に逆回転させる。
【0028】
この時、被処理物(6)は自重により常に表面処理用籠(10)内の下方に位置しているため、図3(c)(d)に示す如く、表面処理用籠(10)の逆回転により導入出間隔(7)が下方に位置した際に、被処理物(6)が導入出間隔(7)内に入り込み、図3(e)に示す如く上記被処理物(6)は導入出間隔(7)から導入出開口部(22)を介して外方に排出される。尚、この被処理物(6)の排出時には、図3(e)に示す如く予め表面処理用籠(10)の下方に受け取り皿(23)等を配置しておくことにより、導入出開口部(22)から外方に排出された被処理物(6)を洗浄槽(15)内に落下させることなく容易且つ確実に回収することができる。
【0029】
上記の如く、本発明の表面処理用籠(10)は、正回転又は逆回転させるのみで、胴部(1)に形成した導入出間隔(7)を介して表面処理用籠(10)からの被処理物(6)の出し入れを確実に行うことができる。従って、蓋体の開閉作業等の煩雑な手間を要することなく、表面処理用籠(10)への被処理物(6)の出し入れを容易なものとすることができる。
【0030】
また、上記の如く表面処理用籠(10)を正回転させることにより被処理物(6)を表面処理用籠(10)内に保持するとともに、洗浄後は表面処理用籠(10)を逆回転させることにより、被処理物(6)を表面処理用籠(10)から容易に取り出すことができる。そのため、被処理物(6)の汚れ具合に応じて表面処理用籠(10)を正回転させるタイミング、及び逆回転させるタイミングを適宜変更することにより、汚れの強い被処理物(6)の場合には、表面処理用籠(10)の正方向への回転数を多くして長時間の洗浄を行ったり、汚れの少ない被処理物(6)の場合には、表面処理用籠(10)の正方向への回転を少なくして短時間の迅速な洗浄を行うことが可能となる。従って、被処理物(6)の洗浄時間を容易に変更することができ、効率的な洗浄が可能となる。尚、本実施例では上記の如く、表面処理の中でも洗浄の際に使用する場合について説明したが、本発明の表面処理用籠(10)は、防錆、バレル、メッキ、その他の表面処理についても使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施例1を示す正面図。
【図2】表面処理用籠の正回転を表す概念図。
【図3】表面処理用籠の逆回転を表す概念図。
【図4】表面処理用籠を処理液中に浸漬した状態を示す断面図。
【符号の説明】
【0032】
1 胴部
2 流通孔
3 板材
4 一端
5 他端
6 被処理物
7 導入出間隔
8 遊動間隔
11 閉止板
21 処理液
24 導入出口


【特許請求の範囲】
【請求項1】
板材を被処理物の導入出間隔を介して渦巻状に巻き回すことにより胴部を形成するとともに、この胴部を形成した板材を、胴部の放射方向において前記導入出間隔を介して重合し、胴部の中央軸方向には被処理物の遊動間隔を形成するとともに、上記胴部の両端を閉止板にて閉止し、上記胴部を円周方向に正逆回転可能とするとともに胴部及び/または閉止板に処理液の導入出口を形成し、上記導入出間隔から被処理物を導入して渦巻きの巻き戻し方向に正回転させることにより、被処理物を遊動間隔内に導入可能とし、上記正回転においては被処理物を導入出間隔から排出することがないとともに、渦巻きの巻き込み方向に逆回転させることにより、遊動間隔内に導入した被処理物を上記導入出間隔から外方に排出可能としたことを特徴とする表面処理用籠。
【請求項2】
板材は、処理液の流通が可能な流通孔を複数個設けることにより、この流通孔を処理液の導入出口としたことを特徴とする請求項1の表面処理用籠。
【請求項3】
閉止板は、処理液の流通が可能な流通孔を複数個設けることにより、この流通孔を処理液の導入出口としたことを特徴とする請求項1の表面処理用籠。
【請求項4】
胴部は、一端と他端を、放射方向に45°以上重合させたことを特徴とする請求項1の表面処理用籠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−229495(P2008−229495A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−72556(P2007−72556)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(390019884)ジャパン・フィールド株式会社 (28)
【Fターム(参考)】