説明

袋体清掃装置

【課題】操作が容易で作業効率のよい袋体の清浄装置
【解決手段】口部が開放された柔軟な袋体である袋体の内部を清掃する装置であって、該口部内に挿入される空気噴出口と、該空気噴出口から空気を噴出させる加圧手段と、該袋体の内部を流れる空気を流入させる流入口と、該流入口から空気を排出させる排出手段と、該空気噴出口からの加圧空気により膨張した該袋体を支持する天板と、から構成される袋体、特にフレコンの内部を清掃する装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀類、粉体等を収納して輸送や貯蔵に使用される袋体、特に樹脂加工布やゴム引き布等の柔軟性素材を用いたフレコンと呼ばれるフレキシブルコンテナバッグの内部に、空気を供給してダスト等の残留物を吹き出して清掃する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
引用文献1は、排出口が開放され収容物の排出された柔軟な袋体であるフレコン内を清掃する装置であって、該排出口を通してフレコン内に挿入される空気ノズルと、空気ノズルの挿入された排出口を閉塞する排出口閉塞手段と、排出口の閉じられたフレコン内に該空気ノズルを通して加圧空気を吹込む加圧空気供給手段と、排出口の閉じられたフレコン内の空気を、該空気ノズルを通して吸引する空気吸引手段とを備えているフレコンバックの清掃装置を開示している。
【0003】
引用文献2は、フレコンに相当するコンテナを懸垂する昇降装置と、この昇降装置に懸垂された上部を締結したコンテナと、コンテナが被さる形で配置された可撓性のブロー管からなり、前記コンテナ内を前記ブロー管が可撓性を利用して全方向に自在に清掃空気を噴射して吹き付けることによりコンテナ内部付着ダストを除去するフレキシブルコンテナ清掃装置を開示している。
【0004】
引用文献2に記載された発明では、図5に示すように、昇降装置102のモータを駆動してフック101をコンテナ取り付け位置まで移動した後、コンテナ104をフックに吊るして上に移動し、コンテナの下端部を回収箱108のフードカバー119とブロー管107との間から送気部に被さるように適度に挿入し、可撓性のブロー管107から首を振るように低圧空気が噴射されてもはずれないような位置関係に配置する。そして、噴出ガス源から噴射ガス供給経路110を介してブロー管107に低圧の噴出空気が供給され、また、送気経路112を介して送気管106にコンテナ104を膨張させ、清掃するに足りる空気が送られる。
【0005】
矢印120は、送気管106からコンテナ104内に送気される送気流を示し、矢印のように旋回する流れによってコンテナ104は膨張するとともに清掃され、付着している付着ダストが回収箱108に落下するのであるが、特にブロー管107を介して低圧の噴出空気が方向自在に首を振るようにコンテナに吹き込まれると、低圧の噴出空気が矢印121のように、コンテナ104の側面・頂部近辺まで至るように吹き付け、コンテナ104内の付着ダストを吹き飛ばして回収箱108に落下させる。
【0006】
【特許文献1】特開2004−174339号公報
【特許文献2】特開2005−270940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
引用文献1の発明では、粉体が排出されたフレコンに対して、排出口閉塞手段の一対の挟圧板をそれぞれのエアシリンダを伸張させて空気ノズルが挿入された排出口の方向に駆動し、排出口を空気ノズルに圧着して挟圧し排出口を閉じ、その後で、フレコン内に加圧空気を吹き込み、フレコンバッグ2を膨張させるものであるから、一対の挟圧板とエアシリンダを備えることが必要であり、装置が複雑化するだけでなく、排出口を空気ノズルに圧着させる工程と、作業終了後に解放する工程が必要となるので、作業が複雑となって効率が上がらないという問題点があった。
【0008】
引用文献2の発明では、モータ付きの昇降装置、ブロー管。噴射ガス供給経路等を備えており、装置が複雑となるという問題点があることに加えて、コンテナをフックに吊るす工程と外す工程が発生し、作業が複雑になるという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の袋体清掃装置は、口部が開放された柔軟な袋体を清掃する装置であって、該口部内に挿入される空気噴出口と、該空気噴出口から空気を噴出させる加圧手段と、該袋体の内部を流れた空気を流入させる流入口と、該流入口から空気を排出させる排出手段と、該空気噴出口からの加圧空気により膨張した該袋体を支持する天板と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の袋体清掃装置は、更に、膨張した前記袋体を支持する前記天板の表面が、平面であることを特徴とする。
【0011】
本発明の袋体清掃装置は、更に、膨張した前記袋体を支持する前記天板の表面が、凹面状に形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の袋体を清掃する装置は、更に、前記天板の平面形状が略円形であることを特徴とする。
【0013】
本発明の袋体清掃装置は、更に、前記天板の平面形状が星型であることを特徴とする。
【0014】
本発明の袋体清掃装置は、更に、前記天板が中心軸を備えて、該軸の周りに回転可能であることを特徴とする。
【0015】
本発明の袋体清掃装置は、更に、前記袋体がフレキシブルコンテナであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、フレキシブルコンテナ等の袋体の内壁面に付着したダスト等を落とし、袋体を加圧空気を用いて清掃する作業を、効果的かつ効率的に進めることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明に係る清掃装置の実施の形態について、以下、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0018】
図1及び図2は、本発明に係る袋体清掃装置の実施例1を示すものであり、図1はその正面を、図2はその左側面を示している。
【0019】
本発明に係る清掃装置は、一つの底板1の略中央に載置された空気ノズルを中心に、いくつかの部分から構成され、全体として一つのユニットにまとめられている。底板1の上に設置されたブロワモータ2で吸引された空気は、空気噴出管3を通過して空気噴出口4から上方に向けて噴出される。また、空気噴出口4を囲むように円環状に開口した流入口5からは、空気が下方に向けて流れて下部に設けられた室6に流入し、更に排気管7を通過して排気口8に装着された集塵袋9に流れる。
【0020】
また、底板1の左右両側にはそれぞれ支柱10が立設され、これらの左右の支柱10は、空気噴出口4の上方を遮るように水平方向に延びた天板11を支持する。支柱10は、その長さが調整できるようになっており、円環状に開口した流入口5と天板11との距離aを、フレコンが一杯に膨張した時の縦方向の長さより多少短い長さとするように調節する。
【0021】
以上のように構成された清掃装置を用いて、以下、清掃方法について説明する。
【0022】
作業者は、粉体等の中身が排出された後のフレコンの口部を空気噴出口4に被せるように流入口5内に入れ、空気噴出口4から噴出される空気を、フレコン内部に流入させると、フレコンは、空気圧力で上方に浮き上がるように膨張し、図1及び図2に示すように天板11により支持された逆さの状態となる。この時、フレコンの口部13は、上方から空気噴出口4を覆うように流入口5内に入れるだけでよく、固着手段は用いない。なお、膨張したフレコンに接触する天板11の面を凹状とすると、膨張して凸面状となっているフレコンとの接触が安定するので、そのようにしてもよい。
【0023】
フレコンが図1及び図2に示すような逆さの状態となると、空気噴出口4から噴出された空気は、上昇流14となって、天板11に支持されたフレコン12の底部に向かい、そこからフレコン12の側壁に沿うように下降流15となってフレコンの口部方向に向かい、流入口5に流入する。
【0024】
この状態となったら、作業者は、フレコン12の壁面を素手で又は適当な道具を用いて叩く。こうすることによって、フレコン12の内壁面に付着したダスト等の残留物を叩き落として、フレコン内の下降流15に載せることができる。
【0025】
流入口5から流入した空気は室6に流入し、その流速が低下してダスト等の残留物の一部はここに堆積する。流入した空気は流れの方向を変えて、排気管7を通過して集塵袋9に流入し、ダスト等の残留物の残りは集塵袋内に回収され、清浄化された空気のみが集塵袋を通過して流れる。
【0026】
以上の実施例1では、底板1の上にすべての構成要素が載置されて、一つのユニットを形成しているが、必ずしも一つのユニットにまとめる必要はない。また、実施例1では、室内の空気をブロワモータで吸引し、室内に排出しているが、その両者又は一方を室外、屋外としてもよい。また、排気側にブロワモータを設けて、強制的に排出流を形成するようにしてもよい。
【実施例2】
【0027】
本発明に係る袋体の内部を清掃する装置の実施例2は、天板の構成を除いて実施例1と同じである。そこで、天板について、以下説明する。
【0028】
図3は、実施例2における天板とその取付け状態を示す。実施例2の天板は円形又は略円形であり、そのフレコンに接触する表面が凹面となっており、その中央の軸17でアーム16に回転可能に支持されている。このように構成されていると、天板に支持された膨張したフレコンを作業者が容易に回転できるので、膨張したフレコンの側面を叩いて内面に付着したダスト等を落とす作業が、支柱等に干渉されることなく、容易にできるという利点がある。
【0029】
また、天板の径をフレコンの底面より小さくすると、底面の一部についても、作業者が叩いてダスト等を落とす作業が可能となるという利点がある。
【実施例3】
【0030】
本発明に係る袋体の内部を清掃する装置の実施例3は、実施例2における天板の平面形状を星型にしたものである。星型の伸びたフィンガの間から、支持するフレコンの壁面を叩いてダスト等を落とす作業が可能となるという利点がある。実施例3の天板の形状は星型に限定されるものではなく、伸びたフィンガ状のものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、フレコンバッグを始めとして、各種の袋体の清掃に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施例1の正面図である。
【図2】本発明の実施例1の左側面図である。
【図3】本発明の実施例2の天板の平面図及びその縦断面図(X−X断面)である。
【図4】本発明の実施例3の天板の平面図及び縦断面図(X−X断面)である。
【図5】フレコンバッグの従来例の説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1:底板、2:ブロワモータ、3:空気噴出管、4:空気噴出口、5:流入口、6:室、7:排気管、8:排気口、9:集塵袋、10:支柱、11:天板、12:フレコン、13:口部、14:(空気の)上昇流、15:(空気の)下降流。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部が開放された柔軟な袋体を清掃する装置であって、
該口部内に挿入される空気噴出口と、
該空気噴出口から空気を噴出させる加圧手段と、
該袋体の内部を流れた空気を流入させる流入口と、
該流入口から空気を排出させる排出手段と、
該空気噴出口からの加圧空気により膨張した該袋体を支持する天板と、
を備えることを特徴とする袋体清掃装置。
【請求項2】
請求項1に記載された装置において、
膨張した前記袋体を支持する前記天板の表面が、平面であることを特徴とする袋体清掃装置。
【請求項3】
請求項1に記載された装置において、
膨張した前記袋体を支持する前記天板の表面が、凹面状に形成されていることを特徴とする袋体清掃装置。
【請求項4】
請求項3に記載された装置において、
前記天板の平面形状が略円形であることを特徴とする袋体清掃装置。
【請求項5】
請求項3に記載された装置において、
前記天板の平面形状が星型であることを特徴とする袋体清掃装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかの請求項に記載された装置において、
前記天板が中心軸を備えて、該軸の周りに回転可能であることを特徴とする袋体清掃装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかの請求項に記載された装置において、
前記袋体がフレキシブルコンテナであることを特徴とする袋体清掃装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−155201(P2010−155201A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334692(P2008−334692)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(507394514)株式会社 井口 (2)
【Fターム(参考)】