説明

被成形樹脂とシートの剥離装置、剥離方法

【課題】被成形樹脂を破損することなくシートから被成形樹脂を良好に剥離することができる。
【解決手段】シート104上に載置されている被成形樹脂102をシート104から剥離するための、被成形樹脂102とシート104の剥離装置100において、シート104の少なくとも一端部(位置M)及び他端部(位置N)を固定する手段112と、シート104の存在する側から押し当て、被成形樹脂102を押出し可能な押出部106を有する押出機構108と、を備えており、押出機構108が、被成形樹脂102を押出した状態の押出部106を被成形樹脂102の一端側(位置M)から他端側(位置N)まで移動可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被成形樹脂とシートの剥離装置、剥離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図7に示すような被成形樹脂とシートの剥離装置が知られている。
【0003】
剥離装置1は、外周部が固定されているシート(離型フィルム)2に対して、押圧ローラ(押出部)4(4A、4B)をシート2の存在する側(被成形樹脂3が載置されていない側)から押し当て、シート2上に載置されている被成形樹脂3を押出すことにより、シート2から被成形樹脂3を剥離する。剥離装置1は、4個の押圧ローラ4を備えており(図示の例では、2個のみ図示している)、これらの押圧ローラ4は、それぞれ被成形樹脂3の四隅に配置されている。該押圧ローラ4は、アーム5の一端に取付けられており、該アーム5の他端には、カム6の当接面6Aを移動する当接ローラ7が取付けられている。該カム6が、カム駆動機構8によって上昇させられると、当接ローラ7は、カム6の当接面6Aに沿って移動する(図7(B))。これに伴い、シート2の外側を押し当てている押圧ローラ4は、支点9を中心に回転し、被成形樹脂3を押し出しながら、該被成形樹脂3の中心に向かって移動する。この結果、被成形樹脂3とシート2の剥離が、被成形樹脂3の四隅(外周)から中心側に向かって進行する(図7(C))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−288907(図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、被成形樹脂3の中心付近では、4つの押圧ローラ4相互の距離が近くなり、押圧ローラ4から被成形樹脂3に付与される負荷が集中するため、被成形樹脂3が割れ易くなっていた。被成形樹脂3自体の膜厚が薄くなった場合、被成形樹脂3の強度は更に低下するため、被成形樹脂3にヒビや割れがより生じやすくなっていた。また、被成形樹脂3の中心付近において、押圧ローラ4が、直接シート2を押し当てることができない領域が存在し、被成形樹脂3の押出しが不十分になり、被成形樹脂3をシート2からうまく剥離できない恐れがあった。
【0006】
本発明では、上記の問題を解決するために、被成形樹脂を破損することなくシートから被成形樹脂を良好に剥離することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、シート上に載置されている被成形樹脂を該シートから剥離するための、被成形樹脂とシートの剥離装置において、前記シートの少なくとも一端部及び他端部を固定する手段と、前記シートの存在する側から押し当て、前記被成形樹脂を押出し可能な押出部を有する押出機構と、を備えており、該押出機構が、前記被成形樹脂を押出した状態の前記押出部を前記被成形樹脂の一端側から他端側まで移動可能に構成されていることにより上記課題を解決した。
【0008】
本発明は、(被成形樹脂を押出し可能な押出部を有する)押出機構が、被成形樹脂を押出した状態のまま、押出部を被成形樹脂の一端側から他端側まで移動可能に構成している。つまり、押出機構は、押出部を被成形樹脂の一端側から他端側まで、全面にわたって満遍なく押し当て、被成形樹脂を十分に押出しながら、移動させている。押出部の移動終了位置が、被成形樹脂の「端部」であることから、剥離装置は、特に、被成形樹脂が最後にシートから剥がされるときに負荷が集中することを回避し、薄型の被成形樹脂等を含む様々な被成形樹脂の破損を防止しながら、被成形樹脂の全面を良好に剥離することができる。
【0009】
この視点で、本発明は、外周部が固定されているシートから、該シート上に載置されている被成形樹脂を剥離するための、被成形樹脂とシートの剥離方法において、前記シートの少なくとも一端部及び他端部を固定する手順と、前記シートの存在する側から前記被成形樹脂を押出し可能な押出部を押し当てる手順と、該押出部を、前記被成形樹脂を押出した状態のまま、前記被成形樹脂の一端側から他端側まで移動させる手順を備えている発明と捉えることもできる。
【0010】
なお、本発明における「押出し」の概念には、押出機構側が、静止している被成形樹脂の側に近づく概念の他、被成形樹脂の側が、シートの存在する側で静止状態にある押出機構側にむかって相対的に近づく概念を含む。
【0011】
また、本発明における「押出ローラが移動可能な被成形樹脂の一端側及び他端側」の「側」の用語は、被成形樹脂を破損せずに剥離できるのであれば、後述する実施形態で示されるように、必ずしも厳密に被成形樹脂の端部と一致している必要は無い、という趣旨で用いられている。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、被成形樹脂を破損することなくシートから被成形樹脂を良好に剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態の一例にかかる被成形樹脂とシートの剥離装置の(a)概略側面図、(b)概略斜視図
【図2】前記剥離装置の被成形樹脂をシートから剥離するための動作模式図
【図3】前記剥離装置の被成形樹脂の剥離時の概略計算モデル
【図4】押出量を一定に保持した場合の剥離過程における計算上の剥離角度の変化を示すグラフ
【図5】剥離角度を一定に保持した場合の剥離過程における計算上の押出機構の押出量の変化を示すグラフ
【図6】前記剥離装置の被成形樹脂をシートから剥離するための他の動作模式図
【図7】従来の被成形樹脂とシートの剥離装置の概略側面図の動作模式図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を用いて本発明の実施形態の一例に係る被成形樹脂とシートの剥離装置について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態の一例にかかる被成形樹脂とシートの剥離装置の(a)概略側面図と、(b)該剥離装置の概略斜視図である。
【0016】
概略から説明すると、被成形樹脂102とシート104の剥離装置100は、両端部(後述する押出ローラ106の移動方向(X軸方向)における一端(位置M)と他端(位置N))が固定されているシート104から、該シート104上に載置されている被成形樹脂102を剥離する。なお、この実施形態では更に移動方向と平行な側端部でも、シート104は固定されているが、移動方向と平行な側端部は被成形樹脂102の形状によっては必ずしも固定されていなくてもよい。剥離装置100は、押出ローラ(押出部)106をシート104の存在する側から押し当て、被成形樹脂102を押出す押出機構108を備えている。押出機構108は、該押出ローラ106を被成形樹脂102に対して、十分押出した状態で、該押出ローラ106をシート104の一端部(位置M)から他端部(位置N)まで移動する。つまり、この実施形態では、押出機構108は、押出ローラ106の移動終了位置がシート104の端部(位置N)である。これにより、剥離装置100は、特に被成形樹脂102が最後にシート104から剥がされるときに負荷が集中することを回避できる。
【0017】
以下、より具体的な構成について詳述する。
【0018】
この剥離装置100は、主に、被成形樹脂載置機構110と、該被成形樹脂載置機構110の下部に配置されている押出機構108から構成されている。
【0019】
まず、被成形樹脂載置機構110について説明する。
【0020】
被成形樹脂載置機構110は、主に、被成形樹脂102が載置されているシート104と、シート固定部(固定する手段)112等から構成されている。
【0021】
本実施形態における被成形樹脂102は、膜厚Dが0.2mmの矩形の形状であり、図示せぬ成形装置によりシート104上に成形される。シート固定部112は、被成形樹脂102が載置されている部分より大きな矩形の孔が開口している枠状の部材である。シート104は、シート固定部112によって自身の外周部が4辺とも固定されている。シート104は、復元が可能な弾性体を基材とする部材であり、シート固定部112の枠の形状に沿って変形可能である。また、シート104は、被成形樹脂102が載置されている側の表面に離型性の高い薄膜が接着されており、被成形樹脂102をより良好に剥離できるようにしている。
【0022】
次に、押出機構108について説明する。
【0023】
押出機構108は、主に、水平方向移動部114、高さ方向移動部116、押出ローラ(押出部)106から構成されている。
【0024】
押出ローラ106は、シャフト106Aの外周に弾性体106Bを有するローラである。本実施形態において、弾性体106Bは、低硬度(ショア固さ30程度)の材料であり、シート104を介して被成形樹脂102に付与される荷重の集中を緩和し、これにより被成形樹脂102の一部に応力が集中するのを防止する。弾性体106Bは、シート104との粘着性が低く(離型性が高く)なっており、円滑な剥離作業を行うことができる。弾性体106BのY軸方向(押出ローラ106の軸方向)長さAは、少なくとも、被成形樹脂102のY軸方向長さB以上であり、押出ローラ106が、弾性体106Bによって被成形樹脂102の(Y軸方向の)全面を十分に押出せるようになっている(A≧B)。押出ローラ106のシャフト106Aの両側は、アーム118により両持ち支持されており、該シャフト106Aは、回転自在に安定した支持がなされている。該アーム118の支持点を中心に、押出ローラ106は自転しながら、シート104上を移動するため、押出ローラ106とシート104の間に摩擦が生じにくく、円滑にX軸方向(押出ローラ106の移動方向)に移動する。
【0025】
押出ローラ106を支持しているアーム118は、高さ方向移動部116に取り付けられている。また、高さ方向移動部116は、水平方向移動部114に取り付けられている。水平方向移動部114と高さ方向移動部116は、共に図示せぬ制御部により制御され、それぞれ押出ローラ106のT軸方向(押出ローラ106から見てシート104側の方向)の押出とX軸方向の移動を行っている。より具体的には、高さ方向移動部116は、押出ローラ106のT軸方向の位置を制御し、押出ローラ106をシート104に押し当て、被成形樹脂102を押出している。高さ方向移動部116は、例えば、後述する剥離角度φや押出量t等を一定に保持するように、押出ローラ106のT軸方向の位置を制御している。また、水平方向移動部114は、押出ローラ106のX軸方向の位置を制御し、押出ローラ106(より具体的には、押出ローラ106の中央部:位置P)を被成形樹脂102の一端側(本実施形態においては、シート固定部112に固定されているシート104の一端部:位置M)から他端側(本実施形態においては、シート固定部112に固定されているシート104の他端部:位置N)まで移動させている。
【0026】
次に、図2〜図4を用いて、剥離装置100の作用について説明する。
【0027】
図2は、剥離装置100の被成形樹脂102をシート104から剥離するための動作模式図を示している。図3は、被成形樹脂102の剥離時における剥離装置100の概略計算モデルを示している。図4は、押出量tを一定に保持した場合の剥離過程における計算上の剥離角度φの変化を示すグラフを示している。
【0028】
まず、図2に示す工程(a)において、被成形樹脂載置機構110におけるシート104は、シート固定部112によって、自身の外周部の4辺(X軸方向の一端側(位置M)と他端側(位置N)を含む)とも固定される。剥離装置100は、該被成形樹脂載置機構110を押出機構108の上部に移動させ、押出機構108は、押出ローラ106の中央部(位置P)を被成形樹脂102の一端側(位置M)に合わせ、剥離開始位置の位置合わせを行う。
【0029】
次に、図2に示す工程(b)〜(d)のように、該押出機構108は、被成形樹脂102を押出した状態の押出ローラ106を被成形樹脂102の一端側(位置M)から他端側(位置N)までX軸方向に移動させる。
【0030】
より具体的には、まず、押出機構108は、高さ方向移動部116を制御し、押出ローラ106をT軸方向に移動させ、被成形樹脂102の一端側(位置M)に押し当て、シート104から被成形樹脂102を押出している(図2(b))。次に、押出機構108は、水平方向移動部114を制御することにより、シート104に押し当てている押出ローラ106を被成形樹脂102の一端側(位置M)から他端側(位置N)の方へX軸方向に移動させる(図2(c))。押出機構108は、押出ローラ106を被成形樹脂102の他端側(位置N)まで移動させ、押出ローラ106のX軸方向の移動を終了させる(図2(d))。
【0031】
つまり、剥離装置100は、シート104の外周部の4辺(X軸方向の一端側(位置M)と他端側(位置N)を含む)を固定する手順と(図2(a))、押出ローラ106を被成形樹脂102に対して押し当てる手順(図2(b))と、押出ローラ106を、被成形樹脂102を押出した状態のまま、被成形樹脂102の一端側(位置M)から他端側(位置N)まで移動させる手順(図2(c)、(d))を含む剥離方法により、被成形樹脂102を剥離している。
【0032】
押出機構108は、押出ローラ106の移動終了位置が被成形樹脂102の他端側(位置N)であり、且つ、外周を弾性体106Bにより覆われた押出ローラ106を、シート104の全面にわたって満遍なく押し当て、被成形樹脂102を十分に押出しながら、移動させている。また、押出ローラ106の移動終了位置が、被成形樹脂102の「端部(位置N)」であることから、剥離装置100は、特に、被成形樹脂102が最後にシート104から剥がされるときに負荷が集中することを回避できる。結果として、剥離装置100は、薄型の被成形樹脂等を含む様々な被成形樹脂102の破損を防止しながら、被成形樹脂102の全面を良好に剥離することができる。
【0033】
ここで、被成形樹脂102の良好な剥離をする上で重要と考える押出量t、剥離角度φについて説明する。図3に示す計算モデルを用いて、押出機構108が、押出ローラ106を押出量tを一定にして押出しつつ、被成形樹脂102の一端側(図3の例ではシート104の一端部である位置M)から他端側(図3の例ではシート104の他端部である位置N)まで移動させる場合の剥離角度φの変化について説明する(図3、図4参照)。
【0034】
なお、剥離角度φとは、押出ローラ106が被成形樹脂102を押し出している位置Jを支点として、押出ローラ106を移動させた一端側(位置M)のシート104と、被成形樹脂102のシート104が剥がされた面(被成形樹脂102の剥離された側の位置Jまでの面)Kとの間の角度をいう。
【0035】
剥離角度φは、式(1)によって計算される。式(1)を用いることにより、被成形樹脂102を載置するシート104(X軸方向の長さL:94mm)に対して、押出ローラ106の押出量tを設定量に維持するように制御しつつ、該押出ローラ106の移動量x分だけ移動させた時の剥離角度φが算出される。ここで、押出量tとは、シート104の基準面QからT軸方向に押出したシート104の高さを示し、移動量xとは、押出ローラ106の被成形樹脂102の一端側(位置M)からX軸方向への移動量を示している。なお、式(1)において、被成形樹脂102は剛体とみなされている。図4は、式(1)を用いて計算した剥離角度φの変化を示すグラフである。
【0036】
【数1】

【0037】
図4に示す曲線E、F、Gは、式(1)により求められた押出量tがそれぞれ1mm、2mm、2.5mmの時の(計算上の)剥離角度φを示す。曲線E、F、Gにより示される剥離角度φは、いずれもシート104のほぼ中央部で最小になっている。剥離評価実験に基づき、上述した押出ローラ106、被成形樹脂102等を備えた剥離装置100の剥離角度φは、5deg以上が好ましいことが確認されている。曲線F(押出量t:2.0mm時)及び曲線G(押出量t:2.5mm時)の剥離角度φの最小値は、どちらも5deg以上であるため、曲線F、Gは、良好な剥離を実現可能であることが確認できる。このため、剥離装置100は、上述した計算結果(曲線F、G)に基づいて押出ローラ106の動作を制御することにより、被成形樹脂102を良好に剥離することができる。
【0038】
これらの構成に基づく作用が相俟って、剥離装置100は、簡易な動作原理・構造により、被成形樹脂102を破損することなくシート104から被成形樹脂102を十分に剥離することができる。この結果、被成形樹脂102は、破損しやすい薄型(例えば、本実施形態に示す膜厚D:0.2mm程度)の被成形樹脂102等の剥離も可能にし、剥離可能な被成形樹脂102のバリエーションを拡張させることができる。
【0039】
最後に、図2に示す工程(e)のように押出機構108は、押出ローラ106のT軸方向の位置を制御し、シート104に押し当てている押出ローラ106を反シート側へ移動させ、押出ローラ106をシート104から離す。シート104から剥離されている被成形樹脂102は、従来の方法、装置に基づき、取り出される。
【0040】
なお、押出機構による押出ローラの他の動かし方として、剥離角度φを一定に保持するように押出ローラを押出しつつ、被成形樹脂の一端側から他端側まで移動させる場合の押出量tの変化について説明する。この場合の押出ローラの押出量tは、式(2)によって計算される。式(2)を用いることにより、被成形樹脂が載置されているシート(X軸方向の長さL)に対して、剥離角度φを設定量に維持するように制御しつつ、押出ローラを被成形樹脂の一端側からX軸方向に所定の移動量x分だけ移動させた時の押出量tが算出される。図5は、式(2)を用いて計算した押出機構の押出量tの変化を示すグラフである。
【0041】
【数2】

【0042】
図5に示す曲線Hは、式(2)により求めた剥離角度φが5degの時の押出量tの変化を示している。押出機構は、曲線Hに示すように、シートの端部付近における押出ローラの押出量tを上記実施形態よりも小さくし、押出ローラがシートの端部付近に対して掛けていた力を低減させることができるため、より無理の無い円滑な剥離が可能である。また、押出機構は、押出ローラの押出量tをシートのほぼ中央部で最大になるように変化させることにより、中央部付近のシートの張力の低下を防止し、剥離力の低下を防止することができる。また、押出機構は、剥離角度を、剥離評価実験に基づき、良好な剥離が確認できている5degに一定に維持しているため、被成形樹脂が、破損する恐れを低減させることができる。よって、本実施形態にかかる剥離装置は、上述した計算結果(曲線H)に基づいて押出ローラの動作を制御することにより、被成形樹脂を破損することなく良好にシートから被成形樹脂を剥離することができる。
【0043】
なお、既に述べられたように、本発明では、押出ローラの移動の始端と終端は必ずしも厳密に被成形樹脂の端部と一致している必要はない。先の実施形態のように、シートの端部に一致させてもよいし、また、もちろん図6に示すように、被成形樹脂の端部に一致させてもよい。更には、被成形樹脂の若干内側から押出ローラを動かすようにしてもよい。終端についても同様である。
【0044】
なお、本発明が適用される被成形樹脂の膜厚や形状は、本実施形態に示すものに限定されず、他の様々な被成形樹脂に適用することができる。
【符号の説明】
【0045】
100…剥離装置
102…被成形樹脂
104…シート
106…押出ローラ(押出部)
108…押出機構
M…被成形樹脂102の一端側
N…被成形樹脂102の他端側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート上に載置されている被成形樹脂を該シートから剥離するための、被成形樹脂とシートの剥離装置において、
前記シートの少なくとも一端部及び他端部を固定する手段と、
前記シートの存在する側から押し当て、前記被成形樹脂を押出し可能な押出部を有する押出機構と、を備えており、
該押出機構が、前記被成形樹脂を押出した状態の前記押出部を前記被成形樹脂の一端側から他端側まで移動可能に構成されている
ことを特徴とする被成形樹脂とシートの剥離装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記押出機構が、前記押出部を、該押出部の押出量が前記シートの中央部で最大になるように押出す
ことを特徴とする被成形樹脂とシートの剥離装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記押出機構が、前記押出部が前記被成形樹脂を押し出している位置を支点として、該押出部を移動させた前記一端部側の前記シートと前記被成形樹脂の該シートが剥がされた面との間の角度を剥離角度とした場合に、
前記剥離角は、前記シートの一端部から他端部まで5deg以上に維持されている
ことを特徴とする被成形樹脂とシートの剥離装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記押出部は、該押出部の前記移動する方向と直角の軸心を中心に回転自在とされ、且つ外周に弾性体を有するローラを備えている
ことを特徴とする被成形樹脂とシートの剥離装置。
【請求項5】
シート上に載置されている被成形樹脂を該シートから剥離するための、被成形樹脂とシートの剥離方法において、
前記シートの少なくとも一端部及び他端部を固定する手順と、
前記シートの存在する側から前記被成形樹脂を押出し可能な押出部を押し当てる手順と、
該押出部を、前記被成形樹脂を押出した状態のまま、前記被成形樹脂の一端側から他端側まで移動させる手順を備えた
ことを特徴とする被成形樹脂とシートの剥離方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−224882(P2011−224882A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97307(P2010−97307)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】