説明

被検体情報取得装置、被検体情報取得方法、及びプログラム

【課題】 FDI法及び適応型信号処理を用いて処理した場合、反射波形と参照信号との間で波形のずれが生じると画像が劣化する可能性がある。
【解決手段】 本発明の被検体情報取得装置は、弾性波を受信して複数の受信信号に変換するための複数の変換素子と、被検体内の対象物の形状に対応する複数の参照信号を記憶する記憶手段と、前記複数の受信信号と、前記複数の参照信号のうち少なくとも2つ以上の参照信号と、を用いて、周波数領域干渉計法及び適応型信号処理を行い、前記2つ以上の参照信号毎の電力強度分布を取得するFDI適応処理手段と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体情報取得装置、被検体情報取得方法、及びプログラムに関する。特に、被検体に弾性波を送信し、被検体内で反射した反射波を受信して被検体情報を取得する被術に関する。
【背景技術】
【0002】
被検体情報取得装置である超音波診断装置において、パルスエコー法によって画像データを形成する場合の深さ方向の空間分解能は、超音波の波長をλ、送信波数をnとすると、(nλ)/2で一般的に表すことが可能である。例えば、12MHzの中心周波数の超音波を2波長分送信した場合は約0.13mm程度となる。
【0003】
パルスエコー法について説明する。まず超音波パルス(弾性波)を被検体に送信すると、被検体内での音響インピーダンス差に応じて超音波が反射されて戻ってくる。次に、この反射波を受信し、反射波の受信信号を用いて画像データを生成する。代表的には、受信信号の包絡線を取得し、この包絡線を輝度値に変換して画像データを生成する。被検体内の複数の方向もしくは位置に対して超音波の送受信を繰り返すことで、超音波を送受信した方向の複数の走査線上の輝度情報を取得できる。この複数の走査線上の輝度情報を並べることで被検体内の画像化が可能となる。
【0004】
なお超音波診断装置においては、超音波を電気信号に変換する複数の変換素子を用い、それぞれの素子間の受信信号波形に時間的なずれを加えることで、送信受信ともに被検体内でフォーカスさせるのが一般的である。
【0005】
上記のように、パルスエコー法を用いることで約0.13mm程度の深さ方向の空間分解能は実現できるが、より高い空間分解能が要求されている。例えば頚動脈の血管壁の層構造をさらに詳細に観察することができれば、動脈硬化などの早期発見への寄与が考えられる。
【0006】
このような深さ方向の空間分解能を向上する技術として、非特許文献1では周波数領域干渉計法(FDI法:Frequency Domain Interferometry)と、適応型信号処理であるCapon法と、を適用し、血管壁の層構造を画像化した結果が示されている。受信信号にFDI法及びCapon法を適用することで、さらに深さ方向(走査線方向)の空間分解能を向上させることができる。ただし、FDIの処理を行うために切り出した深さ方向の信号の範囲(処理レンジ内)には、複数の反射層が存在することが想定される。また、近接した反射層からの複数の反射波は、互いに高い相関性を有している可能性が高い。このような高い相関性を有する複数の反射波の受信信号に対してCapon法などの適応型信号処理をそのまま適用すると、所望の信号を打ち消すなどの予期しない動作を行うことが知られている。このような相関性を有する信号(相関性干渉波)による影響を低減するため、周波数平均法(frequency averaging technique)を合わせて用いることで、反射波の受信信号に対してFDI法及びCapon法が適用可能となる。
【0007】
さらに、パルス波のように広い周波数帯域を有する弾性波の受信信号に対して周波数平均法を用いる際には、参照信号によって受信信号のホワイトニングを行う。特許文献1では、参照信号を作るための複数の基準信号を、所定の内挿率で合成し、合成後の信号(演算用参照信号)を参照信号として用いた装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−183979号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Hirofumi Taki,Kousuke Taki,Takuya Sakamoto,Makoto Yamakawa,Tsuyoshi Shiina and Toru Sato:Conf Proc IEEE Eng Med Biol Soc.2010;1:5298−5301.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1では、図9に示すように、水52中にポリエチレンシート50とアクリル板51とを置き、水とポリエチレンシートとの界面71及び、ポリエチレンシートとアクリル板との界面72、を形成している。そして、探触子60から超音波を送信した際にこの複数の反射界面から返ってくる反射波の受信信号を用いて参照信号を作成している。つまり、特許文献1では、材料(硬さ)の異なる複数の反射界面からの反射波の受信信号を用いて作成された参照信号をFDI法及び適応型信号処理に用いている。このような参照信号を用いてFDI法及び適応型信号処理を行うことで、単一の反射界面からの反射波の受信信号を参照信号とする場合よりも、得られる画像の空間解像度を向上することができる。しかしながら、特許文献1の参照信号を用いてFDI法及び適応型信号処理を実施した場合であっても、測定の対象物によっては、画像が劣化する場合があった。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑み、FDI法及び適応型信号処理を適用する場合において、空間分解能が向上した画像データを取得可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の被検体情報取得装置は、被検体に弾性波を送信し、前記被検体内の対象物で反射した弾性波を受信して被検体の情報を取得する被検体情報取得装置であって、前記弾性波を受信して複数の受信信号に変換するための複数の変換素子と、前記対象物の形状に対応する複数の参照信号を記憶する記憶手段と、前記複数の受信信号と、前記複数の参照信号のうち少なくとも2つ以上の参照信号と、を用いて、周波数領域干渉計法及び適応型信号処理を行い、複数の電力強度分布を取得するFDI適応処理手段と、を有する。
【0013】
また、本発明の被検体情報取得方法は、被検体に弾性波を送信し、前記被検体内の対象物で反射した弾性波を受信して被検体の情報を取得する被検体情報取得方法であって、前記弾性波を受信した複数の変換素子から出力される複数の受信信号と、前記対象物の形状に対応する複数の参照信号のうち少なくとも2つ以上の参照信号と、を用いて、周波数領域干渉計法及び適応型信号処理を行い、前記2つ以上の参照信号毎の電力強度分布を取得するステップを有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、被検体内の対象物の形状に応じた参照信号を用いることで、FDI法及び適応型信号処理の効果を高め、空間分解能が向上した画像データを取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の適用可能な被検体情報取得装置のシステム概要を示す模式図である。
【図2】FDI適応処理ブロック内部での処理を説明するフローチャートである。
【図3】参照信号毎の電力強度分布を示す図である。
【図4】複数の電力強度分布の一部を抜き出しプロットした図である。
【図5】第1の実施形態において得られる合成電力強度分布を示す図である。
【図6】FDI合成ブロックでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】複数の電力強度分布の一部を抜き出しプロットした図である。
【図8】第2の実施形態において得られる電力強度分布の一部を抜き出しプロットした図である。
【図9】特許文献1に記載された、参照信号を得るための実験装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明者は、被検体を測定する際に実際に受信される反射波の受信信号の波形と、参照信号の波形と、の間で、波形のずれが生じると、画像が劣化する可能性があることに着目した。さらには、同一の対象物であっても、その対象物の傾きや大きさなどの形状によって、反射波の周波数スペクトルや位相が変化し、実際に受信される反射波の受信信号と参照信号との間で波形のずれが生じ、画像が劣化する可能性があることに着目した。
【0017】
例えば、走査線に直交する界面からの反射波による受信信号を参照信号として用いる場合、被検体内部に存在する界面(対象物)と走査線とのなす角が90度からずれるに従い、その界面からの反射波の受信信号と参照信号との波形のずれが拡大する。この波形のずれにより、FDI法及び適応型信号処理を行った際の空間分解能向上の効果を得られ難くする可能性や、電力値の変化などをもたらす可能性がある。よって、結果的に、画像の劣化の要因となる場合がある。
【0018】
そこで、本発明は、被検体内部の対象物(反射界面や反射体)の形状(対象物の走査線に対する角度、対象物のサイズ、対象物の曲率半径など)に対応する参照信号を複数用意しておく。そして、このような複数の参照信号を用いて、FDI法及び適応型信号処理を行うことを特徴とする。
【0019】
なお、本発明において、弾性波とは、典型的には超音波であり、音波、超音波、音響波、と呼ばれる弾性波を含む。本発明の被検体情報取得装置とは、被検体に弾性波を送信し、被検体内部で反射した反射波(反射した弾性波)を受信して、被検体情報を画像データとして取得する装置を含む。取得される被検体情報とは、被検体内部の組織の音響インピーダンスの違いを反映した情報である。また、本発明において走査線とは、探触子から送信される弾性波の進行方向に形成される仮想的な線を示す。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。同一の構成要素には原則として同一の符号を付して、説明を省略する。
【0021】
(被検体情報取得装置の基本的な構成)
本発明が適用できる被検体情報取得装置の構成と、FDI法及び適応型信号処理を用いた際の処理内容について図1と図2とを用いて説明する。図1は本発明による被検体情報取得装置のシステム概要を示す模式図である。本実施形態の被検体情報取得装置は、複数の変換素子002を有する探触子001、受信回路005、送信回路003、整相加算ブロック006、FDI適応処理ブロック007、参照信号記憶ブロック009を備える。さらに、FDI合成ブロック008、画像処理ブロック010、システム制御部004を備える。
【0022】
本発明において、整相加算ブロック006は整相加算手段、FDI適応処理ブロック007はFDI適応処理手段、参照信号記憶ブロック009は記憶手段、画像処理ブロック010は画像処理手段、に夫々相当する。FDI合成ブロック008は、複数の電力強度分布の合成や選択を行い、被検体情報の取得に用いる電力強度分布を出力する出力手段に相当する。また、少なくとも、整相加算ブロック006とFDI適応処理ブロック007と参照信号記憶ブロック009とで処理装置を構成し、処置装置は、必要に応じてFDI合成ブロック008を備えると良い。本発明において、取得される電力強度分布は、被検体内部の組織の音響インピーダンスの違いを反映した被検体情報を示す。
【0023】
送信回路003は、システム制御部004からの制御信号に従って、注目位置や注目方向に応じた遅延時間や振幅を有する送信信号を生成する。この送信信号は複数の変換素子002によって弾性波に変換され、探触子001から被検体へと送信される。被検体000内部の対象物(反射界面や反射体)で反射された弾性波(反射波)は、複数の変換素子002によって受信されそれぞれ複数の受信信号に変換される。受信信号は受信回路005に入力される。
【0024】
受信回路005では複数の受信信号を増幅し、複数のデジタル信号(デジタル化された受信信号)に変換する。ここで、本発明では、変換素子002が出力したアナログの受信信号だけでなく、増幅やデジタル変換等の処理を行った信号も受信信号と表現する。受信回路005から出力された複数のデジタル信号は整相加算ブロック006に入力される。
【0025】
整相加算ブロック006では、弾性波を送信した方向や位置に応じて、複数のデジタル信号に対する遅延処理を行いさらに加算する、つまり整相加算処理を実行する。このように整相加算後の信号(走査線信号)がFDI適応処理ブロック007に入力される。走査線信号は、各走査線の各深さにおける信号を示しており、1本の走査線上には複数の走査線信号が並べられる。一般的な超音波装置で表示されるB−mode画像はこの走査線信号の包絡線を複数の走査線分並べたものである。
【0026】
FDI適応処理ブロック007には、整相加算ブロック006から出力された走査線毎の複数の走査線信号と、参照信号記憶ブロック009から出力された複数の参照信号と、が入力される。そして、複数の参照信号それぞれに対応する複数の電力強度分布を取得する。なお、参照信号記憶ブロック009から出力される複数の参照信号は、参照信号記憶ブロック009に記憶されている全ての参照信号が入力される必要はない。システム制御部004の指示によって少なくとも2つ以上の複数の参照信号が選択され得る。つまり、2つ以上の参照信号毎に、電力強度分布が取得できる。この複数の電力強度分布はFDI合成ブロック008に入力される。
【0027】
FDI合成ブロック008では、入力された複数の電力強度分布を用いて平均化処理等の合成処理を行って合成電力強度分布を生成し、画像処理ブロック010へ出力する。ただし、本発明では、合成処理によって生成された合成電力強度分布を画像処理ブロックに出力する場合だけでなく、入力された複数の電力強度分布から適切な1つの電力強度分布を選択し、選択された電力強度分布を画像処理ブロックに出力してもよい。つまり、本発明の出力手段は、複数の電力強度分布を用いて合成処理を行う合成手段として機能してもよいし、複数の電力強度分布から空間分解能が高い電力強度分布を選択する選択手段として機能してもよい。出力手段から出力された電力強度分布を基に、被検体情報を示す画像データが最終的に生成される。
【0028】
画像処理ブロック010では、入力された合成電力強度分布に対してスムージングやエッジ強調などの各種画像処理を必要に応じて行い、画像表示手段011に輝度データ(画像データ)を出力する。画像表示手段011では入力された輝度データを表示する。なお、画像表示手段011は、本発明の被検体情報取得装置とは別に提供されてもよい。
【0029】
また、本発明においては、FDI適応処理ブロック007で生成された複数の電力強度分布の出力先を画像処理ブロック010にしてもよい。そして、画像処理ブロック010は複数の電力強度分布に基づく複数の輝度データを生成し、表示部に表示させる。このように、複数の電力強度分布画像を表示することで、測定者(ユーザ)は各画像の差を把握することができ、空間分解能の高い所望の電力強度分布画像を選択することが可能である。
【0030】
(本発明の適用可能なFDI適応処理のフロー)
ここで、FDI適応処理ブロック007内部での処理について説明する。まず、周波数領域干渉計法(FDI法)と適応型信号処理の概念について説明し、その後、詳細な処理フローについて説明する。
【0031】
周波数領域干渉計法(FDI法)は、受信信号を周波数ごとに分解し、分解された信号の位相を注目位置に応じて変化させることで、注目位置における受信電力を推定する方法である。なお、位相の変化量はある基準位置から注目位置までの距離と周波数に対応した波数の積とからあらかじめ決定できる。
【0032】
また、適応型信号処理は、受信信号に応じて、その処理パラメータを適応的に変化させる。適応型信号処理の一つであるCapon法は、複数の入力信号に対して、注目位置に関する感度を固定した状態で電力を最小化するように処理する方法である。つまり、FDI法と適応型信号処理とを組み合わせることは、各周波数成分に分解された受信信号に対して、あらかじめ決定された位相変化量・重みではなく、適応型信号処理によって信号に応じて算出された位相変化量・重みを用いて、注目位置における受信電力を推定することになる。
【0033】
次に、図2を用いて、FDI適応処理ブロック007内部での処理を説明する。FDI適応処理ブロック007は整相加算ブロック006から出力された走査線信号を入力信号として受け取る(S200)。そして、複数の走査線信号から、1回で処理する時間分、つまり処理レンジ分の信号を抽出する(S201)。ここで、FDI適応処理ブロック007での処理は、1つの走査線上の複数の走査線信号から処理レンジ分の信号を抽出するだけでなく、各走査線信号に重みづけ等の処理を行ってもよい。
【0034】
次に、抽出した信号をフーリエ変換し周波数ごとの成分(Xs1、Xs2、Xs3、・・・、XsN)に分割する(S202)。一方で、FDI適応処理ブロック007には、参照信号記憶ブロック009から複数の参照信号が入力される(S203)。そして、FDI適応処理ブロック007は、複数の参照信号のうち一つの参照信号のフーリエ変換を行い、参照信号を周波数ごとの成分(Xr1、Xr2、Xr3、・・・、XrN)に分割する(S204)。
【0035】
次に、FDI適応処理ブロック007は、式(1)に示すようにホワイトニング処理を行う(S205)。
【0036】
【数1】

【0037】
ここでXwk(k=1,2,・・・,N)はホワイトニング処理後の周波数ごとの成分、ηは安定化のための微小量、*は複素共役を意味する。ホワイトニング処理された各周波数成分からなるベクトルXを用いて、相関行列Rを算出する(S206)。
X=[XW1,XW2,・・・,XWN (2)
R=XXT* (3)
なおTは転置を意味する。ここで相関行列RはN×Nのサイズを有する行列となる。次に相関行列Rから部分行列を抽出し、それらを平均化する周波数平均法を適用する(S207)。
【0038】
【数2】

【0039】
mij=XW(i+m−1)W(j+m−1)* (5)
【0040】
R’は周波数平均相関行列、RmはRmijを要素に持つ相関行列Rの部分行列である。このようにして周波数平均相関行列R’が算出される(S208)。
【0041】
次に、拘束ベクトルCが、FDI適応処理ブロック007に入力される(S209)。拘束ベクトルCは、処理レンジ内での位置rに応じて変化するベクトルであり、以下の式(6)で定義される。
C=[exp(jkr),exp(jkr),・・・,exp(jk(N−M+1)r)] (6)
【0042】
これらの周波数平均相関行列R’ならびに拘束ベクトルCを用いて、処理レンジ内の電力強度分布P(r)を算出する(S210)。
【0043】
【数3】

【0044】
η’Eは逆行列算出を安定させるために加算した対角行列である。
【0045】
次に、入力された信号の中で未処理の信号があれば信号抽出(S201)へ戻り、処理を継続する(S211)。入力された信号の中で未処理の信号がない場合は、指定された複数の参照信号全てを用いて処理を実施したかどうかの判定へ進む(S212)。指定された複数の参照信号全てを使用していれば処理を終了し、指定された参照信号のうち使用していないものがあれば、次の参照信号のフーリエ変換を行い(S204)、処理を継続する。
【0046】
このように、FDI適応処理ブロック007は、整相加算ブロック006から出力された複数の走査線信号と、参照信号記憶ブロック009から出力された複数の参照信号と、を入力信号としてFDI法及び適応型信号処理(ここではCapon法を用いた)を行う。その結果、複数の参照信号それぞれに対応した複数の電力強度分布を出力する。
【0047】
(複数の参照信号について)
ここで、複数の参照信号を用いる必要性について述べる。先述したように、弾性波が反射される対象物の形状(対象物の走査線に対する角度、対象物のサイズ、対象物の曲率半径など)によって、探触子で受信される反射波の受信信号波形は異なる。例えば、対象物としての細線を用い、1つの変換素子から送信された弾性波が細線において反射された時の、反射波の周波数特性F(ω)は下式(8)で表すことができる。
【0048】
【数4】

【0049】
また、対象物としての薄膜を用い、1つの変換素子から送信された弾性波が薄膜において反射された時の、反射波の周波数特性F(ω)は、下式(9)で表すことができる。
【0050】
【数5】

【0051】
ここで、ωは受信信号の各周波数、Bは垂直入射波(対象物に垂直に入射した送信波)に対する反射率、ΔSは細線の断面積、ΔFは薄膜の厚み、kは波数、σは1つの変換素子の半径、fは1つの変換素子の曲率である。
【0052】
このように、反射波の周波数特性は対象物の種類によっても変化する。そのため、様々な反射波の受信信号波形に対して、1種類だけの参照信号波形を用いてFDI法および適応型信号処理を実施した場合、反射波の受信信号波形と参照信号波形とのずれが生じる。そして、その波形ずれが、空間分解能向上効果の低下や電力値の変化などをもたらし、画像の劣化の要因となる。
【0053】
本発明では、対象物の形状に対応する複数の参照信号を用意しておき、複数の参照信号を用いてFDI法及び適応型信号処理を行うことで、被検体を伝播した様々な弾性波に応じた処理が可能となる。つまり、参照信号毎の電力強度分布を取得することができる。本発明において、「対象物の形状」とは、対象物の走査線に対する角度や、対象物のサイズ、対象物の曲率半径を含む。また、上述の処理では、適応型信号処理としてCapon法の処理について述べたが、他の適応型信号処理、MUSIC法やESPRIT法などにおいても本発明の効果が同様に得られる。
【0054】
以下、図面を用いて本発明の被検体情報取得装置の実施形態を詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の符号を付して、説明を省略する。
【0055】
(第1の実施形態)
本実施形態の被検体情報取得装置は、図1で示した装置と同様の構成の装置を用いる。本実施形態では、まず、参照信号記憶ブロック009に記憶されている複数の参照信号の一例とFDI適応処理ブロック007の処理について、具体的に説明する。また、複数の電力強度分布を取得するまでの処理方法は、図2で説明したフローと基本的に同じであるため、FDI合成ブロック008以降の処理について詳細に説明する。
【0056】
本実施形態では、参照信号として、既知の界面(被検体とは別に準備した界面)からの反射波の受信信号を取得しておく。界面としては、例えばゼラチンと寒天との界面などで良い。以下では、界面として、基準面(探触子から送受信する弾性波の進行方向(走査線方向)に対して垂直な面)に対して0度の平行な界面と、基準面に対して4度の角度を有する界面と、基準面に対して10度の角度を有する界面とを用意した場合について説明する。
【0057】
ここで、基準面に平行な界面からの反射波の受信信号が整相加算された信号をXr_0とする。また、基準面に対して4度傾けた界面からの反射波の受信信号が整相加算された信号をXr_4、基準面に対して10度傾けた界面からの反射波の受信信号が整相加算された信号をXr_10とする。本実施形態の参照信号記憶ブロック009は、この複数の参照信号Xr_0、Xr_4、Xr_10を少なくとも記憶している。参照信号記憶ブロック009は、参照信号Xr_0、Xr_4、Xr_10以外の参照信号を記憶していてもよい。参照信号記憶ブロック009が出力する複数の参照信号はシステム制御部004の指示によって選択可能であり、参照信号記憶ブロック009からは少なくとも2つ以上の参照信号が出力される。
【0058】
本実施形態では、FDI適応処理ブロック007には、整相加算ブロック006から出力された複数の走査線信号と、参照信号記憶ブロック009から出力された複数の参照信号(Xr_0、Xr_4、Xr_10)と、が入力される。そして、FDI適応処理ブロック007は、複数の参照信号(Xr_0、Xr_4、Xr_10)を用いて、図2に示したFDI法及び適応型信号処理を実施し、各参照信号(Xr_0、Xr_4、Xr_10)に対応する複数の電力強度分布(P0、P4、P10)を出力する。
【0059】
図3(a)から図3(c)は、各電力強度分布(P0、P4、P10)をlog圧縮して表示した結果を示す。各参照信号によって、得られる電力強度分布が変化していることが分かる。図4は、図3に示した電力強度分布(P0、P4、P10)のうち、1走査線の一部を抜き出してプロットしたものである。横軸は深さ(探触子からの距離)、縦軸は電力強度を表している。図4中の点線は電力強度分布P0から抜き出した電力強度、一点鎖線は電力強度分布P4から抜き出した電力強度、二点鎖線は電力強度分布P10から抜き出した電力強度を示す。
【0060】
図4では、矢印で示した深さに注目すると、参照信号Xr_0を用いた電力強度分布P0のプロット(点線)よりも、参照信号Xr_4、Xr_10を用いた電力強度分布P4、P10のプロット(一点鎖線、二点鎖線)の方が、深さ方向の空間分解能が高いことが分かる。ただし、全ての領域において同じ結果になるとは限らず、領域によっては、参照信号Xr_0を用いた電力強度分布P0のほうが、参照信号Xr_4、Xr_10を用いた電力強度分布P4、P10より空間関分解能が高くなる場合もある。
【0061】
このように、本実施形態では、角度が異なる複数の界面からの反射波に基づいた複数の参照信号をFDI法及び適応型信号処理の際に用いることで、1種類の参照信号(例えばXr_0)を用いる場合と比較して、空間分解能をさらに向上させることが可能となる。
【0062】
FDI適応処理ブロック007から出力された複数の電力強度分布(P0、P4、P10)は、FDI合成ブロック008に入力される。FDI合成ブロック008は、入力された複数の電力強度分布に対する合成処理を行う。以下では、平均化処理を行った例について説明する。
【0063】
図5は、複数の電力強度分布(P0、P4、P10)を平均化して得られた電力強度分布Paveをlog圧縮して表示した結果を示す。また、図4中の実線は、電力強度分布Paveから抜き出した電力強度を示している。このように、複数の参照信号によって算出された複数の電力強度分布を平均化することで、FDI法及び適応型信号処理による空間分解能向上の効果を安定的に得ることができる。FDI合成ブロック008において合成された電力強度分布Paveは、合成電力強度分布として画像処理ブロック010へ出力される。
【0064】
画像処理ブロック010は、入力された合成電力強度分布に対してスムージングやエッジ強調などの各種画像処理を行い、画像表示手段011に輝度データ(画像データ)を出力する。画像表示手段011では入力された輝度データを表示する。
【0065】
このような処理を行うことで、FDI法及び適応型信号処理を行う場合において、対象物の形状に対応する参照信号を用いることが可能となり、空間分解能向上の効果をさらに高め、安定的にその効果を得ることが出来る。
【0066】
なお、本実施形態では、対象物の角度に対応する複数の参照信号を用いたが、対象物のその他の形状に対応する複数の参照信号を用いてもよい。例えば、曲率半径が異なる界面、サイズ(反射する領域のサイズ)が異なる界面、などからの反射波の受信信号を複数の参照信号として用いても同様の効果が期待できる。さらに、小さな反射体(送受信を行う弾性波の波長以下の反射体)のサイズを変化させた時の、各反射体からの反射波の受信信号を、複数の参照信号として用いることも可能である。
【0067】
また、本実施の形態では、FDI適応処理ブロック007から出力された複数の電力強度分布を、FDI合成ブロック008で平均化したが、複数の電力強度分布に対して重みを付けて加算するなどの合成処理を行っても同様の効果が得られる。さらに、複数の電力強度分布の中から一つの電力強度分布を選択してもよい。
【0068】
(第2の実施形態)
本実施形態は、FDI合成ブロック008での合成処理方法が第1の実施形態と異なる。本実施形態の被検体情報取得装置は、図1で示した装置と同様の構成の装置を用いる。また、処理方法は図2で説明したフローと基本的に同じであるため、以下では、図6を用いてFDI合成ブロックでの処理フローに絞って説明する。
【0069】
図6は、FDI合成ブロック008内部での処理の流れを表すフローチャートである。S600では、FDI合成ブロック008に、FDI適応処理ブロック007から出力された複数の電力強度分布(P0、P4、P10)が入力される。複数の電力強度分布(P0、P4、P10)は、第1の実施形態と同様に、複数の参照信号(Xr_0、Xr_4、Xr_10)を用いて算出された電力強度分布である。
【0070】
S601では、電力強度分布を取得するための被検体内の領域(撮像領域)を複数の部分領域に分割し、そのうちの1つの部分領域内における部分電力強度分布を抽出する。この際、入力されたそれぞれの電力強度分布(P0、P4、P10)から、同じ位置の部分領域の部分電力強度分布を抽出する。例えば、同一走査線上の同じ深さ範囲における部分電力強度分布(P0_1、P4_1、P10_1)を抽出する。
【0071】
S602では、抽出された複数の部分電力強度分布を比較し、それらのうち最大の電力強度であり、さらに極値を有する部分電力強度分布を選択する。この選択処理について、図7を用いて説明する。
【0072】
図7は、ある走査線における所定の領域(所定の深さ範囲の領域)を抜き出して複数の電力強度分布をプロットしたものである。これらの複数の電力強度分布を、複数の部分領域(701Aから701H)の部分電力強度分布に分割する。同じ部分領域の中において、それぞれの部分電力強度分布を比較する。そして、それぞれの部分領域の中で最大の電力強度を有し、さらに極値を有する部分電力強度分布を選び出す。例えば、部分領域701Cの中では実線で示された部分電力強度分布を、部分領域701Fの中では点線で示された部分電力強度分布を、選び出す。部分領域701Cと701Fは、本発明において第一の部分領域に相当する。所定の領域中のその他の部分領域(第二の部分領域)においては、最大値であり、かつ極値である電力強度分布がないため、特に選択を行わない。
【0073】
S603では、このようにして、各部分領域に対して選択された電力強度を記録する。そして、未処理の領域がなくなるまで上記動作を繰り返す(S604)。未処理の領域がなくなった時点で、それぞれの部分領域において用いる部分電力強度分布とその重みとを決定する(S605)。
【0074】
このS605の処理について詳細に述べる。S603の処理において部分電力強度分布の選択が行われた部分領域(第一の部分領域)に関しては、その部分電力強度分布を用いる。S603の処理において特に選択が行われなかった部分領域(第二の部分領域)に関しては、その周辺の部分領域で選択された部分電力強度分布を用いるか、もしくは周辺の部分領域で選択された複数の部分電力強度分布に重みをつけて用いる。本実施形態では、S605で、各部分領域ごとに用いる部分電力強度分布とその重みとを決定する。重みは、例えば周辺の領域で選択された複数の部分電力強度分布からの距離に応じて比例配分することにより求められる。例えば、第二の部分領域では、その周辺の第一の部分領域で選択された部分電力強度分布を使用して、それぞれ、第一の部分領域との距離に応じた重みを配分すればよい。
【0075】
S606では、この各部分領域ごとに決定された部分電力強度分布と重みとを用いて合成電力強度分布を生成する。図8は、上記の処理を実施することにより得られる電力強度を例示したものである。図8中の細い実線、点線、一点鎖線で示された複数の電力強度分布は、図7に示したものと同じである。これらの3つの複数の電力強度分布から、図8内の太い実線で示した電力強度分布を合成することができる。この例を見て分かるように、本実施形態によって得られる合成電力強度分布は、それぞれの部分領域ごとに適した参照信号による部分電力強度分布を用いることで、FDI法及び適応型信号処理による空間分解能向上の効果を安定的に得ることができる。
【0076】
FDI法及び適応型信号処理は、被検体から受信した反射波に基づく受信信号と参照信号との波形の一致度が高ければ高いほど、その出力電力の強度は大きくなり、また、被検体内の対象物(反射界面や反射体)が存在する位置における出力電力が極値を取る。そのため、本実施形態で示した処理を実施することにより、撮像領域内の各部分領域ごとに適した参照信号を用いた部分電力強度分布を選択することが可能となる。
【0077】
また、特に極値が検出できなかった部分領域においても、その周辺で用いられる複数の部分電力強度分布に重みをつけ合成電力強度分布を生成することで、部分領域ごとに急激な変化の生じない、違和感の少ない画像を提供することが出来る。なお、ここでは最大値かつ極値を有する電力強度分布を選択する手法を述べたが、さらに、ある一定の電力強度以下の極値に対しては選択を行わないようにしてもよい。このようにすることで、ノイズ成分などの影響を抑制し、より安定的に、各部分領域ごとに適した参照信号を用いた部分電力強度分布を選択することが出来る。
【0078】
このようにして、FDI合成ブロック008は、入力された複数の電力強度分布を用いて合成電力強度分布を生成する。FDI合成ブロック008において合成された合成電力強度分布は、画像処理ブロック010へ出力される。
【0079】
画像処理ブロック010では、入力された合成電力強度分布に対してスムージングやエッジ強調などの各種画像処理を行い、画像表示手段011に輝度データを出力する。画像表示手段011では入力された輝度データを表示する。
【0080】
以上説明したように、本実施形態では、FDI法及び適応型信号処理において、撮像範囲内の被検体の形状に対応する参照信号を、撮像範囲内の部分ごとに用いることが可能となる。よって、空間分解能向上の効果をさらに高め、また安定的にその効果を得ることが出来る。なお、本実施形態では、同一走査線上の電力強度分布を分割することで複数の部分領域を形成したが、電力強度分布を2次元的な広がりを有する領域に分割し、それらを部分領域として用いても同様の効果が得られる。
【0081】
(第3の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した各実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0082】
000 被検体
001 探触子
002 変換素子
003 送信回路
004 システム制御部
005 受信回路
006 整相加算ブロック
007 FDI適応処理ブロック
008 FDI合成ブロック
009 参照信号記憶ブロック
010 画像処理ブロック
011 画像表示手段
701A〜701H 部分領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に弾性波を送信し、前記被検体内の対象物で反射した弾性波を受信して被検体の情報を取得する被検体情報取得装置であって、
前記弾性波を受信して複数の受信信号に変換するための複数の変換素子と、
前記対象物の形状に対応する複数の参照信号を記憶する記憶手段と、
前記複数の受信信号と、前記複数の参照信号のうち少なくとも2つ以上の参照信号と、を用いて、周波数領域干渉計法及び適応型信号処理を行い、前記2つ以上の参照信号毎の電力強度分布を取得するFDI適応処理手段と、
を有することを特徴とする被検体情報取得装置。
【請求項2】
前記複数の受信信号を用いて整相加算処理を行う整相加算手段をさらに有し、
前記FDI適応処理手段は、前記整相加算手段から出力された複数の整相加算後の信号と、前記少なくとも2つ以上の参照信号と、を用いて周波数領域干渉計法及び適応型信号処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。
【請求項3】
前記2つ以上の電力強度分布を用いて、前記被検体の情報取得に用いる電力強度分布を出力する出力手段をさらに有し、
前記出力手段は、前記複数の電力強度分布を用いて合成処理を行って合成電力強度分布を出力するか、又は、前記2つ以上の電力強度分布から1つの電力強度分布を選択して出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の被検体情報取得装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記2つ以上の電力強度分布を平均して前記合成電力強度分布を出力することを特徴とする請求項3に記載の被検体情報取得装置。
【請求項5】
前記出力手段は、
前記2つ以上の電力強度分布が取得される領域を複数の部分領域に分割し、
前記複数の部分領域において、
前記2つ以上の電力強度分布のうち電力強度が最大で且つ極値を有する電力強度分布がある第一の部分領域では、前記電力強度が最大で且つ極値を有する電力強度分布を前記第一の部分領域の部分電力強度分布として選び、
前記2つ以上の電力強度分布のうち電力強度が最大で且つ極値を有する電力強度分布がない第二の部分領域では、前記2つ以上の電力強度分布に重みをつけて加算した電力強度分布を前記第一の部分領域の部分電力強度分布とすることにより、
前記合成電力強度分布を出力することを特徴とする請求項3に記載の被検体情報取得装置。
【請求項6】
被検体に弾性波を送信し、前記被検体内の対象物で反射した弾性波を受信して被検体の情報を取得する被検体情報取得方法であって、
前記弾性波を受信した複数の変換素子から出力される複数の受信信号と、前記対象物の形状に対応する複数の参照信号のうち少なくとも2つ以上の参照信号と、を用いて、周波数領域干渉計法及び適応型信号処理を行い、前記2つ以上の参照信号毎の電力強度分布を取得するステップを有することを特徴とする被検体情報取得方法。
【請求項7】
前記複数の受信信号を用いて整相加算処理を行うステップをさらに有し、
前記2つ以上の電力強度分布を取得するステップでは、前記整相加算処理された複数の整相加算後の信号と、前記少なくとも2つ以上の参照信号と、を用いて周波数領域干渉計法及び適応型信号処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の被検体情報取得方法。
【請求項8】
前記2つ以上の電力強度分布を用いて、前記被検体の情報取得に用いる電力強度分布を出力するステップをさらに有し、
前記電力強度分布を出力するステップでは、前記2つ以上の電力強度分布を用いて合成処理を行って合成電力強度分布を出力するか、又は、前記2つ以上の電力強度分布から1つの電力強度分布を選択して出力することを特徴とする請求項6又は7に記載の被検体情報取得方法。
【請求項9】
前記電力強度分布を出力するステップでは、前記2つ以上の電力強度分布を平均して前記合成電力強度分布を出力することを特徴とする請求項8に記載の被検体情報取得方法。
【請求項10】
前記電力強度分布を出力するステップでは、
前記2つ以上の電力強度分布が取得される領域を複数の部分領域に分割し、
前記複数の部分領域において、
前記2つ以上の電力強度分布のうち電力強度が最大で且つ極値を有する電力強度分布がある第一の部分領域では、前記電力強度が最大で且つ極値を有する電力強度分布を前記第一の部分領域の部分電力強度分布として選び、
前記2つ以上の電力強度分布のうち電力強度が最大で且つ極値を有する電力強度分布がない第二の部分領域では、前記2つ以上の電力強度分布に重みをつけて加算した電力強度分布を前記第一の部分領域の部分電力強度分布とすることにより、
前記合成電力強度分布を出力することを特徴とする請求項8に記載の被検体情報取得方法。
【請求項11】
請求項6乃至10のいずれか1項に記載の被検体情報取得方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図3】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−52073(P2013−52073A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191415(P2011−191415)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、文部科学省、「先端融合領域イノベーション創出拠点の形成(高次生体イメージング先端テクノハブ)」に係わる委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】