説明

被覆材料、その製造方法および付着性の、着色および/または効果付与被覆剤を製造するためのその使用

本発明は、化学線により硬化可能なほぼまたは完全に有機溶剤不含の液体被覆材料に関し、この場合、この材料は、(A)一般式(I):X−O−Y−(OH)−Z−Gr(I)[式中、変数は以下の意味を有する:Xは6〜14個の炭素原子を有する芳香族基、5〜20個の環原子を有するヘテロ芳香族基または6〜30個の炭素原子を有するアルキルであり、Yは3価の有機基、Zはリンカー官能基およびGrは化学線により活性化することができる基を有する有機基である]の2種の化合物、但し、2種の化合物(A)の1種は芳香族またはヘテロ芳香族基Xであり(=化合物A1)、かつもう1種はアルキル基X(=化合物A2)であり、(B)化学線により活性化することができる2個または3個の基を有するオリゴ−およびポリ−ウレタンおよび/またはオリゴ−およびポリ−エステル、(C)着色−および/または効果付与顔料、(D)ワックス、(E)艶消し剤および(F)化学線により活性化することができる基を有するポリシロキサン添加剤を含有する。さらに本発明は、この被覆材料の製造方法およびコイル被覆製造のための使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、化学線で照射硬化可能な新規被覆材料に関する。更に、本発明は、化学線照射で硬化可能な被覆材料を製造するための新規方法に関する。さらに本発明は、新規被覆材料または新規方法を用いて製造された被覆材料の、付着性の、着色−および/または効果付与された被覆、殊にコイル被覆、特にプライマー層上のラッカー層(トップコート)を製造するための使用に関する。
【0002】
背景技術
金属板またはコイル、特に常用かつ公知の一般的に使用される金属、たとえば亜鉛、アルミニウムまたはそのままであるか、亜鉛めっき、電気亜鉛めっきおよびリン酸処理された鋼由来のもの上の、付着性の、着色および/または効果付与被覆は、好ましくはコイル被覆法を用いて製造される(Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, New York, 1998, 第617頁, "Walzlackierung", および第 55頁, "Bandbeschichtung"; A. Goldschmidt und H. -J. Streitberger, BASF-Handbuch Lackiertechnik, Vincentz Verlag, Hannover, 2002, "4.2.1.2 Streichen, Rollen, WalzFlutund Giessverfahren (Lacke direkt zum Objekt)", 第521頁〜第 527頁、特に第523頁、および "7.4 Coil Coating", Seiten 751 bis 756 )。
【0003】
高い顔料濃度を有する、専ら低輝度および/または艶消しの上塗りラッカー(「トップコート」)を製造すべき場合には、これに関して化学線照射で硬化可能な被覆材料を使用することが推奨され、この場合、好ましくは電子線(ESH)(たとえばA. Goldschmidt und H. -J. Streitberger, BASF-Handbuch Lackiertechnik, Vincentz Verlag, Hannover, 2002, 第638頁〜第641頁参照)を用いて迅速に硬化することができる。高い顔料含量の理由から、UV線での硬化は不可能であるか、あるいは、極めて不十分な硬化でのみ可能である。
【0004】
着色−および/または効果付与被覆を製造するためのコイル被覆方法は、先ず、コイル上にプライマー層を塗布し、かつ部分的または完全に硬化させ、その後に、ラッカー層を塗布し、かつこれらは場合によってはプライマー層と一緒に完全に化学線照射で硬化すること、が知られている。
【0005】
以下、化学線とは、電磁線、例えば近赤外線(NIR)、可視光線、UV線、X線およびガンマ線、特にUV線、ならびに粒子線、例えば電子線、β線、α線、陽子線、中性子線、特に電子線であると理解される。
【0006】
たとえば、米国特許US 3,959,521から公知の方法によれば、先ず、コイル上にプライマー層を塗布し、この場合、この層はオレフィン性不飽和二重結合および遊離イソシアナート基を含有する。プライマー層は、電子線またはUV線で硬化することができ、これによってプライマー塗膜が生じる。プライマー塗膜上に、本質的に溶剤不含の、2個のアクリレート基を含有するポリエステルをベースとする、顔料を含有するラッカーまたはトップコート−被覆材料を塗布する。得られるラッカー層は、電子線で硬化され、これによってラッカー塗膜またはトップコートを生じる。
【0007】
ドイツ特許出願DE 44 21 558 A1 から公知の類似の方法によれば、顔料含有ラッカーは、アクリレート基含有プレポリマー、たとえばポリウレタン−、ポリエステル−、ポリエーテル−、エポキシ−または純粋なアクリレートまたはこれらの混合物を含有し、これにより、低粘度の反応性希釈剤と一緒に混合することができる。ラッカーは、さらに特定することなく無機、有機、または金属性の充填剤、艶消し剤、レオロジー添加剤、ワックス、レベリング剤、滑剤、脱ガス剤、消泡剤、付着改善剤、分散助剤、湿潤剤、沈澱防止剤、帯電防止剤、安定化剤、光保護剤、腐食防止剤および他の、当業者に公知の材料を、単独でかまたは混合物の形で含有することもできる。
【0008】
国際特許出願 WO 01/32321 A2から公知の類似の方法の場合には、UV線または電子線により硬化可能なラッカーを、熱的に硬化可能であるか、あるいは、熱的に硬化されたベースコート上に塗布する。ラッカーは、オリゴマーまたはポリマーを含有し、この場合、これはアクリレート−、スチロール−、ビニル−および/またはアリル基、好ましくはアクリレート基を含有する。好ましくは、ポリアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートおよび/またはアミノアクリレートを使用する。ラッカーは溶剤不含であるか、あるいは、溶剤を含有していてもよい。さらに、反応性希釈剤(モノマー)、たとえばイソボルニルアクリレート等、および結合剤を含有していてもよい。
【0009】
公知方法は、着色および/または効果付与被覆材料を提供し、この場合、この材料は、付着性であり、硬質で、可とう性であり、かつ変形可能であり、かつ良好な腐食保護を提供するものである。
【0010】
しかしながら、公知のコイル被覆方法は、そのエネルギー消費量およびそのテープ速度に関して、恒常的に増大する市場の要求、特にコイルコーターの要求を充足するために、さらなる改善が必要とされる。
【0011】
これに関して使用される被覆材料は、その製造において、貯蔵安定性およびその適用を含む取り扱い性を、同様に恒常的にさらに改善しなければならない。
【0012】
同様に、これを用いて製造された、公知の、着色―および/または硬化付与被覆もまた、その硬度、可とう性、変形可能性、支持体に対する付着性、層間付着性および腐食防止性を、同様に恒常的に増大するコイルコーターの工業的分野における要求を充足するために、さらなる改善が必要とされる。
【0013】
本発明の課題
本発明の課題は、新規の、顔料を含有し、化学線、特に電子線を用いて硬化可能な、有機溶剤をほぼまたは完全に不含の、液体の被覆材料を提供することであり、この場合、この被覆材料は、技術水準における欠点をもはや有しないばかりでなく、容易に製造可能であり、高い反応性および高い顔料含量を示すにもかかわらず貯蔵安定性であり、特に、簡単かつ問題なく、特にコイル被覆法の範囲で適用され、かつ低い硬化温度で極めて迅速に、かつ揮発性有機化合物の放出なく硬化させることができる。特に、新規の被覆材料はチキソトロピー挙動を示さないか、あるいは、極めてわずかにのみ示す。
【0014】
このようにして製造される被覆材料、特にコイル被覆、特にラッカー塗膜またはトップコートは、その下に存在する被覆、特にプライマー塗膜との高い層間付着性および優れた腐食保護作用を有する。これは特に硬質で、特に可とう性かつ特に良好に変形可能である。これは、被覆の障害を示すことなく、特に高い顔料含量および高い層厚を示す。とりわけ、極めて良好な艶消し効果を示す。
【0015】
特に、新規被覆材料、特に新規コイル被覆、特にラッカー塗膜またはトップコートは、少なくともECCA(European Coil Coating Association)−分類6(参照、A. Goldschmidt und H. -J. Streitberger, BASF-Handbuch Lackiertechnik, Vincentz Verlag, Hannover, 2002, "7.4 Coil Coating", 第751頁〜第 756頁, 特に第754頁)を達成すべきであり、たとえば、特に20μmの層厚で、T−ベンド−試験において≦1.5の値およびテープ−試験において≦0.5の値を達成すべきである。さらに、一様にマットな光沢値(60゜)30〜40%を示し、かつ塩噴霧試験において、少なくとも21日間の耐腐食性を有すべきである。
【0016】
新規被覆材料から製造された新規被覆の、これらの特に有利な適用技術的特性プロフィールは、新規被覆材料を、ESHを用いて、特に不活性条件下で硬化させる場合にもまた、達成することができる。
【0017】
解決手段
この課題を解決するために、新規の、化学線で硬化可能な、有機溶剤をほぼまたは完全に不含の液体被覆材料が見出され、この場合、この材料は、
(A)一般式I:
X−O−Y(−OH)−Z−Gr (I)
[式中、変数は以下の意味を有する:
Xは6〜14個の炭素原子を有する芳香族基、5〜12個の環原子を有するヘテロ環式芳香族基または6〜30個の炭素原子を有するアルキル基であり、
Yは3価の有機基であり、
Zはリンカー官能基であり、かつ、
Grは、化学線で活性化することができる少なくとも1個の基を有する有機基である]の少なくとも2種の化合物、但し、少なくとも2種の化合物(A)の少なくとも1種は、芳香族基またはヘテロ環式芳香族基X(=化合物A1)を有し、かつ、少なくとも2種の化合物(A)の少なくとも1種は、アルキル基X(=化合物A2)を有し;
(B)統計学的平均で少なくとも2個の、化学線で活性化することができる基を有するオリゴウレタンおよびポリウレタンおよびオリゴエステルおよびポリエステルから成る群から選択された、化学線照射により活性化することができる少なくとも1個のオリゴマーおよび/またはポリマー;
(C)着色および/または効果付与顔料から成る群から選択された、少なくとも1種の成分;
(D)少なくとも1種のワックス;
(E)少なくとも1種の艶消し剤および
(F)統計学的平均において少なくとも1個の、化学線で活性することができる基を含有する、少なくとも1種のポリシロキサン添加剤、
を含有する。
【0018】
以下、新規被覆材料を「本発明による被覆材料」とする。
【0019】
さらに、本発明による被覆材料を製造するための新規方法が見出され、この場合、この方法は、本発明による被覆材料の成分(A)〜(F)の材料を互いに混合し、かつ得られた混合物をホモジナイズする。
【0020】
以下、新規方法を「本発明による方法」とする。
【0021】
本発明の他の対象は、詳細な説明から明らかである。
【0022】
本発明の効果
技術水準を考慮すれば、本発明の根底をなす課題が本発明による被覆材料及び本発明による方法を用い解決できることは意外でありかつ当業者に予想できるものではなかった。
特に驚くべきことに、本発明による被覆材料は、技術水準における欠点をもはや示すことがないばかりか、さらに簡単かつ極めて良好な再現性で製造され、その際、本発明による方法は、特に経済的かつ環境を損なうことなく製造可能である。
【0023】
本発明による被覆材料は高く反応性であり、さらに特に高い顔料含量の場合であっても、優れた貯蔵安定性および運搬性を示す。これは、チキソトロピー挙動を全く示さないかまたはたとえば取り扱いおよび適用に障害とならない程度に極めてわずかにのみ示し、かつ特に簡単かつ問題なく、特にコイル被覆法の範囲で適用することができ、かつ、低い硬化温度で、極めて迅速に、かつ、揮発性有機化合物の放出なく硬化させることができる。
【0024】
これにより製造される被覆、特に新規コイル被覆、特に新規ラッカー塗膜またはトップコートは、その下に存在する被覆、特にプライマー塗膜との高い層間付着性を有し、かつ優れた耐腐食保護作用を有する。これは、特に硬質で、特に可とう性であり、かつ特に良好に変形可能である。これは、特に高い顔料含量および高い層厚を、これによる被覆の障害を生じることなく有する。とりわけ、極めて良好な艶消し効果を示す。
【0025】
特に、新規被覆材料、特に新規コイル被覆、特にラッカー塗膜またはトップコートは少なくともECCA(European Coil Coating Association)−分類6(参照、A. Goldschmidt und H. -J. Streitberger, BASF-Handbuch Lackiertechnik, Vincentz Verlag, Hannover, 2002, "7.4 Coil Coating", 第751頁〜第 756頁, 特に第754頁)を達成し、たとえば、特に20μmの層厚で、T−ベンド−試験において≦1.5の値およびテープ−試験において≦0.5の値を達成する。さらに、一様にマットな光沢値(60゜)30〜40%を示す。塩噴霧試験においては、少なくとも21日間の耐腐食性を示す。
【0026】
本発明による被覆材料から製造された本発明による被覆のこれらの特に有利な適用技術的特性プロフィールは、新規被覆材料を、ESHを用いて、特に不活性条件下で硬化させる場合にもまた達成される。
【0027】
驚くべきことに、本発明による被覆はさらに光保護剤なしで、高い耐候性および耐黄変性を示す。
【0028】
本発明の詳細な説明
本発明による被覆材料は、液体の、たとえば実際には、固体の、非液体の成分を含有していてもよいが、しかしながら、室温でかつ通常および公知の条件下での製造、貯蔵および適用において液体状態であり、したがって、通常かつ公知の、コイル−被覆法の際に使用される塗布方法を用いて処理することができる。
【0029】
本発明による被覆材料は、配合に応じて油中水分散液として存在していてもよく、その際、非連続的な水相は、連続的な有機相中に微細に分散される。水相の液滴直径は、広範囲に可変であってもよく;好ましくは10nm〜1000μm、特に100nm〜800μmである。したがって、本発明による被覆材料の成分は、その親水性または疎水性(参照、Roempp Online, 2002, "Hydrophobie", "Hydrophilie")に応じて、水相および有機相を介して分散されるか、あるいは、別個の固相として存在する。
【0030】
本発明による被覆材料またはその水相は、油中水分散液として、好ましくはpH値<5、好ましくは<4および特に3〜3.5を示す。
【0031】
本発明による被覆材料は、ほぼまたは完全に有機溶剤不含である。たとえば、有機溶剤の含量は<5、好ましくは<3および特に好ましくは<1質量%である。殊に、その含量は、有機溶剤に対する常用および公知の定性的および定量的検出方法の検出限界を下廻る。
【0032】
本発明による被覆材料は、少なくとも2種の、特に2種の一般式I:
X−O−Y(−OH)−Z−Gr (I)
[式中、変数は以下の意味を有する:
Xは6〜14個、好ましくは6〜10個の炭素原子を有する芳香族基、5〜20個、好ましくは6〜10個の環原子を有するヘテロ環式芳香族基または6〜30個、好ましくは8〜20個、特に好ましくは10〜16個の炭素原子を有するアルキル基であり;好ましくは6〜10個の炭素原子を有する芳香族基または10〜16個の炭素原子を有するアルキル基であり;特に好ましくはフェニル基またはラウリル基であり;
Yは3価の有機基、好ましくは脂肪族基、好ましくは3個の炭素原子を有する脂肪族基、特に1,2,3−プロパントリル基であり;
Zはリンカー官能基、好ましくは、エーテル−、チオエーテル−、カルボン酸エステル−、チオカルボン酸エステル−、カルボナート−、チオカルボナート−、リン酸エステル−、チオリン酸エステル−、ホスホン酸エステル−、チオホスホン酸エステル−、ホスフィット−、チオホスフィット−、スルホン酸エステル−、アミド−、アミン−、チオアミド−、リン酸アミド−、チオリン酸アミド−、ホスホン酸アミド−、チオホスホン酸アミド−、スルホン酸アミド−、イミド−、ウレタン−、ヒドラジド−、尿素−、チオ尿素−、カルボニル−、チオカルボニル−、スルホン−、スルホキシド−またはシロキサン基から成る群から選択され、好ましくはエーテル−、カルボン酸エステル−、カルボナート−、カルボン酸アミド−、尿素−、ウレタ−ン、イミド−およびカルボナート基、特に好ましくはカルボン酸エステル基であり、この場合、これは、一般式II:
>Y−O−(O=)C−Gr (II)
にしたがって、基YおよびGrと結合しており;
かつ、Grは少なくとも1個の、特に1個の、化学線で活性化することができる基を有する有機基である]の化合物(A)を含有するが、
但し、少なくとも2種、特に2種の化合物(A)の少なくとも1種、特に1種は、芳香族基またはヘテロ環式芳香族、特に芳香族の、基Xを有し(=化合物A1)、かつ、少なくとも2種、特に2種の化合物(A)の少なくとも1種、特に1種は、アルキル基Xを有する(=化合物A2)。
【0033】
化学線により活性化することができる基は、少なくとも1種の、特に1種の、化学線で活性化することができる化合物を含有する。これに関して、1種の化合物は、化学線を照射した際に反応性であり、かつその種類の他の活性化された化合物と一緒に重合反応および/または架橋反応を生じさせ、この場合、これはラジカル性および/またはイオン性の機序によって導かれる。適した結合の例は、炭素−水素−単結合または炭素−炭素−、炭素−酸素−、炭素−窒素−、炭素−リン−または炭素−ケイ素−単結合または−二重結合または炭素−炭素−三重結合である。この中で、炭素−炭素−二重結合および−三重結合が特に好ましく、従って本発明の場合に特に好ましく使用される。特に有利であるのは、炭素−炭素−二重結合であり、そのため、特に好ましくは使用される。簡略化のために、これらを以下に"二重結合"とする。
【0034】
好ましくは、二重結合は、有機基Gr中で一般式III:
【化1】

[一般式III中、変数は以下の意味を有する:
Rは、前記リンカーの官能基Zの1個の原子との単結合を示し、特に、カルボニルオキシ基および2価の有機基の炭素原子との炭素−炭素−単結合、好ましくは炭素−炭素−単結合であり;かつ、
、RおよびRは水素原子および有機基であり;
その際、基R、R、R、およびRの少なくとも2つは互いに一緒になって環状に結合していてもよい]を含有する。
【0035】
たとえば適した2価の有機基Rは、アルキレン−、シクロアルキレン−および/またはアリーレン基を含有するか、あるいは、これから構成される。特に適したアルキレン基は、1個の炭素原子または2〜6個の炭素原子を含有する。特に適したシクロアルキレン基は、4〜10個、特に6個の炭素原子を含有する。特に適したアリーレン基は、6〜10個、特に6個の炭素原子を含有する。
【0036】
適した有機基R、RおよびRの例は、アルキル−、シクロアルキル−および/またはアリール基を含有するか、あるいは、これから構成される。特に適したアルキル基は、1個の炭素原子または2〜6個の炭素原子を含有する。特に適したシクロアルキル基は4〜10個、特に6個の炭素原子を含有する。特に適したアリール基は6〜10個、特に6個の炭素原子を含有する。
【0037】
有機基R、R、RおよびRは、置換または非置換であってもよい。しかしながら、この置換基は、本発明による方法の実施を妨害するものであってはならず、および/または、化学線での基の活性化を阻害するものであってはならない。好ましくは、有機基R、R、RおよびRは非置換である。
【0038】
一般式IIIの特に適した基Grの例は、ビニル−、1−メチルビニル−、1−エチルビニル−、プロペン−1−イル、スチリル−、シクロヘキセニル−、エンドメチレンシクロヘキシル−、ノルボルネニル−およびジシクロペンタジエニル基、特にビニル基である。
【0039】
したがって、特に好ましい基
−Z−Gr (IV)
は、(メタ)アクリレート−、エタアクリレート、クロトナート−、シンナマート、シクロヘキセンカルボキシレート、エンドメチレンシクロヘキサンカルボキシレート−、ノルボルネンカルボキシレートおよびジシクロペンタジエンカルボキシレート基、好ましくは(メタ)アクリレート基、特にアクリレート基である。
【0040】
特に有利な化合物A1に関する例は、フェニルグリシジルエーテルモノアクリレート、たとえば、Aromatic Epoxy Acrylate CN 131 Bの名称でCray Valley社から販売されている。
【0041】
特に有利な化合物A2に関する例は、ラウリルグリシジルエーテルモノアクリレート、たとえばAliphatic Epoxy Acrylate Monofunctional CN152の名称でCray Valley社から販売されているものであるか、あるいは、C12〜C14−グリシジルエーテルモノアクリレート、この場合、これは、LMB 6365の名称でHuntsman Vantico Europe社から販売されているものである。
【0042】
本発明による被覆材料の化合物(A)の含量は広範囲に可変であってもよく、かつ、それぞれの場合の必要要件にしたがって調整する。
【0043】
好ましくは、それぞれ本発明による被覆材料に対する(A1)の含量は5〜30、好ましくは8〜25および特に10〜20質量%である。好ましくは、化合物(A2)の含量は、それぞれ本発明による被覆材料に対して5〜30、好ましくは8〜25および特に好ましくは10〜20質量%である。これに関して、好ましくは、質量比(A1):(A2)が4:1〜1:4、好ましくは3:1〜1:3、さらに好ましくは2:1〜1:2および特に好ましくは1.2:1〜1:1.2である。
【0044】
本発明による被覆材料は、少なくとも1種の、特に好ましくは1種の、化学線で活性化することができるオリゴマーおよび/またはポリマー(B)を含有する。
【0045】
本発明の範囲内において、オリゴマーとしては、互いに同じまたは異なっていてもよい2〜12個のモノマー構成単位から構成される化合物であると理解される。ポリマーとしては、互いに同じまたは異なっていてもよい8個を上回る、好ましくは12個を上回るモノマー構成単位から構成される化合物であると理解される。8〜12個のモノマー構成単位から構成される化合物が、それぞれの場合において、当業者にオリゴマーとして、あるいは、ポリマーとして判断されるかについては、特に関連する化合物の分子量による。
【0046】
オリゴマーおよびポリマー(B)は、統計的平均で少なくとも2個、好ましくは2または3個、特に2個の、化学線で活性化することができる基を含有する、オリゴウレタンおよびポリウレタンおよびオリゴエステルおよびポリエステルから成る群から選択されている。化学線で活性化することができる、適した基の例は、前記一般式(IV)の基、好ましくは(メタ)アクリレート基、特にアクリレート基である。
【0047】
好ましくは、オリゴマーおよびポリマー(B)は、末端(メタ)アクリレート基、特に末端アクリル基を含有する。
【0048】
好ましくは、末端アクリレート基を有するオリゴマーおよびポリマー(B)は、直鎖のオリゴマー主鎖またはポリマー主鎖を有する。
【0049】
好ましくは、オリゴマー主鎖またはポリマー主鎖は、主要部分として脂肪族または脂環式構成単位を含有する。
【0050】
オリゴマーおよびポリマー(B)は、常用かつ公知の市販の化合物であり、この場合、これは、ポリウレタン(ポリイソシアネートおよびポリオール)またはポリエステル(ポリカルボン酸および/またはポリカルボン酸誘導体およびポリオール)の製造に関して常用かつ公知の出発化合物から、常用かつ公知の方法によって製造することが可能である。
【0051】
特に適したポリエステル(B)の例は、以下の製品である:
− Ebecryl(R)80およびRD09/409(UCB社);
− Photomer(R)5029および5432(Cognis社);
− Laromer(R)P55(BASF Aktiengesellschaft)または
− Craynor(R)704(Sartomer Europe)。
【0052】
特にCraynor(R)704を使用する。
【0053】
特に良好に適したポリウレタン(B)の例は以下の製品である:
− Roskydal(R)2513, XP2571, 2258, WDJ 4084またはWDJ 4083(Bayer Aktiengesellschaft);
− Actilane(R)170, 280, 290またはRCP4698(Akzo社);
− Photomer(R)6010, 6210, 6891 , 6230, 6623または6613(Cognis社);
− CN 965, 962, 963, 966または9001(Sartomer Europe社)または
− CA-28/12-CまたはCAQ 32/00(Uracriresins社)。
【0054】
特に混合物(B)は、
− Photomer(R)6613およびRoskydal(R)4084、
− Roskydal(R)4083および4084または
− Photomer(R)6613およびActilane(R)RCP4698に由来し、好ましくは、それぞれ4:1〜1:4、好ましくは3:1〜1:3、特に好ましくは2:1〜1:2および特に1.2:1〜1:1.2の混合比である。
【0055】
本発明による被覆材料の成分(B)の含量は、極めて広範囲に可変であってもよく、かつそれぞれの場合の必要条件にしたがい、特に本発明による被覆材料の取り扱いおよび適用に関してそれぞれ必要とされる粘度にしたがって調整される。好ましくは、本発明による被覆材料は、それぞれの全質量に対して10〜50、好ましくは15〜40および特に20〜30質量%の(B)を含有する。
【0056】
本発明による被覆材料は、さらに少なくとも1種の成分(C)を含有し、この場合、この成分は、着色および/または効果付与顔料、特に有機および無機の、着色および無着色の、光学的効果付与、導電性、磁気遮断性および蛍光性の顔料から成る群から選択される。
【0057】
適した効果付与顔料(C)の例は、この場合、これはさらに着色することができ、金属フレーク顔料、たとえば市販のアルミニウムブロンズ、DE 36 36 183 A1によるクロム化アルミニウムブロンズ、および市販の特殊鋼ブロンズ、ならびに非金属の効果顔料、たとえばパール光沢顔料、干渉顔料、酸化鉄をベースとするフレーク形状の効果顔料、この場合、これは、ピンク色から赤褐色の色を示すか、あるいは、液晶効果顔料である。補足のために、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, New York, 1998,第176頁、"Effektpigmente"第380頁および第381頁"Metalloxid-GlimmerPigmente"〜"Metallpigmente"および第438頁、"Perlglanzpigmente"、"Perlmuttpigmente"および特許出願および特許DE 36 36 156 A 1 、DE 37 18 446 A 1、DE 37 19 804 A 1、DE 39 30 601 A 1、EP 0 068 311 A 1、EP 0 264 843 A 1、EP 0 265 820 A 1、EP 0 283 852 A 1、EP 0 293 746 A 1、EP 0 417 567 A 1、US 4,828,826 AまたはUS 5,244,649 A
を示す。
【0058】
適した無機着色顔料の例は、白色顔料、たとえば二酸化チタン、白色亜鉛、硫化亜鉛またはリトポン;黒色顔料、たとえばカーボンブラック、鉄−マンガン−ブラックまたはスピネルブラック;彩色顔料、たとえば酸化クロム、クロムオキシド水和物グリーン、コバルトグリーンまたはウルトラマリングリーン、コバルトブルー、ウルトラマリンブルーまたはマンガンブルー、ウルトラマリンバイオレットまたはコバルト−およびマンガンバイオレット、赤色酸化鉄、カドミウムスルホセレニド、モリブデン赤またはウルトラマリン赤;褐色酸化鉄、ミッシュブラウン(Mischbraun)、スピネル−およびコランダム相またはクロムオレンジ;または黄色酸化鉄、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、カドミウムスルフィド、カドミウム亜鉛スルフィド、クロムイエローまたはビスマスバナデートである。
【0059】
適した有機着色付与顔料(C)の例は、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、アントラキノン顔料、ベンズイミダゾール顔料、キナクリドン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロールピロール顔料、ジオキサジン顔料、インダントロン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、アゾメチン顔料、チオインディゴ顔料、金属錯体顔料、ペリノン顔料、ペリーレン顔料、フタロシアニン顔料またはアニリンブラックである。
【0060】
補足のためにRoempp Lexikon Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlag, 1998, 第180頁および第181頁、"Eisenblau-Pigmente"〜"Eisenoxidschwarz"、第451頁〜第453頁、"Pigmente"〜"Pigmentvolumenkonzentration"、第563頁"ThioindigoPigmente"、第567頁、"Titandioxid-Pigmente"、第400頁および第467頁、"Natuerlich vorkommende Pigmente"、第459頁、"Polycyclische Pigmente"、第52頁、"AzomethinPigmente"、"Azopigmente"、および第379頁、"Metallkomplex-Pigmente"を示す。
【0061】
蛍光および燐光顔料(C)に関する例(昼光蛍光顔料Tagesleuchtpigmente)は、ビス(アゾメチン)−顔料である。
【0062】
適した導電顔料(C)に関する例は、二酸化チタン/酸化錫顔料である。
【0063】
磁気遮断性顔料(C)に関する例は、酸化鉄または二酸化クロムをベースとする顔料である。
【0064】
適した耐腐食性顔料(C)の例は、鉛シリケート、亜鉛ホスフェートまたは亜鉛ボラートである。
【0065】
本発明による被覆材料の顔料(C)の含量は、広範囲に可変であってもよく、かつ、本発明による被覆が有すべき色および/または効果にしたがって調整することができる。好ましくは、顔料(C)を、常用かつ公知の量で使用する。
【0066】
本発明による被覆材料は、さらに少なくとも1種の、特に1種のワックス(D)を含有する。原則的に、すべての常用かつ公知のワックスが考慮されてもよく、たとえばRoempp Lexikon Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, New York, 1998, "Wachse"に記載されたものであってもよい。好ましくは、ワックス(D)は、合成ワックス、特に、微細ポリオレフィンワックスおよびフッ化ポリオレフィンワックス、特にPTFE−ワックスから成る群から選択することができる。この種類のワックスは、常用かつ公知のものであり、かつ商業的に入手可能である。適した微細ワックス(D)の例は、以下の製品である:
− Synfluo(R) 180 XFまたはPolyfluo(R) 400XF、MP611XFまたはMP21XFまたは
Carnaubawachs Mikroclear(R) 116 (Micropowder社);
− Zonyl(R) TE5119(Du Pont De Nemours and Company社);
− Ceraflour(R) 980、996または998(Altana Chemie社);
− Nanoflon(R) P 51 -A(Shamrock(R)社);
− Pinnnacle(R) 9001(Lubrizol社)および
− UV硬化ワックスTP5071(Clariant社)。
【0067】
好ましくは、Polyfluo(R)400XFまたはCarnaubawachs Mikroclear(R)116を使用する。
【0068】
好ましくは、本発明による被覆材料は、それぞれ全質量に対して0.1〜3質量%、好ましくは0.5〜2.5質量%および特に1〜2質量%のワックス(D)を含有する。
【0069】
さらに、本発明による被覆材料は、少なくとも1種の艶消し剤(E)を含有する。適した艶消し剤の例は、Lehrbuch von Johan Bieleman, "Lackadditive", Wiley-VCH, Weinheim, New York, 1998, "5.2 Mattierung",第152頁〜第169頁から公知である。好ましくは非晶質シリカを使用し、この場合、これは、たとえば、Silcron(R)(SCM社)として販売されている。
【0070】
本発明による被覆材料の艶消し剤(E)の含量は、広範囲に可変であってもよく、かつ本発明による被覆が示すべき艶消しの程度にしたがって調整する。しかしながら、本発明による被覆材料の特に好ましい利点は、比較的少量の艶消し剤(E)を用いてすでに、良好な艶消し効果を達成することである。好ましくは、被覆材料は、それぞれ全質量に対して1〜15質量%、好ましくは2〜12質量%および特に好ましくは3〜10質量%(E)を含有する。
【0071】
さらに本発明による被覆材料は、少なくとも1種の、好ましくは1種の、ポリシロキサン−添加剤(F)を有し、この場合、この添加剤は、統計学的平均において少なくとも1個、特に少なくとも2個の前記の化学線で活性化することができる基を含有する。好ましくは、ジメチルポリシロキサンベースの常用かつ公知のポリシロキサン−添加剤(F)を使用する。適したポリシロキサン−添加剤の例は、以下の製品である:
− Byk(R) 377, UV 3500またはUV 3570 (Altana Chemie社);
− Coatosil(R) 3503または3509(OSI Specialties社);
− Tegorad(R) 2700, 2500または 2200(Tego Chemie社)または
− PA 29, 30 または 31、DC 18 またはBY16-152(Dow Corning社)。
【0072】
好ましくは、DC 18またはBY16-152(Dow Corning社)を使用する。
【0073】
本発明による被覆材料は、ポリシロキサン−添加剤(F)を、常用かつ公知の効果量で含有する。好ましくは、本発明による被覆材料に対してそれぞれ0.1〜3質量%、好ましくは0.5〜2.5質量%および特に0.5〜2質量%である。
【0074】
好ましくは、本発明による被覆材料は、少なくとも1つの反応性希釈剤(G)を含有し、この場合、これは、少なくとも1個の、特に1個の、前記の化学線で活性化することができる基を含有する。反応性希釈剤としては、反応性の希釈剤または反応性の溶剤であると理解され、その際、これは、DIN 55945:1996-09による長い名称のための簡素化された概念であり、希釈剤は、化学反応による膜形成に際して結合剤の成分であると記載されている。これに関しては、少なくとも1個の、好ましくは1個の二重結合を有するオレフィン性不飽和モノマーである。補足的に、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, New York, 1998,第491頁、"Reaktivverduenner"を示す。
【0075】
特に好ましくは、反応性希釈剤(G)としてイソボルニルアクリレートまたはN−2−ヒドロキシエチルイミダゾールメタクリレートまたはこれらの混合物を、好ましくは2:1〜1:2、好ましくは1.5:1〜1:1.5および特に好ましくは1.3:1〜1:1の質量比で使用する。
【0076】
好ましくは、本発明による被覆材料は、1種またはそれ以上の反応性希釈剤(G)を、それぞれ本発明による被覆材料に対して0.5〜10質量%、好ましくは1〜8質量%および特に好ましくは1.5〜7質量%の量で含有する。
【0077】
好ましくは、本発明による被覆材料は、ポリリン酸と少なくとも1つの化合物(h1)との少なくとも1種の酸エステル(H)を含有し、この場合、化合物(h1)は、少なくとも1つのヒドロキシル基および少なくとも1個の化学線で活性化することができる基を含有するものであって、たとえばドイツ特許出願DE 102 56 265 A1、第7頁、段落[0057]〜[0062]、あるいは、第6頁、段落[0044]および[0045]に記載されている。ポリリン酸のジホスホペントキシドの含量は、広範囲に可変であり;好ましくは60〜95質量%、好ましくは70〜95質量%および特に70〜90質量%である。好ましくは、酸エステル(H)は、それぞれ本発明による被覆材料に対して0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜4質量%および特に好ましくは1〜3質量%の量で使用する。
【0078】
本発明による被覆材料は、少なくとも1種の、常用かつ公知の添加剤(J)を、効果量で含有する。適した添加剤(J)の例は、Johan Bieleman, "Lackadditive", Wiley VCH, Weinheim, New York, 1998のテキストから公知である。好ましくは、添加剤(J)は、水;ポリリン酸;化学線で活性化することができる少なくとも1つの基を有するホスホン酸;モノリン酸と、少なくとも1個のヒドロキシル基および少なくとも1個の化学線で活性化することができる基(h1)とを含有する少なくとも1種の化合物との酸エステル;乾燥材料;透明および不透明の、有機および無機の充填材料;ナノ粒子;熱的または物理的に硬化可能な、オリゴマーおよびポリマー結合剤;UV−吸収剤;光保護剤;ラジカル捕捉剤;光開始剤;脱ガス剤;滑剤;重合阻害剤;消泡剤;乳化剤および湿潤剤;結合剤;レベリング剤;膜形成助剤;レオロジー調整添加剤および耐燃剤から成る群から選択される。
【0079】
本発明による被覆材料の製造は、好ましくは本発明による方法を用いて、前記構成成分(A)〜(F)ならびに場合によっては(G)〜(J)を、好ましくは適した混合装置、たとえば撹拌容器、撹拌ミル、押出装置、ニーダー、ウルトラターラックス、インラインディソルバー、スタティックミキサ、マイクロミキサ、冠歯車ディスパゲーター、プレスカットズル(Druckenspannungsduese)および/またはマイクロフリューダイザである。これに関して好ましくは波長λ<550nmの光の排除下で、あるいは、完全な光の排除下で操作し、これによって、化学線で活性化することができる基を含有する構成成分の早期架橋を阻害する。
【0080】
好ましくは、本発明による被覆材料は、
(1)成分(A)、(B)および(F)ならびに場合によっては成分(G)および/または(H)および/または少量の成分(D)を含有する混合物を製造し、
(2)成分(C)および成分(D)または主要量の成分(D)を、混合物(1)中に分散させ、かつ、
(3)成分(E)を、混合物(2)中に分散することによって製造される。
【0081】
本発明による被覆材料は、すべての種類の被覆を製造するために特に適している。特に、コイル被覆ラッカーとして適している。さらに、すべての一般的に使用される金属、特にそのままの鋼、亜鉛めっき、電気亜鉛めっきおよびリン酸処理された鋼、亜鉛およびアルミニウム上に、被覆、特にプライマー塗膜、およびSMC(シートモールディングコンパウンド)およびBMC(バルクモールディングコンパウンド)を製造するのに特に適している。これに関して、本発明による被覆は、クリア塗膜、ラッカー塗膜、一時的または持続的な保護相、プライマー塗膜、シーラントおよび手垢防止塗膜として特に適しているが、とりわけラッカー塗膜またはトップコートとして適している。
【0082】
本発明による被覆材料の適用は、方法上特別なものではなく、すべての常用の塗布方法、たとえば、スプレー塗布、ナイフ塗布、カーテンコーティング、注ぎ入れ(Giessen)、浸漬塗布、滴下またはローラー塗りにより実施することができる。一般には、化学線の排除下で実施することが好ましく、これによって、本発明による被覆材料の早期の架橋を阻害する。適用後に、場合により、本発明による被覆材料中に含有される水を、簡単な方法で蒸発することができ、この場合、これはフラッシュオフと呼称される。好ましくは、これは、金属支持体の短時間の誘導加熱によって生じる。
【0083】
適用された本発明による被覆材料の、化学線を用いての硬化に関しては、特に電子線源が考慮され、たとえば、A. Goldschmidt und H.-J. Streitberger, BASF-Handbuch、
Lackiertechnik, Vincentz Verlag, Hannover, 2002, 第638頁〜第641頁, oder in Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlag, Stuttgart New York, 1998
"Elektronenstrahler", "Elektronenstrahlhaertung"および"Elektronenstrahlung"において記載されている。
【0084】
好ましくは照射の際に、10〜200、好ましくは20〜100および特に好ましくは30〜80K Grayの線量を使用する。好ましくは、この照射は不活性ガス、特に窒素または希ガス下で実施する。
【0085】
これに関して、照射強度は広範囲で可変であってもよい。これは一方で照射線量および他方で照射時間にしたがって調整される。照射時間は、予め設定された照射線量の場合には、照射装置中への支持体のテープ速度または供給速度にしたがって調整され、かつその逆によっても調整される。
【0086】
本発明による被覆材料の特別な利点は、さらに部分的にのみ硬化された、化学線で硬化可能なプライマー相を適用することができ、その後、すべての塗布された相が一緒に化学線で硬化されることである。これによって、プロセス時間はさらに短縮され、かつ、層間付着性はさらに改善される。まとめると、本発明による被覆材料の使用に基づいて、コイル被覆の際に、金属箔を240℃のPMT(ピーク金属温度)およびそれ以上に加熱することはもはや不要である。揮発性の有機化合物の吸い取りおよび廃棄はもはや不要であり、その結果、機械設備、安全技術およびエネルギーコストを顕著に減少することができる。
【0087】
得られた本発明による被覆は、高く可とう性で、極めて硬質であり、破損することなく極めて強力に変形可能であり、化学物質耐性であり、耐候性であり、汗および塩水耐性であり、かつ、支持体および他の被覆に対して高付着性である。それにもかかわらず、なおも優れた光学的印象を与える。
【0088】

例1
被覆材料1の製造
被覆材料1の製造のために、最初に、19質量部のフェニルグリシジルエーテルモノアクリレート(CN 131 B Cray Valley社)、19質量部のラウリルグリシジルエーテルモノアクリレート(CN 152 Cray Valley社)、26質量部の二官能性ポリエステルアクリレート(Craynor(R) 704 Sartomer Europe社)、2質量部の4−ヒドロキシブチルアクリレートのポリリン酸エステル(80質量部の4−ヒドロキシブチルアクリレートと20質量部のポリホスホン酸(ジホスホペントキシドの含量84質量%)を反応させることにより製造され、;4−ヒドロキシブチルアクリレート過剰量:20質量%)、2質量部のイソボルニルアクリレートとN−2−ヒドロキシエチルイミダゾールメタクリレートとの混合物、その際、質量比1.2:1、0.05質量部の脱ガス剤(Versaflow(R) Shamrock社)および1.5質量部の化学線で硬化可能なポリシロキサン−添加剤(DC 18 Dow Corning社)からなる混合物(1)を製造し、かつウルトラターラックス中で30分に亘って、回転数1800でホモジナイズした。
【0089】
得られた混合物(1)を、ウルトラターラックス中で、23.85質量部の二酸化チタン−顔料(Tioxide(R) TR 81)および1.1質量部の微細PTFE−改質化ポリエチレンワックス(Polyfluo(R) 400XF Micropowder社)と混合し、引き続いてホモジナイズし、それによって混合物(2)を生じた。
【0090】
この混合物(2)をウルトラターラックス中で、7,5質量部の艶消し剤(Silcron(R) G602,amorphes Siliziumdioxid SMC社)と混合し、かつホモジナイズし、それによって混合物(3)または被覆材料1を生じた。
【0091】
被覆材料1は、化学線の排除下で数ヶ月に亘って完全に貯蔵安定性であった。チキソトロピー挙動は生じなかった。これは、コイル被覆法を用いてのラッカーまたはトップコートの製造のために特に適している。
【0092】
例2
被覆材料2の製造
被覆材料2の製造のために、最初に17.4質量部のフェニルグリシジルエーテルモノアクリレート(CN 131 B Cray Valley社)、17.4質量部のラウリルグリシジルエーテルモノアクリレート(CN 152 Cray Valley社)、23.2質量部の二官能性ポリエステルアクリレート(Craynor(R) 704 Sartomer Europe社)、2.5質量部の4−ヒドロキシブチルアクリレートのポリリン酸エステル(80質量部の4−ヒドロキシブチルアクリレートと20質量部のポリホスホン酸(ジホスホペントキシドの含量84質量%)を反応させることにより製造され、;4−ヒドロキシブチルアクリレート過剰量:20質量%)、5.5質量部のイソボルニルアクリレートとN−2−ヒドロキシエチルイミダゾールメタクリレートとの混合物、その際、質量比1.2:1であり、かつ、1.5質量部の化学線で硬化可能なポリシロキサン−添加剤(BY16-562 Dow Corning社)からなる混合物(1)を製造し、かつウルトラターラックス中で30分に亘って、回転数1800でホモジナイズした。
【0093】
得られた混合物(1)は、ウルトラターラックス中で、24質量部の二酸化チタン顔料(Tioxide(R) TR81)および1.1質量部の微細PTFE−改質化ポリエチレンワックス(Polyfluo(R)400XF micropowder社)と一緒に混合し、引き続いてホモジナイズし、これによって混合物(2)が得られた。
【0094】
この混合物(2)を、ウルトラターラックス中で、7.5質量部の艶消し剤(Silcron(R) G602, amorphes Siliziumdioxid SMC社)と混合し、かつホモジナイズし、これによって、混合物(3)または被覆材料2が得られた。
【0095】
被覆材料2は、化学線の照射下で、数ヶ月に亘って完全に貯蔵可能であった。チキソトロピー挙動は生じなかった。これは、コイル被覆法を用いてのラッカー塗膜またはトップコートの製造のために特に適している。
【0096】
例3〜5
被覆材料3〜5の製造
例1を繰り返したが、二官能性のポリエステルアクリレート(Craynor(R) 704 Sartomer Europe社)に代えて、
− 例3では、ポリウレタンアクリレートPhotomer(R) 6613(Cognis社)およびRoskydal(R) 4084(Bayer Aktiengesellschaf社)の混合物、
− 例4では、ポリウレタンアクリレートRoskydal(R) 4083および4084(Bayer Aktiengesellschaft社)の混合物および
− 例5では、ポリウレタンアクリレートPhotomer(R) 6613(Cognis社)およびRCP4698(Firma Akzo社)との混合物を、それぞれ質量比1:1で使用した。
【0097】
被覆材料3〜5は、化学線の排除下で、数ヶ月に亘って完全に貯蔵可能であった。チキソトロープ挙動は生じなかった。これは、コイル被覆法を用いてのラッカー塗膜またはトップコートの製造のために特に適している。
【0098】
例6〜8
被覆材料6〜8の製造
例2を繰り返したが、二官能性のポリエステルアクリレート(Craynor(R) 704 Sartomer Europe社)に代えて、
− 例6では、ポリウレタンアクリレートPhotomer(R) 6613(Cognis社)およびRoskydal(R) 4084(Bayer Aktiengesellschaf社)との混合物、
− 例7では、ポルウレタンアクリレートRoskydal(R) 4083と4084(Bayer Aktiengesellschaft社)との混合物を、
− 例8では、ポリウレタンアクリレートPhotomer(R) 6613(Cognis社)およびRCP4698(Akzo社)との混合物を、それぞれ質量比1:1で使用した。
【0099】
被覆材料6〜8は、化学線の排除下で、数分に亘って完全に貯蔵可能であった。チキソトロピー挙動は生じなかった。これは、コイル被覆法を用いてのラッカー塗膜またはトップコートの製造のために適している。
【0100】
例9および10
着色ラッカー塗膜1および2の製造は、プライマー塗膜およびラッカー1および2を含み、例1および2の被覆材料1および2を用いる。
【0101】
例9では、例1の被覆材料1を使用した。
【0102】
例10では、例2の被覆材料2を使用した。
【0103】
支持体として、HDG(溶融亜鉛めっき)鋼Z280(Chemetall社)からの前処理された金属薄板を使用した。
【0104】
プライマー塗膜を製造するために、最初に、33.25質量部のフェニルグリシジルエーテルモノアクリレート(CN 131 B Cray Valley社)、22.8質量部のラウリルグリシジルエーテルモノアクリレート(CN 152 Cray Valley社)、1.12質量部のポリプロピレングリコールモノアクリレート (PAM 300 Rhodia社)、1.12質量部のエポキシド樹脂(Epikote(R) 862)、5.82質量部の水、2.91質量部の4−ヒドロキシブチルアクリレートのポリリン酸エステル(80質量部の4−ヒドロキシブチルアクリレートと20質量部のポリリン酸(ジホスホペントキシドの含量84質量%)を反応させることにより製造し、;4−ヒドロキシブチルアクリレート過剰量:20質量%)、1.68質量部の低粘度のポリビニルブチラル(Pioloform(R) BN 18 Wacker社)、18.5質量部のアルミニウムポリホスフェート−顔料(Targon(R) WA 2886 BK Giulini社)、6質量部の二酸化ケイ素をベースとするナノ粒子(Nyasil(R) 6200 Nyacol Nano Technologies社)および9質量部の二酸化チタン−顔料 (Tioxide(R) TR 81)から成るプライマーを製造した。この混合物を、ウルトラターラックス中で、20分に亘って、1800/分の回転数でホモジナイズした。
【0105】
プライマーは、層厚6〜7μmで支持体上に塗布した。その中に含まれる水を、1分に亘って、125℃の温度で蒸発させた。得られたプライマー相を、電気線 (50 K Gray)を用いて窒素下で硬化させ、それによって、プライマー塗膜を生じた。
【0106】
例1および2の被覆材料1および2は、化学線の排除下で、40℃で、プライマー塗膜上に、平均層厚21μmで塗布した。得られたラッカー層1および2を、30秒間に亘って、120℃の空気循環炉中で加熱し、それによって、50℃のラッカー層1および2の表面温度を生じた。引き続いて、ラッカー層1および2を、電子線(65 K Gray)を用いて窒素下で硬化させ、それによって、ラッカー塗膜1および2が得られた。
【0107】
ラッカー塗膜1および2は、ECCA−Norm分類6(T−ベンド−試験:1.5、テープ試験:0)の全範囲を充足した。これは、鉛筆硬度HBを示した。その光沢値(60゜)は28〜32%(ラッカー塗膜1)または34〜36%(ラッカー塗膜2)であった。塩水噴霧試験では、それ自体504時間後に傷における腐食を何ら示すことはなかった。これは溶剤耐性(以下のものを染みこませたタンポンを用いて両側:アルコール100、キシレン80、エチルアセテート60)および耐候性であった。
【0108】
例11〜16
着色ラッカー塗膜3〜8の製造は、プライマー塗膜およびそれぞれラッカー塗膜3〜8を含み、その際、例3〜8の被覆材料3〜8を用いた。
【0109】
例11〜13に関して例9を繰り返したが、例1の被覆材料1に代えて、
− 例11では、例3の被覆材料3、
− 例12では、例4の被覆材料4および
− 例13では、例5の被覆材料5を使用した。
【0110】
例14〜16に関して例10を繰り返したが、例2の被覆材料2に代えて、
− 例14では、例6の被覆材料6、
− 例15では、例7の被覆材料7および
− 例16では、例8の被覆材料8を使用した。
【0111】
例11〜16の得られた着色ラッカー3〜8は、例9および19の着色ラッカー1および2と同様に有利な特性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)一般式I:
X−O−Y(−OH)−Z−Gr (I)
[式中、変数は以下の意味を有する:
Xは6〜14個の炭素原子を有する芳香族基、5〜12個の環原子を有するヘテロ環式芳香族基または6〜30個の炭素原子を有するアルキル基であり、
Yは3価の有機基であり、
Zはリンカー官能基であり、かつ、
Grは化学線で活性化することができる少なくとも1個の基を有する有機基である]の少なくとも2種の化合物、但し、少なくとも2種の化合物(A)の少なくとも1種は、芳香族基またはヘテロ環式芳香族基X(=化合物A1)を有し、かつ、少なくとも2種の化合物(A)の少なくとも1種は、アルキル基X(=化合物A2)を有し;
(B)統計学的平均で少なくとも2個の化学線で活性化することができる基を有するオリゴ−および/ポリウレタンおよびオリゴ−およびポリエステルから成る群から選択された、化学線により活性化することができる少なくとも1個のオリゴマーおよび/またはポリマー;
(C)着色および/または効果付与顔料から成る群から選択された少なくとも1種の成分;
(D)少なくとも1種のワックス;
(E)少なくとも1種の艶消し剤および
(F)統計学的平均において少なくとも1個の化学線で活性化することができる基を含有する、少なくとも1種のポリシロキサン添加剤、
を含有する、化学線で硬化可能なほぼまたは完全に有機溶剤不含の液体被覆材料。
【請求項2】
(A1)の基Xが、6〜10個の炭素原子を有する芳香族基である、請求項1に記載の被覆材料。
【請求項3】
(A2)の基Xが、10〜20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である、請求項1または2に記載の被覆材料。
【請求項4】
3価の有機基が、3〜6個の炭素原子を有する脂肪族基である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項5】
リンカー官能基Zが、カルボン酸エステル基であり、この場合、この基は、基YおよびGrと、一般式II:
>Y−O−(O=)C−Gr (II)
により結合されている、請求項1から4までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項6】
有機基Grが、化学線で活性化することができる基を含有するか、あるいは、化学線で活性化することができる基から成る、請求項1から5までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項7】
被覆材料が、被覆材料の全量に対して5〜30質量%の(A1)を含有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項8】
被覆材料が、被覆材料の全量に対して5〜30質量%の(A2)を含有する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項9】
化学線で活性化することができるオリゴマーまたはポリマー(B)が、2個または3個の、特に2個の、化学線で活性化することができる基を含有する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項10】
被覆材料が、被覆材料の全量に対して10〜50質量%の(B)を含有する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項11】
顔料(C)が、有機および無機の、着色および無着色の、光学的効果付与性の、電気伝導性の、磁気遮断性のならびに蛍光性の顔料から成る群から選択される、請求項1から10までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項12】
ワックス(D)が、微粉化ポリオレフィンワックスおよびフッ化ポリオレフィンワックス、特にPTFEワックスから成る群から選択される、請求項1から11までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項13】
被覆材料が、被覆材料の全量に対して0.1〜3質量%の(D)を含有する、請求項1から12までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項14】
艶消し剤(E)が、非晶質シリカである、請求項1から13までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項15】
被覆材料が、被覆材料の全質量に対して1〜15質量%の(E)を含有する、請求項1から14までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項16】
ポリシロキサン−添加剤(F)が、化学線で活性化することができる少なくとも2個の基を含有する、請求項1から15までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項17】
被覆材料が、化学線で活性化することができる少なくとも1個、特に1個の基を含有する少なくとも1種の反応性希釈剤(G)を含有する、請求項1から16までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項18】
被覆材料が、ポリリン酸と、少なくとも1個のヒドロキシル基および化学線で活性化することができる少なくとも1個の基を含有する少なくとも1種の化合物(h1)との、少なくとも1種の酸エステル(H)を含有する、請求項1から17までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項19】
化学線で活性化することができる基が、オレフィン性不飽和二重結合である、請求項1から18までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項20】
化学線が電子線である、請求項1から19までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項21】
被覆材料が、水;ポリリン酸;化学線で活性化することができる少なくとも1個の基を有するホスホン酸;モノリン酸と、少なくとも1個のヒドロキシル基および化学線で活性化することができる少なくとも1個の基を含有する少なくとも1種の化合物(h1)との酸エステル;乾燥剤;透明および半透明の、有機および無機の充填剤;ナノ粒子;熱的または物理的に硬化可能なオリゴマーおよびポリマー結合剤;UV吸収剤;光安定化剤;ラジカル補足剤;光開始剤;脱ガス剤;滑剤;重合阻害剤;消泡剤;乳化剤および湿潤剤;結合剤;レベリング剤;膜形成助剤;レオロジー助剤および難燃剤から成る群から選択された、少なくとも1種の添加剤(J)を含有する、請求項1から20までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項22】
被覆材料の成分(A)〜(F)ならびに場合によっては(G)〜(J)を一緒に混合し、かつ得られた混合物をホモジナイズする、請求項1から21までのいずれか1項に記載の被覆材料を製造する方法。
【請求項23】
(1)成分(A)、(B)および(F)ならびに場合によっては成分(G)および/または(H)および/または少量の成分(D)を含有する混合物を製造し、
(2)成分(C)および成分(D)または主要量の成分(D)を、混合物(1)中に分散させ、かつ、
(3)成分(E)を、混合物(2)中に分散させる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
請求項1から21までのいずれか1項に記載の被覆材料および請求項22または23による方法を用いて製造可能な被覆材料の、コイル被覆製造のための使用。
【請求項25】
コイル被覆が、ラッカー塗膜またはトップコートである、請求項24に記載の使用。

【公表番号】特表2009−507934(P2009−507934A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512802(P2008−512802)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【国際出願番号】PCT/EP2006/062333
【国際公開番号】WO2006/125734
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(390008981)ビーエーエスエフ コーティングス アクチェンゲゼルシャフト (155)
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings AG
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D−48165 Muenster,Germany
【Fターム(参考)】