裏面電極型太陽電池セル、配線シート、配線シート付き太陽電池セル、太陽電池モジュール、および配線シート付き太陽電池セルの製造方法
【課題】本発明は、太陽電池セルの裏面電極と配線シートの配線の位置合わせ精度が良好である裏面電極型太陽電池セル、配線シート、配線シート付き太陽電池セルおよび太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の裏面電極型太陽電池セルは、半導体基板の一方の面側に形成された第1導電型用電極と第2導電型用電極とを備え、半導体基板の上記一方の面側であって第1導電型用電極と第2導電型用電極とが形成される以外の領域に、少なくとも4つのアライメントマークを有することを特徴とする。
【解決手段】本発明の裏面電極型太陽電池セルは、半導体基板の一方の面側に形成された第1導電型用電極と第2導電型用電極とを備え、半導体基板の上記一方の面側であって第1導電型用電極と第2導電型用電極とが形成される以外の領域に、少なくとも4つのアライメントマークを有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、裏面電極型太陽電池セル、配線シート、配線シート付き太陽電池セル、太陽電池モジュール、および配線シート付き太陽電池セルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の太陽電池セルを接続して太陽電池パネルなどの太陽電池モジュールを製造する際に、従来の太陽電池モジュールは、各太陽電池セルに接続されたインターコネクタ同士を接続することによって、一般的に全ての太陽電池セルを直列に接続していた。また、近年、各太陽電池セルを配線シートを用いて接続する方法が提案されている。
【0003】
このような方法として、特許文献1には、複数の太陽電池セルを一列で直列に接続した太陽電池ストリングにおいて、配線シートに裏面電極型の太陽電池セルを配置して、配線シートにより各太陽電池セル間を電気的に接続する方法が開示されている。また、特許文献2には配線シートに設けたスリットパターンを用いて太陽電池セルの裏面電極と配線シートの配線との位置合わせを行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−340362号公報
【特許文献2】特開2009−88145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示される方法では、太陽電池セルをマトリクス状に配置すべく複数の太陽電池ストリングを並べて、太陽電池ストリング間を直列接続する場合は、隣接する太陽電池ストリング間で電流の向きが反対となるために太陽電池セルの向きを反転する必要があり、製造工程を複雑にする因子となっている。
【0006】
また、セルの裏面電極の微細化、狭ピッチ化の要求に伴い、より精度の高い太陽電池セルの裏面電極と配線シートの配線との位置合わせ方法が求められている。
【0007】
本発明は、太陽電池セルを反転させることなく配置すること、および、太陽電池セルの裏面電極と配線シートの配線との位置合わせを精度よく行なうことを両立する裏面電極型太陽電池セル、配線シート、配線シート付き太陽電池セル、太陽電池モジュール、および配線シート付き太陽電池セルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の裏面電極型太陽電池セルは、半導体基板の一方の面側に形成された第1導電型用電極と第2導電型用電極とを備え、半導体基板の上記一方の面側であって第1導電型用電極と第2導電型用電極とが形成される以外の領域に、少なくとも4つのアライメントマークを有することを特徴とする。
【0009】
上記裏面電極型太陽電池セルには、上記第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ラインを並べるように形成されており、上記第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ラインを並べるように形成されており、第1導電型用電極ラインと第2導電型用電極ラインとは、交互に配列されており、上記アライメントマークは、第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークを含み、該2つの第1導電型用アライメントマークは、複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインの両端部を、複数の第1導電型用電極ラインおよび複数の第2導電型用電極ラインのうちの別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている態様を含む。
【0010】
また、上記裏面電極型太陽電池セルには、第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ラインを並べるように形成されており、第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ラインを並べるように形成されており、第1導電型用電極ラインと第2導電型用電極ラインとは、交互に配列されており、上記アライメントマークは、第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークを含み、該2つの第2導電型用アライメントマークは、複数の第2導電型用電極ラインのうちの1つの第2導電型用電極ラインの両端部を、複数の第1導電型用電極ラインおよび複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている態様を含む。
【0011】
本発明の裏面電極型太陽電池セルには、第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ラインを並べるように形成されており、第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ラインを並べるように形成されており、第1導電型用電極ラインと第2導電型用電極ラインとは、交互に配列されており、上記アライメントマークは、第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークを含み、該2つの第1導電型用アライメントマークのうちの一方の第1の第1導電型用アライメントマークは、複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインの一方の端部を、複数の第1導電型用電極ラインおよび複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられており、上記2つの第1導電型用アライメントマークのうちの他方の第2の第1導電型用アライメントマークは、第1の第1導電型用アライメントマークとは反対側で、複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインの一方の端部を、複数の第1導電型用電極ラインおよび複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている態様を含む。
【0012】
さらに本発明の裏面電極型太陽電池セルは、第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ラインを並べるように形成されており、第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ラインを並べるように形成されており、第1導電型用電極ラインと第2導電型用電極ラインとは、交互に配列されており、上記アライメントマークは、第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークを含み、該2つの第2導電型用アライメントマークのうちの一方の第1の第2導電型用アライメントマークは、複数の第2導電型用電極ラインのうちの1つの第2導電型用電極ラインの一方の端部を、複数の第1導電型用電極ラインおよび複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられており、上記2つの第2導電型用アライメントマークのうちの他方の第2の第2導電型用アライメントマークは、第1の第2導電型用アライメントマークとは反対側で、複数の第2導電型用電極ラインのうちの1つの第2導電型用電極ラインの一方の端部を、複数の第1導電型用電極ラインおよび複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている態様を含む。
【0013】
上記アライメントマークは、上記裏面電極型太陽電池セルの電極材料により形成されることが好ましい。
【0014】
上記第1導電型用電極の位置合わせのための第1導電型用アライメントマークと上記第2導電型用電極の位置合わせのための第2導電型用アライメントマークとは、相異なる形状である態様が含まれる。
【0015】
また、本発明は、裏面電極型太陽電池セルを電気的に接続するための配線を備えた配線シートであって、上記配線は、同形状の同形状部を複数備えると共に、同形状部の一部を欠いたような異形状部を少なくとも2つ備える配線シートに関する。
【0016】
本発明の配線シートには、上記配線は、電気的に絶縁された第1配線と第2配線とを含み、第1配線および第2配線のそれぞれは、上記同形状部または上記異形状部に相当する複数の櫛歯形状部と、該複数の櫛歯形状部を接続する接続配線部とを含み、第1配線および第2配線に含まれる複数の櫛歯形状部のうちの少なくとも2つの櫛歯形状部の先端が、上記複数の櫛歯形状部のうちの別のいずれかの櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成された態様を含む。
【0017】
本発明の配線シートには、上記第1配線および上記第2配線のうちの一方に含まれる複数の櫛歯形状部のうちの少なくとも2つの櫛歯形状部の先端が、一方に含まれる複数の櫛歯形状部のうちの別のいずれかの櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されている態様を含む。
【0018】
また、本発明の配線シートには、第1配線に含まれる複数の櫛歯形状部のうちの少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、上記第1配線に含まれる複数の櫛歯形状部のうちの別のいずれかの櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成され、かつ第2配線に含まれる複数の櫛歯形状部の少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、上記第2配線に含まれる複数の櫛歯形状部のうちの別のいずれかの櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成された態様を含む。
【0019】
本発明は、上記いずれかの裏面電極型太陽電池セルまたは配線シートを備えた配線シート付き太陽電池セルに関する。
【0020】
本発明は、半導体基板の一方の面側に形成された第1導電型用電極および第2導電型用電極を有する裏面電極型太陽電池セルと、該裏面電極型太陽電池セルの電極を電気的に接続するための配線を有する配線シートとを備える配線シート付き太陽電池セルであって、裏面電極型太陽電池セルの上記一方の面側であって第1導電型用電極と第2導電型用電極とが形成される以外の領域に、少なくとも4つのアライメントマークを設け、裏面電極型太陽電池セルの少なくとも2つのアライメントマークが配線シートの配線と重ならない部分を備え、それ以外のアライメントマークが配線シートの配線に重なる部分を備える配線シート付き太陽電池セルに関する。
【0021】
また、本発明は、上記各態様の配線シート付き太陽電池セルを有する太陽電池モジュールに関する。
【0022】
さらに本発明は配線シート付き太陽電池セルの製造方法に関し、半導体基板の一方の面側に形成された第1導電型用電極および第2導電型用電極を有する裏面電極型太陽電池セルと、該裏面電極型太陽電池セルの電極を電気的に接続するための配線を有する配線シートとを備える配線シート付き太陽電池セルの製造方法であって、裏面電極型太陽電池セルの一方の面側であって第1導電型用電極と第2導電型用電極とが形成される以外の領域に設けられた、少なくとも4つのアライメントマークを用いて、裏面電極型太陽電池セルを配線シートに位置合わせして重ね合わせる工程を含むことを特徴とする。
【0023】
上記配線シート付き太陽電池セルの製造方法において、少なくとも2つのアライメントマークが配線シートの配線と重ならず、かつ、それ以外のアライメントマークが配線シートの配線に重なるように、裏面電極型太陽電池セルと配線シートとを位置合わせして重ね合わせる工程を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、裏面電極型の太陽電池セルに所定のアライメントマークを有し、また配線シートから裏面電極型太陽電池セルのアライメントマークを認識することができるので、太陽電池セルと配線シートとの位置合わせ(アライメント)を良好に行なうことができ、信頼性の高い配線シート付き太陽電池セルおよび太陽電池モジュールを提供することができる。また、本発明の裏面電極型太陽電池セルは、例えば電流方向が互いに反対となる太陽電池ストリング列を有する配線シート付き太陽電池セルの製造において、列ごとの太陽電池セルの反転(回転)操作が不要となるので、配線シート付き太陽電池セルおよび太陽電池モジュールの製造効率を向上させることができる。
【0025】
また、位置合わせが良好に行なわれるので、太陽電池セルの充填率を向上させることができ、その結果、太陽電池モジュールの効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の配線シート付き太陽電池セルの一例を受光面側から見た模式的な平面図である。
【図2】本発明における裏面電極型太陽電池セルと配線シートとの配置関係を示す概略図である。
【図3】図2のIII−IIIに沿った模式的な断面図である。
【図4】(a)は実施の形態1の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図であり、(b)は実施の形態1の配線シートの配線パターンの一例の平面模式図であり、(c)は実施の形態1の配線シート付き太陽電池セルの一例を裏面側から見た模式的な平面図である。
【図5】図1に示す配線シート付き太陽電池セル100の製造方法の一例を図解する模式的な斜視図を示す。
【図6】(a)は実施の形態2の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図であり、(b)は実施の形態2の配線シートの配線パターンの一例の平面模式図であり、(c)は実施の形態2の配線シート付き太陽電池セルの一例を裏面側から見た模式的な平面図である。
【図7】(a)は実施の形態3の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図であり、(b)は実施の形態3の配線シートの配線パターンの一例の平面模式図であり、(c)は実施の形態3の配線シート付き太陽電池セルの一例を裏面側から見た模式的な平面図である。
【図8】(a)は実施の形態4の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図であり、(b)は実施の形態4の配線シートの配線パターンの一例の平面模式図であり、(c)は実施の形態4の配線シート付き太陽電池セルの一例を裏面側から見た模式的な平面図である。
【図9】(a)および(b)は、本発明の太陽電池モジュールの一例の製造方法の一例を図解する模式的な断面図である。
【図10】実施の形態5の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図である。
【図11】(a)および(b)は図10のアライメントマーク部分の拡大図である。
【図12】実施の形態5の配線シートの配線パターンの一例の平面模式図である。
【図13】実施の形態5の配線シート付き太陽電池セルの一例を裏面側から見た模式的な平面図である。
【図14】(a)〜(d)は図13のアライメントマーク部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は同一部分または相当部分を表すものとする。また、以下では、太陽電池セルを設置するためのセル配置部(1つの太陽電池セルに対応する配線シート上の領域)が設けられた構成を配線シート、単数または複数の太陽電池セルを行方向および列方向にマトリクス状に配列した構成を配線シート付き太陽電池セルとして説明する。
【0028】
<実施の形態1>
(配線シート付き太陽電池セル)
図1に、本発明の配線シート付き太陽電池セルの一例を受光面側から見た模式的な平面図を示す。ここで、配線シートは、絶縁性基板11の表面上に配線材16が設けられることにより、太陽電池セルを配置するためのセル配置部が形成された構成であり、配線シート付き太陽電池セル100は、絶縁性基板11の表面上の配線材16によって裏面電極型太陽電池セル20が電気的に接続されることにより構成されている。
【0029】
以上のような構成の図1に示される配線シート付き太陽電池セル100においては、複数の裏面電極型太陽電池セル20は、配線シート10の絶縁性基板11の表面上において、行方向に直列接続された太陽電池ストリング列が、列方向に複数配置されて、太陽電池ストリング列の端部同士が接続されることで、通電経路が蛇行するようにして電気的に直列に接続される例が挙げられる。
【0030】
上記裏面電極型太陽電池セルと配線シートとの配置関係を図2に示す。図2は、図1に示す配線シート付き太陽電池セル100の列の一部に相当する。図2に示されるように、配線シート10の配線材16は、太陽電池セルの第1導電型用電極の接続のための第1配線12と第2導電型用電極の接続のための第2配線13とから構成されており、櫛形状の第1配線12の櫛歯に相当する部分と櫛形状の第2配線13の櫛歯に相当する部分とが1本ずつ交互に噛み合わさるように第1配線12および第2配線13がそれぞれ配置されている。その結果、櫛形状の第1配線12の櫛歯に相当する部分と櫛形状の第2配線13の櫛歯に相当する部分とはそれぞれ1本ずつ交互に所定の間隔を空けて配置されている。
【0031】
そして、配線シート10の絶縁性基材11の表面上においては、第1配線12と第2配線13との組み合わせであるセル配置部19が絶縁性基材11の表面に並べられている。ここで、図2においては、図1に示す配線シート付き太陽電池セルの一部を示しており、3つのセル配置部19で構成されているが、これに限られるものではなく、図1の破線で囲まれる部分に示すようにセル配置部19は、絶縁性基材11の表面の列方向に隣接して配置されている他のセル配置部19と電気的に接続されることもある。
【0032】
そして、図2に示される構成の配線シート10の表面上に裏面電極型太陽電池セル20を設置することによって図1に示す配線シート付き太陽電池セルを作製することができる。図3に、図2のIII−IIIに沿った断面模式図を示す。
【0033】
図3に示される裏面電極型太陽電池セル20は、たとえばn型またはp型の導電型を有するシリコン基板などの半導体基板21と、裏面電極型太陽電池セル20の受光面となる半導体基板21の凹凸表面上に形成された反射防止膜27と、裏面電極型太陽電池セル20の裏面となる半導体基板21の裏面に形成されたパッシベーション膜26とを有している。
【0034】
また、半導体基板21の一方の面側には、第1導電型不純物が拡散して形成された第1導電型不純物拡散領域22と第2導電型不純物が拡散して形成された第2導電型不純物拡散領域23とが所定の間隔を空けて交互に形成されているとともに、半導体基板21の裏面のパッシベーション膜26に設けられたコンタクトホールを通して第1導電型不純物拡散領域22に接する第1導電型用電極を構成する第1導電型用電極ライン24および第2導電型不純物拡散領域23に接する第2導電型用電極を構成する第2導電型用電極ライン25がそれぞれ設けられている。上記第1導電型拡散不純物および第2導電型拡散不純物として、導電型がn型の場合はリンなどを用いることができ、導電型がp型の場合はたとえばボロンなどを用いることができる。
【0035】
ここで、上記半導体基板21の一方の面側には、第1導電型不純物拡散領域22または第2導電型不純物拡散領域23と半導体基板21内部との界面において複数のpn接合が形成されることになる。半導体基板21がn型またはp型のいずれの導電型を有していても、第1導電型不純物拡散領域22および第2導電型不純物拡散領域23はそれぞれ半導体基板21内部と接合していることから、第1導電型用電極ライン24および第2導電型用電極ライン25はそれぞれ半導体基板21の一方の面側に形成された複数のpn接合にそれぞれ対応する電極となる。なお、半導体基板21の導電型を問わず、近接する第1導電型不純物拡散領域22と第2導電型不純物拡散領域23との接触によりpn接合が形成されてもよい。
【0036】
本発明において、裏面電極型太陽電池セル20の第1導電型用電極ライン24の少なくとも一部の表面および/または第2導電型用電極ライン25の少なくとも一部の表面には、たとえば、ニッケル(Ni)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、錫(Sn)、SnPbはんだ、およびITO(Indium Tin Oxide)からなる群から選択された少なくとも1種を含む電気導電性物質を設置してもよい。この場合には、配線シート10の配線材と裏面電極型太陽電池セル20の電極(複数の第1導電型用電極ライン24により構成される第1導電型用電極、複数の第2導電型用電極ライン25により構成される第2導電型用電極)との電気的接続を良好なものとし、裏面電極型太陽電池セル20の電極の耐候性を向上させることができる傾向にある。
【0037】
また、裏面電極型太陽電池セル20の第1導電型用電極ライン24の少なくとも一部の表面および/または第2導電型用電極ライン25の少なくとも一部の表面には、たとえば黒化処理などの表面処理を施してもよい。
【0038】
また、半導体基板21としては、たとえば、n型またはp型の導電型を有する多結晶シリコンまたは単結晶シリコンなどからなるシリコン基板などを用いることができる。
【0039】
また、第1導電型用電極および第2導電型用電極としてはそれぞれ、たとえば、銀などの金属からなる電極を用いることができる。
【0040】
また、パッシベーション膜26としては、たとえば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、または酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層体などを用いることができる。
【0041】
また、反射防止膜27としては、たとえば、窒化シリコン膜などを用いることができる。
【0042】
なお、本発明における裏面電極型太陽電池セルの概念には、上述した半導体基板21の一方の表面(裏面)のみに第1導電型用電極および第2導電型用電極の双方が形成された構成のものだけでなく、MWT(Metal Wrap Through)セル(半導体基板に設けられた貫通孔に電極の一部を配置した構成の太陽電池セル)などのいわゆるバックコンタクト型太陽電池セル(太陽電池セルの受光面と反対側の裏面から電流を取り出す構造の太陽電池セル)のすべてが含まれる。
【0043】
そして、上記裏面電極型太陽電池セル20の第1導電型用電極を構成する第1導電型用電極ライン24および第2導電型用電極を構成する第2導電型用電極ライン25はそれぞれ、図1に示すように、配線シート10の1つの第1配線12と1つの第2配線13との組み合わせであるセル配置部と電気的に接続されて、図1に示す配線シート付き太陽電池セル100が作製されることになる。
【0044】
上記配線シート付き太陽電池セルにおいては、裏面電極型太陽電池セルの電極パターンと配線シートに設けられた配線パターンとの各々の接続が良好に行なわれるためには、電極パターンと配線パターンとの位置合わせ(アライメント)精度が高いことが要求される。本発明は、上記位置合わせ精度のために、裏面電極型太陽電池セルに所定のアライメントマークを少なくとも4つ備えることを特徴とする。本発明において、アライメントマークとは、図3中の矢印Aの方向、または図3中の矢印Bの方向に備えた観測装置15を用いた透過画像または反射画像により認識することができるアライメントのためのマークをいう。このようにアライメントマークを認識できるように形成することにより、位置合わせの精度を維持することができる。以下にアライメントマークおよび該アライメントマークによる位置あわせが可能な配線シートの形態の一例について説明する。
【0045】
(裏面電極型太陽電池セルにおけるアライメントマーク)
図4(a)に本実施の形態1の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図を示す。図4(a)は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つの太陽電池セル20の裏面に相当し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。
【0046】
図4(a)において、第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ライン24を並べるように形成されており、第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ライン25を並べるように形成されており、第1導電型用電極ライン24と第2導電型用電極ライン25とは交互に配列されている。
【0047】
本発明の裏面電極型太陽電池セルにおけるアライメントマークは4つ以上設けられ、これら複数のアライメントマークの少なくとも一部は裏面電極型太陽電池セルの不純物拡散領域上に形成されていることが好ましい。不純物拡散領域上に形成されるアライメントマークが後述のように配線材と接触する場合には、該アライメントマークが電極として機能するのでセルの発電効率を良好に維持することができる。
【0048】
アライメントマークは、図4(a)に示されるように、太陽電池セルの電極パターンの外周領域(図4(a)の破線領域)内に形成されてもよいし、外周領域の外に形成されてもよい。本発明において、外周領域とは、半導体基板21上の第1導電型用電極を構成する第1導電型用電極ライン24と第2導電型用電極を構成する第2導電型用電極ライン25とにより形成される電極パターンの端部を結ぶ線により形成される領域の内側をいう。
【0049】
電極パターンの外周領域内にアライメントマークを有する場合は、アライメントマークを設けるための別段の領域を設ける必要がなく、後述のようにセルの効率と位置合わせ精度をバランスよく向上させることができるので好ましい。
【0050】
本実施の形態1において、1つの太陽電池セルには第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用のアライメントマークaおよびアライメントマークbと、他の第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用のアライメントマークcおよびアライメントマークdの合計4つのアライメントマークを含む。上記2つの第2導電型用アライメントマークは、それぞれ上記複数の第2導電型用電極ライン25のうちの任意の1つの第2導電型用電極ライン25の両端部を、この第2導電型用電極ライン以外に設けられた複数の第1導電型用電極ラインおよび複数の第2導電型用電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセル内側に位置させることにより形成された上記領域内のスペースに設けられている。
【0051】
図4(a)に、第2導電型用電極の位置合わせのためのアライメントマークが4つ設けられた太陽電池セルの裏面の模式図を示すが、本発明におけるアライメントマークはこのような形態に限られない。すなわち、第1導電型用電極の位置合わせのための4つの第1導電型用アライメントマークを有する場合、また第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークおよび第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークの合計4つのアライメントマークを有する場合も、本実施の形態と同様に良好な位置合わせを行なうことができる。4つの第1導電型用アライメントマークが設けられる場合は、たとえばそれぞれ上記複数の第1導電型用電極ライン24のうちの1つの第1導電型用電極ライン24の両端部を、この第1導電型用電極ライン以外の別の複数の第1導電型用電極ラインおよび第2導電型用電極ライン25のいずれかの電極ラインの端部よりもセル内側に位置させることにより形成された上記領域内のスペースに設けることとなる。また、2つの第1導電型用アライメントマークと2つの第2導電型用アライメントマークとを設ける場合は、それぞれ第1導電型用アライメントマークは、複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインの両端部を、この第1導電型用電極ライン以外の別の複数の第1導電型用電極ラインおよび第2導電型用電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセル内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられ、第2導電型用アライメントマークは、複数の第2導電型用電極ラインのうちの1つの第2導電型用電極ラインの両端部を、この第2導電型用電極ライン以外の別の複数の第1導電型用電極ラインおよび第2導電型用電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセル内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられる。また、アライメントマークは少なくとも4つ備えられるものであり、第2導電型用電極の位置合わせのための4つのアライメントマークの他に、第1導電型用電極の位置合わせのための1以上のアライメントマークを備えたり、さらに第2導電型用電極の位置合わせのためのアライメントマークが設けられていてもよい。
【0052】
これらのアライメントマークは、セルの裏面の電極およびアライメントマークの形状および配置だけを考慮した際に、同一平面内で、電極パターンの中心に関して点対称の位置や形状とならない配置または形状とすることが望ましい。このような配置または形状とすることで、配線シートに太陽電池セルを載置する工程において、太陽電池セルが同一平面内で回転した場合には、アライメントマークが観測できない、または観測するアライメントマークの形状がその他の観測されている形状と異なるので、セルの配置の誤りが明確となり、そのままの状態で配線シートと位置合わせをしてしまうことを防ぐことができる。
【0053】
上記アライメントマークの幅は、特に限定されず、電極パターンの電極の列に対応する位置に設けられる場合は、電極ラインと同様の幅以下で形成されることが望ましいが、電極幅よりも幅広い場合も本発明の範囲に含まれる。また、上記アライメントマークは、電極パターンを形成するために用いられる電極材料と同様の材料により形成することができる。電極材料と同様の材料によりアライメントマークを形成することによって、電極パターンと同時にアライメントマークを付与することができるので、たとえば他の材料を用いて電極パターンの形成とは別の工程によりアライメントマークを形成する場合に比べて、アライメントマークを所望の位置に精度よく製造することができる。以上のようにして、配線シートに形成された配線パターンとの位置合わせのためのアライメントマークが太陽電池セルの一方の面側に形成される。
【0054】
上記アライメントマークの形状は、図4(a)に示すように円形であってもよく、三角や四角形状であってもよい。また、たとえば、後述のように列L1の太陽電池セルに設けられる2つのアライメントマークが互いに異なる形状であってもよく、他の列についても同様である。列L1で観測されるアライメントマークと列L2で観測されるアライメントマークとが相異なる形状であってもよい。このように列ごとに異なる形状のアライメントマークが観測されるようにすることで、観測するアライメントマークのチェックによって、配線シートに載置するセルの方向が所望の方向であることを確認することができる。
【0055】
(配線シートにおける開口部)
図4(b)に、本実施の形態1における配線シートの一例の平面模式図を示す。図4(b)は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つのセル配置部に対応する配線パターンを示し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。配線シートは、絶縁性基材と、絶縁性基材の表面上に設置された配線材とを有し、図4(b)においては配線材のみを示す。
【0056】
本発明の配線シートは、上記裏面電極型太陽電池セルを電気的に接続するための配線を備えており、このような配線は、裏面電極型太陽電池セルの電極パターンに対応するような配線パターンとする。本発明は、このような配線において、同形状の同形状部を複数備えると共に、該同形上部の一部を欠いたような異形状部を少なくとも2つ備えることを特徴とする。この異形状部は、配線シートにおいて上記電極パターンに対応するように配線パターンが設けられていない部分または領域であり、このような同形状部の一部を欠いた部分または領域を開口部ともいう。そして、本発明においては、このような異形状部(開口部)を介して裏面電極型太陽電池セルに備えられたアライメントマークの少なくとも一部を認識できる態様とすることが望ましい。このような異形状部を少なくとも2つ備える限り、例えば、同形状部の他に、配線パターンの一部の形状が同形状部よりも配線幅が太い部分や配線長が長い部分も配線パターンに含まれる。
【0057】
図4(b)に示す配線シートにおいて、上記配線は電気的に絶縁された第1配線12と第2配線13とを含む。本実施の形態においては、第1配線12が裏面電極型太陽電池セルの第1導電型用電極24との接続のため、第2配線13が第2導電型用電極25との接続のために設けられる。
【0058】
上記第1配線12と上記第2配線13のそれぞれは、同形状部の複数を含む、または、同形状部および異形状部を含む複数の櫛歯形状部17aと該櫛歯形状部17aを接続する接続配線部17bとを含む。そして、第1配線12および第2配線13に含まれる複数の櫛歯形状部17aのうちの少なくとも2つの櫛歯形状部17aを構成する配線パターンの先端が、該配線パターンの両側に配置された櫛歯形状部17aを構成する配線パターンの先端よりも内側に位置するように形成される配線長の一部を欠いた異形状部が含まれる。図4(b)においては、第2配線13に異形状部13aが形成されている。また、太陽電池セル裏面のアライメントマークをより認識し易くするために、図4(b)に示すように、第1配線12に配線幅の一部を欠いた湾曲部からなるような異形状部12bを形成してもよい。このように開口部は、複数の形状の異形状部の組み合わせにより構成することができる。
【0059】
図4(b)においては、列L1と列L2の両方の列において第1配線12の配線幅の一部を欠いた異形状部12bと第2配線13の配線長の一部を欠いた異形状部13aとにより開口部が設けられている。
【0060】
本発明において、上記開口部を有する第1配線12および第2配線13からなる配線パターンは、配線シート全体の少なくとも1つのセル配置部19に対応する配線パターンに備えられていればよく、2以上のセル配置部19に対応する配線パターンや、配線シート全体において設けられていてもよい。
【0061】
上記配線シートにおける開口部は、後述の配線パターンと同様に製造することができる。
【0062】
上記絶縁性基材の材質としては、電気絶縁性の材質であれば特に限定なく用いることができ、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN:polyethylene naphthalate)、ポリフェニレンサルファイド(PPS:polyphenylene sulfide))、ポリビニルフルオライド(PVF:polyvinyl fluoride)およびポリイミド(polyimide)からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む材質を用いることができる。
【0063】
また、絶縁性基材の厚さは特に限定されず、たとえば10μm以上200μm以下とすることができる。なお、絶縁性基材は、1層のみからなる単層構造であってもよく、2層以上からなる複数層構造であってもよい。
【0064】
また、第1配線12および第2配線13の材質としては、電気導電性の材質のものであれば特に限定なく用いることができ、たとえば、銅、アルミニウムおよび銀からなる群から選択された少なくとも1種を含む金属などを用いることができる。
【0065】
また、第1配線12および第2配線13の厚さもそれぞれ特に限定されず、たとえば5μm以上75μm以下とすることができる。
【0066】
また、第1配線12および第2配線13の形状も、上記開口部を有する限り、それぞれ上述した形状に限定されず、適宜設定することができるものであることは言うまでもない。
【0067】
また、第1配線12の少なくとも一部の表面および/または第2配線13の少なくとも一部の表面には、たとえば、ニッケル(Ni)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、錫(Sn)、SnPbはんだ、およびITO(Indium Tin Oxide)からなる群から選択された少なくとも1種を含む電気導電性物質を設置してもよい。この場合には、第1配線12および第2配線13と裏面電極型太陽電池セルの電極との電気的接続を良好なものとし、第1配線12および/または第2配線13の耐候性を向上させることができる傾向にある。
【0068】
また、第1配線12の少なくとも一部の表面および/または第2配線13の少なくとも一部の表面には、たとえば黒化処理などの表面処理を施してもよい。
【0069】
なお、第1配線12および第2配線13もそれぞれ、1層のみからなる単層構造であってもよく、2層以上からなる複数層構造であってもよい。
【0070】
以下に、配線シートの製造方法の一例について説明する。まず、たとえばPETフィルムなどの絶縁性基材を用意し、その絶縁性基材の一方の表面の全面にたとえば金属箔または金属プレートなどの電気導電性物質を貼り合わせる。
【0071】
次に、絶縁性基材の表面に貼り合わされた電気導電性物質の一部をフォトエッチングなどにより除去して電気導電性物質をパターニングすることによって、絶縁性基材の表面上にパターニングされた電気導電性物質からなる第1配線12および第2配線13から構成された開口部を有する配線材を形成する。以上により、図4(b)に示される構成の配線パターンおよび開口部を有する配線シートを作製することができる。
【0072】
(裏面電極型太陽電池セルおよび配線シートのアライメント)
上記アライメントマークを有する裏面電極型太陽電池セル(図4(a))および異形状部(開口部)を有する配線シート(図4(b))は、図4(c)に示すように、配線シートに設けられた開口部から裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの一部が認識できるように重ね合わせられる。すなわち、配線シートに太陽電池セルを1つずつ配置していく際に、図3中の矢印Aの方向から配線シートの開口部を含む配線部分を観測しながら、裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの少なくとも一部が、上記配線シートの開口部を介して認識できるように、太陽電池セルの位置合わせを行なう。たとえば、図3の矢印Aの方向に相当する位置から透過光による透過画像を用いて観測して、図4(c)に示すように、配線シートの列L1の配線端の異形状部13aおよび湾曲部形状である異形状部12bからなる開口部をとおして、裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークaおよびアライメントマークcが認識されるように配置する。この隣の列L2においては、配線シートの配線端の異形状部13aおよび湾曲部形状である異形状部12bからなる開口部を介して裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークbおよびアライメントマークdが認識されるように配置する。このように太陽電池セルを配置することによって、アライメントの誤差が50μm以下である配線シート付き太陽電池セルが形成される。
【0073】
上記のように配線シートに設けられた開口部を介して裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの少なくとも一部が認識できるようにアライメントマークまたは開口部を設けることによって、1つの観測領域において太陽電池セル裏面のアライメントマークおよび配線シートの開口部の両方を観測することができる。
【0074】
開口部を介したアライメントマークは、X線、IR光などを用いて透過光による透過画像を観測することにより行なう場合は図3中の矢印Aの方向もしくは図3中の矢印Bの方向から認識することができる。また、LED、ハロゲンランプなどを用いて反射光による反射画像を確認することにより行なう場合は、図3中の矢印Aの方向から裏面電極型太陽電池セルのアライメントマークおよび配線シートの開口部を認識できる。このような観測による位置合わせは、1箇所ごとに行なってもよく、アライメントマークおよび/または開口部に対応する数の観測装置を設けて全てのアライメントマークまたは開口部を同時に観測しながら行なってもよい。
【0075】
また、図4(c)に示す例において、配線シートの列L1では裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークbおよびアライメントマークdが配線シート側からは確認できないように配置してもよく、同様に、配線シートの列L2では裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークaおよびアライメントマークcが配線シート側からは確認できないように配置してもよい。このように太陽電池セルを配置することによって、アライメントの精度をさらに向上させることができる。
【0076】
本実施の形態1においては、太陽電池モジュールの製造において、太陽電池セルを配線シートに配置する際に、隣り合う列の太陽電池セルを一方向に保つことができるので、製造効率を向上させることができる。
【0077】
図5に、図1に示す配線シート付き太陽電池セル100の製造方法の一例を図解する模式的な斜視図を示す。図5に示すように、上記所定のアライメントマークまたは開口部を有する本実施の形態1の裏面電極型太陽電池セルおよび配線シートを用いた場合、配線シート付き太陽電池セルを作製する際に、配線シート付き太陽電池セルを構成する配線シート10の行方向および列方向に隣り合う裏面電極型太陽電池セル20として、裏面電極およびアライメントマークが同じパターン(配置)を有するセルを、図5中の矢印に示すように一方向に並べて配置することが可能である。
【0078】
(太陽電池モジュール)
図9(a)および図9(b)に、本発明の太陽電池モジュールの一例の製造方法の一例を図解する模式的な断面図を示す。以下、図9(a)および図9(b)を参照して、上述のようにして作製された配線シート付き太陽電池セルを用いた本発明の太陽電池モジュールの一例の製造方法の一例について説明する。
【0079】
まず、図9(a)に示すように、配線シート付き太陽電池セルの裏面電極型太陽電池セル側に第1の透明樹脂31aと透明基板33とを設置するとともに、配線シート付き太陽電池セルの配線シート側に第2の透明樹脂31bと裏面保護シート32とを設置する。ここで、配線シート付き太陽電池セルとしては、上述のようにして複数の太陽電池セルを電気的に接続して作製された配線シート付き太陽電池セルの他、複数の分割された配線シート付き太陽電池セルを電気的に接続して作製された配線シート付き太陽電池セルを用いてもよい。
【0080】
次に、第1の透明樹脂31aを配線シート付き太陽電池セルの各裏面電極型太陽電池セルに圧着させるとともに、第2の透明樹脂31bを配線シート付き太陽電池セルの配線シートに圧着させた状態で加熱処理することによって、第1の透明樹脂31aと第2の透明樹脂31bとを一体化させて硬化させる。これにより、図9(b)に示すように、第1の透明樹脂31aと第2の透明樹脂31bとが一体化してなる封止材31中に上記の配線シート付き太陽電池セルが封止されてなる本発明の太陽電池モジュールが作製される。
【0081】
図9(b)に示す太陽電池モジュールにおいては、封止材31の伸縮力によって裏面電極型太陽電池セルが配線シートに強く圧着され、裏面電極型太陽電池セルの第1導電型用電極ライン24と配線シートの第1配線12との圧着および裏面電極型太陽電池セルの第2導電型用電極ライン25と配線シートの第2配線13との圧着がそれぞれ強化されて、個々の裏面電極型太陽電池セルの電極と配線シートの配線との間に良好な電気的接続が得られることになる。
【0082】
ここで、配線シート付き太陽電池セルを封止材31中に封止するための圧着および加熱処理は、たとえばラミネータと呼ばれる真空圧着および加熱処理を行なう装置などを用いて行なうことができる。たとえばラミネータにより第1の透明樹脂31aおよび第2の透明樹脂31bを熱変形させ、第1の透明樹脂31aおよび第2の透明樹脂31bを熱硬化させることにより、これらの透明樹脂が一体化されて封止材31が形成され、封止材31中に上記の配線シート付き太陽電池セルが包み込まれるようにして封止されることになる。
【0083】
なお、真空圧着とは、大気圧よりも減圧した雰囲気下で圧着させる処理のことである。ここで、圧着方法として真空圧着を用いた場合には、第1の透明樹脂31aと第2の透明樹脂31bとの間に空隙が形成されにくくなり、第1の透明樹脂31aと第2の透明樹脂31bとを一体化して形成された封止材31中に気泡が残留しにくくなる傾向にある点で好ましい。また、真空圧着を用いた場合には、裏面電極型太陽電池セルと配線シートとの間の均一な圧着力の確保に有利となる傾向にもある。
【0084】
ここで、透明基板33としては、太陽光に対して透明な基板であれば特に限定なく用いることができ、たとえば、ガラス基板などを用いることができる。
【0085】
また、第1の透明樹脂31aおよび第2の透明樹脂31bとしては、太陽光に対して透明な樹脂を特に限定なく用いることができる。なお、第1の透明樹脂31aと第2の透明樹脂31bとはそれぞれ同一種類の透明樹脂を用いてもよく、異なる種類の透明樹脂を用いてもよい。
【0086】
また、上記の配線シート付き太陽電池セルを封止材31中に封止する際の加熱処理は、第1の透明樹脂31aおよび第2の透明樹脂31bの融点により適宜調整すればよい。
【0087】
また、上記の電気的接続をより強固にまた確実なものとするために、たとえば非導電ペースト(NCP)や異方性導電ペースト(ACP)などの接着剤やはんだなどを用いることもできる。この場合、NCPはアライメントマークの観察を妨げないようにパターン塗布されるか、もしくは透明であることが望ましい。また、ACPやはんだは太陽電池セルの裏面電極および配線シートの配線の少なくとも一方に塗布されていることが望ましい。
【0088】
また、裏面保護シート32としては、封止材31の裏面を保護することができるものであれば特に限定なく用いることができ、たとえば従来から用いられているPETなどの耐候性フィルムを用いることができる。
【0089】
また、封止材31中への水蒸気や酸素の透過を十分に抑制して長期的な信頼性を確保する観点から、裏面保護シート32は、たとえばアルミニウムなどの金属フィルムを含んでいても良い。
【0090】
また、太陽電池モジュールの端面などの裏面保護シート32を密着させることが難しい部分にはたとえばブチルゴムテープなどの水分透過防止テープを用いて完全に密着させることもできる。
【0091】
また、上記のようにして作製された本発明の太陽電池モジュールの一例においては、たとえばアルミニウム合金などからなるフレームが太陽電池モジュールの外周を取り囲むようにして取り付けられていてもよい。
【0092】
(他の構成および作用)
本発明の配線シート、配線シート付き太陽電池セルおよび太陽電池モジュールはそれぞれ上記の構成に限定されず、様々な構成にすることができることは言うまでもない。たとえば、太陽電池セルの一方の面側に設けられるアライメントマークが、第1導電型用電極の端部の延長上の位置に設けられ、対応する配線シートの開口部が第1配線に備えられていてもよい。
【0093】
また、本発明の配線シート付き太陽電池セルおよび太陽電池モジュールにおいて、太陽電池セルおよび配線シートの電気的接続はそれぞれ、全て直列の場合について説明したが、直列、並列、または直列と並列とを組み合わせた電気的接続としてもよい。
【0094】
以上のように、本発明の裏面電極型太陽電池セルは、上記少なくとも4つのアライメントマークを有するので、電流方向が互いに反対となる太陽電池ストリング列を有する配線シート付き太陽電池セルの製造において、太陽電池セルを列ごとに反転(回転)させる必要がない。また、少なくとも2つのアライメントマークを配線シートの配線と重ならない配置として、配線シートの開口部を介してアライメントマークを観測することで、太陽電池セルと配線シートとの回転方向のずれも防止することができる。
【0095】
本発明においては、裏面電極型太陽電池セルまたは配線シートの配線に所定の開口部を有し、配線シートの開口部を介して裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの少なくとも一部を認識できるように設けられているので、1つの観測装置によりこれらのアライメントマークおよび開口部を同時に観測することができる。その結果、太陽電池セルと配線シートとの位置合わせを良好に行なうことができ、また、信頼性の高い配線シート付き太陽電池セルおよび太陽電池モジュールを提供することができる。
【0096】
<実施の形態2>
本実施の形態2は、太陽電池セルの裏面に、第2導電型用電極の位置合わせのための4つの第2導電型用アライメントマークがそれぞれ異なる電極ラインに設けられ、配線シートに設けられる開口部の配置がアライメントマークの配置に対応して異なる以外は、実施の形態1と同様であり、上記実施の形態1と重複する部分についてはその説明は繰り返さない。
【0097】
(裏面電極型太陽電池セルにおけるアライメントマーク)
図6(a)に本実施の形態2の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図を示す。図6(a)は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つの太陽電池セル20の裏面に相当し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。
【0098】
本実施の形態2において、太陽電池セル裏面には第2導電型用電極の位置合わせのための4つの第2導電型用のアライメントマークを含む。
【0099】
上記4つの第2導電型用アライメントマークのうちの2つの第2導電型用アライメントマークaとアライメントマークcとは、複数の第2導電型用電極ラインのうちの任意の2つの第2導電型用電極ラインの一方の端部を、この第2導電型用電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセルの内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられる。また、上記4つの第2導電型用アライメントマークのうちの他方の2つの第2導電型用アライメントマークbとアライメントマークdとは、上記第2導電型用アライメントマークaおよびアライメントマークcを設けるスペースの形成のために、端部を内側に位置させた第2導電型用電極ラインとは異なる第2導電型用電極ラインの、上記第2導電型用アライメントマークaおよびアライメントマークcとは反対側の電極ラインの端部を、この第2導電型用電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型用電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセルの内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている。
【0100】
図6(a)に、第2導電型用電極の位置合わせのためのアライメントマークが4つ設けられた太陽電池セルの裏面の模式図を示すが、本発明におけるアライメントマークはこのような形態に限られない。すなわち、たとえば第1導電型用電極の位置合わせのための4つの第1導電型用アライメントマークを有する態様としてもよい。また、アライメントマークは少なくとも4つ設けられるので、上記第2導電型用電極の位置合わせのための第2導電型用アライメントマークの他に、第1導電型用電極の位置合わせのための第1導電型用アライメントマークを1以上備る態様や、さらに第2導電型用電極の位置合わせのための第2導電型用アライメントマークが設けられていてもよい。少なくとも4つあれば、十分に精度よく位置合わせを行なうことができる。
【0101】
このようなアライメントマークの配置は、セルの裏面の電極およびアライメントマークの形状および配置だけを考慮した際に、同一平面内で、電極パターンの中心に関して点対称の位置や形状とならない配置または形状とすることが望ましい。このような配置または形状とすることで、配線シートに太陽電池セルを載置する工程において、太陽電池セルが同一平面内で回転した場合には、アライメントマークが観測できない、または観測するアライメントマークの形状がその他の観測されている形状と異なるので、セルの配置の誤りが明確となり、そのままの状態で配線シートと位置合わせをしてしまうことを防ぐことができる。
【0102】
上記アライメントマークの形状は、図6(a)に示すように円形であってもよく、三角や四角形状であってもよい。また、列L1で観測されるアライメントマークと列L2で観測されるアライメントマークとが相異なる形状であってもよい。このように列ごとに異なる形状のアライメントマークが観測されるようにすることで、観測するアライメントマークのチェックによって、配線シートに載置するセルの方向が所望の方向であることを確認することができる。
【0103】
(配線シートにおける開口部)
図6(b)に、本実施の形態2における配線シートの一例の平面模式図を示す。図6(b)は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つのセル配置部に対応する配線パターンを示し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。図6(b)においては配線シートを構成する配線材のみを示す。1つのセル配置部に相当する配線材に2つの開口部が設けられる。第2配線に含まれる複数の櫛歯形状部の少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、両側の櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されて、配線長の一部を欠いた異形状部13aが2箇所設けられている。この形状の配線端の異形状部13aにより裏面電極型太陽電池セルに備えられたアライメントマークを認識できる開口部が形成されている。また、太陽電池セル裏面のアライメントマークをより認識し易くするために、図4(b)と同様、配線端の異形状部13aの両隣に位置する列の配線に湾曲部形状である異形状部12bが形成されていてもよい。
【0104】
本実施の形態2においても、上記開口部を有する第1配線12および第2配線13からなる配線パターンは、配線シート全体の少なくとも1つのセル配置部19に対応する配線パターンに備えられていればよく、2以上のセル配置部19に対応する配線パターンや、配線シート全体において設けられていてもよい。
【0105】
(裏面電極型太陽電池セルおよび配線シートのアライメント)
上記アライメントマークを有する裏面電極型太陽電池セル(図6(a))および開口部を有する配線シート(図6(b))は、図6(c)に示すように、配線シートに設けられた開口部から裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの一部が認識できるように重ね合わせられる。
【0106】
たとえば、図3の矢印Aの方向に相当する位置から透過光による透過画像を用いて観測して、図6(c)に示すように、配線シートの列L1の異形状部13aおよび異形状部12bからなる開口部を介して、裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークaおよびアライメントマークcが認識される。配線シートの列L2の異形状部13aおよび異形状部12bからなる開口部をとおして、裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークbおよびアライメントマークdが認識される。このように配置することによって、アライメントの誤差が50μm以下である配線シート付き太陽電池セルが形成される。
【0107】
上記のように配線シートに設けられた開口部を介して裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの少なくとも一部が認識できるようにアライメントマークおよび開口部を設けることによって、1つの観測領域において太陽電池セル裏面のアライメントマークおよび配線シートの開口部の両方を観測することができる。
【0108】
以上のように、本発明の裏面電極型太陽電池セルは、上記少なくとも4つのアライメントマークを有するので、電流方向が互いに反対となる太陽電池ストリング列を有する配線シート付き太陽電池セルの製造において、太陽電池セルを列ごとに反転(回転)させる必要がない。また、少なくとも2つのアライメントマークを配線シートの配線と重ならない配置として、配線シートの開口部を介してアライメントマークを観測することで、太陽電池セルと配線シートとの回転方向のずれも防止することができる。
【0109】
また、太陽電池モジュールの製造において、太陽電池セルを配線シートに配置する際に、図5に示すように隣り合う列の太陽電池セルを一方向に保つことができるので、製造効率を向上させることができる。
【0110】
さらに、本実施の形態2においては、1つの電極ラインの両端のそれぞれにアライメントマークを設けなくてもよいので、セルや配線シートの設計に合わせて適宜電極ラインを選択すればよく、選択幅が実施の形態1に比べて広いものとなる。
【0111】
<実施の形態3>
本実施の形態3は、太陽電池セルの裏面に、第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークと、第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークとがそれぞれ異なる電極ラインに設けられ、配線シートに設けられる開口部の配置がアライメントマークの配置に対応して異なる以外は、実施の形態1と同様であり、上記実施の形態1と重複する部分についてはその説明は繰り返さない。
【0112】
(裏面電極型太陽電池セルにおけるアライメントマーク)
図7(a)に本実施の形態3の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図を示す。図7(a)は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つの太陽電池セル20の裏面に相当し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。
【0113】
本実施の形態3において、太陽電池セル裏面には第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークと、第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークとを含む。
【0114】
上記4つのアライメントマークのうち、第1導電型用のアライメントマークeとアライメントマークfとは、複数の第1導電型用電極ラインのうちの任意の2つの第1導電型用電極ラインの一方の端部を、この第1第導電型用電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセルの内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられる。第1導電型用のアライメントマークeとアライメントマークfとは、電極ライン端部の同じ端部側に設けられている。
【0115】
また、上記4つのアライメントマークのうち、第2導電型用のアライメントマークaとアライメントマークcとは、複数の第2導電型用電極ラインのうちの任意の2つの第2導電型用電極ラインの一方の端部を、この第2導電型用電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセルの内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられる。第2導電型用のアライメントマークaとアライメントマークcとは、上記第1導電型用のアライメントマークと同じ端部側に設けられている。
【0116】
図7(a)には、本実施の形態3における裏面電極型太陽電池セルの裏面の模式図を示すが、本発明におけるアライメントマークはこのような形態に限られない。すなわち、アライメントマークは少なくとも4つ設けられるので、上記第1導電型用アライメントマークおよび第2導電型用アライメントマークの他に、さらに第1導電型用電極の位置合わせのための第1導電型用アライメントマークを1以上備る態様や、第2導電型用電極の位置合わせのための第2導電型用アライメントマークがさらに設けられていてもよい。少なくとも4つあれば、十分に精度よく位置合わせを行なうことができる。
【0117】
図7(a)においては、第1導電型用アライメントマークと第2導電型用アライメントマークとが隣接する電極列上の端部に位置しているが、このような形態に限られず、隣り合わない電極列上の同じ方向の端部に存在してもよい。
【0118】
このようなアライメントマークの配置は、セルの裏面の電極およびアライメントマークの形状および配置だけを考慮した際に、同一平面内で、電極パターンの中心に関して点対称の位置や形状とならない配置または形状とすることが望ましい。このような配置または形状とすることで、配線シートに太陽電池セルを載置する工程において、太陽電池セルが同一平面内で回転した場合には、アライメントマークが観測できない、または観測するアライメントマークの形状がその他の観測されている形状と異なるので、セルの配置の誤りが明確となり、そのままの状態で配線シートと位置合わせをしてしまうことを防ぐことができる。
【0119】
上記アライメントマークの形状は、図7(a)に示すように円形であってもよく、三角や四角形状であってもよい。また、第1導電型用アライメントマークと第2導電型用アライメントマークとが相異なる形状であったり、列L1で観測されるアライメントマークと列L2で観測されるアライメントマークとが相異なる形状であってもよい。このように導電型ごと、または列ごとに異なる形状のアライメントマークが観測されるようにすることで、観測するアライメントマークのチェックによって、配線シートに載置するセルの方向や電極の極性を確認することができ、セルの電極配置のずれなどを回避することができる。
【0120】
(配線シートにおける開口部)
図7(b)に、本実施の形態3における配線シートの一例の平面模式図を示す。図7(b)は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つのセル配置部に対応する配線パターンを示し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。
【0121】
図7(b)においては配線シートを構成する配線材のみを示す。1つのセル配置部に相当する配線材に2つの開口部が設けられる。列L1においては第2配線に含まれる複数の櫛歯形状部の少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、その両側の櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されて、配線長の一部を欠いた異形状部13aが2箇所設けられている。この形状の配線端の異形状部13aにより裏面電極型太陽電池セルに備えられたアライメントマークを認識できる開口部が形成されている。また、太陽電池セル裏面のアライメントマークをより認識し易くするために、図4(b)と同様、配線端の異形状部13aの両隣に位置する列の配線に湾曲部形状である異形状部12bが形成されていてもよい。
【0122】
また、列L2においては第1配線に含まれる複数の櫛歯形状部の少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、その両側に位置する櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されて、配線長の一部を欠いた異形状部12aが2箇所設けられている。この形状の配線端の異形状部12aにより裏面電極型太陽電池セルに備えられたアライメントマークを認識できる開口部が形成されている。また、太陽電池セル裏面のアライメントマークをより認識し易くするために、図4(b)と同様、配線端の異形状部12aの両隣に位置する列の配線に湾曲部形状である異形状部13bが形成されていてもよい。
【0123】
本実施の形態3においても、上記開口部を有する第1配線12および第2配線13からなる配線パターンは、配線シート全体の少なくとも1つのセル配置部19に対応する配線パターンに備えられていればよく、2以上のセル配置部19に対応する配線パターンや、配線シート全体において設けられていてもよい。
【0124】
(裏面電極型太陽電池セルおよび配線シートのアライメント)
上記アライメントマークを有する裏面電極型太陽電池セル(図7(a))および開口部を有する配線シート(図7(b))は、図7(c)に示すように、配線シートに設けられた開口部から裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの一部が認識できるように重ね合わせられる。
【0125】
たとえば、図3の矢印Aの方向に相当する位置から透過光による透過画像を用いて観測して、図7(c)に示すように、配線シートの列L1の異形状部13aおよび異形状部12bからなる開口部を介して、裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークaおよびアライメントマークcが認識される。配線シートの列L2の異形状部12aおよび異形状部13bからなる開口部をとおして、裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークeおよびアライメントマークfが認識される。このように配置することによって、アライメントの誤差が50μm以下である配線シート付き太陽電池セルが形成される。
【0126】
上記のように配線シートに設けられた開口部を介して裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの少なくとも一部が認識できるようにアライメントマークおよび開口部を設けることによって、1つの観測領域において太陽電池セル裏面のアライメントマークおよび配線シートの開口部の両方を観測することができる。
【0127】
以上のように、本発明の裏面電極型太陽電池セルは、上記少なくとも4つのアライメントマークを有するので、電流方向が互いに反対となる、太陽電池ストリング列を有する配線シート付き太陽電池セルの製造において、太陽電池セルを列ごとに反転(回転)させる必要がない。また、少なくとも2つのアライメントマークを配線シートの配線と重ならない配置として、配線シートの開口部を介してアライメントマークを観測することで、太陽電池セルと配線シートとの回転方向のずれも防止することができる。
【0128】
また、太陽電池モジュールの製造において、太陽電池セルを配線シートに配置する際に、図5に示すように隣り合う列の太陽電池セルを一方向に保つことができるので、製造効率を向上させることができる。
【0129】
さらに、本実施の形態3においては、実施の形態2と同様に、1つの電極ラインの両端のそれぞれにアライメントマークを設けなくてもよいので、セルや配線シートの設計に合わせて適宜電極ラインを選択すればよく、選択幅が実施の形態1に比べて広いものとなる。
【0130】
上記実施の形態3の態様においては、第1導電型と第2導電型の両方の導電型電極ラインにアライメントマークを設けるので、有効な電極長が両方の導電型で同じ長さとなり、発電効率をより向上させることができる。その他、本実施の形態3では、図7(a)のように異なる導電型用のアライメントマークを、電極ラインの同じ側の端部に設けるので、たとえばアライメントマークaとアライメントマークeという異なる導電型の一対のアライメントマークを近い位置に配置することが可能となる(一方の導電型のアライメントマークを設ける場合は、必ず間に他の導電型の電極ラインが存在するので、この状態に比べて一対のアライメントマークが近くに位置することとなる)。このような配置の場合は、配線シートの開口部を介して観測するアライメントマークの位置が列ごとに大きく変化しないので、すなわち、例えば図7(a)では、上記一対のアライメントマークは隣り合う電極ライン上に配置されていることになり、列L1と列L2とで観測位置自体はほとんど変わらないので、観測装置の観測領域の固定ができ、位置合わせ装置の簡易化および高精度化に有効である。
【0131】
<実施の形態4>
本実施の形態4は、太陽電池セルに設けられるアライメントマークが、第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークと、第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークとがそれぞれ異なる電極列に設けられ、配線シートに設けられる開口部の配置が異なる以外は、実施の形態1と同様であり、上記実施の形態1と重複する部分についてはその説明は繰り返さない。
【0132】
(裏面電極型太陽電池セルにおけるアライメントマーク)
図8(a)に本実施の形態4の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図を示す。図8(a)は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つの太陽電池セル20の裏面に相当し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。
【0133】
本実施の形態4において、太陽電池セルには第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用のアライメントマークと、第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用のアライメントマークとの4つのアライメントマークを含む。
【0134】
上記2つの第1導電型用アライメントマークのうちの一方の第1の第1導電型用アライメントマークeは、複数の第1導電型用電極ラインのうちの任意の1つの第1導電型用電極ラインの一方の端部を、この第1導電型用電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセルの内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられる。また、上記2つの第1導電型用アライメントマークのうちの他方の第2の第1導電型用アライメントマークgは、上記第1の第1導電型用アライメントマークとは反対側の端部であって、上記複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの上記第1導電型用電極ラインの一方の端部を、この第1導電型用電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型用電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセルの内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられる。なお、第1の第1導電型用アライメントマークと第2の第1導電型用アライメントマークとは異なる電極ラインの延長線上に設けられる。
【0135】
また、上記2つの第2導電型用アライメントマークのうちの一方の第1の第2導電型用アライメントマークaは、複数の第2導電型用電極ラインのうちの任意の1つの第2導電型用電極ラインの一方の端部を、この第2導電型用電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセルの内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられる。また、上記2つの第2導電型用アライメントマークのうちの他方の第2の第2導電型用アライメントマークdは、上記第1の第2導電型用アライメントマークとは反対側の端部であって、上記複数の第2導電型用電極ラインのうちの1つの上記第2導電型用電極ラインの一方の端部を、この第2導電型用電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型用電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセルの内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられる。なお、第1の第2導電型用アライメントマークと第2の第2導電型用アライメントマークとは異なる電極ラインの延長線上に設けられる。
【0136】
図8(a)においては、第1導電型用アライメントマークと第2導電型用アライメントマークとが隣接する電極列上の端部に位置しているが、このような形態に限られず、隣り合わない電極列上の同じ方向の端部に存在してもよい。
【0137】
このようなアライメントマークの配置は、セルの裏面の電極およびアライメントマークの形状および配置だけを考慮した際に、同一平面内で、電極パターンの中心に関して点対称の位置や形状とならない配置または形状とすることが望ましい。このような配置または形状とすることで、配線シートに太陽電池セルを載置する工程において、太陽電池セルが同一平面内で回転した場合には、アライメントマークが観測できない、または観測するアライメントマークの形状がその他の観測されている形状と異なるので、セルの配置の誤りが明確となり、そのままの状態で配線シートと位置合わせをしてしまうことを防ぐことができる。
【0138】
上記アライメントマークの形状は、図8(a)に示すように円形であってもよく、三角や四角形状であってもよい。また、第1導電型用アライメントマークと第2導電型用アライメントマークとが相異なる形状であったり、列L1で観測されるアライメントマークと列L2で観測されるアライメントマークとが相異なる形状であってもよい。このように導電型ごと、または列ごとに異なる形状のアライメントマークが観測されるようにすることで、観測するアライメントマークのチェックによって、配線シートに載置するセルの方向や電極の極性を確認することができ、セルの電極配置のずれなどを回避することができる。
【0139】
(配線シートにおける開口部)
図8(b)に、本実施の形態4における配線シートの一例の平面模式図を示す。図8(b)は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つのセル配置部に対応する配線パターンを示し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。
【0140】
図8(b)においては配線シートを構成する配線材のみを示す。1つのセル配置部に相当する配線材に2つの開口部が設けられる。第1配線に含まれる複数の櫛歯形状部の少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、両側の櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されて、配線長の一部を欠いた異形状部12aが構成され、第2配線に含まれる複数の櫛歯形状部の少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、両側の櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されて、配線長の一部を欠いた異形状部13aが構成されている。この形状の配線端の異形状部12aおよび配線端の異形状部13aにより裏面電極型太陽電池セルに備えられたアライメントマークを認識できる開口部が形成されている。また、太陽電池セル裏面のアライメントマークをより認識し易くするために、図4(b)と同様、配線端の異形状部12aおよび配線端の異形状部13aのそれぞれの両隣に位置する列の配線に湾曲部形状である異形状部13bおよび湾曲部形状である異形状部12bが形成されていてもよい。
【0141】
本実施の形態4においても、上記開口部を有する第1配線12および第2配線13からなる配線パターンは、配線シート全体の少なくとも1つのセル配置部19に対応する配線パターンに備えられていればよく、2以上のセル配置部19に対応する配線パターンや、配線シート全体において設けられていてもよい。
【0142】
(裏面電極型太陽電池セルおよび配線シートのアライメント)
上記アライメントマークを有する裏面電極型太陽電池セル(図8(a))および開口部を有する配線シート(図8(b))は、図8(c)に示すように、配線シートに設けられた開口部から裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの一部が認識できるように重ね合わせられる。
【0143】
たとえば、図3の矢印Aの方向に相当する位置から透過光による透過画像を用いて観測して、図8(c)に示すように、配線シートの列L1の異形状部13aおよび異形状部12bからなる開口部を介して、裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークaが認識され、配線端の異形状部12aおよび異形状部13bからなる開口部を介して裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークgが認識される。配線シートの列L2の異形状部12aおよび異形状部13bからなる開口部をとおして、裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークeが認識され、配線シートの配線端の異形状部13aおよび異形状部12bからなる開口部を介して裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークdが認識される。このように配置することによって、アライメントの誤差が50μm以下である配線シート付き太陽電池セルが形成される。
【0144】
上記のように配線シートに設けられた開口部を介して裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの少なくとも一部が認識できるようにアライメントマークおよび開口部を設けることによって、1つの観測領域において太陽電池セル裏面のアライメントマークおよび配線シートの開口部の両方を観測することができる。
【0145】
また、太陽電池モジュールの製造において、太陽電池セルを配線シートに配置する際に、図5に示すように隣り合う列の太陽電池セルを一方向に保つことができるので、製造効率を向上させることができる。
【0146】
以上のように、本発明の裏面電極型太陽電池セルは、上記少なくとも4つのアライメントマークを有するので、電流方向が互いに反対となる太陽電池ストリング列を有する配線シート付き太陽電池セルの製造において、太陽電池セルを列ごとに反転(回転)させる必要がない。また、少なくとも2つのアライメントマークを配線シートの配線と重ならない配置として、配線シートの開口部を介してアライメントマークを観測することで、太陽電池セルと配線シートとの回転方向のずれも防止することができる。
【0147】
さらに、本実施の形態4においては、実施の形態2および3と同様に、1つの電極ラインの両端のそれぞれにアライメントマークを設けなくてもよいので、セルや配線シートの設計に合わせて適宜電極ラインを選択すればよく、選択幅が実施の形態1に比べて広いものとなる。
【0148】
また、上記実施の形態3と同様に、異なる導電型の一対のアライメントマークを近い位置に配置することが可能となるので、配線シートの開口部を介して観測するアライメントマークの位置が列ごとに大きく変化せず、観測装置の観測領域の固定ができるので、位置合わせ装置の簡易化および高精度化に有効である。
【0149】
本実施の形態4の態様においては、第1導電型と第2導電型の両方の導電型電極ラインにアライメントマークを設けるので、有効な電極長が両方の導電型で同じ長さとなり、発電効率をより向上させることができる。その他、本実施の形態4では、図8(a)のように異なる導電型用のアライメントマークを、電極ラインの異なる側の端部に設けるので、配線シートの開口部を介して観測できるアライメントマークが、電極ラインの両端側に1つずつ備えられていることになり、1つの裏面電極型太陽電池セルにおいて観測する2つのアライメントマーク間の距離を、同じ端側の電極ラインに設けるよりも長くすることができ、たとえば、セルの対角近傍での位置合わせを行なうことができるようになる。この場合、電極ラインの同じ端側にある2つのアライメントマークを観測する場合(セルの辺側での位置合わせ)に比べて、より精度の高い位置合わせができることになる。
【0150】
<実施の形態5>
本実施の形態5は、第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークと、第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークとが設けられる上記スペースが、複数の電極ラインにより形成される以外は、実施の形態4と同様であり、上記実施の形態4と重複する部分についてはその説明は繰り返さない。
【0151】
(裏面電極型太陽電池セルにおけるアライメントマーク)
図10に本実施の形態5の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図を示す。図10は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つの太陽電池セル20の裏面に相当し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。
【0152】
本実施の形態5において、太陽電池セルには第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用のアライメントマークと、第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用のアライメントマークとの4つのアライメントマークを含む。
【0153】
上記2つの第1導電型用アライメントマークと上記2つの第2導電型用アライメントマークとは、それぞれ2以上の電極ラインにより形成されるスペースに設けられている。図10においては、第1の第1導電型用アライメントマークaは、複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインおよび該第1導電型用電極ラインの両側に配置された第2導電型用電極ラインの端部の一方を、これらの電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成された上記領域内のスペースに設けられている。すなわち、連続する3本の電極ラインの一方端にスペースが設けられている状態となる(図10および図10のアライメントマーク部分の拡大図である図11(a))。
【0154】
同様に、第2の第1導電型用アライメントマークdは、上記第1の第1導電型用アライメントマークaが設けられるのとは異なる電極ラインの端部の一方であって、複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインおよび該第1導電型用電極ラインの両側に配置された第2導電型用電極ラインの端部の一方を、これらの電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成された上記領域内のスペースに設けられている。上記第1の第1導電型用アライメントマークaと同様に、連続する3本の電極ラインの一方端によりスペースが設けられている状態となる(図10および図10のアライメントマーク部分の拡大図である図11(b))。
【0155】
上記2つの第2導電型用アライメントマークを構成する第1の第2導電型用アライメントマークcと第2の第2導電型用アライメントマークbとは、第2導電型用電極ラインの互いに異なる端部側であって、それぞれ複数の第2導電型電極ラインのうちの1つの第2導電型電極ラインおよび該第2導電型用電極ラインの両側に配置された第1導電型用電極ラインの両端部の一方を、これらの電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成された上記領域内のスペースに設けられている。すなわち、第1の第2導電型用アライメントマークcと第2の第2導電型用アライメントマークbとは、連続する3本の電極ラインの一方端にスペースが設けられている状態となる。
【0156】
また、本発明においては、第1の第1導電型用アライメントマークと第1の第2導電型用アライメントマークとを設けるスペースとは無関係な電極ラインの両端部の少なくとも一方を欠いた形状としてもよい。図10においては、6本の連続する電極ラインによりスペースが形成されている。
【0157】
本実施の形態5においては、第1の第2導電型用アライメントマークcと第2の第2導電型用アライメントマークbとは、電極ラインよりも幅広い形状を有する。このように、アライメントマークが電極ラインよりも幅広い形状を有する場合はより識別力を向上させることができるので好ましい。ただし、このようにアライメントマークの幅が電極ラインよりも幅広い場合は、上記実施の形態1〜4のように1つの電極ラインの端部をセルの内側に位置させることにより形成されたスペースにアライメントマークを設けると、隣接する電極ラインとの距離が短くなるために、マイグレーションが発生する虞があるので、本実施の形態のように複数の電極ラインにより形成されたスペースにアライメントマークを設けることが好ましい。このような、電極ラインとアライメントマークの幅との関係は、これら電極ラインとアライメントマークを形成する際の精度や観測装置の精度などにより、複数の電極ラインとするか1つの電極ラインとするかを適宜変更すればよい。
【0158】
図10においては、第1導電型用アライメントマークと第2導電型用アライメントマークとは電極ラインの配列が連続する位置に設けられているが、このような形態に限られず、連続しない電極ラインの配列上に存在してもよい。
【0159】
(配線シートにおける開口部)
図12に、本実施の形態5における配線シートの一例の平面模式図を示す。図12は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つのセル配置部に対応する配線パターンを示し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。配線シートは、絶縁性基材と、絶縁性基材の表面上に設置された配線材とを有し、図12においては配線材のみを示す。
【0160】
図12において、第1配線に含まれる複数の櫛歯形状部の少なくとも3つの櫛歯形状部の先端が、両側の櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されて、配線長の一部を欠いた異形状部12aが構成されている。また、第2配線に含まれる複数の櫛歯形状部の少なくとも3つの櫛歯形状部13の先端が、両側の櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されて、配線長の一部を欠いた異形状部13aが構成されている。この形状の配線端の異形状部12aおよび配線端の異形状部13aにより裏面電極型太陽電池セルに備えられたアライメントマークを認識できる開口部が形成されている。また、太陽電池セル裏面のアライメントマークをより認識し易くするために、配線端の異形状部13aのいずれか1つの両隣に位置する列の配線に湾曲部形状である異形状部12bが形成されていてもよく、異形状部12aのいずれか1つの両隣に位置する列の一方の配線に湾曲部形状である異形状部12aと凸状の異形状部13cとを形成した態様としてもよい。
【0161】
本実施の形態においては、裏面電極型太陽電池セルは連続する6本の電極ラインが、これらの電極ラインの端部に配置された電極ラインの端部よりもセル内側に位置するようにスペースが形成されている。他方、配線シートにおいては、上記太陽電池セルのアライメントマークが設けられるスペースに対応する位置の3つの配線パターンの配線長の一部を欠いた異形状部となっている。このような構成とする場合は、配線長がその他の同形状部分と同じ部分において、セルに設けられた第1導電型用電極または第2導電型用電極との接続を確保することができるので、電流取り出し効率の点から好ましい。
【0162】
(裏面電極型太陽電池セルおよび配線シートのアライメント)
上記アライメントマークを有する裏面電極型太陽電池セル(図10)および開口部を有する配線シート(図12)は、図13に示すように、配線シートに設けられた開口部から裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの一部が認識できるように重ね合わせられる。たとえば、図3の矢印Aの方向に相当する位置から透過光による透過画像を用いて観測して、図13、図13のアライメントマーク部分の拡大図である図14(a)、図14(b)、図14(c)および図14(d)に示すように、配線シートのある列(列L2に対応、図14(b))の異形状部13aからなる開口部をとおして、裏面電極型太陽電池セルの裏面の第1導電型用アライメントマークaが認識され、別の列(列L1に対応)の配線端の異形状部13aおよび湾曲部形状である異形状部12bからなる開口部を介して裏面電極型太陽電池セルの裏面の第2導電型用アライメントマークcが認識される(図14(a))。配線シートのある列(列L2に対応、図14(d))の異形状部12aおよび湾曲部形状である異形状部13bおよび異形状部13cからなる開口部をとおして、裏面電極型太陽電池セルの裏面の第1導電型用アライメントマークdが認識され、別の列(列L1に対応)の配線端の異形状部12aからなる開口部を介して裏面電極型太陽電池セルの裏面の第2導電型用アライメントマークbが認識される(図14(c))。このように配置することによって、アライメントの誤差が50μm以下である配線シート付き太陽電池セルが形成される。なお、図14において絶縁性基板および半導体基板は図示していない。
【0163】
上記のように配線シートに設けられた開口部を介して裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの少なくとも一部が認識できるようにアライメントマークおよび開口部を設けることによって、1つの観測領域において太陽電池セル裏面のアライメントマークおよび配線シートの開口部の両方を観測することができる。
【0164】
本実施の形態5のような開口部を設けると、アライメントマークの幅を電極ラインよりも幅広くすることができるので、アライメントマークの識別がしやすくなる。また、複数の電極ライン分のスペースを形成し、そこにアライメントマークを設けるので、アライメントマークと隣接する電極ラインとの距離が短くならず、短絡やマイグレーションが起こる虞がない。配線シートの開口部に隣り合う配線が湾曲した形状部を備えるので、アライメントマークと隣接する配線との距離が短くならず、短絡やマイグレーションが起こる虞がないので好ましい。
【0165】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、上述の各実施の形態の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
【0166】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本発明によれば、太陽電池モジュールの出力効率および製造効率を向上させることができる裏面電極型太陽電池セル、配線シート、配線シート付き太陽電池セルおよび太陽電池モジュールを提供することができる。
【符号の説明】
【0168】
10 配線シート、11 絶縁性基板、12 第1配線、13 第2配線、15 観測装置、16 配線材、19 セル配置部、20 裏面電極型太陽電池セル、21 半導体基板、22 第1導電型不純物拡散領域、23 第2導電型不純物拡散領域、24 第1導電型用電極ライン、25 第2導電型用電極ライン、a,b,c,d,e,f,g アライメントマーク、12a,12b,13a,13b,13c 異形状部、26 パッシベーション膜、27 反射防止膜、31 封止材、31a 第1の透明樹脂、31b 第2の透明樹脂、32 裏面保護シート、33 透明基板、100 配線シート付き太陽電池セル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、裏面電極型太陽電池セル、配線シート、配線シート付き太陽電池セル、太陽電池モジュール、および配線シート付き太陽電池セルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の太陽電池セルを接続して太陽電池パネルなどの太陽電池モジュールを製造する際に、従来の太陽電池モジュールは、各太陽電池セルに接続されたインターコネクタ同士を接続することによって、一般的に全ての太陽電池セルを直列に接続していた。また、近年、各太陽電池セルを配線シートを用いて接続する方法が提案されている。
【0003】
このような方法として、特許文献1には、複数の太陽電池セルを一列で直列に接続した太陽電池ストリングにおいて、配線シートに裏面電極型の太陽電池セルを配置して、配線シートにより各太陽電池セル間を電気的に接続する方法が開示されている。また、特許文献2には配線シートに設けたスリットパターンを用いて太陽電池セルの裏面電極と配線シートの配線との位置合わせを行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−340362号公報
【特許文献2】特開2009−88145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示される方法では、太陽電池セルをマトリクス状に配置すべく複数の太陽電池ストリングを並べて、太陽電池ストリング間を直列接続する場合は、隣接する太陽電池ストリング間で電流の向きが反対となるために太陽電池セルの向きを反転する必要があり、製造工程を複雑にする因子となっている。
【0006】
また、セルの裏面電極の微細化、狭ピッチ化の要求に伴い、より精度の高い太陽電池セルの裏面電極と配線シートの配線との位置合わせ方法が求められている。
【0007】
本発明は、太陽電池セルを反転させることなく配置すること、および、太陽電池セルの裏面電極と配線シートの配線との位置合わせを精度よく行なうことを両立する裏面電極型太陽電池セル、配線シート、配線シート付き太陽電池セル、太陽電池モジュール、および配線シート付き太陽電池セルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の裏面電極型太陽電池セルは、半導体基板の一方の面側に形成された第1導電型用電極と第2導電型用電極とを備え、半導体基板の上記一方の面側であって第1導電型用電極と第2導電型用電極とが形成される以外の領域に、少なくとも4つのアライメントマークを有することを特徴とする。
【0009】
上記裏面電極型太陽電池セルには、上記第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ラインを並べるように形成されており、上記第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ラインを並べるように形成されており、第1導電型用電極ラインと第2導電型用電極ラインとは、交互に配列されており、上記アライメントマークは、第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークを含み、該2つの第1導電型用アライメントマークは、複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインの両端部を、複数の第1導電型用電極ラインおよび複数の第2導電型用電極ラインのうちの別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている態様を含む。
【0010】
また、上記裏面電極型太陽電池セルには、第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ラインを並べるように形成されており、第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ラインを並べるように形成されており、第1導電型用電極ラインと第2導電型用電極ラインとは、交互に配列されており、上記アライメントマークは、第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークを含み、該2つの第2導電型用アライメントマークは、複数の第2導電型用電極ラインのうちの1つの第2導電型用電極ラインの両端部を、複数の第1導電型用電極ラインおよび複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている態様を含む。
【0011】
本発明の裏面電極型太陽電池セルには、第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ラインを並べるように形成されており、第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ラインを並べるように形成されており、第1導電型用電極ラインと第2導電型用電極ラインとは、交互に配列されており、上記アライメントマークは、第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークを含み、該2つの第1導電型用アライメントマークのうちの一方の第1の第1導電型用アライメントマークは、複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインの一方の端部を、複数の第1導電型用電極ラインおよび複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられており、上記2つの第1導電型用アライメントマークのうちの他方の第2の第1導電型用アライメントマークは、第1の第1導電型用アライメントマークとは反対側で、複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインの一方の端部を、複数の第1導電型用電極ラインおよび複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている態様を含む。
【0012】
さらに本発明の裏面電極型太陽電池セルは、第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ラインを並べるように形成されており、第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ラインを並べるように形成されており、第1導電型用電極ラインと第2導電型用電極ラインとは、交互に配列されており、上記アライメントマークは、第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークを含み、該2つの第2導電型用アライメントマークのうちの一方の第1の第2導電型用アライメントマークは、複数の第2導電型用電極ラインのうちの1つの第2導電型用電極ラインの一方の端部を、複数の第1導電型用電極ラインおよび複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられており、上記2つの第2導電型用アライメントマークのうちの他方の第2の第2導電型用アライメントマークは、第1の第2導電型用アライメントマークとは反対側で、複数の第2導電型用電極ラインのうちの1つの第2導電型用電極ラインの一方の端部を、複数の第1導電型用電極ラインおよび複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている態様を含む。
【0013】
上記アライメントマークは、上記裏面電極型太陽電池セルの電極材料により形成されることが好ましい。
【0014】
上記第1導電型用電極の位置合わせのための第1導電型用アライメントマークと上記第2導電型用電極の位置合わせのための第2導電型用アライメントマークとは、相異なる形状である態様が含まれる。
【0015】
また、本発明は、裏面電極型太陽電池セルを電気的に接続するための配線を備えた配線シートであって、上記配線は、同形状の同形状部を複数備えると共に、同形状部の一部を欠いたような異形状部を少なくとも2つ備える配線シートに関する。
【0016】
本発明の配線シートには、上記配線は、電気的に絶縁された第1配線と第2配線とを含み、第1配線および第2配線のそれぞれは、上記同形状部または上記異形状部に相当する複数の櫛歯形状部と、該複数の櫛歯形状部を接続する接続配線部とを含み、第1配線および第2配線に含まれる複数の櫛歯形状部のうちの少なくとも2つの櫛歯形状部の先端が、上記複数の櫛歯形状部のうちの別のいずれかの櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成された態様を含む。
【0017】
本発明の配線シートには、上記第1配線および上記第2配線のうちの一方に含まれる複数の櫛歯形状部のうちの少なくとも2つの櫛歯形状部の先端が、一方に含まれる複数の櫛歯形状部のうちの別のいずれかの櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されている態様を含む。
【0018】
また、本発明の配線シートには、第1配線に含まれる複数の櫛歯形状部のうちの少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、上記第1配線に含まれる複数の櫛歯形状部のうちの別のいずれかの櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成され、かつ第2配線に含まれる複数の櫛歯形状部の少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、上記第2配線に含まれる複数の櫛歯形状部のうちの別のいずれかの櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成された態様を含む。
【0019】
本発明は、上記いずれかの裏面電極型太陽電池セルまたは配線シートを備えた配線シート付き太陽電池セルに関する。
【0020】
本発明は、半導体基板の一方の面側に形成された第1導電型用電極および第2導電型用電極を有する裏面電極型太陽電池セルと、該裏面電極型太陽電池セルの電極を電気的に接続するための配線を有する配線シートとを備える配線シート付き太陽電池セルであって、裏面電極型太陽電池セルの上記一方の面側であって第1導電型用電極と第2導電型用電極とが形成される以外の領域に、少なくとも4つのアライメントマークを設け、裏面電極型太陽電池セルの少なくとも2つのアライメントマークが配線シートの配線と重ならない部分を備え、それ以外のアライメントマークが配線シートの配線に重なる部分を備える配線シート付き太陽電池セルに関する。
【0021】
また、本発明は、上記各態様の配線シート付き太陽電池セルを有する太陽電池モジュールに関する。
【0022】
さらに本発明は配線シート付き太陽電池セルの製造方法に関し、半導体基板の一方の面側に形成された第1導電型用電極および第2導電型用電極を有する裏面電極型太陽電池セルと、該裏面電極型太陽電池セルの電極を電気的に接続するための配線を有する配線シートとを備える配線シート付き太陽電池セルの製造方法であって、裏面電極型太陽電池セルの一方の面側であって第1導電型用電極と第2導電型用電極とが形成される以外の領域に設けられた、少なくとも4つのアライメントマークを用いて、裏面電極型太陽電池セルを配線シートに位置合わせして重ね合わせる工程を含むことを特徴とする。
【0023】
上記配線シート付き太陽電池セルの製造方法において、少なくとも2つのアライメントマークが配線シートの配線と重ならず、かつ、それ以外のアライメントマークが配線シートの配線に重なるように、裏面電極型太陽電池セルと配線シートとを位置合わせして重ね合わせる工程を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、裏面電極型の太陽電池セルに所定のアライメントマークを有し、また配線シートから裏面電極型太陽電池セルのアライメントマークを認識することができるので、太陽電池セルと配線シートとの位置合わせ(アライメント)を良好に行なうことができ、信頼性の高い配線シート付き太陽電池セルおよび太陽電池モジュールを提供することができる。また、本発明の裏面電極型太陽電池セルは、例えば電流方向が互いに反対となる太陽電池ストリング列を有する配線シート付き太陽電池セルの製造において、列ごとの太陽電池セルの反転(回転)操作が不要となるので、配線シート付き太陽電池セルおよび太陽電池モジュールの製造効率を向上させることができる。
【0025】
また、位置合わせが良好に行なわれるので、太陽電池セルの充填率を向上させることができ、その結果、太陽電池モジュールの効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の配線シート付き太陽電池セルの一例を受光面側から見た模式的な平面図である。
【図2】本発明における裏面電極型太陽電池セルと配線シートとの配置関係を示す概略図である。
【図3】図2のIII−IIIに沿った模式的な断面図である。
【図4】(a)は実施の形態1の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図であり、(b)は実施の形態1の配線シートの配線パターンの一例の平面模式図であり、(c)は実施の形態1の配線シート付き太陽電池セルの一例を裏面側から見た模式的な平面図である。
【図5】図1に示す配線シート付き太陽電池セル100の製造方法の一例を図解する模式的な斜視図を示す。
【図6】(a)は実施の形態2の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図であり、(b)は実施の形態2の配線シートの配線パターンの一例の平面模式図であり、(c)は実施の形態2の配線シート付き太陽電池セルの一例を裏面側から見た模式的な平面図である。
【図7】(a)は実施の形態3の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図であり、(b)は実施の形態3の配線シートの配線パターンの一例の平面模式図であり、(c)は実施の形態3の配線シート付き太陽電池セルの一例を裏面側から見た模式的な平面図である。
【図8】(a)は実施の形態4の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図であり、(b)は実施の形態4の配線シートの配線パターンの一例の平面模式図であり、(c)は実施の形態4の配線シート付き太陽電池セルの一例を裏面側から見た模式的な平面図である。
【図9】(a)および(b)は、本発明の太陽電池モジュールの一例の製造方法の一例を図解する模式的な断面図である。
【図10】実施の形態5の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図である。
【図11】(a)および(b)は図10のアライメントマーク部分の拡大図である。
【図12】実施の形態5の配線シートの配線パターンの一例の平面模式図である。
【図13】実施の形態5の配線シート付き太陽電池セルの一例を裏面側から見た模式的な平面図である。
【図14】(a)〜(d)は図13のアライメントマーク部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は同一部分または相当部分を表すものとする。また、以下では、太陽電池セルを設置するためのセル配置部(1つの太陽電池セルに対応する配線シート上の領域)が設けられた構成を配線シート、単数または複数の太陽電池セルを行方向および列方向にマトリクス状に配列した構成を配線シート付き太陽電池セルとして説明する。
【0028】
<実施の形態1>
(配線シート付き太陽電池セル)
図1に、本発明の配線シート付き太陽電池セルの一例を受光面側から見た模式的な平面図を示す。ここで、配線シートは、絶縁性基板11の表面上に配線材16が設けられることにより、太陽電池セルを配置するためのセル配置部が形成された構成であり、配線シート付き太陽電池セル100は、絶縁性基板11の表面上の配線材16によって裏面電極型太陽電池セル20が電気的に接続されることにより構成されている。
【0029】
以上のような構成の図1に示される配線シート付き太陽電池セル100においては、複数の裏面電極型太陽電池セル20は、配線シート10の絶縁性基板11の表面上において、行方向に直列接続された太陽電池ストリング列が、列方向に複数配置されて、太陽電池ストリング列の端部同士が接続されることで、通電経路が蛇行するようにして電気的に直列に接続される例が挙げられる。
【0030】
上記裏面電極型太陽電池セルと配線シートとの配置関係を図2に示す。図2は、図1に示す配線シート付き太陽電池セル100の列の一部に相当する。図2に示されるように、配線シート10の配線材16は、太陽電池セルの第1導電型用電極の接続のための第1配線12と第2導電型用電極の接続のための第2配線13とから構成されており、櫛形状の第1配線12の櫛歯に相当する部分と櫛形状の第2配線13の櫛歯に相当する部分とが1本ずつ交互に噛み合わさるように第1配線12および第2配線13がそれぞれ配置されている。その結果、櫛形状の第1配線12の櫛歯に相当する部分と櫛形状の第2配線13の櫛歯に相当する部分とはそれぞれ1本ずつ交互に所定の間隔を空けて配置されている。
【0031】
そして、配線シート10の絶縁性基材11の表面上においては、第1配線12と第2配線13との組み合わせであるセル配置部19が絶縁性基材11の表面に並べられている。ここで、図2においては、図1に示す配線シート付き太陽電池セルの一部を示しており、3つのセル配置部19で構成されているが、これに限られるものではなく、図1の破線で囲まれる部分に示すようにセル配置部19は、絶縁性基材11の表面の列方向に隣接して配置されている他のセル配置部19と電気的に接続されることもある。
【0032】
そして、図2に示される構成の配線シート10の表面上に裏面電極型太陽電池セル20を設置することによって図1に示す配線シート付き太陽電池セルを作製することができる。図3に、図2のIII−IIIに沿った断面模式図を示す。
【0033】
図3に示される裏面電極型太陽電池セル20は、たとえばn型またはp型の導電型を有するシリコン基板などの半導体基板21と、裏面電極型太陽電池セル20の受光面となる半導体基板21の凹凸表面上に形成された反射防止膜27と、裏面電極型太陽電池セル20の裏面となる半導体基板21の裏面に形成されたパッシベーション膜26とを有している。
【0034】
また、半導体基板21の一方の面側には、第1導電型不純物が拡散して形成された第1導電型不純物拡散領域22と第2導電型不純物が拡散して形成された第2導電型不純物拡散領域23とが所定の間隔を空けて交互に形成されているとともに、半導体基板21の裏面のパッシベーション膜26に設けられたコンタクトホールを通して第1導電型不純物拡散領域22に接する第1導電型用電極を構成する第1導電型用電極ライン24および第2導電型不純物拡散領域23に接する第2導電型用電極を構成する第2導電型用電極ライン25がそれぞれ設けられている。上記第1導電型拡散不純物および第2導電型拡散不純物として、導電型がn型の場合はリンなどを用いることができ、導電型がp型の場合はたとえばボロンなどを用いることができる。
【0035】
ここで、上記半導体基板21の一方の面側には、第1導電型不純物拡散領域22または第2導電型不純物拡散領域23と半導体基板21内部との界面において複数のpn接合が形成されることになる。半導体基板21がn型またはp型のいずれの導電型を有していても、第1導電型不純物拡散領域22および第2導電型不純物拡散領域23はそれぞれ半導体基板21内部と接合していることから、第1導電型用電極ライン24および第2導電型用電極ライン25はそれぞれ半導体基板21の一方の面側に形成された複数のpn接合にそれぞれ対応する電極となる。なお、半導体基板21の導電型を問わず、近接する第1導電型不純物拡散領域22と第2導電型不純物拡散領域23との接触によりpn接合が形成されてもよい。
【0036】
本発明において、裏面電極型太陽電池セル20の第1導電型用電極ライン24の少なくとも一部の表面および/または第2導電型用電極ライン25の少なくとも一部の表面には、たとえば、ニッケル(Ni)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、錫(Sn)、SnPbはんだ、およびITO(Indium Tin Oxide)からなる群から選択された少なくとも1種を含む電気導電性物質を設置してもよい。この場合には、配線シート10の配線材と裏面電極型太陽電池セル20の電極(複数の第1導電型用電極ライン24により構成される第1導電型用電極、複数の第2導電型用電極ライン25により構成される第2導電型用電極)との電気的接続を良好なものとし、裏面電極型太陽電池セル20の電極の耐候性を向上させることができる傾向にある。
【0037】
また、裏面電極型太陽電池セル20の第1導電型用電極ライン24の少なくとも一部の表面および/または第2導電型用電極ライン25の少なくとも一部の表面には、たとえば黒化処理などの表面処理を施してもよい。
【0038】
また、半導体基板21としては、たとえば、n型またはp型の導電型を有する多結晶シリコンまたは単結晶シリコンなどからなるシリコン基板などを用いることができる。
【0039】
また、第1導電型用電極および第2導電型用電極としてはそれぞれ、たとえば、銀などの金属からなる電極を用いることができる。
【0040】
また、パッシベーション膜26としては、たとえば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、または酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層体などを用いることができる。
【0041】
また、反射防止膜27としては、たとえば、窒化シリコン膜などを用いることができる。
【0042】
なお、本発明における裏面電極型太陽電池セルの概念には、上述した半導体基板21の一方の表面(裏面)のみに第1導電型用電極および第2導電型用電極の双方が形成された構成のものだけでなく、MWT(Metal Wrap Through)セル(半導体基板に設けられた貫通孔に電極の一部を配置した構成の太陽電池セル)などのいわゆるバックコンタクト型太陽電池セル(太陽電池セルの受光面と反対側の裏面から電流を取り出す構造の太陽電池セル)のすべてが含まれる。
【0043】
そして、上記裏面電極型太陽電池セル20の第1導電型用電極を構成する第1導電型用電極ライン24および第2導電型用電極を構成する第2導電型用電極ライン25はそれぞれ、図1に示すように、配線シート10の1つの第1配線12と1つの第2配線13との組み合わせであるセル配置部と電気的に接続されて、図1に示す配線シート付き太陽電池セル100が作製されることになる。
【0044】
上記配線シート付き太陽電池セルにおいては、裏面電極型太陽電池セルの電極パターンと配線シートに設けられた配線パターンとの各々の接続が良好に行なわれるためには、電極パターンと配線パターンとの位置合わせ(アライメント)精度が高いことが要求される。本発明は、上記位置合わせ精度のために、裏面電極型太陽電池セルに所定のアライメントマークを少なくとも4つ備えることを特徴とする。本発明において、アライメントマークとは、図3中の矢印Aの方向、または図3中の矢印Bの方向に備えた観測装置15を用いた透過画像または反射画像により認識することができるアライメントのためのマークをいう。このようにアライメントマークを認識できるように形成することにより、位置合わせの精度を維持することができる。以下にアライメントマークおよび該アライメントマークによる位置あわせが可能な配線シートの形態の一例について説明する。
【0045】
(裏面電極型太陽電池セルにおけるアライメントマーク)
図4(a)に本実施の形態1の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図を示す。図4(a)は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つの太陽電池セル20の裏面に相当し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。
【0046】
図4(a)において、第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ライン24を並べるように形成されており、第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ライン25を並べるように形成されており、第1導電型用電極ライン24と第2導電型用電極ライン25とは交互に配列されている。
【0047】
本発明の裏面電極型太陽電池セルにおけるアライメントマークは4つ以上設けられ、これら複数のアライメントマークの少なくとも一部は裏面電極型太陽電池セルの不純物拡散領域上に形成されていることが好ましい。不純物拡散領域上に形成されるアライメントマークが後述のように配線材と接触する場合には、該アライメントマークが電極として機能するのでセルの発電効率を良好に維持することができる。
【0048】
アライメントマークは、図4(a)に示されるように、太陽電池セルの電極パターンの外周領域(図4(a)の破線領域)内に形成されてもよいし、外周領域の外に形成されてもよい。本発明において、外周領域とは、半導体基板21上の第1導電型用電極を構成する第1導電型用電極ライン24と第2導電型用電極を構成する第2導電型用電極ライン25とにより形成される電極パターンの端部を結ぶ線により形成される領域の内側をいう。
【0049】
電極パターンの外周領域内にアライメントマークを有する場合は、アライメントマークを設けるための別段の領域を設ける必要がなく、後述のようにセルの効率と位置合わせ精度をバランスよく向上させることができるので好ましい。
【0050】
本実施の形態1において、1つの太陽電池セルには第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用のアライメントマークaおよびアライメントマークbと、他の第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用のアライメントマークcおよびアライメントマークdの合計4つのアライメントマークを含む。上記2つの第2導電型用アライメントマークは、それぞれ上記複数の第2導電型用電極ライン25のうちの任意の1つの第2導電型用電極ライン25の両端部を、この第2導電型用電極ライン以外に設けられた複数の第1導電型用電極ラインおよび複数の第2導電型用電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセル内側に位置させることにより形成された上記領域内のスペースに設けられている。
【0051】
図4(a)に、第2導電型用電極の位置合わせのためのアライメントマークが4つ設けられた太陽電池セルの裏面の模式図を示すが、本発明におけるアライメントマークはこのような形態に限られない。すなわち、第1導電型用電極の位置合わせのための4つの第1導電型用アライメントマークを有する場合、また第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークおよび第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークの合計4つのアライメントマークを有する場合も、本実施の形態と同様に良好な位置合わせを行なうことができる。4つの第1導電型用アライメントマークが設けられる場合は、たとえばそれぞれ上記複数の第1導電型用電極ライン24のうちの1つの第1導電型用電極ライン24の両端部を、この第1導電型用電極ライン以外の別の複数の第1導電型用電極ラインおよび第2導電型用電極ライン25のいずれかの電極ラインの端部よりもセル内側に位置させることにより形成された上記領域内のスペースに設けることとなる。また、2つの第1導電型用アライメントマークと2つの第2導電型用アライメントマークとを設ける場合は、それぞれ第1導電型用アライメントマークは、複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインの両端部を、この第1導電型用電極ライン以外の別の複数の第1導電型用電極ラインおよび第2導電型用電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセル内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられ、第2導電型用アライメントマークは、複数の第2導電型用電極ラインのうちの1つの第2導電型用電極ラインの両端部を、この第2導電型用電極ライン以外の別の複数の第1導電型用電極ラインおよび第2導電型用電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセル内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられる。また、アライメントマークは少なくとも4つ備えられるものであり、第2導電型用電極の位置合わせのための4つのアライメントマークの他に、第1導電型用電極の位置合わせのための1以上のアライメントマークを備えたり、さらに第2導電型用電極の位置合わせのためのアライメントマークが設けられていてもよい。
【0052】
これらのアライメントマークは、セルの裏面の電極およびアライメントマークの形状および配置だけを考慮した際に、同一平面内で、電極パターンの中心に関して点対称の位置や形状とならない配置または形状とすることが望ましい。このような配置または形状とすることで、配線シートに太陽電池セルを載置する工程において、太陽電池セルが同一平面内で回転した場合には、アライメントマークが観測できない、または観測するアライメントマークの形状がその他の観測されている形状と異なるので、セルの配置の誤りが明確となり、そのままの状態で配線シートと位置合わせをしてしまうことを防ぐことができる。
【0053】
上記アライメントマークの幅は、特に限定されず、電極パターンの電極の列に対応する位置に設けられる場合は、電極ラインと同様の幅以下で形成されることが望ましいが、電極幅よりも幅広い場合も本発明の範囲に含まれる。また、上記アライメントマークは、電極パターンを形成するために用いられる電極材料と同様の材料により形成することができる。電極材料と同様の材料によりアライメントマークを形成することによって、電極パターンと同時にアライメントマークを付与することができるので、たとえば他の材料を用いて電極パターンの形成とは別の工程によりアライメントマークを形成する場合に比べて、アライメントマークを所望の位置に精度よく製造することができる。以上のようにして、配線シートに形成された配線パターンとの位置合わせのためのアライメントマークが太陽電池セルの一方の面側に形成される。
【0054】
上記アライメントマークの形状は、図4(a)に示すように円形であってもよく、三角や四角形状であってもよい。また、たとえば、後述のように列L1の太陽電池セルに設けられる2つのアライメントマークが互いに異なる形状であってもよく、他の列についても同様である。列L1で観測されるアライメントマークと列L2で観測されるアライメントマークとが相異なる形状であってもよい。このように列ごとに異なる形状のアライメントマークが観測されるようにすることで、観測するアライメントマークのチェックによって、配線シートに載置するセルの方向が所望の方向であることを確認することができる。
【0055】
(配線シートにおける開口部)
図4(b)に、本実施の形態1における配線シートの一例の平面模式図を示す。図4(b)は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つのセル配置部に対応する配線パターンを示し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。配線シートは、絶縁性基材と、絶縁性基材の表面上に設置された配線材とを有し、図4(b)においては配線材のみを示す。
【0056】
本発明の配線シートは、上記裏面電極型太陽電池セルを電気的に接続するための配線を備えており、このような配線は、裏面電極型太陽電池セルの電極パターンに対応するような配線パターンとする。本発明は、このような配線において、同形状の同形状部を複数備えると共に、該同形上部の一部を欠いたような異形状部を少なくとも2つ備えることを特徴とする。この異形状部は、配線シートにおいて上記電極パターンに対応するように配線パターンが設けられていない部分または領域であり、このような同形状部の一部を欠いた部分または領域を開口部ともいう。そして、本発明においては、このような異形状部(開口部)を介して裏面電極型太陽電池セルに備えられたアライメントマークの少なくとも一部を認識できる態様とすることが望ましい。このような異形状部を少なくとも2つ備える限り、例えば、同形状部の他に、配線パターンの一部の形状が同形状部よりも配線幅が太い部分や配線長が長い部分も配線パターンに含まれる。
【0057】
図4(b)に示す配線シートにおいて、上記配線は電気的に絶縁された第1配線12と第2配線13とを含む。本実施の形態においては、第1配線12が裏面電極型太陽電池セルの第1導電型用電極24との接続のため、第2配線13が第2導電型用電極25との接続のために設けられる。
【0058】
上記第1配線12と上記第2配線13のそれぞれは、同形状部の複数を含む、または、同形状部および異形状部を含む複数の櫛歯形状部17aと該櫛歯形状部17aを接続する接続配線部17bとを含む。そして、第1配線12および第2配線13に含まれる複数の櫛歯形状部17aのうちの少なくとも2つの櫛歯形状部17aを構成する配線パターンの先端が、該配線パターンの両側に配置された櫛歯形状部17aを構成する配線パターンの先端よりも内側に位置するように形成される配線長の一部を欠いた異形状部が含まれる。図4(b)においては、第2配線13に異形状部13aが形成されている。また、太陽電池セル裏面のアライメントマークをより認識し易くするために、図4(b)に示すように、第1配線12に配線幅の一部を欠いた湾曲部からなるような異形状部12bを形成してもよい。このように開口部は、複数の形状の異形状部の組み合わせにより構成することができる。
【0059】
図4(b)においては、列L1と列L2の両方の列において第1配線12の配線幅の一部を欠いた異形状部12bと第2配線13の配線長の一部を欠いた異形状部13aとにより開口部が設けられている。
【0060】
本発明において、上記開口部を有する第1配線12および第2配線13からなる配線パターンは、配線シート全体の少なくとも1つのセル配置部19に対応する配線パターンに備えられていればよく、2以上のセル配置部19に対応する配線パターンや、配線シート全体において設けられていてもよい。
【0061】
上記配線シートにおける開口部は、後述の配線パターンと同様に製造することができる。
【0062】
上記絶縁性基材の材質としては、電気絶縁性の材質であれば特に限定なく用いることができ、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN:polyethylene naphthalate)、ポリフェニレンサルファイド(PPS:polyphenylene sulfide))、ポリビニルフルオライド(PVF:polyvinyl fluoride)およびポリイミド(polyimide)からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む材質を用いることができる。
【0063】
また、絶縁性基材の厚さは特に限定されず、たとえば10μm以上200μm以下とすることができる。なお、絶縁性基材は、1層のみからなる単層構造であってもよく、2層以上からなる複数層構造であってもよい。
【0064】
また、第1配線12および第2配線13の材質としては、電気導電性の材質のものであれば特に限定なく用いることができ、たとえば、銅、アルミニウムおよび銀からなる群から選択された少なくとも1種を含む金属などを用いることができる。
【0065】
また、第1配線12および第2配線13の厚さもそれぞれ特に限定されず、たとえば5μm以上75μm以下とすることができる。
【0066】
また、第1配線12および第2配線13の形状も、上記開口部を有する限り、それぞれ上述した形状に限定されず、適宜設定することができるものであることは言うまでもない。
【0067】
また、第1配線12の少なくとも一部の表面および/または第2配線13の少なくとも一部の表面には、たとえば、ニッケル(Ni)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、錫(Sn)、SnPbはんだ、およびITO(Indium Tin Oxide)からなる群から選択された少なくとも1種を含む電気導電性物質を設置してもよい。この場合には、第1配線12および第2配線13と裏面電極型太陽電池セルの電極との電気的接続を良好なものとし、第1配線12および/または第2配線13の耐候性を向上させることができる傾向にある。
【0068】
また、第1配線12の少なくとも一部の表面および/または第2配線13の少なくとも一部の表面には、たとえば黒化処理などの表面処理を施してもよい。
【0069】
なお、第1配線12および第2配線13もそれぞれ、1層のみからなる単層構造であってもよく、2層以上からなる複数層構造であってもよい。
【0070】
以下に、配線シートの製造方法の一例について説明する。まず、たとえばPETフィルムなどの絶縁性基材を用意し、その絶縁性基材の一方の表面の全面にたとえば金属箔または金属プレートなどの電気導電性物質を貼り合わせる。
【0071】
次に、絶縁性基材の表面に貼り合わされた電気導電性物質の一部をフォトエッチングなどにより除去して電気導電性物質をパターニングすることによって、絶縁性基材の表面上にパターニングされた電気導電性物質からなる第1配線12および第2配線13から構成された開口部を有する配線材を形成する。以上により、図4(b)に示される構成の配線パターンおよび開口部を有する配線シートを作製することができる。
【0072】
(裏面電極型太陽電池セルおよび配線シートのアライメント)
上記アライメントマークを有する裏面電極型太陽電池セル(図4(a))および異形状部(開口部)を有する配線シート(図4(b))は、図4(c)に示すように、配線シートに設けられた開口部から裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの一部が認識できるように重ね合わせられる。すなわち、配線シートに太陽電池セルを1つずつ配置していく際に、図3中の矢印Aの方向から配線シートの開口部を含む配線部分を観測しながら、裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの少なくとも一部が、上記配線シートの開口部を介して認識できるように、太陽電池セルの位置合わせを行なう。たとえば、図3の矢印Aの方向に相当する位置から透過光による透過画像を用いて観測して、図4(c)に示すように、配線シートの列L1の配線端の異形状部13aおよび湾曲部形状である異形状部12bからなる開口部をとおして、裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークaおよびアライメントマークcが認識されるように配置する。この隣の列L2においては、配線シートの配線端の異形状部13aおよび湾曲部形状である異形状部12bからなる開口部を介して裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークbおよびアライメントマークdが認識されるように配置する。このように太陽電池セルを配置することによって、アライメントの誤差が50μm以下である配線シート付き太陽電池セルが形成される。
【0073】
上記のように配線シートに設けられた開口部を介して裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの少なくとも一部が認識できるようにアライメントマークまたは開口部を設けることによって、1つの観測領域において太陽電池セル裏面のアライメントマークおよび配線シートの開口部の両方を観測することができる。
【0074】
開口部を介したアライメントマークは、X線、IR光などを用いて透過光による透過画像を観測することにより行なう場合は図3中の矢印Aの方向もしくは図3中の矢印Bの方向から認識することができる。また、LED、ハロゲンランプなどを用いて反射光による反射画像を確認することにより行なう場合は、図3中の矢印Aの方向から裏面電極型太陽電池セルのアライメントマークおよび配線シートの開口部を認識できる。このような観測による位置合わせは、1箇所ごとに行なってもよく、アライメントマークおよび/または開口部に対応する数の観測装置を設けて全てのアライメントマークまたは開口部を同時に観測しながら行なってもよい。
【0075】
また、図4(c)に示す例において、配線シートの列L1では裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークbおよびアライメントマークdが配線シート側からは確認できないように配置してもよく、同様に、配線シートの列L2では裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークaおよびアライメントマークcが配線シート側からは確認できないように配置してもよい。このように太陽電池セルを配置することによって、アライメントの精度をさらに向上させることができる。
【0076】
本実施の形態1においては、太陽電池モジュールの製造において、太陽電池セルを配線シートに配置する際に、隣り合う列の太陽電池セルを一方向に保つことができるので、製造効率を向上させることができる。
【0077】
図5に、図1に示す配線シート付き太陽電池セル100の製造方法の一例を図解する模式的な斜視図を示す。図5に示すように、上記所定のアライメントマークまたは開口部を有する本実施の形態1の裏面電極型太陽電池セルおよび配線シートを用いた場合、配線シート付き太陽電池セルを作製する際に、配線シート付き太陽電池セルを構成する配線シート10の行方向および列方向に隣り合う裏面電極型太陽電池セル20として、裏面電極およびアライメントマークが同じパターン(配置)を有するセルを、図5中の矢印に示すように一方向に並べて配置することが可能である。
【0078】
(太陽電池モジュール)
図9(a)および図9(b)に、本発明の太陽電池モジュールの一例の製造方法の一例を図解する模式的な断面図を示す。以下、図9(a)および図9(b)を参照して、上述のようにして作製された配線シート付き太陽電池セルを用いた本発明の太陽電池モジュールの一例の製造方法の一例について説明する。
【0079】
まず、図9(a)に示すように、配線シート付き太陽電池セルの裏面電極型太陽電池セル側に第1の透明樹脂31aと透明基板33とを設置するとともに、配線シート付き太陽電池セルの配線シート側に第2の透明樹脂31bと裏面保護シート32とを設置する。ここで、配線シート付き太陽電池セルとしては、上述のようにして複数の太陽電池セルを電気的に接続して作製された配線シート付き太陽電池セルの他、複数の分割された配線シート付き太陽電池セルを電気的に接続して作製された配線シート付き太陽電池セルを用いてもよい。
【0080】
次に、第1の透明樹脂31aを配線シート付き太陽電池セルの各裏面電極型太陽電池セルに圧着させるとともに、第2の透明樹脂31bを配線シート付き太陽電池セルの配線シートに圧着させた状態で加熱処理することによって、第1の透明樹脂31aと第2の透明樹脂31bとを一体化させて硬化させる。これにより、図9(b)に示すように、第1の透明樹脂31aと第2の透明樹脂31bとが一体化してなる封止材31中に上記の配線シート付き太陽電池セルが封止されてなる本発明の太陽電池モジュールが作製される。
【0081】
図9(b)に示す太陽電池モジュールにおいては、封止材31の伸縮力によって裏面電極型太陽電池セルが配線シートに強く圧着され、裏面電極型太陽電池セルの第1導電型用電極ライン24と配線シートの第1配線12との圧着および裏面電極型太陽電池セルの第2導電型用電極ライン25と配線シートの第2配線13との圧着がそれぞれ強化されて、個々の裏面電極型太陽電池セルの電極と配線シートの配線との間に良好な電気的接続が得られることになる。
【0082】
ここで、配線シート付き太陽電池セルを封止材31中に封止するための圧着および加熱処理は、たとえばラミネータと呼ばれる真空圧着および加熱処理を行なう装置などを用いて行なうことができる。たとえばラミネータにより第1の透明樹脂31aおよび第2の透明樹脂31bを熱変形させ、第1の透明樹脂31aおよび第2の透明樹脂31bを熱硬化させることにより、これらの透明樹脂が一体化されて封止材31が形成され、封止材31中に上記の配線シート付き太陽電池セルが包み込まれるようにして封止されることになる。
【0083】
なお、真空圧着とは、大気圧よりも減圧した雰囲気下で圧着させる処理のことである。ここで、圧着方法として真空圧着を用いた場合には、第1の透明樹脂31aと第2の透明樹脂31bとの間に空隙が形成されにくくなり、第1の透明樹脂31aと第2の透明樹脂31bとを一体化して形成された封止材31中に気泡が残留しにくくなる傾向にある点で好ましい。また、真空圧着を用いた場合には、裏面電極型太陽電池セルと配線シートとの間の均一な圧着力の確保に有利となる傾向にもある。
【0084】
ここで、透明基板33としては、太陽光に対して透明な基板であれば特に限定なく用いることができ、たとえば、ガラス基板などを用いることができる。
【0085】
また、第1の透明樹脂31aおよび第2の透明樹脂31bとしては、太陽光に対して透明な樹脂を特に限定なく用いることができる。なお、第1の透明樹脂31aと第2の透明樹脂31bとはそれぞれ同一種類の透明樹脂を用いてもよく、異なる種類の透明樹脂を用いてもよい。
【0086】
また、上記の配線シート付き太陽電池セルを封止材31中に封止する際の加熱処理は、第1の透明樹脂31aおよび第2の透明樹脂31bの融点により適宜調整すればよい。
【0087】
また、上記の電気的接続をより強固にまた確実なものとするために、たとえば非導電ペースト(NCP)や異方性導電ペースト(ACP)などの接着剤やはんだなどを用いることもできる。この場合、NCPはアライメントマークの観察を妨げないようにパターン塗布されるか、もしくは透明であることが望ましい。また、ACPやはんだは太陽電池セルの裏面電極および配線シートの配線の少なくとも一方に塗布されていることが望ましい。
【0088】
また、裏面保護シート32としては、封止材31の裏面を保護することができるものであれば特に限定なく用いることができ、たとえば従来から用いられているPETなどの耐候性フィルムを用いることができる。
【0089】
また、封止材31中への水蒸気や酸素の透過を十分に抑制して長期的な信頼性を確保する観点から、裏面保護シート32は、たとえばアルミニウムなどの金属フィルムを含んでいても良い。
【0090】
また、太陽電池モジュールの端面などの裏面保護シート32を密着させることが難しい部分にはたとえばブチルゴムテープなどの水分透過防止テープを用いて完全に密着させることもできる。
【0091】
また、上記のようにして作製された本発明の太陽電池モジュールの一例においては、たとえばアルミニウム合金などからなるフレームが太陽電池モジュールの外周を取り囲むようにして取り付けられていてもよい。
【0092】
(他の構成および作用)
本発明の配線シート、配線シート付き太陽電池セルおよび太陽電池モジュールはそれぞれ上記の構成に限定されず、様々な構成にすることができることは言うまでもない。たとえば、太陽電池セルの一方の面側に設けられるアライメントマークが、第1導電型用電極の端部の延長上の位置に設けられ、対応する配線シートの開口部が第1配線に備えられていてもよい。
【0093】
また、本発明の配線シート付き太陽電池セルおよび太陽電池モジュールにおいて、太陽電池セルおよび配線シートの電気的接続はそれぞれ、全て直列の場合について説明したが、直列、並列、または直列と並列とを組み合わせた電気的接続としてもよい。
【0094】
以上のように、本発明の裏面電極型太陽電池セルは、上記少なくとも4つのアライメントマークを有するので、電流方向が互いに反対となる太陽電池ストリング列を有する配線シート付き太陽電池セルの製造において、太陽電池セルを列ごとに反転(回転)させる必要がない。また、少なくとも2つのアライメントマークを配線シートの配線と重ならない配置として、配線シートの開口部を介してアライメントマークを観測することで、太陽電池セルと配線シートとの回転方向のずれも防止することができる。
【0095】
本発明においては、裏面電極型太陽電池セルまたは配線シートの配線に所定の開口部を有し、配線シートの開口部を介して裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの少なくとも一部を認識できるように設けられているので、1つの観測装置によりこれらのアライメントマークおよび開口部を同時に観測することができる。その結果、太陽電池セルと配線シートとの位置合わせを良好に行なうことができ、また、信頼性の高い配線シート付き太陽電池セルおよび太陽電池モジュールを提供することができる。
【0096】
<実施の形態2>
本実施の形態2は、太陽電池セルの裏面に、第2導電型用電極の位置合わせのための4つの第2導電型用アライメントマークがそれぞれ異なる電極ラインに設けられ、配線シートに設けられる開口部の配置がアライメントマークの配置に対応して異なる以外は、実施の形態1と同様であり、上記実施の形態1と重複する部分についてはその説明は繰り返さない。
【0097】
(裏面電極型太陽電池セルにおけるアライメントマーク)
図6(a)に本実施の形態2の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図を示す。図6(a)は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つの太陽電池セル20の裏面に相当し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。
【0098】
本実施の形態2において、太陽電池セル裏面には第2導電型用電極の位置合わせのための4つの第2導電型用のアライメントマークを含む。
【0099】
上記4つの第2導電型用アライメントマークのうちの2つの第2導電型用アライメントマークaとアライメントマークcとは、複数の第2導電型用電極ラインのうちの任意の2つの第2導電型用電極ラインの一方の端部を、この第2導電型用電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセルの内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられる。また、上記4つの第2導電型用アライメントマークのうちの他方の2つの第2導電型用アライメントマークbとアライメントマークdとは、上記第2導電型用アライメントマークaおよびアライメントマークcを設けるスペースの形成のために、端部を内側に位置させた第2導電型用電極ラインとは異なる第2導電型用電極ラインの、上記第2導電型用アライメントマークaおよびアライメントマークcとは反対側の電極ラインの端部を、この第2導電型用電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型用電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセルの内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている。
【0100】
図6(a)に、第2導電型用電極の位置合わせのためのアライメントマークが4つ設けられた太陽電池セルの裏面の模式図を示すが、本発明におけるアライメントマークはこのような形態に限られない。すなわち、たとえば第1導電型用電極の位置合わせのための4つの第1導電型用アライメントマークを有する態様としてもよい。また、アライメントマークは少なくとも4つ設けられるので、上記第2導電型用電極の位置合わせのための第2導電型用アライメントマークの他に、第1導電型用電極の位置合わせのための第1導電型用アライメントマークを1以上備る態様や、さらに第2導電型用電極の位置合わせのための第2導電型用アライメントマークが設けられていてもよい。少なくとも4つあれば、十分に精度よく位置合わせを行なうことができる。
【0101】
このようなアライメントマークの配置は、セルの裏面の電極およびアライメントマークの形状および配置だけを考慮した際に、同一平面内で、電極パターンの中心に関して点対称の位置や形状とならない配置または形状とすることが望ましい。このような配置または形状とすることで、配線シートに太陽電池セルを載置する工程において、太陽電池セルが同一平面内で回転した場合には、アライメントマークが観測できない、または観測するアライメントマークの形状がその他の観測されている形状と異なるので、セルの配置の誤りが明確となり、そのままの状態で配線シートと位置合わせをしてしまうことを防ぐことができる。
【0102】
上記アライメントマークの形状は、図6(a)に示すように円形であってもよく、三角や四角形状であってもよい。また、列L1で観測されるアライメントマークと列L2で観測されるアライメントマークとが相異なる形状であってもよい。このように列ごとに異なる形状のアライメントマークが観測されるようにすることで、観測するアライメントマークのチェックによって、配線シートに載置するセルの方向が所望の方向であることを確認することができる。
【0103】
(配線シートにおける開口部)
図6(b)に、本実施の形態2における配線シートの一例の平面模式図を示す。図6(b)は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つのセル配置部に対応する配線パターンを示し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。図6(b)においては配線シートを構成する配線材のみを示す。1つのセル配置部に相当する配線材に2つの開口部が設けられる。第2配線に含まれる複数の櫛歯形状部の少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、両側の櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されて、配線長の一部を欠いた異形状部13aが2箇所設けられている。この形状の配線端の異形状部13aにより裏面電極型太陽電池セルに備えられたアライメントマークを認識できる開口部が形成されている。また、太陽電池セル裏面のアライメントマークをより認識し易くするために、図4(b)と同様、配線端の異形状部13aの両隣に位置する列の配線に湾曲部形状である異形状部12bが形成されていてもよい。
【0104】
本実施の形態2においても、上記開口部を有する第1配線12および第2配線13からなる配線パターンは、配線シート全体の少なくとも1つのセル配置部19に対応する配線パターンに備えられていればよく、2以上のセル配置部19に対応する配線パターンや、配線シート全体において設けられていてもよい。
【0105】
(裏面電極型太陽電池セルおよび配線シートのアライメント)
上記アライメントマークを有する裏面電極型太陽電池セル(図6(a))および開口部を有する配線シート(図6(b))は、図6(c)に示すように、配線シートに設けられた開口部から裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの一部が認識できるように重ね合わせられる。
【0106】
たとえば、図3の矢印Aの方向に相当する位置から透過光による透過画像を用いて観測して、図6(c)に示すように、配線シートの列L1の異形状部13aおよび異形状部12bからなる開口部を介して、裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークaおよびアライメントマークcが認識される。配線シートの列L2の異形状部13aおよび異形状部12bからなる開口部をとおして、裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークbおよびアライメントマークdが認識される。このように配置することによって、アライメントの誤差が50μm以下である配線シート付き太陽電池セルが形成される。
【0107】
上記のように配線シートに設けられた開口部を介して裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの少なくとも一部が認識できるようにアライメントマークおよび開口部を設けることによって、1つの観測領域において太陽電池セル裏面のアライメントマークおよび配線シートの開口部の両方を観測することができる。
【0108】
以上のように、本発明の裏面電極型太陽電池セルは、上記少なくとも4つのアライメントマークを有するので、電流方向が互いに反対となる太陽電池ストリング列を有する配線シート付き太陽電池セルの製造において、太陽電池セルを列ごとに反転(回転)させる必要がない。また、少なくとも2つのアライメントマークを配線シートの配線と重ならない配置として、配線シートの開口部を介してアライメントマークを観測することで、太陽電池セルと配線シートとの回転方向のずれも防止することができる。
【0109】
また、太陽電池モジュールの製造において、太陽電池セルを配線シートに配置する際に、図5に示すように隣り合う列の太陽電池セルを一方向に保つことができるので、製造効率を向上させることができる。
【0110】
さらに、本実施の形態2においては、1つの電極ラインの両端のそれぞれにアライメントマークを設けなくてもよいので、セルや配線シートの設計に合わせて適宜電極ラインを選択すればよく、選択幅が実施の形態1に比べて広いものとなる。
【0111】
<実施の形態3>
本実施の形態3は、太陽電池セルの裏面に、第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークと、第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークとがそれぞれ異なる電極ラインに設けられ、配線シートに設けられる開口部の配置がアライメントマークの配置に対応して異なる以外は、実施の形態1と同様であり、上記実施の形態1と重複する部分についてはその説明は繰り返さない。
【0112】
(裏面電極型太陽電池セルにおけるアライメントマーク)
図7(a)に本実施の形態3の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図を示す。図7(a)は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つの太陽電池セル20の裏面に相当し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。
【0113】
本実施の形態3において、太陽電池セル裏面には第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークと、第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークとを含む。
【0114】
上記4つのアライメントマークのうち、第1導電型用のアライメントマークeとアライメントマークfとは、複数の第1導電型用電極ラインのうちの任意の2つの第1導電型用電極ラインの一方の端部を、この第1第導電型用電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセルの内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられる。第1導電型用のアライメントマークeとアライメントマークfとは、電極ライン端部の同じ端部側に設けられている。
【0115】
また、上記4つのアライメントマークのうち、第2導電型用のアライメントマークaとアライメントマークcとは、複数の第2導電型用電極ラインのうちの任意の2つの第2導電型用電極ラインの一方の端部を、この第2導電型用電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセルの内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられる。第2導電型用のアライメントマークaとアライメントマークcとは、上記第1導電型用のアライメントマークと同じ端部側に設けられている。
【0116】
図7(a)には、本実施の形態3における裏面電極型太陽電池セルの裏面の模式図を示すが、本発明におけるアライメントマークはこのような形態に限られない。すなわち、アライメントマークは少なくとも4つ設けられるので、上記第1導電型用アライメントマークおよび第2導電型用アライメントマークの他に、さらに第1導電型用電極の位置合わせのための第1導電型用アライメントマークを1以上備る態様や、第2導電型用電極の位置合わせのための第2導電型用アライメントマークがさらに設けられていてもよい。少なくとも4つあれば、十分に精度よく位置合わせを行なうことができる。
【0117】
図7(a)においては、第1導電型用アライメントマークと第2導電型用アライメントマークとが隣接する電極列上の端部に位置しているが、このような形態に限られず、隣り合わない電極列上の同じ方向の端部に存在してもよい。
【0118】
このようなアライメントマークの配置は、セルの裏面の電極およびアライメントマークの形状および配置だけを考慮した際に、同一平面内で、電極パターンの中心に関して点対称の位置や形状とならない配置または形状とすることが望ましい。このような配置または形状とすることで、配線シートに太陽電池セルを載置する工程において、太陽電池セルが同一平面内で回転した場合には、アライメントマークが観測できない、または観測するアライメントマークの形状がその他の観測されている形状と異なるので、セルの配置の誤りが明確となり、そのままの状態で配線シートと位置合わせをしてしまうことを防ぐことができる。
【0119】
上記アライメントマークの形状は、図7(a)に示すように円形であってもよく、三角や四角形状であってもよい。また、第1導電型用アライメントマークと第2導電型用アライメントマークとが相異なる形状であったり、列L1で観測されるアライメントマークと列L2で観測されるアライメントマークとが相異なる形状であってもよい。このように導電型ごと、または列ごとに異なる形状のアライメントマークが観測されるようにすることで、観測するアライメントマークのチェックによって、配線シートに載置するセルの方向や電極の極性を確認することができ、セルの電極配置のずれなどを回避することができる。
【0120】
(配線シートにおける開口部)
図7(b)に、本実施の形態3における配線シートの一例の平面模式図を示す。図7(b)は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つのセル配置部に対応する配線パターンを示し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。
【0121】
図7(b)においては配線シートを構成する配線材のみを示す。1つのセル配置部に相当する配線材に2つの開口部が設けられる。列L1においては第2配線に含まれる複数の櫛歯形状部の少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、その両側の櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されて、配線長の一部を欠いた異形状部13aが2箇所設けられている。この形状の配線端の異形状部13aにより裏面電極型太陽電池セルに備えられたアライメントマークを認識できる開口部が形成されている。また、太陽電池セル裏面のアライメントマークをより認識し易くするために、図4(b)と同様、配線端の異形状部13aの両隣に位置する列の配線に湾曲部形状である異形状部12bが形成されていてもよい。
【0122】
また、列L2においては第1配線に含まれる複数の櫛歯形状部の少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、その両側に位置する櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されて、配線長の一部を欠いた異形状部12aが2箇所設けられている。この形状の配線端の異形状部12aにより裏面電極型太陽電池セルに備えられたアライメントマークを認識できる開口部が形成されている。また、太陽電池セル裏面のアライメントマークをより認識し易くするために、図4(b)と同様、配線端の異形状部12aの両隣に位置する列の配線に湾曲部形状である異形状部13bが形成されていてもよい。
【0123】
本実施の形態3においても、上記開口部を有する第1配線12および第2配線13からなる配線パターンは、配線シート全体の少なくとも1つのセル配置部19に対応する配線パターンに備えられていればよく、2以上のセル配置部19に対応する配線パターンや、配線シート全体において設けられていてもよい。
【0124】
(裏面電極型太陽電池セルおよび配線シートのアライメント)
上記アライメントマークを有する裏面電極型太陽電池セル(図7(a))および開口部を有する配線シート(図7(b))は、図7(c)に示すように、配線シートに設けられた開口部から裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの一部が認識できるように重ね合わせられる。
【0125】
たとえば、図3の矢印Aの方向に相当する位置から透過光による透過画像を用いて観測して、図7(c)に示すように、配線シートの列L1の異形状部13aおよび異形状部12bからなる開口部を介して、裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークaおよびアライメントマークcが認識される。配線シートの列L2の異形状部12aおよび異形状部13bからなる開口部をとおして、裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークeおよびアライメントマークfが認識される。このように配置することによって、アライメントの誤差が50μm以下である配線シート付き太陽電池セルが形成される。
【0126】
上記のように配線シートに設けられた開口部を介して裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの少なくとも一部が認識できるようにアライメントマークおよび開口部を設けることによって、1つの観測領域において太陽電池セル裏面のアライメントマークおよび配線シートの開口部の両方を観測することができる。
【0127】
以上のように、本発明の裏面電極型太陽電池セルは、上記少なくとも4つのアライメントマークを有するので、電流方向が互いに反対となる、太陽電池ストリング列を有する配線シート付き太陽電池セルの製造において、太陽電池セルを列ごとに反転(回転)させる必要がない。また、少なくとも2つのアライメントマークを配線シートの配線と重ならない配置として、配線シートの開口部を介してアライメントマークを観測することで、太陽電池セルと配線シートとの回転方向のずれも防止することができる。
【0128】
また、太陽電池モジュールの製造において、太陽電池セルを配線シートに配置する際に、図5に示すように隣り合う列の太陽電池セルを一方向に保つことができるので、製造効率を向上させることができる。
【0129】
さらに、本実施の形態3においては、実施の形態2と同様に、1つの電極ラインの両端のそれぞれにアライメントマークを設けなくてもよいので、セルや配線シートの設計に合わせて適宜電極ラインを選択すればよく、選択幅が実施の形態1に比べて広いものとなる。
【0130】
上記実施の形態3の態様においては、第1導電型と第2導電型の両方の導電型電極ラインにアライメントマークを設けるので、有効な電極長が両方の導電型で同じ長さとなり、発電効率をより向上させることができる。その他、本実施の形態3では、図7(a)のように異なる導電型用のアライメントマークを、電極ラインの同じ側の端部に設けるので、たとえばアライメントマークaとアライメントマークeという異なる導電型の一対のアライメントマークを近い位置に配置することが可能となる(一方の導電型のアライメントマークを設ける場合は、必ず間に他の導電型の電極ラインが存在するので、この状態に比べて一対のアライメントマークが近くに位置することとなる)。このような配置の場合は、配線シートの開口部を介して観測するアライメントマークの位置が列ごとに大きく変化しないので、すなわち、例えば図7(a)では、上記一対のアライメントマークは隣り合う電極ライン上に配置されていることになり、列L1と列L2とで観測位置自体はほとんど変わらないので、観測装置の観測領域の固定ができ、位置合わせ装置の簡易化および高精度化に有効である。
【0131】
<実施の形態4>
本実施の形態4は、太陽電池セルに設けられるアライメントマークが、第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークと、第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークとがそれぞれ異なる電極列に設けられ、配線シートに設けられる開口部の配置が異なる以外は、実施の形態1と同様であり、上記実施の形態1と重複する部分についてはその説明は繰り返さない。
【0132】
(裏面電極型太陽電池セルにおけるアライメントマーク)
図8(a)に本実施の形態4の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図を示す。図8(a)は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つの太陽電池セル20の裏面に相当し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。
【0133】
本実施の形態4において、太陽電池セルには第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用のアライメントマークと、第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用のアライメントマークとの4つのアライメントマークを含む。
【0134】
上記2つの第1導電型用アライメントマークのうちの一方の第1の第1導電型用アライメントマークeは、複数の第1導電型用電極ラインのうちの任意の1つの第1導電型用電極ラインの一方の端部を、この第1導電型用電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセルの内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられる。また、上記2つの第1導電型用アライメントマークのうちの他方の第2の第1導電型用アライメントマークgは、上記第1の第1導電型用アライメントマークとは反対側の端部であって、上記複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの上記第1導電型用電極ラインの一方の端部を、この第1導電型用電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型用電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセルの内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられる。なお、第1の第1導電型用アライメントマークと第2の第1導電型用アライメントマークとは異なる電極ラインの延長線上に設けられる。
【0135】
また、上記2つの第2導電型用アライメントマークのうちの一方の第1の第2導電型用アライメントマークaは、複数の第2導電型用電極ラインのうちの任意の1つの第2導電型用電極ラインの一方の端部を、この第2導電型用電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセルの内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられる。また、上記2つの第2導電型用アライメントマークのうちの他方の第2の第2導電型用アライメントマークdは、上記第1の第2導電型用アライメントマークとは反対側の端部であって、上記複数の第2導電型用電極ラインのうちの1つの上記第2導電型用電極ラインの一方の端部を、この第2導電型用電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型用電極ラインのいずれかの電極ラインの端部よりもセルの内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられる。なお、第1の第2導電型用アライメントマークと第2の第2導電型用アライメントマークとは異なる電極ラインの延長線上に設けられる。
【0136】
図8(a)においては、第1導電型用アライメントマークと第2導電型用アライメントマークとが隣接する電極列上の端部に位置しているが、このような形態に限られず、隣り合わない電極列上の同じ方向の端部に存在してもよい。
【0137】
このようなアライメントマークの配置は、セルの裏面の電極およびアライメントマークの形状および配置だけを考慮した際に、同一平面内で、電極パターンの中心に関して点対称の位置や形状とならない配置または形状とすることが望ましい。このような配置または形状とすることで、配線シートに太陽電池セルを載置する工程において、太陽電池セルが同一平面内で回転した場合には、アライメントマークが観測できない、または観測するアライメントマークの形状がその他の観測されている形状と異なるので、セルの配置の誤りが明確となり、そのままの状態で配線シートと位置合わせをしてしまうことを防ぐことができる。
【0138】
上記アライメントマークの形状は、図8(a)に示すように円形であってもよく、三角や四角形状であってもよい。また、第1導電型用アライメントマークと第2導電型用アライメントマークとが相異なる形状であったり、列L1で観測されるアライメントマークと列L2で観測されるアライメントマークとが相異なる形状であってもよい。このように導電型ごと、または列ごとに異なる形状のアライメントマークが観測されるようにすることで、観測するアライメントマークのチェックによって、配線シートに載置するセルの方向や電極の極性を確認することができ、セルの電極配置のずれなどを回避することができる。
【0139】
(配線シートにおける開口部)
図8(b)に、本実施の形態4における配線シートの一例の平面模式図を示す。図8(b)は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つのセル配置部に対応する配線パターンを示し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。
【0140】
図8(b)においては配線シートを構成する配線材のみを示す。1つのセル配置部に相当する配線材に2つの開口部が設けられる。第1配線に含まれる複数の櫛歯形状部の少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、両側の櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されて、配線長の一部を欠いた異形状部12aが構成され、第2配線に含まれる複数の櫛歯形状部の少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、両側の櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されて、配線長の一部を欠いた異形状部13aが構成されている。この形状の配線端の異形状部12aおよび配線端の異形状部13aにより裏面電極型太陽電池セルに備えられたアライメントマークを認識できる開口部が形成されている。また、太陽電池セル裏面のアライメントマークをより認識し易くするために、図4(b)と同様、配線端の異形状部12aおよび配線端の異形状部13aのそれぞれの両隣に位置する列の配線に湾曲部形状である異形状部13bおよび湾曲部形状である異形状部12bが形成されていてもよい。
【0141】
本実施の形態4においても、上記開口部を有する第1配線12および第2配線13からなる配線パターンは、配線シート全体の少なくとも1つのセル配置部19に対応する配線パターンに備えられていればよく、2以上のセル配置部19に対応する配線パターンや、配線シート全体において設けられていてもよい。
【0142】
(裏面電極型太陽電池セルおよび配線シートのアライメント)
上記アライメントマークを有する裏面電極型太陽電池セル(図8(a))および開口部を有する配線シート(図8(b))は、図8(c)に示すように、配線シートに設けられた開口部から裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの一部が認識できるように重ね合わせられる。
【0143】
たとえば、図3の矢印Aの方向に相当する位置から透過光による透過画像を用いて観測して、図8(c)に示すように、配線シートの列L1の異形状部13aおよび異形状部12bからなる開口部を介して、裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークaが認識され、配線端の異形状部12aおよび異形状部13bからなる開口部を介して裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークgが認識される。配線シートの列L2の異形状部12aおよび異形状部13bからなる開口部をとおして、裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークeが認識され、配線シートの配線端の異形状部13aおよび異形状部12bからなる開口部を介して裏面電極型太陽電池セルの裏面のアライメントマークdが認識される。このように配置することによって、アライメントの誤差が50μm以下である配線シート付き太陽電池セルが形成される。
【0144】
上記のように配線シートに設けられた開口部を介して裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの少なくとも一部が認識できるようにアライメントマークおよび開口部を設けることによって、1つの観測領域において太陽電池セル裏面のアライメントマークおよび配線シートの開口部の両方を観測することができる。
【0145】
また、太陽電池モジュールの製造において、太陽電池セルを配線シートに配置する際に、図5に示すように隣り合う列の太陽電池セルを一方向に保つことができるので、製造効率を向上させることができる。
【0146】
以上のように、本発明の裏面電極型太陽電池セルは、上記少なくとも4つのアライメントマークを有するので、電流方向が互いに反対となる太陽電池ストリング列を有する配線シート付き太陽電池セルの製造において、太陽電池セルを列ごとに反転(回転)させる必要がない。また、少なくとも2つのアライメントマークを配線シートの配線と重ならない配置として、配線シートの開口部を介してアライメントマークを観測することで、太陽電池セルと配線シートとの回転方向のずれも防止することができる。
【0147】
さらに、本実施の形態4においては、実施の形態2および3と同様に、1つの電極ラインの両端のそれぞれにアライメントマークを設けなくてもよいので、セルや配線シートの設計に合わせて適宜電極ラインを選択すればよく、選択幅が実施の形態1に比べて広いものとなる。
【0148】
また、上記実施の形態3と同様に、異なる導電型の一対のアライメントマークを近い位置に配置することが可能となるので、配線シートの開口部を介して観測するアライメントマークの位置が列ごとに大きく変化せず、観測装置の観測領域の固定ができるので、位置合わせ装置の簡易化および高精度化に有効である。
【0149】
本実施の形態4の態様においては、第1導電型と第2導電型の両方の導電型電極ラインにアライメントマークを設けるので、有効な電極長が両方の導電型で同じ長さとなり、発電効率をより向上させることができる。その他、本実施の形態4では、図8(a)のように異なる導電型用のアライメントマークを、電極ラインの異なる側の端部に設けるので、配線シートの開口部を介して観測できるアライメントマークが、電極ラインの両端側に1つずつ備えられていることになり、1つの裏面電極型太陽電池セルにおいて観測する2つのアライメントマーク間の距離を、同じ端側の電極ラインに設けるよりも長くすることができ、たとえば、セルの対角近傍での位置合わせを行なうことができるようになる。この場合、電極ラインの同じ端側にある2つのアライメントマークを観測する場合(セルの辺側での位置合わせ)に比べて、より精度の高い位置合わせができることになる。
【0150】
<実施の形態5>
本実施の形態5は、第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークと、第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークとが設けられる上記スペースが、複数の電極ラインにより形成される以外は、実施の形態4と同様であり、上記実施の形態4と重複する部分についてはその説明は繰り返さない。
【0151】
(裏面電極型太陽電池セルにおけるアライメントマーク)
図10に本実施の形態5の裏面電極型太陽電池セルの裏面の一例の平面模式図を示す。図10は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つの太陽電池セル20の裏面に相当し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。
【0152】
本実施の形態5において、太陽電池セルには第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用のアライメントマークと、第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用のアライメントマークとの4つのアライメントマークを含む。
【0153】
上記2つの第1導電型用アライメントマークと上記2つの第2導電型用アライメントマークとは、それぞれ2以上の電極ラインにより形成されるスペースに設けられている。図10においては、第1の第1導電型用アライメントマークaは、複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインおよび該第1導電型用電極ラインの両側に配置された第2導電型用電極ラインの端部の一方を、これらの電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成された上記領域内のスペースに設けられている。すなわち、連続する3本の電極ラインの一方端にスペースが設けられている状態となる(図10および図10のアライメントマーク部分の拡大図である図11(a))。
【0154】
同様に、第2の第1導電型用アライメントマークdは、上記第1の第1導電型用アライメントマークaが設けられるのとは異なる電極ラインの端部の一方であって、複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインおよび該第1導電型用電極ラインの両側に配置された第2導電型用電極ラインの端部の一方を、これらの電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成された上記領域内のスペースに設けられている。上記第1の第1導電型用アライメントマークaと同様に、連続する3本の電極ラインの一方端によりスペースが設けられている状態となる(図10および図10のアライメントマーク部分の拡大図である図11(b))。
【0155】
上記2つの第2導電型用アライメントマークを構成する第1の第2導電型用アライメントマークcと第2の第2導電型用アライメントマークbとは、第2導電型用電極ラインの互いに異なる端部側であって、それぞれ複数の第2導電型電極ラインのうちの1つの第2導電型電極ラインおよび該第2導電型用電極ラインの両側に配置された第1導電型用電極ラインの両端部の一方を、これらの電極ラインとは別の、上記複数の第1および第2導電型電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成された上記領域内のスペースに設けられている。すなわち、第1の第2導電型用アライメントマークcと第2の第2導電型用アライメントマークbとは、連続する3本の電極ラインの一方端にスペースが設けられている状態となる。
【0156】
また、本発明においては、第1の第1導電型用アライメントマークと第1の第2導電型用アライメントマークとを設けるスペースとは無関係な電極ラインの両端部の少なくとも一方を欠いた形状としてもよい。図10においては、6本の連続する電極ラインによりスペースが形成されている。
【0157】
本実施の形態5においては、第1の第2導電型用アライメントマークcと第2の第2導電型用アライメントマークbとは、電極ラインよりも幅広い形状を有する。このように、アライメントマークが電極ラインよりも幅広い形状を有する場合はより識別力を向上させることができるので好ましい。ただし、このようにアライメントマークの幅が電極ラインよりも幅広い場合は、上記実施の形態1〜4のように1つの電極ラインの端部をセルの内側に位置させることにより形成されたスペースにアライメントマークを設けると、隣接する電極ラインとの距離が短くなるために、マイグレーションが発生する虞があるので、本実施の形態のように複数の電極ラインにより形成されたスペースにアライメントマークを設けることが好ましい。このような、電極ラインとアライメントマークの幅との関係は、これら電極ラインとアライメントマークを形成する際の精度や観測装置の精度などにより、複数の電極ラインとするか1つの電極ラインとするかを適宜変更すればよい。
【0158】
図10においては、第1導電型用アライメントマークと第2導電型用アライメントマークとは電極ラインの配列が連続する位置に設けられているが、このような形態に限られず、連続しない電極ラインの配列上に存在してもよい。
【0159】
(配線シートにおける開口部)
図12に、本実施の形態5における配線シートの一例の平面模式図を示す。図12は、図1の破線部に示す列方向に隣接する2つのセル配置部に対応する配線パターンを示し、図3中の矢印Aの方向から見た平面模式図である。配線シートは、絶縁性基材と、絶縁性基材の表面上に設置された配線材とを有し、図12においては配線材のみを示す。
【0160】
図12において、第1配線に含まれる複数の櫛歯形状部の少なくとも3つの櫛歯形状部の先端が、両側の櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されて、配線長の一部を欠いた異形状部12aが構成されている。また、第2配線に含まれる複数の櫛歯形状部の少なくとも3つの櫛歯形状部13の先端が、両側の櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されて、配線長の一部を欠いた異形状部13aが構成されている。この形状の配線端の異形状部12aおよび配線端の異形状部13aにより裏面電極型太陽電池セルに備えられたアライメントマークを認識できる開口部が形成されている。また、太陽電池セル裏面のアライメントマークをより認識し易くするために、配線端の異形状部13aのいずれか1つの両隣に位置する列の配線に湾曲部形状である異形状部12bが形成されていてもよく、異形状部12aのいずれか1つの両隣に位置する列の一方の配線に湾曲部形状である異形状部12aと凸状の異形状部13cとを形成した態様としてもよい。
【0161】
本実施の形態においては、裏面電極型太陽電池セルは連続する6本の電極ラインが、これらの電極ラインの端部に配置された電極ラインの端部よりもセル内側に位置するようにスペースが形成されている。他方、配線シートにおいては、上記太陽電池セルのアライメントマークが設けられるスペースに対応する位置の3つの配線パターンの配線長の一部を欠いた異形状部となっている。このような構成とする場合は、配線長がその他の同形状部分と同じ部分において、セルに設けられた第1導電型用電極または第2導電型用電極との接続を確保することができるので、電流取り出し効率の点から好ましい。
【0162】
(裏面電極型太陽電池セルおよび配線シートのアライメント)
上記アライメントマークを有する裏面電極型太陽電池セル(図10)および開口部を有する配線シート(図12)は、図13に示すように、配線シートに設けられた開口部から裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの一部が認識できるように重ね合わせられる。たとえば、図3の矢印Aの方向に相当する位置から透過光による透過画像を用いて観測して、図13、図13のアライメントマーク部分の拡大図である図14(a)、図14(b)、図14(c)および図14(d)に示すように、配線シートのある列(列L2に対応、図14(b))の異形状部13aからなる開口部をとおして、裏面電極型太陽電池セルの裏面の第1導電型用アライメントマークaが認識され、別の列(列L1に対応)の配線端の異形状部13aおよび湾曲部形状である異形状部12bからなる開口部を介して裏面電極型太陽電池セルの裏面の第2導電型用アライメントマークcが認識される(図14(a))。配線シートのある列(列L2に対応、図14(d))の異形状部12aおよび湾曲部形状である異形状部13bおよび異形状部13cからなる開口部をとおして、裏面電極型太陽電池セルの裏面の第1導電型用アライメントマークdが認識され、別の列(列L1に対応)の配線端の異形状部12aからなる開口部を介して裏面電極型太陽電池セルの裏面の第2導電型用アライメントマークbが認識される(図14(c))。このように配置することによって、アライメントの誤差が50μm以下である配線シート付き太陽電池セルが形成される。なお、図14において絶縁性基板および半導体基板は図示していない。
【0163】
上記のように配線シートに設けられた開口部を介して裏面電極型太陽電池セルに設けられたアライメントマークの少なくとも一部が認識できるようにアライメントマークおよび開口部を設けることによって、1つの観測領域において太陽電池セル裏面のアライメントマークおよび配線シートの開口部の両方を観測することができる。
【0164】
本実施の形態5のような開口部を設けると、アライメントマークの幅を電極ラインよりも幅広くすることができるので、アライメントマークの識別がしやすくなる。また、複数の電極ライン分のスペースを形成し、そこにアライメントマークを設けるので、アライメントマークと隣接する電極ラインとの距離が短くならず、短絡やマイグレーションが起こる虞がない。配線シートの開口部に隣り合う配線が湾曲した形状部を備えるので、アライメントマークと隣接する配線との距離が短くならず、短絡やマイグレーションが起こる虞がないので好ましい。
【0165】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、上述の各実施の形態の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
【0166】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本発明によれば、太陽電池モジュールの出力効率および製造効率を向上させることができる裏面電極型太陽電池セル、配線シート、配線シート付き太陽電池セルおよび太陽電池モジュールを提供することができる。
【符号の説明】
【0168】
10 配線シート、11 絶縁性基板、12 第1配線、13 第2配線、15 観測装置、16 配線材、19 セル配置部、20 裏面電極型太陽電池セル、21 半導体基板、22 第1導電型不純物拡散領域、23 第2導電型不純物拡散領域、24 第1導電型用電極ライン、25 第2導電型用電極ライン、a,b,c,d,e,f,g アライメントマーク、12a,12b,13a,13b,13c 異形状部、26 パッシベーション膜、27 反射防止膜、31 封止材、31a 第1の透明樹脂、31b 第2の透明樹脂、32 裏面保護シート、33 透明基板、100 配線シート付き太陽電池セル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の一方の面側に形成された第1導電型用電極と第2導電型用電極とを備え、
前記半導体基板の前記一方の面側であって前記第1導電型用電極と前記第2導電型用電極とが形成される以外の領域に、少なくとも4つのアライメントマークを有する裏面電極型太陽電池セル。
【請求項2】
前記第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ラインを並べるように形成されており、
前記第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ラインを並べるように形成されており、
前記第1導電型用電極ラインと前記第2導電型用電極ラインとは、交互に配列されており、
前記アライメントマークは、前記第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークを含み、
前記2つの第1導電型用アライメントマークは、前記複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインの両端部を、前記複数の第1導電型用電極ラインおよび前記複数の第2導電型用電極ラインのうちの別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている請求項1に記載の裏面電極型太陽電池セル。
【請求項3】
前記第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ラインを並べるように形成されており、
前記第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ラインを並べるように形成されており、
前記第1導電型用電極ラインと前記第2導電型用電極ラインとは、交互に配列されており、
前記アライメントマークは、前記第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークを含み、
前記2つの第2導電型用アライメントマークは、前記複数の第2導電型用電極ラインのうちの1つの第2導電型用電極ラインの両端部を、前記複数の第1導電型用電極ラインおよび前記複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている、請求項1または2に記載の裏面電極型太陽電池セル。
【請求項4】
前記第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ラインを並べるように形成されており、
前記第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ラインを並べるように形成されており、
前記第1導電型用電極ラインと前記第2導電型用電極ラインとは、交互に配列されており、
前記アライメントマークは、前記第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークを含み、
前記2つの第1導電型用アライメントマークのうちの一方の第1の第1導電型用アライメントマークは、前記複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインの一方の端部を、前記複数の第1導電型用電極ラインおよび前記複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられており、
前記2つの第1導電型用アライメントマークのうちの他方の第2の第1導電型用アライメントマークは、前記第1の第1導電型用アライメントマークとは反対側で、前記複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインの一方の端部を、前記複数の第1導電型用電極ラインおよび前記複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている、請求項1に記載の裏面電極型太陽電池セル。
【請求項5】
前記第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ラインを並べるように形成されており、
前記第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ラインを並べるように形成されており、
前記第1導電型用電極ラインと前記第2導電型用電極ラインとは、交互に配列されており、
前記アライメントマークは、前記第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークを含み、
前記2つの第2導電型用アライメントマークのうちの一方の第1の第2導電型用アライメントマークは、前記複数の第2導電型用電極ラインのうちの1つの第2導電型用電極ラインの一方の端部を、前記複数の第1導電型用電極ラインおよび前記複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられており、
前記2つの第2導電型用アライメントマークのうちの他方の第2の第2導電型用アライメントマークは、前記第1の第2導電型用アライメントマークとは反対側で、前記複数の第2導電型用電極ラインのうちの1つの第2導電型用電極ラインの一方の端部を、前記複数の第1導電型用電極ラインおよび前記複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている、請求項1または4に記載の裏面電極型太陽電池セル。
【請求項6】
前記アライメントマークは、前記裏面電極型太陽電池セルの電極材料により形成された、請求項1から5のいずれかに記載の裏面電極型太陽電池セル。
【請求項7】
前記アライメントマークは、前記第1導電型用電極の位置合わせのための第1導電型用アライメントマークと、前記第2導電型用電極の位置合わせのための第2導電型用アライメントマークとを含み、
前記第1導電型用アライメントマークと、前記第2導電型用アライメントマークとは、相異なる形状である、請求項1から6のいずれかに記載の裏面電極型太陽電池セル。
【請求項8】
裏面電極型太陽電池セルを電気的に接続するための配線を備えた配線シートであって、
前記配線は、同形状の同形状部を複数備えると共に、該同形状部の一部を欠いたような異形状部を少なくとも2つ備える配線シート。
【請求項9】
前記配線は、電気的に絶縁された第1配線と第2配線とを含み、
前記第1配線および前記第2配線のそれぞれは、前記同形状部または前記異形状部に相当する複数の櫛歯形状部と、該複数の櫛歯形状部を接続する接続配線部とを含み、
前記第1配線および前記第2配線に含まれる前記複数の櫛歯形状部のうちの少なくとも2つの櫛歯形状部の先端が、前記複数の櫛歯形状部のうちの別のいずれかの櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されている、請求項8に記載の配線シート。
【請求項10】
前記第1配線および前記第2配線のうちの一方に含まれる前記複数の櫛歯形状部のうちの少なくとも2つの櫛歯形状部の先端が、前記一方に含まれる前記複数の櫛歯形状部のうちの別のいずれかの櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されている、請求項9に記載の配線シート。
【請求項11】
前記第1配線に含まれる前記複数の櫛歯形状部のうちの少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、前記第1配線に含まれる前記複数の櫛歯形状部のうちの別のいずれかの櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されていると共に、
前記第2配線に含まれる前記複数の櫛歯形状部のうちの少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、前記第2配線に含まれる前記複数の櫛歯形状部のうちの別のいずれかの櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されている、請求項9に記載の配線シート。
【請求項12】
請求項1から7のいずれかに記載の裏面電極型太陽電池セルまたは請求項8から11のいずれかに記載の配線シートのいずれかを有する配線シート付き太陽電池セル。
【請求項13】
半導体基板の一方の面側に形成された第1導電型用電極および第2導電型用電極を有する裏面電極型太陽電池セルと、該裏面電極型太陽電池セルの電極を電気的に接続するための配線を有する配線シートとを備える配線シート付き太陽電池セルであって、
前記裏面電極型太陽電池セルの前記一方の面側であって前記第1導電型用電極と前記第2導電型用電極とが形成される以外の領域に、少なくとも4つのアライメントマークを設け、
前記裏面電極型太陽電池セルの少なくとも2つのアライメントマークが前記配線シートの前記配線と重ならない部分を備え、それ以外のアライメントマークが前記配線シートの前記配線に重なる部分を備える配線シート付き太陽電池セル。
【請求項14】
請求項12または13に記載の配線シート付き太陽電池セルを有する太陽電池モジュール。
【請求項15】
半導体基板の一方の面側に形成された第1導電型用電極および第2導電型用電極を有する裏面電極型太陽電池セルと、該裏面電極型太陽電池セルの電極を電気的に接続するための配線を有する配線シートとを備える配線シート付き太陽電池セルの製造方法であって、
前記裏面電極型太陽電池セルの前記一方の面側であって前記第1導電型用電極と前記第2導電型用電極とが形成される以外の領域に設けられた、少なくとも4つのアライメントマークを用いて、前記裏面電極型太陽電池セルを前記配線シートに位置合わせして重ね合わせる工程を含む、配線シート付き太陽電池セルの製造方法。
【請求項16】
少なくとも2つの前記アライメントマークが前記配線シートの前記配線と重ならず、かつ、それ以外の前記アライメントマークが前記配線シートの前記配線に重なるように、前記裏面電極型太陽電池セルと前記配線シートとを位置合わせして重ね合わせる工程を含む、請求項15に記載の配線シート付き太陽電池セルの製造方法。
【請求項1】
半導体基板の一方の面側に形成された第1導電型用電極と第2導電型用電極とを備え、
前記半導体基板の前記一方の面側であって前記第1導電型用電極と前記第2導電型用電極とが形成される以外の領域に、少なくとも4つのアライメントマークを有する裏面電極型太陽電池セル。
【請求項2】
前記第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ラインを並べるように形成されており、
前記第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ラインを並べるように形成されており、
前記第1導電型用電極ラインと前記第2導電型用電極ラインとは、交互に配列されており、
前記アライメントマークは、前記第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークを含み、
前記2つの第1導電型用アライメントマークは、前記複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインの両端部を、前記複数の第1導電型用電極ラインおよび前記複数の第2導電型用電極ラインのうちの別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている請求項1に記載の裏面電極型太陽電池セル。
【請求項3】
前記第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ラインを並べるように形成されており、
前記第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ラインを並べるように形成されており、
前記第1導電型用電極ラインと前記第2導電型用電極ラインとは、交互に配列されており、
前記アライメントマークは、前記第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークを含み、
前記2つの第2導電型用アライメントマークは、前記複数の第2導電型用電極ラインのうちの1つの第2導電型用電極ラインの両端部を、前記複数の第1導電型用電極ラインおよび前記複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている、請求項1または2に記載の裏面電極型太陽電池セル。
【請求項4】
前記第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ラインを並べるように形成されており、
前記第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ラインを並べるように形成されており、
前記第1導電型用電極ラインと前記第2導電型用電極ラインとは、交互に配列されており、
前記アライメントマークは、前記第1導電型用電極の位置合わせのための2つの第1導電型用アライメントマークを含み、
前記2つの第1導電型用アライメントマークのうちの一方の第1の第1導電型用アライメントマークは、前記複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインの一方の端部を、前記複数の第1導電型用電極ラインおよび前記複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられており、
前記2つの第1導電型用アライメントマークのうちの他方の第2の第1導電型用アライメントマークは、前記第1の第1導電型用アライメントマークとは反対側で、前記複数の第1導電型用電極ラインのうちの1つの第1導電型用電極ラインの一方の端部を、前記複数の第1導電型用電極ラインおよび前記複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている、請求項1に記載の裏面電極型太陽電池セル。
【請求項5】
前記第1導電型用電極は、複数の第1導電型用電極ラインを並べるように形成されており、
前記第2導電型用電極は、複数の第2導電型用電極ラインを並べるように形成されており、
前記第1導電型用電極ラインと前記第2導電型用電極ラインとは、交互に配列されており、
前記アライメントマークは、前記第2導電型用電極の位置合わせのための2つの第2導電型用アライメントマークを含み、
前記2つの第2導電型用アライメントマークのうちの一方の第1の第2導電型用アライメントマークは、前記複数の第2導電型用電極ラインのうちの1つの第2導電型用電極ラインの一方の端部を、前記複数の第1導電型用電極ラインおよび前記複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられており、
前記2つの第2導電型用アライメントマークのうちの他方の第2の第2導電型用アライメントマークは、前記第1の第2導電型用アライメントマークとは反対側で、前記複数の第2導電型用電極ラインのうちの1つの第2導電型用電極ラインの一方の端部を、前記複数の第1導電型用電極ラインおよび前記複数の第2導電型用電極ラインのうち別のいずれかの電極ラインの端部よりも内側に位置させることにより形成されたスペースに設けられている、請求項1または4に記載の裏面電極型太陽電池セル。
【請求項6】
前記アライメントマークは、前記裏面電極型太陽電池セルの電極材料により形成された、請求項1から5のいずれかに記載の裏面電極型太陽電池セル。
【請求項7】
前記アライメントマークは、前記第1導電型用電極の位置合わせのための第1導電型用アライメントマークと、前記第2導電型用電極の位置合わせのための第2導電型用アライメントマークとを含み、
前記第1導電型用アライメントマークと、前記第2導電型用アライメントマークとは、相異なる形状である、請求項1から6のいずれかに記載の裏面電極型太陽電池セル。
【請求項8】
裏面電極型太陽電池セルを電気的に接続するための配線を備えた配線シートであって、
前記配線は、同形状の同形状部を複数備えると共に、該同形状部の一部を欠いたような異形状部を少なくとも2つ備える配線シート。
【請求項9】
前記配線は、電気的に絶縁された第1配線と第2配線とを含み、
前記第1配線および前記第2配線のそれぞれは、前記同形状部または前記異形状部に相当する複数の櫛歯形状部と、該複数の櫛歯形状部を接続する接続配線部とを含み、
前記第1配線および前記第2配線に含まれる前記複数の櫛歯形状部のうちの少なくとも2つの櫛歯形状部の先端が、前記複数の櫛歯形状部のうちの別のいずれかの櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されている、請求項8に記載の配線シート。
【請求項10】
前記第1配線および前記第2配線のうちの一方に含まれる前記複数の櫛歯形状部のうちの少なくとも2つの櫛歯形状部の先端が、前記一方に含まれる前記複数の櫛歯形状部のうちの別のいずれかの櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されている、請求項9に記載の配線シート。
【請求項11】
前記第1配線に含まれる前記複数の櫛歯形状部のうちの少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、前記第1配線に含まれる前記複数の櫛歯形状部のうちの別のいずれかの櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されていると共に、
前記第2配線に含まれる前記複数の櫛歯形状部のうちの少なくとも1つの櫛歯形状部の先端が、前記第2配線に含まれる前記複数の櫛歯形状部のうちの別のいずれかの櫛歯形状部の先端よりも内側に位置するように形成されている、請求項9に記載の配線シート。
【請求項12】
請求項1から7のいずれかに記載の裏面電極型太陽電池セルまたは請求項8から11のいずれかに記載の配線シートのいずれかを有する配線シート付き太陽電池セル。
【請求項13】
半導体基板の一方の面側に形成された第1導電型用電極および第2導電型用電極を有する裏面電極型太陽電池セルと、該裏面電極型太陽電池セルの電極を電気的に接続するための配線を有する配線シートとを備える配線シート付き太陽電池セルであって、
前記裏面電極型太陽電池セルの前記一方の面側であって前記第1導電型用電極と前記第2導電型用電極とが形成される以外の領域に、少なくとも4つのアライメントマークを設け、
前記裏面電極型太陽電池セルの少なくとも2つのアライメントマークが前記配線シートの前記配線と重ならない部分を備え、それ以外のアライメントマークが前記配線シートの前記配線に重なる部分を備える配線シート付き太陽電池セル。
【請求項14】
請求項12または13に記載の配線シート付き太陽電池セルを有する太陽電池モジュール。
【請求項15】
半導体基板の一方の面側に形成された第1導電型用電極および第2導電型用電極を有する裏面電極型太陽電池セルと、該裏面電極型太陽電池セルの電極を電気的に接続するための配線を有する配線シートとを備える配線シート付き太陽電池セルの製造方法であって、
前記裏面電極型太陽電池セルの前記一方の面側であって前記第1導電型用電極と前記第2導電型用電極とが形成される以外の領域に設けられた、少なくとも4つのアライメントマークを用いて、前記裏面電極型太陽電池セルを前記配線シートに位置合わせして重ね合わせる工程を含む、配線シート付き太陽電池セルの製造方法。
【請求項16】
少なくとも2つの前記アライメントマークが前記配線シートの前記配線と重ならず、かつ、それ以外の前記アライメントマークが前記配線シートの前記配線に重なるように、前記裏面電極型太陽電池セルと前記配線シートとを位置合わせして重ね合わせる工程を含む、請求項15に記載の配線シート付き太陽電池セルの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図14】
【図10】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図14】
【図10】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−151262(P2011−151262A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12344(P2010−12344)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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