説明

補助座席の座位調節機構

【課題】 椅子等に載置される補助座席において、複数の位置調節機構を各々操作することによって、互いに連関した、着座者の快適な座位に迅速かつ確実にセットすることができる補助座席の座位調節機構を提供すること。
【解決手段】 座部材1と背凭れ部材2とエアバッグ材3(3A・3B)とを具備して構成された補助座席であって、前記座部材1および背凭れ部材2の内部には、それぞれ前記エアバッグ材3の袋体31(31A・31B)を収容して、かつ、前記座部材1上面の後方部と起立状態の背凭れ部材2の下縁部とを互いに結合/分離自在に形成して、これらの両部材の前後止着位置を調節することによって、背凭れ部材2の傾斜角度を調節自在に構成し、前記座部材1と背凭れ部材2との結合位置と、各袋体31内のエア量によるサイズ膨張と、このサイズ膨張による背凭れ部材2の傾斜角度とが互いに連関し相俟って、着用者の快座位置に高精度に適合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座席器具の改良、更に詳しくは、椅子等に載置される補助座席において、複数の位置調節機構を各々操作することによって、互いに連関した、着座者の快適な座位に迅速かつ確実にセットすることができる補助座席の座位調節機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、パソコンなどの長時間の座り作業の場合には、座部の硬い椅子や床上にそのまま着座すると、臀部や下腿部が圧迫されて痛くなるため、体圧を分散して荷重を緩和するために、柔軟なクッションなどの補助座席が使用されることが多い。
【0003】
ところで、このようなクッションを敷いた場合であっても、座部と背凭れの境目部分に不可避的に生じる隙間に腰部が嵌まり込んでしまって、腰椎の湾曲形状に歪みが生じるおそれがあり、腰部の神経や筋肉が圧迫されて腰痛を発症したり、または、逆側の腹部が圧迫されて呼吸しづらくなることもあり、長時間快適な姿勢で着座していることは困難であった。
【0004】
更に、腰部と着座面に生じる隙間が原因で、腰部がうまく支持されないために、着座者の重心が座面の前方に移動して、下腿部に前方向の負荷が加わって椅子からずり落ちてしまうおそれもあった。
【0005】
かかる事情から、本件出願人は、嘗て、座部材と背凭れ部材とを分割式に構成して座位を保持することができるクッションを開発した(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、この座位保持クッションは、背凭れ部材の傾斜角度の調節により着座者の快適な座位にある程度は近付けることが実現できたものの、着座者が入れ替わったり、その日の身体状態の変化によって座位の微調整を行いたいこともあり、この場合には、より高精度な調節機構が必要である。
【0007】
また、着用者の座位を調節するための従来の補助具としては、座席カバーに縫い付けられた袋に空気枕を出し入れするとともに、この空気枕に手動ポンプで空気を送り込んで、腰椎の曲がりを正して腰痛を予防するための座席カバーが開示されている(特許文献2参照)。
【0008】
しかしながら、かかる座席カバーにあっては、空気枕の固定位置において局部的に膨出するために、背凭れ面が一様で滑らかなカーブ形状にならず、着座者にとって必ずしも快適な位置に調節することができないという不満がある。
【0009】
また、かかる座席カバーは、座席部と背凭れ部とが一体的に形成されているために、不使用時にコンパクトに積み重ねることができず、収納が非常に不便であるという問題もある。
【特許文献1】登録実用新案第3129460号公報 (第4−6頁、図1−7)
【特許文献2】実開平6−82969号公報 (第3−4頁、図1−2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来の座席器具に上記のような問題があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、椅子等に載置される補助座席において、複数の位置調節機構を各々操作することによって、互いに連関した、着座者の快適な座位に迅速かつ確実にセットすることができる補助座席の座位調節機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
【0012】
即ち、本発明は、椅子類の座部あるいは床上に載置可能な板状部材であって、クッション材11が内部に収容される座部材1と;椅子類の背凭れ面あるいは立壁面に支持されて人体の背部が当接する部材であって、表面にクッション材21が付設された所要剛さのバックプレート22が内部に収容される板状の背凭れ部材2と;ポンプ32を操作することにより所定長さの送気ホース33を介し袋体31内に空気を送出入して膨縮可能なエアバッグ材3(3A・3B)とを具備して構成された補助座席であって、
前記座部材1および背凭れ部材2の内部には、それぞれ前記エアバッグ材3の袋体31(31A・31B)を収容して、
前記エアバッグ材3Aの袋体31Aを、座部材1の座面における前後方向対称軸の後方寄りに少なくとも収容されて固定して、当該袋体31Aにエアを送入することにより膨張して、座部材1上面の後方部を隆起せしめて着座者の臀部後方をリフトアップできる一方、
前記エアバッグ材3Bの袋体31Bを、背凭れ部材2のバックプレート22の裏面下部に固定可能にして、当該袋体31Bにエアを送入することにより膨張して、バックプレート22を面的に押圧して逓増傾斜せしめることができ、
かつ、前記座部材1上面の後方部と起立状態の背凭れ部材2の下縁部とを、互いに結合/分離自在に形成して、これらの両部材の前後止着位置を調節することによって、背凭れ部材2の傾斜角度を調節自在に構成し、
前記座部材1と背凭れ部材2との結合位置と、各袋体31内のエア量によるサイズ膨張と、このサイズ膨張による背凭れ部材2の傾斜角度とが互いに連関し相俟って、着用者の快座位置に高精度に適合させることができるようにするという技術的手段を採用したことによって、補助座席の座位調節機構を完成させた。
【0013】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、エアバック材3Aの袋体31Aを座部材1内のクッション材11の内部に埋設して固定して、座部材1内における袋体31Aの位置ズレを防止するという技術的手段を採用した。
【0014】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、座部材1の裏面に滑動防止層12を形成するという技術的手段を採用した。
【0015】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、座部材1の側縁部にエアバック材3のポンプ32を収納可能なポケット13を配設するという技術的手段を採用した。
【0016】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、背凭れ部材2のバックプレート22の裏面に面着ファスナー22aを配設して、この面着ファスナー22aにエアバッグ材3Bの袋体31Bの表面生地31aを付着可能にするという技術的手段を採用した。
【0017】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、エアバッグ材3のポンプ32を着座状態における着座者の両手付近に配置されるように送気ホース33の長さを設けるという技術的手段を採用した。
【0018】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、座部材1のクッション材11および/または背凭れ部材2のクッション材21に低反発性ウレタン材料を用いるという技術的手段を採用した。
【0019】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、座部材1上面の後方部に配設された面着部材14と、背凭れ部材2下縁部に配設された所定幅の面着部材23とを互いに着脱自在に接合可能にするという技術的手段を採用した。
【0020】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、座部材1の面着部材14を、パイルシートまたはフックシートによって作製するという技術的手段を採用した。
【発明の効果】
【0021】
本発明においては、座部材と背凭れ部材とエアバッグ材とを具備して構成された補助座席において、前記座部材および背凭れ部材の内部には、それぞれ前記エアバッグ材の袋体を収容して、座部材上面の後方部を隆起せしめて着座者の臀部後方をリフトアップできる一方、バックプレートを面的に押圧して逓増傾斜せしめることができるとともに、
かつ、前記座部材上面の後方部と起立状態の背凭れ部材の下縁部とを互いに結合/分離自在に形成して、これらの両部材の前後止着位置を調節することによって、背凭れ部材の傾斜角度を調節自在に構成したことによって、
前記座部材と背凭れ部材との結合位置と、各袋体内のエア量によるサイズ膨張と、このサイズ膨張による背凭れ部材の傾斜角度とが互いに連関し相俟って、着用者の快座位置に高精度に適合させることができる。
【0022】
したがって、本発明の座位調節機構によれば、椅子等に載置される補助座席において、複数の位置調節機構を各々操作することによって、互いに連関した、着座者の快適な座位に迅速かつ確実にセットすることができることから、実用的利用価値は頗る高いものがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明を実施するための最良の形態を具体的に図示した図面に基づいて更に詳細に説明すると、次のとおりである。
【0024】
本発明の実施形態を図1から図9に基づいて説明する。図1中、符号1で指示するものは座部材であり、この座部材1は、椅子類の座部あるいは床上に載置可能な板状部材であって、クッション材11を内部に収容して構成されている。
【0025】
また、符号2で指示するものは背凭れ部材であり、この背凭れ部材2は、椅子類の背凭れ面あるいは立壁面に支持されて人体の背部が当接する部材であって、表面にクッション材21を付設したプラスチックよりなる所要剛さのバックプレート22を内部に収容した板状部材である。
【0026】
このバックプレート22の材料としては、プラスチック材料の他にも、金属、木材などを採用することができ、所定の撓み性を備え弾性変形を許容する。また、この背凭れ部材2を、骨盤を包み込むように抱持することができる湾曲形状にすることができ、着座者の体幹が左右にズレないように腰部の位置を保持することができる。
【0027】
なお、本実施形態では、前記座部材1のクッション材11および/または背凭れ部材2のクッション材21に、形態安定性に優れた低反発性ウレタン材料(発泡ウレタンフォーム)を用いることができ、体圧分散性を向上させることができるため、長時間着座しても腰部や臀部に苦痛が生じることがない。
【0028】
更にまた、符号3で指示するものはエアバッグ材であり、このエアバッグ材3は、ポンプ32を操作することによって所定長さの送気ホース33を介し袋体31内に空気を送出入して膨縮可能に構成したものであり、空気の送出入をON/OFFするリリースバルブを介設する。
【0029】
しかして、本発明は、前記座部材1と背凭れ部材2と、エアバッグ材3とを具備して構成された補助座席であって、構成するにあっては、まず、前記座部材1および背凭れ部材2の内部に、それぞれ前記エアバッグ材3の袋体31を収容する。
【0030】
この際、前記エアバッグ材3Aの袋体31Aを、着座者の臀部後方に適合するように、座部材1の座面における前後方向対称軸の後方寄りに少なくとも収容して固定する。本実施形態では、エアバック材3Aの袋体31Aを座部材1内のクッション材11の内部に埋設して固定し、座部材1内における袋体31Aの位置ズレを防止することができる(図2参照)。
【0031】
そして、リリースバルブを閉じた状態でポンプ32を使用して当該袋体31にエアが送入されることにより膨張して、座部材1の後方部を隆起せしめて、着座者の臀部後方をリフトアップすることができる(図3参照)。
【0032】
一方、前記エアバッグ材3Bの袋体31Bを、背凭れ部材2のバックプレート22の裏面下部(センター以下)に固定することができる(図4参照)。本実施形態では、この背凭れ部材2のバックプレート22の裏面に面着ファスナー22a(例えば、ベルクロ式ファスナーのフックシート)を配設して、この面着ファスナー22aにエアバッグ材3Bの袋体31Bの表面生地31aを付着させることができ、上下左右の任意の止着位置に微調整することが可能である(図5参照)。
【0033】
なお、座部材1および/または背凭れ部材2のカバー材として、メッシュ生地を使用することができ、通気性を高め、褥瘡の原因となる臀部のムレを解消することができる。
【0034】
そして、リリースバルブを閉じた状態でポンプ32を使用して袋体31Bにエアが送入されることにより膨張して、所定剛さのバックプレート22を面的に押圧して逓増傾斜せしめることができる。即ち、座部材1と接合する面着部材23を支点として、背凭れ部材2の上部を前方に押し出すようにして機能し、バックプレート22の撓みによって背面にフィットするのである。こうして、袋体31Bの膨張によって生じる局部的な変形を防止することができるので、着座者に違和感を与えず、より自然かつ快適な位置に調節することができる。また、袋体31自体の膨張による弾性クッション作用を呈する。
【0035】
更に、本実施形態では、前記座部材1上面の後方部と起立状態の背凭れ部材2の下縁部とを互いに結合/分離自在に形成して、これらの両部材の前後止着位置を調節することによって、背凭れ部材2の傾斜角度を調節自在に構成する(図6および7参照)。
【0036】
本実施形態では、座部材1上面の後方部に配設された面着部材14と、背凭れ部材2下縁部に配設された所定幅の面着部材23とが互いに着脱自在に接合可能であり、これらの面着部材としては、ベルクロ式の面ファスナーを採用する。
【0037】
具体的には、背凭れ部材2の面着部材23を、パイルシートまたはフックシートによって作製し、縫着により接合固定する。そして、座部材1の面着部材14として、柔軟性が非常に高いパイルシートを配設することによって、接触感が良好で座り心地を損なうことはない。
【0038】
このように、座部材1と背凭れ部材2との接続手段が面着部材同士の接合構造にすることによって、背凭れ部材2に荷重が加わっても、局部的に応力を受けず荷重が分散され、座部材1を傷めにくく耐久性に富み非常に経済的である。
【0039】
また、かかる面着部材同士の接合による傾斜調節によっては、仮に座部材1上で臀部の位置が前後に移動したとしても、前記面着部材同士の止着位置を調節することによって背凭れ部材2の角度を適宜調節することができ、それによって腰部と着座面の隙間を埋めることができるため、腰椎の歪曲や腹部の圧迫が生じず、かつ、椅子上からのずり落ちも効果的に防止できる。
【0040】
以上のように構成したことによって、前記座部材1と背凭れ部材2との結合位置と、各袋体31(31A・31B)内のエア量によるサイズ膨張と、このサイズ膨張による背凭れ部材2の傾斜角度とが互いに連関し相俟って、着用者の快座位置に高精度に適合させることができるのである。
【0041】
そうして、本発明における補助座席は、パソコンチェアーや車いすなどの椅子Cに載置して使用することができる(図8参照)。車いすに使用する場合には、座位調節機能の他にファッション性を付与することもできる。本実施形態では、座部材1の裏面に滑動防止層12(タック性を有するゴム膜など)を形成することによって、位置ズレを効果的に防止することができる。なお、背凭れ部材2の裏面にも同様の滑動防止層を設けることができる。
【0042】
本実施形態では、必要に応じて、座部材1の側縁部にエアバック材3のポンプ32を収納可能なポケット13を配設することができる(図9参照)。このポケット13は、座部材1の側縁部の左右両側にそれぞれ設け、座部材1用のポンプと背凭れ部材2用のポンプとを収容できるようにすることができる。
【0043】
この際、更に、エアバッグ材3のポンプ32が着座状態における着座者の両手付近に配置されるように送気ホース33の長さを設けることによって、使い勝手を向上させることができる。
【0044】
また、本実施形態では、座部材1と背凭れ部材2を着脱自在に構成したため、両者を分離して積み重ねればコンパクトに収納することができ、例えば、オフィスや老人ホーム等で多数の補助座席を保管する場合には非常に好都合である。
【0045】
本発明は概ね上記のように構成されるが、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、座部材1と背凭れ部材2との接合機構としては、座部材1上面の後部に複数のスリット孔を配設して、かつ、背凭れ部材2下部に係止フックを配設して、これらを互いに係合可能に構成することもできる。
【0046】
また、エアバッグ材3のポンプ32は手動式であっても自動式であっても、袋体31に空気を送入して充填できるものであれば良く、方式は問わない。
【0047】
更にまた、面着部材は、座り心地を損なわない柔軟性を備えていればパイルシートでなくともフックシートやパイルとフックの混在シートを使用してもよく、更にまた、面着部材の固着方法に関しても、面着部材のシート裏面に接着材を設けて座部材1や背凭れ部材2を貼着するものであってもよく、これら何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態の補助座席を表わす全体斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の座部材の内部を表わす斜視図である。
【図3】本発明の実施形態の座部材を表わす説明断面図である。
【図4】本発明の実施形態の背凭れ部材の内部を表わす斜視図である。
【図5】本発明の実施形態の背凭れ部材を表わす説明断面図である。
【図6】本発明の実施形態の補助座席を表わす分解斜視図である。
【図7】本発明の実施形態の補助座席の使用状態を表わす説明断面図である。
【図8】本発明の実施形態の補助座席の変形例を表わす全体斜視図である。
【図9】本発明の実施形態の補助座席の使用状態を表わす側面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 座部材
11 クッション材
12 滑動防止層
13 ポケット
14 面着部材
2 背凭れ部材
21 クッション材
22 バックプレート
22a 面着ファスナー
23 面着部材
3(3A・3B) エアバッグ材
31(31A・31B) 袋体
31a 表面生地
32 ポンプ
33 送気ホース
C 椅子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子類の座部あるいは床上に載置可能な板状部材であって、クッション材11が内部に収容される座部材1と;
椅子類の背凭れ面あるいは立壁面に支持されて人体の背部が当接する部材であって、表面にクッション材21が付設された所要剛さのバックプレート22が内部に収容される板状の背凭れ部材2と;
ポンプ32を操作することにより所定長さの送気ホース33を介し袋体31内に空気を送出入して膨縮可能なエアバッグ材3(3A・3B)とを具備して構成された補助座席であって、
前記座部材1および背凭れ部材2の内部には、それぞれ前記エアバッグ材3の袋体31(31A・31B)が収容されており、
前記エアバッグ材3Aの袋体31Aは、座部材1の座面における前後方向対称軸の後方寄りに少なくとも収容されて固定されており、当該袋体31Aにエアが送入されることにより膨張して、座部材1上面の後方部を隆起せしめて着座者の臀部後方をリフトアップできる一方、
前記エアバッグ材3Bの袋体31Bは、背凭れ部材2のバックプレート22の裏面下部に固定可能であり、当該袋体31Bにエアが送入されることにより膨張して、バックプレート22を面的に押圧して逓増傾斜せしめることができ、
かつ、前記座部材1上面の後方部と起立状態の背凭れ部材2の下縁部とは、互いに結合/分離自在に形成され、これらの両部材の前後止着位置を調節することによって、背凭れ部材2の傾斜角度を調節自在に構成されており、
前記座部材1と背凭れ部材2との結合位置と、各袋体31内のエア量によるサイズ膨張と、このサイズ膨張による背凭れ部材2の傾斜角度とが互いに連関し相俟って、着用者の快座位置に高精度に適合させることができるようにしたことを特徴とする補助座席の座位調節機構。
【請求項2】
エアバック材3Aの袋体31Aが座部材1内のクッション材11の内部に埋設して固定されており、座部材1内における袋体31Aの位置ズレを防止することを特徴とする請求項1記載の補助座席の座位調節機構。
【請求項3】
座部材1の裏面に滑動防止層12が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の補助座席の座位調節機構。
【請求項4】
座部材1の側縁部にエアバック材3のポンプ32を収納可能なポケット13が配設されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の補助座席の座位調節機構。
【請求項5】
背凭れ部材2のバックプレート22の裏面に面着ファスナー22aが配設されており、この面着ファスナー22aにエアバッグ材3Bの袋体31Bの表面生地31aが付着可能であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の補助座席の座位調節機構。
【請求項6】
エアバッグ材3のポンプ32が着座状態における着座者の両手付近に配置されるように送気ホース33の長さを設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の補助座席の座位調節機構。
【請求項7】
座部材1のクッション材11および/または背凭れ部材2のクッション材21に低反発性ウレタン材料が用いられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の補助座席の座位調節機構。
【請求項8】
座部材1上面の後方部に配設された面着部材14と、背凭れ部材2下縁部に配設された所定幅の面着部材23とが互いに着脱自在に接合可能にしたことを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の補助座席の座位調節機構。
【請求項9】
座部材1の面着部材14が、パイルシートまたはフックシートによって作製されていることを特徴とする請求項8記載の補助座席の座位調節機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−110492(P2010−110492A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−286132(P2008−286132)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成20年10月23日〜24日 技術交流テクノフェア実行委員会(福井市、北陸経済連合会、(財)北陸産業活性化センター、福井県商工会議所連合会、福井商工会議所、(財)ふくい産業支援センター、福井県環境・エネルギー懇話会、北陸電力(株)、(株)福井銀行、(株)北陸銀行、西日本電信電話(株)福井支店)主催の「北陸技術交流テクノフェア2008」に出品
【出願人】(302009132)
【Fターム(参考)】