説明

補助記憶装置及びダウングレード判定方法

【課題】ディスクアレイ装置等の補助記憶装置で、実際に使用されている記憶容量を用いてダウングレードの可否を判定し、ダウングレードの可能性を増加させる。
【解決手段】構成情報保持部13で管理されている現在のHDD12の構成情報と、下位グレード最大構成情報保持部14に記憶されている下位のグレードで搭載可能なHDDの構成情報を用い、装置制限判定部15によって現在のHDD12の台数のままでダウングレードが可能か判定する。不可能の場合、再マッピング判定部16は、HDD12に格納されているデータを空き領域に移動することによってHDD12の数を削減すればダウングレードが可能か否かを判定する。ダウングレードが可能な場合、ダウングレード処理部17は、機器構成の設定を変更してダウングレードを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクアレイ装置等のコンピュータの補助記憶装置、及びそのダウングレードが可能か否かを判定するダウングレード判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクアレイ装置は記憶媒体として磁気ディスク装置(以下、「HDD」という)を複数個使用し、これをホストコンピュータ側から1つの論理的なディスクとしてアクセスできるように構成したものである。ディスクアレイ装置の代表的なものに、RAID(Redundant Array of Inexpensive Disks)がある。
【0003】
RAID技術は、1987年にカリフォルニア大学バークレイ校のパターソン氏らの論文で初めて紹介されたもので、比較的安価なHDDを多数使用することにより、耐障害性の向上、高速化、大容量化等を実現できる技術として、現在広く使用されている。
【0004】
このようなディスクアレイ装置では、HDDを増設することによって、容量が大きい大規模構成のディスクアレイ装置に簡単にアップグレードすることができる。
【0005】
しかしながら、使用量が増加するという予測に基づいてディスクアレイ装置をアップグレードしたものの予測が外れて実際の使用量が増加しなかったり、設置当初の計画通りの実使用が行われなかったりした場合、大規模構成での運用は、消費電力やメンテナンス上の問題となる。更に、不必要なHDDを多数占有することは、資源の有効活用の面からも問題である。このような場合、不必要なHDDを削除するために、グレード(階級)を下げて小規模構成のディスクアレイ装置に設定変更するダウングレードを行うことがある。
【0006】
ダウングレードを行う場合、基本ソフトウエアであるOS(Operating System)のマルチブートのように、それぞれ別々の構成情報を保持した状態で、ディスクアレイ装置のダウングレードを実施する。その場合、例えば、ダウングレード前に実使用されているHDDの数が、目的とする下位グレードの構成で搭載可能なHDDの最大数以下でなければならない、等の条件が満たされる必要がある。
【0007】
下記特許文献1には、ディスクアレイ装置で使用しているHDDを、より容量の大きいHDDに置き換えることによって記憶容量を拡張するための手順が記載されている。
【0008】
特許文献2には、ホストコンピュータから与えられる入出力要求に応じて、物理ディスクをアクセスするために使用する構成定義テーブルを作成するシステムにおいて、規模の異なるモデルであっても、共通のファームウエアを使用して規模に応じたメモリサイズの構成定義テーブルを作成することができる構成定義設定方法が記載されている。
【0009】
また、特許文献3には、ストレージ装置の管理者が行う物理デバイス群と論理デバイス群の構成の設定操作を簡素化して、設定ミスや煩雑な作業を抑制するための構成設定方法が記載されている。しかし、特許文献1〜3のいずれにも、ダウングレードの判定方法についての記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第01/040925号
【特許文献2】特開2006−221371号公報
【特許文献3】特開2008−71104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述のように、ディスクアレイ装置のダウングレードは、ダウングレード前に実使用されているHDDの数が、目的とする下位グレードの構成で搭載可能なHDDの最大数以下である等の条件が満たされた場合にのみ可能となっている。
【0012】
しかしながら、例えばアップグレードによってHDDを増設して使用を開始すると、増設したHDDにもデータが分散して格納されることになる。このため、ダウングレード前のディスクアレイ装置でHDDに実際に保存されているデータ量の合計が、下位グレードのディスクアレイ装置に搭載可能なHDD群でも十分に保存できる場合であっても、ダウングレードができないと判定されてしまうという課題があった。
【0013】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ディスクアレイ装置等の補助記憶装置で実際に使用されている記憶容量を用いてダウングレードの可能性を判定することにより、ダウングレードの可能性を増加させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る補助記憶装置は、
設定されたグレードに応じて搭載可能な記憶媒体の数と記憶容量が制限され、ホストコンピュータから与えられるデータを搭載された複数の記憶媒体に分散して記憶する補助記憶装置において、
前記搭載された複数の記憶媒体の内で実際に使用されている記憶容量の合計と、現在設定されているグレードよりも下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体による記憶容量の合計に基づいて、該下位のグレードへの変更が可能か否かを判定する判定手段を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の観点に係るダウングレード判定方法は、
設定されたグレードに応じて搭載可能な記憶媒体の数と記憶容量が制限され、ホストコンピュータから与えられるデータを搭載された複数の記憶媒体に分散して記憶する補助記憶装置において、該設定されたグレードよりも下位のグレードへの変更の可能性を判定するダウングレード判定方法であって、
前記搭載された複数の記憶媒体の内で実際に使用されている記憶容量の合計と、現在設定されているグレードよりも下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体による記憶容量の合計に基づいて、該下位のグレードへの変更が可能か否かを判定する判定処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、搭載されている複数の記憶媒体の内で実際に使用されている記憶容量の合計と、現在設定されているグレードよりも下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体による記憶容量の合計に基づいて、下位のグレードへの変更が可能か否かを判定する。これにより、実際に使用されている記憶媒体の数だけに基づいて下位のグレードへの変更の可否を判定する場合に比べて、ダウングレードの可能性を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態を示すディスクアレイ装置のブロック図である。
【図2】図1中の構成情報保持部の一例を示す説明図である。
【図3】図1中の下位グレード最大構成情報保持部の一例を示す説明図である。
【図4】図1におけるダウングレード判定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1に示すように、本発明の実施形態のディスクアレイ装置10は、RAID制御部11、記憶媒体である複数のHDD12、及び構成情報保持部13に加えて、ダウングレードの可能性を判定したりダウングレードを実行する手段である下位グレード最大構成情報保持部14、装置制限判定部15、再マッピング判定部16、及びダウングレード処理部17を備えている。
【0020】
これらの構成要素の内、RAID制御部11と、複数のHDD12と、構成情報保持部13は、一般的なディスクアレイ装置にも含まれるものである。
【0021】
即ち、RAID制御部11は、データ処理装置であるホストコンピュータ1から与えられるユーザデータを、適用されるRAID方式に基づいて複数のHDD12に分散して保存すると共に、ユーザデータの読み出し要求に応じて複数のHDD12からデータを読み出して、ホストコンピュータ1へ転送するための制御を行うものである。
【0022】
構成情報保持部13は、現在稼働中のディスクアレイ装置10の構成情報を保持するもので、RAID制御部11は、この構成情報保持部13に格納した情報を用いて複数のHDD12を制御するようになっている。
【0023】
構成情報保持部13には、図2に示すように、現在稼働しているディスクアレイ装置10の構成情報として、搭載されているHDD12の台数(搭載HDD数)、RAID制御部11のディスクポートの数(ディスクポート数)、各ディスクポートに接続されているHDD12の台数(各ディスクポートのHDD接続台数)、論理ディスクの数(論理ディスク数)、各論理ディスクの容量、各論理ディスクで実際にデータ保存のために使用されている容量(各論理ディスクの実使用容量)、搭載されている各HDD12の物理容量、構成されている各ストレージプール0,1,…の構成等の情報が含まれている。
【0024】
なお、ストレージプールは、複数のストレージ(HDD)をあたかも単一のストレージであるかのように利用できる仮想的ストレージで、HDD構成情報、論理ディスク構成情報及びRAID構成情報等によって管理されている。
【0025】
一方、下位グレード最大構成情報保持部14、装置制限判定部15、再マッピング判定部16及びダウングレード処理部17からなるダウングレード手段は、本発明のディスクアレイ装置10で新たに設けられたものである。
【0026】
下位グレード最大構成情報保持部14は、現在のグレードから低下させようとする下位グレードにおける最大構成に関する情報を保持するものである。下位グレード最大構成情報保持部14には、図3に示すように、搭載可能なHDD12の最大数(最大HDD搭載台数)、RAID制御部11のディスクポートに接続できるHDD12の最大数(ディスクポートの最大HDD接続台数)、ディスクポート数、最大論理ディスク数、及び下位グレードのディスクアレイ装置がサポートするHDD12の各容量(サポートHDDの各容量)等の情報が含まれている。
【0027】
装置制限判定部15は、下位グレード最大構成情報保持部14に保持されている下位グレードにおける最大の構成情報と、構成情報保持部13で管理されている現在のディスクアレイ装置10の構成情報を用いて、ダウングレードに関する装置構成上の制限が有るか否かを判定するものである。装置制限判定部15は、装置構成上の制限が存在しない場合に、ダウングレード可能と判定するようになっている。
【0028】
再マッピング判定部16は、装置制限判定部15によってダウングレードに関する装置構成上の制限が有ると判定されたときに、HDD12の割り当てをやり直す(再マッピングする)ことによって、ダウングレードが可能か否かを判定するものである。例えば、再マッピング判定部16は、現在のディスクアレイ装置10のHDD12に保存されているデータ量が、HDDを単純に削減するだけでダウングレード後のHDDに保存できる場合に、再マッピングを行えばダウングレードが可能と判定するようになっている。
【0029】
更に、再マッピング判定部16は、現在搭載されているHDD12では再マッピングによってもダウングレードが不可能な場合、容量の大きなHDDに変更すればダウングレードが可能か否かを判定し、その結果を出力するようになっている。
【0030】
ダウングレード処理部17は、装置制限判定部15や再マッピング判定部16によってダウングレードの実施が可能であると判定されたときに、実際にダウングレード処理を行うものである。
【0031】
なお、RAID制御部11は、ホストコンピュータ1や複数のHDD12との間のインタフェース回路、プログラムに従って制御処理を行うプロセッサ、制御処理用のプログラムを記憶するメモリ等で構成されている。また、ダウングレード手段である下位グレード最大構成情報保持部14、装置制限判定部15、再マッピング判定部16及びダウングレード処理部17も、プロセッサと処理用のプログラムを格納したメモリ等で構成されるが、このプロセッサやメモリ等は、RAID制御部11のプロセッサやメモリ等を利用することができる。
【0032】
図4は、図1におけるダウングレード判定処理の流れを示すフローチャートである。以下、図4を参照しつつ、図1におけるダウングレード判定処理の動作を説明する。
【0033】
ダウングレード判定処理の開始により、装置制限判定部15が起動されて、構成情報保持部13と下位グレード最大構成情報保持部14が参照され、現在搭載されているHDD12の台数と、下位グレードの最大搭載HDD台数の比較が行われる(ステップS11)。
【0034】
現在搭載されているHDD12の台数が、下位グレードの最大搭載HDD台数以下であれば(ステップS11;YES)、装置制限判定部15は、ダウングレード可能の旨を図示しない表示部に表示し、可能判定を行う。これにより、判定処理は終了する。
【0035】
現在搭載されているHDD12の台数が、下位グレードの最大搭載HDD台数以下でなければ(ステップS11;NO)、装置制限判定部15は、下位グレードの最大搭載HDD台数を超過する現在のHDD12の台数を算出し(ステップS13)、再マッピング判定部16を起動する。
【0036】
再マッピング判定部16は、構成情報保持部13を参照し、論理ディスクの総容量が最も少ないストレージプールから順番に削除対象のストレージプールを選定し、削除後に残るHDD12の台数が下位グレードの最大搭載HDD台数以下となるようにする(ステップS14)。
【0037】
次に、再マッピング判定部16は、削除対象として選定したストレージプールに存在する論理ディスクの実使用容量の合計Aを計算する(ステップS15)。また、再マッピング判定部16は、削除対象外のストレージプールに存在する論理ディスクの空き容量の合計Bを計算する(ステップS16)。
【0038】
更に、再マッピング判定部16は、計算した合計Aと合計Bを比較する(ステップS17)。削除対象外のストレージプールの空き容量の合計Bが、削除対象のストレージプールの実使用容量の合計Aよりも多い場合(ステップS17;YES)、再マッピング判定部16は、再マッピングによるダウングレードが可能と判定し、削除対象のHDD12と移動対象の論理ディスクの移動先ストレージプールを表示することにより(ステップS18)、可能判定を行う。これにより、判定処理は終了する。
【0039】
削除対象外のストレージプールの空き容量の合計Bが、削除対象のストレージプールの実使用容量の合計A以下の場合(ステップS17;NO)、再マッピング判定部16は、再マッピングによるダウングレードが不可能と判定し、ストレージプールの不足容量(A−B)を算出する(ステップS19)。
【0040】
その後、再マッピング判定部16は、削除対象のストレージプールを容量の大きなHDDに置き換えた場合の空き容量Cを計算し(ステップS20)、この空き容量Cがストレージプールの不足容量(A−B)よりも大きいか否かを判定する(ステップS21)。
【0041】
空き容量Cがストレージプールの不足容量(A−B)よりも大きい場合(ステップS21;YES)、再マッピング判定部16は、置き換え対象のHDD12と置き換えに必要なHDDの容量等を表示し(ステップS22)、不能判定を行う。これにより、判定処理は終了する。但し、この場合、表示された内容に従ってHDD12を置き換えれば、再マッピングによってダウングレードは可能になる。
【0042】
一方、空き容量Cがストレージプールの不足容量(A−B)よりも小さい場合(ステップS21;NO)、再マッピング判定部16は、超過する論理ディスクの総容量を表示し(ステップS23)、不能判定を行う。これにより、判定処理は終了する。この場合、ディスクアレイ装置10で実際に使用されている論理ディスクの総容量が、下位グレードの最大構成における総容量を超えているので、ダウングレードは不可能である。
【0043】
ステップS12またはステップS18で、ダウングレードが可能と判定された場合、ダウングレード処理部17が起動され、必要に応じて、削除対象のHDD12中のデータの削除対象外のHDD12への移動や、データ移動後の不要なHDD12の切り離し等の処理が行われて、ダウングレードが実行される。
【0044】
以上詳細に説明したように、本実施形態のディスクアレイ装置10は、現在実装されているHDDの実使用量と下位グレードにおける最大構成情報に基づいて、ダウングレードが可能か否かの判定を行うようにしている。これにより、HDDの増設によるアップグレードを行った後でも、HDDの総使用量が下位グレードの最大規模を超えていなければ、再び元のグレードに戻す(ダウングレードする)ことができるという利点がある。
よって、本実施形態によれば、ディスクアレイ装置で実際に使用されている記憶容量を用いてダウングレードの可能性を判定することにより、ダウングレードの可能性を増加させることができる。更に、ダウングレードが不可能な場合には、その要因を提示することができる。
【0045】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、下記のような種々の変形が可能である。
(a) 記憶媒体としてHDD12を用いたディスクアレイ装置10について説明したが、光ディスクやフラッシュメモリ等の記憶媒体を用いた補助記憶装置にも同様に適用可能である。
【0046】
(b) 下位グレード最大構成情報保持部14に代えて、最下位から最上位までのグレード別の最大構成情報を保持するグレード別最大構成情報保持部を設け、変更したいグレードを指定して、そのグレードにおける最大構成情報を得るように構成しても良い。
逆に、装置制限判定部15や再マッピング判定部16を構成するプログラム中に、下位グレードにおけるHDDの最大構成情報をデータとして含ませることにより、独立した下位グレード最大構成情報保持部14を設ける必要はなくなる。
【0047】
(c) 構成情報保持部13や、下位グレード最大構成情報保持部14で保持する構成情報は、例示したものに限定されない。
(d) 図4のダウングレード判定処理の流れは一例であり、同様の処理が可能であればその手順は任意である。
【0048】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0049】
(付記1)
設定されたグレードに応じて搭載可能な記憶媒体の数と記憶容量が制限され、ホストコンピュータから与えられるデータを搭載された複数の記憶媒体に分散して記憶する補助記憶装置において、
前記搭載された複数の記憶媒体の内で実際に使用されている記憶容量の合計と、現在設定されているグレードよりも下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体による記憶容量の合計に基づいて、該下位のグレードへの変更が可能か否かを判定する判定手段を有することを特徴とする補助記憶装置。
【0050】
(付記2)
前記判定手段は、
前記搭載されている記憶媒体の数が、前記下位のグレードで搭載可能な記憶媒体の最大数を超えていないときに、該下位のグレードへの変更が可能と判定する第1の判定部と、
前記第1の判定部で前記下位のグレードへの変更が可能と判定されない場合に、前記搭載されている記憶媒体の内の一部の記憶媒体に記憶されているデータを他の記憶媒体に移動することによって、データの記憶に使用される記憶媒体の数を前記下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体の数以下に削減できるか否かを判定する第2の判定部と、
を有することを特徴とする付記1に記載の補助記憶装置。
【0051】
(付記3)
前記判定手段は、
前記第2の判定部で前記記憶媒体の数を前記下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体の数以下に削減できないと判定されたときに、前記一部の記憶媒体に記憶されているデータの移動先である前記他の記憶媒体の記憶容量を該下位のグレードで搭載可能な最大の記憶容量に変更することによって、前記データの記憶に使用される記憶媒体の数を該下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体の数以下に削減できるか否かを判定する第3の判定部を更に有することを特徴とする付記2に記載の補助記憶装置。
【0052】
(付記4)
前記第3の判定部は、前記記憶媒体の記憶容量の変更によって下位のグレードへの変更が可能と判定した場合に、その変更対象となる記憶媒体を表示することを特徴とする付記3に記載の補助記憶装置。
【0053】
(付記5)
前記判定手段によって前記下位のグレードへの変更が可能と判定されたときに、その下位のグレードへの設定変更を行うダウングレード手段を有することを特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記載の補助記憶装置。
【0054】
(付記6)
前記記憶媒体は、磁気ディスク装置であることを特徴とする付記1乃至5のいずれか1に記載の補助記憶装置。
【0055】
(付記7)
設定されたグレードに応じて搭載可能な記憶媒体の数と記憶容量が制限され、ホストコンピュータから与えられるデータを搭載された複数の記憶媒体に分散して記憶する補助記憶装置において、該設定されたグレードよりも下位のグレードへの変更の可能性を判定するダウングレード判定方法であって、
前記搭載された複数の記憶媒体の内で実際に使用されている記憶容量の合計と、現在設定されているグレードよりも下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体による記憶容量の合計に基づいて、該下位のグレードへの変更が可能か否かを判定する判定処理を行うことを特徴とするダウングレード判定方法。
【0056】
(付記8)
前記判定処理において、
前記搭載されている記憶媒体の数が、前記下位のグレードで搭載可能な記憶媒体の最大数を超えていないときに、該下位のグレードへの変更が可能と判定する第1の判定処理と、
前記第1の判定処理で前記下位のグレードへの変更が可能と判定されない場合に、前記搭載されている記憶媒体の内の一部の記憶媒体に記憶されているデータを他の記憶媒体に移動することによって、データの記憶に使用される記憶媒体の数を前記下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体の数以下に削減できるか否かを判定する第2の判定処理と、
を行うことを特徴とする付記7に記載のダウングレード判定方法。
【0057】
(付記9)
前記判定処理において、
前記第2の判定処理で前記記憶媒体の数を前記下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体の数以下に削減できないと判定されたときに、前記一部の記憶媒体に記憶されているデータの移動先である前記他の記憶媒体の記憶容量を該下位のグレードで搭載可能な最大の記憶容量に変更することによって、前記データの記憶に使用される記憶媒体の数を該下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体の数以下に削減できるか否かを判定する第3の判定処理を更に行うことを特徴とする付記8に記載のダウングレード判定方法。
【0058】
(付記10)
前記第3の判定処理において、前記記憶媒体の記憶容量の変更によって下位のグレードへの変更が可能と判定した場合に、その変更対象となる記憶媒体を表示することを特徴とする付記9に記載のダウングレード判定方法。
【0059】
(付記11)
前記判定処理によって前記下位のグレードへの変更が可能と判定されたときに、その下位のグレードへの設定変更を行うダウングレード処理を行うことを特徴とする付記7乃至10のいずれか1に記載のダウングレード判定方法。
【0060】
(付記12)
前記記憶媒体は、磁気ディスク装置であることを特徴とする付記7乃至11のいずれか1に記載のダウングレード判定方法。
【符号の説明】
【0061】
1 ホストコンピュータ
10 ディスクアレイ装置
11 RAID制御部
12 HDD(磁気ディスク装置)
13 構成情報保持部
14 下位グレード最大構成情報保持部
15 装置制限判定部
16 再マッピング判定部
17 ダウングレード処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定されたグレードに応じて搭載可能な記憶媒体の数と記憶容量が制限され、ホストコンピュータから与えられるデータを搭載された複数の記憶媒体に分散して記憶する補助記憶装置において、
前記搭載された複数の記憶媒体の内で実際に使用されている記憶容量の合計と、現在設定されているグレードよりも下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体による記憶容量の合計に基づいて、該下位のグレードへの変更が可能か否かを判定する判定手段を有することを特徴とする補助記憶装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
前記搭載されている記憶媒体の数が、前記下位のグレードで搭載可能な記憶媒体の最大数を超えていないときに、該下位のグレードへの変更が可能と判定する第1の判定部と、
前記第1の判定部で前記下位のグレードへの変更が可能と判定されない場合に、前記搭載されている記憶媒体の内の一部の記憶媒体に記憶されているデータを他の記憶媒体に移動することによって、データの記憶に使用される記憶媒体の数を前記下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体の数以下に削減できるか否かを判定する第2の判定部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の補助記憶装置。
【請求項3】
前記判定手段は、
前記第2の判定部で前記記憶媒体の数を前記下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体の数以下に削減できないと判定されたときに、前記一部の記憶媒体に記憶されているデータの移動先である前記他の記憶媒体の記憶容量を該下位のグレードで搭載可能な最大の記憶容量に変更することによって、前記データの記憶に使用される記憶媒体の数を該下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体の数以下に削減できるか否かを判定する第3の判定部を更に有することを特徴とする請求項2に記載の補助記憶装置。
【請求項4】
前記第3の判定部は、前記記憶媒体の記憶容量の変更によって下位のグレードへの変更が可能と判定した場合に、その変更対象となる記憶媒体を表示することを特徴とする請求項3に記載の補助記憶装置。
【請求項5】
前記判定手段によって前記下位のグレードへの変更が可能と判定されたときに、その下位のグレードへの設定変更を行うダウングレード手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の補助記憶装置。
【請求項6】
前記記憶媒体は、磁気ディスク装置であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の補助記憶装置。
【請求項7】
設定されたグレードに応じて搭載可能な記憶媒体の数と記憶容量が制限され、ホストコンピュータから与えられるデータを搭載された複数の記憶媒体に分散して記憶する補助記憶装置において、該設定されたグレードよりも下位のグレードへの変更の可能性を判定するダウングレード判定方法であって、
前記搭載された複数の記憶媒体の内で実際に使用されている記憶容量の合計と、現在設定されているグレードよりも下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体による記憶容量の合計に基づいて、該下位のグレードへの変更が可能か否かを判定する判定処理を行うことを特徴とするダウングレード判定方法。
【請求項8】
前記判定処理において、
前記搭載されている記憶媒体の数が、前記下位のグレードで搭載可能な記憶媒体の最大数を超えていないときに、該下位のグレードへの変更が可能と判定する第1の判定処理と、
前記第1の判定処理で前記下位のグレードへの変更が可能と判定されない場合に、前記搭載されている記憶媒体の内の一部の記憶媒体に記憶されているデータを他の記憶媒体に移動することによって、データの記憶に使用される記憶媒体の数を前記下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体の数以下に削減できるか否かを判定する第2の判定処理と、
を行うことを特徴とする請求項7に記載のダウングレード判定方法。
【請求項9】
前記判定処理において、
前記第2の判定処理で前記記憶媒体の数を前記下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体の数以下に削減できないと判定されたときに、前記一部の記憶媒体に記憶されているデータの移動先である前記他の記憶媒体の記憶容量を該下位のグレードで搭載可能な最大の記憶容量に変更することによって、前記データの記憶に使用される記憶媒体の数を該下位のグレードで搭載可能な最大の記憶媒体の数以下に削減できるか否かを判定する第3の判定処理を更に行うことを特徴とする請求項8に記載のダウングレード判定方法。
【請求項10】
前記第3の判定処理において、前記記憶媒体の記憶容量の変更によって下位のグレードへの変更が可能と判定した場合に、その変更対象となる記憶媒体を表示することを特徴とする請求項9に記載のダウングレード判定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate