説明

補強用シートの貼付け方法

【課題】 仕上がりの美観が向上する、補強用シートの貼付け方法を提供する。
【解決手段】 補強用シート2の貼付け方法は、土木・建築構造物1の表面1aに、その表面1a側から順に並ぶ、接着層3と、補強用シート2と、剥離部材4と、脱気のための脱気用部材5とを備える、被覆構造10を形成する。そして、被覆構造10を覆うようにして、エアバッグフィルム11を、土木・建築構造物1に気密に取り付け、エアバッグフィルム11の内側の空気を抜く。ここで、エアバッグフィルム11の皺が補強用シート2へ及ぶのを防ぐべく、被覆構造10には、剥離部材4と脱気用部材5との間に、皺防止材6が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、土木・建築構造物を補強するために、その土木・建築構造物に補強用シートを貼り付ける、補強用シートの貼付け方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、構造物表面に、炭素繊維とかアラミド繊維とかPBO繊維などからなる補強用シートを貼り付けることで、構造物を補強する工法があった。この補強用シートの貼付けにあたっては、従来は、構造物表面すなわち接着面の下地処理後、接着面と補強用シート表面にエポキシ樹脂などの接着材を塗布し、その補強用シート、剥離シート、脱気のための通気シート、および真空を確保するためのエアバッグフィルムをセットした。そして、エアバッグフィルムの内側の空気を吸気ポンプ等で吸い出して内部を真空にすることにより、エアバッグフィルムを大気圧で、構造物の表面側に密着させるようにして、補強用シートを、構造物の表面に押し付けて接着していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記従来の補強用シートの貼付けにおいては、エアバッグフィルムの内側が真空になるにつれて、エアバッグフィルムや通気シートがランダムに縮むため、接着材が硬化後の補強用シートの表面にランダムな皺が発生し、仕上がり外観が損なわれた。
【0004】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、仕上がりの美観が向上する、補強用シートの貼付け方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る補強用シートの貼付け方法は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る補強用シートの貼付け方法は、土木・建築構造物の表面に、その表面側から順に並ぶ、接着層と、前記土木・建築構造物を補強するための補強用シートと、剥離シートまたは剥離フィルムからなる剥離部材と、脱気のための脱気用部材とを備える、被覆構造を形成し、前記被覆構造を覆うようにして、エアバッグフィルムを、前記土木・建築構造物に気密に取り付け、前記エアバッグフィルムの内側の空気を抜いて、前記土木・建築構造物の表面側に密着する前記エアバッグフィルムにより、前記補強用シートを前記土木・建築構造物の表面に押し付けて接着する。ここで、前記エアバッグフィルムの皺が前記補強用シートへ及ぶのを防ぐべく、前記被覆構造には、前記剥離部材と前記脱気用部材との間に、前記エアバッグフィルムよりも剛性の高い、シート状または板状の皺防止材が設けられる。これにより、エアバッグフィルムの内側の空気を抜いていったときに、そのエアバッグフィルムに皺が生じても、エアバッグフィルムと補強用シートとを隔てる皺防止材により、前記エアバッグフィルムの皺が、補強用シートに及ぶのを避けることができる。こうして、補強用シートにおける皺の発生が抑えられ、その補強用シートにおける仕上がりの美観が向上する。
【0006】
また、請求項2に記載の発明に係る補強用シートの貼付け方法のように、請求項1に記載の貼付け方法において、前記脱気用部材は、段ボールまたは不織布からなってもよい。
【0007】
また、請求項3に記載の発明に係る補強用シートの貼付け方法のように、請求項1に記載の貼付け方法において、前記脱気用部材は、紐あるいはロープからなり、その紐あるいはロープが、前記皺防止材に、間隔を置いて配置されてもよい。このように、脱気用部材としての紐あるいはロープを、皺防止材に間隔を置いて配置することで、この脱気用部材の材料を削減することができる。したがって、補強用シートを土木・建築構造物の表面に低コストで貼り付けることができる。
【0008】
また、請求項4に記載の発明に係る補強用シートの貼付け方法のように、請求項3に記載の貼付け方法において、前記紐あるいはロープを、予め前記皺防止材に取り付けて、それら紐あるいはロープと皺防止材とからなる複合体を形成し、その複合体を、前記剥離部材に被せてもよい。このように、予め脱気用部材としての紐あるいはロープを皺防止材に取り付けておくことで、被覆構造を形成する作業が容易となる。しかも、これら紐あるいはロープと皺防止材とを種々の土木・建築構造物に使い回す場合には、これら紐あるいはロープと皺防止材とを複合体の状態で使い回すことで、効率よく作業を行なうことができる。
【0009】
また、請求項5に記載の発明に係る補強用シートの貼付け方法のように、請求項3または4に記載の貼付け方法において、前記皺防止材は、合板とか合成樹脂板等の板材からなってもよい。このように、皺防止材が合板とか合成樹脂板等の板材からなると、エアバッグフィルムの内側の空気を抜いた後に、脱気用部材としての紐と紐との間から、あるいはロープとロープとの間から、皺防止材としての板材を、エアバッグフィルムを介してハンマー等の打撃工具により打撃し、その打撃音を聞き分けることで、土木・建築構造物の表面と補強用シートとの間に空気溜まりが存在するかどうかを調べることができる。
【0010】
また、請求項6に記載の発明に係る補強用シートの貼付け方法は、土木・建築構造物の表面に、その表面側から順に並ぶ、接着層と、前記土木・建築構造物を補強するための補強用シートと、剥離シートまたは剥離フィルムからなる剥離部材と、脱気のための脱気用部材とを備える、被覆構造を形成し、前記被覆構造を覆うようにして、エアバッグフィルムを、前記土木・建築構造物に気密に取り付け、前記エアバッグフィルムの内側の空気を抜いて、前記土木・建築構造物の表面側に密着する前記エアバッグフィルムにより、前記補強用シートを前記土木・建築構造物の表面に押し付けて接着する。ここで、前記エアバッグフィルムの皺が前記補強用シートへ及ぶのを防ぐべく、前記被覆構造には、前記エアバッグフィルムよりも剛性の高い、シート状または板状の、前記脱気用部材を兼ねた皺防止材が設けられる。これにより、エアバッグフィルムの内側の空気を抜いていったときに、そのエアバッグフィルムに皺が生じても、エアバッグフィルムと補強用シートとを隔てる皺防止材により、前記エアバッグフィルムの皺が、補強用シートに及ぶのを避けることができる。こうして、補強用シートにおける皺の発生が抑えられ、その補強用シートにおける仕上がりの美観が向上する。しかも、この皺防止材が脱気用部材を兼ねているため、被覆構造の部品点数を減らすことができる。したがって、補強用シートを土木・建築構造物の表面に低コストで貼り付けることができる。
【0011】
また、請求項7に記載の発明に係る補強用シートの貼付け方法のように、請求項6に記載の貼付け方法において、前記皺防止材は、不織布からなってもよい。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る補強用シートの貼付け方法によれば、エアバッグフィルムと補強用シートとを隔てる皺防止材により、エアバッグフィルムの皺が、補強用シートに及ぶのを避けることができ、仕上がりの美観が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明に係る補強用シートの貼付け方法を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明の第一の実施の形態を示す。図中符号1は、補強の対象となる、構造物、例えば橋の桁等の土木・建築構造物である。2は、前記構造物1を補強するための補強用シートであり、例えば、炭素繊維シート、アラミド繊維シート、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維シート等の繊維シート、特に連続繊維シートからなる。そして、この補強用シート2が、構造物1の表面1aに貼り付けられることで、その構造物1は、補強される。
【0015】
補強用シート2の貼付け方法は、構造物1の表面1aに、その表面1a側から順に並ぶ、接着層3と、前記補強用シート2と、剥離シートまたは剥離フィルムからなる剥離部材4と、脱気のための脱気用部材5とを備える、被覆構造10を形成する。そして、前記被覆構造10を覆うようにして、エアバッグフィルム11を、構造物1に気密に取り付け、そのエアバッグフィルム11の内側の空気を抜いて、構造物1の表面1a側に密着するエアバッグフィルム11により、補強用シート2を構造物1の表面1aに押し付けて接着する。ここにおいて、エアバッグフィルム11の皺が補強用シート2へ及ぶのを防ぐべく、被覆構造10には、剥離部材4と脱気用部材5との間に、エアバッグフィルム11よりも剛性の高い、シート状または板状の皺防止材6が設けられる。なお、図中符号7は、エアバッグフィルム11の内側の空気を抜くための、吸引用の管である。
【0016】
ここで、接着層3は、例えば、エポキシ樹脂等の含浸樹脂等からなる接着材を、構造物1の表面1aの接着面と、補強用シート2との両方あるいは一方に塗布することで形成される。そして、この接着層3の形成に先立ち、構造物1の接着面は、下地処理される。脱気用部材5は、通気性を有する通気性部材、例えば綿状マット、不織布、布地等の通気シートとか、波状の紙によって多数の孔が両端に連通するように設けられた段ボールとかのシート状物5aからなる。ここにおいて、脱気用部材5として用いる不織布は、短繊維からなる不織布に比べて、強度が大であり、しかも安価な、長繊維からなる不織布であるのが好ましい。また、この不織布の厚さは、脱気用部材5として機能するために、例えば、1mm〜5mm程度の厚さであるのが好ましいが、特にこの数値に限定されるわけではない。皺防止材6は、例えば、通気性を有しない材料からなる。そして、この皺防止材6として、厚紙とか合成樹脂シート等の可撓性を備えたシート材や、合板とか合成樹脂板等の板材が用いられる。なお、エアバッグフィルム11の内側の空気を抜いて、その内部が真空になった後には、接着材(接着層3)を養生(例えば、養生装置を用いて加温養生)する。そして、接着材の硬化後、養生装置を外し、次いで、エアバッグフィルム11、脱気用部材5、皺防止材6、剥離部材4を取り除く。
【0017】
この補強用シート2の貼付け方法によると、エアバッグフィルム11の内側の空気を、吸引用の管7を介して抜いていったときに、そのエアバッグフィルム11に皺が生じても、エアバッグフィルム11と補強用シート2とを隔てる皺防止材6により、エアバッグフィルム11の皺が、補強用シート2に及ぶのを避けることができる。こうして、補強用シート2における皺の発生が抑えられ、その補強用シート2における仕上がりの美観が向上する。そして、脱気用部材5が段ボールからなる場合には、この脱気用部材5を安価に製作することができ、その結果、補強用シート2を構造物1の表面1aに低コストで貼り付けることができる。
【0018】
図2および図3は、本発明の第二の実施の形態を示す。この実施の形態は、第一の実施の形態とは、脱気用部材5がシート状物5aではなく紐5b、5bからなるが、他は同様である。ここで、紐5b、5bは、その直径が、例えば8mm程度の紐であり、皺防止材6に、間隔を置いて配置される。図示実施の形態においては、紐5b、5bは、縦および横に、15cm〜30cm程度の間隔、例えば、15cm×30cm程度の網目を形成するように並べられる。この第二の実施の形態における貼付け方法においても、第一の実施の形態の貼付け方法と同様の作用効果を有するが、その他に、脱気用部材5としての紐5b、5bを、皺防止材6に間隔を置いて配置することで、この脱気用部材5の材料を削減することができ、その結果、補強用シート2を構造物1の表面1aに低コストで貼り付けることができる。
【0019】
また、ここにおいて、紐5b、5bを、予め皺防止材6に取り付けて、それら紐5b、5bと皺防止材6とからなる複合体を形成し、その複合体を、剥離部材4に被せることもできる。このように、予め脱気用部材5としての紐5b、5bを皺防止材6に取り付けておくことで、被覆構造10を形成する作業が容易となる。しかも、これら紐5b、5bと皺防止材6とを種々の構造物1に使い回す場合には、これら紐5b、5bと皺防止材6とを複合体の状態で使い回すことで、効率よく作業を行なうことができる。
【0020】
さらに、前記皺防止材6が、合板とか合成樹脂板等の板材からなると、エアバッグフィルムの内側の空気を抜いた後に、脱気用部材5としての紐5bと紐5bとの間から、皺防止材6としての板材を、エアバッグフィルム11を介してハンマー等の打撃工具により打撃し、その打撃音を聞き分けることで、構造物1の表面1aと補強用シート2との間に空気溜まりが存在するかどうかを調べることができる。そして、この構造物1の表面1aと補強用シート2との間に空気溜まりが存在する場合には、エアバッグフィルム11の内側の空気を抜きつつ、エアバッグフィルム11から補強用シート2まで、ドリル等を用いて孔を明けて、その孔の位置まで紐5bをずらすともにエアバッグフィルム11の孔を塞ぐことで、その空気溜まりを除去することができる。
【0021】
また、この実施の形態においては、脱気用部材5としての紐5bは、必ずしも、通気性を有する通気性部材でなくともよい。すなわち、エアバッグフィルム11の内側の空気を抜いていくと、そのエアバッグフィルム11は、紐5bおよび皺防止材6に密着するが、紐5bの両側の、皺防止材6との間には僅かに空隙が残る。そして、この空隙が脱気のための空気の流路を形成することになる。
【0022】
図4は、本発明の第三の実施の形態を示す。この実施の形態は、第一の実施の形態と比較すると、皺防止材6が脱気用部材5を兼ねている点が異なるが、他は同様である。すなわち、エアバッグフィルム11よりも剛性の高い、シート状または板状の皺防止材6に、脱気用部材5としての脱気の機能を付加している。
【0023】
ここで、脱気用部材5を兼ねた皺防止材6は、通気性を有する通気性部材、例えば、不織布とか段ボール等からなる。特に、この脱気用部材5を兼ねた皺防止材6として用いる不織布は、短繊維からなる不織布に比べて、強度が大であり、しかも安価な、長繊維からなる不織布であるのが好ましい。また、この不織布の厚さは、脱気用部材5および皺防止材6として機能するために、例えば、1mm〜5mm程度の厚さであるのが好ましいが、特にこの数値に限定されるわけではない。
【0024】
この補強用シート2の貼付け方法によると、第一の実施の形態と同様に、エアバッグフィルム11の内側の空気を抜いていったときに、そのエアバッグフィルム11に皺が生じても、エアバッグフィルム11と補強用シート2とを隔てる皺防止材6により、エアバッグフィルム11の皺が、補強用シート2に及ぶのを避けることができる。こうして、補強用シート2における皺の発生が抑えられ、その補強用シート2における仕上がりの美観が向上する。その上、この皺防止材6が脱気用部材5を兼ねているため、被覆構造10の部品点数を減らすことができ、その結果、補強用シート2を構造物1の表面1aに低コストで貼り付けることができる。そして、皺防止材6が段ボールからなる場合には、補強用シート2に、段ボールの波模様が写る虞があるものの、この皺防止材6、つまりは脱気用部材5を安価に製作することができ、補強用シート2を構造物1の表面1aに一層低コストで貼り付けることができる。
【0025】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、構造物1は、土木・建築構造物としては、橋の桁でなくとも、橋の、床版や橋脚や橋台等であってもよく、また、橋以外の、柱や梁等であってもよい。そして、構造物1を補強するための補強用シート2は、緊張された状態で、前記構造物1の表面1aに貼り付けられるのが好ましいが、緊張されないまま貼り付けられてもよい。
【0026】
また、第一の実施の形態に示す被覆構造10において、脱気用部材5の他に、剥離部材4と皺防止材6との間に、脱気のための、他の脱気用部材を設けてもよい。さらに、第一の実施の形態に示す被覆構造10において、剥離部材4と脱気用部材5との間の皺防止材6の他に、脱気用部材5より外側に、他の皺防止材を設けても構わない。
【0027】
また、以上に示す実施の形態において、補強用シート2や、脱気用部材5とか他の脱気用部材や、皺防止材6とか他の皺防止材は、一枚でもよいが、複数枚が重なるようにして用いられてもよい。
【0028】
また、第二の実施の形態に示す被覆構造10において、脱気用部材5としての紐5b、5bは、皺防止材6に、間隔を置いて配置されるのであれば、縦および横に並べられなくとも、縦または横に並べられてもよく、また、一本あるいは複数本の紐5bが、直線状でなく、例えば波状に配置されても構わない。また、脱気用部材5として、紐5bの代わりに、紐5bよりも太いロープを用いてもよい。
【0029】
また、第三の実施の形態に示す被覆構造10において、脱気用部材5を兼ねた皺防止材6は、不織布とか、波状の紙によって多数の孔が両端に連通するように設けられた段ボールからならなくとも、空気の流路を形成するように連通する多数の孔を備えた多孔質の板からなっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の第一の実施の形態の断面図である。
【図2】この発明の第二の実施の形態の断面図である。
【図3】同じく、図2におけるA矢視図である。
【図4】この発明の第三の実施の形態の断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 構造物(土木・建築構造物)
1a 表面
2 補強用シート
3 接着層
4 剥離部材
5 脱気用部材
5b 紐
6 皺防止材
10 被覆構造
11 エアバッグフィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
土木・建築構造物の表面に、その表面側から順に並ぶ、接着層と、前記土木・建築構造物を補強するための補強用シートと、剥離シートまたは剥離フィルムからなる剥離部材と、脱気のための脱気用部材とを備える、被覆構造を形成し、
前記被覆構造を覆うようにして、エアバッグフィルムを、前記土木・建築構造物に気密に取り付け、
前記エアバッグフィルムの内側の空気を抜いて、前記土木・建築構造物の表面側に密着する前記エアバッグフィルムにより、前記補強用シートを前記土木・建築構造物の表面に押し付けて接着する、補強用シートの貼付け方法であって、
前記エアバッグフィルムの皺が前記補強用シートへ及ぶのを防ぐべく、前記被覆構造には、前記剥離部材と前記脱気用部材との間に、前記エアバッグフィルムよりも剛性の高い、シート状または板状の皺防止材が設けられる、補強用シートの貼付け方法。
【請求項2】
前記脱気用部材は、段ボールまたは不織布からなることを特徴とする請求項1に記載の、補強用シートの貼付け方法。
【請求項3】
前記脱気用部材は、紐あるいはロープからなり、その紐あるいはロープが、前記皺防止材に、間隔を置いて配置されることを特徴とする請求項1に記載の、補強用シートの貼付け方法。
【請求項4】
前記紐あるいはロープを、予め前記皺防止材に取り付けて、それら紐あるいはロープと皺防止材とからなる複合体を形成し、その複合体を、前記剥離部材に被せることを特徴とする請求項3に記載の、補強用シートの貼付け方法。
【請求項5】
前記皺防止材は、合板とか合成樹脂板等の板材からなることを特徴とする請求項3または4に記載の、補強用シートの貼付け方法。
【請求項6】
土木・建築構造物の表面に、その表面側から順に並ぶ、接着層と、前記土木・建築構造物を補強するための補強用シートと、剥離シートまたは剥離フィルムからなる剥離部材と、脱気のための脱気用部材とを備える、被覆構造を形成し、
前記被覆構造を覆うようにして、エアバッグフィルムを、前記土木・建築構造物に気密に取り付け、
前記エアバッグフィルムの内側の空気を抜いて、前記土木・建築構造物の表面側に密着する前記エアバッグフィルムにより、前記補強用シートを前記土木・建築構造物の表面に押し付けて接着する、補強用シートの貼付け方法であって、
前記エアバッグフィルムの皺が前記補強用シートへ及ぶのを防ぐべく、前記被覆構造には、前記エアバッグフィルムよりも剛性の高い、シート状または板状の、前記脱気用部材を兼ねた皺防止材が設けられる、補強用シートの貼付け方法。
【請求項7】
前記皺防止材は、不織布からなることを特徴とする請求項6に記載の、補強用シートの貼付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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