説明

補強設計支援システム、ファブリケータコンピュータ、構造コンピュータ、選定コンピュータ、建設コンピュータ、補強設計支援プログラム、ファブリケータコンピュータ用プログラム、構造コンピュータ用プログラム、選定コンピュータ用プログラム、建設コンピュータ用プログラム。

【課題】 工事を不要に中断させることがない補強設計支援システムなどを提供する。
【解決手段】 ファブリケータコンピュータ100と、建設コンピュータ200と、構造コンピュータ300と、がネットワークで接続された補強設計支援システムである。ファブリケータコンピュータ100は、鉄骨梁500の貫通孔に適用可能な補強金具600の型式を仮選定する仮選定部103と、仮選定部103によって補強金具の型式が仮選定された場合に、構造計算データを要求する構造計算データ要求をネットワークに送信する構造計算データ要求部104と、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定部109と、を具備する。また、構造コンピュータ300は、ファブリケータコンピュータ100から構造計算データ要求を受信した場合に、ファブリケータコンピュータ100に構造計算データを送信する構造計算データ送信部を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、 鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の選定に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、次のような鉄骨梁貫通孔の補強設計支援装置が提供された(特許文献1参照)。特許文献1によると、この補強設計支援装置は、梁に作用する曲げモーメント、せん断力、および梁の曲げ耐力、せん断耐力を演算して補強の必要の有無および補強量を示すものであるとされる(特許文献1の段落0015)。特許文献1によると、鉄骨梁の貫通孔の形成部周辺を補強する補強構造として、各種の構造を採用できるとされ、例えば梁に重ねて溶接する補強プレートや、補強管やリブ状のスチフナー等が適用できるとある(特許文献1の段落0006、0016)。
【特許文献1】特開2005−105674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、建築物の施工においては、上記従来の補強設計支援装置などによって設計された補強を行うべく、いざ補強プレートなどの補強構造を貫通孔に適用しようとすると、貫通孔が設けられた位置などとの関係で、補強プレートなどの補強構造を鉄骨梁に適用できない場合が多い。したがって、この場合は、貫通孔の位置や大きさなどを変えて、上記従来の補強設計支援装置などを用いた設計を再度行わざるを得ず、この分だけ、貫通孔の位置や補強などを前提にした工事が遅延またはやり直しとなっていた。
そこで、本発明は、工事を不要に中断させることがない補強設計支援システム、ファブリケータコンピュータ、構造コンピュータ、選定コンピュータ、建設コンピュータ、補強設計支援プログラム、ファブリケータコンピュータ用プログラム、構造コンピュータ用プログラム、選定コンピュータ用プログラム、建設コンピュータ用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、上記課題は、次の手段により解決される。
【0005】
第1の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、構造計算データを要求する構造計算データ要求をネットワークに送信する構造計算データ要求手段と、前記構造計算データ要求手段によって送信された構造計算データ要求に対する構造計算データをネットワークから受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、を具備するファブリケータコンピュータと、前記ファブリケータコンピュータから構造計算データ要求を受信した場合に、前記ファブリケータコンピュータに構造計算データを送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータと、がネットワークで接続された補強設計支援システムである。
【0006】
第2の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、構造計算データを要求する構造計算データ要求をネットワークに送信する構造計算データ要求手段と、前記構造計算データ要求手段によって送信された構造計算データ要求に対する構造計算データをネットワークから受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、を具備し、前記構造計算データ要求を受信した場合に、前記ファブリケータコンピュータに構造計算データを送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータとネットワークを介して接続可能であるファブリケータコンピュータである。
【0007】
第3の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、構造計算データを要求する構造計算データ要求をネットワークに送信する構造計算データ要求手段と、前記構造計算データ要求手段によって送信された構造計算データ要求に対する構造計算データをネットワークから受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、を具備するファブリケータコンピュータにネットワークを介して接続可能であり、前記ファブリケータコンピュータから構造計算データ要求を受信した場合に、前記ファブリケータコンピュータに構造計算データを送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータである。
【0008】
第4の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定ステップと、前記仮選定ステップによって補強金具の型式が仮選定された場合に、構造計算データを要求する構造計算データ要求をネットワークに送信する構造計算データ要求ステップと、前記構造計算データ要求ステップによって送信された構造計算データ要求に対する構造計算データをネットワークから受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定ステップと、を有し、前記構造計算データ要求を受信した場合に構造計算データを送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータに、ネットワークを介して接続可能であるファブリケータコンピュータで実行し得るファブリケータコンピュータ用プログラムである。
【0009】
第5の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定ステップと、前記仮選定ステップによって補強金具の型式が仮選定された場合に、構造計算データを要求する構造計算データ要求をネットワークに送信する構造計算データ要求ステップと、前記構造計算データ要求ステップによって送信された構造計算データ要求に対する構造計算データをネットワークから受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定ステップと、を具備するファブリケータコンピュータにネットワークを介して接続可能な構造コンピュータで実行可能であり、前記ファブリケータコンピュータから構造計算データ要求を受信した場合に、前記ファブリケータコンピュータに構造計算データを送信する構造計算データ送信ステップを有する構造コンピュータ用プログラムである。
【0010】
第6の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定ステップと、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定ステップと、を有する補強設計支援プログラムである。
【0011】
第7の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、前記選定要求送信手段から送信された選定要求に対して、前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、を具備するファブリケータコンピュータと、前記ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信手段と、を具備する構造コンピュータと、を備えたことを特徴と補強設計支援システムである。
【0012】
第8の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、前記選定要求送信手段から送信された選定要求に対して、前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、を具備し、前記選定要求を受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、 前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを送信する選定結果送信手段と、を具備する構造コンピュータにネットワークを介して接続可能なファブリケータコンピュータである。
【0013】
第9の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、前記選定要求送信手段から送信された選定要求に対して、前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、を具備するファブリケータコンピュータにネットワークを介して接続可能であり、前記ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信手段と、を具備する構造コンピュータである。
【0014】
第10の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定ステップと、前記仮選定ステップによって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信ステップと、前記選定要求送信ステップから送信された選定要求に対して、前記仮選定ステップで仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信ステップと、を有し、前記選定要求を受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを送信する選定結果送信手段と、を具備する構造コンピュータに、ネットワークを介して接続可能なファブリケータコンピュータで実行されるファブリケータコンピュータ用プログラムである。
【0015】
第11の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、前記選定要求送信手段から送信された選定要求に対して、前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、を具備するファブリケータコンピュータにネットワークを介して接続可能な構造コンピュータで実行可能であり、前記ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定ステップと、前記最終選定ステップで選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信ステップと、を有する構造コンピュータ用プログラムである。
【0016】
第12の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、を具備するファブリケータコンピュータと、前記ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、構造計算データを選定コンピュータに送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータと、前記構造コンピュータから構造計算データを受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信手段と、を具備する選定コンピュータと、を備えたことを特徴と補強設計支援システムである。
【0017】
第13の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、を具備し、前記選定要求を受信した場合に、構造計算データを選定コンピュータに送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータと、前記構造コンピュータから構造計算データを受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信手段と、を具備する選定コンピュータと、ネットワークを介して接続可能なファブリケータコンピュータである。
【0018】
第14の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、を具備するファブリケータコンピュータと、構造計算データを受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信手段と、ネットワークを介して接続可能であり、前記ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、構造計算データを選定コンピュータに送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータである。
【0019】
第15の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、を具備するファブリケータコンピュータと、前記ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、構造計算データを選定コンピュータに送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータと、ネットワークを介して接続可能であり、前記構造コンピュータから構造計算データを受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信手段と、を具備する選定コンピュータである。
【0020】
第16の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定ステップと、前記仮選定ステップによって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信ステップと、前記仮選定ステップで仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信ステップと、を有し、前記選定要求を受信した場合に、構造計算データを選定コンピュータに送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータと、前記構造コンピュータから構造計算データを受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを送信する選定結果送信手段と、を具備する選定コンピュータと、にネットワークを介して接続可能なファブリケータコンピュータで実行可能なファブリケータコンピュータ用プログラムである。
【0021】
第17の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、を具備するファブリケータコンピュータと、構造計算データを受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信手段と、を具備する選定コンピュータと、ネットワークを介して接続可能な構造コンピュータで実行可能であり、前記ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、構造計算データを選定コンピュータに送信する構造計算データ送信ステップを有する構造コンピュータ用プログラムである。
【0022】
第18の発明は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、を具備するファブリケータコンピュータと、前記ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、構造計算データを選定コンピュータに送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータと、ネットワークを介して接続可能な選定コンピュータで実行可能であり、前記構造コンピュータから構造計算データを受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定ステップと、前記最終選定ステップで選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信ステップと、を有する選定コンピュータ用プログラムである。
【0023】
第19の発明は、第1、第7、または第12の発明に係る補強設計支援システムにおいて、さらに、前記ファブリケータコンピュータから第一承認データ要求を受信した場合に、補強金具を使用することについての第二承認データ要求をネットワークに送信する第二承認データ要求手段と、前記第二承認データ要求手段に対する第二承認データ応答をネットワークから受信した場合に、前記ファブリケータコンピュータに第一承認データ応答を送信する第一承認データ応答手段と、を具備する建設コンピュータを備え、前記ファブリケータコンピュータは、前記最終選定手段で選定された補強金具を使用することについての第一承認データ要求をネットワークに送信する第一承認データ要求手段を具備し、前記構造コンピュータは、前記建設コンピュータから前記第二承認データ要求を受信した場合に、前記最終選定された補強金具が所定の条件を満たしているか否かを判定し、満たしている場合には前記建設コンピュータに前記第二承認データ応答を送信する第二承認データ応答手段を具備する、補強設計支援システムである。
【0024】
第20の発明は、ファブリケータコンピュータから最終選定された補強金具を使用することについての第一承認データ要求を受信した場合に、補強金具を使用することについての第二承認データ要求を構造コンピュータに送信する第二承認データ要求手段と、前記第二承認データ要求手段に対する第二承認データ応答を構造コンピュータから受信した場合に、前記ファブリケータコンピュータに第一承認データ応答を送信する第一承認データ応答手段と、を具備する建設コンピュータである。
【0025】
第21の発明は、ファブリケータコンピュータから最終選定された補強金具を使用することについての第一承認データ要求を受信した場合に、補強金具を使用することについての第二承認データ要求を構造コンピュータに送信する第二承認データ要求ステップと、前記第二承認データ要求ステップに対する第二承認データ応答を構造コンピュータから受信した場合に、前記ファブリケータコンピュータに第一承認データ応答を送信する第一承認データ応答ステップと、 を有する建設コンピュータ用プログラムである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、工事を不要に中断させることがない補強設計支援システム、ファブリケータコンピュータ、構造コンピュータ、選定コンピュータ、建設コンピュータ、補強設計支援プログラム、ファブリケータコンピュータ用プログラム、構造コンピュータ用プログラム、選定コンピュータ用プログラム、建設コンピュータ用プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に、添付した図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態に係る補強設計支援システムが支援する補強設計の対象を示す図である。
図1に示すように、鉄骨梁500には貫通孔が設けられており、この貫通孔にリング状の補強金具600が嵌合し、溶接される。これにより、鉄骨梁500の貫通孔は補強される。本発明の実施の形態に係る補強設計支援システムは、ある型式の補強金具で鉄骨梁の貫通孔の補強を行う場合に、必要とされる貫通孔の孔径に対して、適用可能な型式の補強金具を仮選定し、貫通孔の孔径や取り付け位置などの適応条件を満たすか否かを判定する。この仮選定に際しては、鉄骨梁中のどの位置にどれだけの大きさの貫通孔を設ければよいのかを設計することも可能である。次いで、本発明の実施の形態に係る補強設計支援システムは、そのようにして設計された貫通孔に適用され、鉄骨梁を所定の耐力以上に補強する補強金具を選定する。
【0029】
図2は、本発明の実施の形態に係る補強設計支援システム(その1)を示す図である。
図2に示すように、実施の形態に係る補強設計支援システム(その1)は、ファブリケータコンピュータ100と、構造コンピュータ200と、建設コンピュータ300と、がネットワーク1000を介して接続されたコンピュータシステムである。ファブリケータコンピュータ100、構造コンピュータ200、および建設コンピュータ300は、CPUやメモリなどによって構成され、CPUがプログラムを実行することによって、次のように動作する。
【0030】
図3は、本発明の実施の形態に係る補強設計支援システム(その1)の動作を示すシーケンス図である。
図3に示すように、まず、ファブリケータコンピュータ100に初期データが入力される(S101)。ここで、初期データとは、広く鉄骨梁500や貫通孔などに関するデータをいい、特に限定されるものではないが、たとえば、貫通孔の孔径や、梁の材質や、梁サイズや、梁端から孔中心までの距離や、偏心量などのデータをいう。
次ぎに、ファブリケータコンピュータ100が、仮選定を行う(S102)。ここで、仮選定とは、ある型式の補強金具で補強を行う場合に、必要とされる貫通孔の孔径に対して、梁サイズなどにより、適用可能な型式の補強金具を選定し、貫通孔の孔径や取り付け位置などの適用条件を満たすか否かを判定することをいう。このステップS102によれば、必要とされる貫通孔の孔径や取り付け位置などの適用条件をあらかじめ検討することができるため、補強金具が貫通孔に適用できないということがない。したがって、このステップS102によれば、補強設計の終了後に補強金具が貫通孔に適用できないことが判明し、再度補強設計をやり直すということがなくなるため、また、貫通孔の補強工事が遅延またはやり直しとなることを防ぐことができるため、建設工事全体の工程が遅延することを防ぐことができる。なお、後述するように、本実施の形態によれば、貫通孔の孔径を柔軟に設計できるようになるが、貫通孔の孔径が大きくなると、貫通孔に適用する補強金具も大きくなるため、補強金具が他の貫通孔に適用予定の補強金具と干渉したり鉄骨梁からはみ出したりなどすることが多くなる。このため、鉄骨梁が適用条件を満たさず、補強金具を鉄骨梁に適用できない場合が多くなる可能性があるが、本実施の形態によれば、上記仮選定によって、適用の可否を早期に判定することができる。
次ぎに、補強金具の型式が仮選定された場合、ファブリケータコンピュータ100が、構造コンピュータ300に対して、構造計算データ要求を送信する(S103)。ここで、構造計算データとは、建築物の構造体を設計する計算データのうち、貫通孔が設けられた鉄骨梁の耐力を計算するために必要となるデータである。
次ぎに、構造コンピュータ300が、ファブリケータコンピュータ100から構造計算データ要求を受信した場合に、ファブリケータコンピュータ100に構造計算データを送信する(S104)。鉄骨梁の端部には、地震などによる大きな荷重を受けた場合にエネルギーを吸収する塑性化領域が存在するが、従来は、この部分に貫通孔を設けることについての安全性を建築物の施工時に判断することができず、塑性化領域には貫通孔が設けられていなかった。また、従来は、建築物の施工時に鉄骨梁の耐力を詳細に検討することが困難であったため、貫通孔の孔径を自由に設計することができなかった。しかしながら、本実施の形態によれば、上記のようにして構造計算データを利用することが可能となるため、建築物の施工時における鉄骨梁の耐力の詳細な検討が可能となり、鉄骨梁の塑性化領域にも貫通孔を設けることができるようになるとともに、貫通孔の孔径の設計を柔軟に行うことができるようになる。なお、本実施の形態においては、ファブリケータコンピュータ100が、構造計算データについて、これを保持していなくても、構造コンピュータ300からネットワーク1000を介して取得することができる。
次ぎに、ファブリケータコンピュータ100が、構造計算データをネットワーク1000から受信した場合に、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する(S105)。本発明では、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定することを、最終選定という。この最終選定された補強金具は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能であり、かつ、鉄骨梁を所定の耐力以上に補強可能なものである。
次ぎに、ファブリケータコンピュータ100が、建設コンピュータ200に対して、選定された補強金具を使用することについての第一承認データ要求をする(S106)。ここで、第一承認データ要求とは、ファブリケータコンピュータ100の建設コンピュータ200に対する、選定された補強金具を使用することについての承認要求である。
次ぎに、建設コンピュータ200が、補強金具を使用することについての第二承認データ要求を構造コンピュータに要求する(S107)。ここで、第二承認データ要求とは、建設コンピュータ200の構造コンピュータ300に対する、選定された補強金具を使用することについての承認要求である。
次ぎに、構造コンピュータ300が、選定された補強金具が所定の条件を満たしているか否かを判定し、満たしている場合には建設コンピュータ200に第二承認データ応答を送信する(S108)。ここで、第二承認データ応答とは、構造コンピュータ300の建設コンピュータ200に対する、選定された補強金具を使用することについての承認応答である。
次ぎに、建設コンピュータ200が、ファブリケータコンピュータ100に第一承認データ応答を送信する。ここで、第一承認データ応答とは、建設コンピュータ200のファブリケータコンピュータ100に対する、選定された補強金具を使用することについての承認応答である。
このように、ファブリケータコンピュータ100が構造コンピュータ300ではなく建設コンピュータ200から承認を受け、建設コンピュータが構造コンピュータから承認を受けることとしたのは、建設工事における承認関係に基づいて、補強金具を使用した貫通孔補強に関する、建設会社、ファブリケータ、設計者、それぞれの責任を明確にするためで、承認の電子データ記録を、システムまたはコンピュータ上にログとして明確に記録しておくためである。
【0031】
図4は、ファブリケータコンピュータ100の機能を示すブロック図である。
図4に示すように、ファブリケータコンピュータ100は、入力部101と、仕様記憶部102と、仮選定部103と、構造計算データ要求部104と、送信部105と、受信部106と、証明書記憶部107と、梁貫通孔データ記憶部108と、最終選定部109と、出力部110と、承認データ要求部111と、を具備している。
入力部101に入力された初期データは、仮選定部103に出力される。この仮選定部103では、仕様記憶部102に記憶されている補強金具の仕様データと初期データとを用いて、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する。仮選定部103で補強金具の型式が選定されると、初期データ及び仮選定の結果を示すデータが構造計算データ要求部104に出力される。このデータが入力されると、構造計算データ要求部104は、送信部105を介して、ネットワークに構造計算データを要求する構造計算データ要求を送信する。ここで、構造計算データ要求には、初期データ及び仮選定の結果を示すデータが含ませることが可能である。なお、仮選定部103には、ファブリケータがいなかる初期データに基づいていかなる仮選定をおこなったかを明らかにできるよう、初期データ及び仮選定の結果を示すデータが保存される。
構造コンピュータ300から受信部106を介して受信された構造計算データは、最終選定部109に送られる。最終選定部109では、梁貫通孔データ記憶部108に入力された初期データと構造計算データとを用いて、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する。選定された補強金具は、出力部110に送られて表示されるとともに、承認データ要求111に送られる。承認データ要求部111は、送信部105を介して建設コンピュータ200に第一承認データ要求を送信する。なお、第一承認データ要求には、最終選定の結果を示すデータが含まれる。
建設コンピュータ200からの第一承認データ要求は、受信部106を介して証明書記憶部107に記憶される。したがって、本実施の形態においては、建設コンピュータ200による承認の有無が電子データとして保存されるため、補強金具の使用に伴う責任が明確にされる。
上記のようなファブリケータコンピュータ100の機能は、たとえば、次ぎに示すプログラムをファブリケータコンピュータ100上で実行することにより実現できる。すなわち、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定ステップと、仮選定ステップによって補強金具の型式が仮選定された場合に、構造計算データを要求する構造計算データ要求をネットワークに送信する構造計算データ要求ステップと、構造計算データ要求ステップによって送信された構造計算データ要求に対する構造計算データをネットワークから受信した場合に、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定ステップと、を有するファブリケータコンピュータ用のプログラムである。また、最終選定手段で選定された補強金具を使用することについての第一承認データ要求をネットワークに送信する第一承認データ要求ステップと、第一承認データ要求に対する第一承認データ応答を受信するステップと、を有するファブリケータコンピュータ用プログラムである。
または、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定ステップと、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定ステップと、を有する補強設計支援プログラムである。
【0032】
図5は、建設コンピュータ200の機能をブロック図である。
図5に示すように、建設コンピュータ200は、ファブリケータコンピュータ100から受信部201を介して受信した第一承認データ要求を承認データ要求部202に出力する。ここで、第一承認データ要求には、最終選定の結果を示すデータが含まれている。承認データ要求部202は、送信部203を介して構造コンピュータ300に第二承認データ要求データを送信する。ここで、第二承認データ要求には、最終選定の結果を示すデータが含まれている。構造コンピュータ300から受信部201を介して受信した第二承認データ応答データは、承認データ応答部204に出力され、証明書記憶部205に記憶される。これにより、構造設計者による構造設計についての責任を示す電子データが記憶されることとなる。また、第二承認データ応答データを出力された承認データ応答部204は、送信部203を介してファブリケータコンピュータ100に第一承認データ応答を送信する。
このような建設コンピュータ200の機能は、たとえば、次のようなプログラムを建設コンピュータ200上で実行することにより実現できる。すなわち、ファブリケータコンピュータから最終選定された補強金具を使用することについての第一承認データ要求を受信した場合に、補強金具を使用することについての第二承認データ要求を構造コンピュータに送信する第二承認データ要求ステップと、第二承認データ要求ステップに対する第二承認データ応答を構造コンピュータから受信した場合に、ファブリケータコンピュータに第一承認データ応答を送信する第一承認データ応答ステップと、を有する建設コンピュータ用プログラムである。
【0033】
なお、構造コンピュータ300の機能を示すブロック図は特に図示していないが、構造コンピュータ300は、ファブリケータコンピュータ100から構造計算データ要求を受信した場合に、ファブリケータコンピュータ100に構造計算データを送信する構造計算データ送信部を具備している。なお、構造コンピュータ300は、構造計算データに加えて、建築物の構造体を設計する計算データを送信することも可能であるが、ネットワークトラフィックの無用の増大の防止及び設計図が不特定者に配布されてしまうことによるセキュリティの問題の観点からは、建築物の構造体を設計する計算データは送信しない方が望ましい。
なお、このような構造コンピュータ300の機能は、たとえば、次ぎに示すプログラムを構造コンピュータ300で実行することにより実現できる。すなわち、ファブリケータコンピュータから構造計算データ要求を受信した場合に、ファブリケータコンピュータに構造計算データを送信する構造計算データ送信ステップを有する構造コンピュータ用プログラムである。また、建設コンピュータから第二承認データ要求を受信した場合に、最終選定された補強金具が所定の条件を満たしているか否かを判定し、満たしている場合には建設コンピュータに前記第二承認データ応答を送信する第二承認データ応答ステップを有する構造コンピュータ用プログラムである。
【0034】
図6は、本発明の実施の形態に係る補強設計支援システム(その2)の動作を示すシーケンス図である。
図6に示すように、まず、ファブリケータコンピュータ100に初期データが入力される(S201)。ここで、初期データとは、広く鉄骨梁500や貫通孔などに関するデータをいい、特に限定されるものではないが、たとえば、貫通孔の孔径や、梁の材質や、梁サイズや、梁端から孔中心までの距離や、偏心量などのデータをいう。
次ぎに、ファブリケータコンピュータ100が、仮選定を行う(S202)。ここで、仮選定とは、ある型式の補強金具で補強を行う場合に、必要とされる貫通孔の孔径に対して、梁サイズなどにより、適用可能な型式の補強金具を選定し、貫通孔の孔径や取り付け位置などの適用条件を満たすか否かを判定することをいう。このステップS202によれば、必要とされる貫通孔の孔径や取り付け位置などの適用条件をあらかじめ検討することができるため、補強金具が貫通孔に適用できないということがない。したがって、このステップS202によれば、必要とされる貫通孔の孔径や取り付け位置などの適用条件をあらかじめ検討することができるため、補強金具が貫通孔に適用できないということがない。したがって、このステップS202によれば、補強設計の終了後に補強金具が貫通孔に適用できないことが判明し、再度補強設計をやり直すということがなくなるため、また、貫通孔の補強工事が遅延またはやり直しとなることを防ぐことができるため、建設工事全体の工程が遅延することを防ぐことができる。なお、後述するように、本実施の形態によれば、貫通孔の孔径を柔軟に設計できるようになるが、貫通孔の孔径が大きくなると、貫通孔に適用する補強金具も大きくなるため、補強金具が他の貫通孔に適用予定の補強金具と干渉したり鉄骨梁からはみ出したりなどすることが多くなる。このため、鉄骨梁が適用条件を満たさず、補強金具を鉄骨梁に適用できない場合が多くなる可能性があるが、本実施の形態によれば、上記仮選定によって、適用の可否を早期に判定することができる。
次ぎに、補強金具の型式が仮選定された場合、ファブリケータコンピュータ100が、構造コンピュータ300に対して、最終選定要求を送信する(S203)。ここで、最終選定要求には、初期データ及び仮選定の結果を示すデータが含まれる。
次ぎに、構造コンピュータ300が、最終選定要求をネットワーク1000から受信した場合に、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する(S204)。本発明では、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定することを、最終選定という。この最終選定された補強金具は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能であり、かつ、鉄骨梁を所定の耐力以上に補強可能なものである。
次ぎに、構造コンピュータ300が、ファブリケータコンピュータ100に最終選定応答を送信する(S205)。ここで、最終選定応答には、最終選定の結果を示すデータが含まれる。
鉄骨梁の端部には、地震などによる大きな荷重を受けた場合にエネルギーを吸収する塑性化領域が存在するが、従来は、この部分に貫通孔を設けることについての安全性を建築物の施工時に判断することができず、塑性化領域には貫通孔が設けられていなかった。また、従来は、建築物の施工時に鉄骨梁の耐力を詳細に検討することが困難であったため、貫通孔の孔径を自由に設計することができなかった。しかしながら、本実施の形態によれば、上記のようにして構造計算データを利用することが可能となるため、建築物の施工時における鉄骨梁の耐力の詳細な検討が可能となり、鉄骨梁の塑性化領域にも貫通孔を設けることができるようになるとともに、貫通孔の孔径の設計を柔軟に行うことができるようになる。なお、本実施の形態においては、ファブリケータコンピュータ100が、構造計算データについて、これを保持していなくても、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を知ることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る補強設計支援システム(その1)と同様の承認プロセスが実行される。
【0035】
図7は、ファブリケータコンピュータ100の機能(その2)を示すブロック図である。
図7に示すように、ファブリケータコンピュータ100は、入力部120と、仕様記憶部121と、仮選定部122と、最終選定要求部123と、送信部124と、受信部125と、証明書記憶部126と、出力部127と、承認データ要求部128と、を具備している。
入力部120に入力された初期データは、仮選定部122に出力される。この仮選定部122では、仕様記憶部121に記憶されている補強金具の仕様データと初期データとを用いて、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する。仮選定部122で補強金具の型式が選定されると、初期データ及び仮選定の結果を示すデータが最終選定要求部123に出力され、この最終選定要求部123から送信部124を介して最終選定要求が構造コンピュータ300に送信される。ここで、最終選定要求には、初期データ及び仮選定の結果を示すデータが含まれる。なお、仮選定部122には、ファブリケータがいなかる初期データに基づいていかなる仮選定をおこなったかを明らかにできるよう、初期データ及び仮選定の結果を示すデータが保存される。
受信部125を介して受信された、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を示すデータは、証明書データ記憶部126に記憶され、出力部127から出力されるとともに、承認データ要求部128に出力される。仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を示すデータは、証明書データ記憶部126に記憶されるため、構造コンピュータ300によって、いかなる補強金具の選定がなされたかが電子データとして記憶され、補強金具の選定についての責任追及に役立てられる。承認データ要求部128は、送信部124を介して建設コンピュータ200に第一承認データ要求を送信する。ここで、第一承認データ要求には、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を示すデータが含まれる。
建設コンピュータ200から受信部125を介して受信した第一承認データ応答は、証明書記憶部126に記憶される。したがって、本実施の形態においては、建設コンピュータ200による承認の有無が電子データとして保存されるため、補強金具の使用に伴う責任が明確にされる。
上記のようなファブリケータコンピュータ100の機能(その2)は、たとえば、次ぎに示すプログラムをファブリケータコンピュータ100上で実行することにより実現できる。すなわち、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定ステップと、仮選定ステップによって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信ステップと、選定要求送信ステップから送信された選定要求に対して、仮選定ステップで仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信ステップと、 を有するファブリケータコンピュータ用プログラムである。また、最終選定手段で選定された補強金具を使用することについての第一承認データ要求をネットワークに送信する第一承認データ要求ステップと、第一承認データ要求に対する第一承認データ応答を受信するステップと、を有するファブリケータコンピュータ用プログラムである。
【0036】
建設コンピュータ200の機能(その2)は、建設コンピュータ200の機能(その1)の場合と同様であるので、説明を省略する。
【0037】
図8は、構造コンピュータ300の機能(その2)を示すブロック図である。
図8に示すように、構造コンピュータ300は、ファブリケータコンピュータ100から受信部301を介して受信した選定要求を最終選定部303に出力する。最終選定部303では、選定要求に含まれる初期データ及仮選定データと構造データ記憶部302に記憶されている構造計算データとを用いて、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する。選定された補強金具は、送信部304から送信される。
建設コンピュータ200から受信部301を介して受信された第二承認データ要求は、承認応答部305に出力され、証明書記憶部306に記憶される。また、承認応答部305は、送信部304を介して第二承認データ応答を建設コンピュータ200に送信する。
なお、このような構造コンピュータ300の機能は、たとえば、次ぎに示すプログラムを構造コンピュータ300で実行することにより実現できる。すなわち、ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を計算し、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定ステップと、最終選定ステップで選定された補強金具を示すデータをファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信ステップと、を有する構造コンピュータ用プログラムである。また、建設コンピュータから第二承認データ要求を受信した場合に、最終選定された補強金具が所定の条件を満たしているか否かを判定し、満たしている場合には建設コンピュータに前記第二承認データ応答を送信する第二承認データ応答ステップを有する構造コンピュータ用プログラムである。
【0038】
図9は、本発明の実施の形態に係る補強設計支援システム(その3)を示す図である。
図9に示すように、本発明の実施の形態に係る補強設計支援システム(その3)は、上述した補強設計支援システム(その1)、(その2)と異なり、選定コンピュータを備えている。
【0039】
図10は、本発明の実施の形態に係る補強設計支援システム(その3)の動作を示すシーケンス図である。
図10に示すように、まず、ファブリケータコンピュータ100に初期データが入力される(S301)。ここで、初期データとは、広く鉄骨梁500や貫通孔などに関するデータをいい、特に限定されるものではないが、たとえば、貫通孔の孔径や、梁の材質や、梁サイズや、梁端から孔中心までの距離や、偏心量などのデータをいう。
次ぎに、ファブリケータコンピュータ100が、仮選定を行う(S302)。
ここで、仮選定とは、ある型式の補強金具で補強を行う場合に、必要とされる貫通孔の孔径に対して、梁サイズなどにより、適用可能な型式の補強金具を選定し、貫通孔の孔径や取り付け位置などの適用条件を満たすか否かを判定することをいう。このステップS302によれば、必要とされる貫通孔の孔径や取り付け位置などの適用条件をあらかじめ検討することができるため、補強金具が貫通孔に適用できないということがない。したがって、このステップS302によれば、補強設計の終了後に補強金具が貫通孔に適用できないことが判明し、再度補強設計をやり直すということがなくなるため、また、貫通孔の補強工事が遅延またはやり直しとなることを防ぐことができるため、建設工事全体の工程が遅延することを防ぐことができる。なお、後述するように、本実施の形態によれば、貫通孔の孔径を柔軟に設計できるようになるが、貫通孔の孔径が大きくなると、貫通孔に適用する補強金具も大きくなるため、補強金具が他の貫通孔に適用予定の補強金具と干渉したり鉄骨梁からはみ出したりなどすることが多くなる。このため、鉄骨梁が適用条件を満たさず、補強金具を鉄骨梁に適用できない場合が多くなる可能性があるが、本実施の形態によれば、上記仮選定によって、適用の可否を早期に判定することができる。
次ぎに、補強金具の型式が仮選定された場合、ファブリケータコンピュータ100が、構造コンピュータ300に対して構造計算データ要求を送信する(S303)とともに、選定コンピュータ400に対して初期データを送信する(S304)。
次ぎに、構造コンピュータ300が、構造計算データを選定コンピュータ400に送信する(S305)。
次ぎに、選定コンピュータ400が、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する(S306)。本発明では、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定することを、最終選定という。この最終選定された補強金具は、鉄骨梁の貫通孔に適用可能であり、かつ、鉄骨梁を所定の耐力以上に補強可能なものである。
次ぎに、選定コンピュータ400が、ファブリケータコンピュータ100に最終選定応答を送信する(S104)。ここで、最終選定応答には、最終選定の結果を示すデータが含まれる。
鉄骨梁の端部には、地震などによる大きな荷重を受けた場合にエネルギーを吸収する塑性化領域が存在するが、従来は、この部分に貫通孔を設けることについての安全性を建築物の施工時に判断することができず、塑性化領域には貫通孔が設けられていなかった。また、従来は、建築物の施工時に鉄骨梁の耐力を詳細に検討することが困難であったため、貫通孔の孔径を自由に設計することができなかった。しかしながら、本実施の形態によれば、上記のようにして構造計算データを利用することが可能となるため、建築物の施工時における鉄骨梁の耐力の詳細な検討が可能となり、鉄骨梁の塑性化領域にも貫通孔を設けることができるようになるとともに、貫通孔の孔径の設計を柔軟に行うことができるようになる。なお、本実施の形態においては、ファブリケータコンピュータ100が、構造計算データについて、これを保持していなくても、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を知ることができる。また、構造コンピュータ200は、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する必要もない。
以下、本発明の実施の形態に係る補強設計支援システム(その1)、(その2)と同様の承認プロセスが実行される。
【0040】
図示しないが、本発明の実施の形態に係る補強設計支援システム(その3)が備えるファブリケータコンピュータ100は、最終選定要求を構造コンピュータ300に送信し、初期データを選定コンピュータ400に送信し、選定コンピュータ400から最終選定応答を受信する点で、補強設計支援システム(その2)と異なる。なお、このようなファブリケータコンピュータ100の機能は、たとえば、次ぎに示すプログラムをファブリケータコンピュータ100で実行することにより実現できる。すなわち、鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定ステップと、仮選定ステップによって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信ステップと、仮選定ステップで仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信ステップと、を有するファブリケータコンピュータ用プログラムである。また、最終選定手段で選定された補強金具を使用することについての第一承認データ要求をネットワークに送信する第一承認データ要求ステップと、第一承認データ要求に対する第一承認データ応答を受信するステップと、を有するファブリケータコンピュータ用プログラムである。
【0041】
また、本発明の実施の形態に係る補強設計支援システム(その3)が備える建設コンピュータ200は、補強設計支援システム(その1)や(その2)と同様の機能を有するので、説明を省略する。
【0042】
また、図示しないが、本発明の実施の形態に係る補強設計支援システム(その3)が備える構造コンピュータ300は、構造計算データを選定コンピュータ400に送信する点で、ファブリケータコンピュータ100に送信する補強設計支援システム(その1)と相違する。なお、このような構造コンピュータ300の機能は、たとえば、次ぎに示すプログラムを構造コンピュータ300で実行することにより実現できる。すなわち、ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、構造計算データを選定コンピュータに送信する構造計算データ送信ステップを有する構造コンピュータ用プログラムである。また、建設コンピュータから第二承認データ要求を受信した場合に、最終選定された補強金具が所定の条件を満たしているか否かを判定し、満たしている場合には建設コンピュータに前記第二承認データ応答を送信する第二承認データ応答ステップを有する構造コンピュータ用プログラムである。
【0043】
図11は、選定コンピュータ400の機能を示すブロック図である。
図11に示すように、選定コンピュータ400は、受信部401と、最終選定部402と、証明書記憶部403と、送信部404と、を具備している。
選定コンピュータ400は、構造コンピュータ300から受信部401を介して受信された構造計算データは、最終選定部402に出力され、証明書記憶部403で記憶される。最終選定部402は、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する。最終選定部402で選定された補強金具を示すデータは、送信部404を介して、ファブリケータコンピュータ100に送信される。なお、このような選定コンピュータ400の機能は、たとえば、次ぎに示すプログラムを選定コンピュータ400で実行することにより実現できる。すなわち、構造コンピュータから構造計算データを受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定ステップと、最終選定ステップで選定された補強金具を示すデータをファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信ステップと、を有する選定コンピュータ用プログラムである。
【0044】
図12は、仮選定の処理を実行可能なプログラムの一例を示すフローチャートである。ここで、仮選定の処理とは、ある型式の補強金具で補強を行う場合に、ある型式の補強金具で補強を行う場合に、必要とされる貫通孔の孔径に対して、梁サイズなどにより、適用可能な型式の補強金具を選定し、貫通孔の孔径や取り付け位置などの適用条件を満たすか否かを判定する処理をいう。
図12に示すように、仮選定の処理において、CPUは、初期データが入力されるまで待機する(S401)
初期データが入力されると、CPUは、初期データによって示される鉄骨梁及び貫通孔に、補強金具を適用可能か否かを判断する(S402)。この判断は、たとえば、CPUが、初期データによって示される鉄骨梁及び貫通孔が、メモリに記憶される一般的な適用条件(たとえば図13参照)を満たすか否かを判断した後、鉄骨梁及び貫通孔に適用可能な補強金具の型式を、補強金具の具体的なデータ(図14参照)から抽出することなどによって行うことができる。
つぎに、CPUは、適用可能であれば、その型式を仮に選定する仮選定を行い(S403)、適用不可能であれば、その内容(ワーニング)を表示して、初期データが修正されて再度入力されるまで待機する(S402、S401)。
【0045】
図15は、最終選定の処理を実行可能なプログラムの一例を示すフローチャートである。ここで、最終選定の処理とは、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する処理をいう。
図15に示すように、最終選定の処理において、CPUは、仮選定された補強金具の型式から、この型式に属する補強金具を一つ選択する(S501)。
次ぎに、CPUは、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上か否かを判定する(S502)。ここで、所定の耐力以上であるか否かは、たとえば次式に基づいて判断することができる。
【数1】

ここで、
dl :有孔部長期曲げモーメント
alh :純曲げ時の有孔部長期許容曲げ耐力
alhf:純せん断時の有孔部長期許容せん断耐力Qalhを保持したまま負担し
うる有孔部長期許容曲げ耐力
ds :有孔部短期曲げモーメント
ash :純曲げ時の有孔部短期許容曲げ耐力
ashf:純せん断時の有孔部短期許容せん断耐力Qashを保持したまま負担し
うる有孔部短期許容曲げ耐力
du :有孔部終局曲げモーメント
uh :純曲げ時の有孔部終局曲げ耐力
uhf :純せん断時の有孔部終局せん断耐力Qalhを保持したまま負担し
うる有孔部終局曲げ耐力
dl :有孔部長期せん断力
alh :純せん断時の有孔部長期許容せん断耐力
ds :有孔部短期せん断力
ash :純せん断時の有孔部短期許容せん断耐力
du :有孔部終局せん断力
uh :純せん断時の有孔部終局せん断耐力
である。
次ぎに、CPUは、所定の耐力以上であれば、ステップS501で選択した補強金具を最終選定する(S503)。他方、所定の耐力以上でない場合、CPUは、仮選定された補強金具の型式に属する補強金具のすべてについて上記耐力の検討を行ったか否かを判断し(S504)、行っていれば処理を終了する一方、行っていなければ上記ステップを繰り返す。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、鉄骨梁に設けられたすべての貫通孔の補強設計に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態に係る補強設計支援システムが支援する補強設計の対象を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る補強設計支援システム(その1)を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る補強設計支援システム(その1)の動作を示す図である。
【図4】ファブリケータコンピュータ100の機能を示すブロック図である。
【図5】建設コンピュータ200の機能をブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る補強設計支援システム(その2)の動作を示すシーケンス図である。
【図7】ファブリケータコンピュータ100の機能(その2)を示すブロック図である。
【図8】建設コンピュータ200の機能(その2)を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る補強設計支援システム(その3)を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る補強設計支援システム(その3)の動作を示すシーケンス図である。
【図11】選定コンピュータ400の機能を示すブロック図である。
【図12】仮選定の処理を実行可能なプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図13】補強金具の一般的な適用条件を記憶した仕様データの一例を示す図。
【図14】補強金具の具体的な適用条件を記憶した仕様データの一例を示す図。
【図15】最終選定の処理を実行可能なプログラムの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
100 ファブリケータコンピュータ
101 入力部
102 仕様記憶部
103 仮選定部
104 構造計算データ要求部
105 送信部
106 受信部
107 証明書記憶部
108 梁貫通孔データ記憶部
109 最終選定部
110 出力部
111 承認データ要求部
120 入力部
121 仕様記憶部
122 仮選定部
123 最終選定部
124 送信部
125 受信部
126 証明書記憶部
127 出力部
128 承認データ要求部
200 建設コンピュータ
201 受信部
202 承認データ要求部
203 送信部
204 承認データ応答部
205 証明書記憶部
300 構造コンピュータ
301 受信部
302 構造データ記憶部
303 最終選定部
304 送信部
305 承認応答部
306 証明書記憶部
400 選定コンピュータ
401 受信部
402 最終戦底部
403 証明書記憶部
404 送信部
500 鉄骨梁
600 補強金具
1000 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、
前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、構造計算データを要求する構造計算データ要求をネットワークに送信する構造計算データ要求手段と、
前記構造計算データ要求手段によって送信された構造計算データ要求に対する構造計算データをネットワークから受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、
を具備するファブリケータコンピュータと、
前記ファブリケータコンピュータから構造計算データ要求を受信した場合に、前記ファブリケータコンピュータに構造計算データを送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータと、
がネットワークで接続された補強設計支援システム。
【請求項2】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、
前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、構造計算データを要求する構造計算データ要求をネットワークに送信する構造計算データ要求手段と、
前記構造計算データ要求手段によって送信された構造計算データ要求に対する構造計算データをネットワークから受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、
を具備し、
前記構造計算データ要求を受信した場合に、前記ファブリケータコンピュータに構造計算データを送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータとネットワークを介して接続可能であるファブリケータコンピュータ。
【請求項3】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、
前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、構造計算データを要求する構造計算データ要求をネットワークに送信する構造計算データ要求手段と、
前記構造計算データ要求手段によって送信された構造計算データ要求に対する構造計算データをネットワークから受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、
を具備するファブリケータコンピュータにネットワークを介して接続可能であり、
前記ファブリケータコンピュータから構造計算データ要求を受信した場合に、前記ファブリケータコンピュータに構造計算データを送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータ。
【請求項4】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定ステップと、
前記仮選定ステップによって補強金具の型式が仮選定された場合に、構造計算データを要求する構造計算データ要求をネットワークに送信する構造計算データ要求ステップと、
前記構造計算データ要求ステップによって送信された構造計算データ要求に対する構造計算データをネットワークから受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定ステップと、
を有し、
前記構造計算データ要求を受信した場合に構造計算データを送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータに、ネットワークを介して接続可能であるファブリケータコンピュータで実行し得るファブリケータコンピュータ用プログラム。
【請求項5】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定ステップと、
前記仮選定ステップによって補強金具の型式が仮選定された場合に、構造計算データを要求する構造計算データ要求をネットワークに送信する構造計算データ要求ステップと、
前記構造計算データ要求ステップによって送信された構造計算データ要求に対する構造計算データをネットワークから受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定ステップと、
を具備するファブリケータコンピュータにネットワークを介して接続可能な構造コンピュータで実行可能であり、
前記ファブリケータコンピュータから構造計算データ要求を受信した場合に、前記ファブリケータコンピュータに構造計算データを送信する構造計算データ送信ステップを有する構造コンピュータ用プログラム。
【請求項6】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定ステップと、
前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定ステップと、
を有する補強設計支援プログラム。
【請求項7】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、
前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、
前記選定要求送信手段から送信された選定要求に対して、前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、
を具備するファブリケータコンピュータと、
前記ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、
前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信手段と、
を具備する構造コンピュータと、
を備えたことを特徴と補強設計支援システム。
【請求項8】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、
前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、
前記選定要求送信手段から送信された選定要求に対して、前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、
を具備し、
前記選定要求を受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、
前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを送信する選定結果送信手段と、
を具備する構造コンピュータにネットワークを介して接続可能なファブリケータコンピュータ。
【請求項9】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、
前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、
前記選定要求送信手段から送信された選定要求に対して、前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、
を具備するファブリケータコンピュータにネットワークを介して接続可能であり、
前記ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、
前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信手段と、
を具備する構造コンピュータ。
【請求項10】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定ステップと、
前記仮選定ステップによって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信ステップと、
前記選定要求送信ステップから送信された選定要求に対して、前記仮選定ステップで仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信ステップと、
を有し、
前記選定要求を受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、
前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを送信する選定結果送信手段と、
を具備する構造コンピュータに、ネットワークを介して接続可能なファブリケータコンピュータで実行されるファブリケータコンピュータ用プログラム。
【請求項11】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、
前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、
前記選定要求送信手段から送信された選定要求に対して、前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、
を具備するファブリケータコンピュータにネットワークを介して接続可能な構造コンピュータで実行可能であり、
前記ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定ステップと、
前記最終選定ステップで選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信ステップと、
を有する構造コンピュータ用プログラム。
【請求項12】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、
前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、
前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、
を具備するファブリケータコンピュータと、
前記ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、構造計算データを選定コンピュータに送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータと、
前記構造コンピュータから構造計算データを受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、
前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信手段と、
を具備する選定コンピュータと、
を備えたことを特徴と補強設計支援システム。
【請求項13】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、
前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、
前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、
を具備し、
前記選定要求を受信した場合に、構造計算データを選定コンピュータに送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータと、
前記構造コンピュータから構造計算データを受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、
前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信手段と、
を具備する選定コンピュータと、
ネットワークを介して接続可能なファブリケータコンピュータ。
【請求項14】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、
前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、
前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、
を具備するファブリケータコンピュータと、
構造計算データを受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、
前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信手段と、
ネットワークを介して接続可能であり、
前記ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、構造計算データを選定コンピュータに送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータ。
【請求項15】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、
前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、
前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、
を具備するファブリケータコンピュータと、
前記ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、構造計算データを選定コンピュータに送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータと、
ネットワークを介して接続可能であり、
前記構造コンピュータから構造計算データを受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、
前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信手段と、
を具備する選定コンピュータ。
【請求項16】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定ステップと、
前記仮選定ステップによって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信ステップと、
前記仮選定ステップで仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信ステップと、
を有し、
前記選定要求を受信した場合に、構造計算データを選定コンピュータに送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータと、
前記構造コンピュータから構造計算データを受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、
前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを送信する選定結果送信手段と、
を具備する選定コンピュータと、
にネットワークを介して接続可能なファブリケータコンピュータで実行可能なファブリケータコンピュータ用プログラム。
【請求項17】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、
前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、
前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、
を具備するファブリケータコンピュータと、
構造計算データを受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定手段と、
前記最終選定手段で選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信手段と、
を具備する選定コンピュータと、
ネットワークを介して接続可能な構造コンピュータで実行可能であり、
前記ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、構造計算データを選定コンピュータに送信する構造計算データ送信ステップを有する構造コンピュータ用プログラム。
【請求項18】
鉄骨梁の貫通孔に適用可能な補強金具の型式を仮選定する仮選定手段と、
前記仮選定手段によって補強金具の型式が仮選定された場合に、補強金具についての選定要求をネットワークに送信する選定要求送信手段と、
前記仮選定手段で仮選定された補強金具の型式の中から最終選定された補強金具を示すデータをネットワークから受信する選定結果受信手段と、
を具備するファブリケータコンピュータと、
前記ファブリケータコンピュータから選定要求を受信した場合に、構造計算データを選定コンピュータに送信する構造計算データ送信手段を具備する構造コンピュータと、
ネットワークを介して接続可能な選定コンピュータで実行可能であり、
前記構造コンピュータから構造計算データを受信した場合に、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具により補強された鉄骨梁の耐力を構造計算データを用いて計算し、前記仮選定された補強金具の型式に属する補強金具の中から鉄骨梁を所定の耐力以上とする補強金具を選定する最終選定ステップと、
前記最終選定ステップで選定された補強金具を示すデータを前記ファブリケータコンピュータに送信する選定結果送信ステップと、
を有する選定コンピュータ用プログラム。
【請求項19】
請求項1、7、または12に記載の補強設計支援システムにおいて、さらに、
前記ファブリケータコンピュータから第一承認データ要求を受信した場合に、補強金具を使用することについての第二承認データ要求をネットワークに送信する第二承認データ要求手段と、
前記第二承認データ要求手段に対する第二承認データ応答をネットワークから受信した場合に、前記ファブリケータコンピュータに第一承認データ応答を送信する第一承認データ応答手段と、
を具備する建設コンピュータを備え、
前記ファブリケータコンピュータは、前記最終選定手段で選定された補強金具を使用することについての第一承認データ要求をネットワークに送信する第一承認データ要求手段を具備し、
前記構造コンピュータは、前記建設コンピュータから前記第二承認データ要求を受信した場合に、前記最終選定された補強金具が所定の条件を満たしているか否かを判定し、満たしている場合には前記建設コンピュータに前記第二承認データ応答を送信する第二承認データ応答手段を具備する、
補強設計支援システム。
【請求項20】
ファブリケータコンピュータから最終選定された補強金具を使用することについての第一承認データ要求を受信した場合に、補強金具を使用することについての第二承認データ要求を構造コンピュータに送信する第二承認データ要求手段と、
前記第二承認データ要求手段に対する第二承認データ応答を構造コンピュータから受信した場合に、前記ファブリケータコンピュータに第一承認データ応答を送信する第一承認データ応答手段と、
を具備する建設コンピュータ。
【請求項21】
ファブリケータコンピュータから最終選定された補強金具を使用することについての第一承認データ要求を受信した場合に、補強金具を使用することについての第二承認データ要求を構造コンピュータに送信する第二承認データ要求ステップと、
前記第二承認データ要求ステップに対する第二承認データ応答を構造コンピュータから受信した場合に、前記ファブリケータコンピュータに第一承認データ応答を送信する第一承認データ応答ステップと、
を有する建設コンピュータ用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−164322(P2007−164322A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−357384(P2005−357384)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(000233239)日立機材株式会社 (225)
【Fターム(参考)】