説明

製版装置

【課題】版を直接検出して搬送状態を把握し、その結果に応じてプラテンローラ5による搬送を補正して版の斜行を修正し、高品位の製版を実現する。
【解決手段】版移動方向と直交する方向に並んだ2組の光源7及びセンサ8により、マスター2の紗3を検出する。所定サンプリング時間内で各センサが検出した線材の数の差分から版の斜行量を算出し、算出した斜行量に基づいてアクチュエータ11がプラテンローラによる搬送方向を補正し、マスターの搬送方向を正確に修正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紗に熱溶融性のフィルムを貼着してなるマスター等のように、規則的に構成された線材からなる支持体に熱溶融性樹脂からなる層を貼着して構成された版を、サーマルヘッド等の製版手段で感熱穿孔して製版する製版装置に係り、特に搬送される版のすべりや伸びに応じて搬送手段による搬送速度を補正したり、搬送される版の斜行を補正する等、版の搬送精度を向上させることができる製版装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シルク印刷に使用するスクリーン版を製版するために、プラテンローラ等の搬送手段によってシート状の版(例えば孔版印刷用のマスター等)を挟持して搬送すると同時に、この版に接して配置したサーマルプリントヘッド(TPH)を搬送にタイミングを合わせて駆動することにより、当該版に所望の画像を感熱穿孔する製版装置が知られており、広く使用されている。このような製版装置によって製版された版を枠体に張設すればスクリーン版としてシルク印刷に使用することができ、また前記マスターであれば孔版印刷装置に印刷版として装着して使用することができる。
【0003】
前述した製版装置によれば、搬送手段によってシート状の版を搬送しながら、搬送にタイミングを合せて駆動されるTPHで製版を行なうため、搬送手段の搬送精度が低いと製版が良好に行なえなかった。例えば、搬送手段による版の搬送にむらがあったり、版が所定の搬送方向に対して角度を以て斜め方向に搬送されてしまう斜行が生じたりすると、適正な製版を行なうことができなくなってしまう。
【0004】
そこで、従来の製版装置の中には、例えば版の搬送手段である複数のプラテンローラ中、版に駆動力を与える駆動用プラテンローラの駆動軸にロータリーエンコーダ等の回転数検出手段を取り付け、その回転数を検出することにより版の搬送状態を把握し、安定した版の搬送を確保できるとしたものもあった。
【0005】
なお、下記特許文献1〜3は、印刷装置乃至記録装置において、記録媒体であるシート(用紙)を搬送する際に斜行を補正するための発明に関するものである。
特許文献1には、一対のセンサによって用紙の先端を検知し、この検知に対応して一対の給紙ローラの一方を選択的に駆動して斜行を防止する発明が開示されている。また、特許文献2には、用紙の幅方向のずれを検知し、これに応じて一対の負荷ローラの一方を選択的に機能させて搬送力を制御し、斜行を防止する発明が開示されている。また、特許文献3には、印刷密度の差異に対応して一対のブレーキローラの一方を選択的に作動して斜行を防止する発明が開示されている。
【特許文献1】特開平08−2043号公報
【特許文献2】特開平08−91633号公報
【特許文献3】特開平08−156357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した駆動用プラテンローラの駆動軸にロータリーエンコーダを設ける構成では、駆動用プラテンローラの駆動軸の回転数を検出することはできるが、搬送されている版の実際の搬送状態を検出することはできない。例えば、プラテンローラが適正な回転数で回転駆動されていても、例えばこれによって搬送される版がプラテンローラに対して滑っていれば、版の搬送は正常とはいえないが、このような不正規な版の搬送状態は検出することができない。
【0007】
また、上述したような構成では、版の斜行を検出することもできない。このように、駆動用プラテンローラの駆動軸の回転数をロータリーエンコーダで検出するだけでは、搬送手段の搬送精度を確保することは困難であり、搬送のむらや斜行を解消することはできなかった。
【0008】
特に、シルク印刷や孔版印刷で多色刷りを行なうために一画像を分版した複数の版を製版する場合、各版には高い精度が要求され、一つでも他の版とずれが生じれば印刷品位は著しく低下してしまう。製版時には版にはすべりや伸びが生じるので、製版時にプラテンローラの回転をロータリーエンコーダ等によって検出しても、このような高い精度を得ることは困難であり、実際に搬送される版自体の搬送状態を直接検出するのが好ましいと考えられる。
【0009】
また、特許文献1〜3に開示された斜行防止技術は、いずれも枚葉状の印刷用紙の搬送に関するものであり、センサで検出した印刷用紙の一部の位置等に応じ、いずれも一対のローラ状の調整部材を選択的に作動して用紙の幅方向の片側に負荷を与えて斜行を補正するというものであるため、プラテンローラによって版を挟持搬送しながら感熱穿孔により製版する製版装置において、版の搬送状態を精密かつ確実に直接検出してプラテンローラの制御に直接利用するための構成としては採用することができなかった。
【0010】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、プラテンローラによって版を挟持搬送しながら感熱穿孔により製版する製版装置において、版を直接検出することによって版の搬送状態を精密かつ確実に把握し、その結果をプラテンローラによる搬送作用の補正に用いることによって版の搬送精度を向上させることができ、版の斜行をも補正して高品位の製版を行なうことができる製版装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載された製版装置は、
規則的に構成された線材からなる支持体に熱溶融性樹脂からなる層を貼着して構成された版を感熱穿孔により製版するための製版装置において、
前記版を所期の速度で搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送される前記版を感熱穿孔により製版する製版手段と、
前記搬送手段が搬送する前記版において前記支持体の線材の数を検出するセンサと、
所定サンプリング時間内において前記センサが検出した前記線材の数から前記版の移動量を算出するとともに、前記移動量に基づいて前記版の搬送速度が前記所期の速度となるように前記搬送手段による前記版の搬送速度を補正する制御手段と、
を有している。
【0012】
請求項2に記載された製版装置は、
規則的に構成された線材からなる支持体の一面に熱溶融性樹脂からなる層を貼着して構成された版を感熱穿孔により製版するための製版装置において、
前記版を所定方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送される前記版を感熱穿孔により製版する製版手段と、
前記支持体の前記線材に対面するように前記所定方向と直交する方向に沿って前記版の近傍に配置され、前記搬送手段が搬送する前記版において前記支持体の線材の数を検出する複数のセンサと、
所定サンプリング時間内において前記各センサがそれぞれ検出した前記線材の数の差分から前記版の斜行量を算出する制御手段と、
前記制御手段が算出した前記斜行量に基づいて前記搬送手段による前記版の搬送方向を補正する補正手段と、
を有している。
【0013】
請求項3に記載された製版装置は、請求項1又は2に記載の製版装置において、
前記センサが検出した前記線材の数が、予め設定した許容値を越えた場合には前記製版手段による製版を停止させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載された製版装置によれば、搬送手段によって所期の速度で版を搬送しながら製版手段を駆動することにより、製版手段に接して移動している版の熱溶融性樹脂が熱で穿孔され、所望の画像が製版されていく。上記版の搬送中、センサは支持体の線材を検出している。制御手段は、所定サンプリング時間内でセンサが検出した線材の数から、すべりや伸びを含めた版の実際の移動量を算出して版の実際の搬送状態を正確に把握し、さらにこの移動量に基づいて版の搬送速度が前記所期の速度となるように搬送手段による搬送速度を補正する。これによって製版の精度を向上させることができる。
【0015】
請求項2に記載された製版装置によれば、搬送手段で版を搬送しながら製版手段を駆動することにより、製版手段に接して移動している版の熱溶融性樹脂が熱で穿孔され、所望の画像が製版されていく。上記版の搬送中、版の支持体が露出している側を、搬送方向と直交する方向に並んだ複数のセンサがそれぞれセンシングしており、それぞれ支持体の線材を検出している。制御手段は、所定サンプリング時間内で各センサが検出した線材の数の差分から版の斜行量を算出することができ、算出した斜行量に基づいて補正手段が搬送手段による版の搬送方向を補正し、版の搬送方向を所定方向に正確に修正することができる。また、斜行の検出以外にも、所定サンプリング時間内で各センサが検出した線材の数から、すべりや伸びを含めた版の実際の移動量を検出する等、版の実際の搬送状態を算出して正確に把握し、これに基づいて搬送手段や補正手段を制御することもできる。このように製版の精度を向上させることができる。
【0016】
請求項3に記載された製版装置によれば、請求項1又は2に記載の製版装置における効果において、センサが検出した線材の数が、予め設定した許容値を越えた場合には、製版手段による製版を停止させるので、それ以上の版の無駄がなくなり、経済的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するために特許出願人が出願時点で最良と思う本発明の実施の形態を図1〜図3を参照して説明する。
図1は光源とセンサを1組だけ示した実施形態に係る製版装置の基本形の全体構成図、図2はサーマルプリントヘッドの図示を省略した実施形態に係る製版装置の斜視図、図3は実施形態の製版装置における制御手順を示す流れ図である。
【0018】
本例の製版装置1はシルク印刷や孔版印刷に使用する版を感熱穿孔により製版するための装置である。対象とする版は、図1に示すように、格子状に構成した線材からなる紗3に熱溶融性のフィルム4を貼着したマスター2等のように、間隔が略一定となるように線材を規則的に構成した支持体に、熱溶融性樹脂からなる層を貼着した構造を有するものであればよく、本例ではマスター2を製版するものとして説明する。
【0019】
本例の製版装置1は、以下に説明するように、マスター2の支持体の規則的な線材をセンサで検知し、所定サンプリング時間内の検出本数をカウントすることにより、搬送手段によるマスターの搬送状態を直接に非接触で検出し、必要に応じて搬送手段の搬送動作を補正することで製版の精度を修正し、高める機能を備えている。
【0020】
まず、本例の構成を説明する。
図1乃至図2に示すように、本例の製版装置1はマスター2を搬送するための搬送手段を備えている。搬送手段は、上下に並設されてマスター2を挟持搬送する2本1対のプラテンローラ5,5を、水平方向に所定間隔をおいて互いに平行となるように少なくとも2対配置したものであり、搬送方向下流側にある1対のプラテンローラ5の上側のローラは駆動用モータ6が連結された駆動用プラテンローラ5aとされている。マスター2は、フィルム4を上側に向け、紗3を下側に向けた状態で、これらプラテンローラ5に挟持されて製版に適した所期の速度にて搬送される。
【0021】
2対のプラテンローラ5の間には、マスター2の下側にレーザー光源等の光源7とセンサ8が設けられている。光源7は、マスター2の下面に光路を斜めに向けて配置され、センサ8は光源7からの光がマスター2に反射した反射光を受ける位置に配置されている。
【0022】
センサ8は、マスター2の紗3の線材を検出する手段であり、サンプリング時間の間隔(マスター2の移動距離に相当)でマスター2の紗3の面をセンシングし、例えば副走査方向について単位時間あたりに検出した紗3の線材の数を測定し、図示しない制御手段が時間換算を行なってマスター2の移動量(移動距離)を算出する。
【0023】
2対のプラテンローラ5の間には、マスター2の上面のフィルム4に接するように、TPH10が設けられている。このTPH10は、所望の画像のデータに従って図示しない制御手段によって駆動され、マスター2を前記画像のパターンに感熱穿孔して製版する。
【0024】
光源7及びセンサ8は、図1に示す基本形のように1組設けるだけでも、マスター搬送精度の向上による製版品位の改善という効果を得ることが可能である。すなわち、搬送手段でマスター2を搬送しながらTPH10を駆動し、TPH10に接して移動しているマスター2のフィルム4を熱で穿孔し、所望の画像を製版していく際に、センサ8が支持体の紗3の線材を検出する。制御手段は、所定サンプリング時間内でセンサ8が検出した線材の数から、すべりや伸びを含めたマスター2の実際の移動量を算出することができ、マスター2の実際の搬送速度を非接触の手法により、直接・正確に把握することができる。このように把握したマスター2の実際の搬送速度に応じてプラテンローラ5の駆動用モータ6を制御すれば、すべりや伸びを含めたマスター2の実際の搬送速度を、版の製版に適した所期の速度に合致させるような補正を行なうことができ、製版の精度を向上させることが可能である。
【0025】
図2に示すように、本例では、前述した基本形の光源7及びセンサ8の組を所定配置で2組設けることにより、マスター2の斜行を補正することができる。すなわち、光源7及びセンサ8の組合せを2組用意し、紗3が露出しているために線材に対面できるマスター2の下側に配置する。各組の光源7及びセンサ8は、マスター2の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に沿ってマスター2の近傍に配置する。かかる構成によれば、プラテンローラ5によって搬送されるマスター2の紗3の線材の数を、搬送方向については同一の位置において、マスター2の幅方向については異なる2つの位置で、それぞれセンサ8によって検出することができる。
【0026】
図示しない本例の制御手段は、TPH10と搬送手段を同期して駆動制御することができる。さらに、前記2つのセンサ8からの信号を用いてマスター2の斜行を検出し、これを修正するための信号を生成・出力することができる。すなわち、2つのセンサ8は、マスター2の搬送方向(副走査方向)の位置は同じで、マスター2の幅方向(主走査方向)の位置が異なる2位置にあってマスター2の各縁部付近を検知しているので、各センサ8がマスター2の紗3の線材の数をカウントすれば、その単位時間あたりのカウント数は、搬送されているマスター2の幅方向の左右における搬送速度を意味することとなり、そのカウント数に差があればマスター2の幅方向の左右で搬送速度に差があることとなり、マスター2が斜行していることを意味することとなる。制御手段は、マスター2の斜行を検出した場合に、その程度に合せて、後述する補正手段によって搬送手段によるマスター2の搬送方向を調整する。
【0027】
マスター2の搬送手段であるプラテンローラ5には、制御手段が算出したマスター2の斜行量に基づいて、マスター2の搬送方向を補正する補正手段が設けられている。本例では、搬送手段において搬送方向下流側に設けられた上下一対のプラテンローラ5,5に、搬送方向の補正手段としてアクチュエータ11が設けられている。具体的には、搬送手段の下流側にある上下一対のプラテンローラ5,5は、駆動用モータ6が設けられている軸方向の一端部が支点として軸支されている。より具体的には駆動用モータ6が、装置のフレームに固定された取り付け部材20に対してピン21をもって回動自在に取り付けられている。また、上下一対のプラテンローラ5,5は、駆動用モータ6とは反対側にある軸方向の他端部が揺動端として案内されている。より具体的には各回転軸の各端部が支持部材12に対して回動可能に軸支されており、この支持部材12が装置のフレームに設けられた一対の案内部材22に矢印で示す揺動方向に沿って移動できるように案内されている。従って、プラテンローラ5,5は、ピン21を中心として支持部材12が図中矢印で示すように水平面内で所定角度回動することにより、水平な搬送面内におけるマスター2の搬送方向を調整しうる構造となっている。そして、かかる調整を行なうために、この支持部材12には、装置のフレームに取り付けられたアクチュエータ11の作動ロッドの端部が結合されている。従って、アクチュエータ11を作動させて支持部材12を案内部材22に沿って移動させれば、上下一対のプラテンローラ5,5は、軸方向の一端部にある駆動用モータ6のピン21を中心として水平面内で支持板12側が回動し、マスター2の搬送方向を調整することができる。
【0028】
次に、本例における作用を、制御手段の機能を示した図3を参照して説明する。
本例におけるマスター2の斜行補正制御は、マスター2の製版中は常時行なわれている。図3において、製版とともに斜行補正制御が開始されると(S1)、2つの光源7,7から照射された光は、それぞれマスター2の支持体(紗3)において反射し、それぞれセンサ8,8で検知される。制御手段は、各センサ8からの検知信号を所定サンプリング時間内でカウントして紗3の線材の数を測定し、紗3の格子の間隔に基づいて当該サンプリング時間におけるマスター2の移動距離(検出値L1,L2)を算出する(S2,S3)。
【0029】
次に、制御手段は、各検出値L1,L2を、予め設定しておいた許容値と比較し、これを越えた場合は(S4,S5においてNO)、補正が不可能な斜行であるものとして搬送手段を停止させる(S6)。そして、図示しない表示手段やブザー等の報知手段により警告を出し、TPH10を停止して製版を中止し、装置内部ではエラー処理を実行して再スタート待ちの状態となる(S7)。これによって、マスター2の無駄な消費を防止することができる。
【0030】
制御手段において、予め設定しておいた許容値よりも各検出値L1,L2が小さいと判断された場合は(S4,S5においてOK)、各検出値L1,L2を比較し(S8)、L1>L2の場合には右傾きなので両検出値L1,L2の差分に応じた制御信号をアクチュエータ11に与えてプラテンローラ5,5の向きを左に補正し(S9)、L1=L2の場合には補正せず(S10)、L1<L2の場合には左傾きなので両検出値L1,L2の差分に応じた制御信号をアクチュエータ11に与えてプラテンローラ5,5の向きを右に補正する(S11)。これによって1サイクルの補正は終了するが(S12)、製版中は、以上のサイクルによるマスター2の斜行補正制御を繰り返して続行し、1版分の製版が終了したところで斜行補正制御を完了する。
【0031】
以上説明したように、本例の製版装置1によれば、マスター2の紗3の線材の数をセンサ8によって非接触で直接測定することにより、プラテンローラ5にエンコーダを取り付けただけの構成では測定することができないスリップ等を含めたマスター2の搬送距離を正確に測定することができ、さらにこのようなセンサ8をマスター2の幅方向に2個設けたので、マスター2の斜行を製版中にリアルタイムで実測して補正することが可能となった。このように、すべりや伸びを含めたマスター2の実際の搬送状態を正確に把握し、これに基づいて搬送の補正を行なうことにより製版の精度を向上させることができる。また、補正の限界を越えた斜行の場合は直ちに製版を中止するので、マスター2の無駄が少なくて済む。
【0032】
なお以上説明した実施形態において、マスター2の紗3の線材の数を検出するセンサ8には光学センサを用いたが、マスター2の紗3の線材の数を検出するセンシングのための物理的手段には特に限定がなく、光学的手段以外の手段によるセンサを用いてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は実施形態に係る製版装置の基本形の全体構成図である。
【図2】図2はサーマルプリントヘッドの図示を省略した実施形態に係る製版装置の斜視図である。
【図3】図3は実施形態の製版装置における制御手順を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0034】
1…製版装置
2…マスター
3…紗
4…フィルム
5…搬送手段としてのプラテンローラ
7…光源
8…センサ
10…サーマルプリントヘッド(TPH)
11…補正手段としてのアクチュエータ
12…支持部材
M…規則的に構成された線材からなる支持体に熱溶融性樹脂からなる層を貼着して構成された版の一例であるマスター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
規則的に構成された線材からなる支持体に熱溶融性樹脂からなる層を貼着して構成された版を感熱穿孔により製版するための製版装置において、
前記版を所期の速度で搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送される前記版を感熱穿孔により製版する製版手段と、
前記搬送手段が搬送する前記版において前記支持体の線材の数を検出するセンサと、
所定サンプリング時間内において前記センサが検出した前記線材の数から前記版の移動量を算出するとともに、前記移動量に基づいて前記版の搬送速度が前記所期の速度となるように前記搬送手段による前記版の搬送速度を補正する制御手段と、
を有する製版装置。
【請求項2】
規則的に構成された線材からなる支持体の一面に熱溶融性樹脂からなる層を貼着して構成された版を感熱穿孔により製版するための製版装置において、
前記版を所定方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送される前記版を感熱穿孔により製版する製版手段と、
前記支持体の前記線材に対面するように前記所定方向と直交する方向に沿って前記版の近傍に配置され、前記搬送手段が搬送する前記版において前記支持体の線材の数を検出する複数のセンサと、
所定サンプリング時間内において前記各センサがそれぞれ検出した前記線材の数の差分から前記版の斜行量を算出する制御手段と、
前記制御手段が算出した前記斜行量に基づいて前記搬送手段による前記版の搬送方向を補正する補正手段と、
を有する製版装置。
【請求項3】
前記センサが検出した前記線材の数が、予め設定した許容値を越えた場合には前記製版手段による製版を停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の製版装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−184309(P2009−184309A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29204(P2008−29204)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】