説明

製袋装置及びそれを備えたピロー包装機並びに製袋方法

【課題】 製袋時に小袋による製品へのダメージがなく、小袋を包装体の中心等に位置させることができる製袋装置を提供すること
【解決手段】 天板24aの両側縁にそれぞれ下方に延びる側壁24b,24cを有し、一方の側壁24bは平坦な面に形成され、他方の側壁はその下方に内側に延びる底板24dが形成される。底板の先端と一方の側壁と間に第1エンドレスベルト44を配置する。帯状フィルム21の一方側縁に貼付けられた小袋は、フィルムの折り曲げに伴い回転・反転するが、進入側では小袋はまっすぐに下がった状態で製品に当たらず、その後にフィルム部製品の下側に折り曲げられたときも、小袋と製品との間にエンドレスベルトが介在するため、小袋が製品に突き刺さってダメージを与えることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋装置及びそれを備えたピロー包装機並びに製袋方法に関し、特に、製品とともに脱酸素剤(エージレス(登録商標))等の小袋を封入した包装体を製造する際に用いられる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、ピロー包装機は、原反ロールに巻き取られた帯状フィルムを連続して製袋器に供給し、その製袋器を通過させる際に筒状に製袋される。そして、製袋器の下流側に配置されたセンターシール装置にて、製袋器を通して筒状に製袋されて重ね合わされたフィルム重合端をシールすることにより筒状フィルムを形成する。また、この製袋器の上流側には製品搬送供給装置を配置し、その製品搬送供給装置から所定間隔毎に搬送される製品が、製袋器内に供給される。これにより、製品が製袋器内を通過すると、筒状フィルム内に所定間隔毎に収納されることになり、その製品は筒状フィルムとともに搬送される。そして、ピロー包装機の搬出側に配置されたエンドシール装置にて、筒状フィルムを所定間隔毎に横方向に横断するようにシール・カットすることにより、製品を内包する包装体が製造される。
【0003】
ところで、製品が食品の場合、品質保持のために脱酸素剤などの小袋が、製品とともに包装体内に同封される。係る包装体を製造するには、原反ロールから製袋器に至る帯状フィルムの搬送経路において、包装体の内面となる帯状フィルムの下面に小袋を貼着することで、内面に小袋が貼り付けられた包装体を製造することができる。この場合、小袋を帯状フィルムの幅方向中央部に貼着すると、小袋が包装体のおもて面に位置することになり、外観上好ましくない。そのため、小袋の貼着位置をフィルム端部とすることが行われている。これにより、図1(a)に示すように、袋体1内に製品2と小袋3とが収納された包装体4が製造され、しかも、小袋3は、包装体4の裏面側となる袋体1のセンターシール部1aの近傍の内面に位置する。なお、センターシール部1aに直交する袋体1の両端もシールされてエンドシール部1bとなり、包装体4は密封される。この種の小袋を同封する包装体を製造する包装装置としては、例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−226843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、小袋の貼着位置を帯状フィルムの端部とした場合、帯状フィルムが製袋器を通過する際、小袋は帯状フィルムの進入角度がきつくなる製袋器の側面を通過することになるため エージレスは製袋器入口で進行方向が急に変えられ、反転に近い挙動を示す。このときに角部が製品と接触したり、突き刺さったりすれば、製品にダメージを与えてしまうおそれがある。特に、製品が軟らかかったり脆かったりするものの場合には、係る問題は顕著になる。
【0006】
また、係る事態の発生を防止するため、製品と小袋の製袋器に入るタイミングをわずかにずらせる対応をとることがある。しかしながら、そのように製品と小袋の製袋器に入るタイミングをずらせて包装すれば、図1(b)に示すように包装体4における小袋3の位置が中心からずれた位置になるため、見栄えが良くない。さらに、上記の小袋の反転時に小袋が製品に接触してダメージを与えることに鑑みれば、小袋が製袋器の側面に進入して反転する際に当該小袋が製品に接触しないようにするようにタイミングを計ることになる。その結果、小袋3は製品2の外周縁よりも外側に突出した位置関係になり、エンドシール部1bに接近した位置となる。そして、この包装体4をハサミなどにて切り裂いて開封する場合、袋体1のうち製品2とエンドシール部1bとの間のフィルム部位を切断することになるが、このとき、開封者の不注意により、小袋3が接近位置しているエンドシール部1b側を切断すると、誤って小袋も一緒に切ってしまい、小袋の内容物を周囲にばらまいてしまうおそれもある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明に係る製袋器は、(1)ピロー包装機に用いられ、帯状フィルムの両端縁を下方に折り曲げて製品を包む製袋装置であって、底板の一部又は全部を開放した製袋器と、その開放した部位に配置する前記製品の搬送路と、を備え、前記帯状フィルムの一方側縁には小袋が貼付けられており、その小袋が貼り付けられたフィルム部位が、前記製袋器における前記開放した部位の側壁であり、且つ、前記搬送路の下側位置において折り曲げられるように構成した。
【0008】
すなわち、通常の製袋器では、帯状のフィルムの両側縁のフィルム部位は、ともに製袋器の入り口側で一気に断面略ロ字状の製袋器の内周面に沿うように折り曲げられ、製袋器に供給されてくる製品の周囲(上面・両側面・下面)を包み込むが、本発明では、製袋器の下方が開放されている部位の側壁に沿って折り曲げられたフィルム部位は、そのまま下に垂れ下がった状態となり、それから製品の下面に向って折り曲げられる。よって、そのように小袋が貼付けられたフィルム部位が製袋器の側面に沿ってその姿勢が回転したとしても、小袋は一方の側壁に沿って下方に位置した状態にあるので、そのフィルム部位に貼り付けられた小袋も製品に接触してダメージを与えることがない。そして、製袋器の入り口側から離れた位置で小袋が貼り付けられたフィルム部位が折り曲げられて、製品の下側に位置し、筒状にフィルムを製袋し、製品を包み込むことができる。
【0009】
(2)前記搬送路の少なくとも一部は、ベルトコンベアで構成されることができる。このようにすると、製版をスムーズに搬送することができる。(3)前記前記搬送路の少なくとも一部は、フリーローラで構成されるようにしてもよい。例えば、下記の(4)の発明のように、製品の下面の一部が底板に沿って折り曲げられたフィルムの上に載っている場合、フィルムが搬送されることから、製品はそのフィルムから搬送力を受けることができる。係る場合には、製袋器の開放部位に設けられた搬送路からは、必ずしも搬送力を受ける必要はなく、フリーに回転するローラ(コロ)とすれば、フィルムと共に搬送する製品に接触したローラは、自転するため、係る搬送の邪魔をすることはない。
【0010】
(4)前記製袋器は、天板の両側縁にそれぞれ下方に延びる側壁を有し、一方の側壁は平坦な面に形成され、他方の側壁はその下方に内側に延びる底板が形成され、前記一方の側壁において前記フィルム部位が折り曲げられることができる。これが、好適な一実施形態に対応する。係る構成にすると、ベルトコンベア等の搬送路の挿入・設置のし易さと、袋状への成形のし易さをバランス良く備えることができる。
【0011】
(5)前記製袋器は、天板の両側縁にそれぞれ下方に延びる平坦な面からなる側壁を有し、これらの側壁の一方において前記フィルム部位が折り曲げられるようにしてもよい。この発明は、図6(a)に示す実施形態により実現される。このようにすると、製袋器の下方が完全に開放するので、ベルトコンベア等の搬送路を挿入配置しやすくなる。
【0012】
(6)前記搬送路よりも下側に位置する前記側壁の下端部を中央内側に傾くガイド部とし、同ガイド部において前記フィルム部位が折り曲げられるようにしても良い。この発明は、図6(b)に示す実施形態により実現される。実施形態では、ガイド面は、平板状の傾斜面としているが、湾曲した曲面としてもよい。このようにすると、(5)の発明に比べると、帯状のフィルムの両側がガイド面に案内されて内側に導かれることから、袋状に形成しやすくなる。
【0013】
(7)本発明に係るピロー包装機は、(1)から(6)のいずれかに記載の製袋装置と、その製袋装置の上流側に配置され、前記製袋器内に供給する前記製品を搬送する製品搬送手段と、前記製袋装置に一定間隔で小袋が貼り付けられた状態で帯状のフィルムを供給するフィルム供給手段と、前記製袋装置の下流側に設けられ、前記製袋装置を通過して筒状に製袋されたフィルムの所定位置をシールするシール手段と、その筒状に製袋されたフィルムを横方向にカットするカット手段と、を備えて構成した。シール手段は、実施形態では、センターシール装置とエンドシール装置により実現される。また、実施形態では、エンドシールするシール手段とカット手段とがエンドシール装置にて一体に形成されているが、分離して形成してももちろん良い。
【0014】
(8)本発明に係る製袋方法は、ピロー包装において製袋器に供給する帯状フィルムの両側縁を下方に折り曲げて筒状とする製袋方法であって、前記製袋器に連続して供給する前記帯状フィルムの一方側縁には子袋が貼り付けられており、その小袋が貼り付けられたフィルム部位を、前記製袋器における底板の一部又は全部を開放した部位の側壁であり、且つ、製品の搬送位置より下側において折り曲げを行った後、前記帯状フィルムを筒状に形成するようにした。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、製袋器に進入する際に帯状のフィルムの折り曲げと共に回転する小袋によって製品にダメージを与えることがなくなる。そのため、小袋を包装体の中心等(製品の外周から大きくはみ出ない箇所)に位置させることができめ、見栄えを損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ピロー包装体の一例を示す図である。
【図2】本発明に係るピロー包装機の好適な一実施形態を示す正面図である。
【図3】製袋装置部分を拡大して示す底面図である。
【図4】製袋装置部分を拡大して示す側面図である。
【図5】製袋装置部分を拡大して示す斜視図である。
【図6】他の実施形態を示す製袋装置部分を拡大して示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図2は、本発明が適用されるピロー包装機の一実施の形態を示している。ピロー包装機10は、上流側から順に製品搬送供給装置11,包装機本体12,搬出コンベア装置13を配置している。
【0018】
製品搬送供給装置11は、製品14を一定間隔毎に搬送するとともに、次段の包装機本体12に順次供給するもので、フィンガーコンベア装置から形成されている。すなわち、前後に配置されたスプロケット15(図では、前方のみ描画)間に掛け渡されたエンドレスチェーン16に対し、一定間隔で押送フィンガー17を取り付けて構成される。そして、前後の押送フィンガー17間に製品14を供給することにより、製品14を押送フィンガー17のフィンガーピッチで搬送する。また、製品14は、例えば「どら焼き」のような軟らかい食品などである。
【0019】
包装機本体12は、原反ロール20から連続して引き出された帯状フィルム21を各種のローラ22(図では代表して1つのみ描画)に掛け渡しながら製袋器24に導くように構成し、その帯状フィルム21を製袋器24に通過させることにより、筒状に製袋する。また、この帯状フィルム21の搬送経路の途中には、小袋供給装置40が配置される。この小袋供給装置40は、その帯状フィルム21の所定位置に小袋42を貼り付けるもので、例えば特許文献1等に開示された装置を用いることができる。そして、本実施形態では、小袋42を、帯状フィルム21の幅方向の片側に寄らせた一方の側縁近傍(図3から図5参照)に、包装ピッチ間隔で貼り付けるようにしている。さらに、帯状フィルム21の進行方向に沿った小袋の貼り付け位置は、製袋器24(筒状に製袋されたフィルム)内における製品14に重なる位置に設定している(図3参照)。小袋42は、例えば、脱酸素剤などの鮮度保持剤が充填されたものである。なお、特許文献1における小袋供給装置40は、帯状の剥離紙に対して適宜の間隔で貼り付けられた小袋を1つずつ剥がしながら帯状フィルム21に順次貼り付けるようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、小袋自体が連続したテープ状につながったものを用意し、カッター装置で先頭から1つずつ切断して分離した小袋に接着剤を塗布するとともに帯状フィルム21の所定位置に貼り付けるなど、各種の装置を用いることができる。
【0020】
一方、製袋器24の下流側には、製袋器24を通過して筒状に製袋された帯状フィルム21の両側縁を重ね合わせた部位を挟み込んで搬送力を与えるピンチローラ29と、その重ね合わせた部位をシールするセンターシール装置27と、製品14を内包する筒状フィルム25の搬送路を構成する下部ベルト26が、その順に設けられている。さらに、その下部ベルト26の上方所定位置に上部抑えベルト28が配置され、さらにその進行方向前方にエンドシール装置30が配置されている。上部抑えベルト28は、エンドシール装置30の手前側に配置し、製品14が上方に浮き上がるのを抑制する。これにより、筒状フィルム25の所定位置(製品14の存在しない部分)がエンドシール装置30で正しくシール・カットされ、製品14の噛み込みが発生するのを抑制する。
【0021】
エンドシール装置30は、上下に対向して配置された一対のトップシーラ31,32を備えている。上側のトップシーラ31はその下面がシール面31aとなり、下側のトップシーラ32はその上面がシール面32aとなる。さらに、上側のトップシーラ31の下方には、カッター刃を内蔵している。そして、両トップシーラ31,32はもそれぞれのシール面31a,32aを対向させた状態を維持しながら、互いに接近離反移動したり前後移動したりすることで、略矩形の軌跡で移動する。そして、両トップシーラ31,32が互いに接近移動し、シール面31a,32a同士が筒状フィルム25の所望部位(前後の製品14の間)上下から挟み込み熱シールするとともに、カッター刃にて筒状フィルム25が横方向にカットされる。これにより、筒状フィルム25の先端部分(先頭の製品14を内包する部分)は、分離され、包装体34が製造される。そして、この包装体34が搬出コンベア装置13上を搬送される。
【0022】
これらのピロー包装機としての基本構成は、従来と同様であるので、詳細な説明を省略する。もちろん、本発明が適用されるピロー包装機は、これ以外にも各種の構成を用いることができる。エンドシール装置も、ボックスモーションタイプに限ることはなく、その場で昇降移動する(前後移動はしない)タイプや、回転式など各種のものに適用できる。
【0023】
ここで本実施形態では、製袋器24の形状を従来から用いられている一般的なもの(断面略ロ字状:天板の両側縁に側壁を垂下させ、それぞれの側壁の下端を内側に折り曲げて底板を設けた形状)と相違させている。具体的には、図4に示すように、天板24aの両側縁には、それぞれ下方に向けて略90度に折り曲げた側壁24b,24cを備えているが、一方の側壁24cは、そのまま真っすぐに延びた平坦な面としている。これにより、帯状フィルム21は、製袋器24の内周面に沿って変形されるので、その帯状フィルム21の進行方向に沿った中心から一方の側壁24b側の半分のフィルム部位は、一方の側壁24bに沿って下方に導かれるように曲げられるが、そのまま、真っすぐ下方に延びた状態にガイドされることになる(図4,図5参照)。そして、係るフィルム部位に小袋42を貼り付けるようにする。このように小袋42は、真っすぐ下方に延びるフィルム部位に貼り付いているので、製袋器24に進入前の平坦な帯状フィルム21に貼り付いている状態から、側壁24cに沿ったフィルム部位に貼り付いている状態では、その姿勢は略90度回転する程度で済み(図5参照)、従来のように一気に天地が反転する(180度回転する)ほど勢いよく回転はしないし、回転移動範囲内では製品に接触することもない。また、小袋42が貼り付けられている帯状フィルム部位は、第1ベルトコンベア44の搬送面よりも下側位置で折り曲げられるので、反転する小袋42が製品14と接触することを避けることができる。そして、小袋42は、その後もそのように側壁24cに沿ってまっすぐに下がったフィルム部位に貼り付いた起立状態で製袋器24内を移動するし、仮に当該フィルム部位が内側に折り曲がり、それに伴い小袋42もさらに回転して製品14に近づいてきたとしても、製品14の下面側には後述するように搬送路を構成する第1ベルトコンベア44が存在しているので、いずれにしても、小袋42が製品14に接触してダメージを与えることがない。
【0024】
また、他方の側壁24bには、その下端に内方に向けて折り曲げられた底板24dが連続して設けられている。これにより、帯状フィルム21の反対側の半分のフィルム部位は、天板24a,側壁24b,底板24dに沿ってガイドされて筒状に湾曲した形状となる。さらに、底板24dの先端24d′は、下方に折り曲げられた鍔部となり、帯状フィルム21の側縁部21aは、その先端24d′に沿って下方にガイドされる。
【0025】
換言すると、天板24a,側壁24b,底板24dは、従来からある一般的な製袋器と同様の構成を採っており、一方の側壁24c側が、製袋器24の底が抜けた開放状態となっている。このように、側壁24c側が平坦な面でまっすぐに下方に延びる状態は、全長に渡って形成される。よって、本来底板が形成される部位が開放されているとともに、帯状フィルム21の側縁も、製袋器24のほぼ全長に渡って側壁24cに沿って下方に垂れ下がったままであるため、そのままでは、製袋器24内を移動する製品14が安定して搬送されず、場合によっては落下してしまうおそれもある。
【0026】
そこで、製品搬送供給装置11の搬出端側と、製袋器24の間に渡りベルトコンベアを設けるが、図3に示すように、左右2本に分けて小幅の搬送路を構成する第1ベルトコンベア44と第2ベルトコンベア45を平行に配置した。そして、側壁24c側の第1ベルトコンベア44の先端部が製袋器24の内部まで延長して設けている。これにより、製品14は、製袋器24内ではこの第1ベルトコンベア44と、側壁24bから底板24dに沿って湾曲したフィルムとにまたがった状態で搬送される。
【0027】
さらに本実施形態では、第1ベルトコンベア44の下流側先端は、製袋器24の下流側端部よりもさらに下流側に突出するように位置している。さらにまた、この第1ベルトコンベア44の下流側先端の先には、フリーで回転するコロ(ローラ)46を配置している。このコロ46も搬送路の一部を構成する。図3に示すように、側壁24c側の帯状フィルム21の幅方向の側縁(小袋42が貼り付けられた側)は、側壁24cの内面に沿った状態(図4参照)で搬送され、その後徐々に内側に向けて折り曲げられ、最終的に後段のピンチローラ29の部分では、帯状フィルム21の両側縁部21a,21a同士が重なり合う。従って、製袋器24の通過直後であっても、搬送面(近傍)上に、フィルムが存在していないおそれがあるため、コロ46により製品14を受け、スムーズな搬送をするようにしている。さらに、フィルム部位が内側に折り曲がり、それに伴い小袋42もさらに回転して製品14に近づいてきたとしても、製品14の下面側には搬送路を構成するコロ46が存在しているので、回転途中の小袋42が製品14に接触し、製品42に対してダメージを与えることがない。
【0028】
製品14はさらに前進移動し、コロ46よりもさらに下流側に位置した状態では、帯状フィルム21が筒状に製袋され、その両側縁が内側に折り曲げられて製品14の下面側に対向するため、製品14は、それらフィルムの上に乗って搬送される。このとき、小袋42は製品14と接触するが、すでに搬送面と水平になっているため面接触し、製品14に対してダメージを与えることはない。
【0029】
そして、小袋42が貼り付けられた側のフィルム部位が、製品14の下側(底面側)に折り曲げられた状態では、図3に示すように、小袋42は、製品14の下に位置する。よって、最終的に製造される包装体は、図1(a)に示すように製品の外周から突出しない状態にすることができる。
【0030】
なお、コロ46を設けることで、自転することにより製品14のスムーズな搬送を補助することができるが、必ずしもコロにする必要はなく、搬送面を構成する板部材でも良いし、その他各種の構成を採ることができる。また、本発明では、コロ46等の製品を受ける部材は必ずしも設ける必要はなく、製袋器24内部で側壁24c側のフィルム部位の折り曲げが行われ、製袋器24を通過した製品の下側をそのフィルム部位で支えることができるようになっていればよい。
【0031】
上述した実施形態では、製袋器24の一方の側壁24cは、平面形状のまま真っ直ぐに下ろすようにし、他方の側壁24b側は従来と同様にその下端に底板24dを連続して形成するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、例えば図6(a)に示すように、両方の側壁24c,24b′をともに平坦な面として、下方にそのままのばすようにしても良い。この場合、製袋器24の底は完全に抜けた開放状態となるので、幅広のベルトコンベア47を全長に渡って配置する。これにより、製品14は、製袋器24内では、ベルトンコンベア47にて搬送されて通過され、帯状フィルム21は製袋器24の内面に沿って、その両側が下方に折り曲げられて製品14の上面から側面を覆う状態となる。
【0032】
そして、上述した実施形態と同様に、適宜のタイミングで帯状フィルム21の両側縁は内側に折り曲げられ、製品14の下側に位置することになるが、少なくとも小袋42が取り付けられた側のフィルム部位の折り曲げは、ベルトコンベア44或いはその後に設けられるコロなど、製品14の搬送路を構成するベルトコンベア47の搬送面よりも下側位置で行われるようにする。これにより、製品14へのダメージを与えることが回避できる。係る構成をとると、製袋器24の下方全面が開口しているため、ベルトコンベア47を挿入し易いというメリットを有する。なお、その他の構成並びに作用効果は、上述した実施形態・変形例と同様にすることができる。
【0033】
また、図6(b)に示すように、製袋器24の両側壁24b,24cの下端部に内側に向けて折り曲げられた傾斜ガイド部24eを設けても良い。この傾斜ガイド部24eを設けることで、帯状フィルム21の両側縁は、その傾斜ガイド部24eに沿って、やや内側に折り曲げられるため、その後に筒状に成型するのが行いやすい。ただし、製袋器24の下方が完全に開口するのではないので面を湾曲した形状とするとよい。なお、その他の構成並びに作用効果は、上述した実施形態・変形例と同様にすることができる。特に、図6(a)、(b)のように左右対称の形状とすれば製袋バランスが取りやすい利点がある。
【符号の説明】
【0034】
10 ピロー包装機
11 製品搬送供給装置
12 包装機本体
13 搬出コンベア装置
14 被包装物
15 スプロケット
16 エンドレスチェーン
17 押送フィンガー
20 原反ロール
21 帯状フィルム
22 ローラ
24 製袋器
24a 天板
24b 側壁
24c 側壁
24d 底板
24e 傾斜ガイド部
25 筒状フィルム
26 下部ベルト
27 センターシール装置
28 上部抑えベルト
29 ピンチローラ
30 エンドシール装置
40 小袋供給装置
42 小袋
44 第1ベルトコンベア(搬送面)
45 第2ベルトコンベア
46 コロ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピロー包装機に用いられ、帯状フィルムの両端縁を下方に折り曲げて製品を包む製袋装置であって、
底板の一部又は全部を開放した製袋器と、
その開放した部位に配置する前記製品の搬送路と、
を備え、
前記帯状フィルムの一方側縁には小袋が貼付けられており、その小袋が貼り付けられたフィルム部位が、
前記製袋器における前記開放した部位の側壁であり、且つ、前記搬送路の下側位置において折り曲げられるようにしたこと
を特徴とする製袋装置
【請求項2】
前記搬送路の少なくとも一部は、ベルトコンベアで構成されることを特徴とする請求項1に記載の製袋装置。
【請求項3】
前記前記搬送路の少なくとも一部は、フリーローラで構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の製袋装置。
【請求項4】
前記製袋器は、天板の両側縁にそれぞれ下方に延びる側壁を有し、一方の側壁は平坦な面に形成され、他方の側壁はその下方に内側に延びる底板が形成され、
前記一方の側壁において前記フィルム部位が折り曲げられることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の製袋装置。
【請求項5】
前記製袋器は、天板の両側縁にそれぞれ下方に延びる平坦な面からなる側壁を有し、これらの側壁の一方において前記フィルム部位が折り曲げられることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の製袋装置。
【請求項6】
前記搬送路よりも下側に位置する前記側壁の下端部を中央内側に傾くガイド部とし、同ガイド部において前記フィルム部位が折り曲げられることを特徴とする請求項5に記載の製袋装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の製袋装置と、
その製袋装置の上流側に配置され、前記製袋器内に供給する前記製品を搬送する製品搬送手段と、
前記製袋装置に一定間隔で小袋が貼り付けられた状態で帯状のフィルムを供給するフィルム供給手段と、
前記製袋装置の下流側に設けられ、前記製袋装置を通過して筒状に製袋されたフィルムの所定位置をシールするシール手段と、
その筒状に製袋されたフィルムを横方向にカットするカット手段と、
を備えたことを特徴とするピロー包装機。
【請求項8】
ピロー包装において製袋器に供給する帯状フィルムの両側縁を下方に折り曲げて筒状とする製袋方法であって、
前記製袋器に連続して供給する前記帯状フィルムの一方側縁には子袋が貼り付けられており、
その小袋が貼り付けられたフィルム部位を、前記製袋器における底板の一部又は全部を開放した部位の側壁であり、且つ、製品の搬送位置より下側において折り曲げを行った後、前記帯状フィルムを筒状に形成することを特徴とする製袋方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−178444(P2011−178444A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45329(P2010−45329)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000206093)大森機械工業株式会社 (138)
【Fターム(参考)】