説明

製鋼炉発生ガス中のCOおよび可燃物の燃焼

発生ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に変化させるべく、遊離基を含む熱酸素流が製鋼容器から発生ガス流に送られる。製鋼炉から出る発生ガス流の処理方法が、A.炉内の溶鋼表面の上位の雰囲気から500ppmを超える量の一酸化炭素を含む発生ガスを得て、該得られた発生ガスに空気を導入し、発生ガスの温度が1093.3333℃未満になるために必要な程度まで、前記得られた発生ガスを冷却することにより、温度約1093℃未満の発生ガス流を供給する段階と、B.燃料と酸素を混合し、得られた混合物中の酸素の一部をチャンバ内で前記燃料と共に燃焼させて、酸素を含む前記チャンバの出口から出てくる熱酸素流を作る段階燃料と酸素を混合し、得られた混合物中の酸素の一部をチャンバ内で前記燃料と共に燃焼させて、酸素を含む前記チャンバの出口から出てくる熱酸素流を作る段階であり、前記チャンバ内での前記燃焼の滞留時間が、段階Cで加えられる発生ガス流の温度よりも前記熱酸素流の温度が高くなるために十分な長さである前記段階と、C.段階Bで形成された熱酸素流を送る段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製鋼炉によって生じる発生ガス流の処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気炉(EAF)による鋼の生産中には、一酸化炭素(CO)および水素(H)等の高濃度の可燃性ガスを含む大量の高温発生ガスがEAF容器内で生じる。この発生ガスは、3000F(=1648.8888℃)以上の温度に達する可能性があり、発生ガス中のCOおよびHのピーク濃度は、それぞれ60%および35%にまで達するだろう。電気エネルギー消費を低減化するために、EAF発生ガスに含まれる熱エネルギーをできる限りEAF容器内で回収する必要がある。
【0003】
一つの方法は、容器内での可燃物の燃焼に酸素ランスを用いて、COおよびHの化学作用による熱を回収することである。発生ガス流からエネルギーを回収する別の方法は、EAFに装入されるスクラップの予熱に、発生ガス流の熱を用いることである。一例を挙げると、スクラップが発生ガス流の方向に対して向流方向に移動するようになっている導管に、EAF発生ガスをパイプで送り、熱い発生ガスが直接熱伝達によってスクラップを予熱する。COおよびHの燃焼用として酸素を供給するために、スクラップ予熱導管に空気が注入される。該スクラップ予熱導管に、所望の予熱温度までのスクラップの加熱を補強するために補助バーナーを設けてもよい。
【0004】
発生ガスがEAF容器から出てゆく時にスクラップ予熱を行なわない場合、未燃焼のCO、Hおよびその他の可燃物に含まれる残留エネルギーは、これを回収しても、また、しなくてもよい。炉の安全操業のためには、また環境上の理由で、発生ガス中の残留可燃ガスを十分完全な水準にまで燃焼することにより、処理された発生ガスがダクトの下流で更に浄化されて大気中に排出可能である。例えば、発生ガス中のCOおよびH等の高温可燃物は、典型的には、EAF炉の「第四の穴」に接続する水冷式排気ダクト(本明細書では「EAF排気ダクト」という)の「空隙」から導入される空気で燃焼される。また、EAF排気ダクトの下流では、「除塵ボックス」が、COおよびHを更に燃焼させるための後燃焼室としての機能を果たすことができる。除塵ボックスの上流または除塵ボックス内に、ランス吹きによって除塵ボックス用燃焼空気を導入することができる。操業者が溶融のために燃焼排ガスのエネルギーを回収したいと望むならば、除塵ボックスから流出する燃焼排ガス流の一部をEAF容器に再循環させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記取組みにもかかわらず、EAFの多くの操業者にとって、発生ガス中の少量のCOの存在(COスリップと云う)が、なお操業上の問題として残っている。これは、EAF熱サイクル中に、発生ガスの組成、容量および温度に大きな変動があるからである。かかる発生ガス特性の変動は、空気侵入量の変動や、装入されるスクラップの組成変化によって更に複雑になる。そのため、全EAF熱サイクル過程に、バグハウス(bag house:除塵器)のCO排出を点検し続けることが、炉操業者にとって難問になっている。COの排出が規制限界を超えるならば、EAFの操業者は財政上の重いペナルティに直面する。
【0006】
COや他の可燃物の放出限度を超えないようにするために、放出限度を守るべく、しかしエネルギー効率を犠牲にして、或るEAFの操業者は炉を控えめに運転しようとすることがある。例えば、操業者は炉または排気ダクトの圧力を低く設定して、COの燃焼を完結するために過剰量の換気を生じさせるかも知れない。この過剰量の空気は、全燃焼排ガス量と発生ガスに関連する熱損失を増大させ、そのため、炉の熱効率を低下させることがある。他の例では、EAF炉の生産能力は、CO、H、および他の可燃物の燃焼を完結させる下流ダクトまたは除塵ボックスの能力によって、実質的に制限されることがある。スクラップの予熱を利用すると、EAFの操業者は、かすかな臭気を封じ込めるという、更に、燃焼排ガス・ダクト中のダイオキシン等の望ましくない副生物の生成を制限するという、問題にも直面するかも知れない。
【0007】
前記懸念は、また、塩基性酸素炉(BOF)、取鍋精錬炉、およびアルゴン・酸素脱炭炉等の製鋼に用いられるその他の装置にも当てはまる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一観点によれば、製鋼炉からの発生ガス流の処理方法が以下の段階(A)〜(C)を含む、
(A)炉内の溶鋼表面の上位の雰囲気から500ppmを超える量の一酸化炭素を含む発生ガスを得て、該得られた発生ガスに空気を導入し、発生ガスの温度が2000F(=1093.3333℃)未満になるために必要な程度まで、前記得られた発生ガスを冷却することにより、温度2000F(=1093.3333℃)未満の発生ガス流を供給する段階、
(B)燃料と酸素を混合し、得られた混合物中の酸素の一部をチャンバ内で前記燃料と共に燃焼させて、酸素を含む前記チャンバの出口から出てくる熱酸素流(すなわち、熱い酸素流)を作る段階であり、前記チャンバ内での前記燃焼の滞留時間が、段階(C)で加えられる発生ガス流の温度よりも前記熱酸素流の温度が高くなるために十分な長さであり、かつ、前記滞留時間が、式:O,H,OH,CH,CH,C2j+1,またはC2j−1(式中、jは1〜4である)に対応する遊離基から成る群から選ばれる遊離基、およびこれらの遊離基の2種以上の混合物を含む前記燃焼生成物を、前記熱酸素流が含むようになる十分な短かさであるような、燃料と酸素を混合して、得られた混合物中の酸素の一部をチャンバ内で前記燃料と共に燃焼させる前記段階、および、
(C)段階(B)で形成された前記熱酸素流を段階(A)で供給される前記発生ガス流に送って、前記熱酸素流が添加される前記発生ガスの温度よりも高い1100F(=593.3333℃)を超える温度に、前記供給される発生ガス流中の前記発生ガスの温度を高める、段階(B)で形成された前記熱酸素流を段階(A)で供給される前記発生ガス流に送る前記段階であって、前記熱酸素流が、前記発生ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に変えるために十分な割合で前記発生ガスに添加され、もって前記発生ガスの一酸化炭素含有量を低下させる、段階(B)で形成された前記熱酸素流を段階(A)で供給される前記発生ガス流に送る前記段階。
【0009】
前記方法の好適形態において、金属スクラップ等の金属が前記炉の1つに搬送され、該金属は、炉に搬送される前に、該炉から得られる前記発生ガスと直接熱伝導で接触して金属を加熱し、かつ、前記得られた発生ガスを冷却する。
【0010】
前記方法の別の好適形態において、前記金属スクラップは、前記得られた発生ガス流との前記熱伝導により、前記得られた発生ガス中に揮発される有機物質を含み、そして、前記熱酸素流は、該有機物質を二酸化炭素と水蒸気に変えるために十分な割合で、前記冷却された発生ガス流と一緒に混合される。
【0011】
本発明は、特に発生ガス温度が既に発生ガス可燃物の自然発火温度未満である、低濃度レベルの発生ガス可燃物を破壊する高運動量熱酸素の1つまたは複数の気流を注入することを含む。注入される酸素は熱くかつジェット運動量が高いので、熱酸素は発生ガスと迅速に混合し、そのため、たとえ発生ガス温度が可燃物の発火温度未満であっても、熱酸素流中の遊離基が発生ガス中の可燃物の破壊能力を高めるであろう。これらの高運動量熱酸素の気流は、本明細書で説明される熱酸素発生装置によって生成する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を実施し得る典型的な製鋼炉システムを示すフローシートである。
【図2】本発明に役立つ熱酸素発生装置の概略図である。
【図3】本発明に役立つ熱酸素発生装置の断面図である。
【図4】本発明の別の実施例における部分フローシートである。
【図5】本発明の更に別の実施例におけるフローシートである。
【図6】本発明の他の実施例におけるフローシートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を見ながら本発明の説明を行なうが、本発明は図示例に限定されるわけではない。
図1は、製鋼炉からのCOの放出を管理する本発明の幾つかの異なる適用可能性を示す。これらのいずれか1つまたはそれ以上の適用は、別々に、または、CO放出を管理する総合体系として実施可能である。
【0014】
図1を見ると、溶鋼22の上に電極24を有する電気炉(EAF)20内に発生ガス10が発生する。3つの電極24が図示されているが、他の個数の電極を使用することができ、交流または直流を用いてEAFを運転することができる。発生ガス流10は、出口(第四の穴とも云う)25を介して導管(またはダクト)26に流入した後、周囲の外気から空気がダクト26に流入し得る、当該ダクト26の開口からなる空隙27を通って流れる。空気は、好ましくは空隙27および/または発生ガスを運ぶダクトの他の入口を経て、発生ガス流に導入される。空気は、ファン若しくはインペラーを用いて、または、用いることなく、好ましくはこれらを用いることなく、発生ガスに導入可能である。
【0015】
空隙27の下流の発生ガス流は除塵ボックス50に進む。発生ガスに同伴するより大きな粒状物質は、除塵ボックス50内で発生ガスから分離される。気流52は除塵ボックス50から流出する発生ガス流である。除塵ボックス50は、燃焼用酸化剤を注入するランスおよび/またはバーナーが設置されているならば(図示せず)、発生ガス中の可燃性生成物を燃焼する燃焼室として使用可能だろう。
【0016】
熱酸素流が、本明細書で説明されるような発生ガスに供給されると、発生ガスは、好適には2000F(=1093.3333℃)以下の温度になる。形成された発生ガスが既に2000F(=1093.3333℃)以下であれば、発生ガスを冷却する必要がない。発生ガスの温度が2000F(=1093.3333℃)よりも高いと、発生ガスの冷却を必要とする。典型的には、EAF等の製鋼炉雰囲気から回収される発生ガスは2000F(=1093.3333℃)よりも高い。空隙27およびその他のいずれかの空気入口を経由する発生ガス流への空気の導入は、発生ガスを冷却する。水ジャケットを介して、またはダクト壁を介したりそれから離れて発生ガスから熱を回収する他の同等の機構を介して、発生ガスが流れているダクトを通過させることによって、更なる冷却を必要に応じて行うことができる。また、ダクトを周囲の雰囲気に放射冷却および/または対流冷却することによっても、発生ガスを冷却できる。
【0017】
本明細書に説明されるような熱酸素発生装置54により生成され得る熱酸素流56が、気流52に送られて気流53を形成する。
炉20内で生じた発生ガス10は、また、天蓋30におよび天蓋ダクト31に上ることによって回収され得る。本実施例では、空気は周囲の外気からダクト31に引き込まれる。本明細書に説明されるような熱酸素発生装置32により生成され得る熱酸素流33が、気流31に送られて気流34を形成する。
【0018】
有利には本発明により処理される発生ガス流は、また、取鍋精錬炉および/またはアルゴン・酸素脱炭炉等の製鉄所における他の供給源に由来してもよい。気流42は、かかる任意の発生ガス流を示し、これは、また、2以上の取鍋精錬炉、2以上のアルゴン・酸素脱炭炉、または両タイプの炉からの発生ガス流を混ぜ合わせることによって形成された気流であってもよい。本明細書に説明されるような熱酸素発生装置46により生成され得る熱酸素流48が、気流42に送られて気流49を形成する。
【0019】
前述のように、幾つかの異なる発生ガス流のCO含量を処理するために、前記熱酸素発生装置および気流のいずれか1つを採用することができるか、または、これらの幾つかを採用することができる。更に、熱酸素流が既に送られた位置から下流の発生ガス流に熱酸素流を送るために、第二の(即ち追加の)熱酸素発生装置を採用することができる。例えば、気流33および/または48等の熱酸素流が上流に送られたところにさえも、熱酸素発生装置35からの熱酸素流36を送ることができる。別の熱酸素流が送られるところから下流に、気流36のそのままで送られる熱酸素流を連続的に送ることができるか、あるいは、CO含量がその正常なレベルを超えて高められる熱サイクルの特定の時間中に、COを十分に破壊するに必要とされる熱酸素の予備供給源として、前記送られる熱酸素流を断続的にオンオフすることができる。図1に示された実施例では、気流34および49は、熱酸素流36が任意に連続的または断続的に送られ得る気流38を形成するように混ぜ合わされて、気流39を形成する。
【0020】
1種または複数の発生ガス流、例えば図1の場合では気流39および53に、熱酸素を加える際に形成される気流を混ぜ合わせて、バグハウス60に進む気流58を形成し、そこで微粒状物質の除去により発生ガスを浄化することができる。必要に応じて、例えば39および53等の気流を別々にバグハウス60に供給してもよく、あるいは別々のバグハウスに供給してもよい。バグハウス60から流出する気流64は誘引通風機80等のファンに吸引され、浄化された発生ガスが煙突100の頂部開口120から大気に放出される。ファン80は、存在するならば、図1に示すように、場合によっては、ダクト26へ、および/または天蓋30へ、および/または気流42への発生ガス流の吸引を助けることもできる。
【0021】
対応する熱酸素発生装置から形成される気流56,33,48,および/または36等の熱酸素流の形成が、一例として熱酸素発生装置54を用いて、図2,3を参照しながら説明される。酸化剤の酸素濃度が30容量%以上、好ましくは85容量%以上の気流202が、好ましくはチャンバまたはダクトからなる熱酸素発生装置54に供給され、これは、熱酸素が送られる発生ガス流を搬送するダクトを備えた発生装置54の適当な開口を介して繋がっている。最も好ましくは、酸化剤202は、酸素濃度が99.5容量%以上の理論的にいえば純粋な酸素である。熱酸素発生装置に送られる酸化剤202は、初期速度が、一般に毎秒50〜300フィート(fps)(約15.6〜90.9m/s)の範囲にあり、典型的には200fps(60.6m/s)未満であろう。
【0022】
燃料の気流204は、燃料の注入に一般的に用いられる任意の適当なノズルであってもよい適当な燃料ノズルを介して、熱酸素発生装置54に供給される。燃料は任意の適当な可燃性流体であってもよく、その例として、天然ガス、メタン、プロパン、水素、精油所燃料ガス、埋立地発生ガス、合成ガス、一酸化炭素、およびコークス炉ガスが挙げられる。熱酸素発生装置54に送られる燃料中の水素の存在は、熱酸素流を形成する燃焼が熱酸素流中の(非イオン性)OHおよびO遊離基の形成を促進するので、COのCOへの転化を支援するのに有利である。好ましくは、燃料はガス燃料である。ガス燃料と酸素との混合および燃焼よりも、液体燃料と酸素との良好な混合および信頼性のある安全な燃焼を維持することが、困難であるものの、ナンバー2燃料油等の液体燃料も使用可能である。
【0023】
熱酸素発生装置54に供給される燃料204はそこで酸化剤と燃焼して、熱と例えば二酸化炭素および水蒸気等の燃焼反応生成物とを生じる。好ましくは、酸化剤の約35%未満の酸素が燃料と燃焼する。約35%未満の酸素が熱酸素発生装置内で燃料と燃焼する場合、残留酸素の温度が望ましくないレベルにまで上昇しないように、例えば、耐火性建築材料を使用する、および/または水冷壁等の熱除去機構を採用するなど、適切な処置を講ずるべきである。
【0024】
熱酸素発生装置54内で発生する燃焼反応生成物は、酸化剤202の残留酸素の一部と混合し、そのため、残留酸素に熱を与えてその温度を上昇させる。好ましくは、燃料は、高速で、典型的には200fps(約60.6m/s)を超え、一般に500〜1500fps(約151.5〜454.5m/s)の範囲内で、熱酸素発生装置54に供給される。高速は燃焼反応生成物に酸化剤を同伴させるのに役立ち、そのため、チャンバ内での燃料の燃焼を促進する。
【0025】
一般に、酸化剤供給ダクト内の残留酸化剤の温度は、少なくとも約500F(260℃)まで、好ましくは少なくとも約1000F(約538℃)まで上昇する。供給ダクトおよびノズルに関連する過熱の問題を避けるために、残留酸素の温度が約3000F(約1649℃)を超えないことが好ましい。
【0026】
熱酸素発生装置54内で残留酸素の温度が上昇すると、発生ガスへの所定の酸素注入速度を達成する酸素の必要供給圧力が低下する。例えば、常温での酸素の注入に関して、800fps(約242.4m/s)の速度で酸素を発生ガスに注入するためには、必要圧力は毎平方インチ当たり7ポンド・ゲージ(psig)(約48.26kPa・G)を超える。酸素温度が上昇すると、必要圧力は鋭く低下する。1500F(約816℃)の温度では必要圧力は1.65psig(約11.38kPa・G)であり、3000F(約1649℃)の温度では必要圧力は僅か0.91psig(約6.27kPa・G)である。3000F(約1649℃)を超える温度では殆ど追加の利益がなく、そのため、燃料と35%以下の酸素との燃焼に関して別の理由を与える。従って、このような熱酸素の発生は、高い供給圧力を必要とすることなく高速の熱酸素流56をもたらすことができ、そのため、酸素源の圧力が高くない場合、さもなければ必要であろう発生ガスに酸素を注入する前に、酸素を圧縮する必要性を低減または解消する。
【0027】
熱酸素発生装置54内で生起する燃焼は、発生装置54から出てくる熱酸素流56が、式 O,H,OH,CH,CH,C2j+1,またはC2j−1(式中、jは1〜4である)に対応する遊離基の1種以上、およびこれらの遊離基の2種以上の混合物を含有するように、行われるべきである。これは、熱酸素発生装置内の反応物(燃料および酸素)の滞留時間が、気流が送られる発生ガスの温度よりも高い温度の気流を生成する、熱酸素発生装置内で生起する燃料と酸素の燃焼反応を可能させるに十分長いこと、と同時に、前記滞留時間が、前記遊離基の少なくとも一部が存在するに十分短いことを条件とすることによって、達成され得る。滞留時間は、翻って、発生装置54の空間の大きさにより、発生装置54への燃料流204および酸化剤流202の供給速度により、および、熱酸素流56が発生装置54から出てくる出口オリフィスの大きさにより、定められる。好ましい滞留時間は約1〜2ミリ秒である。
【0028】
図3を見ると、熱酸素発生装置54(または発生装置32,34,46)の断面が図示されている。燃料204が直径Xのオリフィス205から噴出する。酸素の気流202が、オリフィス205の前面に流れ、燃料と燃焼する。得られた熱酸素流56は、直径Yのオリフィス201を通って発生装置54から噴出する。オリフィス205からオリフィス201までの間隔は「Z」である。一般に、熱酸素発生装置の寸法と、当該発生装置への燃料および酸素の供給速度と、熱酸素流が送られる発生ガス流のCO含量を低減するように所望の温度および燃焼遊離基の所望の含量を有する、熱酸素流を生成できる滞留時間をもたらす出口オリフィスの寸法との組合せとしては、次のものが挙げられる。
X:0.3〜1.0mm
Y:1.5〜2.65mm
Z:1.0〜3.5インチ(2.54〜8.89cm)
発生装置への燃料(天然ガス)の供給速度:2〜14scfh(空間速度 約0.057〜0.396m/h)
発生装置への酸素の供給速度:16〜72scfh(空間速度 約0.453〜2.039m/h)
発生装置内の圧力:15.1〜67.8psia(約104.1〜467.4kPa絶対)
【0029】
熱酸素流56は、好ましくは75(容量)%以上のOを含有する。この気流の典型的な組成は、約80%O、12%HO、6%CO、COからCOへの開始および酸化に特に有効な(非イオン性)OH,O,H等の反応性に富むある種の遊離基、および前述の遊離基からなる。熱酸素流56は、オリフィス201から流出して、高速および高運動量で発生ガスに送られ、熱ガスと発生ガス間に加速された混合をもたらす。
【0030】
このようにして得られた熱酸素流56(同様に、気流33,36,および/または48、および本発明の実施において発生しかつ用いられるその他の気流)は、典型的には、温度が1600F(約871℃)以上、好ましくは2000F(約1093℃)以上である。一般に、熱酸素流の速度は、毎秒500〜4500フィート(fps)(約152〜1364m/s)、好ましくは800から2000または2500fps(約242から606または758m/s)の範囲にあり、初期速度を300fps(約90.9m/s)ほど超過するであろう。好ましい実施の形態では、前記熱酸素流の速度はマッハ1である。
【0031】
米国特許第5266024号明細書の発明の詳細な説明には、高運動量の熱酸素流の形成について更に説明している。なお、前記特許明細書はその内容が参照により本明細書に援用される。
【0032】
高速の熱酸素流は、速度勾配または流体剪断によりおよび乱流噴流混合により、ジェット境界線を通って送られる発生ガスを同伴するものと考えられる。発生ガスおよび熱酸素流を混ぜ合わせる際に形成され、その混合物が熱酸素流と発生ガスの反応生成物を包含できるガス状気流は、前記混合物の温度が1400F(760℃)より高い時に利点を実感できるが、温度が1000F(約538℃)以上、好ましくは1250F(約677℃)以上である。
【0033】
例えば熱酸素流56が発生ガス流52に送られる熱酸素流の各使用時には、気流56が高運動量で製鋼炉の発生ガスに送られる。発生ガスと熱酸素の所望の反応は、熱酸素と発生ガス間の混合の親密さを向上させることによって増進する。熱酸素を複数の気流に分割してこれらの気流を発生ガスに送ることによって、あるいは、発生ガスと相対して即ち発生ガスに対して向流で熱酸素を送ることによって、親密な混合を促進することができる。好ましくは、親密な混合は、発生ガス流52を搬送するダクト等のダクト内で、熱酸素と発生ガス間の接触を促進する物理的構造を提供することによって、促進される。かかる構造の例としては、ガスが通過せざるを得ない金網、または邪魔板等が挙げられる。熱酸素と発生ガスは、熱酸素が発生ガス中のCOをCOに燃焼する間に混合する。気流53等の得られたガス混合物は、熱酸素と発生ガスとの前記反応の生成物を含む。
【0034】
熱酸素発生装置を設置する好ましい位置は、発生ガスの温度が空気単独の注入には低すぎて、発生ガス中のCOの十分な量を破壊するに効果的でない発生ガスに、熱酸素流が送られるような位置である。例えば、発生ガスの温度が、1800F(=982.2222℃)まで、例えば1000F〜1800F(約538〜982℃)、好ましくは1100F〜1600F(約593〜871℃)、丁度1500F(約816℃)まで、丁度1400F(760℃)である領域に発生装置が熱酸素流を供給するところで、熱酸素発生装置を効果的に利用することができる。これらの温度でも、COの破壊が生起して、発生ガスのCO含量を500ppm未満に、そして100ppm以下にさえ低下させることができる。熱酸素流の注入後には、合体された気流は、好ましくは温度が1350〜1450F(約732〜788℃)である。熱酸素流の典型的な注入速度は、500〜3500fps(約151.5〜1060m/s)、好ましくは1000〜2800fps(約303.0〜848.4m/s)にすることができる。
【0035】
図4,5,6は、供給材料が炉に搬送される前に、金属スクラップ等の製鋼炉の供給材料が炉からの発生ガスにより予熱される、本発明の実施例を示す。図1にも現れる図4、5、または6の参照番号は、図1に示す意味と同じである。
【0036】
図4に示すように、EAFの発生ガス10が、第四の穴25、引き続き導管26を通った後、空隙27を通過する。空隙を通過した後、発生ガス流は2つの気流436,438に分かれる。気流436は例えばバケット(bucket)予熱器440といわれる予熱器に進入し、一方、気流438は予熱器440をバイパスする。予熱器440にはスクラップ装入物442等の供給材料が定期的に装入され、熱い発生ガス流がスクラップ装入物を通過する時、熱い発生ガス流436により予熱される。装入物442への熱伝導により冷却された発生ガスは、気流437として予熱器440から流出する。加熱された装入物442はEAF20に搬送される。
【0037】
発生装置54について本明細書に説明されたように構成されかつ運転される熱酸素発生装置450が、熱酸素流452を予熱器440の下流の気流437に送るように、設置される。熱酸素流452に含まれる熱酸素は、気流437と迅速に混合して、気流437中のCOを破壊する。得られた気流439は気流438と混じり合って気流454を形成し、次いで、任意にEAFの天蓋30からの気流31と混じり合って気流58を形成することができる。発生ガス流454,58は、本明細書に説明されるような下流の公害防止設備により処理され得る。
【0038】
図5は、本明細書に説明されたように形成される熱酸素流を利用する別の実施例を示し、本実施例では、連続的に作動する金属スクラップ等の供給材料の予熱器内部でガス放出物を規制する。この場合、供給材料用コンベアを備えたパイプ等の閉ざされた空間であってもよい、予熱器530を通る搬送装置540によって、スクラップ装入物535が連続的に搬送される。発生ガス流10は装入物535に対して向流方向に予熱器530を通過し、装入物質が発生ガス10からの熱伝導により加熱され、発生ガス10が冷却される。予熱器に設けられた1以上の開口若しくは通気口527を通って、および/または発生ガスが予熱器に向かって流れる通路に、空気が導入される。予熱された後、スクラップ装入物は製鋼用EAF20内部の溶鋼22に落下する。発生装置54について本明細書に説明されたように構成されかつ運転される熱酸素発生装置550が、スクラップ搬送装置540の端部に近接して設置され、予熱器530内の発生ガス流10に送られる熱酸素流552を発生する。気流552に含まれる熱酸素は気流10と迅速に混合して、発生ガス中のCOを破壊する。得られた気流554は、予熱器530から流出し、例えばEAFの天蓋30からの気流31と任意に混じり合って、本明細書に説明されるように更に処理され得る気流58を形成することができる。
【0039】
図6は、本発明の更に別の適用、即ち、炉の上に位置して炉からの発生ガスを受け入れるシャフト部642と、シャフト部642の上に位置してシャフト部642からの発生ガスを受け入れるフード部646とを配備した、高炉620への適用を示す。本実施例では、金属スクラップ等の供給材料が、ドア647を介してフード部およびシャフト部に装入される。装入されたスクラップ(図5の供給材料535と同様の中実の点として示される)641は、発生ガスが通過できる開口を有するプレート(通常、フィンガーと称する)640,644によって、所定の位置に保持される。発生ガス10は、装入されたスクラップ641を通過し、スクラップを通過する時に装入されたスクラップを予熱する。予熱されたスクラップは、その際、シャフト部642から炉620内の溶鋼22に供給可能になる。発生ガス10は、装入されたスクラップ641への熱伝導により冷却される。発生装置54について本明細書に説明されたように構成されかつ運転される、熱酸素発生装置654からの熱酸素流656が、フード部646の頂部で発生ガス流10に注入されてこれと混合する。また、発生ガス10がフード部646から離れた後の発生ガス10に熱酸素流652を送るように、熱酸素発生装置650を設置することができる。シャフト部642および/またはフード部646の開口部を介して、および/または、これらの高炉部のいずれかがプレート640または644を接合する箇所で、空気が発生ガスに導入される。
【0040】
以上のいずれかの実施例において、または、製鋼容器からの発生ガスが容器に向かう供給材料の予熱に利用されるその他の任意の実施の形態において、供給材料は残留物または廃棄物等の有機物質を含有することがある。有機物質が供給材料中にまたはその表面に存在すると、本明細書に説明されたような供給材料の予熱により、ガス化された放出物を作り出す可能性がある。これは、供給材料中に若しくはその表面にあった有機物質、または、供給材料を発生ガスと熱伝導接触させる際に見られる温度に、前記有機物質を暴露することによって形成されるガス状有機副生物、またはこれらの混合物のガス状態を意味する。これらのガス放出物は、不快な臭いを引き起こすことのある化学成分、または、成分がダイオキシン等の有害物質を含むならば、若しくは、通常の予熱状態に曝される時に成分が有害物質を形成するならば、有害であるかも知れない化学成分を含有することがある。
【0041】
発生ガスが供給材料を予熱する装置内の発生ガス流に、または発生ガスが供給材料を予熱した装置の下流に、本明細書に説明されたように形成される熱酸素流を送ると、化学成分を二酸化炭素および水に変えることにより、(有機)化学成分を除去できるかまたは完全に取り除けるという更なる利益がある。
【0042】
二酸化炭素への最も満足すべきCOの転化を、並びに、発生ガスにより予熱された供給材料から発生ガスに流入する潜在的に有害な化学物質の除去または消去を達成するためには、次の3つの基準が重要である:(1)熱酸素流と発生ガス間の良好な混合を達成すること;(2)熱酸素流と発生ガスから形成される混合物の温度が適切な範囲にあること;および(3)混合物の滞留時間がCOへのCOの燃焼を完全にするに十分であること。本明細書に説明された条件内での運転は、これらの基準を満足させる。
【0043】
低温または常温での従来の酸素ランス吹きと、あるいは、発生ガスが炉から流出する際に発生ガスダクト内での後燃焼バーナーの設置および使用と比較すると、本明細書に説明されたような熱酸素流の利用は次の利点がある。
○熱酸素流は、発生ガスの局部温度が低すぎて、効果的にCOを破壊できない発生ガスに必要な熱を与える。
○明細書に説明されたような熱酸素発生装置は、良好な混合を行う高いジェット運動量で熱酸素を供給して、低濃度のCOでもこれを破壊する。
○熱酸素の注入は、注入される酸素量が発生ガス量と比較して一般に少ない(1〜3容量%)ので、発生ガスダクト内の全ガス滞留時間に殆ど影響がない。
○熱酸素発生装置は、設計が非常にコンパクトであり、ダクトまたは設置スペースが厳しく制約されるとき、現場での設置に柔軟性を提供する。
○本明細書に説明されたような熱酸素発生装置は、発生ガスのNOx含量を増加させることなくCOを破壊する。
【0044】
発生ガス流中のCOを破壊する本明細書に説明されたような熱酸素発生装置および熱酸素流を利用すると、下記のプロセスの優位性をもたらす。
○向上した製鋼炉の能力(即ち、生産速度)
【0045】
本発明は、既存の炉の生産速度が発生ガスの高CO排出により制約を受けるならば、当該炉の能力を強化することが可能である。EAF炉がその生産速度を高めるならば、より多くの量の発生ガスが発生するであろう。増大した発生ガス量に起因して、ダクトの下流に設置された空気をベースにしたCO燃焼手段は、バグハウスで排出限界を満たすレベルにまでCOを燃焼することができないかも知れない。向上した生産速度により起こり得るその他の結果は、ファンの能力によってEAFのダクトが制限されるようになることであり、これは、既存のファンがCOの燃焼を処理できる空気の最大量であることを意味する。本発明によれば、操業者は、COを破壊する最大の能力で空気をベースにした既存のCO燃焼システムを稼働させることができる。その際、操業者は、最終的にCOを燃焼させる空気系の下流に設置された熱酸素発生装置を使用することができ、空気をベースにしたシステムはもはやCOの破壊に有効でない。
○向上した炉の効率(即ち、生産される鋼鉄のトン当たりの電力消費量)
【0046】
炉の多くの操業者は、全てのCOや工場排出物中の他の可燃物が排出規制限度に合致することを確実に行おうとして、非常に控えめな方法で炉を管理している。例えば、操業者は、ダクトの吸引圧力を高めて、CO、Hおよび他の可燃物の後燃焼のために過剰量の空気をダクトに導入することがある。後燃焼のために高い百分率の過剰空気を供給することによって、炉はCO放出限度を満たすことができるが、その熱効率が犠牲になる。これは、高い換気により発生ガスの体積とその全熱容量が増大するからである。外部燃焼排ガスの再循環を用いないと、発生ガスに含まれる利用可能な熱が熱損失となる。大きな発生ガスの体積は、また、下流の発生ガス浄化装置の運転コストを増大させる。
○法的処罰の回避
【0047】
本発明は、特定のCO排出目標を達成するために、炉の操業者に簡単で有効な方法を提供する。熱酸素発生装置は、運転環境が本質的にダイナミックかつ一過性の炉にとって心強い装置となる。本発明によれば、必要が生じた時に熱酸素流が連続的または周期的に送られるかどうか、下流ダクトへのCOスリップが熱酸素流により破壊されることを識別しながら、操業者はより柔軟に炉を運転して変化するプロセスの要求に応えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製鋼炉から出る発生ガス流の処理方法において、
(A)炉内の溶鋼表面の上位の雰囲気から500ppmを超える量の一酸化炭素を含む発生ガスを得て、該得られた発生ガスに空気を導入し、発生ガスの温度が1093.3333℃未満になるために必要な程度まで、前記得られた発生ガスを冷却することにより、温度1093.3333℃未満の発生ガス流を供給する段階と、
(B)燃料と酸素を混合し、得られた混合物中の酸素の一部をチャンバ内で前記燃料と共に燃焼させて、酸素を含む前記チャンバの出口から出てくる熱酸素流を作る段階であり、前記チャンバ内での前記燃焼の滞留時間が、下記段階(C)で加えられる発生ガス流の温度よりも前記熱酸素流の温度が高くなるために十分な長さであり、かつ、前記滞留時間が、式:O,H,OH,CH,CH,C2j+1,またはC2j−1(式中、jは1〜4である)に対応する遊離基から成る群から選ばれる遊離基、およびこれらの遊離基の2種以上の混合物を含む前記燃焼生成物を、前記熱酸素流が含むようになる十分な短かさであるような、燃料と酸素を混合して、得られた混合物中の酸素の一部をチャンバ内で前記燃料と共に燃焼させる前記段階と、
(C)段階(B)で形成された前記熱酸素流を段階(A)で供給される前記発生ガス流に送って、前記熱酸素流が添加される前記発生ガスの温度よりも高い593.3333℃を超える温度に、前記供給される発生ガス流中の前記発生ガスの温度を高める、段階(B)で形成された前記熱酸素流を段階(A)で供給される前記発生ガス流に送る前記段階であって、前記熱酸素流が、前記発生ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に変えるために十分な割合で前記発生ガスに添加され、もって前記発生ガスの一酸化炭素含有量を低下させる、段階(B)で形成された前記熱酸素流を段階(A)で供給される前記発生ガス流に送る前記段階とを含む製鋼炉から出る発生ガス流の処理方法。
【請求項2】
前記熱酸素流が前記発生ガス流に供給される前に、前記得られた発生ガスからの直接熱伝達により供給材料を加熱し、かつ該加熱された供給材料を前記溶鋼に供給することを更に含む請求項1に記載された製鋼炉から出る発生ガス流の処理方法。
【請求項3】
前記熱酸素流が供給される発生ガス流が、最高982.2222℃の温度を有する請求項1に記載された製鋼炉から出る発生ガス流の処理方法。
【請求項4】
前記熱酸素流が供給される発生ガス流が、最高815.5555℃の温度を有する請求項1に記載された製鋼炉から出る発生ガス流の処理方法。
【請求項5】
前記段階(B)で形成された前記熱酸素流が、前記段階(C)において152.4m/秒以上の速度で前記発生ガス流に供給される請求項1に記載された製鋼炉から出る発生ガス流の処理方法。
【請求項6】
前記段階(B)で形成された前記熱酸素流が、前記段階(C)においてマッハ1の速度で発生ガス流に供給される請求項1に記載された製鋼炉から出る発生ガス流の処理方法。
【請求項7】
前記段階(C)において、前記発生ガス中の一酸化炭素量が500ppm未満に低下せしめられる請求項1に記載された製鋼炉から出る発生ガス流の処理方法。
【請求項8】
前記段階(C)において、前記発生ガス中の一酸化炭素量が100ppm未満に低下せしめられる請求項1に記載された製鋼炉から出る発生ガス流の処理方法。
【請求項9】
前記供給材料が有機物質を含み、前記熱酸素流が供給される前記発生ガスが、前記供給材料の前記加熱によって形成されるガス状有機放出物を含み、前記発生ガスに供給される前記熱酸素流が、前記ガス状有機放出物を二酸化炭素および水を含む生成物に変化させる請求項2に記載された製鋼炉から出る発生ガス流の処理方法。
【請求項10】
前記熱酸素流が供給される前記発生ガス流は、982.2222℃以下の温度を有する請求項2に記載された製鋼炉から出る発生ガス流の処理方法。
【請求項11】
前記熱酸素流が供給される前記発生ガス流は、815.5555℃以下の温度を有する請求項2に記載された製鋼炉から出る発生ガス流の処理方法。
【請求項12】
前記段階(B)で形成された前記熱酸素流が、前記段階(C)において152.4m/秒以上の速度で前記発生ガス流に供給される請求項2に記載された製鋼炉から出る発生ガス流の処理方法。
【請求項13】
前記段階(B)で形成された前記熱酸素流が、前記段階(C)においてマッハ1の速度で前記発生ガス流に供給される請求項2に記載された製鋼炉から出る発生ガス流の処理方法。
【請求項14】
前記段階(C)において、前記発生ガス中の一酸化炭素量が500ppm未満に低下せしめられる請求項2に記載された製鋼炉から出る発生ガス流の処理方法。
【請求項15】
段階(C)において、前記発生ガス中の一酸化炭素量が100ppm未満に低下せしめられる請求項2に記載された製鋼炉から出る発生ガス流の処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−526354(P2011−526354A)
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516510(P2011−516510)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/048211
【国際公開番号】WO2009/158320
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(392032409)プラクスエア・テクノロジー・インコーポレイテッド (119)
【Fターム(参考)】