説明

複合化された圧電基板の製造方法

【課題】 本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、熱処理後の反り増加量が小さく、クラックが生じにくい複合圧電基板の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 少なくとも、圧電基板と絶縁体基板とを接着剤で貼り合わせ、前記貼り合わせた基板に熱処理を行うことにより、前記接着剤を硬化させる複合化された圧電基板の製造方法であって、前記絶縁体基板として導電率が1×10−14[Ω−1・cm−1]以下のものを用い、前記熱処理による接着剤の硬化は、除電処理を施しながら行うことを特徴とする複合化された圧電基板の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合化された圧電基板(以下、複合圧電基板とも表記)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の高周波通信において周波数調整・選択用の部品として、例えば圧電基板上に弾性表面波を励起するための櫛形電極が形成された弾性表面波(Surface Acoustic Wave、SAW)デバイスが用いられる。
【0003】
これに用いられる圧電基板材料は、電気信号から機械的振動への変換効率(以下、電気機械結合係数と記す)が極めて大きいこと、また櫛形電極の電極間隔と弾性波の音速により決まるフィルタ等の中心周波数が温度により変動しないことが求められる(以下、周波数温度特性と記す)。
【0004】
すなわち、大きな電気機械結合係数と小さな周波数温度係数を兼ね備えた圧電基板が有れば好ましい。こうした特性を実現する圧電基板の一例として、圧電基板と他の基板を接合した複合圧電基板がある。
【0005】
このような複合圧電基板の一例として、特許文献1にはタンタル酸リチウム基板とサファイア基板との接合界面に、0.3nm以上2.5nm以下の厚みのアモルファスの接合領域を備えていることを特徴とする接合基板が開示されている。
具体的には、特許文献1に記載の接合基板では、接合領域の厚みは1.5nm以上であり、150℃で1時間保持した後の反り量が概ね200μm以下となっている。
【0006】
ここで、接合基板に求められる重要な特性として、熱処理後の反り増加量が少ないことがある。これは、SAWデバイスの製造工程においては熱処理を施すことが必要とされる場合があり、かかる熱処理後に基板に反りが生じると、クラックが生じたり、その後のダイシング工程などで基板をステージに吸着させることが困難となり、生産性が大幅に低下するためであるとされる。
【0007】
しかし、前述の特許文献1に記載の発明では、支持基板としてサファイア基板を用いているが、サファイア基板が高価であるため、安価な複合圧電基板とならないという問題がある。
そして、近年、更に反り増加量を低減させた複合圧電基板が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許公報3929983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、熱処理後の反り増加量を低減し、クラックの発生を防止することができる安価な複合化された圧電基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明によれば、少なくとも、圧電基板と絶縁体基板とを接着剤で貼り合わせ、前記貼り合わせた基板に熱処理を行うことにより、前記接着剤を硬化させる複合化された圧電基板の製造方法であって、前記絶縁体基板として導電率が1×10−14[Ω−1・cm−1]以下のものを用い、前記熱処理による接着剤の硬化は、除電処理を施しながら行うことを特徴とする複合化された圧電基板の製造方法を提供する。
このような複合化された圧電基板の製造方法によれば、安価ではあるが一般的に複合圧電基板の反りが大きくなる傾向にある、導電率が1×10−14[Ω−1・cm−1]以下の絶縁体基板を用いた場合でも、熱処理後の反りの増加量が小さく、クラックの発生が抑制された複合化された圧電基板を提供することができる。
【0011】
また、前記絶縁体基板として、アルミナが主成分であるものを用いることが好ましい。
このように、絶縁体基板としてアルミナが主成分であるものを用いると、熱処理した後の反りの増加量を更に小さくすることができ、また安価な複合化された圧電基板を得ることができる。
【0012】
また、前記圧電基板として、LiTaO、LiNbO、Liのいずれかからなるものを用いることが好ましい。
このように、圧電基板がLiTaO、LiNbO、又はLiであれば、電気機械結合係数が大きく、また、複合化された圧電基板の効果により、動作周波数の温度変動が抑制された安価な複合化された圧電基板を提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、熱処理後の反り増加量が小さく、クラックの発生が抑制され、かつ安価な複合化された圧電基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る複合化された圧電基板の製造方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明についてより具体的に説明する。
前述のように、熱処理後の反りの増加量が小さく、クラックの発生を抑制することができる複合圧電基板の製造方法が待たれていた。
【0016】
ここで、一般の複合圧電基板が、熱処理後に反りが大きくなる原理を述べる。
LiTaOやLiNbO等の圧電基板は、周知のように焦電性を有する。そしてSAWデバイスの製造プロセスにおいて、圧電基板は加熱・冷却が繰り返されるが、圧電基板に温度差が加わると、焦電性により数キロボルトにも及ぶ表面電位が生じ、特に加熱後の圧電基板の表面電位は維持され、圧電基板が反ってしまう。
【0017】
一方、複合圧電基板は圧電基板と支持基板の膨張係数が異なることによって温度が変化するとバイメタルの様に変形を生じる。
この時、圧電基板にはバイメタル変形による応力が加わることになり、この応力は圧電基板に表面電荷を生じさせる。
【0018】
すなわち、複合圧電基板に温度が付加された状態では、圧電基板にはバイメタル効果による応力及び焦電効果による帯電(表面電荷)の双方が生じ、反りが更に大きくなってしまう。
【0019】
次に温度が初期の温度に戻ると、バイメタル効果による変形は解消されるが、圧電基板の焦電性により生じた表面電位により複合圧電基板の変形が残存することになる。そのため複合圧電基板には熱処理後に反りが発生することになる。
特に、複合圧電基板の支持基板として導電率が1×10−14[Ω−1・cm−1]以下の絶縁体基板を用いる場合には、この高抵抗な絶縁体基板に接合させる圧電基板は表面電荷が溜まりやすくなるため、反り量が大きくなってしまう傾向がある。
【0020】
しかし、本発明者らは、少なくとも、圧電基板と絶縁体基板とを接着剤で貼り合わせ、貼り合わせた基板に熱処理を行うことにより、接着剤を硬化させる複合化された圧電基板の製造方法において、絶縁体基板として導電率が1×10−14[Ω−1・cm−1]以下のものを用いた場合であっても、熱処理による接着剤の硬化を除電処理を施しながら行うことによって、圧電基板の焦電効果による帯電を抑制することができることを知見した。
そして、このような複合化された圧電基板の製造方法では、熱処理時に圧電基板と絶縁体基板とを貼り合わせた基板の周囲温度が変化すると、バイメタル効果による変形は生じるが、圧電基板の焦電効果による帯電が抑制される。従って、熱処理後に温度が初期の温度に戻るとバイメタル効果による変形は解消され、複合圧電基板はほぼ元の形状に戻り、反りがほとんど発生せず、クラックの発生も防止できることを見出し、本発明を完成させた。
【0021】
以下、本発明について図1を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。図1は、本発明の複合化された圧電基板の製造方法の説明図である。
【0022】
本発明の複合圧電基板の製造方法によれば、まず導電率が1×10−14[Ω−1・cm−1]以下の絶縁体基板2と、圧電基板1とを用意する。
本発明の複合圧電性基板の製造方法によれば、このような複合圧電基板の反り量が大きくなる傾向がある絶縁体基板2を用いても、反りの増加量を小さくすることができ、クラックの発生を防止することができる。従って、必ずしもサファイア基板のような高価なものを用いる必要はない。
【0023】
また、本発明で用いる圧電基板1としては、LiTaO、LiNbO、Liのいずれかからなるものを用いることができる。圧電基板1がLiTaO、LiNbO、又はLiであれば、電気機械結合係数が大きく、また、複合化された圧電基板の効果により、動作周波数の温度変動が抑制された安価な複合化された圧電基板を提供することができる。
【0024】
また、絶縁体基板2としては、アルミナが主成分であるものを用いることができる。アルミナを主成分とする絶縁体基板2は、ヤング率が約300〜400GPaと大きく硬いため、熱処理後の反り増加量が小さく、また安価な複合化された圧電基板を得ることができる。
【0025】
その後、圧電基板1と絶縁体基板2の一方又は両方に接着剤3を塗布し、例えば、真空下で貼り合わせて接合することにより、圧電基板1と絶縁体基板2とを貼り合わせた基板4とすることができる。
尚、接着面に異物が混入しないように、貼り合わせ前に各基板の表面を洗浄することが好ましい。また、接着剤3として紫外線硬化接着剤を用いる場合には、貼り合わせ後に紫外線照射することで、接着剤を仮に硬化させることができる。そして、このように接着剤を仮に硬化させた後に、後述する接着剤を硬化するための熱処理を行うことによって接着剤を完全に硬化させることができる。
【0026】
本発明の複合化された圧電基板の製造方法においては、上記のように貼り合わせた基板4に熱処理を行って接着剤3を硬化させて(硬化した接着剤:3’)、複合化された圧電基板5を得るが、この熱処理による接着剤3の硬化を、除電処理を施しながら行う。
除電処理としては、例えば、イオナイザを用い、貼り合わせた基板4を逆極性のイオンで中和させることで除電することができる。
【0027】
尚、本発明において「熱処理」は、圧電基板1と絶縁体基板2とを接着剤3で貼り合わせた基板4を加熱、又は、加熱後冷却する工程をいい、本発明の複合化された圧電基板の製造方法においては、この熱処理工程を除電処理を施しながら行う。
【0028】
このように、本発明の複合圧電基板の製造方法では、貼り合わせた基板4をイオナイザなどにより除電処理を施しながら加熱、冷却するため、従来反りの原因として問題視されていた圧電基板の焦電性に起因する表面電位が生じない。
従って、本発明の複合圧電基板の製造方法を用いれば、貼り合わせた基板4を加熱、冷却することでバイメタル効果による変形は生じるが、圧電基板1の焦電効果による帯電が生じないため、熱処理後(加熱・冷却後)に温度が初期の温度に戻るとバイメタル効果による変形は解消されてほぼ元の形状に戻り、反り増加量を小さくすることができる。また、圧電基板1の帯電による変形を抑制することができるため、熱処理後のクラックの発生を防止することができる。
【0029】
その後は定法に従い加工処理を行うことができ、例えば、上記のように製造した複合化された圧電基板5を面取り加工した後、圧電基板1の表面側を研削及びラップ加工により削り落とし、さらにポリッシュ加工を施すことで、圧電基板1を所定の厚さになるように加工することができる。
また、このとき、上記のように貼り合わせて面取り加工を施した後に、複合圧電基板5の圧電基板1の外周を、例えば0.1mm以上3mm以下の幅の分だけ除去するとより良い。この除去工程は例えば特殊面取りホイールなどを用いて行うことが可能である。このような圧電基板1の外周より0.1mm以上3mm以下除去された複合圧電基板5であれば、その後に行う圧電基板1の研削工程等で圧電基板1に加工歪やクラック等が発生することを更に抑制することができる。
【0030】
また、本発明においては、上記に示した圧電基板1の研削工程等の後に更に熱処理を行うことで、接着剤3をより硬化させることができるが、この熱処理工程においても除電処理を施すことによって、反り量の増加を抑制することができ、クラックの発生を防止することができる。
【実施例】
【0031】
以下、実施例と比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によって限定されるものではない。
【0032】
(実施例)
直径4インチ(100mm)で厚さが215μmであり、貼り合わせ面とその反対側の面のそれぞれの表面粗さRaが共に0.3μmであって、ヤング率が340GPa、導電率が1×10−15[Ω−1・cm−1]であるアルミナ基板を用意した。
また、圧電基板として導電率が1×10−14[Ω−1・cm−1]であり、直径4インチ(100mm)の36°回転Yカットタンタル酸リチウム(LiTaO)基板を用意して、この圧電基板の厚さが160μmとなるよう両面粗研磨により表裏面の粗さが0.13μmとなるよう仕上げた。
【0033】
そして、前記アルミナ基板にエポキシを主成分とする導電性の紫外線硬化接着剤をスピンコートし貼り合わせ面上に均一に塗布した。
また、前記LiTaO基板の貼り合わせ面を洗浄し、前記接着剤を同様に塗布し、前記アルミナ基板の接着剤塗布面と前記LiTaO基板の接着剤塗布面を圧力1×10−3mbarの真空下で貼り合わせた。
【0034】
次に、この貼り合わせた基板に、照度50mW/cmの紫外線を5分間照射し、接着剤を仮に硬化させた。このとき貼り合わせた基板面内で接着剤の層は一様に5μmの厚さだった。
【0035】
次にこのアルミナ基板とLiTaO基板とを貼り合わせた基板にイオナイザを照射しながら、65℃の温度で2時間キュアを行い室温まで冷却した。
この複合圧電基板の反りを周囲温度23℃にて測定したところ30μmであった。
また、前記アルミナ基板とLiTaO基板との複合圧電基板のLiTaO基板の部分の表面電位を表面電位計にて測定したところ表面電位は0(V)であった。
【0036】
そして、この前記複合圧電基板を面取り加工した後、圧電基板であるLiTaO基板の外周約0.5mmを特殊面取りホイールにて削り落とした。次いで、LiTaO基板の表面側(貼り合わせ面と反対側)をラップ及び研削により110μm削り落とし、この後、この複合圧電基板に加熱はじめからイオナイザを照射しながら、120℃の温度で2時間キュアを行い室温まで冷却した。
【0037】
さらにポリッシュによりLiTaO基板の厚さが30μmになるようにした。
この複合圧電基板の反りを周囲温度23℃にて測定したところ40μmであった。また、前記アルミナ基板とLiTaO基板との複合圧電基板のLiTaO基板部分の表面電位を表面電位計にて測定したところ表面電位は0(V)であった。
また、ウエハ面内を顕微鏡にて観察したところにLiTaO基板部分にクラックは生じていなかった。
【0038】
さらに、前記複合圧電基板にイオナイザを照射しながら、180℃の温度で2時間加熱し室温まで冷却した。
この複合圧電基板の反りを周囲温度23℃にて測定したところ45μmであった。
また、前記アルミナ基板とLiTaO基板との複合圧電基板のLiTaO基板部分の表面電位を表面電位計にて測定したところ表面電位は0(V)であった。
また、ウエハ面内を顕微鏡にて観察したところにLiTaO基板部分にクラックは生じていなかった。
【0039】
(比較例)
直径4インチ(100mm)で厚さが215μmであり、貼り合わせ面とその反対側の面のそれぞれの表面粗さRaが共に0.3μmであって、ヤング率が340GPa、導電率が1×10−15[Ω−1・cm−1]であるアルミナ基板を用意した。
また、圧電基板として導電率が1×10−14[Ω−1・cm−1]であり、直径4インチ(100mm)の36°回転Yカットタンタル酸リチウム(LiTaO)基板を用意して、この圧電基板の厚さが160μmとなるよう両面粗研磨により表裏面の粗さが0.13μmとなるよう仕上げた。
【0040】
そして、前記アルミナ基板にエポキシを主成分とする導電性の紫外線硬化接着剤をスピンコートし貼り合わせ面上に均一に塗布した。
また、前記LiTaO基板の貼り合わせ面を洗浄し、前記接着剤を同様に塗布し、前記アルミナ基板の接着剤塗布面と前記LiTaO基板の接着剤塗布面を圧力1×10−3mbarの真空下で貼り合わせた。
【0041】
次に、この貼り合わせた基板に、照度50mW/cmの紫外線を5分間照射し、接着剤を仮に硬化させた。このとき貼り合わせた基板面内で接着剤の層は一様に5μmの厚さだった。
【0042】
次にこのアルミナ基板とLiTaO基板とを貼り合わせた基板を65℃の温度で2時間キュアを行い、その後室温まで冷却した。
この複合圧電基板の反りを周囲温度23℃にて測定したところ40μmであった。
また、前記アルミナ基板とLiTaO基板との複合圧電基板のLiTaOの部分の表面電位を表面電位計にて測定したところ表面電位は0.8(kV)であった。
【0043】
そして、この前記複合圧電基板を面取り加工した後、圧電基板であるLiTaO基板の外周約0.5mmを特殊面取りホイールにて削り落とした。次いで、LiTaO基板の表面側(貼り合わせ面と反対側)をラップ及び研削により110μm削り落とし、この後、この複合圧電基板を120℃の温度で2時間キュアを行い、その後室温まで冷却した。
【0044】
さらにポリッシュによりLiTaO基板の厚さが30μmになるようにした。
この複合圧電基板の反りを周囲温度23℃にて測定したところ400μmであった。また、前記アルミナ基板とLiTaO基板との複合圧電基板のLiTaO基板の部分の表面電位を表面電位計にて測定したところ表面電位は3(kV)であった。
また、ウエハ面内を顕微鏡にて観察したところにLiTaO基板外周部分に総長50mmのクラックが生じた。
【0045】
さらに、前記複合圧電基板を180℃の温度で2時間加熱を行い、その後室温まで冷却した。
この複合圧電基板の反りを周囲温度23℃にて測定したところ800μmであった。また、前記アルミナ基板とLiTaO基板との複合圧電基板のLiTaO基板部分の表面電位を表面電位計にて測定したところ表面電位は6(kV)であった。
また、ウエハ面内を顕微鏡にて観察したところにLiTaO基板外周部分のクラックは総長120mmであった。
【0046】
上記のように、本発明の複合化された圧電基板の製造方法であれば、熱処理後の反り増加量が小さく、クラックの発生が抑制された安価な複合圧電基板を提供することが出来る。
【0047】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に含有される。
【符号の説明】
【0048】
1…圧電基板、 2…絶縁体基板、 3…接着剤、 3’…硬化した接着剤、 4…貼り合わせた基板、 5…複合化された圧電基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、圧電基板と絶縁体基板とを接着剤で貼り合わせ、前記貼り合わせた基板に熱処理を行うことにより、前記接着剤を硬化させる複合化された圧電基板の製造方法であって、前記絶縁体基板として導電率が1×10−14[Ω−1・cm−1]以下のものを用い、前記熱処理による接着剤の硬化は、除電処理を施しながら行うことを特徴とする複合化された圧電基板の製造方法。
【請求項2】
前記絶縁体基板として、アルミナが主成分であるものを用いることを特徴とする請求項1に記載の複合化された圧電基板の製造方法。
【請求項3】
前記圧電基板として、LiTaO、LiNbO、Liのいずれかからなるものを用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の複合化された圧電基板の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−273127(P2010−273127A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123439(P2009−123439)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】