説明

複合型記録再生装置

【課題】磁気記録再生装置から光ディスク記録再生装置へのダビング処理において、不要なシーンのダビングをカットする際に、記録させたくないシーンから記録させたいシーンが来るまでの間のサーチ時間の短縮を図ることができる機能を有する複合型記録再生装置を提供する。
【解決手段】VCRからDVDレコーダへのダビング中に、DVDに記録させたくないシーンが現れたときに、早送りキーが押下されると、VCRが早送り動作し、DVDレコーダは記録動作が一時停止し、DVDへの情報の記録を一時停止させる。一時停止された後、再生キーが押下されたときVCRが再生動作し、DVDレコーダは記録動作を再開する。早送りキーが押下されなかったときは、ダビングが継続される。不要なシーンのダビングをカットする際に、記録させたくないシーンから記録させたいシーンが来るまでの間を早送りでサーチできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録再生装置と光ディスク記録再生装置とを備えた複合型記録再生装置に関し、特に、磁気テープに記録された情報を光ディスクにダビングを行う際の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、磁気テープに対して映像音声情報を記録/再生するVCR(ビデオカセットレコーダ)やVTR(ビデオテープレコーダ)と言う名称で知られている磁気記録再生装置が普及している。このような磁気記録再生装置では、磁気テープに記録する記録方式として、VHS方式(日本ビクター株式会社の商標)またはS−VHS方式(日本ビクター株式会社の商標)が採用されている。S−VHS方式は、VHS方式による画質を高画質化して記録する方式の規格であり、記録信号の記録帯域をVHS方式の約1.6倍に拡大し、水平解像度400本での記録を可能にしている記録方式である。
【0003】
また、近年、磁気テープに代わる記録媒体として光ディスクであるDVD(デジタルバーサタイルディスク)が開発され、DVDに対して情報の記録/再生を行うDVDレコーダなどの光ディスク記録再生装置が普及している。そして、磁気記録再生装置(VCR等)と光ディスク記録再生装置(DVDレコーダ等)との複合型記録再生装置も普及している。
【0004】
ところで、VCRとDVDレコーダとから構成される複合型記録再生装置では、VCRからDVDレコーダへのダビング処理を行う「VCR→DVD」ダビングモード、DVDレコーダからVCRへのダビング処理を行う「DVD→VCR」ダビングモードの機能を備えている。
【0005】
ここで、VCRとDVDレコーダとから構成される複合型記録再生装置において、VCRからDVDレコーダへのダビング処理について説明する。ダビング中の映像および音声は、この複合型記録再生装置に接続されたテレビジョン受像機にて出力されるので、ユーザはダビング中であっても視聴できるものとする。
【0006】
ダビングモード設定画面から項目「VCR→DVD」がリモコンの操作により選択され決定されると、複合型記録再生装置は「VCR→DVD」のダビングモードに設定される。このようにして、複合型記録再生装置は「VCR→DVD」のダビングモードに設定された後、リモコンの操作によりダビング開始指示されると、VCRを再生動作させると共に、DVDレコーダを記録動作させる処理であるダビングを開始する。
【0007】
そして、ダビングが行われている際中に、DVDに記録させたくないシーンがテレビジョン受像機に現れたときに、そのシーンを記録させないため、VCRは、そのまま再生動作させると共に、DVDレコーダは、記録動作が一時停止するように、リモコンの一時停止キー(操作部の一時停止キーでも可)の操作を行って、VCRの再生動作は、そのままで、DVDレコーダの記録動作を一時停止させる。この後、記録させたくないシーンが通り過ぎて、記録したいシーンが来ると、リモコンの一時停止キーを再び操作して、DVDレコーダの記録動作を再開するようにしている。
【特許文献1】特開2005−149633号公報
【特許文献2】特開2005−318185号公報
【特許文献3】特開平3−292655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述したような従来の複合型記録再生装置は、DVDに記録させたくないシーンから記録させたいシーンが来るまでの間、再生動作させているので、この間の再生時間が無駄になり、この結果、VCRからDVDレコーダへのダビング処理に多くの時間を要すると言う課題があった。
【0009】
なお、特許文献1の従来技術は、VCRで再生した番組をデジタルでダビング可能な記録再生装置であり、予めVCRを早送り再生してインデックス信号を検出し、インデックス情報に基づいて表示されるダビング選択メニューによってダビング操作を行うものであり、VCRで再生した番組をデジタル記録部にダビングする際に、記録させたくないシーンから記録させたいシーンが来るまでの間のサーチ時間の短縮を図ることについては開示されていない。
【0010】
特許文献2の従来技術は、DVカムコーダからのDVDレコーダへのダビングにおいて、ダビング中にDVシーンカットキーが操作されると、DVDへのダビングを一時停止することにより、不要なシーンのダビングをカットするようにしているが、不要なシーンのダビングをカットする際に、記録させたくないシーンから記録させたいシーンが来るまでの間のサーチ時間の短縮を図ることについては開示されていない。
【0011】
特許文献3の従来技術は、再生される映像を外部接続されたVTRに記録する記録再生装置であり、再生映像中のCM区間を検出し、CM区間は早送り再生モードに切り換えると共に、外部接続されたVTRの記録動作を一時停止するようにしているが、不要なシーンのダビングのカットの対象はCMだけであり、CM以外の不要なシーンのダビングをカットする際に、記録させたくないシーンから記録させたいシーンが来るまでの間のサーチ時間の短縮を図ることについては開示されていない。
【0012】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、磁気記録再生装置から光ディスク記録再生装置へのダビング処理において、不要なシーンのダビングをカットする際に、記録させたくないシーンから記録させたいシーンが来るまでの間のサーチ時間の短縮を図ることができる機能を有する複合型記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、磁気テープに対して情報の記録/再生を行う磁気記録再生装置と、光ディスクに対して情報の記録/再生を行う光ディスク記録再生装置とを備えた複合型記録再生装置において、前記磁気テープに記録されている情報を前記光ディスクに記録を行うため、前記磁気記録再生装置を再生動作させ、前記光ディスク記録再生装置を記録動作させる処理であるダビング処理が開始してから、早送りキーが押下されたか否かを判定する早送りキー押下判定手段と、前記早送りキーが押下されたと判定されたとき、前記磁気記録再生装置を早送り動作させ、前記光ディスク記録再生装置の記録動作を一時停止させる光ディスク記録一時停止手段と、前記光ディスク記録再生装置の記録動作が一時停止された後、再生キーが押下されたか否かを判定する再生キー押下判定手段と、前記再生キーが押下されたと判定されたとき、前記磁気記録再生装置を再生動作させ、前記光ディスク記録再生装置の記録動作を再開させる記録再開手段とを備えたことを特徴とする複合型記録再生装置を提供する。
【0014】
この構成においては、磁気テープに記録されている情報を光ディスクに記録を行うため、磁気記録再生装置を再生動作させ、光ディスク記録再生装置を記録動作させる処理であるダビング処理が開始してから、早送りキーが押下されると、磁気記録再生装置が早送り動作し、光ディスク記録再生装置の記録動作が一時停止する。磁気記録再生装置が早送り動作し、光ディスク記録再生装置の記録動作が一時停止した後、再生キーが押下されると、磁気記録再生装置が早送り動作から再生動作に移り、光ディスク記録再生装置は記録動作を再開する。
【0015】
この構成によれば、磁気記録再生装置から光ディスク記録再生装置へのダビング処理において、不要なシーンのダビングをカットする際に、記録させたくないシーンから記録させたいシーンが来るまでの間を早送りでサーチできるので、記録させたくないシーンから記録させたいシーンが来るまでの間のサーチ時間の短縮を図ることができ、これにより、磁気記録再生装置から光ディスク記録再生装置へのダビング処理の時間が短縮でき、使い勝手が向上する。
【0016】
請求項2の発明は、磁気テープに対して情報の記録/再生を行う磁気記録再生装置と、光ディスクに対して情報の記録/再生を行う光ディスク記録再生装置とを備えた複合型記録再生装置において、前記磁気テープに記録されている情報を前記光ディスクに記録を行うため、前記磁気記録再生装置を再生動作させ、前記光ディスク記録再生装置を記録動作させる処理であるダビング処理が開始してから、早送りキーが押下されたか否かを判定する早送りキー押下判定手段と、前記早送りキーが押下されたと判定されたとき、前記磁気記録再生装置を早送り動作させ、前記光ディスク記録再生装置の記録動作を一時停止させる光ディスク記録一時停止手段と、前記光ディスク記録再生装置の記録動作が一時停止された後、再生キーが押下されたか否かを判定する再生キー押下判定手段と、前記再生キーが押下されたと判定されたとき、前記再生キーが所定時間内に所定回押下されたか否かを判定する再生キー押下回数判定手段と、前記再生キーが所定時間内に所定回押下されたと判定されたとき、前記磁気記録再生装置を再生動作させ、前記光ディスク記録再生装置の記録動作を再開させる記録再開手段とを備えたことを特徴とする複合型記録再生装置を提供する。
【0017】
この構成においては、磁気テープに記録されている情報を光ディスクに記録を行うため、磁気記録再生装置を再生動作させ、光ディスク記録再生装置を記録動作させる処理であるダビング処理が開始してから、早送りキーが押下されると、磁気記録再生装置が早送り動作し、光ディスク記録再生装置の記録動作が一時停止する。光ディスク記録再生装置の記録動作が一時停止した後、再生キーが押下されると、磁気記録再生装置が再生動作し、光ディスク記録再生装置は記録動作を再開する。磁気記録再生装置が早送り動作し、光ディスク記録再生装置の記録動作が一時停止された後、再生キーが押下されたとき、再生キーが所定時間内に所定回押下されたか否かが判定される。再生キーが所定時間内に所定回押下されたと判定されたとき、磁気記録再生装置が早送り動作から再生動作に移り、光ディスク記録再生装置は記録動作を再開する。
【0018】
この構成によれば、磁気記録再生装置から光ディスク記録再生装置へのダビング処理において、不要なシーンのダビングをカットする際に、記録させたくないシーンから記録させたいシーンが来るまでの間を早送りでサーチできるので、記録させたくないシーンから記録させたいシーンが来るまでの間のサーチ時間の短縮を図ることができ、これにより、磁気記録再生装置から光ディスク記録再生装置へのダビング処理の時間が短縮でき、使い勝手が向上する。
【0019】
また、磁気記録再生装置が早送り動作し、光ディスク記録再生装置が記録一時停止しているとき、再生キーが押下されたとき、再生キーが所定時間内に所定回押下されたと判定されてから、光ディスク記録再生装置の記録動作を再開するようにしたので、磁気テープの早送りによるサーチにてダビングしたいシーンを行き過ぎたりしたとき、早戻しさせる操作を入れることが可能になり、これにより、ダビングしたいシーンを取り逃がすようなことがなくなり、使い勝手が向上する。
【0020】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、前記磁気記録再生装置が早送り動作し、前記光ディスク記録再生装置が記録一時停止しているとき、前記再生キーが所定時間内に所定回押下されなかったと判定されたとき、前記磁気記録再生装置が実行している早送り動作を停止させる早送り停止手段と、前記早送り動作が停止した後、早戻しキーが押下されたとき、前記磁気記録再生装置を早戻し動作させる早戻し動作手段と、前記早送り動作が停止した後、または前記早戻し動作しているときに、再生キーが押下されたことを検知したとき、前記磁気記録再生装置を再生動作させ、前記光ディスク記録再生装置の記録動作を再開させる記録再開手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
この構成においては、磁気記録再生装置が早送り動作し、光ディスク記録再生装置が記録一時停止しているとき、再生キーが所定時間内に所定回押下されなかったとき(1回押下されたとき)、磁気記録再生装置は早送り動作が停止し、この後、早戻しキーが押下されたとき、磁気記録再生装置は早戻し動作する。磁気記録再生装置は、早送り動作が停止した後、または早戻し動作しているときに、再生キーが押下されると、磁気記録再生装置は再生動作し、光ディスク記録再生装置は記録動作を再開する。
【0022】
この構成によれば、磁気テープの早送りによるサーチにてダビングしたいシーンを行き過ぎたりしたとき、早戻しキーを押下すると、磁気テープを早戻しさせることができ、これにより、ダビングしたいシーンまで早く戻すことができ、この後の再生キーの押下により、ダビングを直ぐに始めることができ、使い勝手が向上する。
【発明の効果】
【0023】
以上のように本発明によれば、磁気記録再生装置から光ディスク記録再生装置へのダビング処理において、不要なシーンのダビングをカットする際に、記録させたくないシーンから記録させたいシーンが来るまでの間を早送りでサーチできるので、記録させたくないシーンから記録させたいシーンが来るまでの間のサーチ時間の短縮を図ることができ、これにより、磁気記録再生装置から光ディスク記録再生装置へのダビング処理の時間が短縮でき、使い勝手が向上する。
【0024】
また、磁気記録再生装置が早送り動作し、光ディスク記録再生装置の記録動作が一時停止された後、再生キーが押下されたとき、再生キーが所定時間内に所定回押下されたと判定されてから、光ディスク記録再生装置の記録動作を再開するようにしたので、磁気テープの早送りによるサーチにてダビングしたいシーンを行き過ぎたりしたとき、早戻しさせる操作を入れることが可能になり、これにより、ダビングしたいシーンを取り逃がすようなことがなくなり、使い勝手が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1,第2の実施形態に係る複合型記録再生装置の構成を示すブロック図である。この複合型記録再生装置Aは、磁気記録再生装置としてのVCR(ビデオカセットレコーダ)1と、光ディスク記録再生装置としてのDVD(デジタルバーサタイルディスク)レコーダ2とを備えている。光ディスク記録再生装置としてはBD(ブルーレイディスク)レコーダであっても良い。
【0026】
VCR1は、磁気テープ(ビデオテープ)11と、再生/記録/早送り/巻戻し/停止/一時停止などに対して磁気テープ11を走行させたり停止させたりする磁気テープ駆動機構12と、磁気テープ11に対して映像音声情報をVHS方式やS−VHS方式(日本ビクター株式会社の商標)により記録したり磁気テープ11に記録された映像音声情報を再生したりする磁気テープ記録再生部13と、このVCR1に接続されダビング先のDVDレコーダ2に磁気テープ記録再生部13から再生されたアナログの映像音声信号を送信したりDVDレコーダ2からのアナログの映像音声信号を受信したりする送受信回路14とを備えている。
【0027】
DVDレコーダ2は、挿入されたDVD21に対して映像音声情報を記録したりDVD21から映像音声情報を再生したりするディスク記録再生部22と、VCR1からDVDレコーダ2へのダビング時にVCR1の送受信回路14からのアナログ映像音声信号を受信したり、DVDレコーダ2からVCR1へのダビング時に送受信回路14にアナログ映像音声信号を送信したりする送受信回路23と、送受信回路23からのアナログ映像音声信号をデジタル映像音声信号に変換してデジタル映像音声信号をディスク記録再生部22に与えるA/D変換回路24と、ディスク記録再生部22からのデジタル映像音声信号をアナログ映像音声信号に変換して送受信回路23に与えるD/A変換回路25とを備えている。
【0028】
また、この複合型記録再生装置Aは、装置全体を制御するシステムコントローラ3と、VCR1またはDVDレコーダ2に対する基本的な操作を行わせるための複数のキーを有する本体側の操作部4と、リモコン(リモートコントローラ)6からの赤外光の指令信号を受光して電気信号に変換された指令信号をシステムコントローラ3に入力する受光部5と、磁気テープ記録再生部13またはディスク記録再生部22からの再生映像音声信号を処理して表示用の映像音声信号に変換してテレビジョン受像機8に供給する映像音声出力部7とを備えている。
【0029】
システムコントローラ3は、第1の実施形態の特徴として、磁気テープ11に記録されている情報をDVD21に記録を行うため、VCR1を再生動作させ、DVDレコーダ2を記録動作させる処理であるダビング処理が開始してから、操作部4またはリモコン6の早送りキーが押下されたか否かを判定する早送りキー押下判定手段と、前記早送りキーが押下されたと判定されたとき、VCR1を早送り動作させ、DVDレコーダ2の記録動作を一時停止させる光ディスク記録一時停止手段と、VCR1が早送り動作し、DVDレコーダ2の記録動作が一時停止された後、操作部4またはリモコン6の再生キーが押下されたか否かを判定する再生キー押下判定手段と、前記再生キーが押下されたと判定されたとき、VCR1を再生動作させ、DVDレコーダ2の記録動作を再開させる記録再開手段とを備えている。
【0030】
また、システムコントローラ3は、第2の実施形態の特徴として、磁気テープ11に記録されている情報をDVD21に記録を行うため、VCR1を再生動作させ、DVDレコーダ2を記録動作させる処理であるダビング処理が開始してから、操作部4またはリモコン6の早送りキーが押下されたか否かを判定する早送りキー押下判定手段と、前記早送りキーが押下されたと判定されたとき、VCR1を早送り動作させ、DVDレコーダ2の記録動作を一時停止させる光ディスク記録一時停止手段と、VCR1が早送り動作し、DVDレコーダ2の記録動作が一時停止された後、操作部4またはリモコン6の再生キーが押下されたか否かを判定する再生キー押下判定手段と、前記再生キーが押下されたと判定されたとき、前記再生キーが所定時間(例えば2秒)内に所定回(例えば2回)押下されたか否かを判定する再生キー押下回数判定手段と、前記再生キーが所定時間内に所定回押下されたと判定されたとき、VCR11を再生動作させ、DVDレコーダ2の記録動作を再開させる記録再開手段と、前記再生キーが所定時間内に所定回押下されなかったと判定されたとき、VCR1が実行している早送り動作を停止させる早送り停止手段と、前記早送り動作が停止した後、操作部4またはリモコン6の早戻しキーが押下されたとき、VCR1を早戻し動作させる早戻し動作手段と、前記早送り動作が停止した後、または前記早戻し動作しているときに、再生キーが押下されたことを検知したとき、VCR1を再生動作させ、DVDレコーダ2の記録動作を再開させる記録再開手段とを備えている。
【0031】
図2は図1に示すリモコンのキー配置の一例を示す図である。図2において、リモコン6の操作パネル200には、TV電源キー211、入力切換キー212、レコーダ電源キー213、音量キー214、複数の数字キー215、DVDモード切換キー216、VCRモード切換キー218、再生リストキー219、機能表示キー220、上方向きー221、下方向キー222、左方向キー223、右方向キー224、決定キー225、記録キー226、スキップキー227、一時停止キー228、早戻しキー229、停止キー230、再生キー231、早送りキー232などが配置されている。なお、ここでのキーの配置および個数は一例であるので、これに限ることはない。
【0032】
図3は第1の実施形態におけるダビング処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートおよび図1〜図2を参照して第1の実施形態におけるダビング処理について説明する。ここでは、ダビング処理に関する操作は、リモコン6により行うものとして説明するが、操作部4により行っても良い。
【0033】
先ず、ユーザは、セットアップ画面をテレビジョン受像機8に表示させるため、リモコン6の機能表示キー220を押下すると、システムコントローラ3は、セットアップ画面表示指示がされたことを検知し、セットアップ画面信号をテレビジョン受像機8に供給することにより、セットアップ画面をテレビジョン受像機8に表示させる。そして、ユーザは、そのセットアップ画面のダビングモードの項目をリモコン6の操作により選択し決定すると、システムコントローラ3は、ダビングモード設定画面をテレビジョン受像機8に表示させる。
【0034】
そのダビングモード設定画面から項目「VCR→DVD」がリモコン6の操作により選択され決定されると、システムコントローラ3は、「VCR→DVD」のダビングモードに設定される。このようにして「VCR→DVD」のダビングモードに設定された後、リモコン6の操作によりダビング開始指示されると(ステップS1)、VCR1を再生動作させると共に、DVDレコーダ2を記録動作させる処理であるダビングを開始させる(ステップS2)。
【0035】
このようにしてダビングが行われている際中に、システムコントローラ3の早送りキー押下判定手段は、リモコン6の早送りキー232が押下されたか否かを判定する(ステップS3)。そして、ダビングが行われている際中に、DVD21に記録させたくないシーンが現れたときに、そのシーンを早送りするため、リモコン6の早送りキー232が押下されると、システムコントローラ3の早送りキー押下判定手段は、早送りキー232が押下されたことを検知し、システムコントローラ3の光ディスク記録一時停止手段は、VCR1を早送り動作させ、DVDレコーダ2の記録動作を一時停止させることにより、DVD21への情報の記録を一時停止させる(ステップS4)。
【0036】
DVDレコーダ2の記録動作が一時停止された後、システムコントローラ3の再生キー押下判定手段は、再生キー231が押下されたか否かを判定する(ステップS5)。前記再生キー231が押下されたと判定されたとき、システムコントローラ3の記録再開手段は、VCR1を早送り動作から再生動作させ、DVDレコーダ2の記録動作を再開させる(ステップS6)。この後は、ステップS3の処理に戻り、同様な処理を行い、早送りキー232が押下されなかったとき、ダビングが継続され(ステップS7)、システムコントローラ3は、リモコン6の停止キー230の押下、または磁気テープ11の再生終了を検知したとき、VCR1の再生動作を停止させると共に、DVDレコーダ2の記録動作を停止させ、ダビングを終了させる(ステップS8)。
【0037】
この第1の実施形態によれば、VCR1からDVDレコーダ2へのダビング処理において、不要なシーンのダビングをカットする際に、記録させたくないシーンから記録させたいシーンが来るまでの間を早送りでサーチできるので、記録させたくないシーンから記録させたいシーンが来るまでの間のサーチ時間の短縮を図ることができ、これにより、VCR1からDVDレコーダ2へのダビング処理の時間が短縮でき、使い勝手が向上する。
【0038】
図4は第2の実施形態におけるダビング処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートおよび図1〜図2を参照して第2の実施形態におけるダビング処理について説明する。ここでは、ダビング処理に関する操作は、リモコン6により行うものとして説明するが、操作部4により行っても良い。
【0039】
先ず、ユーザは、セットアップ画面をテレビジョン受像機8に表示させるため、リモコン6の機能表示キー220を押下すると、システムコントローラ3は、セットアップ画面表示指示がされたことを検知し、セットアップ画面信号をテレビジョン受像機8に供給することにより、セットアップ画面をテレビジョン受像機8に表示させる。そして、ユーザは、そのセットアップ画面のダビングモードの項目をリモコン6の操作により選択し決定すると、システムコントローラ3は、ダビングモード設定画面をテレビジョン受像機8に表示させる。
【0040】
そのダビングモード設定画面から項目「VCR→DVD」がリモコン6の操作により選択され決定されると、システムコントローラ3は、「VCR→DVD」のダビングモードに設定される。このようにして「VCR→DVD」のダビングモードに設定された後、リモコン6の操作によりダビング開始指示されると(ステップN1)、VCR1を再生動作させると共に、DVDレコーダ2を記録動作させる処理であるダビングを開始させる(ステップN2)。
【0041】
このようにしてダビングが行われている際中に、システムコントローラ3の早送りキー押下判定手段は、リモコン6の早送りキー232が押下されたか否かを判定する(ステップN3)。そして、ダビングが行われている際中に、DVD21に記録させたくないシーンが現れたときに、そのシーンを早送りするため、リモコン6の早送りキー232が押下されると、システムコントローラ3の早送りキー押下判定手段は、早送りキー232が押下されたことを検知し、システムコントローラ3の光ディスク記録一時停止手段は、VCR1を早送り動作させ、DVDレコーダ2の記録動作を一時停止させることにより、DVD21への情報の記録を一時停止させる(ステップN4)。
【0042】
DVDレコーダ2の記録動作が一時停止された後、システムコントローラ3の再生キー押下判定手段は、再生キー231が押下されたか否かを判定する(ステップN5)。再生キー231が押下されたと判定されたとき、システムコントローラ3の再生キー押下回数判定手段は、再生キー231が所定時間(例えば2秒)内に2回押下されたか否かを判定する(ステップN6)。
【0043】
再生キー231が所定時間内に2回押下されたと判定されたとき、システムコントローラ3の記録再開手段は、VCR1を早送り動作から再生動作させ、DVDレコーダ2の記録動作を再開させる(ステップN7)。再生キー231を所定時間内に2回押下させるのは、磁気テープ11の早送りによるサーチにてダビングしたいシーンを行き過ぎたりした場合に、再生キー231を押下すると、前述した第1の実施形態のように、DVDレコーダ2が直ぐに記録動作を再開するのを防止するために、再生キー231を所定時間(例えば2秒)内に2回押下させたときにのみ、DVDレコーダ2の記録動作を再開するようにしている。
【0044】
再生キー231が所定時間(例えば2秒)内に2回押下されなかったと判定されたときには(1回しか押下されなかったときには)、システムコントローラ3の早送り停止手段は、VCR11が実行している早送り動作を停止させる(ステップN8)。
【0045】
前記早送り動作が停止した後、システムコントローラ3の早戻し動作手段は、早戻しキー229が押下されたとき、VCR1を早戻し動作させる。早戻しキー229は、磁気テープ11の早送りによるサーチにてダビングしたいシーンを行き過ぎたりした場合に、そのダビングしたいシーンまで磁気テープ11を早戻しさせるために押下される。
【0046】
前記早送り動作が停止した後、システムコントローラ3の記録再開手段は、再生キー231が押下されたことを検知したとき(ステップN9)、VCR11を再生動作させ、DVDレコーダ2の記録動作を再開させる(ステップN7)。これにより、磁気テープ11からDVD21への情報のダビングが再開される。
【0047】
また、VCR11が早送り動作が停止しているときに(ステップN8)、ユーザが早戻しキー229を押下すると、システムコントローラ3の早戻し動作手段は、早戻しキー229が押下されたことを検知し(ステップN10)、これにより、VCR1を早戻し動作させる(ステップN11)。早戻し動作させているときに、記録したいシーンまで戻ったとき、ユーザが再生キー231を押下すると、システムコントローラ3の記録再開手段は、再生キー231が押下されたことを検知し(ステップN9)、VCR1を早戻し動作から再生動作させ、DVDレコーダ1の記録動作を再開させる(ステップN7)。
【0048】
この後は、ステップN3の処理に戻り、同様な処理を行い、早送りキー232が押下されなかったとき、ダビングが継続され(ステップN12)、システムコントローラ3は、リモコン6の停止キー230の押下、または磁気テープ11の再生終了を検知したとき、VCR1の再生動作を停止させると共に、DVDレコーダ2の記録動作を停止させ、ダビングを終了させる(ステップN13)。
【0049】
この第2の実施形態によれば、VCR1からDVDレコーダ2へのダビング処理において、不要なシーンのダビングをカットする際に、記録させたくないシーンから記録させたいシーンが来るまでの間を早送りでサーチできるので、記録させたくないシーンから記録させたいシーンが来るまでの間のサーチ時間の短縮を図ることができ、これにより、VCR1からDVDレコーダ2へのダビング処理の時間が短縮でき、使い勝手が向上する。
【0050】
また、VCR1が早送り動作し、DVDレコーダ2が一時停止しているとき、再生キー231が押下されたとき、再生キー231が所定時間内に所定回押下されたと判定されてから、DVDレコーダ2の記録動作を再開するようにしたので、磁気テープ11の早送りによるサーチにてダビングしたいシーンを行き過ぎたりしたとき、早戻しキー229を押下すると、磁気テープ11を早戻しさせることができ、これにより、ダビングしたいシーンまで早く戻すことができ、この後の再生キー231の押下により、ダビングを直ぐに始めることができ、使い勝手が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、VCRなどの磁気記録再生装置とDVDレコーダなどの光ディスク記録再生装置との複合型記録再生装置のダビング機能に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1,第2の実施形態に係る複合型記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すリモコンのキー配置の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態におけるダビング処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】第2の実施形態におけるダビング処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
A 複合型記録再生装置
1 VCR(磁気記録再生装置)
2 DVDレコーダ(光ディスク記録再生装置)
3 システムコントローラ(早送りキー押下判定手段、光ディスク記録一時停止手段、再生キー押下判定手段、記録再開手段、再生キー押下回数判定手段、早戻し動作手段)
11 磁気テープ
21 DVD(光ディスク)
229 早戻しキー
231 再生キー
232 早送りキー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気テープに対して情報の記録/再生を行う磁気記録再生装置と、光ディスクに対して情報の記録/再生を行う光ディスク記録再生装置とを備えた複合型記録再生装置において、
前記磁気テープに記録されている情報を前記光ディスクに記録を行うため、前記磁気記録再生装置を再生動作させ、前記光ディスク記録再生装置を記録動作させる処理であるダビング処理が開始してから、早送りキーが押下されたか否かを判定する早送りキー押下判定手段と、
前記早送りキーが押下されたと判定されたとき、前記磁気記録再生装置を早送り動作させ、前記光ディスク記録再生装置の記録動作を一時停止させる光ディスク記録一時停止手段と、
前記光ディスク記録再生装置の記録動作が一時停止された後、再生キーが押下されたか否かを判定する再生キー押下判定手段と、
前記再生キーが押下されたと判定されたとき、前記磁気記録再生装置を再生動作させ、前記光ディスク記録再生装置の記録動作を再開させる記録再開手段と、を備えたことを特徴とする複合型記録再生装置。
【請求項2】
磁気テープに対して情報の記録/再生を行う磁気記録再生装置と、光ディスクに対して情報の記録/再生を行う光ディスク記録再生装置とを備えた複合型記録再生装置において、
前記磁気テープに記録されている情報を前記光ディスクに記録を行うため、前記磁気記録再生装置を再生動作させ、前記光ディスク記録再生装置を記録動作させる処理であるダビング処理が開始してから、早送りキーが押下されたか否かを判定する早送りキー押下判定手段と、
前記早送りキーが押下されたと判定されたとき、前記磁気記録再生装置を早送り動作させ、前記光ディスク記録再生装置の記録動作を一時停止させる光ディスク記録一時停止手段と、
前記光ディスク記録再生装置の記録動作が一時停止された後、再生キーが押下されたか否かを判定する再生キー押下判定手段と、
前記再生キーが押下されたと判定されたとき、前記再生キーが所定時間内に所定回押下されたか否かを判定する再生キー押下回数判定手段と、
前記再生キーが所定時間内に所定回押下されたと判定されたとき、前記磁気記録再生装置を再生動作させ、前記光ディスク記録再生装置の記録動作を再開させる記録再開手段と、を備えたことを特徴とする複合型記録再生装置。
【請求項3】
前記磁気記録再生装置が早送り動作し、前記光ディスク記録再生装置が記録一時停止しているとき、前記再生キーが所定時間内に所定回押下されなかったと判定されたとき、前記磁気記録再生装置が実行している早送り動作を停止させる早送り停止手段と、
前記早送り動作が停止した後、早戻しキーが押下されたとき、前記磁気記録再生装置を早戻し動作させる早戻し動作手段と、
前記早送り動作が停止した後、または前記早戻し動作しているときに、再生キーが押下されたことを検知したとき、前記磁気記録再生装置を再生動作させ、前記光ディスク記録再生装置の記録動作を再開させる記録再開手段と、を備えたことを特徴とする請求項2に記載の複合型記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−93694(P2009−93694A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−260544(P2007−260544)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】