説明

複合材料およびその応用

本発明の実施形態は複合材料に関する。一実施形態においては、複合材料は、第1の表面と第1の外面と逆方向を向きかつ第1の外面に概ね平行な第2の表面とを含む、無機セラミックマトリックスを含む。少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布が無機セラミックマトリックス中の第1の表面と第2の表面の間に配置される。別の一実施形態においては、複合材料は、複数個の石を含む第1の無機セラミックマトリックス、第1の無機セラミックマトリックスに隣接して取り付けられた第2の無機セラミックマトリックス、及び第2の無機セラミックマトリックス中に配置された少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2009年5月4日に出願された米国仮特許出願第61/175,336号および2009年5月18日に出願された米国仮特許出願第61/179,217号に対して米国特許法§119の下、優先権を主張する。これらの出願は本明細書において参照として援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、複合材料に関し、特に、高エネルギー衝撃応用分野に潜在的に使用される、耐弾道性、耐爆発性などを有する複合材料に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
発射体、爆発圧縮波などの種々の発生源からの高エネルギー衝撃に耐えるように操作可能な材料は、民間及び軍用構造補強応用分野を含めて、広範囲の応用分野に使用される。爆発たわみパネルは、例えば、種々の爆発装置に起因する潜在的損傷から対象建造物及び他の構造体を遮蔽するのに使用されてきた。さらに、耐爆発性建設資材は、かかる構造体に対する攻撃に立ち向かおうとする試みの高まりの結果として、政府及び軍事施設に取り入れられてきた。例えば、United States General Services Administration(GSA)のInteragency Security Committee(ISC)は、耐爆発性を含めた安全面の考慮が、連邦事務所ビル及び近代化プロジェクトの計画、設計及び構築に不可欠な役割を確実に果たすように基準を作成した。
【0004】
既存の構造体の構築及び改善におけるかかる材料の重要性にもかかわらず、より強く、より軽量で、より費用効果の高い材料が求められている。現行の耐爆発性材料の重大な欠点は、許容される耐爆発性評価を満たすのに必要な付随する構造上の重量及び厚さが大きいことである。例えば、従来の強化用材料は、管、溝形材などの構造支持によって中程度から重度に強化されたコンクリートパネルを含む。重量及び厚さの増加並びに重度の構造強化の必要性の結果として、多数の耐爆発性材料は、新しい又は既存の構造体に効果的又は効率的に取り入れることが困難になり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様においては、本発明は、複合材料に関する。一部の実施形態においては、複合材料は、耐爆発性及び/又は耐弾道性である。一部の実施形態においては、本発明の複合材料は、第1の外面と第1の外面と逆方向を向く第2の外面とを含む無機セラミックマトリックス、及び無機セラミックマトリックス中の第1の外面と第2の外面の間に配置された少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布を含む。一部の実施形態においては、複合材料は、さらに、無機セラミックマトリックスの第2の外層に結合した保護層を含む。別の実施形態においては、複合材料は、さらに、無機セラミックマトリックスの第1の外面に結合した織られたガラス繊維布を含む。更に別の実施形態においては、複合材料は、マトリックス中の第1の外層と第2の外層の間に配置された少なくとも3枚の目の粗いガラス繊維布を含む。一部の実施形態においては、目の粗いガラス繊維布は、無機セラミックマトリックス全体にわたって均等に配置される。第1及び/又は第2のガラス繊維布は、一部の実施形態においては、レノグリッド(Leno−grid)又はルーパーグリッド(Looper−grid)で織られたガラス繊維布などの目の粗いガラス繊維布である。一部の実施形態においては、ガラス繊維布は、ポリマーで部分的に被覆することができる。
【0006】
一部の実施形態においては、本発明の複合材料は、花こう岩などの複数個の石を含む第1の無機セラミックマトリックスと、第1の無機セラミックマトリックスに隣接し、第2の無機マトリックス中に配置された少なくとも1枚の織られた又は目の粗いガラス繊維布を含む第2の無機セラミックマトリックスとを含む。一部の実施形態においては、複合材料は、さらに、第2の無機マトリックスに結合した保護層を含む。別の実施形態においては、複合材料は、少なくとも約0.5インチ厚であり得る第1の無機セラミックマトリックスを含むことができ、第2の無機セラミックマトリックスは少なくとも約0.5インチ厚である。別の実施形態においては、複合材料は、各々少なくとも約1インチ厚である、第1の無機セラミックマトリックス及び第2の無機セラミックマトリックスを含むことができる。更に別の実施形態においては、第1及び第2の無機セラミックマトリックスは、少なくとも約2インチ厚とすることができる。更に別の実施形態においては、第1の無機セラミックマトリックスは最高40体積%の石を含むことができる。別の実施形態においては、第1のセラミックマトリックスは最高50体積%の石を含むことができる。一部の実施形態においては、第1の無機セラミックマトリックスは最高約40体積%の砂を含むことができる。別の実施形態においては、第1の無機セラミックマトリックスは、最高約50体積%の砂を含むことができる。
【0007】
一部の実施形態においては、複合材料は、その厚さよりも実質的に大きい長さ及び幅を有するパネルとすることができる。別の実施形態においては、パネルの長さは少なくとも7フィートとすることができる。別の実施形態においては、パネルの長さは少なくとも13フィートとすることができる。更に別の実施形態においては、パネルは、パネルの厚さを代表する4つの表面を含むことができ、該表面の1つ以上は、複数のパネルの組立てを容易にするテーパー重ね継手の一部として構成される。したがって、一部の実施形態においては、パネルは、2枚以上のパネルをテーパー重ね継手を使用して連結することができるように構成することができる。一部の実施形態においては、十分なパネルをテーパー重ね継手を介して連結して壁を形成することができる。
【0008】
本発明の別の一態様は、第1の外面と第1の外面と逆方向を向きかつ第1の外面に概ね平行な第2の外面とを含む、第1の無機セラミックマトリックスを含み、無機セラミックマトリックス中の第1の外面と第2の外面の間に配置された少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布を更に含む、複合材料を製造する方法を提供する。別の実施形態においては、複合材料は、第1の外面及び第1の外面と逆方向を向きかつ第1の外面に概ね平行な第2の外面で無機セラミックマトリックスを包囲する金属枠であって、無機セラミックマトリックス中の第1の外面と第2の外面の間に配置された少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布を更に含む金属枠を使用して形成することができる。別の実施形態においては、複数個の石及び砂を含む第1の無機セラミックマトリックスと、第2の無機セラミックマトリックス内に分散された少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布を含む第2の無機セラミックマトリックスとを含む、セラミックマトリックスの形成方法であって、複合材料が、無機セラミックマトリックスを包囲する金属枠内で成型(cast)される、方法を提供する。別の実施形態においては、金属枠を鉄枠とすることができる。更に別の実施形態においては、1個以上の留め具を使用して、複合材料を枠内に更にしっかり固定することができる。一部の実施形態においては、留め具はボルトを含むことができる。
【0009】
一部の実施形態においては、本発明の複合材料は、複数のスタッドと、複数のスタッドに結合した成膜層(deposition layer)と、成膜層に接触し、その中に配置された少なくとも1つの織られたガラス繊維強化材を含む無機セラミックマトリックスとを含む。一部の実施形態においては、少なくとも1つの織られたガラス繊維強化材は、レノグリッド又はルーパーグリッドで織られたガラス繊維布などの目の粗いガラス繊維布である。
【0010】
一部の実施形態においては、追加の耐破砕材料層を無機セラミックマトリックスの1つの面に取り付けることができる。更に別の実施形態においては、耐破砕材料をエポキシを介して無機セラミックマトリックスに取り付けることができる。更に別の実施形態においては、耐破砕材料を前記無機セラミックマトリックスに吹き付けることができる。更に別の実施形態においては、耐破砕材料はMil−Tough(登録商標)を含むことができる。
【0011】
本発明の複合材料は、任意の所望の寸法(単数又は複数)を有するパネル又は別の目的物に構成することができる。一部の実施形態においては、複合材料の寸法は、Department of Defense最小値、並びにUFC及びISCの要件に従ってGSA中間及び/又は高保護レベルの爆発荷重に耐えるように選択することができる。本明細書では「UFC保護レベル基準」とは、参照により本明細書に援用する、U.S.Department of Defense Minimum Antiterrorism Standards for Buildings,Unified Facilities Criteria(UFC)4−010−01,October 2003を意味する。本明細書では「ISC基準」とは、参照により本明細書に援用するISC Security Design Criteria for New Federal Office Buildings and Major Modernization Projects,The Interagency Security Committee,U.S.General Services Administration,2001を意味する。別の実施形態においては、複合材料の寸法は、参照により本明細書に援用する(本明細書では「MIL−STD−662F」とも称する)U.S.Department of Defense Test Method Standard for V50 Ballistic Test for Armor,MIL−STD−662F,December 1997によって測定して、弾道保護を与えるように選択することができる。一部の実施形態においては、複合材料は、パネルに構成することができ、組立て機械を必要としない。一部の実施形態においては、複合材料は、二人で運ぶことができるパネルに構成することができる。
【0012】
一部の実施形態においては、複合材料は、新しい構造体の構築に使用されるパネルに構成することができる。別の実施形態においては、複合材料は、移動可能な構造体の構築に使用されるパネルに構成することができる。別の実施形態においては、複合材料は、既存の構造体を改造するのに使用することができるパネルに構成することができる。
【0013】
別の実施形態においては、複合材料は、パネルを組み合わせてより大きい構造体にできるようにテーパー重ね継手配列(arrangement)を有するパネルに構成することができる。更に別の実施形態においては、複合材料は、最高8フィートの長さのパネルに構成することができる。一部の実施形態においては、パネルは、最高14フィートの長さに拡張することができる。ある実施形態においては、パネルは最高1.5インチの厚さとすることができる。更に別の実施形態においては、パネルは、最高3.5インチの厚さとすることができる。更に別の実施形態においては、パネルは、少なくとも7フィートの長さとすることができる。別の実施形態においては、パネルは、少なくとも13フィートの長さとすることができる。
【0014】
別の実施形態においては、複合材料は、複数個の石及び砂を含む無機セラミックマトリックスで構成される第1の壁と、無機セラミックマトリックス内に分散された少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布を含む無機セラミックマトリックスで構成される第2の壁とを有する、爆発保護装置に構成することができ、第1の壁と第2の壁は距離6インチだけ離隔している。別の実施形態においては、爆発保護装置は、さらに、第1の壁と第2の壁が互いに6インチの距離で保持される枠を含むことができる。
【0015】
一態様においては、本発明は、耐弾道性複合材料を製造する方法を提供する。一実施形態においては、耐弾道性複合材料を製造する方法は、全体にわたって無作為に分散された、花こう岩などの複数個の石を含む第1の無機セラミックマトリックス、及び第1の無機セラミックマトリックスに接着された第2の無機マトリックスを用意することを含み、第2の無機セラミックマトリックスは、無機マトリックス全体にわたって等間隔で分散された複数の織られた又は目の粗いガラス繊維布を含む。一部の実施形態においては、耐弾道性複合材料は、無機セラミックマトリックス全体に分散された複数の花こう岩を含む無機セラミックマトリックスを含むことができる。別の実施形態においては、Mil−Tough(登録商標)などの耐破砕化合物をエポキシを介して無機セラミックマトリックスに吹き付け又は接着して、層間剥離を防止することができる。
【0016】
別の一態様においては、本発明は、耐爆発性複合材料を製造する方法を提供する。一実施形態においては、耐爆発性複合材料を製造する方法は、第2の表面と逆方向を向く第1の表面を有する無機セラミックマトリックスを用意すること、及び複数の織られたガラス繊維強化材をセラミックマトリックス中に配置することを含む。一部の実施形態においては、第1の織られたガラス繊維布はセラミックマトリックスの第1の表面に近接し、第2の織られたガラス繊維布は、セラミックマトリックスの第2の表面に近接し、少なくとも1枚の追加の織られたガラス繊維布は第1と第2の布の間に配置され、該少なくとも1枚の追加の布は第1の布及び/又は第2の布よりも低い多孔度を有する。複数の追加の織られたガラス繊維布は、一部の実施形態においては、第1と第2の布の間に配置することができる。別の実施形態においては、複数の織られた又は目の粗いガラス繊維布は、無機セラミックマトリックス全体にわたって規則的な間隔で配置される。
【0017】
別の一実施形態においては、耐爆発性複合材料を製造する方法は、複数のスタッドを用意すること、成膜層を複数のスタッドに結合させること、及び無機セラミックマトリックスを成膜層に付着させることを含み、セラミックマトリックスは、その中に配置された少なくとも1つの織られたガラス繊維強化材を含む。
【0018】
一部の実施形態においては、本発明の複合材料を製造する方法は、全体にわたって無作為に分散された、花こう岩などの複数個の石を含む第1の無機セラミックマトリックス、及び第1の無機セラミックマトリックスに接着された第2の無機セラミックマトリックスを用意することを含み、第2の無機セラミックマトリックスは、無機セラミックマトリックス全体にわたって等間隔で分散された複数の織られた又は目の粗いガラス繊維布を含む。一部の実施形態においては、複合材料は、無機セラミックマトリックス全体に分散された複数の花こう岩を含む無機セラミックマトリックスを含むことができる。
【0019】
別の一実施形態においては、本発明の複合材料は、耐爆発性又は耐弾道性壁構造体にすることができる。更なる実施形態においては、本発明による壁構造体は、無機セラミックマトリックスの第2の層に固定された、花こう岩の塊を含む第1の無機セラミックマトリックスを含むことができ、複数の織られたガラス繊維布が全体にわたって散在する。一実施形態においては、第1と第2の層は、破砕抑制層に固定された複数の織られたガラス繊維布を含む第3の無機セラミックマトリックスから間隙によって分離される。一部の実施形態においては、間隙は少なくとも6インチである。
【0020】
無機セラミックマトリックスを利用する種々の実施形態においては、無機セラミックマトリックスは、一部の実施形態においては、リン酸塩セラミックマトリックスを含むことができる。
【0021】
本発明のこれら及び他の実施形態を、以下の詳細な説明で更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】図1Aは、本発明の一実施形態による複合材料の断面図である。図1Aに示した各層のサイズ及び層間の距離は説明のためのものである。
【図1B】図1Bは、本発明の一実施形態による複合材料の断面図である。図1Bに示した各層のサイズ及び層間の距離は説明のためのものである。
【図1C】図1Cは、本発明の一実施形態による複合材料の断面図である。図1Cに示した各層のサイズ及び層間の距離は説明のためのものである。
【図2A】図2Aは、本発明の一実施形態による複合材料の断面図である。図2Aに示した各層のサイズ及び層間の距離は説明のためのものである。
【図2B】図2Bは、本発明の一実施形態による複合材料の断面図である。図2Bに示した各層のサイズ及び層間の距離は説明のためのものである。
【図3】図3は、本発明の一実施形態による爆発保護装置の断面図である。図3に示した各層のサイズ及び層間の距離は説明のためのものである。
【図4】図4は、本発明の一実施形態による複合材料の断面図である。図4に示した各層のサイズ及び層間の距離は説明のためのものである。
【図5】図5は、本発明の一実施形態による複合材料の断面図である。図5に示した各層のサイズ及び層間の距離は説明のためのものである。
【図6】図6は、本発明の一実施形態による複合材料の断面図である。図6に示した各層のサイズ及び層間の距離は説明のためのものである。
【図7A】図7Aは本発明の一実施形態による複合材料の断面図である。図7Aに示した各層のサイズ及び層間の距離は説明のためのものである。
【図7B】図7Bは本発明の一実施形態による複合材料の断面図である。図7Bに示した各層のサイズ及び層間の距離は説明のためのものである。
【図7C】図7Cは本発明の一実施形態による複合材料の断面図である。図7Cに示した各層のサイズ及び層間の距離は説明のためのものである。
【図7D】図7Dは本発明の一実施形態による複合材料の断面図である。図7Dに示した各層のサイズ及び層間の距離は説明のためのものである。
【図7E】図7Eは本発明の一実施形態による複合材料の断面図である。図7Eに示した各層のサイズ及び層間の距離は説明のためのものである。
【図7F】図7Fは本発明の一実施形態による複合材料の断面図である。図7Fに示した各層のサイズ及び層間の距離は説明のためのものである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書では、別段の記載がない限り、本明細書で使用される成分量、反応条件などを表すすべての数値は、すべての場合において「約」という語によって修飾されることを理解されたい。したがって、それに反しない限り、本明細書に記載の数値パラメータは近似値であり、本発明によって得ようとする所望の諸性質に応じて変わり得る。いずれにせよ、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しようとするものではないが、各数値パラメータは、少なくとも、報告する有効桁数に照らして、さらに、通常の丸め法を適用することによって、解釈すべきである。
【0024】
本発明の広範な範囲を記述した数値範囲及びパラメータは近似ではあるが、具体例で示した数値はできるだけ正確に報告している。しかし、どの数値も、それぞれの試験測定で見られる標準偏差に必然的に起因するある程度の誤差を本質的に含む。さらに、本明細書に開示するすべての範囲は、それに包含される任意及びすべての部分的範囲を包含すると理解されたい。例えば、「1から10」の明示された範囲は、(始めと終わりを含んで)最小値1から最大値10の間の任意及びすべての部分的範囲、すなわち、最小値1以上で始まるすべての部分的範囲、例えば1から6.1、及び最大値10以下で終わるすべての部分的範囲、例えば5.5から10を含むと考えるべきである。さらに、「本明細書に援用する」と言及される任意の参考文献は、その全体が援用されると理解されたい。
【0025】
さらに、本明細書では単数形「a」、「an」及び「the」は、明白かつ明確に一指示対象に限定されない限り、複数の指示対象を含むものである。
【0026】
本発明の種々の実施形態は、複合材料及びそれを製造する方法を提供する。一部の実施形態においては、複合材料は、耐爆発性複合材料及び耐爆発性複合材料を製造する方法を含む。一部の実施形態においては、本発明の耐爆発性複合材料は、建造物及び種々の構造体の強化のためのパネル及び他の目的物に作製することができる。一部の実施形態においては、本発明の複合材料は、弾道保護(例えば、弾丸からの保護)を与えることができる。別の実施形態においては、本発明の複合材料は、耐爆発性保護(例えば、爆発装置からの保護)を与えることができる。本発明の複合材料は、一部の実施形態においては、耐爆発性と弾道保護の両方を与えることができる。更なる実施形態においては、本発明の複合材料は、極端な温度又は火災に対する耐性を与えることができる。
【0027】
一部の実施形態においては、複合材料は、耐爆発性及び/又は耐弾道性である。一部の実施形態においては、本発明の複合材料は、第1の外面と第1の外面と逆方向を向く第2の外面とを含む無機セラミックマトリックス、及び無機セラミックマトリックス中の第1の外面と第2の外面の間に配置された少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布を含む。一部の実施形態においては、複合材料は、さらに、無機セラミックマトリックスの第2の外層に結合した保護層を含むことができる。別の実施形態においては、複合材料は、さらに、無機セラミックマトリックスの第1の外面に結合した織られたガラス繊維布を含む。別の実施形態においては複合材料は、さらに、無機セラミックマトリックスの第1の外面に配置された目の粗いガラス繊維布、すなわち表面布を含む。一部の実施形態においては、表面布は、弾道からの損傷に対してより大きな耐性を与える。更に別の実施形態においては、複合材料は、マトリックス中の第1の外層と第2の外層の間に配置された少なくとも3枚の目の粗いガラス繊維布を含む。一部の実施形態においては、目の粗いガラス繊維布は、無機セラミックマトリックス全体にわたって均等に配置される。第1及び/又は第2のガラス繊維布は、一部の実施形態においては、レノグリッド又はルーパーグリッドで織られたガラス繊維布などの目の粗いガラス繊維布である。一部の実施形態においては、ガラス繊維布は、ポリマーで部分的に被覆することができる。
【0028】
目の粗いガラス繊維布は、所望の適用例に応じて異なる重量のガラス繊維格子で構成される布を含むことができる。一部の実施形態においては、ガラス繊維布は、重量が少なくとも約9オンス/平方ヤードのガラス繊維で構成することができる。別の実施形態においては、ガラス繊維布は、重量が少なくとも約25オンス/平方ヤードのガラス繊維布で構成することができる。好ましい一実施形態においては、ガラス繊維布は、重量が少なくとも約14オンス/平方ヤードのガラス繊維で構成することができる。更に別の実施形態においては、ガラス繊維布はポリマーで被覆することができる。ポリマーは、例えば、布を一緒に保持するのを助けて、布をより剛直にし、及び/又は本発明の複合材料の構築を容易にすることができる。かかるポリマーとしては、熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを挙げることができる。かかるポリマーの一例はアクリルポリマーである。
【0029】
一部の実施形態においては、ガラス繊維布は、無機セラミックマトリックス自体が織り目の空隙を通して接触することができるように十分大きい目の粗い織り目に空隙域を含むことができる。一部の実施形態においては、空隙開口は、少なくとも0.25インチとすることができる。別の実施形態においては、空隙開口は最高1インチとすることができる。
【0030】
一部の実施形態においては、複合材料は、第1の外面と、第1の外面に配置された目の粗いガラス繊維布と、第1の外面と逆方向を向く第2の外面とを含む無機セラミックマトリックスを含むことができ、第2の目の粗いガラス繊維布が第2の外面に配置され、少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布が無機セラミックマトリックス内の第1の外面と第2の外面の間に配置される。別の実施形態においては複合材料は、さらに、無機セラミックマトリックスの第1の外面に配置された目の粗いガラス繊維布、すなわち表面布を含む。一部の実施形態においては、表面布は、弾道からの損傷に対してより大きな耐性を与える。別の実施形態においては、複合材料は、少なくとも約1.5インチの厚さとすることができ、さらに、無機セラミックマトリックス全体にわたって約0.5インチの等間隔で分散された少なくとも約4枚の目の粗いガラス繊維布を含むことができる。更に別の実施形態においては、複合材料は、少なくとも約3.5インチの厚さとすることができ、さらに、無機セラミックマトリックス内に約0.7インチの等間隔で配置された少なくとも約6枚の目の粗いガラス繊維布を含むことができる。
【0031】
別の実施形態においては、複合材料は、さらに、無機セラミックマトリックスの第2の外面に結合した保護層を含むことができる。保護層は、水分又は極度の熱若しくは圧力への曝露による無機セラミックマトリックスの劣化又は破砕を防止する耐破砕材料を含むことができる。破砕は、コンクリートの小片又は塊がより大きいコンクリート構造体から分離し、外れたときに起こる。破砕は、コンクリートが過剰な水分、温度又は圧力に曝露されたときに起こり得る。例えば、コンクリート構造体内の火災は、極端な温度のために、コンクリートの破砕を生じ得る。一部の実施形態においては、保護層を無機セラミックマトリックスの第2の外面に吹き付ける。別の実施形態においては、保護層は、エポキシによって第2の外面に結合する。一部の実施形態においては、エポキシは、水分で硬化するエポキシを含むことができる。別の実施形態においては、保護層はMil−Tough(商標)とすることができる。
【0032】
別の実施形態においては、第1の外面と、第1の外面と逆方向を向く第2の外面と、第1の外面と第2の外面の間に配置された少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布とを有する無機セラミックマトリックスを含む複合材料は、金属強化材も含むことができる。一部の実施形態においては、金属強化材は、目の細かい網を含むことができる。別の実施形態においては、金属強化材は、導電率又は磁性を複合材料に付与することができる。
【0033】
一部の実施形態においては、本発明の複合材料は、花こう岩などの複数個の石を含む第1の無機セラミックマトリックスと、第1の無機セラミックマトリックスに隣接し、第2の無機マトリックス中に配置された少なくとも1枚の織られた又は目の粗いガラス繊維布を含む第2の無機セラミックマトリックスとを含む。別の実施形態においては、複合材料は、さらに、第2の無機マトリックスに結合した保護層を含む。一部の実施形態においては、複合材料は、花こう岩などの複数個の石を含む第1の無機セラミックマトリックスを含むことができる。一部の実施形態においては、第2の無機マトリックスは、少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布及び砂を含むことができる。別の実施形態においては、砂は、さらに、花こう岩砂を含むことができる。一部の実施形態においては、花こう岩砂は、複合材料の圧縮性を改善することができる。
【0034】
一部の実施形態においては、第1の無機セラミックマトリックスは、サイズの異なる花こう岩片を含むことができる。一部の実施形態においては、花こう岩片は、直径が少なくとも約0.75インチとすることができる。別の実施形態においては、花こう岩片は、0.75インチ未満かつ0.25インチを超える直径とすることができる。別の実施形態においては、提供される花こう岩は、サイズ及び形状が6Mとすることができる。更に別の実施形態においては、第1の無機セラミックマトリックスは最高40体積%の石を含むことができる。別の実施形態においては、第1のセラミックマトリックスは、最高50体積%の石を含むことができる。一部の実施形態においては、第2の無機セラミックマトリックスは、最高約40体積%の砂を含むことができる。別の実施形態においては、第2の無機セラミックマトリックスは、最高約50体積%の砂を含むことができる。
【0035】
一部の実施形態においては、複合材料は、少なくとも約1インチ厚の第1の無機セラミックマトリックス及び少なくとも約1インチ厚の第2の無機セラミックマトリックスで構成することができる。別の実施形態においては、少なくとも約1インチ厚の第2の無機マトリックスは、全体にわたって均等に分散された少なくとも6枚の目の粗いガラス繊維布を含むことができる。別の実施形態においては、第1の無機マトリックスは、さらに、無機セラミックマトリックスの第1の外面に配置された目の粗いガラス繊維布、すなわち表面布を含むことができる。一部の実施形態においては、表面布は、弾道からの損傷に対してより大きな耐性を与える。別の実施形態においては、複合材料は、各々少なくとも約1.5インチ厚である、第1の無機セラミックマトリックス及び第2の無機セラミックマトリックスを含むことができる。第2の無機セラミックマトリックスが少なくとも約1.5インチ厚である一実施形態においては、第2の無機セラミックマトリックスは、全体にわたって均等に分散された少なくとも約9枚の目の粗いガラス繊維布を含むことができる。別の実施形態においては、第1の無機マトリックスは、さらに、無機セラミックマトリックスの第1の外面に配置された目の粗いガラス繊維布、すなわち表面布を含むことができる。一部の実施形態においては、表面布は、弾道からの損傷に対してより大きな耐性を与える。更に別の実施形態においては、第1と第2の無機セラミックマトリックスの両方は、各々少なくとも約2インチ厚とすることができる。第2の無機セラミックマトリックスが少なくとも約2インチ厚である一実施形態においては、第2の無機セラミックマトリックスは、全体にわたって均等に分散された少なくとも約12枚の目の粗いガラス繊維布を含むことができる。別の実施形態においては、第1の無機マトリックスは、さらに、無機セラミックマトリックスの第1の外面に配置された目の粗いガラス繊維布、すなわち表面布を含むことができる。一部の実施形態においては、表面布は、弾道からの損傷に対してより大きな耐性を与える。
【0036】
一部の実施形態においては、複数個の石を含む第1の無機セラミックマトリックスと少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布及び砂を含む第2の無機マトリックスとを含む複合材料の全厚は2インチとすることができる。別の実施形態においては、第1の無機マトリックス及び第2の無機マトリックスを含む複合材料の全厚は3インチとすることができる。更に別の実施形態においては、全厚を4インチとすることができる。
【0037】
更に別の実施形態においては、複数個の石を含む第1の無機セラミックマトリックスと少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布及び砂を含む第2の無機セラミックマトリックスとを含む複合材料は、さらに、第2の無機セラミックマトリックスに結合した保護層を含むことができる。保護層は、水分又は極度の熱若しくは圧力への曝露による無機セラミックマトリックスの劣化又は破砕を防止する耐破砕材料を含むことができる。一部の実施形態においては、保護層を無機セラミックマトリックスの第2の外面に吹き付ける。別の実施形態においては、保護層は、エポキシによって第2の外面に結合する。一部の実施形態においては、エポキシは、水分で硬化するエポキシを含むことができる。別の実施形態においては、保護層はMil−Tough(商標)とすることができる。
【0038】
別の実施形態においては、複合材料は、その厚さよりも実質的に大きい長さ及び幅を有するパネルとすることができる。別の実施形態においては、パネルの長さは少なくとも7フィートとすることができる。別の実施形態においては、パネルの長さは少なくとも13フィートとすることができる。更に別の実施形態においては、パネルは、パネルの厚さを代表する4つの表面を含むことができ、該表面の1つ以上は、複数のパネルの組立てを容易にするテーパー重ね継手の一部として構成される。したがって、一部の実施形態においては、パネルは、2枚以上のパネルをテーパー重ね継手を使用して連結することができるように構成することができる。一部の実施形態においては、十分なパネルをテーパー重ね継手を介して連結して壁を形成することができる。
【0039】
本発明の別の一態様は、第1の外面と第1の外面と逆方向を向きかつ第1の外面に概ね平行な第2の外面とを含む、第1の無機セラミックマトリックスを含み、無機セラミックマトリックス中の第1の外面と第2の外面の間に配置された少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布を更に含む、複合材料を製造する方法を提供する。別の実施形態においては、複合材料は、第1の外面及び第1の外面と逆方向を向きかつ第1の外面に概ね平行な第2の外面で無機セラミックマトリックスを包囲する金属枠であって、無機セラミックマトリックス中の第1の外面と第2の外面の間に配置された少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布を更に含む金属枠を使用して形成することができる。別の実施形態においては、複数個の石及び砂を含む第1の無機セラミックマトリックスと、第2の無機セラミックマトリックス内に分散された少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布を含む第2の無機セラミックマトリックスとを含む、セラミックマトリックスの形成方法であって、複合材料が、無機セラミックマトリックスを包囲する金属枠内で成型される、方法を提供する。別の実施形態においては、金属枠を鉄枠とすることができる。更に別の実施形態においては、1個以上の留め具を使用して、複合材料を枠内に更にしっかり固定することができる。一部の実施形態においては、留め具は、内部の枠壁から延びるボルト又は他の突出部を含むことができる。無機セラミックマトリックスを枠に加えるときには、マトリックスは、留め具を包囲することができ、硬化後に枠をマトリックスに固定するのを助けることができる。
【0040】
別の一実施形態においては、本発明の複合材料は、耐爆発性及び/又は耐弾道性壁構造体にすることができる。更なる実施形態においては、本発明による壁構造体は、無機セラミックマトリックスの第2の層に固定された、花こう岩の塊を含む第1の無機セラミックマトリックスを含むことができ、複数の織られたガラス繊維布が全体にわたって散在する。一実施形態においては、第1と第2の層は、破砕抑制層に固定された複数の織られたガラス繊維布を含む第3の無機セラミックマトリックスから間隙によって分離される。一部の実施形態においては、間隙は少なくとも6インチである。
【0041】
一部の実施形態においては、本発明の複合材料は、複数のスタッドと、複数のスタッドに結合した成膜層と、成膜層に接触し、その中に配置された少なくとも1枚の織られたガラス繊維布を含む無機セラミックマトリックスとを含む。一部の実施形態においては、少なくとも1枚の織られたガラス繊維布は、レノグリッド又はルーパーグリッドで織られたガラス繊維布などの目の粗いガラス繊維布である。一部の実施形態においては、織られたガラス繊維布は、無機セラミックマトリックス自体が織り目の開口を通して接触することができるように目の粗い織り目を有することができる。一部の実施形態においては、第1と第2の織られた布の間に配置された織られたガラス繊維布は、無機セラミックマトリックス自体が織り目の開口を通して接触することができない目の詰んだ織り目を有することができる。目の詰んだ布は、一部の実施形態においては、無機セラミックマトリックスとの結合を増強するように針縫いすることができる。一部の実施形態においては、複数の追加の織られたガラス繊維布は、第1と第2の布の間に配置される。
【0042】
第1及び/又は第2のガラス繊維布は、一部の実施形態においては、レノグリッドで織られたガラス繊維布とすることができる。別の実施形態においては、第1及び/又は第2のガラス繊維布は、ルーパーグリッドで織られたガラス繊維布とすることができる。
【0043】
本発明の実施形態に使用される密に織られた又は目の粗い布の製造に使用されるガラス繊維ストランドを選択する際には、例えば、布の単位表面積当たりの所望の重量、布の引張り強さ、所望の織り目、布の所望の開放性、コストなどを含めて、幾つかの要因を考慮することができる。同様に、当業者は、例えば、サイジング組成物の性能特性、得られる布の所望の柔軟性、コスト及び他の要因を含めて、幾つかの要因に基づいてガラス繊維用の多数の市販サイジング組成物のひとつを選択することができる。さらに、一部の実施形態においては、織り目の間隙間の無機セラミックマトリックスの所望の接触量に基づいて特定の織り目を選択することができる。
【0044】
一部の実施形態においては、無機セラミックマトリックスを含む複合材料内に配置された第1と第2の織られた布の間に配置された織られたガラス繊維布を針縫いすることができる。更に別の実施形態においては、第1と第2の織られた布の間に配置された複数の針縫いで織られたガラス繊維布が存在することができる。第1と第2の織られた布の間に配置されたガラス繊維布が針縫いされる一部の実施形態においては、針縫いは、一部の繊維が(例えば、xy面の布表面に一般に平行でない)z方向に、又は布表面に垂直に、配向する結果になり得る。かかる実施形態においては、針縫いされた繊維は、無機セラミックマトリックスを布に保持するのを助け、セラミックマトリックスからの布の層間剥離を阻止するのに役立つ。布は、当業者に公知の技術を使用して針縫いすることができる。
【0045】
更に別の実施形態においては、無機セラミックマトリックスで構成された複合材料内の第1及び第2の表面に近接することができる織られたガラス繊維布は、ポリマーで軽く被覆された織られたガラス繊維布を含むことができる。ポリマーは、例えば、布を一緒に保持するのを助けて、布をより剛直にし、及び/又は本発明の複合材料の構築を容易にすることができる。かかるポリマーとしては、熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを挙げることができる。かかるポリマーの一例はアクリルポリマーである。
【0046】
一部の実施形態においては、複合材料は、無機セラミックマトリックス内に配置された複数のより薄い又はより厚い織られたガラス繊維布を含むことができる。一部の実施形態においては、複合材料は、無機セラミックマトリックス内に配置されたより少数のより厚い織られたガラス繊維布を含むことができる。更に別の実施形態においては、複合材料は、無機セラミックマトリックス全体にわたって配置された多数のより薄い織られたガラス繊維布を含むことができる。本発明による複合材料内に含むことができる織られた又は目の粗いガラス繊維布の数及び厚さは、複合材料の所望の諸性質、複合材料の所望の寸法、製造コスト及び他の要因を含めて、ただしそれだけに限定されない、複合材料の所望の特性に基づいて選択することができる。
【0047】
一部の実施形態においては、本発明の複合材料は、第2の表面と逆方向を向く第1の表面を有する無機セラミックマトリックスと、マトリックス中の第1の表面と第2の表面の間に配置された複数の織られたガラス繊維強化材とを含む。一部の実施形態においては、複合材料は、無機セラミックマトリックスの第1の表面に近接する第1の織られたガラス繊維布、セラミックマトリックスの第2の表面に近接する第2の織られたガラス繊維布、及び第1と第2の織られた布の間に配置された少なくとも1枚の追加の織られたガラス繊維布を含み、該少なくとも1枚の追加の布は第1の布及び/又は第2の布よりも低い多孔度を有する。
【0048】
一部の実施形態においては、複合材料は、全体にわたって無作為に分散された、花こう岩などの複数個の石を含む第1の無機セラミックマトリックス、及び第1の無機セラミックマトリックスに結合した第2の無機セラミックマトリックスを含むことができ、第2の無機セラミックマトリックスは、全体にわたって規則的な間隔で分散された複数の織られた又は目の粗いガラス繊維布を含む。
【0049】
一部の実施形態においては、複合材料は、第2の無機セラミックマトリックスに取り付けられた、無作為に分散された不規則な形状の、花こう岩などの複数個の石を含む第1の無機セラミックマトリックスを含むことができ、第2の無機セラミックマトリックスは、第2の無機セラミックマトリックス全体にわたって規則的な間隔で分散された複数のガラス繊維布を含む。第2の無機セラミックマトリックスは、一部の実施形態においては、マトリックス全体にわたって均等に分散された、複数の織られたガラス繊維布及び単一の目の粗いガラス繊維布を含む。一部の実施形態においては、織られたガラス繊維布は、無機セラミックマトリックスとの結合を増強するように針縫いすることができる。一部の実施形態においては、第2の無機セラミックマトリックスは、無機セラミックマトリックス全体にわたって規則的な間隔で分散された複数の針縫いされた織られたガラス繊維布を含むことができる。更に別の実施形態においては、第2の無機セラミックマトリックスは、無機セラミックマトリックス全体にわたって規則的な間隔で分散された、ルーパーグリッド布などの複数の目の粗いガラス繊維布を含むことができる。第2の無機セラミックマトリックスは、ある実施形態においては、無機セラミックマトリックス全体にわたって規則的な間隔で分散された複数の目の粗いガラス繊維布、及び無機セラミックマトリックスの縁部に配置された単一の織られたガラス繊維布を含むことができる。
【0050】
更に別の実施形態においては、本発明の複合材料は、全体にわたって無作為に分散された、花こう岩などの複数個の石を含むより厚い又はより薄い第1の無機セラミックマトリックス、及び全体にわたって規則的な間隔で分散された複数の織られた又は目の粗いガラス繊維布を含む、第1の無機セラミックマトリックスに結合したより厚い又はより薄い第2の無機セラミックマトリックスを含むことができる。ある実施形態においては、第1の無機セラミックマトリックスは、1インチの厚さとすることができ、やはり1インチの厚さの第2の無機セラミックマトリックスに結合することができ、全体にわたって規則的な間隔で分散された6枚の織られた又は目の粗いガラス繊維布を含むことができる。第2の無機セラミックマトリックスは、耐破砕材料の層に結合することもできる。一部の実施形態においては、耐破砕材料は、エポキシを介して第2の無機マトリックスに結合することができる。更に別の実施形態においては、第1の無機セラミックマトリックスは、1と2分の1インチの厚さとすることができ、やはり1と2分の1インチの厚さの第2の無機セラミックマトリックスに結合することができ、全体にわたって規則的な間隔で分散された最高9枚の織られた又は目の粗いガラス繊維布を含むことができる。第2の無機マトリックスは、エポキシを介して第2の無機マトリックスに結合することができる耐破砕材料に結合することもできる。ある実施形態においては、耐破砕材料は、PPG Industries,Inc.から市販されているポリ尿素コーティングMil−Tough(商標)を含むことができる。
【0051】
複合材料が無作為に分散された複数個の石を含む無機セラミックマトリックスを含む一部の実施形態においては、第1の無機セラミックマトリックスは、例えば、Grancrete,Inc.から市販されているGrancrete PCWから形成することができる。別の実施形態においては、石は、花こう岩を含むことができる。更に別の実施形態においては、石とGrancrete PCWの比を1:1とすることができる。複合材料が1枚以上のガラス繊維布を含む第2の無機セラミックマトリックスを含む一部の実施形態においては、第2の無機セラミックマトリックスは、例えば、Grancrete,Inc.から市販されているGrancrete PCW2部及び砂1部から形成することができる。更に別の実施形態においては、無機セラミックマトリックスは、Grancrete1部及び砂1部から形成することができ、全体にわたって分散された複数のガラス繊維布を含むことができる。
【0052】
一部の実施形態においては、複合材料の少なくとも1つの表面にポリマーを吹き付けることができる。例えば、一部の実施形態においては、構造体の内部に面する複合材料の表面にポリマーを吹き付けることができる。ポリマーは、一部の実施形態においては、複合材料が(爆発又は弾道によって)衝撃を受けたときに、破砕を制限することができ、又は複合材料のもろい塊が複合材料から飛んでいくのを防止するのに役立つことができる。一部の実施形態においては、複合材料の表面をポリ尿素で被覆することができる。複合材料の一部の実施形態に適用することができる脂肪族ポリ尿素の一例は、PPG Industries,Inc.から市販されているMil−Tough(商標)である。更に別の実施形態においては、脂肪族ポリ尿素を第2の無機マトリックスにエポキシを介して適用することができる。一部の実施形態においては、エポキシは、水分硬化性であり得る。更に別の実施形態においては、エポキシは、Mil−Tough(商標)「Spall Master」ポリ尿素コーティングを含むことができる。
【0053】
一実施形態においては、第2の表面と逆方向を向く第1の表面を有する無機セラミックマトリックスと、マトリックス中の第1の表面と第2の表面の間に配置された複数の織られたガラス繊維強化材とを含む、本発明の複合材料は、耐火複合材料を含むことができる。例えば、一部の実施形態においては、耐火複合材料は、最高2000°Fさらには2000°Fを超える耐熱性を与えることができる。
【0054】
一部の実施形態においては、第2の表面と逆方向を向く第1の表面を有する無機セラミックマトリックスと、マトリックス中の第1の表面と第2の表面の間に配置された複数の織られたガラス繊維強化材とを含む、本発明の複合材料は、耐弾道性複合材料を含むことができる。一部の実施形態においては、耐弾道性複合材料は、複合材料めがけて発射された発射体の貫通から保護することができる。例えば、一部の実施形態においては、本発明の複合材料は、ガラス繊維布を含まない無機セラミックマトリックスに比べて耐弾道性を改善することができる。一部の実施形態においては、複合材料は、無機セラミックマトリックス単体と比較して50%高い耐弾道性を与えることができる。別の実施形態においては、本発明の複合材料は、MIL−STD−662Fで測定して弾道脅威に対する完全な耐性を与えることができる。更に別の実施形態においては、本発明の複合材料は、弾道脅威に対するUL Level−8 Multi−Strike耐性を与えることができる。
【0055】
別の実施形態においては、第2の表面と逆方向を向く第1の表面を有する無機セラミックマトリックスと、マトリックス中の第1の表面と第2の表面の間に配置された複数の織られたガラス繊維強化材とを含む、本発明の複合材料は、耐爆発性複合材料を含むことができる。一部の実施形態においては、耐爆発性複合材料は、UFC保護レベル基準の中レベルの保護基準を超える耐爆発性を与えることができる。一部の実施形態においては、耐爆発性複合材料は、UFC保護レベル基準の中間レベルの保護基準を超える耐爆発性を与えることができる。例えば、一部の実施形態においては、本発明の複合材料は、GSA中レベルの爆発荷重を適用したときに、層間剥離も破砕も生じないことができる。別の実施形態においては、本発明による複合材料は、保護レベル基準に従って中間レベルの爆発荷重においてわずかなクラッキング又は層間剥離しか生じないことができる。更に別の実施形態においては、1と2分の1インチの第1の無機セラミックマトリックス層と1と2分の1インチの第2の無機セラミックマトリックス層とを含む複合材料は、保護レベル基準に従って高レベルの爆発荷重に耐えることができる。
【0056】
図1は、本発明の一実施形態による耐弾道性複合材料の断面図である。図1に示す実施形態においては、複合材料は、目の粗いガラス繊維布が第1の無機セラミックマトリックスの打撃面に位置した、複数個の石を含む厚さ1インチの第1の無機セラミックマトリックスと、6枚の目の粗いガラス繊維布及び砂を含む厚さ1インチの第2の無機セラミックマトリックスと、第2の無機セラミックマトリックスに結合した保護層とを含む。図1に示すように、複合材料(100)は、複数個の石を含む第1の無機セラミックマトリックス(101)と、少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布(103)及び砂を含む第2の無機セラミックマトリックス(102)と、保護層(104)を含む。
【0057】
一部の実施形態においては、複数の追加の目の粗いガラス繊維布(103)は、本発明の目的と矛盾しない任意の織られたガラス繊維布を含むことができる。一部の実施形態においては、例えば、複数の追加の目の粗いガラス繊維布の各々は、約14オンス/平方ヤードのEガラスルーパーグリッド布を含む。一部の実施形態においては、1枚以上の布(103)をポリマーで被覆することができる。
【0058】
さらに、第1及び第2の織られたガラス繊維布は、本発明の目的に矛盾しない任意の織られたガラス繊維布を含むことができる。一部の実施形態においては、例えば、第1及び/又は第2の織られたガラス繊維布は、約9オンス/平方ヤードのEガラスレノグリッド布を含むことができる。
【0059】
一部の実施形態においては、第1及び/又は第2の織られたガラス繊維布は、約25オンス/平方ヤードのEガラスロービング織物(woven roving)を含むことができる。
【0060】
一部の実施形態においては、第1及び/又は第2の織られたガラス繊維布をポリマーで軽く被覆することができる。ポリマーは、例えば、布を(103)一緒に保持するのを助けて、布をより剛直にし、及び/又は複合材料の構築を容易にすることができる。かかるポリマーとしては、熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを挙げることができる。かかるポリマーの一例はアクリルポリマーである。
【0061】
図1B〜Cは、本発明の別の一実施形態による耐弾道性複合材料の断面図である。これらの図の各々に示すように、複合材料は、目の粗いガラス繊維布が第1の無機セラミックマトリックスの打撃面に位置する、複数個の石を含む厚さの変わる第1の無機セラミックマトリックスと、少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布を砂中に含む厚さの変わる第2の無機セラミックマトリックスと、第2の無機セラミックマトリックスに結合した保護層とを含むことができる。図1B〜Cに示すように、複合材料(105、106)は、無作為に分散された不規則なサイズの、花こう岩などの複数個の石(117)を含む第1の無機セラミックマトリックス(107、108)と、複合材料の上部に近接して位置する目の粗いガラス繊維布(113)とを含む。「上部」の使用は、図中の複合材料の向きを示すにすぎない。第2の無機セラミックマトリックス(109、110)は、保護層(114、115)に結合した第2の無機セラミックマトリックス(109、110)全体にわたって間隔を置いて分散された少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布(111、112)を含む。一部の実施形態においては、かかる複合材料を構造体の一部として設置するときには、第1の無機セラミックマトリックスを含む部分を構造体の外面とすることができ、第2の無機セラミックマトリックスを含む部分は構造体の内側を向いて位置することができる。
【0062】
図2A〜Bは、無機セラミックマトリックスを含む厚さの変わる耐爆発性複合材料の断面図であり、少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布が無機セラミックマトリックス内に分散されている。図2Aに示すように、複合材料(200)は、無機セラミックマトリックス(202)を含み、4枚の目の粗いガラス繊維布(201)が全体にわたって規則的な間隔で均等に分散されている。図2Bに示すように、複合材料(203)は、無機セラミックマトリックス(204)を含み、6枚の目の粗いガラス繊維布(205)が全体にわたって規則的な間隔で均等に分散されている。
【0063】
図3は、本発明の一実施形態による爆発保護装置の断面図である。図3に示すように、爆発保護装置(300)は、無機セラミックマトリックスの第2の層(302)に固定された花こう岩の塊を含む第1の無機セラミックマトリックス(301)を含み、複数の目の粗いガラス繊維布(303)が全体にわたって散在する。一実施形態においては、第1と第2の層は、破砕抑制層(307)に固定された複数の織られたガラス繊維布(306)を含む第3の無機セラミックマトリックス(305)から間隙(304)によって分離される。一部の実施形態においては、間隙は少なくとも6インチである。一部の実施形態においては、かかる複合材料を構造体の一部として設置するときには、第1の無機セラミックマトリックスを含む部分を構造体の外面とすることができ、第2の無機セラミックマトリックスを含む部分は内部空隙を向いて位置することができ、第3の無機セラミックマトリックスを含む部分は内部空隙に面し、破砕ライナーは構造体の内側を向いて位置する。
【0064】
図4は、無作為に分散された不規則なサイズの、花こう岩などの複数個の石(402)を含む第1の無機セラミックマトリックス(401)を含む、本発明の耐弾道性複合材料(400)の断面図であり、前記無機セラミックマトリックスは、テーパー重ね継手配列(403)を使用して別の複合材料に結合するように構成される。第1の無機セラミックマトリックス(401)は、複数の目の粗いガラス繊維布(405)を含む、第2の無機セラミックマトリックス(404)に隣接する。第2の無機セラミックマトリックス(404)は、さらに、保護層(406)に結合して、爆発又は弾道脅威の適用による層間剥離から保護する。
【0065】
図5は本発明の一実施形態の断面図である。図5に示す実施形態においては、複合材料は、第2の表面と逆方向を向く第1の表面を有する無機セラミックマトリックスと、マトリックス中の第1の表面と第2の表面の間に配置された複数の織られた又は目の粗いガラス繊維布とを含む。図5に示すように、複合材料(500)は、無機セラミックマトリックス(501)の第1の表面(503)に近接する第1の織られた又は目の粗いガラス繊維布(502)を含む。第2の織られた又は目の粗いガラス繊維布(504)は、無機セラミックマトリックス(501)の第2の表面(505)に近接する。複数の追加の織られた又は目の粗いガラス繊維布(506)は、第1(502)と第2(504)のガラス繊維布の間に配置される。
【0066】
図6は別の一実施形態である。本発明の複合材料(600)は、複数のスタッド(601)と、複数のスタッドに結合した成膜層(602)と、成膜層に接触し、その中に配置された少なくとも1つの織られたガラス繊維強化材(604)を含む無機セラミックマトリックス(603)とを含む。一部の実施形態においては、少なくとも1つの織られたガラス繊維強化材は、レノグリッドで織られたガラス繊維強化材である。
【0067】
更に別の実施形態においては、複合材料の無機セラミックマトリックス内に配置することができる織られたガラス繊維布は、アクリルポリマーなどのポリマーで軽く被覆された織られたガラス繊維布を含むことができる。
【0068】
別の実施形態においては、複数のスタッドと、複数のスタッドに結合した成膜層と、成膜に接触した無機セラミックマトリックスとを含む複合材料内に配置された織られたガラス繊維布は、針縫いすることができる。更に別の実施形態においては、無機セラミックマトリックス内に配置された複数の針縫いされた織られたガラス繊維布が存在することができる。
【0069】
別の一実施形態においては、複合材料は、無機セラミックマトリックス内に配置された複数のより薄い又はより厚い織られたガラス繊維布を含むことができる。一部の実施形態においては、複合材料は、無機セラミックマトリックス内に配置されたより少数のより厚い織られたガラス繊維布を含むことができる。更に別の実施形態においては、複合材料は、無機セラミックマトリックス全体にわたって配置された多数のより薄い織られたガラス繊維布を含むことができる。
【0070】
一実施形態においては、複数のスタッドと、複数のスタッドに結合した成膜層と、成膜層に接触し、その中に配置された少なくとも1つの織られたガラス繊維強化材を含む無機セラミックマトリックスとを含む本発明の複合材料は、耐火複合材料を含むことができる。例えば、一部の実施形態においては、耐火複合材料は、最高2000°Fさらには2000°Fを超える耐熱性を与えることができる。
【0071】
一部の実施形態においては、複数のスタッドと、複数のスタッドに結合した成膜層と、成膜層に接触し、その中に配置された少なくとも1つの織られたガラス繊維強化材を含む無機セラミックマトリックスとを含む本発明の複合材料は、耐弾道性複合材料を含むことができる。一部の実施形態においては、耐弾道性複合材料は、複合材料めがけて発射された発射体の貫通から保護することができる。一部の実施形態においては、複合材料は、無機セラミックマトリックス単体と比較して50%高い耐弾道性を与えることができる。一部の実施形態においては、本発明の複合材料は、MIL−STD−662Fで測定して弾道脅威に対する完全な耐性を与えることができる。
【0072】
一部の実施形態においては、複数のスタッドと、複数のスタッドに結合した成膜層と、成膜層に接触し、その中に配置された少なくとも1つの織られたガラス繊維強化材を含む無機セラミックマトリックスとを含む本発明の複合材料は、耐爆発性複合材料を含むことができる。一部の実施形態においては、耐爆発性複合材料は、UFC保護レベル基準の中レベルの保護基準を超える耐爆発性を与えることができる。一部の実施形態においては、耐爆発性複合材料は、UFC保護レベル基準の中間レベルの保護基準を超える耐爆発性を与えることができる。例えば、一部の実施形態においては、本発明の複合材料は、GSA中レベルの爆発荷重を適用したときに、層間剥離も破砕も生じないことができる。別の実施形態においては、本発明による複合材料は、保護レベル基準に従って中間レベルの爆発荷重においてわずかなクラッキング又は層間剥離しか生じないことができる。
【0073】
さらに、一部の実施形態においては、少なくとも1つの織られたガラス繊維強化材(604)は、本発明の目的に矛盾しない任意の織られたガラス繊維強化材を含むことができる。一部の実施形態においては、例えば、少なくとも1つの織られたガラス繊維強化材(604)は、9オンス/平方ヤードのEガラスレノグリッド布を含む。
【0074】
一部の実施形態においては、少なくとも1つの織られたガラス繊維強化材(604)は、約14オンス/平方ヤードのEガラスルーパーグリッド布を含む。
【0075】
一部の実施形態においては、少なくとも1つの織られたガラス繊維強化材(604)をポリマーで軽く被覆することができる。ポリマーは、例えば、布(604)を一緒に保持するのを助けて、布(604)をより剛直にし、及び/又は複合材料の構築を容易にすることができる。かかるポリマーとしては、熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを挙げることができる。かかるポリマーの一例はアクリルポリマーである。
【0076】
図7A〜Fは、本発明の実施形態による耐弾道性複合材料の断面図である。図の各々に示すように、複合材料は、複数の織られた若しくは目の粗いガラス繊維布又は両方の組合せを含むことができる。図7A〜Fに示すように、複合材料(700、701、702、703、704、705)は、複合材料の上部に近接する無作為に分散された不規則なサイズの、花こう岩などの複数個の石(718、719、720、721、722、723)を含む、第1の無機セラミックマトリックス(712、713、714、715、716、717)を含む。「上部」の使用は、図中の複合材料の向きを示すにすぎない。第2の無機セラミックマトリックス(724、725、726、727、728、729)は、第2の無機セラミックマトリックス全体にわたって規則的な間隔で分散された複数の織られた又は目の粗いガラス繊維布(706、707、708、709、710、711)を含む。一部の実施形態においては、かかる複合材料を構造体の一部として設置するときには、第1の無機セラミックマトリックスを含む部分を構造体の外面とすることができ、第2の無機セラミックマトリックスを含む部分は構造体の内側を向いて位置することができる。
【0077】
本明細書に記載のとおり、本発明の複合材料は、例えば、目の粗いガラス繊維布又はより密に織られたガラス繊維布を含めて、種々のガラス繊維布を含むことができる。目の粗いガラス繊維布の例としては、例えば、レノグリッド又はルーパーグリッドで織られたガラス繊維布を挙げることができる。かかる布は、Belmont,NCのTextum Weaving,Inc.から市販されている。本発明の複合材料に使用される布の選択において考慮すべき関連要因としては、布の所望の曲げ強度、布の単位表面積当たりの所望の重量、布の所望のモジュラス、布の所望の空隙サイズ(例えば、グリッド中の穴のサイズ)、及び他の要因が挙げられる。一部の実施形態においては、例えば、所望の空隙サイズ(例えば、グリッドの空間の一面の長さ)は、一般に、1/8インチ以上とすることができる。一部の実施形態においては、所望の空隙サイズは3/16インチ以上とすることができる。一部の実施形態においては、所望の空隙サイズは1/4インチ以上とすることができる。一部の実施形態においては、所望の空隙サイズは最高約1インチとすることができる。製造上のばらつきのために、特定の目の粗い布の空隙サイズは変動し得る。目の粗い布は、公称又は所望の空隙サイズを有し得るが、実際の空隙はある範囲内にあり得る。例えば、ただしそれだけに限定されないが、公称空隙サイズ3/8インチの布の空隙の大多数は、一部の実施形態においては1/8インチから1/4インチであり得る。
【0078】
本明細書に記述するように、一部の実施形態においては、かかる目の粗い布をポリマー(例えば、ポリアクリル)で軽く被覆して、より高い剛性を布に付与することができる。一部の実施形態において使用することができるアクリルポリマーの一例は、H.B.Fuller Companyから市販されているFULATEX PD−0431である。
【0079】
目の粗い布についての追加の情報は、本願全体にわたって提供される。布の重量は、例えば、グリッドのタイプ(レノとルーパー)、布の所望の強度、布がポリマーで被覆されるかどうかなどを含めて、幾つかの要因に基づいて選択することができる。一部の実施形態においては、目の粗いガラス繊維布の重量は、約8oz/yd以上とすることができる。一部の実施形態においては、目の粗いガラス繊維布の重量は、約14oz/yd以上とすることができる。一部の実施形態においては、目の粗いガラス繊維布は、約9oz/ydのレノグリッド布とすることができる。別の実施形態においては、目の粗いガラス繊維布は、約14oz/ydのルーパーグリッド布とすることができる。一部の実施形態においては、ルーパーグリッド布は、PPG Industries,Inc.から市販されているHYBON(登録商標)2026直接延伸粗糸を使用して作製することができる。
【0080】
本発明の複合材料は、より密に織られたガラス繊維布も含むことができる。かかる布は、例えば、従来の製織技術を使用してガラス繊維ストランドを平織りで製織することによって作製することができる。ガラス繊維ストランドの諸性質は、例えば、布の所望の曲げ強度、布の所望のモジュラス、布の所望の重量、コスト、及び他の要因を含めて、幾つかの要因に基づいて選択することができる。製織前に、かかるガラス繊維ストランドは、大抵の市販サイジング組成物で被覆することができる。一例として、かかる布は、PPG Industries,Inc.から市販されているHYBON(登録商標)2006直接延伸粗糸(250イールド)を使用して作製することができる。一部の実施形態においては、かかる布は、PPG Industries,Inc.から市販されているHYBON(登録商標)2022直接延伸粗糸を使用して作製することができる。一部の実施形態においては、密に織られたガラス繊維布の重量は、約15oz/yd以上とすることができる。一部の実施形態においては、密に織られたガラス繊維布の重量は、約18oz/yd以上とすることができる。一部の実施形態においては、密に織られたガラス繊維布の重量は、最高約40oz/ydとすることができる。一部の実施形態においては、密に織られたガラス繊維布の重量は、約25oz/ydとすることができる。一部の実施形態においては、密に織られたガラス繊維布の重量は、約18oz/ydから約25oz/ydとすることができる。本発明の実施形態に使用される密に織られたガラス繊維布の適切な重量範囲は、約18oz/ydから約36oz/ydとすることができる。かかる布についての追加の情報は、本願全体にわたって提供される。
【0081】
別の一態様においては、本発明は、耐爆発性及び/又は耐弾道性複合材料を製造する方法を提供する。一実施形態においては、耐爆発性及び/又は耐弾道性複合材料を製造する方法は、第2の表面と逆方向を向く第1の表面を有する無機セラミックマトリックスを用意すること、及び複数の織られたガラス繊維強化材をセラミックマトリックス中に配置することを含む。一部の実施形態においては、第1の織られたガラス繊維布は無機セラミックマトリックスの第1の表面に近接し、第2の織られたガラス繊維布はセラミックマトリックスの第2の表面に近接し、少なくとも1枚の追加の織られたガラス繊維布は第1と第2の布の間に配置され、該少なくとも1枚の追加の布は第1の布及び/又は第2の布よりも低い多孔度を有する。複数の追加の織られたガラス繊維布は、一部の実施形態においては、第1と第2の布の間に配置される。
【0082】
別の実施形態においては、無機セラミックマトリックス内に配置された第1と第2の織られた布の間に配置された織られたガラス繊維布を含む複合材料を製造する方法は、織られたガラス繊維布を針縫いすることを含むことができる。更に別の実施形態においては、この方法は、第1と第2の織られた布の間に配置された複数の織られたガラス繊維布を針縫いすることを含むことができる。
【0083】
更に別の実施形態においては、無機セラミックマトリックス内に配置された第1と第2の織られたガラス繊維布の間に配置された織られたガラス繊維布を含む複合材料を製造する方法は、第1及び織られたガラス繊維布をポリマーで軽くコーティングすることを含むことができる。ポリマーは、例えば、布を一緒に保持するのを助けて、布をより剛直にし、及び/又は本発明の複合材料の構築を容易にすることができる。かかるポリマーとしては、熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを挙げることができる。かかるポリマーの一例はアクリルポリマーである。
【0084】
一部の実施形態においては、複合材料を製造する方法は、無機セラミックマトリックス内に配置された複数のより薄い又はより厚い織られたガラス繊維布を用意することを含むことができる。一部の実施形態においては、この方法は、複合材料と一緒により少数のより厚い織られたガラス繊維布を含むことを含むことができる。更に別の実施形態においては、この方法は、無機セラミックマトリックス全体にわたって配置された多数のより薄い織られたガラス繊維布を用意することを含むことができる。
【0085】
別の実施形態においては、複合材料を製造する方法は、無作為に分散された不規則なサイズの複数個の石を含む第1の無機セラミックマトリックスを用意することを含むことができ、第1の無機セラミックマトリックスは、例えば、Grancrete,Inc.から市販されているGrancrete PCWから形成することができる。複合材料が1枚以上のガラス繊維布を含む第2の無機セラミックマトリックスを含む一部の実施形態においては、第2の無機セラミックマトリックスは、例えば、Grancrete,Inc.から市販されているGrancrete PCW2部及び砂1部から形成することができる。
【0086】
一部の実施形態においては、複合材料を製造する方法は、複合材料の少なくとも1つの表面にポリマーを吹き付けることを含むことができる。例えば、一部の実施形態においては、構造体の内部に面する複合材料の表面にポリマーを吹き付けることができる。ポリマーは、一部の実施形態においては、複合材料が(爆発又は弾道によって)衝撃を受けたときに、破砕を制限することができ、又は複合材料のもろい塊が複合材料から飛んでいくのを防止するのに役立つことができる。別の実施形態においては、ポリマーは、複合材料の表面にエポキシで層状に適用することができる。一部の実施形態においては、エポキシは、水分硬化性であり得る。一部の実施形態においては、コーティングは、ポリ尿素を含むことができる。複合材料の一部の実施形態に適用することができる脂肪族ポリ尿素の一例は、PPG Industries,Inc.から市販されているMil−Tough(商標)である。
【0087】
一部の実施形態においては、第2の表面と逆方向を向く第1の表面を有する無機セラミックマトリックスと、マトリックス中の第1の表面と第2の表面の間に配置された複数の織られたガラス繊維強化材とを含む、本発明の複合材料を製造する方法は、耐火複合材料を用意すること含むことができる。例えば、この方法は、一部の実施形態においては、最高2000°Fさらには2000°Fを超える耐熱性を与える耐火複合材料を含むことができる。
【0088】
一部の実施形態においては、第2の表面と逆方向を向く第1の表面を有する無機セラミックマトリックスと、マトリックス中の第1の表面と第2の表面の間に配置された複数の織られたガラス繊維強化材とを含む、本発明の複合材料を製造する方法は、耐弾道性複合材料を用意すること含むことができる。一部の実施形態においては、この方法は、複合材料めがけて発射された発射体の貫通から保護する耐弾道性複合材料を含むことができる。一部の実施形態においては、複合材料は、無機セラミックマトリックス単体と比較して50%高い耐弾道性を与えることができる。別の実施形態においては、本発明の複合材料は、MIL−STD−662Fで測定して弾道脅威に対する完全な耐性を与えることができる。
【0089】
一部の実施形態においては、第2の表面と逆方向を向く第1の表面を有する無機セラミックマトリックスと、マトリックス中の第1の表面と第2の表面の間に配置された複数の織られたガラス繊維強化材とを含む、本発明の複合材料を製造する方法は、耐爆発性複合材料を用意すること含むことができる。一部の実施形態においては、この方法は、UFC保護レベル基準の中レベルの保護基準を超える耐爆発性を耐爆発性複合材料に付与することを含むことができる。別の実施形態においては、この方法は、UFC保護レベル基準の中間レベルの保護基準を超える耐爆発性を与える耐爆発性複合材料を含むことができる。例えば、一部の実施形態においては、本発明の複合材料は、GSA中レベルの爆発荷重を適用したときに、層間剥離も破砕も生じないことができる。別の実施形態においては、本発明による複合材料は、保護レベル基準に従って中間レベルの爆発荷重においてわずかなクラッキング又は層間剥離しか生じないことができる。
【0090】
一部の実施形態においては、耐爆発性複合材料を製造する方法は、複数のスタッドを用意すること、成膜層を複数のスタッドに結合させること、及び無機セラミックマトリックスを成膜層に付着させることを含み、セラミックマトリックスは、その中に配置された少なくとも1つの織られたガラス繊維強化材を含む。
【0091】
一部の実施形態においては、複数のスタッドと、複数のスタッドに結合した成膜層と、成膜に接触した無機セラミックマトリックスとを含む複合材料内に配置された織られたガラス繊維布を製造する方法は、織られたガラス繊維布を針縫いすることを含むことができる。更に別の実施形態においては、複数の織られたガラス繊維布を無機セラミックマトリックス内に配置することができる。
【0092】
更に別の実施形態においては、複合材料の無機セラミックマトリックス内に配置することができる織られたガラス繊維布を製造する方法は、織られたガラス繊維布にアクリルポリマーを軽く吹き付けることを含むことができる。
【0093】
一部の実施形態においては、複合材料を製造する方法は、無機セラミックマトリックス内に配置された複数のより薄い又はより厚い織られたガラス繊維布を含むことを含むことができる。一部の実施形態においては、複合材料を製造する方法は、無機セラミックマトリックス内に配置されたより少数のより厚い織られたガラス繊維布を含むことを含むことができる。更に別の実施形態においては、複合材料を製造する方法は、無機セラミックマトリックス全体にわたって配置された多数のより薄い織られたガラス繊維布を含むことを含むことができる。
【0094】
一部の実施形態においては、複数のスタッドと、複数のスタッドに結合した成膜層と、成膜層に接触し、その中に配置された少なくとも1つの織られたガラス繊維強化材を含む無機セラミックマトリックスとを含む本発明の複合材料を製造する方法は、耐火複合材料を用意することを含むことができる。例えば、一部の実施形態においては、この方法は、最高2000°Fさらには2000°Fを超える耐熱性を耐火複合材料に付与することを含むことができる。
【0095】
一部の実施形態においては、複数のスタッドと、複数のスタッドに結合した成膜層と、成膜層に接触し、その中に配置された少なくとも1つの織られたガラス繊維強化材を含む無機セラミックマトリックスとを含む本発明の複合材料を製造する方法は、耐弾道性複合材料を用意することを含むことができる。一部の実施形態においては、この方法は、複合材料めがけて発射された発射体の貫通から保護する耐弾道性複合材料を用意することを含むことができる。一部の実施形態においては、複合材料は、無機セラミックマトリックス単体と比較して50%高い耐弾道性を与えることができる。別の実施形態においては、本発明の複合材料は、MIL−STD−662Fで測定して弾道脅威に対する完全な耐性を与えることができる。
【0096】
一部の実施形態においては、複数のスタッドと、複数のスタッドに結合した成膜層と、成膜層に接触し、その中に配置された少なくとも1つの織られたガラス繊維強化材を含む無機セラミックマトリックスとを含む本発明の複合材料を製造する方法は、耐爆発性複合材料を用意することを含むことができる。一部の実施形態においては、この方法は、UFC保護レベル基準の中レベルの保護基準を超える耐爆発性複合材料を用意することを含むことができる。一部の実施形態においては、この方法は、UFC保護レベル基準の中間レベルの保護基準を超える耐爆発性を与える耐爆発性複合材料を用意することを含むことができる。例えば、一部の実施形態においては、本発明の複合材料は、GSA中レベルの爆発荷重を適用したときに、層間剥離も破砕も生じないことができる。別の実施形態においては、本発明による複合材料は、保護レベル基準に従って中間レベルの爆発荷重においてわずかなクラッキング又は層間剥離しか生じないことができる。更に別の実施形態においては、本発明による複合材料は、保護レベル基準に従って大きな層間剥離なしに高レベルの爆発荷重に耐えることができる。
【0097】
本発明の一部の実施形態を以下の具体的な非限定的例で説明する。
【実施例】
【0098】
(実施例1)
本発明による複合材料の一実施形態の一例は以下のとおりである。複合材料は、図2に示すものと類似の構造を有する。説明を容易にするために、図2で使用する標識は、この例における複合材料の成分を特徴づけるのに使用されるが、この実施例は、図2に示したものとやはり類似の構造を有し得る本発明の別の実施形態を限定するものとみなすべきではない。複合材料200のこの実施形態は約1.5インチの厚さである。布201は、レノグリッド布としてガラス繊維から織られた軽量布であり、約9オンス/平方ヤードの重量である。布201は、縦糸方向の1200イールド直接延伸ガラス繊維の2個の端部と横糸方向の550イールド直接延伸ガラス繊維の1個の端部とを使用して作製された。複合材料200は、全4枚の布201を含み、1枚の布は各表面に近接し、2枚の布は無機セラミックマトリックス202内の2枚の外側の布の間に位置する。これらの布201は、PPGのHYBON(登録商標)2006直接延伸粗糸(250イールド)を使用して縦糸方向5.5ピック/インチ及び横糸方向5.3ピック/インチで平織りで織られた。布の重量は、約25オンス/平方ヤードである。図2に示す白色の領域は、Grancrete PCW(Grancrete,Inc.製)2部及び砂1部から配合される無機セラミックマトリックス202である。複合材料は、Grancrete PCWと砂を手持ちオーガーミキサーでドライブレンドして形成された。次いで、Grancrete/砂混合物を連続オーガーミキサーに添加し、計量された水を乾燥成分に混合した。次いで、更に混合された無機セラミックマトリックスの二次混合物を型又は型枠にホースを介してポンプ注入する。レノグリッド布201の第1の層を型枠に入れ、Grancrete/砂混合物0.5インチを布層の上に置いた。次いで、織られた粗糸の第2の層をGrancrete/砂混合物の上に置き、平らに延ばした。次いで、Grancrete/砂無機セラミックマトリックスの第2の層を追加し、粗糸の別の層を適用した。最後に、無機セラミックマトリックスの第3の層を型/型枠に適用し、レノ布の最上層を上面に追加した。
【0099】
(実施例2)
本発明による複合材料の一実施形態の別の例は以下のとおりである。複合材料は、図6に示すものと類似の構造を有する。説明を容易にするために、図6で使用する標識は、この例における複合材料の成分を特徴づけるのに使用されるが、この実施例は、図6に示したものとやはり類似の構造を有し得る本発明の別の実施形態を限定するものとみなすべきではない。
【0100】
この実施例における複合材料600は、吹き付けコーティングされた複合材料である。複合材料600はねじの頭部が別の層に貫入するように突出しているねじを有する複数の金属スタッド601を含む。成膜層602は、Styrofoamなどの高分子発泡体であり、約0.5インチの厚さである。複合材料600は、布604を含む。布604は、レノグリッド布としてガラス繊維から織られた軽量織物であり、約9オンス/平方ヤードの重量である。布604は、縦糸方向の1200イールド直接延伸ガラス繊維の2個の端部と横糸方向の550イールド直接延伸ガラス繊維の1個の端部とを使用して作製された。図6に示す2つの灰色の領域は、Grancrete PCW(Grancrete,Inc.製)2部及び砂1部から配合される無機セラミックマトリックス603である。セラミックマトリックス603は約5/8インチの厚さであり、布604は複合材料200の外面から約3/8インチ及び成膜層602から約1/4インチに位置する。図6の複合材料は、スタッド壁に吹き付けることができる0.65インチ爆発パネルを表す。前述の実施例に記載のように、Grancrete PCWと砂をドライブレンドし、水と混合し、次いで吹き付け分配装置にホースを介してポンプ注入した。吹き付け装置は、圧縮空気を利用して、無機セラミックマトリックスを吹き付け装置から壁に散布し、移動させる。無機セラミックマトリックスの最初の塗布を使用して、成膜層(Styrofoam)をコーティングする。次いで、レノグリッド布の層を湿った無機セラミックマトリックスにねじの頭部を使用して取り付けて、布を掛け、配置した。次いで、無機セラミックマトリックスを布層にさらに3、4回吹き付け塗布して、壁パネルの最終厚さにした。
【0101】
(実施例3)
本発明の一部の実施形態は、MIL−STD−662Fで測定して、弾道脅威保護を改善する。本発明の実施形態の幾つかの試料を、MIL−STD−662Fに記載の基準に従って試験し、ft/secで測定されるV50値を測定した。この試験の結果を下表に示す。試料の一部では、発射された発射体が試料を貫通しなかったので、V50値を計算することができなかった(N/Aで示した)。
【0102】
実施例3のパネルは、Grancrete PCW/砂を桶の中で大型ドリルオーガーを使用して手混合して作製した。パネルの製作は、実施例1で詳述した製作と同じである。1.5インチパネルは、各々4層のガラス繊維布と3層の無機セラミックマトリックスを含む。3.5インチパネルは、各々6層のガラス繊維布と、砂1部に対してGrancrete PCW2部を含む5層の無機セラミックマトリックスとを含む。目の粗い布と織られた布の両方を含む実施形態においては、織られた布は無機セラミックマトリックスの中間に配置され、目の粗い布は外縁に配置された。
【0103】
【表1】

【0104】
(実施例4)
本発明の別の実施形態は、MIL−STD−662Fで測定して、弾道脅威保護を改善する。本発明の実施形態の幾つかの試料を、MIL−STD−662Fに記載の基準に従って試験し、ft/secで測定されるV50値を測定した。この試験の結果を下表に示す。
【0105】
パネルを以下のように作製した。保護層は、厚さ0.1インチのMil−Tough「Spall Master」層を含み、エポキシ接着剤を使用して成形済みのフィルムとして適用された。一部の実施形態においては、第1の無機セラミックマトリックス層は、石:Grancreteが1:1の比でGrancrete PCWと混合された花こう岩石(サイズ#6M、直径約3/4インチ)を含むことができる。高密度石の実施形態においては、第1の無機セラミックマトリックスは、#6M又は直径約0.5インチより小さいサイズであり、石:Grancreteが2:1の比でGrancrete PCWと混合された、石片を含む。5.25インチパネルは、第2の無機セラミックマトリックス全体にわたってすべて均等に配置された15層のルーパーグリッド布を含む。3.5インチパネルは、第2の無機セラミックマトリックス全体にわたってすべて均等に配置された7層のルーパー布を含む。
【0106】
【表2】

【0107】
(実施例5)
本発明の一部の実施形態は、爆発及び弾道保護を改善する。本発明の実施形態の幾つかの試料を爆発及び弾道保護の基準下で試験した。この試験の結果を下表に示す。パネルは、実施例1に記載のものと類似の技術によって作製された。
【0108】
【表3−1】

【0109】
【表3−2】

【0110】
本発明の実施形態によって示され得る望ましい特性としては、爆発又は弾道に起因する損傷に対して高い耐性を有する複合材料の提供、伝統的なコンクリート強化よりも軽量の複合材料の提供、伝統的な建造物構造体よりも耐火性の高い複合材料の提供、伝統的なコンクリート壁よりも引張り強さの高い複合材料の提供、伝統的なコンクリート構造体に比べて急速に硬化する複合材料の提供、コンクリートよりも環境的に優れた複合材料の提供、及び/又はその他が挙げられるが、それだけに限定されない。
【0111】
本記述は、本発明の明確な理解に関連した本発明の態様を説明するものであることを理解されたい。当業者に明白であり、したがって、本発明のより良好な理解の助けとはならないであろう本発明のある態様は、本記述を単純化するために、記述されなかった。本発明をある実施形態に関連して記述したが、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されず、本発明の趣旨及び範囲内にある改変を包含するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の外面と前記第1の外面と逆方向を向きかつ前記第1の外面に概ね平行な第2の外面とを含む、無機セラミックマトリックス、及び
前記無機セラミックマトリックス中の前記第1の外面と前記第2の外面の間に配置された、少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布
を含む、複合材料。
【請求項2】
前記無機セラミックマトリックスの前記第2の外面に結合した保護層を更に含む、請求項1に記載の複合材料。
【請求項3】
前記保護層が耐破砕層である、請求項2に記載の複合材料。
【請求項4】
前記保護層がポリ尿素コーティングを含む、請求項2に記載の複合材料。
【請求項5】
前記保護層がエポキシによって前記第2の外面に結合した、請求項2に記載の複合材料。
【請求項6】
前記エポキシが水分硬化エポキシである、請求項5に記載の複合材料。
【請求項7】
前記無機セラミックマトリックスの前記第1の外面に結合した織られたガラス繊維布を更に含む、請求項2に記載の複合材料。
【請求項8】
前記複合材料が、前記マトリックス中の前記第1の外面と前記第2の外面の間に配置された少なくとも3枚の目の粗いガラス繊維布を含む、請求項1に記載の複合材料。
【請求項9】
前記複合材料が少なくとも2枚の目の粗いガラス繊維布を含み、前記布が前記無機セラミックマトリックス内に実質的に等間隔で位置する、請求項1に記載の複合材料。
【請求項10】
6枚以上の目の粗いガラス繊維布が前記マトリックス中の前記第1の外面と前記第2の外面の間に配置された、請求項1に記載の複合材料。
【請求項11】
前記無機セラミックマトリックスの前記第1の外面に結合した織られたガラス繊維布を更に含む、請求項1に記載の複合材料。
【請求項12】
前記少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布がルーパーグリッドガラス繊維布を含む、請求項1に記載の複合材料。
【請求項13】
前記ルーパーグリッドガラス繊維布の重量が約25オンス/平方ヤード未満である、請求項12に記載の複合材料。
【請求項14】
前記ルーパーグリッドガラス繊維布がポリマーで少なくとも部分的に被覆された、請求項12に記載の複合材料。
【請求項15】
複数個の石を含む第1の無機セラミックマトリックス、
前記第1の無機セラミックマトリックスに隣接する第2の無機セラミックマトリックス、及び
前記第2の無機セラミックマトリックス中に配置された少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布
を含む、複合材料。
【請求項16】
前記石のサイズが6Mである、請求項15に記載の複合材料。
【請求項17】
前記無機セラミックマトリックスの外面に結合した保護層を更に含む、請求項15に記載の複合材料。
【請求項18】
前記保護層が耐破砕層である、請求項15に記載の複合材料。
【請求項19】
前記保護層がポリ尿素コーティングを含む、請求項15に記載の複合材料。
【請求項20】
前記保護層がエポキシによって前記外面に結合した、請求項15に記載の複合材料。
【請求項21】
前記石が花こう岩である、請求項15に記載の複合材料。
【請求項22】
前記第1の無機セラミックマトリックスが少なくとも0.5インチ厚であり、前記第2の無機セラミックマトリックスが少なくとも約0.5インチ厚である、請求項15に記載の複合材料。
【請求項23】
前記第1の無機セラミックマトリックスが少なくとも約1インチ厚であり、前記第2の無機セラミックマトリックスが少なくとも約1インチ厚である、請求項15に記載の複合材料。
【請求項24】
前記第1の無機セラミックマトリックスが少なくとも約40体積%の石を含む、請求項15に記載の複合材料。
【請求項25】
前記第1の有機セラミックマトリックスが少なくとも約50体積%の石を含む、請求項15に記載の複合材料。
【請求項26】
前記砂が少なくとも約40体積パーセントの砂を含む、請求項25に記載の複合材料。
【請求項27】
前記砂が少なくとも約50体積パーセントの砂を含む、請求項25に記載の複合材料。
【請求項28】
前記第2の無機セラミックマトリックスが、砂及び複数の目の粗いガラス繊維布を含む、請求項15に記載の複合材料。
【請求項29】
前記複合材料が、その厚さよりも各々実質的に大きい長さ及び幅を有するパネルである、請求項15に記載の複合材料。
【請求項30】
前記パネルの長さが少なくとも7フィートである、請求項29に記載の複合材料。
【請求項31】
前記パネルの長さが少なくとも13フィートである、請求項29に記載の複合材料。
【請求項32】
前記少なくとも1枚の目の粗いガラス繊維布がルーパーグリッドガラス繊維布を含む、請求項15に記載の複合材料。
【請求項33】
前記ルーパーグリッドガラス繊維布の重量が約25オンス/平方ヤード未満である、請求項32に記載の複合材料。
【請求項34】
前記ルーパーグリッドガラス繊維布がポリマーで少なくとも部分的に被覆された、請求項32に記載の複合材料。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図7D】
image rotate

【図7E】
image rotate

【図7F】
image rotate


【公表番号】特表2012−525992(P2012−525992A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508827(P2012−508827)
【出願日】平成22年5月4日(2010.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/033552
【国際公開番号】WO2011/014283
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(599087017)ピーピージー インダストリーズ オハイオ,インコーポレイテッド (267)
【Fターム(参考)】