説明

複合材料およびその製造方法

【課題】複合材料およびその製造方法を提供する。
【解決手段】(a)繊維、薄片、小片およびそれらの組み合わせから選択される基体材料;および、(b)少なくとも1つの環状無水物および少なくとも1つのエポキシアルコールから生じた逐次反応コポリマーを含み、その少なくとも1つのエポキシアルコールの1つが、1つのみのエポキシ基を有する硬化した結合剤組成物:を含む複合材料であって;かつ複合材料が≦40重量%の硬化した結合剤組成物を含む複合材料。ホルムアルデヒドを含有しない硬化した結合剤組成物を含む複合材料が開示されている。ホルムアルデヒドを含有しない結合剤組成物を含む複合材料の製造方法および使用方法もまた、開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材料およびそれを製造する方法に関する。特に、本発明は、ホルムアルデヒドを含有しない結合剤組成物による複合材料そして当該材料を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複合材料の製造、例えば、繊維構造物(例えば、不織繊維断熱材)および成形物品(例えば、繊維ボードおよびチップボード)は、従来からフェノールホルムアルデヒド(PF)樹脂または尿素で伸長されたフェノールホルムアルデヒド樹脂(PFU)を使って作られている。
【0003】
PF樹脂またはPFU樹脂の使用に関して1つの認識される懸念材料は、樹脂の製造の間に、樹脂を含んでいる複合材料の製造の間に、およびそれらの複合材料のその後の使用の間に、ホルムアルデヒドが排出される可能性である。ホルムアルデヒドの排出を制限する法律が現在存在するばかりか、ホルムアルデヒドの排出をさらに制限するまたはゼロにすることを求める法律案も存在する。
【0004】
PF樹脂またはPFU樹脂に対する1つの代替物は、米国特許出願公開2004/0034154号(Tutinら)に開示さている。Tutinらは、実質上無限に水で希釈または分散できるエポキシドおよびエポキシド架橋剤の混合物の水溶液を含むガラス繊維断熱材生成物を作るための水性結合剤組成物を開示しており、ここで、エポキシドは、少なくとも2つのエポキシ基を有しているものとして記述されている。
【0005】
もう1つのPF樹脂またはPFU樹脂に対する代替物は、米国特許出願公開2005/0059770号(Srinivasanら)に開示されている。Srinivasan他は、不飽和カルボン酸モノマーと不飽和ヒドロキシルモノマーとのフリーラジカル溶液重合から得られる水溶性付加体について開示しており、ここで、その重合は、連鎖移動剤の存在下で行なわれる。
【特許文献1】米国特許出願公開2004/0034154号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開2005/0059770号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それにもかかわらず、ホルムアルデヒドを含まない新規複合材料を特定することに対する要求およびホルムアルデヒドを含まない結合剤組成物を使ってこのような複合材料を作る新規方法に対する要求が依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様において、(a)繊維、薄片、小片およびそれらの組み合わせから選択される基体材料;および(b)少なくとも1つの環状無水物および少なくとも1つのエポキシアルコールから生じた逐次反応コポリマーを含む硬化した結合剤組成物(ここで、少なくとも1つのエポキシアルコールの1つが、1つのみのエポキシ基を有する)を含む複合材料であって;さらに、ここで、該複合材料は、≦40重量%の硬化した結合剤組成物を含む:複合材料が提供される。
【0008】
本発明の別の態様においては、本発明の複合材料を含む生成物が提供される。
【0009】
本発明の別の態様においては、以下の工程を含む複合材料を製造する方法が提供される:(a)少なくとも1つの環状無水物および少なくとも1つのエポキシアルコールから生じた逐次反応コポリマーを含む結合剤組成物を提供する工程であって、少なくとも1つのエポキシアルコールの1つが、1つのみのエポキシ基を有する工程;(b)繊維、薄片、小片およびそれらの組み合わせから選択される基体材料を提供する工程;(c)結合剤組成物を基体材料に適用する工程;および(d)結合剤組成物を硬化する工程:ここで、当該複合材料は、≦40重量%の当該硬化した結合剤組成物を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書中および添付の特許請求の範囲で使われる用語「逐次反応コポリマー」は、連鎖を媒介する(chain−carrying)フリーラジカルまたはイオンに依存することのない重合反応によって製造されるポリマーを意味する。もっと正確に言えば、逐次反応コポリマーは、少なくとも1つのモノマーにおける1より多い官能基を伴った段階で起こる重合反応によって製造される。
【0011】
本明細書中および添付の特許請求の範囲で使われる用語「コポリマー」は、少なくとも2つの異なるモノマーを使って製造されるポリマーを意味する。
【0012】
本明細書中および添付の特許請求の範囲で使われる用語「硬化」は、例えば、共有結合化学反応を介するもの(例えば、架橋)、イオン性相互作用またはクラスター形成、基体材料への接着性の改善、相変換または転相、水素結合、およびそれらの組合せのような結合剤組成物の特性を変えるのに十分な化学的変化またはモルフォロジー的変化を意味する。
【0013】
本明細書中および添付の特許請求の範囲で使われる用語「水性の、水の(aqueous)」は、水、並びに実質的に水と水混和性溶媒とからなる混合物を意味する。
【0014】
本明細書中および添付の特許請求の範囲で使われる用語「ホルムアルデヒドを含まない」は、実質的にホルムアルデヒドを含まず、そして乾燥および/または硬化の間に実質的な量のホルムアルデヒドを放出しない組成物を意味する。一般的に、組成物の重量を基準として1ppm未満のホルムアルデヒドしか、「ホルムアルデヒドを含まない」組成物には存在していない。
【0015】
本明細書中および添付の特許請求の範囲で使われる用語「(メタ)アクリル」は、メタクリルおよびアクリルの両方を包含する。
【0016】
本発明のいくつかの実施態様において、複合材料は、0.5〜40重量%、または1〜40重量%、または1〜30重量%、または1〜20重量%、または5〜15重量%の硬化した結合剤組成物を含んでいる。
【0017】
本発明のいくつかの実施態様において、基体材料は、繊維、薄片、小片およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施態様のいくつかの態様において、基体材料は「耐熱性」である。本明細書中および添付の特許請求の範囲で基体材料に関して使われる用語「耐熱性」は、基体材料が、≧100℃、または≧120℃、または100℃〜350℃の温度に、少なくとも3秒または少なくとも30分の間で曝されても実質的に影響を受けないことを意味する。
【0018】
本発明のいくつかの実施態様において、複合材料は、繊維である。これらの実施態様のいくつかの態様において、その繊維は、以下から選択される:天然繊維(例えば、サイザル麻、黄麻、麻、亜麻、コットン、ココナッツ繊維、バナナ繊維);動物繊維(例えば、羊毛、毛髪);プラスチック繊維(例えば、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維);ガラス繊維;ガラスウール;ミネラル繊維;ミネラルウール;合成無機繊維(例えば、アラミド繊維、炭素繊維);およびそれらの組み合わせ。これらの実施態様のいくつかの態様において、繊維としては、セルロース繊維、酢酸セルロース繊維、セルロースエステル繊維およびセルロースエーテル繊維を挙げることができる。これらの実施態様のいくつかの態様において、繊維は、ミネラル繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、金属繊維、炭素繊維、ポリイミド繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ガラス繊維、ガラスウール、ミネラルウールおよびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施態様のいくつかの態様において、繊維は、ガラス繊維、ガラスウール、ミネラルウールおよびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施態様のいくつかの態様において、繊維はガラス繊維である。これらの実施態様のいくつかの態様において、繊維は耐熱性である。
【0019】
本発明のいくつかの態様において、基体材料は、繊維、薄片、小片およびそれらの組み合わせから選択され、ここで、繊維、薄片およびチップは、木材、金属、金属酸化物、プラスチック、鉱物、ガラスおよびそれらの組み合わせで構成されている。これらの実施態様のいくつかの態様において、繊維、薄片、チップおよびそれらの組み合わせは、耐熱性である。
【0020】
本発明のいくつかの実施態様において、硬化した結合剤組成物は、少なくとも1つの環状無水物および少なくとも1つのエポキシアルコールから生じた逐次反応コポリマーを含んでおり、ここで、当該の少なくとも1つの環状無水物は、無水マレイン酸、無水イタコン酸およびそれらの組み合わせから選択される。
【0021】
本発明のいくつかの実施態様において、硬化した結合剤組成物は、少なくとも1つの環状無水物および少なくとも1つのエポキシアルコールから生じた逐次反応コポリマーを含んでおり、ここで、その少なくとも1つの環状無水物は、少なくとも2つの環状無水物を含んでおり、その少なくとも2つの環状無水物の1つは、無水マレイン酸、無水イタコン酸およびそれらの組み合わせから選択され;その少なくとも2つの環状無水物の1つは、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ドデセニルコハク酸、無水クロレンド酸、無水ピロメリット酸、無水シトラコン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水テトラクロロフタル酸およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施態様のいくつかの態様において、少なくとも2つの環状無水物の少なくとも50モル%、または少なくとも75モル%、または少なくとも80モル%、または少なくとも90モル%、または少なくとも95モル%、または少なくとも99モル%は、無水マレイン酸、無水イタコン酸およびそれらの組み合わせである。これらの実施態様のいくつかの態様において、少なくとも2つの環状無水物の少なくとも50モル%、または少なくとも75モル%、または少なくとも80モル%、または少なくとも90モル%、または少なくとも95モル%、または少なくとも99モル%は、無水マレイン酸である。これらの実施態様のいくつかの態様において、少なくとも2つの環状無水物の少なくとも50モル%、または少なくとも75モル%、または少なくとも80モル%、または少なくとも90モル%、または少なくとも95モル%、または少なくとも99モル%は、無水イタコン酸である。これらの実施態様のいくつかの態様において、少なくとも2つの環状無水物の少なくとも50モル%、または少なくとも75モル%、または少なくとも80モル%、または少なくとも90モル%、または少なくとも95モル%、または少なくとも99モル%は、無水マレイン酸と無水イタコン酸との組み合わせである。
【0022】
本発明のいくつかの実施態様において、硬化した結合剤組成物は、少なくとも1つの環状無水物および少なくとも1つのエポキシアルコールから生じた逐次反応コポリマーを含んでおり;ここで、その少なくとも1つのエポキシアルコールの1つは、グリシドール;多価アルコールのモノグリシジルエーテル;ビスフェノールAのモノグリシジルエーテル;グリセロールのモノグリシジルエーテル;ペンタエリトリトールのモノグリシジルエーテル;およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施態様のいくつかの態様において、少なくとも1つのエポキシアルコールはグリシドールである。
【0023】
本発明のいくつかの実施態様において、硬化した結合剤組成物は、少なくとも1つの環状無水物および少なくとも1つのエポキシアルコールから生じた逐次反応コポリマーを含んでおり;ここで、当該の少なくとも1つのエポキシアルコールは、少なくとも2つのエポキシアルコールを含んでおり;その少なくとも2つのエポキシアルコールの1つは、1つのみのエポキシド基を有し、その少なくとも2つのエポキシアルコールの1つは、少なくとも2つのエポキシ基を有する。これらの実施態様のいくつかの態様において、その少なくとも2つのエポキシアルコールの1つは、グリシドール;多価アルコールのモノグリシジルエーテル;ビスフェノールAのモノグリシジルエーテル;グリセロールのモノグリシジルエーテル;ペンタエリトリトールのモノグリシジルエーテル;およびそれらの組み合わせから選択され;また、その少なくとも2つのエポキシアルコールの1つは、グリセロールのジグリシジルエーテル;ペンタエリトリトールのジグリシジルエーテル;ペンタエリトリトールのトリグリシジルエーテル;2,3−エポキシ−1−ブタノール;2,3−エポキシ−1,4−ブタンジオール;3,4−エポキシ−1−ブタノール;およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施態様のいくつかの態様において、少なくとも2つのエポキシアルコールの少なくとも50モル%、または少なくとも75モル%、または少なくとも80モル%、または少なくとも90モル%、または少なくとも95モル%、または少なくとも99モル%は、1つのみのエポキシド基を提示するエポキシアルコールから選択される。これらの実施態様のいくつかの態様において、少なくとも2つのエポキシアルコールの少なくとも50モル%、または少なくとも75モル%、または少なくとも80モル%、または少なくとも90モル%、または少なくとも95モル%、または少なくとも99モル%は、グリシドール;多価アルコールのモノグリシジルエーテル;ビスフェノールAのモノグリシジルエーテル;グリセロールのモノグリシジルエーテルおよびペンタエリトリトールのモノグリシジルエーテルから選択される。これらの実施態様のいくつかの態様において、少なくとも2つのエポキシアルコールの少なくとも50モル%、または少なくとも75モル%、または少なくとも80モル%、または少なくとも90モル%、または少なくとも95モル%、または少なくとも99モル%は、グリシドールである。
【0024】
本発明のいくつかの実施態様において、結合剤組成物は、重合開始剤をさらに含むことができる。本発明での使用に適した重合開始剤としては、逐次反応コポリマーおよび基体材料との適合性を有する任意の従来からの開始剤が挙げられる。これらの実施態様のいくつかの態様において、結合剤組成物は、0.5〜10重量%(結合剤固形分ベース)の重合開始剤を含むことができる。これらの実施態様のいくつかの態様において、重合開始剤は、過硫酸ナトリウム、過酸化水素および過硫酸アンモニウムのようなフリーラジカル開始剤である。逐次反応コポリマーの少なくとも一部がエチレン性不飽和である場合、フリーラジカル開始剤のような重合開始剤を結合剤組成物に導入することで、結合剤組成物の硬化の程度および/または速度を向上させることができる。
【0025】
本発明のいくつかの実施態様において、結合剤組成物は、さらに促進剤を含むことができる。本発明での使用に適した促進剤としては、逐次反応コポリマーおよび基体材料との適合性を有する任意の従来からの促進剤が挙げられる。これらの実施態様のいくつかの態様において、結合剤組成物は、0.01〜10重量%、または0.1〜5重量%、または0.5〜2重量%(結合剤固形分ベース)の促進剤を含むことができる。これらの実施態様のいくつかの態様において、促進剤は、第三アミン(例えば、ベンジルジメチルアミン)、イミダゾール、イミダゾリン、尿素、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ホウ素ハロゲン化物化合物およびそれらの組み合わせから選択される。
【0026】
本発明のいくつかの実施態様において、結合剤組成物は、架橋剤をさらに含むことができる。本発明での使用に適した架橋剤としては、逐次反応コポリマーおよび基体材料との適合性を有する任意の従来からの架橋剤が挙げられる。これらの実施態様のいくつかの態様において、結合剤組成物は、1.0〜10重量%、(結合剤固形分ベース)の架橋剤を含むことができる。これらの実施態様のいくつかの態様において、架橋剤は、ビニルモノマーおよびポリビニルモノマーから選択される。本発明での使用に適したビニルモノマーとしては、例えば、スチレンのような熱硬化性の程度を向上させるためにポリエステル樹脂と共に従来使われるものが挙げられる。本発明での使用に適したポリビニルモノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジメタクリレートおよびトリメチロールプロパントリアクリレートが挙げられる。これらの実施態様のいくつかの態様において、架橋剤は、以下のものから選択される:ジオールジアセトアセテート(例えば、ブタンジオールジアセトアセテートおよび1,6−ヘキサンジオールジアセトアセテート);トリメチロールプロパントリアセトアセテート;ペンタエリトリトールトリアセトアセテート;ジアセトアセテート(例えば、グリセロールジアセトアセテート);トリアセトアセテート(例えば、グリセロールトリアセトアセテート);ポリビニルアルコールアセトアセテートおよびマロン酸エステル類似物;アセトアセテート官能性ヒマシ油;アセトアセテート官能性ポリエステルポリマー;アセトアセテート官能性ポリエステルアミドポリマー;アセトアセタミド官能性ポリエーテルポリマー;アセトアセテート官能性(メタ)アクリルポリマー;シアノアセトアミド官能性(メタ)アクリルポリマー;シアノアセテート官能性(メタ)アクリルポリマー;アセトアセテート官能性ポリブタジエンポリマー;それらの置換誘導体および官能化誘導体;およびそれらの組み合わせ。
【0027】
本発明のいくつかの実施態様において、結合剤組成物は、シランカップリング剤をさらに含むことができる。本発明での使用に適したシランカップリング剤としては、逐次反応コポリマーおよび基体材料との適合性を有する任意の従来からのシランカップリング剤が挙げられる。これらの実施態様のいくつかの態様において、結合剤組成物は、0.05〜2重量%、または0.1〜2重量%、または0.1〜0.5重量%(結合剤固形分ベース)のシランカップリング剤を含むことができる。これらの実施態様のいくつかの態様において、シランカップリング剤は、アミノプロピルシラン、トリメトキシシラン、エポキシ含有シラン、およびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの代表的なシランカップリング剤としては、例えば、有機シリコンオイル(Dow−Corning社から入手可能);A0700、A0750およびA0800(Petrarch Systems社から入手可能);A1160(Dow Chemical社から入手可能);Silquest(商標)A−187(GE Silicones−OSi Specialties社から入手可能);およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0028】
本発明のいくつかの実施態様において、結合剤組成物は、添加剤をさらに含むことができる。本発明での使用に適した添加剤としては、逐次反応コポリマーおよび基体材料との適合性を有する任意の従来からの添加剤が挙げられる。これらの実施態様のいくつかの態様において、結合剤組成物は、必要に応じた添加剤をさらに含むことができ;ここで、その添加剤は、以下のものから選択される:乳化剤;顔料;フィラー;エクステンダー;移行防止助剤;硬化剤;造膜助剤;界面活性剤(例えば、非イオン性界面活性剤);展着剤;防塵剤(例えば、鉱油防塵剤);殺生剤;可塑剤;オルガノシラン;消泡剤(例えば、ジメチコーン、シリコーンオイルおよびエトキシル化非イオン);腐食防止剤(例えば、pH<4で効果的な腐食防止剤、例としては、チオ尿素、シュウ酸塩およびクロム酸塩);着色剤;帯電防止剤;潤滑剤;ワックス;酸化防止剤;カップリング剤(例えば、有機シリコンオイル、Dow−Corning社から入手可能);A0700、A0750およびA0800(Petrarch Systems社から入手可能);A1160(Dow Chemical社から入手可能);Silquest(商標)A−187(GE Silicones−OSi Specialties社から入手可能);ポリマー;防水剤(例えば、シリコーンおよびエマルジョンポリマー、例えば、エマルジョンポリマー固形分の重量ベースで30重量%を超えるC以上のアルキル基を含んでいるエチレン性不飽和アクリルモノマーを共重合単位として含んでいるエマルジョンポリマー);湿潤剤;リグニン;およびそれらの組み合わせ。
【0029】
本発明のいくつかの実施態様において、結合剤組成物は、エマルジョンポリマーをさらに含むことができる。本明細書中および添付の特許請求の範囲で使われる用語「エマルジョンポリマー」は、水性溶媒中で分散し、乳化重合技術によって製造されたポリマーを意味する。これらの実施態様のいくつかの態様において、乳濁液ポリマーは、例えば、重合されるエチレン性不飽和(メタ)アクリルモノマーを含むコポリマーから選択されうる。
【0030】
本発明のいくつかの実施態様において、逐次反応コポリマーは、逐次反応コポリマーに含まれる1つの環状無水物部分につき少なくとも1つのエチレン性不飽和、または1つの環状無水物部分につき少なくとも0.5のエチレン性不飽和、または1つの環状無水物部分につき少なくとも0.75のエチレン性不飽和、または1つの環状無水物部分につき少なくとも0.8のエチレン性不飽和、または1つの環状無水物部分につき少なくとも0.9のエチレン性不飽和、または1つの環状無水物部分につき少なくとも1のエチレン性不飽和を有する。
【0031】
本発明のいくつかの実施態様において、逐次反応コポリマーは、≦100,000;または1,000〜l00,000;または3,000〜75,000;または3,000〜50,000;または3,000〜20,000の重量平均分子量を示す。
【0032】
本発明のいくつかの実施態様において、硬化した結合剤組成物は、複合材料の合理的な輸送での変形および業務内での変形を可能にするのに十分な柔軟性および厚さ回復性を伴った強力な結合を提供する。
【0033】
本発明のいくつかの実施態様において、複合材料は、それが湿潤条件下で膨潤しないような耐湿性を有する。
【0034】
本発明のいくつかの実施態様において、結合剤組成物は、無臭性であり、本発明の複合材料を製造する処理の間に、接触する金属に対して非腐食性である。
【0035】
本発明のいくつかの実施態様において、結合剤組成物は、ホルムアルデヒドを含まない。
【0036】
本発明のいくつかの実施態様において、複合材料は、ホルムアルデヒドを含まない。
【0037】
本発明のいくつかの実施態様において、複合材料を製造する方法は、(a)少なくとも1つの環状無水物と少なくとも1つのエポキシアルコールとの逐次反応コポリマーを含む結合剤組成物を提供すること:を含み、ここで、その少なくとも1つの環状無水物の1つは、無水マレイン酸、無水イタコン酸およびそれらの組み合わせから選択され;かつ、少なくとも1つのエポキシアルコールの1つは、1つのみのエポキシ基を有する。
【0038】
本発明のいくつかの実施態様において、複合材料を製造する方法は、(a)少なくとも1つの環状無水物と少なくとも1つのエポキシアルコールとの逐次反応コポリマーを含む結合剤組成物を提供すること;を含み:ここで、少なくとも1つの環状無水物の1つは、少なくとも2つの環状無水物を含んでおり;その少なくとも2つの環状無水物の1つは、無水マレイン酸、無水イタコン酸およびそれらの組み合わせから選択され;かつ、その少なくとも2つの環状無水物の1つは、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ドデセニルコハク酸、無水クロレンド酸、無水ピロメリット酸、無水シトラコン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水テトラクロロフタル酸およびそれらの組み合わせから選択され;かつここで、少なくとも1つのエポキシアルコールの1つは、1つのみのエポキシ基を有する。これらの実施態様のいくつかの態様において、少なくとも2つの環状無水物の少なくとも50モル%、または少なくとも75モル%、または少なくとも80モル%、または少なくとも90モル%、または少なくとも95モル%、または少なくとも99モル%は、無水マレイン酸、無水イタコン酸またはそれらの組み合わせである。これらの実施態様のいくつかの態様において、少なくとも2つの環状無水物の少なくとも50モル%、または少なくとも75モル%、または少なくとも80モル%、または少なくとも90モル%、または少なくとも95モル%、または少なくとも99モル%は、無水マレイン酸である。これらの実施態様のいくつかの態様において、少なくとも2つの環状無水物の少なくとも50モル%、または少なくとも75モル%、または少なくとも80モル%、または少なくとも90モル%、または少なくとも95モル%、または少なくとも99モル%は、無水イタコン酸である。これらの実施態様のいくつかの態様において、少なくとも2つの環状無水物の少なくとも50モル%、または少なくとも75モル%、または少なくとも80モル%、または少なくとも90モル%、または少なくとも95モル%、または少なくとも99モル%は、無水マレイン酸と無水イタコン酸との組み合わせである。
【0039】
本発明のいくつかの実施態様において、複合材料を製造する方法は、(a)少なくとも1つの環状無水物および少なくとも1つのエポキシアルコールから生じた逐次反応コポリマーを含む結合剤組成物を提供すること;を含み:ここで、その少なくとも1つのエポキシアルコールの1つは、グリシドール;多価アルコールのモノグリシジルエーテル;ビスフェノールAのモノグリシジルエーテル;グリセロールのモノグリシジルエーテル;ペンタエリトリトールのモノグリシジルエーテル;およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施態様のいくつかの態様において、少なくとも1つのエポキシアルコールはグリシドールである。
【0040】
本発明のいくつかの実施態様において、複合材料を製造する方法は、(a)少なくとも1つの環状無水物と少なくとも1つのエポキシアルコールとの逐次反応コポリマーを含む結合剤組成物を提供すること;を含み:ここで、その少なくとも1つのエポキシアルコールは、少なくとも2つのエポキシアルコールを含み;かつここで、その少なくとも2つのエポキシアルコールの1つは、1つのみのエポキシド基を有し、かつその少なくとも2つのエポキシアルコールの1つは、少なくとも2つのエポキシ基を有する。これらの実施態様のいくつかの態様において、少なくとも2つのエポキシアルコールの少なくとも50モル%、または少なくとも75モル%、または少なくとも80モル%、または少なくとも90モル%、または少なくとも95モル%、または少なくとも99モル%は、1つのみのエポキシド基を提示するエポキシアルコールから選択される。これらの実施態様のいくつかの態様において、少なくとも2つのエポキシアルコールの少なくとも50モル%、または少なくとも75モル%、または少なくとも80モル%、または少なくとも90モル%、または少なくとも95モル%、または少なくとも99モル%は、グリシドール;多価アルコールのモノグリシジルエーテル;ビスフェノールAのモノグリシジルエーテル;グリセロールのモノグリシジルエーテルおよびペンタエリトリトールのモノグリシジルエーテルから選択される。これらの実施態様のいくつかの態様において、少なくとも2つのエポキシアルコールの少なくとも50モル%、または少なくとも75モル%、または少なくとも80モル%、または少なくとも90モル%、または少なくとも95モル%、または少なくとも99モル%は、グリシドールから選択される。これらの実施態様のいくつかの態様において、少なくとも2つのエポキシアルコールの1つは、グリシドール;多価アルコールのモノグリシジルエーテル;ビスフェノールAのモノグリシジルエーテル;グリセロールのモノグリシジルエーテル;およびペンタエリトリトールのモノグリシジルエーテルから選択され;そして、少なくとも2つのエポキシアルコールの1つは、グリセロールのジグリシジルエーテル;ペンタエリトリトールのジグリシジルエーテル;ペンタエリトリトールのトリグリシジルエーテル;2,3−エポキシ−1−ブタノール;2,3−エポキシ−1,4−ブタンジオール;3,4−エポキシ−1−ブタノール;およびそれらの組み合わせから選択される。
【0041】
本発明のいくつかの実施態様において、結合剤組成物は、水溶液または水性分散液として提供することができる。これらの実施態様のいくつかの態様において、結合剤組成物は、それぞれ水溶液または水性分散液における逐次反応コポリマーの溶解度または分散性を向上させるために添加することができる塩基または界面活性剤をさらに含むことができる。結合剤組成物中に存在する水は、複合材料を製造する処理の間に実質的に取り去ることができる。水の除去(乾燥)は、硬化に連続してまたは硬化と同時に起こり得る。すなわち、乾燥および硬化は、1つのプロセス工程または2つ以上の別々のプロセス工程で起こり得る。
【0042】
本発明のいくつかの実施態様において、本方法は、逐次反応コポリマーに重合開始剤を加えることをさらに含む。これらの実施態様のいくつかの態様において、0.5〜10重量%(結合剤固形分ベース)の重合開始剤を含む結合剤組成物を提供するのに十分な量の重合開始剤が、逐次反応コポリマーに加えられる。
【0043】
本発明のいくつかの実施態様において、本方法は、逐次反応コポリマーに促進剤を加えることをさらに含む。これらの実施態様のいくつかの態様において、0.01〜10重量%、または0.1〜5重量%、0.5〜2重量%(結合剤固形分ベース)の促進剤を含む結合剤組成物を提供するのに十分な量の促進剤が、逐次反応コポリマーに加えられる。
【0044】
本発明のいくつかの実施態様において、本方法は、逐次反応コポリマーに架橋剤を加えることをさらに含む。これらの実施態様のいくつかの態様において、1.0〜10重量%(結合剤固形分ベース)の架橋剤を含む結合剤組成物を提供するのに十分な量の架橋剤が、逐次反応コポリマーに加えられる。
【0045】
本発明のいくつかの実施態様において、本方法は、逐次反応コポリマーにシランカップリング剤を加えることをさらに含む。これらの実施態様のいくつかの態様において、0.05〜2重量%、または0.1〜2重量%、0.1〜0.5重量%(結合剤固形分ベース)のシランカップリング剤を含む結合剤組成物を提供するのに十分な量のシランカップリング剤が、逐次反応コポリマーに加えられる。
【0046】
本発明のいくつかの実施態様において、本方法は、逐次反応コポリマーに添加剤を加えることをさらに含み;ここで、その添加剤は、逐次反応コポリマーおよび基体材料との適合性を有する任意の従来からの添加剤から選択される。これらの実施態様のいくつかの態様において、本方法は、逐次反応コポリマーに添加剤を加えることをさらに含み;ここで、その添加剤は、以下のものから選択される:乳化剤;顔料;フィラー;エクステンダー;移行防止助剤;硬化剤;造膜助剤;界面活性剤(例えば、非イオン性界面活性剤);展着剤;防塵剤(例えば、鉱油防塵剤);殺生剤;可塑剤;オルガノシラン;消泡剤(例えば、ジメチコーン、シリコーンオイルおよびエトキシル化非イオン体);腐食防止剤(例えば、pH<4で効果的な腐食防止剤、例としては、チオ尿素、シュウ酸塩およびクロム酸塩);着色剤;帯電防止剤;潤滑剤;ワックス;酸化防止剤;カップリング剤(例えば、有機シリコンオイル、Dow−Corning社から入手可能);A0700、A0750およびA0800(Petrarch Systems社から入手可能);A1160(Dow Chemical社から入手可能);Silquest(商標)A−187(GE Silicones−OSi Specialties社から入手可能);ポリマー;防水剤(例えば、シリコーンおよびエマルジョンポリマー、例えば、エマルジョンポリマー固形分の重量ベースで30重量%を超えるC以上のアルキル基を含んでいるエチレン性不飽和アクリルモノマーを共重合単位として含んでいるエマルジョンポリマー);湿潤剤;リグニン;およびそれらの組み合わせ。
【0047】
本発明のいくつかの実施態様において、結合剤組成物は、基体材料をコーティングする、基体材料のサイズを定める、基体材料に浸透させる、基体材料を接着する、あるいはそれらの組み合わせの目的のために基体材料に適用される。
【0048】
本発明のいくつかの実施態様において、結合剤組成物は、従来技法(例えば、エアスプレーまたはエアレススプレー、パッディング、浸透、ロールコーティング、カーテンコーティング、ビーターデポジション、凝集およびそれらの組み合わせ)により、基体材料に適用される。
【0049】
本発明のいくつかの実施態様において、結合剤組成物は、硬化した結合剤組成物が、複合材料の0.5〜40重量%、または1〜40重量%、または1〜30重量%、または1〜20重量%、または5〜15重量%を構成するのに十分な量で、基体材料に適用される。
【0050】
本発明のいくつかの実施態様において、結合剤組成物は、100℃を超える、または100〜350℃、または100〜250℃、または125〜250℃の温度に、≧3秒、または3秒〜30分、または3秒〜15分の間(c)の生成物をさらすことにより、(d)において硬化される。
【0051】
本発明のいくつかの実施態様において、結合剤組成物は、基体材料に適用される4時間以上前には、結合剤組成物の製造を容易にするのに十分に安定である。
【0052】
本発明のいくつかの実施態様において、本発明の複合材料は、様々な生成物として、または様々な生成物の中に使うことができる。これらの実施態様のいくつかの態様において、これらの生成物としては、例えば、以下のものを挙げることができる:断熱材、屋根ふき用途または床用途のための補強マット、ロービング、プリント回路基板のためのマイクロガラス系材料、バッテリーセパレーターのためのマイクロガラス系材料、フィルターストック、テープストック、セメント系または非セメント系の石造コーティングのための補強スクリム、天井タイル、セルロース屋根タイル、ウインドートリートメントおよび壁被覆材。これらの実施態様のいくつかの態様において、生成物は、チップボード、繊維ボード、自動車内装の裏地、断熱材料および繊維ウエッブ材料から選択される。これらの実施態様のいくつかの態様において、生成物は、「耐熱性生成物」である。本明細書中および添付の特許請求の範囲で使われる用語「耐熱性生成物」は、耐熱性基体材料を含む生成物を意味する。これらの態様におけるいくつかの態様においては、耐熱性生成物は「耐熱性繊維断熱生成物」である。本明細書中および添付の特許請求の範囲で使われる用語「耐熱性繊維断熱生成物」は、耐熱性繊維基体材料を含む断熱生成物を意味する。これらの実施態様のいくつかの態様において、耐熱性繊維断熱生成物は、マットまたはブランケットのかたちで提供される。本明細書中および添付の特許請求の範囲で使われる用語「マット」および「ブランケット」は、様々な厚さおよび密度の範囲を示す耐熱性繊維含有複合材料を包含している。いくつかの実施態様において、これらのマットまたはブランケットは、絡み合った短いステープル繊維、長い連続繊維およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0053】
本発明のいくつかの実施態様は、以下の実施例により詳細に説明される。実施例において以下で説明した比率および百分率は、他に特定しない限り、重量によるものである。
【実施例】
【0054】
(実施例1)
逐次反応コポリマー合成
スターラー、コンデンサーおよび窒素パージを備えた500mlの4口フラスコに、100gの無水マレイン酸、20gのジメトキシエタンおよび80gのグリシドールを加えた。フラスコの内容物を、室温から75℃まで1時間かけて攪拌しながら加熱した。次いで、フラスコの内容物を、75℃において1時間攪拌しながら維持した。次いで、フラスコの内容物を、75℃から125℃に1時間かけて攪拌しながら加熱した。次いで、フラスコの内容物を、125℃において30分間攪拌しながら維持した。次いで、ジメトキシエタンを真空下で除去し、GPCによって4,884であることが測定された分子量を有する粘性ポリマー生成物が残った。
【0055】
(実施例2)
逐次反応コポリマー合成
スターラー、コンデンサーおよび窒素パージを備えた500mlの4口フラスコに、80gの無水マレイン酸、20gの無水フタル酸、20gのジメトキシエタンおよび80gのグリシドールを加えた。フラスコの内容物を、室温から75℃まで1時間かけて攪拌しながら加熱した。フラスコの内容物を、75℃において1時間攪拌しながら維持した。次いで、フラスコの内容物を、75℃から125℃に1時間かけて攪拌しながら加熱した。次いで、フラスコの内容物を、125℃において30分間攪拌しながら維持した。次いで、ジメトキシエタンを真空下で除去し、GPCによって4,000であることが測定された分子量を有する粘性ポリマー生成物が残った。
【0056】
(実施例3)
ガラス繊維濾紙基体材料における動的機械テスト
使用機器:
二重カンチレバークランプを用いた動的機械分析器(「DMA」)(モデル#DMA2980としてTA Instrument社から入手可能)。この配置において、テストサンプルを中央部の3点で固定し、所定の周波数において振動させた。架橋がテストサンプルの中で生じるので、テストサンプルは、寸法安定性の増加を示し、かつ中央部の点の振動は抑制される。この抑制動作は、DMAにより出力される応答信号に変換された。
【0057】
テスト条件
次の分析を行なうために使われる温度勾配は、4℃/分で、30℃から250℃までであった。
【0058】
各テストに関して、別々の水溶液を製造した。水溶液は、蒸留水/脱イオン水、少量の水酸化アンモニウムおよび表1に示されるポリマーを含んでいた。これらの水溶液のそれぞれは、約30重量%の固形分を含んでいた。
【0059】
以下の分析のためのテストサンプルを製造するのに使われる基体材料は、2枚の固定されたWhatman(登録商標)GF/B濾紙(0.5’’×1.34’’)を含んでいた。次いで、この基体材料に、ポリマー(約30重量%)を含んでいる水溶液を約0.300g(約4滴/濾紙1枚につき)添加し、分析用のテストサンプルを得た。これらのテストサンプルの分析の結果は、表1に提示される。
【0060】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)繊維、薄片、小片およびそれらの組み合わせから選択される基体材料;および、
(b)少なくとも1つの環状無水物および少なくとも1つのエポキシアルコールから生じた逐次反応コポリマーを含む硬化した結合剤組成物、ここで、少なくとも1つのエポキシアルコールの1つが、1つのみのエポキシ基を有する:
を含む複合材料であって;かつ
複合材料が≦40重量%の硬化した結合剤組成物を含む、
複合材料。
【請求項2】
少なくとも1つの環状無水物が、無水マレイン酸、無水イタコン酸およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の複合材料。
【請求項3】
少なくとも1つの環状無水物が、少なくとも2つの環状無水物を含み、少なくとも2つの環状無水物の1つが、無水マレイン酸、無水イタコン酸およびそれらの組み合わせから選択され;かつ、少なくとも2つの環状無水物の1つが、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ドデセニルコハク酸、無水クロレンド酸、無水ピロメリット酸、無水シトラコン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、および無水テトラクロロフタル酸から選択される、請求項1に記載の複合材料。
【請求項4】
少なくとも1つのエポキシアルコールがグリシドールである、請求項1に記載の複合材料。
【請求項5】
少なくとも1つのエポキシアルコールが、少なくとも2つのエポキシアルコールを含み、少なくとも2つのエポキシアルコールの1つがグリシドールであり、および少なくとも2つのエポキシアルコールの1つが、多価アルコールのモノグリシジルエーテル;グリセロールのモノグリシジルエーテル;グリセロールのジグリシジルエーテル;ペンタエリトリトールのモノグリシジルエーテル;ペンタエリトリトールのジグリシジルエーテル;ペンタエリトリトールのトリグリシジルエーテル;2,3−エポキシ−1−ブタノール;2,3−エポキシ−1,4−ブタンジオール;3,4−エポキシ−1−ブタノール;およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の複合材料。
【請求項6】
添加剤をさらに含む、請求項1に記載の複合材料。
【請求項7】
請求項1に記載の複合材料を含む生成物。
【請求項8】
生成物が、チップボード、繊維ボード、自動車内装裏地、断熱材料および繊維ウエッブから選択される、請求項7に記載の生成物。
【請求項9】
生成物が、断熱材、屋根ふき用途または床用途のための補強マット、ロービング、プリント回路基板のためのマイクロガラス系基体材料、バッテリーセパレータのためのマイクロガラス系基体材料、フィルターストック、テープストック、セメント系または非セメント系の石造コーティングのための補強スクリム、天井タイル、セルロース屋根タイル、ウインドートリートメントおよび壁被覆材から選択される、請求項7に記載の生成物。
【請求項10】
(a)少なくとも1つの環状無水物および少なくとも1つのエポキシアルコールから生じた逐次反応コポリマーを含む結合剤組成物を提供する工程であって、少なくとも1つのエポキシアルコールの1つが、1つのみのエポキシ基を有する工程;
(b)繊維、薄片、小片およびそれらの組み合わせから選択される基体材料を提供する工程;
(c)基体材料を結合剤組成物で処理する工程;および、
(d)結合剤組成物を硬化する工程:
を含む複合材料を製造する方法であって;
該複合材料が≦40重量%の硬化した結合剤組成物を含む、
方法。

【公開番号】特開2007−63542(P2007−63542A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−210676(P2006−210676)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】