説明

複合材部品の締結方法

【課題】本発明の目的は、複合材部品を締結するための締結部品の平滑度の管理が容易な締結方法を提供することである。
【解決手段】複合材部品の締結方法は、重ねられた複数の複合材部品としての第1被締結物110に形成された第1皿穴付き孔に配置された第1締結部品の第1平滑度A10を測定するステップと、第1平滑度A10に基づいて第2皿穴深さd11を決定するステップと、重ねられた複数の複合材部品としての第2被締結物111に第2皿穴深さd11の第2皿穴付き孔を形成するステップと、第2皿穴付き孔に配置される第2締結部品を用いて第2被締結物111を締結するステップとを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボルトやリベットのような締結部品(ファスナー)を用いて複合材部品を締結する締結方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、被接合物を接合する打鋲装置を開示している。打鋲装置は、被接合物の板厚に基づいて、リベットを被接合物に没入する押込み量を調節する。これによって、リベットの表面と被接合物の表面とを面一にする。
【0003】
図1は、締結部品420及びナット440により締結された被締結物300を示す。締結部品420は、皿ボルトを含む。被締結物300は、重ねられた部品351及び352を含む。被締結物300には、被締結物300の一方側の表面300bから他方側の表面300cへ貫通する皿穴付き孔300aが形成されている。皿穴付き孔300aの皿穴部分は表面300b側に配置される。被締結物300を締結する方法は、皿穴付き孔300aに締結部品420を配置するステップと、締結部品420にナット440を装着するステップとを含む。ここで、表面300bから締結部品420の頭部上面421aまでの皿穴付き孔300aの軸方向の距離としての平滑度B300は、所定の範囲に管理される。平滑度B300は、頭部上面421aの表面300bからの沈み込み又は突き出しを表す。
【0004】
近年、金属部品にかわって繊維強化プラスチックのような複合材の部品が用いられるケースが増加している。例えば、航空機には多くの複合材部品が用いられるようになってきた。航空機の製造においては、空気抵抗の低減のため、平滑度の管理が特に重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−203307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、以下のように認識している。複合材は、圧縮力を受けたときの潰れが金属に比べて大きい。したがって、部品351及び352が複合材部品である場合、ナット440締め付け前の被締結物300の厚さを測定したとしても、その厚さのみに基づいて平滑度B300を管理することは難しい。リベットを用いて複合材の被締結物を締結する場合も、同様の理由から、締結前の被締結物の厚さのみに基づいてリベットの平滑度を管理することが難しい。
【0007】
したがって、本発明の目的は、複合材部品を締結するための締結部品の平滑度の管理が容易な締結方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、(発明を実施するための形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0009】
本発明による複合材部品の締結方法は、重ねられた複数の複合材部品(51、52)としての第1被締結物(110)に形成された第1皿穴付き孔(100a)に配置された第1締結部品(25)の第1平滑度(A10)を測定するステップと、前記第1平滑度に基づいて第2皿穴深さ(d11)を決定するステップと、重ねられた複数の複合材部品(51、52)としての第2被締結物(111)に前記第2皿穴深さの第2皿穴付き孔(100a)を形成するステップと、前記第2皿穴付き孔に配置される第2締結部品(25)を用いて前記第2被締結物を締結するステップとを具備する。
【0010】
上記締結方法は、前記第1平滑度を測定する前記ステップの後に、前記第1締結部品を用いて前記第1被締結物を締結するステップと、前記第1被締結物を締結する前記ステップの後に、前記第1締結部品の第2平滑度(B10)を測定するステップとを更に具備する。前記第2皿穴深さを決定する前記ステップにおいて、前記第1平滑度及び前記第2平滑度に基づいて前記第2皿孔深さを決定する。
【0011】
上記締結方法は、前記第2皿穴付き孔が形成されるべき部位における前記第2被締結物の厚さ(t11)を測定するステップと、前記第2皿穴深さ及び前記厚さに基づいて前記第2締結部品を選択するステップとを更に具備する。
【0012】
前記第2皿穴深さを決定する前記ステップにおいて、皿穴深さ演算式(13)を用いて前記第2皿穴深さを決定する。上記締結方法は、前記第2被締結物を締結する前記ステップの前に、前記第2皿穴付き孔に配置された前記第2締結部品の第2締結部品第1平滑度(A11)を測定するステップと、前記第2被締結物を締結する前記ステップの後に、前記第2皿穴付き孔に配置された前記第2締結部品の第2締結部品第2平滑度(B11)を測定するステップと、前記第2締結部品第1平滑度、前記第2締結部品第2平滑度、及び前記第2皿穴深さに基づいて前記皿穴深さ演算式を更新するステップと、更新された前記皿穴深さ演算式に基づいて第3皿穴深さ(d21)を決定するステップと、重ねられた複数の複合材部品(51、52)としての第3被締結物(121)に前記第3皿穴深さの第3皿穴付き孔(100a)を形成するステップと、前記第3皿穴付き孔に配置される第3締結部品(25)を用いて前記第3被締結物を締結するステップとを更に具備する。
【0013】
前記第1締結部品は第1皿ボルト(20)を備える。前記第2締結部品は第2皿ボルト(20)を備える。前記第2被締結物を締結する前記ステップは、前記第2皿ボルトにナット(30)を装着するステップを含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複合材部品を締結するための締結部品の平滑度の管理が容易な締結方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、締結部品で締結された部品の断面図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態に係る締結方法におけるデータベース構築を説明するための概念図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る締結方法における被締結物の厚さを測定する工程を説明するための被締結物の断面図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る締結方法における皿穴を形成する工程を説明するための被締結物の断面図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る締結方法において被締結物を締結するための締結部品を示す。
【図6】図6は、第1実施形態に係る締結方法において締結部品が配置された被締結物の断面図である。
【図7】図7は、第1実施形態に係る締結方法における結果物としての結合体を示す。
【図8】図8は、第1実施形態に係る締結方法における皿穴深さ演算式を求める工程を説明するための概念図である。
【図9】図9は、第1実施形態に係る締結方法において皿穴深さ演算式を利用して被締結物を締結する方法を説明するための概念図である。
【図10】図10は、本発明の第2の実施形態に係る締結方法においてグリップ長さ決定テーブルを利用して被締結物を締結する方法を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付図面を参照して、本発明による締結方法を実施するための形態を以下に説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る締結方法を説明する。本実施形態に係る締結方法において、被締結物としてのワーク100から、穴あけ工程、締結部品配置工程、及び締結工程を経て、結合体200が製造される。穴あけ工程において、ワーク100に複数の皿穴付き孔が形成される。締結部品配置工程において、複数の皿穴付き孔にそれぞれ複数の締結部品が配置される。締結工程において、複数の締結部品にそれぞれ複数のナットが装着されてワーク100が締結される。以下、複数の皿穴付き孔の一つとしての第N孔について説明するが、他の孔についても同様である。
【0018】
穴あけ工程において、厚さt及び皿穴深さdを測定する。締結部品配置工程において、平滑度Aを測定する。締結工程において、平滑度Bを測定する。
【0019】
図3を参照して、穴あけ工程における厚さtの測定を説明する。厚さtは、後述する皿穴付き孔100aを形成すべき部位におけるワーク100の厚さである。ワーク100は、重ねられた複数の複合材部品51及び52を含む。例えば、ワーク100の一方側の表面100b及び他方側の表面100cに厚さ測定器15を接触させて厚さtを測定する。厚さtは、ワーク100に皿穴付き孔100aを形成する前に測定される。
【0020】
図4を参照して、穴あけ工程において、ワーク100を表面100bから表面100cへ貫通する皿穴付き孔100aを形成する。皿穴付き孔100aは、ワーク100に形成される複数の皿穴付き孔のうちの第N孔である。皿穴付き孔100aの皿穴部分は表面100b側に配置される。皿穴付き孔100aの皿穴深さdを検出する。例えば、皿穴形成工具16の実際の送り量に基づいて皿穴深さdを検出してもよく、皿穴形成工具16の送り量の指令値に基づいて皿穴深さdを形成してもよく、皿穴付き孔100aを形成した後で皿穴深さdを他の手段で検出してもよい。
【0021】
図5を参照して、ワーク100の締結に用いられる締結部品(ファスナー)25は、皿ボルト20と、スリーブ40とを備える。皿ボルト20は、頭部21と、円筒部22と、ねじ部23とを備える。頭部21は頭部上面21aを有する。円筒部22は、頭部21とねじ部23の間に配置される。円筒部22にはねじが形成されていない。スリーブ40は、円筒部22に被せられている。スリーブ40の頭部21に近い側の端部40aと円筒部22のねじ部23に近い側の端部22aとの間の締結部品25の軸方向の距離は、締結部品25のグリップ長さLと称される。
【0022】
図6を参照して、締結部品配置工程において、締結部品25を皿穴付き孔100aに挿入し、更にエアハンマー等を用いて締結部品25を打ち込んで締結部品25を皿穴付き孔100aに配置する。締結部品25を皿穴付き孔100aに配置した状態において、頭部21が皿穴付き孔100aの皿穴部分に配置され、ねじ部23が表面100cから突き出す。締結部品25を皿穴付き孔100aに配置した後、平滑度A及び突き出し量Pを測定する。平滑度Aは、表面100bから頭部上面21aまでの皿穴付き孔100aの軸方向の距離である。平滑度Aは、頭部上面21aの表面100bからの沈み込み又は突き出しを表す。突き出し量Pは、表面100cから円筒部22の端部22aまでの貫通孔100aの軸方向の距離である。後述するようにナット30をねじ部23に装着して複合材部品51及び52を締結するためには、突き出し量Pが所定の範囲内であることが必要である。尚、突き出し量Pが所定の範囲内にない場合、締結部品25を取り外し、取り外した締結部品25とはグリップ長さLの異なる別の締結部品25を皿穴付き孔100aに配置する。
【0023】
図7を参照して、締結工程において、ナット30をねじ部23に装着して複合材部品51及び52を締結して結合体200を製造する。締結の後、平滑度Bを測定する。平滑度Bは、表面100bから頭部上面21aまでの皿穴付き孔100aの軸方向の距離である。平滑度Bは、頭部上面21aの表面100bからの沈み込み又は突き出しを表す。平滑度Bを所定の範囲に管理する必要がある。ここで、ナット30の締結部品25への装着により複合材部品51及び52が締め付けられて潰れる。その結果、頭部上面21aが皿穴付き孔100aの奥の方に引き込まれる。平滑度Bと平滑度Aの差(B−A)を締結部品25の引き込み量Δtとして定義する。
【0024】
図2を参照して、ワーク101〜110の各々はワーク100である。結合体201〜210の各々は結合体200である。ワーク101〜110から、穴あけ工程、締結部品配置工程、及び締結工程を経て、結合体201〜210を製造する。このとき、コンピュータ10に格納されるデータベース11が構築される。ワーク101の第N孔についての厚さt、皿穴深さd、平滑度A、及び平滑度Bとしての厚さt、皿穴深さd、平滑度A、及び平滑度Bをそれぞれ測定する。ワーク102〜110についても同様に、厚さt〜t10、皿穴深さd〜d10、平滑度A〜A10、及び平滑度B〜B10を測定する。データベース11は、第N孔について、厚さt〜t10、皿穴深さd〜d10、平滑度A〜A10、及び平滑度B〜B10を含むように構築される。このように、データベース11においては、データが孔ごとに管理される。
【0025】
図8を参照して、本実施形態に係る締結方法において、データベース11と結合体200の図面データ12とに基づいて、第N孔についての皿穴深さ演算式13を決定する。ここで、図面データ12は、結合体200の寸法等を指定するデータである。例えば、皿穴深さd〜d10、平滑度A〜A10、及び平滑度B〜B10に基づいて皿穴深さ演算式13を決定する。皿穴深さ演算式13は、前のワーク100(先に締結されるワーク)についての平滑度A及びBから、後のワーク100(後に締結されるワーク)の皿穴深さdを後のワーク100の平滑度Bが所定の範囲内になるように決定するための式である。皿穴深さ演算式13を用いることで、引き込み量Δtを予め考慮して皿穴深さdを決定することが可能である。
【0026】
図9を参照して、皿穴深さ演算式13を用いてワーク111〜121から結合体211〜221を製造する方法を説明する。ワーク111〜121の各々はワーク100である。結合体211〜221の各々は結合体200である。ワーク111〜121から、穴あけ工程、締結部品配置工程、及び締結工程を経て、結合体211〜221を製造する。皿穴深さ演算式13を用いてワーク111〜121から結合体211〜221を製造する方法は、以下の説明を除いて、図2〜図7を参照して説明した上記方法と同様である。ワーク111の穴あけ工程で利用するため、コンピュータ10は、皿穴深さ演算式13を用いて平滑度A10及びB10から皿穴深さd11を決定し、皿穴深さd11を出力する。ワーク111の穴あけ工程において、皿穴深さd11の皿穴付き孔100aを形成する。ワーク111についての厚さt11、皿穴深さd11、平滑度A11、及び平滑度B11を測定し、データベース11に追加する。ワーク112〜221についてもワーク111の場合と同様に、皿穴深さ演算式13を用いて一つ前のワークについての平滑度A及びBから皿穴深さd12〜d21を決定し、皿穴深さd12〜d21の皿穴付き孔100aを形成する。更に、ワーク112〜221についての厚さt12〜t21、皿穴深さd12〜d21、平滑度A12〜A21、及び平滑度B12〜B21を測定してデータベース11に追加する。
【0027】
本実施形態によれば、前のワーク100についての平滑度A及びBに基づいて後のワーク100の皿穴深さdを決定しているため、後のワーク100における平滑度Bを所定の範囲に管理することが容易である。
【0028】
平滑度A20及び平滑度B20からワーク121の皿穴深さd21を決定するかわりに、平滑度A11〜A20の平均値及び平滑度B11〜B20の平均値からワーク121の皿穴深さd21を決定してもよい。複数のワーク100についてのデータを用いて後のワーク100に形成すべき皿穴付き孔100aの皿穴深さdを決定することで、異常な引き込み量Δtを示すワーク100がたった一つ存在したときに、そのワーク100の平滑度A及びBが後のワーク100についての皿穴深さdの決定に大きく影響することが防止される。
【0029】
尚、平滑度Aと平滑度Bとの間に相関関係を見出すことができれば、平滑度Aのみから皿穴深さdを決定できるように皿穴深さ演算式13を決定し、この皿穴深さ演算式13を用いて前のワーク100についての平滑度Aから後のワーク100についての皿穴深さdを決定することが好ましい。このようにすることで、前のワーク100についての締結工程が完了する前に後のワーク100についての穴あけ工程を実行することができる。
【0030】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る締結方法は、以下の説明を除いて第1の実施形態に係る締結方法と同じである。
【0031】
図10を参照して、グリップ長さ決定テーブル14を用いてワーク111〜121から結合体211〜221を製造する方法を説明する。グリップ長さ決定テーブル14は、ワーク100についての厚さt及び皿穴深さdから、そのワーク100の締結に用いる締結部品25のグリップ長さLをそのワーク100についての突き出し量Pが所定の範囲内になるように決定するためのテーブルである。ワーク111の締結部品配置工程で利用するために、コンピュータ10は、グリップ長さ決定テーブル14を用いて厚さt11及び皿穴深さd11からグリップ長さLを決定する。ワーク111の締結部品配置工程において、決定されたグリップ長さLを有する締結部品25を選択し、選択した締結部品をワーク111の皿穴付き孔100aに配置する。ワーク112〜121についても、ワーク111の場合と同様に、ワーク112〜121の皿穴付き孔100aに配置すべき締結部品25を選択する。
【0032】
本実施形態によれば、突き出し量Pを確実に所定の範囲内とすることができる。したがって、皿穴付き孔100aに配置した締結部品25を別の締結部品25に交換する作業が不要になる。
【0033】
尚、上記第1の実施形態及び第2の実施形態において、皿穴深さ演算式13の決定後に得られたデータ(例えば、ワーク111〜115についての皿穴深さd11〜d15、平滑度A11〜A15、及び平滑度B11〜B15)に基づいて皿穴深さ演算式13を更新し、更新した皿穴深さ演算式13を用いてワーク121の皿穴深さd21を決定してもよい。このようにすることで、最新のデータを皿穴深さ演算式13に反映させることができる。
【0034】
以上、実施の形態を参照して本発明による締結方法を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、上記実施形態に様々な変更を行ったものも本発明に含まれる。例えば、本発明をリベットを用いた締結方法に適用してもよい。
【符号の説明】
【0035】
10…コンピュータ
11…データベース
12…図面データ
13…皿穴深さ演算式
14…グリップ長さ決定テーブル
15…厚さ測定器
16…皿穴形成工具
25…締結部品
20…皿ボルト
21…頭部
21a…頭部上面
22…円筒部
22a…端部
23…ねじ部
30…ナット
40…スリーブ
40a…端部
51、52…複合材部品
100(101〜121)…ワーク
100a…皿穴付き孔
100b、100c…表面
200(201〜221)…結合体
300…被締結物
300a…皿穴付き孔
300b、300c…表面
351、352…部品
420…締結部品(皿ボルト)
421a…頭部上面
440…ナット
t(t〜t21)…厚さ
d(d〜d21)…皿穴深さ
A(A〜A21)…平滑度
B(B〜B21)…平滑度
P…突き出し量
L…グリップ長さ
300…平滑度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ねられた複数の複合材部品としての第1被締結物に形成された第1皿穴付き孔に配置された第1締結部品の第1平滑度を測定するステップと、
前記第1平滑度に基づいて第2皿穴深さを決定するステップと、
重ねられた複数の複合材部品としての第2被締結物に前記第2皿穴深さの第2皿穴付き孔を形成するステップと、
前記第2皿穴付き孔に配置される第2締結部品を用いて前記第2被締結物を締結するステップと
を具備する
複合材部品の締結方法。
【請求項2】
請求項1に記載の複合材部品の締結方法であって、
前記第1平滑度を測定する前記ステップの後に、前記第1締結部品を用いて前記第1被締結物を締結するステップと、
前記第1被締結物を締結する前記ステップの後に、前記第1締結部品の第2平滑度を測定するステップと
を更に具備し、
前記第2皿穴深さを決定する前記ステップにおいて、前記第1平滑度及び前記第2平滑度に基づいて前記第2皿孔深さを決定する
複合材部品の締結方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の複合材部品の締結方法であって、
前記第2皿穴付き孔が形成されるべき部位における前記第2被締結物の厚さを測定するステップと、
前記第2皿穴深さ及び前記厚さに基づいて前記第2締結部品を選択するステップと
を更に具備する
複合材部品の締結方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の複合材部品の締結方法であって、
前記第2皿穴深さを決定する前記ステップにおいて、皿穴深さ演算式を用いて前記第2皿穴深さを決定し、
前記第2被締結物を締結する前記ステップの前に、前記第2皿穴付き孔に配置された前記第2締結部品の第2締結部品第1平滑度を測定するステップと、
前記第2被締結物を締結する前記ステップの後に、前記第2皿穴付き孔に配置された前記第2締結部品の第2締結部品第2平滑度を測定するステップと、
前記第2締結部品第1平滑度、前記第2締結部品第2平滑度、及び前記第2皿穴深さに基づいて前記皿穴深さ演算式を更新するステップと、
更新された前記皿穴深さ演算式に基づいて第3皿穴深さを決定するステップと、
重ねられた複数の複合材部品としての第3被締結物に前記第3皿穴深さの第3皿穴付き孔を形成するステップと、
前記第3皿穴付き孔に配置される第3締結部品を用いて前記第3被締結物を締結するステップと
を更に具備する
複合材部品の締結方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の複合材部品の締結方法であって、
前記第1締結部品は第1皿ボルトを備え、
前記第2締結部品は第2皿ボルトを備え、
前記第2被締結物を締結する前記ステップは、前記第2皿ボルトにナットを装着するステップを含む
複合材部品の締結方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−233500(P2012−233500A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100643(P2011−100643)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】