説明

複合機、複合機制御システム、複合機の制御方法、プログラムおよびその記録媒体

【課題】ユーザが文字入力を行うための操作入力用画面をサーバ装置50のアプリケーションによって生成される表示画面に応じた表示形態で表示する。
【解決手段】ユーザが文字入力を行うための操作入力用画像を表示する表示部12bと、上記操作入力用画像に対するユーザからの文字入力を受け付ける入力部12aと、上記操作入力用画像を生成するための初期設定条件を含む操作入力用画像設定データを記憶する記憶部15と、上記操作入力用画像設定データに基づいて上記操作入力用画像を生成する機器制御部21とを備え、機器制御部21は、サーバ装置50から受信した設定情報に応じて上記操作入力用画像設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した操作入力用画像を表示部12bに表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークを介して通信可能に接続された複合機とサーバ装置とが連携して動作する複合機制御システムおよび複合機制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、通信ネットワークを介してMFP(multifunction peripheral;複合機、多機能周辺装置)とサーバ装置とを通信可能に接続し、MFPの機能をサーバ装置から制御する複合機制御システムが知られている。このような複合機制御システムは、例えば特許文献1,2に開示されている。
【0003】
これらの技術では、一般に、MFPで動作するアプリケーション(MFP Native アプリケーション)と、サーバ装置で動作するアプリケーションとが連携してMFPの動作を制御するようになっている。
【0004】
ところで、ハードウェアキーボードを備えていないMFPにおいてユーザによる文字等のデータ入力を可能にするために、MFPの表示部に仮想キーボード(ソフトウェアキーボード)を表示させ、ユーザがこの仮想キーボードに対する操作を行うことによってデータ入力を行う技術がある。
【0005】
しかしながら、上記の仮想キーボードは、一般に、MFPに予め組み込まれたものであるため、MFP上のアプリケーションプログラムの表示画面間(例えばコピーやスキャンなどのジョブ実行画面間)での表示形態は統一されるものの、仮想キーボードのデザインや配列を入力項目毎、入力モード(例えば、全角かな、英数字など)毎、あるいはアプリケーションプログラム毎に切り替えたり、仮想キーボードを利用者に応じてカスタマイズしたりすることが行えなかった。
【0006】
これに対して、特許文献3には、利用者のニーズに合わせたカスタマイズ、および入力フィールド毎のきめ細かなデータ入力が行えるように、入力フィールドとそのデータ入力に使用される仮想キーボードとを予め対応付けて登録しておき、データ入力の際に対応付けられた仮想キーボードを使用する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−174400号公報(平成19年7月5日公開)
【特許文献2】特開2006−277005号公報(平成18年10月12日公開)
【特許文献3】特開2007−025808号公報(平成19年2月1日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献3の技術では、入力フィールドとそのデータ入力に使用される仮想キーボードとを予め対応付けておく必要があるので、手間がかかるという問題がある。
【0009】
また、サーバ装置で動作するアプリケーションで動作するアプリケーションに対する操作入力を行う場合、サーバ装置のアプリケーションによって生成された画面上(あるいはサーバ装置のアプリケーションによって生成された画面の合間)にMFPのアプリケーションにおいて予め用意された組込の仮想キーボード画面が表示されることになるので、デザインの一体感が損なわれてしまい、ユーザを混乱させてしまう場合がある。
【0010】
サーバ装置で動作するアプリケーションで動作するアプリケーションの画面と仮想キーボード画面とのデザインを統一する方法として、サーバ装置で動作するアプリケーションが仮想キーボードを生成する構成にすることが考えられる。しかしながら、その場合、かな/漢字変換(入力された文字(かな)を漢字変換した候補を表示し、選択された漢字を入力値として受け取る仕組み)などの日本語入力変換処理(文字変換処理)を行うことが困難になるという問題が生じる。すなわち、通常は、サーバ装置からMFPに提供される表示画面データはHTMLなどのマークアップ言語であり、MFPのブラウザが当該表示画面データを解析して表示するようになっている。また、上記のような文字変換処理はブラウザの機能ではなくMFPに組み込まれた日本語入力変換機能(文字変換機能)が行っている。したがって、仮想キーボード画面をサーバ装置のアプリケーションが生成してMFPに提供する構成では、かな/漢字変換などの文字変換処理を行うことが困難になる。
【0011】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信ネットワークを介して通信可能に接続された複合機とサーバ装置とが連携して複合機の動作を制御する構成において、ユーザが文字入力を行うための操作入力用画面をサーバ装置のアプリケーションによって生成される表示画面に応じた表示形態で表示させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の複合機は、上記の課題を解決するために、アプリケーションプログラムを実行するサーバ装置に対して通信ネットワークを介して通信可能に接続され、上記アプリケーションプログラムの指示に応じた処理を実行する複合機であって、ユーザが文字入力を行うための操作入力用画像を表示する表示部と、上記操作入力用画像に対するユーザからの文字入力を受け付ける入力受付部と、上記操作入力用画像を生成するための初期設定条件を含む初期設定データを記憶する記憶部と、上記初期設定データに基づいて上記操作入力用画像を生成する画像生成部とを備え、上記画像生成部は、上記サーバ装置から受信した設定更新データに応じて上記初期設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した操作入力用画像を上記表示部に表示させることを特徴としている。
【0013】
また、本発明の複合機制御システムは、アプリケーションプログラムを実行するサーバ装置と、当該サーバ装置に対して通信ネットワークを介して通信可能に接続され、上記アプリケーションプログラムの指示に応じた処理を実行する複合機とを備えた複合機制御システムであって、ユーザが文字入力を行うための操作入力用画像を表示する表示部と、上記操作入力用画像に対するユーザからの文字入力を受け付ける入力受付部と、上記操作入力用画像を生成するための初期設定条件を含む初期設定データを記憶する記憶部と、上記初期設定データに基づいて上記操作入力用画像を生成する画像生成部とを備え、上記画像生成部は、上記サーバ装置から受信した設定更新データに応じて上記初期設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した操作入力用画像を上記表示部に表示させることを特徴としている。
【0014】
また、本発明の複合機の制御方法は、アプリケーションプログラムを実行するサーバ装置と、当該サーバ装置に対して通信ネットワークを介して通信可能に接続され、上記アプリケーションプログラムの指示に応じた処理を実行する複合機の制御方法であって、上記複合機は、ユーザが文字入力を行うための操作入力用画像を表示する表示部と、上記操作入力用画像に対するユーザからの文字入力を受け付ける入力受付部と、上記操作入力用画像を生成するための初期設定条件を含む初期設定データを記憶する記憶部とを備えており、上記複合機が上記サーバ装置から受信した設定更新データに応じて上記初期設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更した操作入力用画像データを生成する工程と、上記複合機が上記操作入力用画像データに応じた操作入力用画像を上記表示部に表示させる工程とを含むことを特徴としている。
【0015】
上記の複合機、複合機制御システム、および複合機の制御方法によれば、上記複合機は、ユーザが文字入力を行うための操作入力用画像を表示する表示部と、上記操作入力用画像に対するユーザからの文字入力を受け付ける入力受付部と、上記操作入力用画像を生成するための初期設定条件を含む初期設定データを記憶する記憶部と、上記初期設定データに基づいて上記操作入力用画像を生成する画像生成部とを備えている。そして、上記複合機は、上記サーバ装置から受信した設定更新データに応じて上記初期設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した操作入力用画像を上記表示部に表示させる。すなわち、複合機に予め組み込まれている操作入力用画像を、通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置において動作するアプリケーションからの指示に応じて変更して表示させる。これにより、ユーザが文字入力を行うための操作入力用画面をサーバ装置のアプリケーションによって生成される表示画面に応じた表示形態で表示することができる。
【0016】
また、上記表示部は上記アプリケーションプログラムから受信した操作画面データに応じた操作画面を表示し、上記入力受付部は上記操作画面に対するユーザからの操作入力を受け付け、上記画像生成部は、上記入力受付部が受け付けた上記操作入力が上記操作画面におけるユーザからの文字入力を必要とする入力項目の選択指示であった場合に、上記操作画面データに示されている当該入力項目に対応付けられた要求先に当該入力項目に対応する上記設定更新データの送信を要求し、当該要求に対する応答に含まれる上記設定更新データに応じて上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更する構成としてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、ユーザから上記操作画面における文字入力を必要とする入力項目の選択指示がなされたときに、当該入力項目に応じた設定更新データを自動的に取得し、操作入力用画像の表示形態を取得した設定更新データに応じて自動的に変更して表示することができる。
【0018】
また、上記初期設定条件には上記操作入力用画像に表示させる複数のパーツ画像を示す情報が含まれており、上記設定更新データは、上記複数のパーツ画像のうちの一部のパーツ画像を上記操作入力用画像に表示させ、残りのパーツ画像を上記操作入力用画像に表示させないように上記初期設定条件を変更させるための情報である構成としてもよい。例えば、上記初期設定条件に含まれる上記複数のパーツ画像には、ユーザが選択指示を行うためのキーボタン画像が含まれており、上記設定更新データは、上記キーボタン画像のうちの一部のキーボタン画像を上記操作入力用画像に表示させ、残りのキーボタン画像を上記操作入力用画像に表示させないように上記初期設定条件を変更させるための情報であってもよい。
【0019】
上記の構成によれば、初期設定条件に含まれるパーツ画像のうち、必要に応じたパーツ画像のみを表示させる一方、表示する必要のないパーツ画像を表示させないように操作入力用画像を変更することができる。
【0020】
また、上記初期設定条件には上記操作入力用画像に表示させる複数のパーツ画像を示す情報が含まれており、上記設定更新データは、上記初期設定条件のうち、上記操作入力用画像の表示位置、上記操作入力用画像の表示サイズ、上記操作入力用画像に表示させるパーツ画像、上記操作入力用画像に表示させるパーツ画像の色、サイズ、形状、表示位置、上記操作入力用画像に表示させるパーツ画像に含まれる文字、上記操作入力用画像に表示させるパーツ画像に含まれる文字の色、サイズ、フォント、太さ、および表示位置の少なくとも1つを変更させるための情報である構成としてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、操作入力用画像あるいは操作入力用画像に含まれるパーツ画像の表示形態を、通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置において動作するアプリケーションからの指示に応じて変更し、当該アプリケーションに応じた表示形態で表示させることができる。
【0022】
また、上記設定更新データには、上記初期設定条件に対する変更内容が示された設定ファイルの格納先を特定するための情報が含まれており、上記画像生成部は、上記設定更新データに基づいて上記設定ファイルを取得し、取得した上記設定ファイルに基づいて上記操作入力用画像を生成する構成としてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、例えば操作入力用画像を生成するための初期設定条件が複合機の機種ごとに異なっている場合であっても、通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置において動作するアプリケーションから設定ファイルの格納先を指定するだけで、当該アプリケーションに適した操作入力用画像を表示させることができる。
【0024】
また、上記記憶部は、上記初期設定条件に対する変更内容が示された1または複数の設定ファイルを記憶しており、複数の表示仕様に対応する複数の上記設定ファイルを記憶しており、上記設定更新データには、上記操作入力用画像の生成に適用する設定ファイルまたは当該設定ファイルの格納先を特定するための情報が含まれており、上記画像生成部は、上記設定更新データによって特定される上記設定ファイルを上記記憶部から読み出し、読み出した上記設定ファイルに基づいて上記操作入力用画像を生成する構成としてもよい。
【0025】
上記の構成によれば、例えば操作入力用画像を生成するための初期設定条件が複合機の機種ごとに異なっている場合であっても、通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置において動作するアプリケーションから設定ファイルまたは当該設定ファイルの格納先を指定するだけで、当該アプリケーションに適した操作入力用画像を表示させることができる。なお、上記記憶部は複数の表示仕様に対応する複数の設定ファイルを記憶しており、上記設定ファイルを特定するための情報は操作入力用画像の表示仕様を指定するものであってもよい。この場合、サーバ装置において動作するアプリケーションが操作入力用画像の表示仕様を指定するだけで、当該表示仕様に応じた操作入力用画像を複合機の表示部に表示させることができる。
【0026】
なお、上記複合機は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各部として動作させることにより、上記複合機をコンピュータにて実現させるプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本発明の複合機は、ユーザが文字入力を行うための操作入力用画像を表示する表示部と、上記操作入力用画像に対するユーザからの文字入力を受け付ける入力受付部と、上記操作入力用画像を生成するための初期設定条件を含む初期設定データを記憶する記憶部と、上記初期設定データに基づいて上記操作入力用画像を生成する画像生成部とを備え、上記画像生成部は、上記サーバ装置から受信した設定更新データに応じて上記初期設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した操作入力用画像を上記表示部に表示させる。
【0028】
また、本発明の複合機制御システムは、上記複合機が、ユーザが文字入力を行うための操作入力用画像を表示する表示部と、上記操作入力用画像に対するユーザからの文字入力を受け付ける入力受付部と、上記操作入力用画像を生成するための初期設定条件を含む初期設定データを記憶する記憶部と、上記初期設定データに基づいて上記操作入力用画像を生成する画像生成部とを備えており、上記画像生成部は、上記サーバ装置から受信した設定更新データに応じて上記初期設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した操作入力用画像を上記表示部に表示させる。
【0029】
また、本発明の複合機の制御方法は、上記複合機が、ユーザが文字入力を行うための操作入力用画像を表示する表示部と、上記操作入力用画像に対するユーザからの文字入力を受け付ける入力受付部と、上記操作入力用画像を生成するための初期設定条件を含む初期設定データを記憶する記憶部とを備えており、上記複合機が上記サーバ装置から受信した設定更新データに応じて上記初期設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更した操作入力用画像データを生成する工程と、上記複合機が上記操作入力用画像データに応じた操作入力用画像を上記表示部に表示させる工程とを含む。
【0030】
それゆえ、本発明の複合機、複合機制御システム、および複合機の制御方法によれば、ユーザが文字入力を行うための操作入力用画面をサーバ装置のアプリケーションによって生成される表示画面に応じた表示形態で表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態にかかる複合機および複合機制御システムの構成を示す説明図である。
【図2】図1に示した複合機制御システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】図1に示した複合機の表示部に表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【図4】図1に示した複合機に記憶されている管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図5】図1に示した複合機制御システムにおいてサーバ装置から複合機に送信される表示画面データの一例を示す説明図である。
【図6】図5に示した表示画面データに基づいて複合機の表示部に表示される表示画面を示す説明図である。
【図7】図1に示した複合機制御システムにおいてサーバ装置から複合機に送信される表示画面データの他の例を示す説明図である。
【図8】図1に示した複合機制御システムにおいて、複合機に予め組み込まれた操作入力用画像データに基づいて表示される操作入力用画像の一例を示す説明図である。
【図9】図1に示した複合機制御システムにおいてサーバ装置から複合機に送信される、操作入力用画像をカスタマイズするための設定ファイルの一例を示す説明図である。
【図10】図8に示した操作入力用画像を図9に示した設定ファイルに基づいてカスタマイズした操作入力用画像を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の一実施形態について説明する。
【0033】
(1−1.複合機制御システム1の全体構成)
図1は、本実施形態にかかる複合機制御システム1の構成を示す説明図である。この図に示すように、複合機制御システム1は、複合機(MFP)10と、サーバ装置(アプリケーションサーバ装置)50とを含んでおり、これらの装置が通信ネットワーク30を介して通信可能に接続されている。複合機制御システム1に含まれる複合機10の台数は複数であってもよく、サーバ装置50の台数も複数であってもよい。なお、通信ネットワーク30としては、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線、シリアルケーブル等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。また、複合機10とサーバ装置50とは、ウェブサーバとウェブブラウザとの間の通信(例えば、ウェブページの要求および送信)に用いられるプロトコルであるHTTP(Hyper Text Transfer Protocol:ハイパーテキスト転送プロトコル)を用いて通信を行うようになっている。
【0034】
(1−2.複合機10の構成)
複合機10は、HTTPを用いてサーバ装置50からHTML形式の制御情報を受け取り、受け取った制御情報に基づいて複合機10の各種機能(例えば、スキャン機能、印刷機能、コピー機能、ファクシミリの送受信機能、通信機能など)を実行するデジタル複合機またはアナログ複合機である。
【0035】
複合機10は、制御部(画像生成部)11、操作部12、画像読取部13、画像形成部14、記憶部15、および第2通信部16を備えている。また、制御部11は、機器制御部(画像生成部)21、ウェブブラウザ部22、制御アプリケーション部23、および第2ウェブサーバ部24を備えている。
【0036】
操作部12は、ユーザに対して各種情報を通知するとともに、ユーザからの入力を受け付けるユーザインターフェイスである。操作部12は、各種の入力キーを含む入力部(入力受付部)12aと、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)などの表示部12bとを備えている。なお、操作部12は、入力部12aと表示部12bとが一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
【0037】
また、操作部12は、ユーザが文字入力等のデータ入力を行う必要がある場合に、仮想キーボード画面等の操作入力画面を表示部12bに表示させ、この操作入力画面に対するユーザの操作に応じて文字入力等のデータ入力を受け付ける機能を備えている。なお、操作入力画面に対するユーザの操作方法は特に限定されるものではない。例えば、操作部12がタッチパネルである場合、操作入力画面の入力項目に触れることによって行ってもよい。また、マウス、ペン入力装置、手書きパッド、ジェスチャーパッド等のポインティングデバイス、キー操作ボタン、音声入力装置等を用いて行ってもよい。
【0038】
画像読取部13は、スキャナと、原稿をスキャナの位置まで搬送する原稿搬送部とを含んでおり、原稿に印刷された文字や画像などを画像データとして読み取るスキャン機能を実行する。なお、画像読取部13は、所定の解像度で画像を読み取る。
【0039】
画像形成部14は、用紙などの記録シートに対して、入力された画像データに対応する画像(文字/写真/グラフィック)を印刷するためのものであり、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、および用紙トレイなどを含む。具体的には、画像形成部14は、画像読取部13から入力された画像データを印刷するコピー機能、および外部装置から入力された画像データを印刷するプリンタ機能を実行する。
【0040】
第2通信部16は、通信ネットワーク30を介して、サーバ装置50などの外部装置との間で通信を行う通信インターフェイスである。本実施形態では、上述したように、第2通信部16はサーバ装置50とHTTPを用いて通信する。また、第2通信部16は、アクセス先が自装置のIPアドレスが示されている場合、複合機10内部の第2ウェブサーバ部24にアクセスすることもできる。
【0041】
制御部11は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどの記憶部(いずれも図示せず)などにより構成されるコンピュータ装置であり、上記記憶部に記憶されている各種情報および各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行することで機器制御部21、ウェブブラウザ部22、制御アプリケーション部23、および第2ウェブサーバ部24の機能を実現する。
【0042】
ウェブブラウザ部22は、汎用されているウェブブラウザのソフトウェアに従った動作を行うものである。ウェブブラウザ部22は、第2通信部16を介して、サーバ装置50が有する第1ウェブサーバ部53だけでなく、複合機10内部の第2ウェブサーバ部24とも通信を行うことができる。本実施形態では、ウェブブラウザ部22は、情報表示画面のデータを要求する場合であって、複合機10の各種機能(例えば、コピー機能)を制御するための制御コマンドを実行しない場合に、サーバ装置50が有する第1ウェブサーバ部53と通信するように設定されている。一方、ウェブブラウザ部22は、複合機10の各種機能を制御するための制御コマンドを実行する場合には、複合機10内部の第2ウェブサーバ部24と通信するように設定されている。
【0043】
第2ウェブサーバ部24は、汎用されているウェブサーバのソフトウェアに従った動作を行うものである。ここで、ウェブサーバとは、インターネット上の情報システムであるWWW(World Wide Web)を構成するサーバ装置の機能を提供するソフトウェアである。第2ウェブサーバ部24は、ウェブブラウザ部22からの要求(HTTPリクエスト)を受信し、当該要求に応じたアプリケーションを実行させ、ウェブブラウザ部22に対して応答(HTTPレスポンス)を行うものである。
【0044】
制御アプリケーション部23は、ウェブサーバ上で動作するウェブアプリケーションに従った処理を実行するものである。制御アプリケーション部23は、複合機10の各種機能(例えば、コピー機能)を制御する必要がある場合、当該機能を制御するための制御コマンドを機器制御部21に送る。もしくは、制御アプリケーション部23は、制御コマンドに従って、ウェブブラウザ部22を制御することで、複合機10に固有の固有情報を第1ウェブサーバ部53に送信するように通信制御してもよい。これにより、複合機10の機能を制御することができる。
【0045】
機器制御部21は、複合機10の各種機能を制御するものである。具体的には、機器制御部21は、画像読取部13、画像形成部14、第2通信部16、および操作部12等の各部の動作を制御する。
【0046】
例えば、機器制御部21は、画像読取部13の動作を制御して、スキャン画像のデータを取得する。また、機器制御部21は、画像形成部14の動作を制御して、画像データに応じた画像を記録材上に形成(出力)する。
【0047】
機器制御部21は、固有操作モードと、連携操作モードとを有している。固有操作モードは複合機10に固有のモードであり、予め複合機10内で記憶している情報表示画面を表示部12bに表示させ、当該情報表示画面に対して入力された指示を入力部12aから受け取り、当該指示に従って複合機10の各種機能を制御する。一方、連携操作モードでは、機器制御部21は、サーバ装置50から受け取った情報表示画面を表示部12bに表示させ、当該情報表示画面に対して入力された指示に基づいて制御アプリケーション部23から受けた制御指示に従って上記のような制御を行う。あるいは、予め複合機10内で記憶している情報表示画面の少なくとも一部をサーバ装置50から受け取った指示に応じて変更した情報表示画面を表示部12bに表示させ、当該情報表示画面に対して入力された指示に基づいて制御アプリケーション部23から受けた制御指示に従って上記のような制御を行う。
【0048】
固有操作モード時には、機器制御部21は、現在の複合機10の構成や状態に合わせて、記憶部15に保持されているパーツ(構成要素画像)単位の画像情報を適宜組み合わせ、情報表示画面上に表示するなどの制御も行う。なお、固有操作モードは、従来の複合機で行われている一般的なモードであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0049】
連携操作モードの実行指示が入力された場合、機器制御部21は、ウェブブラウザ部22を起動させ、予め設定されたURL(本実施形態では、サーバ装置50の第1ウェブサーバ部53に対して初期情報表示画面の送信を要求するURLである)に従った処理を実行させる。そして、連携操作モードでは、機器制御部21は、制御アプリケーション部23から制御コマンドを受け付け、当該制御コマンドに従った制御を行う。
【0050】
機器制御部21は、複合機10の機種に依存しない制御コマンドを受け付け可能なOpenI/F部21aを備えている。OpenI/F部21aは、複合機10の各種機能を制御するための制御コマンドを制御アプリケーション部23に公開しており、制御アプリケーション部23から制御コマンドを受け付けるとともに、受け付けた制御コマンドを、機器制御部21で認識可能なコマンドに変換するものである。
【0051】
OpenI/F部21aは、外部に公開している制御コマンドと、機器制御部21で認識可能なコマンドとを対応付けた変換テーブルを記憶する変換テーブル記憶部(図示せず)を備えており、当該変換テーブルに従って、コマンドの変換処理を行う。
【0052】
このように、OpenI/F部21aは、複合機10の機種によらない共通の制御コマンドを受け付け可能である。これにより、制御アプリケーション部23を動作させるためのウェブアプリケーションは、複合機10によらず共通のものを用いることができる。そのため、新たなウェブアプリケーションに従って制御アプリケーション部23を動作させる場合、各複合機10に対して同じウェブアプリケーションをインストールするだけでよく、複合機10ごとにウェブアプリケーションの変更を行う必要がなくなる。これにより、制御アプリケーション部23を動作させるためのウェブアプリケーションの開発を容易に行うことができる。
【0053】
(1−3.サーバ装置50の構成)
サーバ装置50は、図1に示したように、第1通信部52と、制御部51とを備えている。また、制御部51は、第1ウェブサーバ部53と、外部アプリケーション部54とを備えている。
【0054】
制御部51は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどの記憶部(いずれも図示せず)などにより構成されるコンピュータ装置であり、上記記憶部に記憶されている各種情報および各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行することで第1ウェブサーバ部53、および外部アプリケーション部54の機能を実現する。
【0055】
第1通信部52は、LANやインターネット回線等を介して複合機10と通信するものである。また、第1通信部52は、HTTPの通信プロトコルを用いて複合機10と通信する。
【0056】
第1ウェブサーバ部53は、ウェブサーバのソフトウェアに従って動作するものである。第1ウェブサーバ部53は、第1通信部52を介して複合機10からの要求(ここでは、HTTPリクエスト)を受信し、当該HTTPリクエストに応じたファイルや画像データ、印刷データ、制御情報などを、第1通信部52を介して当該複合機10に応答する機能を有する。
【0057】
外部アプリケーション部54は、第1ウェブサーバ部53からの指示に応じて、所定のウェブアプリケーションに従った動作を行う。すなわち、外部アプリケーション部54は、ウェブサーバ上で動作する各種のウェブアプリケーションに従った動作を行うものである。
【0058】
例えば、外部アプリケーション部54は、複合機10からの要求(HTTPリクエスト)が情報表示画面の送信要求である場合、情報表示画面送信アプリケーションに従った動作を行う。具体的には、外部アプリケーション部54は、当該送信要求で示される情報表示画面のHTMLデータを記憶部から読み出し、第1ウェブサーバ部53に送る。
【0059】
また、外部アプリケーション部54は、複合機10からの要求が印刷データの送信要求である場合、印刷アプリケーションに従った動作を行う。具体的には、外部アプリケーション部54は、当該送信要求で示されるフォルダ名のフォルダから指定されたファイル名の印刷データを取得し、その印刷データを第1ウェブサーバ部53に送る。
【0060】
また、外部アプリケーション部54は、当該外部アプリケーション部54において実行中のアプリケーションにおいて複合機10のユーザが文字入力等のデータ入力を行う必要が有る場合には、複合機10に組み込まれている仮想キーボード等の操作入力画面を実行中の上記アプリケーション、データ入力を行う入力項目、入力モード(ひらがな、カタカナ、英数字等)などの条件に応じてカスタマイズするための情報を生成して第1ウェブサーバ部53に送る。第1ウェブサーバ部53は、当該情報を、第1通信部52を介して複合機10に送信する。
【0061】
(1−4.連携操作モードの動作)
次に、複合機10とサーバ装置50とが連携して処理を実行する連携操作モードの処理において、複合機10の表示部12bにユーザが文字入力(データ入力)を行うための仮想キーボード(操作入力用画像)を表示させる場合の処理について説明する。具体的には、複合機10がサーバ装置50から文字入力が必要となるコントロール(テキストボックス)を含む画面データを受信して表示部12bに表示した後、ユーザが当該コントロールを選択した際に表示部12bに仮想キーボードを表示させる場合の処理について説明する。
【0062】
図2は、この場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【0063】
まず、機器制御部21は表示部12bに外部アプリケーション起動画面を表示させる(S1)。図3は、表示部12bに表示させる外部アプリケーション起動画面の一例を示す説明図である。なお、外部アプリケーション起動画面のデータは、記憶部15に予め記憶させておいてもよく、機器制御部21が第2通信部16を介してサーバ装置50にアクセスして取得するようにしてもよい。
【0064】
次に、ユーザから入力部12aを介して入力される外部アプリケーションの選択指示を受け付けると(S2)、機器制御部21は、ウェブブラウザ部22を起動し、選択された外部アプリケーションに関連付けられたURLに初期操作画面の送信を要求するためのHTTP Getコマンドを送信させる(S3)。具体的には、外部アプリケーション起動画面に表示される各外部アプリケーションと、当該各外部アプリケーションの初期操作画面を要求するためのURLとを対応付けた管理テーブルが予め記憶部15に記憶されている。そして、機器制御部21は、この管理テーブルから初期操作画面の送信を要求するためのURLを取得してウェブブラウザ部22に通知し、当該URLに初期操作画面の送信を要求するためのHTTP Getコマンドを送信させる。図4は記憶部15に記憶されている管理テーブルの一例を示す説明図である。
【0065】
サーバ装置50の第1ウェブサーバ部53は当該Getコマンド(初期操作画面の送信要求)を受信すると(S21)、当該Getコマンドに対応する初期操作画面のHTMLデータ(初期操作画面データ)を複合機10に応答(返信)する(S22)。
【0066】
複合機10の機器制御部21は、第2通信部16がサーバ装置50から初期操作画面データを受信すると(S4)、受信した初期操作画面データに応じた初期操作画面を表示部12bに表示させる(S5)。図5はサーバ装置50から複合機10に初期操作画面として返信されるログイン画面のHTMLデータの一例であり、図6はこのHTMLデータに基づいて複合機10の表示部12bに表示されるログイン画面(初期操作画面)を示している。なお、初期操作画面はこのようなログイン画面に限定されるものではなく、アプリケーションに応じて適宜設定すればよい。
【0067】
次に、機器制御部21は、入力部12aを介してユーザから文字入力開始命令を受け付けると(S6)、記憶部15に予め記憶している操作入力用画像をカスタマイズ(変更)する必要があるか否かを判断する(S7)。すなわち、記憶部15に予め記憶している、操作入力用画像を生成するための初期設定条件を含む初期設定データにおける上記初期設定条件を変更する必要があるか否かを判断する。
【0068】
なお、上記の文字入力開始命令は、例えば、ユーザが初期操作画面(サーバ装置50で動作されるアプリケーションに応じた表示画面)に含まれるテキストボックス(文字入力領域、データ入力領域)を選択することによって行われる。
【0069】
また、上記の操作入力用画像としては、例えば、ユーザーが文字入力を行うための仮想キーボード画像(ソフトウェアキーボード画像)、タッチパネルや各種ポインティングデバイス等を利用して手書き入力を行うための手書き入力領域を含む手書き入力用画面(手書き入力用画像)、音声入力を行うための音声入力用画像(音声入力操作用画面)などが挙げられる。
【0070】
また、機器制御部21は、上記のカスタマイズする必要があるか否かの判断を、例えば、ログイン画面のHTMLデータにおいて、上記テキストボックスに関連付けられた操作入力用画像の設定ファイル(設定更新データ)を取得するための外部リンク(設定ファイルの取得要求を行う要求先を示す情報)が含まれているか否かに応じて行う。
【0071】
図7は、ログイン画面のHTMLデータにおいて、テキストボックスに操作入力用画像の設定ファイルを取得するための外部リンクが関連付けられている場合の例を示す説明図である。この図に示す例では、図6に示したログイン画面における「ログイン名」の右のテキストボックス、あるいは「パスワード」の右のテキストボックスが選択操作された場合に、外部リンク「src="http://123.123.123/app/keyboad.xml"」に対して設定ファイルの送信要求が行われるように設定されている。なお、図7に示したHTMLデータに基づいて表示部12bに表示される操作入力用画像は、図5に示したHTMLデータに基づいて表示部12bに表示される操作入力用画像(図6参照)と同様である。
【0072】
また、上記の設定ファイルに含まれる情報としては、例えば、上記操作入力用画像の表示部12bにおける表示位置や表示サイズ、上記操作入力用画像に表示させるパーツ画像および/または表示させないパーツ画像、上記操作入力用画像に表示させるパーツ画像の色、サイズ、形状、表示位置、当該パーツ画像に含まれる文字、上記操作入力用画像に表示させるパーツ画像に含まれる文字の色、サイズ、フォント、太さ、および表示位置、あるいはこれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0073】
S7において操作入力用画像のカスタマイズが不要であると判断した場合、機器制御部21は、記憶部15に予め記憶している操作入力用画像データに基づく操作入力用画像を表示部12bに表示させ(S11)、処理を終了する。図8は、記憶部15に予め記憶している操作入力用画像データに基づいて表示部12bに表示される操作入力用画像の一例を示している。
【0074】
一方、S7において操作入力用画像のカスタマイズが必要であると判断した場合、機器制御部21は、ウェブブラウザ部22を制御し、S4で取得した初期操作画面のHTMLデータに含まれている、S6で選択されたテキストボックスに関連付けられた操作入力用画像の設定ファイルを取得するための外部リンク先に対して設定ファイルの送信を要求するためのHTTP Getコマンドを、第2通信部16を介して送信させる(S8)。なお、本実施形態では、設定ファイルの要求先がサーバ装置50内のアドレスに設定されているが、これに限るものではない。例えば、設定ファイルの要求先は、サーバ装置50とは別に備えられる他の装置であってもよい。また、設定ファイルの要求先は、複合機10内の第2ウェブサーバ部24であってもよい。例えば、複合機の機種ごと(あるいは表示仕様ごと)にカスタマイズされた設定ファイルを複合機10の内部に記憶させておき、外部アプリケーション部54が複合機内部の上記設定ファイルが保存されているアドレスに対応するループバックアドレス(例:http://123.123.123・・・→http://「ループバックアドレス」・・・)を指定するにより、複合機10自身に記憶されている上記設定ファイルにアクセスすることができる。
【0075】
サーバ装置50の第1ウェブサーバ部53は当該送信要求を受信すると(S23)、当該送信要求に対応する設定ファイルを複合機10に応答(返信)する(S24)。
【0076】
複合機10の機器制御部21は、第2通信部16がサーバ装置50から設定ファイルを受信すると(S9)、受信した設定ファイルに応じて記憶部15に予め記憶していた操作入力用画面をカスタマイズする(S10)。そして、機器制御部21は、カスタマイズした操作入力用画面を表示部12bに表示させ(S11)、処理を終了する。
【0077】
図9は、サーバ装置50から複合機10に送信される設定ファイルの一例を示す説明図である。すなわち、図9は、「src="http://123.123.123/app/keyboad.xml"」に相当する設定ファイルの一例を示している。また、図10は、記憶部15に予め記憶している操作入力用画像を図9に示した設定ファイルに基づいてカスタマイズした結果を示す説明図である。なお、図9および図10の例では、ログイン名の入力に使用できる文字を英数字に限定するため、図8に示した初期設定データに基づく操作入力用画像(記憶部15に予め記憶している初期設定データに基づいて生成される操作入力用画像)に含まれるキーボタン画像のうち、英数字の入力に不要なキーボタン画像については非表示とし、かつ表示させる各キーボタン画像の表示位置を図8における表示位置から変更している。
【0078】
図9に示した例では、<Title>という要素が配置されており、当該要素において「ログイン名」という文字が設定されている。これにより、図10に示したように、操作入力用画面の一部に「ログイン名」というタイトルが表示されている。すなわち、記憶部15に記憶している操作入力用画像(図8参照)ではタイトルは表示されなかったが、設定ファイルに基づくカスタマイズ後の操作入力用画像では、「ログイン名」というタイトルが表示されている。
【0079】
また、図9に示した例では、<Background>という要素によって操作用入力画像の背景色が指定されている。これにより、図8に示したカスタマイズ前の操作用入力画像では背景色が白を基調とするものであったのに対して、図10に示したカスタマイズ後の操作入力用画像では背景色が黒を基調とするものに変更されている。なお、ここでは、背景色の基調とする色を変更する場合の例を示したが、例えば、背景に表示させる画像の画像データが保存されているURLを指定しておき、機器制御部21が当該URLから取得した画像データに基づいて背景画像を作成するようにしてもよい。
【0080】
また、図9に示した例では、<KeyLayout>という要素により、記憶部15に予め記憶している操作入力用画像に含まれるキーボタン画像のうち、カスタマイズ後に表示させるキーボタン画像を特定するための情報、および各キーボタン画像の表示位置が指定されている。すなわち、<KeyLayout>要素内には、操作入力用画像に含める各キーボタン画像についての属性値(key属性、key name属性、x属性、およびy属性)が記述されている。
key属性は、設定対象のキーを示す属性である。例えば、key=”a”という属性値は当該設定がキー”a”に関する設定であることを示している。また、key name属性はキーボタン画像の名称を示している。また、x属性は表示部12bにおける水平方向(x方向)の表示位置を示しており、y属性は表示部12bにおける垂直方向(y方向)の表示位置を示している。これにより、例えば、key”a”に設定されているx=”126” y=”150”は、画面の左上の座標をx=0、y=0として、座標x=”126” y=”150”の位置にキーボタンを配置するよう指定している。
【0081】
以上のように、本実施形態にかかる複合機制御システム1は、通信ネットワーク30を介して互いに通信可能に接続された複合機10とサーバ装置50とを備えており、複合機10は、ユーザが文字入力を行うための操作入力用画像を表示する表示部12bと、上記操作入力用画像に対するユーザからの文字入力を受け付ける入力部(入力受付部)12aと、上記操作入力用画像を生成するための初期設定条件を含む初期設定データを記憶する記憶部15と、上記初期設定データに基づいて上記操作入力用画像を生成する機器制御部(画像生成部)21とを備え、機器制御部21は、サーバ装置50から受信した設定更新データに応じて上記初期設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した操作入力用画像を表示部12bに表示させる。
【0082】
これにより、複合機10に予め組み込まれている操作入力用画像を、通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置50において動作するアプリケーションからの指示に応じて変更して表示させることができる。したがって、ユーザが文字入力を行うための操作入力用画面をサーバ装置50のアプリケーションによって生成される表示画面に応じた表示形態で表示することができる。
【0083】
なお、上記操作入力用画像は、表示部12bの全面に表示されるものであってもよく、表示部12bの一部に表示されるものであってもよい。例えば、サーバ装置50のアプリケーションに応じた表示画面の一部に操作入力用画像を表示させるようにしてもよい。
【0084】
また、本実施形態において、複合機10および/またはサーバ装置50に備えられる各部(各ブロック)、特に複合機10の制御部11および/またはサーバ装置50の制御部51を、CPU等のプロセッサを用いてソフトウェアによって実現してもよい。この場合、複合機10および/またはサーバ装置50は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである複合機10および/またはサーバ装置50の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、複合機10および/またはサーバ装置50に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成される。
【0085】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0086】
また、複合機10および/またはサーバ装置50を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0087】
また、複合機10および/またはサーバ装置50の各ブロックは、ソフトウェアを用いて実現されるものに限らず、ハードウェアロジックによって構成されるものであってもよく、処理の一部を行うハードウェアと当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うソフトウェアを実行する演算手段とを組み合わせたものであってもよい。
【0088】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、通信ネットワークを介して通信可能に接続された複合機とサーバ装置とが連携して動作する複合機制御システム、複合機制御方法、および上記複合機制御システムに備えられる複合機に適用できる。
【符号の説明】
【0090】
1 複合機制御システム
10 複合機
11 制御部(画像生成部)
12 操作部
12a 入力部(入力受付部)
12b 表示部
13 画像読取部
14 画像形成部
15 記憶部
16 第2通信部
21 機器制御部(画像生成部)
21a OpenI/F部
22 ウェブブラウザ部
23 制御アプリケーション部
24 第2ウェブサーバ部
30 通信ネットワーク
50 サーバ装置
51 制御部
52 第1通信部
53 第1ウェブサーバ部
54 外部アプリケーション部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションプログラムを実行するサーバ装置に対して通信ネットワークを介して通信可能に接続され、上記アプリケーションプログラムの指示に応じた処理を実行する複合機であって、
ユーザが文字入力を行うための操作入力用画像を表示する表示部と、
上記操作入力用画像に対するユーザからの文字入力を受け付ける入力受付部と、
上記操作入力用画像を生成するための初期設定条件を含む初期設定データを記憶する記憶部と、
上記初期設定データに基づいて上記操作入力用画像を生成する画像生成部とを備え、
上記画像生成部は、上記サーバ装置から受信した設定更新データに応じて上記初期設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した操作入力用画像を上記表示部に表示させることを特徴とする複合機。
【請求項2】
上記表示部は上記アプリケーションプログラムから受信した操作画面データに応じた操作画面を表示し、
上記入力受付部は上記操作画面に対するユーザからの操作入力を受け付け、
上記画像生成部は、上記入力受付部が受け付けた上記操作入力が上記操作画面におけるユーザからの文字入力を必要とする入力項目の選択指示であった場合に、上記操作画面データにおいて当該入力項目に対応付けられている要求先に当該入力項目に対応する上記設定更新データの送信を要求し、当該要求に対する応答に含まれる上記設定更新データに応じて上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更することを特徴とする請求項1に記載の複合機。
【請求項3】
上記初期設定条件には上記操作入力用画像に表示させる複数のパーツ画像を示す情報が含まれており、
上記設定更新データは、上記複数のパーツ画像のうちの一部のパーツ画像を上記操作入力用画像に表示させ、残りのパーツ画像を上記操作入力用画像に表示させないように上記初期設定条件を変更させるための情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の複合機。
【請求項4】
上記初期設定条件に含まれる上記複数のパーツ画像には、ユーザが選択指示を行うためのキーボタン画像が含まれており、
上記設定更新データは、上記キーボタン画像のうちの一部のキーボタン画像を上記操作入力用画像に表示させ、残りのキーボタン画像を上記操作入力用画像に表示させないように上記初期設定条件を変更させるための情報であることを特徴とする請求項3に記載の複合機。
【請求項5】
上記初期設定条件には上記操作入力用画像に表示させる複数のパーツ画像を示す情報が含まれており、
上記設定更新データは、上記初期設定条件のうち、上記操作入力用画像の表示位置、上記操作入力用画像の表示サイズ、上記操作入力用画像に表示させるパーツ画像、上記操作入力用画像に表示させるパーツ画像の色、サイズ、形状、表示位置、上記操作入力用画像に表示させるパーツ画像に含まれる文字、上記操作入力用画像に表示させるパーツ画像に含まれる文字の色、サイズ、フォント、太さ、および表示位置の少なくとも1つを変更させるための情報であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の複合機。
【請求項6】
上記設定更新データには、上記初期設定条件に対する変更内容が示された設定ファイルの格納先を特定するための情報が含まれており、
上記画像生成部は、上記設定更新データに基づいて上記設定ファイルを取得し、取得した上記設定ファイルに基づいて上記操作入力用画像を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の複合機。
【請求項7】
上記記憶部は、上記初期設定条件に対する変更内容が示された1または複数の設定ファイルを記憶しており、
上記設定更新データには、上記操作入力用画像の生成に適用する設定ファイルまたは当該設定ファイルの格納先を特定するための情報が含まれており、
上記画像生成部は、上記設定更新データによって特定される上記設定ファイルを上記記憶部から読み出し、読み出した上記設定ファイルに基づいて上記操作入力用画像を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の複合機。
【請求項8】
アプリケーションプログラムを実行するサーバ装置と、当該サーバ装置に対して通信ネットワークを介して通信可能に接続され、上記アプリケーションプログラムの指示に応じた処理を実行する複合機とを備えた複合機制御システムであって、
ユーザが文字入力を行うための操作入力用画像を表示する表示部と、
上記操作入力用画像に対するユーザからの文字入力を受け付ける入力受付部と、
上記操作入力用画像を生成するための初期設定条件を含む初期設定データを記憶する記憶部と、
上記初期設定データに基づいて上記操作入力用画像を生成する画像生成部とを備え、
上記画像生成部は、上記サーバ装置から受信した設定更新データに応じて上記初期設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した操作入力用画像を上記表示部に表示させることを特徴とする複合機制御システム。
【請求項9】
アプリケーションプログラムを実行するサーバ装置と、当該サーバ装置に対して通信ネットワークを介して通信可能に接続され、上記アプリケーションプログラムの指示に応じた処理を実行する複合機の制御方法であって、
上記複合機は、
ユーザが文字入力を行うための操作入力用画像を表示する表示部と、
上記操作入力用画像に対するユーザからの文字入力を受け付ける入力受付部と、
上記操作入力用画像を生成するための初期設定条件を含む初期設定データを記憶する記憶部とを備えており、
上記複合機が上記サーバ装置から受信した設定更新データに応じて上記初期設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更した操作入力用画像データを生成する工程と、
上記複合機が上記操作入力用画像データに応じた操作入力用画像を上記表示部に表示させる工程とを含むことを特徴とする複合機の制御方法。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか1項に記載の複合機を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記画像生成部として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−218306(P2012−218306A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86811(P2011−86811)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】