複合機及びジョブ処理システム並びにプリンタドライバ
【課題】各機能の設定操作を容易にする。
【解決手段】
コピー機能、プリント機能、FAX受信機能、FAX送信機能、mail機能、スキャンデータ保存機能の中から選択される少なくとも2つの機能を有する複合機であって、前記2つの機能は、各々の機能に関する設定条件の少なくとも一部が異なり、第1の機能に関する設定条件を設定する第1設定部と、前記第1設定部により設定された設定条件でジョブを実行する第1ジョブ処理部と、前記第1設定部により設定された設定条件の履歴を記憶する設定履歴記憶部と、第2の機能に関する設定条件を設定する第2設定部と、前記第2設定部により設定された設定条件でジョブを実行する第2ジョブ処理部と、を有し、前記第2設定部は、前記設定履歴記憶部に記憶された前記第1の機能に関する設定条件の一部に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示する。
【解決手段】
コピー機能、プリント機能、FAX受信機能、FAX送信機能、mail機能、スキャンデータ保存機能の中から選択される少なくとも2つの機能を有する複合機であって、前記2つの機能は、各々の機能に関する設定条件の少なくとも一部が異なり、第1の機能に関する設定条件を設定する第1設定部と、前記第1設定部により設定された設定条件でジョブを実行する第1ジョブ処理部と、前記第1設定部により設定された設定条件の履歴を記憶する設定履歴記憶部と、第2の機能に関する設定条件を設定する第2設定部と、前記第2設定部により設定された設定条件でジョブを実行する第2ジョブ処理部と、を有し、前記第2設定部は、前記設定履歴記憶部に記憶された前記第1の機能に関する設定条件の一部に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機能を備える画像形成装置(複合機)及びジョブ処理システム並びにプリンタドライバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の画像形成装置は、原稿読取装置、印刷装置、FAX送受信装置、ネットワーク通信装置等を一体的に構成し、それらを組み合わせて使用することで、コピー機能、プリンタ機能、FAX送受信機能、スキャンして得た画像データをメール送信するScan to mail機能等、様々な機能が提供される。
【0003】
例えば、コピー機能においては、原稿読取装置で原稿の画像を入力し、印刷装置で印刷する。また、FAX受信機能では、FAX受信装置により受信した画像データを印刷装置で印刷する。また、FAX送信機能やScan to mail機能では、原稿読取装置で原稿の画像を入力し、FAX送信装置やメール送信装置で画像データの送信を行う。
【0004】
このような複数の機能を備えた画像形成装置(複合機)では、各機能の設定操作が煩雑になることから、設定操作を容易にする提案が成されている。例えば、下記特許文献1には、操作パネルでの設定の履歴を記録しておき、使用頻度の高い設定項目をユーザに提示して、設定操作の手間の軽減を図る技術が開示されている。また、下記特許文献2、3には、プリンタドライバでの設定において、設定の履歴を記録しておき、設定の使用頻度に応じて画面の表示態様を変更して設定操作の手間の軽減を図る技術が開示されている。
【0005】
さらに、下記特許文献4には、印刷装置本体で設定した印刷条件を保存しておき、その印刷条件の履歴をPCのプリンタドライバでの設定に利用できるようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−10603号公報
【特許文献2】特開2007−79720号公報
【特許文献3】特開2007−279894号公報
【特許文献4】特開2005−297488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術は、所定の機能の設定操作を行う場合に、その機能の設定履歴を利用するものであるため、例えば、使用頻度が高い機能を利用する場合は設定履歴に基づいて設定操作を容易にすることは可能であるが、使用頻度の低い機能を利用する場合、その機能の設定履歴が少ないため、操作性の改善は期待できないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、各機能の設定操作を容易にすることができる複合機及びジョブ処理システム並びにプリンタドライバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、コピー機能、コンピュータ装置から受信したデータを印刷する機能、FAX受信したデータを印刷する機能、スキャンしたデータをFAX送信する機能、スキャンしたデータを電子メールに添付して送信する機能、スキャンしたデータを保存する機能の中から選択される少なくとも2つの機能を有する複合機であって、前記2つの機能は、各々の機能に関する設定条件の少なくとも一部が異なり、第1の機能に関する設定条件を設定する第1設定部と、前記第1設定部により設定された設定条件でジョブを実行する第1ジョブ処理部と、前記第1設定部により設定された設定条件の履歴を記憶する設定履歴記憶部と、第2の機能に関する設定条件を設定する第2設定部と、前記第2設定部により設定された設定条件でジョブを実行する第2ジョブ処理部と、を有し、前記第2設定部は、前記設定履歴記憶部に記憶された前記第1の機能に関する設定条件の一部に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示するものである。
【0010】
また、本発明は、ジョブを生成して送信するコンピュータ装置と、ジョブを実行する画像形成装置と、が通信ネットワークで接続されたジョブ処理システムにおいて、前記画像形成装置は、前記コンピュータ装置から受信したデータを印刷するプリント機能と、コピー機能、FAX受信したデータを印刷する機能、スキャンしたデータをFAX送信する機能、スキャンしたデータを電子メールに添付して送信する機能、スキャンしたデータを保存する機能の中から選択される少なくとも1つの他の機能と、を有し、前記プリント機能と前記他の機能とは、各々の機能に関する設定条件の少なくとも一部が異なり、前記コンピュータ装置は、前記プリント機能に関する設定条件を設定する設定部と、前記設定部により設定された設定条件でジョブを生成するジョブ生成部と、前記画像形成装置で設定された前記他の機能に関する設定条件の履歴を取得する履歴処理部と、を有し、前記設定部は、取得した前記他の機能に関する設定条件の一部に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示するものである。
【0011】
また、本発明は、画像形成装置に通信ネットワークで接続されたコンピュータ装置で動作するプリンタドライバであって、前記画像形成装置は、前記コンピュータ装置から受信したデータを印刷するプリント機能と、コピー機能、FAX受信したデータを印刷する機能、スキャンしたデータをFAX送信する機能、スキャンしたデータを電子メールに添付して送信する機能、スキャンしたデータを保存する機能の中から選択される少なくとも1つの他の機能と、を有し、前記プリント機能と前記他の機能とは、各々の機能に関する設定条件の少なくとも一部が異なり、前記コンピュータ装置を、前記プリント機能に関する設定条件を設定する設定部、前記設定部により設定された設定条件でジョブを生成するジョブ生成部、前記画像形成装置で設定された前記他の機能に関する設定条件の履歴を取得する履歴処理部、として機能させ、前記設定部は、取得した前記他の機能に関する設定条件の一部に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の複合機及びジョブ処理システム並びにプリンタドライバによれば、各機能の設定操作を容易にすることができる。
【0013】
その理由は、あまり使用しない機能若しくは使用したことのない機能の設定を行う場合でも、使用する機能とは別の機能の設定履歴に基づいて、使用頻度が高い項目及びその設定値が表示されるため、ユーザは表示される情報を参考にして設定操作を行うことができるからである。
【0014】
また、別の機能の設定履歴のうち、使用する機能に関連する項目を抽出してユーザに提示するため、ユーザは関連項目を探す手間をかけずに設定操作を行うことができるからである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施例に係るジョブ処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係るコンピュータ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係るジョブ処理システムの概略動作を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の全体動作(パネルによる設定時の動作)を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の動作(履歴記録処理)を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の動作(第1の履歴処理)を示すフローチャート図である。
【図8】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の動作(第2の履歴処理)を示すフローチャート図である。
【図9】本発明の第1の実施例に係るプリンタドライバの全体動作を示すフローチャート図である。
【図10】本発明の第1の実施例に係るプリンタドライバの動作(第1の履歴処理)を示すフローチャート図である。
【図11】本発明の第1の実施例に係るプリンタドライバの動作(第2の履歴処理)を示すフローチャート図である。
【図12】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の動作(履歴要求に対する処理)を示すフローチャート図である。
【図13】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の動作(ジョブ受信時の処理)を示すフローチャート図である。
【図14】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に記憶されるテーブル(共通設定履歴テーブル)の一例を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に記憶されるテーブル(機能特有設定履歴テーブル)の一例を示す図である。
【図16】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に記憶されるテーブル(機能別設定履歴テーブル)の一例を示す図である。
【図17】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に表示される画面(デフォルト画面)の一例を示す図である。
【図18】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に表示される画面(全体履歴ボタン操作時のデフォルト画面)の一例を示す図である。
【図19】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に表示される画面(機能別履歴ボタン操作時のデフォルト画面)の一例を示す図である。
【図20】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の動作(パネルによるBOX出力設定時の動作)を示すフローチャート図である。
【図21】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の動作(BOX保存処理)を示すフローチャート図である。
【図22】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に記憶されるテーブル(BOX関連履歴テーブル)の一例を示す図である。
【図23】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に表示される画面(BOX出力モードのフォルダ選択画面)の一例を示す図である。
【図24】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に表示される画面(BOX出力モードの機能選択画面)の一例を示す図である。
【図25】本発明の第2の実施例に係るジョブ処理システムの概略動作を示す図である。
【図26】本発明の第2の実施例に係る画像形成装置に記憶されるテーブル(設定項目−機能対応テーブル及び設定項目集計テーブル)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
背景技術で示したように、近年の画像形成装置は、コピー機能、プリンタ機能、FAX機能、Scan to mail機能等、様々な機能を備えているため、各機能の設定操作が非常に煩雑となっており、ユーザの意図する設定を簡便に行えるユーザインターフェースが求められている。
【0017】
この問題に対して、従来は、各機能の設定操作を履歴情報として記憶しておき、その機能を利用する場合に、履歴情報に基づいて設定画面の表示形態を変更するなどの制御を行っていた。
【0018】
しかしながら、各機能の中には、よく使用する機能もあれば、あまり使用しない若しくは使用したことがない機能もあり、後者の機能を使用する場合、その機能の履歴情報を利用しても設定操作を容易にすることはできない。
【0019】
一方、画像形成装置の各機能の設定項目は無関係ではなく、各機能に特有の設定項目もあれば、他の機能と共通の設定項目(例えば、コピー機能とプリント機能においては印刷設定項目、コピー機能とFAX送信機能、Scan to mail機能においては原稿読取設定項目等)もある。
【0020】
そこで、本発明の一実施形態では、各機能の設定項目の中に各機能特有の設定項目と共通の設定項目とがあることに着目し、使用する機能の設定履歴に基づいて設定画面の表示形態を制御するのみならず、他の機能でも使用される共通の設定項目の履歴情報に基づいて設定画面の表示形態を制御し、機能間で設定履歴を簡便に利用できるようにする。
【実施例1】
【0021】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る複合機及びジョブ処理システム並びにプリンタドライバについて、図1乃至図24を参照して説明する。図1は、本実施例のジョブ処理システムの構成を模式的に示す図であり、図2は、コンピュータ装置の構成を示すブロック図、図3は、画像形成装置の構成を示すブロック図である。また、図4は、ジョブ処理システムの概略動作を示す図であり、図5乃至図13、図20、図21は、各装置の具体的な動作を示すフローチャート図である。また、図14乃至図16、図22は、DBに記憶されるテーブルの一例を示す図であり、図17乃至図19、図23、図24は、画像形成装置に表示される画面の一例を示す図である。
【0022】
図1に示すように、本実施例のジョブ処理システムは、ジョブを指示する1又は複数のコンピュータ装置10と、ジョブを処理する1又は複数の画像形成装置(MFP:Multi Function PeripheralやFAX)20とで構成され、これらは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、電話回線等の通信ネットワーク30によって接続されている。以下、各装置について詳細に説明する。
【0023】
[コンピュータ装置]
図2(a)に示すように、コンピュータ装置10は、制御部11と、表示部12と、操作部13などで構成される。
【0024】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11a、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などのメモリ11b、HDD(Hard Disk Drive)11c、通信I/F部11dなどを備え、これらはバスを介して接続されている。CPU11aは、各部の制御を行う。メモリ11bは、HDD11c、通信I/F部11dから読み込んだ種々のデータを一時的に記憶する部分であり、記憶されたデータはCPU11aによって処理され、必要に応じてHDD11cや通信I/F部11dに転送される。HDD11cは、CPU11aが各部を制御するためのプログラム、自装置の処理機能に関する情報、画像形成装置20から取得した設定履歴情報などを格納し、CPU11aにより必要に応じて読み出され、メモリ11b上で実行処理される。通信I/F部11dは、通信ネットワーク30を介して繋がっている機器との接続を確立し、データの送受信を実行する。
【0025】
上記制御部11は、文書を作成するためのアプリケーションや文書の印刷を指示するプリンタドライバとして機能する。プリンタドライバは、図2(b)に示すように、アプリケーションで作成した文書データを、画像形成装置20で読み取り可能な言語(PCL(Printer Control Language)やPS(Post Script)などのPDL(Page Description Language))に変換してジョブを生成するジョブ生成部と、画像形成装置20から設定履歴情報を取得する履歴処理部と、プリント機能に関する設定条件(設定項目及びその設定値)を設定する際に、画像形成装置20から取得した設定履歴情報に基づいて表示部12に表示される画面を制御する設定部などとして機能する。
【0026】
表示部12は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(electroluminescence)表示装置等からなり、印刷に関する設定画面などを表示する。
【0027】
操作部13は、ポインティングデバイス、キーボード、トラックボール、トラックパッド、タブレット、及びスタイラスペン等からなり、表示部12上に表示された画面に対する指示を可能にする。
【0028】
なお、図2はコンピュータ装置10の基本構成であり、プリンタドライバが実行可能な限りにおいて、その構成は適宜変更可能である。
【0029】
[画像形成装置]
図3(a)に示すように、画像形成装置20は、複数の機能を備える複合機であり、制御部21と、表示部22と、操作部23と、画像読取部24と、印刷部25と、FAX送受信部26と、mail送信部27などで構成される。
【0030】
制御部21は、各構成部を制御する部分で、CPU21a、ROMやRAMなどのメモリ21b、HDD21c、通信I/F部21dなどを備え、これらはバスを介して接続されている。CPU21aは各部の制御を行う。メモリ21bは、HDD21c、画像読取部24、通信I/F部21dから読み込んだ種々のデータを一時的に記憶する部分で、記憶されたデータはCPU21aによって画像処理され、必要に応じてHDD21cや印刷部25に転送される。HDD21cは、CPU21aが各部を制御するためのプログラムや各種データを格納し、CPU21aにより必要に応じて読み出され、メモリ21b上で実行処理される。通信I/F部21dは、通信ネットワーク30を介して繋がっている機器との接続を確立し、データの送受信を実行する。
【0031】
上記HDD21cは、ジョブ処理の対象となる画像データを予め設定された階層構造で記憶する画像記憶部と、各機能の設定画面で入力された情報(設定履歴)を記憶する設定履歴DBとを含み、設定履歴DBには、複数の機能に共通する項目(共通設定項目と呼ぶ。)の設定履歴情報(共通設定履歴と呼ぶ。)と、各機能特有の項目(機能特有設定項目と呼ぶ。)の設定履歴情報(機能特有設定履歴と呼ぶ。)と、必要に応じて、各機能で設定可能な項目の設定履歴情報(機能別設定履歴と呼ぶ。)と、が記憶される。
【0032】
また、上記制御部21は、図3(b)に示すように、画像読取部24で読み取ったデータ、FAX送受信部26で受信したデータ、画像記憶部から読み取ったデータに基づいてジョブを生成するジョブ生成部と、上記ジョブ生成部若しくはコンピュータ装置10のジョブ生成部から取得したジョブに基づいて、印刷やFAX送信、mail送信、データ保存(以下、BOX保存と呼ぶ。)等の処理を実行するジョブ処理部、設定画面で設定された項目が共通設定項目であるか機能特有設定項目であるかを判定し、設定された項目及びその設定値を共通設定履歴若しくは機能特有設定履歴に振り分けて保存する履歴処理部、各機能に関する設定条件を設定する際に、設定履歴に基づいて表示部22に表示される画面を制御する設定部としても機能する。
【0033】
表示部22は、液晶表示装置や有機EL表示装置等からなり、画像形成装置20を操作するための画面等を表示する。また、操作部23は、ボタンやスイッチ等からなり、各種設定や指示を行う。なお、表示部22と操作部23は別々の装置としても良いし、表示部22上に、透明電極が格子状に配置された感圧式の操作部(タッチパネル)23を設けた一体の装置としてもよく、タッチパネルの場合は、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御部21に出力する。
【0034】
画像読取部24は、原稿台上の原稿用紙から画像データを光学的に読み取る部分であり、原稿を走査する光源と、原稿で反射された光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)等のイメージセンサと、電気信号をA/D変換するA/D変換器等により構成される。
【0035】
印刷部25は、電子写真方式や静電記録方式等の作像プロセスを利用した画像形成に必要な構成要素で構成され、画像読取部24で読み取った画像データ、あるいは通信I/F部21dを介して受け取った画像データ(PDLデータを含む。)に基づいて、指定された用紙に画像を形成する。
【0036】
FAX送受信部26は、FAX受信した画像データを印刷部25に印刷させると共に、画像読取部24で読み取った画像データを設定された宛先にFAX送信する。
【0037】
mail送信部27は、画像読取部24で読み取った画像データをPDF(Portable Document Format)、TIFF(Tagged Image File Format)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等のファイルにして、mailに添付して送信する。
【0038】
なお、図3では、画像形成装置20の機能として、印刷機能とFAX機能とmail機能とデータ保存機能の4つを例示したが、本実施例の画像形成装置20は、設定項目の一部が重複する複数の機能を備えていればよい。また、図1では、ジョブ処理システムをコンピュータ装置10と画像形成装置20とで構成したが、印刷データを画像データに変換するRIP(Raster Image Processor)コントローラ等の制御装置を通信ネットワーク30に接続してもよい。その場合は、制御装置が画像形成装置20から設定履歴を受信し、コンピュータ装置10に送信すればよい。
【0039】
次に、上記構成のジョブ処理システムの概略動作について、図4(a)を参照して説明する。
【0040】
まず、画像形成装置20の表示部22に表示される画面で機能を選択し、各機能の設定画面で設定条件を入力すると、制御部21(ジョブ生成部)は、設定条件(設定項目及びその設定値)に従って、画像読取部24で読み取った画像データやFAX受信した画像データ、画像記憶部から読み取った画像データに基づいてジョブを生成する。また、コンピュータ装置10の表示部12に表示される設定画面で印刷条件を入力すると、制御部11(ジョブ生成部)は、印刷条件に従ってジョブを生成し、画像形成装置20に送信する。そして、画像形成装置20の制御部(ジョブ処理部)は、ジョブ生成部から受け取ったジョブに基づいて、印刷やFAX送信、mail送信、BOX保存等の処理を実行する。
【0041】
また、画像形成装置20の設定画面の設定条件は、制御部21(履歴処理部)によって共通設定履歴と機能特有設定履歴とに振り分けられ、設定履歴DBに記憶される。そして、制御部21(設定部)は、デフォルトの設定画面に、共通設定履歴に基づいて使用頻度の高い共通設定項目及びその設定値を表示したり、機能特有設定履歴に基づいて使用頻度の高い機能特有設定項目及びその設定値を表示したり、共通設定履歴と機能特有設定履歴とを統合した機能別設定履歴に基づいて使用頻度の高い設定項目及びその設定値を表示したりして、画面の表示を制御する。
【0042】
また、コンピュータ装置10の制御部11(履歴処理部)は、画像形成装置20の設定履歴DBから共通設定履歴と機能特有設定履歴と必要に応じて機能別設定履歴とを取得し、制御部11(設定部)は、デフォルトの設定画面に、取得した共通設定履歴に基づいて使用頻度の高い共通設定項目及びその設定値を表示したり、取得した機能特有設定履歴に基づいて使用頻度の高い機能特有設定項目及びその設定値を表示した、取得した機能別設定履歴に基づいて使用頻度の高い設定項目及びその設定値を表示したりして、画面の表示を制御する。
【0043】
なお、図4(a)では、設定履歴DBに共通設定履歴と機能特有設定履歴とを記憶したが、例えば、第1機能と第2機能の2つの機能を備える装置の場合は、図4(b)に示すように、機能特有設定履歴を第1機能の機能特有設定履歴である第1機能特有設定履歴と第2機能の機能特有設定履歴である第2機能特有設定履歴とに分けて記憶してもよいし、図4(c)に示すように、共通設定履歴を第1機能の機能共通設定履歴である第1機能共通設定履歴と第2機能の機能共通設定履歴である第2機能共通設定履歴とに分けて記憶してもよい。
【0044】
上記設定履歴DBに記憶される履歴情報について、図14乃至図16を参照して具体的に説明する。なお、画像形成装置20は、コピー機能とFAX送信機能とプリント機能とScan to mail機能の4つの機能を有するものとする。
【0045】
コピー機能の設定項目には、コピー全般に関する項目(原稿及び出力物の印刷形態など)やコピーする原稿のスキャンに関する項目(両面/片面、カラー/モノクロ、原稿画質、解像度など)、印刷に関する項目(両面/片面、頁集約、カラー/モノクロ、出力用紙、ステープル、スタンプなど)がある。
【0046】
また、FAX送信機能の設定項目には、FAX送信全般に関する項目(FAX専用の宛先、FAX種別、パスワード設定、送信元情報付加など)、FAXする原稿のスキャンに関する項目(両面/片面、カラー/モノクロ、原稿画質、解像度など)、データ送信に関する項目(FAX送信とmail送信とを連動させる場合の宛先など)がある。
【0047】
また、プリント設定の設定項目には、印刷に関する項目(両面/片面、頁集約、カラー/モノクロ、出力用紙、ステープル、スタンプなど)がある。
【0048】
また、Scan to mail機能の設定項目には、Scan to mail全般に関する項目(mail専用の宛先、ファイル形式、メール本文など)、メールする原稿のスキャンに関する項目(両面/片面、カラー/モノクロ、原稿画質、解像度など)、データ送信に関する項目(FAX送信とmail送信とを連動させる場合の宛先など)がある。
【0049】
このように、画像形成装置20では、各機能で設定可能な項目は全く独立している訳ではなく、重複している項目も多い。例えば、コピー機能とFAX送信機能とScan to mail機能では、共に原稿をスキャンすることから、原稿のスキャンに関する項目が共通する。また、コピー機能とプリント機能では、共に印刷を行うことから、印刷に関する項目が共通する。また、FAX送信機能とScan to mail機能では、共にデータを送信することから、データ送信に関する項目が共通する。
【0050】
そこで、本実施例では、図14に示すように、複数の機能に共通する設定項目とその設定項目に対する設定値とその設定値の選択回数(カウント、好ましくはユーザID毎のカウント)とを記述した共通設定履歴テーブルを設けると共に、図15に示すように、各機能特有の設定項目とその設定項目に対する設定値とその設定値の選択回数(カウント、好ましくはユーザID毎のカウント)とを記述した機能特有履歴テーブルを設けている。
【0051】
また、ユーザによっては、例えば、コピー時の印刷条件とプリント時の印刷条件の傾向が異なる場合があり、この場合は、機能別に集計した履歴を提示する方が望ましい。そこで、本実施例では、上記共通設定履歴テーブル及び機能特有設定履歴テーブルに加えて、必要に応じて、図16に示すように、各機能で設定可能な設定項目とその設定項目に対する設定値とその機能使用時に選択された回数(カウント、好ましくはユーザID毎のカウント)とを記述した機能別設定履歴テーブルを設けている。
【0052】
なお、この機能別設定履歴テーブルは独立したテーブルとして設けてもよいし、機能別に集計した履歴が必要な時に、共通設定履歴テーブル及び機能特有設定履歴テーブルから求めてもよい。この場合、共通設定履歴テーブルにおいて、複数の機能で設定された回数を合計したカウント値に加えて各機能で設定された回数を個別に記憶するようにすればよい。
【0053】
以下、ジョブ処理システムの各装置の詳細動作について説明する。
【0054】
まず、画像形成装置20で機能の設定を行う場合の動作について、図5乃至図8を参照して説明する。図5(フローチャート1)は全体動作を示し、図6(フローチャート1a)はS110の詳細動作、図7(フローチャート2)はS105の詳細動作、図8(フローチャート3)はS107の詳細動作を示している。
【0055】
制御部21は、表示部22にユーザ認証画面を表示させ、ユーザは操作部23を操作してユーザIDやパスワードなどを入力する。制御部21は、入力された情報と予めHDD21c等に記憶した情報とを比較してユーザ認証を行う(S101)。
【0056】
次に、制御部21は、表示部22に機能選択画面を表示させ、ユーザは操作部23を操作して所望の機能を選択する(S102)。ここでは、説明を簡略化するために印刷、FAX送信、FAX受信、mail送信のいずれかを選択するものとし、BOX出力が選択された場合については後述する。
【0057】
次に、制御部21は、表示部22に選択された機能のデフォルト画面を表示させる(S103)。このデフォルト画面40は、例えば、図17のように構成され、コピー機能が選択された場合は、コピーモードで設定可能な項目(基本設定、集約/原稿、画質/濃度、応用設定など)がタブで分類されて表示される。また、BOX保存を指示するボタンや全体履歴の参照を指示するボタン、機能別履歴の参照を指示するボタンなどが表示される。なお、BOX保存が指定された場合については後述する。
【0058】
この段階で、通常の設定(デフォルトの設定画面や各タブで切り換えた設定画面での設定条件の入力)も可能であるが、本実施例では、履歴に基づく設定を可能とするために、制御部21は、デフォルト画面40で全体履歴参照が指示されたかを判断し(S104)、指示された場合は、共通設定履歴と機能特有設定履歴とに基づいて使用頻度の高い設定項目及びその設定値を提示する第1の履歴処理を行う(S105)。
【0059】
この第1の履歴処理について、図7のフローチャート図を参照して具体的に説明する。
【0060】
まず、制御部21(履歴処理部)は、ステップS102で選択された機能を判別する(S201)。
【0061】
コピー機能が選択されている場合は、制御部21(履歴処理部)は、設定履歴DBから印刷に関する共通設定履歴及び原稿スキャンに関する共通設定履歴を読み込み(S202、S203)、続いて、コピーに関する機能特有設定履歴を読み込む(S204)。その後、制御部21(設定部)は、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に使用頻度の高い共通設定項目及び機能特有設定項目とその設定値を提示する(S213)。例えば、図18に示すように、コピーモード選択時のデフォルト画面に、他のモードで設定された項目を含むことを明示して、使用頻度の高い共通設定項目(図の原稿読取設定と印刷設定の欄)及び機能特有設定項目(図のコピーモード用設定の欄)とその設定値を一覧表示する履歴画面を重ねて表示させる。
【0062】
なお、履歴画面に表示する項目の数は任意であり、予め定めた値以上の使用頻度の項目を表示してもよいし、使用頻度の高い順に予め定めた数だけ表示してもよい。また、図では、原稿スキャンに関する共通設定項目を3つ、印刷に関する共通設定項目を3つ、コピーに関する機能特有設定項目を2つ表示しているが、表示数は適宜変更可能であり、共通設定項目が少なくとも1つ表示されていればよい。
【0063】
同様に、FAX送信機能が選択されている場合は、設定履歴DBから送信に関する共通設定履歴及び原稿スキャンに関する共通設定履歴を読み込み(S205、S206)、続いて、FAXに関する機能特有設定履歴を読み込む(S207)。その後、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に使用頻度の高い共通設定項目及び機能特有設定項目とその設定値を提示する(S213)。
【0064】
また、Scan to mail機能が選択されている場合は、設定履歴DBから送信に関する共通設定履歴及び原稿スキャンに関する共通設定履歴を読み込み(S208、S209)、続いて、Scan to mailに関する機能特有設定履歴を読み込む(S210)。その後、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に使用頻度の高い共通設定項目及び機能特有設定項目とその設定値を提示する(S213)。
【0065】
また、FAX受信機能が選択されている場合は、設定履歴DBから印刷に関する共通設定履歴を読み込み(S211)、続いて、FAXに関する機能特有設定履歴を読み込む(S212)。その後、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に使用頻度の高い共通設定項目及び機能特有設定項目とその設定値を提示する(S213)。
【0066】
次に、制御部21(履歴処理部)は、履歴画面で項目が選択されたかを判断し(S214、S215)、項目が選択された場合は、その設定を反映(設定内容をメモリに記憶)させる(S216)。その後、制御部21(設定部)は、履歴画面を消去して(S217)、第1の履歴処理を終了する。
【0067】
図5に戻って、制御部21は、デフォルト画面40で機能別履歴参照が指示されたかを判断し(S106)、指示された場合は、選択された機能の設定履歴に基づいて使用頻度の高い設定項目及び設定値を提示する第2の履歴処理を行う(S107)。
【0068】
この第2の履歴処理について、図8のフローチャート図を参照して具体的に説明する。
【0069】
まず、制御部21(履歴処理部)は、ステップS102で選択された機能を判別する(S301)。
【0070】
コピー機能が選択されている場合は、制御部21(履歴処理部)は、設定履歴DBからコピーに関する機能別設定履歴を読み込む(S302)。その後、制御部21(設定部)は、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に使用頻度の高い設定項目及びその設定値を提示する(S306)。例えば、図19に示すように、コピーモード選択時のデフォルト画面に、コピーモードで選択された項目であることを明示して、使用頻度の高い設定項目及びその設定値を一覧表示する履歴画面を重ねて表示させる。
【0071】
同様に、FAX送信機能が選択されている場合は、設定履歴DBからFAXに関する機能別設定履歴を読み込み(S303)、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に使用頻度の高い設定項目及びその設定値を提示する(S306)。
【0072】
また、Scan to mail機能が選択されている場合は、設定履歴DBからScan to mailに関する機能別設定履歴を読み込み(S304)、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に使用頻度の高い設定項目及びその設定値を提示する(S306)。
【0073】
また、FAX受信機能が選択されている場合は、設定履歴DBからFAXに関する機能別設定履歴を読み込み(S305)、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に使用頻度の高い設定項目及びその設定値を提示する(S306)。
【0074】
次に、制御部21(履歴処理部)は、履歴画面で項目が選択されたかを判断し(S307、S308)、項目が選択された場合は、その設定を反映(設定内容をメモリに記憶)させる(S309)。
【0075】
その後、制御部21(設定部)は、履歴画面を消去して(S310)、第2の履歴処理を終了する。
【0076】
再び、図5に戻って、制御部21は、スタートボタンが押下されたかを判断し(S108)、押下されていなければステップS104に戻って同様の処理を繰り返す。一方、スタートボタンが押下された場合は、制御部21(ジョブ処理部)は、ジョブを実行し(S109)、履歴画面で選択された項目のカウントを更新する(S110)。なお、S110の「履歴記録」は、設定条件が確定したS108の直後に実行してもよいが、ユーザがジョブ実行中に設定条件の間違いに気づき、ジョブを中断する可能性もあるため、ジョブ実行の完了後に記録するのが望ましい。
【0077】
次に、制御部21(履歴処理部)は、個々のジョブの日時と設定内容を履歴として記録し(S111)、所定期間(例えば1週間)内のジョブ記録を抽出し(S112)、抽出したジョブ記録に基づいて、各設定項目の設定回数を集計して、共通設定履歴テーブル、機能特有設定履歴テーブル、機能別設定履歴テーブルを更新する(S113)。図6の処理では、S112、S113により、ジョブ実行の都度、各設定履歴テーブルを更新するようにしているが、定期的に、例えば電源ON時に更新するように構成してもよい。
【0078】
次に、コンピュータ装置10で機能の設定を行う場合の動作について、図9乃至図13を参照して説明する。図9(フローチャート4)はプリンタドライバの全体動作を示し、図10(フローチャート5)はS404の詳細動作、図11(フローチャート6)はS406の詳細動作を示している。また、図12(フローチャート7)及び図13(フローチャート8)は画像形成装置20の動作を示している。
【0079】
制御部11(プリンタドライバ)は、表示部12にユーザ認証画面を表示させ、ユーザは操作部13を操作してユーザIDやパスワードなどを入力する。制御部11は、入力された情報とHDD11c等に予め記憶した情報とを比較してユーザ認証を行う(S401)。
【0080】
次に、制御部11は、表示部12に印刷機能のデフォルト画面を表示させる(S402)。このデフォルト画面は、図17と同様の構成であり、印刷機能で設定可能な項目がタブで分類されて表示される。また、全体履歴の参照を指示するボタン、機能別履歴の参照を指示するボタンなどが表示される。
【0081】
この段階で、通常の設定(デフォルトの設定画面や各タブで切り換えた設定画面での設定条件の入力)も可能であるが、本実施例では、履歴に基づく設定を可能とするために、制御部11は、デフォルト画面で全体履歴参照が指示されたかを判断し(S403)、指示された場合は、共通設定履歴と機能特有設定履歴とに基づいて使用頻度の高い設定項目及び設定値を提示する第1の履歴処理を行う(S404)。
【0082】
この第1の履歴処理について、図10及び図12のフローチャート図を参照して具体的に説明する。
【0083】
まず、制御部11(履歴処理部)は、印刷に関する共通設定履歴を取得する(S501)。具体的には、画像形成装置20に、印刷に関する共通設定履歴を要求する履歴要求コマンドを送信する。画像形成装置20では、図12に示すように、履歴要求コマンドを受信すると、印刷に関する共通設定履歴の要求であるかを判断する(S701)。ここでは、印刷に関する共通設定履歴の要求であることから、HDD21cなどから印刷に関する共通設定履歴を読み出し(S703)、ドライバへ送信する(S704)。
【0084】
次に、制御部11(設定部)は、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に、使用頻度の高い共通設定項目とその設定値を一覧表示する履歴画面を重ねて表示させる(S502)。
【0085】
次に、制御部11は、履歴画面で項目が選択されたかを判断し(S503、S504)、項目が選択された場合は、その設定を反映(設定内容をメモリに記憶)させる(S505)。その後、制御部11(設定部)は、履歴画面を消去して(S506)、第1の履歴処理を終了する。
【0086】
図9に戻って、制御部11は、デフォルト画面で機能別履歴参照が指示されたかを判断し(S405)、指定された場合は、使用機能における設定履歴に基づいて使用頻度の高い設定項目及び設定値を提示する第2の履歴処理を行う(S406)。
【0087】
この第2の履歴処理について、図11及び図12のフローチャート図を参照して具体的に説明する。
【0088】
まず、制御部11(履歴処理部)は、プリントに関する機能別設定履歴を取得する(S601)。具体的には、画像形成装置20に、プリントに関する機能別設定履歴を要求する履歴要求コマンドを送信する。画像形成装置20では、図12に示すように、履歴要求コマンドを受信すると、印刷に関する共通設定履歴の要求であるかを判断する(S701)。ここでは、印刷に関する共通設定履歴の要求でないことから、HDD21cなどからプリントに関する機能別設定履歴を読み出し(S702)、ドライバへ送信する(S704)。
【0089】
次に、制御部11(設定部)は、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に、使用頻度の高い設定項目及びその設定値を一覧表示する履歴画面を重ねて表示させる(S602)。
【0090】
次に、制御部11は、履歴画面で項目が選択されたかを判断し(S603、S604)、項目が選択された場合は、その設定を反映(設定内容をメモリに記憶)させる(S605)。
【0091】
その後、制御部11(設定部)は、履歴画面を消去して(S606)、第2の履歴処理を終了する。
【0092】
再び、図9に戻って、制御部11は、デフォルト画面でOKボタンが押下されたかを判断し(S407)、押下されていなければステップS403に戻って同様の処理を繰り返す。一方、OKボタンが押下された場合は、制御部11は、ジョブデータを生成し(S408)、ジョブデータに設定情報(選択された設定項目及びその設定値)を付加し(S409)、画像形成装置20にジョブを送信する(S410)。
【0093】
なお、S408、S409において、画像処理に関する設定(例えば、拡大、縮小、2in1、スタンプ付与等)は、ドライバ側で画像データを処理して印刷用の画像データを生成する。そのため、画像形成装置20では、受信した画像データがもともとの原稿画像なのかユーザの設定により処理された画像データなのかが区別できない。したがって、S409では、画像形成装置20で処理する設定条件だけでなく、すでに処理済の設定条件(画像処理に関する設定)を含めて設定情報を付与する。
【0094】
一方、画像形成装置20では、図13に示すように、ジョブを受信すると、制御部21は、ジョブを実行し(S801)、ジョブに付与された設定情報に基づいて、各設定履歴テーブルのカウントを更新する(S802)。
【0095】
次に、図5のS102の機能選択においてBOX出力が選択された場合の動作について、図20のフローチャート図を参照して説明する。
【0096】
なお、BOX出力及びBOX保存に関しては、各々別のフォルダに出力又は保存する場合と同じフォルダに出力及び保存する場合とがあることから、設定履歴DBには、図22に示すように、BOX関連履歴テーブル(共通設定履歴テーブルとしてのフォルダ履歴(保存+出力)と機能特有設定履歴テーブルとしてのフォルダ履歴(保存)及びフォルダ履歴(出力))が予め記録されている。
【0097】
まず、制御部21は、フォルダ履歴(保存+出力)テーブル及びフォルダ履歴(出力)テーブルから履歴情報を読み込む(S901)。
【0098】
次に、制御部21は、表示部22に、図23に示すようなBOX出力モードのフォルダ選択画面43を表示させる(S902)。このフォルダ選択画面43には、ファイル名を入力する欄と、フォルダ履歴(出力)に基づいて使用頻度の高いフォルダ名が表示されると共に、フォルダ履歴(保存+出力)に基づいて使用頻度の高いフォルダ名も表示される。
【0099】
次に、制御部21は、フォルダが選択されたかを判断し(S903)、選択された場合は、そのフォルダ名を反映(メモリに記憶)させる(S904)。一方、選択されなかった場合は、履歴の切替が行われたかを判断し(S905)、切替が行われた場合は、保存+出力と出力の切替を行う(S906)。そして、フォルダ選択画面43のOKボタンが押下されたかを判断し(S907)、押下されなければ、ステップS903に戻って同様の処理を繰り返す。
【0100】
一方、OKボタンが押下された場合は、表示部22に、図24に示すような機能選択画面44を表示させ、ユーザに機能を選択させる(S909、S910)。
【0101】
印刷、FAX送信、Scan to mailのいずれかの機能が選択されたら、図5と同様に、表示部22にデフォルト画面を表示させる(S911)。この段階で、通常の設定(デフォルトの設定画面や各タブで切り換えた設定画面での設定条件の入力)も可能であるが、本実施例では、履歴に基づく設定を可能とするために、全体履歴参照が指示されたら(S912のYes)、第1の履歴処理を行い(S913)、機能別履歴参照が指示されたら(S914のYes)、第2の履歴処理を行い(S915)、スタートボタンが押下されたら(S916のYes)、ジョブを実行し(S917)、フォルダ履歴を更新する(S918)。
【0102】
なお、第1の履歴処理及び第2の履歴処理は、前記した図7(フローチャート2)と図8(フローチャート3)と同様であるが、対象となる機能が、プリント、FAX、Scan to mailの3つである点が異なる。
【0103】
次に、図5のS103の設定画面において、BOX保存が指定された場合の動作について、図21のフローチャート図を参照して説明する。
【0104】
制御部21は、フォルダ履歴(保存+出力)テーブル及びフォルダ履歴(保存)テーブルから履歴情報を読み込む(S1001)。
【0105】
次に、制御部21は、表示部22に、BOX保存モードのフォルダ選択画面を表示させる(S1002)。このフォルダ選択画面には、ファイル名を入力する欄と、フォルダ履歴(保存)に基づいて使用頻度の高いフォルダ名が表示されると共に、フォルダ履歴(保存+出力)に基づいて使用頻度の高いフォルダ名が表示される。
【0106】
次に、制御部21は、フォルダが選択されたかを判断し(S1003)、選択された場合は、そのフォルダ名を反映(メモリに記憶)させる(S1004)。一方、選択されなかった場合は、履歴の切替が行われたかを判断し(S1005)、切替が行われた場合は、保存+出力と保存の切替を行う(S1006)。そして、フォルダ選択画面のOKボタンが押下されたら(S1007のYes)、処理を終了する。
【0107】
このように、本実施例では、設定履歴DBに、複数の機能に共通する項目の設定履歴(共通設定履歴)と、各機能に特有の項目の設定履歴(機能特有設定履歴)と、必要に応じて、各機能で設定可能な項目の設定履歴(機能別設定履歴)とを記憶しておき、各機能の設定画面を表示する際に、機能特有設定履歴や機能別設定履歴に基づいて当該機能で使用頻度の高い設定項目及びその設定値を表示するのみならず、共通設定履歴に基づいて他の機能で使用頻度の高い設定項目及びその設定値を表示するため、各機能の設定をより効果的に行うことができる。
【実施例2】
【0108】
次に、本発明の第2の実施例に係る複合機及びジョブ処理システム並びにプリンタドライバについて、図25及び図26を参照して説明する。図25は、ジョブ処理システムの概略動作を示す図であり、図26は、DBに記憶されるテーブルの一例を示す図である。
【0109】
前記した第1実施例では、各機能の設定項目を共通設定項目と機能特有設定項目とに分類し、各々の設定項目の設定結果を共通設定履歴テーブルと機能特有設定履歴テーブルとに分けて集計するようにしたが、これらをまとめて記憶しておき、履歴処理の際に必要な履歴情報を抽出することも可能である。
【0110】
そこで、第2の実施例では、図26に示すように、設定履歴DBに、設定項目と機能とを対応付けるテーブル(設定項目−機能対応テーブル)と、設定項目毎のカウントを記載するテーブル(設定項目集計テーブル)とを記憶し、これらのテーブルで履歴情報を管理する。
【0111】
その場合のジョブ処理システムの構成は第1の実施例と同様であるが、図25に示すように、各機能の設定画面を表示する際に、画像形成装置20の制御部21(履歴処理部)は、設定項目−機能対応テーブルに基づいて、設定しようとする機能に関連する設定項目を抽出し、設定項目集計テーブルに基づいて、その設定項目に対する集計値を得る履歴抽出処理を行う。また、画像形成装置20の制御部21(設定部)は、デフォルトの設定画面に、履歴抽出結果に基づいて頻度の高い設定項目及び設定値を表示する制御を行う。また、コンピュータ装置10の制御部11(履歴処理部)は、画像形成装置20から履歴抽出結果を取得し、制御部11(設定部)は、デフォルトの設定画面に、履歴抽出結果に基づいて頻度の高い設定項目及び設定値を表示する制御を行う。
【0112】
このように、設定履歴DBに、設定項目−機能対応テーブルと設定項目集計テーブルとを記憶することによっても、各機能の設定画面を表示する際に、当該機能で使用頻度の高い設定項目及びその設定値を表示するのみならず、他の機能で使用頻度の高い設定項目及びその設定値を表示することができるため、機能の設定をより効果的に行うことができる。
【0113】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。
【0114】
例えば、上記各実施例では、設定履歴DBを画像形成装置20内に設ける構成としたが、設定履歴DBは外部のサーバ等に設けてもよい。この場合、図5のフローチャート1のS110で、ジョブ実行の都度、設定結果をサーバに通知し、図6のフローチャート1aの処理をサーバで行うようにすればよい。
【0115】
また、上記各実施例では、1台の画像形成装置20の設定履歴を集計するように構成したが、ネットワークに接続された他の画像形成装置の設定履歴の集計結果を取得し、自身の集計値に統合するようにしてもよい。また、上記のようにサーバに設定履歴DBを設ける場合には、サーバが複数の画像形成装置から設定履歴を取得し、一元的に集計するようにしてもよい。
【0116】
また、上記実施例では、プリンタドライバで設定を行う度に画像形成装置20から履歴情報を取得するように構成したが、一度取得した設定履歴DBをコンピュータ装置10内に保存しておき、所定期間は保存した設定履歴DBを利用するようにしてもよい。コンピュータ装置10内の記憶部の記憶容量を消費したくない場合は前者の実施形態が望ましいが、記憶容量に余裕がある場合は、後者のようにすれば通信トラフィックを少なくでき、また、通信時間が不要であるため迅速に履歴情報を提示することが可能となる。
【0117】
また、プリンタドライバが常に立ち上がった状態でコンピュータ装置10に常駐するように構成する場合には、設定履歴を定期的に入手し、コンピュータ装置10内にDBのコピーを保存しておくように構成してもよい。或いは、プリンタドライバとは別の常駐アプリケーションで定期的にDBを入手してDBのコピーを保存するようにしてもよい。
【0118】
また、上記各実施例では、個々の設定項目毎にカウントを集計する構成としたが、複数の設定項目の組合せについても同様にカウントを集計するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、複数の機能を備える画像形成装置(複合機)及び当該画像形成装置を含むジョブ処理システム並びに画像形成装置にジョブを送信するコンピュータ装置で動作するプリンタドライバに利用可能である。
【符号の説明】
【0120】
10 コンピュータ装置
11 制御部
11a CPU
11b メモリ
11c HDD
11d 通信I/F部
12 表示部
13 操作部
20 画像形成装置
21 制御部
21a CPU
21b メモリ
21c HDD
21d 通信I/F部
22 表示部
23 操作部
24 画像読取部
25 印刷部
26 FAX送受信部
27 mail送信部
30 通信ネットワーク
40 デフォルト画面
41 全体履歴ボタン操作時のデフォルト画面
42 機能別履歴ボタン操作時のデフォルト画面
43 BOX出力モードのフォルダ選択画面
44 BOX出力モードの機能選択画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機能を備える画像形成装置(複合機)及びジョブ処理システム並びにプリンタドライバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の画像形成装置は、原稿読取装置、印刷装置、FAX送受信装置、ネットワーク通信装置等を一体的に構成し、それらを組み合わせて使用することで、コピー機能、プリンタ機能、FAX送受信機能、スキャンして得た画像データをメール送信するScan to mail機能等、様々な機能が提供される。
【0003】
例えば、コピー機能においては、原稿読取装置で原稿の画像を入力し、印刷装置で印刷する。また、FAX受信機能では、FAX受信装置により受信した画像データを印刷装置で印刷する。また、FAX送信機能やScan to mail機能では、原稿読取装置で原稿の画像を入力し、FAX送信装置やメール送信装置で画像データの送信を行う。
【0004】
このような複数の機能を備えた画像形成装置(複合機)では、各機能の設定操作が煩雑になることから、設定操作を容易にする提案が成されている。例えば、下記特許文献1には、操作パネルでの設定の履歴を記録しておき、使用頻度の高い設定項目をユーザに提示して、設定操作の手間の軽減を図る技術が開示されている。また、下記特許文献2、3には、プリンタドライバでの設定において、設定の履歴を記録しておき、設定の使用頻度に応じて画面の表示態様を変更して設定操作の手間の軽減を図る技術が開示されている。
【0005】
さらに、下記特許文献4には、印刷装置本体で設定した印刷条件を保存しておき、その印刷条件の履歴をPCのプリンタドライバでの設定に利用できるようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−10603号公報
【特許文献2】特開2007−79720号公報
【特許文献3】特開2007−279894号公報
【特許文献4】特開2005−297488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術は、所定の機能の設定操作を行う場合に、その機能の設定履歴を利用するものであるため、例えば、使用頻度が高い機能を利用する場合は設定履歴に基づいて設定操作を容易にすることは可能であるが、使用頻度の低い機能を利用する場合、その機能の設定履歴が少ないため、操作性の改善は期待できないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、各機能の設定操作を容易にすることができる複合機及びジョブ処理システム並びにプリンタドライバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、コピー機能、コンピュータ装置から受信したデータを印刷する機能、FAX受信したデータを印刷する機能、スキャンしたデータをFAX送信する機能、スキャンしたデータを電子メールに添付して送信する機能、スキャンしたデータを保存する機能の中から選択される少なくとも2つの機能を有する複合機であって、前記2つの機能は、各々の機能に関する設定条件の少なくとも一部が異なり、第1の機能に関する設定条件を設定する第1設定部と、前記第1設定部により設定された設定条件でジョブを実行する第1ジョブ処理部と、前記第1設定部により設定された設定条件の履歴を記憶する設定履歴記憶部と、第2の機能に関する設定条件を設定する第2設定部と、前記第2設定部により設定された設定条件でジョブを実行する第2ジョブ処理部と、を有し、前記第2設定部は、前記設定履歴記憶部に記憶された前記第1の機能に関する設定条件の一部に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示するものである。
【0010】
また、本発明は、ジョブを生成して送信するコンピュータ装置と、ジョブを実行する画像形成装置と、が通信ネットワークで接続されたジョブ処理システムにおいて、前記画像形成装置は、前記コンピュータ装置から受信したデータを印刷するプリント機能と、コピー機能、FAX受信したデータを印刷する機能、スキャンしたデータをFAX送信する機能、スキャンしたデータを電子メールに添付して送信する機能、スキャンしたデータを保存する機能の中から選択される少なくとも1つの他の機能と、を有し、前記プリント機能と前記他の機能とは、各々の機能に関する設定条件の少なくとも一部が異なり、前記コンピュータ装置は、前記プリント機能に関する設定条件を設定する設定部と、前記設定部により設定された設定条件でジョブを生成するジョブ生成部と、前記画像形成装置で設定された前記他の機能に関する設定条件の履歴を取得する履歴処理部と、を有し、前記設定部は、取得した前記他の機能に関する設定条件の一部に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示するものである。
【0011】
また、本発明は、画像形成装置に通信ネットワークで接続されたコンピュータ装置で動作するプリンタドライバであって、前記画像形成装置は、前記コンピュータ装置から受信したデータを印刷するプリント機能と、コピー機能、FAX受信したデータを印刷する機能、スキャンしたデータをFAX送信する機能、スキャンしたデータを電子メールに添付して送信する機能、スキャンしたデータを保存する機能の中から選択される少なくとも1つの他の機能と、を有し、前記プリント機能と前記他の機能とは、各々の機能に関する設定条件の少なくとも一部が異なり、前記コンピュータ装置を、前記プリント機能に関する設定条件を設定する設定部、前記設定部により設定された設定条件でジョブを生成するジョブ生成部、前記画像形成装置で設定された前記他の機能に関する設定条件の履歴を取得する履歴処理部、として機能させ、前記設定部は、取得した前記他の機能に関する設定条件の一部に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の複合機及びジョブ処理システム並びにプリンタドライバによれば、各機能の設定操作を容易にすることができる。
【0013】
その理由は、あまり使用しない機能若しくは使用したことのない機能の設定を行う場合でも、使用する機能とは別の機能の設定履歴に基づいて、使用頻度が高い項目及びその設定値が表示されるため、ユーザは表示される情報を参考にして設定操作を行うことができるからである。
【0014】
また、別の機能の設定履歴のうち、使用する機能に関連する項目を抽出してユーザに提示するため、ユーザは関連項目を探す手間をかけずに設定操作を行うことができるからである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施例に係るジョブ処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係るコンピュータ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係るジョブ処理システムの概略動作を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の全体動作(パネルによる設定時の動作)を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の動作(履歴記録処理)を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の動作(第1の履歴処理)を示すフローチャート図である。
【図8】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の動作(第2の履歴処理)を示すフローチャート図である。
【図9】本発明の第1の実施例に係るプリンタドライバの全体動作を示すフローチャート図である。
【図10】本発明の第1の実施例に係るプリンタドライバの動作(第1の履歴処理)を示すフローチャート図である。
【図11】本発明の第1の実施例に係るプリンタドライバの動作(第2の履歴処理)を示すフローチャート図である。
【図12】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の動作(履歴要求に対する処理)を示すフローチャート図である。
【図13】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の動作(ジョブ受信時の処理)を示すフローチャート図である。
【図14】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に記憶されるテーブル(共通設定履歴テーブル)の一例を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に記憶されるテーブル(機能特有設定履歴テーブル)の一例を示す図である。
【図16】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に記憶されるテーブル(機能別設定履歴テーブル)の一例を示す図である。
【図17】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に表示される画面(デフォルト画面)の一例を示す図である。
【図18】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に表示される画面(全体履歴ボタン操作時のデフォルト画面)の一例を示す図である。
【図19】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に表示される画面(機能別履歴ボタン操作時のデフォルト画面)の一例を示す図である。
【図20】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の動作(パネルによるBOX出力設定時の動作)を示すフローチャート図である。
【図21】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の動作(BOX保存処理)を示すフローチャート図である。
【図22】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に記憶されるテーブル(BOX関連履歴テーブル)の一例を示す図である。
【図23】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に表示される画面(BOX出力モードのフォルダ選択画面)の一例を示す図である。
【図24】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置に表示される画面(BOX出力モードの機能選択画面)の一例を示す図である。
【図25】本発明の第2の実施例に係るジョブ処理システムの概略動作を示す図である。
【図26】本発明の第2の実施例に係る画像形成装置に記憶されるテーブル(設定項目−機能対応テーブル及び設定項目集計テーブル)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
背景技術で示したように、近年の画像形成装置は、コピー機能、プリンタ機能、FAX機能、Scan to mail機能等、様々な機能を備えているため、各機能の設定操作が非常に煩雑となっており、ユーザの意図する設定を簡便に行えるユーザインターフェースが求められている。
【0017】
この問題に対して、従来は、各機能の設定操作を履歴情報として記憶しておき、その機能を利用する場合に、履歴情報に基づいて設定画面の表示形態を変更するなどの制御を行っていた。
【0018】
しかしながら、各機能の中には、よく使用する機能もあれば、あまり使用しない若しくは使用したことがない機能もあり、後者の機能を使用する場合、その機能の履歴情報を利用しても設定操作を容易にすることはできない。
【0019】
一方、画像形成装置の各機能の設定項目は無関係ではなく、各機能に特有の設定項目もあれば、他の機能と共通の設定項目(例えば、コピー機能とプリント機能においては印刷設定項目、コピー機能とFAX送信機能、Scan to mail機能においては原稿読取設定項目等)もある。
【0020】
そこで、本発明の一実施形態では、各機能の設定項目の中に各機能特有の設定項目と共通の設定項目とがあることに着目し、使用する機能の設定履歴に基づいて設定画面の表示形態を制御するのみならず、他の機能でも使用される共通の設定項目の履歴情報に基づいて設定画面の表示形態を制御し、機能間で設定履歴を簡便に利用できるようにする。
【実施例1】
【0021】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る複合機及びジョブ処理システム並びにプリンタドライバについて、図1乃至図24を参照して説明する。図1は、本実施例のジョブ処理システムの構成を模式的に示す図であり、図2は、コンピュータ装置の構成を示すブロック図、図3は、画像形成装置の構成を示すブロック図である。また、図4は、ジョブ処理システムの概略動作を示す図であり、図5乃至図13、図20、図21は、各装置の具体的な動作を示すフローチャート図である。また、図14乃至図16、図22は、DBに記憶されるテーブルの一例を示す図であり、図17乃至図19、図23、図24は、画像形成装置に表示される画面の一例を示す図である。
【0022】
図1に示すように、本実施例のジョブ処理システムは、ジョブを指示する1又は複数のコンピュータ装置10と、ジョブを処理する1又は複数の画像形成装置(MFP:Multi Function PeripheralやFAX)20とで構成され、これらは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、電話回線等の通信ネットワーク30によって接続されている。以下、各装置について詳細に説明する。
【0023】
[コンピュータ装置]
図2(a)に示すように、コンピュータ装置10は、制御部11と、表示部12と、操作部13などで構成される。
【0024】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11a、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などのメモリ11b、HDD(Hard Disk Drive)11c、通信I/F部11dなどを備え、これらはバスを介して接続されている。CPU11aは、各部の制御を行う。メモリ11bは、HDD11c、通信I/F部11dから読み込んだ種々のデータを一時的に記憶する部分であり、記憶されたデータはCPU11aによって処理され、必要に応じてHDD11cや通信I/F部11dに転送される。HDD11cは、CPU11aが各部を制御するためのプログラム、自装置の処理機能に関する情報、画像形成装置20から取得した設定履歴情報などを格納し、CPU11aにより必要に応じて読み出され、メモリ11b上で実行処理される。通信I/F部11dは、通信ネットワーク30を介して繋がっている機器との接続を確立し、データの送受信を実行する。
【0025】
上記制御部11は、文書を作成するためのアプリケーションや文書の印刷を指示するプリンタドライバとして機能する。プリンタドライバは、図2(b)に示すように、アプリケーションで作成した文書データを、画像形成装置20で読み取り可能な言語(PCL(Printer Control Language)やPS(Post Script)などのPDL(Page Description Language))に変換してジョブを生成するジョブ生成部と、画像形成装置20から設定履歴情報を取得する履歴処理部と、プリント機能に関する設定条件(設定項目及びその設定値)を設定する際に、画像形成装置20から取得した設定履歴情報に基づいて表示部12に表示される画面を制御する設定部などとして機能する。
【0026】
表示部12は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(electroluminescence)表示装置等からなり、印刷に関する設定画面などを表示する。
【0027】
操作部13は、ポインティングデバイス、キーボード、トラックボール、トラックパッド、タブレット、及びスタイラスペン等からなり、表示部12上に表示された画面に対する指示を可能にする。
【0028】
なお、図2はコンピュータ装置10の基本構成であり、プリンタドライバが実行可能な限りにおいて、その構成は適宜変更可能である。
【0029】
[画像形成装置]
図3(a)に示すように、画像形成装置20は、複数の機能を備える複合機であり、制御部21と、表示部22と、操作部23と、画像読取部24と、印刷部25と、FAX送受信部26と、mail送信部27などで構成される。
【0030】
制御部21は、各構成部を制御する部分で、CPU21a、ROMやRAMなどのメモリ21b、HDD21c、通信I/F部21dなどを備え、これらはバスを介して接続されている。CPU21aは各部の制御を行う。メモリ21bは、HDD21c、画像読取部24、通信I/F部21dから読み込んだ種々のデータを一時的に記憶する部分で、記憶されたデータはCPU21aによって画像処理され、必要に応じてHDD21cや印刷部25に転送される。HDD21cは、CPU21aが各部を制御するためのプログラムや各種データを格納し、CPU21aにより必要に応じて読み出され、メモリ21b上で実行処理される。通信I/F部21dは、通信ネットワーク30を介して繋がっている機器との接続を確立し、データの送受信を実行する。
【0031】
上記HDD21cは、ジョブ処理の対象となる画像データを予め設定された階層構造で記憶する画像記憶部と、各機能の設定画面で入力された情報(設定履歴)を記憶する設定履歴DBとを含み、設定履歴DBには、複数の機能に共通する項目(共通設定項目と呼ぶ。)の設定履歴情報(共通設定履歴と呼ぶ。)と、各機能特有の項目(機能特有設定項目と呼ぶ。)の設定履歴情報(機能特有設定履歴と呼ぶ。)と、必要に応じて、各機能で設定可能な項目の設定履歴情報(機能別設定履歴と呼ぶ。)と、が記憶される。
【0032】
また、上記制御部21は、図3(b)に示すように、画像読取部24で読み取ったデータ、FAX送受信部26で受信したデータ、画像記憶部から読み取ったデータに基づいてジョブを生成するジョブ生成部と、上記ジョブ生成部若しくはコンピュータ装置10のジョブ生成部から取得したジョブに基づいて、印刷やFAX送信、mail送信、データ保存(以下、BOX保存と呼ぶ。)等の処理を実行するジョブ処理部、設定画面で設定された項目が共通設定項目であるか機能特有設定項目であるかを判定し、設定された項目及びその設定値を共通設定履歴若しくは機能特有設定履歴に振り分けて保存する履歴処理部、各機能に関する設定条件を設定する際に、設定履歴に基づいて表示部22に表示される画面を制御する設定部としても機能する。
【0033】
表示部22は、液晶表示装置や有機EL表示装置等からなり、画像形成装置20を操作するための画面等を表示する。また、操作部23は、ボタンやスイッチ等からなり、各種設定や指示を行う。なお、表示部22と操作部23は別々の装置としても良いし、表示部22上に、透明電極が格子状に配置された感圧式の操作部(タッチパネル)23を設けた一体の装置としてもよく、タッチパネルの場合は、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御部21に出力する。
【0034】
画像読取部24は、原稿台上の原稿用紙から画像データを光学的に読み取る部分であり、原稿を走査する光源と、原稿で反射された光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)等のイメージセンサと、電気信号をA/D変換するA/D変換器等により構成される。
【0035】
印刷部25は、電子写真方式や静電記録方式等の作像プロセスを利用した画像形成に必要な構成要素で構成され、画像読取部24で読み取った画像データ、あるいは通信I/F部21dを介して受け取った画像データ(PDLデータを含む。)に基づいて、指定された用紙に画像を形成する。
【0036】
FAX送受信部26は、FAX受信した画像データを印刷部25に印刷させると共に、画像読取部24で読み取った画像データを設定された宛先にFAX送信する。
【0037】
mail送信部27は、画像読取部24で読み取った画像データをPDF(Portable Document Format)、TIFF(Tagged Image File Format)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等のファイルにして、mailに添付して送信する。
【0038】
なお、図3では、画像形成装置20の機能として、印刷機能とFAX機能とmail機能とデータ保存機能の4つを例示したが、本実施例の画像形成装置20は、設定項目の一部が重複する複数の機能を備えていればよい。また、図1では、ジョブ処理システムをコンピュータ装置10と画像形成装置20とで構成したが、印刷データを画像データに変換するRIP(Raster Image Processor)コントローラ等の制御装置を通信ネットワーク30に接続してもよい。その場合は、制御装置が画像形成装置20から設定履歴を受信し、コンピュータ装置10に送信すればよい。
【0039】
次に、上記構成のジョブ処理システムの概略動作について、図4(a)を参照して説明する。
【0040】
まず、画像形成装置20の表示部22に表示される画面で機能を選択し、各機能の設定画面で設定条件を入力すると、制御部21(ジョブ生成部)は、設定条件(設定項目及びその設定値)に従って、画像読取部24で読み取った画像データやFAX受信した画像データ、画像記憶部から読み取った画像データに基づいてジョブを生成する。また、コンピュータ装置10の表示部12に表示される設定画面で印刷条件を入力すると、制御部11(ジョブ生成部)は、印刷条件に従ってジョブを生成し、画像形成装置20に送信する。そして、画像形成装置20の制御部(ジョブ処理部)は、ジョブ生成部から受け取ったジョブに基づいて、印刷やFAX送信、mail送信、BOX保存等の処理を実行する。
【0041】
また、画像形成装置20の設定画面の設定条件は、制御部21(履歴処理部)によって共通設定履歴と機能特有設定履歴とに振り分けられ、設定履歴DBに記憶される。そして、制御部21(設定部)は、デフォルトの設定画面に、共通設定履歴に基づいて使用頻度の高い共通設定項目及びその設定値を表示したり、機能特有設定履歴に基づいて使用頻度の高い機能特有設定項目及びその設定値を表示したり、共通設定履歴と機能特有設定履歴とを統合した機能別設定履歴に基づいて使用頻度の高い設定項目及びその設定値を表示したりして、画面の表示を制御する。
【0042】
また、コンピュータ装置10の制御部11(履歴処理部)は、画像形成装置20の設定履歴DBから共通設定履歴と機能特有設定履歴と必要に応じて機能別設定履歴とを取得し、制御部11(設定部)は、デフォルトの設定画面に、取得した共通設定履歴に基づいて使用頻度の高い共通設定項目及びその設定値を表示したり、取得した機能特有設定履歴に基づいて使用頻度の高い機能特有設定項目及びその設定値を表示した、取得した機能別設定履歴に基づいて使用頻度の高い設定項目及びその設定値を表示したりして、画面の表示を制御する。
【0043】
なお、図4(a)では、設定履歴DBに共通設定履歴と機能特有設定履歴とを記憶したが、例えば、第1機能と第2機能の2つの機能を備える装置の場合は、図4(b)に示すように、機能特有設定履歴を第1機能の機能特有設定履歴である第1機能特有設定履歴と第2機能の機能特有設定履歴である第2機能特有設定履歴とに分けて記憶してもよいし、図4(c)に示すように、共通設定履歴を第1機能の機能共通設定履歴である第1機能共通設定履歴と第2機能の機能共通設定履歴である第2機能共通設定履歴とに分けて記憶してもよい。
【0044】
上記設定履歴DBに記憶される履歴情報について、図14乃至図16を参照して具体的に説明する。なお、画像形成装置20は、コピー機能とFAX送信機能とプリント機能とScan to mail機能の4つの機能を有するものとする。
【0045】
コピー機能の設定項目には、コピー全般に関する項目(原稿及び出力物の印刷形態など)やコピーする原稿のスキャンに関する項目(両面/片面、カラー/モノクロ、原稿画質、解像度など)、印刷に関する項目(両面/片面、頁集約、カラー/モノクロ、出力用紙、ステープル、スタンプなど)がある。
【0046】
また、FAX送信機能の設定項目には、FAX送信全般に関する項目(FAX専用の宛先、FAX種別、パスワード設定、送信元情報付加など)、FAXする原稿のスキャンに関する項目(両面/片面、カラー/モノクロ、原稿画質、解像度など)、データ送信に関する項目(FAX送信とmail送信とを連動させる場合の宛先など)がある。
【0047】
また、プリント設定の設定項目には、印刷に関する項目(両面/片面、頁集約、カラー/モノクロ、出力用紙、ステープル、スタンプなど)がある。
【0048】
また、Scan to mail機能の設定項目には、Scan to mail全般に関する項目(mail専用の宛先、ファイル形式、メール本文など)、メールする原稿のスキャンに関する項目(両面/片面、カラー/モノクロ、原稿画質、解像度など)、データ送信に関する項目(FAX送信とmail送信とを連動させる場合の宛先など)がある。
【0049】
このように、画像形成装置20では、各機能で設定可能な項目は全く独立している訳ではなく、重複している項目も多い。例えば、コピー機能とFAX送信機能とScan to mail機能では、共に原稿をスキャンすることから、原稿のスキャンに関する項目が共通する。また、コピー機能とプリント機能では、共に印刷を行うことから、印刷に関する項目が共通する。また、FAX送信機能とScan to mail機能では、共にデータを送信することから、データ送信に関する項目が共通する。
【0050】
そこで、本実施例では、図14に示すように、複数の機能に共通する設定項目とその設定項目に対する設定値とその設定値の選択回数(カウント、好ましくはユーザID毎のカウント)とを記述した共通設定履歴テーブルを設けると共に、図15に示すように、各機能特有の設定項目とその設定項目に対する設定値とその設定値の選択回数(カウント、好ましくはユーザID毎のカウント)とを記述した機能特有履歴テーブルを設けている。
【0051】
また、ユーザによっては、例えば、コピー時の印刷条件とプリント時の印刷条件の傾向が異なる場合があり、この場合は、機能別に集計した履歴を提示する方が望ましい。そこで、本実施例では、上記共通設定履歴テーブル及び機能特有設定履歴テーブルに加えて、必要に応じて、図16に示すように、各機能で設定可能な設定項目とその設定項目に対する設定値とその機能使用時に選択された回数(カウント、好ましくはユーザID毎のカウント)とを記述した機能別設定履歴テーブルを設けている。
【0052】
なお、この機能別設定履歴テーブルは独立したテーブルとして設けてもよいし、機能別に集計した履歴が必要な時に、共通設定履歴テーブル及び機能特有設定履歴テーブルから求めてもよい。この場合、共通設定履歴テーブルにおいて、複数の機能で設定された回数を合計したカウント値に加えて各機能で設定された回数を個別に記憶するようにすればよい。
【0053】
以下、ジョブ処理システムの各装置の詳細動作について説明する。
【0054】
まず、画像形成装置20で機能の設定を行う場合の動作について、図5乃至図8を参照して説明する。図5(フローチャート1)は全体動作を示し、図6(フローチャート1a)はS110の詳細動作、図7(フローチャート2)はS105の詳細動作、図8(フローチャート3)はS107の詳細動作を示している。
【0055】
制御部21は、表示部22にユーザ認証画面を表示させ、ユーザは操作部23を操作してユーザIDやパスワードなどを入力する。制御部21は、入力された情報と予めHDD21c等に記憶した情報とを比較してユーザ認証を行う(S101)。
【0056】
次に、制御部21は、表示部22に機能選択画面を表示させ、ユーザは操作部23を操作して所望の機能を選択する(S102)。ここでは、説明を簡略化するために印刷、FAX送信、FAX受信、mail送信のいずれかを選択するものとし、BOX出力が選択された場合については後述する。
【0057】
次に、制御部21は、表示部22に選択された機能のデフォルト画面を表示させる(S103)。このデフォルト画面40は、例えば、図17のように構成され、コピー機能が選択された場合は、コピーモードで設定可能な項目(基本設定、集約/原稿、画質/濃度、応用設定など)がタブで分類されて表示される。また、BOX保存を指示するボタンや全体履歴の参照を指示するボタン、機能別履歴の参照を指示するボタンなどが表示される。なお、BOX保存が指定された場合については後述する。
【0058】
この段階で、通常の設定(デフォルトの設定画面や各タブで切り換えた設定画面での設定条件の入力)も可能であるが、本実施例では、履歴に基づく設定を可能とするために、制御部21は、デフォルト画面40で全体履歴参照が指示されたかを判断し(S104)、指示された場合は、共通設定履歴と機能特有設定履歴とに基づいて使用頻度の高い設定項目及びその設定値を提示する第1の履歴処理を行う(S105)。
【0059】
この第1の履歴処理について、図7のフローチャート図を参照して具体的に説明する。
【0060】
まず、制御部21(履歴処理部)は、ステップS102で選択された機能を判別する(S201)。
【0061】
コピー機能が選択されている場合は、制御部21(履歴処理部)は、設定履歴DBから印刷に関する共通設定履歴及び原稿スキャンに関する共通設定履歴を読み込み(S202、S203)、続いて、コピーに関する機能特有設定履歴を読み込む(S204)。その後、制御部21(設定部)は、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に使用頻度の高い共通設定項目及び機能特有設定項目とその設定値を提示する(S213)。例えば、図18に示すように、コピーモード選択時のデフォルト画面に、他のモードで設定された項目を含むことを明示して、使用頻度の高い共通設定項目(図の原稿読取設定と印刷設定の欄)及び機能特有設定項目(図のコピーモード用設定の欄)とその設定値を一覧表示する履歴画面を重ねて表示させる。
【0062】
なお、履歴画面に表示する項目の数は任意であり、予め定めた値以上の使用頻度の項目を表示してもよいし、使用頻度の高い順に予め定めた数だけ表示してもよい。また、図では、原稿スキャンに関する共通設定項目を3つ、印刷に関する共通設定項目を3つ、コピーに関する機能特有設定項目を2つ表示しているが、表示数は適宜変更可能であり、共通設定項目が少なくとも1つ表示されていればよい。
【0063】
同様に、FAX送信機能が選択されている場合は、設定履歴DBから送信に関する共通設定履歴及び原稿スキャンに関する共通設定履歴を読み込み(S205、S206)、続いて、FAXに関する機能特有設定履歴を読み込む(S207)。その後、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に使用頻度の高い共通設定項目及び機能特有設定項目とその設定値を提示する(S213)。
【0064】
また、Scan to mail機能が選択されている場合は、設定履歴DBから送信に関する共通設定履歴及び原稿スキャンに関する共通設定履歴を読み込み(S208、S209)、続いて、Scan to mailに関する機能特有設定履歴を読み込む(S210)。その後、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に使用頻度の高い共通設定項目及び機能特有設定項目とその設定値を提示する(S213)。
【0065】
また、FAX受信機能が選択されている場合は、設定履歴DBから印刷に関する共通設定履歴を読み込み(S211)、続いて、FAXに関する機能特有設定履歴を読み込む(S212)。その後、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に使用頻度の高い共通設定項目及び機能特有設定項目とその設定値を提示する(S213)。
【0066】
次に、制御部21(履歴処理部)は、履歴画面で項目が選択されたかを判断し(S214、S215)、項目が選択された場合は、その設定を反映(設定内容をメモリに記憶)させる(S216)。その後、制御部21(設定部)は、履歴画面を消去して(S217)、第1の履歴処理を終了する。
【0067】
図5に戻って、制御部21は、デフォルト画面40で機能別履歴参照が指示されたかを判断し(S106)、指示された場合は、選択された機能の設定履歴に基づいて使用頻度の高い設定項目及び設定値を提示する第2の履歴処理を行う(S107)。
【0068】
この第2の履歴処理について、図8のフローチャート図を参照して具体的に説明する。
【0069】
まず、制御部21(履歴処理部)は、ステップS102で選択された機能を判別する(S301)。
【0070】
コピー機能が選択されている場合は、制御部21(履歴処理部)は、設定履歴DBからコピーに関する機能別設定履歴を読み込む(S302)。その後、制御部21(設定部)は、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に使用頻度の高い設定項目及びその設定値を提示する(S306)。例えば、図19に示すように、コピーモード選択時のデフォルト画面に、コピーモードで選択された項目であることを明示して、使用頻度の高い設定項目及びその設定値を一覧表示する履歴画面を重ねて表示させる。
【0071】
同様に、FAX送信機能が選択されている場合は、設定履歴DBからFAXに関する機能別設定履歴を読み込み(S303)、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に使用頻度の高い設定項目及びその設定値を提示する(S306)。
【0072】
また、Scan to mail機能が選択されている場合は、設定履歴DBからScan to mailに関する機能別設定履歴を読み込み(S304)、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に使用頻度の高い設定項目及びその設定値を提示する(S306)。
【0073】
また、FAX受信機能が選択されている場合は、設定履歴DBからFAXに関する機能別設定履歴を読み込み(S305)、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に使用頻度の高い設定項目及びその設定値を提示する(S306)。
【0074】
次に、制御部21(履歴処理部)は、履歴画面で項目が選択されたかを判断し(S307、S308)、項目が選択された場合は、その設定を反映(設定内容をメモリに記憶)させる(S309)。
【0075】
その後、制御部21(設定部)は、履歴画面を消去して(S310)、第2の履歴処理を終了する。
【0076】
再び、図5に戻って、制御部21は、スタートボタンが押下されたかを判断し(S108)、押下されていなければステップS104に戻って同様の処理を繰り返す。一方、スタートボタンが押下された場合は、制御部21(ジョブ処理部)は、ジョブを実行し(S109)、履歴画面で選択された項目のカウントを更新する(S110)。なお、S110の「履歴記録」は、設定条件が確定したS108の直後に実行してもよいが、ユーザがジョブ実行中に設定条件の間違いに気づき、ジョブを中断する可能性もあるため、ジョブ実行の完了後に記録するのが望ましい。
【0077】
次に、制御部21(履歴処理部)は、個々のジョブの日時と設定内容を履歴として記録し(S111)、所定期間(例えば1週間)内のジョブ記録を抽出し(S112)、抽出したジョブ記録に基づいて、各設定項目の設定回数を集計して、共通設定履歴テーブル、機能特有設定履歴テーブル、機能別設定履歴テーブルを更新する(S113)。図6の処理では、S112、S113により、ジョブ実行の都度、各設定履歴テーブルを更新するようにしているが、定期的に、例えば電源ON時に更新するように構成してもよい。
【0078】
次に、コンピュータ装置10で機能の設定を行う場合の動作について、図9乃至図13を参照して説明する。図9(フローチャート4)はプリンタドライバの全体動作を示し、図10(フローチャート5)はS404の詳細動作、図11(フローチャート6)はS406の詳細動作を示している。また、図12(フローチャート7)及び図13(フローチャート8)は画像形成装置20の動作を示している。
【0079】
制御部11(プリンタドライバ)は、表示部12にユーザ認証画面を表示させ、ユーザは操作部13を操作してユーザIDやパスワードなどを入力する。制御部11は、入力された情報とHDD11c等に予め記憶した情報とを比較してユーザ認証を行う(S401)。
【0080】
次に、制御部11は、表示部12に印刷機能のデフォルト画面を表示させる(S402)。このデフォルト画面は、図17と同様の構成であり、印刷機能で設定可能な項目がタブで分類されて表示される。また、全体履歴の参照を指示するボタン、機能別履歴の参照を指示するボタンなどが表示される。
【0081】
この段階で、通常の設定(デフォルトの設定画面や各タブで切り換えた設定画面での設定条件の入力)も可能であるが、本実施例では、履歴に基づく設定を可能とするために、制御部11は、デフォルト画面で全体履歴参照が指示されたかを判断し(S403)、指示された場合は、共通設定履歴と機能特有設定履歴とに基づいて使用頻度の高い設定項目及び設定値を提示する第1の履歴処理を行う(S404)。
【0082】
この第1の履歴処理について、図10及び図12のフローチャート図を参照して具体的に説明する。
【0083】
まず、制御部11(履歴処理部)は、印刷に関する共通設定履歴を取得する(S501)。具体的には、画像形成装置20に、印刷に関する共通設定履歴を要求する履歴要求コマンドを送信する。画像形成装置20では、図12に示すように、履歴要求コマンドを受信すると、印刷に関する共通設定履歴の要求であるかを判断する(S701)。ここでは、印刷に関する共通設定履歴の要求であることから、HDD21cなどから印刷に関する共通設定履歴を読み出し(S703)、ドライバへ送信する(S704)。
【0084】
次に、制御部11(設定部)は、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に、使用頻度の高い共通設定項目とその設定値を一覧表示する履歴画面を重ねて表示させる(S502)。
【0085】
次に、制御部11は、履歴画面で項目が選択されたかを判断し(S503、S504)、項目が選択された場合は、その設定を反映(設定内容をメモリに記憶)させる(S505)。その後、制御部11(設定部)は、履歴画面を消去して(S506)、第1の履歴処理を終了する。
【0086】
図9に戻って、制御部11は、デフォルト画面で機能別履歴参照が指示されたかを判断し(S405)、指定された場合は、使用機能における設定履歴に基づいて使用頻度の高い設定項目及び設定値を提示する第2の履歴処理を行う(S406)。
【0087】
この第2の履歴処理について、図11及び図12のフローチャート図を参照して具体的に説明する。
【0088】
まず、制御部11(履歴処理部)は、プリントに関する機能別設定履歴を取得する(S601)。具体的には、画像形成装置20に、プリントに関する機能別設定履歴を要求する履歴要求コマンドを送信する。画像形成装置20では、図12に示すように、履歴要求コマンドを受信すると、印刷に関する共通設定履歴の要求であるかを判断する(S701)。ここでは、印刷に関する共通設定履歴の要求でないことから、HDD21cなどからプリントに関する機能別設定履歴を読み出し(S702)、ドライバへ送信する(S704)。
【0089】
次に、制御部11(設定部)は、読み込んだ履歴情報に基づいて、デフォルト画面に、使用頻度の高い設定項目及びその設定値を一覧表示する履歴画面を重ねて表示させる(S602)。
【0090】
次に、制御部11は、履歴画面で項目が選択されたかを判断し(S603、S604)、項目が選択された場合は、その設定を反映(設定内容をメモリに記憶)させる(S605)。
【0091】
その後、制御部11(設定部)は、履歴画面を消去して(S606)、第2の履歴処理を終了する。
【0092】
再び、図9に戻って、制御部11は、デフォルト画面でOKボタンが押下されたかを判断し(S407)、押下されていなければステップS403に戻って同様の処理を繰り返す。一方、OKボタンが押下された場合は、制御部11は、ジョブデータを生成し(S408)、ジョブデータに設定情報(選択された設定項目及びその設定値)を付加し(S409)、画像形成装置20にジョブを送信する(S410)。
【0093】
なお、S408、S409において、画像処理に関する設定(例えば、拡大、縮小、2in1、スタンプ付与等)は、ドライバ側で画像データを処理して印刷用の画像データを生成する。そのため、画像形成装置20では、受信した画像データがもともとの原稿画像なのかユーザの設定により処理された画像データなのかが区別できない。したがって、S409では、画像形成装置20で処理する設定条件だけでなく、すでに処理済の設定条件(画像処理に関する設定)を含めて設定情報を付与する。
【0094】
一方、画像形成装置20では、図13に示すように、ジョブを受信すると、制御部21は、ジョブを実行し(S801)、ジョブに付与された設定情報に基づいて、各設定履歴テーブルのカウントを更新する(S802)。
【0095】
次に、図5のS102の機能選択においてBOX出力が選択された場合の動作について、図20のフローチャート図を参照して説明する。
【0096】
なお、BOX出力及びBOX保存に関しては、各々別のフォルダに出力又は保存する場合と同じフォルダに出力及び保存する場合とがあることから、設定履歴DBには、図22に示すように、BOX関連履歴テーブル(共通設定履歴テーブルとしてのフォルダ履歴(保存+出力)と機能特有設定履歴テーブルとしてのフォルダ履歴(保存)及びフォルダ履歴(出力))が予め記録されている。
【0097】
まず、制御部21は、フォルダ履歴(保存+出力)テーブル及びフォルダ履歴(出力)テーブルから履歴情報を読み込む(S901)。
【0098】
次に、制御部21は、表示部22に、図23に示すようなBOX出力モードのフォルダ選択画面43を表示させる(S902)。このフォルダ選択画面43には、ファイル名を入力する欄と、フォルダ履歴(出力)に基づいて使用頻度の高いフォルダ名が表示されると共に、フォルダ履歴(保存+出力)に基づいて使用頻度の高いフォルダ名も表示される。
【0099】
次に、制御部21は、フォルダが選択されたかを判断し(S903)、選択された場合は、そのフォルダ名を反映(メモリに記憶)させる(S904)。一方、選択されなかった場合は、履歴の切替が行われたかを判断し(S905)、切替が行われた場合は、保存+出力と出力の切替を行う(S906)。そして、フォルダ選択画面43のOKボタンが押下されたかを判断し(S907)、押下されなければ、ステップS903に戻って同様の処理を繰り返す。
【0100】
一方、OKボタンが押下された場合は、表示部22に、図24に示すような機能選択画面44を表示させ、ユーザに機能を選択させる(S909、S910)。
【0101】
印刷、FAX送信、Scan to mailのいずれかの機能が選択されたら、図5と同様に、表示部22にデフォルト画面を表示させる(S911)。この段階で、通常の設定(デフォルトの設定画面や各タブで切り換えた設定画面での設定条件の入力)も可能であるが、本実施例では、履歴に基づく設定を可能とするために、全体履歴参照が指示されたら(S912のYes)、第1の履歴処理を行い(S913)、機能別履歴参照が指示されたら(S914のYes)、第2の履歴処理を行い(S915)、スタートボタンが押下されたら(S916のYes)、ジョブを実行し(S917)、フォルダ履歴を更新する(S918)。
【0102】
なお、第1の履歴処理及び第2の履歴処理は、前記した図7(フローチャート2)と図8(フローチャート3)と同様であるが、対象となる機能が、プリント、FAX、Scan to mailの3つである点が異なる。
【0103】
次に、図5のS103の設定画面において、BOX保存が指定された場合の動作について、図21のフローチャート図を参照して説明する。
【0104】
制御部21は、フォルダ履歴(保存+出力)テーブル及びフォルダ履歴(保存)テーブルから履歴情報を読み込む(S1001)。
【0105】
次に、制御部21は、表示部22に、BOX保存モードのフォルダ選択画面を表示させる(S1002)。このフォルダ選択画面には、ファイル名を入力する欄と、フォルダ履歴(保存)に基づいて使用頻度の高いフォルダ名が表示されると共に、フォルダ履歴(保存+出力)に基づいて使用頻度の高いフォルダ名が表示される。
【0106】
次に、制御部21は、フォルダが選択されたかを判断し(S1003)、選択された場合は、そのフォルダ名を反映(メモリに記憶)させる(S1004)。一方、選択されなかった場合は、履歴の切替が行われたかを判断し(S1005)、切替が行われた場合は、保存+出力と保存の切替を行う(S1006)。そして、フォルダ選択画面のOKボタンが押下されたら(S1007のYes)、処理を終了する。
【0107】
このように、本実施例では、設定履歴DBに、複数の機能に共通する項目の設定履歴(共通設定履歴)と、各機能に特有の項目の設定履歴(機能特有設定履歴)と、必要に応じて、各機能で設定可能な項目の設定履歴(機能別設定履歴)とを記憶しておき、各機能の設定画面を表示する際に、機能特有設定履歴や機能別設定履歴に基づいて当該機能で使用頻度の高い設定項目及びその設定値を表示するのみならず、共通設定履歴に基づいて他の機能で使用頻度の高い設定項目及びその設定値を表示するため、各機能の設定をより効果的に行うことができる。
【実施例2】
【0108】
次に、本発明の第2の実施例に係る複合機及びジョブ処理システム並びにプリンタドライバについて、図25及び図26を参照して説明する。図25は、ジョブ処理システムの概略動作を示す図であり、図26は、DBに記憶されるテーブルの一例を示す図である。
【0109】
前記した第1実施例では、各機能の設定項目を共通設定項目と機能特有設定項目とに分類し、各々の設定項目の設定結果を共通設定履歴テーブルと機能特有設定履歴テーブルとに分けて集計するようにしたが、これらをまとめて記憶しておき、履歴処理の際に必要な履歴情報を抽出することも可能である。
【0110】
そこで、第2の実施例では、図26に示すように、設定履歴DBに、設定項目と機能とを対応付けるテーブル(設定項目−機能対応テーブル)と、設定項目毎のカウントを記載するテーブル(設定項目集計テーブル)とを記憶し、これらのテーブルで履歴情報を管理する。
【0111】
その場合のジョブ処理システムの構成は第1の実施例と同様であるが、図25に示すように、各機能の設定画面を表示する際に、画像形成装置20の制御部21(履歴処理部)は、設定項目−機能対応テーブルに基づいて、設定しようとする機能に関連する設定項目を抽出し、設定項目集計テーブルに基づいて、その設定項目に対する集計値を得る履歴抽出処理を行う。また、画像形成装置20の制御部21(設定部)は、デフォルトの設定画面に、履歴抽出結果に基づいて頻度の高い設定項目及び設定値を表示する制御を行う。また、コンピュータ装置10の制御部11(履歴処理部)は、画像形成装置20から履歴抽出結果を取得し、制御部11(設定部)は、デフォルトの設定画面に、履歴抽出結果に基づいて頻度の高い設定項目及び設定値を表示する制御を行う。
【0112】
このように、設定履歴DBに、設定項目−機能対応テーブルと設定項目集計テーブルとを記憶することによっても、各機能の設定画面を表示する際に、当該機能で使用頻度の高い設定項目及びその設定値を表示するのみならず、他の機能で使用頻度の高い設定項目及びその設定値を表示することができるため、機能の設定をより効果的に行うことができる。
【0113】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。
【0114】
例えば、上記各実施例では、設定履歴DBを画像形成装置20内に設ける構成としたが、設定履歴DBは外部のサーバ等に設けてもよい。この場合、図5のフローチャート1のS110で、ジョブ実行の都度、設定結果をサーバに通知し、図6のフローチャート1aの処理をサーバで行うようにすればよい。
【0115】
また、上記各実施例では、1台の画像形成装置20の設定履歴を集計するように構成したが、ネットワークに接続された他の画像形成装置の設定履歴の集計結果を取得し、自身の集計値に統合するようにしてもよい。また、上記のようにサーバに設定履歴DBを設ける場合には、サーバが複数の画像形成装置から設定履歴を取得し、一元的に集計するようにしてもよい。
【0116】
また、上記実施例では、プリンタドライバで設定を行う度に画像形成装置20から履歴情報を取得するように構成したが、一度取得した設定履歴DBをコンピュータ装置10内に保存しておき、所定期間は保存した設定履歴DBを利用するようにしてもよい。コンピュータ装置10内の記憶部の記憶容量を消費したくない場合は前者の実施形態が望ましいが、記憶容量に余裕がある場合は、後者のようにすれば通信トラフィックを少なくでき、また、通信時間が不要であるため迅速に履歴情報を提示することが可能となる。
【0117】
また、プリンタドライバが常に立ち上がった状態でコンピュータ装置10に常駐するように構成する場合には、設定履歴を定期的に入手し、コンピュータ装置10内にDBのコピーを保存しておくように構成してもよい。或いは、プリンタドライバとは別の常駐アプリケーションで定期的にDBを入手してDBのコピーを保存するようにしてもよい。
【0118】
また、上記各実施例では、個々の設定項目毎にカウントを集計する構成としたが、複数の設定項目の組合せについても同様にカウントを集計するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、複数の機能を備える画像形成装置(複合機)及び当該画像形成装置を含むジョブ処理システム並びに画像形成装置にジョブを送信するコンピュータ装置で動作するプリンタドライバに利用可能である。
【符号の説明】
【0120】
10 コンピュータ装置
11 制御部
11a CPU
11b メモリ
11c HDD
11d 通信I/F部
12 表示部
13 操作部
20 画像形成装置
21 制御部
21a CPU
21b メモリ
21c HDD
21d 通信I/F部
22 表示部
23 操作部
24 画像読取部
25 印刷部
26 FAX送受信部
27 mail送信部
30 通信ネットワーク
40 デフォルト画面
41 全体履歴ボタン操作時のデフォルト画面
42 機能別履歴ボタン操作時のデフォルト画面
43 BOX出力モードのフォルダ選択画面
44 BOX出力モードの機能選択画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コピー機能、コンピュータ装置から受信したデータを印刷する機能、FAX受信したデータを印刷する機能、スキャンしたデータをFAX送信する機能、スキャンしたデータを電子メールに添付して送信する機能、スキャンしたデータを保存する機能の中から選択される少なくとも2つの機能を有する複合機であって、
前記2つの機能は、各々の機能に関する設定条件の少なくとも一部が異なり、
第1の機能に関する設定条件を設定する第1設定部と、
前記第1設定部により設定された設定条件でジョブを実行する第1ジョブ処理部と、
前記第1設定部により設定された設定条件の履歴を記憶する設定履歴記憶部と、
第2の機能に関する設定条件を設定する第2設定部と、
前記第2設定部により設定された設定条件でジョブを実行する第2ジョブ処理部と、を有し、
前記第2設定部は、前記設定履歴記憶部に記憶された前記第1の機能に関する設定条件の一部に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示する、
ことを特徴とする複合機。
【請求項2】
前記第2設定部は、前記設定履歴記憶部に記憶された前記第1の機能に関する設定条件のうちの、前記第2の機能に関する設定条件を前記設定画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の複合機。
【請求項3】
前記第2設定部は、前記設定履歴記憶部に記憶された前記第1の機能に関する設定条件のうち、設定頻度が相対的に高い設定条件を前記設定画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合機。
【請求項4】
前記第1設定部により設定された設定条件を、前記第1の機能特有の設定条件と前記第2の機能にも共通する設定条件とを分離して、前記設定履歴記憶部に記憶させる履歴処理部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の複合機。
【請求項5】
コピー機能、コンピュータ装置から受信したデータを印刷する機能、FAX受信したデータを印刷する機能、スキャンしたデータをFAX送信する機能、スキャンしたデータを電子メールに添付して送信する機能、スキャンしたデータを保存する機能の中から選択される少なくとも2つの機能を有する複合機であって、
第1の機能に関する設定条件を設定する第1設定部と、
前記第1設定部により設定された設定条件でジョブを実行する第1ジョブ処理部と、
第2の機能に関する設定条件を設定する第2設定部と、
前記第2設定部により設定された設定条件でジョブを実行する第2ジョブ処理部と、
前記第1設定部により設定された設定条件の履歴と前記第2設定部により設定された設定条件の履歴とを記憶する設定履歴記憶部と、を有し、
前記第1設定部は、前記設定履歴記憶部に記憶された設定条件のうち、前記第1の機能と前記第2の機能とに共通する設定条件と、前記第1の機能に特有の設定条件と、に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示し、
前記第2設定部は、前記設定履歴記憶部に記憶された設定条件のうち、前記第1の機能と前記第2の機能とに共通する設定条件と、前記第2の機能に特有の設定条件と、に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示する、
ことを特徴とする複合機。
【請求項6】
ジョブを生成して送信するコンピュータ装置と、ジョブを実行する画像形成装置と、が通信ネットワークで接続されたジョブ処理システムにおいて、
前記画像形成装置は、
前記コンピュータ装置から受信したデータを印刷するプリント機能と、コピー機能、FAX受信したデータを印刷する機能、スキャンしたデータをFAX送信する機能、スキャンしたデータを電子メールに添付して送信する機能、スキャンしたデータを保存する機能の中から選択される少なくとも1つの他の機能と、を有し、
前記プリント機能と前記他の機能とは、各々の機能に関する設定条件の少なくとも一部が異なり、
前記コンピュータ装置は、
前記プリント機能に関する設定条件を設定する設定部と、
前記設定部により設定された設定条件でジョブを生成するジョブ生成部と、
前記画像形成装置で設定された前記他の機能に関する設定条件の履歴を取得する履歴処理部と、を有し、
前記設定部は、取得した前記他の機能に関する設定条件の一部に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示する、
ことを特徴とするジョブ処理システム。
【請求項7】
前記設定部は、取得した前記他の機能に関する設定条件のうちの、前記プリント機能に関する設定条件を前記設定画面に表示する、
ことを特徴とする請求項6に記載のジョブ処理システム。
【請求項8】
前記設定部は、取得した前記他の機能に関する設定条件のうちの、設定頻度が相対的に高い設定条件を前記設定画面に表示する、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載のジョブ処理システム。
【請求項9】
画像形成装置に通信ネットワークで接続されたコンピュータ装置で動作するプリンタドライバであって、
前記画像形成装置は、
前記コンピュータ装置から受信したデータを印刷するプリント機能と、コピー機能、FAX受信したデータを印刷する機能、スキャンしたデータをFAX送信する機能、スキャンしたデータを電子メールに添付して送信する機能、スキャンしたデータを保存する機能の中から選択される少なくとも1つの他の機能と、を有し、
前記プリント機能と前記他の機能とは、各々の機能に関する設定条件の少なくとも一部が異なり、
前記コンピュータ装置を、
前記プリント機能に関する設定条件を設定する設定部、
前記設定部により設定された設定条件でジョブを生成するジョブ生成部、
前記画像形成装置で設定された前記他の機能に関する設定条件の履歴を取得する履歴処理部、として機能させ、
前記設定部は、取得した前記他の機能に関する設定条件の一部に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示する、
ことを特徴とするプリンタドライバ。
【請求項10】
前記設定部は、取得した前記他の機能に関する設定条件のうちの、前記プリント機能に関する設定条件を前記設定画面に表示する、
ことを特徴とする請求項9に記載のプリンタドライバ。
【請求項11】
前記設定部は、取得した前記他の機能に関する設定条件のうちの、設定頻度が相対的に高い設定条件を前記設定画面に表示する、
ことを特徴とする請求項9又は10に記載のプリンタドライバ。
【請求項1】
コピー機能、コンピュータ装置から受信したデータを印刷する機能、FAX受信したデータを印刷する機能、スキャンしたデータをFAX送信する機能、スキャンしたデータを電子メールに添付して送信する機能、スキャンしたデータを保存する機能の中から選択される少なくとも2つの機能を有する複合機であって、
前記2つの機能は、各々の機能に関する設定条件の少なくとも一部が異なり、
第1の機能に関する設定条件を設定する第1設定部と、
前記第1設定部により設定された設定条件でジョブを実行する第1ジョブ処理部と、
前記第1設定部により設定された設定条件の履歴を記憶する設定履歴記憶部と、
第2の機能に関する設定条件を設定する第2設定部と、
前記第2設定部により設定された設定条件でジョブを実行する第2ジョブ処理部と、を有し、
前記第2設定部は、前記設定履歴記憶部に記憶された前記第1の機能に関する設定条件の一部に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示する、
ことを特徴とする複合機。
【請求項2】
前記第2設定部は、前記設定履歴記憶部に記憶された前記第1の機能に関する設定条件のうちの、前記第2の機能に関する設定条件を前記設定画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の複合機。
【請求項3】
前記第2設定部は、前記設定履歴記憶部に記憶された前記第1の機能に関する設定条件のうち、設定頻度が相対的に高い設定条件を前記設定画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合機。
【請求項4】
前記第1設定部により設定された設定条件を、前記第1の機能特有の設定条件と前記第2の機能にも共通する設定条件とを分離して、前記設定履歴記憶部に記憶させる履歴処理部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の複合機。
【請求項5】
コピー機能、コンピュータ装置から受信したデータを印刷する機能、FAX受信したデータを印刷する機能、スキャンしたデータをFAX送信する機能、スキャンしたデータを電子メールに添付して送信する機能、スキャンしたデータを保存する機能の中から選択される少なくとも2つの機能を有する複合機であって、
第1の機能に関する設定条件を設定する第1設定部と、
前記第1設定部により設定された設定条件でジョブを実行する第1ジョブ処理部と、
第2の機能に関する設定条件を設定する第2設定部と、
前記第2設定部により設定された設定条件でジョブを実行する第2ジョブ処理部と、
前記第1設定部により設定された設定条件の履歴と前記第2設定部により設定された設定条件の履歴とを記憶する設定履歴記憶部と、を有し、
前記第1設定部は、前記設定履歴記憶部に記憶された設定条件のうち、前記第1の機能と前記第2の機能とに共通する設定条件と、前記第1の機能に特有の設定条件と、に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示し、
前記第2設定部は、前記設定履歴記憶部に記憶された設定条件のうち、前記第1の機能と前記第2の機能とに共通する設定条件と、前記第2の機能に特有の設定条件と、に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示する、
ことを特徴とする複合機。
【請求項6】
ジョブを生成して送信するコンピュータ装置と、ジョブを実行する画像形成装置と、が通信ネットワークで接続されたジョブ処理システムにおいて、
前記画像形成装置は、
前記コンピュータ装置から受信したデータを印刷するプリント機能と、コピー機能、FAX受信したデータを印刷する機能、スキャンしたデータをFAX送信する機能、スキャンしたデータを電子メールに添付して送信する機能、スキャンしたデータを保存する機能の中から選択される少なくとも1つの他の機能と、を有し、
前記プリント機能と前記他の機能とは、各々の機能に関する設定条件の少なくとも一部が異なり、
前記コンピュータ装置は、
前記プリント機能に関する設定条件を設定する設定部と、
前記設定部により設定された設定条件でジョブを生成するジョブ生成部と、
前記画像形成装置で設定された前記他の機能に関する設定条件の履歴を取得する履歴処理部と、を有し、
前記設定部は、取得した前記他の機能に関する設定条件の一部に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示する、
ことを特徴とするジョブ処理システム。
【請求項7】
前記設定部は、取得した前記他の機能に関する設定条件のうちの、前記プリント機能に関する設定条件を前記設定画面に表示する、
ことを特徴とする請求項6に記載のジョブ処理システム。
【請求項8】
前記設定部は、取得した前記他の機能に関する設定条件のうちの、設定頻度が相対的に高い設定条件を前記設定画面に表示する、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載のジョブ処理システム。
【請求項9】
画像形成装置に通信ネットワークで接続されたコンピュータ装置で動作するプリンタドライバであって、
前記画像形成装置は、
前記コンピュータ装置から受信したデータを印刷するプリント機能と、コピー機能、FAX受信したデータを印刷する機能、スキャンしたデータをFAX送信する機能、スキャンしたデータを電子メールに添付して送信する機能、スキャンしたデータを保存する機能の中から選択される少なくとも1つの他の機能と、を有し、
前記プリント機能と前記他の機能とは、各々の機能に関する設定条件の少なくとも一部が異なり、
前記コンピュータ装置を、
前記プリント機能に関する設定条件を設定する設定部、
前記設定部により設定された設定条件でジョブを生成するジョブ生成部、
前記画像形成装置で設定された前記他の機能に関する設定条件の履歴を取得する履歴処理部、として機能させ、
前記設定部は、取得した前記他の機能に関する設定条件の一部に基づいて、ユーザに提示する設定画面を生成して表示する、
ことを特徴とするプリンタドライバ。
【請求項10】
前記設定部は、取得した前記他の機能に関する設定条件のうちの、前記プリント機能に関する設定条件を前記設定画面に表示する、
ことを特徴とする請求項9に記載のプリンタドライバ。
【請求項11】
前記設定部は、取得した前記他の機能に関する設定条件のうちの、設定頻度が相対的に高い設定条件を前記設定画面に表示する、
ことを特徴とする請求項9又は10に記載のプリンタドライバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2011−77988(P2011−77988A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229484(P2009−229484)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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