説明

複合機

【課題】
所望の内容の処理を行わせることが,既存の複合機よりも容易に行える複合機を、提供する。
【解決手段】
所定仕様のICタグを所持したユーザが近づいた場合、ICタグリーダ24によって、当該ICタグ内の情報が読み出され、ユーザがスタートボタン22を押下しさえすれば、当該ICタグ内に記憶されていた情報に応じた内容の処理が行われる状態となるように、複合機10を構成しておく。また、複合機10を、ICタグ内の情報を書き換える機能を有する装置としておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近年、市販されている一般的な複合機の中には、ユーザ別に,コピー条件を規定する情報やFAXの宛先に関する情報等を登録できる装置と、装置単位で(全てのユーザが使用可能な情報として)、コピー条件を規定する情報等を登録できる装置(例えば、特許文献1参照。)とが、存在している。そして、いずれのタイプの複合機も、登録可能な情報の種類や数が極めて多い装置(高機能な装置)として構成されている。このため、いずれのタイプの複合機における,登録した情報を利用するためにユーザが行わなければならない操作の内容も、結構、煩雑なものとなっている。
【特許文献1】特開平11−331446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明の課題は、所望の内容の処理を行わせることが,既存の複合機よりも容易に行える複合機を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の複合機は、与えられた処理条件規定情報に応じた内容の処理を実行する処理実行手段と、通信可能範囲内に存在する所定仕様のICタグから、前記処理条件規定情報を読み出すことと、前記ICタグ内に記憶されている処理条件規定情報を変更することが可能なICタグ利用手段と、前記ICタグ利用手段によって読み出された前記処理条件規定情報に対する変更指示をユーザから受け付け、受け付けた変更指示に応じた内容のものに前記処理条件規定情報を変更する機能と、前記処理実行手段の動作開始指示をユーザから受け付ける機能とを有するユーザ・インタフェース手段と、前記ユーザ・インタフェース手段により前記動作開始指示が受け付けられたときに、その時点における前記処理条件規定情報に応じた内容の処理を前記処理実行手段に実行させる処理内容制御手段と、その時点における前記処理条件規定情報を前記ICタグ利用手段を用いて前記ICタグ内に記憶させることが可能な処理条件規定情報変更手段とを備える。
【0005】
すなわち、本発明の複合機は、所定仕様のICタグを所持したユーザが近づいた場合(ユーザが複合機のICタグ利用手段に近づいた結果、当該ユーザが所持している所定仕様のICタグがICタグ利用手段の通信可能範囲内に入った場合)、ユーザが動作開始指示を出しさえすれば、当該ICタグ内に記憶されている処理条件規定情報に応じた内容の処理が行われる構成を有する。また、本発明の複合機は、ユーザ・インタフェース手段を利用して変更した内容の処理条件規定情報をICタグ内に記憶する機能(処理条件規定情報変更手段)も有する。従って、本発明の複合機は、所望の内容の処理を行わせることが,既存の複合機よりも容易に行える複合機となっていると言うことが出来る。また、本発明の複合機を、複数の事業所/オフィス内の各所に配置しておけば、各ユーザ(ICタグを所持しているもの)が、各複合機を容易に利用できる作業環境(いずれの複合機を利用する際にも、いつも通りの条件で使用するための設定作業が不要な作業環境)を、実現できることにもなる。
【0006】
本発明の複合機を実現するに際しては、処理実行手段を、複数種類の処理のそれぞれを実行可能な手段とし、ICタグを、前記複数種類の処理のそれぞれについて処理条件規定情報を記憶したものとし、ユーザ・インタフェース手段を、前記ICタグ利用手段によって読み出された複数種類の処理条件規定情報のそれぞれに対する変更指示をユーザから受け付け、受け付けた変更指示に応じた内容のものに各処理条件規定情報を変更する機能と、いずれの処理条件規定情報を利用すべきかについての指示と、前記処理実行手段の動作開始指示とを、ユーザから受け付ける機能とを有する手段とし、処理内容制御手段を、前記ユーザ・インタフェース手段により前記動作開始指示が受け付けられたときに、利用すべきものとして指示されている,その時点における前記処理条件規定情報に応じた内容の処理を前記処理実行手段に実行させる手段としておくことが出来る。また、この場合、処理実行手段を、少なくとも、コピー処理と、原稿を画像データ化して送信する処理とを、実行可能な手段としておくことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0008】
まず、図1〜図3を用いて、本発明の一実施形態に係る複合機10の概要(主として構成)を、説明する。
【0009】
図1に示してあるように、本実施形態に係る複合機10は、コピーユニット11とスキャナ12とプリンタ13とFAXユニット14とが組み合わされた装置である。
【0010】
この複合機10に用いられているプリンタ13は、単独で(コピーユニット11と接続しなくても)、コンピュータの周辺機器として使用可能な機器である。スキャナ12も、単独で、コンピュータの周辺機器として使用可能な機器である。FAXユニット14は、FAXの送受信を行うためのユニットである。
【0011】
コピーユニット11は、複合機10を、コピー機能,FAX機能,スキャンメール機能,スキャンファイル機能を有する装置として動作させるユニットである。なお、スキャンメール機能とは、スキャナ12にセットされた原稿の画像データファイルを添付したEメール(以下、スキャンメールと表記する)を送信する機能のことであり、スキャンファイル機能とは、スキャナ12にセットされた原稿の画像データファイル(以下、スキャンファイルと表記する)を,複合機10とLAN接続されたコンピュータ内へ保存する機能のことである。
【0012】
このコピーユニット11は、CPU,ROM,RAM,EEPROM等からなる一種のコンピュータである。また、コピーユニット11は、図2に示したように、その筐体上面に、スタートボタン22,テンキー等の各種押しボタンスイッチやタッチスクリーン21が設けられ、その筐体前面に、対物センサ23及びICタグリーダ24が設けられたユニットとなっている。
【0013】
コピーユニット11に設けられている対物センサ23は、コピーユニット11の前方にユーザが立ったことを検出するための赤外線センサである。ICタグリーダ24は、複合機10の各ユーザに配布される複合機用ICタグに対するリード/ライトを行うための機器である。
【0014】
そして、複合機10の各ユーザに配布される複合機用ICタグは、図3に模式的に示してあるように、メーカーコード,機種コード,表示画面指定情報,コピー条件情報,ジョブメモリ情報,表示FAX先情報,FAX条件情報,FAX先リスト情報,表示スキャン先情報,スキャン条件情報,スキャン先リスト情報を記憶したものとなっている。
【0015】
この複合機用ICタグに記憶されている各情報の意味(用途)等についての説明は、コピーユニット11の動作と関連づけた形で後ほど行うが、複合機用ICタグに記憶されているメーカーコード,機種コードは、それぞれ、複合機10のメーカー,機種を表す,複合機10によって書き換えられることがない情報となっている。一方、メーカーコード,機種コードを除く各情報は、複合機10によって書き換えられることがある情報となっている。また、本実施形態は、この複合機用ICタグに記憶されているコピー条件情報,FAX条件情報,スキャン条件情報が,本発明における処理条件規定情報に、ほぼ、相当するものとなっている。
【0016】
次に、本実施形態に係る複合機10の動作を、説明する。
【0017】
コピーユニット11は、複合機10の電源が投入されると、各部の状態をチェックする処理等を行った後に、一般ユーザ用のものとして管理している(自ユニット内に保持している)コピー条件情報,ジョブメモリ情報,FAX条件情報,FAX先リスト情報,スキャン条件情報,スキャン先リスト情報等に基づくタッチスクリーン制御処理を、開始する。
【0018】
コピーユニット11が実行するタッチスクリーン制御処理は、上記した各種情報を利用/参照して、ユーザの指示(タッチスクリーン21或いはコピーユニット11上に設けられている各種押しボタンスイッチに対する操作内容)に応じた画面をタッチスクリーン21上へ表示する処理,ユーザが指示した内容のものに上記した各種情報を変更する処理等が並行的に行われる処理である。
【0019】
なお、コピー条件情報とは、タッチスクリーン制御処理によりタッチスクリーン21上に表示されることがある図4(A)に示したコピー機能基本画面31の内容(反転表示するボタンの種類)を定める情報であると共に、スタートボタン22の押下時に、その内容に応じた処理をコピーユニット11が開始することになる情報のことである。このコピー条件情報は、コピー機能基本画面31が操作されたことを検出したタッチスクリーン制御処理によりその内容が変更される情報ともなっている。ジョブメモリ情報とは、タッチスクリーン21に対して所定手順の操作を行うことによりコピー条件情報とすることが出来る幾つかの情報の集合(タッチスクリーン制御処理がジョブメモリ選択画面表示時等に利用する情報)のことである。
【0020】
FAX条件情報とは、図4(B)に示したFAX機能基本画面32の内容を定める情報であると共に、このFAX機能基本画面32を操作することによりその内容が変更される情報のことである。FAX先リスト情報とは、FAX機能基本画面32上の短縮選択ボタン/グループ選択ボタンの押下により表示されるFAX送信先選択画面の内容を定める情報(FAX番号,グループ化されたFAX番号等を含む情報)のことである。スキャン条件情報とは、図4(C)に示したスキャン機能基本画面33の内容を定める情報であると共に、スキャン機能基本画面33の操作によりその内容が変更される情報のことである。スキャン先リスト情報とは、スキャン機能基本画面33上のスキャン先ボタン(“メール:−未選択−”、“サーバ:−未選択−”と示されている部分)の押下により表示されるスキャン先選択画面の内容を定める情報(メールアドレス,フォルダ名等を含む情報)のことである。
【0021】
なお、各基本画面上に設けられているコピーボタン41,FAXボタン42,メール送信・ファイル生成ボタン43(反転表示されていないもの)は、その押下を検出したタッチスクリーン制御処理により、それぞれ、コピー機能基本画面31,FAX機能基本画面32,スキャン機能基本画面33がタッチスクリーン21上に表示されることになるボタンである。
【0022】
また、タッチスクリーン制御処理を開始したコピーユニット11は、対物センサ23が規定時間以上連続してユーザの存在を検出しつづけるというイベントの発生を監視する処理も、開始する。
【0023】
そして、当該イベントの発生を検出した場合、コピーユニット11は、図5にその手順を示してあるユーザ確認処理を、実行する。
【0024】
すなわち、上記イベントの発生を検出した場合、コピーユニット11は、ICタグリーダ24を制御することにより、ICタグリーダ24の通信可能範囲内に複合機用ICタグ(図3参照)が存在するか否かを判断する(ステップS101)。そして、コピーユニット11は、ICタグリーダ24の通信可能範囲内に複合機用ICタグが存在していなかった場合(ステップS101;NO)には、特に処理を行うことなく、このユーザ確認処理を終了する。
【0025】
一方、ICタグリーダ24の通信可能範囲内に複合機用ICタグが存在していた場合(ステップS101;YES)、コピーユニット11は、ICタグリーダ24を制御することにより、複合機用ICタグから、メーカーコード及び機種コードを読み出す処理(ステップS102)を行う。そして、コピーユニット11は、読み出したメーカーコード及び機種コードが、自機種用のものであるか否かを判断(ステップS103)し、両コードが自機種用のものでなかった場合(ステップS103;NO)には、ICタグ非適合通知処理(ステップS104)を実行する。
【0026】
このICタグ非適合通知処理時、コピーユニット11は、図6に示した内容の画面をタッチスクリーン21上に表示することにより、ユーザに、所持している複合機用ICタグが自機種用のものではないことを通知する。そして、コピーユニット11は、この画面上の“OK”ボタンが押下されたときに、ICタグ非適合通知処理(ステップS104)及びユーザ確認処理(図5)を終了する。
【0027】
また、コピーユニット11は、複合機用ICタグから読み出したメーカーコード及び機種コードが、自機種用のものであった場合(ステップS103;YES)には、図7に示した状況提示画面をタッチスクリーン21上に表示した上で、複合機用ICタグから、未読出の各種情報(表示画面指定情報、コピー条件情報等;図3参照)を読み出す処理(ステップS105)を開始する。そして、コピーユニット11は、複合機用ICタグからの情報の読み出しが完了する前に、状況提示画面上の“キャンセル”ボタンが押下された場合(図示せず)には、状況提示画面をタッチスクリーン21上から消去した上で、ステップS105の処理及びユーザ確認処理を終了する。また、コピーユニット11は、状況提示画面上の“キャンセル”ボタンが押下されることなく、複合機用ICタグからの情報の読み出しが完了した場合には、状況提示画面をタッチスクリーン21上から消去した後にステップS105の処理を終了する。そして、コピーユニット11は、操作環境変更処理(ステップS106)を実行する。
【0028】
この操作環境変更処理は、タッチスクリーン制御処理を、ボタン41〜43(図4参照)押下時に、複合機用ICタグから読み出した各条件情報(コピー/FAX/スキャン条件情報)に応じた内容の各基本画面(コピー機能基本画面31,FAX機能基本画面32又はスキャン機能基本画面33)がタッチスクリーン21上に表示される処理であると共に、一般ユーザ用のものではなく、複合機用ICタグから読み出したジョブメモリ情報,FAX先リスト情報,スキャン先リスト情報を利用する処理として機能させるための処理である。また、操作環境変更処理は、タッチスクリーン制御処理に、複合機用ICタグから読み出した表示画面指定情報が示している種類の基本画面をタッチスクリーン21上に表示させる処理ともなっている。さらに、操作環境変更処理は、タッチスクリーン制御処理を、表示FAX先情報に応じた情報がFAXの送信先として示されたFAX機能基本画面32、表示スキャン先情報に応じた情報がスキャンメールの送信先及び/或いはスキャンファイルの保存先として示されたスキャン機能基本画面33を表示する処理として機能させる処理となっている。
【0029】
そして、このような内容の操作環境変更処理を行ったコピーユニット11は、ユーザ確認処理を終了する。
【0030】
要するに、本実施形態に係るコピーユニット11と複合機用ICタグとは、複合機用ICタグを所持したユーザがコピーユニット11の前に立った場合、当該複合機用ICタグ内に記憶されていた表示画面指定情報にて指定される種類の、当該複合機用ICタグ内に記憶されていたコピー条件情報等に応じた内容の基本画面が、タッチスクリーン21上に表示されるように、構成されている。また、コピーユニット11と複合機用ICタグとは、宛先の設定が必要な基本画面(FAX機能基本画面32、スキャン機能基本画面33)に関しては、図8に例示したようなもの(宛先(図では、スキャン先)が設定済みのもの)が表示されるようにも、構成されている。
【0031】
さらに、コピーユニット11は、複合機用ICタグ内に記憶されていた情報に基づく動作を行っている最中に、複合機用ICタグ内の情報の変更を要する操作が行われたとき、図9に示したタグ内情報変更処理を実行するようにも、構成されている。
【0032】
なお、複合機用ICタグ内の情報の変更を要する処理が行われたときとは、表示画面指定情報,コピー条件情報,表示FAX先情報,FAX条件情報,表示スキャン先情報,スキャン条件情報に関しては、複合機用ICタグ内に記憶されていたものとは各情報が異なる状態(例えば、複合機用ICタグ内に記憶されていた表示画面指定情報にて指定される種類の基本画面とは異なる基本画面が表示されている状態,複合機用ICタグ内に記憶されていた表示FAX先情報が示している宛先とは異なる宛先が指定された状態等)でスタートボタン22が押下されたときのことである。また、ジョブメモリ情報,FAX先リスト情報、スキャン先リスト情報に関しては、各情報を変更する作業の完了が指示されたときのことである。
【0033】
すなわち、複合機用ICタグ内の情報の変更を要する操作が行われたとき、コピーユニット11は、情報変更要否問い合わせ処理(ステップS201)を実行する。
【0034】
この情報変更要否問い合わせ処理時、コピーユニット11は、図10に示した構成の確認画面をタッチスクリーン21上に表示する。次いで、コピーユニット11は、この確認画面上の“登録する”ボタン或いは“登録しない”ボタンが押下されるのを待機する状態となる。そして、コピーユニット11は、いずれかのボタンが押下されたときに、確認画面をタッチスクリーン21上から消去した上で、情報変更要否問い合わせ処理を終了する。
【0035】
その後、コピーユニット11は、“登録しない”ボタンの押下により情報変更要否問い合わせ処理を終了していた場合(ステップS202;登録しない)には、タグ内情報変更処理を終了する。一方、“登録する”ボタンの押下により情報変更要否問い合わせ処理を終了していた場合(ステップS202;登録する)、コピーユニット11は、ICタグリーダ24を制御することにより、複合機用ICタグ内の,変更を要する情報を実際に変更する処理(ステップS203)を行う。
【0036】
すなわち、コピーユニット11は、このステップS203において、複合機用ICタグ内の表示画面指定情報を、その時点においてタッチスクリーン21上に表示している基本画面の種類を表す情報に変更する処理や、複合機用ICタグ内の条件情報(コピー条件情報、FAX条件情報、スキャン条件情報)を、表示中の基本画面(コピー機能基本画面31、FAX機能基本画面32、スキャン機能基本画面33)の表示内容に応じたものに変更する処理や、複合機用ICタグ内の表示FAX先情報を、FAXを実際に送信した相手を示す情報に変更する処理,複合機用ICタグ内の表示スキャン先情報を、スキャンメールを送信した相手及び/或いはスキャンファイルを保存したフォルダを示す情報に変更する処理等を、行う。
【0037】
このような処理をステップS203にて行ったコピーユニット11は、タグ内情報変更処理を終了する。そして、コピーユニット11は、当該タグ内情報変更処理がスタートボタン22が押下されたため実行したものであった場合には、コピーを生成するための処理,FAXを送信するための処理等を開始し、当該タグ内情報変更処理がジョブメモリ情報等が変更されたため実行したものであった場合には、タッチスクリーン21上にいずれかの基本画面を表示する処理を、行う。
【0038】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る複合機10は、タッチスクリーン21上に、それを利用しようとしたユーザが所持している複合機用ICタグ内に記憶されている各種情報に応じた内容の画面が表示される装置となっている。また、複合機10は、複合機用ICタグを所持しているユーザがそれを利用しようとしてコピーユニット11の前に立てば、前回、複合機10を利用して行った作業と同内容の作業を、スタートボタン22の押下により開始できる装置ともなっている。従って、本複合機10は、既存の複合機よりも、ユーザが各種の作業を容易に行える装置となっていると言うことが出来る。
【0039】
さらに、複合機用ICタグは、複数台の複合機10に対して共通して使用可能なものとなっている。このため、複合機10を、複数の事業所/オフィス内の各所に配置しておけば、各ユーザ(複合機用ICタグを所持しているもの)が、各複合機10を容易に利用できる作業環境(いずれの複合機10を利用する際にも、いつも通りの条件で使用するための設定作業が不要な作業環境)を、実現できることになる。
【0040】
<変形形態>
上記した複合機10は、各種の変形が可能である。例えば、複合機用ICタグ内の,表示画面指定情報,コピー条件情報等の変更が、スタートボタン22の押下時ではなく、コピー等が完了した後に行われるように、複合機10を変形することが出来る。また、複合機用ICタグ内の情報の変更のみを行うための機能(実際に、コピー等を行わなくても、コピー条件情報等を変更できる機能)を、複合機10に付加しておいても良い。
【0041】
また、複合機10を、複合機用ICタグを所持していないユーザが利用できない装置,複合機用ICタグに記憶される情報の種類が上記したものとは異なる装置、上記したものとは異なる構成の画面を表示する複合機,実装されている機能の数/種類が異なる複合機等に、変形しても良いことは、当然のことである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態に係る複合機の構成の説明図。
【図2】実施形態に係る複合機の外観図。
【図3】実施形態に係る複合機の各ユーザに配布される複合機用ICタグに記憶されている情報の説明図。
【図4】実施形態に係る複合機のタッチスクリーン上に表示される基本画面の説明図。
【図5】実施形態に係る複合機にて実行されるユーザ確認処理の流れ図。
【図6】ユーザ確認処理時にタッチスクリーン上に表示されることがある画面の説明図。
【図7】ユーザ確認処理時にタッチスクリーン上に表示されることがある状況提示画面の説明図。
【図8】ユーザ確認処理後にタッチスクリーン上に表示される基本画面の一例を示した図。
【図9】実施形態に係る複合機にて実行されるタグ内情報変更処理の流れ図。
【図10】タグ内情報変更処理時にタッチスクリーン上に表示される確認画面の説明図。
【符号の説明】
【0043】
10 複合機、11 コピーユニット、12 スキャナ、13 プリンタ、
14 FAXユニット、21 タッチスクリーン、22 スタートボタン、
23 対物センサ、 24 ICタグリーダ
31 コピー機能基本画面、32 FAX機能基本画面、33 スキャン機能基本画面、
41 コピーボタン、42 FAXボタン、43 メール送信・ファイル生成ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
与えられた処理条件規定情報に応じた内容の処理を実行する処理実行手段と、
通信可能範囲内に存在する所定仕様のICタグから、前記処理条件規定情報を読み出すことと、前記ICタグ内に記憶されている処理条件規定情報を変更することが可能なICタグ利用手段と、
前記ICタグ利用手段によって読み出された前記処理条件規定情報に対する変更指示をユーザから受け付け、受け付けた変更指示に応じた内容のものに前記処理条件規定情報を変更する機能と、前記処理実行手段の動作開始指示をユーザから受け付ける機能とを有するユーザ・インタフェース手段と、
前記ユーザ・インタフェース手段により前記動作開始指示が受け付けられたときに、その時点における前記処理条件規定情報に応じた内容の処理を前記処理実行手段に実行させる処理内容制御手段と、
その時点における前記処理条件規定情報を前記ICタグ利用手段を用いて前記ICタグ内に記憶させることが可能な処理条件規定情報変更手段と
を備えることを特徴とする複合機。
【請求項2】
前記処理実行手段が、複数種類の処理のそれぞれを実行可能な手段であり、
前記ICタグが、前記複数種類の処理のそれぞれについて処理条件規定情報を記憶したものであり、
前記ユーザ・インタフェース手段が、前記ICタグ利用手段によって読み出された複数種類の処理条件規定情報のそれぞれに対する変更指示をユーザから受け付け、受け付けた変更指示に応じた内容のものに各処理条件規定情報を変更する機能と、いずれの処理条件規定情報を利用すべきかについての指示と、前記処理実行手段の動作開始指示とを、ユーザから受け付ける機能とを有する手段であり、
前記処理内容制御手段が、前記ユーザ・インタフェース手段により前記動作開始指示が受け付けられたときに、利用すべきものとして指示されている,その時点における前記処理条件規定情報に応じた内容の処理を前記処理実行手段に実行させる手段である
ことを特徴とする請求項1記載の複合機。
【請求項3】
前記処理実行手段が、少なくとも、コピー処理と、原稿を画像データ化して送信する処理とを、実行可能な手段である
ことを特徴とする請求項2記載の複合機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−60679(P2006−60679A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−242305(P2004−242305)
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】