説明

複層ガラスのスペーサー

本発明は複層ガラスのスペーサーに関するものであって、さらに詳細にはスペーサーの内層にアルミニウムまたはアルミニウム合金の補強材を一体に成形し、外側一面に断熱材を被覆することによってスペーサーの強度を向上させて、断熱性能を向上させるようにした複層ガラスのスペーサーに関するものである。
さらに本発明の構成は、上面120、両側面130、傾斜面140及び底面150からなっていて断面上内部に空間部110を備え、前記傾斜面140は両側面と底面とが連結される部分に切曲されていて、前記傾斜面140の両端に突出された補強部材145が形成されているし、前記上面120には一定の間隔で多数個の通孔125が備えられている通常の複層ガラスのスペーサー100において、前記上面120を除いた両側面130と傾斜面140及び底面150とを被覆する一体型の断熱キャップ200が備えられることを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複層ガラスのスペーサーに関するものであって、さらに詳細にはスペーサーの内層にアルミニウムまたはアルミニウム合金の補強材を一体に成形し、外側一面に断熱材を被覆することによりスペーサーの強度を向上させて、断熱性能を向上させるようにした複層ガラスのスペーサーに関するものである。
【0002】
周知のようにスペーサーは建物の室内と室外を区切る窓枠やシャシなどで設けられる複層ガラスを一定の間隔で維持するようにガラスの間に接合されるものである。このような複層ガラスは、断熱や騷音遮断のために広く使用されているし、前記複層ガラスの間にはスペーサーが設けられてガラスの間の空気層が安定的に維持されるようにするし、このようなスペーサーはたいていアルミニウム素材からなっているものである。
【0003】
このように大部分のスペーサーは、熱伝導率の高いアルミニウム材質からなって複層ガラスの間において熱伝導されるので断熱效果が低下される問題点があり、弾性がないので取り扱い、施工過程において外力により変形されて使用不可能となる場合がある。
【背景技術】
【0004】
このような問題点を勘案して大韓民国実用新案出願第1994-33373号(考案の名称:複層ガラス用のスペーサー、(以下‘引用考案1’という)が提案され、これを図1に示した。
【0005】
示したように引用考案1は、上面中央部に長手方向に切開部11が形成され、内側に防湿剤の充填用空間部が形成された複層ガラス用のスペーサー100において、合成樹脂で圧出成形され、シリコーンと安定した接着ができるように下部両側の傾斜部12に多数の縞模様の突条が形成され、両板ガラスとの接着が行われるように両側面に接着層14を塗布形成して、前記接着層14に接着紙15を付着した。
【0006】
このような引用考案1は、低い熱伝導率で断熱效果を得ることができる利点はあるが、その材質が合成樹脂なので、スペーサーをガラス面に接着する際に、曲がり易くなることによって形態が不安定で接着作業が非常に難しいので、施工性が不良になって作業能率が低下されるし、スペーサーの形態が変形されないように多数の作業者がガラス板を一緒に持って作業しなければならないので、人件費の負担が大きくなる問題点があった。
【0007】
さらに、前記従来の問題点を解決するために登録実用第0402312号(登録の名称 : 二重窓ガラス用のスペーサー、以下‘引用考案2’という)において、スペーサー20aの内層にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなった補強材10aが一体に成形され、外層にスペーサー20aが合成樹脂で成形され、スペーサー20aの上面には一定の間隔で通孔21aを形成した構造で提案していて、これを図2に示した。
【0008】
示したように引用考案2に対する問題点は、一番目に、通孔が形成されている面、すなわち二重ガラス面の内部に挿入されるスペーサーの面は、ガラス面の内部と外部の温度差による現象で水分が発生されてスペーサーの通孔を介してスペーサーの内部に備えられた吸湿剤で水分を吸収し、水分及び結露のない透明な窓ガラスを見ることができるし、この際、スペーサーの通孔がある面が合成樹脂材からなっているので、長期間水分との接触により腐食が発生し、合成樹脂材の白化現象が起きて通孔の大きさの増加及び通孔が備えられた面の厚さが徐々に弱化される現象が起きる。
【0009】
二番目に、冬季のような内外の気温の差が大きい場合、二重ガラス面の内部に水分及び結露が増加されることによりスペーサーが重要な役目をするようになるが、前記通孔が備えられたスペーサーの一面には合成樹脂材からなっているので、一部水分は通孔を介して吸湿剤で吸湿されるが、合成樹脂材の特性上、水分が合成樹脂材の表面に付いて水分たちが集まり大きい水玉が生ずるようになって二重ガラス面の内部に水が満ちる現象が起きる。
【0010】
三番目に、スペーサーの外層面が全て合成樹脂材からなっていて、スペーサーの両側面及び後面(通孔が備えられた面の反対面)において、ガラス面と接着されるスペーサーの両側面とガラスとを支持するアルミニウムシャシーのような支持ケースと接着される後面に、それぞれシーラントのような接着剤を使用するが、前記接着剤は合成樹脂とは相対するの性質を有しているので、剥離現象が起き合成樹脂材の表面を腐食させて接着させる接着剤を使用しているが、これは臨時的な接着方法の一つなので、主に使用されている接着剤であるシーラントは合成樹脂とは容易に接着できないためガラス面とスペーサーの離脱及び支持ケースとのスペーサー離脱が発生するようになる。
【0011】
したがって、本発明の複層ガラスのスペーサーはアルミニウムまたはアルミニウム合金からなった補強材10が一体に成形されて、その一部面に断熱材を被覆して従来のスペーサーで発生される水分の結露現象及びスペーサーの離脱などの問題点を解決したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】大韓民国実用新案出願第1994−33373号
【特許文献2】登録実用第0402312号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は前記のような従来の問題点を解決するために案出されたものであって、複層ガラスのスペーサーの外層部に付着される構造により断熱キャップを被覆して一体型に製造することにより断熱性能を向上させて、ガラスまたは接着剤との接着力を強化して外部との空気を遮断する密閉效果を向上させるための複層ガラスのスペーサーを提供することにある。
【発明の効果】
【0014】
前記のように本発明はアルミニウムまたはアルミニウム合金からなった複層ガラスのスペーサーの両側面と傾斜面及び底面または上面と両側面とを被覆する断熱キャップを備えることによって、温度差による二重ガラスの内部に発生される結露現象を防ぐことができるし、また金属材のスペーサーから発生される水分面着現象を防ぐことができるし、本発明の断熱キャップの構造によって外部との空気を密閉させるために接着力の強化及び断熱效果を高める有用な效果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来の複層ガラスのスペーサーの斜視図1である。
【図2】従来の複層ガラスのスペーサーの斜視図2である。
【図3】本発明にかかる複層ガラスのスペーサーの斜視図1である。
【図4】図3の本発明にかかる複層ガラスのスペーサーの吸湿剤を抜いた内部斜視図である。
【図5】図3の本発明にかかる複層ガラスのスペーサーの分離斜視図である。
【図6】図3の本発明にかかる複層ガラスのスペーサーの断面図である。
【図7】図3の本発明にかかる複層ガラスのスペーサーを窓ガラスに設ける前の組み立て分解斜視図である。
【図8】図3の本発明にかかる複層ガラスのスペーサーを窓ガラスに設けた後の組み立て断面図である。
【図9】図3の本発明にかかる複層ガラスのスペーサーの通気口が備えられた断熱キャップの分離斜視図である。
【図10】図3の本発明にかかる複層ガラスのスペーサーの通気口が備えられた断熱キャップの正面図である。
【図11】図10の本発明にかかる複層ガラスのスペーサーのA−A部位の断面図である。
【図12】本発明にかかる複層ガラスのスペーサーの斜視図2である。
【図13】図12の本発明にかかる複層ガラスのスペーサーの分離斜視図である。
【図14】図12の本発明にかかる複層ガラスのスペーサーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
前記既存に開発されたスペーサー図1と図2にて表現されたように、本発明は上面120、両側面130、傾斜面140及び底面150からなり断面上内部に空間部110を備えて、前記傾斜面140は両側面と底面が連結される部分に切曲されていて、前記傾斜面140は両端に突出された補強部材145が形成されていて、前記上面120には一定の間隔で多数個の通孔125が備えられている通常の複層ガラスのスペーサー100において、前記上面120を除いた両側面130と傾斜面140及び底面150を被覆する一体型の断熱キャップ200が備えられることを図3に示したように、提供する複層ガラスのスペーサー(以下‘スペーサー’という)である。
【0017】
図5に示したように前記断熱キャップ200は、スペーサー100の両側面130と傾斜面140及び底面150と同一する形象で前記スペーサー100の両側面130と傾斜面140及び底面150に被覆されて一体型を成すものであって、被覆される原理は、前記断熱キャップ200はゴムまたはP.V.C.の材質からなって、前記スペーサー100の両側面130と傾斜面140及び底面150の同一する形象を有しているが、前記スペーサー100の両側面130と傾斜面140及び底面150を受容して、前記スペーサー100の上面120の端部にかかるように断熱キャップ200の両側面部端部を延ばして切曲された形象を有していて、前記スペーサー100を断熱キャップ200にスライディング方式で設けるようになっているし、また前記スペーサー100の両側面130と傾斜面140及び底面150とを受容するための断熱キャップ200の空間が狭小で密着した形態でスペーサー100の両側面130と傾斜面140及び底面150とを受容して被覆するように断熱キャップ200を提供することができる。
【0018】
前記図5に示した本発明の複層ガラスのスペーサーの設置を図7のスペーサーを設ける前の組み立て分離図のように設けると、設置後、図3と図5の本発明のスペーサー設置断面図を図8に詳しく示した。
【0019】
この際、図8のように断熱キャップ200の底面210は、前記スペーサー100の両側部に設けられるガラス600と面接される空間部にシーラント700のような接着剤で満たされてスペーサー100を支持するようになるが、この際、シーラント700はゴムまたはP.V.C.とは互いに接着される接着力が劣り、本発明では図9と図10に示したように断熱キャップ200の底面210に一定の間隔で多数個の通気口215を備えて、前記スペーサー100に断熱キャップ200を被覆の時、前記断熱キャップ200に備えられた通気口215を介してスペーサー100の底面150が露出され、すなわち、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなったスペーサー100の底面150が露出されてシーラント700との接着力がさらに強まる。
【0020】
これによりスペーサー100は、スペーサー100の両側部に設けられたガラス600と強い接着力と、これによる密閉でスペーサー100が離脱されることを防止することができるし、外部からの水分が二重ガラス面の中に浸透されることを防ぐことができる。
【0021】
ここで、スペーサー100の傾斜面140の両端に突出された補強部材145が形成されていることは、シーラント700との接着力による応力を強化するために前記補強部材145が備えられることであり、またシーラント700との接着外に断熱キャップ200の両側面に接着剤をコーティングしてガラス600面との接着をさらに強化することができる。
【0022】
また、図12と図13に示したように、複層ガラスが使用される環境的な条件によって、前記断熱キャップ200がスペーサー100の上面120と両側面130が同一する形象で前記スペーサー100の上面120と両側面130に被覆されて一体型を成すことによって、前記断熱キャップ200の上部面220に一定の間隔で多数個の通孔225が備えられていることを提供することができる。
【0023】
前記のように断熱キャップ200がスペーサー100の上面120と両側面130に被覆されることによって、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されたスペーサー100の空間部110にシリカゲルのような吸湿剤300が二重ガラス600面に発生される水分を吸湿しながら、水分によるスペーサーの急激な温度差によってスペーサー100の上面120に微細な水分が面着するようになるが、これは吸湿剤300によっても除くことができないものであって、これを防止するためにスペーサー100の上面120をカバーする断熱キャップ200が備えられることによって、スペーサー100の空間部110に備えられた吸湿剤300により吸湿された水分が再び外部に放出されることを防ぐことができる。
【0024】
すなわち、スペーサー100の空間部110に受容された吸湿剤300に水分が吸湿されるによって、空間部110では温度差が発生しスペーサー100の材質が金属材によりスペーサー100の上面120に水分が面着されていて、このような水分がスペーサー100の上面120に面着されることを防ぐため、スペーサー100の空間部110で発生される急激な温度差を減らすために、断熱キャップ200をスペーサー100の上面120に被覆することによってこれを防止することができる。
【0025】
このような図4及び図12に示した本発明によるスペーサー100の空間部110の内部に両端に係止突起410が多数個備えられた直角になった連結口400を挿入させて、図7に示したように窓枠やシャシと同一する大きさの四角形態にスペーサー組み立て体500を完成し、これの断熱キャップ200の両側面に接着剤を用いて接着させ両側面にガラス600を接着させた後、スペーサー100の底面150と対称される二重ガラス600の間に備えられた空間部にシーラント700のような接着剤を塗ると複層ガラスが完成される。
【符号の説明】
【0026】
100 スペーサー
110 空間部
120 上面
125 通孔
130 両側面
140 傾斜面
145 補強部材
150 底面
200 断熱キャップ
210 底面
215 通気口
220 上部面
225 通孔
300 吸湿剤
400 連絡口
410 係止突起
500 スペーサー組み立て体
600 ガラス
700 シーラント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面120、両側面130、傾斜面140及び底面150からなっていて、断面上内部に空間部110を備え、前記傾斜面140は両側面と底面が連結される部分に切曲されていて、前記傾斜面140は両端に突出された補強部材145が形成されていて、前記上面120には一定の間隔で多数個の通孔125が備えられている通常の複層ガラスのスペーサー100において、
前記上面120を除いた両側面130と傾斜面140及び底面150とを被覆する一体型の断熱キャップ200が備えられることを特徴とする複層ガラスのスペーサー。
【請求項2】
前記断熱キャップ200の底面210に一定の間隔で多数個の通気口215を備えることを特徴とする請求項1に記載の複層ガラスのスペーサー。
【請求項3】
前記断熱キャップ200がスペーサー100の上面120と両側面130に被覆され、前記断熱キャップ200の上部面220に一定の間隔で多数個の通孔225が備えられることを特徴とする請求項1に記載の複層ガラスのスペーサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2010−514653(P2010−514653A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543922(P2009−543922)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際出願番号】PCT/KR2007/006674
【国際公開番号】WO2008/078903
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(509179146)
【Fターム(参考)】