説明

複数のレーザ光源を用いた金属樹脂接合方法及び金属樹脂複合体

【課題】
レーザ光源を用いて接合部の樹脂材料に特定の大きさの気泡を発生させる温度まで加熱することにより金属材料と樹脂材料を接合する方法において、樹脂材料の加熱場所及び加熱温度の制御が極めて容易でかつ効率的なレーザ光源の使用方法を提供する。
【解決手段】
レーザ光源として、樹脂材料を溶融させる温度に加熱する樹脂溶融用レーザ光源と樹脂材料を分解させる温度に加熱する樹脂分解用レーザ光源を使用し、樹脂溶融用レーザ光源の照射によって樹脂材料が溶融されている範囲に対して、樹脂分解用レーザ光源を照射して樹脂材料を分解する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂溶融用レーザ光源と樹脂分解用レーザ光源を用いて接合部の樹脂材料を加熱することによって金属材料と樹脂材料を効率的に接合する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の金属材料と樹脂材料の接合に使用される方法としては、リベット締結や接着剤を用いる方法がある。リベット締結は、金属材料と樹脂材料を貫通するように、数mmから数十mm程度の直径を有するリベットを打ち込んで固定する物理的な締結方法である。一方、接着は、金属材料と樹脂材料を接着剤によって物理的吸着力及び化学的吸着力により固定する方法である。
【0003】
また、レーザを用いた接合では、金属材料同士や樹脂材料同士を溶接及び溶着することで接合する方法が実用化されているが、金属材料と樹脂材料との接合は行われていない。ただ、近年、レーザ樹脂溶着では,レーザ光の波長に対して透明な材料と不透明な材料を重ね合わせて、レーザ光を透明な材料側から照射し、接合部のみを溶融させ接合する画期的な方法が実用化されている。この方法では、接合面積も広くとれ、さらに加熱時の樹脂の分解に基づくガスの発生を抑えることもできる(特許文献1〜3、非特許文献1参照)。
【0004】
金属材料と樹脂材料を接合する要望は非常に強い。その理由としては、必要な部分のみ金属材料を使用し、残りを樹脂材料に置き換えることで、樹脂材料の重量やコストが金属材料に比べていずれも半分以下であることから、大幅な重量とコストの削減が期待でき、絶縁体の樹脂材料に優れた電気・熱特性に関する設計自由度の向上、あるいは、それらを組み合わせることで、新しい複合機能性材料の創出など様々なメリットが挙げられる。
【0005】
しかしながら、従来の金属材料と樹脂材料の接合方法であるリベット締結や接着剤を用いる方法では、適用分野が限定されるのが現状である。リベット締結では、締結部にある程度の大きさ・重量があるため、部品の大型化・重量化が避けられず、設計の自由度も低下するので、大型あるいは単純な商品あるいは部品に主に適用されている。一方、接着は、大型化・重量化することはないが、技術的な面で、接着剤が濡れ広がるために精密なピンポイントの接合が難しい点、平面より凸凹表面の方が接着強度は高くなるなど接着表面の制限、生産面では、硬化時間が長いため生産タクトの低下や接着剤の状態維持・管理が難しいなど課題が存在する。また、レーザを用いた接合では、樹脂同士の接合のように、レーザ波長に対して透明な樹脂材料と不透明な樹脂材料を使用しなければならず、材料選択に制限があることや、透明な樹脂材料の方からしかレーザ照射できないことによる生産技術面での課題も存在する。
【0006】
本発明者等は、かかる現状に鑑み、これらの課題を克服した金属樹脂接合方法として、レーザ光源を用いて金属材料と樹脂材料を合わせた状態で接合部の樹脂材料に特定の大きさの気泡を発生させる温度まで加熱することにより金属材料と樹脂材料を強固に接合する方法を既に提案した(特許文献4参照)。しかしながら、実際にレーザ光源によって樹脂材料を所望の位置で所望の状態に効率良く加熱することは、困難な場合があり、金属材料と樹脂材料の強固な接合のために好適かつ効率的なレーザ加熱方法が求められていた。
【特許文献1】特開2003−325710号公報
【特許文献2】特開昭60−214931号公報
【特許文献3】特開2002−67165号公報
【特許文献4】PCT/JP2006/315607
【非特許文献1】第59回レーザ加工学会論文集,第1〜7頁(2003年9月)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は、レーザ光源を用いて接合部の樹脂材料に特定の大きさの気泡を発生させる温度まで加熱することにより金属材料と樹脂材料を接合する方法において、樹脂材料の加熱場所及び加熱温度の制御が極めて容易でかつ効率的なレーザ光源の使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、樹脂材料を加熱するレーザ光源として、樹脂溶融用レーザ光源と樹脂分解用レーザ光源を併用し、樹脂溶融用レーザ光源の照射で樹脂を溶融させ、さらにその溶融した樹脂に樹脂分解用レーザ光源を照射して樹脂を分解することにより、樹脂材料の加熱場所及び加熱温度を好適に制御しながら効率的に樹脂をレーザ加熱できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0009】
即ち、本発明は、レーザ光源を用いて金属材料と樹脂材料を合わせた状態で接合部の樹脂材料に気泡を発生させる温度まで加熱することにより金属材料と樹脂材料を接合する方法において、レーザ光源として、樹脂材料を溶融させる温度に加熱する樹脂溶融用レーザ光源と樹脂材料を分解させる温度に加熱する樹脂分解用レーザ光源を使用することを特徴とする金属樹脂接合方法である。
【0010】
本発明の上記方法の好ましい態様では、樹脂溶融用レーザ光源の照射によって樹脂材料が溶融されている範囲に対して、樹脂分解用レーザ光源を照射して樹脂材料を分解するものであり、接合部の樹脂材料に発生される気泡の球相当直径が0.01mm〜1mmであり、樹脂材料が熱可塑性である。
【0011】
また、本発明は、上記方法により金属材料と樹脂材料が接合された接合部を有することを特徴とする金属樹脂複合体である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の方法は、接合部の樹脂材料に特定の大きさの気泡を発生させる温度まで加熱することにより金属材料と樹脂材料を接合する方法において、加熱源として樹脂溶融用レーザ光源と樹脂分解用レーザ光源を併用しているので、樹脂の加熱場所及び加熱温度の制御が極めて容易かつ効率的であり、結果として高い強度の金属樹脂接合部の均一な形成に大きく寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明を具体的に説明する。
本発明の方法で使用する金属材料としては、鉄、アルミニウム、チタン、銅等及びそれらの合金が挙げられるが、特に限定されない。本発明においては、接合部を高い温度まで急速加熱できる、炭素鋼、ステンレス鋼、チタン合金等からなる金属材料が特に好ましい。金属材料は、樹脂材料との接合力を高めるための表面処理を行ったものが好ましい。金属材料の厚さは特に限定されず、0.1mm以上、さらには1mm以上、さらには3mm以上の厚さの金属材料であっても構わない。
【0014】
本発明の方法で使用する樹脂材料としては、熱源で流動化する樹脂及び/又は樹脂の前駆体であることが必要である。具体的に用いる樹脂の種類としては、例えば、ナイロン6(PA6)やナイロン66(PA66)等のポリアミド樹脂(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリスチレンやABS等のスチレン系樹脂、アクリル系樹脂(PMMA等)等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。特に主鎖、側鎖及び/又は末端に極性基ないし金属と反応性を有する基を有する樹脂材料が好ましく、ポリアミド樹脂(PA)、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート(PC)や、カルボン酸基やスルホン酸金属塩基などの極性基ないし金属と反応性を有する基を側鎖及び/又は末端に有するスチレン系樹脂、アクリル系樹脂等が好ましい。特に主鎖、側鎖及び/又は末端に極性基ないし金属と反応性を有する基を有する非晶性樹脂からなる樹脂材料が好ましい。また、樹脂材料は構成原子中に酸素が存在すると金属の表面の酸化物と容易に化学結合を形成して高い接合強度が得られるので好ましい。なお、本発明における樹脂材料には必要に応じて、ガラス繊維、カーボン繊維等の補強繊維や着色材、熱安定剤、光安定剤等を添加したものを用いてもよい。
【0015】
また、本発明の方法で使用する樹脂材料は、レーザ光源による加熱によって気泡を発生する樹脂材料であることが必要である。例えば、吸湿した樹脂材料中の水分が加熱されることによるガス発生や高温において樹脂材料が分解されることによるガス発生によって気泡を発生する樹脂材料が用いられる。樹脂材料の厚さは特に限定されず、50μm以上、さらには0.1mm以上、さらには1mm以上、さらには3mm以上の厚さの樹脂材料であっても構わない。
【0016】
本発明の方法では、金属材料と樹脂材料を合わせた状態で接合部をレーザ光源で加熱することにより両材料を強固に接合することができる。接合部の加熱温度は、樹脂材料内部に微細な気泡を発生させる温度であることが必要であり、具体的には樹脂の軟化温度以上で金属の沸点未満であり、接合部において200℃〜1500℃であることが好ましい。また、加熱温度は、樹脂の気泡が接合部付近からの移動を伴うような高い温度にしないことが好ましい。樹脂中の気泡が移動すると、接合部における気泡発生に伴う圧力と熱による接合が期待できなくなるからである。なお、加熱により接合部の樹脂中に発生する気泡の球相当直径の上限は、接合強度や外観の点から5mm以下、好ましくは3mm以下、さら好ましくは1mm以下、特に好ましくは0.5mm以下である。下限は接合強度の点から0.0001mm以上、好ましくは0.001mm以上、さら好ましくは0.01mm以上である。
【0017】
本発明の方法で使用するレーザ光源としては、例えば、YAGレーザ、ファイバーレーザ、半導体レーザ、炭酸ガスレーザ等を用いることができる。また、これらの加熱源の照射は、連続照射又はパルス照射のいずれでもよい。
なお、レ−ザ光源を使用する場合は、レーザのパワー、パワー密度、加工速度(移動速度)や焦点はずし距離等の照射条件は、目的に応じて適宜設定可能である。例えば、レーザのパワー密度は、1W/mm〜10kW/mmが好ましい。また、金属材料と樹脂材料の接合面付近の樹脂材料のみに微細な気泡を発生させる条件を設定することが好ましい。具体的には、レーザのパワーを大きくすると接合部が高温になり、その後の冷却も遅くなり樹脂中に発生する気泡も大きくなり、一方、パワーを小さくすると樹脂中に気泡が発生しないか、気泡が極端に少なくなり、接合強度は小さくなる。接合強度は、適切なサイズの気泡を急速に発生させることにより、溶融した状態の樹脂を金属の表面に密着するようにすると、高くなる。また、レーザの焦点はずし距離を大きくすると、パワー密度が小さくなるため、それをカバーする大きなパワーのレーザを照射することができ、その結果広い条件範囲で良好な接合部が得られ、制御が容易である。また、レーザの移動速度を高くすると、好適な接合が得られるレーザパワーの範囲が広くなるので制御が容易になる。なお、レーザの照射の方向は、金属材料と樹脂材料を合わせた状態でいずれの材料側から行っても強固な接合部を形成することができる。
【0018】
本発明の方法は、接合部を加熱するレーザ光源として、樹脂材料を溶融させる温度に加熱する樹脂溶融用レーザ光源と樹脂材料を分解させる温度に加熱する樹脂分解用レーザ光源を使用することを特徴とする。単一のレーザ光源で接合部の樹脂材料を加熱すると、パワー密度分布を均一に制御できない場合、レーザ照射中央部に過剰に大きな気泡が発生したり、蒸発領域が発生したりして、高い接合強度を得られないおそれがある。従って、本発明では、接合部の樹脂材料の加熱場所と加熱温度を自在に制御して均一な樹脂材料の気泡発生状態を作るために樹脂溶融用レーザ光源と樹脂分解用レーザ光源の少なくとも二つのレーザ光源を使用する。実際には、まず樹脂溶融用レーザ光源の照射によって接合部の樹脂材料の比較的広い範囲を予め溶融させておき、次にその溶融した樹脂材料の所望の比較的狭い場所に樹脂分解用レーザ光源を照射して樹脂材料を分解して適度な大きさの気泡を発生させるように使用する。これによって、所望の場所に高い接合強度を有する接合部を作り出すことができる。
【0019】
樹脂溶融用レーザ光源は、上述の従来公知のいずれのレーザ光源も使用することができるが、比較的広い範囲で樹脂を溶融して液体状態にすることができる照射条件を適宜設定することが必要である。また、樹脂分解用レーザ光源は、上述の従来公知のいずれのレーザ光源も使用することができるが、樹脂溶融用レーザ光源の照射により溶融された樹脂を分解して接合強度に好適な大きさの気泡を発生することができる照射条件を適宜設定することが必要である。
【0020】
本発明の方法では、金属材料と樹脂材料を合わせた状態で、金属材料と樹脂材料の接合部を加熱することによって、樹脂材料内部から熱分解されたガスが膨らみ、樹脂内部に微細な気泡を発生させる。原理は明確ではないが、この時サブミリサイズ領域で、気泡発生に伴う爆発的な圧力が接合部にかかり、接合部の金属材料及び樹脂材料の温度が高くなっていることと相まって、気泡周辺部の樹脂材料と金属材料が、アンカー効果などの物理的な接合力及び/又は金属の酸化物を通した化学的な接合力で金属と樹脂とが接合できる条件を満たし接合する。さらに、樹脂材料が冷え固まる際には、気泡の温度も減少するため、気泡内部の圧力が低下し、吸着力も発生する。これらの接合力が複合した形で強固な金属と樹脂との接合が可能になる。加熱源として複数のレーザ光を使用することで、局所的な急激な加熱と急激な冷却が可能になり、気泡発生に伴う圧力・吸着力を増加させることでき、金属材料と樹脂材料の接合を促進させることができる。本発明の方法によって金属材料と樹脂材料とが接合された複合体は、1MPa以上、さらには5MPa以上、さらには10MPa以上の引張剪断強度を有する強固な接合部を有することができる。
【実施例】
【0021】
以下に実施例により本発明の方法を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0022】
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の方法による金属樹脂接合方法を水平方向から見た構成を示す図である。樹脂溶融用レーザ光源として、波長1064nmの連続発振YAGレーザ光1を用い、樹脂分解用レーザ光源として、波長1064nmのパルス発振YAGレーザ光2を用いた。レーザ光1に関しては、レーザ加工ヘッド3にレーザ光1を導入し、45度のレーザ入射角度4で、被加工物5の3mm厚のステンレス鋼SUS304の上に、被加工物6の2mmのPA(ナイロン)薄板を重ねたものに照射した。レーザ光1は、パワーが600Wで、レンズの焦点位置から下方に遠ざかる方向に37.5mm離れた位置において、ビームスポット形状が、8.9mm×12.6mmの楕円形である状態で照射した。一方、レーザ光2は、レーザ加工ヘッド7の集光レンズ8で絞り、焦点位置でスポット径1mmで、照射時間1msで0.3Jのレーザパワーを2パルス/秒で投入した。試料台9が移動し、レーザ溶接速度5mm/sを実現した。レーザ加工ヘッド3に取り付けた直径6mmのガスノズルからシールドガス11のアルゴンガスを40l/Minで吹きかけた。図2は、本発明の方法による金属樹脂接合方法を鉛直方向から見た構成を示す図である。被加工物5および6は、クランプ12で固定され、レーザ照射されたところに金属樹脂接合部13が形成された。また、レーザ光2のレーザ照射位置14は、レーザ光1の照射位置の中心から4.5mm離れている。図3は、本発明の方法によってレーザ光1及びレーザ光2の両方を使用して生成した金属樹脂接合部の外観写真である。図4は、レーザ光2を使用せずレーザ光1だけを使用し、その他はすべて本発明の方法と同じ条件で実施した金属樹脂接合部の外観写真である。図3では、レーザ光2を照射した領域15において適度な大きさの気泡16が発生している。これに対して、図4では、気泡16と同程度の大きさの気泡は観測できなかった。さらに、レーザ光1とレーザ光2を併用した場合とレーザ光1を単独使用した場合において、試験片の幅30mmでの引張試験を実施したところ、それぞれの引張強度は1710Nと1500Nであり、二種類のレーザ光を使用した方が14%高い接合強度が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の方法によれば、接合部の樹脂材料に特定の大きさの気泡を発生させる温度まで加熱することにより金属材料と樹脂材料を接合する方法において、加熱源として樹脂溶融用レーザ光源と樹脂分解用レーザ光源を併用しているので、樹脂の加熱場所及び加熱温度の制御が極めて容易かつ効率的であり、結果として高い強度の金属樹脂接合部の均一な形成に大きく寄与することができる。従って、電子機器分野、自動車分野などで設計や材料選択の自由度が増え、金属材料と樹脂材料の複合体を製造する上で極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の方法による金属樹脂接合方法を水平方向から見た構成を示す。
【図2】本発明の方法による金属樹脂接合方法を鉛直方向から見た構成を示す。
【図3】本発明の方法に従って二種類のレーザ光源を用いて作られた金属樹脂接合部の外観写真を示す。
【図4】一つだけのレーザ光源を用いて作られた金属樹脂接合部の外観写真を示す。
【符号の説明】
【0025】
1 レーザ光1
2 レーザ光2
3 レーザ加工ヘッド
4 レーザ入射角度
5 被加工物(SUS304)
6 被加工物(PA薄板)
7 レーザ加工ヘッド
8 集光レンズ
9 試料台
11 シールドガス
12 クランプ
13 金属樹脂接合部
14 レーザ光2のレーザ照射位置
15 レーザ光2を照射した領域
16 気泡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光源を用いて金属材料と樹脂材料を合わせた状態で接合部の樹脂材料に気泡を発生させる温度まで加熱することにより金属材料と樹脂材料を接合する方法において、レーザ光源として、樹脂材料を溶融させる温度に加熱する樹脂溶融用レーザ光源と樹脂材料を分解させる温度に加熱する樹脂分解用レーザ光源を使用することを特徴とする金属樹脂接合方法。
【請求項2】
樹脂溶融用レーザ光源の照射によって樹脂材料が溶融されている範囲に対して、樹脂分解用レーザ光源を照射して樹脂材料を分解することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
接合部の樹脂材料に発生される気泡の球相当直径が0.01mm〜1mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
樹脂材料が熱可塑性であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の方法により金属材料と樹脂材料が接合された接合部を有することを特徴とする金属樹脂複合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−213156(P2008−213156A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49839(P2007−49839)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】