説明

複数の白色エレクトロルミネッセンス・ユニットを備える白色OLED

タンデム式白色OLEDデバイスは、アノードと;カソードと;そのアノードとカソードの間に配置された複数の有機エレクトロルミネッセンス・ユニットとを備えていて、それぞれの有機エレクトロルミネッセンス・ユニットは、少なくとも1つの発光層を含んでいて、白色光を出す。このデバイスは、隣り合った有機エレクトロルミネッセンス・ユニットの間に配置された中間接続層も備えていて、その中間接続層は少なくとも2つの異なる層を備えていて、外部電源に直接は接続されていない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の白色有機エレクトロルミネッセンス(EL)ユニットを用意してタンデム式白色有機エレクトロルミネッセンス・デバイスを形成することに関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード・デバイス(OLEDデバイスとも呼ばれる)は、一般に、基板と、アノードと、正孔輸送層(HTL)と、発光層(LEL)と、電子輸送層(ETL)と、カソードを備えている。OLEDデバイスが魅力的なのは、駆動電圧が低く、高輝度で、視角が広く、フル・カラーのフラット発光ディスプレイや他のいろいろな応用が可能だからである。Tangらは、この多層OLEDデバイスをアメリカ合衆国特許第4,769,292号と第4,885,211号に記載している。
【0003】
OLEDデバイスは、そのOLEDデバイスに含まれるLELの発光特性に応じていろいろな色(例えば赤、緑、青、白)の光を発生させることができる。スペクトルの赤、緑、青の部分でかなりの発光があって1931国際照明委員会(CIE)色度座標(CIEx, CIEy)が一般に約(0.33, 0.33)である白色光OLED(または白色OLED)デバイスが強く望まれている。白色光OLEDデバイスは、固体光源とフル・カラー・ディスプレイに使用することができる。固体光源としての白色光OLEDデバイスは、一般に、非常に明るい光を出せる必要がある。フル・カラー・ディスプレイ・アレイに含まれる発光画素としての白色光OLEDデバイスも非常に明るい必要がある。というのも、見る人が認識する最終的な色は、最初の発光強度を約2/3に低下させる対応するカラー・フィルタ素子によって決まるからである。発光素子として赤色OLED、緑色OLED、青色OLEDを用いたフル・カラー・ディスプレイと白色OLEDが同じ明るさに見えるようにするには、白色OLEDをより大きな電流密度で駆動せねばならない。しかしOLEDデバイスは、大きな電流密度で駆動すると急速に劣化する。J. Shiらのアメリカ合衆国特許第5,683,823号、Satoらの日本国特開平07-142169、Kidoらの「3種類の蛍光染料をドープしたポリ(N-ビニルカルバゾール)発光層を用いた白色光有機エレクトロルミネッセンス・デバイス」、Applied Physics Letters、第64巻、815ページ、1994年、Deshpandeらの「中間層での逐次的エネルギー伝達に基づく白色発光有機エレクトロルミネッセンス・デバイス」、Applied Physics Letters、第75巻、888ページ、1999年、Tokitoらの「緑青色発光層と赤色発光層を有する高効率白色リン光有機発光デバイス」、Applied Physics Letters、第83巻、2459ページ、2003年に報告されているように白色OLEDデバイスはすでに高輝度を実現しているが、さらに改良することが相変わらず必要とされている。
【0004】
最近、個々のOLEDを鉛直方向にいくつか積層させることによって製造されていて単一の電源で駆動するタンデム式OLED(または積層式OLED、またはカスケード式OLED)と呼ばれる新しいタイプのOLED構造も提案されたり製造されたりしている。それは例えば、Jonesらのアメリカ合衆国特許第6,337,492号、Tanakaらのアメリカ合衆国特許第6,107,734号、Kidoらの日本国特開2003/045676A、アメリカ合衆国特許出願公開2003/0189401 A1、Liaoらのアメリカ合衆国特許第6,717,358号、アメリカ合衆国特許出願公開2003/0170491 A1に記載されている。例えばTanakaらは、アメリカ合衆国特許第6,107,734号において、中間接続層としてIn-Zn-O(IZO)膜またはMg:Ag/IZO膜を用いた3-ELユニット・タンデム式OLEDを提示しており、純粋なトリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム発光層から10.1cd/Aという輝度効率を実現した。Matsumotoらは、「電荷生成層を有するマルチフォノン有機ELデバイス」、SID 03 Digest、979ページ、2003年において、中間接続層としてIn-Sn-O(ITO)膜またはV2O5膜を用いた3-ELユニット・タンデム式OLEDを製造し、蛍光染料をドープした発光層から48cd/Aに達する輝度効率を実現した。Liaoらは、「高効率タンデム式有機発光ダイオード」、Applied Physics Letters、第84巻、167ページ、2004年において、中間接続層としてドープした有機“p-n”接合層を用いた3-ELユニット・タンデム式OLEDを提示しており、リン光染料をドープした発光層から136cd/Aという輝度効率を実現した。
【0005】
白色OLEDデバイスの性能は、上記のタンデム式OLEDデバイス構造を利用して向上させることができる。例えばMatsumotoらは、「電荷生成層を有するマルチフォノン有機ELデバイス」、SID 03 Digest、979ページ、2003年の図8において、緑青色ELユニットとオレンジ色ELユニットをデバイス内で接続することによてタンデム式白色OLEDデバイスを構成できることと、そのデバイスを単一の電源で駆動して白色発光を実現できることを示している。Liaoらは、アメリカ合衆国特許出願公開2003/0170491 A1の図7において、デバイス内で赤色ELユニットと緑色ELユニットと青色ELユニットを直列に接続することによってタンデム式白色OLEDを構成することを提案している。このタンデム式白色OLEDを単一の電源で駆動すると、赤色ELユニットと緑色ELユニットと青色ELユニットからのスペクトルを組み合わせて白色光を形成することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし従来技術は、それぞれのユニットが異なる原色を発光する(すなわち各ELユニットから赤色、緑色、青色いずれかの光が出る)複数のELユニットを用いてタンデム式白色OLEDデバイスを構成する方法しか教えてくれない。この構成では、白色が時間経過とともに変化する。なぜなら各ELユニットは、作動している間の劣化に関する挙動が異なるからである。さらに、各ELユニットは異なる層構造を持つため、デバイスの製造はより複雑で、より時間がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、複数の白色ELユニットを用いてタンデム式白色OLEDデバイスを構成し、単一の電源だけを用いてそのデバイスを駆動する。
【0008】
本発明の1つの目的は、輝度効率が高くて非常に明るい白色OLEDデバイスを製造することである。
【0009】
本発明の別の目的は、寿命が延びたタンデム式白色OLEDデバイスを製造することである。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、色の安定性が改善されたタンデム式白色OLEDデバイスを製造することである。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、相対的に簡単な製造ステップでタンデム式白色OLEDデバイスを製造することである。
【0012】
これらの目的は、
a)アノードと;
b)カソードと;
c)上記アノードと上記カソードの間に配置され、それぞれが少なくとも1つの発光層を備えていて白色光を出す複数の有機エレクトロルミネッセンス・ユニットと;
d)隣り合った有機エレクトロルミネッセンス・ユニットの間に配置され、少なくとも2つの異なる層を備えていて外部電源に直接は接続されていない中間接続層とを備えるタンデム式白色OLEDデバイスによって達成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の1つの利点は、タンデム構造を利用して製造したこの白色OLEDデバイスで大きな輝度効率と非常な明るさが可能になることである。その結果、必要とされる同じ明るさを維持しつつ、より低い電流密度で駆動することで、デバイスの寿命が延びる。
【0014】
本発明の別の利点は、色の安定性が改善されることである。
【0015】
本発明のさらに別の利点は、デバイスの製造が簡単になることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
個々の層が薄すぎて実際のスケールで図示するとさまざまな層の厚さの違いが大きくなりすぎるため、図1〜図16は実際のスケール通りになっていないことがわかるであろう。
【0017】
以下の説明で用いるいくつかの用語をここで説明する。“フル・カラー”という用語は、可視スペクトルの赤色領域と緑色領域と青色領域における発光を記述するのに用いる。赤、緑、青は三原色を構成し、その三原色を適切に混合することによって他の色を作り出すことができる。“白色”という用語は、可視スペクトルの赤、緑、青の部分から混合した色を記述するのに使用する。なお白色は、国際照明委員会(CIE)の色度座標CIExが約0.33、 CIEyが約0.33である。“白色”は、ユーザーが白色を持つと認識する光、またはカラー・フィルタと組み合わせて使用してフル・カラー・ディスプレイの用途で赤色、緑色、青色を再現するのに十分な発光スペクトルを有する光である。(ある場合にはCIEx座標が約0.33で CIEy座標が約0.33であることが理想的だが、実際の座標は大きく異なっていてもよく、それでもやはり非常に有用である)。“画素”という用語は、従来技術で使用されているように、ディスプレイ・パネルのある領域であって、刺激することによって他の領域とは独立の光を出すことのできる領域を示すのに用いる。“n型をドープされた有機層”という用語は、有機層がドーピング後に半導特性を持ち、この層を通過する電流が実質的に電子によって担われることを意味する。“p型をドープされた有機層”という用語は、有機層がドーピング後に半導特性を持ち、この層を通過する電流が実質的に正孔によって担われることを意味する。“仕事関数が大きな金属”という用語は、仕事関数が4.0eV以上の金属と定義される。同様に、“仕事関数が小さな金属”という用語は、仕事関数が4.0eV未満の金属として定義される。
【0018】
複数の白色ELユニットを有する本発明のタンデム式白色OLEDデバイスの構成と性能を評価するため、図1と図2を参照して従来のタンデム式白色OLEDデバイスを説明する。
【0019】
図1は、従来のタンデム式白色OLEDデバイス100である。このタンデム式白色OLEDデバイスは、アノード110とカソード140を備えている。アノードとカソードの間には、1つの青色ELユニット120.1(1番目のELユニット-青)と1つの赤色ELユニット120.2(2番目のELユニット-赤)が配置されている。これら2つの有機ELユニットは、中間接続層として電荷生成層(CGL)130.1と名づけた層(例えばV2O5またはインジウム-スズ-酸化物)を用いて積層されて互いに直列に接続されている。このタンデム式白色OLEDデバイス100を導電体160を通じて順バイアスで外部の電圧/電流源150に接続してアノード110がカソード140よりもプラスの電位になるようにすると、1番目のELユニットが青色の光を出し、2番目のELユニットが赤色の光を出す。すると見る人は、デバイスの1つの透明な電極から白色を認識することができる。白色は、赤色光と青色光の組み合わせである。
【0020】
図2は、従来の別のタンデム式白色OLEDデバイス200である。このタンデム式白色OLEDデバイスは、アノード110とカソード140を備えている。アノードとカソードの間には、1つの青色ELユニット220.1(1番目のELユニット-青)と、1つの緑色ELユニット220.2(2番目のELユニット-緑)と、1つの赤色ELユニット220.3(3番目のELユニット-赤)が配置されている。これら3つの有機ELユニットは積層され、2つの中間接続層230.1(1番目の接続層)と230.2(2番目の接続層)を用いて互いに直列に接続されている。このタンデム式白色OLEDデバイス200を導電体160を通じて順バイアスで外部の電圧/電流源150に接続すると、3つのELユニットが、それぞれ青色光、緑色光、赤色光を出す。すると見る人は、デバイスの1つの透明な電極から白色を認識することができる。白色は、赤色光と緑色光と青色光の組み合わせである。
【0021】
それぞれのELユニットから異なる原色の光が出る複数のELユニットを用いたタンデム式白色OLEDデバイスの構成は従来技術でよく知られている。青色ELユニットからの青い発光は他のELユニットからの別の色の発光よりも早く劣化して連続的な色のシフトが起こるため、従来のタンデム式白色OLEDデバイスが初期の白色を維持することは難しい。さらに、それぞれのELユニットは異なる色の発光に関して異なる層構造を有するため、このタンデム式OLEDデバイスを製造するのにより多くの蒸着源とより多くの時間が必要とされる。
【0022】
ここで図3に移ると、本発明によるタンデム式白色OLEDデバイス300の断面図が示してある。このタンデム式白色OLEDデバイスは、アノード110とカソード140を備えており、そのうちの少なくとも1つは透明である。アノードとカソードの間には、N個の白色有機ELユニット320.xが配置されている。なおNとxは1よりも大きな整数であり、xはN以下の値を持つ変数である。これらの白色有機ELユニットは積層されて互いに直列に接続され、さらにアノードとカソードに接続されていて、それぞれ320.1〜320.Nという参照番号が与えられている。ここに、320.1は(アノードに隣接する)1番目のELユニットであり、320.Nは(カソードに隣接する)N番目のELユニットである。本発明では、ELユニット320.xは、320.1〜320.Nのうちの任意のELユニットを表わす。隣り合った2つの白色有機ELユニットの間には、中間接続層(または接続層)330.xが配置されている。全部でN-1個の中間接続層がN個の有機ELユニットに付随して存在しており、それぞれ330.1〜330.(N-1)と表記する。中間接続層330.1は、有機ELユニット320.1と320.2の間に配置されており、中間接続層330.2は、有機ELユニット320.2と次のELユニットの間に配置されており、中間接続層330.(N-1)は、有機ELユニット320.(N-1)と320.Nの間に配置されている。本発明では、中間接続層330.xは、330.1〜330.(N-1)と名づけた任意の接続層を表わす。タンデム式白色OLED300は、外部の電圧/電流源150に導電線160を通じて接続されている。
【0023】
タンデム式白色OLEDデバイス300は、アノード110とカソード140という一対の接触電極の間に電圧/電流源150からの電位を印加することによって作動する。順バイアス下では、外部から印加したこの電位が、N個ある有機ELユニットに、その各ユニットの電気抵抗値に比例して分布する。このタンデム式白色OLEDに印加される電圧によって正孔(正に帯電したキャリア)がアノード110から1番目の白色有機ELユニット320.1に注入され、電子(負に帯電したキャリア)がカソード140からN番目の白色有機ELユニット320.Nに注入される。それと同時に電子と正孔が各中間接続層330.1〜330.(N-1)の中に発生し、各中間接続層330.1〜330.(N-1)から離れる。例えば中間接続層330.(N-1)の中でこのようにして発生する電子は、隣接する白色有機ELユニット320.(N-1)に注入されてアノードに向かう。同様に、中間接続層330.(N-1)の中で発生する正孔は、隣接する白色有機ELユニット320.Nに注入されてカソードに向かう。その後、これらの電子と正孔が対応する白色有機ELユニットの中で再結合して白色光を出す。その光は、OLEDデバイスの透明な1つまたは複数の電極を通じて観察される。
【0024】
図4には、2つの白色有機ELユニットと1つの中間接続層を有する簡単化したタンデム式白色OLEDデバイス400を示してある。これは、図3でNが2の場合である。
【0025】
タンデム式白色OLEDデバイス300に含まれるそれぞれの白色有機ELユニットは、正孔と電子の輸送と電子-正孔再結合をサポートして光を発生させることができる。それぞれの白色有機ELユニットは複数の層を含むことができる。本発明の白色有機ELユニットで使用できる多くの白色有機EL多層構造が従来技術で知られている。そのような構造として、HTL/(1つまたは複数のLEL)/ETL、正孔輸送層(HTL)/HTL/(1つまたは複数のLEL)/ETL、HIL/HTL/(1つまたは複数のLEL)/ETL/電子注入層(EIL)、HIL/HTL/電子阻止層または正孔阻止層/(1つまたは複数のLEL)/ETL/EIL、HIL/HTL/(1つまたは複数のLEL)/正孔阻止層/ETL/EILなどがある。タンデム式白色OLEDのそれぞれの白色有機ELユニットは、それぞれのELユニットが白色を出すのであれば、他の白色有機ELユニットと層構造が同じでも異なっていてもよい。アノードに隣接する1番目の白色有機ELユニットの層構造は、HIL/HTL/(1つまたは複数のLEL)/ETLであることが好ましく、カソードに隣接するN番目の白色有機ELユニットの層構造はHTL/(1つまたは複数のLEL)/ETL/EILであることが好ましく、他の白色有機ELユニットの層構造はHTL/(1つまたは複数のLEL)/ETLであることが好ましい。しかし簡単に製造することを考えると、タンデム式白色OLEDデバイスのそれぞれの白色有機ELユニットは同じ層構造であることが好ましい。ETLに隣接するLELの厚さが20nmよりも厚いのであれば、ETLを単純にEILで置き換え、そのEILに電子注入と電子輸送の両方の機能を担わせることができる場合がある。
【0026】
タンデム式白色OLEDデバイス300の特定の白色有機ELユニットに含まれるLELの数について考えると、LELの数は一般に、3〜1の範囲で変えることができる。したがって白色有機ELユニットは、少なくとも1つのHTLと、異なる色の光を出す3つのLELを含むことができる。白色有機ELユニットは、少なくとも1つのHTLと、異なる色の光を出す2つのLELを含んでいてもよい。白色有機ELユニットは、少なくとも1つのHTLと、白色を出す1つのLELを含んでいてもよい。図5(ELユニット520)に、本発明によるタンデム式白色OLEDデバイス300のELユニット320.xの一実施態様を示してある。ここではELユニット520は、HTL521と、1番目のLEL522.1と、2番目のLEL522.2と、3番目のLEL522.3と、ETL523を備えている。図6(ELユニット620)に、本発明によるタンデム式白色OLEDデバイス300のELユニット320.xの別の一実施態様を示してある。ここではELユニット620は、HTL521と、1番目のLEL522.1と、2番目のLEL522.2と、ETL523を備えている。図7(ELユニット720)に、本発明によるタンデム式白色OLEDデバイス300のELユニット320.xのさらに別の一実施態様を示してある。ここではELユニット720は、HTL521と、1番目のLEL522.1と、ETL523を備えている。各ELユニットのLELは、それぞれのELユニットが白色を出すのであれば、出る色が同じでも異なっていてもよい。
【0027】
白色有機ELユニットの有機層は、小分子OLED材料(すなわち非ポリマー)、またはポリマーLED材料、またはその組み合わせから形成することができる。なお小分子OLED材料とポリマーLED材料の両方とも、従来技術で知られている。タンデム式白色OLEDデバイスのそれぞれの白色有機ELユニットに含まれる対応する有機層は、対応する他の有機層と同じ材料または異なる材料を用いて形成することができる。
【0028】
白色有機ELユニットを構成するのに用いる材料は、従来の白色OLEDデバイスを構成するもに用いる材料と同じにすることができる。なお従来の白色OLEDデバイスは、例えばアメリカ合衆国特許出願公開2002/0025419 A1、アメリカ合衆国特許第5,683,823号、第5,503,910号、第5,405,709号、第5,283,182号、ヨーロッパ特許第1 187 235号、第1 182 244号、日本国特開07-142169に開示されている。
【0029】
白色有機ELユニットのそれぞれのLELは発光材料を含んでおり、この領域で電子-正孔対の再結合が起こる結果としてエレクトロルミネッセンスが生じる。1つのLELの中で再結合が起こり、エネルギー伝達プロセスを通じて別のLELの中でルミネッセンスが発生することも可能である。LELは単一の材料で構成できるが、より一般的には、ゲスト化合物またはドーパントをドープしたホスト材料を含んでいる。光は主としてドーパントから発生する。本発明は、白色有機OLEDデバイスに含まれるこのようなホスト/ドーパントLELに関する。ドーパントは、着色光が発生するように選択する。ドーパントは、通常は、強い蛍光染料またはリン光染料の中から選択され、一般に、0.01〜10質量%の割合でホスト材料に組み込まれる。
【0030】
LELで有用であることが知られているホスト材料およびドーパント材料としては、アメリカ合衆国特許第4,768,292号、第5,141,671号、第5,150,006号、第5,151,629号、第5,405,709号、第5,484,922号、第5,593,788号、第5,645,948号、第5,683,823号、第5,755,999号、第5,928,802号、第5,935,720号、第5,935,721号、第6,020,078号に開示されているものなどがある。
【0031】
8-ヒドロキシキノリンの金属錯体と、それと同様の誘導体(一般式A)は、エレクトロルミネッセンスをサポートすることのできる有用なホスト材料の1つのクラスを形成し、波長が500nmよりも長い光(例えば緑、黄、オレンジ、赤)を出させるのに特に適している。
【0032】
【化1】

ただし、
Mは金属を表わし;
nは1〜4の整数であり;
Zは、各々独立に、少なくとも2つの芳香族縮合環を有する核を完成させる原子を表わす)。
【0033】
以上の説明から、金属は、一価、二価、三価、四価の金属が可能であることが明らかである。金属としては、例えばアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウムなど)、土類金属(アルミニウム、ガリウムなど)、遷移金属(亜鉛、ジルコニウムなど)が可能である。一般に、キレート化金属として有用であることが知られている任意の一価、二価、三価、四価の金属を使用することができる。
【0034】
Zは、少なくとも2つの芳香族縮合環を持っていてそのうちの少なくとも一方はアゾール環またはアジン環である複素環の核を完成させる。必要な場合には、必要なその2つの環に追加の環(例えば脂肪族環と芳香族環の両方)を縮合させることができる。機能の向上なしに分子が大きくなることを避けるため、環の原子数は、通常は18個以下に維持する。
【0035】
9,10-ジ-(2-ナフチル)アントラセンの誘導体(一般式B)は、エレクトロルミネッセンスをサポートすることのできる有用なホスト材料の1つのクラスを形成し、波長が400nmよりも長い光(例えば青、緑、黄、オレンジ、赤)を出させるのに特に適している。
【0036】
【化2】

ただし、
R1、R2、R3、R4、R5、R6は、各環上にある、以下に示すグループの中から個別に選択した1個以上の置換基を表わす。
グループ1:水素、または1〜24個の炭素原子を有するアルキル;
グループ2:5〜20個の炭素原子を有するアリールまたは置換されたアリール;
グループ3:アントラセニル、ピレニル、ペリレニルいずれかの芳香族縮合環を完成させるのに必要な4〜24個の炭素原子;
グループ4:フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル、または他の複素環系の複素芳香族縮合環を完成させるのに必要な、5〜24個の炭素原子を有するヘテロアリールまたは置換されたヘテロアリール;
グループ5:1〜24個の炭素原子を有するアルコキシアミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ;
グループ6:フッ素、塩素、臭素、シアノ。
【0037】
代表例として、9,10-ジ-(2-ナフチル)アントラセンや2-t-ブチル-9,10-ジ-(2-ナフチル)アントラセンなどがある。他のアントラセン誘導体(例えば9,10-ビス[4-(2,2-ジフェニル-エテニル)フェニル]アントラセン)もLELのホストとして有用である。
【0038】
一般式(C)のモノアントラセン誘導体もエレクトロルミネッセンスをサポートすることのできる有用なホスト材料であり、波長が400nmよりも長い光(例えば青、緑、黄、オレンジ、赤)を出させるのに特に適している。一般式(C)のモノ-アントラセン誘導体は、2003年10月24日にLelia Cosimbescuらによって「アントラセン誘導体ホストを含むエレクトロルミネッセンス・デバイス」という名称で出願されて譲受人に譲渡されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第10/693,121号に記載されている(その開示内容は、参考としてこの明細書に組み込まれているものとする)。
【0039】
【化3】

上式中、R1〜R8はHである。
R9は、脂肪族炭素環のメンバーを有する縮合環を含まないナフチル基である。ただしR9とR10は同じではなく、アミンとイオウ化合物を含んでいない。R9は、1つ以上の縮合環をさらに備えていて芳香族縮合環系(例えばフェナントリル、ピレニル、フルオランテン、ペリレン)を形成している置換されたナフチル基であるか、1個以上の置換基(例えばフッ素、シアノ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、複素環式オキシ基、カルボキシ基、トリメチルシリル基)で置換されたナフチル基であるか、縮合した2つの環からなる置換されていないナフチル基であることが好ましい。R9は、パラ位が置換された2-ナフチルまたは1-ナフチルか、パラ位が置換されていない2-ナフチルまたは1-ナフチルであることが好ましい。
R10は、脂肪族炭素環のメンバーを有する縮合環を含まないビフェニル基である。R10は、置換されていて芳香族縮合環(例えばナフチル、フェナントリル、ペリレン)を形成しているビフェニル基か、1個以上の置換基(例えばフッ素、シアノ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、複素環式オキシ基、カルボキシ基、トリメチルシリル基)で置換されたビフェニル基か、置換されていないビフェニル基であることが好ましい。R10は、置換されていない4-ビフェニルまたは3-ビフェニルか、縮合環を含まない他のフェニル環で置換されていて三フェニル環系を形成している4-ビフェニルまたは3-ビフェニルか、2-ビフェニルであることが好ましい。特に有用なのは、9-(2-ナフチル)-10-(4-ビフェニル)アントラセンである。
【0040】
ベンズアゾール誘導体(一般式D)は、エレクトロルミネッセンスをサポートすることのできる有用なホスト材料の別のクラスを形成し、波長が400nmよりも長い光(例えば青、緑、黄、オレンジ、赤)を出させるのに特に適している。
【0041】
【化4】

ただし、
nは3〜8の整数であり;
Zは、O、NR、Sのいずれかであり;
RとR'は、個別に、水素;1〜24個の炭素原子を有するアルキル(例えばプロピル、t-ブチル、ヘプチルなど);5〜20個の炭素原子を有するアリールまたはヘテロ原子で置換されたアリール(例えばフェニル、ナフチル、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル、ならびに他の複素環式系);ハロ(例えばクロロ、フルオロ);芳香族縮合環を完成させるのに必要な原子のいずれかであり;ベンズアゾール単位1つにつき4個までのR'基が存在でき;
Lは、アルキル、アリール、置換されたアルキル、置換されたアリールのいずれかを含んでいる結合単位であり、複数のベンズアゾールを互いに共役または非共役に結合させる。
【0042】
有用なベンズアゾールの一例は、2,2',2"-(1,3,5-フェニレン)トリス[1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール]である。
【0043】
アメリカ合衆国特許第5,121,029号に記載されているジスチリルアリーレン誘導体もLELの有用なホスト材料である。
【0044】
他の有機発光ホスト材料として、ポリマー物質が可能である。それは、例えば、譲受人に譲渡されたWolkらのアメリカ合衆国特許第6,194,119 B1号とその中で引用されている参考文献に記載されているポリフェニレンビニレン誘導体、ジアルコキシ-ポリフェニレンビニレン、ポリ-パラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体である。
【0045】
望ましい蛍光ドーパントとしては、ペリレンまたはペリレンの誘導体や、アントラセン、テトラセン、キサンテン、ルブレン、クマリン、ローダミン、キナクリドンの誘導体や、ジシアノメチレンピラン化合物、チオピラン化合物、ポリメチン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、ビス(アジニル)メタンホウ素錯体化合物、カルボスチリル化合物などがある。
【0046】
適切な赤色発光ドーパントとしては、以下の構造式で表わされるジインデノペリレン化合物:
【化5】

(ただしX1〜X16は、独立に、ヒドロ、または赤色光を出す置換基である)が挙げられる。特に好ましいジインデノペリレン・ドーパントは、ジベンゾ{[f,f’]-4,4’,7,7’-テトラフェニル}ジインデノ-[1,2,3-cd:1’,2’,3’-lm]ペリレン(TPDBP)である。
【0047】
本発明で有用な他の赤色ドーパントは、DCMクラスの染料:
【化6】

(ただし、
Y1〜Y5は、ヒドロ、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリールの中から独立に選択した1個以上の基を表わし;
Y1〜Y5は、互いに独立に非環式基を含むか、対になって1つ以上の縮合環を形成するが、Y3とY5が合わさって縮合環を形成することはない)である。
【0048】
赤い光を出す有用かつ便利な一実施態様では、Y1〜Y5は、独立に、ヒドロ、アルキル、アリールの中から選択される。
【0049】
好ましい1つのDCMドーパントは、
【化7】

である。
【0050】
有用な赤色ドーパントはいろいろな化合物の混合物でもよく、その化合物はそれぞれが赤色ドーパントであってもよい。
【0051】
黄色発光ドーパントとしては、以下の構造を持つ化合物:
【化8】

(ただし、
A1〜A6は、それぞれの環上の1個以上の置換基を表わし。それぞれの置換基は、個別に以下のカテゴリーの中から選択される。
カテゴリー1:水素、または炭素原子が1〜24個のアルキル;
カテゴリー2:炭素原子が5〜20個のアリールまたは置換されたアリール;
カテゴリー3:縮合芳香族環または環系を完成させるための、炭素原子が4〜24個の炭化水素;
カテゴリー4:炭素原子が5〜24個のヘテロアリールまたは置換されたヘテロアリールで、その中にはチアゾリル、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル、または他の複素環系が含まれ、単結合を通じて結合するか、縮合複素芳香族環系を完成させるもの;
カテゴリー5:炭素原子が1〜24個のアルコキシルアミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ;
カテゴリー6:フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ)などが可能である。
【0052】
特に有用な黄色ドーパントの例としては、5,6,11,12-テトラフェニルナフタセン(ルブレン)、6,11-ジフェニル-5,12-ビス(4-(6-メチル-ベンゾチアゾル-2-イル)フェニル)ナフタセン(DBzR)、5,6,11,12-テトラ(2-ナフチル)ナフタセン(NR)がある。
【0053】
適切な黄色ドーパントはいろいろな化合物の混合物でもよく、その化合物はそれぞれが黄色ドーパントであってもよい。
【0054】
青色発光ドーパントとしては、ペリレンとその誘導体、ジスチリルベンゼンの青色発光誘導体、1個以上のアリールアミン置換基を有するジスチリルビフェニル、以下の構造を有する化合物:
【化9】

(ただし、
AとA'は、独立に、少なくとも1個の窒素を含む6員の芳香族環系に対応するアジン環系を表わし;
(Xa)nと(Xb)mは、独立に選択した1個以上の置換基を表わし、非環式置換基を含んでいるか、合わさってAまたはA’と縮合した環を形成し;
mとnは、独立に0〜4であり;
ZaとZbは、独立に選択した置換基であり;
1、2、3、4、1’、2’、3’、4’は、炭素原子または窒素原子として独立に選択され;
Xa、Xb、Za、Zb、1、2、3、4、1’、2’、3’、4’は、青色の光を出すように選択される)などが可能である。
【0055】
青色ドーパント別の特に有用なクラスとして、ジスチリルアレン(例えばジスチリルベンゼン、ジスチリルビフェニル)の青色発光誘導体があり、例えばアメリカ合衆国特許第5,121,029号に記載されている化合物が挙げられる。青色の光を出すジスチリルアレンの誘導体のうちで特に有用なのは、ジアリールアミノ基(ジスチリルアミンとしても知られる)で置換されたものである。例として、ビス[2-[4-[N,N-ジアリールアミノ]フェニル]ビニル]ベンゼンやビス[2-[4-[N,N-ジアリールアミノ]フェニル]ビニル]ビフェニルなどがある。
【0056】
このクラスの特に好ましい1つの青色ドーパントは1,4-ビス[2-[4-[N,N-ジ(p-トリル)アミノ]フェニル]ビニル]ベンゼン(BDTAPVB)である。
【0057】
それぞれの白色有機ELユニットは、性能が向上するように選択すること、または望む属性が実現されるように選択することができる。性能または属性としては、例えば、OLED多層構造の光透過率、駆動電圧、輝度効率、発光色、取り扱いやすさ、デバイスの安定性などがある。タンデム式白色OLEDに含まれる白色有機ELユニットの数は、原則として2以上である。タンデム式白色OLEDに含まれる白色有機ELユニットの数は、輝度効率(単位はcd/A)が向上するか最大になる数であることが好ましい。照明の用途では、白色有機ELユニットの数は、電源の最大電圧によって決めることができる。
【0058】
タンデム式白色OLEDの駆動電圧を小さくするためには、発光効率を損なうことなく、それぞれの白色有機ELユニットをできるだけ薄くすることが望ましい。各白色有機ELユニットは、厚さが500nm未満であることが好ましく、2〜250nmであることがより好ましい。白色有機ELユニットの各層の厚さが200nm以下であることも好ましく、0.1〜100nmであることがより好ましい。白色有機ELユニットの各LELの厚さが5nm〜50nmの範囲であることも好ましい。
【0059】
タンデム式白色OLEDが効果的に機能するためには、中間接続層が隣接する白色有機ELユニットにキャリアを効果的に提供する必要がある。金属、金属化合物、またはこれら以外の無機化合物は抵抗率が有機材料よりも小さいため、キャリアの注入に有効である可能性がある。しかし抵抗率が小さいことで面抵抗が小さくなり、画素のクロストークが発生する可能性がある。隣接する画素間を通過する横方向の電流によって画素のクロストークが起こるが、その横方向の電流を画素の駆動に用いる電流の10%未満に制限するのであれば、中間接続層の横方向の抵抗値(Ric)は、タンデム式白色OLEDの抵抗値の少なくとも8倍でなければならない。一般に、従来型OLEDの2つの電極間の静的抵抗値はほぼ数kΩであるが、タンデム式白色OLEDは、2つの電極間の抵抗値が約10kΩ〜数10kΩでなくてはならない。したがってRicは100kΩよりも大きくなくてはならない。各画素間のスペースが単位面積よりも小さいことを考えると、中間接続層の面抵抗は、100kΩ/□よりも大きくなくてはならない(横方向の抵抗値は、面抵抗×□)。面抵抗は膜の抵抗率と厚さの両方によって決まるため(面抵抗は膜の抵抗率を膜の厚さで割った値)、中間接続層を構成する層を抵抗率の小さな金属、金属化合物、またはこれら以外の無機化合物の中から選択すると、層が十分に薄いのであれば中間接続層で100kΩ/□を超える面抵抗を実現することがやはり可能である。中間接続層を構成するのに有機材料を用いる場合には、電気抵抗が十分に大きいために画素のクロストークはなかろう。しかし純粋な有機層だと、中間接続層の中にキャリアを注入したり、中間接続層の中でキャリアを生成させたりすることは容易でない。したがってドーピングによって半導特性が向上した有機層が、中間接続層として役に立つ可能性がある。
【0060】
タンデム式白色OLEDが効果的に機能するための別の条件は、白色有機ELユニットと中間接続層を構成する層の透過率ができるだけ大きくなっていて、白色有機ELユニットの中で発生する光がデバイスの外に出られることである。簡単な計算によると、各中間接続層の透過率が発生する光の70%だと、タンデム式白色OLEDの利点はあまりなかろう。なぜなら、デバイス中にいくら多くのELユニットが存在していても、従来型デバイスと比べて発光効率を2倍にすることは決してできないからである。白色有機ELユニットを構成する層は、一般に、そのELユニットから発生する光に対して透明であるため、その透過率は、一般にタンデム式白色OLEDを構成する際に問題にならない。公知のように、金属、金属化合物、またはこれら以外の無機化合物は透過率が小さい可能性がある。しかし中間接続層を構成する層を金属、金属化合物、またはこれら以外の無機化合物の中から選択するとき、層を十分に薄くするのであれば、光の透過率を70%よりも大きくすることが可能である。中間接続層は、スペクトルの可視領域での透過率が少なくとも75%であることが好ましい。
【0061】
したがって隣り合う白色有機ELユニットの間に設けられた中間接続層は非常に重要である。なぜなら中間接続層は、画素のクロストークも透過率の低下もなしに、隣接する白色有機ELユニットに電子と正孔を効率的に注入するために必要だからである。図8〜図16には、本発明による中間接続層の典型的な実施態様が示してあり、隣り合う有機ELユニットの間に配置された中間接続層は、外部電源に直接は接続されていない少なくとも2つの異なる層を含んでいる。中間接続層に含まれるこれら2つ以上の異なる層は、キャリアの注入がうまくいき、しかも光に対して十分に透明であるならば、すべて有機材料で構成すること、または一部を有機材料で構成すること、またはすべてを無機材料で構成することができる。図8には、前の有機ELユニットのETLに隣接して配置されているn型をドープされた有機層831と、そのn型をドープされた有機層831の上に配置されたp型をドープされた有機層832とを含む中間接続層830が示してある。図9には、順番に、前の有機ELユニットのETLに隣接して配置されているn型をドープされた有機層831と、金属化合物層933と、p型をドープされた有機層832とを含む中間接続層930が示してある。図10には、順番に、前の有機ELユニットのETLに隣接して配置されているn型をドープされた有機層831と、仕事関数の大きな金属層1034と、p型をドープされた有機層832とを含む中間接続層1030が示してある。図11には、前の有機ELユニットのETLに隣接して配置されているn型をドープされた有機層831と、そのn型をドープされた有機層831の上に配置された金属化合物層933とを含む中間接続層1130が示してある。この中間接続層は、面抵抗が100kΩ/□よりも大きい。図12には、順番に、前の有機ELユニットのETLに隣接して配置されているn型をドープされた有機層831と、仕事関数の大きな金属層1034と、金属化合物層933とを含む中間接続層1230が示してある。この中間接続層は、面抵抗が100kΩ/□よりも大きい。図13には、前の有機ELユニットのETLに隣接して配置されている仕事関数の小さな金属層1335と、その仕事関数の小さな金属層1335の上に配置された金属化合物層933とを含む中間接続層1330が示してある。この中間接続層は、面抵抗が100kΩ/□よりも大きい。図14には、順番に、前の有機ELユニットのETLに隣接して配置されている仕事関数の小さな金属層1335と、仕事関数の大きな金属層1034と、金属化合物層933とを含む中間接続層1430が示してある。この中間接続層は、面抵抗が100kΩ/□よりも大きい。図15には、前の有機ELユニットのETLに隣接して配置されている無機半導体層1536と、その無機半導体層1536の上に配置された金属化合物層933とを含む中間接続層1530が示してある。この中間接続層は、面抵抗が100kΩ/□よりも大きい。図16には、順番に、前の有機ELユニットのETLに隣接して配置されているn型無機半導体層1536と、仕事関数の大きな金属層1034と、金属化合物層933とを含む中間接続層1630が示してある。この中間接続層は、面抵抗が100kΩ/□よりも大きい。さらに、このタンデム式白色OLEDデバイスでは、それぞれの中間接続層の構造は同じでも異なっていてもよい。
【0062】
上記の中間接続層に含まれるn型をドープされた有機層831は、電子の輸送をサポートすることのできる少なくとも1種類の有機ホスト材料と、1種類のn型ドーパントとを含んでいる。従来のOLEDデバイスで用いられる有機電子輸送材料は、n型をドープされた有機層の有用なホスト材料の1つのクラスである。好ましい材料は、金属キレート化オキシノイド化合物である。その中には、オキシンそのもの(一般に、8-キノリノールまたは8-ヒドロキシキノリンとも呼ばれる)のキレートとして、例えばトリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)などが含まれる。他の材料としては、Tang(アメリカ合衆国特許第4,356,429号)が開示しているさまざまなブタジエン誘導体、Van SlykeとTangら(アメリカ合衆国特許第4,539,507号)が開示しているさまざまな複素環式蛍光増白剤、トリアジン、ヒドロキシキノリン誘導体、ベンズアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などがある。シロール誘導体(2,5-ビス(2',2"-ビピリジン-6-イル)-1,1-ジメチル-3,4-ジフェニルシラシクロペンタジエンなど)も有用な有機ホスト材料である。上記材料の組み合わせも、n型をドープされた有機層を形成するのに役立つ。n型をドープされた有機層831に含まれる有機ホスト材料は、Alq、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(Bphen)、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BCP)、2,2'-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイルビス[4,6-(p-トリル)-1,3,5-トリアジン](TRAZ)、またはこれらの組み合わせであることがより好ましい。
【0063】
n型をドープされた有機層831に含まれるn型ドーパントとして、アルカリ金属、アルカリ金属の化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属の化合物、またはこれらの組み合わせがある。“金属の化合物”という用語には、有機金属錯体、金属-有機塩、無機塩、酸化物、ハロゲン化物が含まれる。金属含有n型ドーパントというクラスの中では、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Yb、ならびにこれらの化合物が特に有用である。中間接続層のn型をドープされた有機層でn型ドーパントとして使用される材料としては、強力な電子供与特性を有する有機還元剤も挙げられる。“強力な電子供与特性”とは、有機ドーパントが少なくともいくつかの電荷をホストに与えてホストと電荷移動錯体を形成できねばならないことを意味する。有機分子の例としては、ビス(エチレンジチオ)-テトラチアフルバレン(BEDT-TTF)、テトラチアフルバレン(TTF)、ならびにこれらの誘導体などがある。ホストがポリマーである場合には、ドーパントは上記の任意のものが可能であり、分子として分散させた材料、または少量成分としてホストとコポリマー化した材料でもよい。n型をドープされた有機層831に含まれるn型ドーパントは、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Yb、ならびにこれらの化合物であることが好ましい。n型ドーパントの濃度は0.01〜20体積%の範囲であることが好ましい。n型をドープされた有機層の厚さは一般に150nm未満であるが、約1〜100nmの範囲であることが好ましい。
【0064】
中間接続層にn型をドープされた有機層831が存在している場合には、隣接する白色有機ELユニットでEILを用いる必要はない。なぜならこのn型をドープされた有機層831により、隣接している白色有機ELユニットと中間接続層の両方に電子を容易に注入できるからである。
【0065】
上記の中間接続層に含まれるp型をドープされた有機層832は、正孔の輸送をサポートすることのできる少なくとも1種類の有機ホスト材料と、1種類のp型ドーパントとを含んでいる。従来のOLEDデバイスで用いられる正孔輸送材料は、p型をドープされた有機層の有用なホスト材料の1つのクラスである。好ましい材料として、炭素原子(そのうちの少なくとも1つは芳香族環のメンバーである)だけに結合する少なくとも1つの3価窒素原子を含んでいる芳香族第三級アミンなどがある。芳香族第三級アミンの1つの形態は、アリールアミン(例えばモノアリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ポリマー・アリールアミン)である。1個以上のビニル基で置換された他の適切なトリアリールアミン、および/または少なくとも1つの活性な水素含有基を含む他の適切なトリアリールアミンは、Brantleyらによってアメリカ合衆国特許第3,567,450号と第3,658,520号に開示されている。芳香族第三級アミンのより好ましいクラスは、Van SlykeとTangらがアメリカ合衆国特許第4,720,432号と第5,061,569号に記載している、少なくとも2つの芳香族第三級アミン部分を含むものである。例示すると、N,N'-ジ(ナフタレン-1-イル)-N,N'-ジフェニル-ベンジジン(NPB)、N,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(3-メチルフェニル)-1,1'-ビフェニル-4,4'-ジアミン(TPD)、N,N,N',N'-テトラナフチル-ベンジジン(TNB)などがある。芳香族アミンの好ましい別のクラスは、Kevin P. Klubekらによって2003年3月18日に「カスケード式有機エレクトロルミネッセンス・デバイス」という名称で出願されて譲受人に譲渡されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第10/390,973号に記載されているジヒドロフェナジン化合物である(その開示内容は参考としてこの明細書に組み込まれているものとする)。上記材料の組み合わせも、p型をドープされた有機層を形成するのに役立つ。p型をドープされた有機層832に含まれる有機ホスト材料は、NPB、TPD、TNB、4,4',4"-トリス(N-3-メチルフェニル-N-フェニル-アミノ)-トリフェニルアミン(m-MTDATA)、4,4',4"-トリス(N,N-ジフェニル-アミノ)-トリフェニルアミン(TDATA)、ジヒドロフェナジン化合物、またはこれらの組み合わせであることがより好ましい。
【0066】
p型をドープされた有機層832に含まれるp型ドーパントとして、強力な電子求引特性を有する酸化剤も挙げられる。“強力な電子求引特性”とは、有機ドーパントが少なくともいくつかの電荷をホストから受け取ってホスト材料と電荷移動錯体を形成できねばならないことを意味する。いくつか例示すると、有機化合物(例えば2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(F4-TCNQ)や、7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(TCNQ)の他の誘導体)、無機酸化剤(例えばヨウ素、FeCl3、FeF3、SbCl5、他のいくつかの金属塩化物、他のいくつかの金属フッ化物)がある。p型ドーパントの組み合わせも、p型をドープされた有機層832を形成するのに役立つ。p型ドーパントの濃度は、0.01〜20体積%の範囲であることが好ましい。p型をドープされた有機層の厚さは一般に150nm未満であるが、約1〜100nmの範囲であることが好ましい。
【0067】
中間接続層で用いられるホスト材料としては、小分子材料やポリマー材料、またはその組み合わせが可能である。上記の正孔輸送特性と電子輸送特性の両方を示すホスト材料があれば、同じホスト材料をn型をドープされた有機層とp型をドープされた有機層の両方で使用できる場合がある。n型をドープされた有機層とp型をドープされた有機層のいずれかでホストとして使用できる材料の例としては、アメリカ合衆国特許第5,972,247号に記載されているさまざまなアントラセン誘導体、いくつかのカルバゾール誘導体(例えば4,4-ビス(9-ジカルバゾリル)-ビフェニル(CBP))、アメリカ合衆国特許第5,121,029号に記載されているジスチリルアリーレン誘導体(例えば4,4'-ビス(2,2'-ジフェニルビニル)-1,1'-ビフェニル)などがある。
【0068】
図9に示した中間接続層930の金属化合物層933は、主として、n型をドープされた有機層とp型をドープされた有機層の間で起こる可能性のある相互拡散を阻止し、動作中の駆動電圧を安定化させるのに用いられる。別の場合として、図11〜図16に示してあるように、金属化合物層933が中間接続層の最上層になっている場合(または金属化合物層933が次の白色有機ELユニットのHTLに隣接している場合)には、この層は、この層とHTLのインターフェイスを変化させ、中間接続層と白色有機ELユニットの間への正孔注入を改善することができる。
【0069】
金属化合物層933の選択は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛、ケイ素、ゲルマニウム、またはこれらの組み合わせの化学量論的酸化物または非化学量論的酸化物の中から行なうことができる。金属化合物層933の選択は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛、ケイ素、ゲルマニウム、またはこれらの組み合わせの化学量論的硫化物または非化学量論的硫化物の中から行なうことができる。金属化合物層933の選択は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛、ケイ素、ゲルマニウム、またはこれらの組み合わせの化学量論的セレン化物または非化学量論的セレン化物の中から行なうことができる。金属化合物層933の選択は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛、ケイ素、ゲルマニウム、またはこれらの組み合わせの化学量論的テルル化物または非化学量論的テルル化物の中から行なうことができる。金属化合物層933の選択は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛、ケイ素、ゲルマニウム、またはこれらの組み合わせの化学量論的窒化物または非化学量論的窒化物の中から行なうことができる。金属化合物層933の選択は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛、ケイ素、ゲルマニウム、またはこれらの組み合わせの化学量論的炭化物または非化学量論的炭化物の中から行なうこともできる。金属化合物層933の選択は、MoO3、NiMoO4、CuMoO4、WO3、ZnTe、Al4C3、AlF3、B2S3、CuS、GaP、InP、SnTeの中から選択することができる。金属化合物層933は、MoO3、NiMoO4、CuMoO4、WO3の中から選択することが好ましい。
【0070】
中間接続層に挿入される仕事関数の大きな金属層1034は、主として、起こりうる相互拡散を阻止し、中間接続層の他の2つの層の間にキャリアを容易に注入できるようにするのに用いられる。この層を形成するのに用いられる仕事関数の大きい金属は仕事関数が4.0eV以上であり、Ti、Zr、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Al、In、Snのいずれか、またはこれらの組み合わせを含んでいる。仕事関数の大きな金属層1034は、Ag、Al、Cu、Au、Zn、In、Snのいずれかまたはこれらの組み合わせを含んでいることが好ましい。より好ましいのは、仕事関数の大きな金属層1034がAgまたはAlを含んでいることである。
【0071】
中間接続層に含まれる仕事関数の小さな金属層1335は、主として、この層と前の白色有機ELユニットのETLのインターフェイスを変化させ、中間接続層と白色有機ELユニットの間に電子を注入しやすくするのに用いられる。この層を形成するのに用いられる仕事関数の小さな金属は仕事関数が4.0eV未満であり、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ybのいずれか、またはこれらの組み合わせを含んでいる。仕事関数の小さな金属層1335は、Li、Na、Cs、Ca、Ba、Ybのいずれかを含んでいることが好ましい。
【0072】
中間接続層に含まれるn型無機半導体層1536は、主として、この層と前の白色有機ELユニットのETLのインターフェイスを変化させ、中間接続層と白色有機ELユニットの間に電子を注入しやすくするのに用いられる。n型無機半導体層1536は、ZnSe、ZnS、ZnSSe、SnSe、SnS、SnSSe、LaCuO3、La4Ru6O19などを含んでいる。n型半導体層1536は、ZnSeまたはZnSを含んでいることが好ましい。
【0073】
中間接続層にn型無機半導体層1536が存在している場合、隣接する白色有機ELユニットでEILを用いる必要はない。なぜなら、このn型無機半導体層1536により、隣接する白色有機ELユニットと中間接続層の両方に電子を容易に注入することができるからである。
【0074】
中間接続層に含まれる各層の厚さは0.1nm〜150nmの範囲である。中間接続層に含まれる金属化合物層933の厚さは0.5nm〜20nmの範囲である。中間接続層に含まれる仕事関数の大きな金属層1034の厚さは0.1nm〜5.0nmの範囲である。中間接続層に含まれる仕事関数の小さな金属層1335の厚さは0.1nm〜10nmの範囲である。中間接続層に含まれるn型無機半導体層1536の厚さは0.5nm〜20nmの範囲である。
【0075】
本発明のタンデム式白色OLEDは支持用基板の上に設けられて、カソードまたはアノードがその基板と接するのが一般的である。基板と接する電極は、通常、底部電極と呼ばれる。一般に底部電極はアノードであるが、本発明がこの構成に限定されることはない。基板は、どの方向に光を出したいかに応じ、透過性または不透明にすることができる。透光特性は、基板を通してEL光を見る上で望ましい。その場合には、透明なガラスまたはプラスチックが一般に用いられる。EL光を上部電極を通じて見るような用途では、底部支持体の透過特性は重要でないため、底部支持体は、光透過性、光吸収性、光反射性のいずれでもよい。この場合に用いる基板としては、ガラス、プラスチック、半導体材料、シリコン、セラミック、回路板材料などがある。このような構成のデバイスでは、上部電極が光に対して透明になっている。
【0076】
EL光をアノード110を通して見る場合には、アノードは、興味の対象となる光に対して透明であるか、実質的に透明である必要がある。本発明で用いる透明なアノード用の一般的な材料は、インジウム-スズ-酸化物(ITO)、インジウム-亜鉛-酸化物(IZO)、スズ酸化物であるが、他の金属酸化物(例えばアルミニウムをドープした酸化亜鉛、インジウムをドープした酸化亜鉛、マグネシウム-インジウム酸化物、ニッケル-タングステン酸化物)も可能である。これら酸化物に加え、金属窒化物(例えば窒化ガリウム)、金属セレン化物(例えばセレン化亜鉛)、金属硫化物(例えば硫化亜鉛)をアノード材料として用いることができる。EL光をカソード電極だけを通して見るような用途では、アノード材料の透過特性は重要でなく、あらゆる導電性材料(透明なもの、不透明なもの、反射性のもの)を使用することができる。この用途での具体的な導電性材料としては、金、イリジウム、モリブデン、パラジウム、白金などがある。典型的なアノード材料は、透過性であろうとなかろうと、仕事関数が4.0eV以上である。望ましいアノード材料は、一般に適切な任意の手段(例えば蒸着、スパッタリング、化学蒸着、電気化学的手段)で堆積される。アノード材料は、よく知られているフォトリソグラフィ法を利用してパターニングすることができる。場合によっては、アノードの表面を研磨して凹凸を減らしてから他の層を堆積させることで、短絡を少なくしたり、反射率を大きくしたりすることができる。
【0077】
アノードだけを通して発光を見る場合には、本発明で使用するカソード140は、ほぼ任意の導電性材料で構成することができる。望ましい材料は優れた膜形成特性を有するため、下にある有機層との接触がよくなり、低電圧で電子の注入が促進され、優れた安定性を得ることができる。有用なカソード材料は、仕事関数が小さな(4.0eV未満)金属または合金を含んでいることがしばしばある。好ましい1つのカソード材料は、アメリカ合衆国特許第4,885,221号に記載されているように、銀が1〜20%の割合で含まれたMg:Ag合金からなる。適切なカソード材料の別のクラスとして、有機層(例えばETL)に接触する薄い無機EILを備えていて、その上により厚い導電性金属層を被せた構成の二層がある。その場合、無機EILは、仕事関数が小さな金属または金属塩を含んでいることが好ましく、そうなっている場合には、より厚い被覆層は仕事関数が小さい必要がない。このような1つのカソードは、アメリカ合衆国特許第5,677,572号に記載されているように、LiFからなる薄い層と、その上に載るより厚いAl層からなる。他の有用なカソード材料としては、アメリカ合衆国特許第5,059,861号、第5,059,862号、第6,140,763号に開示されているものがあるが、これだけに限定されるわけではない。
【0078】
カソードを通して発光を見る場合、カソードは、透明であるか、ほぼ透明である必要がある。このような用途のためには、金属が薄いか、透明な導電性酸化物を使用するか、このような材料が含まれている必要がある。光学的に透明なカソードは、アメリカ合衆国特許第4,885,211号、第5,247,190号、第5,703,436号、第5,608,287号、第5,837,391号、第5,677,572号、第5,776,622号、第5,776,623号、第5,714,838号、第5,969,474号、第5,739,545号、第5,981,306号、第6,137,223号、第6,140,763号、第6,172,459号、第6,278,236号、第6,284,393号、日本国特許第3,234,963号、ヨーロッパ特許第1 076 368号に、より詳細に記載されている。カソード材料は、一般に、蒸着、電子ビーム蒸着、イオン・スパッタリング、化学蒸着いずれかの方法によって堆積させる。必要な場合には、よく知られた多数の方法でパターニングすることができる。方法としては、例えば、スルー・マスク蒸着、アメリカ合衆国特許第5,276,380号とヨーロッパ特許第0 732 868号に記載されている一体化シャドウ・マスキング、レーザー除去、選択的化学蒸着などがある。
【0079】
白色有機ELユニットと中間接続層は、蒸着、電子ビーム蒸着、イオン・スパッタリング法、スピン・コーティングのいずれかによって形成することができる。タンデム式白色OLEDデバイスを製造するとき、例えば白色有機ELユニットと、中間接続層と、最上部の白色有機ELユニットの上に載る電極を形成するのに、蒸着法を利用してすべての材料を堆積させることが好ましい。
【0080】
たいていのOLEDデバイスは、水分と酸素の一方または両方に敏感であるため、一般に不活性雰囲気(例えば窒素やアルゴン)中で、乾燥剤(例えばアルミナ、ボーキサイト、硫酸カルシウム、粘土、シリカゲル、ゼオライト、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、硫酸塩、ハロゲン化金属、過塩素酸塩)とともに密封される。封止と乾燥のための方法としては、アメリカ合衆国特許第6,226,890号に記載されている方法などがある。さらに、障壁層(例えばSiOx、テフロン(登録商標))や、交互に積層された無機層/ポリマー層が、封止法として知られている。
【実施例】
【0081】
本発明をさらによく理解するため、以下の実施例を提示する。以下の実施例では、較正された厚さモニター(INFICON IC/5堆積制御装置)を用いて有機層の厚さとドーピングの濃度をその場で制御して測定した。製造した全デバイスのEL特性は、定電流源(KEITHLEY 2400ソースメーター)と光度計(フォト・リサーチ社のスペクトラスキャンPR 650)を室温で用いて評価した。色は、1931 CIE座標を用いて記述する。
【0082】
例1(比較例)
比較用の白色OLEDデバイスは以下のようにして製造する:透明なインジウム-スズ-酸化物(ITO)導電層でコーティングした厚さ約1.1mmのガラス基板を市販のガラス磨きツールを用いてクリーンにして乾燥させた。ITOの厚さは約42nmであり、ITOの面抵抗率は約68Ω/□である。次にITOの表面を酸化性プラズマで処理してその表面をアノードにした。RFプラズマ処理チェンバーの中でCHF3ガスを分解することにより、正孔注入層として厚さ1nmのCFx層をクリーンなITOの表面に堆積させた。次に基板を真空蒸着チェンバーに移し、基板の上に他のすべての層を堆積させた。約10-6トルという真空下で加熱したボートから蒸発させることにより、以下の層を以下の順番で堆積させた。
【0083】
1.ELユニット:
a)HTL、厚さ約90nm、“4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル”(NPB)を含む;
b)1番目のLEL、厚さ20nm、70体積%のNPBと、29.5体積%のルブレンと、0.5体積%の“5,10,15,20-テトラフェニル-ビスベンズ[5,6]インデノ[1,2,3-cd:1',2',3'-lm]ペリレン”を含む(赤色発光層);
c)2番目のLEL、厚さ40nm、87体積%の“2-(1,1-ジメチルエチル)-9,10,-ジ-2-ナフタレニルアントラセン”(TBADN)と、9体積%のNPBと、4体積%の“4-(ジ-p-トリルアミノ)-4'-[(ジ-p-トリルアミノ)スチリル]スチルベン”を含む(青色発光層);
d)ETL、厚さ10nm、“トリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム”(Alq)を含む。
【0084】
2.カソード:厚さ約210nm、MgAgを含む(約95体積%のMgと5体積%のAgを同時に蒸着することによって形成)。
【0085】
これらの層を堆積させた後、デバイスを蒸着チェンバーからドライ・ボックス(VACバキューム・アトモスフェア社)に移して封入した。
【0086】
この白色OLEDデバイスは、20mA/cm2でテストしたとき、輝度が1345cd/m2で、輝度効率が約6.7cd/Aであった。CIExとCIEyは、それぞれ0.330と0.340である。ELスペクトルを図17に示してあり、輝度効率の特徴を図18に示してある。
【0087】
例2
タンデム式OLEDを例1に記載したようにして構成した。堆積させた層構造は以下の通りである。
【0088】
1.1番目のELユニット:
1番目のELユニットは例1のELユニットと同じである。
【0089】
2.1番目の中間接続層:
a)n型をドープされた有機層、厚さ30nm、約1.2体積%のリチウムをドープしたAlqを含む;
b)p型をドープされた有機層、厚さ30nm、約4体積%の“2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン”(F4-TCNQ)をドープしたNPBを含む。
【0090】
3.2番目のELユニット:
この2番目のELユニットは、NPB層(HTL)の厚さを90nmから20nmに変えたこと以外は例1のELユニットと同じである。
【0091】
4.カソード:厚さ約210nm、MgAgを含む。
【0092】
このタンデム式白色OLEDデバイスは、20mA/cm2でテストしたとき、輝度が2712cd/m2で、輝度効率が約13.6cd/Aであった。CIExとCIEyは、それぞれ0.325と0.344である。ELスペクトルを図17に示してあり、輝度効率の特徴を図18に示してある。
【0093】
例2から、n型をドープされた有機層とp型をドープされた有機層を有する中間接続層によって接続された2つの白色ELユニットでは、基本的に色が変化しない状態を維持しつつ、輝度効率を2倍にできることがはっきりとわかる。このタンデム式白色OLEDデバイスは、従来の白色OLEDデバイス(例1)と比べると、電流密度を増大させることなく2倍の明るさになっている。したがって、非常に明るくするという要求を、構造内により多くのELユニットを追加することによって満たせる可能性がある。タンデム式白色OLEDデバイスでは従来の白色OLEDデバイスと比べて特定の明るさを維持するのに必要な電流密度がより小さいため、タンデム式白色OLEDデバイスは寿命がより長くなる可能性がある。
【0094】
例3(比較例)
別の従来型白色OLEDを例1に記載したようにして構成した。堆積させた層構造は以下の通りである。
【0095】
1.ELユニット:
a)HTL、厚さ約30nm、NPBを含む;
b)1番目のLEL、厚さ30nm、約2体積%の“2,8-ジ-t-ブチル-5,11-ジ(p-t-ブチルフェニル)-6,12-ジ([1,1'-ビフェニル]-4-イル)ナフタセン”をドープしたNPB含む(黄色発光層);
c)2番目のLEL、厚さ40nm、70体積%の“9,10-ジ-2-ナフタレニルアントラセン”(A-DN)と、28体積%のNPBと、約2体積%の“4-(ジ-p-トリルアミノ)-4'-[(ジ-p-トリルアミノ)スチリル]スチルベン”を含む(青色発光層);
d)ETL、厚さ10nm、“4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン”(Bphen)を含む;
e)電子注入層、厚さ10nm、約1.2体積%のリチウムをドープしたBphenを含む;
【0096】
2.カソード:厚さ約210nm、Mg:Agを含む。
【0097】
この白色OLEDデバイスは、20mA/cm2でテストしたとき、輝度が2497cd/m2で、輝度効率が約12.5cd/Aであった。CIExとCIEyは、それぞれ0.427と0.471である。ELスペクトルを図19に示してあり、輝度効率の特徴を図20に示してある。
【0098】
例4
タンデム式白色OLEDを例1に記載したようにして構成した。堆積させた層構造は以下の通りである。
【0099】
1.1番目のELユニット:
a)HTL、約30nm、NPBを含む;
b)1番目のLEL、厚さ30nm、約2体積%の“2,8-ジ-t-ブチル-5,11-ジ(p-t-ブチルフェニル)-6,12-ジ([1,1'-ビフェニル]-4-イル)ナフタセン”をドープしたNPB含む(黄色発光層);
c)2番目のLEL、厚さ40nm、70体積%のA-DNと、28体積%のNPBと、約2体積%の“4-(ジ-p-トリルアミノ)-4'-[(ジ-p-トリルアミノ)スチリル]スチルベン”を含む(青色発光層);
d)ETL、厚さ10nm、Bphenを含む;
【0100】
2.1番目の中間接続層:
a)n型をドープされた有機層、厚さ10nm、約1.2体積%のリチウムをドープしたBphenを含む;
b)金属化合物層、厚さ2nm、WO3を含む。
【0101】
3.2番目のELユニット:
a)HTL、約70nm、NPBを含む;
b)1番目のLEL、厚さ30nm、約2体積%の“2,8-ジ-t-ブチル-5,11-ジ(p-t-ブチルフェニル)-6,12-ジ([1,1'-ビフェニル]-4-イル)ナフタセン”をドープしたNPB含む(黄色発光層);
c)2番目のLEL、厚さ40nm、70体積%のA-DNと、28体積%のNPBと、約2体積%の“4-(ジ-p-トリルアミノ)-4'-[(ジ-p-トリルアミノ)スチリル]スチルベン”を含む(青色発光層);
d)ETL、厚さ10nm、Bphenを含む;
e)電子注入層、厚さ10nm、約1.2体積%のリチウムをドープしたBphenを含む。
【0102】
4.カソード:厚さ約210nm、Mg:Agを含む。
【0103】
このタンデム式白色OLEDデバイスは、20mA/cm2でテストしたとき、輝度が5189cd/m2で、輝度効率が約26.0cd/Aであった。CIExとCIEyは、それぞれ0.305と0.450である。ELスペクトルを図19に示してあり、輝度効率の特徴を図20に示してある。
【0104】
例4からも、n型をドープされた有機層と金属化合物層を有する中間接続層によって接続された2つの白色ELユニットでは、輝度効率を2倍にできるとともに、色も改善できることがわかる。したがって中間接続層を用いてより多くの白色ELユニットを接続すると、より明るくすること、または動作寿命をより長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】発生する色が異なる2つのELユニットを有する従来のタンデム式白色OLEDの概略断面図である。
【図2】発生する色が異なる3つのELユニットを有する従来の別のタンデム式白色OLEDの概略断面図である。
【図3】N-1個の中間接続層によって互いに直列に接続されたN個(N>1)の白色ELユニットを有する本発明のタンデム式白色OLEDの概略断面図である。
【図4】1つの中間接続層によって直列に接続された2個の白色ELユニットを有する本発明の特別なタンデム式白色OLEDの概略断面図である。
【図5】本発明のタンデム式白色OLEDの中に存在していて3つの発光層を含むエレクトロルミネッセンス・ユニットの概略断面図である。
【図6】本発明のタンデム式白色OLEDの中に存在していて2つの発光層を含む別のエレクトロルミネッセンス・ユニットの概略断面図である。
【図7】本発明のタンデム式白色OLEDの中に存在していて1つの発光層を含む別のエレクトロルミネッセンス・ユニットの概略断面図である。
【図8】本発明のタンデム式白色OLEDの中に存在していて、n型をドープされた有機層とp型をドープされた有機層を備える中間接続層の概略断面図である。
【図9】本発明のタンデム式白色OLEDの中に存在していて、n型をドープされた有機層と、金属化合物層と、p型をドープされた有機層とを備える別の中間接続層の概略断面図である。
【図10】本発明のタンデム式白色OLEDの中に存在していて、n型をドープされた有機層と、仕事関数の大きな金属層と、p型をドープされた有機層とを備える別の中間接続層の概略断面図である。
【図11】本発明のタンデム式白色OLEDの中に存在していて、n型をドープされた有機層と金属化合物層を備える別の中間接続層の概略断面図である。
【図12】本発明のタンデム式白色OLEDの中に存在していて、n型をドープされた有機層と、仕事関数の大きな金属層と、金属化合物層とを備える別の中間接続層の概略断面図である。
【図13】本発明のタンデム式白色OLEDの中に存在していて、仕事関数の小さな金属層と金属化合物層を備える別の中間接続層の概略断面図である。
【図14】本発明のタンデム式白色OLEDの中に存在していて、仕事関数の小さな金属層と、仕事関数の大きな金属層と、金属化合物層とを備える別の中間接続層の概略断面図である。
【図15】本発明のタンデム式白色OLEDの中に存在していてn型無機半導体層と金属化合物層を備える別の中間接続層の概略断面図である。
【図16】本発明のタンデム式白色OLEDの中に存在していて、n型無機半導体層と、仕事関数の大きな金属層と、金属化合物層とを備える別の中間接続層の概略断面図である。
【図17】例1と例2のエレクトロルミネッセンス・スペクトルのグラフである。
【図18】例1と例2の輝度効率と電流密度の関係を示すグラフである。
【図19】例3と例4のエレクトロルミネッセンス・スペクトルのグラフである。
【図20】例3と例4の輝度効率と電流密度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0106】
100 タンデム式白色OLED(従来技術)
110 アノード
120.1 青色光を出す1番目のELユニット(または1番目のELユニット-青)
120.2 赤色光を出す2番目のELユニット(または2番目のELユニット-赤)
130.1 電荷生成層(CGL)
140 カソード
150 電圧/電流源
160 導電体
200 タンデム式白色OLED(従来技術)
120.1 青色光を出す1番目のELユニット(または1番目のELユニット-青)
120.2 緑色光を出す2番目のELユニット(または2番目のELユニット-緑)
120.3 赤色光を出す3番目のELユニット(または3番目のELユニット-赤)
230.1 1番目の中間接続層(または1番目の接続層)
230.2 2番目の中間接続層(または2番目の接続層)
300 タンデム式白色OLED(従来技術)
320.1 白色光を出す1番目のELユニット(または1番目のELユニット-白)
320.2 白色光を出す2番目のELユニット(または2番目のELユニット-白)
320.(N-1) 白色光を出す(N-1)番目のELユニット(または(N-1)番目のELユニット-白)
320.N 白色光を出すN番目のELユニット(またはN番目のELユニット-白)
330.1 1番目の中間接続層(または1番目の接続層)
330.2 2番目の中間接続層(または2番目の接続層)
330.(N-1) (N-1)番目の中間接続層(または(N-1)番目の接続層)
400 2つの白色ELユニットを備えるタンデム式白色OLED
520 3つの発光層を備えるELユニット
521 正孔輸送層
522.1 1番目の発光層
522.2 2番目の発光層
522.3 3番目の発光層
523 電子輸送層
620 2つの発光層を備えるELユニット
720 1つの発光層を備えるELユニット
830 中間接続層
831 n型をドープされた有機層
832 p型をドープされた有機層
930 中間接続層
933 金属化合物層
1030 中間接続層
1034 仕事関数の大きな金属層
1130 中間接続層
1230 中間接続層
1330 中間接続層
1335 仕事関数の小さな金属層
1430 中間接続層
1530 中間接続層
1536 n型無機半導体層(またはn型無機半導体)
1630 中間接続層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)アノードと;
b)カソードと;
c)上記アノードと上記カソードの間に配置され、それぞれが少なくとも1つの発光層を備えていて白色光を出す複数の有機エレクトロルミネッセンス・ユニットと;
d)隣り合った有機エレクトロルミネッセンス・ユニットの間に配置され、少なくとも2つの異なる層を備えていて外部電源に直接は接続されていない中間接続層とを備えるタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項2】
上記有機エレクトロルミネッセンス・ユニットのそれぞれが少なくとも3つの発光層を備えていて、その発光層のそれぞれが異なる色の光を出す、請求項1に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項3】
上記有機エレクトロルミネッセンス・ユニットのそれぞれが少なくとも2つの発光層を備えていて、その発光層のそれぞれが異なる色の光を出す、請求項1に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項4】
上記有機エレクトロルミネッセンス・ユニットのそれぞれが少なくとも1つの発光層を備えている、請求項1に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項5】
上記有機エレクトロルミネッセンス・ユニットのそれぞれが、白色光を出せるのであれば同じ層構造でも異なる層構造でもよい、請求項1に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項6】
それぞれの中間接続層が、少なくとも、前の有機エレクトロルミネッセンス・ユニットの電子輸送層に隣接して配置されたn型をドープされた有機層と、そのn型をドープされた有機層の上に配置されたp型をドープされた有機層とを含む、請求項1に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項7】
それぞれの中間接続層が、n型をドープされた上記有機層とp型をドープされた上記有機層の間に配置された金属化合物層を含む、請求項6に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項8】
それぞれの中間接続層が、n型をドープされた上記有機層とp型をドープされた上記有機層の間に配置された仕事関数の大きな金属層を含む、請求項6に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項9】
それぞれの中間接続層が、100kΩ/□よりも大きな面抵抗を持ち、少なくとも、前の有機エレクトロルミネッセンス・ユニットの電子輸送層に隣接して配置されたn型をドープされた有機層と、そのn型をドープされた有機層の上に配置された金属化合物層とを含む、請求項1に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項10】
それぞれの中間接続層が、n型をドープされた上記有機層と上記金属化合物層の間に配置された仕事関数の大きな金属層を含む、請求項9に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項11】
それぞれの中間接続層が、100kΩ/□よりも大きな面抵抗を持ち、少なくとも、前の有機エレクトロルミネッセンス・ユニットの電子輸送層に隣接して配置された仕事関数の小さな金属層と、その仕事関数の小さな金属層の上に配置された金属化合物層とを含む、請求項1に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項12】
それぞれの中間接続層が、仕事関数の小さな上記金属層と上記金属化合物層の間に配置された仕事関数の大きな金属層を含む、請求項11に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項13】
それぞれの中間接続層が、100kΩ/□よりも大きな面抵抗を持ち、少なくとも、有機エレクトロルミネッセンス・ユニットの電子輸送層に隣接して配置されたn型無機半導体層と、そのn型無機半導体層の上に配置された金属化合物層とを含む、請求項1に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項14】
それぞれの中間接続層が、上記n型無機半導体層と上記金属化合物層の間に配置された仕事関数の大きな金属層を含む、請求項13に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項15】
それぞれの中間接続層が同じ層構造でも異なる層構造でもよい、請求項1に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項16】
n型をドープされた上記有機層が、少なくとも1種類の有機ホスト材料と、少なくとも1種類のn型ドーパントとを含んでいて、その有機ホスト材料が、電子の輸送をサポートすることができる、請求項6に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項17】
上記有機ホスト材料が、金属キレート化オキシノイド化合物、ブタジエン誘導体、複素環式蛍光増白剤、トリアジン、ヒドロキシキノリン誘導体、ベンズアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、シロール誘導体のいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項16に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項18】
上記有機ホスト材料が、トリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(Bphen)、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BCP)、2,2'-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイルビス[4,6-(p-トリル)-1,3,5-トリアジン](TRAZ)のいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項16に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項19】
上記n型ドーパントが、アルカリ金属、アルカリ金属の化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属の化合物のいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項16に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項20】
上記n型ドーパントが、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ybのいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項16に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項21】
p型をドープされた上記有機層が、少なくとも1種類の有機ホスト材料と、少なくとも1種類のp型ドーパントとを含んでいて、その有機ホスト材料が、正孔の輸送をサポートすることができる、請求項6に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項22】
上記有機ホスト材料が、炭素原子(そのうちの少なくとも1つは芳香族環の員である)だけに結合する少なくとも1つの3価窒素原子を含んでいる芳香族第三級アミンを含む、請求項21に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項23】
上記有機ホスト材料が、N,N'-ジ(ナフタレン-1-イル)-N,N'-ジフェニル-ベンジジン(NPB)、N,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(3-メチルフェニル)-1,1'-ビフェニル-4,4'-ジアミン(TPD)、N,N,N',N'-テトラナフチル-ベンジジン(TNB)、4,4',4"-トリス(N-3-メチルフェニル-N-フェニル-アミノ)-トリフェニルアミン(m-MTDATA)、4,4',4"-トリス(N,N-ジフェニル-アミノ)-トリフェニルアミン(TDATA)、ジヒドロフェナジン化合物のいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項21に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項24】
上記p型ドーパントが、上記ホスト材料と電荷移動錯体を形成することのできる酸化剤を含む、請求項21に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項25】
上記p型ドーパントが、ヨウ素、FeCl3、FeF3、SbCl5、2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(F4-TCNQ)、7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(TCNQ)の他の誘導体のいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項21に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項26】
上記金属化合物層が、MoO3、NiMoO4、CuMoO4、WO3、ZnTe、Al4C3、AlF3、B2S3、CuS、GaP、InP、SnTeのいずれかを含む、請求項7に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項27】
仕事関数の大きな上記金属層が、Ti、Zr、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Al、In、Snのいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項8に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項28】
n型をドープされた上記有機層が、少なくとも1種類の有機ホスト材料と、少なくとも1種類のn型ドーパントとを含んでいて、その有機ホスト材料が、電子の輸送をサポートすることができる、請求項9に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項29】
上記有機ホスト材料が、金属キレート化オキシノイド化合物、8-ヒドロキシ-キノリン誘導体、ブタジエン誘導体、複素環式蛍光増白剤、トリアジン、ベンズアゾール、フェナントロリン誘導体、シロール誘導体のいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項28に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項30】
上記有機ホスト材料が、トリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(Bphen)、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BCP)、2,2'-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイルビス[4,6-(p-トリル)-1,3,5-トリアジン](TRAZ)のいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項28に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項31】
上記n型ドーパントが、アルカリ金属、アルカリ金属の化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属の化合物のいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項28に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項32】
上記n型ドーパントが、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ybのいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項28に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項33】
上記金属化合物層が、MoO3、NiMoO4、CuMoO4、WO3、ZnTe、Al4C3、AlF3、B2S3、CuS、GaP、InP、SnTeのいずれかを含む、請求項9に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項34】
仕事関数の大きな上記金属層が、Ti、Zr、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Al、In、Snのいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項10に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項35】
仕事関数の小さな上記金属層が、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ybのいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項11に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項36】
上記金属化合物層が、MoO3、NiMoO4、CuMoO4、WO3、ZnTe、Al4C3、AlF3、B2S3、CuS、GaP、InP、SnTeのいずれかを含む、請求項11に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項37】
仕事関数の大きな上記金属層が、Ti、Zr、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Al、In、Snのいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項12に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項38】
上記n型無機半導体層が、ZnSe、ZnS、ZnSSe、SnSe、SnS、SnSSe、LaCuO3、La4Ru6O19のいずれかを含む、請求項13に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項39】
上記金属化合物層が、MoO3、NiMoO4、CuMoO4、WO3、ZnTe、Al4C3、AlF3、B2S3、CuS、GaP、InP、SnTeのいずれかを含む、請求項13に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項40】
仕事関数の大きな上記金属層が、Ti、Zr、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Al、In、Snのいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項14に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項41】
上記エレクトロルミネッセンス(EL)ユニットに含まれる各発光層の厚さが5nm〜50nmの範囲である、請求項1に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項42】
上記中間接続層に含まれる各層の厚さが0.1nm〜150nmの範囲である、請求項1に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項43】
上記中間接続層に含まれる上記金属化合物層の厚さが0.5nm〜20nmの範囲である、請求項7に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項44】
上記中間接続層に含まれる仕事関数の大きな上記金属層の厚さが0.1nm〜5.0nmの範囲である、請求項8に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項45】
上記中間接続層に含まれる上記金属化合物層の厚さが0.5nm〜20nmの範囲である、請求項9に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項46】
上記中間接続層に含まれる仕事関数の大きな上記金属層の厚さが0.1nm〜5.0nmの範囲である、請求項10に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項47】
上記中間接続層に含まれる仕事関数の小さな上記金属層の厚さが0.1nm〜10nmの範囲である、請求項11に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項48】
上記中間接続層に含まれる上記金属化合物層の厚さが0.5nm〜20nmの範囲である、請求項11に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項49】
上記中間接続層に含まれる仕事関数の大きな上記金属層の厚さが0.1nm〜5.0nmの範囲である、請求項12に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項50】
上記中間接続層に含まれる上記n型無機半導体層の厚さが0.5nm〜20nmの範囲である、請求項13に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項51】
上記中間接続層に含まれる上記金属化合物層の厚さが0.5nm〜20nmの範囲である、請求項13に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項52】
上記中間接続層に含まれる仕事関数の大きな上記金属層の厚さが0.1nm〜5.0nmの範囲である、請求項14に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項53】
上記中間接続層の光透過率がスペクトルの可視領域で少なくとも75%である、請求項1に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項54】
上記中間接続層が、熱蒸着、電子ビーム蒸着、イオン・スパッタリング法、スピン・コーティングのいずれかによって形成されている、請求項1に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項55】
a)アノードと;
b)カソードと;
c)上記アノードと上記カソードの間に配置され、それぞれが少なくとも1つの発光層を備えていて白色光を出す複数の有機エレクトロルミネッセンス・ユニットと;
d)隣り合った有機エレクトロルミネッセンス・ユニットの間に配置され、異なる2つの有機層を備えていて外部電源に直接は接続されていない中間接続層とを備えるタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項56】
上記有機エレクトロルミネッセンス・ユニットのそれぞれが少なくとも3つの発光層を備えていて、その発光層のそれぞれが異なる色の光を出す、請求項55に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項57】
上記有機エレクトロルミネッセンス・ユニットのそれぞれが少なくとも2つの発光層を備えていて、その発光層のそれぞれが異なる色の光を出す、請求項55に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項58】
上記有機エレクトロルミネッセンス・ユニットのそれぞれが少なくとも1つの発光層を備えている、請求項55に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項59】
上記有機エレクトロルミネッセンス・ユニットのそれぞれが、白色光を出せるのであれば同じ層構造でも異なる層構造でもよい、請求項55に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項60】
それぞれの中間接続層が、少なくとも、前の有機エレクトロルミネッセンス・ユニットの電子輸送層に隣接して配置されたn型をドープされた有機層と、そのn型をドープされた有機層の上に配置されたp型をドープされた有機層とを含む、請求項55に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項61】
それぞれの中間接続層が、n型をドープされた有機層とp型をドープされた有機層の間に配置された金属化合物層を含む、請求項60に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項62】
それぞれの中間接続層が、n型をドープされた有機層とp型をドープされた有機層の間に配置された仕事関数の大きな金属層を含む、請求項60に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項63】
それぞれの中間接続層が同じ層構造でも異なる層構造でもよい、請求項55に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項64】
n型をドープされた上記有機層が、少なくとも1種類の有機ホスト材料と、少なくとも1種類のn型ドーパントとを含んでいて、その有機ホスト材料が、電子の輸送をサポートすることができる、請求項60に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項65】
上記有機ホスト材料が、金属キレート化オキシノイド化合物、ブタジエン誘導体、複素環式蛍光増白剤、トリアジン、ヒドロキシキノリン誘導体、ベンズアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、シロール誘導体のいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項64に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項66】
上記有機ホスト材料が、トリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(Bphen)、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BCP)、2,2'-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイルビス[4,6-(p-トリル)-1,3,5-トリアジン](TRAZ)のいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項64に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項67】
上記n型ドーパントが、アルカリ金属、アルカリ金属の化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属の化合物のいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項64に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項68】
上記n型ドーパントが、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ybのいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項64に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項69】
p型をドープされた上記有機層が、少なくとも1種類の有機ホスト材料と、少なくとも1種類のp型ドーパントとを含んでいて、その有機ホスト材料が、正孔の輸送をサポートすることができる、請求項60に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項70】
上記有機ホスト材料が、炭素原子(そのうちの少なくとも1つは芳香族環の員である)だけに結合する少なくとも1つの3価窒素原子を含んでいる芳香族第三級アミンを含む、請求項69に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項71】
上記有機ホスト材料が、N,N'-ジ(ナフタレン-1-イル)-N,N'-ジフェニル-ベンジジン(NPB)、N,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(3-メチルフェニル)-1,1'-ビフェニル-4,4'-ジアミン(TPD)、N,N,N',N'-テトラナフチル-ベンジジン(TNB)、4,4',4"-トリス(N-3-メチルフェニル-N-フェニル-アミノ)-トリフェニルアミン(m-MTDATA)、4,4',4"-トリス(N,N-ジフェニル-アミノ)-トリフェニルアミン(TDATA)、ジヒドロフェナジン化合物のいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項69に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項72】
上記p型ドーパントが、上記ホスト材料と電荷移動錯体を形成することのできる酸化剤を含む、請求項69に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項73】
上記p型ドーパントが、ヨウ素、FeCl3、FeF3、SbCl5、2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(F4-TCNQ)、7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(TCNQ)の他の誘導体のいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項69に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項74】
上記金属化合物層が、MoO3、NiMoO4、CuMoO4、WO3、ZnTe、Al4C3、AlF3、B2S3、CuS、GaP、InP、SnTeのいずれかを含む、請求項61に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項75】
仕事関数の大きな上記金属層が、Ti、Zr、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Al、In、Snのいずれか、またはこれらの組み合わせを含む、請求項62に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項76】
上記エレクトロルミネッセンス(EL)ユニットに含まれる各発光層の厚さが5nm〜50nmの範囲である、請求項55に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項77】
上記中間接続層に含まれる各層の厚さが0.1nm〜150nmの範囲である、請求項55に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項78】
上記中間接続層に含まれる上記金属化合物層の厚さが0.5nm〜20nmの範囲である、請求項61に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項79】
上記中間接続層に含まれる仕事関数の大きな上記金属層の厚さが0.1nm〜5.0nmの範囲である、請求項62に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項80】
上記中間接続層の光透過率がスペクトルの可視領域で少なくとも75%である、請求項55に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。
【請求項81】
上記中間接続層が、熱蒸着、電子ビーム蒸着、イオン・スパッタリング法、スピン・コーティングのいずれかによって形成されている、請求項55に記載のタンデム式白色OLEDデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2008−511100(P2008−511100A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527865(P2007−527865)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/028199
【国際公開番号】WO2006/023322
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】