説明

複数基のボール(転動体)および滑り部(摺動子)からなる免震支承と免震構造体

【課題】免震構造体(建物)からの荷重を、複数基の各免震支承に均等に伝達させ、免震支承の耐圧性能を向上させる。
【解決手段】複数基の免震支承を一体にし、その一体にしたものを複数セット併置し、セットごとの中央部に接合点を設け、その接合点を跨がる形で梁3−dを設け、その梁3−dの接合点同士の中央部にピン支承(球座)4−a,4−bを設け、そのピン支承(球座)4−a,4−bと免震構造体とを接合することにより構成し、免震支承の耐圧性能を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、復元機能を有するすり鉢・球面勾配等をもった転がり免震支承の耐圧性能を上げるための、複数基のボール(転動体)からなる免震支承に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来技術は、単体の免震支承に関する発明であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
耐圧性能を向上させることは、復元機能を有するすり鉢・球面勾配等をもった転がり免震支承にとって課題であった。というのは、ボール(転動体)とそれが転がる免震皿との接触面が限られ、ボール(転動体)を大きくするかボール(転動体)の数を増やすかによるが、ボール(転動体)の数を増やす場合は、そのボール(転動体)への免震構造体(建物)からの荷重伝達を均等にできるかが課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
耐圧性能を向上させる場合の課題は、免震構造体(建物)からの荷重を、複数基の各免震支承のボール(転動体)または滑り部(摺動子)に均等に伝達できるかどうかにあった。その課題を解決するための手段として、以下の発明がなされた。
【0005】
複数基の各免震支承のボール(転動体)または滑り部(摺動子)への荷重の均等性に関して、免震支承の3基までは荷重の均等性を得られる。そのため、ボール(転動体)または滑り部(摺動子)の、一纏まりの単位を、4基から6基までとし、それを組(単位)とし、それらを互いに独立させて、複数組併置することとし、さらにその一纏まりの組(単位)に、免震構造体(建物)からの荷重を均等に落とすようにすることでその課題を解決した。
請求項1は、その発明で、複数基の免震支承を、荷重の均等性を得るために格子状に並べて、一体の組にして(他の組との相互の応力の伝達を防ぐために)独立させて、それらを複数組併置し、
各組ごとの上面中央部(中心部であることが望ましいが、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心部からずれることもある)に接合部を1ヶ所以上設け、
その接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部に、鉛直力及びせん断力は伝達するが、曲げモーメントは伝達せず、任意の方向の回転を許容する支承(以下、ピン支承という)を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、複数基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体に関する発明である。
荷重の均等性を得るために、まず、一体の組にした複数基の免震支承のそれぞれのボール(転動体)に均等に荷重が作用するように、接合部(荷重点)を各組ごとの上面中央部に設け、さらに、免震構造体(建物)からの荷重を各組に均等に作用させるために、各組の、その接合部と接合され、その接合部を跨る形で配置される梁の(接合部間の)中央部にピン支承を設ける。そのピン支承により、免震構造体(建物)からの鉛直荷重を各組(および各組のそれぞれのボール(転動体))に均等に作用させるとともに、曲げモーメントによる各組(および各組のそれぞれのボール(転動体))に作用する付加軸力も遮断できる。
【0006】
請求項2は、4基の免震支承を、荷重の均等性を得るために、2×2の格子状に並べて一体にし、
その上面中央部(中心部であることが望ましいが、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心部からずれることもある)にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、4基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体に関する発明である。
【0007】
請求項3は、4基の免震支承を、荷重の均等性を得るために、2×2の格子状に並べて一体にし、
その上面に接合部を2ヶ所以上設け、
その接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、4基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体に関する発明である。
【0008】
請求項4は、4基の免震支承を、荷重の均等性を得るために、2×2の格子状に並べて一体の組にしたものを、独立性を保ちながら(他の組とは分離し、双方の応力の伝達を遮断しながら)、2組併置し、各組ごとの上面中央部(中心部であることが望ましいが、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心部からずれることもある)に接合部を設け、その接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、8基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体に関する発明である。
4基の免震支承(免震支承毎に一基のボール(転動体)をもった免震支承)を、2×2の格子状に並べて一体にした1組に関し、4基のボール(転動体)に免震構造体からの荷重を均等に作用させるために、4基のボール(転動体)の中央部に荷重を伝達する接合部を設けている。
さらに、免震構造体(建物)からの荷重を2組に均等に作用させるために、2組の、その接合部と接合され、その接合部を跨る形で配置される梁の(接合部間の)中央部にピン支承を設ける。そのピン支承により、免震構造体(建物)からの鉛直荷重を2組(および各組のそれぞれのボール(転動体))に均等に作用させるとともに、曲げモーメントによる2組(および各組のそれぞれのボール(転動体))に作用する付加軸力も遮断できる。
【0009】
請求項5は、4基の免震支承を、荷重の均等性を得るために、2×2の格子状に並べて一体の組にしたものを、独立性を保ちながら(他の組とは分離し、双方の応力の伝達を遮断しながら)2組併置し、
各組ごとの4基のボール(転動体)を、(ボール(転動体)の中心を結ぶ直線の方向が全て同じになるように)隣接する免震支承同士で2基ずつ2組に分け、
各組ごとの上面の、
それぞれの2基のボール(転動体)の中心を結ぶ直線のそれぞれの中央部(中心点であることが望ましいが、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心点からずれることもある。)を結ぶ直線上で、
それぞれ2基のボール(転動体)の中心を結ぶ2つの直線の中心線を挟んでほぼ線対称の関係となる、2ヵ所の位置の近傍に接合部を設け、
2組で計4ヵ所の接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、8基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体に関する発明である。
請求項4の発明に対し、4基の免震支承を、2×2の格子状に並べて一体にした1組に関し、4基のボール(転動体)に均等に荷重が作用する位置に接合部を2つに分割して設け、荷重の1点集中を避けることで、免震支承上に設置する上部支持材直上材および上部支持材直上補強材の断面サイズを低減させるものである。
【0010】
請求項6は、4基の免震支承を、荷重の均等性を得るために、2×2の格子状に並べて一体の組にしたものを、独立性を保ちながら(他の組とは分離し、双方の応力の伝達を遮断しながら)2組併置し、各組ごとの4基のボール(転動体)を、(ボール(転動体)の中心を結ぶ直線の方向が全て同じになるように)隣接する免震支承同士で2基ずつ2組に分け、
各組ごとの上面の、それぞれの2基のボール(転動体)の中心を結ぶ直線のそれぞれの中央部(中心点であることが望ましいが、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心点からずれることもある。)2ヵ所の位置の近傍に接合部を設け、
2組で計4ヵ所の接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、8基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体に関する発明である。
請求項5の発明において、荷重点(上部支持材ジョイント部)と支持点(ボール(転動体))が最も近い距離となる位置に接合部(荷重点)を設けることで、両者の間で荷重伝達をおこなう上部支持材直上材および上部支持材直上補強材の断面サイズが最も低減できるものである。
【0011】
請求項7は、4基の免震支承を、荷重の均等性を得るために、2×2の格子状に並べて一体の組にしたものを、独立性を保ちながら(他の組とは分離し、双方の応力の伝達を遮断しながら)4組併置し、各組ごとの上面中央部(中心部であることが望ましいが、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心部からずれることもある)に接合部を設け、計4ヵ所の接合部を跨がる形で(対角に)梁を設け、接合部それぞれと接合し、その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、16基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体に関する発明である。
4基の免震支承(免震支承毎に一基のボール(転動体)をもった免震支承)を、2×2の格子状に並べて一体にした1組に関し、4基のボール(転動体)に免震構造体からの荷重を均等に作用させるために、4基のボール(転動体)の中央部に荷重を伝達する接合部を設けている。
さらに、免震構造体(建物)からの荷重を4組に均等に作用させるために、4組の、その接合部と接合され、その接合部を跨る形で配置される梁の(接合部間の)中央部にピン支承を設ける。そのピン支承により、免震構造体(建物)からの鉛直荷重を4組(および各組のそれぞれのボール(転動体))に均等に作用させるとともに、曲げモーメントによる4組(および各組のそれぞれのボール(転動体))に作用する付加軸力も遮断できる。
【0012】
請求項8は、4基の免震支承を、荷重の均等性を得るために、2×2の格子状に並べて一体の組にしたものを、独立性を保ちながら(他の組とは分離し、双方の応力の伝達を遮断しながら)4組併置し、各組ごとの4基のボール(転動体)を、(ボール(転動体)の中心を結ぶ直線の方向が全て同じになるように)隣接する免震支承同士で2基ずつ2組に分け、
各組ごとの上面の、それぞれの2基のボール(転動体)の中心を結ぶ直線のそれぞれの中央部(中心点であることが望ましいが、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心点からずれることもある)を結ぶ直線上で、それぞれ2基のボール(転動体)の中心を結ぶ2つの直線の中心線を挟んでほぼ線対称の関係となる、2ヵ所の位置の近傍に接合部を設け、
4組で計8ヵ所の接合部を跨がる形で(対角に)梁を設け、接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、16基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体に関する発明である。
請求項7の発明に対し、4基の免震支承を、2×2の格子状に並べて一体にした1組に関し、4基のボール(転動体)に均等に荷重が作用する位置に接合部を2つに分割して設け、荷重の1点集中を避けることで、免震支承上に設置する上部支持材直上材および上部支持材直上補強材の断面サイズを低減させるものである。
【0013】
請求項9は、4基の免震支承を、荷重の均等性を得るために、2×2の格子状に並べて一体の組にしたものを、独立性を保ちながら(他の組とは分離し、双方の応力の伝達を遮断しながら)4組併置し、各組ごとの4基のボール(転動体)を、(ボール(転動体)の中心を結ぶ直線の方向が全て同じになるように)隣接する免震支承同士で2基ずつ2組に分け、
各組ごとの上面の、
それぞれの2基のボール(転動体)の中心を結ぶ直線のそれぞれの中央部(中心点であることが望ましいが、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心点からずれることもある)2ヵ所の位置の近傍に接合部を設け、
4組で計8ヵ所の接合部を跨がる形で(対角に)梁を設け、接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、16基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体に関する発明である。
請求項8の発明において、荷重点(上部支持材ジョイント部)と支持点(ボール(転動体))が最も近い距離となる位置に接合部(荷重点)を設けることで、両者の間で荷重伝達をおこなう上部支持材直上材および上部支持材直上補強材の断面サイズが最も低減できるものである。
【0014】
請求項10は、6基の免震支承を、荷重の均等性を得るために、2×3の格子状に並べて一体にし、その一体となった上面の、免震支承の6つのボール(転動体)1-bの中心を結んで形成される、長辺が2×L(Lはボール1-bの中心同士の間隔)の長方形の、長辺と平行な中心線上(必ずしも、完全に中心線上である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心線上からずれることもある)の、その長辺の両端部からそれぞれ0.226×Lの距離(必ずしも、厳密に0.226×Lの距離である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、0.226×Lの距離からずれることもある)だけ内側となる2箇所の位置近傍に接合部を設け、
その接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、6基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体に関する発明である。
6基の免震支承(免震支承毎に一基のボール(転動体)をもった免震支承)を、2×3の格子状に並べて一体にした1組に関し、6基のボール(転動体)に免震構造体からの荷重を均等に作用させるために、6基のボール(転動体)に対し、力学上均等に荷重が作用する2箇所の位置に荷重を伝達する接合部を設けている。
さらに、免震構造体(建物)からの荷重を、その2箇所の接合部に均等に作用させるために、その2箇所の接合部を跨る形で配置される梁の(2箇所の接合部間の)中央部にピン支承を設ける。そのピン支承により、免震構造体(建物)からの鉛直荷重を2箇所の接合部(およびそれぞれのボール(転動体))に均等に作用させるとともに、曲げモーメントによる2箇所の接合部(およびそれぞれのボール(転動体))に作用する付加軸力も遮断できる。
【0015】
請求項11は、6基の免震支承を、荷重の均等性を得るために、2×3の格子状に並べて一体にし、その一体となった上面の、免震支承の6つのボール(転動体)の中心を結んで形成される、長辺が2×L(Lはボールの中心同士の間隔)の長方形の、長辺に平行な中心線を挟んでほぼ線対称の関係となり、かつその長辺の両端部からそれぞれ0.226×Lの距離(必ずしも、厳密に0.226×Lの距離である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、0.226×Lの距離からずれることもある)だけ内側となる4ヵ所の位置近傍に接合部を設け、
その4ヵ所の接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、6基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体に関する発明である。
請求項10の発明に対し、6基の免震支承を、2×3の格子状に並べて一体にした1組に関し、6基のボール(転動体)に均等に荷重が作用する位置に接合部を4つに分割して設け、荷重の2点集中を避けることで、免震支承上に設置する上部支持材直上材および上部支持材直上補強材の断面サイズを低減させるものである。
【0016】
請求項12は、6基の免震支承を、荷重の均等性を得るために、2×3の格子状に並べて一体にし、その一体となった上面の、免震支承の6つのボール(転動体)の中心を結んで形成される、長辺が2×L(Lはボールの中心同士の間隔)の長方形の2つの長辺上(必ずしも、完全に長辺上である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、長辺上からずれることもある)の、その長辺の両端部からそれぞれ0.226×Lの距離(必ずしも、厳密に0.226×Lの距離である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、0.226×Lの距離からずれることもある)だけ内側となる4箇所の位置近傍に接合部を設け、
その4ヵ所の接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、6基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体に関する発明である。
請求項11の発明において、荷重点(上部支持材ジョイント部)と支持点(ボール(転動体))が最も近い距離となる位置に接合部(荷重点)を設けることで、両者の間で荷重伝達をおこなう上部支持材直上材および上部支持材直上補強材の断面サイズが最も低減できるものである。
【0017】
請求項13は、6基の免震支承を、荷重の均等性を得るために、2×3の格子状に並べて一体の組にしたものを(各組の長辺同士が向かい合うように)、独立性を保ちながら(他の組とは分離し、双方の応力の伝達を遮断しながら)2組併置し、
各組ごとの上面の、免震支承の6つのボール(転動体)1-bの中心を結んで形成される、長辺が2×L(Lはボール1-bの中心同士の間隔)の長方形の、長辺に平行な中心線上(必ずしも、完全に中心線上である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心線上からずれることもある)で、かつその長辺の両端部からそれぞれ0.226×Lの距離(必ずしも、厳密に0.226×Lの距離である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、0.226×Lの距離からずれることもある)だけ内側となる2箇所の位置近傍に接合部を設け、
2組で計4ヵ所の接合部を跨がる形で(対角に)梁を設け接合部それぞれと接合し、その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、12基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体に関する発明である。
6基の免震支承(免震支承毎に一基のボール(転動体)をもった免震支承)を、2×3の格子状に並べて一体にした1組に関し、6基のボール(転動体)に免震構造体からの荷重を均等に作用させるために、6基のボール(転動体)に対し、力学上均等に荷重が作用する2箇所の位置に荷重を伝達する接合部を設けている。
さらに、免震構造体(建物)からの荷重を、各組および各組2箇所の接合部に均等に作用させるために、各組2箇所の計4箇所の接合部と接合され、その接合部を跨る形で配置される梁の(接合部間の)中央部にピン支承を設ける。そのピン支承により、免震構造体(建物)からの鉛直荷重を2組(および各組のそれぞれのボール(転動体))に均等に作用させるとともに、曲げモーメントによる2組(および各組のそれぞれのボール(転動体))に作用する付加軸力も遮断できる。
【0018】
請求項14は、6基の免震支承を、荷重の均等性を得るために、2×3の格子状に並べて一体の組にしたものを(各組の長辺同士が向かい合うように)、独立性を保ちながら(他の組とは分離し、双方の応力の伝達を遮断しながら)2組併置し、
各組ごとの上面の、免震支承の6つのボール(転動体)の中心を結んで形成される、長辺が2×L(Lはボールの中心同士の間隔)の長方形の、長辺に平行な中心線を挟んでほぼ線対称の関係となり、かつその長辺の両端部からそれぞれ0.226×Lの距離(必ずしも、厳密に0.226×Lの距離である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、0.226×Lの距離からずれることもある)だけ内側となる4ヵ所の位置近傍に接合部を設け、
2組で計8ヵ所の接合部を跨がる形で(対角に)梁を設け、接合部それぞれと接合し、その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、12基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体に関する発明である。
請求項13の発明に対し、6基の免震支承を、2×3の格子状に並べて一体にした1組に関し、6基のボール(転動体)に均等に荷重が作用する位置に接合部を4つに分割して設け、荷重の2点集中を避けることで、免震支承上に設置する上部支持材直上材および上部支持材直上補強材の断面サイズを低減させるものである。
【0019】
請求項15は、6基の免震支承を、荷重の均等性を得るために、2×3の格子状に並べて一体の組にしたものを(各組の長辺同士が向かい合うように)、独立性を保ちながら(他の組とは分離し、双方の応力の伝達を遮断しながら)2組併置し、各組ごとの上面の、免震支承の6つのボール(転動体)の中心を結んで形成される、長辺が2×L(Lはボールの中心同士の間隔)の長方形の2つの長辺上(必ずしも、完全に長辺上である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、長辺上からずれることもある)の、その長辺の両端部からそれぞれ0.226×Lの距離(必ずしも、厳密に0.226×Lの距離である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、0.226×Lの距離からずれることもある)だけ内側となる4箇所の位置近傍に接合部を設け、
2組で計8ヵ所の接合部を跨がる形で(対角に)梁を設け、接合部それぞれと接合し、その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、12基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体に関する発明である。
請求項14の発明において、荷重点(上部支持材ジョイント部)と支持点(ボール(転動体))が最も近い距離となる位置に接合部(荷重点)を設けることで、両者の間で荷重伝達をおこなう上部支持材直上材および上部支持材直上補強材の断面サイズが最も低減できるものである。
【0020】
請求項16は、請求項1から請求項15記載の免震構造において、免震支承を二重免震皿免震支承とすることを特徴とする、複数基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体に関する発明である。
【0021】
請求項17は、請求項1から請求項16記載の免震構造において、一体にする複数基の免震支承を、ボール(転動体)に代わり、滑り部(摺動子)からなる免震支承であることを特徴とする免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体に関する発明である。
【0022】
当然、請求項1から請求項16記載の発明は、一般の免震でない支承にも採用可能である。
【発明の効果】
【0023】
以上の構成での、複数基のボール(転動体)からなる免震支承は、
請求項1から請求項15の発明によって、免震構造体(建物)からの荷重を複数基の各免震支承に均等に伝達でき、そのおかげで耐圧性能を向上させる効果がある。
請求項1、請求項4から請求項9、および請求項13から請求項15の発明によって、4基または6基の免震支承を一体にした1組のものを、複数組合せ併置する際に、各組を切り離して併置することで、各組ごとに独立性を与えられ、垂直方向の誤差(不陸)に追随できることにより、一体にすることから(個々の単位での垂直方向への独立した自由度が得られないことから)生じるボール(転動体)への均等に荷重が伝わりにくくなる問題を解決できる効果がある。
請求項5、請求項6、請求項8、請求項9、請求項11、請求項12、請求項14、請求項15の発明によって、免震構造体(建物)から免震支承に作用する荷重を分散することができ、上部支持材直上材および上部支持材直上補強材の断面サイズを低減できる効果がある。
中でも、請求項6、請求項9、請求項12、請求項15の発明は、上部支持材直上材および上部支持材直上補強材の断面サイズを最も低減することのできる効果がある。
また、これらの発明は、一つの支承で復元機能まで有するすり鉢・球面勾配をもった転がり型免震支承の場合に効果を有するが、特に二重免震皿の転がり型若しくは滑り型免震支承の場合は寸法が特に小さくなるので、特に大きな効果を有する。請求項16の発明は、その発明である。また、当然一般の支承に対しても同様の効果を有するが、特に、ボール(転動体)に代わり、滑り部(摺動子)からなる免震支承の場合は、全く同様の構成と同様の効果が得られる。請求項17の発明は、その発明である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
【実施例1】
【0025】
図1は、免震構造体(建物)の免震層全体の実施例((a)は断面図、(b)は平面図)である。4基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承4基配置)、6基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承6基配置)、8基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承8基配置)、12基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承12基配置)、16基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承16基配置)の場合が示されている。
図2または図46は、二重免震皿免震支承の(a)は斜視図、(b)(c)は断面図である。上下二重の免震皿(上部免震皿1-u と下部免震皿1-d)があり、その間にボール(転動体)または滑り部(摺動子)1-bを挟む構成である。図2は、転がり型の二重免震皿免震支承の場合の実施例、図46は、滑り(摺動)型の二重免震皿免震支承の場合の実施例である。免震時の変位量に対して免震支承の寸法は一重免震皿の免震支承に比べて小さくて済むメリットがある(片方の免震皿しか持たない一重免震皿の免震支承ではほぼ倍の寸法を必要とする)。
下記の実施例では、ボール(転動体)による転がり型二重免震皿免震支承の場合の実施例をあげているが、滑り部(摺動子)による滑り(摺動)型二重免震皿免震支承の場合でも、同様の構成と同様の効果が得られる。請求項17は、その発明である。
【実施例2】
【0026】
図3から図5は、請求項2または請求項16記載の、4基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承4基配置)に関する発明の実施例である。図3は断面図、図4は斜視図、図5は分解斜視図である。
免震架台8は免震構造体(建物)Dを支える。
本発明は、その免震架台8からの荷重を均等に各二重免震皿免震支承1-wに伝達するピン支承(球座)4と上部支持材直上補強材3-bと上部支持材直上材3-aと二重免震皿免震支承1-wと下部支持材2とからなる。下部支持材2は基礎に接合される。
ここで、上部支持材直上材3-aは、4基の二重免震皿免震支承1-wを、2×2の(均等な)格子状に並べて一体にし、かつ免震架台8からの荷重を4つのボール(転動体)1-bに伝達するためのものであるため、4基の二重免震皿免震支承1-wの上部免震皿1-u同士を接合することができる大きさ・形状であることと、二重免震皿免震支承1-wの4つのボール(転動体)1-bの中心が形成する四角形を包括する大きさ・形状が必要である。
また、上部支持材直上補強材3-bは、免震架台8からの荷重を4つのボール(転動体)1-bに伝達するためのものであるため、二重免震皿免震支承1-wの4つのボール(転動体)1-bの中心が形成する四角形を包括する大きさ・形状が必要である。
上部支持材直上材3-aと4基の二重免震皿免震支承1-wの上部免震皿1-uとの接合、及び上部支持材直上材3-aと上部支持材直上補強材3-bとの接合は、ボルト接合、溶接接合、接着剤による接合等、特に限定されない。また鋳鋼等により一体の場合もある。
二重免震皿免震支承1-wの4基は接して配置されている(支承1-w間は製作及び施工誤差を考慮し若干の隙間を設ける場合もある)。
この2×2の(均等な)格子状に並べて一体にされた、1基のボール(転動体)を有する二重免震皿免震支承1-wの4基は、材としてそれぞれ一体の上部免震皿及び下部免震皿からなる、4基のボール(転動体)を有する免震支承の場合もある(この場合、この免震支承の免震皿が十分な剛性を有する場合は、上記の上部支持材直上材3-aが不要となる場合がある)。図6から図7は、その実施例である。図6は断面図、図7は斜視図である。
また、下部支持材2がなく二重免震皿免震支承1-wの下部免震皿1-dと基礎とが接合される場合もある。図6から図7は、その実施例である。
また、上部支持材直上補強材3-bも上部支持材直上材3-aに十分な剛性がある場合は不要となる。
その場合、本発明は、その免震架台8からの荷重を均等に各二重免震皿免震支承1-wに伝達するピン支承(球座)4と上部支持材直上材3-aと二重免震皿免震支承1-wとからなる。二重免震皿免震支承1-wの下部免震皿1-dと基礎とが接合される。
【0027】
ここで、ピン支承(球座)4は、免震架台8からの荷重を4基の二重免震皿免震支承1-wに均等に伝達するものである。
そのため上部支持材直上材3-aまたは上部支持材直上補強材3-b上の中央部(免震支承の4つのボール(転動体)1-bの中心が形成する平面の中央部。中心部であることが望ましいが、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心部からずれることもある)に、ピン支承(球座)4が設置され、免震架台8がそのピン支承(球座)4上に設置され接合される。
また、ピン支承(球座)4がおかれる面積が免震支承全体の面積に比して十分小さく、曲げがさほど伝達されない場合は、ピン支承(球座)4の代わり、単なる板材の、上部支持材ジョイント部3-cでも良い。また、上部支持材ジョイント部3-cの設置場所でもピン支承(球座)4をおく方が曲げが伝達されないのでより免震支承に荷重の均等性がえられるので、上部支持材ジョイント部3-cをピン支承(球座)4に置き換えても良い。
また、この実施例では、免震支承として、二重免震皿免震支承1-wでの例を挙げているが、それ以外の転がり免震支承も同様に可能であるが、面積のコンパクトさから考えると、二重免震皿免震支承1-wが有利である。それも特にすり鉢・球面勾配等をもった免震皿の二重免震皿免震支承1-wが特に有利である。
【実施例3】
【0028】
図8は、ピン支承(球座)4の実施例である。(a)は断面図、(b)は分解斜視図である。
免震構造体(建物)Dからの荷重を均等に各二重免震皿免震支承1-wに伝達するためのものである。
水平面内360度どの方向に対しても、鉛直面内の任意の方向の回転を許容して、免震架台8からの曲げを各支承に伝達せずに、免震架台8からの荷重を均等に各二重免震皿免震支承1-wに伝達する役割を果たす。
ピン支承(球座)4の構成は、球座受皿4-bと球座4-aからなる。図8では、上部球座受皿4-bと下部球座4-aからなるが、上下が逆の場合もある。その場合、上部球座4-aと下部球座受皿4-bとからなる。球座4-aは凸形状の半球面等の部分球面である。球座受皿4-bはその部分球面を受ける凹形状のものである。図8では、球座4-aはボルト接合となっているが、溶接接合、接着剤による接合等、接合方法は限定されない。
また、ピン支承(球座)4がおかれる面積が免震支承全体の面積に比して十分小さく、曲げがさほど伝達されない場合は、ピン支承(球座)4の代わり、単なる板材の、上部支持材ジョイント部3-cでも良い。また、上部支持材ジョイント部3-cの設置場所でもピン支承(球座)4をおく方が曲げが伝達されないのでより免震支承に荷重の均等性がえられるので、上部支持材ジョイント部3-cをピン支承(球座)4に置き換えても良い。
【実施例4】
【0029】
図9は、ピン支承(球座)4の代わり、単なる板材の、上部支持材ジョイント部3-cを用いた実施例である。(a)は断面図、(b)は分解斜視図である。上部支持材ジョイント部受け4-cが、上部支持材ジョイント部3-cの上に乗るだけの形となるが、せん断力の伝達、及び外れ、脱落防止のため、外れ止め4-dを上部支持材ジョイント部受け4-cに取り付けている。また、上部支持材ジョイント部3-cの上面(上部支持材ジョイント部受け4-cと接する部分)に僅かでも球面状のむくりを設けることで、より曲げを伝達しない効果が得られる。
なお、図8の球座受皿4-b貫通のボルト5、及び図9の上部支持材ジョイント部受け4-c貫通のボルト5は、球座受皿4-bおよび上部支持材ジョイント部受け4-cの貫通穴の径を大きくして、回転を許容しているが、ボルト5自体も必要ない場合もある。
【実施例5】
【0030】
図10から図12は、請求項3または請求項16記載の、4基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承4基配置)に関する発明の実施例である。図10は断面図、図11は斜視図、図12は分解斜視図である。
4基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承4基配置)において、免震架台8からの荷重を上部支持材梁部3-dを介し、2ヶ所の上部支持材ジョイント部3-cによって、免震支承の4つのボール(転動体)1-bに均等に伝達するものである。
上部支持材直上材3-aは、4基の二重免震皿免震支承1-wを、2×2の(均等な)格子状に並べて一体にし、かつ免震架台8からの荷重を4つのボール(転動体)1-bに伝達するためのものであるため、4基の二重免震皿免震支承1-wの上部免震皿1-u同士を接合することができる大きさ・形状であることと、二重免震皿免震支承1-wの4つのボール(転動体)1-bの中心が形成する四角形を包括する大きさ・形状が必要である。
また、上部支持材直上補強材3-bは、免震架台8からの荷重を4つのボール(転動体)1-bに伝達するためのものであるため、二重免震皿免震支承1-wの4つのボール(転動体)1-bの中心が形成する四角形を包括する大きさ・形状が必要である。
上部支持材直上材3-aと4基の二重免震皿免震支承1-wの上部免震皿1-uとの接合、及び上部支持材直上材3-aと上部支持材直上補強材3-bとの接合は、ボルト接合、溶接接合、接着剤による接合等、特に限定されない。また鋳鋼等により一体の場合もある。
上部支持材ジョイント部3-cは、二重免震皿免震支承4基配置された上部支持材直上材3-aまたは上部支持材直上補強材3-b上の、4つのボール(転動体)1-bのうちの2組のボール(転動体)1-bにおけるそれぞれの2つのボール(転動体)1-bの中心を結ぶ直線の中央部(中心点であることが望ましいが、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心点からずれることもある)2ヶ所に設置される(図44(c))。
2ヵ所それぞれの、上部支持材ジョイント部3-cの上に、跨がる形で上部支持材梁部3-dが設置され、上部支持材ジョイント部3-cそれぞれと接合される。
図3から図5の実施例においては、免震架台8からの荷重がピン支承(球座)4から、4つの支点(4つのボール(転動体)1-b)で支持される平板状の部材である上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの中央部に集中荷重として作用する(図44(a))ため、その力が大きなものになる場合、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚も厚くなる。
図10から図12の実施例においては、2ヶ所の上部支持材ジョイント部3-cにより集中荷重が分散されるため、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚が低減できる。
上部支持材ジョイント部3-cの位置に関し、その接合部が、4基のボール(転動体)を2基ずつ2組に分け、それぞれの2基のボール(転動体)の中心を結ぶ直線のそれぞれの中央部(中心点であることが望ましいが、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心点からずれることもある)を結ぶ直線上で、その直線におけるその直線と直交する中心線に関しほぼ線対称の位置の2ヵ所にある場合(図44(b))、上部支持材ジョイント部3-cからの荷重は、4つのボール(転動体)1-bに均等に作用する。その中でも図10から図12の実施例(図44(c))は、荷重点(上部支持材ジョイント部3-c)と支持点(ボール(転動体))が最も近い距離になることで、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚を最も低減することができる例である。上部支持材梁部3-dに関し、図10から図12においては、厚板状の部材としているが、上部支持材梁部3-dの形状は、荷重伝達に支障ない範囲で、形鋼、鋼板、棒鋼等、断面形状は限定されない。
上部支持材梁部3-dとして、せいの低い断面形状の部材を用いる方が、基礎の深さ(根切り深さ)を浅くすることができ、土工事・基礎工事において費用を軽減することができる。
この2×2の(均等な)格子状に並べて一体にされた、1基のボール(転動体)を有する二重免震皿免震支承1-wの4基は、材としてそれぞれ一体の上部免震皿及び下部免震皿からなる、4基のボール(転動体)を有する免震支承の場合もある(この場合、この免震支承の免震皿が十分な剛性を有する場合は、上記の上部支持材直上材3-aが不要となる場合がある)。
また、下部支持材2がなく二重免震皿免震支承1-wの下部免震皿1-dと基礎とが接合される場合もある。また、上部支持材直上補強材3-bも上部支持材直上材3-aに十分な剛性がある場合は不要となる。
【実施例6】
【0031】
図13から図15は、請求項1、請求項4または請求項16記載の、8基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承8基配置)に関する発明の実施例である。図13は断面図、図14は斜視図、図15は分解斜視図である。
二重免震皿免震支承1-wの4基は、2×2の(均等な)格子状に並べて一体の組にされている(支承1-w間は製作及び施工誤差を考慮し若干の隙間を設ける場合もある)。
こうして配置された二重免震皿免震支承1-wの4基の組は、材としてそれぞれ一体の上部免震皿及び下部免震皿からなる、4基のボール(転動体)を有する免震支承の場合もある(この場合、この免震支承の免震皿が十分な剛性を有する場合は、下記の上部支持材直上補強材3-bと上部支持材直上材3-aどちらかがまたは両者ともに不要となる場合がある)。図16から図17は、上部支持材直上材3-aが不要となる場合の実施例である。図16は断面図、図17は斜視図である。
もう一つの組、二重免震皿免震支承1-wの4基も同様の構成であり、両組の二重免震皿免震支承1-w同士は接して配置されている(組の間は製作及び施工誤差を考慮し若干の隙間を設ける場合もある)。
これらの二重免震皿免震支承1-wの4基の組同士は、接して配置されるものの、各々独立しており(双方での応力伝達はなく)、各々で垂直方向の誤差(不陸)に追随できることにより、一体にすることから生じるボール(転動体)への均等に荷重が伝わりにくくなる問題を解決している。
4基配置された二重免震皿免震支承1-wのそれぞれの、上部には、上部支持材直上材3-aと必要に応じて上部支持材直上補強材3-bが設置される(上部支持材直上補強材3-bは上部支持材直上材3-aに十分な剛性がある場合は不要となる)。また、それぞれの、二重免震皿免震支承1-wの4基の下部免震皿1-dの下部に下部支持材2が必要に応じて設置される(下部支持材2がない場合もある)。二重免震皿免震支承1-wの下部免震皿1-dと基礎とが直接に(図16から図17は、その実施例である)、または下部支持材2と基礎とが接合される。
そして、それぞれの、その二重免震皿免震支承4基配置された上部支持材直上材3-aまたは上部支持材直上補強材3-b上の中央部(免震支承の4つのボール(転動体)1-bの中心が形成する平面の中央部。中心部であることが望ましいが、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心部からずれることもある)に、上部支持材ジョイント部3-cが設置される(図44(a))。
ここで、上部支持材直上材3-aは、4基の二重免震皿免震支承1-wを一体にし、かつ免震架台8からの荷重を4つのボール(転動体)1-bに伝達するためのものであるため、4基の二重免震皿免震支承1-wの上部免震皿1-u同士を接合することができる大きさ・形状であることと、二重免震皿免震支承1-wの4つのボール(転動体)1-bの中心が形成する四角形を包括する大きさ・形状が必要である。
また、上部支持材直上補強材3-bは、免震架台8からの荷重を4つのボール(転動体)1-bに伝達するためのものであるため、二重免震皿免震支承1-wの4つのボール(転動体)1-bの中心が形成する四角形を包括する大きさ・形状が必要である。
上部支持材直上材3-aと4基の二重免震皿免震支承1-wの上部免震皿1-uとの接合、及び上部支持材直上材3-aと上部支持材直上補強材3-bとの接合は、ボルト接合、溶接接合、接着剤による接合等、特に限定されない。また鋳鋼等により一体の場合もある。
さらに、上部支持材ジョイント部3-cは、免震架台8からの荷重を4つのボール(転動体)1-bに均等に伝達するためのものであるため、二重免震皿免震支承1-wの4つのボール(転動体)1-bの中心が形成する四角形の中心に設置し、かつ免震架台8からの荷重を伝達できる大きさ・形状が必要である。
しかしながら、上部支持材ジョイント部3-cは、その一部(周辺部)がボール(転動体)の位置と重なり、その下部にある上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bとの合成効果によって、荷重点(上部支持材ジョイント部3-cの中心点)と支持点(ボール(転動体))との間の剛性が高まることで、そのボールに荷重が集中するのを避けるため、必要以上に大きく(広く)しないことが望ましい。
計2ヵ所それぞれの、その上部支持材ジョイント部3-cの上に、跨がる形で上部支持材梁部3-dが設置され、上部支持材ジョイント部3-cそれぞれと接合される。
上部支持材直上補強材3-bと上部支持材ジョイント部3-cとの接合、及び上部支持材ジョイント部3-cと上部支持材梁部3-dとの接合は、ボルト接合、溶接接合、接着剤による接合等、特に限定されない。また鋳鋼等により一体の場合もある。
【0032】
さらにこの上部支持材梁部3-dの中央部にピン支承(球座)4が設置され、免震架台8がそのピン支承(球座)4上に設置され接合される。そして免震架台8は免震構造体(建物)Dを支える。
以上の構成によって、免震構造体(建物)Dの免震架台8を経由しての荷重が均等に各二重免震皿免震支承1-wに伝達される。
また、ピン支承(球座)4がおかれる面積が免震支承全体の面積に比して十分小さく、曲げがさほど伝達されない場合は、ピン支承(球座)4の代わり、単なる板材の、上部支持材ジョイント部3-cでも良い。また、上部支持材ジョイント部3-cの設置場所でもピン支承(球座)4をおく方が曲げが伝達されないのでより免震支承に荷重の均等性がえられるので、上部支持材ジョイント部3-cをピン支承(球座)4に置き換えても良い。
また、この実施例では、免震支承として、二重免震皿免震支承1-wでの例を挙げているが、それ以外の転がり免震支承も同様に可能であるが、面積のコンパクトさから考えると、二重免震皿免震支承1-wが有利である。それも特にすり鉢・球面勾配等をもった免震皿の二重免震皿免震支承1-wが特に有利である。
【実施例7】
【0033】
図18から図20は、図13から図15の実施例(二重免震皿免震支承8基配置)において、上部支持材梁部3-dに、形鋼の代わりに厚板を用いた例である。図18は断面図、図19は斜視図、図20は分解斜視図である。この場合、上部支持材梁部3-dの高さ(せい)を低くすることができ、その結果、基礎の深さ(根切り深さ)が浅くなり、土工事・基礎工事において費用を軽減することができる。なお、上部支持材梁部3-dの形状は、荷重伝達に支障ない範囲で、形鋼、鋼板、棒鋼等、断面形状は限定されない。
【実施例8】
【0034】
図44(b)は、請求項1、請求項5または請求項16記載の、8基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承8基配置)に関する発明の実施例であり、4基の免震支承を、2×2の(均等な)格子状に並べて一体にした1組について、荷重点(上部支持材ジョイント部3-c)と支持点(ボール(転動体))との位置関係を示したものである。
図13から図15の実施例(二重免震皿免震支承8基配置)においては、4つのボール(転動体)1-bに作用する力が1つの上部支持材ジョイント部3-cに作用することになり、その力が4つの支点(4つのボール(転動体)1-b)で支持される平板状の部材である上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの中央部に集中荷重として作用するため、その力が大きなものになる場合、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚も厚くなる。
図44(b)は、4基のボール(転動体)を2基ずつ2組に分け、それぞれの2基のボール(転動体)の中心を結ぶ直線のそれぞれの中央部(中心点であることが望ましいが、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心点からずれることもある)を結ぶ直線上で、その直線におけるその直線と直交する中心線に関しほぼ線対称の位置にある2ヵ所に接合部を設け、上部支持材ジョイント部3-cを設置することで、免震架台8からの荷重を均等に4基のボール(転動体)に伝達すると同時に、1つの集中荷重を2つに分散させることで、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚を低減することができる実施例である。
【実施例9】
【0035】
図21から図23は、請求項1、請求項6または請求項16記載の、8基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承8基配置)に関する発明の実施例である。図21は断面図、図22は斜視図、図23は分解斜視図である。
図21から図23は、図13から図15、および図44(b)の実施例(二重免震皿免震支承8基配置)において、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚を低減させるためのもので、最も効果の高い(上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚を最も薄くできる)実施例である。
二重免震皿免震支承4基配置された上部支持材直上材3-aまたは上部支持材直上補強材3-b上の、4つのボール(転動体)1-bのうちの2組のボール(転動体)1-bにおけるそれぞれの2つのボール(転動体)1-bの中心を結ぶ直線の中央部(中心点であることが望ましいが、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心点からずれることもある)に、それぞれ上部支持材ジョイント部3-cを設置した例である(図44(c))。
計4ヵ所それぞれの、その上部支持材ジョイント部3-cの上に、H字形状で跨がる形で上部支持材梁部3-dが設置され、上部支持材ジョイント部3-cそれぞれと接合される。
図13から図15の実施例では、4つのボール(転動体)1-bに作用する力が1つの上部支持材ジョイント部3-cに作用することになり、その力が4つの支点(4つのボール(転動体)1-b)で支持される平板状の部材である上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの中央部に集中荷重として作用するため、その力が大きなものになる場合、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚も厚くなる。
一方、図21から図23の実施例では、2つのボール(転動体)1-bに作用する力が1つの上部支持材ジョイント部3-cに作用することになり、その半減された力が、4つの支点(ボール(転動体)1-b)で支持される平板状の部材である上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-b上の、4つの支点(ボール(転動体)1-b)を結ぶ、相対する直線の中心点に分散されて作用することになり、4つのボール(転動体)1-bに均等に荷重が作用するとともに、荷重点(上部支持材ジョイント部3-c)と支持点(ボール(転動体))が最も近い距離になることで図13から図15の実施例に比べ、さらに図44(b)の実施例において、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚を最も低減することができる。
【実施例10】
【0036】
図24から図26は、請求項1、請求項7または請求項16記載の、16基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承16基配置)に関する発明の実施例である。図24は断面図、図25は斜視図、図26は分解斜視図である。
二重免震皿免震支承1-wの4基は、2×2の(均等な)格子状に並べて一体の組にされている(支承1-w間は製作及び施工誤差を考慮し若干の隙間を設ける場合もある)。
こうして配置された、1基のボール(転動体)を有する二重免震皿免震支承1-wの4基の組は、材としてそれぞれ一体の上部免震皿及び下部免震皿からなる、4基のボール(転動体)を有する免震支承の場合もある(この場合、この免震支承の免震皿が十分な剛性を有する場合は、下記の上部支持材直上補強材3-bと上部支持材直上材3-aどちらかがまたは両者ともに不要となる場合がある)。図27から図28は、上部支持材直上材3-aが不要となる場合の実施例である。図27は断面図、図28は斜視図である。
同様の構成の4基の二重免震皿免震支承1-wが4組あり、4組の4基からなる二重免震皿免震支承1-w同士は碁盤の目の形で接して配置されている(組の間は製作及び施工誤差を考慮し若干の隙間を設ける場合もある)。
これらの4組同士は、接して配置されるものの、各々独立しており(双方での応力伝達はなく)、各々で垂直方向の誤差(不陸)に追随できることにより、一体にすることから生じるボール(転動体)への均等に荷重が伝わりにくくなる問題を解決している。
4基配置された二重免震皿免震支承1-wのそれぞれの上部には、上部支持材直上材3-aと必要に応じて上部支持材直上補強材3-bが設置される(上部支持材直上補強材3-bは上部支持材直上材3-aに十分な剛性がある場合は不要となる)。また、それぞれの、二重免震皿免震支承1-wの4基の下部免震皿1-dの下部に下部支持材2が必要に応じて設置される(下部支持材2がない場合もある)。二重免震皿免震支承1-wの下部免震皿1-dと基礎とが直接に(図27から図28は、その実施例である)、または下部支持材2と基礎とが接合される。
そして、それぞれの、その二重免震皿免震支承4基配置された上部支持材直上材3-aまたは上部支持材直上補強材3-b上の中央部(免震支承の4つのボール(転動体)1-bの中心が形成する平面の中央部。中心部であることが望ましいが、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心部からずれることもある)に、上部支持材ジョイント部3-cが設置される(図44(a))。
ここで、上部支持材直上材3-aは、4基の二重免震皿免震支承1-wを一体にし、かつ免震架台8からの荷重を4つのボール(転動体)1-bに伝達するためのものであるため、4基の二重免震皿免震支承1-wの上部免震皿1-u同士を接合することができる大きさ・形状であることと、二重免震皿免震支承1-wの4つのボール(転動体)1-bの中心が形成する四角形を包括する大きさ・形状が必要である。
また、上部支持材直上補強材3-bは、免震架台8からの荷重を4つのボール(転動体)1-bに伝達するためのものであるため、二重免震皿免震支承1-wの4つのボール(転動体)1-bの中心が形成する四角形を包括する大きさ・形状が必要である。
上部支持材直上材3-aと4基の二重免震皿免震支承1-wの上部免震皿1-uとの接合、及び上部支持材直上材3-aと上部支持材直上補強材3-bとの接合は、ボルト接合、溶接接合、接着剤による接合等、特に限定されない。また鋳鋼等により一体の場合もある。
さらに、上部支持材ジョイント部3-cは、免震架台8からの荷重を4つのボール(転動体)1-bに均等に伝達するためのものであるため、二重免震皿免震支承1-wの4つのボール(転動体)1-bの中心が形成する四角形の中心に設置し、かつ免震架台8からの荷重を伝達できる大きさ・形状が必要である。
しかしながら、上部支持材ジョイント部3-cは、その一部(周辺部)がボール(転動体)の位置と重なり、その下部にある上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bとの合成効果によって、荷重点(上部支持材ジョイント部3-cの中心点)と支持点(ボール(転動体))との間の剛性が高まることで、そのボールに荷重が集中するのを避けるため、必要以上に大きく(広く)しないことが望ましい。
計4ヵ所それぞれの、その上部支持材ジョイント部3-cの上に、X字形状で跨がる形で上部支持材梁部3-dが設置され、上部支持材ジョイント部3-cそれぞれと接合される。
上部支持材直上補強材3-bと上部支持材ジョイント部3-cとの接合、及び上部支持材ジョイント部3-cと上部支持材梁部3-dとの接合は、ボルト接合、溶接接合、接着剤による接合等、特に限定されない。また鋳鋼等により一体の場合もある。
【0037】
さらにこの上部支持材梁部3-dの中央部にピン支承(球座)4が設置され、免震架台8がそのピン支承(球座)4上に設置され接合される。そして免震架台8は免震構造体(建物)Dを支える。
以上の構成によって、免震構造体(建物)Dの免震架台8を経由しての荷重が均等に各二重免震皿免震支承1-wに伝達される。
また、ピン支承(球座)4がおかれる面積が免震支承全体の面積に比して十分小さく、曲げがさほど伝達されない場合は、ピン支承(球座)4の代わり、単なる板材の、上部支持材ジョイント部3-cでも良い。また、上部支持材ジョイント部3-cの設置場所でもピン支承(球座)4をおく方が曲げが伝達されないのでより免震支承に荷重の均等性がえられるので、上部支持材ジョイント部3-cをピン支承(球座)4に置き換えても良い。
また、この実施例では、免震支承として、二重免震皿免震支承1-wでの例を挙げているが、それ以外の転がり免震支承も同様に可能であるが、面積のコンパクトさから考えると、二重免震皿免震支承1-wが有利である。それも特にすり鉢・球面勾配等をもった免震皿の二重免震皿免震支承1-wが特に有利である。
【実施例11】
【0038】
図44(b)は、請求項1、請求項8または請求項16記載の、16基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承16基配置)に関する発明の実施例であり、4基の免震支承を、2×2の(均等な)格子状に並べて一体にした1組について、荷重点(上部支持材ジョイント部3-c)と支持点(ボール(転動体))との位置関係を示したものである。
図24から図26の実施例(二重免震皿免震支承16基配置)においては、4つのボール(転動体)1-bに作用する力が1つの上部支持材ジョイント部3-cに作用することになり、その力が4つの支点(4つのボール(転動体)1-b)で支持される平板状の部材である上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの中央部に集中荷重として作用するため、その力が大きなものになる場合、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚も厚くなる。
図44(b)は、4基のボール(転動体)を2基ずつ2組に分け、それぞれの2基のボール(転動体)の中心を結ぶ直線のそれぞれの中央部(中心点であることが望ましいが、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心点からずれることもある)を結ぶ直線上で、その直線におけるその直線と直交する中心線に関しほぼ線対称の位置にある2ヵ所に接合部を設け、上部支持材ジョイント部3-cを設置することで、免震架台8からの荷重を均等に4基のボール(転動体)に伝達すると同時に、1つの集中荷重を2つに分散させることで、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚を低減することができる実施例である。
【実施例12】
【0039】
図29および図30は、請求項1、請求項9または請求項16記載の、16基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承16基配置)に関する発明の実施例である。図29の(a)は断面図、(b)は平面図、図30は斜視図である。
図29および図30は、図24から図26、および図44(b)の実施例(二重免震皿免震支承16基配置)において、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚を低減させるためのもので、最も効果の高い(上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚を最も薄くできる)実施例である。
二重免震皿免震支承4基配置された上部支持材直上材3-aまたは上部支持材直上補強材3-b上の、4つのボール(転動体)1-bのうちの2組のボール(転動体)1-bにおけるそれぞれの2つのボール(転動体)1-bの中心を結ぶ直線の中央部(中心点であることが望ましいが、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心点からずれることもある)に、それぞれ上部支持材ジョイント部3-cを設置した例である(図44(c))。
計8ヵ所それぞれの、その上部支持材ジョイント部3-cの上に、X字形状の4つの部材先端部に、8ヵ所それぞれの上部支持材ジョイント部3-cに接合できるような部材が設けられた上部支持材梁部3-dが設置され、上部支持材ジョイント部3-cそれぞれと接合される。
図24から図26の実施例では、4つのボール(転動体)1-bに作用する力が1つの上部支持材ジョイント部3-cに作用することになり、その力が4つの支点(4つのボール(転動体)1-b)で支持される平板状の部材である上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの中央部に集中荷重として作用するため、その力が大きなものになる場合、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚も厚くなる。
一方、図29および図30の実施例では、2つのボール(転動体)1-bに作用する力が1つの上部支持材ジョイント部3-cに作用することになり、その半減された力が、4つの支点(ボール(転動体)1-b)で支持される平板状の部材である上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-b上の、4つの支点(ボール(転動体)1-b)を結ぶ、相対する直線の中心点に分散されて作用することになり、4つのボール(転動体)1-bに均等に荷重が作用するとともに、荷重点(上部支持材ジョイント部3-c)と支持点(ボール(転動体))が最も近い距離になることで図24から図26の実施例に比べ、さらに図44(b)の実施例において、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚を最も低減することができる。
【実施例13】
【0040】
図31から図33は、請求項1、請求項10または請求項16記載の、6基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承6基配置)に関する発明の実施例である。図31は断面図、図32は斜視図、図33は分解斜視図である。
二重免震皿免震支承1-wの6基は、2×3の(均等な)格子状に並べて一体の組にされている(支承1-w間は製作及び施工誤差を考慮し若干の隙間を設ける場合もある)。
こうして配置された、1基のボール(転動体)を有する二重免震皿免震支承1-wの6基の組は、材としてそれぞれ一体の上部免震皿及び下部免震皿からなる、6基のボール(転動体)を有する免震支承の場合もある(この場合、この免震支承の免震皿が十分な剛性を有する場合は、下記の上部支持材直上補強材3-bと上部支持材直上材3-aどちらかがまたは両者ともに不要となる場合がある)。
6基配置された二重免震皿免震支承1-wの上部には、上部支持材直上材3-aと必要に応じて上部支持材直上補強材3-bが設置される(上部支持材直上補強材3-bは上部支持材直上材3-aに十分な剛性がある場合は不要となる)。また、二重免震皿免震支承1-wの6基の下部免震皿1-dの下部に下部支持材2が必要に応じて設置される(下部支持材2がない場合もある)。二重免震皿免震支承1-wの下部免震皿1-dと基礎とが直接に、または下部支持材2と基礎とが接合される。
そして、その二重免震皿免震支承6基配置された上部支持材直上材3-aまたは上部支持材直上補強材3-b上の下記※説明の2か所、上部支持材ジョイント部3-cが設置される。
ここで、上部支持材直上材3-aは、6基の二重免震皿免震支承1-wを一体にし、かつ免震架台8からの荷重を4つのボール(転動体)1-bに伝達するためのものであるため、6基の二重免震皿免震支承1-wの上部免震皿1-u同士を接合することができる大きさ・形状であることと、二重免震皿免震支承1-wの6つのボール(転動体)1-bの中心が形成する四角形を包括する大きさ・形状が必要である。
また、上部支持材直上補強材3-bは、免震架台8からの荷重を6つのボール(転動体)1-bに伝達するためのものであるため、二重免震皿免震支承1-wの6つのボール(転動体)1-bの中心が形成する四角形を包括する大きさ・形状が必要である。
上部支持材直上材3-aと6基の二重免震皿免震支承1-wの上部免震皿1-uとの接合、及び上部支持材直上材3-aと上部支持材直上補強材3-bとの接合は、ボルト接合、溶接接合、接着剤による接合等、特に限定されない。また鋳鋼等により一体の場合もある。
さらに、上部支持材ジョイント部3-cは、免震架台8からの荷重を6つのボール(転動体)1-bに均等に伝達するためのものであるため、下記※説明の2か所の位置に設置し、かつ免震架台8からの荷重を伝達できる大きさ・形状が必要である。
しかしながら、上部支持材ジョイント部3-cは、その一部(周辺部)がボール(転動体)の位置と重なり、その下部にある上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bとの合成効果によって、荷重点(上部支持材ジョイント部3-cの中心点)と支持点(ボール(転動体))との間の剛性が高まることで、そのボールに荷重が集中するのを避けるため、必要以上に大きく(広く)しないことが望ましい。
計2ヵ所それぞれの、その上部支持材ジョイント部3-cの上に、跨がる形で上部支持材梁部3-dが設置され、上部支持材ジョイント部3-cそれぞれと接合される。
上部支持材直上補強材3-bと上部支持材ジョイント部3-cとの接合、及び上部支持材ジョイント部3-cと上部支持材梁部3-dとの接合は、ボルト接合、溶接接合、接着剤による接合等、特に限定されない。また鋳鋼等により一体の場合もある。
【0041】
さらにこの上部支持材梁部3-dの中央部にピン支承(球座)4が設置され、免震架台8がそのピン支承(球座)4上に設置され接合される。そして免震架台8は免震構造体(建物)Dを支える。
以上の構成によって、免震構造体(建物)Dの免震架台8を経由しての荷重が均等に各二重免震皿免震支承1-wに伝達される。
また、ピン支承(球座)4がおかれる面積が免震支承全体の面積に比して十分小さく、曲げがさほど伝達されない場合は、ピン支承(球座)4の代わり、単なる板材の、上部支持材ジョイント部3-cでも良い。また、上部支持材ジョイント部3-cの設置場所でもピン支承(球座)4をおく方が曲げが伝達されないのでより免震支承に荷重の均等性がえられるので、上部支持材ジョイント部3-cをピン支承(球座)4に置き換えても良い。
また、この実施例では、免震支承として、二重免震皿免震支承1-wでの例を挙げているが、それ以外の転がり免震支承も同様に可能であるが、面積のコンパクトさから考えると、二重免震皿免震支承1-wが有利である。それも特にすり鉢・球面勾配等をもった免震皿の二重免震皿免震支承1-wが特に有利である。
※2か所の上部支持材ジョイント部3-cの位置について
免震支承の6つのボール(転動体)1-bの中心が形成する、長辺が2×L(Lはボール1-bの中心同士の間隔)の長方形において、短辺における長辺とほぼ平行な中心線上(必ずしも、完全に中心線上である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心線上からずれることもある)の、長辺の両端部からほぼ0.226×Lの距離(必ずしも、厳密に0.226×Lの距離である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、0.226×Lの距離からずれることもある)だけ内側となる2箇所の位置近傍に、上部支持材ジョイント部3-cが設置される。図45(a)は、この上部支持材ジョイント部3-cの位置を示したものであり、長辺の両端部からの距離0.226×Lは、下記の3次方程式を解いて得られる値である。
3 × x^3 − 9 × L^2 × x + 2 × L^3 = 0 (「^」はべき乗である)
【実施例14】
【0042】
図34から図36は、図31から図33の実施例(二重免震皿免震支承6基配置)において、上部支持材梁部3-dに、形鋼の代わりに厚板を用いた例である。図34は断面図、図35は斜視図、図36は分解斜視図である。
この場合、上部支持材梁部3-dの高さ(せい)を低くすることができ、その結果、基礎の深さ(根切り深さ)が浅くなり、土工事・基礎工事において費用を軽減することができる。なお、上部支持材梁部3-dの形状は、荷重伝達に支障ない範囲で、形鋼、鋼板、棒鋼等、断面形状は限定されない。
【実施例15】
【0043】
図45(b)は、請求項1、請求項11または請求項16記載の、6基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承6基配置)に関する発明の実施例であり、6基の免震支承を、2×3の(均等な)格子状に並べて一体にした1組について、荷重点(上部支持材ジョイント部3-c)と支持点(ボール(転動体))との位置関係を示したものである。
図31から図33の実施例(二重免震皿免震支承6基配置)においては、3つのボール(転動体)1-bに作用する力が1つの上部支持材ジョイント部3-cに作用することになり、その力が6つの支点(6つのボール(転動体)1-b)で支持される平板状の部材である上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bに2つの集中荷重として作用するため、その力が大きなものになる場合、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚も厚くなる。
図45(b)は、図31から図33の実施例における2つの各々の集中荷重について、免震支承の6つのボール(転動体)の中心が形成する、長辺が2×L(Lはボールの中心同士の間隔)の長方形において、2つの短辺と平行で短辺よりほぼ0.226×Lの距離(必ずしも、厳密に0.226×Lの距離である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、0.226×Lの距離からずれることもある)だけ内側にある直線上で、短辺における長辺とほぼ平行な中心線に関しほぼ線対称の位置にある2ヵ所の位置に分散させ、上部支持材ジョイント部3-cを設置することで、免震架台8からの荷重を均等に6基のボール(転動体)に伝達すると同時に、2つの集中荷重を4つに分散させることで、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚を低減することができる実施例である。
【実施例16】
【0044】
図37から図39は、請求項1、請求項12または請求項16記載の、6基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承6基配置)に関する発明の実施例である。図37は断面図、図38は斜視図、図39は分解斜視図である
図37から図39は、図31から図33、および図45(b)の実施例(二重免震皿免震支承6基配置)において、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚を低減させるためのもので、最も効果の高い(上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚を最も薄くできる)実施例である。
二重免震皿免震支承6基配置された上部支持材直上材3-aまたは上部支持材直上補強材3-b上の下記※説明の4か所、上部支持材ジョイント部3-cが設置される。
計4ヵ所それぞれの、その上部支持材ジョイント部3-cの上に、H字形状で跨がる形で上部支持材梁部3-dが設置され、上部支持材ジョイント部3-cそれぞれと接合される。
図31から図33の実施例では、3つのボール(転動体)1-bに作用する力が1つの上部支持材ジョイント部3-cに作用することになり、その力が6つの支点(6つのボール(転動体)1-b)で支持される平板状の部材である上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-b上の、下記※説明の2ヵ所に集中荷重として作用するため、その力が大きなものになる場合、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚も厚くなる。
一方、図37から図39の実施例では、1つのボール(転動体)1-bに作用する力の1個半分の力が1つの上部支持材ジョイント部3-cに作用することになり、その半減された力が、6つの支点(ボール(転動体)1-b)で支持される平板状の部材である上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-b上の、下記※説明の4ヵ所に分散されて作用することになり、6つのボール(転動体)1-bに均等に荷重が作用するとともに、荷重点(上部支持材ジョイント部3-c)と支持点(ボール(転動体))が最も近い距離になることで図31から図33の実施例に比べ、さらに図45(b)の実施例において、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚を最も低減することができる。
※4か所の上部支持材ジョイント部3-cの位置について
免震支承の6つのボール(転動体)1-bの中心が形成する、長辺が2×L(Lはボール1-bの中心同士の間隔)の長方形において、2つの長辺上(必ずしも、完全に長辺上である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、長辺上からずれることもある)の、それぞれの長辺の両端部からほぼ0.226×Lの距離(必ずしも、厳密に0.226×Lの距離である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、0.226×Lの距離からずれることもある)だけ内側となる4箇所の位置近傍に、上部支持材ジョイント部3-cが設置される。図45(c)は、この上部支持材ジョイント部3-cの位置を示したものであり、長辺の両端部からの距離0.226×Lは、下記の3次方程式を解いて得られる値である。
3 × x^3 − 9 × L^2 × x + 2 × L^3 = 0 (「^」はべき乗である)
【0045】
※2か所の上部支持材ジョイント部3-cの位置について
免震支承の6つのボール(転動体)1-bの中心が形成する、長辺が2×L(Lはボール1-bの中心同士の間隔)の長方形において、短辺における長辺とほぼ平行な中心線上(必ずしも、完全に中心線上である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心線上からずれることもある)の、長辺の両端部からほぼ0.226×Lの距離(必ずしも、厳密に0.226×Lの距離である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、0.226×Lの距離からずれることもある)だけ内側となる2箇所の位置近傍に、上部支持材ジョイント部3-cが設置される。図45(a)は、この上部支持材ジョイント部3-cの位置を示したものであり、長辺の両端部からの距離0.226×Lは、下記の3次方程式を解いて得られる値である。
3 × x^3 − 9 × L^2 × x + 2 × L^3 = 0 (「^」はべき乗である)
【実施例17】
【0046】
図40および図41は、請求項1、請求項13または請求項16記載の、12基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承12基配置)に関する発明の実施例である。図40の(a)は断面図、(b)は平面図、図41は斜視図である。
二重免震皿免震支承1-wの6基は、2×3の(均等な)格子状に並べて一体の組にされている(支承1-w間は製作及び施工誤差を考慮し若干の隙間を設ける場合もある)。
こうして配置された二重免震皿免震支承1-wの6基の組は、材としてそれぞれ一体の上部免震皿及び下部免震皿からなる、6基のボール(転動体)を有する免震支承の場合もある(この場合、この免震支承の免震皿が十分な剛性を有する場合は、下記の上部支持材直上補強材3-bと上部支持材直上材3-aどちらかがまたは両者ともに不要となる場合がある)。
もう一つの組、二重免震皿免震支承1-wの6基も同様の構成であり、両組の二重免震皿免震支承1-w同士は接して配置されている(組の間は製作及び施工誤差を考慮し若干の隙間を設ける場合もある)。
これらの二重免震皿免震支承1-wの6基の組同士は、接して配置されるものの、各々独立しており(双方での応力伝達はなく)、各々で垂直方向の誤差(不陸)に追随できることにより、一体にすることから生じるボール(転動体)への均等に荷重が伝わりにくくなる問題を解決している。
6基配置された二重免震皿免震支承1-wのそれぞれの、上部には、上部支持材直上材3-aと必要に応じて上部支持材直上補強材3-bが設置される(上部支持材直上補強材3-bは上部支持材直上材3-aに十分な剛性がある場合は不要となる)。また、それぞれの、二重免震皿免震支承1-wの6基の下部免震皿1-dの下部に下部支持材2が必要に応じて設置される(下部支持材2がない場合もある)。二重免震皿免震支承1-wの下部免震皿1-dと基礎とが直接に、または下部支持材2と基礎とが接合される。
そして、それぞれの、その二重免震皿免震支承6基配置された上部支持材直上材3-aまたは上部支持材直上補強材3-b上の下記※説明の2か所の位置に、上部支持材ジョイント部3-cが、設置される。
ここで、上部支持材直上材3-aは、6基の二重免震皿免震支承1-wを一体にし、かつ免震架台8からの荷重を4つのボール(転動体)1-bに伝達するためのものであるため、6基の二重免震皿免震支承1-wの上部免震皿1-u同士を接合することができる大きさ・形状であることと、二重免震皿免震支承1-wの6つのボール(転動体)1-bの中心が形成する四角形を包括する大きさ・形状が必要である。
また、上部支持材直上補強材3-bは、免震架台8からの荷重を6つのボール(転動体)1-bに伝達するためのものであるため、二重免震皿免震支承1-wの6つのボール(転動体)1-bの中心が形成する四角形を包括する大きさ・形状が必要である。
上部支持材直上材3-aと6基の二重免震皿免震支承1-wの上部免震皿1-uとの接合、及び上部支持材直上材3-aと上部支持材直上補強材3-bとの接合は、ボルト接合、溶接接合、接着剤による接合等、特に限定されない。また鋳鋼等により一体の場合もある。
さらに、上部支持材ジョイント部3-cは、免震架台8からの荷重を6つのボール(転動体)1-bに均等に伝達するためのものであるため、下記※説明の2か所の位置に設置し、かつ免震架台8からの荷重を伝達できる大きさ・形状が必要である。
しかしながら、上部支持材ジョイント部3-cは、その一部(周辺部)がボール(転動体)の位置と重なり、その下部にある上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bとの合成効果によって、荷重点(上部支持材ジョイント部3-cの中心点)と支持点(ボール(転動体))との間の剛性が高まることで、そのボールに荷重が集中するのを避けるため、必要以上に大きく(広く)しないことが望ましい。
計4ヵ所それぞれの、その上部支持材ジョイント部3-cの上に、X字形状で跨がる形で上部支持材梁部3-dが設置され、上部支持材ジョイント部3-cそれぞれと接合される。
上部支持材直上補強材3-bと上部支持材ジョイント部3-cとの接合、及び上部支持材ジョイント部3-cと上部支持材梁部3-dとの接合は、ボルト接合、溶接接合、接着剤による接合等、特に限定されない。また鋳鋼等により一体の場合もある。
さらにこの上部支持材梁部3-dの中央部にピン支承(球座)4が設置され、免震架台8がそのピン支承(球座)4上に設置され接合される。そして免震架台8は免震構造体(建物)Dを支える。
以上の構成によって、免震構造体(建物)Dの免震架台8を経由しての荷重が均等に各二重免震皿免震支承1-wに伝達される。
また、ピン支承(球座)4がおかれる面積が免震支承全体の面積に比して十分小さく、曲げがさほど伝達されない場合は、ピン支承(球座)4の代わり、単なる板材の、上部支持材ジョイント部3-cでも良い。また、上部支持材ジョイント部3-cの設置場所でもピン支承(球座)4をおく方が曲げが伝達されないのでより免震支承に荷重の均等性がえられるので、上部支持材ジョイント部3-cをピン支承(球座)4に置き換えても良い。
また、この実施例では、免震支承として、二重免震皿免震支承1-wでの例を挙げているが、それ以外の転がり免震支承も同様に可能であるが、面積のコンパクトさから考えると、二重免震皿免震支承1-wが有利である。それも特にすり鉢・球面勾配等をもった免震皿の二重免震皿免震支承1-wが特に有利である。
【0047】
※2か所の上部支持材ジョイント部3-cの位置について
免震支承の6つのボール(転動体)1-bの中心が形成する、長辺が2×L(Lはボール1-bの中心同士の間隔)の長方形において、短辺における長辺とほぼ平行な中心線上(必ずしも、完全に中心線上である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心線上からずれることもある)の、長辺の両端部からほぼ0.226×Lの距離(必ずしも、厳密に0.226×Lの距離である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、0.226×Lの距離からずれることもある)だけ内側となる2箇所の位置近傍に、上部支持材ジョイント部3-cが設置される。図45(a)は、この上部支持材ジョイント部3-cの位置を示したものであり、長辺の両端部からの距離0.226×Lは、下記の3次方程式を解いて得られる値である。
3 × x^3 − 9 × L^2 × x + 2 × L^3 = 0 (「^」はべき乗である)
【実施例18】
【0048】
図45(b)は、請求項1、請求項14または請求項16記載の、6基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承6基配置)に関する発明の実施例であり、
6基の免震支承を、2×3の(均等な)格子状に並べて一体にした1組について、荷重点(上部支持材ジョイント部3-c)と支持点(ボール(転動体))との位置関係を示したものである。
図40および図41の実施例(二重免震皿免震支承6基配置)においては、3つのボール(転動体)1-bに作用する力が1つの上部支持材ジョイント部3-cに作用することになり、その力が6つの支点(6つのボール(転動体)1-b)で支持される平板状の部材である上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bに2つの集中荷重として作用するため、その力が大きなものになる場合、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚も厚くなる。
図45(b)は、図40および図41の実施例における2つの各々の集中荷重について、免震支承の6つのボール(転動体)の中心が形成する、長辺が2×L(Lはボールの中心同士の間隔)の長方形において、2つの短辺と平行で短辺よりほぼ0.226×Lの距離(必ずしも、厳密に0.226×Lの距離である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、0.226×Lの距離からずれることもある)だけ内側にある直線上で、短辺における長辺とほぼ平行な中心線に関しほぼ線対称の位置にある2ヵ所の位置に分散させ、上部支持材ジョイント部3-cを設置することで、免震架台8からの荷重を均等に6基のボール(転動体)に伝達すると同時に、2つの集中荷重を4つに分散させることで、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚を低減することができる実施例である。
【実施例19】
【0049】
図42および図43は、請求項1、請求項15または請求項16記載の、12基のボール(転動体)からなる免震支承(二重免震皿免震支承12基配置)に関する発明の実施例である。図42の(a)は断面図、(b)は平面図、図43は斜視図である。
図42および図43は、図40および図41、および図45(b)の実施例(二重免震皿免震支承12基配置)において、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚を低減させるためのもので、最も効果の高い(上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚を最も薄くできる)実施例である。
二重免震皿免震支承6基配置された上部支持材直上材3-aまたは上部支持材直上補強材3-b上の下記※説明の4か所の位置に、上部支持材ジョイント部3-cが、設置される。
計8ヵ所それぞれの、その上部支持材ジョイント部3-cの上に、X字形状の4つの部材先端部に、8ヵ所それぞれの上部支持材ジョイント部3-cに接合できるような部材が設けられた上部支持材梁部3-dが跨がる形で設置され、上部支持材ジョイント部3-cそれぞれと接合される。
図40および図41の実施例では、3つのボール(転動体)1-bに作用する力が1つの上部支持材ジョイント部3-cに作用することになり、その力が6つの支点(6つのボール(転動体)1-b)で支持される平板状の部材である上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-b上の、下記※説明の2ヵ所に集中荷重として作用するため、その力が大きなものになる場合、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚も厚くなる。
一方、図42および図43の実施例では、1つのボール(転動体)1-bに作用する力の1個半分の力が1つの上部支持材ジョイント部3-cに作用することになり、その半減された力が、6つの支点(ボール(転動体)1-b)で支持される平板状の部材である上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-b上の、下記※説明の4ヵ所に分散されて作用することになり、6つのボール(転動体)1-bに均等に荷重が作用するとともに、荷重点(上部支持材ジョイント部3-c)と支持点(ボール(転動体))が最も近い距離になることで図40および図41の実施例に比べ、さらに図45(b)の実施例において、上部支持材直上材3-aおよび上部支持材直上補強材3-bの板厚を最も低減することができる。
【0050】
※4か所の上部支持材ジョイント部3-cの位置について
免震支承の6つのボール(転動体)1-bの中心が形成する、長辺が2×L(Lはボール1-bの中心同士の間隔)の長方形において、2つの長辺上(必ずしも、完全に長辺上である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、長辺上からずれることもある)の、それぞれの長辺の両端部からほぼ0.226×Lの距離(必ずしも、厳密に0.226×Lの距離である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、0.226×Lの距離からずれることもある)だけ内側となる4箇所の位置近傍に、上部支持材ジョイント部3-cが設置される。図45(c)は、この上部支持材ジョイント部3-cの位置を示したものであり、長辺の両端部からの距離0.226×Lは、下記の3次方程式を解いて得られる値である。
3 × x^3 − 9 × L^2 × x + 2 × L^3 = 0 (「^」はべき乗である)
【0051】
※2か所の上部支持材ジョイント部3-cの位置について
免震支承の6つのボール(転動体)1-bの中心が形成する、長辺が2×L(Lはボール1-bの中心同士の間隔)の長方形において、短辺における長辺とほぼ平行な中心線上(必ずしも、完全に中心線上である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、中心線上からずれることもある)の、長辺の両端部からほぼ0.226×Lの距離(必ずしも、厳密に0.226×Lの距離である必要はなく、製作及び施工上の納まりにより、又、荷重伝達上、支障のない範囲内で、0.226×Lの距離からずれることもある)だけ内側となる2箇所の位置近傍に、上部支持材ジョイント部3-cが設置される。図45(a)は、この上部支持材ジョイント部3-cの位置を示したものであり、長辺の両端部からの距離0.226×Lは、下記の3次方程式を解いて得られる値である。
3 × x^3 − 9 × L^2 × x + 2 × L^3 = 0 (「^」はべき乗である)
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】免震建物の免震層全体の(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図2】転がり型の二重免震皿免震支承の(a)は斜視図、(b)(c)は断面図である。
【図3】二重免震皿免震支承4基配置の場合の断面図である。
【図4】二重免震皿免震支承4基配置の場合の斜視図である。
【図5】二重免震皿免震支承4基配置の場合の分解斜視図である。
【図6】二重免震皿免震支承4基配置(一体型)の場合の断面図である。
【図7】二重免震皿免震支承4基配置(一体型)の場合の斜視図である。
【図8】ピン支承(球座)の(a)は断面図、(b)は分解斜視図である。
【図9】ピン支承(球座)4の代わり、単なる板材の、上部支持材ジョイント部3-cを用いた実施例である。
【図10】二重免震皿免震支承4基配置において、上部支持材ジョイント部3-cを2ヶ所に設けた場合の断面図である。
【図11】二重免震皿免震支承4基配置において、上部支持材ジョイント部3-cを2ヶ所に設けた場合の斜視図である。
【図12】二重免震皿免震支承4基配置において、上部支持材ジョイント部3-cを2ヶ所に設けた場合の分解斜視図である。
【図13】二重免震皿免震支承8基配置の場合の断面図である。
【図14】二重免震皿免震支承8基配置の場合の斜視図である。
【図15】二重免震皿免震支承8基配置の場合の分解斜視図である。
【図16】二重免震皿免震支承8基配置(一体型)の場合の断面図である。
【図17】二重免震皿免震支承8基配置(一体型)の場合の斜視図である。
【図18】二重免震皿免震支承8基配置において、上部支持材梁部3-dに、厚板を用いた場合の断面図である。
【図19】二重免震皿免震支承8基配置において、上部支持材梁部3-dに、厚板を用いた場合の斜視図である。
【図20】二重免震皿免震支承8基配置において、上部支持材梁部3-dに、厚板を用いた場合の分解斜視図である。
【図21】二重免震皿免震支承8基配置において、上部支持材ジョイント部3-cを4ヶ所に設けた場合の断面図である。
【図22】二重免震皿免震支承8基配置において、上部支持材ジョイント部3-cを4ヶ所に設けた場合の斜視図である。
【図23】二重免震皿免震支承8基配置において、上部支持材ジョイント部3-cを4ヶ所に設けた場合の分解斜視図である。
【図24】二重免震皿免震支承16基配置の場合の断面図である。
【図25】二重免震皿免震支承16基配置の場合の斜視図である。
【図26】二重免震皿免震支承16基配置の場合の分解斜視図である。
【図27】二重免震皿免震支承16基配置(一体型)の場合の断面図である。
【図28】二重免震皿免震支承16基配置(一体型)の場合の斜視図である。
【図29】二重免震皿免震支承16基配置において、上部支持材ジョイント部3-cを8ヶ所に設けた場合の、(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図30】二重免震皿免震支承16基配置において、上部支持材ジョイント部3-cを8ヶ所に設けた場合の、斜視図である。
【図31】二重免震皿免震支承6基配置の場合の断面図である。
【図32】二重免震皿免震支承6基配置の場合の斜視図である。
【図33】二重免震皿免震支承6基配置の場合の分解斜視図である。
【図34】二重免震皿免震支承6基配置において、上部支持材梁部3-dに、厚板を用いた場合の断面図である。
【図35】二重免震皿免震支承6基配置において、上部支持材梁部3-dに、厚板を用いた場合の斜視図である。
【図36】二重免震皿免震支承6基配置において、上部支持材梁部3-dに、厚板を用いた場合の分解斜視図である。
【図37】二重免震皿免震支承6基配置において、上部支持材ジョイント部3-cを4ヶ所に設けた場合の断面図である。
【図38】二重免震皿免震支承6基配置において、上部支持材ジョイント部3-cを4ヶ所に設けた場合の斜視図である。
【図39】二重免震皿免震支承6基配置において、上部支持材ジョイント部3-cを4ヶ所に設けた場合の分解斜視図である。
【図40】二重免震皿免震支承12基配置の場合の(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図41】二重免震皿免震支承12基配置の場合の斜視図である。
【図42】二重免震皿免震支承12基配置において、上部支持材ジョイント部3-cを8ヶ所に設けた場合の、(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図43】二重免震皿免震支承12基配置において、上部支持材ジョイント部3-cを8ヶ所に設けた場合の斜視図である。
【図44】二重免震皿免震支承4基1組に関し、(a)は上部支持材ジョイント部3-cが1ヵ所の場合、(b)は上部支持材ジョイント部3-cが2ヵ所の場合、(c)は上部支持材ジョイント部3-cが2ヵ所の場合で上部支持材直上材3-a、および上部支持材直上補強材3-bの断面を最も低減できる場合
【図45】二重免震皿免震支承6基1組に関し、(a)は上部支持材ジョイント部3-cが2ヵ所の場合、(b)は上部支持材ジョイント部3-cが4ヵ所の場合、(c)は上部支持材ジョイント部3-cが4ヵ所の場合で上部支持材直上材3-a、および上部支持材直上補強材3-bの断面を最も低減できる場合
【図46】滑り(摺動)型の二重免震皿免震支承の(a)は斜視図、(b)(c)は断面図である。
【符号の説明】
【0053】
A…基礎
B…免震装置:免震装置Bの表記には、以下の、免震支承B-1、ダンパーB-2、
さらに、免震支承B-1の表記には、以下の免震支承1などの詳細表示を含む。
B-1…免震支承
B-2…ダンパー
C…免震架台(免震構造体の免震層の梁組)
D…免震構造体(建物)
1…免震支承:免震支承1の表記には、以下を含む。
1-w…二重免震皿免震支承
1-u…上部免震皿
1-d…下部免震皿
1-b…ボール(転動体)または滑り部(摺動子)
2…下部支持材
3…上部支持材:上部支持材3の表記には、以下の上部支持材3-a、上部支持材3-b、上部支持材3-c、上部支持材3-dを含む。
3-a…上部支持材直上材(免震支承直上の上部支持材)
3-b…上部支持材直上補強材(免震支承直上の上部支持材補強材、直上材に断面があれば不要の場合もある)
3-c…上部支持材ジョイント部(上部支持材直上材3-aまたは補強材3-bと上部支持材梁部3-dとのジョイント部)
3-d…上部支持材梁部(ピン支承(球座)4と上部支持材ジョイント部3-cとの間の上部梁部)
4…ピン支承(球座)
4-a…球座
4-b…球座受皿
4-c…上部支持材ジョイント部受け
4-d…外れ止め
5…ボルト
6…ナット
7…座金
8…免震架台(免震構造体の免震層の梁組)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数基の免震支承を、格子状に並べて一体の組にしたものを複数組併置し、
各組ごとの上面中央部に接合部を1ヶ所以上設け、
その接合部を跨がる形で梁を設け、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、複数基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体。
【請求項2】
4基の免震支承を、2×2の格子状に並べて一体にし、
その上面中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、4基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体。
【請求項3】
4基の免震支承を、2×2の格子状に並べて一体にし、
その上面に接合部を2ヶ所以上設け、
その接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、4基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体。
【請求項4】
4基の免震支承を、2×2の格子状に並べて一体の組にしたものを2組併置し、
各組ごとの上面中央部に接合部を設け、
その接合部を跨がる形で梁を設け、
接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、8基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体。
【請求項5】
4基の免震支承を、2×2の格子状に並べて一体の組にしたものを2組併置し、
各組ごとの4基のボール(転動体)を、隣接する免震支承同士で2基ずつ2組に分け、
各組ごとの上面の、それぞれの2基のボール(転動体)の中心を結ぶ直線のそれぞれの中央部を結ぶ直線上で、
それぞれ2基のボール(転動体)の中心を結ぶ2つの直線の中心線を挟んでほぼ線対称の関係となる、2ヵ所の位置の近傍に接合部を設け、
2組で計4ヵ所の接合部を跨がる形で梁を設け接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、8基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体。
【請求項6】
4基の免震支承を、2×2の格子状に並べて一体の組にしたものを2組併置し、
各組ごとの4基のボール(転動体)を、隣接する免震支承同士で2基ずつ2組に分け、
各組ごとの上面の、それぞれの2基のボール(転動体)の中心を結ぶ直線のそれぞれの中央部2ヵ所の位置の近傍に接合部を設け、
2組で計4ヵ所の接合部を跨がる形で梁を設け接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、8基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体。
【請求項7】
4基の免震支承を、2×2の格子状に並べて一体の組にしたものを4組併置し、
各組ごとの上面中央部に接合部を設け、
その接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、16基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体。
【請求項8】
4基の免震支承を、2×2の格子状に並べて一体の組にしたものを4組併置し、
各組ごとの4基のボール(転動体)を、隣接する免震支承同士で2基ずつ2組に分け、
各組ごとの上面の、それぞれの2基のボール(転動体)の中心を結ぶ直線のそれぞれの中央部
を結ぶ直線上で、それぞれ2基のボール(転動体)の中心を結ぶ2つの直線の中心線を挟んでほぼ線対称の関係となる、2ヵ所の位置の近傍に接合部を設け、
4組で計8ヵ所の接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、16基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体。
【請求項9】
4基の免震支承を、2×2の格子状に並べて一体の組にしたものを4組併置し、
各組ごとの4基のボール(転動体)を、隣接する免震支承同士で2基ずつ2組に分け、
各組ごとの上面の、
それぞれの2基のボール(転動体)の中心を結ぶ直線のそれぞれの中央部2ヵ所の位置の近傍に接合部を設け、
4組で計8ヵ所の接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、16基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体。

【請求項10】
6基の免震支承を、2×3の格子状に並べて一体にし、
その上面の、6基の免震支承のボール(転動体)の中心を結んで形成される、長辺が2×L(Lはボールの中心同士の間隔)の長方形の、長辺に平行な中心線上の、その長辺の両端部からそれぞれ0.226×Lの距離だけ内側となる2箇所の位置近傍に接合部を設け、
その接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、6基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体。
【請求項11】
6基の免震支承を、2×3の格子状に並べて一体にし、
その上面の、6基の免震支承のボール(転動体)の中心を結んで形成される、長辺が2×L(Lはボールの中心同士の間隔)の長方形の、長辺に平行な中心線を挟んでほぼ線対称の関係となり、かつその長辺の両端部からそれぞれ0.226×Lの距離だけ内側となる4箇所の位置近傍に接合部を設け、
その接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、6基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体。
【請求項12】
6基の免震支承を、2×3の格子状に並べて一体にし、
その上面の、6基の免震支承のボール(転動体)の中心を結んで形成される、長辺が2×L(Lはボールの中心同士の間隔)の長方形の2つの長辺上の、その長辺の両端部からそれぞれ0.226×Lの距離だけ内側となる4箇所の位置近傍に接合部を設け、
その接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、6基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体。
【請求項13】
6基の免震支承を、2×3の格子状に並べて一体の組にしたものを2組併置し、
各組ごとの上面の、6基の免震支承のボール(転動体)の中心を結んで形成される、長辺が2×L(Lはボールの中心同士の間隔)の長方形の、長辺に平行な中心線上で、かつその長辺の両端部からそれぞれ0.226×Lの距離だけ内側となる2箇所の位置近傍に接合部を設け、
2組で計4ヵ所の接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、12基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体。
【請求項14】
6基の免震支承を、2×3の格子状に並べて一体の組にしたものを2組併置し、
各組ごとの上面の、6基の免震支承のボール(転動体)の中心を結んで形成される、長辺が2×L(Lはボールの中心同士の間隔)の長方形の、長辺に平行な中心線を挟んでほぼ線対称の関係となり、かつその長辺の両端部からそれぞれ0.226×Lの距離だけ内側となる4箇所の位置近傍に接合部を設け、
2組で計8ヵ所の接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、12基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体。
【請求項15】
6基の免震支承を、2×3の格子状に並べて一体の組にしたものを2組併置し、
各組ごとの上面の、6基の免震支承のボール(転動体)の中心を結んで形成される、長辺が2×L(Lはボールの中心同士の間隔)の長方形の2つの長辺上の、その長辺の両端部からそれぞれ0.226×Lの距離だけ内側となる4箇所の位置近傍に接合部を設け、
2組で計8ヵ所の接合部を跨がる形で梁を設け、接合部それぞれと接合し、
その梁の接合部同士の中央部にピン支承を設け、
そのピン支承と免震構造体とを接合することにより構成されてなることを特徴とする、12基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体。
【請求項16】
請求項1から請求項15記載の免震構造において、一体にする複数基の免震支承を二重免震皿免震支承とすることを特徴とする、複数基のボール(転動体)からなる免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体。
【請求項17】
請求項1から請求項16記載の免震構造において、一体にする複数基の免震支承を、ボール(転動体)に代わり、滑り部(摺動子)からなる免震支承であることを特徴とする免震支承及びその免震支承によって支えられる免震構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公開番号】特開2009−47203(P2009−47203A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−212000(P2007−212000)
【出願日】平成19年8月15日(2007.8.15)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 日本経済新聞、平成19年8月14日付朝刊 日本経済新聞社 プレスリリース、平成19年7月26日付 株式会社アイ・エー・ユー プレスリリース、平成19年8月6日付 株式会社アイ・エー・ユー
【出願人】(596008736)株式会社アイ.エー.ユー (13)
【出願人】(593170436)
【Fターム(参考)】