複眼カメラ
【課題】複数のカメラ画像から視野角を拡大した画像を生成する時の視差を極力小さくし、かつ画像合成に必要な画角の重なり確保でき、遠景撮影でも近景撮影でも良好な広視野角画像を合成可能とするカメラを実現すること、および3D撮影を可能とするカメラを提供する。
【解決手段】水平画角αの同一の2つのカメラa、bを具備し、カメラa,bのレンズ中心を含む平面上でカメラa,bの光軸を0<θ<αなる角度で交差するように配置し、カメラa,bのレンズ中心間距離を十分に小さく設置し、画像を合成処理することで、αより広視野のワイド画像を生成しでき、かつレンズ中心間距離を小さくとることで視差の違いを小さくし、遠景画像でも近景画像でも良好な広視野角の画像合成が実現できる。またレンズ間距離および光軸角度の変更を自動的に制御する構造あるいは手動による可動部をもたせることで、広視野角画像と同時に3D画像も撮影可能になる。
【解決手段】水平画角αの同一の2つのカメラa、bを具備し、カメラa,bのレンズ中心を含む平面上でカメラa,bの光軸を0<θ<αなる角度で交差するように配置し、カメラa,bのレンズ中心間距離を十分に小さく設置し、画像を合成処理することで、αより広視野のワイド画像を生成しでき、かつレンズ中心間距離を小さくとることで視差の違いを小さくし、遠景画像でも近景画像でも良好な広視野角の画像合成が実現できる。またレンズ間距離および光軸角度の変更を自動的に制御する構造あるいは手動による可動部をもたせることで、広視野角画像と同時に3D画像も撮影可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複眼カメラに関し、特に複数のカメラ画像から遠景および近景の撮影において良好な広視野角画像を合成可能とした複眼カメラおよび3D撮影も可能にした複眼カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
広視野角のカメラを実現するには、広角レンズを用いる方法や、複眼カメラの撮像された画像を合成処理して実現する方法がある。しかし広角レンズは高価であると同時に樽型歪が生じる為の歪補正処理を必要とする問題があり、また標準レンズ向けの撮像素子で広視野画像の取得を行う為、解像度が劣化する問題がある。
【0003】
複眼カメラを用いる方法は、二倍の画角の画像取得する方法として二眼パノラマが多く提案されている。例えば、特許文献1で提案された「パノラマカメラの配置方法及びその構築法」では、撮像レンズを垂直方向に重なるように配置し、水平方向のレンズ中心を揃え視差の少ない方法が考案されている。しかしこの方法でも視差は残り、また垂直方向の近接画像での垂直画角のずれという大きな問題と垂直方向の視差の問題が残る。
【0004】
そのため、「複眼カメラおよびカメラ応用機器」(特願2010―11707)なる特許出願を本出願と同一の出願人が行った。(以後「前出願」と呼ぶことにする。)この前出願では、広視野角画像を画像合成の方法で生成する場合に限定すると、2つのカメラの場合、光軸を平行に設定することから、カメラ画角の丁度2倍の広視野角の画像が取得でき、かつ距離測定ができる特徴がある。
【0005】
図2は、前出願の第1の実施形態の複眼カメラ構成図である。前出願では近景撮影における遠近混在問題を回避する方法としてカメラa,bのレンズ間距離をカメラの撮像素子部の大きさの影響無く、レンズとレンズ周辺の大きさの制限があるものの、レンズ間距離を小さくでき2つのカメラの共通撮影部分における視差を小さくすることが可能である。しかし、この場合十分な遠景の広視野角の映像を撮影する場合に2つのカメラで得られる画像情報の重なり部分が小さくなってしまう。
【0006】
一般に画像合成においては、取得画像の被写体の共通領域で特徴抽出を行い、同一特徴点と見なせる対応する特徴点の位置合わせを行うことでシームレスな画像合成を行う。そのため、前出願でレンズ間距離を小さくする場合、光軸が平行であることで、被写体の共通領域が遠景になる程少なくなる問題がある。つまり近距離または中距離向きではあっても、十分な遠距離撮影とが両立できる複眼カメラにはなっていない問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−369060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、複数のカメラ画像から視野角を拡大した画像を生成する時の視差を極力小さくし、かつ画像合成に必要な画角の重なりを確保でき、遠景撮影でも近景撮影でも良好な広視野角画像を合成可能とするカメラを実現すること、および3D撮影も可能とするカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明においては、水平画角α(または垂直画角β)の同一の2つのカメラa、bを具備し、カメラa,bのレンズ中心を含む平面上でカメラaの光軸a2とカメラbの光軸b2を水平画角α(または垂直画角β)に対して0<θ<α(または0<λ<β)なる水平交差角度θ(または垂直交差角度λ)で交差するようにし、カメラaのレンズ中心a1とカメラbのレンズ中心b1を十分に小さな距離になるように配置する。
【0010】
請求項1の発明のように、水平画角αの2つのカメラのレンズ中心を含む平面上で2つのカメラの光軸を0<θ<αなる水平交差角度θで交差するように配置したことで、広視野角化の実現と同時に遠景画像に対して画像合成の為の重なりを実現できる。レンズ間距離を十分に小さく取れば近景に対しては視差が少ない画像を取得できる。つまり遠景撮影に対しても近景撮影に対しても必要な画像の重なり実現でき、好適な画像合成が可能な画像取得が実現できる。
【0011】
尚、2つの光軸の交差する点を通り、かつ同一平面上で2つの光軸の成す角度の内、狭い角度を二分する直線を以下では平均光軸Xabと表すことにする。
【0012】
請求項2の発明においては、水平画角α、垂直画角βの4つの同一のカメラa,b,e,fを具備し、カメラa,bおよびカメラe,fの両方が請求項1記載の水平交差角度θ(または垂直交差角度λ)で交差させた複眼カメラであり、カメラa,bの平均光軸Xabとカメラe,fの平均光軸Xefの成す平面上で、βm=2arctan(|cos(θ/2)|×tan(β/2))(またはαm=2arctan(|cos(λ/2)|×tan(α/2))なる角度に対して0<λ<βmとなるように垂直交差角度λ(または0<θ<αmなる水平交差角度θ)で交差するようにし、カメラa,eとカメラb,fのレンズ間距離を十分に小さく配置する。
【0013】
請求項2の発明のようにこれらのレンズが垂直画角βのレンズであれば、垂直方向に対しても0<λ<βmなる垂直交差角度λで交差させれば、水平方向、垂直方向ともに広視野角化が実現でき、かつ遠景撮影に対しても近景撮影に対しても好適な画像取得が実現できる。
【0014】
また請求項3の発明のように、請求項1ないし請求項2の複眼カメラを少なくとも1つ具備し、これら複眼カメラ(/および1眼カメラ)を組み合わせて構成してもよい。
【0015】
請求項3の発明のように請求項1または請求項2を組み合わせれば、画角αやβの倍数が180度未満の範囲であれば、遠景撮影に対しても近景撮影に対してもさらに広視野角の好適な画像取得が可能となる。
【0016】
また請求項4の発明のように、請求項1ないし請求項3の複眼カメラを設け、画像合成部を設けてもよい。
【0017】
請求項4の発明のように画像合成部を具備すれば遠景撮影に対しても、近景撮影に対しても好適な広視野角画像を生成できる複眼カメラが可能になる。
【0018】
請求項5の発明においては、ズーム機能付きカメラを複数用いる場合には請求項1ないし請求項4の光軸交差の条件を実現するため、光軸角度制御部、カメラ画角検知部および光軸交差角度算出部、光軸角度稼働部を具備する。
【0019】
また請求項5の発明のように、光軸角度制御部、カメラ画角検知部および光軸交差角度算出部、光軸角度稼働部を具備すれば、ズーム機能付きカメラ複数台の場合の画角の変化に追随して光軸の交差を変化させることが可能となり、どの画角に対しても請求項1ないし請求項4の複眼カメラが可能になる。
【0020】
請求項6の発明においては、請求項5の発明に加えレンズ間距離スライド制御部とスライド可動部を具備する。
【0021】
請求項6の発明のように、請求項5のカメラに加えレンズ間距離スライド制御部とスライド可動部を具備すれば、広視野角画像撮影の時には、レンズ間距離制御部の指示でスライド可動部でスライドしてレンズ間距離を、広視野角画像撮影に適した第1の距離にし、3D撮影の場合にはレンズ間距離を第1の距離より大きな第2の距離にレンズ間距離制御部の指示でスライド可動部でスライドして広げ、同時に光軸角度制御部の指示に従い光軸角度可動部で制御し3D撮影条件にあった角度に変更することで、広視野角撮影と3D撮影とを切り替えて撮影できる複眼カメラが実現できる。第1の距離は典型的には最小距離であるが、これに限定されない。第2の距離は典型的には約6.5cmであるが、これに限定されない。スライド動作は、直線に沿って行われても良いし、曲線(湾曲を含む)、複数の直線を連結した線に沿って行われても良い。
【0022】
請求項7の発明においては、レンズ間距離光軸角度連動スライド可動部を具備する。
【0023】
請求項7の発明にように、レンズ間距離光軸角度連動スライド可動部を具備すれば、広視野角撮影の時にはレンズ間距離を手動でスライドして、広視野角画像撮影に適した第1の距離にし、同時に請求項1の複眼カメラの光軸交差角度を実現でき、3D撮影の時にはレンズ間距離を第1の距離より大きな第2の距離に手動でスライドして広げ、同時に3D撮影条件にあった角度にし、3D撮影の視差を実現することで、広視野角撮影と3D撮影とを切り替えて撮影できる複眼カメラが実現できる。上述と同様に、第1の距離は典型的には最小距離であるが、これに限定されない。第2の距離は典型的には約6.5cmであるが、これに限定されない。スライド動作は、直線に沿って行われても良いし、曲線(湾曲を含む)、複数の直線を連結した線に沿って行われても良い。
【発明の効果】
【0024】
請求項1ないし請求項3の複眼カメラの場合には、カメラの水平画角α、垂直画角βに対して、光軸を水平交差角度θまたは(/および垂直交差角度λ)の倍数だけ画角を広げることができ、同時に隣合った水平画角重なりの角度をδ=α―θまたは(/および垂直画角重なり角度ε=β―λ)とすることができ、十分な遠景の場合でも画像合成で必要となる位置合わせの為の共通画角領域を確保できる。パソコンなどの画像入力用カメラとして用いればパソコン内でパノラマ合成法のような画像合成処理を行うなどで広視野角の画像を作ることが可能になる効果がある。
【0025】
請求項4の複眼カメラでは、画像合成部を内蔵するためカメラ単独で広視野角の画像を作ることができる効果がある。
【0026】
請求項5の場合には、ズーム機能により画角が変化した場合でも広視野角画像取得に必要な適正な画角重なり角度を保証でき好適な広視野角画像所得または合成画像が可能になり、遠景をズームしたパノラマ撮影などの可能になる効果がある。
【0027】
請求項6ないし請求項7の場合には、カメラの台数を増やすことなく、広視野角撮影も3D撮影も可能なカメラが実現できる効果があり、また請求項6の場合には携帯電話などにも搭載可能なレベルの小型化できる効果があり、請求項7の場合には簡単な可動部の構成であることから低価格な製品を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態の複眼カメラ構成図である。
【図2】前出願の第1の実施形態の複眼カメラ構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の画角関係説明図である。
【図4】本発明の第1の実施例の垂直画角側面説明図である。
【図5】本発明の第1の実施例の水平画角上面説明図である。
【図6】本発明の第1の実施例の水平画角詳細上面図である。
【図7】本発明の第1の実施例の画角立体的説明図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の複眼カメラ構成図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の画角立体的説明図である。
【図10】本発明の第3の実施形態の複眼カメラ構成図である。
【図11】本発明の第4の実施形態のパソコンを利用した形態図
【図12】本発明の第5の実施形態の複眼カメラ構成図である。
【図13】本発明の第5の実施形態の画像合成部処理図である。
【図14】本発明の第6の実施形態のズームによる画角変化と光軸交差角度説明図である。
【図15】本発明の第6の実施形態の複眼カメラ処理図である。
【図16】本発明の第6の実施形態の複眼カメラ構成図である。
【図17】本発明の第7の実施形態の複眼カメラ構成図である。
【図18】本発明の第8の実施形態の複眼カメラ処理図である。
【図19】本発明の第8の実施形態の複眼カメライメージ図である。
【図20】本発明の第9の実施形態の複眼カメラ外形図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の複眼カメラの実施の形態を説明する。
【0030】
(第1の実施形態)
図1は、請求項1に関する本発明の第1の実施形態の複眼カメラ構成図である。図1においては同じ水平画角αのレンズ中心a1のカメラaとレンズ中心b1のカメラbで構成され、それぞれの光軸はa2とb2、撮像素子はa3とb3とし、レンズ中心a1とb1を含む平面上で、光軸a2と光軸b2が0<θ<αとなる水平交差角度θで交差するように配置する。
【0031】
図3は、請求項1に関する本発明の第1の実施形態の画角関係説明図である。被写体が∞遠と見なせる遠景撮影の場合には、図1のレンズ間距離を0と見なした場合と同等の画像になることから、∞遠の画角の関係を議論する時には、図1の一方のカメラをレンズ間距離が0となるように平行移動した図3で議論できる。∞遠から漸近的に被写体が近づく中距離さらには近距離になるに従い、図1から分かるように撮影画像に占める共通被写体領域は大きくなる。
【0032】
図1と図3が平行移動の関係であることから分かるように、カメラaとカメラbとの撮像素子に写る水平画角の合計はα+θとなり、広視野角を実現することが可能になり、かつ∞遠を含めた遠景に対してもδ=α―θの角度の水平画角重なり角度を保証でき、撮像素子の水平の共通領域を確実に確保できる。ただし請求項1の複眼カメラを1つのカメラと見なした場合の見かけの垂直画角はβのままではない点を先ず説明する。
【0033】
図4は、請求項1に関する本発明の第1の実施例の垂直画角側面説明図である。図4において、図1のカメラaを側面から見た図であり、レンズ中心a1を通り光軸a2に垂直でかつ垂直画角方向をZ軸とする。光軸a2を法線とする平面401における撮像範囲は、上端が402、下端が403である。光軸a2と平面401が交わる点404とレンズ中心a1との間の距離をHとしたとき、上端402のZ座標値Uは、垂直画角βをラジアンで表されていればU=H×tan(β/2)で表される。
【0034】
図5は、請求項1に関する本発明の第1の実施例の水平画角上面説明図である。図5において、レンズ中心a1を通り平均光軸Xabと平行な方向をY軸とし、2つのカメラa,bのレンズ中心を結んだ線をX軸とした時、光軸a2がY軸から傾いているときのカメラとその撮像範囲をカメラの真上から見たときの図である。光軸a2はY軸に対して角度501を成している。以後、点501におけるZ軸方向の撮像範囲がどうなるかを示す。502は点501を通り光軸a2を法線とする平面とし、点503は当該平面と当該光軸が交わる点とする。このとき、平面502がX軸と交わる点504において平面502とX軸が成す角505は光軸a2がY軸と成す角度と等しいことが分かる。
【0035】
したがって、光軸a2がY軸と成す角度はθ/2(ラジアン)であり、レンズ中心a1と点503との間の距離をH、レンズ中心a1と点504との間の距離をKとしたとき、HとKとθ/2の間にはH=K×sin(θ/2)なる関係が成り立つ。よって、点501における撮像範囲の上端のZ座標値Uは、図4からの式を考慮し、U=K×sin(θ/2)×tan(β/2)のように表せる。
【0036】
次にKがどのように計算できるかを示す。点501のX座標値をPX、当該点のY座値標をPYとすれば、点504のX座標値Lは次のように計算できる。
L={cos(θ/2)/sin(θ/2)}×PY+PXと計算できる。KはLの絶対値に等しいので、結局U=|cos(θ/2)×PY+PX×sin(θ/2)|×tan(β/2)になる。ここで、|X|とはXの絶対値を表すものとする。したがって、点506から点501を見たときの見かけの垂直画角をβV(ラジアン)とすると、tan(βV/2)=|cos(θ/2)+(PX/PY)×sin(θ/2)|×tan(β/2)なる式が導かれる。
【0037】
PXを固定しPYを大きくしていくと上の式の右辺は|cos(θ/2)|×tan(β/2)に収束する。さらに、PXが0以上であれば、当該右辺は常に|cos(θ/2)|×tan(β/2)以上であり、PXが0以下の場合は、当該右辺は常に|cos(θ/2)|×tan(β/2)以下である。よって、βm=2arctan(|cos(θ/2)|×tan(β/2))としたとき、PXが0以上であれば、見かけの垂直画角βVは常にβm以上であり、PYが大きくなるに従いβmに近づいていく。一方PXが0以下であれば、見かけの画角βVは常にβm以下であり、PYが大きくなるに従い、βmに近づいていく。
【0038】
図6は、請求項1に関する本発明の第1の実施例の水平画角詳細上面図である。図6においては、図1と同様の水平画角の関係を詳細に見た図である。平均光軸Xabは2つのレンズの光軸が交わる点を通り、X軸に垂直な直線であった。平均光軸Xabに対してカメラa,bは対称な位置関係にあることから、図6の水平方向の撮像範囲である灰色の部分における見かけの垂直画角βVは常に2眼カメラ最小垂直画角
βm=2arctan(|cos(θ/2)|×tan(β/2))以上であることが保証される。
【0039】
図7は、請求項1に関する本発明の第1の実施例の画角立体的説明図である。図7において、太い破線は、カメラa,bの平均光軸Xabを法線とする平面で、撮像範囲を切り取った領域を表している。太い実線はこの切り口に内接する最大の長方形を示している。この長方形を1つのカメラの撮像範囲のように見なした場合の垂直画角が
2眼カメラ最小垂直画角βm=2arctan(|cos(θ/2)|×tan(β/2))に相当する。
【0040】
(第2の実施形態)
図8は、請求項2に関する本発明の第2の実施形態の複眼カメラ構成図である。図8においては、同じ水平画角α、垂直画角βの4つのカメラa,b,e,fからなり、カメラa,bおよびカメラe,fの両方が請求項1記載の水平交差角度θで交差させた複眼カメラとし、
βm=2arctan(|cos(θ/2)|×tan(β/2))なる角度に対して、カメラa,bの平均光軸Xabとカメラe、fの平均光軸Xefの成す平面上でXabとXefが0<λ<βmなる垂直交差角度λで交差するように配置する。
【0041】
カメラa,b,c,dの撮像素子に写る画角の範囲は、a,bおよびe,fのそれぞれの2眼カメラの水平画角はα+θとなるが、それぞれの2眼カメラの垂直画角は、中心辺りでは前述のようにβm=2arctan(|cos(θ/2)|×tan(β/2))なる。前述と水平画角の場合と同様の論法で分かるように、0<λ<βmなる角度λで交差させれば、2つの2眼カメラの垂直画角の重なりは保証される。この時、垂直方向の画角は垂直方向の合計がβm+λとなる。しかし同様の論法から水平画角は、中央辺りでは、
4眼カメラ最小水平画角αM=2arctan(|cos(λ/2)|×tan((α+θ)/2)になる。このαMは、0より十分に大きな0<λ<βmの値であれば、αより大きな値になることが保証される。
【0042】
従って水平、垂直ともに広視野角化することが可能となる。この場合、水平方向はδ=αM―θなる角度の水平画角重なり角度を、垂直方向はε=βm―λなる角度の垂直画角重なり角度を保証することができる。
【0043】
図9は、請求項2に関する本発明の第2の実施形態の画角立体的説明図である。図9は、カメラa,b,c,dが水平、垂直で交差した状況を各カメラの画角を示す4隅の線は、複眼カメラの4隅に相当するものだけ限定して立体的に示した図である。図9においては、太い破線は、平均光軸Xabと平均光軸Xefの成す角度の狭い方の平均とした平均光軸Xabefとした時、このXabefを法線とする平面で、撮像範囲を切り取った領域を表している。太い実線はこの切り口に内接する最大の長方形を示している。この長方形を1つのカメラの撮像範囲のように見なした場合の垂直画角がβm+λ、水平画角がαMに相当する。以上の議論は、2眼水平最小画角αm,4眼最小垂直画角βMを定義し、水平と垂直の順番を逆にして議論しても同様の関係が成りたつ。
【0044】
(第3の実施形態)
図10は、請求項3に関する本発明の第3の実施形態の複眼カメラ構成図である。図10においては、同一のカメラa,b,cからカメラa,bを請求項1の実施形態で配置し、さらにカメラb,cを同様に請求項1の実施形態で配置することで、水平画角の合計をα+2θにでき、水平の視野角をさらに拡大することができる。垂直画角の拡大も同様に実現でき、また水平、垂直ともにα+nθまたはβ+mλが180度を超えない範囲のn,m台のカメラを用い、本発明により画角をさらに広げた画像取得が可能になる。
【0045】
(第4の実施形態)
図11は、本発明の請求項1ないし請求項3に関する第4の実施形態のパソコンを利用した形態図である。図11においては、複眼カメラ1101からの撮像情報1102をパソコン1103に入れ、パソコン1103でパノラマ合成手法などの画像合成ソフトで画像合成データ1104を出力する形で実施できる。
【0046】
(第5の実施形態)
図12は、本発明の請求項4に関する第5の実施形態の複眼カメラ構成図である。図12においては、複眼カメラ1201からの撮像情報1202を画像合成部1203に入れ、画像合成部1203ではパノラマ合成などの画像合成処理を行い、画像合成データ1204を出力する。このことで、ワイドな画面情報を出力することができる。
【0047】
図13は、本発明の請求項4に関する第5の実施形態の画像合成部処理図である。図13においては、複眼カメラ1301からの撮像情報1302は特徴抽出部1304に入力され、特徴点情報1305は位置合せ情報生成部1306に入力され。位置合せ情報1307は位置合せ情報記憶素子1308へ、位置合せ情報1309と記憶された位置合わせ情報1310は位置合わせ情報選択部1311により選択され、撮像情報1303と選択された位置合せ情報1312は貼り合せマスク生成部へ入力され、貼り合せマスク情報と撮像情報1314は色・明るさ補正部1315へ入力され繋ぎあわされた画像データ1316が合成画像データとなって出力される。
【0048】
(第6の実施形態)
図14は、本発明の請求項5に関する第6の実施形態のズームによる画角変化と光軸交差角度説明図である。ズーム機能付きカメラ複数台を用いた複眼カメラでは、図12のようにカメラの画角は広角撮影時画角αとズーム撮影時画角α´に変わり、その為に光軸交差角度も広角撮影時交差角度θとズーム撮影時交差角度θ´に変える。一般にズームは1段階では無く、連続的にズームできるカメラも多いことから、本発明ではアクチュエータなどを用いて交差角度を変更する。
【0049】
図15は、本発明の請求項5に関する第6の実施形態の複眼カメラ処理図である。図15では、ズーム機能付きカメラ複数台1501からのカメラ画角情報1502を、カメラ画角検知部1503が取り込み画角値検知し、画角情報および検知情報1504を出力する。カメラ画角情報1503はズーム機能付きカメラ複数台1501が画角を直接出力するカメラでない場合には、焦点情報または撮影画像情報から画角情報および検知情報1504を算出する。光軸交差角度検出部1505は、画角情報および検知情報1504から複数カメラ間の光軸交差角度1506を計算し、光軸角度制御部1507に送り、光軸角度制御部1507からの出力である光軸角度制御信号1508により光軸角度可動部1509を動作させ適正交差角度に変更する。このことで、ズーム機能により画角が変化した場合でも広視野角画像取得に必要な適正な画角重なり角度を保証でき好適な広視野角画像所得または合成画像が可能になる。
【0050】
図16は、本発明の請求項5に関する第6の実施形態の複眼カメラ構成図である。図16においては、カメラa,bのそれぞれを回転軸a4,b4を中心にカメラの画角条件に合う形で、手動(または電動)で回転させることで、ズームレンズの状況に合わせて広視野角撮影を可能にする。図16では最も広視野角の撮影時のカメラの位置を実線で示し、2つのカメラが平行光軸になる位置を破線で示している。また、この位置でのレンズ間距離Labを6.5cm程度にすれば、3D撮影に適した配置も可能になる。
【0051】
(第7の実施形態)
図17は、本発明の請求項5に関する第7の実施形態の複眼カメラ構成図である。図17においては、カメラa,bおよびカメラe,fが図16の2眼の構成である計4眼のカメラを側面から観た図である。a5,b5はカメラa,bの垂直方向の角度を、e5,f5はカメラe,fの垂直方向の角度をそれぞれ変える為の回転軸である。水平方向の回転軸a4,b4,e4,f4および垂直方向の回転軸を中心にそれぞれのカメラの角度を図15の処理に従い処理することで、水平方向、垂直方向ともに広視野角が可能になる。
【0052】
(第8の実施形態)
図18は、本発明の請求項6に関する第8の実施形態の複眼カメラ処理図である。また図19は、本発明の請求項6に関する第8の実施形態の複眼カメライメージ図である。図18では、請求項5に関する図15の構成の複眼カメラ1801に加えレンズ間距離制御部1802とスライド可動部1804を具備し、3D撮影を行う場合にはレンズ間距離制御部1802からのレンズ間指示信号1803によりスライド可動部1804を動かし、図17のようにレンズ間距離を3D撮影に適した6.5cm程度(第2の距離)にし、また広視野角撮影の場合には、レンズ間距離制御部1802からのレンズ間指示信号1803によりスライド可動部1804を動かし、図19のようにレンズ間距離を十分に近接させる(第1の距離)。このことで、広視野角撮影も3D撮影も可能な複眼カメラが可能になる。第1の距離は典型的には最小距離であるが、これに限定されない。第2の距離は6.6cmに限定されず、第1の距離より大きなものであればよい。第1の距離は広視野角撮影モードの距離であり、第2の距離は3D撮影モードの距離である。スライド動作の方向は、上述の第1の距離および第2の距離を実現できれば良く、直線に限定されず、湾曲、角度をもたせた複数の直線を連結したもの等、種々の曲線であってもよい。
【0053】
(第9の実施形態)
図20は、本発明の請求項7に関する第9の実施形態の複眼カメラ外形図である。図20においては、レンズ間距離光軸角度連動スライド可動部を具備し、未使用時、3D撮影時、広視野角撮影時にそれぞれ手動によりレンズ間距離光軸角度連動スライド可動部の変化させる(広視野角撮影時に上述の第1の距離とし、3D撮影時に上述の第2の距離とする)ことで、広視野角撮影も3D撮影も可能な複眼カメラが可能になる。スライド方向は上述と同様に直線でも曲線でも良い。
【0054】
以上で実施例の説明を終了する。
【0055】
なお、この発明は上述の実施例に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0056】
a,b,c,d,e,f カメラの識別記号
a1,b1,e1,f1 レンズ中心
a2,b2,c2,d2,e2,f2 光軸
a3,b3,e3,f3 撮像素子
a4,b4,e4,f4 水平方向回転軸
a5,b5,e5,f5 水平方向回転軸
α,α´ カメラの水平画角
β カメラの垂直画角
βV みかけ垂直画角
αm 2眼カメラ最小水平画角
βm 2眼カメラ最小垂直画角
αM 4眼カメラ最小水平画角
βM 4眼カメラ最小垂直画角
θ,θ’ 水平交差角度
λ 垂直交差角度
δ,δ’ 水平画角重なり角度
ε 垂直画角重なり角度
Xab, 光軸a2と光軸b2の平均光軸
Xef 光軸e2と光軸f2の平均光軸
Xabef 平均光軸Xabと平均光軸Xefの平均光軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、複眼カメラに関し、特に複数のカメラ画像から遠景および近景の撮影において良好な広視野角画像を合成可能とした複眼カメラおよび3D撮影も可能にした複眼カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
広視野角のカメラを実現するには、広角レンズを用いる方法や、複眼カメラの撮像された画像を合成処理して実現する方法がある。しかし広角レンズは高価であると同時に樽型歪が生じる為の歪補正処理を必要とする問題があり、また標準レンズ向けの撮像素子で広視野画像の取得を行う為、解像度が劣化する問題がある。
【0003】
複眼カメラを用いる方法は、二倍の画角の画像取得する方法として二眼パノラマが多く提案されている。例えば、特許文献1で提案された「パノラマカメラの配置方法及びその構築法」では、撮像レンズを垂直方向に重なるように配置し、水平方向のレンズ中心を揃え視差の少ない方法が考案されている。しかしこの方法でも視差は残り、また垂直方向の近接画像での垂直画角のずれという大きな問題と垂直方向の視差の問題が残る。
【0004】
そのため、「複眼カメラおよびカメラ応用機器」(特願2010―11707)なる特許出願を本出願と同一の出願人が行った。(以後「前出願」と呼ぶことにする。)この前出願では、広視野角画像を画像合成の方法で生成する場合に限定すると、2つのカメラの場合、光軸を平行に設定することから、カメラ画角の丁度2倍の広視野角の画像が取得でき、かつ距離測定ができる特徴がある。
【0005】
図2は、前出願の第1の実施形態の複眼カメラ構成図である。前出願では近景撮影における遠近混在問題を回避する方法としてカメラa,bのレンズ間距離をカメラの撮像素子部の大きさの影響無く、レンズとレンズ周辺の大きさの制限があるものの、レンズ間距離を小さくでき2つのカメラの共通撮影部分における視差を小さくすることが可能である。しかし、この場合十分な遠景の広視野角の映像を撮影する場合に2つのカメラで得られる画像情報の重なり部分が小さくなってしまう。
【0006】
一般に画像合成においては、取得画像の被写体の共通領域で特徴抽出を行い、同一特徴点と見なせる対応する特徴点の位置合わせを行うことでシームレスな画像合成を行う。そのため、前出願でレンズ間距離を小さくする場合、光軸が平行であることで、被写体の共通領域が遠景になる程少なくなる問題がある。つまり近距離または中距離向きではあっても、十分な遠距離撮影とが両立できる複眼カメラにはなっていない問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−369060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、複数のカメラ画像から視野角を拡大した画像を生成する時の視差を極力小さくし、かつ画像合成に必要な画角の重なりを確保でき、遠景撮影でも近景撮影でも良好な広視野角画像を合成可能とするカメラを実現すること、および3D撮影も可能とするカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明においては、水平画角α(または垂直画角β)の同一の2つのカメラa、bを具備し、カメラa,bのレンズ中心を含む平面上でカメラaの光軸a2とカメラbの光軸b2を水平画角α(または垂直画角β)に対して0<θ<α(または0<λ<β)なる水平交差角度θ(または垂直交差角度λ)で交差するようにし、カメラaのレンズ中心a1とカメラbのレンズ中心b1を十分に小さな距離になるように配置する。
【0010】
請求項1の発明のように、水平画角αの2つのカメラのレンズ中心を含む平面上で2つのカメラの光軸を0<θ<αなる水平交差角度θで交差するように配置したことで、広視野角化の実現と同時に遠景画像に対して画像合成の為の重なりを実現できる。レンズ間距離を十分に小さく取れば近景に対しては視差が少ない画像を取得できる。つまり遠景撮影に対しても近景撮影に対しても必要な画像の重なり実現でき、好適な画像合成が可能な画像取得が実現できる。
【0011】
尚、2つの光軸の交差する点を通り、かつ同一平面上で2つの光軸の成す角度の内、狭い角度を二分する直線を以下では平均光軸Xabと表すことにする。
【0012】
請求項2の発明においては、水平画角α、垂直画角βの4つの同一のカメラa,b,e,fを具備し、カメラa,bおよびカメラe,fの両方が請求項1記載の水平交差角度θ(または垂直交差角度λ)で交差させた複眼カメラであり、カメラa,bの平均光軸Xabとカメラe,fの平均光軸Xefの成す平面上で、βm=2arctan(|cos(θ/2)|×tan(β/2))(またはαm=2arctan(|cos(λ/2)|×tan(α/2))なる角度に対して0<λ<βmとなるように垂直交差角度λ(または0<θ<αmなる水平交差角度θ)で交差するようにし、カメラa,eとカメラb,fのレンズ間距離を十分に小さく配置する。
【0013】
請求項2の発明のようにこれらのレンズが垂直画角βのレンズであれば、垂直方向に対しても0<λ<βmなる垂直交差角度λで交差させれば、水平方向、垂直方向ともに広視野角化が実現でき、かつ遠景撮影に対しても近景撮影に対しても好適な画像取得が実現できる。
【0014】
また請求項3の発明のように、請求項1ないし請求項2の複眼カメラを少なくとも1つ具備し、これら複眼カメラ(/および1眼カメラ)を組み合わせて構成してもよい。
【0015】
請求項3の発明のように請求項1または請求項2を組み合わせれば、画角αやβの倍数が180度未満の範囲であれば、遠景撮影に対しても近景撮影に対してもさらに広視野角の好適な画像取得が可能となる。
【0016】
また請求項4の発明のように、請求項1ないし請求項3の複眼カメラを設け、画像合成部を設けてもよい。
【0017】
請求項4の発明のように画像合成部を具備すれば遠景撮影に対しても、近景撮影に対しても好適な広視野角画像を生成できる複眼カメラが可能になる。
【0018】
請求項5の発明においては、ズーム機能付きカメラを複数用いる場合には請求項1ないし請求項4の光軸交差の条件を実現するため、光軸角度制御部、カメラ画角検知部および光軸交差角度算出部、光軸角度稼働部を具備する。
【0019】
また請求項5の発明のように、光軸角度制御部、カメラ画角検知部および光軸交差角度算出部、光軸角度稼働部を具備すれば、ズーム機能付きカメラ複数台の場合の画角の変化に追随して光軸の交差を変化させることが可能となり、どの画角に対しても請求項1ないし請求項4の複眼カメラが可能になる。
【0020】
請求項6の発明においては、請求項5の発明に加えレンズ間距離スライド制御部とスライド可動部を具備する。
【0021】
請求項6の発明のように、請求項5のカメラに加えレンズ間距離スライド制御部とスライド可動部を具備すれば、広視野角画像撮影の時には、レンズ間距離制御部の指示でスライド可動部でスライドしてレンズ間距離を、広視野角画像撮影に適した第1の距離にし、3D撮影の場合にはレンズ間距離を第1の距離より大きな第2の距離にレンズ間距離制御部の指示でスライド可動部でスライドして広げ、同時に光軸角度制御部の指示に従い光軸角度可動部で制御し3D撮影条件にあった角度に変更することで、広視野角撮影と3D撮影とを切り替えて撮影できる複眼カメラが実現できる。第1の距離は典型的には最小距離であるが、これに限定されない。第2の距離は典型的には約6.5cmであるが、これに限定されない。スライド動作は、直線に沿って行われても良いし、曲線(湾曲を含む)、複数の直線を連結した線に沿って行われても良い。
【0022】
請求項7の発明においては、レンズ間距離光軸角度連動スライド可動部を具備する。
【0023】
請求項7の発明にように、レンズ間距離光軸角度連動スライド可動部を具備すれば、広視野角撮影の時にはレンズ間距離を手動でスライドして、広視野角画像撮影に適した第1の距離にし、同時に請求項1の複眼カメラの光軸交差角度を実現でき、3D撮影の時にはレンズ間距離を第1の距離より大きな第2の距離に手動でスライドして広げ、同時に3D撮影条件にあった角度にし、3D撮影の視差を実現することで、広視野角撮影と3D撮影とを切り替えて撮影できる複眼カメラが実現できる。上述と同様に、第1の距離は典型的には最小距離であるが、これに限定されない。第2の距離は典型的には約6.5cmであるが、これに限定されない。スライド動作は、直線に沿って行われても良いし、曲線(湾曲を含む)、複数の直線を連結した線に沿って行われても良い。
【発明の効果】
【0024】
請求項1ないし請求項3の複眼カメラの場合には、カメラの水平画角α、垂直画角βに対して、光軸を水平交差角度θまたは(/および垂直交差角度λ)の倍数だけ画角を広げることができ、同時に隣合った水平画角重なりの角度をδ=α―θまたは(/および垂直画角重なり角度ε=β―λ)とすることができ、十分な遠景の場合でも画像合成で必要となる位置合わせの為の共通画角領域を確保できる。パソコンなどの画像入力用カメラとして用いればパソコン内でパノラマ合成法のような画像合成処理を行うなどで広視野角の画像を作ることが可能になる効果がある。
【0025】
請求項4の複眼カメラでは、画像合成部を内蔵するためカメラ単独で広視野角の画像を作ることができる効果がある。
【0026】
請求項5の場合には、ズーム機能により画角が変化した場合でも広視野角画像取得に必要な適正な画角重なり角度を保証でき好適な広視野角画像所得または合成画像が可能になり、遠景をズームしたパノラマ撮影などの可能になる効果がある。
【0027】
請求項6ないし請求項7の場合には、カメラの台数を増やすことなく、広視野角撮影も3D撮影も可能なカメラが実現できる効果があり、また請求項6の場合には携帯電話などにも搭載可能なレベルの小型化できる効果があり、請求項7の場合には簡単な可動部の構成であることから低価格な製品を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態の複眼カメラ構成図である。
【図2】前出願の第1の実施形態の複眼カメラ構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の画角関係説明図である。
【図4】本発明の第1の実施例の垂直画角側面説明図である。
【図5】本発明の第1の実施例の水平画角上面説明図である。
【図6】本発明の第1の実施例の水平画角詳細上面図である。
【図7】本発明の第1の実施例の画角立体的説明図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の複眼カメラ構成図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の画角立体的説明図である。
【図10】本発明の第3の実施形態の複眼カメラ構成図である。
【図11】本発明の第4の実施形態のパソコンを利用した形態図
【図12】本発明の第5の実施形態の複眼カメラ構成図である。
【図13】本発明の第5の実施形態の画像合成部処理図である。
【図14】本発明の第6の実施形態のズームによる画角変化と光軸交差角度説明図である。
【図15】本発明の第6の実施形態の複眼カメラ処理図である。
【図16】本発明の第6の実施形態の複眼カメラ構成図である。
【図17】本発明の第7の実施形態の複眼カメラ構成図である。
【図18】本発明の第8の実施形態の複眼カメラ処理図である。
【図19】本発明の第8の実施形態の複眼カメライメージ図である。
【図20】本発明の第9の実施形態の複眼カメラ外形図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の複眼カメラの実施の形態を説明する。
【0030】
(第1の実施形態)
図1は、請求項1に関する本発明の第1の実施形態の複眼カメラ構成図である。図1においては同じ水平画角αのレンズ中心a1のカメラaとレンズ中心b1のカメラbで構成され、それぞれの光軸はa2とb2、撮像素子はa3とb3とし、レンズ中心a1とb1を含む平面上で、光軸a2と光軸b2が0<θ<αとなる水平交差角度θで交差するように配置する。
【0031】
図3は、請求項1に関する本発明の第1の実施形態の画角関係説明図である。被写体が∞遠と見なせる遠景撮影の場合には、図1のレンズ間距離を0と見なした場合と同等の画像になることから、∞遠の画角の関係を議論する時には、図1の一方のカメラをレンズ間距離が0となるように平行移動した図3で議論できる。∞遠から漸近的に被写体が近づく中距離さらには近距離になるに従い、図1から分かるように撮影画像に占める共通被写体領域は大きくなる。
【0032】
図1と図3が平行移動の関係であることから分かるように、カメラaとカメラbとの撮像素子に写る水平画角の合計はα+θとなり、広視野角を実現することが可能になり、かつ∞遠を含めた遠景に対してもδ=α―θの角度の水平画角重なり角度を保証でき、撮像素子の水平の共通領域を確実に確保できる。ただし請求項1の複眼カメラを1つのカメラと見なした場合の見かけの垂直画角はβのままではない点を先ず説明する。
【0033】
図4は、請求項1に関する本発明の第1の実施例の垂直画角側面説明図である。図4において、図1のカメラaを側面から見た図であり、レンズ中心a1を通り光軸a2に垂直でかつ垂直画角方向をZ軸とする。光軸a2を法線とする平面401における撮像範囲は、上端が402、下端が403である。光軸a2と平面401が交わる点404とレンズ中心a1との間の距離をHとしたとき、上端402のZ座標値Uは、垂直画角βをラジアンで表されていればU=H×tan(β/2)で表される。
【0034】
図5は、請求項1に関する本発明の第1の実施例の水平画角上面説明図である。図5において、レンズ中心a1を通り平均光軸Xabと平行な方向をY軸とし、2つのカメラa,bのレンズ中心を結んだ線をX軸とした時、光軸a2がY軸から傾いているときのカメラとその撮像範囲をカメラの真上から見たときの図である。光軸a2はY軸に対して角度501を成している。以後、点501におけるZ軸方向の撮像範囲がどうなるかを示す。502は点501を通り光軸a2を法線とする平面とし、点503は当該平面と当該光軸が交わる点とする。このとき、平面502がX軸と交わる点504において平面502とX軸が成す角505は光軸a2がY軸と成す角度と等しいことが分かる。
【0035】
したがって、光軸a2がY軸と成す角度はθ/2(ラジアン)であり、レンズ中心a1と点503との間の距離をH、レンズ中心a1と点504との間の距離をKとしたとき、HとKとθ/2の間にはH=K×sin(θ/2)なる関係が成り立つ。よって、点501における撮像範囲の上端のZ座標値Uは、図4からの式を考慮し、U=K×sin(θ/2)×tan(β/2)のように表せる。
【0036】
次にKがどのように計算できるかを示す。点501のX座標値をPX、当該点のY座値標をPYとすれば、点504のX座標値Lは次のように計算できる。
L={cos(θ/2)/sin(θ/2)}×PY+PXと計算できる。KはLの絶対値に等しいので、結局U=|cos(θ/2)×PY+PX×sin(θ/2)|×tan(β/2)になる。ここで、|X|とはXの絶対値を表すものとする。したがって、点506から点501を見たときの見かけの垂直画角をβV(ラジアン)とすると、tan(βV/2)=|cos(θ/2)+(PX/PY)×sin(θ/2)|×tan(β/2)なる式が導かれる。
【0037】
PXを固定しPYを大きくしていくと上の式の右辺は|cos(θ/2)|×tan(β/2)に収束する。さらに、PXが0以上であれば、当該右辺は常に|cos(θ/2)|×tan(β/2)以上であり、PXが0以下の場合は、当該右辺は常に|cos(θ/2)|×tan(β/2)以下である。よって、βm=2arctan(|cos(θ/2)|×tan(β/2))としたとき、PXが0以上であれば、見かけの垂直画角βVは常にβm以上であり、PYが大きくなるに従いβmに近づいていく。一方PXが0以下であれば、見かけの画角βVは常にβm以下であり、PYが大きくなるに従い、βmに近づいていく。
【0038】
図6は、請求項1に関する本発明の第1の実施例の水平画角詳細上面図である。図6においては、図1と同様の水平画角の関係を詳細に見た図である。平均光軸Xabは2つのレンズの光軸が交わる点を通り、X軸に垂直な直線であった。平均光軸Xabに対してカメラa,bは対称な位置関係にあることから、図6の水平方向の撮像範囲である灰色の部分における見かけの垂直画角βVは常に2眼カメラ最小垂直画角
βm=2arctan(|cos(θ/2)|×tan(β/2))以上であることが保証される。
【0039】
図7は、請求項1に関する本発明の第1の実施例の画角立体的説明図である。図7において、太い破線は、カメラa,bの平均光軸Xabを法線とする平面で、撮像範囲を切り取った領域を表している。太い実線はこの切り口に内接する最大の長方形を示している。この長方形を1つのカメラの撮像範囲のように見なした場合の垂直画角が
2眼カメラ最小垂直画角βm=2arctan(|cos(θ/2)|×tan(β/2))に相当する。
【0040】
(第2の実施形態)
図8は、請求項2に関する本発明の第2の実施形態の複眼カメラ構成図である。図8においては、同じ水平画角α、垂直画角βの4つのカメラa,b,e,fからなり、カメラa,bおよびカメラe,fの両方が請求項1記載の水平交差角度θで交差させた複眼カメラとし、
βm=2arctan(|cos(θ/2)|×tan(β/2))なる角度に対して、カメラa,bの平均光軸Xabとカメラe、fの平均光軸Xefの成す平面上でXabとXefが0<λ<βmなる垂直交差角度λで交差するように配置する。
【0041】
カメラa,b,c,dの撮像素子に写る画角の範囲は、a,bおよびe,fのそれぞれの2眼カメラの水平画角はα+θとなるが、それぞれの2眼カメラの垂直画角は、中心辺りでは前述のようにβm=2arctan(|cos(θ/2)|×tan(β/2))なる。前述と水平画角の場合と同様の論法で分かるように、0<λ<βmなる角度λで交差させれば、2つの2眼カメラの垂直画角の重なりは保証される。この時、垂直方向の画角は垂直方向の合計がβm+λとなる。しかし同様の論法から水平画角は、中央辺りでは、
4眼カメラ最小水平画角αM=2arctan(|cos(λ/2)|×tan((α+θ)/2)になる。このαMは、0より十分に大きな0<λ<βmの値であれば、αより大きな値になることが保証される。
【0042】
従って水平、垂直ともに広視野角化することが可能となる。この場合、水平方向はδ=αM―θなる角度の水平画角重なり角度を、垂直方向はε=βm―λなる角度の垂直画角重なり角度を保証することができる。
【0043】
図9は、請求項2に関する本発明の第2の実施形態の画角立体的説明図である。図9は、カメラa,b,c,dが水平、垂直で交差した状況を各カメラの画角を示す4隅の線は、複眼カメラの4隅に相当するものだけ限定して立体的に示した図である。図9においては、太い破線は、平均光軸Xabと平均光軸Xefの成す角度の狭い方の平均とした平均光軸Xabefとした時、このXabefを法線とする平面で、撮像範囲を切り取った領域を表している。太い実線はこの切り口に内接する最大の長方形を示している。この長方形を1つのカメラの撮像範囲のように見なした場合の垂直画角がβm+λ、水平画角がαMに相当する。以上の議論は、2眼水平最小画角αm,4眼最小垂直画角βMを定義し、水平と垂直の順番を逆にして議論しても同様の関係が成りたつ。
【0044】
(第3の実施形態)
図10は、請求項3に関する本発明の第3の実施形態の複眼カメラ構成図である。図10においては、同一のカメラa,b,cからカメラa,bを請求項1の実施形態で配置し、さらにカメラb,cを同様に請求項1の実施形態で配置することで、水平画角の合計をα+2θにでき、水平の視野角をさらに拡大することができる。垂直画角の拡大も同様に実現でき、また水平、垂直ともにα+nθまたはβ+mλが180度を超えない範囲のn,m台のカメラを用い、本発明により画角をさらに広げた画像取得が可能になる。
【0045】
(第4の実施形態)
図11は、本発明の請求項1ないし請求項3に関する第4の実施形態のパソコンを利用した形態図である。図11においては、複眼カメラ1101からの撮像情報1102をパソコン1103に入れ、パソコン1103でパノラマ合成手法などの画像合成ソフトで画像合成データ1104を出力する形で実施できる。
【0046】
(第5の実施形態)
図12は、本発明の請求項4に関する第5の実施形態の複眼カメラ構成図である。図12においては、複眼カメラ1201からの撮像情報1202を画像合成部1203に入れ、画像合成部1203ではパノラマ合成などの画像合成処理を行い、画像合成データ1204を出力する。このことで、ワイドな画面情報を出力することができる。
【0047】
図13は、本発明の請求項4に関する第5の実施形態の画像合成部処理図である。図13においては、複眼カメラ1301からの撮像情報1302は特徴抽出部1304に入力され、特徴点情報1305は位置合せ情報生成部1306に入力され。位置合せ情報1307は位置合せ情報記憶素子1308へ、位置合せ情報1309と記憶された位置合わせ情報1310は位置合わせ情報選択部1311により選択され、撮像情報1303と選択された位置合せ情報1312は貼り合せマスク生成部へ入力され、貼り合せマスク情報と撮像情報1314は色・明るさ補正部1315へ入力され繋ぎあわされた画像データ1316が合成画像データとなって出力される。
【0048】
(第6の実施形態)
図14は、本発明の請求項5に関する第6の実施形態のズームによる画角変化と光軸交差角度説明図である。ズーム機能付きカメラ複数台を用いた複眼カメラでは、図12のようにカメラの画角は広角撮影時画角αとズーム撮影時画角α´に変わり、その為に光軸交差角度も広角撮影時交差角度θとズーム撮影時交差角度θ´に変える。一般にズームは1段階では無く、連続的にズームできるカメラも多いことから、本発明ではアクチュエータなどを用いて交差角度を変更する。
【0049】
図15は、本発明の請求項5に関する第6の実施形態の複眼カメラ処理図である。図15では、ズーム機能付きカメラ複数台1501からのカメラ画角情報1502を、カメラ画角検知部1503が取り込み画角値検知し、画角情報および検知情報1504を出力する。カメラ画角情報1503はズーム機能付きカメラ複数台1501が画角を直接出力するカメラでない場合には、焦点情報または撮影画像情報から画角情報および検知情報1504を算出する。光軸交差角度検出部1505は、画角情報および検知情報1504から複数カメラ間の光軸交差角度1506を計算し、光軸角度制御部1507に送り、光軸角度制御部1507からの出力である光軸角度制御信号1508により光軸角度可動部1509を動作させ適正交差角度に変更する。このことで、ズーム機能により画角が変化した場合でも広視野角画像取得に必要な適正な画角重なり角度を保証でき好適な広視野角画像所得または合成画像が可能になる。
【0050】
図16は、本発明の請求項5に関する第6の実施形態の複眼カメラ構成図である。図16においては、カメラa,bのそれぞれを回転軸a4,b4を中心にカメラの画角条件に合う形で、手動(または電動)で回転させることで、ズームレンズの状況に合わせて広視野角撮影を可能にする。図16では最も広視野角の撮影時のカメラの位置を実線で示し、2つのカメラが平行光軸になる位置を破線で示している。また、この位置でのレンズ間距離Labを6.5cm程度にすれば、3D撮影に適した配置も可能になる。
【0051】
(第7の実施形態)
図17は、本発明の請求項5に関する第7の実施形態の複眼カメラ構成図である。図17においては、カメラa,bおよびカメラe,fが図16の2眼の構成である計4眼のカメラを側面から観た図である。a5,b5はカメラa,bの垂直方向の角度を、e5,f5はカメラe,fの垂直方向の角度をそれぞれ変える為の回転軸である。水平方向の回転軸a4,b4,e4,f4および垂直方向の回転軸を中心にそれぞれのカメラの角度を図15の処理に従い処理することで、水平方向、垂直方向ともに広視野角が可能になる。
【0052】
(第8の実施形態)
図18は、本発明の請求項6に関する第8の実施形態の複眼カメラ処理図である。また図19は、本発明の請求項6に関する第8の実施形態の複眼カメライメージ図である。図18では、請求項5に関する図15の構成の複眼カメラ1801に加えレンズ間距離制御部1802とスライド可動部1804を具備し、3D撮影を行う場合にはレンズ間距離制御部1802からのレンズ間指示信号1803によりスライド可動部1804を動かし、図17のようにレンズ間距離を3D撮影に適した6.5cm程度(第2の距離)にし、また広視野角撮影の場合には、レンズ間距離制御部1802からのレンズ間指示信号1803によりスライド可動部1804を動かし、図19のようにレンズ間距離を十分に近接させる(第1の距離)。このことで、広視野角撮影も3D撮影も可能な複眼カメラが可能になる。第1の距離は典型的には最小距離であるが、これに限定されない。第2の距離は6.6cmに限定されず、第1の距離より大きなものであればよい。第1の距離は広視野角撮影モードの距離であり、第2の距離は3D撮影モードの距離である。スライド動作の方向は、上述の第1の距離および第2の距離を実現できれば良く、直線に限定されず、湾曲、角度をもたせた複数の直線を連結したもの等、種々の曲線であってもよい。
【0053】
(第9の実施形態)
図20は、本発明の請求項7に関する第9の実施形態の複眼カメラ外形図である。図20においては、レンズ間距離光軸角度連動スライド可動部を具備し、未使用時、3D撮影時、広視野角撮影時にそれぞれ手動によりレンズ間距離光軸角度連動スライド可動部の変化させる(広視野角撮影時に上述の第1の距離とし、3D撮影時に上述の第2の距離とする)ことで、広視野角撮影も3D撮影も可能な複眼カメラが可能になる。スライド方向は上述と同様に直線でも曲線でも良い。
【0054】
以上で実施例の説明を終了する。
【0055】
なお、この発明は上述の実施例に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0056】
a,b,c,d,e,f カメラの識別記号
a1,b1,e1,f1 レンズ中心
a2,b2,c2,d2,e2,f2 光軸
a3,b3,e3,f3 撮像素子
a4,b4,e4,f4 水平方向回転軸
a5,b5,e5,f5 水平方向回転軸
α,α´ カメラの水平画角
β カメラの垂直画角
βV みかけ垂直画角
αm 2眼カメラ最小水平画角
βm 2眼カメラ最小垂直画角
αM 4眼カメラ最小水平画角
βM 4眼カメラ最小垂直画角
θ,θ’ 水平交差角度
λ 垂直交差角度
δ,δ’ 水平画角重なり角度
ε 垂直画角重なり角度
Xab, 光軸a2と光軸b2の平均光軸
Xef 光軸e2と光軸f2の平均光軸
Xabef 平均光軸Xabと平均光軸Xefの平均光軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平画角α(または垂直画角β)の同一の2つのカメラa、bを具備し、カメラa,bのレンズ中心を含む平面上でカメラa,bの光軸を水平画角α(または垂直画角β)に対して0<θ<αなる水平交差角度θ(または0<λ<βなる垂直交差角度λ)で交差するように配置し、カメラa,bのレンズ中心間距離を十分に小さく配置したことを特徴とする複眼カメラ。
【請求項2】
水平画角α、垂直画角βの4つの同一のカメラa,b,e,fを具備し、カメラa,bおよびカメラe,fの両方が請求項1記載の水平交差角度θ(または垂直交差角度λ)で交差した複眼カメラとし、βm=2arctan(|cos(θ/2)|×tan(β/2))
(またはαm=2arctan(|cos(λ/2)|×tan(α/2)))とし、
カメラa,bの平均光軸Xabとカメラe,fの平均光軸Xefの成す平面上でXabとXefの成す角度を0<λ<βmなる垂直交差角度λ(または0<θ<αmなる水平交差角度θ)で交差するようにし、カメラa,eとカメラb,fのレンズ間距離を十分に小さく配置したことを特徴とする複眼カメラ。
【請求項3】
請求項1ないし請求項2の複眼カメラを少なくとも1つ具備し、これら複眼カメラ(/および1眼カメラ)を組み合わせて構成したことを特徴とする複眼カメラ。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の複眼カメラを具備し、画像合成部を具備したことを特徴とする複眼カメラ。
【請求項5】
ズーム機能付きカメラ複数台、光軸角度制御部、カメラ画角検知部および光軸交差角度算出部、光軸角度稼働部を具備し、カメラ画角検知部でズーム機能付きカメラの画角を取得し、カメラ画角検知部からの画角情報を基に光軸交差角度算出部で各カメラ間の交差角度を算出し、光軸角度制御でカメラの光軸を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項4の複眼カメラ。
【請求項6】
レンズ間距離スライド制御部とスライド可動部を具備し、広視野角画像撮影の時には、レンズ間距離制御部の指示でスライド可動部をスライドしてレンズ間距離を第1の距離とし、3D撮影の時にはレンズ間距離を第1の距離より大きな第2の距離にレンズ間距離制御部の指示でスライド可動部をスライドして広げ、同時に光軸角度制御部の指示に従い光軸角度可動部で制御し3D撮影条件にあった角度に変更することを特徴とする請求項5の複眼カメラ。
【請求項7】
レンズ間距離光軸角度連動スライド可動部を具備し、広視野角撮影の時にはレンズ間距離を手動でスライドして第1の距離にし、同時に請求項1の複眼カメラの光軸交差角度を実現し、3D撮影の時にはレンズ間距離を第1の距離より大きな第2の距離に手動でスライドして広げ、同時に3D撮影条件にあった角度にし、3D撮影の視差を実現することを特徴とする複眼カメラ。
【請求項1】
水平画角α(または垂直画角β)の同一の2つのカメラa、bを具備し、カメラa,bのレンズ中心を含む平面上でカメラa,bの光軸を水平画角α(または垂直画角β)に対して0<θ<αなる水平交差角度θ(または0<λ<βなる垂直交差角度λ)で交差するように配置し、カメラa,bのレンズ中心間距離を十分に小さく配置したことを特徴とする複眼カメラ。
【請求項2】
水平画角α、垂直画角βの4つの同一のカメラa,b,e,fを具備し、カメラa,bおよびカメラe,fの両方が請求項1記載の水平交差角度θ(または垂直交差角度λ)で交差した複眼カメラとし、βm=2arctan(|cos(θ/2)|×tan(β/2))
(またはαm=2arctan(|cos(λ/2)|×tan(α/2)))とし、
カメラa,bの平均光軸Xabとカメラe,fの平均光軸Xefの成す平面上でXabとXefの成す角度を0<λ<βmなる垂直交差角度λ(または0<θ<αmなる水平交差角度θ)で交差するようにし、カメラa,eとカメラb,fのレンズ間距離を十分に小さく配置したことを特徴とする複眼カメラ。
【請求項3】
請求項1ないし請求項2の複眼カメラを少なくとも1つ具備し、これら複眼カメラ(/および1眼カメラ)を組み合わせて構成したことを特徴とする複眼カメラ。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の複眼カメラを具備し、画像合成部を具備したことを特徴とする複眼カメラ。
【請求項5】
ズーム機能付きカメラ複数台、光軸角度制御部、カメラ画角検知部および光軸交差角度算出部、光軸角度稼働部を具備し、カメラ画角検知部でズーム機能付きカメラの画角を取得し、カメラ画角検知部からの画角情報を基に光軸交差角度算出部で各カメラ間の交差角度を算出し、光軸角度制御でカメラの光軸を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項4の複眼カメラ。
【請求項6】
レンズ間距離スライド制御部とスライド可動部を具備し、広視野角画像撮影の時には、レンズ間距離制御部の指示でスライド可動部をスライドしてレンズ間距離を第1の距離とし、3D撮影の時にはレンズ間距離を第1の距離より大きな第2の距離にレンズ間距離制御部の指示でスライド可動部をスライドして広げ、同時に光軸角度制御部の指示に従い光軸角度可動部で制御し3D撮影条件にあった角度に変更することを特徴とする請求項5の複眼カメラ。
【請求項7】
レンズ間距離光軸角度連動スライド可動部を具備し、広視野角撮影の時にはレンズ間距離を手動でスライドして第1の距離にし、同時に請求項1の複眼カメラの光軸交差角度を実現し、3D撮影の時にはレンズ間距離を第1の距離より大きな第2の距離に手動でスライドして広げ、同時に3D撮影条件にあった角度にし、3D撮影の視差を実現することを特徴とする複眼カメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−227306(P2011−227306A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97221(P2010−97221)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(301073163)マセマテック株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(301073163)マセマテック株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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