説明

複素環式化合物及びその製造方法

【課題】より低温で、且つより制限が少ない条件で、含窒素のピロリジンやピペリジン、含酸素のフランやピラン骨格等を含む複素環式化合物を製造する方法を実現する。
【解決手段】本発明の複素環式化合物の製造方法は、アミノ基若しくは水酸基含有オレフィンを、分子内ヒドロアミノ化若しくはヒドロアルコキシル化により環化させる複素環式化合物の製造方法であり、ハロゲン化鉄存在下で、分子内環化反応を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複素環式化合物、並びに該複素環式化合物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くの医薬品や農薬は窒素原子や酸素原子を含む環状骨格(複素環)を含んでおり、このような複素環を合成する方法は、合成化学や医化学の分野等において非常に重要である。このような複素環の合成方法として、分子内ヒドロアミノ化反応が報告されており、ヒドロアミノ化反応としては、(a)アミン活性化法、(b)オレフィン活性化法が知られている。
【0003】
前者法では、アミド及びイミド種を経て、反応が進行する。しかし、金属原子のヘテロ原子官能基に対する極端に高い反応性のため、使用できる基質に対する幅広い適応性が期待できない。
【0004】
後者法では、触媒として後周期遷移金属錯体が好ましく用いられるが、アレーン及びアルキンに対してのみしか用いることができず、アルケンに対しては用いることができない。更には、上記反応では、オレフィンの異性化や酸化的アミノ化を伴う場合がある。
【0005】
最近、N−アルキルアミノオレフィンの分子内ヒドロアミノ化反応に幅広く適用することが可能な白金触媒が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】C.F.Bender,R.A.Widenhoefer,J.Am.Chem.Soc.2005,127,1070−1071
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記非特許文献1の方法では、高価な白金を触媒として必要とし、更には長時間と高い反応温度(120℃)を必要とするため、製造コストが高くなるという問題を生じる。このため、より低温でヒドロアミノ化反応等に用いることができる、より実用的な触媒系による複素環式化合物の製造方法が望まれていた。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、より低温で、且つより制限が少ない条件で複素環式化合物を製造することができる、複素環式化合物の製造方法、並びに該方法により得られる複素環式化合物を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明者は、鉄のオレフィンに対する高い親和性に着目し、安価で、且つ無害であるにも拘らず、ヒドロアミノ化反応の触媒には利用することができないと考えられていた鉄を含む触媒について、鋭意検討を行った。その結果、特定の鉄化合物をヒドロアミノ化反応の触媒として用いた場合に、低温でかつ高い収率で反応を行なうことができることを見出した。更には、同触媒をヒドロアルコキシル化反応の触媒として用いた場合にも、低温、短時間でかつ高い収率で反応を行なうことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明に係る複素環式化合物の製造方法は、上記課題を解決するために、アミノ基若しくは水酸基含有オレフィンを、分子内ヒドロアミノ化若しくはヒドロアルコキシル化により環化させる複素環式化合物の製造方法であり、ハロゲン化鉄存在下で、分子内環化反応を行なうことを特徴としている。
【0010】
上記方法によれば、ハロゲン化鉄存在下で、分子内環化反応を行なうため、80℃程度の低い温度であっても短時間で環化反応を進行させることができる。また、反応系内に酸素、水等の存在に影響されること無く、反応は進行する。つまり、反応前に、減圧乾燥や不活性ガスによる置換等の特別な操作を行う必要がない。従って、上記方法によれば、より低温で、且つより制限が少ない条件で含窒素のピロリジンやピペリジン、含酸素のフランやピラン骨格等を含む複素環式化合物を製造することができるという効果を奏する。
【0011】
更には、上記方法では、反応の収率が高く、副反応が全く起こらず、得られる生成物中には副生物が少ないため、反応後の精製を容易に行うことができる。
【0012】
また、ハロゲン化鉄は、他の触媒と比較して安価であり、安全性が高い。更には、本発明の製造方法では、他に様々な官能基が共存している系であっても、反応を進行させることができる。このため、モノモリン等の多様なアルカロイド系医薬品等、高度で複雑な医薬品を安全、安価、迅速に製造することが可能となる。
【0013】
本発明に係る複素環式化合物の製造方法では、上記アミノ基若しくは水酸基含有オレフィンは下記一般式(I)
【0014】
【化1】

【0015】
(式中、XはNTs基又は酸素原子であり、nは3〜5の整数である)
で表される分子骨格を有することが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、良好に、分子内ヒドロアミノ化若しくはヒドロアルコキシル化による環化を行うことができる。
【0017】
本発明に係る複素環式化合物は、上記課題を解決するために、下記一般式(II)
【0018】
【化2】

【0019】
(式中、Rはエチル基若しくはn−プロピル基である)
で表される構造を有することを特徴としている。
【0020】
上記構成によれば、窒素を含む環状骨格(複素環)を含んでいるため、医薬品若しくは医薬品中間体等として好適に用いることができる複素環式化合物を提供することができるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明に係る複素環式化合物は、上記課題を解決するために、下記一般式(III)
【0022】
【化3】

【0023】
(式中、Rはメトキシ基、OTs基、又はヨウ素である)
で表される構造を有することを特徴としている。
【0024】
上記構成によれば、窒素を含む環状骨格(複素環)を含んでいるため、医薬品若しくは医薬品中間体等として好適に用いることができる複素環式化合物を提供することができるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明に係る複素環式化合物は、上記課題を解決するために、下記一般式(IV)
【0026】
【化4】

【0027】
(式中、YはTs−N基又は酸素である)
で表される構造を有することを特徴としている。
【0028】
上記構成によれば、窒素を含む環状骨格(複素環)を含んでいるため、医薬品若しくは医薬品中間体等として好適に用いることができる複素環式化合物を提供することができるという効果を奏する。
【0029】
また、本発明に係る複素環式化合物は、上記課題を解決するために、下記式(V)
【0030】
【化5】

【0031】
で表される構造を有することを特徴としている。
【0032】
上記構成によれば、窒素を含む環状骨格(複素環)を含んでいるため、医薬品若しくは医薬品中間体等として好適に用いることができる複素環式化合物を提供することができるという効果を奏する。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る複素環式化合物の製造方法は、以上のように、アミノ基若しくは水酸基含有オレフィンを、分子内ヒドロアミノ化若しくはヒドロアルコキシル化により環化させる複素環式化合物の製造方法であり、ハロゲン化鉄存在下で、分子内環化反応を行なうことを特徴としている。
【0034】
このため、反応前に、減圧乾燥や不活性ガスによる置換等の特別な操作を行う必要がない。従って、上記方法によれば、より低温で、且つより制限が少ない条件で含窒素のピロリジンやピペリジン、含酸素のフランやピラン骨格等を含む複素環式化合物を製造することができるという効果を奏する。
【0035】
また、本発明に係る複素環式化合物は、以上のように、それぞれ上記一般式(II)〜(IV)並びに上記式(V)で表される構造を有することを特徴としている。
【0036】
このため、様々な医薬品若しくは医薬品中間体等として好適に用いることができる複素環式化合物を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明について詳しく説明する。尚、本明細書において、範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下であることを示す。また、「Ts」はトシル基、即ちp−トルエンスルホニル基(p−CH−CSO−)を示す。
【0038】
本発明に係る複素環式化合物の製造方法は、アミノ基若しくは水酸基含有オレフィンを、分子内ヒドロアミノ化若しくはヒドロアルコキシル化により環化させる複素環式化合物の製造方法であり、ハロゲン化鉄存在下で、分子内環化反応を行なう。
【0039】
上記アミノ基若しくは水酸基含有オレフィンは下記一般式(I)
【0040】
【化6】

【0041】
(式中、XはNTs基又は酸素原子であり、nは3〜5の整数である)
で表される分子骨格を有することが好ましい。上記式(I)中のnは、より好ましくは3〜4の範囲内であり、特に好ましくは3である。尚、上記式(I)中における炭素原子から伸びている直線は、炭素原子の結合手を意味し、該結合種を有する炭素原子には、どのような化学構造の置換基が置換されていてもかまわないことを意味する。
【0042】
上記分子骨格を有する化合物としては、例えば、後述する実施例における化合物1a〜1i、化合物3、化合物7、化合物9、化合物11、化合物21a、化合物23a〜23e、化合物26a〜26e等が挙げられる。つまり、上記分子骨格を有する化合物としては、メトキシ基やTsO基やヨウ素等の官能基が置換されている場合(例えば、化合物1f〜1h参照)や、オレフィンとH−X基が2組以上分子内に置換されている場合(例えば、化合物1i、化合物3参照)であってもよい。
【0043】
一般式(I)で表されるオレフィンを用いた、分子内ヒドロアミノ化若しくはヒドロアルコキシル化により複素環式化合物を合成する反応は、例えば、下記反応式(VI)
【0044】
【化7】

【0045】
(式中、XはNTs基又は酸素原子であり、nは3〜5の整数であり、qは1又は2であり、pは(n−q−1)である)
に示す反応により行なうことができる。尚、上記式(VI)中における分子骨格(i)は上記式(I)に示す分子骨格と同じである。また、分子骨格(ii)における炭素原子から伸びている直線は、分子骨格(i)と同様に炭素原子の結合手を意味し、該結合種を有する炭素原子には、それぞれ独立に、どのような化学構造の置換基が置換されていてもかまわないことを意味する。また、qが2である場合、並びにpが2以上である場合における反応式(VI)の括弧に囲まれた各炭素原子は、同じ化学構造の置換基が置換された繰り返し単位を意味するものではなく、各炭素原子には、それぞれ独立に異なる化学構造の置換基が置換されていてもかまわない。つまり、「−(C)−」は、「A−CH−CH−A」であってもよいし、「A−CH−CH−B」であってもよい。
【0046】
反応式(VI)により得られる複素環式化合物としては、含窒素若しくは含酸素の5員環又は6員環を有する化合物であれば特には限定されないが、例えば、下記一般式(II)
【0047】
【化8】

【0048】
(式中、Rはエチル基若しくはn−プロピル基である)
で表される構造を有する化合物(後述する実施例における複素環式化合物2c、2d)や、下記一般式(III)
【0049】
【化9】

【0050】
(式中、Rはメトキシ基、OTs基、又はヨウ素原子である)
で表される構造を有する化合物(後述する実施例における複素環式化合物2f〜2h)や、下記一般式(IV)
【0051】
【化10】

【0052】
(式中、YはTs−N基又は酸素原子である)
で表される構造を有する化合物(後述する実施例における複素環式化合物2i、複素環式化合物6)や、下記式(V)
【0053】
【化11】

【0054】
で表される構造を有する化合物(後述する実施例における複素環式化合物12)が挙げられる。またその他にも、後述する実施例における複素環式化合物2a、複素環式化合物2b、複素環式化合物2e、複素環式化合物4、複素環式化合物5、複素環式化合物8、複素環式化合物10、複素環式化合物12、複素環式化合物22a、複素環式化合物24a〜24d、複素環式化合物25b、複素環式化合物25c、複素環式化合物27a〜27e等が挙げられる。つまり、上記複素環式化合物としては、従来公知の製造方法では合成することが困難であった、メトキシ基やTsO基やヨウ素等の官能基が置換された化合物(例えば、複素環式化合物2f〜2h参照)や、含窒素及び/又は含酸素の5員環若しくは6員環を有する化合物(例えば、複素環式化合物2i、6参照)であっても合成することができる。
【0055】
上記分子内環化反応では反応が良好に進行するため、反応温度を100℃以下に設定することができる。より好ましくは20℃〜100℃の範囲内であり、特に好ましくは80℃である。
【0056】
上記分子内環化反応で使用することができる溶媒としては、反応に用いる基質の種類や反応温度等により適宜選択すればよいが、後述する参考例に示すように、分子内ヒドロアミノ化反応では、DCE(1,2−ジクロロエタン)、クロロホルム等のハロゲン系溶媒や、ヘキサン等の飽和炭化水素や、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素や、1,4−ジオキサン等の非極性溶媒等を好ましく用いることができる。これらの中でも、上記ハロゲン系溶媒や、上記飽和炭化水素がより好ましい。
【0057】
一方、分子内ヒドロアルコキシル化反応では、上記ハロゲン系溶媒、飽和炭化水素、芳香族炭化水素に加えて、THFやアセトニトリル等の中程度の極性を有する溶媒も好ましく用いることができる。これらの中でも、上記ハロゲン系溶媒や、上記飽和炭化水素、上記芳香族化合物がより好ましい。
【0058】
尚、上記ハロゲン系溶媒としては、DCE(1,2−ジクロロエタン)、クロロホルムには限定されず、例えば、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジブロモエタン等であってもよい。
【0059】
また、上記飽和炭化水素としては、ヘキサンには限定されず、例えば、ペンタン、ヘプタン、オクタン等であってもよい。
【0060】
また、上記芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエンには限定されず、例えば、キシレン、エチルベンゼン等であってもよい。
【0061】
上記分子内環化反応で使用することができるハロゲン化鉄としては、例えば、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄等が挙げられ、具体的には、FeCl若しくはその水和物、FeBr若しくはその水和物、FeCl若しくはその水和物、FeBr若しくはその水和物等が挙げられる。これらの中でも、FeCl若しくはその水和物がより好ましく、FeCl若しくはその6水和物が特に好ましい。
【0062】
また、上記ハロゲン化鉄に加えて、AgOTf(「Tf」は「−SOCF」)等の金属トリフラートを加えて使用してもよい。これにより、例えば、Fe(OTf)のようなカチオン性鉄錯体を反応系内に生成させることができる。
【0063】
上記ハロゲン化鉄の使用量としては、基質1molに対して0.01〜0.2molの範囲内が好ましく、特に好ましくは0.1mol前後である。また、金属トリフラートの使用量としては、ハロゲン化鉄1molに対して、該ハロゲン化鉄の価数倍のモル数(例えば、3価の鉄の場合では、3mol)用いることができる。
【0064】
上記分子内環化反応では、反応系内に酸素、水等が存在していても反応は良好に進行する。このため、反応前に、減圧乾燥や不活性ガスによる置換等の特別な操作を行う必要がない。また、上記分子内環化反応は、副反応も起こらず高い収率で進行するため、得られた複素環式化合物には触媒(ハロゲン化鉄等)以外には、ほとんど不純物が含まれない。よって、精製操作が容易である。従って、本発明に係る製造方法では、入手コストの低いハロゲン化鉄により、低い反応温度で進行し、上記のように減圧乾燥等の特別な操作を行う必要がないため、非常に低コストで複素環式化合物を製造することができる。
【0065】
また、触媒であるハロゲン化鉄は、毒性が低いため、特別な精製操作を行うことなく、医薬品若しくは医薬品原料として用いることができる。
【実施例】
【0066】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0067】
尚、以下の全ての反応は、不活性ガス等で置換することなく、空気中で行なった。また、1,4−ジオキサン、THF(tetrahydrofuran)、DMSO(dimethyl sulfoxide)やDMF(N,N-dimethylformamide)等の溶媒は、使用する前に乾燥、並びに蒸留により精製した。他の溶媒や化学物質は、購入したものをそのまま用いた。ヒドロアミノ化反応で用いた基質は、対応するアミン化合物のトシル化により合成した。トシル化は対応するアミン(−NH)と塩化トシル及び過剰量のトリエチルアミンをジクロロメタン溶媒中で反応させ、その粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製することにより得た。H−NMR(Lambda-400、日本電子社製)及び13C−NMR(Lambda-400、日本電子社製)は、それぞれ400MHz、100MHzで測定した。マススペクトル(EI)は、GCマス分析機器(GCMS QP-5050A、島津社製)、70eVで測定した。
【0068】
また、ヒドロアミノ化反応で用いた基質は、「C.F.Bender,R.A.Widenhoefer,J.Am.Chem.Soc.2005,127,1070−1071」の記載に基づいてそれぞれ合成した。また、ヒドロアルコキシル化反応で用いた基質は、「H.Qian.X.Han,R.A.Widenhoefer,J.Am.Chem.Soc.2004,126,9536−9537」の記載に基づいてそれぞれ合成した。
【0069】
〔実施例1〕
後述する表1に示す化合物1a(267mg,1mmol)、FeCl・6HO(27mg,0.1mmol)、及びDCE(1,2−ジクロロエタン)10mLの混合物をシリカゲルTLCで反応をモニターしながら、80℃で2時間加熱した。その後、反応溶液を冷却し、水10mLでクエンチした。そして、ジエチルエーテル20mLで水相から抽出し、該抽出物を有機相と併せ、食塩水10mLで洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥させた。ろ過並びに溶媒をエバポレーターにより除去させた後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル(60〜230メッシュ)、ヘキサン/酢酸エチル(3:1))で精製することにより、白色固体(融点:82−83℃)の複素環式化合物2a(表1参照)(259mg,0.97mmol,収率97%)が得られた。以下に分析値のデータを示す。
【0070】
1H NMR (CDCl3) δ 0.53 (3H, s), 1.02 (3H, s), 1.34-1.42 (1H, m), 1.41 (3H, d, J = 6.3 H), 1.56 (1H, s), 1.72 (1H, dd, J = 12.6, 7.3 Hz), 2.41 (3H, s), 3.05 (1H, d, J = 10.6 Hz), 3.15 (1H, d, J = 10.6 Hz), 3.56-3.69 (1H, m), 7.30 (2H, J = 7.9 H), 7.72 (2H, J = 8.3 H); 13C NMR (CDCl3) δ 21.5, 22.7, 25.8, 26.5, 37.1, 48.8, 55.9, 61.4, 127.4, 129.4, 135.2, 143.0; MS m/s 267 (M+, 5), 252 (100), 155 (51), 91 (86), 56 (98). Anal. Calcd for C14H21NO2S: C, 62.89; H, 7.92; N, 5.24. Found: C, 63.04; H, 7.85; N, 5.22
【0071】
〔実施例2〕
後述する表1に示す化合物1aを化合物1bに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、無色油状の複素環式化合物2b(表1参照)(収率99%以上)が得られた。以下に分析値のデータを示す。
【0072】
1H NMR (CDCl3) δ1.08 (6H, s), 1.49 (6H, s), 1.70 (2H, s), 2.42 (3H, s), 3.07 (2H, s), 7.28 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.73 (2H, d, J = 8.3 Hz); 13C NMR (CDCl3) δ 22.1, 24.7, 26.3, 29.2, 30.9, 33.1, 53.1, 55.9, 127.3, 129.9, 130.4, 139.2, 139.5, 143.3; MS m/s 281 (M+, 1), 266 (100), 155 (33), 91 (53). Anal. Calcd for C15H20NO2S: C, 64.02; H, 8.24; N, 4.98. Found: C, 64.10; H,8.41; N, 5.26
【0073】
〔実施例3〕
後述する表1に示す化合物1aを化合物1cに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、白色固体の複素環式化合物2c(表1参照)(収率95%)が得られた。以下に分析値のデータを示す。
【0074】
1H NMR (CDCl3) δ 0.53 (3H, s), 0.85 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.02 (3H, s), 1.43 (1H, dd, J = 12.5, 8.7 Hz), 1.52-1.63 (1H, m), 1.68 (1H, dd, J =12.6, 6.7 Hz), 2.00-2.20 (1H, m), 2.42 (3H, s), 3.10 (1H, d, J = 10.7 Hz), 3.15 (1H, d, J = 10.7 Hz), 3.46-3.60 (1H, m), 7.29 (2H, d, J = 8.2 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.2 Hz); 13C NMR (CDCl3) δ 9.7, 21.5, 25.9, 26.5, 29.0, 37.3, 45.6, 61.5, 127.4, 129.5, 135.7, 143.0; MS m/s 281 (M+, 0.1), 266 (0.2), 252 (40), 155 (41), 91 (100)
【0075】
〔実施例4〕
後述する表1に示す化合物1aを化合物1dに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、黄色油状の複素環式化合物2d(表1参照)(収率95%)が得られた。以下に分析値のデータを示す。
【0076】
1H NMR (CDCl3) δ 0.54 (3H, s), 0.92 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.02 (3H, s), 1.20-1.31 (2H, m), 1.42 (1H, dd, J = 12.6, 8.5 Hz), 1.48-1.57 (1H, m), 1.69 (1H, dd, J = 12.6, 7.2 Hz), 2.04-2.13 (1H, m), 2.42 (3H, m), 3.09 (1H, d, J = 10.8 Hz), 3.13 (1H, d, J = 10.8 Hz), 3.50-3.60 (1H, m), 7.29 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.72 (2H, J = 8.3 Hz); 13C NMR (CDCl3) δ 14.1, 19.0, 21.5, 25.9, 26.5, 37.3, 38.6, 46.3, 60.3, 61.3, 127.4, 129.5, 135.7, 143.0; MS m/s 295 (M+, 0.3), 252 (100), 155 (39), 91 (48). Anal. Calcd for C16H25NO2S: C, 65.05; H, 8.53; N, 4.74. Found: C, 64.98; H, 8.68; N, 4.83
【0077】
〔実施例5〕
後述する表1に示す化合物1aを化合物1eに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、白色固体の複素環式化合物2e(表1参照)(収率97%)が得られた。以下に分析値のデータを示す。
【0078】
1HNMR (CDCl3) mixture of trans- and cis-isomers: δ 1.19 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.33 (6H, d, J = 6.5 Hz), 1.45-1.57 (4H, m), 2.08-2.14 (4H, m), 2.41 (3H, s), 2.42 (3H, s), 3.67-3.69 (2H, m), 3.99-4.04 (2H, m), 7.24-7.31 (2H, m), 7.70-7.75 (2H, m); 13C NMR (CDCl3) δ major: 21.4, 23.7, 31.1, 56.2, 126.9, 129.4, 139.7, 142.5, minor: 21.3, 23.6, 32.0, 57.5, 127.4, 129.5, 135.2, 143.0; MS m/s major: 253 (M+, 1), 238 (44), 155 (43), 91 (100), minor: 253 (M+, 3), 238 (62)
【0079】
〔実施例6〕
後述する表1に示す化合物1aを化合物1fに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、無色油状の複素環式化合物2f(表1参照)(収率96%)が得られた。以下に分析値のデータを示す。
【0080】
1H NMR (CDCl3) δ major: 1.02 (3H, s), 1.32 (1H, dd, J = 13.0, 8.5 Hz), 1.38 (3H, d, J = 4.1 Hz), 1.89 (1H, dd, J = 13.0, 7.4 Hz), 2.40 (3H, s), 2.49 (1H, d, J = 8.8 Hz), 2.57 (1H, d, J = 8.8 Hz), 3.07 (1H, d, J = 11.2Hz), 3.27 (3H, s), 3.29 (1H, d, J = 11.2 Hz), 3.51-3.64 (1H, m), 7.27-7.30 (2H, m), 7.68-7.71 (2H, m), minor: 0.55 (3H, s), 1.37 (3H, d, J = 4.1 Hz), 1.51 (1H, dd, J = 12.8, 8.7 Hz), 1.61 (1H, dd, J = 12.8, 7.4 Hz), 2.30 (2H, s), 2.39 (3H, s), 2.98 (3H, s), 2.98 (1H, d, J = 10.4 Hz), 3.33 (1H, d, J = 10.4 Hz), 3.51-3.64 (1H, m), 7.27-7.30 (2H, m), 7.68-7.71 (2H, m); 13C NMR (CDCl3) δ major: 21.4, 22.5, 22.9, 41.6, 44.1, 55.4, 57.1, 58.8, 77.3, 127.4, 129.4, 135.0, 143.0, minor: 21.4, 21.8, 22.5, 41.4, 44.4, 55.7, 58.0, 59.2, 78.9, 127.4, 129.4, 134.9, 143.1; MS m/s major: 298 (M++ 1, 0.1), 297 (M+, 0.01), 282 (8), 250 (6), 142 (100), minor: 298 (M+ + 1, 1.0), 297 (M+, 4), 282 (46), 250 (17), 142 (100). Anal. Calcd for C15H23NO3S: C, 60.58; H, 7.79; N, 4.71. Found: C, 60.61; H, 7.82; N, 4.62
【0081】
〔実施例7〕
後述する表1に示す化合物1aを化合物1gに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、白色固体の複素環式化合物2g(表1参照)(収率81%)が得られた。以下に分析値のデータを示す。
【0082】
1H NMR (CDCl3) δ major: 0.62 (3H, s), 1.31 (3H, d, J = 4.3 Hz), 1.29-1.33 (1H, m), 1.93 (1H, dd, J = 13.3, 7.5 Hz), 2.415 (3H, s), 2.45 (3H, s), 3.11 (1H, d, J = 11.3 Hz), 3.16 (1H, d, J = 11.3 Hz), 3.53-3.61 (1H, m), 3.75 (1H, J = 9.4 Hz), 3.79 (1H, d, J = 9.4 Hz), 7.29-7.36 (4H, m), 7.63-7.76 (4H, m), minor: 1.00 (3H, s), 1.35 (3H, d, J = 4.3 Hz), 1.46 (1H, dd, J = 12.9, 8.3 Hz), 1.65 (1H, dd, J = 12.9, 7.5 Hz), 2.424 (3H, s), 2.45 (3H, s), 2.96 (1H, d, J = 10.9 Hz), 3.22 (1H, d, J = 10.9 Hz), 3.23 (1H, d, J = 9.6 Hz), 3.30 (1H, d, J = 9.6 Hz), 3.45-3.53 (1H, m), 7.29-7.36 (4H, m), 7.63-7.76 (4H, m); 13C NMR (CDCl3) δ major: 21.3, 21.5, 21.6, 22.4, 38.1, 41.1, 43.4, 73.2, 74.9, 127.5, 127.8, 129.8, 129.8, 132.4, 134.4, 143.5, 145.1, minor: 21.5, 21.6, 22.0, 22.6, 38.8, 40.6, 43.4, 60.3, 73.5, 127.3, 127.7, 129.6, 130.0, 132.3, 134.4, 143.7, 144.9. Anal. Calcd for C21H27NO5S2: C, 57.64; H, 6.22; N, 3.20. Found: C, 57.39; H, 6.09; N, 3.18
【0083】
〔実施例8〕
後述する表1に示す化合物1aを化合物1hに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、無色油状の複素環式化合物2h(表1参照)(収率93%)が得られた。以下に分析値のデータを示す。
【0084】
1H NMR (CDCl3) δ major: 0.72 (3H, s), 1.41 (3H, d, J = 6.0 Hz), 1.83 (1H, dd, J = 12.6, 7.2 Hz), 1.47 (1H, dd, J = 12.6, 7.4 Hz), 2.43 (3H, s), 2.69 (1H, d, J = 10.1 Hz), 2.76 (1H, d, J = 10.1 Hz), 3.26-3.39 (2H, m), 3.57-3.66 (1H, m), 7.32 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.1), minor: 1.17 (3H, s), 1.42 (3H, d, J = 6.1 Hz), 1.47 (1H, dd, J = 13.3, 7.2 Hz), 1.47 (1H, dd, J = 13.3, 7.5 Hz), 2.43 (3H, s), 2.83 (1H, d, J = 10.9 Hz), 2.95 (1H, d, J =10.9 Hz), 3.26-3.39 (2H, m), 3.65-3.74 (1H, m), 7.33 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.74 (2H, d, J = 8.0 Hz); 13C NMR (CDCl3)δ major: 17.6, 21.5, 22.6, 24.1. 40.9, 46.8, 56.2, 59.7, 127.5, 129.6, 134.9, 143.4, minor: 17.9, 22.1, 22.6, 25.7, 41.4, 46.4, 55.6, 58.6, 127.5, 129.8, 134.8, 143.5; MS m/s major: 393 (M+, 0.5), 378 (13), 266 (63), 198 (29), 184 (29), 155 (72), 91 (100), minor: 393 (M+, 0.02), 378 (1), 266 (33), 198 (26), 184 (27), 155 (70), 91 (100). Anal. Calcd forC14H20NO2S: C, 42.76; H, 5.13; N, 3.56. Found: C, 42.74; H, 5.17; N, 3.67
【0085】
〔実施例9〕
後述する表1に示す化合物1aを化合物1iに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、白色固体の複素環式化合物2i(表1参照)(収率82%)が得られた。以下に分析値のデータを示す。
【0086】
1H NMR (CDCl3) δ mixture of isomers 1.23-1.42 (m), 1.50 (dd, J = 12.7, 7.4 Hz), 1.75 (dd, J = 12.8, 7.5Hz), 1.95-2.18 (m), 2.41-2.43 (m), 2.44-2.49 (m), 2.78-2.83 (m), 3.49-3.58 (m), 3.66-3.75 (m); 13C NMR (CDCl3) δ assignable peaks isomer 1: 21.56, 22.35, 22.89, 39.49, 41.21, 44.78, 46.30, 55.07, 55.62, 57.20, 126.79, 127.30, 129.70, 129.72, 133.10, 136.85, 143.51, 143.76, isomer 2: 21.49, 22.64, 22.90, 38.62, 42.10, 43.96, 46.28, 55.60, 55.70, 56.73, 127.27, 127.33, 129.64, 129.83, 133.09, 133.86, 143.48, 144.18, isomer 3: 21.54, 22.37, 22.91, 42.30, 43.34, 46.47, 46.29, 55.21, 55.46, 56.87, 127.50, 127.51, 129.55, 129.62, 132.74, 135.44, 143.52, 143.59, isomer 4: 21.46, 22.67, 22.92, 40.39, 43.74, 43.76, 46.24, 55.25, 55.78, 57.61, 126.94, 126.97, 129.60, 129.75, 134.05, 134.71, 142.62, 143.65. Anal. Calcd for C23H30N2O4S2: C, 59.71; H, 6.54; N, 6.06. Found: C, 59.61; H, 6.49; N, 5.83
【0087】
【表1】

【0088】
尚、表1中「収率」は単離した生成物の収率であり、「(d.r.)」はH若しくは13C−NMRで測定した。
【0089】
〔参考例1〜8〕
反応に用いる溶媒を変更して、溶媒による反応性への影響について調べた。具体的には、DCE(1,2−ジクロロエタン)を下記表2に示す溶媒に変更し、反応時間を1時間に短縮したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表2に示す。
【0090】
【表2】

【0091】
尚、表2中「2a[%]」は内部基準物質に基きH−NMRにより求めた。
【0092】
〔実施例10〕
化合物1aを下記反応式(VII)
【0093】
【化12】

【0094】
に示す化合物3に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、無色油状の複素環式化合物4及び5(生成比4:1,収率96%)が得られた。以下に分析値のデータを示す。
【0095】
<複素環式化合物4>
IR (Neat) 3287, 1643, 1597, 1157 cm-1; 1H NMR (CDCl3) δ major: 1.21 (3H, d, J = 6.1 Hz), 1.24 (1H, dd, J = 13.1, 6.5 Hz), 1.96 (1H, dd, J = 13.1, 6.2 Hz), 2.19 (2H, d, J = 7.2 Hz), 2.43 (3H, s), 2.87 (1H, d, J= 6.9 Hz), 2.89 (1H, d, J = 6.9 Hz), 3.44 (1H, d, J = 9.2 Hz), 3.60 (1H, J = 9.2 Hz), 4.03-4.09 (1H, m), 4.70 (1H, br s), 5.05 (2H, m), 5.62 (1H, m), 7.30-7.32 (2H, m), 7.71-7.73 (2H, m), minor: 1.31 (3H, d, J = 6.1 Hz), 1.42 (1H, dd, J =12.8, 6.8 Hz), 1.85 (1H, dd, J = 12.8, 7.0 Hz), 2.18 (2H, d, J = 7.2 Hz), 2.43 (3H, s), 2.85-2.89 (2H, m), 3.42 (1H, d, J= 9.3 Hz), 3.58 (1H, d, J = 9.3 Hz), 3.90-4.00 (1H, m), 4.70 (1H, br s), 5.05 (2H, m), 5.62 (1H, m), 7.30-7.32 (2H, m), 7.71-7.73 (2H, m); 13C NMR (CDCl3) δ major: 20.6, 21.2, 40.9, 42.6, 47.3, 48.6, 74.9, 75.65, 118.6, 127.0, 129.8, 134.0, 143.5, one peak was not observed, minor: 14.8, 21.5, 40.1, 42.2, 46.8, 50.2, 75.2, 75.70, 118.7, 127.0, 129.8, 133.7, 136.8, one peak was not observed; MS m/s major: 309 (M+, 0.1), 184 (42), 155 (59), 137 (38), 91 (100), minor: 309 (M+, 1), 294 (37), 184 (42), 155 (78), 154 (28), 91 (100). Anal. Calcd for C16H23NO3S: C, 62.11; H, 7.49; N, 4.53. Found: C, 62.06; H, 7.54; N, 4.61
【0096】
<複素環式化合物5>
1H NMR (CDCl3) major: 1.39 (3H, d, J = 6.0 Hz), 1.54 (1H, br s), 1.37-1.43 (1H, m), 1.91 (1H, dd, J = 14.1, 7.1 Hz), 2.20 (2H, d, J = 7.5 Hz), 2.43 (3H, s), 2.92 (1H, d, J = 5.2 Hz), 2.99 (1H, d, J = 5.2Hz), 3.14 (1H, d, J = 11.0 Hz), 3.33 (1H, d, J = 11.0 Hz), 3.60-3.71 (1H, m), 5.06-5.10 (2H, m), 5.69-5.78 (1H, m), 7.31-7.33 (2H, m), 7.71-7.74 (2H, m), minor: 1.40 (3H, d, J = 6.3 Hz), 1.45 (1H, dd, J = 13.0, 8.0 Hz), 1.54 (1H, br s), 1.81 (1H, dd, J = 13.0, 7.8 Hz), 2.16 (2H, d, J = 7.2 Hz), 2.43 (3H, s), 2.89 (1H, d, J = 5.8 Hz), 3.02 (1H, d, J = 5.8Hz), 3.34 (1H, d, J = 10.4 Hz), 3.35 (1H, d, J = 10.4 Hz); 3.54-3.60 (1H, m), 4.87-5.01 (2H, m), 5.52-5.64 (1H, m), 7.31-7.33 (2H, m), 7.71-7.74 (2H, m); 13C NMR (CDCl3) δ major: 21.5, 22.7, 36.4, 39.4, 41.8, 47.4, 55.5, 64.7, 66.0, 118.6, 127.0, 129.6, 133.2, 143.4, minor: 21.4, 22.6, 38.6, 41.4, 45.9, 56.3, 55.0, 66.6, 66.7, 118.4, 127.4, 129.8, 134.0, 136.9; MS m/s major: 309 (M+, 0.5), 294 (28), 154 (68), 91 (100), minor: 309 (M+, 0.1), 294 (1), 198 (12), 184 (19), 155 (80), 91 (100). Anal. Calcd for C16H23NO3S: C, 62.11; H, 7.49; N, 4.53. Found: C, 62.14; H, 7.48; N, 4.47
【0097】
〔実施例11〕
化合物1aを上記反応式(VII)に示す化合物3とし、反応時間を11時間に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、無色油状の複素環式化合物6(収率95%)が得られた。以下に分析値のデータを示す。
【0098】
1H NMR (CDCl3) mixture of isomers: 1.13-1.15 (m), 1.18-1.22 (m), 1.36-1.38 (m), 1.42-1.45 (m), 1.44-1.51 (1H, m), 1.52-1.64 (m), 1.90-2.00 (m), 2.07 (1H, dd, J = 12.6, 6.3 Hz), 2.42-2.43 (m), 2.87-2.92 (m), 3.16-3.21 (m), 3.30-3.45 (m), 3.50-3.61 (m), 3.65-3.78 (m), 3.82-3.99 (m), 7.30-7.33 (m), 7.70-7.74 (m); 13C NMR (CDCl3) δ isomer 1: 20.8, 21.42, 22.75, 44.09, 44.51, 49.05, 55.90, 58.40, 75.06, 75.51, 127.38, 129.50, 133.87, 143.48, isomer 2: 20.9, 21.08, 22.60, 44.34, 44.01, 49.18, 55.77, 57.92, 74.77, 75.35, 127.36, 129.57, 134.23, 143.37, isomer 3; 21.0, 21.39, 22.58, 43.07, 44.20, 48.93, 56.02, 58.20, 74.81, 76.03, 127.31, 129.59, 134.69, 143.47, isomer 4; 20.6, 21.11, 22.81, 43.91, 48.90, 55.66, 59.06, 74.72, 76.28, 127.49, 129.64, 134.45, 143.33, one peak was overlap with somewhere; Anal. Calcd for C16H23NO3S: C, 62.11; H, 7.49; N, 4.53. Found: C, 62.04; H, 7.54; N, 4.60
【0099】
〔実施例12〕
化合物1aを下記反応式(VIII)
【0100】
【化13】

【0101】
に示す化合物7とし、反応時間を7時間に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、複素環式化合物2c及び8(生成比3:1,収率96%)の混合物が得られた。以下に複素環式化合物8の分析値のデータを示す。
【0102】
1H NMR (CDCl3) δ 0.90-0.92 (9H, m), 1.21-1.29 (3H, m), 1.88-1.96 (1H, m), 2.41 (3H, s), 2.68 (1H, d, J = 12.7 Hz), 3.24 (1H, d, J =12.7 Hz), 4.18-4.24 (1H, m), 7.26 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.68 (2H,d, J = 8.1 Hz); 13C NMR (CDCl3) δ 14.0, 23.3, 27.2, 28.9, 30.6, 31.7, 47.8, 50.5, 127.0, 129.4, 138.2, 142.7; MS m/s major: 281 (M+, 3), 266 (100), 155 (25), 91 (30)
【0103】
〔実施例13〕
化合物1aを下記反応式(IX)
【0104】
【化14】

【0105】
に示す化合物9とし、反応時間を11時間に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、複素環式化合物2d及び10(生成比2:1,収率95%)の混合物が得られた。以下に複素環式化合物10の分析値のデータを示す。
【0106】
1H NMR (CDCl3) δ 0.75 (3H, t, J = 7.4 Hz), 0.83 (3H, s), 0.87 (3H, s), 1.18-1.31 (3H, m), 1.50-1.56 (1H, m), 1.73-1.82 (1H, m), 2.07-2.15 (1H, m), 2.41 (3H, s), 2.68 (1H, d, J = 13.0 Hz), 3.28 (1H, d, J = 13.0 Hz), 3.87-3.91 (1H, m), 7.25 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.68 (2H,d, J = 8.3 Hz); 13C NMR (CDCl3) δ 11.1, 20.9, 23.1, 23.5, 29.0, 30.3, 31.8, 51.0, 54.0, 127.0, 129.4, 138.9, 142.6; MS m/s major: 295 (M+, 0.1), 280 (0.2), 266 (94), 155 (52), 91 (100)
【0107】
〔実施例14〕
化合物1aを下記反応式(X)
【0108】
【化15】

【0109】
に示す化合物11としたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、無色油状の複素環式化合物12(収率94%)が得られた。以下に分析値のデータを示す。
【0110】
1H NMR (CDCl3) δ 0.80 (6H, s), 1.23 (2H, t, J = 7.3 Hz), 2.10 (2H, m), 2.40 (3H, s), 2.85 (1H, d, J = 13.3 Hz), 3.40 (1H, J = 13.3 Hz), 5.23 (1H, m), 7.13-7.23 (7H, m), 7.65 (2H, d, J = 8.1 Hz); 13C NMR (CDCl3) δ 22.1, 24.7, 26.3, 29.2, 30.9, 33.1, 53.1, 55.9, 127.3, 129.9, 130.4, 139.2, 139.5, 143.3; MS m/s 343 (M+, 7), 266 (52), 186 (57), 104 (100), 91 (74). Anal. Calcd for C20H25NO2S: C, 69.93; H, 7.34; N, 4.08. Found: C, 69.92; H, 7.38; N, 4.03
【0111】
〔実施例15〜19〕
化合物1aを下記反応式(XI)
【0112】
【化16】

【0113】
に示す化合物21a 0.5mmolとし、触媒量を化合物21aの10mol%(即ち0.05mmol)とし、触媒を下記表3に示す化合物とし、溶媒の量を5mLとし、反応時間を下記表3に示す時間に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、複素環式化合物22a(灰色固体、mp:42〜44℃)がそれぞれ表3に示す収率で得られた。以下に複素環式化合物22a分析値のデータを示す。
【0114】
1H NMR (CDCl3) δ 1.30 (3H, d, J = 6.3 Hz), 2.26 (1H, dd, J = 12.0, 9.6 Hz), 2.63 (1H, dd, J =12.0, 5.8 Hz), 4.13-4.21 (2H, m), 4.58 (1H, dd, J = 8.7, 0.7 Hz), 7.17-7.31 (10H, m); 13C NMR (CDCl3) δ 21.3, 46.6, 56.4, 74.7, 76.9, 126, 127, 128, 146; MS m/z 238 (M+, 14.8), 208 (60), 193 (100), 180 (85), 130 (98), 115 (82), 91 (41)
【0115】
【表3】

【0116】
尚、表3中「収率(%)」は内部基準物質としてジメチルテレフタレートを用い、H−NMRにより求めた。また、「AgOTf(X)」とは、AgOTfを化合物21aのXmol%用いたことを意味し、例えば、「AgOTf(30)」とは、AgOTfを化合物21aの30mol%(即ち0.15mmol)用いたことを意味する。
【0117】
〔参考例9〜8〕
反応に用いる溶媒を変更して、溶媒による反応性への影響について調べた。具体的には、DCE(1,2−ジクロロエタン)を下記表4に示す溶媒に変更し、反応時間を下記表4に示す時間に変更したこと以外は実施例18と同様の操作を行った。結果を表4に示す。
【0118】
【表4】

【0119】
尚、表4中「収率(%)」は内部基準物質に基きH−NMRにより求めた。
【0120】
〔実施例20〜23〕
化合物21aを下記表5に示す各化合物とし、反応時間を下記表5に示す時間に変更したこと以外は実施例18と同様の操作を行い、各複素環式化合物がそれぞれ表5に示す収率で得られた。
【0121】
【表5】

【0122】
尚、表5中「収率(%)」は単離した生成物の収率である。
【0123】
以下に複素環式化合物24a〜24d並びに複素環式化合物25b、25cの分析値のデータを示す。
【0124】
<複素環式化合物24a>
灰色固体として単離した。1H NMR (CDCl3) δ 1.18 (6H, s), 2.60 (2H, s), 4.43 (2H,s), 7.15-7.28 (10H, m); 13C NMR (CDCl3) δ29.2, 51.3, 56.7, 75.3, 81.3, 126, 127, 128, 147; MS m/z 252 (M+, 7.3), 222 (64), 207 (100), 129 (52), 91 (34) Anal. Calcd for C18H20O: C, 85.67; H, 7.99. Found: C, 85.43; H, 8.09
【0125】
<複素環式化合物24b>
黄色油として単離した。1H NMR (CDCl3) δ0.93 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.50-1.74 (2H, m), 2.27 (1H, dd, J = 12.0, 10.0 Hz), 2.60 (1H, dd, J = 12.0, 6.0 Hz), 3.90-3.98 (1H, m), 4.11 (1H, d, J = 8.9 Hz), 4.62 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.18-7.32 (10H, m); 13C NMR (CDCl3) δ 10.3, 28.9, 44.4, 55.9, 76.7, 80.1, 126.1, 126.3, 127, 128.2, 128.3, 146.1, 146.4; MS m/z 253 (M+, 4.9), 193 (100), 180 (55), 165 (29), 115 (61), 91 (31)
【0126】
<複素環式化合物25b>
1H NMR (CDCl3) δ 1.17 (3H, d, J = 6.0 Hz), 1.16-1.25 (1H, m), 1.52-1.58 (1H,m), 2.37-2.50 (2H,m), 3.53-3.60 (2H,m), 4.64 (1H, dd, J= 12.0, 2.8 Hz), 7.14-7.44 (10H, m); 13C NMR (CDCl3) δ 21.6, 30.0, 34.7, 45.6, 73.9, 75.0, 125.9, 126.6, 127.3, 128.3, 128.6, 129.3, 146.2, 147.1
【0127】
<複素環式化合物24c>
黄色油として単離した。1H NMR (CDCl3) δ0.92 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.29-1.57 (3H, m), 1.62-1.72 (1H, m), 2.28 (1H, dd, J = 12.0, 9.7Hz), 2.60 (1H, dd, J = 12.1, 5.7 Hz), 3.98-4.06 (1H, m), 4.10 (1H, d, J = 8.7 Hz), 4.60 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.17-7.34 (10H, m); 13C NMR (CDCl3) δ 14.2, 19.4, 38.3, 44.9, 56.8, 76.6, 78.6, 126.1, 126.3, 127, 127.1, 128.2, 128.3, 146.1, 146.4; MS m/z 266 (M+, 1.5), 180 (100), 165 (42), 91 (14)
【0128】
<複素環式化合物25c>
1H NMR (CDCl3) δ 0.90 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.18-1.67 (4H, m), 2.36-2.50 (2H,m), 3.31-3.36 (1H,m), 3.55 (1H, d, J = 12.0 Hz), 4.64 (1H, dd, J = 12.0, 2.9 Hz), 7.15-7.44 (10H, m); 13C NMR (CDCl3) δ 9.8, 27.2, 28.7, 34.7, 46.0, 75.0, 79.2, 125.5, 126.2, 127.0, 127.9, 128.2, 128.2, 146.0, 146.8; MS m/z 266 (M+,3.4), 236 (17), 193 (100), 180 (70), 115 (43), 91 (25)
【0129】
<複素環式化合物24d>
白色固体(融点:120〜121℃)として単離した。1H NMR (CDCl3) δ 1.53-1.60 (1H,m), 1.61-1.79 (1H, m), 2.55-2.65 (2H, m), 3.72 (1H, d, J= 12.1 Hz), 4.48 (1H, dd, J = 11.4, 2.5 Hz), 4.80 (1H, dd, J = 12.3, 2.6 Hz); 13C NMR (CDCl3) δ 30.3, 35.1, 45.8, 75.3, 80.3, 125.7, 126.0, 126.4, 127.0, 127.5, 128.0, 128.3, 129.0, 142.6,145.7, 146.5; MS m/z 314 (M+, 0.1), 236 (33), 180 (100), 165 (40), Anal. Calcd for C23H22O: C, 87.86; H, 7.05. Found: C, 87.72; H, 6.91
【0130】
〔実施例24〜28〕
化合物21aを下記表6に示す各化合物とし、反応時間を下記表6に示す時間に変更したこと以外は実施例18と同様の操作を行い、各複素環式化合物がそれぞれ表6に示す収率で得られた。
【0131】
【表6】

【0132】
尚、表6中「収率(%)」は単離した生成物の収率である。また、「Piv」はピバロイル基[(CHCO−]を意味する。
【0133】
以下に複素環式化合物27a〜27eの分析値のデータを示す。
【0134】
<複素環式化合物27a>
黄色油として単離した。1H NMR (CDCl3) δ major: 1.35 (3H, d, J = 6.1 Hz), 1.72-1.79 (1H, m), 1.89 (1H, brs), 2.36 (1H, dd, J = 12.5, 7.7 Hz), 3.64-3.70 (2H, m), 3.85 (1H, d, J = 8.9 Hz), 4.25-4.30 (2H, m), 7.14-7.35 (5H, m), minor: 1.26 (3H, d, J = 6.1 Hz), 1.72-1.79 (1H, m), 1.89 (1H, brs), 2.51 (1H, dd, J =12.3, 6.2 Hz), 3.59 (1H, d, J = 10.6 Hz), 3.64-3.70 (1H, m), 3.99 (1H, d, J = 8.6 Hz), 4.02-4.09 (1H, m), 4.15 (1H, d, J = 8.6 Hz ), 7.14-7.35 (5H, m), 13C NMR (CDCl3) δ major: 21.6, 41.7, 53.9, 69.0, 74.2, 74.7, 126.6, 127.0, 128.5, 143.5, minor: 21.3, 41.6, 54.2, 70.5, 73.3, 75.4, 126.7, 127.1, 128.4, 143.5, MS m/z major: 192 (M+, 0.13), 131 (37), 118 (81), 105 (52), 91 (100), minor: 192 (M+, 0.19), 162 (38), 131 (31), 118 (78), 105 (56), 91 (100), Anal. Calcd for C16H16O2: C, 74.97; H, 8.39. Found: C, 74.85; H, 8.46
【0135】
<複素環式化合物27b>
黄色油として単離した。1H NMR (CDCl3) δ major: 1.35 (3H, d, J = 6.1 Hz), 1.77 (1H, dd, J = 13.0, 7.7 Hz), 1.95 (3H, s), 2.41 (1H, dd, J = 12.7, 7.7 Hz), 3.90-4.46 (5H, m), 7.18-7.35 (5H, m), minor: 1.28 (3H, d, J = 6.1 Hz), 1.84 (1H, dd J = 12.6, 9.0 Hz), 1.97 (3H, s), 2.48 (1H, dd, J = 12.6, 6.2Hz), 3.90-4.46 (5H, m), 7.18-7.35 (5H, m); 13C NMR (CDCl3) δ major: 20.8, 21.5, 42.7, 51.9, 69.1, 74.4, 74.8, 126.7, 127.0, 128.2, 143.2, 170.8, minor: 20.7, 21.5, 42.9, 51.6, 70.0, 73.9, 75.2, 126.6, 126.8, 128.3, 143.5, 170.7; MS m/z 234 (M+, 0.33), 129 (82), 115 (48), 105 (29), 91 (100), 77 (30); Anal. Calcd for C14H18O3: C, 71.77; H, 7.74. Found: C, 71.62; H, 7.72
【0136】
<複素環式化合物27c>
黄色油として単離した。1H NMR (CDCl3) δ major: 1.07 (9H, s), 1.35 (3H, d, J = 6.1 Hz), 1.85 (1H, dd, J = 12.8, 9.6 Hz), 2.42 (1H, dd, J = 12.8, 7.7 Hz), 3.92-4.28 (5H, m), 7.18-7.33 (5H, m), minor: 1.09 (9H, s), 1.28 (3H, d, J = 6.1 Hz), 1.77 (1H, dd J = 12.8, 7.8 Hz), 2.48 (1H, dd, J = 12.8, 6.2 Hz), 3.92-4.28 (5H, m), 7.18-7.33 (5H, m); 13C NMR (CDCl3) δ major: 21.5, 27.0, 38.7, 42.9, 52.0, 69.8, 74.2, 75.1, 126.6, 127.0, 128.1, 143.3, minor: 21.5, 26.9, 38.7, 42.7, 51.8, 68.9, 73.8, 74.7, 126.6, 126.9, 128.1, 143.5; MS m/z 276 (M+, 0.01), 162 (35), 118 (35), 118 (75), 105 (49), 91 (100); Anal. Calcd for C17H24O3: C, 73.88; H, 8.75. Found: C, 73.70; H, 8.79
【0137】
<複素環式化合物27d>
黄色油として単離した。1H NMR (CDCl3) δ major: 1.37 (3H, d, J = 6.3 Hz), 1.85-1.94 (1H, m), 2.49 (1H, dd, J = 12.8, 7.7 Hz), 3.99 (1H, d, J = 8.9 Hz), 4.09-4.17 (1H, m), 4.37-4.46 (3H, m), 7.23-7.53 (8H, m), 7.91-7.94 (2H, m), minor: 1.30 (3H, d, J = 7.3 Hz), 1.85-1.94 (1H, m), 2.59 (1H, dd J= 12.8, 6.0 Hz), 4.09-4.12 (1H, m), 4.27 (1H, d, J = 8.7 Hz), 4.37-4.46 (2H, m), 4.52 (1H, d, J = 10.0 Hz), 7.23-7.53 (8H, m), 7.91-7.94 (2H, m); 13C NMR (CDCl3) δ major: 21.6, 42.8, 52.2, 70.7, 74.7, 74.9, 126.8, 127.1, 128.3, 129.5, 132.9, 143.7, 166.3, minor: 21.5, 43.0, 51.9, 69.7, 74.1, 75.3, 126.8, 126.9, 128.3, 128.4, 129.5, 130.0, 143.7, 166.2; MS m/z 296 (M+, 0.21), 174 (38), 129 (31), 105 (100), 77 (79), 51 (31); Anal. Calcd for C19H20O3: C, 77.00; H, 6.80. Found: C, 76.84; H, 6.77
【0138】
<複素環式化合物27e>
黄色油として単離した。1H NMR (CDCl3) δ major: 1.24 (3H, d, J = 6.0 Hz), 2.11-2.19 (1H, m), 2.35-2.44 (1H, m), 2.80 (1H, q, J = 8.5 Hz), 3.84-3.90 (1H, m), 4.03 (1H, t, J = 6.0 Hz), 4.14-4.18 (1H, m), 7.16-7.34 (5H, m), minor: 0.84 (3H, d, J = 6.5 Hz), 2.11-2.19 (1H, m), 2.35-2.44 (1H, m), 3.33 (1H, q, J = 8.0 Hz), 3.84-3.90 (1H, m), 4.03 (1H, t, J = 6.0 Hz), 4.14-4.18 (1H, m), 7.16-7.34 (5H, m), 13C NMR (CDCl3) δmajor: 18.9, 35.4, 52.9, 67.4, 82.2, 126.6, 127.6, 128.6, 141.5, minor: 16.9, 32.7, 48.3, 66.9, 78.2, 126.3, 128.2, 128.3, 141.8; MS m/z 162 (M+, 3.5), 117 (100), 91 (33), 77 (13), 51 (14)
【0139】
〔実施例29〕
FeCl/AgOTfの替わりに、触媒をFeBr 0.05mmolとし、反応時間を70分としたこと以外は実施例18と同様の操作を行い、複素環式化合物22aが80%の収率で得られた。
【0140】
〔実施例30〕
FeCl/AgOTfの替わりに、触媒をFeCl・4HO 0.05mmolとし、反応時間を70分としたこと以外は実施例18と同様の操作を行い、複素環式化合物22aが50%の収率で得られた。
【0141】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明の複素環式化合物の製造方法は、以上のように、より低温で、且つより制限が少ない条件で含窒素のピロリジンやピペリジン、含酸素のフランやピラン骨格等を含む複素環式化合物を製造することができる。このため、モノモリン等の多様なアルカロイド系医薬品等、高度で複雑な医薬品を安全、安価、迅速に製造することが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ基若しくは水酸基含有オレフィンを、分子内ヒドロアミノ化若しくはヒドロアルコキシル化により分子内環化反応させる複素環式化合物の製造方法であり、
ハロゲン化鉄存在下で、分子内環化反応を行なうことを特徴とする複素環式化合物の製造方法。
【請求項2】
上記アミノ基若しくは水酸基含有オレフィンは下記一般式(I)
【化1】

(式中、XはNTs基又は酸素原子であり、nは3〜5の整数である)
で表される分子骨格を有することを特徴とする請求項1に記載の複素環式化合物の製造方法。
【請求項3】
下記一般式(II)
【化2】

(式中、Rはエチル基若しくはn−プロピル基である)
で表される構造を有することを特徴とする複素環式化合物。
【請求項4】
下記一般式(III)
【化3】

(式中、Rはメトキシ基、OTs基、又はヨウ素原子である)
で表される構造を有することを特徴とする複素環式化合物。
【請求項5】
下記一般式(IV)
【化4】

(式中、YはTs−N基又は酸素原子である)
で表される構造を有することを特徴とする複素環式化合物。
【請求項6】
下記式(V)
【化5】

で表される構造を有することを特徴とする複素環式化合物。

【公開番号】特開2008−69101(P2008−69101A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−248424(P2006−248424)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年3月13日 社団法人 日本化学会発行の「日本化学会第86春季年会(2006)講演予稿集CD−ROM」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年8月24日 近畿化学協会 有機金属部会発行の「第53回有機金属化学討論会 抄録」に発表
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【Fターム(参考)】