説明

視聴者からの生理的反応の分散収集および集中処理を提供するシステムおよび方法

新規な手法は、各人の生活環境における多数の視聴者の各々からの生理的データの分散収集および集中処理を介したメディアインスタンスの大規模試験のための、新しいタイプのセンシング−「インペルソナ」センシングを可能にする。生理的データは最初、1つまたは複数の生理センサーを装着された視聴者の各々から、視聴者がメディアインスタンスを視聴している場所でローカルに収集することができる。その後、これらの分散された場所で視聴者から収集されたデータはすべて、処理、集約、保存、および分析のために中央位置に伝送することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2007年10月31日に出願された米国特許出願第60/984,260号の利益を主張する。
【0002】
本出願は、2007年10月31日に出願された米国特許出願第60/984,268号の利益を主張する。
本出願は、米国特許出願第11/804,517号、第11/804,555号、第11/779,814号、第11/500,678号、第11/845,993号、第11/835,634号、第11/846,068号、第12/180,510号、第12/206,676号、第12/206,700号、第12/206,702号、第12/244,737号、第12/244,748号、第12/244,751号、第12/244,752号、第11/430,555号、第11/681,265号、第11/852,189号、および第11/959,399号に関連する。
【0003】
技術分野
本発明は、メディアインスタンス(media instance)の視聴者からの生理的反応の収集および分析の分野に関する。
【背景技術】
【0004】
効果の大きいメディアインスタンスを作成する鍵は、メディア内のあらゆるイベントが、視聴者から、メディアの作成者が予期したものと大きく異なる反応ではなく、所望の反応を確実に引き出せるようにすることである。本明細書では、メディアインスタンスは、ビデオゲーム、広告クリップ、映画、コンピューターアプリケーション、印刷メディア(例えば雑誌)、ウェブサイト、オンライン広告、録画ビデオ、メディアの実演、製品、ならびに製品および製品開発に関する他のタイプのメディアとすることができるが、これらに限定されない。
【0005】
生理的データは、限定ではないが、心拍、脳波、脳電図(EEG)信号、瞬目率(blink rate)、呼吸、動き、筋運動、電気的皮膚反応(galvanic skin response)、およびメディアインスタンスの視聴者の感情または認知機能の変化と相関がある他の任意の反応を含み、視聴者がメディアインスタンスを視聴している間の、視聴者の反応のトレース(例えば、記録計器によって引かれた線)を与えることができる。生理的データは、1つまたは複数の生理センサーによって測定されることができ、その各々は、限定ではないが、脳電図、加速度計、血中酸素センサー、検流計、筋電計(electromyograph)、皮膚温センサー、呼吸センサー、および他の任意の生理センサーとすることができる。
【0006】
広く認められていることであるが、視聴者の人体の生理的データが視聴者の感情の変化と相関があることが示されている。したがって、「低レベル」の生理的データから、メディアインスタンスの視聴者からの「高レベル」の(すなわち理解し易く、直感的に見てとれる)生理的反応を生成することができる。観衆/視聴者と通じ合う効果的なメディアインスタンスは、所望の感情的反応を引き出すことができる。ここでは、高レベルの生理的反応は、愛好(誘意性)−メディアインスタンス内のイベントに対する肯定的/否定的反応、購入意思または想起、メディアインスタンスとの感情的な係わり合い(emotional engagement)、思考−メディアインスタンスについて考えた思考の量および/またはメディアインスタンスの体験への没入、アドレナリン−メディアインスタンス内のイベントについての怒り、注意散漫、欲求不満、認知、ストレス、および他の感情的体験を含むが、これらに限定されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
視聴者からのメディアインスタンスに対する生理的反応を収集するには、一般に、視聴者/被験者を試験施設に連れて来て、彼らに多数の生理センサーを装着し、彼らがメディアインスタンスを視聴している間に、様々な試験機器を介して視聴者からの生理的データを記録することを必要とする。そのような試験工程が有する1つの問題は、試験施設の限られた収容力および/または可用性のため、ならびに検査を管理するのに必要とされる専門家のため、特定のメディアインスタンスについて少人数の人々しか試験することができないことである。また、そのような試験のコストは、きわめて高額になり得るが、試験の限られた範囲のせいで、結果があまり正確ではないことがある。さらに、大多数の従来の試験は、他の影響を排除した非現実的な環境で実行され、あまり理想的ではない結果に到ることがある。
参照による援用
本明細書で言及される各特許、特許出願、および/または出版物は、個々の特許、特許出願、および/または出版物が各々、参照によって組み込まれることを具体的かつ個別に指摘された場合と同程度に、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態による、大規模なメディア試験をサポートするための例示的なシステムの図である。
【図2】一実施形態による、大規模なメディア試験をサポートするための例示的なプロセスを説明するフローチャートである。
【図3】一実施形態による、乾燥EEG電極を使用し、データ伝送用に無線通信を採用する、例示的な統合ヘッドセットを示す図である。
【図4】一実施形態による、自己管理試験のフロー図である。
【図5】一実施形態による、メディアおよび視聴者からのリアクションに対するリモートアクセスおよび分析をサポートするためのシステムの図である。
【図6】一実施形態による、メディアおよび視聴者からのリアクションに対するリモートアクセスおよび分析に関するフローチャートである。
【図7】一実施形態による、視聴者から集約され、対話型ブラウザーの反応パネルに提示された、1つまたは複数の例示的な生理的反応を示す図である。
【図8】一実施形態による、視聴者から収集され、対話型ブラウザーの反応パネルに提示された、例示的な逐語的コメントおよびフィードバックを示す図である。
【図9】一実施形態による、視聴者から収集され、対話型ブラウザーの反応パネルに円グラフとして提示された、1つまたは複数の調査質問に対する例示的な回答を示す図である。
【図10】一実施形態による、視聴者からのリアクションの徹底的な分析に基づいた、実用的な洞察の提供をサポートするためのシステムの図である。
【図11】一実施形態による、視聴者からのリアクションの徹底的な分析に基づいて、実用的な洞察を提供するためのフローチャートである。
【図12】一実施形態による、視聴者からの生理的反応における傾向を表す例示的な強調および矢印に加えて、そのような表示の言語的な説明も示す図である。
【図13】一実施形態による、メディアと視聴者からの生理的反応との同期をサポートするためのシステムの図である。
【図14】一実施形態による、メディアと視聴者からの生理的反応との同期のためのフローチャートである。
【図15】一実施形態による、視聴者からの逐語的コメントのグラフィカル提示をサポートするためのシステムの図である。
【図16】一実施形態による、視聴者からの逐語的コメントのグラフィカル提示のためのフローチャートである。
【図17】一実施形態による、ユーザーの現時点の感情状態を決定するために電気的活動を測定するセンサーヘッドセットを使用するシステムの図である。
【図18】一実施形態による、センサーヘッドセットの斜視図である。
【図19】一実施形態による、センサーヘッドセットおよびコンピューターのブロック図である。
【図20】一実施形態による、センサーヘッドセットの増幅器の回路図である。
【図21】一実施形態による、センサーヘッドセットのフィルター段の回路図である。
【図22】一実施形態による、センサーヘッドセットの抵抗−コンデンサーRCフィルターの回路図である。
【図23】一実施形態による、センサーヘッドセットの増幅器、3つのフィルター段、およびRCフィルターの回路図である。
【図24】一実施形態による、センサーヘッドセットのデジタルプロセッサーのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で説明される実施形態は、各人の生活環境における多数の視聴者の各々からの生理的データの分散収集および集中処理を介したメディアインスタンスの大規模試験のための、「インペルソナ」(“in persona”)センシングを可能にする。視聴者は、本明細書では、参加者および/またはユーザーと呼ばれ得る。生理的データは、最初に、1つまたは複数の生理センサーを装着された視聴者の各々から、視聴者がメディアインスタンスを視聴している場所でローカルに収集することができる。その後、これらの分散された場所で視聴者から収集されたデータはすべて、処理、集約、保存、および分析のために中央位置に伝送することができる。
【0010】
以下の説明では、数多くの具体的な詳細が、本明細書で説明される実施形態の完全な理解および可能な説明を提供するために紹介される。しかし、当業者であれば、これらの実施形態が具体的な詳細の1つもしくは複数を伴わずに、または他の構成要素、システムなどを伴って実施できることを理解されよう。他の場合には、良く知られた構造または動作は、開示される実施形態の態様を曖昧にしないために、示されず、または詳細に説明されない。
【0011】
本発明は、添付の図面の図において、限定ではない例として説明され、図面において、同様の参照符号は、類似の要素を指示する。本開示における「一(an)」もしくは「一(one)」実施形態、または「いくつかの」実施形態に対する言及は、必ずしも同じ実施形態に対するものではなく、そのような言及は、少なくとも1つを意味する。
【0012】
広告者、メディア製作者、教育者、および他の関係者は、エンドユーザーのニーズにより良く適し、および/または作成されるメディアインスタンスの有効性を高めるように、情報またはメディアインスタンスを適合させるために、ターゲット、顧客、クライアント、および生徒からのメディア製品に対する視聴者反応をより良く理解することを以前から望んできた。提案される手法の下では、視聴者は、試験施設が置かれた特定の場所における、および/または試験施設が利用可能な試験セッション、もしくは管理する人が対応可能な特定の時間における試験セッションに出席する必要はない。反対に、生理的データは、視聴者からどこででも、非限定な例としては自宅でくつろいでいるときでも、収集することができる。障壁が大きく引き下げられたせいで、これまでよりも多くの視聴者が今では参加できるようになったため、メディアインスタンスの試験は、今では全国および全世界といったより広範な規模で行うことができ、メディアインスタンスの評価は一層客観的で正確になる。
【0013】
本明細書で説明される実施形態は一般に、例えばネットワーク結合または接続(例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワークなど)を使用して、試験用のメディアまたはメディアインスタンスを各現場または現地に自動的に配信する。メディアは、1つまたは複数の現場での場所または現場内の場所に関わりなく、すべての参加者または視聴者に対して試験される。試験は、管理者のいない自律的なものとすることができ、または場合によっては、人間の管理者を使用することもできる。試験中、生理的データが、1つまたは複数のセンサーおよび信号収集デバイスを使用して、参加者から収集される。データは、同期が取られ、伝送のためにパッケージ化(例えば、パケット化、暗号化、圧縮、フィルタリングなど)され、ネットワーク結合または接続(例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワークなど)を使用して、信号収集デバイスから処理デバイスに送信される。処理デバイスは、生理的データに基づいて、視聴者の1つまたは複数の生理的反応を取り出し、視聴者からのメディアインスタンスに対する取り出された反応を集約し、分析し、生理的データ、取り出された生理的反応、および/または集約された反応の分析結果を保存する。これらの動作は、以下で詳細に説明される。
【0014】
図1は、一実施形態による、大規模なメディア試験をサポートするためのシステムのブロック図である。この図は、機能的に別々となるように構成要素を描いているが、そのような描き方は、単に説明のためにすぎない。この図に描かれた構成要素を恣意的に組み合わせ得ること、または別々のソフトウェア、ファームウェア、および/もしくはハードウェアコンポーネントに分割し得ることは、当業者には明らかであろう。さらに、そのような構成要素は、それらがどのように組み合わされ、または分割されるかに関わりなく、同一のコンピューティングデバイスまたは多数のコンピューティングデバイス上で実行でき、多数のコンピューティングデバイスは、1つまたは複数のネットワークによって接続できることも、当業者には明らかであろう。
【0015】
図1を参照すると、複数の視聴者103の各々は、自分が選んだ現場102において、個々別々に同じメディアインスタンス101を視聴することができる。ここで、現場は、例えば、視聴者がメディアインスタンスを内々に視聴することができる(例えばパーソナルコンピューターを使用してオンラインで視聴するなど)自宅または他の任意の場所、および視聴者が試合の合間にTVコマーシャルを視聴することができるスポーツバーなどの公共の場所といった、メディアインスタンスを視聴する場面または場所とすることができる。一般に、現場は、異なる物理的位置、異なる物理的建造物、異なる地理的位置、異なる地理的建造物、および共通の建造物内の異なる部屋、地域、または領域のうちのいずれかを含むことができる。限定ではないが、メディアインスタンスは、テレビ番組、広告クリップ、映画、印刷メディア(例えば雑誌)、ウェブサイト、ビデオゲーム、コンピューターアプリケーション、個人の視聴体験に適した任意のタイプのメディアインスタンス、オンライン広告、録画ビデオ、実況メディア、および他のタイプのメディアとすることができ、メディアインスタンスは、製品分析に関係するので、製品、製品コンテンツ、コンテンツ、製品情報、および製品または他の物との消費者の対話に関係するメディアを含むことができる。複数の視聴者103の各々は、メディアインスタンスを視聴している視聴者および/またはメディアインスタンスと対話している視聴者からの生理的データを受信し、測定し、記録するための1つまたは複数のセンサー104を着用することができる。1つまたは複数のセンサーの各々は、少数の名を挙げれば、脳電図、加速度計、血中酸素センサー、心臓センサー、検流計、および筋電計のうちの1つとすることができる。これらのセンサーは例として提供されたが、センサー104は、他の任意の生理センサーを含むこともできる。
【0016】
生理的データが測定されると、視聴者に取り付けられた1つまたは複数のセンサーは、信号収集デバイス105との通信を介して、生理的データを送信することができる。信号収集デバイス105は、視聴者103がメディアインスタンスを視聴している同じ現場に、または同じ現場の近くに配置することができるが、それに限定されない。ここでは、現場において短距離をカバーする無線通信は、限定ではないが、例えば、Bluetooth、Wi−Fi、無線LAN、高周波(RF)送信、および他の任意の形態の短距離無線通信とすることができる。視聴者に取り付けられた1つまたは複数のセンサー104から生理的データを受信または受領すると、信号収集デバイス105は、送信に適した形式にデータを事前処理し、編成し、および/またはパッケージ化するように動作可能であり、その後、データが収集された分散現場102とは別のおそらくは遠隔の場所における更なる処理、保存、および分析のために、ネットワーク106を介してデータを集中処理モジュール107に送信する。ここでは、ネットワークは、インターネット、イントラネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ネットワーク、および移動体通信ネットワークとすることができるが、これらに限定されない。一実施形態では、視聴者の身元は、データから視聴者の識別情報(例えば、名前、住所など)を除去することによって保護される。
【0017】
処理モジュール107は、分散現場にいる複数の視聴者の各々からの生理的データを受領し、生理的データに基づいて1つまたは複数の生理的反応を取り出し、視聴者からのメディアインスタンスに対する取り出された反応を集約し、分析し、生理的データ、取り出された生理的反応、および/または集約された反応の分析結果をリアクションデータベース108に保存する。任意選択的に、評価モジュール109は、複数の視聴者からの生理的反応に基づいて、メディアインスタンスを評価するように動作可能である。
【0018】
図2は、一実施形態による、大規模なメディア試験をサポートするための例示的なプロセスのフローチャートである。この図は、説明のために特定の順序で機能的動作を描いているが、当業者であれば理解されようが、プロセスは、動作のどのような特定の順序または配列にも限定されない。この図に描かれた様々な動作は、様々な仕方で省略し、再配列し、組み合わせ、および/または適合させ得る。
【0019】
図2を参照すると、201において、各人の現場で個々別々にメディアインスタンスを視聴する視聴者から生理的データを収集することができる。202において、視聴者からの収集された生理的データは、視聴者がメディアインスタンスを視聴している現場にある、または現場の近くにある信号収集デバイスに無線送信される。その後、生理的データは、203において、送信のための適切な形式に事前処理され、パッケージ化され、204において、別の場所における集中処理のために、ネットワークを介して送信される。205において、分散現場にいる複数の視聴者の各々からの生理的データが受領され、生理的データから1つまたは複数の生理的反応が取り出される。その後、206において、生理的データおよび/またはメディアインスタンスに対する取り出された反応を集約し、および/または分析することができる。最後に、207において、生理的データ、取り出された生理的反応、および反応の分析結果をデータベースに保存することができる。
【0020】
本明細書で説明される実施形態は、外部の人間の介入または支援が僅かしかない、またはまったくない多くの方法で、参加者が自らを試験できるように、自己管理試験を可能にする。一実施形態では、この自己管理試験は、本明細書で説明される統合センサーヘッドセットを、センサーヘッドセット・チュートリアルおよび自動データ品質検出と併せて使用することによって可能にされる。
【0021】
センサーヘッドセットまたはヘッドセットは、本明細書で詳細に説明されるように、生理的データの測定のために人体の一部(例えば、人の頭部、手、腕、脚など)に配置できるハウジング内にセンサーを統合する。デバイスは、少なくとも1つのセンサーと、ハウジングに接続される参照電極とを含む。センサーおよび参照電極に結合されるプロセッサーは、ユーザーの組織における電気的活動を表す信号を受信する。デバイスは、出力信号をリモートデバイスに送信する無線送信機を含む。したがって、デバイスは、生理的データを処理して、人の心的および感情的状態(反応)に対応する出力信号を生成する。
【0022】
統合ヘッドセットが図3に示されており、統合ヘッドセットは、乾燥EEG電極を使用し、データ送信のために無線通信を採用する。統合ヘッドセットは、視聴者がメディアインスタンスを視聴している間、視聴者の生理的データを測定するために、視聴者の頭部に配置することができる。図3を参照すると、統合ヘッドセットは、以下の構成要素、すなわち、処理ユニット301、動き検出ユニット302、安定化部材303、1組のEEG電極、心拍センサー305、電力操作および送信回路307、および調整可能ストラップ308のうちの少なくとも1つまたは複数を含むことができる。ここでは、センサーの非限定的な例として、動き検出ユニット、EEG電極、および心拍センサーが使用されるが、他のタイプのセンサーもヘッドセットに統合することができ、これらのタイプのセンサーは、限定ではないが、脳電図、血中酸素センサー、検流計、筋電計、皮膚温センサー、呼吸センサー、および他の任意のタイプの生理センサーとすることができることに留意されたい。ヘッドセットは、以下で詳細に説明される。
【0023】
いくつかの実施形態では、ヘッドセットは、ZigBeeなど、高レベルの通信プロトコル一式のための仕様の下で動作する。ZigBeeは、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)のためのIEEE802.15.4規格に基づいた小規模の低電力デジタル無線を使用する。ZigBeeは、低いデータレート、長い電池寿命、および安全なネットワーキングを必要とする、高周波(RF)アプリケーションを対象とする。ZigBeeプロトコルは、低いデータレートおよび低い電力消費を必要とする、統合ヘッドセットなどの埋め込みアプリケーションでの使用を意図している。
【0024】
いくつかの実施形態では、視聴者が着用した統合ヘッドセットは、ZigBeeに基づいたWPANを形成するように動作可能であり、そのようなネットワークは、埋め込みセンシング、データ収集などのために使用できる、汎用的で低コストの自己組織型メッシュネットワークである。統合ヘッドセット間の結果のネットワークは、相対的に少量の電力を使用し、そのため、各統合ヘッドセットは、最初に入れた電池を使用して、1、2年間動作することができる。統合ヘッドセットの各々の限られた無線送信距離と、多数の視聴者が集まっている現場の物理的寸法のため、統合ヘッドセットと信号収集デバイスの間の物理的な距離によっては、すべての統合ヘッドセットが、データを信号収集デバイスに直接送信できる電力を有するとは限らない。統合ヘッドセット間に形成されるWPANの下では、信号収集デバイスから遠く離れた統合ヘッドセットは、最初に近くの他の統合ヘッドセットにデータを送信する。その後、データは、ネットワークを介して、信号収集デバイスに物理的に近いヘッドセットにルーティングされ、最後に、それらのヘッドセットから信号収集デバイスに送信される。
【0025】
いくつかの実施形態では、現場にある信号収集デバイスと、別の場所にある処理モジュールは、ネットワークを介して互いに通信することができる。ここでは、ネットワークは、インターネット、イントラネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ネットワーク、および移動体通信ネットワークとすることができるが、これらに限定されない。信号収集デバイスは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、または目的を達成するために使用される他の構成要素の任意の組み合わせを指す。
【0026】
ヘッドセットからのデータ送信は、ヘッドセットが結合するコンピューターインタフェースを介して無線で処理することができる。正確な測定を取得するための肌の下準備およびジェルは、試験者において必要とされず、ヘッドセットは、試験者から容易に取り外すことができ、即座に別の人によって使用することができる。使用中、ヘッドセットの劣化は生じず、ヘッドセットは、何千回も再使用することができ、短期間に低コストで、多くの参加者において測定を行うことを可能にする。
【0027】
ヘッドセットの装着および着用の際にユーザーを支援するため、一実施形態は、参加者にチュートリアルを自動的に提示する。チュートリアルは、ヘッドセットをどのように頭に装着すべきか、また試験中にヘッドセットをどのように着用すべきかを参加者に説明する。チュートリアルは、以下で説明されるように、参加者から受信したデータの検出された品質に対応するフィードバックの提示についても説明することができる。チュートリアルは、参加者に属するコンピューターに自動的にダウンロードすることができ、その場合、コンピューターは、メディアインスタンス視聴の構成要素として、および/またはメディアインスタンス視聴中の生理的データの収集のための構成要素として使用される。
【0028】
一実施形態のチュートリアルは、例えば、参加者のコンピューターに自動的にダウンロードされ、受信されると直ちに自動的にロードして、メディアインスタンス視聴のため、および/またはメディアインスタンス視聴中の生理的データの収集のために、参加者のコンピューターを構成または設定する。チュートリアルは、熟練技術者が(もしいたとしたら)行うであろう事柄の各々を自動的に進行させ、接続および配置の質をチェックする一方で、ユーザーをリラックスさせ、自然な環境にいることができるようにする非常に単純なインタフェースをユーザーに与える。一例として、チュートリアルは、ヘッドセットを装着し、メディアインスタンスの視聴を準備している間に、参加者に以下のうちの1つまたは複数を、すなわち、ヘッドセットからの無線信号強度のチェック、センサーの接触のチェック、心臓の鼓動が速すぎず、参加者がリラックスしていることを確かめるための参加者の状態のチェックのうちの1つまたは複数を行うように指図する。試験を開始するのに適当ではない、ヘッドセットまたは参加者に関する何かが、チュートリアル期間に発見された場合、チュートリアルは、その不具合をどのように回復させるべきかを参加者に指図する。
【0029】
さらに、自己管理試験が、自動データ品質検出の使用によって可能にされる。図1を参照すると、一実施形態の信号収集デバイス105は、データ品質を自動的に検出し、参加者のデータ内で検出されたデータ異常に対応する1つまたは複数の推奨対応策を、フィードバック表示を介して参加者に提供する。データ品質のフィードバックを参加者に提供する際、システムは、受信データの品質をリアルタイムに自動的に測定し、受信データが決して最適ではない場合、どのような行動を取るべきかについて、フィードバックを参加者に提供する。データの品質は、ヘッドセットのセンサーから受信されたデータのパラメータを使用し、これらのパラメータに閾値を適用して、自動的に決定される。
【0030】
一例として、システムは、参加者の瞬目率が事前指定された閾値を超えたことによって指摘される、参加者のデータ内の問題を自動的に検出することができる。別の例として、システムは、EEGのエネルギーおよびサイズ、EEG内のアーチファクトを使用して決定される、参加者のEEGによって指摘される参加者のデータ内の問題を自動的に検出することができる。さらに、システムは、心臓活動の情報を使用して、参加者のデータ内の問題を自動的に検出することができる。過剰な瞬目率など、参加者のデータを用いて検出された問題に応答して、システムは、1つまたは複数の対応策を参加者に自動的に提示する。提示された推奨対応策は、瞬目率を公称値まで減らすことができる、任意の数および/またはタイプの対応策を含むことができる。参加者は対応策に従うことが期待され、そうすることで、決して最適ではないデータの受信を排除しなければならない。
【0031】
参加者から受信したデータを用いる問題の自動検出に加えて、データは、潜在的な参加者が試験を受けることが可能かどうか、または試験を受けるのに適当な状態にあるかどうかを決定するために使用することができる。そのため、受信データで指摘されるように、例えば、参加者の心臓の鼓動が速い場合、または参加者の不自然にかつ神経過敏に瞬いている場合、参加者は、試験を受ける状態にはなく、潜在的な参加者から除外することができる。
【0032】
図4は、一実施形態による、自己管理試験402のフロー図である。参加者またはユーザーがシステムを起動すると、それに応答して、試験中にヘッドセットをどのように装着し、着用すべきかを説明するチュートリアルが提示される(402)。参加者がメディアインスタンスを視聴している期間に、参加者から受信したデータが最適品質に関して分析される(404)。非最適データの受信が検出され(406)、それに応答して、データ品質フィードバックが参加者に提示される(408)。データ品質フィードバックは、上で説明されたように、参加者のデータ内の検出された異常に対応する1つまたは複数の推奨対応策を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、信号収集デバイスは、センサーおよび集中処理モジュールと通信するための通信およびネットワークインタフェースを有する、非限定的な一例としてのセットトップボックスなどの、スタンドアロンのデータ収集および伝送デバイスとすることができる。代替的に、信号収集デバイスは、非限定的な例として、メディアインスタンスを視聴者に提示するTV、モニター、またはDVDプレーヤーなどの、別のハードウェアに埋め込むこと、または別のハードウェアと統合することができる。ここでは、信号収集デバイスは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、または目的を達成するために使用される他の構成要素の任意の組み合わせを指す。
【0034】
いくつかの実施形態では、信号収集デバイスは、ネットワークおよび/または処理モジュールにかかる負荷を軽減するために、各視聴者から収集されたデータを送信前に事前処理することによって、「意味のある」データのみを集中処理モジュールに送信するように動作可能である。実際の応用では、ある視聴者が、その全持続期間にわたってメディアインスタンスに注意を払っていないことが必然的に起こる。メディアインスタンスを評価する目的では、視聴者がメディアインスタンスを表示している画面/モニターに注目または集中していない時間に視聴者から収集されたデータは無関係であり、除去されるべきである。一代替実施形態では、事前処理は、処理モジュール107によって実行することができる。別の代替実施形態では、事前処理は、信号収集デバイス105と処理モジュール107の間で分担することができる。
【0035】
収集されたデータの事前処理は、各視聴者から収集された生理的データ内の「ノイズ」を除去することを含むが、これらに限定されない。「ノイズ」は、視聴者がメディアインスタンスに注意を払っていない統計的に関係のない期間でのデータを含み、その結果、統計的に関係のある瞬間および/またはメディアインスタンス内のイベントに関連した瞬間のみが送信される。処理モジュールは、フーリエ変換または当業者に知られたデジタル信号処理用に一般に使用される他の任意のタイプの変換を介して、生理的データを時間領域から周波数領域に変換することができる。周波数領域に変換されると、視聴者のおしゃべり、頭の向き、うたた寝、眠り、または視聴者がメディアインスタンスに注意を払わない原因となる他の任意のタイプの動作に対応するデータ内の区域の部分を、パターン認識および人間の挙動についての既知のモデルに基づいた他のマッチング方法を介して、識別することができる。
【0036】
システムは、最適とは言えないデータを累積データセットから除去する。データ除去は、データが非最適である期間が閾値を超えた場合に、ユーザーのすべてのデータを除去すること、また参加者から受信した全データからデータの非最適部分のみを除去することを含む。非最適データを除去する際、システムは、様々なタイプの収集されたデータに関するアーチファクトを自動的に除去する(例えば、参加者の瞬き、眼球運動、身体運動、筋肉雑音などに基づいたEEGデータに関するアーチファクトの除去)。一実施形態においてデータ品質を評価する際に使用されるアーチファクトは、当技術分野で知られたモデルに基づいている。
【0037】
一実施形態では、信号収集デバイス105が、センサーヘッドセットからの着信データに対してデータ品質分析を自動的に実行する。信号収集デバイス105は、センサーデータ(例えば、EEGセンサー、心臓センサーなど)内のアーチファクトに関して着信信号を分析する。信号収集デバイス105は、参加者の動きを測定し、参加者が閾値を超える動きをしている期間を決定するために、加速度計データも使用する。参加者が閾値を超える「激しい」動きをしていることが分かった期間に収集された参加者のデータは、データセットに含めるには適さない非最適データとして切り取られ、または除去される。
【0038】
一代替実施形態では、処理モジュール107が、センサーヘッドセットからの着信データに対してデータ品質分析を自動的に実行する。処理モジュール107は、センサーデータ(例えば、EEGセンサー、心臓センサーなど)内のアーチファクトに関して着信信号を分析する。処理モジュール107は、参加者の動きを測定し、参加者が閾値を超える動きをしている期間を決定するために、加速度計データも使用する。参加者が閾値を超える「激しい」動きをしていることが分かった期間に収集された参加者のデータは、データセットに含めるには適さない非最適データとして切り取られ、または除去される。
【0039】
収集されたデータの事前処理は、データの同期を取ることを含むが、これらに限定されない。一実施形態のシステムは、累積データを形成するように、各ユーザーからのデータを他のすべてのユーザーのデータと同期させる。加えて、システムは、累積データをそれが対応するメディアインスタンスと同期させる。システムの信号収集デバイス105は、記録されているすべてのデータのタイムコードを同期させる。それにより、その後、再生中のメディアインスタンス(例えばビデオ)に累積データを同期させることが可能になる。その際、システムは、データの各部分またはインスタンスのタイムコードをデータの他のすべての部分またはインスタンスに同期させるので、そのすべてが比較可能になる。その後、システムは、累積データストリームをメディアインスタンスに同期させる。
【0040】
同期を実行する際、刺激(例えばメディアインスタンス)が記録されて、刺激の完全な記録を生成する。タグ付けシステムは、刺激内のキーポイントを整列させ、刺激内のこれらのキーポイントを、記録されたデータ内の対応する時点またはインスタンスと関連付ける。この技法を使用して、オフセットが決定され、各参加者から受信したデータに適切に適用される。
【0041】
一代替実施形態では、参加者は、メディアインスタンスの開始前または開始時に検出できる何らかの行為(例えば10回の瞬き)を、同期イベントとして行うように促されることができる。その後、各参加者に対応するデータは、データ内の同期イベントの証跡を使用して、同期または整列させられる。
【0042】
加えて、収集されたデータの事前処理は、各視聴者から収集された生理的データを圧縮することを含むが、これらに限定されない。ときには、メディアインスタンス内のイベントに対する視聴者のリアクションは、ある期間、大きな変動もなく「フラット」に進行することがある。そのようなシナリオの下では、処理モジュールは、生理的データの不変部分をスキップすることができ、視聴者の感情的リアクションの変動を示す生理的データの部分のみを集中処理モジュールに送信することができる。
【0043】
さらに、収集されたデータの事前処理は、各視聴者から収集された生理的データを要約することを含むが、これらに限定されない。生理的データが視聴者の大きなグループから収集される場合、リアルタイムでのネットワークの帯域幅および/または処理モジュールの処理能力が問題になることがある。そのため、処理モジュールは、メディアインスタンスに対する視聴者のリアクションを結論的な言葉で要約することができ、メディアインスタンスの全持続期間にわたる生理的データの代わりに、そのような結論のみを送信することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、処理モジュールは、コンピューティングデバイス、通信デバイス、またはソフトウェアコンポーネントを実行可能な任意の電子デバイス上で動作するように動作可能である。非限定的な例として、コンピューティングデバイスは、ラップトップPC、デスクトップPC、およびサーバーマシンとすることができるが、これらに限定されない。
【0045】
いくつかの実施形態では、処理モジュールは、事前処理中に除去され識別された「ノイズ」または不変データを「カバー」するように、視聴者が注意を払っている期間の「良好な」データを補間するように動作することができる。補間は、「ノイズ」期間に時間的に隣接する「良好な」期間中のデータの増分調整によって行うことができる。各視聴者からの生理的データは、視聴者の生理的反応を取り出して、メディアインスタンスを評価するように、集約される前に、メディアインスタンスの全持続期間にわたって「平滑化」されることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、リアクションデータベースは、生理的データおよび/またはメディアインスタンスに対する引き出された生理的反応に加えて、視聴者が視聴していたメディアインスタンスに関係のあるデータも保存する。保存される各メディアインスタンスの関係のあるデータは、限定ではないが、(適切な場合は)試験のための実際のメディアインスタンス、メディアインスタンスのイベント/瞬間の内訳(break down)、およびメディアインスタンスのメタデータのうちの1つまたは複数を含み、メディアインスタンスのメタデータは、メディアインスタンスの製造会社、商標、製品名、カテゴリー(非限定的な例として、アルコール飲料、自動車など)、製造年、人口統計的な対象(非限定的な例として、年齢、性別、収入など)を含むことができるが、これらに限定されない。
【0047】
いくつかの実施形態では、視聴者からのメディアインスタンスに対する生理的反応の分析結果を保存するのに加えて、リアクションデータベースは、メディアインスタンスの視聴前、視聴中、および/または視聴後に複数の視聴者の各々に求められた調査の結果も含むことができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、評価モジュールは、視聴者の生理的反応に基づいて、メディアインスタンスのスコアを計算するように動作可能である。メディアインスタンスのスコアは、視聴者の大多数がメディアインスタンスに対して肯定的に反応した場合、高くなる。他方、メディアインスタンスのスコアは、視聴者の大多数がメディアインスタンスに対して否定的に反応した場合、低くなる。
【0049】
生理的データは、大規模なメディア試験をサポートするためのシステムを使用して、参加者から収集されるが、一実施形態は、特定のメディアインスタンスに対する1人または複数の視聴者からのリアクションに対する、遠隔からの対話型なアクセス、ナビゲーション、および分析を可能にする。ここでは、リアクションは、限定ではないが、視聴者からの、生理的反応、調査結果、逐語的フィードバック、イベントベースのメタデータ、ならびに成功および失敗の指標のための導き出された統計を含む。参加視聴者からの生理的データが収集されると、視聴者からのリアクションが、集約され、データベースに保存され、ウェブブラウザーなどのウェブベースのグラフィカルインタフェースまたはアプリケーションを介してユーザーに配信される。
【0050】
ウェブベースのグラフィカルインタフェースまたは他のネットワーク結合を介して、ユーザーは、特定のメディアインスタンスを、そのメディアインスタンスと同期が取られた集約された生理的反応、調査結果、および特定のメディアインスタンスに関連する逐語的フィードバックのうちの1つまたは複数とともにリモートにアクセスし、ナビゲートすることができる。メディアインスタンスに対する視聴者のリアクションの(スナップショットなどの)静的データを提示される代わりに、ユーザーは今では、自らが好むいずれかの方法で、リアクションを対話型に分割し、切り分け、解析し、分析することができる。本明細書で説明される実施形態は、生理分析の分野の専門家ではない人が、特定のニーズに従って、データを組織し、データの提示または視覚化を組織し、改善できるようにすることによって、これらの非専門家が、生理的データを理解し、使用できるようにする自動化を提供する。このようにして、本明細書の実施形態は、非専門家が、複雑なデータを理解し、メディアインスタンスに対する結論を適切に提示するような方法で、複雑なデータを組織できるようにする自動化プロセスを提供する。
【0051】
ユーザーは、本明細書で提供される、データを集約するための自動化方法とともに、1つの場所で且つユーザーの指先1つで利用可能な、視聴者からの多数のリアクション(例えば、生理的反応、調査結果、逐語的フィードバック、メタデータを用いてタグ付けされたイベントなど)を持つので、1つのところに座ったまま、数百のメディアインスタンスの中を移動することによって、それらに対するリアクションを見ることができる。メディアインスタンスの各々について、多数のリアクションの統合は、メディアインスタンスに対する各リアクションの総和よりも多くの情報をユーザーに提供する。非限定的な例として、ある広告が不評であることを1つの調査が告げている場合、それは単なる情報であるが、多数の視聴者にわたる独立した調査、逐語的フィードバック、および生理的データが同じことを告げている場合、メディアインスタンスに対するリアクションは、より信頼できるものになる。ユーザーがそれを見る前にリアクションを組み合わせることによって、正しい結果がユーザーに提示される。
【0052】
多くの処理アプリケーションおよび事前処理アプリケーションが上で説明されたが、本明細書で説明される実施形態の構成要素は、上で説明されたアプリケーションに限定されない。例えば、上では処理用として説明された任意のアプリケーションは、事前処理用として実行することができる。さらに、上では事前処理用として説明された任意のアプリケーションは、処理用として実行することができる。さらに、処理を必要とするいずれのアプリケーションも、処理用および事前処理用の構成要素または活動の間で分担することができる。加えて、関連出願において説明される信号処理および他の処理は、本明細書で説明される処理および/または事前処理の一部として実行することができる。
【0053】
上で説明されたように、生理的データを収集すると、一実施形態は、特定のメディアインスタンスに対する1人または複数の視聴者からのリアクションに対する、リモートの且つ対話型なアクセス、ナビゲーション、および分析を可能にする。ここでは、リアクションは、限定することなく、視聴者からの、生理的反応、調査結果、逐語的フィードバック、イベントベースのメタデータ、ならびに成功および失敗の指標のための導き出された統計を含む。視聴者からのリアクションは、集約され、データベースに保存され、ウェブブラウザーなどのウェブベースのグラフィカルインタフェースまたはアプリケーションを介してユーザーに配信される。ユーザーは、ウェブベースのグラフィカルインタフェースを介して、メディアインスタンスと同期が取られた集約された生理的反応、調査結果、および特定のメディアインスタンスに関連する逐語的フィードバックのうちの1つまたは複数とともに、特定のメディアインスタンスにリモートにアクセスし、ナビゲートすることができる。視聴者のメディアインスタンスに対するリアクションの(スナップショットなどの)静的データが提示される代わりに、ユーザーは今では、自らが好むいずれかの方法で、リアクションを対話型に分割し、切り分け、解析し、分析することができる。本明細書の実施形態は、生理分析の分野の専門家ではない人が、特定のニーズに従って、データを組織し、データの提示または視覚化を組織し、改善できるようにすることによって、これらの非専門家が、生理的データを理解し、使用できるようにする自動化を提供する。このようにして、本明細書の実施形態は、非専門家が、複雑なデータを理解し、メディアインスタンスに対する結論を適切に提示するような方法で、複雑なデータを組織できるようにする自動化プロセスを提供する。
【0054】
ユーザーは、本明細書で提供される、データを集約するための自動化方法とともに、1つの場所で且つユーザーの指先1つで利用可能な、視聴者からの多数のリアクション(例えば、生理的反応、調査結果、逐語的フィードバック、メタデータを用いてタグ付けされたイベントなど)を持つので、1つのところに座ったまま、数百のメディアインスタンスの中を移動することによって、それらに対するリアクションを見ることができる。メディアインスタンスの各々について、多数のリアクションの統合は、メディアインスタンスに対する各リアクションの総和よりも多くの情報をユーザーに提供する。非限定的な例として、ある広告が不評であることを1つの調査が告げている場合、それは単なる情報であるが、多数の視聴者にわたる独立した調査、逐語的フィードバック、および生理的データが同じことを告げている場合、メディアインスタンスに対するリアクションは、より信頼できるものになる。ユーザーがそれを見る前にリアクションを組み合わせることによって、正しい結果がユーザーに提示される。
【0055】
図5は、一実施形態による、メディアおよび視聴者からのリアクションに対する自動リモートアクセスおよび分析をサポートするための例示的なシステムの図である。この図は、機能的に別々となるように構成要素を描いているが、そのような描き方は、単に説明のためにすぎない。この図に描かれた構成要素を恣意的に組み合わせ得ること、または別々のソフトウェア、ファームウェア、および/もしくはハードウェアコンポーネントに分割し得ることは、当業者には明らかであろう。さらに、そのような構成要素は、それらがどのように組み合わされ、または分割されるかに関わりなく、同一のコンピューティングデバイスまたは多数のコンピューティングデバイス上で実行でき、多数のコンピューティングデバイスは、1つまたは複数のネットワークによって接続できることも、当業者には明らかであろう。
【0056】
図5を参照すると、認証モジュール5102は、メディアインスタンス5103と、メディアインスタンスの複数の視聴者からの1つまたは複数のリアクション5104とに対するアクセスを、ネットワーク106を介してリモートに要求するユーザー5101の身元を認証するように動作可能である。ここでは、それぞれ、メディアインスタンスと、その関係データは、メディアデータベース5105に保存されることができ、視聴者からの1つまたは複数のリアクションは、リアクションデータベース5106に保存されることができる。ネットワーク106は、インターネット、イントラネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ネットワーク、Bluetooth、および移動体通信ネットワークとすることができるが、これらに限定されない。ユーザーが認証されると、提示モジュール5108は、要求された情報(例えば、メディアインスタンスと、複数の視聴者からの1つまたは複数のリアクションと)を取り出し、対話型ブラウザー5109を介してユーザーに提示する。対話型ブラウザー5109はメディアパネル5110と反応パネル5111とを含む、少なくとも2つのパネルを備える。メディアパネル5110は、メディアインスタンスを提示し、再生し、停止させるように動作可能であり、反応パネル5111は、メディアインスタンスに対応する1つまたは複数のリアクションを表示し、リアクションを対話型に分割し、切り分け、解析し、分析するための複数の機能をユーザーに提供するように動作可能である。
【0057】
図6は、メディアおよび視聴者からのリアクションに対するリモートアクセスおよび分析をサポートするための例示的なプロセスを示すフローチャートである。この図は、説明のために特定の順序で機能的動作を描いているが、プロセスは、動作のどのような特定の順序または配列にも限定されない。この図に描かれた様々な動作は、様々な仕方で省略し、再配列し、組み合わせ、および/または適合させ得ることは、当業者であれば理解されよう。
【0058】
図6を参照すると、601において、メディアインスタンスおよび複数の視聴者からのインスタンスに対する1つまたは複数のリアクションは、1つまたは複数のデータベースに保存され、管理される。メディアインスタンスに対するリアクションのデータまたは情報は、本明細書および関連出願で説明されるように、センサーヘッドセットを介して各ユーザーから取得され、または集められる。602において、メディアインスタンスおよび1つまたは複数のリアクションに対するアクセスをリモートに要求するユーザーの身元が認証される。603において、要求されたメディアインスタンスおよび1つまたは複数のリアクションが取り出され、ネットワーク(例えばウェブ)を介して遠隔のユーザーに送られる。604において、ユーザーは、1つまたは複数のリアクションを対話型に集約し、分割し、切り分け、解析し、分析して、メディアインスタンスについての結論を引き出す。
【0059】
いくつかの実施形態では、ネットワークを介する以外の、視聴者からの1つまたは複数のリアクションに対するアクセスの代替形態を採用することができる。非限定的な例として、リアクションは、コンピューター上のローカルサーバーにおいて、または媒体上にすべての情報を有するDVDディスクなどの記録可能媒体において、ユーザーから利用可能にすることができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、図5を参照すると、オプションの分析モジュール5112は、メディアインスタンスに対する視聴者のリアクションに加えて、メディアインスタンス自体に対する徹底的な分析(例えば、メディアインスタンスを多数のシーン/イベント/セクションに切り分ける)を実行するように動作可能である。そのような分析は、ユーザーによって作成されたメディアインスタンスが視聴者によってどのように知覚されているかについての情報をユーザーに提供する。加えて、分析モジュールは、視聴者のリアクションを複数のカテゴリーに類別するようにも動作可能である。
【0061】
いくつかの実施形態では、ユーザーデータベース5113は、メディアインスタンスおよび視聴者からのリアクションにアクセスすることを許可されたユーザーの情報と、各ユーザーがアクセスすることを許可された特定のメディアインスタンスおよびリアクションとを保存する。アクセスモジュール5106は、アクセスに関してユーザーを追加または削除することができ、ユーザーのログイン名およびパスワードをチェックすることによって、ユーザーがアクセスできるメディアインスタンスおよび/もしくはリアクションのリストならびに/またはユーザーが使用できる分析機能のリストを制限または拡張することができる。ユーザーのアクセスに対するそのような権限付与/制限は、ユーザーが誰であるかに基づいて、例えば、異なるタイプのユーザーについての異なる量の情報に基づいて、決定することができる。非限定的な例として、ABC会社は、ある広告と、その広告に対する視聴者のリアクションの調査結果とにアクセスすることができるが、XYZ会社は、それらにアクセスできず、または制限されたアクセスが行えるだけである。
【0062】
いくつかの実施形態では、図7に示されるように、視聴者から集約された1つまたは複数の生理的反応は、反応パネル7111に、2次元グラフまたはプロットのラインまたはトレース7301として提示される。グラフの水平軸7302は時間を表し、グラフの垂直軸7303は1つまたは複数の生理的反応の振幅(強度)を表す。ここでは、1つまたは複数の生理的反応は、視聴者からの生理的反応の強度の最大、最小、平均、偏差、または高次近似のうちの1つまたは複数によって、視聴者にわたって集約される。反応は、メディアインスタンスの全持続期間にわたって、あらゆる瞬間においてメディアインスタンスと同期が取られ、ユーザーが、視聴者の感情の秒単位の変化とその原因とを識別することを可能にする。カッティングライン7304は、メディアインスタンスの現在のシーン(イベント、セクション、または時間的瞬間)に対応する視聴者からの生理的反応を指示する。カッティングラインは、メディアインスタンスの再生に合わせて移動する。
【0063】
いくつかの実施形態では、集約された反応の振幅の変化(傾向)も、メディアインスタンスの品質の良い尺度である。メディアインスタンスが、視聴者の感情を上向きおよび下向きに激しく変化させることができる(非限定的な例として、反応の数学的偏差が大きい)場合、そのような激しい振幅変化は、視聴者を異なる感情状態に誘う、優れたメディアインスタンスに対応する。対照的に、効果の小さいメディアインスタンスは、視聴者を異なる感情状態に誘わない。反応の振幅および振幅の傾向は、メディアインスタンスの品質の良い尺度である。そのような情報は、メディアインスタンスが所望の反応を引き出しているかどうか、所望の反応に合致させるために、メディアインスタンスのどの主要なイベント/シーン/セクションを変更する必要があるかを識別するために、メディアデザイナーによって使用することができる。優れたメディアインスタンスは、強烈で、視聴者全員にわたって反応の正の振幅を生み出す、多数の瞬間/シーン/イベントを含むべきである。そのような反応を生み出すのに失敗したメディアインスタンスは、メディアインスタンスの作成者が意図していたことを達成することはできない。
【0064】
いくつかの実施形態では、メディアインスタンス内の特定のイベントが視聴者の感情にどう影響するかを調べるために、ユーザーに秒単位の表示を提供する以外に、収集され計算されて集約された反応は、総統計の編集のためにも使用することができ、総統計は、メディアインスタンスの全体的な影響を評価する際に役立つ。そのような統計は、平均的な愛好および心拍の偏差を含むが、これらに限定されない。
【0065】
いくつかの実施形態では、図8に示されるように、メディアインスタンスの視聴者は、メディアインスタンスについてのコメント(例えば、好きな所、嫌いな所など)を自由に書くことができる。視聴者からの逐語的な(自由記述形式の)コメントまたはフィードバック501は記録されて、反応パネル7111に提示される。そのようなコメントは、視聴者が特定のメディアインスタンスを視聴している最中に、入力を促され、視聴者から収集され、記録される。最も情報として有益なコメントは、まとめられてユーザーに提示される。その後、ユーザーは、視聴者のリアクションのより完全な実態を取得するために、コメントを分析し、その中からキーワードを取り出すことができる。加えて、ユーザーは、メディアインスタンスについての自分が関心のある特定のキーワードを検索し、指定されたキーワードを含むコメントだけを表示することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、メディアインスタンスについての視聴者のコメントは、製品に関連する複数のカテゴリー/トピックス/特徴において、肯定的または否定的なものとして特徴付けることができ、そのようなカテゴリーは、製品、イベント、ロゴ、歌、スポークスパーソン、滑稽な言動、語り、キーイベント、ストーリー展開を含むが、これらに限定されない。これらのカテゴリーは、事前に決めておくことはできないが、代わりにコメントの分析から抽出することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、図9に示されるように、視聴者から集約された1つまたは複数の調査質問に対する回答が、例えば、反応パネル7111にグラフィカル形式502で提示することによって、グラフィカルに描画することができる。代替的に、グラフィカル形式は、広告を評価するよう求められた視聴者の反応の分布を表示するために使用することができる。グラフィカル形式は、限定ではないが、棒グラフ、円グラフ、柱状グラフ、または他の任意の適切なグラフタイプとすることができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、調査質問は、視聴者が特定のメディアインスタンスを視聴している最中に、視聴者に提出または提示することができ、質問に対する回答は、調査モジュール5114(図5)を介して、事前定義されたカテゴリーに従って収集され、記録され、要約される。調査結果がユーザー(メディアインスタンスの作成者)から利用可能にされると、ユーザーは、質問のいずれかを選択することができ、その質問に対応する調査結果をユーザーに視覚的に自動的に提示させることができる。その後、ユーザーは、視聴者のリアクションの一層完全な実態を取得するために、視聴者が特定の質問にどのように応答したかを見て、分析することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、上で説明された視聴者からの1つまたは複数のリアクションの多くの異なるファセットが混合されて、少数の簡単なメトリックにされることができ、ユーザーは、メトリックを使用して、それが同業界の他の対応物に対して現在どのように位置付けられるかを調べることができる。ユーザーにとって、それが業界において競争相手と比較してどんな順位を占めるかを知ることは、しばしば、希望の場所に到達する際の最初のステップである。非限定的な例として、特定のメディアインスタンスの個々の調査結果に加えて、調査モジュールは、多数のメディアインスタンスと比べた調査結果および統計の比較を、ユーザーに提供することもできる。この自動化は、ユーザーが、特定のメディアインスタンスに関して視聴者が提供したフィードバックを見るばかりでなく、特定のメディアインスタンスが同じユーザーまたは競争相手によってデザインされた他のメディアインスタンスと比較してどうであるかを評価することも可能にする。一例として、1組の広告を「好んだ」または「非常に好んだ」視聴者のパーセンテージを表示するグラフは、新しい広告が他の広告との関係で最上位の四分位にあるかどうかを決定するための助けとなり得る。
【0070】
一実施形態は、特定のメディアインスタンスに対する複数の視聴者からのリアクションにアクセスし、それから最大限の情報を取得するためのツールばかりでなく、視聴者のリアクションの徹底的な分析に基づいて、メディアインスタンスを改良するように、ユーザーがどのような変更を施すことができるかについての実用的な洞察もユーザーに提供する。そのような分析は、視聴者の生理的挙動についての専門家の知識と、大量の分析時間とを必要とするが、ユーザーは、それらを持ち合わせていないことがある。ここでは、リアクションは、少数の名を挙げれば、生理的反応、調査結果、および視聴者からの逐語的フィードバックを含むが、これらに限定されない。視聴者からのリアクションは、上で説明されたように、集約され、データベースに保存され、グラフィカルインタフェースを介してユーザーに提示される。実施形態は、リアクションから情報を抽出し、その情報を提示するための、事前定義された方法を含み、その結果、ユーザーは、情報によって支持される結論に達し、それを理解するために、生理的データ分析の専門家である必要はない。メディアインスタンスに対するリアクションの徹底的な分析と、実用的な洞察とを、ユーザーから利用可能にすることで、生理的データを分析する専門家ではないユーザーが、商業的および社会的に大きな積極的な影響をもち得る重大な情報を取得できるようになる。
【0071】
図10は、視聴者からのリアクションの徹底的な分析に基づいた、実用的な洞察の提供をサポートするための例示的なシステムの図である。この図は、機能的に別々となるように構成要素を描いているが、そのような描き方は、単に説明のためにすぎない。この図に描かれた構成要素を恣意的に組み合わせ得ること、または別々のソフトウェア、ファームウェア、および/もしくはハードウェアコンポーネントに分割し得ることは、当業者には明らかであろう。さらに、そのような構成要素は、それらがどのように組み合わされ、または分割されるかに関わりなく、同一のコンピューティングデバイスまたは多数のコンピューティングデバイス上で実行でき、多数のコンピューティングデバイスは、1つまたは複数のネットワークによって接続できることも、当業者には明らかであろう。
【0072】
図10を参照すると、収集モジュール1803は、メディアインスタンス1801の複数の視聴者から1つまたは複数のリアクション1802を収集し、記録し、保存し、管理するように動作可能である。リアクション1802が収集される視聴者は、同じ物理的場所または異なる物理的場所にいることができる。加えて、視聴者は、メディアインスタンスおよび収集されたリアクションを、同じ時間または異なる時間に視聴する(例えば、視聴者1は午前9時にメディアインスタンスを視聴し、一方、視聴者2は午後3時にメディアインスタンスを視聴する)ことができる。メディアインスタンスに対するリアクションについてのデータまたは情報は、センサーヘッドセットを介して、各ユーザーから取得され、または集められる。一実施形態のセンサーヘッドセットは、センサーをハウジングに統合してあり、ハウジングは、生理的データの測定のために、人間の頭に配置することができる。デバイスは、少なくとも1つのセンサーを含み、ハウジングに接続された参照電極を含むことができる。センサーおよび参照電極に結合されたプロセッサーは、ユーザーの組織内の電気的活動を表す信号を受信する。プロセッサーは、信号の第1および第2の周波数帯の各々におけるエネルギーレベルの間の差のデータを含む出力信号を生成する。エネルギーレベルの間の差は、ユーザーの現時点の解放レベル感情状態に比例する。ヘッドセットは、出力信号をリモートデバイスに送信する無線送信機を含む。したがって、ヘッドセットは、人の心的および感情的状態(リアクションまたはリアクションデータ)に対応する出力信号を生成するように生理的データを処理する。センサーヘッドセットの一例は、2008年9月8日に出願された米国特許出願第12/206,676号、2007年5月17日に出願された米国特許出願第11/804,517号、および2007年3月2日に出願された米国特許出願第11/681,265号で説明されている。
【0073】
それぞれ、メディアインスタンスとその関係データは、メディアデータベース1804に保存されることができ、視聴者からの1つまたは複数のリアクションは、リアクションデータベース1805に保存されることができる。分析モジュール1806は、メディアインスタンスをどのように改良できるか/すべきかについての独自の結論をユーザーが引き出せるように、視聴者のリアクションに対して徹底的な分析を実行し、視聴者のリアクションに対する実用的な洞察をユーザー1807に提供する。提示モジュール1808は、メディアインスタンス1801と、メディアインスタンスの視聴者からの1つまたは複数のリアクション1802とを対話型ブラウザー1809を介して取り出して、提示するように動作可能である。ここでは、対話型ブラウザーは少なくとも2つのパネル、すなわち、メディアインスタンスを提示し、再生し、停止させるように動作可能なメディアパネル1810と、メディアインスタンスに対応する1つまたは複数のリアクションに加えて、分析モジュール1806によって提供された主要な洞察も表示するように動作可能である反応パネル1811とを備える。
【0074】
図11は、視聴者のリアクションの徹底的な分析に基づいた、実用的な洞察の提供をサポートするための例示的な自動プロセスを示すフローチャートである。この図は、説明のために特定の順序で機能的動作を描いているが、プロセスは、動作のどのような特定の順序または配列にも限定されない。この図に描かれた様々な動作は、様々な仕方で省略し、再配列し、組み合わせ、および/または適合させ得ることは、当業者であれば理解されよう。
【0075】
図11を参照すると、1101において、複数の視聴者からのメディアインスタンスに対する1つまたは複数のリアクションが収集され、1つまたは複数のデータベースに保存され、管理される。メディアインスタンスをどのように改良できるか/すべきかについての独自の結論をユーザーが引き出せるように、1102において、視聴者のリアクションに対する徹底的な分析が、専門家の知識を使用して実行され、1103において、実用的な洞察が、視聴者のリアクションに基づいて生成され、ユーザーに提供される。1104において、1つまたは複数のリアクションは、ユーザーがメディアインスタンスについての独自の結論を引き出せるように、実用的な洞察と一緒にユーザーに提示することができる。リアクションおよび実用的な洞察を提示するために使用される構成は、セーブすること、および対応する情報を用いてタグ付けすることができ、将来の類似の分析のために呼び出して使用することが可能である。
【0076】
いくつかの実施形態では、分析モジュールは、少なくとも1つの質問がなされると、メディアインスタンスに対する視聴者のリアクションに対して、洞察を提供するように、またはデータに基づいた徹底的な分析を提示するように動作可能である。質問の一例は、メディアインスタンスが、すべての人口統計グループにわたって、または特に特定の人口統計グループ、例えば年配の女性に対して、最大の効果を上げているかどうかである。別の質問の例は、大音響など、メディアインスタンスのある要素が、視聴者の興味を積極的に掻き立てるのに非常に効果的であるかどうかである。また別の質問の例は、思考を誘発するメディアインスタンス内の要素が、製品写真よりもはるかに強く視聴者に訴えかけるかどうかである。また、質問の一例は、時代の先頭を行く女性など、メディアインスタンスに登場するある人物が、男性の視聴者に対して効果的かどうか、および/または人口統計で女性に属する対象視聴者にわたって効果的かどうかを含む。さらに別の質問の例は、視聴者からのメディアインスタンスに対する生理的反応が、メディアインスタンス内の人物を特定した、または積極的に関わりのある視聴者と一致しているかどうかを含む。さらなる質問は、メディアインスタンスが、普遍的であり、性別、年齢、および収入の垣根を越えて一貫して良好に作用するか、それともきわめて偏ったものであるかである。
【0077】
したがって、分析モジュールは、上で説明されたように、1つまたは複数の質問の使用を通して、分析を自動化する。質問は、メディアインスタンスに反応する視聴者から受信したデータまたは情報を分析し、提示するためのコンテキストを提供する。分析モジュールは、受信したデータを使用して、質問のいくつかに回答するように構成され、質問に対する回答は、収集されたデータを提供し、または収集されたデータに対応する。ユーザーは、特定のメディアインスタンスのデータからの結果を望む場合、望む回答がそのメディアインスタンスについてのものとなる質問を選択する。質問の選択に応答して、分析の結果が、質問に対する回答の形式で提示され、回答は、メディアインスタンスに対応する収集されたデータを使用して引き出され、または生成される。分析の結果は、テキストおよび/またはグラフィカル出力または提示を使用して提示することができる。分析の結果は、質問に回答するデータをどのように表現すべきかについてのこれまでの知識、過去の類似のデータ分析から得られたこれまでの知識を使用して生成し、提示することもできる。さらに、メディアインスタンスのデータの提示は、他の質問の使用または生成を通して、ユーザーによって変更することができる。
【0078】
分析モジュールは、提示モジュールとともに、上で説明された動作を実行し、提示モジュールは、多くの異なるデータ表現を含む。動作において、メディアインスタンスのデータの部分についての表現が指定または選択され、その後、表現は、データに適用される1つまたは複数の質問を用いてタグ付けされる。このアーキテクチャは、ユーザーが1組のツールを使用してデータの表現方法を変更することを可能にする。システムは、データの表現方法についての情報と、回答された質問または質問タイプを覚えており、または保存している。以前のシステム構成についてのこの情報は、システムが、後の時点で、同じメディアインスタンスまたは異なるメディアインスタンスについての同じまたは類似の質問に回答するために、自己構成することを可能にする。したがって、ユーザーは、質問に回答するためのシステムの能力を継続的に改善し、回答内で提供されるデータの品質を改善する。
【0079】
いくつかの実施形態では、図12を参照すると、提示モジュールは、ユーザーが、リアクションパネル1011に示された視聴者からの生理的反応1003など、メディアインスタンス1002に対するリアクションのあるセクション1001を、非限定的な例として、「影付け」によって選択することを可能にするように動作可能である。その後、分析モジュール1006は、メディアインスタンスおよび/または生理的反応の影付きのセクションに対して、要求された分析を自動的に実行して、視聴者のリアクションを解析する際に非専門家が専門家の知識を利用できるやり方で、反応を説明することができる。その後、分析された結果は、リアルタイムにユーザーに提示されることができ、他の人々と共用されることができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、分析モジュールは、アナリストまたはユーザー自身によってプログラムされることによって、メディアインスタンスおよび/または反応の影付きのセクションを分析するように動作可能である。通常、ユーザーは、きわめてしばしば、視聴者の反応のいくつかの属性に関心をもつ。分析モジュールは、ユーザーが一から検討できる洞察、結論、および発見をユーザーに提供する。分析結果は、データの内側の徹底的な分析に加えて、メディアインスタンスの影付きのセクションについての様々な可能な解釈も提供し、それらはしばしば結論を明白なものにするが、そのような分析は、ユーザーによって到達される結論の代用ではない。代わりに、ユーザーには、提供された分析に基づいてセクションについての独自の結論を引き出すことが委ねられている。
【0081】
いくつかの実施形態では、ユーザーは、セクションを選択し、準備されたリストから、関心のある質問/課題/要求1004の1つを選出する。準備された質問のリストは、任意の数の質問を含むことができるが、これらに限定されない。質問のいくつかの例が、分析モジュールにおいて引き起こされる応答とともに、以下に示される。
【0082】
質問の一例は、「メディアインスタンスに対する強烈な反応はどこにあったか?」である。それに応答して、分析モジュールは、反応の高コヒーレンス領域を探すことによって、反応の強度を自動的に計算することができる。
【0083】
別の質問の例は、「メディアインスタンスは明るい調子で終了するか?」または「視聴者はイベント(例えば滑稽な言動)を面白いと思うか?」である。それに応答して、分析モジュールは、視聴者の賛同または承認がメディアインスタンスの始めでよりも終りでより高いことを生理的データが示しているかどうかをチェックすることができる。
【0084】
また別の質問の例は、「どこで人々はそのスポットに心引かれるか?」である。この質問に応答して、分析モジュールは、視聴者の感情に一貫した変化がみられるかどうかをチェックすることができる。
【0085】
さらに別の質問の例は、「商標モーメントに対する反応はどのようなものか?」である。それに応答して、分析モジュールは、メディアの影付きのセクションの期間に思考は高まったが、賛同または承認が低下したかどうかをチェックすることができる。
【0086】
さらなる質問の例は、「どの視聴者に製品紹介が最も良く作用したか?」である。それに応答して、分析モジュールは、男性、女性、ゲーマー、共和党員、ある業界の関係者などを含むがこれらに限定されない視聴者の様々なセグメントからの反応を分析する。
【0087】
いくつかの実施形態では、提示モジュール(図10、1807)は、出された質問に応答した分析結果と、視聴者の反応とともに、対話型ブラウザー上でグラフィカルにユーザーに提示するように動作可能である。非限定的な例として、図12に示されるように、強調されたライン1005と、視聴者からの生理的反応における傾向を表す矢印1006とを利用することができ、強調は、分析された1つまたは複数の特定の生理的反応を示し、上/下矢印は、対応する反応における上昇/下降を示す。加えて、他のグラフィック表示も使用することができ、それらは、テキストボックス、多数のグループのデータの同時表示(男性と女性の比較)、および重要な何かを指示するのに普通に使用される任意のグラフィックツールとすることができるが、これらに限定されない。非限定的な別の例として、星印、点、および/または他のグラフィック要素は、最初の一貫した変化がみられるポイントを指示するのに使用することができ、円は、最も強烈な反応を伴うポイントを指示するのに使用することができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、図12に示すように、出された質問に応答した分析結果の言語的な説明1007を、グラフィカル表示とともにユーザーに提供することができる。そのような言語的な説明は、グラフィカル表示を記述する(例えば、なぜ矢印は上昇しているか、矢印についての詳細など)。図12に示される広告ビデオクリップの非限定的な例の場合、言語的な説明1007は、「この広告全体にわたって、思考は非常に規則的な正弦波パターンに従っている。これはしばしば、見ている事柄について集中して激しく考える状況に視聴者を置き、その後、状況の解決により視聴者に報いることによって、視聴者を引き付けるために使用される、緊張−解決サイクルの結果である」と述べている。投げられた岩が当たった男についての滑稽な言動の別の非限定的な例の場合、言語的な説明は、以下のようなものになるであろう。「岩が当たった後の男の転倒は、好ましさに関して、最初は一貫した肯定的な反応を生み出す。これは、岩が実際に投げられたのが面白いのではなく、人の身体が描く円弧が面白いことを示している。身体が地面に叩き付けられた後、反応は中立に戻り、このセクションの間、感情のさらなる変化はみられない」。
【0089】
いくつかの実施形態では、図10を参照すると、オプションの認証モジュール1813は、メディアインスタンスおよび逐語的リアクションに対するアクセスを、ネットワーク1812を介してリモートに要求するユーザーの身元を認証するように動作可能である。ここでは、ネットワークは、インターネット、イントラネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ネットワーク、Bluetooth、および移動体通信ネットワークとすることができるが、これらに限定されない。
【0090】
いくつかの実施形態では、オプションのユーザーデータベース1814は、メディアインスタンスおよび視聴者からの逐語的リアクションにアクセスすることを許可されたユーザーの情報と、各ユーザーがアクセスすることを許可された特定のメディアインスタンスおよびリアクションとを保存する。アクセスモジュール1810は、アクセスに関してユーザーを追加または削除することができ、ユーザーのログイン名およびパスワードをチェックすることによって、ユーザーがアクセスできるメディアインスタンスおよび/もしくはリアクションのリストならびに/またはユーザーが使用できる分析機能のリストを制限または拡張することができる。ユーザーのアクセスに対するそのような権限付与/制限は、ユーザーが誰であるかに基づいて、例えば、異なるタイプのユーザーについての異なる量の情報に基づいて、決定されることができる。非限定的な例として、ABC会社は、ある広告と、その広告に対する視聴者のリアクションからのフィードバックとにアクセスすることができるが、XYZ会社は、それらにアクセスできず、または制限されたアクセスが行えるだけである。
【0091】
一実施形態は、メディアインスタンスの全持続期間にわたって継続的に、特定のメディアインスタンスを、複数の視聴者からのメディアインスタンスに対する生理的反応と同期させる。メディアインスタンスと生理的反応が同期すると、対話型ブラウザーは、1つのパネルにおいて、ユーザーがメディアインスタンス(または生理的反応)の中を移動することを可能にしながら、別のパネルにおいて、対応する生理的反応(またはメディアインスタンスのセクション)を提示することを可能にする。
【0092】
対話型ブラウザーは、ユーザーが、メディアインスタンスからセクション/シーンを選択し、特定のセクションに対する視聴者の生理的反応を相関させ、提示し、比較することを可能にする。代替的に、ユーザーは、メディアインスタンスが表示されている間、視聴者の生理的反応を継続的に監視することができる。(静的なスナップショットの代わりに)生理的反応の連続的な変化とメディアインスタンスを並べて見ることができ、視聴者からの集約された生理的反応をメディアインスタンスの特定のイベントと対話型な方法で比較できることで、ユーザーは、視聴者に提示される刺激が何であれ、それに対する視聴者からの真のリアクションについてのより良い理解を得られるようになる。
【0093】
図13は、メディアとメディアの視聴者からの生理的反応との同期をサポートするための例示的なシステムの図である。この図は、機能的に別々となるように構成要素を描いているが、そのような描き方は、単に説明のためにすぎない。この図に描かれた構成要素を恣意的に組み合わせ得ること、または別々のソフトウェア、ファームウェア、および/もしくはハードウェアコンポーネントに分割し得ることは、当業者には明らかであろう。さらに、そのような構成要素は、それらがどのように組み合わされ、または分割されるかに関わりなく、同一のコンピューティングデバイスまたは多数のコンピューティングデバイス上で実行でき、多数のコンピューティングデバイスは、1つまたは複数のネットワークによって接続できることも、当業者には明らかであろう。
【0094】
図13を参照すると、同期モジュール1303は、メディアインスタンスの全持続期間にわたって、あらゆる瞬間において、メディアインスタンス1301を、メディアインスタンスの1人または複数の視聴者から集約された1つまたは複数の生理的反応1302と継続的に同期させ、相関させるように動作可能である。ここでは、それぞれ、メディアインスタンスと、その関係データは、メディアデータベース1304に保存されることができ、視聴者から集約された1つまたは複数の生理的反応は、リアクションデータベース1305に保存されることができる。対話型ブラウザー1306はメディアパネル1307とリアクションパネル1308とを含む少なくとも2つのパネルを含み、メディアパネル1307は、メディアインスタンスを提示し、再生し、停止させるように動作可能であり、リアクションパネル1308は、2次元線グラフ内のライン(トレース)として、メディアインスタンスに対応する1つまたは複数の生理的反応(例えば、アドレナリン、愛好、および思考)を表示し、比較するように動作可能である。グラフの水平軸は時間を表し、グラフの垂直軸は1つまたは複数の生理的反応の振幅(強度)を表す。カッティングライン1309は、メディアインスタンスの現在のシーン(イベント、セクション、または時間的瞬間)に対する視聴者からの生理的反応を指示し、カッティングラインは、ユーザーによって選択することができ、メディアインスタンスの再生に合わせて移動することができる。対話型ブラウザーは、ユーザーが、メディアパネル1307に提示されたメディアインスタンスからイベント/セクション/瞬間を選択し、リアクションパネル1308において特定のセクションに対する視聴者の生理的反応を相関させ、提示し、比較することを可能にする。反対に、対話型ブラウザーは、ユーザーが、任意の特定の瞬間にリアクションパネル1308において視聴者からの生理的反応のカッティングライン1309を選択し、対応するメディアセクションまたはシーンが、メディアパネル1307において識別され、提示されるようにすることを可能にする。
【0095】
一実施形態の同期モジュール1303は、メディアの各イベントを同期させることによって、メディアインスタンス1301を、メディアインスタンスの複数の視聴者から集約された1つまたは複数の生理的反応1302と同期させ、相関させる。人の生理的反応は、心拍、脳波、脳電図(EEG)信号、瞬目率、呼吸、動き、筋運動、電気皮膚反応、皮膚温、および人の他の任意の生理的反応を含むが、これらに限定されない。その後、各イベントまたは時点に対応する生理的反応データが、メディアデータベース1304から取り出される。データは、収集された信号に対応する人の脳内での認知遅延(例えば、人の視覚に関連する脳の認知遅延は、聴覚情報に関連する認知遅延と異なる)と、システムの処理遅延とを考慮するようオフセットされ、その後、メディアインスタンス1301と同期が取られる。任意選択的に、表示とリアクションデータベース1305の間の時間帯差を考慮して、追加的なオフセットを各個人の生理的反応データ1302に適用することができる。
【0096】
図14は、メディアとメディアの視聴者からの生理的反応との同期をサポートするための例示的なプロセスを示すフローチャートである。この図は、説明のために特定の順序で機能的動作を描いているが、プロセスは、動作のどのような特定の順序または配列にも限定されない。この図に描かれた様々な動作は、様々な仕方で省略し、再配列し、組み合わせ、および/または適合させ得ることは、当業者であれば理解されよう。
【0097】
図14を参照すると、1401において、メディアインスタンスは、メディアインスタンスの全持続期間にわたって、あらゆる瞬間において、メディアインスタンスの複数の視聴者から集約された1つまたは複数の生理的反応と継続的に同期が取られる。1402において、同期が取られたメディアインスタンスと視聴者からの1つまたは複数の生理的反応が、並べて提示される。1403において、メディアインスタンスからイベント/セクション/シーン/瞬間を選択することができ、1404において、特定のセクションに対する視聴者の生理的反応を相関させ、提示し、比較することができる。代替的に、1405において、メディアインスタンスが表示されている間、視聴者の生理的反応を継続的に監視することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、図13を参照すると、集約モジュール1310は、リアクションデータベース1305からメディアインスタンスに対する生理的反応を取り出し、それを複数の視聴者にわたって集約し、集約された反応の各々をメディアインスタンスの持続期間の関数として提示する。メディアインスタンスに対する集約された反応は、視聴者の生理的反応の強度の最大、最小、平均、偏差、または高次近似のうちの1つまたは複数によって計算することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、集約された反応の振幅の変化(傾向)は、メディアインスタンスの品質の良い尺度である。メディアインスタンスが、視聴者の感情を上向きおよび下向きに激しく変化させることができる(非限定的な例として、反応の数学的偏差が大きい)場合、そのような激しい振幅変化は、視聴者を異なる感情状態に誘う、優れたメディアインスタンスに対応する。対照的に、効果の小さいメディアインスタンスは、視聴者を異なる感情状態に誘わない。そのような情報は、メディアインスタンスが所望の反応を引き出しているかどうか、所望の反応に合致させるために、メディアインスタンスのどの主要なイベント/シーン/セクションを変更する必要があるかを識別するために、メディアデザイナーによって使用することができる。優れたメディアインスタンスは、強烈で、視聴者全員にわたって反応の正の振幅を生み出す、多数の瞬間/シーン/イベントを含むべきである。そのような反応を生み出すのに失敗したメディアインスタンスは、メディアインスタンスの作成者が意図していたことを達成することはできない。
【0100】
いくつかの実施形態では、メディアインスタンスは、プロフィール内の主要な瞬間/イベント/シーン/セグメント/セクションのインスタンスに分割することができ、そのような主要なイベントは、メディアインスタンスのタイプに従って識別し、タグ付けすることができる。ビデオゲームの場合、そのような主要なイベントは、レベル、カットシーン、大規模な格闘、戦闘、会話などのビデオゲームの要素を含むが、これらに限定されない。ウェブサイトの場合、そのような主要なイベントは、ウェブページの進行、ウェブページの主要部分、示される広告、コンテンツ、テキストコンテンツ、ビデオ、アニメーションなどを含むが、これらに限定されない。対話型メディア/映画/広告の場合、そのような主要なイベントは、映画における章、シーン、シーンタイプ、登場人物の行為、イベント(非限定的な例として、カーチェース、爆発、キス、死、滑稽な言動)、および主要登場人物とすることができるが、これらに限定されない。
【0101】
いくつかの実施形態では、イベントモジュール1311は、メディアデータベース1304から取り出されるメディアインスタンス内の多くの瞬間/イベント/シーン/セグメント/セクションを速やかに識別し、その後、各イベントの長さを自動的に計算するために使用することができる。イベントモジュールは、ユーザーまたは熟練した管理者が、メディアインスタンス内の重要なイベントを識別し、タグ付けすることを可能にすることができ、その結果、(メディアインスタンス内の他の関係があるイベントに対して)メディアインスタンス内の「場所」(現在のイベント)がユーザーによって選択されると、選択されたイベントを視聴者からの集約された反応とより良く相関させることができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、メディアインスタンス内のイベントは、環境(例えば、仮想環境、現実環境、オンライン環境など)におけるユーザーの行為を、映画などの非対話型メディアの場合には視聴者のメディアインスタンス対話の前に解析する、または、記録されたビデオ、行為のログまたは他の手段を通して視聴者のメディアインスタンス対話を検討することによって事後的に解析する1つまたは複数のアプリケーションによって、可能であれば自動的に識別されることができる。ビデオゲーム、ウェブサイト、および他の電子的な対話型メディアインスタンスでは、メディアを管理するプログラムが、このログを生成することができ、したがって、プロセスを自動化することができる。
【0103】
一実施形態は、特定のメディアインスタンスに対する複数の視聴者からの逐語的コメントまたはフィードバックのグラフィカル提示および分析を可能にする。これらの逐語的コメントは、最初に視聴者から収集されて、データベースに保存され、その後、分析され、様々なカテゴリーに類別される。類別されると、その後、コメントは、様々なグラフィカルフォーマットでユーザーに提示されることができ、特定のメディアインスタンスに対する肯定的/否定的リアクション、および/または特定のメディアインスタンスの視聴者によって知覚された最も印象的な特徴について、ユーザーが直感的な視覚的印象を得ることを可能にする。
【0104】
一実施形態は、特定のメディアインスタンスに対する複数の視聴者からの逐語的コメントまたはフィードバックのグラフィカル提示および分析を可能にする。これらの逐語的コメントは、最初に視聴者から収集されて、データベースに保存され、その後、分析され、様々なカテゴリーに類別される。類別されると、その後、コメントは、様々なグラフィカルフォーマットでユーザーに提示されることができ、特定のメディアインスタンスに対する肯定的/否定的リアクション、および/または特定のメディアインスタンスの視聴者によって知覚された最も印象的な特徴について、ユーザーが直感的な視覚的印象を得ることを可能にする。コメントおよびフィードバックを一語一語解析しながら切り分けていく代わりに、ユーザーは今では、メディアインスタンスが視聴者によってどれだけ良く受け取られたかを一目で視覚的に評価することができる。
【0105】
図15は、視聴者からの逐語的コメントのグラフィカル提示をサポートするための例示的なシステムの図である。この図は、機能的に別々となるように構成要素を描いているが、そのような描き方は、単に説明のためにすぎない。この図に描かれた構成要素を恣意的に組み合わせ得ること、または別々のソフトウェア、ファームウェア、および/もしくはハードウェアコンポーネントに分割し得ることは、当業者には明らかであろう。さらに、そのような構成要素は、それらがどのように組み合わされ、または分割されるかに関わりなく、同一のコンピューティングデバイスまたは多数のコンピューティングデバイス上で実行でき、多数のコンピューティングデバイスは、1つまたは複数のネットワークによって接続できることも、当業者には明らかであろう。
【0106】
図15を参照すると、収集モジュール1503は、メディアインスタンス1501の複数の視聴者からの逐語的リアクション1502(コメントおよびフィードバック)を収集し、記録し、保存し、管理するように動作可能である。ここでは、それぞれ、メディアインスタンスと、その関係データは、メディアデータベース1504に保存されることができ、視聴者からの逐語的リアクションは、リアクションデータベース1505に保存されることができる。分析モジュール1506は、視聴者からの逐語的コメントを分析し、それらを複数のカテゴリーに類別するように動作可能である。提示モジュール1507は、メディアインスタンスに対する逐語的リアクションを取り出し、様々なカテゴリーに類別し、その後、カテゴリーに基づいて、これらの逐語的リアクションを、対話型ブラウザー1509を介してグラフィカル形式で、ユーザー1508に提示するように動作可能である。対話型ブラウザーは、少なくとも2つのパネル、すなわち、メディアインスタンスを提示し、再生し、停止させるように動作可能なメディアパネル1510と、メディアインスタンスに対応する1つまたは複数のリアクションばかりでなく、視聴者からのフィードバックの言語的および/または視覚的な知覚および解釈をユーザーに提供するために、逐語的リアクションの1つまたは複数のグラフィカル類別および提示も表示するように動作可能なコメントパネル1511とを含む。
【0107】
図16は、視聴者からの逐語的コメントのグラフィカル提示をサポートするための例示的なプロセスを示すフローチャートである。この図は、説明のために特定の順序で機能的動作を描いているが、プロセスは、動作のどのような特定の順序または配列にも限定されない。この図に描かれた様々な動作は、様々な仕方で省略し、再配列し、組み合わせ、および/または適合させ得ることは、当業者であれば理解されよう。
【0108】
図16を参照すると、1601において、複数の視聴者からのメディアインスタンスに対する逐語的リアクションが収集され、保存され、管理される。1602において、収集された逐語的リアクションが分析され、様々なカテゴリーに類別される。その後、1603において、類別されたコメントが取り出され、カテゴリーに基づいて、グラフィカル形式でユーザーに提示され、1604において、ユーザーが、視聴者からのリアクションを視覚的に解釈することを可能にする。
【0109】
いくつかの実施形態では、メディアインスタンスの視聴者は、メディアインスタンスについて好きな所および好きでない所を自由に書くことができ、視聴者からの逐語的な(自由記述形式の)コメントまたはフィードバック501は、記録されて、上で説明された図9に示されるように、コメントパネル7111に逐語的に提示される。いくつかの実施形態では、分析モジュールは、複数のカテゴリーの各々において、コメントを、コメントの各々において使用される単語に基づいて、肯定的または否定的なものとしてさらに特徴付けるように動作可能である。特徴付けられると、カテゴリーの各々における肯定的コメントまたは否定的コメントの数を合計することができる。非限定的な例として、戦闘などあるタイプのイベントについての視聴者からのコメントは、40%は肯定的であるが、60%は否定的であるとして特徴付けられ、要約されることができる。そのような手法は、視聴者のグループからの応答から偏った単一の逐語的応答を回避し、メディアインスタンスのあらゆる局面に対して視聴者がどのように反応するかを、ユーザーが理解することを容易にする。
【0110】
いくつかの実施形態では、分析モジュールは、製品に関する複数のカテゴリー/トピック/特徴において、メディアインスタンスについての視聴者のコメントを肯定的または否定的なものとして特徴付けるように動作可能であり、そのようなカテゴリーは、製品、イベント、ロゴ、歌、スポークスパーソン、滑稽な言動、語り、キーイベント、ストーリー展開を含むが、これらに限定されない。これらのカテゴリーを事前に決めておくことはできないが、代わりにコメントの分析から抽出することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、提示モジュールは、メディアインスタンスの様々な特徴/トピック/イベントに対する視聴者の肯定的または否定的コメントの要約を、例えばバブルグラフで、ユーザー(メディアインスタンスの作成者)に提示するように動作可能である。代替的な実施形態では、視聴者からの逐語的コメントを分析することができ、キーワードおよび概念(形容詞)を抽出し、ワードクラウド(word cloud)で提示することができ、逐語的コメントからの意味のある情報をより利用し易くする。
【0112】
いくつかの実施形態では、視聴者は、例えば「3つの形容詞のうち、このメディアに対するあなたの反応を最も良く表しているのはどれか」など、特定の質問に単純に回答を求められることがある。その後、質問に対する視聴者の応答内の形容詞を、収集し、類別し、要約し、ワードクラウドで提示することができる。代替的に、メディアインスタンスに対する反応を説明するのに視聴者が使用した形容詞を、収集された調査データから抽出することもできる。
【0113】
いくつかの実施形態では、図15を参照すると、オプションの認証モジュール1513は、メディアインスタンスおよび逐語的リアクションに対するアクセスを、ネットワーク1513を介して遠隔から要求するユーザーの身元を認証するように動作可能である。ここでは、ネットワークは、インターネット、イントラネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ネットワーク、Bluetooth、および移動体通信ネットワークとすることができるが、これらに限定されない。
【0114】
いくつかの実施形態では、オプションのユーザーデータベース1514は、メディアインスタンスおよび視聴者からの逐語的リアクションにアクセスすることを許可されたユーザーの情報と、各ユーザーがアクセスすることを許可された特定のメディアインスタンスおよびリアクションとを保存する。アクセスモジュール1510は、アクセスに関してユーザーを追加または削除することができ、ユーザーのログイン名およびパスワードをチェックすることによって、ユーザーがアクセスできるメディアインスタンスおよび/もしくはリアクションのリストならびに/またはユーザーが使用できる分析機能のリストを制限または拡張することができる。ユーザーのアクセスに対するそのような権限付与/制限は、ユーザーが誰であるかに基づいて、例えば、異なるタイプのユーザーについての異なる量の情報に基づいて、決定することができる。非限定的な例として、ABC会社は、ある広告と、その広告に対する視聴者のリアクションからのフィードバックとにアクセスすることができるが、XYZ会社は、同じ広告および/またはフィードバックにアクセスできず、または制限されたアクセスが行えるだけである。
【0115】
一実施形態のヘッドセット(本明細書ではセンサーヘッドセットおよび統合ヘッドセットとも呼ばれる)は、上で説明されたように、生理的データの測定のために人の頭部に配置できるハウジングにセンサーを統合する。デバイスは、少なくとも1つのセンサーと、ハウジングに接続される参照電極とを含む。センサーおよび参照電極に結合されるプロセッサーは、ユーザーの組織における電気的活動を表す信号を受信する。プロセッサーは、信号の第1および第2の周波数帯の各々におけるエネルギーレベル間の差のデータを含む出力信号を生成する。エネルギーレベル間の差は、ユーザーの現時点の解放レベル感情状態に比例する。デバイスは、出力信号をリモートデバイスに送信する無線送信機を含む。したがって、デバイスは、生理的データを処理して、人の心的および感情的状態または反応に対応する出力信号を生成する。
【0116】
ヘッドセットを含むシステム30が、図17に示されている。例示的なシステム30は、ユーザーの前部前頭葉(pre−frontal lobe)における電気的活動からの対象信号を感知し、分離するための、ユーザー34に接続されるセンサーデバイス32を含む。対象信号は、ユーザー34の現時点の感情状態(PTES)に関連する電気的活動または対象信号の測定可能な特徴を有する。PTESは、与えられた時点における、ユーザーの感情状態に関係する。例えば、ユーザーに感情的苦痛を感じさせる何かについてユーザーが考えている場合、PTESは、ユーザーの感情に平穏な影響を及ぼす何かについてユーザーが考えている場合とは異なる。別の例では、ユーザーが思考に関して制約的な感情を感じている場合、PTESは、ユーザーがそれらの思考に関して解放状態を感じている場合とは異なる。対象信号とPTESの間の関係のため、システム30は、ユーザーの脳において電気的活動を測定し、他の電気的活動から対象信号を分離することによって、ユーザー34によって体験されるPTESのレベルを決定することができる。
【0117】
本例では、センサーデバイス32は、第1のポイントに位置するセンサー電極36と、第2のポイントに位置する参照電極38とを含む。第1のポイントと第2のポイントは、間隔があいた位置関係に置かれるが、互いに近接近状態を維持している。ポイントは好ましくは、約20.32cm(約8インチ)以内にあり、一例では、ポイントは、約10.16cm(約4インチ)離れている。本例では、センサー電極36は、ユーザーの額の皮膚上に位置付けられ、参照電極38は、ユーザーの耳に接続される。参照電極は、ユーザーの額に取り付けることもでき、それは、ユーザーの耳の上方に参照電極を位置付けることを含み得る。
【0118】
センサー電極36および参照電極38は、センサーデバイス32のエレクトロニクスモジュール40に接続され、エレクトロニクスモジュール40は、参照電極38の近くに、それらが実質的に同じノイズ環境に配置されるように、位置付けられる。エレクトロニクスモジュール40は、ユーザーのこめかみに、もしくはこめかみの上方に、またはエレクトロニクスモジュール40が参照電極38に対して近接近状態にある他の位置に配置されることができる。本例では、ヘッドバンド42または他の取り付け器具が、センサー電極36およびエレクトロニクスモジュール40をこめかみ近くの場所に保持し、クリップ44が、参照電極38をユーザーの耳に保持する。一例では、エレクトロニクスモジュールと参照電極は、それらが容量結合されるように互いに対して位置付けられる。
【0119】
センサー電極36は、ユーザーの前部前頭葉における電気的活動を感知し、エレクトロニクスモジュール40は、センサー電極によって検出される存在する他の電気的活動から対象信号を分離する。エレクトロニクスモジュール40は、無線送信機46を含み、無線送信機46は、無線リンク50を介して、対象信号を無線受信機48に送信する。無線受信機48は、エレクトロニクスモジュール40から対象信号を受信し、対象信号を無線受信機48からコンピューター54に転送するために、ポートコネクタ53を用いて、コンピューター54またはプロセッサーを有する他のデバイスのポート52に接続する。エレクトロニクスモジュール40はLED55を含み、無線受信機48はLED57を含み、それらは無線送信機および無線受信機に電源が入っている場合に点灯する。
【0120】
対象信号から取り出されるPTESのレベルは、コンピューター54のコンピューター画面58に(例えばメーター56によって)表示されることができる。この実施形態では、表示メーター56は、インジケータとして役立つが、実施形態は、そのように限定されない。表示メーター56は、ユーザー34が、任意の特定の時点におけるPTESのレベルを客観的なやり方で決定することを可能にする。メーター56から取得される客観的なフィードバックは、PTESを改善するようにユーザーを誘導するため、ユーザーがある刺激にさらされたときにユーザー34の心に浮かび得る特定の記憶もしくは思考に関するPTESのレベルを決定するため、および/またはユーザーのヘッドセットから受信されたデータの品質、したがって、ヘッドセットの適切な装着に関してユーザーにフィードバックを提供するために使用される。
【0121】
システム30では、メディア素材またはメディアインスタンス66は、ユーザーにおける高レベルのPTESに関連した特定の思考または感情をユーザー34に起こさせるように設計された刺激にユーザー34をさらすために使用される。本例では、メディア素材66は、ユーザーに提示され、または再生される任意の素材を含む。特定の思考または感情は、メディアインスタンスの再生中に獲得される対象信号で表される。
【0122】
解放レベルPTESに関連する対象信号は、ユーザーの脳の前部前頭葉における、4〜12Hzの範囲内の脳波または電気的活動である。電気的活動のこれらの特徴的な周波数はアルファ帯およびシータ帯にある。アルファ帯活動は8〜12Hzの範囲にあり、シータ帯活動は4〜7Hzの範囲にある。アルファ帯とシータ帯の振幅の間の線形関係は、解放レベルの表示である。ユーザー34が非解放状態にある場合、活動はシータ帯において優勢であってアルファ帯は減少し、ユーザー34が解放状態にある場合、活動はアルファ帯において優勢であってシータ帯は減少する。
【0123】
対象信号を獲得するセンサーデバイス32の一例が、図18および図19に示されている。センサーデバイス32は、センサー電極36と参照電極38とエレクトロニクスモジュール40とを含む。エレクトロニクスモジュール40は、対象信号を1000倍から100000倍に増幅し、同時に、60Hzのノイズがいずれの点においても増幅されないことを保証する。エレクトロニクスモジュール40は、不要の電気的活動から対象信号を分離する。
【0124】
また、本例のセンサーデバイス32は、エレクトロニクスモジュールから無線リンク50を介して対象信号を受信し、対象信号をコンピューター54に伝える無線受信機48を備える。本例では、無線リンク50は高周波エネルギーを使用するが、赤外線など、他の無線技術も使用することができる。無線接続の使用により、センサーデバイス32をコンピューター54から電気的に絶縁する、センサーデバイス32とコンピューター54の間に接続されるワイヤーを不要にする。
【0125】
本例では、参照電極38は、参照電極38をユーザー34の耳150に取り付けるために使用されるクリップ148に接続される。センサー電極36は、センサー電極36をヘッドバンド42に取り付けるための留め金または他のバネを組み込んだ器具を含む。ヘッドバンド42は、ユーザーのこめかみの位置に来るようにエレクトロニクスモジュール40を収容するポケットも備えている。ヘッドバンド42は、センサー電極および/またはエレクトロニクスモジュール40を保持するために使用される伸縮性バンドの一例であるが、同じ機能を提供する別のタイプの伸縮性バンドも使用することができ、それには伸縮性バンドに帽子の一部を形成させることも含む。
【0126】
センサー電極をユーザーの皮膚に接して保持するために、伸縮性バンドに加えて、他のタイプの取り付け器具も使用することができる。センサー電極をユーザーの皮膚に接して保持する保持力は、約28.35〜113.40g(1から4オンス)の範囲内とすることができる。保持力は例えば約42.52g(1.5オンス)とすることができる。
【0127】
取り付け器具の別の例は、センサー電極をユーザーの皮膚に接して保持する、眼鏡フレームに類似したフレームを含む。フレームは、エレクトロニクスモジュール40を支持するために使用することもできる。フレームは、ユーザーの耳と鼻梁によって支持されるようにユーザー34によって着用され、センサー電極36がユーザーの皮膚に接する。
【0128】
センサー電極36および参照電極38は、測定が行われるポイントでユーザーの皮膚に接触して配置されるように使用される導電面152および154をそれぞれ含む。本例では、導電面は銅、金、導電性ゴム、または導電性プラスチックなどの非反応性素材から構成される。センサー電極36の導電面152は、約3.23cm(約1/2平方インチ)の表面積を有することができる。導電面152は、特別に肌の下準備をする必要も、皮膚と導電面の間に見出される接触抵抗を低減するための物質を使用する必要もなしに、ユーザーの皮膚に直接接触するように使用される。
【0129】
センサーデバイス32は、500000オームの高さの接触抵抗で機能し、これは、デバイスが、特別に下準備されていない肌に直接接触する際の接触抵抗で機能することを可能にする。対照的に、従来のEEG電極では、接触抵抗を約20000オーム以下まで低減するように、特別な肌の下準備と、導電性ジェルまたは他の物質が使用される。より高い接触抵抗を扱う1つの結果は、ノイズが測定に結合され得ることである。ノイズは、60Hzの電源に接続された照明および他の機器から生じ、静電気を発生させる、空気中を動く任意の物体の摩擦からも生じる。ノイズの振幅は、エレクトロニクスモジュール40と参照電極38との間の距離に比例する。本例では、こめかみ領域の上方、耳のすぐ上にエレクトロニクスモジュールを配置し、参照電極を耳に接続することによって、センサーデバイス32はノイズを拾わず、または実質的にノイズに影響されない。エレクトロニクスモジュールを参照電極と同じ物理的空間に位置させ、エレクトロニクスモジュールを参照電極と容量的に結合することによって、エレクトロニクスモジュールの局所参照電位144と耳が実際上は同じ電位にあることを保証する。参照電極38は、センサーデバイス32のための電源158で使用される局所参照電位144に電気的に接続される。
【0130】
電源158は、電源導体を介してモジュール内の電子コンポーネントに電力146を提供する。電源158はセンサーデバイス32に、正および負の電源電圧や−VCCおよび+VCCの参照電位ばかりでなく、0ボルトの参照電位も提供する。電源158は、エレクトロニクスモジュールに適したレベルの電源電圧を発生させるためのチャージポンプを利用する。
【0131】
電源は、スイッチ156を介してモジュール40内の他のコンポーネントに接続される。電源158は、エレクトロニクスモジュール40に電源が入れられたまま一定の時間が過ぎると、電力が切断されるようにするタイマー回路を備えることができる。この機能は、例えば、ユーザー34が、エレクトロニクスモジュール40の電源をオンにしたままでいた場合に電力の浪費を回避する。センサーデバイス32は無線リンク50を使用するので、電力146は測定に対して局所的に参照され、外部接地系に対する参照接続を有さない。
【0132】
センサー電極36は、脳における電気的活動が感知または測定されるポイントでユーザーの皮膚に接触して配置される。参照電極38は、センサー電極が配置されるポイントから僅かな距離だけ離れたポイントで、ユーザーの皮膚に接触して配置される。本例では、この距離は、約10.16cm(4インチ)であるが、約20.32cm(約8インチ)ほどの長さにすることもできる。ノイズの振幅はエレクトロニクスモジュールと参照電極との間の距離に比例するので、長さが長くなると、システムにノイズが加わることがある。エレクトロニクスモジュール40は、参照電極38に対して近接近状態になるように配置される。これは、エレクトロニクスモジュール40を、参照電極38と同じ電気的および磁気的環境におき、エレクトロニクスモジュール40は、容量的に相互インダクタンスを介して参照電極38に接続される。参照電極38および増幅器168は、ノイズ環境に一緒に結合され、センサーデバイス32へのノイズの影響を低減または除去するために参照電極から僅かな距離だけ離れたセンサー電極36が、対象信号を測定する。参照電極38は、導体166を用いて、電源158の0Vに接続される。
【0133】
センサー電極36はユーザーの脳における電気的活動を感知するとともに、センサー電極36がユーザーの皮膚に接触するポイントにおける電気的活動の局所参照電位144に対する電位である、電気的活動に関連する電圧信号160を生成する。電圧信号160は、導体162を介して電極36からエレクトロニクスモジュール40に伝達される。導体162および166は、導電面152および154上にハンダが存在しないように、電極36および38に接続される。導体162は実用上できるだけ短い方がよく、本例では、約7.62cm(約3インチ)の長さである。センサーデバイス32が使用されるとき、導体162がユーザー34への信号またはユーザー34からの信号を結合しないように、導体162は、ユーザー34から距離を取って保持される。本例では、導体162は、ユーザー34から約1.27cm(約1/2インチ)の距離を取って保持される。モジュール40と電極36、38との間に延びる導体162および166以外の他のワイヤー、光ファイバー、他のタイプの延長コードは、エレクトロニクスモジュール40から延びていない。これらのタイプの構造は電子ノイズを拾う傾向があるからである。
【0134】
エレクトロニクスモジュール40は、対象信号と該対象信号とは無関係の不要の他の電気的活動とを含む電気的活動を測定しまたは決定する。エレクトロニクスモジュール40は、シングルエンド増幅器168(図19および図20)を使用し、シングルエンド増幅器168は、参照電極38を用いる測定の環境においてノイズに密結合される。シングルエンド増幅器168は、アルファ帯およびシータ帯における電気的活動を含む12Hzまでの周波数に対しては2の利得を提供し、60Hzの高調波を含む60Hz以上の周波数に対しては1より小さい利得を提供する。
【0135】
増幅器168(図20および図23)は、電極36から電圧信号160を受信し、電源158から電力146を受け取る。シングルエンド増幅器168は、電圧信号160に比例する出力信号174を生成する。出力信号174は対象信号を含む。本例では、電圧信号160は、導体162によって、高インピーダンス低電力演算増幅器172の非反転入力に接続される抵抗170に供給される。出力信号174は、並列接続された抵抗176およびコンデンサー178を介する、演算増幅器172の反転入力へのフィードバックとして使用される。演算増幅器172の反転入力は、抵抗180を介して参照電圧144にも接続される。
【0136】
増幅器168は、出力信号174を伝える出力導体184を用いて、3段センサーフィルター182に接続される。電気的活動または電圧信号160は、段168および182の各々によって増幅されるが、60Hz以上の不要信号は各段によって減衰される。3段センサーフィルターは、3つの段2206a、2206b、2206cを有し、その各々は、帯域通過フィルター機能を提供するための同じ設計を有していて、1.2Hzと12Hzとの間の信号は5の利得を得て通過することを許されるが、これらの周波数よりも低いおよび高い信号は減衰される。帯域通過フィルター機能はアルファ帯およびシータ帯にある信号は通過することを許すが、60Hzおよび60Hzの高調波は減衰させる。3段センサーフィルター182は、部品のバイアスおよびオフセットに起因する信号内のオフセットを取り除く。3段の各々は電源電圧146および参照電圧144に接続される。3段の各々はそれぞれ、出力信号186a、186b、186cを出力導体188a、186b、188c上に生成する。
【0137】
図21および図23において、3段センサーフィルター182の第1段2206aでは、出力信号174が、抵抗192aおよびコンデンサー194aを介して、第1段演算増幅器190aの非反転入力に供給される。コンデンサー196aおよび別の抵抗198aが、非反転入力と参照電圧144の間に接続される。第1段からの出力信号186aのフィードバックは、並列接続された抵抗2200aおよびコンデンサー2202aを介して、演算増幅器190aの反転入力に接続される。演算増幅器190aの反転入力は、抵抗2204aを介して参照電圧144にも接続される。
【0138】
第2段2206bおよび第3段2206cは、それぞれ第1段2206aに直列に配置される。第1段の出力信号186aは、抵抗192bおよびコンデンサー194bを介して、第2段2206bに、演算増幅器190bの非反転入力に供給される。第2段の出力信号186bは、抵抗192cおよびコンデンサー194cを介して、第3段2206cに供給される。抵抗198bおよびコンデンサー196bは、演算増幅器190bの非反転入力と参照電位144の間に接続され、抵抗198cおよびコンデンサー196cは、演算増幅器190cの非反転入力と参照電位144の間に接続される。出力導体188bから演算増幅器190bの反転入力へのフィードバックは、抵抗2200bおよびコンデンサー2202bを介し、演算増幅器190bの反転入力は、抵抗204bを用いて参照電位144にも接続される。出力導体188cから演算増幅器190cの反転入力へのフィードバックは、抵抗2200cおよびコンデンサー2202cを介し、演算増幅器190cの反転入力は、抵抗2204cを用いて参照電位144にも接続される。
【0139】
3段センサーフィルター182は、図19の3段センサーフィルター182の第3段2206cからの出力信号186cを伝える出力導体188cを用いて、図22および図23のRCフィルター2208に接続される。RCフィルター2208は、出力導体2216に直列に接続される抵抗2210と、参照電位144と出力導体2216の間に接続されるコンデンサー2212とを含む。RCフィルターは、12Hzを上回る周波数をさらに除去するための低域通過フィルターとして機能する。RCフィルター2208は出力導体2216上にフィルター信号2214を生成する。RCフィルター2208は、図19のアナログ/デジタル(A/D)変換器2218に接続される。
【0140】
A/D変換器118は、アナログフィルター信号2214を60Hzの倍数のサンプルレートでサンプリングすることによって、RCフィルターからのアナログフィルター信号2214をデジタル信号220に変換する。本例では、サンプルレートは9600サンプル/秒である。デジタル信号220は、出力導体222によってデジタルプロセッサー224に伝えられる。
【0141】
図19および図24におけるデジタルプロセッサー224は、追加の利得と、60Hzノイズの除去と、高周波数データの減衰を提供する。デジタルプロセッサー224は、コンピューティングデバイス上で動作するソフトウェアで実施することができる。デジタルプロセッサー224は図24のノッチフィルター230を含み、ノッチフィルター230は、デジタル信号220の160個のデータ点を一度に合計して、60Hzにおけるいかなる情報も含まない60Hzデータストリームを生成する。ノッチフィルター230の後にはエラーチェッカー232が続く。エラーチェッカー232は、60Hzデータストリームから範囲外のデータ点を除去する。これらの範囲外データ点は、誤ったデータであるか、または脳活動以外の何らかの外部発生源によって引き起こされる。
【0142】
エラーチェッカー232の後、デジタルプロセッサー224は、離散フーリエ変換器234を用いてデータストリームを変換する。従来のEEGシステムは帯域通過フィルターを使用して、とりわけアルファ周波数およびシータ周波数を選出するが、これらのフィルターは、連続周期関数を処理し、選出するように制限される。フーリエ変換を使用することによって、デジタルプロセッサー224は、ランダムに間隔のあいたイベントを識別することができる。各イベントは、すべての周波数にエネルギーを有するが、短いイベントほど高い周波数に大きいエネルギーを有し、長いイベントほど低い周波数に大きいエネルギーを有する。アルファ周波数とシータ周波数のエネルギーの差を調べることによって、システムは、長いイベントの方が優勢か、それともより短いイベントの方が優勢かを識別することができる。その後、差は帯域の総エネルギーによって拡大される。これにより、出力はエネルギーのタイプに基づくものとなり、エネルギー量に結び付くものが除去される。
【0143】
フーリエ変換器234は、エネルギーを、異なる周波数幅を有するビン236a〜236oに分離するスペクトル信号を生成する。一例では、スペクトル信号は30個のサンプルを有し、エネルギースペクトルを2Hz幅のビンに分離する。別の例では、スペクトル信号は60個のサンプルを有し、ビンを1Hz幅のビンに分離する。ビン236は、ある帯域にエネルギー信号を生成するために追加される。本例では、4Hzと8Hzとの間のビン236は加算器に渡され、そこで、これらのビンは加算されてシータ帯エネルギー信号240を生成する。8Hzと12Hzとの間のビンは加算器242に渡され、そこで、これらのビンは加算されてアルファ帯エネルギー信号244を生成する。
【0144】
本例では、アルファ帯およびシータ帯エネルギー信号240および244は計算器246に渡され、計算器246は、(シータ−アルファ)/シータ+アルファ)を計算し、結果として出力信号226を導体228上に生成する。
【0145】
図19の出力信号226は、出力信号226を無線リンク50を介して無線受信機48に送信する無線送信機46に渡される。本例では、出力信号226は、ポート52を介してコンピューター54に渡されて、メーター56に表示するPTESを生成するためにコンピューターによって使用される対象信号である。
【0146】
いくつかの例では、コンピューター54は、出力信号226の追加的な処理を提供することができる。解放技法を使用する例では、ユーザー34によって体験された解放のレベルを決定するために、コンピューター54は出力信号226を操作し、出力信号内のアルファ帯信号とシータ帯信号の相対的な量を決定する。
【0147】
上で説明した原理および特徴を利用するセンサーデバイスは、これまで説明してきた脳組織に加えて、筋肉組織および心臓組織における電気的活動など、ユーザーの他の組織における電気的活動を決定するために使用することができる。これらの例では、センサー電極は、電気的活動が測定されるポイントの皮膚上に配置され、参照電極およびエレクトロニクスモジュールは参照電極の近くに位置し、参照電極はセンサー電極の近くのポイントに取り付けられる。これらの例では、エレクトロニクスモジュールは、他の周波数を除外しながら、筋肉または心臓の電気的活動の周波数を分離するための増幅およびフィルタリングを備える。
【0148】
被験者がデバイスから最低限の妨害しか受けずに通常の活動を行うことを可能にする、非侵襲センシングデバイス(センサー)とともに使用可能にされ得る、生理的データの実用的応用が数多く存在する。このデバイスのデータ品質は、そのようなデータに関心がある関係者の必要を満たすのに十分な正確さでデバイスがデータを測定する限り、医療用デバイスほど厳格である必要はなく、疾病または病気を治療することに関心がない場合は、生理的データの使用および収集を極めて簡素化することを可能にする。存在する非侵襲センサーには様々なタイプがある。非限定的な例として、最新の3軸加速度計は、単一のシリコンチップ上に存在することができ、多くの最新デバイスに含まれ得る。加速度計は、どのような対象に取り付けられたとしても、その対象の運動を追跡し、記録することを可能にする。別の非限定的な例として、温度センサーも、有線または無線接続を有する多くの形態で、長期にわたって存在してきている。これらのセンサーのすべては、刺激に対する被験者の反応について、有益なフィードバックを提供することができるが、これまでは、それらのすべてを単一のデバイスがシームレスに含むことができなかった。これらのセンサーの各々を別々に個人に取り付けることは時間的浪費であり、難しく、正しい取り付けおよび使用を保証するには、熟練した専門家を必要とする。加えて、新たに追加された各センサーは、さらなるレベルの複雑さ、ユーザーの混乱、および体積を試験器具に対して導入する。
【0149】
上で説明したように、複数のセンサーを単一の部品に統合し、生理的データの測定のために人の頭部に配置できる統合ヘッドセットが導入される。そのような統合ヘッドセットは順応性があり、人の頭部の形状および/またはサイズにフィットするように調整性を可能にする。統合ヘッドセットは、複数のデバイス間の電子干渉、複数のセンサー間の接触不良および人の頭部の動きのうちの少なくとも1つまたは複数から生じるデータアーチファクトを最低限に抑える。加えて、いくつかのタイプの生理センサーを1つの部品に組み合わせることは、全体として、測定される生理的データをより頑健で正確にする。
【0150】
一実施形態の統合ヘッドセットは、複数のセンサーを単一の部品に統合し、生理的データの測定のために人の頭部に配置することができる。そのような統合ヘッドセットは使い易く、複数のセンサーと人の皮膚との接触ポイントにおいて導電性ジェルまたは肌の下準備を必要とすることなく、人からの生理的データを正確に測定する。加えて、いくつかのタイプの生理センサーを1つの部品に組み合わせることは、全体として、測定される生理的データをより頑健で正確にする。
【0151】
一実施形態の統合ヘッドセットは、複数のセンサーを単一の部品に統合し、生理的データの測定のために人の頭部に配置することができる。そのような統合ヘッドセットは、非侵襲性であり、ヘッドセットを着用する人が、ヘッドセットに統合された生理センサーからどのような実質的な妨害も受けずに、複数の役割を自由に行うことを可能にする。加えて、いくつかのタイプの生理センサーを1つの部品に組み合わせることは、全体として、測定される生理的データをより頑健で正確にする。
【0152】
多数のセンサーを組み込んだ単一のデバイスを有することは、生理的データに関心がある広告者、メディア製作者、教育者、および他の関係者にも大きな価値を提供する。これらの関係者は、エンドユーザーのニーズにより良く適し、および/またはメディアの有効性を高めるように、情報またはメディアを適合させるために、特定の刺激に対して人々が有するリアクションおよび反応を理解することを望む。フォーカスグループ、調査、ノブ(knob)や、反応に対して容易に偏る他の測定を使用する代わりに、これらの正確な変化を感知することによって、生理的データは、コンピュータープログラム/デバイスによって毎秒何回も記録できるので、統合センサーは、測定および記録されるデータと、そのようなデータの粒度をともに改善する。複数のセンサーからの生理的データは、人の心的および感情的状態(反応)に対応する特定の出力を生成するように、数学的に組み合わせることもできる。
【0153】
上で説明したように、図3は、本明細書で説明されるセンサーヘッドセットの別の実施形態の例を示している。この図は、機能的に別々となるように構成要素を描いているが、そのような描き方は、単に説明のためにすぎない。この図に描かれた構成要素を恣意的に組み合わせ得ること、または別々のソフトウェア、ファームウェア、および/もしくはハードウェアコンポーネントに分割し得ることは、当業者には明らかであろう。さらに、そのような構成要素は、それらがどのように組み合わされ、または分割されるかに関わりなく、同一のコンピューティングデバイスまたは多数のコンピューティングデバイス上で実行でき、多数のコンピューティングデバイスは、1つまたは複数のネットワークによって接続できることも、当業者には明らかであろう。
【0154】
図3を参照すると、統合ヘッドセットは、以下の構成要素のうちの少なくとも1つまたは複数を含むことができ、処理ユニット301は、マイクロプロセッサー、信号収集としての機能、ならびにヘッドセットを着用した人から測定された生理的データを収集し、デジタル化し、処理し、そのようなデータを別の/遠隔ロケーションに送信する処理および送信回路とすることができるが、これらに限定されない。動き検出ユニット302は、3軸加速度計とすることができ、人の頭部の動きを感知するが、これに限定されない。安定化部材303は、シリコン安定化ストリップとすることができ、ヘッドセットの様々な構成要素を安定化し、一緒に結び付けるが、これに限定されない。そのような安定化部材は、ストリップの下の汗の層によって生み出される表面張力によって頭部に対する接着を提供して、人の頭部の動きに対する反応を最低限に抑えるヘッドセットの安定化がもたらすより頑健なセンシングのために、ヘッドセットを安定化する。
【0155】
ヘッドセットは1組のEEG電極を含み、1組のEEG電極は、人の額の中心線に関して対称的に位置付けられた右側EEG電極304および左側EEG電極306とすることができ、人からのEEG信号を感知/測定するために利用することができるが、これに限定されない。電極は、接地基準のために人の一方の耳に別の接触を有することもできる。これらのEEG電極は、使用するために導電性ジェルまたは肌の下準備を必要としない前部前頭葉乾燥電極とすることができ、電極と人の皮膚の間の接触が必要とされるが、過剰な圧力は加えられない。
【0156】
ヘッドセットは、人の心拍を測定できる頑健な血流容積脈動センサーである心拍センサー305を含み、心拍センサー305は、1組のEEG電極の間の人の額の中心に直接位置付けることができる。電力操作および送信回路307は、充電可能または交換可能な電池モジュールを含み、ヘッドセットの構成要素に動作電力を提供し、着用者の耳の上方に配置することができる。人の後頭部に位置付けられる調整可能ストラップ308は、複数のセンサーに加えられる圧力が不快感を引き起こすことなく頑健なセンシングに適するように、人の形状およびサイズに合わせてヘッドセットを快適な張力設定に調整するために使用することができる。ここでは、動き検出ユニット、EEG電極、および心拍センサーがセンサーの非限定的な例として使用されるが、他のタイプのセンサーもヘッドセットに統合することができ、これらのタイプのセンサーは、脳電図、血中酸素センサー、検流計、筋電計、皮膚温センサー、呼吸センサー、および他の任意の生理センサーとすることができるが、これらに限定されないことに留意されたい。
【0157】
いくつかの実施形態では、統合ヘッドセットは、プッシュボタンを用いてオンにすることができ、直ちに、被験者の生理的データを測定し、記録することができる。ヘッドセットからのデータ送信は、ヘッドセットが結合するコンピューターインタフェースを介して無線で処理することができる。正確な測定を取得するための肌の下準備または導電性ジェルは、試験者において必要とされず、ヘッドセットは、試験者から容易に取り外すことができ、即座に別の人によって使用することができる。使用中、ヘッドセットの劣化は生じず、ヘッドセットは、何千回も再使用することができ、短期間に低コストで、多くの参加者において測定を行うことを可能にする。
【0158】
いくつかの実施形態では、加速度計302は、その3軸が3次元空間において通常容認されている軸方向に対してほぼ整列するような仕方で、電子パッケージ内に組み込むことができる。そのような要件は、標準の3軸系に合致するようにデータを規準化するための複雑な数学的演算を必要とせずに、容易に解釈できるデータを加速度計が出力するために必要である。温度センサーなどの他のセンサーは、あまり厳格な位置要件を有せず、より頑健であり、額の様々な位置に配置することができる。
【0159】
人間から生じる生理的信号は、特に、常に存在する一般的な環境のバックグラウンドノイズと比較して、きわめて微弱である。このことは、非常に安定で、データアーチファクトを最低限に抑える統合ヘッドセットを作成する場合に、難題を提示する。アーチファクトは、電子干渉、接触不良ポイント、静電気を生み出す頭部の動きのうちの少なくとも1つまたは複数から生じ得る。
【0160】
人の生理的信号を記録する際の主要な問題の1つは、電子干渉の問題であり、電子干渉は、外部の環境源、もしくは単一のヘッドセットに組み込まれた様々なセンサー、またはその両方から生じ得る。多数のセンサーを単一の統合ヘッドセットに組み合わせることは、検出される信号が非常に微弱であるために、電子干渉が、1つの構成要素(センサー)から別の構成要素に過剰に漏れる原因となり得る。非限定的な例として、EEG電極は、干渉に非常に敏感であり、他のセンサーからの信号は、EEG読み取りにおいてアーチファクトを生み出し得る。
【0161】
いくつかの実施形態では、ヘッドセットからのデータ送信は、ヘッドセットが結合するコンピューターインタフェースを介して無線で処理することができる。無線通信は高周波数で行われるので、非限定的な例として、信号ワイヤーおよびワイヤーによって伝送される測定データとのインタフェースに結合される典型的な50/60Hzの電気ノイズは、最低限に抑えることができる。
【0162】
いくつかの実施形態では、統合ヘッドセットに統合された1つまたは複数のセンサーの電力レベルは、電気干渉を最低限に抑えるために、できるだけ低く調整されることができる。加えて、センサーの信号伝送ワイヤー間に特定の距離を設けて、ワイヤー間の(電子的)クロストークを強制的に低減することもできる。
【0163】
いくつかの実施形態では、図3を参照すると、統合ヘッドセットの電力操作および送信回路307は、信号収集および処理回路301から引き離すことができる。無線デバイスであるので、統合ヘッドセットは、電池を使用するが、電池ノイズは測定される電気信号よりもはるかに大きいので、電池によって発生されるノイズが測定を損なうことがある。回路を物理的に引き離し、必要とされる最低限の数のワイヤーを用いて電力だけを送ることによって、統合ヘッドセットは、電気干渉を著しく低減することができる。
【0164】
いくつかの実施形態では、電力回路および信号処理回路は、試験者の両耳の上方にそれぞれ配置されることができる。左耳上方の電池モジュール307から右耳上方の信号処理回路301まで電力を送るために、フラットケーブルを使用することができる。心拍センサー305からのデータも、類似のフラットケーブルを使用して伝送することができ、これは、ワイヤー配置に対するより大きな規制を可能にし、従来の標準的なワイヤーの場合のように、使用中にワイヤーが動き回ることを制限する。加えて、EEG電極304、306は、信号を信号処理回路301に伝送するために、従来の撚り銅線を使用して配線することができる。EEG電極からのワイヤーは、心臓センサーケーブルから少なくとも約0.254cm(0.1インチ)離して、ヘッドセットのプラスチックハウジングの範囲に配置されることができ、これは、起こり得る電気干渉を許容可能なレベルまで低減するのに役立つ。
【0165】
いくつかの実施形態では、統合ヘッドセット内の複数のセンサーは、被験者との異なるタイプの接触を有することができる。ここでは、接触面は、導電性材料から作成することができ、導電性材料は、ニッケル被服銅または導電性プラスチック材料とすることができるが、これらに限定されない。統合ヘッドセットは、導電性ジェルの使用または皮膚の摩擦を行わなくても許容可能なノイズレベルで機能する乾燥EEG電極を採用することによって、センサーの測定接触ポイントに入るノイズを最低限に抑えることができる。
【0166】
いくつかの実施形態では、非接着またはゴム状物質を皮膚に当てて、通常は1分とかからずに、皮膚とヘッドセットの間の摩擦を増やす汗の層を両者の間に生み出すことができる。この発汗液は、皮膚と複数のセンサーの接触面の間により良い導電性を提供する。加えて、この液体は、皮膚とヘッドセットの間の摩擦および保持力を増やす表面張力を生み出すことができ、ジェル、接着剤、または外部の取り付け機構を用いることなく、ヘッドセット用の自然の安定材を作り出す。保持力は、皮膚面と平行な向きでのみ著しく増大し、ノイズ発生の主要な問題領域である、ヘッドセットが皮膚上で滑り回ることを防止する。しかし、そのような非接着物質は、皮膚面と垂直な向きでは保持力を著しく増大させず、そのため、多くの医療用センシングデバイスで見られる、ヘッドセットを所定の場所に保持するために接着剤が利用される場合のように、試験者からヘッドセットを取り外すことが不快にならない。
【0167】
いくつかの実施形態では、ヘッドセットは、快適さを高め、および/または測定される生理的データのより良い信号を生成するように、人の頭部の前側および後側において、ほぼ均一な圧力分布を助長するように動作可能である。(心拍センサー305などの)センサー周辺に大きな接触面積を作り出し、ヘッドセットの内側に一貫した高さを生み出すために、発泡パッドを使用することができる。この結果として、発泡がなければEEG電極の盛り上がり箇所に存在する圧力を、発泡が接触ポイントにおいて低減するので、ユーザーの快適性が高められる。これは、額の上の接触ポイントにおいて正確な大きさの圧力を生み出す助けにもなる。
【0168】
人間の頭部は、多くの異なる形状およびサイズで存在し、使用し易いヘッドセットはどれも、試験者の頭部の様々な形状およびサイズに適合しなければならない。しかし、数多くの異なる形状およびサイズをもつ統合ヘッドセットを作成することは、異なる各試験者のために適切なヘッドセットを選択するのに熟練した装着者を必要とするので、非実用的である。加えて、装着プロセスは、非常に時間を浪費するものになるので、使用し易いヘッドセットを作成するという主目標が達成できない。
【0169】
いくつかの実施形態では、統合ヘッドセットは、適応的で柔軟性および伸展性をもつように設計され、試験者の頭部の異なる頭部形状およびサイズに合わせて自動的に調整することができる。接触不良または皮膚に対する動きは、ヘッドセットが扱い得るよりも大量のノイズを発生させる可能性を有するので、ヘッドセットは、動きを最低限に抑え、伸展性を生み出し、様々な頭部形状およびサイズに合致するような方法で設計される。試験者がヘッドセットを装着し、ヘッドセットを快適に着用することを可能にする調整可能ストラップ308を締めるだけで作業に取り掛かる準備ができるようにすべきである。
【0170】
いくつかの実施形態では、ヘッドセットの調整可能ストラップ308の伸展性は、過度に緩くなく、ヘッドセットの重量を支えることができるように、調整されなければならず、さもなければ、ヘッドセットは、動く頭部からのノイズがセンサーからの測定された信号を打ち消す状況に陥ることがある。他方、人間の頭部は、頭部に直接加えられる高い圧力にはよく対処できず、高い圧力は、きつすぎるヘッドセットを着用する被験者の頭痛および閉所恐怖症の原因となり得るので、伸展性は、ヘッドセットの過度の締め付けを必要とするほど小さくすることはできない。
【0171】
いくつかの実施形態では、ヘッドセット自体は、両耳の上方および後頭部を通って、頭部に巻き付き、これらの構成要素を頭部の額の上に保持する。ヘッドセットのボディーは、異なる頭部形状に合致するようにヘッドセットが柔軟であることを可能にするが、より小さな平面内では電極が動いてノイズを生み出す原因となり得る捩れを許容しない剛性を有する、プラスチックまたは織物などの薄くて軽量の材料から作成される。
【0172】
いくつかの実施形態では、EEG電極および心拍センサーはともに、額の中心に近い試験者の頭部の皮膚と接触する必要があり、滑り回らない。しかし、大きすぎる接触圧力は、試験者に不快な状態を生み出すことがあり、したがって、許容可能ではない。したがって、統合ヘッドセットは、形状およびサイズが異なる試験者の頭部の多数の接触ポイントに一貫した圧力を加えるが、そのような圧力は、異なる頭部形状に合致するようにすることと、皮膚に対する粘着性を生み出して、ヘッドセットを安定させることをともに行うのに十分な適合性を有する。ここでは、ヘッドセットは、接触ポイントの所望の位置において様々な厚さ、材料、および/または形状を使用することによって、そのような事前定義された圧力を達成するように動作可能である。
【0173】
いくつかの実施形態では、支えのないユニットの吊り下げを許容すると、どのようなタイプの頭部の動きも、ユニットが振動する原因となるので、データ収集、信号処理、および情報送信を扱う1つまたは複数の処理ユニット(301)は、耳の上方に配置され、ヘッドセットの最大構成要素であるユニットに安定な土台を提供する。シリコンの安定化ストリップ303は、動きを最低限に抑えることによるヘッドセットの安定化がもたらすより頑健なセンシングを可能にする。
【0174】
いくつかの実施形態では、ヘッドセットの電子配線および/または回路(電子コンポーネント)は、コンポーネントに対する保護および/または美的なカバーをヘッドセットに提供するように、電子コンポーネントと皮膚の間に厚さが約0.038cm(0.015インチ)のABSプラスチックの別の層を伴って、ヘッドセットのプラスチックのハウジング内に配置されることができる。内側プラスチックは、プラスチックが外側ハウジングに対して滑動することを可能にする一連のクリップおよびタブによって保持されることができ、複合梁は2つの独立部材よりもはるかに堅く、したがって、ヘッドセットの伸展性を低下させるので、2つが接着剤または他の任意の強固な結合機構を使用して一緒に結合された場合、それが複合梁の作成を妨げる。
【0175】
いくつかの実施形態では、調整可能ゴムストリップ308を、ヘッドセットの全長にわたって、内側プラスチックの最下部に取り付けることができ、調整可能ゴムストリップ308は、大きな表面積を生み出し、そこでは、増加した摩擦力が、ヘッドセットが動くことを防止し得る。一貫した反復可能な接触を有することは、EEGデータの品質にとって必須であり、ゴムストリップからの摩擦増加は、そのプロセスを容易にする。ストリップは、ユーザーの快適性を高める一種のクッション性も提供する。
【0176】
本明細書で説明される実施形態は、それぞれが、メディアインスタンスを視聴している複数の視聴者のうちの一視聴者によって装着され、少なくとも1つのセンサーおよび送信機を含み、対応する視聴者からの生理的データを受信する複数のヘッドセットと、それぞれが複数の視聴者のうちの1組の視聴者の対応するヘッドセットによって送信された生理的データを受信し、対応する1組の視聴者から生理的データが受信されると直ちに生理的データのデータ品質を分析し、それに応答して、生理的データの品質における異常を是正するために取るべき行為に関する対応する1組の視聴者に対するフィードバックを生成する複数の信号収集デバイスと、複数の信号収集デバイスから生理的データを受信し、生理的データからメディアインスタンスに対する複数の視聴者の複数の生理的反応を取り出す処理モジュールと、を含備えるシステムを含む。
【0177】
一実施形態の処理モジュールは、複数の視聴者からの生理的データを同期させる。
一実施形態の処理モジュールは、メディアインスタンスと複数の視聴者からの生理的データとを同期させる。
【0178】
一実施形態の各信号収集デバイスは、対応する視聴者がメディアインスタンスに注意を払っていない期間中のデータを、そのデータを処理モジュールに転送する前に、対応する生理的データから削除する。
【0179】
一実施形態の処理モジュールは、削除されたデータをカバーするために、視聴者が注意を払っていない期間からの生理的データを補間する。
一実施形態の生理的データは、心拍、脳波、EEG信号、瞬目率、呼吸、動き、筋運動、電気皮膚反応、および感情の変化と相関がある反応のうちの少なくとも1つである。
【0180】
一実施形態の処理モジュールは、生理的データのアーチファクトを除去する。
一実施形態の異常は、心拍、脳波、EEG信号、瞬目率、呼吸、動き、筋運動、および電気皮膚反応のうちの少なくとも1つを使用して検出される。
【0181】
一実施形態の少なくとも1つのセンサーは、生理センサーを含む。
一実施形態の少なくとも1つのセンサーは、脳電図を含む。
一実施形態の少なくとも1つのセンサーは、加速度計を含む。
【0182】
一実施形態の少なくとも1つのセンサーは、血中酸素センサーを含む。
一実施形態の少なくとも1つのセンサーは、検流計を含む。
一実施形態の少なくとも1つのセンサーは、筋電計を含む。
【0183】
一実施形態のヘッドセットは、少なくとも1つの乾燥EEG電極を含む。
一実施形態のヘッドセットは、少なくとも1つの心拍センサーを含む。
一実施形態のヘッドセットは、少なくとも1つの加速度計を含む。
【0184】
一実施形態のヘッドセットは、少なくとも1つのプロセッサーを含む。
一実施形態のヘッドセットは、少なくとも1つの無線通信デバイスを含む。
一実施形態の複数の生理的反応は、愛好を含む。
【0185】
一実施形態の複数の生理的反応は、思考を含む。
一実施形態の複数の生理的反応は、アドレナリンを含む。
一実施形態の複数の生理的反応は、係わり合いを含む。
【0186】
一実施形態の複数の生理的反応は、メディアインスタンスへの没入を含む。
一実施形態のシステムは、複数の視聴者からの複数の生理的反応に基づいてメディアインスタンスを評価する評価モジュールを含む。
【0187】
一実施形態のシステムは、生理的データ、複数の生理的反応、および生理的反応の分析結果のうちの少なくとも1つを保存するリアクションデータベースを含む。
一実施形態のリアクションデータベースは、メディアインスタンスのデータ、および複数の視聴者に提示され、メディアインスタンスに対応する調査結果のうちの少なくとも1つを保存する。
【0188】
一実施形態のメディアインスタンスは、テレビ番組、広告、映画、印刷メディア、ウェブサイト、コンピューターアプリケーション、ビデオゲーム、実況、製品情報、および製品コンテンツのうちの少なくとも1つである。
【0189】
一実施形態の視聴者の各組は、場所の異なるエリアに所在し、その場所は、複数の信号収集デバイスをホストする。
一実施形態の視聴者の各組は、複数の現場のうちの異なる現場に所在する。
【0190】
一実施形態のシステムは、チュートリアルを含み、処理モジュールに結合されたコンピューターは、チュートリアルを自動的に受信し、インストールし、チュートリアルは、メディアインスタンスの視聴および視聴中のデータ収集に関する情報を含む。
【0191】
一実施形態のチュートリアルは、ヘッドセットの使用に際して、複数の視聴者に自動的に指図する。
一実施形態のチュートリアルは、データ品質を自動的に決定する。
【0192】
本明細書で説明される実施形態は、少なくとも1つのセンサーおよび送信機を含むヘッドセットであって、現場でメディアインスタンスを視聴している視聴者に取り付けられ、視聴者からの生理的データを受信し、生理的データを送信するヘッドセットと、ヘッドセットによって送信された生理的データを受信する信号収集デバイスであって、視聴者から生理的データが受信されると直ちに、生理的データのデータ品質を分析し、それに応答して、非最適データ品質を是正するために取るべき行為に関する視聴者に対するフィードバックを生成し、生理的データを送信する信号収集デバイスと、信号収集デバイスから生理的データを受信する処理モジュールであって、生理的データから、メディアインスタンスに対する視聴者の複数の生理的反応を取り出す処理モジュールと、を備えるシステムを含む。
【0193】
本明細書で説明される実施形態は、それぞれが、複数の現場のうちの異なる現場にそれぞれ所在し且つメディアインスタンスを視聴している複数の視聴者のうちの一視聴者によって装着され、少なくとも1つのセンサーおよび送信機を含み、対応する視聴者からの生理的データを受信する複数のヘッドセットと、それぞれが複数の現場のうちの異なる現場に配置され、その現場において、対応するヘッドセットによって送信された生理的データを受信し、対応する視聴者から生理的データが受信されると直ちに生理的データのデータ品質を分析し、それに応答して、生理的データの品質における異常を是正するために取るべき行為に関する対応する視聴者に対するフィードバックを生成する複数の信号収集デバイスと、複数の信号収集デバイスから生理的データを受信する処理モジュールであって、複数の視聴者の生理的データを集約することによって、集約されたデータを生成し、処理モジュールが、集約されたデータおよびメディアインスタンスに対する規制されたアクセスを提供する処理モジュールと、を備えるシステムを含む。
【0194】
本明細書で説明される実施形態は、それぞれが、複数の現場のうちの異なる現場にそれぞれ所在し且つメディアインスタンスを視聴している複数の視聴者のうちの一視聴者によって装着され、少なくとも1つのセンサーおよび送信機を含み、対応する視聴者からの生理的データを受信する複数のヘッドセットと、それぞれが複数の現場のうちの異なる現場に配置され、その現場において、対応するヘッドセットによって送信された生理的データを受信し、対応する視聴者から生理的データが受信されると直ちに生理的データのデータ品質を分析し、それに応答して、生理的データの品質における異常を是正するために取るべき行為に関する対応する視聴者に対するフィードバックを生成する複数の信号収集デバイスと、複数の信号収集デバイスから生理的データを受信し、集約されたデータをメディアインスタンスと同期させることによって、同期が取れたデータを生成する処理モジュールと、を備えるシステムを含む。
【0195】
本明細書で説明される実施形態は、それぞれが、メディアインスタンスを視聴している複数の視聴者のうちの一視聴者によって装着され、少なくとも1つのセンサーおよび送信機を含み、対応する視聴者からの生理的データを受信する複数のヘッドセットと、それぞれが複数の視聴者のうちの1組の視聴者の対応するヘッドセットによって送信された生理的データを受信する複数の信号収集デバイスと、それぞれが複数の信号収集デバイスから生理的データを受信し、複数の視聴者からの生理的データを同期させることによって、同期が取れたデータを生成し、同期が取れたデータをメディアインスタンスと同期させる処理モジュールと、を備えるシステムを含む。
【0196】
本明細書で説明される実施形態は、それぞれが、複数の現場のうちの異なる現場にそれぞれ所在し且つメディアインスタンスを視聴している複数の視聴者のうちの一視聴者によって装着され、少なくとも1つのセンサーおよび送信機を含み、対応する視聴者からの生理的データを受信する複数のヘッドセットと、それぞれが複数の現場のうちの異なる現場に配置され、その現場において、対応するヘッドセットによって送信された生理的データを受信する複数の信号収集デバイスと、複数の信号収集デバイスから生理的データを受信し、複数の視聴者からの生理的データを同期させることによって、同期が取れたデータを生成し、同期が取れたデータをメディアインスタンスと同期させる処理モジュールと、を備えるシステムを含む。
【0197】
本明細書で説明される実施形態は、それぞれが、複数の現場のうちの異なる現場にそれぞれ所在し且つメディアインスタンスを視聴している複数の視聴者のうちの一視聴者によって装着され、少なくとも1つのセンサーおよび送信機を含み、対応する視聴者からの生理的データを受信する複数のヘッドセットと、それぞれが複数の現場のうちの異なる現場に配置され、その現場において、対応するヘッドセットによって送信された生理的データを受信し、対応する視聴者がメディアインスタンスに注意を払っていない期間中のデータを、対応する生理的データから削除する複数の信号収集デバイスと、複数の信号収集デバイスから生理的データを受信し、複数の視聴者からの生理的データをメディアインスタンスと同期させることによって、同期が取れたデータを生成する処理モジュールと、を備えるシステムを含む。
【0198】
本明細書で説明される実施形態は、メディアインスタンスを視聴している複数の視聴者からの生理的データを、複数の視聴者の各々によって装着された複数のヘッドセットを介して受信するステップと、複数の信号収集デバイスにおいて生理的データを複数のヘッドセットから受信するステップであって、各信号収集デバイスが、複数の視聴者のうちの1組の視聴者の対応するヘッドセットによって送信された生理的データを受信するステップと、対応する1組の視聴者から生理的データが受信されると直ちに、生理的データのデータ品質を分析し、それに応答して、生理的データの品質における異常を是正するために取るべき行為に関する対応する1組の視聴者に対するフィードバックを生成するステップと、処理モジュールにおいて生理的データを複数の信号収集デバイスから受信し、生理的データからメディアインスタンスに対する複数の視聴者の複数の生理的反応を取り出すステップと、を備える方法を含む。
【0199】
一実施形態の方法は、複数の視聴者からの生理的データを同期させるステップを含む。
一実施形態の方法は、メディアインスタンスと複数の視聴者からの生理的データとを同期させるステップを含む。
【0200】
一実施形態の方法は、対応する視聴者がメディアインスタンスに注意を払っていない期間中のデータを、そのデータを処理モジュールに転送する前に、対応する生理的データから削除するステップを含む。
【0201】
一実施形態の方法は、削除されたデータをカバーするために、視聴者が注意を払っていない期間からの生理的データを補間するステップを含む。
一実施形態の方法は、心拍、脳波、EEG信号、瞬目率、呼吸、動き、筋運動、および電気皮膚反応のうちの少なくとも1つを使用して、異常を検出するステップを含む。
【0202】
一実施形態の方法は、生理的データのアーチファクトを除去するステップを含む。
一実施形態の方法は、複数の視聴者からの複数の生理的反応に基づいてメディアインスタンスを評価するステップを含む。
【0203】
一実施形態の方法は、生理的データ、複数の生理的反応、および生理的反応の分析結果のうちの少なくとも1つを保存するステップを含む。
一実施形態の方法は、メディアインスタンスのデータ、および複数の視聴者に提示され、メディアインスタンスに対応する調査結果のうちの少なくとも1つを保存するステップを含む。
【0204】
一実施形態の生理的データは、心拍、脳波、脳電図(EEG)信号、瞬目率、呼吸、動き、筋運動、電気皮膚反応、および感情の変化と相関がある反応のうちの少なくとも1つである。
【0205】
一実施形態の生理的データを受信するステップは、生理センサー、脳電図(EEG)、加速度計、血中酸素センサー、検流計、筋電計、乾燥EEG電極、および心拍センサーのうちの少なくとも1つを使用して、生理的データを感知するステップを含む。
【0206】
一実施形態の複数の生理的反応は、愛好、思考、アドレナリン、係わり合い、およびメディアインスタンスへの没入のうちの少なくとも1つを含む。
一実施形態のメディアインスタンスは、テレビ番組、広告、映画、印刷メディア、ウェブサイト、コンピューターアプリケーション、ビデオゲーム、実況、製品情報、および製品コンテンツのうちの少なくとも1つである。
【0207】
一実施形態の視聴者の各組は、場所の異なるエリアに所在し、その場所は複数の信号収集デバイスをホストする。
一実施形態の視聴者の各組は、複数の現場のうちの異なる現場に所在する。
【0208】
一実施形態の方法は、コンピューターを介してチュートリアルを複数の視聴者に自動的に提供するステップであって、コンピューターは、チュートリアルを自動的に受信し、インストールし、チュートリアルは、メディアインスタンスの視聴および視聴中のデータ収集に関する情報を含む、ステップを含む。
【0209】
一実施形態の方法は、ヘッドセットの使用に際して、複数の視聴者に自動的に指図するステップを含む。
一実施形態の方法は、データ品質を自動的に決定するステップを含む。
【0210】
本明細書で説明されたシステムおよび方法は処理システムを含み、および/または処理システムの下でおよび/または連携して動作する。処理システムは、当技術分野で知られるように、一緒に動作するプロセッサーベースのデバイスもしくはコンピューティングデバイスの任意の集合、または処理システムもしくはデバイスの構成要素を含む。例えば、処理システムは、ポータブルコンピューター、通信ネットワーク内で動作するポータブル通信デバイス、および/またはネットワークサーバーを含むことができる。ポータブルコンピューターは、パーソナルコンピューター、モバイル電話、携帯情報端末、ポータブルコンピューティングデバイス、およびポータブル通信デバイスの中から選択される、多くのデバイスおよび/またはデバイスの組み合わせのいずれかとすることができるが、これらに限定されない。処理システムは、より大規模なコンピューターシステム内の構成要素を含むことができる。
【0211】
一実施形態の処理システムは、少なくとも1つのプロセッサーと、少なくとも1つのメモリーデバイスまたはサブシステムとを含む。処理システムは、少なくとも1つのデータベースも含むことができ、または少なくとも1つのデータベースにも結合することができる。本明細書全般で使用される「プロセッサー」という用語は、1つまたは複数の中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサー(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)などの、任意の論理処理ユニットを指す。プロセッサーおよびメモリーは、単一のチップ上にモノリシックに統合することができ、多数のチップまたはコンポーネント間に分散することができ、および/またはアルゴリズムの何らかの組み合わせによって提供することができる。本明細書で説明される方法は、ソフトウェアアルゴリズム、プログラム、ファームウェア、ハードウェア、コンポーネント、回路の1つまたは複数で、任意の組み合わせで実施することができる。
【0212】
本明細書で説明されたシステムおよび方法の構成要素は、一緒にまたは別の場所に配置されることができる。通信経路は、コンポーネントを結合し、コンポーネント間でファイルを伝達または伝送するための任意の媒体を含む。通信経路は、無線接続、有線接続、およびハイブリッド無線/有線接続を含む。通信経路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、WiMaxネットワーク、ワイドエリアネットワーク(WAN)、独自仕様ネットワーク、本支店またはバックエンドネットワーク、およびインターネットを含む、ネットワークへの結合または接続も含む。さらに、通信経路は、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ、およびCD−ROMなどの着脱可能な固定媒体に加えて、フラッシュRAM、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続、RS−232接続、電話回線、バス、および電子メールメッセージなども含む。
【0213】
一実施形態は、コンピューター分野の当業者に明らかなように、本開示の教示に従ってプログラムされた従来の汎用もしくは専用デジタルコンピューターまたはマイクロプロセッサーを使用して実施することができる。適切なソフトウェアコーディングは、ソフトウェア分野の当業者に明らかなように、本開示の教示に基づいて熟練したプログラマーによって容易に準備することができる。本発明は、当業者に明らかなように、集積回路を準備することによって、または従来のコンポーネント回路の適切なネットワークを相互接続することによって実施することもできる。
【0214】
一実施形態は、1つまたは複数のコンピューティングデバイスをプログラムして、本明細書で提示された特徴のいずれかを実施するのに使用できる命令が、そこに保存された機械可読媒体(諸媒体)であるコンピュータープログラム製品を含む。機械可読媒体は、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、DVD、CD−ROM、マイクロドライブ、および光磁気ディスクを含む1つまたは複数のタイプのディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、DRAM、VRAM、フラッシュメモリーデバイス、磁気もしくは光カード、(分子メモリーICを含む)ナノシステム、または命令および/もしくはデータを保存するのに適した任意のタイプの媒体もしくはドライブを含むことができるが、これらに限定されない。コンピューター可読媒体(諸媒体)のいずれか1つに保存される場合、本発明は、汎用/専用コンピューターまたはマイクロプロセッサーのハードウェアを制御するためのソフトウェア、およびコンピューターまたはマイクロプロセッサーが人間の視聴者または本発明の結果を利用する他の機構と対話することを可能にするためのソフトウェアを含む。そのようなソフトウェアは、デバイスドライバー、オペレーティングシステム、実行環境/コンテナー、およびアプリケーションを含むことができるが、これらに限定されない。
【0215】
文脈が明らかに他のことを要求していない限り、説明の全般にわたって、「備える」および「含む」などの単語は、排他的または網羅的な意味ではなく、包含的な意味に、すなわち、「〜に限定することなく、含む」の意味に解釈されるべきである。単数形または複数形を使用する単語は、それぞれ複数または単数も含む。加えて、「本明細書では」、「これ以降」、「上で)」、「下で」といった単語、および類似の趣旨の単語は、本出願を全体的に指示し、本出願のいずれか特定の部分を指示するわけではない。「または」という単語が2つ以上の項目からなるリストを参照して使用される場合、この単語は、単語の以下の解釈、すなわち、リスト内の項目のいずれか、リスト内の項目のすべて、およびリスト内の項目の任意の組み合わせのすべてをカバーする。
【0216】
本明細書で説明されたシステムおよび方法の実施形態についての上述の説明は、網羅的であること、または説明されたシステムおよび方法を開示された通りの形態に限定することを意図していない。本明細書で説明されたシステムおよび方法の具体的な実施形態および例が、例示の目的で本明細書では説明されたが、当業者であれば理解するように、様々な等価な変更が、他のシステムおよび方法の範囲内で可能である。本明細書で提供され、本明細書で説明されたシステムおよび方法の教示は、上で説明されたシステムおよび方法ばかりでなく、他の処理システムおよび方法にも適用することができる。
【0217】
上で説明された様々な実施形態の要素および動作は、さらなる実施形態を提供するために組み合わせることができる。上述の詳細な説明に鑑みて、本明細書で説明されたシステムおよび方法に、上記および他の変更を施すことができる。
【0218】
一般に、以下の特許請求の範囲では、使用される用語は、実施形態を、明細書および特許請求の範囲で開示された特定の実施形態に限定していると解釈されるべきでなく、特許請求の範囲の下で動作するすべてのシステムを含むと解釈されるべきである。したがって、実施形態は、開示によって限定されず、代わりに、実施形態の範囲は、特許請求の範囲によってもっぱら決定される。
【0219】
以下では、実施形態のある態様が、ある請求項形式で提示されるが、発明者らは、任意の数の請求項形式で実施形態の様々な態様を企図している。したがって、発明者らは、本明細書で説明された実施形態の他の態様のためのそのようなさらなる請求項形式を追求するために、本出願を出願した後も、さらなる請求項を追加する権利を確保している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のヘッドセットであって、各ヘッドセットが複数の視聴者のうちの一視聴者によって装着され、各ヘッドセットが少なくとも1つのセンサーおよび送信機を含み、前記複数の視聴者がメディアインスタンスを視聴しており、各ヘッドセットが、対応する視聴者からの生理的データを受信する複数のヘッドセットと、
複数の信号収集デバイスであって、各信号収集デバイスが、前記複数の視聴者のうちの1組の視聴者の対応するヘッドセットによって送信された前記生理的データを受信する複数の信号収集デバイスと、
前記複数の信号収集デバイスから前記生理的データを受信する処理モジュールであって、前記生理的データから、前記メディアインスタンスに対する前記複数の視聴者の複数の生理的反応を取り出す処理モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記処理モジュールが、前記複数の視聴者からの前記生理的データを同期させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記処理モジュールが、前記メディアインスタンスと前記複数の視聴者からの前記生理的データとを同期させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
各信号収集デバイスが、前記対応する視聴者が前記メディアインスタンスに注意を払っていない期間中のデータを、前記データを前記処理モジュールに転送する前に、対応する生理的データから削除する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記処理モジュールが、削除された前記データをカバーするために、前記視聴者が注意を払っていない前記期間からの生理的データを補間する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記生理的データが、心拍、脳波、EEG信号、瞬目率、呼吸、動き、筋運動、電気皮膚反応、および感情の変化と相関がある反応のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記処理モジュールが、前記生理的データのアーチファクトを除去する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
それぞれの前記信号収集デバイスが、対応する1組の視聴者から前記生理的データが受信されると直ちに、前記生理的データのデータ品質を分析し、それに応答して、前記生理的データの品質における異常を是正するために取るべき行為に関する前記対応する1組の視聴者に対するフィードバックを生成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記異常が、心拍、脳波、EEG信号、瞬目率、呼吸、動き、筋運動、および電気皮膚反応のうちの少なくとも1つを使用して検出される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセンサーが、生理センサーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのセンサーが、脳電図を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのセンサーが、加速度計を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのセンサーが、血中酸素センサーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのセンサーが、検流計を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのセンサーが、筋電計を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記ヘッドセットが、少なくとも1つの乾燥EEG電極を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記ヘッドセットが、少なくとも1つの心拍センサーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記ヘッドセットが、少なくとも1つの加速度計を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記ヘッドセットが、少なくとも1つのプロセッサーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記ヘッドセットが、少なくとも1つの無線通信デバイスを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記複数の生理的反応が、愛好を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記複数の生理的反応が、思考を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記複数の生理的反応が、アドレナリンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記複数の生理的反応が、係わり合いを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記複数の生理的反応が、ストレスを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記複数の生理的反応が、欲求不満を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記複数の生理的反応が、前記メディアインスタンスへの没入を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
前記複数の視聴者からの前記複数の生理的反応に基づいて前記メディアインスタンスを評価する評価モジュールを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記生理的データ、前記複数の生理的反応、および前記生理的反応の分析結果のうちの少なくとも1つを保存するリアクションデータベースを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
前記リアクションデータベースが、前記メディアインスタンスのデータ、および前記複数の視聴者に提示され、前記メディアインスタンスに対応する調査結果のうちの少なくとも1つを保存する、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記メディアインスタンスが、テレビ番組、広告、映画、印刷メディア、ウェブサイト、コンピューターアプリケーション、ビデオゲーム、および実況のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項32】
前記メディアインスタンスが、製品、製品情報、製品コンテンツ、および製品開発に関するメディアのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項33】
視聴者の各組が、場所の異なるエリアに所在し、前記場所が前記複数の信号収集デバイスをホストする、請求項1に記載のシステム。
【請求項34】
視聴者の各組が、複数の現場のうちの異なる現場に所在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項35】
チュートリアルを含み、前記処理モジュールに結合されたコンピューターが、前記チュートリアルを自動的に受信し、インストールし、前記チュートリアルが、前記メディアインスタンスの視聴および前記視聴中のデータ収集に関する情報を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項36】
前記チュートリアルが、前記ヘッドセットの使用に際して、前記複数の視聴者に自動的に指図する、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記チュートリアルが、前記データ品質を自動的に決定する、請求項35に記載のシステム。
【請求項38】
少なくとも1つのセンサーおよび送信機を含むヘッドセットであって、現場でメディアインスタンスを視聴している視聴者に取り付けられ、前記視聴者からの生理的データを受信し、前記生理的データを送信するヘッドセットと、
前記ヘッドセットによって送信された前記生理的データを受信する信号収集デバイスであって、前記生理的データが前記視聴者から受信されると直ちに、前記生理的データのデータ品質を分析し、それに応答して、非最適データ品質を是正するために取るべき行為に関する前記視聴者に対するフィードバックを生成し、前記生理的データを送信する信号収集デバイスと、
前記信号収集デバイスから前記生理的データを受信する処理モジュールであって、前記生理的データから、前記メディアインスタンスに対する前記視聴者の複数の生理的反応を取り出す処理モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項39】
複数のヘッドセットであって、各ヘッドセットが複数の視聴者のうちの一視聴者によって装着され、各視聴者が複数の現場のうちの異なる現場に所在し、各ヘッドセットが少なくとも1つのセンサーおよび送信機を含み、前記複数の視聴者がメディアインスタンスを視聴しており、各ヘッドセットが、対応する視聴者からの生理的データを受信する複数のヘッドセットと、
複数の信号収集デバイスであって、各信号収集デバイスが前記複数の現場のうちの異なる現場に配置され、前記信号収集デバイスが、その現場において、対応するヘッドセットによって送信された前記生理的データを受信し、各信号収集デバイスが、前記対応する視聴者から前記生理的データが受信されると直ちに、前記生理的データのデータ品質を分析し、それに応答して、前記生理的データの品質における異常を是正するために取るべき行為に関する前記対応する視聴者に対するフィードバックを生成する複数の信号収集デバイスと、
前記複数の信号収集デバイスから前記生理的データを受信する処理モジュールであって、前記複数の視聴者の前記生理的データを集約することによって、集約されたデータを生成し、前記集約されたデータおよび前記メディアインスタンスに対する規制されたアクセスを提供する処理モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項40】
複数のヘッドセットであって、各ヘッドセットが複数の視聴者のうちの一視聴者によって装着され、各視聴者が複数の現場のうちの異なる現場に所在し、各ヘッドセットが少なくとも1つのセンサーおよび送信機を含み、前記複数の視聴者がメディアインスタンスを視聴しており、各ヘッドセットが、対応する視聴者からの生理的データを受信する複数のヘッドセットと、
複数の信号収集デバイスであって、各信号収集デバイスが前記複数の現場のうちの異なる現場に配置され、前記信号収集デバイスが、その現場において、対応するヘッドセットによって送信された前記生理的データを受信し、各信号収集デバイスが、前記対応する視聴者から前記生理的データが受信されると直ちに、前記生理的データのデータ品質を分析し、それに応答して、前記生理的データの品質における異常を是正するために取るべき行為に関する前記対応する視聴者に対するフィードバックを生成する複数の信号収集デバイスと、
前記複数の信号収集デバイスから前記生理的データを受信する処理モジュールであって、集約されたデータを前記メディアインスタンスと同期させることによって、同期が取れたデータを生成する処理モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項41】
複数のヘッドセットであって、各ヘッドセットが複数の視聴者のうちの一視聴者によって装着され、各ヘッドセットが少なくとも1つのセンサーおよび送信機を含み、前記複数の視聴者がメディアインスタンスを視聴しており、各ヘッドセットが、対応する視聴者からの生理的データを受信する複数のヘッドセットと、
複数の信号収集デバイスであって、各信号収集デバイスが前記複数の視聴者のうちの1組の視聴者の対応するヘッドセットによって送信された前記生理的データを受信する複数の信号収集デバイスと、
前記複数の信号収集デバイスから前記生理的データを受信する処理モジュールであって、前記複数の視聴者からの前記生理的データを同期させることによって、同期が取れたデータを生成し、前記同期が取れたデータを前記メディアインスタンスと同期させる処理モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項42】
複数のヘッドセットであって、各ヘッドセットが複数の視聴者のうちの一視聴者によって装着され、各視聴者が複数の現場のうちの異なる現場に所在し、各ヘッドセットが少なくとも1つのセンサーおよび送信機を含み、前記複数の視聴者がメディアインスタンスを視聴しており、各ヘッドセットが、対応する視聴者からの生理的データを受信する複数のヘッドセットと、
複数の信号収集デバイスであって、各信号収集デバイスが前記複数の現場のうちの異なる現場に配置され、前記信号収集デバイスが、その現場において、対応するヘッドセットによって送信された前記生理的データを受信する複数の信号収集デバイスと、
前記複数の信号収集デバイスから前記生理的データを受信する処理モジュールであって、前記複数の視聴者からの前記生理的データを同期させることによって、同期が取れたデータを生成し、前記同期が取れたデータを前記メディアインスタンスと同期させる処理モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項43】
複数のヘッドセットであって、各ヘッドセットが複数の視聴者のうちの一視聴者によって装着され、各視聴者が複数の現場のうちの異なる現場に所在し、各ヘッドセットが少なくとも1つのセンサーおよび送信機を含み、前記複数の視聴者がメディアインスタンスを視聴しており、各ヘッドセットが、対応する視聴者からの生理的データを受信する複数のヘッドセットと、
複数の信号収集デバイスであって、各信号収集デバイスが前記複数の現場のうちの異なる現場に配置され、前記信号収集デバイスが、その現場において、対応するヘッドセットによって送信された前記生理的データを受信し、各信号収集デバイスが、前記対応する視聴者が前記メディアインスタンスに注意を払っていない期間中のデータを、対応する生理的データから削除する複数の信号収集デバイスと、
前記複数の信号収集デバイスから前記生理的データを受信する処理モジュールであって、前記複数の視聴者からの前記生理的データを前記メディアインスタンスと同期させることによって、同期が取れたデータを生成する処理モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項44】
複数の視聴者からの生理的データを、前記複数の視聴者の各々によって装着された複数のヘッドセットを介して受信するステップであって、前記複数の視聴者がメディアインスタンスを視聴しているステップと、
複数の信号収集デバイスにおいて、前記生理的データを前記複数のヘッドセットから受信するステップであって、各信号収集デバイスが、前記複数の視聴者のうちの1組の視聴者の対応するヘッドセットによって送信された前記生理的データを受信するステップと、
対応する1組の視聴者から前記生理的データが受信されると直ちに、前記生理的データのデータ品質を分析し、それに応答して、前記生理的データの品質における異常を是正するために取るべき行為に関する前記対応する1組の視聴者に対するフィードバックを生成するステップと、
処理モジュールにおいて、前記生理的データを前記複数の信号収集デバイスから受信し、前記生理的データから、前記メディアインスタンスに対する前記複数の視聴者の複数の生理的反応を取り出すステップと、
を備える方法。
【請求項45】
前記複数の視聴者からの前記生理的データを同期させるステップを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記メディアインスタンスと前記複数の視聴者からの前記生理的データとを同期させるステップを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
対応する視聴者が前記メディアインスタンスに注意を払っていない期間中のデータを、前記データを前記処理モジュールに転送する前に、対応する生理的データから削除するステップを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
削除された前記データをカバーするために、前記視聴者が注意を払っていない前記期間からの生理的データを補間するステップを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
心拍、脳波、EEG信号、瞬目率、呼吸、動き、筋運動、および電気皮膚反応のうちの少なくとも1つを使用して、前記異常を検出するステップを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
前記生理的データのアーチファクトを除去するステップを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項51】
前記複数の視聴者からの前記複数の生理的反応に基づいて前記メディアインスタンスを評価するステップを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項52】
前記生理的データ、前記複数の生理的反応、および前記生理的反応の分析結果のうちの少なくとも1つを保存するステップを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項53】
前記メディアインスタンスのデータ、および前記複数の視聴者に提示され、前記メディアインスタンスに対応する調査結果のうちの少なくとも1つを保存するステップを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記生理的データが、心拍、脳波、脳電図(EEG)信号、瞬目率、呼吸、動き、筋運動、電気皮膚反応、および感情の変化と相関がある反応のうちの少なくとも1つである、請求項44に記載の方法。
【請求項55】
生理的データを受信するステップが、生理センサー、脳電図(EEG)、加速度計、血中酸素センサー、検流計、筋電計、乾燥EEG電極、および心拍センサーのうちの少なくとも1つを使用して、前記生理的データを感知するステップを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項56】
前記複数の生理的反応が、愛好、思考、アドレナリン、係わり合い、および前記メディアインスタンスへの没入のうちの少なくとも1つを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項57】
前記メディアインスタンスが、テレビ番組、広告、映画、印刷メディア、ウェブサイト、コンピューターアプリケーション、ビデオゲーム、実況、製品、製品情報、製品コンテンツ、および製品開発に関するメディアのうちの少なくとも1つである、請求項44に記載の方法。
【請求項58】
視聴者の各組が、場所の異なるエリアに所在し、前記場所が前記複数の信号収集デバイスをホストする、請求項44に記載の方法。
【請求項59】
視聴者の各組が、複数の現場のうちの異なる現場に所在する、請求項44に記載の方法。
【請求項60】
コンピューターを介してチュートリアルを前記複数の視聴者に自動的に提供するステップであって、前記コンピューターが、前記チュートリアルを自動的に受信し、インストールし、前記チュートリアルが、前記メディアインスタンスの視聴および前記視聴中のデータ収集に関する情報を含む、ステップを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項61】
前記ヘッドセットの使用に際して、前記複数の視聴者に自動的に指図するステップを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記データ品質を自動的に決定するステップを含む、請求項60に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図19】
image rotate


【公表番号】特表2011−505175(P2011−505175A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532307(P2010−532307)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/082149
【国際公開番号】WO2009/059248
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(508059085)エムセンス コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】