説明

視覚検査装置および視覚検査方法

【課題】簡易な方法により不要の有無を精度良く判別できるようにする。
【解決手段】検査対象物のモデル50の画像が表示されている状態下で検査領域61の指定を受け付けると、この検査領域61内の画像を基準画像に設定する。さらに基準画像を複数の領域Rに分割し、領域R毎に、検査領域61内でその領域Rの範囲を特定するための情報(領域特定情報)を作成し、基準画像とともにメモリに登録する。検査の際には、登録された領域R毎に、基準画像からその領域の画像を切り出すとともに、領域特定情報に基づき検査対象画像の当該領域に対応する範囲より拡張された範囲を処理対象領域として設定する。そして、領域毎に画像間の最大の一致度を特定して、特定された一致度により不良の有無を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、所定の特徴パターンを具備する検査対象物を撮像し、生成された画像をあらかじめ登録された基準画像と照合することにより、検査対象物の位置ずれや欠陥の有無などを判別する視覚検査装置、およびこの装置で実施される検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
検査対象物の画像(以下、「検査対象画像」という。)を基準画像と照合する方法の代表的なものとして、正規化相関演算により画像間の相関値を求める方法と、画像間の偏差を求める方法とがある。
【0003】
正規化相関演算を開示する一文献として、たとえば特許文献1には、カラーの検査対象画像に、モデル画像(基準画像に相当する。)に等しい大きさの判定対象領域を設定して、判定対象領域内の画像とモデル画像との間の正規化相関値を算出する演算を実行することや、演算対象の各画像を、それぞれ各画素のR,G,Bの濃淡値の組み合わせを配列したデータ配列に変換してから演算を行うことにより、相関値の精度を高めることが記載されている(段落0039〜0041、0051〜0058参照。)。
【0004】
また、特許文献2には、基準画像を膨張および収縮した画像を生成し、これらの画像と検査対象画像との間の差異を抽出することにより、欠陥の検出精度を高めることが記載されている(段落0025〜0037参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開2007−128247号公報
【特許文献2】特開2002−140695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図11は、従来の正規化相関演算による検査の問題点を示す。
図示例は、様々な字体の文字やマークが印刷されたラベルを検査対象とするもので、図中の左側にモデルのラベルの画像から抽出した基準画像を、右側に検査対象画像を、それぞれ示している。検査対象のラベルの印刷状態は概ね良好であるが、一箇所だけ、マークが欠落している箇所(図中、欠落したマークを符号Fで示す。)が存在する。
【0007】
従来の正規化相関演算では、検査対象の範囲(図11の例で言えば、印刷された全てのパターンを含む範囲)の全体を演算の対象とする。このため、図11の例のように、検査対象範囲全体に占める不良の割合が小さい場合には、不良箇所の差異が相関値に及ぼす影響も小さくなり、不良の検出が困難になる。
【0008】
偏差を求める一般的な方法では、基準画像と検査対象画像との差分演算により画像間の差異を検出する。しかし、印刷物などでは、対象物毎にパターンの位置に微妙なばらつきが生じることが多いため、図12に示すように、位置ずれやエッジ付近の微妙な濃度差によるノイズが生じて、これらのノイズと不良とを見分けるのが困難になるおそれがある。
【0009】
特許文献2に記載された発明は、上記の各問題を解決することを課題とするものである。特許文献2によれば、膨張画像では、各画素に周囲近傍の最も明るい画素の濃度値が設定されて背景の部分がパターン側に拡大され、収縮画像では、各画素に周囲近傍の最も暗い画素の濃度値が設定されてパターンの部分が背景側に拡大される。特許文献2に記載された発明では、検査対象画像を膨張画像および収縮画像と対応づけて、膨張画像より明るい画素または収縮画像より暗い画素を不良として検出するので、検査対象画像中のパターンのエッジの濃度が基準画像とは多少異なっても、その値が元のパターンの濃度を反映したものであれば、欠陥として検出されるおそれはない。
【0010】
しかし、上記の方法は濃淡画像を対象とするもので、カラー画像に同様の方法をそのまま適用するのは困難である。
また、この方法では、検査対象のパターンのエッジがずれる可能性を考慮して、収縮画像の明るさと膨張画像の明るさとの間の濃度を欠陥を表さないものとして許容するが、このような方法では、エッジに位置ずれがないのに、膨張画像のエッジに対応する位置と収縮画像のエッジに対応する位置との間の範囲内で、一部のエッジが許容範囲内の濃度をもって突出したり、欠けたりしている状態を検出できない。したがって、ある程度の位置ずれを許容できるように膨張・収縮処理のフィルタのサイズを大きくすると、そのフィルタにより位置ずれが許容される範囲に上記の許容範囲内の濃度をもって欠陥が生じた場合には、その欠陥を検出するのは不可能になる。
【0011】
この発明は上記の各問題に着目し、不良の程度や画像の種類に関わらず、簡易な方法により不良の有無を精度良く判別できるようにすることを、第1の課題とする。
またこの発明は、検査対象のパターンの状態や検査の目的などに応じて、種々の設定処理を行うことにより、検査対象物の変更に容易に対応できるようにすることを、第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明による視覚検査装置は、撮像手段と、検査に必要な情報を登録するためのメモリと、撮像手段により生成された検査対象物の画像をメモリにあらかじめ登録された基準画像と照合して検査対象物の良否を判定する検査実行手段と、検査実行手段による判定結果を出力する出力手段とを具備する。さらに、この視覚検査装置は、検査の前に、登録対象の基準画像を複数の領域に分割し、この分割処理により設定された各領域を、それぞれ当該領域の画像および基準画像に対する当該領域の位置を表す情報によりメモリに登録する登録手段を具備する。
【0013】
さらに上記の視覚検査装置の検査実行手段は、メモリに登録された領域に順に着目して、着目中の領域の位置情報に基づき検査対象物の画像の着目中の領域に対応する範囲を特定し、この範囲を所定幅拡張した範囲を処理対象領域に設定するステップと、処理対象領域内の画像と着目中の領域につき登録された画像との間における最大の一致度を特定するステップとを、着目した領域毎に実行し、各領域の特定された一致度に基づき検査対象物の良否を判定する。なお、一致度を求める演算では、一致の度合が高まるほど高い数値が得られる演算に限らず、不一致の度合が高まるほど高い数値が得られる演算を実行してもよい。
【0014】
判定処理では、たとえば、各領域につき特定した一致度のうち、最小の一致度を表す数値を所定のしきい値と比較することにより、検査対象物の良/不良を判定する。また、各一致度をそれぞれ個別にしきい値と比較して、不良の発生箇所を特定してもよい。
【0015】
上記の構成によれば、検査の前に、登録対象の基準画像が複数の領域に分割され、各分割領域の画像がそれぞれ基準画像における当該領域の位置を表す情報に対応づけて登録される。また検査の際には、いずれの領域についても、検査対象画像でその領域に対応する範囲を所定幅拡張した範囲を対象にして、登録された画像に対する最大の一致度を特定するので、検査対象のパターンとモデルのパターンとの間にずれがある場合でも、そのずれの影響が除去された一致度を求めることができる。
【0016】
一方で、処理対象領域中に登録された画像とは異なる部位が存在する場合には、パターンが正しく対応づけられていても、その状態で得られる一致度は本来の値より低くなる。また分割処理によって照合対象の画像のサイズを小さくしているので、不良による差異が一致度に及ぼす影響を大きくすることができる。
【0017】
したがって、不良に対応する領域における一致度が小さくなることをもって、不良の有無を判定することが可能になる。また上記の登録手段および検査実行手段による処理は、カラー画像およびモノクロ画像のいずれに対しても適用可能である。
【0018】
なお、登録手段による登録処理では、データ上は基準画像全体を登録し、各領域について、それぞれ基準画像上での各領域の特定に必要な情報(たとえば基準画像上の1点を原点とする座標系により領域の各頂点の座標を表したもの)を登録してもよい。ただし、これに限らず、基準画像を領域毎に分解して登録し、位置情報として、各画像間の相対位置関係を登録してもよい。
【0019】
また登録手段は、撮像手段により生成された検査対象物のモデルの画像を表示して、表示された画像に対する範囲指定操作を受け付け、指定された範囲内の画像を基準画像として、上記の分割処理および登録処理を行うのが望ましい。
【0020】
上記の視覚検査装置の好ましい態様では、検査実行手段は、基準画像全体により検査対象物の画像を照合して基準画像に対応する領域を特定し、特定された領域内の画像を対象にしてメモリに登録された領域に対応する範囲を特定する。
【0021】
上記の態様によれば、検査対象画像中のパターンが基準画像中のパターンから大きく位置ずれしている場合でも、基準画像全体との照合により検査対象範囲を特定した上で、登録された領域に対応する範囲を特定するので、処理対象領域の設定や一致度の特定結果の確度を高めることができる。
【0022】
他の好ましい態様では、登録手段は、分割数の設定操作を受け付けて、基準画像を設定操作により設定された数の領域に分割する。この態様によれば、検査対象のパターンの大きさや内容などに基づき、登録される画像のサイズや数を自由に設定することが可能になる。
【0023】
他の好ましい態様による視覚検査装置は、分割処理により設定された各領域に対する検査時の処理対象領域の拡張幅を表すパラメータを設定する操作に応じて、設定されたパラメータをメモリに登録するパラメータ登録手段を、さらに具備する。また検査実行手段は、検査対象物の画像において、着目中の領域に対応する範囲をメモリに登録されているパラメータに応じて拡張した範囲を、処理対象領域として設定する。
【0024】
上記の態様によれば、基準画像との照合対象となる処理対象領域の大きさを、検査対象のパターンの位置ずれの度合などに応じて調整することができる。
【0025】
他の好ましい態様では、登録手段は、分割処理後に、この分割により生じた各領域の画像を表示する手段と、この表示状態下で検査対象としない領域を指定する操作を受け付けたとき、指定された領域を検査対象外の領域に設定する手段とを含む。また、検査実行手段は、メモリに登録された領域のうち検査対象外の領域を除く各領域に着目して、処理対象領域の設定および一致度の演算処理を実行する。
【0026】
上記の態様によれば、識別コードを表す文字列など、検査対象物に固有のパターンが配置される場所を、検査対象から除外することが可能になり、利便性が向上する。
【0027】
他の好ましい態様では、登録手段は、分割処理により設定された領域毎に、一致度として画像間の相関値を求める演算、および基準画像に対する偏差に基づく一致度を求める演算のいずれかを選択して、選択された演算方法を画像および位置情報に対応づけてメモリに登録する。また、検査実行手段は、着目した領域毎に、その領域につき登録された演算方法により一致度を求める演算を実行する。
【0028】
たとえば、パターンが含まれる領域について、そのパターンの適否を判定するには、相関値を求める方が望ましい。基準画像に対する偏差を求めると、図12に示したように、パターン間の微小な位置ずれやエッジ部分の濃度の違いがノイズとなって現れる可能性があるからである。一方、色彩や濃度が一様な領域について、色彩や濃度の微妙な変化を検出するには、偏差に基づく一致度を求める方が望ましいと思われる。
上記の態様によれば、一致度の算出のための演算方法を領域毎に選択することができるので、各領域の画像の状態や検査の目的などに応じて、演算方法を変更することができ、一致度の算出結果の信頼度を高めることができる。
【0029】
この発明による視覚検査方法は、コンピュータにおいて、検査対象物の画像を入力し、この入力画像をあらかじめ登録された基準画像と照合することにより、検査対象物の良否を判定するものである。この方法では、検査に先立ち、登録対象のモデルの画像を入力したとき、この入力画像を表示して表示中の画像に対する範囲指定操作を受け付けるステップと、指定された範囲の画像を基準画像として、この基準画像を複数の領域に分割するステップと、分割処理により設定された各領域を、それぞれ当該領域の画像および基準画像における当該領域の位置を表す情報によりメモリに登録するステップとを、実行する。また検査においては、検査対象物の画像を入力したとき、メモリに登録された領域に順に着目して、着目中の領域の位置情報に基づき検査対象物の画像の着目中の領域に対応する範囲を特定し、この範囲を所定幅拡張した範囲を処理対象領域に設定するステップと、処理対象領域内の画像と着目中の領域につき登録された画像との間における最大の一致度を特定するステップとを、着目した領域毎に実行し、各領域の特定された一致度に基づき、検査対象物の良否を判定する。
【0030】
上記の方法によれば、登録対象のモデルの画像が表示されている状態下で、ユーザがこの画像中の検査対象とすべき範囲を指定することにより、この範囲内の画像が基準画像に設定され、複数の領域に分割されて登録される。検査の際には、登録された領域毎に、その領域に対応する範囲を所定幅拡張した範囲が処理対象領域として設定され、処理対象領域内の画像と登録された画像との間における最大の一致度が特定される。そして、領域毎の最大の一致度に基づいて検査対象物の良否を判定するので、不良がある場合には、その旨を精度良く判定することができる。
【発明の効果】
【0031】
上記の視覚検査装置および視覚検査方法によれば、基準画像を複数の領域に分割して登録し、この分割により生じた領域毎に、その領域に対応する範囲を拡張した範囲を処理対象領域として、処理対象領域と登録された画像との最大の一致度を特定し、各領域につき特定された一致度に基づく判定を行うので、検査対象のパターンの位置ずれ、不良箇所の大小や明るさなどによる影響を受けずに、不良の有無を精度良く判定することができる。また、検査対象のパターンの大きさや形状、検出すべき不良の大きさなどに応じて分割数を変更したり、分割により設定される各領域に、さらに設定操作に応じて細かい設定を行えるようにすることにより、検査対象物の変更にも容易に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1は、視覚検査装置の構成例を示す。
この視覚検査装置は、検査対象物のカラー静止画像を生成した後に、この画像を処理することによって、検査対象物の良否を判定するもので、検査に関する一連の処理を実行する本体部1、撮影用のカメラ2、表示部3、操作部4などにより構成される。表示部3は、たとえば液晶モニタにより構成され、操作部4には、マウスやキーボードが含まれる。
【0033】
本体部1は、CPUを含む制御部10を主体とする汎用のコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ)であって、主記憶部11(たとえばハードディスク)や画像メモリ12(たとえばRAMボード)が組み込まれる。本体部1には、さらに、撮像インターフェース13、表示用インターフェース14、入力用インタフェース15、外部インターフェース16、外部ディスク用読取部17などが設けられる。
【0034】
本体部1では、プログラムが格納された記憶媒体18(たとえばCDまたはDVD)を外部ディスク用読取部17にセットし、読み取られたプログラムを主記憶部11にインストールするようにしている。この主記憶部11にインストールされたプログラムによって、制御部10に、一連の画像処理や判定処理を実行する機能が設定される。また制御部10には、後記する設定画面を介して操作部4からの設定入力を受け付けるグラフィカルユーザインターフェースの機能も設定される。
【0035】
撮像インターフェース13は、制御部10からの撮像制御信号をカメラ2に与えて撮像を行わせ、カメラ2から出力された画像信号をディジタル画像データに変換する。変換後の画像データは、画像メモリ12に格納され、制御部10により処理される。
【0036】
表示用インターフェース14は、制御部10からの指令に基づき、表示部3への画像表示を制御し、入力用インターフェース15は、操作部4による操作を受け付けて、その操作内容を示すデータを制御部10に出力する。外部インターフェース16は、図示しない外部機器に、検査結果を出力する場合に使用される。
【0037】
上記構成の視覚検査装置では、主記憶部11にインストールするプログラムによって、検査対象物の種類や検査目的に応じて種々の手法により検査を実行することができる。以下では、これらの検査のうち、所定の製品に貼付されるラベルを検査対象物とする検査について、好適な実施例を説明する。
【0038】
この実施例の検査では、マークや文字列が適切に印刷されているかどうかを判別するとともに、インクのシミや付着物などの欠陥の有無を判別する。また検査の前には、従来の同種の検査と同じように、印刷状態が良好なモデルのラベルを撮像して、生成された画像を含む設定画面を表示部3に表示し、ユーザの操作に応じて検査に必要な情報を登録する。以下では、この登録処理を「モデル登録」と呼ぶ。
【0039】
図2〜6は、モデル登録時の設定画面の例を示す。これらの図に示すとおり、この実施例の設定画面には、モデルの画像を表示するための画像表示領域30や、後記する検査領域の分割に関するパラメータを設定するためのパラメータ設定部31が設けられる。また、設定内容を確定するための「OK」ボタン34や、1つ前の画面に戻るための「戻る」ボタン35などが設けられる。
【0040】
以下、図2〜6を参照して、この実施例のモデル登録処理を詳細に説明する。
図2は、モデル登録処理の初期画面であって、画像表示領域30には、モデルのラベル50を示す画像が表示されている。この初期画面は、表示されている画像に対し、検査領域61およびサーチ領域62を設定するためのもので、画面中には、検査領域61の設定を開始するための操作ボタン36、およびサーチ領域62の設定を開始するための操作ボタン37が設けられている。
【0041】
この実施例の検査領域61は、検査の対象範囲を示すもので、図示例では、モデルのラベル50の印刷がなされた全範囲が指定されている。サーチ領域62は、この検査領域61を検索する範囲を示すもので、検査対象のラベルが存在し得る範囲を包含するように設定される。
【0042】
これらの領域61,62は、いずれも、対応する操作ボタン36,37を操作した後に、ユーザによる範囲指定操作(マウスにより行われる。)を行うことにより設定される。また、この操作に応じて、各領域61,62の境界線がそれぞれ所定の色彩(図2では、点線および一点鎖線により示す。)により表示される。
【0043】
パラメータ設定部31には、X方向(画像の左右方向)およびY方向(画像の上下方向)の分割数、ならびに拡張画素数について、それぞれ設定値を表す数値表示ボックス32と表示中の数値を増減するための一対の矢印ボタン33,33とが設けられる。各数値表示ボックス32には、それぞれ初期画面ではデフォルトの数値が表示されるが、この表示は矢印ボタン33の操作、または数値表示ボックス32に直接数値を入力する操作により変更することができる。
【0044】
上記の画面において、検査領域61およびサーチ領域62の指定が終了して「OK」ボタン34が操作されると、画面は、図3に示すものに変更される。この画面では、パラメータ設定部31に表示されていた分割数に基づき、検査領域61がX方向に8個、Y方向に4個の領域に分割されている。以下、この分割により生じた個々の領域Rを「分割領域R」という。
【0045】
上記の設定画面上で「OK」ボタン34が操作されると、検査領域61内の全体画像が基準画像として登録される。また各分割領域Rについて、それぞれその領域Rを特定するための情報(以下、「領域特定情報」という。)や後記する演算方法などが登録される。
【0046】
各分割領域Rの領域特定情報は、検査領域61における分割領域Rの範囲を表すものである。具体的には、検査領域61の特定の一点(たとえば左上頂点)を原点とする2次元座標系を設定し、分割領域R毎に、その領域Rの各頂点の位置を上記の2次元座標系の座標により表し、これらの座標を領域特定情報として登録する。
【0047】
ただし、領域特定情報の構成はこれに限定されるものではない。たとえば、分割領域R毎に1頂点の座標のみを登録し、別途,検査領域61のサイズや分割数から1つの分割領域Rの縦横のサイズを割り出して、これらのサイズを各分割領域Rに共通の情報として登録してもよい。
【0048】
この実施例の検査では、上記の登録情報中の分割領域R毎に、上記の領域特定情報に基づき、検査対象画像に当該分割領域Rに対応する処理対象領域を設定し、この処理対象領域の画像と基準画像との一致度を求める演算を実行する。このような処理によれば、検査対象のラベルの一部に不良が生じている場合には、その不良発生箇所を含む処理対象領域の一致度のみが低下し、他の処理対象領域の一致度は高い値に維持される。よって、不良の有無や不良発生箇所を精度良く判別することが可能になる。
【0049】
つぎに、この実施例では、パラメータ設定部31の操作により、検査対象のパターンの状態や検出したい欠陥の大きさなどに応じて、検査領域の分割数を変更できるようにしている。
図4は、図3の分割処理結果を表す画面において、X方向の分割数を2つ増やし、Y方向の分割数を1つ増やして、再び「OK」ボタン34を操作した場合に表示される画面を示す。この例の画像表示領域30内の検査領域61は、変更後の分割数に基づき、X方向に10個、Y方向に5個の領域Rが並ぶように分割される。この結果、各分割領域Rのサイズは、図3の例より小さくなっている。
【0050】
さらにこの実施例のモデル登録画面では、図5に示すように、各分割領域R内の画像の状態に応じて、分割領域R毎に個別の指定を行うこともできる。
この処理では、指定対象の分割領域Rにマウスカーソルを合わせて、マウスの左クリック操作により、上記の分割領域Rが指定された状態を設定した後に、右クリック操作によりポップアップメニュー41を呼び出す。図5の例では、指定された領域R1が極太枠により明示され、その近傍にポップアップメニュー41が表示されている。
【0051】
ポップアップメニュー41には、「有効」および「無効」の各選択肢が設けられている。この選択は、いずれの領域でも「有効」に初期設定されているが、上記のポップアップメニュー41により「無効」に切り替えることができる。
図5中の分割領域R2は既にこの切り替えが行われた領域であって、所定の色彩で着色表示されている。
【0052】
「無効」に設定された領域R2は検査対象から除外される。具体的には、この領域R2の領域特定情報に無効フラグが設定される。ただし、「無効」にされた領域でも、上記のポップアップメニュー41を用いて、再び「有効」に設定し直すことができる。
【0053】
図5に例示した分割領域R1,R2は、識別番号の印刷範囲に対応するものである。このように、基準画像に一致するパターンが存在しないことが明らかな分割領域Rを検査対象から除外することで、検査の精度を確保することができる。なお、検査対象から除外された領域にも、別途、別のアルゴリズムによる検査(文字認識など)を実施するのが望ましい。
【0054】
つぎに、図6に示す例でも、所定の領域R3を指定して、ポップアップメニュー41を呼び出している。さらにこの例では、「有効」の選択肢から「相関」および「偏差」の2つの選択肢を含むサブメニュー42を呼び出している。これらの選択肢は、検査時の一致度を求めるための演算方法を表すものである。
【0055】
「相関」は、正規化相関演算による相関値を一致度として求めることを意味する。
一方、「偏差」は、基準画像に対する検査対象画像の偏差を用いて、両者の不一致度を算出することを意味する。具体的には、基準画像と検査対象画像との差分演算により画素単位での濃度差の絶対値を算出し(カラー画像の場合には、R,G,B毎に差分演算を行って、各差分絶対値を合計する。)、この算出値が所定のしきい値を上回る画素を計数する。
【0056】
上記の選択肢は、いずれの領域でも、初期状態では「相関」に設定されているが、上記のポップアップメニュー41およびサブメニュー42を呼び出して「偏差」を選択することにより、「偏差」が選択された状態に切り替えることができる。
【0057】
検査対象のパターンが含まれる分割領域Rに関しては、「偏差」を選択すると、パターン間の微小な位置ずれやエッジ部分の濃度差がノイズとして検出される可能性がある(図12参照)ため、「相関」を選択する方が望ましい。これに対し、図6の領域R3のように色彩や濃度が一様な領域について、印刷むらや異物を検出することを検査の目的とする場合には、「偏差」を選択すれば、色彩や濃度の小さな違いを容易に検出することができる。
このように上記の機能によれば、各分割領域Rの画像の状態や検査の目的に応じて、演算方法を選択することができ、検査結果の信頼度を高めることができる。
【0058】
つぎに、パラメータ設定部31における「拡張画素数」について説明する。
このパラメータは、検査対象画像に各分割領域Rに対する処理対象領域を設定する処理に用いられるものである。このパラメータも、所定の上限値までであれば、パラメータ設定部32に対する設定操作によって、自由に値を変更することができる。
【0059】
図7は、処理対象領域の設定の具体例を示す。
図中の領域Aは、モデル登録で設定された分割領域Rの領域特定情報に基づき、分割領域Rに完全一致するように設定された領域である。この実施例では、この領域Aを上下左右にそれぞれ幅dだけ広げた領域Bを処理対象領域とする。拡張画素数は、この拡張幅dの値を定めるものである。
【0060】
上記のようにして定めた処理対象領域Bについて、対応する分割領域Rの画像との一致度または不一致度を求める場合には、処理対象領域Bに対する登録画像の対応関係を1画素ずつ変更しながら設定された方法による演算を繰り返す。そして、各演算結果の中の最も高い一致度または最も低い不一致度を、最終の演算結果として決定する。
【0061】
上記の処理によれば、検査対象のパターンとモデルのパターンとの間に若干の位置ずれや濃度差が生じている場合でも、分割領域R毎に、その差異の影響を除いた演算結果を得ることができる。一方で、分割領域Rと処理対象領域Bとが正しく位置合わせされているにも関わらず、欠陥などにより両者の画像間に差異が生じている場合には、その差異により、一致度が低下(または不一致度が上昇)する。また、微小な差異であっても、照合対象の画像のサイズが小さくなると、その差異によって一致度が大きく低下するから、その一致度の低下をもって不良を検出することが可能である。
【0062】
さらにモデル登録時に、想定されるパターンの位置ずれ量に応じて拡張幅dを決めるパラメータを設定することができ、また、画像中に含まれるパターンの数やパターンの大きさ、想定される欠陥の大きさに応じて分割数を変更することができるので、検査対象物が変わっても、問題なく対応することができる。
【0063】
以下、図8を参照して、モデル登録時の主要な処理手順を説明する。
この処理では、まず登録対象のモデルを撮像して、生成された画像を表示する(ST101,102)。この表示に対し、検査領域61およびサーチ領域62を指定する操作が行われると、その指定に応じて検査領域61およびサーチ領域62を設定する(ST103,104)。
【0064】
つぎに、設定された検査領域61を、パラメータ設定部31に表示されている分割数に基づき分割する(ST105)。またこの分割により設定された各分割領域Rについて、それぞれ領域特定情報を作成する(ST106)。
【0065】
この時点で、もし分割数を変更する操作があれば、ST107が「YES」となって、ST105,106の各ステップが再び実行される。すなわち、前回の分割処理結果が破棄されて、変更された分割数に基づき検査領域61が再度分割され、新たな分割により設定された分割領域Rについて、領域特定情報が作成されることになる。
【0066】
また、分割処理後に、所定の分割領域Rに対して「無効」の指定が行われた場合(ST108が「YES」)には、指定された分割領域Rの領域特定情報に無効フラグを設定する(ST109)。また、所定の領域に対し、一致度の演算方法を「偏差」に変更する指定が行われた場合(ST110が「YES」)には、指定された分割領域Rの演算方法を、「相関」から「偏差」に変更する。
【0067】
分割数の変更、「無効」の指定、および演算方法の変更は、必要に応じて実行されるものである。また、図8には示していないが、「戻る」ボタン35を操作することにより、1つ前の設定画面に戻って設定をやり直すこともできる。また、検査領域61やサーチ領域62の設定についても、変更が可能である。さらに、拡張画素数の設定値がデフォルトの値から変更された場合には、その変更後の値を登録する処理も実行される。
【0068】
所定の時点で、ユーザが設定内容を確定するために「OK」ボタン34を操作すると(ST112が「YES」)、その時点で設定されている検査領域61内の画像を基準画像として登録する(ST113)。また、サーチ領域62について、左上頂点と右下頂点との座標など、この領域62を設定するためのデータ(設定データ)を登録する(ST114)。さらに、各分割領域Rについて、ST106で作成した領域特定情報および演算方法を登録し(ST115)、処理を終了する。
【0069】
つぎに、図9は、1つの検査対象物に対して実施されるものに限定して示す。以下、この図9を参照して検査時の処理手順を説明する。
【0070】
この検査では、まず検査対象物を撮像し(ST201)、生成された画像に、サーチ領域62を設定する(ST202)。
【0071】
サーチ領域62は、モデル登録処理において登録された設定データに基づき、モデルの画像に設定されたのと同じ範囲に設定されるが、検査対象のラベルはモデルと同じ場所にあるとは限らない。そこで、つぎのステップ(ST203)では、サーチ領域62内の画像を基準画像(検査領域61の全体画像のモデル)により照合して、この基準画像に対する一致度が最大となる範囲を検査領域61として特定する。より具体的に説明すると、サーチ領域62と基準画像との対応関係を一画素ずつ変更しながら、正規化相関演算を繰り返し実行し、相関値が最大となったときに基準画像に対応づけられた範囲を検査領域61とする。
【0072】
上記の処理により検査領域61が特定されると、以後は、カウンタiを用いて、登録されている分割領域Rに順に着目しながら、以下の各処理を実行する(ST204〜210)。
まず、着目中の分割領域Rの登録情報を読み出す(ST205)。つぎに読み出した情報に含まれる無効フラグをチェックし、この無効フラグがオフであれば(ST206が「NO」)、領域特定情報に基づき検査領域内に処理対象領域を設定する(ST207)。
【0073】
ST207では、先に説明したように、まず、領域特定情報により、着目中の分割領域Rに完全一致する領域Aを特定する。さらに、この領域Aを、拡張画素数が示す幅d分だけ各方向に拡張し、拡張後の領域Bを処理対象領域とする。
【0074】
つぎに、基準画像から着目中の分割領域Rの画像を切り出し、この画像と処理対象領域内の画像との一致度または不一致度を算出する(ST208)。一致度/不一致度の算出方法は先に説明したとおりである。またいずれの演算を実施するかは、着目中の分割領域Rに設定された演算方法により定まる。
【0075】
なお、着目中の分割領域Rの領域特定情報の無効フラグがオンに設定されている場合(ST206)が「YES」)には、ST207およびST208はスキップされる。
【0076】
以上の処理がすべての分割領域Rに対して行われると、相関演算による一致度を求めた領域の中から一致度が所定のしきい値T1を下回った領域を検出する(ST211)。また、偏差による不一致度を求めた領域についても、不一致度がしきい値T2を上回った領域を検出する(ST212)。
【0077】
上記のステップにおいて、該当する領域が1つでも検出された場合(ST213が「YES」)には、検査対象物を不良であると判定する(ST215)。これに対し、該当する領域が検出されなかった場合(ST213が「NO」)には、検査対象物を良品であると判定する(ST214)。
【0078】
最後に上記の判定結果を表示部3に表示するとともに、外部インターフェース16からも出力し(ST216)、検査対象物に対する処理を終了する。
【0079】
図10は、検査結果の表示例を示す。
この例は、モデル登録処理において、図3に示した8×4の分割処理が採用され、図5,6に示した設定も実施されたことを前提にする。画像表示領域30には、検査対象のラベル51の画像が表示されるとともに、モデル登録時の画面と同様に、検査領域61やサーチ領域62が表示される。サーチ領域62はモデル登録時の画面と同じ位置に表示されるが、検査領域61は、検査対象のラベル51に応じて、モデル登録時とは異なる場所に表示されている。
【0080】
この例の検査対象のラベルは、マークが1つ欠落した状態にある。よって図9に示した手順により、その欠落箇所に対応する処理対象領域B1が特定され、その領域B1が不良発生箇所としてマーキングされている。また、図5の領域R1,R2に対応する範囲には、モデルのラベル50とは異なる文字列が配置されているが、領域R1,R2が「無効」に設定されたことにより、この文字列には不良の判定はなされていない。
【0081】
さらに画像表示領域30の右隣には、不良発生箇所に対応する領域の識別情報(ここでは領域の並び順序に基づく数値を示す。)や一致度演算により算出された一致度が表示されている。またこの画面には、次の検査対象物の処理を指示するための操作ボタン38が表示されている。
【0082】
上記の視覚検査装置によれば、モデル登録時に検査領域61を指定することにより、この検査領域61が複数に分割され、検査において、分割領域R毎にその領域に対応する範囲を所定幅拡張した範囲を対象にして、その範囲で登録画像に最も一致したときの一致度が特定されるので、パターンの位置ずれやエッジ付近の明るさの違いによる認識精度の低下を防止できる一方で、不良については、小さなものでも精度良く検出することが可能になる。また、画像の状態や検査の目的に応じて、分割領域Rの数やサイズ、または処理対象領域の拡張幅dを変更したり、一致度の演算方法を変更することができるので、検査対象物の変更にも容易に対応できる。よって、利便性が高められ、検査の信頼度も確保される。
【0083】
なお、上記の実施例では、カラー画像を処理対象としたが、モノクロ画像を処理対象とする場合にも、同様の手法を適用することができる。また、上記の実施例では、検査領域全体の画像を基準画像として登録して、この基準画像から分割領域R毎の画像を切り出すようにしたが、これに限らず、分割領域R毎に個別の基準画像を登録してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】視覚検査装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】モデル登録用の設定画面の初期状態を示す図である。
【図3】設定画面が検査領域の分割結果を示す状態に変化した例を示す図である。
【図4】分割数が変更された場合の設定画面を示す図である。
【図5】一部の領域を無効に設定しているときの設定画面を示す図である。
【図6】一部の領域の演算方法を変更しているときの設定画面を示す図である。
【図7】処理対象領域の設定方法を示す図である。
【図8】モデル登録時の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】検査の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】検査結果の表示画面の例を示す図である。
【図11】基準画像と検査対象画像とを全体で照合する例を示す図である。
【図12】基準画像と検査対象画像との差異を差分演算により抽出した例を示す図である。
【符号の説明】
【0085】
1 本体部
2 カメラ
3 表示部
4 操作部
10 制御部
11 主記憶部
30 画像表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、検査に必要な情報を登録するためのメモリと、前記撮像手段により生成された検査対象物の画像を前記メモリにあらかじめ登録された基準画像と照合して検査対象物の良否を判定する検査実行手段と、検査実行手段による判定結果を出力する出力手段とを具備する検査装置であって、
検査の前に、登録対象の基準画像を複数の領域に分割し、この分割処理により設定された各領域を、それぞれ当該領域内の画像および基準画像における当該領域の位置を表す情報により前記メモリに登録する登録手段を具備し、
前記検査実行手段は、
前記メモリに登録された領域に順に着目して、着目中の領域の位置情報に基づき前記検査対象物の画像の着目中の領域に対応する範囲を特定し、この範囲を所定幅拡張した範囲を処理対象領域に設定するステップと、前記処理対象領域内の画像と着目中の領域につき登録された画像との間における最大の一致度を特定するステップとを、着目した領域毎に実行し、各領域の特定された一致度に基づき前記検査対象物の良否を判定する、
ことを特徴とする視覚検査装置。
【請求項2】
前記検査実行手段は、前記基準画像全体により検査対象物の画像を照合して基準画像に対応する領域を特定し、特定された領域内の画像を対象にして前記メモリに登録された領域に対応する範囲を特定する、請求項1に記載された視覚検査装置。
【請求項3】
前記登録手段は、分割数の設定操作を受け付けて、前記基準画像を前記設定操作により設定された数の領域に分割する、請求項1に記載された視覚検査装置。
【請求項4】
前記分割処理により設定された各領域に対する検査時の処理対象領域の拡張幅を表すパラメータを設定する操作に応じて、設定されたパラメータをメモリに登録するパラメータ登録手段を、さらに具備し、
前記検査実行手段は、検査対象物の画像において、着目中の領域に対応する範囲を前記メモリに登録されているパラメータに応じて拡張した範囲を、処理対象領域として設定する、請求項1〜3のいずれかに記載された視覚検査装置。
【請求項5】
前記登録手段は、前記分割処理後に、この分割により生じた各領域の画像を表示する手段と、この表示状態下で検査対象としない領域を指定する操作を受け付けたとき、指定された領域を検査対象外の領域に設定する手段とを含み、
前記検査実行手段は、前記メモリに登録された領域のうち検査対象外の領域を除く各領域に着目して、前記処理対象領域の設定および一致度を求める演算を実行する、請求項1〜4のいずれかに記載された視覚検査装置。
【請求項6】
前記登録手段は、分割処理により設定された領域毎に、前記一致度として画像間の相関値を求める演算、および基準画像に対する偏差に基づく一致度を求める演算のいずれかを選択して、選択された演算方法を前記画像および位置情報に対応づけてメモリに登録し、
前記検査実行手段は、前記着目した領域毎に、その領域につき登録された演算方法により一致度を求める演算を実行する、請求項1〜5のいずれかに記載された視覚検査装置。
【請求項7】
コンピュータにおいて、検査対象物の画像を入力し、この入力画像をあらかじめ登録された基準画像と照合することにより、検査対象物の良否を判定する検査方法において、
検査に先立ち、登録対象のモデルの画像を入力したとき、この入力画像を表示して表示中の画像に対する範囲指定操作を受け付けるステップと、指定された範囲の画像を基準画像として、この基準画像を複数の領域に分割するステップと、分割処理により設定された各領域を、それぞれ当該領域の画像および基準画像における当該領域の位置を表す情報によりメモリに登録するステップとを、実行し、
前記検査において検査対象物の画像を入力したとき、前記メモリに登録された領域に順に着目して、着目中の領域の位置情報に基づき前記検査対象物の画像の着目中の領域に対応する範囲を特定し、この範囲を所定幅拡張した範囲を処理対象領域に設定するステップと、前記処理対象領域内の画像と着目中の領域につき登録された画像との間における最大の一致度を特定するステップとを、着目した領域毎に実行し、各領域の特定された一致度に基づき、前記検査対象物の良否を判定する、
ことを特徴とする視覚検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−71951(P2010−71951A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242939(P2008−242939)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】