説明

視覚的フィードバック・ディスプレイ

視覚的フィードバックを与えることができる。最初に、表面における第1点との連続的接触を検出することができる。表面は、例えば、タッチ・スクリーンまたはタッチ・パッドを備えることができる。連続的接触は、例えば、スタイラスまたは主体の指を含む選択側要素によって生ずることができる。次いで、連続的接触の検出に応答して、メニューを表示することができる。メニューは、複数のメニュー選択可能要素を備えることができる。次に、連続的接触が表面の第1点から表面の第2点に移動したことを検出することができる。第2点は、複数のメニュー選択可能要素の1つに対応することができる。次いで、複数のメニュー選択可能要素の1つに対応する制御部を表示することができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
従来の接触ベースの入力案は、相互作用に対して「ポイントおよびクリック」手法を利用するのが慣例となっている。スクリーン上の視覚要素(例えば、アイコン、ハイパーリンク、ボタン、または編集ボックス)は、ユーザーがシステム情報または入力を与える機会を提示する。多くの場合マウス・カーソルを制御部上でホバリング(hovering)し、クリックすることによって行われることを、ユーザーは、スクリーンの接触感応部分上でタップする(tap)ことによってシミュレートする。
【0002】
接触ベースのデバイスを展開するときに遭遇することが多い問題の1つは、ユーザーが「OK」ボタン上でタップしたときに、使用が実際には制御を失ったり、または意図せずに近隣の制御を誘起することがないようにタッチ・スクリーンを較正することである。これは、サイズを大きくした制御部を形成することによって緩和されることもあり、目標エリアを拡大するために、制御を失う虞れは減少する。しかしながら、移動体デバイス上では、人は代わりにスタイラスを通常用いるので、小さいボタン、およびスタイラスを通じた接触入力の正確さが不可欠であることには変わりがない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くの場合、同様の選択肢または制御を集合体(grouping)に入力するために、1組のカスケード型メニューまたはタブ制御が用いられる。この結果、ユーザーが見ようとするまたは変更しようとする制御部、データー、または選択肢にアクセスするためには、ユーザーはスクリーンの小さなエリア上で複数回タップしなければならなくなる。小型の携帯用デバイス上では、これは厄介であり、ユーザーがデバイスに我慢できなくなる原因となる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この摘要は、詳細な説明において以下で更に説明する概念から選択したものを、簡略化して紹介するために設けている。この摘要は、特許請求する主題の鍵となる特徴や必須の特徴を特定することを意図するのではない。また、この摘要は、特許請求する主題の範囲を限定するために用いられることを意図するのでもない。
【0005】
視覚的フィードバックを与えることができる。最初に、表面における第1点との連続的接触を検出することができる。表面は、例えば、タッチ・スクリーンまたはタッチ・パッドを備えることができる。連続的接触は、例えば、スタイラスまたは主体の指を含む選択側要素によって生ずることができる。次いで、検出した連続的接触に応答して、メニューを表示することができる。メニューは、複数のメニュー選択可能要素を備えることができる。次に、連続的接触が表面の第1点から表面の第2点に移動したことを検出することができる。第2点は、複数のメニュー選択可能要素のうちの1つと対応することができる。次いで、複数のメニュー選択要素のうちのその1つに対応する制御部を表示することができる。
【0006】
前述の概略的な説明および以下の詳細な説明双方は、例を提示するのであり、説明のために過ぎない。したがって、以上の概略的な説明および以下の詳細な説明を限定的と見なしてはならない。更に、本明細書において明記することに加えて、特徴や変形を設けることもできる。例えば、実施形態は、詳細の説明に記載されている種々の特徴の組み合わせおよび下位の組み合わせを対象にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付図面は、本開示に組み込まれその一部をなすものであるが、本発明の種々の実施形態を図示する。図面において、
【図1】図1は、動作環境のブロック図である。
【図2】図2は、視覚的フィードバック・ディスプレイを与える方法のフロー・チャートである。
【図3】図3は、表示を示す図である。
【図4】図4は、表示を示す図である。
【図5】図5は、表示を示す図である。
【図6】図6は、表示を示す図である。
【図7】図7は、計算デバイスを含むシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明は、添付図面を参照する。可能なときはいつでも、同一または同様の要素を示すために、添付図面および以下の説明において同じ参照番号を用いることとする。本発明の実施形態について説明するが、修正、改造、およびその他の実現例が可能である。例えば、交換、追加、または修正を、図面に示す要素に対して行うことができ、本明細書において記載する方法は、段階を交換すること、順序を変えること、または開示する方法に追加することによって修正することができる。したがって、以下の詳細な説明は本発明を限定するのではない。代わりに、本発明の適正な範囲は、添付する請求項によって定めることとする。
【0009】
従来のタッチスクリーン・ユーザーインターフェースは、かさばり、スタイラスがないと使いにくいものが多い。本発明の実施形態によると、スクリーン空間をよりインテリジェントに、そして相互作用を直観的にする方法で用いることによって、タッチスクリーン・デバイスと相互作用を行う際に指(digit)(例えば、親指またはその他の指(finger))を使い易くする入力モデルを提供することができる。本発明の実施形態は、絶対的な位置決め(例えば、「ハント・アンド・ペック」手法(hunt-and-peck approach)の代わりに、スクリーンとの相互作用に相対的位置を用いることによって、これを提供することができる。
【0010】
図1は、スクリーン105を備えた計算デバイス100を示し、スクリーン105にメニュー110が表示されている。計算デバイス100は、パーソナル・コンピューター、ネットワーク・コンピューター、メインフレーム、またはその他の同様のマイクロコンピューターベースのワークステーションを備えることができる。しかしながら、計算デバイス100は、ハンドヘルド・デバイス、マルチプロセッサー・システム、マイクロプロセッサーベースまたはプログラマブル発信電子デバイス、ミニコンピューター、メインフレーム・コンピューター等のような、任意の種類のコンピューター動作環境を備えることができる。更に、計算デバイス100は、スマート・フォーン、セルラ電話機、ワイヤレス・アプリケーション・プロトコル(WAP)を利用するセルラ電話機、パーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)、インテリジェント・ページャー、携帯用コンピューター、ハンド・ヘルド・コンピューター、従来の電話機、またはファクシミリ機械のような、移動端末も備えることができる。前述のシステムおよびデバイスは、一例であり、計算デバイス100はその他のシステムまたはデバイスを備えることもできる。
【0011】
本発明の実施形態は、ユーザーがスクリーン105をタップし(そしてオプションとして)スクリーン105との接触を維持することを可能にする。この初期接触点の絶対位置は、視覚的フィードバックを表示するための基準に対する開始点として用いることができる。更に、この初期接触点は、接触点の指(またはスタイラス)からの今後の相対的移動に対する基準点としても、任意に設定する(option)ことができる。本発明の実施形態によれば、ユーザーは所望の制御部にヒットさせる際に、スクリーン105における特定の点にタップする必要はない。代わりに、最初の接触に相対的に制御部を描画することができる。後続のコマンドにより、後続の接触点の相対的位置に基づいて、入力を計算することができる。これによって、ディスプレイおよびタッチ・センサの較正による誤差を低減することができる。
【0012】
スクリーン105は、ユーザーが指(またはスタイラス)をスクリーン105の異なるエリアに移動させるに連れて制御部を描画し直すことによって、効率的に用いることができる。例えば、既定点上で複数回タップして深い階層メニュー構造に進入する代わりに、メニュー項目を接触点の周りに描画することができる。接触点が選択肢に向かって移動すると、新たな接触点の周囲に、副選択肢を描画することができる。この反復は、ユーザーが最終的な項目/選択肢を選ぶまで、新たな1組の選択肢が直前の1組の上に、またはその代わりに描画される毎に継続することができる。この結果、ユーザーは、相互作用全体(例えば、制御値を操作する、またはメニュー全域を見渡す(drill)、および最終的に行為を選択する)を完了するためには、1回タップしホールドするだけで済む。
【0013】
したがって、本発明の実施形態は、i)タッチ・スクリーンの現在の接触点、またはii)相互作用の最初の接触点、および接触点から基軸方向の各々においてスクリーンで利用可能な空間量に基づいて、メニュー/制御/行為のインテリジェント・レイアウトを提供することができる。メニュー/制御は、利用可能な空間に応じて、できるだけ大きく描画することができる。
【0014】
更に、本発明の実施形態は、ユーザー・インターフェース要素のレイアウトおよび描画に基づいて、接触入力位置を規定することができる。例えば、ある制御部を描画する位置は、ユーザーの指またはスタイラスが現在接触しているスクリーン上の位置、または接触行為を開始した位置から予測することができる。制御部は、「使用準備完了」状態で描画することができる。例えば、ボリューム・スライダー/スクローラーは、「親指」を操作軸に沿って現在の接触点と一直線状にすることによって描画することができる。更に、実施形態は、左利きまたは右利きというような、ユーザーの優先事項(preference)も考慮することができる。
【0015】
図2は、視覚的フィードバックを与えるための、本発明の一実施形態による方法200に伴う一般的な段階を明記するフロー・チャートである。方法200は、図7に関して以下で更に詳しく説明するように、計算デバイス100を用いて実施することができる。方法200の段階を実施する方法については、以下で更に詳しく説明する。方法200は、開始ブロック205において開始することができ、段階210に進むことができ、ここで計算デバイス100は表面の第1点との連続的な接触を検出することができる。図3は、スクリーン105、スクリーン105の第1点305、および主体(例えば、ユーザー)の指(digit)310(例えば、指(finger))を示す。ユーザーがスクリーン105をタップし、第1点305に指310を置く(例えば、ホバリング)と、計算デバイスは第1点305の座標を格納することができ、第1点305の周囲(例えば、第1点305の近接)においてスクリーン105上で利用可能な空間量を計算することができる。
【0016】
前述の表面は、タッチ・スクリーン(例えば、スクリーン105)またはタッチ・パッドを備えることができる。前述のことは一例であり、表面は他のデバイスを備えていてもよい。更に、前述した連続接触の検出は、例えば、スタイラスまたは主体の指310を含む選択側要素によって行ってもよい。前述のことは一例であり、選択側要素は他のデバイスを備えていてもよい。主体は、計算デバイス100を操作する人を含むことができる。
【0017】
計算デバイス100が表面における第1点305との連続的接触を検出した段階210から、方法200は段階220に進むことができ、ここで計算デバイス100は第1点305に対する表面上で検出した連続接触に応答して、メニュー110を表示することができる。例えば、図4に示すように、前述の利用可能空間量に基づいて、計算デバイス100はメニュー110を配置することができる。メニュー110は、複数の選択可能なメニュー要素410から445までを備えることができる。計算デバイス100は、例えば、メニュー110上で、複数の選択可能なメニュー要素410から445までを均等に離間して、アイコン、画像、または文字列を表示し、これらの項目をスクリーン105上にレンダリングすることができる。例えば、第1点305がスクリーン105の角に位置する場合、複数の選択可能なメニュー要素410から445は、利用可能な90度の空間に広げることができる。同様に、第1点305がスクリーン105の縁上に位置する場合、複数の選択可能なメニュー要素410から445は、利用可能な180度の空間に広げることができる。
【0018】
一旦段階220において計算デバイス100がメニュー110を表示したなら、方法200は段階230に進み、ここで計算デバイス100は、図5に示すように、連続的な接触が表面の第1点305から表面の第2点505に移動したことを検出することができる。第2点505は、選択可能な要素410の1つに対応することができる。例えば、図5に示すように、ユーザーはホバリングしている指310(一例、またはスタイラス)を第1点305から、第2点505における選択可能なメニュー要素410に向けて引いて行くことができる。計算デバイス100は、ホバリングしている指310の移動を連続的に監視することができ、選択可能なメニュー要素410から445のうちユーザーが選択しようとしたのはどれか判定するアルゴリズムを適用することができる。例えば、このアルゴリズムは、第1点305、第2点505、および第1点305から第2点505までに至る経路510を考慮することができる。経路510は、例えば、一定の頻度で、計算デバイス100の中にあるタッチ・ドライバー(touch driver)によって測定することができる。更に、このアルゴリズムは指310の速度も考慮することができる(例えば、タッチ・ドライバーから取り込まれるサンプル間の連続距離に基づいて)。前述の情報は、指310が複数の選択可能なメニュー要素410から445のうち任意のものの上を、それを「選択した」と見なせるだけ十分長くホバリングしていたか否か判定するのに有用であると言える。
【0019】
計算デバイス100が、段階230において、連続的な接触が移動したと検出した後、方法200は段階240に進むことができ、ここで計算デバイス100は、選択可能なメニュー要素410を、例えば、第2点505に対して対応付ける制御部605を表示することができる。例えば、図6に示すように、ユーザーが選択しようとしている項目がどれか判定した後(例えば、選択可能なメニュー要素410)、計算デバイス100は現在の指310の位置を再度格納し、スクリーン105における利用可能な空間を再計算し、第2制御部605と関連のある1組の項目をどこに描画するか決定することができる。図6の例に示すように、ユーザーはボリューム・アイコンを選択した。選択可能なメニュー要素410に対応する制御部605を描画することができるが、本発明の実施形態は、選択可能なメニュー要素410に応答して、更に別のメニューを描画することもできる。
【0020】
例えば、収集したデーターを用いて、計算デバイス100は、ユーザーが経路615において指310を上下に動かすことによって、計算デバイス100上でボリュームを調節することができるように、制御部605を描画することができる。図6に示すコンテキストは、様々な方法で表すことができる。例えば、制御部605の初期位置(例えば、ボリューム・スライダーにおける「親指」)を、水平軸上において現在の接触位置(例えば、第2点)と一直線状にすることができる。更に、この制御部は、スクリーン105上で可能な限り多くの空間を使用するように拡縮することもできる。加えて、スクリーン105のこの軸上における運動が制御部に作用し得ることをユーザーに示すために、上下に延びる矢印を第2点505の直下に描画してもよい。この概念は、異なる選択肢ダイアログ、階層メニュー構造、新しい制御部にも拡大することができ、携帯用デバイスから、例えば、工業用自動化、医療用ディスプレイ、および制御システムに至るまで多数の分野において応用することができる。
【0021】
また、本発明の実施形態は、ユーザーが左利きかまたは右利きかに基づいて、制御部605を表示することもできる。例えば、ユーザーは、ユーザーの利き腕はどちらかを、計算デバイス100に入力することができる。この情報に応答して、計算デバイスは、ユーザーの手(またはスタイラス)が制御部605を塞ぐことがないように、制御部605を表示することができる。例えば、選択可能なメニュー要素410に対応するユーザーが左利きであると判定した場合、制御部605を表示するエリアの一部を第2点505の右側にすることができる。同様に、選択可能なメニュー要素410に対応するユーザーが右利きである場合、制御部605を表示するエリアの一部を、第2点505の左側にすることができる。このように、ユーザーは、ユーザー自身の手が妨害しないように、制御部605を見ることができる。図6に示すように、計算デバイスは、指310に対応するユーザーが右利きであることを指示するデーターを有することができるので、制御部605を第2点505の左側に配置することができる。更に、第2点がスクリーン105上のどこに位置するかに基づいて、制御部605を垂直方向に、水平方向に、またはその他の任意の方向に配置することもできる。例えば、第2点がスクリーン105の縁または角にある場合、制御部605を水平方向または垂直方向に配置することができる。一旦段階240において計算デバイス100が制御部を表示したなら、方法200は段階250において終了することができる。
【0022】
本発明による一実施形態は、視覚的フィードバックを与えるためのシステムを備えることができる。このシステムは、メモリー・ストレージと、このメモリー・ストレージに結合されている処理ユニットとを備えることができる。処理ユニットは、表面の第1点との連続的接触を検出し、検出した連続的接触に応答してメニューを表示するように動作することができる。メニューは、複数のメニュー選択可能要素を備えることができる。処理ユニットは、更に、連続的接触が表面の第1点から表面の第2点に移動したことを検出するように動作することができる。第2点は、複数のメニュー選択可能要素のうちの1つと対応することができる。更に、処理ユニットは、複数のメニュー選択可能要素のうち前述の1つに対応する制御部を表示するように動作することができる。
【0023】
本発明による別の実施形態は、視覚的フィードバックを与えるシステムを備えることができる。このシステムは、メモリー・ストレージと、このメモリー・ストレージに結合されている処理ユニットとを備えることができる。処理ユニットは、第1点においてタッチ・スクリーン上でホバリングしている選択側要素に応答して、メニューを表示するように動作することができる。メニューは、複数のメニュー選択可能要素を備えており、第1点に相対的に表示することができる。処理ユニットは、更に、選択側要素がスクリーンを横切って第1点から第2点まで移動したと判定するように動作することができる。第2点は、複数のメニュー選択可能要素のうちの1つに対応することができる。更に、処理ユニットは、複数のメニュー選択可能要素のうち前述の1つに対応する制御部を表示するように動作することができる。この制御部は、第2点に相対的に表示することができ、この制御部に対応する制御選択可能要素を、第2点に表示する。
【0024】
本発明による更に別の実施形態は、視覚的フィードバックを与えるシステムを備えることができる。このシステムは、メモリー・ストレージと、このメモリー・ストレージに結合されている処理ユニットとを備えることができる。処理ユニットは、表面の第1点においてホバリングしているユーザーの指を検出し、ホバリングしている指の検出に応答して、第1メニューを、第1位置に相対的に表示するように動作することができる。第1メニューは、複数の第1メニュー選択可能要素を備えることができる。処理ユニットは、更に、検出した、ホバリングしている指が表面の第1点から表面の第2点に移動したと判定するように動作することができる。第2点は、複数の第1メニュー選択可能要素のうちの1つに対応することができる。更に、処理ユニットは、検出した、ホバリングしている指が移動したと判定したことに応答して、第1メニューをスクリーンから除去し、複数の第1メニュー選択可能要素のうち前述の1つに対応する第2メニューを、第2点に相対的に表示するように動作することができる。
【0025】
図7は、計算デバイス100を含むシステムのブロック図である。本発明の一実施形態によれば、前述のメモリー・ストレージおよび処理ユニットを、図7の計算デバイス100のような、計算デバイスの中に実装することができる。メモリー・ストレージおよび処理ユニットを実装するためには、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアの適した組み合わせであればいずれでも用いることができる。例えば、メモリー・ストレージおよび処理ユニットは、計算デバイス100または他の計算デバイス718のうち任意のものを用いて、計算デバイス100と組み合わせて実装することができる。前述のシステム、デバイス、およびプロセッサーは、一例であり、本発明の実施形態によれば、その他のシステム、デバイス、およびプロセッサーが、前述のメモリー・ストレージおよび処理ユニットを備えていてもよい。
【0026】
図7を参照すると、本発明の一実施形態によるシステムは、計算デバイス100のような、計算デバイスを含むことができる。基本的な構成では、計算デバイス100は、少なくとも1つの処理ユニット702およびシステム・メモリー704を含むことができる。計算デバイスの構成および種類に応じて、システム・メモリー704は、揮発性(例えば、ランダム・アクセス・メモリー(RAM))、不揮発性(例えば、リード・オンリー・メモリー(ROM))、フラッシュ・メモリー、または任意の組み合わせを備えることができるが、これらに限定されるのではない。システム・メモリー704は、オペレーティング・システム705、1つ以上のプログラミング・モジュール706を含むことができ、更に、プログラム・データー707を含むことができる。オペレーティング・システム705は、例えば、計算デバイス100の動作を制御するのに適しているとよい。一実施形態では、プログラミング・モジュール706は、視覚的フィードバック・アプリケーション720を含むことができる。更に、本発明の実施形態は、グラフィクス・ライブラリー、その他のオペレーティング・システム、またはその他の任意のアプリケーション・プログラムと合わせて実用化(practice)することができ、いずれの特定のアプリケーションにもシステムにも限定されることはない。この基本的な構成は、図7において破線708うちにあるコンポーネントによって示されている。
【0027】
計算デバイス100は、追加の機構または機能性を有することもできる。例えば、計算デバイス100は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、またはテープのような、追加のデーター記憶デバイス(リムーバブルおよび/または非リムーバブル)を含むこともできる。これら追加のストレージは、図7では、リムーバブル・ストレージ709および非リムーバブル・ストレージ710によって示されている。コンピューター記憶媒体は、揮発性および不揮発性、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体を含み、これらは、コンピューター読み取り可能命令、データー構造、プログラム・モジュール、またはその他のデーターというような任意の情報格納方法または技術で実現することができる。システム・メモリー704、リムーバブル・ストレージ709、および非リムーバブル・ストレージ710は、全てコンピューター記憶媒体の例である(即ち、メモリー・ストレージ)。コンピューター記憶媒体は、限定ではなく、RAM、ROM、電気的消去可能リード・オンリー・メモリー(EEPROM)、フラッシュ・メモリーまたはその他のメモリー技術、CD−ROM、ディジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)またはその他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク・ストレージまたはその他の磁気ストレージ・デバイス、あるいは情報を格納するために用いることができ計算デバイス100がアクセスすることができるのであればその他のいずれの媒体でも含むことができる。このようなコンピューター記憶媒体のいずれもが、デバイス100の一部となることができる。また、計算デバイス100は、キーボード、マウス、ペン、音響入力デバイス、接触入力デバイス等のような入力デバイス(1つ又は複数)712も有することができる。ディスプレイ、スピーカー、プリンター等のような出力デバイス(1つ又は複数)も含むことができる。前述のデバイスは一例であり、その他のものを用いてもよい。
【0028】
また、計算デバイス100は、通信接続部716を内蔵することもできる。通信接続部716は、デバイス100が、分散型計算環境、例えば、イントラネットまたはインターネットにおいてネットワークを通じてというようにして、他の通信デバイス718を通信することを可能にすることができる。通信接続部716は、通信媒体の一例である。通信媒体は、通例、コンピューター読み取り可能命令、データー構造、プログラム・モジュール、あるいは搬送波やその他の電圧メカニズムのような、変調データー信号におけるその他のデーターによって具現化することができ、あらゆる情報配信媒体を含む。「変調データー信号」という用語は、情報を当該信号の中にエンコードするような形態で、1つ以上の特性を設定または変更した信号を記述することができる。一例として、そして限定ではなく、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続のような有線媒体、ならびに音響、無線周波数(RF)、赤外線、およびその他のワイヤレス媒体というようなワイヤレス媒体を含むことができる。本明細書において用いる場合、コンピューター読み取り可能媒体という用語は、記憶媒体および通信媒体双方を含むことができる。
【0029】
先に述べたように、オペレーティング・システム705を含む、多数のプログラム・モジュールおよびデーター・ファイルをシステム・メモリー704に格納することができる。処理ユニット702上で実行する間、プログラム・モジュール706(例えば、視覚的フィードバック・アプリケーション720)は、例えば、前述したような1つ以上の方法200の段階を含むプロセスを実行することができる。前述のプロセスは一例であり、処理ユニット702は他のプロセスを実行することもできる。本発明の実施形態にしたがって用いることができるその他のプログラミング・モジュールには、電子メールおよび連絡(contact)アプリケーション、ワープロ・アプリケーション、表計算アプリケーション、データーベース・アプリケーション、スライド・プレゼンテーション・アプリケーション、描画またはコンピューター補助アプリケーション・プログラム等を含むことができる。
【0030】
一般に、本発明の実施形態によれば、プログラム・モジュールは、ルーチン、プログラム、コンポーネント、データー構造、および特定のタスクを実行することができる、または特定の抽象データー・タイプを実装することができるその他の種類の構造を含むことができる。更に、本発明の実施形態は、他のコンピューター・システム構成でも実用化できる。他のコンピューター・システム構成には、ハンド・ヘルド・デバイス、マルチプロセッサー・システム、マイクロプロセッサーベースまたはプログラマブル消費者電子機器、ミニコンピューター、メインフレーム・コンピューター等が含まれる。また、本発明の実施形態は、分散型計算環境においても実用化することができ、その場合、通信ネットワークを通じてリンクされたリモート処理デバイスによってタスクを実行する。分散型計算環境では、プログラム・モジュールは、ローカルおよびリモート・メモリー記憶デバイス双方に配置することもできる。
【0031】
更に、本発明の実施形態は、ディスクリート電子エレメント、ロジック・ゲートを内蔵したパッケージ化または集積電子チップ、マイクロプロセッサーを利用した回路、あるいは電子エレメントまたはマイクロプロセッサーを内蔵した単一チップ上を含む、電気回路においても実用化することができる。また、本発明の実施形態は、例えば、AND、OR、およびNOTのような、論理演算を実行することができるその他の技術を用いても実用化することができる。これらは、限定ではなく、機械的技術、光学技術、流体技術、および量子技術が含まれる。加えて、本発明の実施形態は、汎用コンピューター内またはその他のあらゆる回路またはシステムにおいても実用化することができる。
【0032】
本発明の実施形態は、例えば、コンピューター・プロセス(方法)、計算システムとして、あるいはコンピューター・プログラム製品またはコンピューター読み取り可能媒体のような、製造品目として実現することができる。コンピューター・プログラム生産物は、コンピューター・システムによって読み取ることができ、コンピューター・プロセスを実行するための命令のコンピューター・プログラムをエンコードしたコンピューター記憶媒体とすることができる。また、コンピューター・プログラム生産物は、計算システムによって読み取ることができ、コンピューター・プロセスを実行するための命令のコンピューター・プログラムをエンコードした伝搬信号であってもよい。したがって、本発明は、ハードウェアおよび/またはソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロ・コード等を含む)においても具現化することができる。言い換えると、本発明の実施形態は、命令実行システムが用いる媒体またはこれと共に用いる媒体に具現化されたコンピューター使用可能またはコンピューター読み取り可能プログラム・コードを有する、コンピューター使用可能またはコンピューター読み取り可能記憶媒体上におけるコンピューター・プログラム生産物の形態をなすことができる。コンピューター使用可能またはコンピューター読み取り可能媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスが用いるプログラムまたはこれらと共に用いるプログラムを収容、格納、伝達、伝搬、または移送することができる媒体であればいずれでもよい。
【0033】
コンピューター使用可能またはコンピューター読み取り可能媒体は、例えば、しかし限定ではなく、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、または半導体システム、装置、デバイス、あるいは伝搬媒体とすることができる。更に具体的なコンピューター読み取り可能媒体の例(網羅的なリストではない)では、コンピューター読み取り可能媒体は以下を含むことができる。1本以上のワイヤを有する電気接続、携帯用コンピューター・ディスケット、ランダム・アクセス・メモリー(RAM)、リード・オンリー・メモリー(ROM)、消去可能プログラマブル・リード・オンリー・メモリー(EPROMまたはフラッシュ・メモリー)、光ファイバ、および携帯用コンパクト・ディスク・リード・オンリー・メモリー(CD−ROM)。尚、コンピューター使用可能またはコンピューター読み取り可能媒体は、紙またはプログラムを印刷するのに適したその他の媒体でも可能である。これは、例えば、紙またはその他の媒体の光学走査によって、プログラムを電子的に取り込み、次いでコンパイル、解釈、または必要であれば、それ以外の適した方法で処理し、次いでコンピューター・メモリーに格納することができるからである。
【0034】
本発明の実施形態は、例えば、本発明の実施形態による方法、システム、およびコンピューター・プログラム生産物のブロック図および/または動作図を参照しながら先に説明した。ブロックの中に記した機能/行為は、いずれのフローチャートに示されている順序以外で行われてもよい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行してもよく、また関与する機能性/行為によっては、これらのブロックを逆の順序で実行してもよい場合もある。
【0035】
以上、本発明のある種の実施形態について説明したが、他の実施形態も存在することができる。更に、本発明の実施形態は、メモリーまたはその他の記憶媒体に格納するデーターと関連があるものとして説明したが、データーは、ハード・ディスク、フロッピー(登録商標)・ディスクのような二次記憶デバイス、またはCD−ROM、インターネットからの搬送波、あるいはその他の形態のRAMまたはROMのような、他の種類のコンピューター読み取り可能媒体上に格納し、そこから読み取ることもできる。更に、開示した方法の段階は、本発明から逸脱することなく、いかようにでも修正することができ、段階の順序を変更すること、および/または段階を挿入または削除することを含む。
【0036】
本明細書に含まれるコードにおける著作権を含むあらゆる権利は、出願人に付与され、出願人に所有権がある。出願人は、本明細書に含まれるコードにおいて全ての権利を保持および保有し、付与される特許の再生に関してのみ、資料を再生する許可を付与するが、その他の目的のためには付与しない。
【0037】
本明細書は例を含むが、本発明の範囲は、以下の請求項によって示すこととする。更に、本明細書は、構造的特徴および/または方法論的行為に特定的な文言で記載したが、特許請求の範囲は、以上に記載した特徴や行為に限定されるのではない。逆に、前述の具体的な特徴および行為は、本発明の実施形態についての例として開示したに過ぎない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視覚的フィードバックを与える方法であって、
表面にある第1点との連続的接触を検出するステップと、
検出した前記連続的接触に応答して、メニューを表示するステップであって、該メニューが複数のメニュー選択可能要素を含む、ステップと、
前記連続的接触が前記表面における前記第1点から前記表面における第2点に移動したことを検出するステップであって、前記第2点は前記複数のメニュー選択可能要素のうちの1つに対応する、ステップと、
前記複数のメニュー選択可能要素の前記1つに対応する制御部を表示するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記表面における前記第1点との連続的接触を検出するステップは、タッチ・スクリーンおよびタッチ・パッドのうち1つを含む前記表面における前記第1点との連続的接触を検出するステップを含む、方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、前記連続的接触を検出するステップは、スタイラスおよび主体の指のうち1つを含む選択側要素によって生じた連続的接触を検出するステップを含む、方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、前記メニューを表示するステップは、前記メニューを前記表面に表示するステップを含む、方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、前記メニューを表示するステップは、前記第1点に相対的に、前記表面に前記メニューを表示するステップを含む、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、前記メニューを表示するステップは、
前記表面において前記第1点に近接する第1量の空間を判定するステップと、
前記判定した第1量の空間に、前記複数のメニュー選択可能要素を表示するステップと、
を含む、方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、前記制御部を表示するステップは、ユーザーが右利きであると判定した場合、前記制御部を前記表面の第1エリアに表示するステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法において、前記制御部を表示するステップは、ユーザーが左利きであると判定した場合、前記制御部を前記表面の第2エリアに表示するステップを含む、方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法において、前記制御部を表示するステップは、前記第2点に相対的に前記制御部を表示するステップを含む、方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法において、前記制御部を表示するステップは、前記制御部を前記第2点に相対的に表示するステップを含み、前記制御部に対応する制御選択可能要素は、前記第2点に表示される、方法。
【請求項11】
請求項1記載の方法において、前記制御部を表示するステップは、
前記表面において前記第2点に近接する第2量の空間を判定するステップと、
前記判定した第2量の空間に、前記制御部を表示するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
命令の集合を格納し、該命令が実行されると、視覚的フィードバックを与える方法を実行するコンピューター読み取り可能媒体であって、前記命令の集合によって実行される方法が、
第1点においてタッチ・スクリーン上でホバリングしている選択側要素に応答して、メニューを表示するステップであって、前記メニューが、前記第1点に相対的に表示された複数のメニュー選択可能要素を含む、ステップと、
前記選択側要素が前記スクリーンを横切って前記第1点から第2点に移動したと判定するステップであって、前記第2点が前記複数のメニュー選択可能要素の1つに対応する、ステップと、
前記複数のメニュー選択可能要素の前記1つに対応する制御部を表示するステップであって、前記制御部が前記第2点に相対的に表示され、該制御部に対応する制御選択可能要素が前記第2点に表示されるステップと、
を含む、コンピューター読み取り可能媒体。
【請求項13】
請求項12記載のコンピューター読み取り可能媒体において、前記選択側要素に応答して前記メニューを表示するステップは、スタイラスおよび主体の指のうち1つを含む前記選択側要素に応答して、前記メニューを表示するステップを含む、コンピューター読み取り可能媒体。
【請求項14】
請求項12記載のコンピューター読み取り可能媒体において、前記メニューを表示するステップは、
前記タッチ・スクリーンにおける前記第1点に近接する第1量の空間を判定するステップと、
前記判定した第1量の空間において、前記複数のメニュー選択可能要素を表示するステップと、
を含む、コンピューター読み取り可能媒体。
【請求項15】
請求項12記載のコンピューター読み取り可能媒体において、前記制御部を表示するステップは、前記選択側要素に対応するユーザーが右利きであると判定した場合、前記タッチ・スクリーンの第1エリアに前記制御部を表示するステップを含む、コンピューター読み取り可能媒体。
【請求項16】
請求項12記載のコンピューター読み取り可能媒体において、前記制御部を表示するステップは、前記選択側要素に対応するユーザーが右利きであると判定した場合、前記スクリーンの第1エリアに前記制御部を表示するステップを含み、前記第1エリアの少なくとも一部は、前記第2点の左側にある、コンピューター読み取り可能媒体。
【請求項17】
請求項12記載のコンピューター読み取り可能媒体において、前記制御部を表示するステップは、前記選択側要素に対応するユーザーが左利きであると判定した場合、前記スクリーンの第2エリアに前記制御部を表示するステップを含む、コンピューター読み取り可能媒体。
【請求項18】
請求項12記載のコンピューター読み取り可能媒体において、前記制御部を表示するステップは、前記選択側要素に対応するユーザーが左利きであると判定した場合、前記スクリーンの第2エリアに前記制御部を表示するステップを含み、前記第2エリアの少なくとも一部は、前記第2点の右側にある、コンピューター読み取り可能媒体。
【請求項19】
請求項12記載のコンピューター読み取り可能媒体において、前記制御部を表示するステップは、
前記スクリーンにおいて前記第2点に近接する第2量の空間を判定するステップと、
前記判定した第2量の空間に前記制御部を表示するステップと、
を含む、コンピューター読み取り可能媒体。
【請求項20】
視覚的フィードバックを与えるシステムであって、
メモリー・ストレージと、
前記メモリー・ストレージに結合された処理ユニットと、
を含み、前記処理ユニットが、
表面の第1点においてホバリングしているユーザーの指を検出し、
検出した前記ホバリングしている指に応答して、前記第1点に相対的に、第1メニューを表示し、前記第1メニューが、複数の第1メニュー選択可能要素を含み、
前記検出したホバリングしている指が、前記表面の前記第1点から前記表面の第2点に移動したと判定し、前記第2点が前記複数の第1メニュー選択可能要素の1つに対応し、
前記検出したホバリングしている指が移動したと判定したことに応答して、前記第1メニューを前記スクリーンから除去し、
前記第2点に相対的に、前記複数の第1メニュー選択可能要素の前記1つに対応する第2メニューを表示する、
ように動作する、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−530578(P2010−530578A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512269(P2010−512269)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/065629
【国際公開番号】WO2008/157023
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】