観察治具と鋼管内の塗装方法
【課題】鋼管内の遮水板等の汚れの状態を十分に確認することのできる観察治具を提供する。
【解決手段】鋼管10と鋼管10とが遮水板14を介して接合され、遮水板14の上面の一端から他端に亘って排水溝15,16が形成された構造体において、排水溝15の一端開口15aから鋼管10内へ挿入してこの鋼管10内を観察するための観察手段25を保持する観察治具18であって、排水溝15の一端開口15bから銅管10内へ挿入されるベース部材19と、このベース部材19とともに一端開口15bから鋼管内へ入れられるとともに前記観察手段25を保持し且つ上下動可能な移動部材20と、この移動部材20を上下動させる操作部材21とを備えている。
【解決手段】鋼管10と鋼管10とが遮水板14を介して接合され、遮水板14の上面の一端から他端に亘って排水溝15,16が形成された構造体において、排水溝15の一端開口15aから鋼管10内へ挿入してこの鋼管10内を観察するための観察手段25を保持する観察治具18であって、排水溝15の一端開口15bから銅管10内へ挿入されるベース部材19と、このベース部材19とともに一端開口15bから鋼管内へ入れられるとともに前記観察手段25を保持し且つ上下動可能な移動部材20と、この移動部材20を上下動させる操作部材21とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば鉄塔の鋼管内を観察するための観察手段を保持する観察治具と、鋼管内の塗装方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、鉄塔の鋼管内を清掃する清掃器具が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
かかる清掃器具は、チューブの先端に湾曲した板バネを設け、このチューブをガイドパイプ内に通し、チューブの先端部および後部をガイドパイプから突出させておき、そのチューブの後端部を回転力を与える駆動部に接続するものである。
【0004】
鉄塔の鋼管内の清掃の際には、先ず、チューブを上述のようにガイドパイプに通し、このガイドパイプを鉄塔の遮水板の排水溝の一端開口から入れて鋼管内に挿入する。そして、チューブの後端部を駆動部に接続してチューブを回転させることにより、板バネを回転させて鋼管内に貯留した異物や錆を粉砕していくものである。
【0005】
また、遮水板の排水溝の一端開口からガイドパイプを挿入し、このガイドパイプ内に先端に塗料噴出口を設けたチューブを通し、その塗料噴出口から塗料を噴出させて鋼管内を塗装する塗装方法が知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−200124号公報
【特許文献2】登録実用新案公報第3056658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来では、鉄塔の鋼管内が見えないことにより、その鋼管内の汚れの如何に拘わらず清掃を行っていた。このため、無駄な清掃を行う場合があった。また、鉄塔の鋼管内を清掃しても、実際に清掃できているのか確認することができないという問題があった。
【0007】
鋼管内の汚れの状態や清掃後の確認のためには、ファイバースコープを遮水板の排水溝の一端開口から入れて鋼管内を見ればよいが、ファイバースコープが排水溝内に入り込むため、遮水板の上面等の汚れの状態を十分に確認することができないという問題があった。
【0008】
また、従来の塗装方法では、鋼管内の汚れの状態が分からないため、汚れた状態のまま鋼管内を塗装してしまう問題があった。
【0009】
この発明の目的は、鉄塔の鋼管内の遮水板等の汚れの状態を十分に確認することのできる観察治具と、汚れた鋼管内を塗装してしまうことのない鋼管内の塗装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、鋼管と鋼管とが遮水板を介して接合され、前記遮水板の上面の一端から他端に亘って排水溝が形成された構造体において、前記排水溝の一端開口から鋼管内へ挿入してこの鋼管内を観察するための観察手段を保持する観察治具であって、
前記排水溝の一端開口から銅管内へ挿入されるベース部材と、このベース部材とともに前記一端開口から鋼管内へ入れられるとともに前記観察手段を保持し且つ上下動可能な移動部材と、この移動部材を上下動させる操作部材とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、前記移動部材は、前記ベース部材の上に重ねられるとともに、そのベース部材の先端側を中心にして回動可能に設けられ、その後部で前記観察手段を保持することを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、前記操作部材は、弾性を有するバンドで構成され、
このバンドの一端側を前記移動部材の底面に固定し、そのバンドの他端側をベース部材の上面を摺動して移動可能に取り付け、
前記バンドの他端側をベース部材の先端側へ移動させた際に、そのバンドを湾曲させることにより、前記移動部材を回動させるようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、鋼管と鋼管とが遮水板を介して接合され、前記遮水板の上面の一端から他端に亘って排水溝が形成された構造体において、前記排水溝の一端開口から鋼管内へ挿入してこの鋼管内を観察するための観察手段を保持する観察治具であって、
前記排水溝の一端開口から鋼管内へ挿入する可撓性のガイドチューブを備え、
このガイドチューブを前記一端開口から鋼管内へ挿入した後、このガイドチューブ内にファイバスコープを挿入し、このファイバスコープの先端部をガイドチューブの先端から突出させて鋼管内を観察することを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の観察治具を使用して前記鋼管内を観察し、この後、前記排水溝の一端開口から鋼管内へ撹拌部材を挿入し、この撹拌部材を回転させることにより前記鋼管内を清掃し、
この後、前記排水溝の一端開口を塞ぐとともに他端開口から鋼管内へ所定の高さまで塗料を注入し、
この後、前記一端開口を開放して注入した塗料をその一端開口から排出させて鋼管内を塗装することを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、前記鋼管内の清掃の後、前記観察治具を使用して鋼管内を観察して、清掃後の状態を確認することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、操作部材の操作により移動部材が観察手段を上下に移動させるものであるから、遮水板を上から観察することができ、このため鋼管内の遮水板等の汚れの状態を十分に確認することができる。
【0017】
また、この鋼管内の塗装方法によれば、汚れた鋼管内を塗装してしまうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明に係る観察治具と鋼管内の塗装方法の実施の形態である実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0019】
図1は、例えば送電用鉄塔の主柱材鋼管(以下、鋼管という)10,11の接合部を示している。上側の鋼管10の下部にはフランジ12が一体形成され、下側の鋼管11の上部にはフランジ13が一体形成されている。なお、下側の鋼管11は比較的短いものからなっていて、その下部はコンクリート基礎(図示せず)に固定されている。
【0020】
上記フランジ12,13は、遮水板14を介在させた状態で図示しない複数のボルトにより固定されている。
【0021】
図6は、フランジ12と遮水板14との接合面から見た遮水板14の平面図を示している。遮水板14の上面には、図6に示すように、一対の排水溝15,16が交差してそれぞれ形成されている。
【0022】
排水溝15と上部側のフランジ12とにより、排水溝15の各端部には排水口(水抜き穴)15a,15bが形成され、同様に排水溝16の各端部には、一端開口としての排水口16a,16bがそれぞれ形成されている。
【0023】
図1において、符号18は鋼管10内を観察するための観察治具を示している。この観察治具18の詳細を図2ないし図5に基づいて説明する。
【0024】
観察治具18は、図2及び図3に示すように、遮水板14とフランジ12とにより形成される後述する排水口15a,15bから挿入可能な次のものからなっている。すなわち、ベース部材19と、このベース部材19に対して傾動可能なガイドレール20と、このガイドレール20を傾動させるための操作部材としてのバンド(以下ステンレスバンドという)21と、ステンレスバンド21が移動自在に挿通されている支持具22とから構成されている。
【0025】
このガイドレール20は、図4(a),(b)に示すように縦断面形状が上向きに開口しているコ字状の部材からなっている。このガイドレール20の底板20aの中間部には、幅方向に延びた長穴23が形成されている。
【0026】
支持具22は、図5に示すようにステンレスバンド21が移動自在に挿通される中抜き穴22aを有している。この支持具22は、図2及び図3に示すように、支持具22の下面22bを両面テープ(図示せず)によりベース部材19の上面に接着することによりベース部材19に固定されている。
【0027】
ステンレスバンド21は、図2に示すように、支持具22内の中抜き穴22aを挿通されていると共に、ガイドレール20の穴23を下側から挿通されてガイドレール20内に延出している。
【0028】
そして、ステンレスバンド21の先端側(図2中の長穴23よりも左側)はガイドレール20内を通ったのち、先端部21aがリベット等によりベース部材19の先端部19Aに固定されている。
【0029】
また、ガイドレール20内のステンレスバンド21の下面21cと、ガイドレール20の底板20a(図4参照)の上面20bとは、両面テープ(図示せず)により接着されてガイドレール20がステンレスバンド21に固定されている。
【0030】
ファイバースコープ25は、観察窓25bを有するスコープ部25aと、図示しない接眼部と、この接眼部とスコープ部25aとを接続した光ファイバーケーブル26とを有している。
【0031】
また、ファイバースコープ25は、観察治具18が排水溝15の排水口15b(図6参照)から鋼管10内に挿入されたのち、排水溝15の反対側の排水口15aから挿入されてガイドレール20内に挿入可能になっている。
【0032】
[作用]
次に、上述のように構成された観察治具18の作用と、鋼管の塗装方法について説明する。
【0033】
図2のようにガイドレール20がベース部材19に倒伏させた状態で、観察治具18を、例えば排水溝15の排水口15bから、ベース部材19の後端部19aを把持して鋼管10内に挿入する。
【0034】
次に、排水溝15の反対側の排水口15aから、ファイバースコープ25を挿入して、このファイバースコープ25をガイドレール20内に入れる。そして、光ファイバケーブル26を操作して、ファイバースコープ25のスコープ部25aをガイドレール20の後端部20cから突出させた状態にする。
【0035】
この状態で、鋼管10から外部に延出しているステンレスバンド21の後端部21bを操作して押し込んでいくと、図1及び図3に示すように、ガイドレール20の長穴23と支持具22との間のステンレスバンド21が次第に湾曲していく。
【0036】
このステンレスバンド21の湾曲と共に、ガイドレール20は、その一端側(図3において左側)である先端部21aを中心として次第に起きあがるように回動していき、図3に示すように鋼管10内で傾斜した状態となる。すなわち、ファイバースコープ25のスコープ部25aは、所定の高さに持ち上げられた状態となる。
【0037】
これにより、ファイバースコープ25によって、図1及び図3に示すように鋼管10内の内壁やベース部材19を観察することができる。この観察により、例えば蜂の巣、土砂等の貯留した異物や錆等を確認することができる。この観察で十分な観察が行われない場合には、他の排水口16a,16bから観察治具18を挿入して同様に観察する。
【0038】
鋼管10内の観察・点検を終了した後、ステンレスバンド21の後端部21bを引き出すことにより、ガイドレール20は図2のようにベース部材19上に倒伏する。この状態で、ファイバースコープ25を鋼管10内から引き抜く。
【0039】
その後、観察治具18は、ファイバースコープ25を引き抜いた排水口15a側から引き出して撤去する。
【0040】
このように、鋼管10内を予め観察することで、例えば送電用鉄塔等の多数の鉄塔の中から補修を必要とする鋼管10を見つけ出すことができて、鋼管10の補修をより効率的に行うことができる。
【0041】
次に、補修を必要とする鋼管10を確認できた場合の鋼管10の補修工法の一例を図7ないし図11に基づいて説明する。
【0042】
図7において、符号28は鋼管10内の異物を粉砕するための撹拌部材、30は撹拌部材28の軸部29を回転自在に保持するための銅製のパイプ、32は撹拌部材28を回転するための駆動源としての電動ドリルである。
【0043】
撹拌部材28は、図8に示すように、軸部材29と、この軸部材29に所定間隔で溶接した複数の枝部材29a〜29cとを有しており、軸部材29はステンレス製の複数のワイヤからなる鋼より線で形成されて弾力を有している。
【0044】
各枝部材29a〜29cは、複数のワイヤからなる鋼より線で形成されており、折れ曲がり易く且つ弾性力を有している。各枝部材29a〜29cは、軸部材29の先端部(図8において左端部)側に行くに従って長くなっており、各枝部材29a〜29cのワイヤの径は軸部材29のワイヤの径より小さく設定されている。
【0045】
パイプ30は、図9(a)(b)に示すように、その先端部30aがやや上向きに湾曲されており、このパイプ30の後部には、棒状の取っ手30bが固定されている。
【0046】
次に、撹拌部材28によって鋼管10内を清掃する工法について説明する。
【0047】
先ず、パイプ30の先端部30aから撹拌部材28の軸部材29の後部を挿入して、この軸部材29の後部29d(図7参照)をパイプ30の後端部30cから突出させる。すなわち、パイプ30の先端部30aから撹拌部材28の軸部材29の先端部を突出させ、各枝部材29a〜29cをパイプ30の先端部30aから出ている状態にする。
【0048】
そして、撹拌部材28の軸部材29の先端部を鋼管10の排水口15bに差し込む。このとき、撹拌部材28の各枝部材29a〜29cが折り曲がって排水口15b内に挿入される。さらに、撹拌部材28の軸部材29の先端部を押し込みながら、パイプ30の先端部を鋼管10の排水口15bに差し込んでいき、図7に示すように、軸部材29の先端部とパイプ30の先端部30aを上に向けて鋼管10内に入れる。
【0049】
軸部材29の先端部が鋼管10内に入ると、図7に示すように、パイプ30の先端部30aが上方に向いていることにより軸部材29の先端部は斜め上方に突出される。また、撹拌部材28の枝部材29a〜29cは、弾性力を有していることにより、軸部材29の先端部と直交する方向に延びる。
【0050】
次に、撹拌部材28の軸部材29の後端部29dをドリル32に接続し、電源を入れて軸部材29を回転させる。この軸部材29の回転により、軸部材29とともに枝部材29a〜29cが回転して鋼管10内に貯留している異物や錆を粉砕していく。この際、ドリル32を前後に移動させれば、鋼管10内を広範囲に亘って異物や錆を粉砕することができる。
【0051】
この異物や錆の粉砕後、撹拌部材28をパイプ30とともに排水口15aから引き抜く。
【0052】
次に、鋼管10の排水口15a,15bや排水口16a,16bから図示しない木製の角棒を差し込んで前後移動させることで、排水溝15,16内に貯留している粉砕された異物や錆が押し出されて鋼管10外に排出される。このような異物や錆の粉砕・除去作業は、観察治具18によって鋼管10の内部状況を把握しながら適宜行う。
【0053】
次に、排水口15a,15b又は16a,16bのいづれか2つを残し、他の排水口をガムテープにより塞いで一方の排水口(例えば排水口15b)には給水チューブ(図示せず)を接続し、他方の排水口(例えば排水口15a)には水抜きチューブ(図示せず)を接続する。
【0054】
給水チューブからは高圧清浄装置(図示せず)により清浄水が供給され、鋼管10内に残留した異物カスを水抜きチューブから排出することで、鋼管10内の異物カスを鋼管10外に除去する。異物カスの除去後、コンプレッサ及びドライヤ等の図示しない乾燥装置を用いて温風を鋼管10内に送り込んで鋼管10内を乾燥させる。
【0055】
次に、乾燥が終了した後の鋼管10内には塗装が施される。この場合も、鋼管10内の清浄の場合と同様に、排水口15a,15b又は16a,16bのいづれか2つを除いて他の排水口はガムテープ等により閉塞する。
【0056】
図10は、開口している一つの排水口(例えば排水口15b)から塗料36を供給する状態を示している。図10において、符号34は塗料36を収納している塗料タンクを示しており、この塗料タンク34はチューブ35を介して排水口15bに接続されている。
【0057】
塗料タンク34を排水口15bよりも上方に位置させて傾倒させることで、鋼管10内には塗料36が一定量注入される。この塗料注入時に、図示しない足踏みポンプにより塗料タンク34に圧力をかけて、塗料36を鋼管10内に流し込むことも可能である。
【0058】
鋼管10内に所定の高さまで注入された塗料36は、図11に示すように、排水口(例えば排水口15a)から排出して除去する。鋼管10内の塗装が終了して数日間の養生の後、観察治具18(図1参照)により鋼管10の内部状況の確認を行う。
【0059】
以上説明した鋼管10の内部を観察治具18用いて点検する工法は、鋼管10の径がφ216.3mm以下の場合に好適であり、鋼管10の径がφ216.3mm以上の場合には、図12に示す点検工法が好適である。
【0060】
この点検工法は、先ず、例えば排水溝15の排水口15aからファイバースコープ用のガイドチューブ41を挿入して、図12に示すようにガイドチューブ41の先端部41bを鋼管10′の内壁に沿わせて上方へ移動させる。この上方への移動は、ガイドチューブ41の先端部41bを予め湾曲させた状態に癖を付けておくことにより行うことができる。
【0061】
そして、ガイドチューブ41の後端開口からファイバースコープ25を挿入していき、図12に示すように、ファイバースコープ25のスコープ部25aをガイドチューブ41の先端部41bから押し出す。これにより、ファイバースコープ25のスコープ部25aが下方に向く状態となり、鋼管10′内や遮水板14を上から観察することができることになる。
【0062】
この観察の後は、上記と同様にして鋼管10′内の補修や塗装を行う。
【0063】
上記実施例では、ファイバースコープ25を使用して鋼管10,10′内を観察しているが、CCDカメラを使用して鋼管10,10′内を観察するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係わる観察治具が適用された鋼管接続部の縦断側面図である。
【図2】同じく、観察治具の側面図である。
【図3】同じく、鋼管内でファイバースコープを上昇させた観察治具の作用図である。
【図4】同じく、(a)は観察治具のガイドレールの平面図、(b)は(a)におけるB−B線断面矢視図である。
【図5】同じく、ステンレスバンドを保持する支持具である。
【図6】同じく、図1におけるA−A線断面矢視図である。
【図7】鋼管内の異物粉砕状況を示す鋼管接続部の縦断側面図である。
【図8】同じく、撹拌部材の側面図である。
【図9】同じく、(a)はパイプの縦断側面図、(b)はパイプの平面図である。
【図10】鋼管内の塗装状況を示す鋼管接続部の縦断側面図である。
【図11】鋼管内の塗料排出状況を示す鋼管接続部の縦断側面図である。
【図12】鋼管の他の観察治具を示す鋼管接続部の縦断側面図である。
【符号の説明】
【0065】
10,10′ 鋼管
11 鋼管
14 遮水板
15 排水溝
16 排水溝
15a,15b 排水口
16a,16b 排水口
18 観察治具
19 ベース部材
20 ガイドレール(移動部材)
21 ステンレスバンド(操作部材)
25,25A ファイバースコープ(観察手段)
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば鉄塔の鋼管内を観察するための観察手段を保持する観察治具と、鋼管内の塗装方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、鉄塔の鋼管内を清掃する清掃器具が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
かかる清掃器具は、チューブの先端に湾曲した板バネを設け、このチューブをガイドパイプ内に通し、チューブの先端部および後部をガイドパイプから突出させておき、そのチューブの後端部を回転力を与える駆動部に接続するものである。
【0004】
鉄塔の鋼管内の清掃の際には、先ず、チューブを上述のようにガイドパイプに通し、このガイドパイプを鉄塔の遮水板の排水溝の一端開口から入れて鋼管内に挿入する。そして、チューブの後端部を駆動部に接続してチューブを回転させることにより、板バネを回転させて鋼管内に貯留した異物や錆を粉砕していくものである。
【0005】
また、遮水板の排水溝の一端開口からガイドパイプを挿入し、このガイドパイプ内に先端に塗料噴出口を設けたチューブを通し、その塗料噴出口から塗料を噴出させて鋼管内を塗装する塗装方法が知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−200124号公報
【特許文献2】登録実用新案公報第3056658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来では、鉄塔の鋼管内が見えないことにより、その鋼管内の汚れの如何に拘わらず清掃を行っていた。このため、無駄な清掃を行う場合があった。また、鉄塔の鋼管内を清掃しても、実際に清掃できているのか確認することができないという問題があった。
【0007】
鋼管内の汚れの状態や清掃後の確認のためには、ファイバースコープを遮水板の排水溝の一端開口から入れて鋼管内を見ればよいが、ファイバースコープが排水溝内に入り込むため、遮水板の上面等の汚れの状態を十分に確認することができないという問題があった。
【0008】
また、従来の塗装方法では、鋼管内の汚れの状態が分からないため、汚れた状態のまま鋼管内を塗装してしまう問題があった。
【0009】
この発明の目的は、鉄塔の鋼管内の遮水板等の汚れの状態を十分に確認することのできる観察治具と、汚れた鋼管内を塗装してしまうことのない鋼管内の塗装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、鋼管と鋼管とが遮水板を介して接合され、前記遮水板の上面の一端から他端に亘って排水溝が形成された構造体において、前記排水溝の一端開口から鋼管内へ挿入してこの鋼管内を観察するための観察手段を保持する観察治具であって、
前記排水溝の一端開口から銅管内へ挿入されるベース部材と、このベース部材とともに前記一端開口から鋼管内へ入れられるとともに前記観察手段を保持し且つ上下動可能な移動部材と、この移動部材を上下動させる操作部材とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、前記移動部材は、前記ベース部材の上に重ねられるとともに、そのベース部材の先端側を中心にして回動可能に設けられ、その後部で前記観察手段を保持することを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、前記操作部材は、弾性を有するバンドで構成され、
このバンドの一端側を前記移動部材の底面に固定し、そのバンドの他端側をベース部材の上面を摺動して移動可能に取り付け、
前記バンドの他端側をベース部材の先端側へ移動させた際に、そのバンドを湾曲させることにより、前記移動部材を回動させるようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、鋼管と鋼管とが遮水板を介して接合され、前記遮水板の上面の一端から他端に亘って排水溝が形成された構造体において、前記排水溝の一端開口から鋼管内へ挿入してこの鋼管内を観察するための観察手段を保持する観察治具であって、
前記排水溝の一端開口から鋼管内へ挿入する可撓性のガイドチューブを備え、
このガイドチューブを前記一端開口から鋼管内へ挿入した後、このガイドチューブ内にファイバスコープを挿入し、このファイバスコープの先端部をガイドチューブの先端から突出させて鋼管内を観察することを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の観察治具を使用して前記鋼管内を観察し、この後、前記排水溝の一端開口から鋼管内へ撹拌部材を挿入し、この撹拌部材を回転させることにより前記鋼管内を清掃し、
この後、前記排水溝の一端開口を塞ぐとともに他端開口から鋼管内へ所定の高さまで塗料を注入し、
この後、前記一端開口を開放して注入した塗料をその一端開口から排出させて鋼管内を塗装することを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、前記鋼管内の清掃の後、前記観察治具を使用して鋼管内を観察して、清掃後の状態を確認することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、操作部材の操作により移動部材が観察手段を上下に移動させるものであるから、遮水板を上から観察することができ、このため鋼管内の遮水板等の汚れの状態を十分に確認することができる。
【0017】
また、この鋼管内の塗装方法によれば、汚れた鋼管内を塗装してしまうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明に係る観察治具と鋼管内の塗装方法の実施の形態である実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0019】
図1は、例えば送電用鉄塔の主柱材鋼管(以下、鋼管という)10,11の接合部を示している。上側の鋼管10の下部にはフランジ12が一体形成され、下側の鋼管11の上部にはフランジ13が一体形成されている。なお、下側の鋼管11は比較的短いものからなっていて、その下部はコンクリート基礎(図示せず)に固定されている。
【0020】
上記フランジ12,13は、遮水板14を介在させた状態で図示しない複数のボルトにより固定されている。
【0021】
図6は、フランジ12と遮水板14との接合面から見た遮水板14の平面図を示している。遮水板14の上面には、図6に示すように、一対の排水溝15,16が交差してそれぞれ形成されている。
【0022】
排水溝15と上部側のフランジ12とにより、排水溝15の各端部には排水口(水抜き穴)15a,15bが形成され、同様に排水溝16の各端部には、一端開口としての排水口16a,16bがそれぞれ形成されている。
【0023】
図1において、符号18は鋼管10内を観察するための観察治具を示している。この観察治具18の詳細を図2ないし図5に基づいて説明する。
【0024】
観察治具18は、図2及び図3に示すように、遮水板14とフランジ12とにより形成される後述する排水口15a,15bから挿入可能な次のものからなっている。すなわち、ベース部材19と、このベース部材19に対して傾動可能なガイドレール20と、このガイドレール20を傾動させるための操作部材としてのバンド(以下ステンレスバンドという)21と、ステンレスバンド21が移動自在に挿通されている支持具22とから構成されている。
【0025】
このガイドレール20は、図4(a),(b)に示すように縦断面形状が上向きに開口しているコ字状の部材からなっている。このガイドレール20の底板20aの中間部には、幅方向に延びた長穴23が形成されている。
【0026】
支持具22は、図5に示すようにステンレスバンド21が移動自在に挿通される中抜き穴22aを有している。この支持具22は、図2及び図3に示すように、支持具22の下面22bを両面テープ(図示せず)によりベース部材19の上面に接着することによりベース部材19に固定されている。
【0027】
ステンレスバンド21は、図2に示すように、支持具22内の中抜き穴22aを挿通されていると共に、ガイドレール20の穴23を下側から挿通されてガイドレール20内に延出している。
【0028】
そして、ステンレスバンド21の先端側(図2中の長穴23よりも左側)はガイドレール20内を通ったのち、先端部21aがリベット等によりベース部材19の先端部19Aに固定されている。
【0029】
また、ガイドレール20内のステンレスバンド21の下面21cと、ガイドレール20の底板20a(図4参照)の上面20bとは、両面テープ(図示せず)により接着されてガイドレール20がステンレスバンド21に固定されている。
【0030】
ファイバースコープ25は、観察窓25bを有するスコープ部25aと、図示しない接眼部と、この接眼部とスコープ部25aとを接続した光ファイバーケーブル26とを有している。
【0031】
また、ファイバースコープ25は、観察治具18が排水溝15の排水口15b(図6参照)から鋼管10内に挿入されたのち、排水溝15の反対側の排水口15aから挿入されてガイドレール20内に挿入可能になっている。
【0032】
[作用]
次に、上述のように構成された観察治具18の作用と、鋼管の塗装方法について説明する。
【0033】
図2のようにガイドレール20がベース部材19に倒伏させた状態で、観察治具18を、例えば排水溝15の排水口15bから、ベース部材19の後端部19aを把持して鋼管10内に挿入する。
【0034】
次に、排水溝15の反対側の排水口15aから、ファイバースコープ25を挿入して、このファイバースコープ25をガイドレール20内に入れる。そして、光ファイバケーブル26を操作して、ファイバースコープ25のスコープ部25aをガイドレール20の後端部20cから突出させた状態にする。
【0035】
この状態で、鋼管10から外部に延出しているステンレスバンド21の後端部21bを操作して押し込んでいくと、図1及び図3に示すように、ガイドレール20の長穴23と支持具22との間のステンレスバンド21が次第に湾曲していく。
【0036】
このステンレスバンド21の湾曲と共に、ガイドレール20は、その一端側(図3において左側)である先端部21aを中心として次第に起きあがるように回動していき、図3に示すように鋼管10内で傾斜した状態となる。すなわち、ファイバースコープ25のスコープ部25aは、所定の高さに持ち上げられた状態となる。
【0037】
これにより、ファイバースコープ25によって、図1及び図3に示すように鋼管10内の内壁やベース部材19を観察することができる。この観察により、例えば蜂の巣、土砂等の貯留した異物や錆等を確認することができる。この観察で十分な観察が行われない場合には、他の排水口16a,16bから観察治具18を挿入して同様に観察する。
【0038】
鋼管10内の観察・点検を終了した後、ステンレスバンド21の後端部21bを引き出すことにより、ガイドレール20は図2のようにベース部材19上に倒伏する。この状態で、ファイバースコープ25を鋼管10内から引き抜く。
【0039】
その後、観察治具18は、ファイバースコープ25を引き抜いた排水口15a側から引き出して撤去する。
【0040】
このように、鋼管10内を予め観察することで、例えば送電用鉄塔等の多数の鉄塔の中から補修を必要とする鋼管10を見つけ出すことができて、鋼管10の補修をより効率的に行うことができる。
【0041】
次に、補修を必要とする鋼管10を確認できた場合の鋼管10の補修工法の一例を図7ないし図11に基づいて説明する。
【0042】
図7において、符号28は鋼管10内の異物を粉砕するための撹拌部材、30は撹拌部材28の軸部29を回転自在に保持するための銅製のパイプ、32は撹拌部材28を回転するための駆動源としての電動ドリルである。
【0043】
撹拌部材28は、図8に示すように、軸部材29と、この軸部材29に所定間隔で溶接した複数の枝部材29a〜29cとを有しており、軸部材29はステンレス製の複数のワイヤからなる鋼より線で形成されて弾力を有している。
【0044】
各枝部材29a〜29cは、複数のワイヤからなる鋼より線で形成されており、折れ曲がり易く且つ弾性力を有している。各枝部材29a〜29cは、軸部材29の先端部(図8において左端部)側に行くに従って長くなっており、各枝部材29a〜29cのワイヤの径は軸部材29のワイヤの径より小さく設定されている。
【0045】
パイプ30は、図9(a)(b)に示すように、その先端部30aがやや上向きに湾曲されており、このパイプ30の後部には、棒状の取っ手30bが固定されている。
【0046】
次に、撹拌部材28によって鋼管10内を清掃する工法について説明する。
【0047】
先ず、パイプ30の先端部30aから撹拌部材28の軸部材29の後部を挿入して、この軸部材29の後部29d(図7参照)をパイプ30の後端部30cから突出させる。すなわち、パイプ30の先端部30aから撹拌部材28の軸部材29の先端部を突出させ、各枝部材29a〜29cをパイプ30の先端部30aから出ている状態にする。
【0048】
そして、撹拌部材28の軸部材29の先端部を鋼管10の排水口15bに差し込む。このとき、撹拌部材28の各枝部材29a〜29cが折り曲がって排水口15b内に挿入される。さらに、撹拌部材28の軸部材29の先端部を押し込みながら、パイプ30の先端部を鋼管10の排水口15bに差し込んでいき、図7に示すように、軸部材29の先端部とパイプ30の先端部30aを上に向けて鋼管10内に入れる。
【0049】
軸部材29の先端部が鋼管10内に入ると、図7に示すように、パイプ30の先端部30aが上方に向いていることにより軸部材29の先端部は斜め上方に突出される。また、撹拌部材28の枝部材29a〜29cは、弾性力を有していることにより、軸部材29の先端部と直交する方向に延びる。
【0050】
次に、撹拌部材28の軸部材29の後端部29dをドリル32に接続し、電源を入れて軸部材29を回転させる。この軸部材29の回転により、軸部材29とともに枝部材29a〜29cが回転して鋼管10内に貯留している異物や錆を粉砕していく。この際、ドリル32を前後に移動させれば、鋼管10内を広範囲に亘って異物や錆を粉砕することができる。
【0051】
この異物や錆の粉砕後、撹拌部材28をパイプ30とともに排水口15aから引き抜く。
【0052】
次に、鋼管10の排水口15a,15bや排水口16a,16bから図示しない木製の角棒を差し込んで前後移動させることで、排水溝15,16内に貯留している粉砕された異物や錆が押し出されて鋼管10外に排出される。このような異物や錆の粉砕・除去作業は、観察治具18によって鋼管10の内部状況を把握しながら適宜行う。
【0053】
次に、排水口15a,15b又は16a,16bのいづれか2つを残し、他の排水口をガムテープにより塞いで一方の排水口(例えば排水口15b)には給水チューブ(図示せず)を接続し、他方の排水口(例えば排水口15a)には水抜きチューブ(図示せず)を接続する。
【0054】
給水チューブからは高圧清浄装置(図示せず)により清浄水が供給され、鋼管10内に残留した異物カスを水抜きチューブから排出することで、鋼管10内の異物カスを鋼管10外に除去する。異物カスの除去後、コンプレッサ及びドライヤ等の図示しない乾燥装置を用いて温風を鋼管10内に送り込んで鋼管10内を乾燥させる。
【0055】
次に、乾燥が終了した後の鋼管10内には塗装が施される。この場合も、鋼管10内の清浄の場合と同様に、排水口15a,15b又は16a,16bのいづれか2つを除いて他の排水口はガムテープ等により閉塞する。
【0056】
図10は、開口している一つの排水口(例えば排水口15b)から塗料36を供給する状態を示している。図10において、符号34は塗料36を収納している塗料タンクを示しており、この塗料タンク34はチューブ35を介して排水口15bに接続されている。
【0057】
塗料タンク34を排水口15bよりも上方に位置させて傾倒させることで、鋼管10内には塗料36が一定量注入される。この塗料注入時に、図示しない足踏みポンプにより塗料タンク34に圧力をかけて、塗料36を鋼管10内に流し込むことも可能である。
【0058】
鋼管10内に所定の高さまで注入された塗料36は、図11に示すように、排水口(例えば排水口15a)から排出して除去する。鋼管10内の塗装が終了して数日間の養生の後、観察治具18(図1参照)により鋼管10の内部状況の確認を行う。
【0059】
以上説明した鋼管10の内部を観察治具18用いて点検する工法は、鋼管10の径がφ216.3mm以下の場合に好適であり、鋼管10の径がφ216.3mm以上の場合には、図12に示す点検工法が好適である。
【0060】
この点検工法は、先ず、例えば排水溝15の排水口15aからファイバースコープ用のガイドチューブ41を挿入して、図12に示すようにガイドチューブ41の先端部41bを鋼管10′の内壁に沿わせて上方へ移動させる。この上方への移動は、ガイドチューブ41の先端部41bを予め湾曲させた状態に癖を付けておくことにより行うことができる。
【0061】
そして、ガイドチューブ41の後端開口からファイバースコープ25を挿入していき、図12に示すように、ファイバースコープ25のスコープ部25aをガイドチューブ41の先端部41bから押し出す。これにより、ファイバースコープ25のスコープ部25aが下方に向く状態となり、鋼管10′内や遮水板14を上から観察することができることになる。
【0062】
この観察の後は、上記と同様にして鋼管10′内の補修や塗装を行う。
【0063】
上記実施例では、ファイバースコープ25を使用して鋼管10,10′内を観察しているが、CCDカメラを使用して鋼管10,10′内を観察するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係わる観察治具が適用された鋼管接続部の縦断側面図である。
【図2】同じく、観察治具の側面図である。
【図3】同じく、鋼管内でファイバースコープを上昇させた観察治具の作用図である。
【図4】同じく、(a)は観察治具のガイドレールの平面図、(b)は(a)におけるB−B線断面矢視図である。
【図5】同じく、ステンレスバンドを保持する支持具である。
【図6】同じく、図1におけるA−A線断面矢視図である。
【図7】鋼管内の異物粉砕状況を示す鋼管接続部の縦断側面図である。
【図8】同じく、撹拌部材の側面図である。
【図9】同じく、(a)はパイプの縦断側面図、(b)はパイプの平面図である。
【図10】鋼管内の塗装状況を示す鋼管接続部の縦断側面図である。
【図11】鋼管内の塗料排出状況を示す鋼管接続部の縦断側面図である。
【図12】鋼管の他の観察治具を示す鋼管接続部の縦断側面図である。
【符号の説明】
【0065】
10,10′ 鋼管
11 鋼管
14 遮水板
15 排水溝
16 排水溝
15a,15b 排水口
16a,16b 排水口
18 観察治具
19 ベース部材
20 ガイドレール(移動部材)
21 ステンレスバンド(操作部材)
25,25A ファイバースコープ(観察手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼管と鋼管とが遮水板を介して接合され、前記遮水板の上面の一端から他端に亘って排水溝が形成された構造体において、前記排水溝の一端開口から鋼管内へ挿入してこの鋼管内を観察するための観察手段を保持する観察治具であって、
前記排水溝の一端開口から鋼管内へ挿入されるベース部材と、このベース部材とともに前記一端開口から鋼管内へ入れられるとともに前記観察手段を保持し且つ上下動可能な移動部材と、この移動部材を上下動させる操作部材とを備えたことを特徴とする観察治具。
【請求項2】
前記移動部材は、前記ベース部材の上に重ねられるとともに、そのベース部材の先端側を中心にして回動可能に設けられ、その後部で前記観察手段を保持することを特徴とする請求項1に記載の観察治具。
【請求項3】
前記操作部材は、弾性を有するバンドで構成され、
このバンドの一端側を前記移動部材の底面に固定し、そのバンドの他端側をベース部材の上面を摺動移動可能に取り付け、
前記バンドの他端側をベース部材の先端側へ移動させた際に、そのバンドを湾曲させることにより、前記移動部材を回動させるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の観察治具。
【請求項4】
鋼管と鋼管とが遮水板を介して接合され、前記遮水板の上面の一端から他端に亘って排水溝が形成された構造体において、前記排水溝の一端開口から鋼管内へ挿入してこの鋼管内を観察するための観察手段を保持する観察治具であって、
前記排水溝の一端開口から鋼管内へ挿入する可撓性のガイドチューブを備え、
このガイドチューブを前記一端開口から鋼管内へ挿入した後、このガイドチューブ内にファイバスコープを挿入し、このファイバスコープの先端部をガイドチューブの先端から突出させて鋼管内を観察することを特徴とする観察治具。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の観察治具を使用して前記鋼管内を観察し、この後、前記排水溝の一端開口から鋼管内へ撹拌部材を挿入し、この撹拌部材を回転させることにより前記鋼管内を清掃し、
この後、前記排水溝の一端開口を塞ぐとともに他端開口から鋼管内へ所定の高さまで塗料を注入し、
この後、前記一端開口を開放して注入した塗料をその一端開口から排出させて鋼管内を塗装することを特徴とする鋼管内の塗装方法。
【請求項6】
前記鋼管内の清掃の後、前記観察治具を使用して鋼管内を観察して、清掃後の状態を確認することを特徴とする請求項5に記載の鋼管内の塗装方法。
【請求項1】
鋼管と鋼管とが遮水板を介して接合され、前記遮水板の上面の一端から他端に亘って排水溝が形成された構造体において、前記排水溝の一端開口から鋼管内へ挿入してこの鋼管内を観察するための観察手段を保持する観察治具であって、
前記排水溝の一端開口から鋼管内へ挿入されるベース部材と、このベース部材とともに前記一端開口から鋼管内へ入れられるとともに前記観察手段を保持し且つ上下動可能な移動部材と、この移動部材を上下動させる操作部材とを備えたことを特徴とする観察治具。
【請求項2】
前記移動部材は、前記ベース部材の上に重ねられるとともに、そのベース部材の先端側を中心にして回動可能に設けられ、その後部で前記観察手段を保持することを特徴とする請求項1に記載の観察治具。
【請求項3】
前記操作部材は、弾性を有するバンドで構成され、
このバンドの一端側を前記移動部材の底面に固定し、そのバンドの他端側をベース部材の上面を摺動移動可能に取り付け、
前記バンドの他端側をベース部材の先端側へ移動させた際に、そのバンドを湾曲させることにより、前記移動部材を回動させるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の観察治具。
【請求項4】
鋼管と鋼管とが遮水板を介して接合され、前記遮水板の上面の一端から他端に亘って排水溝が形成された構造体において、前記排水溝の一端開口から鋼管内へ挿入してこの鋼管内を観察するための観察手段を保持する観察治具であって、
前記排水溝の一端開口から鋼管内へ挿入する可撓性のガイドチューブを備え、
このガイドチューブを前記一端開口から鋼管内へ挿入した後、このガイドチューブ内にファイバスコープを挿入し、このファイバスコープの先端部をガイドチューブの先端から突出させて鋼管内を観察することを特徴とする観察治具。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の観察治具を使用して前記鋼管内を観察し、この後、前記排水溝の一端開口から鋼管内へ撹拌部材を挿入し、この撹拌部材を回転させることにより前記鋼管内を清掃し、
この後、前記排水溝の一端開口を塞ぐとともに他端開口から鋼管内へ所定の高さまで塗料を注入し、
この後、前記一端開口を開放して注入した塗料をその一端開口から排出させて鋼管内を塗装することを特徴とする鋼管内の塗装方法。
【請求項6】
前記鋼管内の清掃の後、前記観察治具を使用して鋼管内を観察して、清掃後の状態を確認することを特徴とする請求項5に記載の鋼管内の塗装方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−162311(P2007−162311A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−359355(P2005−359355)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(000180357)株式会社四電工 (11)
【出願人】(592190545)テクノ・サクセス株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(000180357)株式会社四電工 (11)
【出願人】(592190545)テクノ・サクセス株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]