説明

角材用連結金具

【課題】簡易建造物を軸組する角材又は金属製角パイプの組手部分を容易に連結する角材用連結金具を提供する。
【解決手段】角材用連結金具12の一方を構成する平形連結部材12aは大棟4の上面に沿い付ける角面部30と角面部30からやや下方に曲がって左右に張出し左右の小屋梁6a、6bの上面に沿い付ける横張出部31a、31bを有し、それぞれネジ部材挿通孔22を有する。角材用連結金具12の他方を構成する立形連結部材12bは大棟4の下面と管柱10の端面とに挟持される角面部34を有し、角面部34からやや下方に曲がって左右に張出し小屋梁6a、6bの下面に沿い付ける横張出部35a、35bと、角面部34の対向辺から下方に直角に張出し管柱10の上端部両側面に沿いつける立形張出部36a、36bを有しそれぞれネジ部材挿通孔22を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角材で構成される簡易建造物の角材と角材を組手部分で連結する角材用連結金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、ビニールハウス、車庫、物置場、コンテナハウス、研究用ハウス、災害時の架設住宅等の簡易建造物は、鋼製パイプ材等を連結具で連結して骨組みを構築し、その構築した骨組みに板状部材または幕状部材を付設して外見を完成させている。
【0003】
このような簡易建造物は、骨組み構築時の作業性、及び不使用となった分解時の作業性が容易であることが要求される。その場合の作業性の良否は、鋼製パイプ材等を連結する連結具の使い勝手の良し悪しで決まってくる。
【0004】
尚、簡易建造物の骨組みの構築では、金属製の骨材ではパイプ材と限ることなく、アングル材や空洞角材等が使用される。また、木製の骨材では、丸太や角材が使用され、それらの材質や形状は様々である。
【0005】
例えば、特許文献1に開示されている骨材連結金具は、棒状部材を挿入可能な複数個の同じ外形の装着部を設け、この装着部に複数本の棒状部材を挿入して連結し、骨組みを構築している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−155263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の従来技術は、骨材連結金具で構造物を構築する際に、骨材である棒状部材と骨材連結金具の装着部とを結合させた後、止着ボルトと螺着ナットを溶接により固着している。このため、現場に溶接機を持ち込まなければならず、作業が煩雑になるという課題がある。
【0008】
また、骨材と連結金具が溶接による固着であるの、構造物が不使用となったときの分解作業が容易でないという課題がある。
【0009】
本発明は、上記従来の実状に鑑み、金属製、木製に限らず、角材(断面が長方形の角材も含む)を骨材とする簡易建造物を構築するに際し、骨組みと分解の両方ともに容易な角材用連結金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、第1、第3又は第5の発明の角材用連結金具は、簡易建造物を構築する骨材としての角材による軸組みにおける組手部分となる連結部において三本の角材を連結する外側連結部材と内側連結部材とから成る角材用連結金具であって、角材のうち第1の角材は連結部を貫通し、第2及び第3の角材はそれぞれ端部を連結部において第1の角材に連結する形態の連結部において、外側連結部材は、第1、第2及び第3の角材の外側に添い付け、第1、第2及び第3の角材の外側面にネジ部材を介して係止するための少なくとも三個のネジ部材挿通孔を有する外本体部と、該外本体部の一方の端部両側からほぼ直角に延出し、第2の角材の外面側から両側面に回り込み内側連結部材と協働して第2の角材を連結部に固定保持する第1の外側結合部と、外本体部の他方の端部両側からほぼ直角に延出し、第3の角材の外面側から両側面に回り込み内側連結部材と協働して第3の角材を連結部に固定保持する第2の外側結合部と、を有し、内側連結部材は、第2及び第3の角材の内側に添い付け、第2及び第3の角材の内側面にネジ部材を介して係止するための少なくとも二個のネジ部材挿通孔を有する内本体部と、該内本体部の一方の端部両側からほぼ直角に延出し、第2の角材の外面側から両側面に回り込み、外側連結部材の第1の外側結合部と結合し、外側連結部材と協働して第2の角材を連結部に固定保持する第1の内側結合部と、内本体部の他方の端部両側からほぼ直角に延出し、第3の角材の外面側から両側面に回り込み、外側連結部材の第2の外側結合部と結合し、外側連結部材と協働して第3の角材を連結部に固定保持する第2の内側結合部と、を有する、ことを特徴とする。
【0011】
また、上記の課題を解決するために、第2又は第4の発明の角材用連結金具は、簡易建造物を構築する骨材としての角材による軸組みにおける組手部分となる連結部において四本の角材を連結する平形連結部材と立形連結部材とから成る角材用連結金具であって、角材のうち第1の角材は連結部を貫通し、第2、第3及び第4の角材はそれぞれ端部を、連結部において第1の角材の軸に対し直角な輻射状に連結する形態の連結部において、平形連結部材は、第1の角材の側面に沿い付ける角面部と、該角面部と一体に該角面部の一方の対向辺からそれぞれ延在する二面の横張出部と、を有し、該二面の横張出部の一方は第2の角材の側面に沿い付け他方は第3の角材の側面に沿い付けるように形成され、第1、第2及び第3の角材の添い付け部にネジ部材を介して係止するための少なくとも三個のネジ部材挿通孔を有する平形本体部と、一方の横張出部の両側からほぼ直角に下に延出し、第2の角材の側面から他の二側面に回り込み立形連結部材と協働して第2の角材を連結部に固定保持する第1の平形側結合部と、他方の横張出部の両側からほぼ直角に下に延出し、第3の角材の側面から他の二側面に回り込み立形連結部材と協働して第3の角材を連結部に固定保持する第2の平形側結合部と、を有し、立形連結部材は、第1の角材の一側面と第4の角材の端面とに挟持される角面部と、該角面部と一体に該角面部の一方の対向辺からそれぞれ延在する二面の横張出部と、角面部と一体に該角面部の他方の対向辺からそれぞれほぼ直角に曲がって延在する二面の立形張出部と、を有し、二面の横張出部の一方は第2の角材の側面に添い付け、該第2の角材の側面にネジ部材を介して係止するための少なくとも1個のネジ部材挿通孔を有すると共に、両側からほぼ直角に延出し、第2の角材の側面から他の二側面に回り込み、平形連結部材の第1の平形側結合部と結合し、平形連結部材と協働して第2の角材を連結部に固定保持する第1の立形側結合部を有し、二面の横張出部の他方は第3の角材の側面に添い付け、該第3の角材の側面にネジ部材を介して係止するための少なくとも1個のネジ部材挿通孔を有すると共に、両側からほぼ直角に延出し、第3の角材の側面から他の二側面に回り込み、平形連結部材の第2の平形側結合部と結合し、平形連結部材と協働して第3の角材を連結部に固定保持する第2の立形側結合部を有し、二面の立形張出部は、それぞれ第4の角材の端部において対向する側面に添い付け、該側面にネジ部材を介して係止するための少なくとも一個のネジ部材挿通孔をそれぞれ有すると共に、両側からほぼ直角に延出する延出部を有し、該延出部はそれぞれ第4の角材の両側面にネジ部材を介して係止するための少なくとも一個のネジ部材挿通孔を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の角材用連結金具によれば、角材を骨材とする簡易建造物を構築するに際し、連結部に単に合わせ置いた3本又は4本の角材を、簡単な構造の1対の角材用連結金具により連結部の上下または左右から挟みつけてネジ止めにより連結部に固定できるので、角材を連結部に挿入または連結部から抜脱する構造の場合のように角材の挿入部を角材用連結金具から離れた位置に持って行くときの軸組から受ける抵抗がなく、したがって、骨組みと分解の両方ともに作業が容易であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1〜4に係る角材用連結金具を用いて構築可能な簡易建造物の例を示す斜視図である。
【図2】(a),(b) は本発明の実施例1に係る角材用連結金具を示す図、(c) は角材用連結金具によって連結される三本の角材の組手部分となる連結部を示す斜視図、(d) は角材を金属製角パイプに代替した場合の例を示す図である。
【図3】(a),(b) は本発明の実施例2に係る角材用連結金具を示ス図、(c) は角材用連結金具によって連結される四本の角材の組手部分となる連結部を示す斜視図、(d) は角材を金属製角パイプに代替した場合の例を示す図である。
【図4】(a),(b) は本発明の実施例3に係る角材用連結金具を示す図、(c) は角材用連結金具によって連結される三本の角材の組手部分となる連結部を示す斜視図、(d) は角材を金属製角パイプに代替した場合の例を示す図である。
【図5】(a),(b) は本発明の実施例4に係る角材用連結金具を示ス図、(c) は角材用連結金具によって連結される四本の角材の組手部分となる連結部を示す斜視図、(d) は角材を金属製角パイプに代替した場合の例を示す図である。
【図6】本発明の実施例5に係る角材用連結金具を用いて構築可能な簡易建造物の例を示す斜視図である。
【図7】(a),(b) は本発明の実施例5に係る角材用連結金具を示す図、(c) は図6に示した破線丸e1で示す組手部分となる連結部を示す斜視図、(d) は図6に示した破線丸e2で示す組手部分となる連結部を示す斜視図、(e) は角材を金属製角パイプに代替した場合の例を示す図である。
【図8】本発明の実施例6に係る角材用連結金具の延出部と結合部の部分のみを取り出して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1〜4に係る角材用連結金具を用いて構築可能な簡易建造物の例を示す斜視図である。図1に示すように、簡易建造物1は、切妻造り風の構造であり、軸組みには、先ず通し柱の四本の隅柱2(2a、2b、2c、2d)と、同じく通し柱の二本の間柱3(3a、3b)が設けられている。
【0015】
屋根は大棟4と、2本の軒桁5(5a、5b)、大棟4と軒桁5をつなぐ六本の小屋梁6(6a、6b、6c、6d、6e、6f)で形成されている。また、内部は吹き抜けで二階は無いが、上部構造を補強するために階上が在る場合と同様に、各隅柱2の間および隅柱2と間柱3との間に六本の胴差し7が設けられている。
【0016】
胴差し7は、二本の隅柱2a及び2bをつなぐ妻側の梁及び他の二本の隅柱2c及び2dをつなぐ妻側の梁である胴差し梁7a(7a−1、7a−2)と、四本の隅柱2と二本の間柱3をつなぐ四本の胴差し桁7b(7b−1、7b−2、7b−3、7b−4)で形成されている。
【0017】
また、胴差し7と同じ高さで、二本の間柱3をつなぐ差し渡し一本梁8が設けられ、胴差し梁7a−1と差し渡し一本梁8との間、及び差し渡し一本梁8と胴差し梁7a−2との間には、桁9(9a、9b)が配置されている。そして、胴差し梁7a−1、7a−2及び差し渡し一本梁8と大棟4との間には、それぞれ管柱10(10a、10b、10c)が配置されている。
【0018】
上記の軸組において、破線丸a(a1、a2、a3、a4、a5、a6)で示す組手部分の三本の角材(軒桁5a、隅柱2a、小屋梁6a)又は(軒桁5a、間柱3a、小屋梁6c)又は(軒桁5a、隅柱2c、小屋梁6e)又は(軒桁5b、隅柱2b、小屋梁6b)又は(軒桁5b、間柱3b、小屋梁6d)又は(軒桁5b、隅柱2d、小屋梁6f)の連結には後述する角材用連結金具11が使用される。
【0019】
また、破線丸b(b1、b2、b3)で示す組手部分の四本の角材(大棟4、小屋梁6a、小屋梁6b、管柱10a)又は(大棟4、小屋梁6c、小屋梁6d、管柱10b)又は(大棟4、小屋梁6e、小屋梁6f、管柱10c)の連結には後述する角材用連結金具12が使用される。
【0020】
また、破線丸c(c1、c2、c3、c4)で示す組手部分の三本の角材(隅柱2a、胴差し梁7a−1、胴差し桁7b−1)又は(隅柱2b、胴差し梁7a−1、胴差し桁7b−2)又は(隅柱2c、胴差し梁7a−2、胴差し桁7b−3)又は(隅柱2d、胴差し梁7a−2、胴差し桁7b−4)の連結と、同じく破線丸c(c5、c6)で示す組手部分の三本の角材(胴差し梁7a−1、桁9a、管柱10a)又は(胴差し梁7a−2、桁9b、管柱10c)の連結には、後述する角材用連結金具13が使用される。
【0021】
また、破線丸d(d1、d2)で示す組手部分の四本の角材(間柱3a、胴差し桁7b−1、7b−3、差し渡し一本梁8)又は(間柱3b、胴差し桁7b−2、7b−4、差し渡し一本梁8)の連結と、同じく破線丸d(d3)で示す組手部分の四本の角材(差し渡し一本梁8、桁9a、9b、管柱10b)の連結には、後述する角材用連結金具14が使用される。
【実施例1】
【0022】
図2(a),(b) は本発明の実施例1に係る角材用連結金具11を示している。角材用連結金具11は、同図(a) に示す外側連結部材11aと、同図(b) に示す内側連結部材11bとが一対となって構成されている。
【0023】
また同図(c) は、この角材用連結金具11によって連結される三本の角材の組手部分となる連結部15を示す斜視図であり、同図(d) は、角材を金属製角パイプに代替した場合の例を示す図であり、角材(又は金属製角パイプ)に対する角材用連結金具12による連結状態を示している。尚、金属製角パイプについても比較し易いように角材と同一の番号を付与して示している。
【0024】
以下、三本の角材については図2(c) を参照し、角材用連結金具11の連結部15への取付け状態については図2(d) を参照しながら、角材用連結金具11について説明する。この角材用連結金具11は、簡易建造物1において、軸組みにおける組手部分となる連結部15において三本の角材を連結する角材用連結金具である。
【0025】
三本の角材のうち第1の角材は軒桁5(5a又は5b)であり、第2の角材は隅柱2(2a、2b、2c又は2d)又は間柱3(3a又は3b)であり、第3の角材は小屋梁6(6a、6b、6c、6d、6e又は6f)である。この場合、第3の角材は、連結部からやや斜め上方に延び出している。尚、図2(c),(d) は図1の手前から軒桁5aを見た場合、又は図1の向う側から軒桁5bを見た場合を示している。
【0026】
また、第2の角材を隅柱2cとした場合、第1の角材の軒桁5aを図のように妻側に伸ばして出すと、軒出しの切妻となり、第2及び第3の角材(隅柱2c及び小屋梁6e)の妻側面に合わせて図のA−A´矢視断面で5ax(第2の角材を隅柱2bとしたきは5bx)部分を切り落とすと、軒無しの切妻となる。
【0027】
角材用連結金具11の外側連結部材11aは、鉛直板部23aと、この鉛直板部23aから山折りに直角に曲がった水平板部23bと、この水平板部23bからやや斜め上方(水平板部23bに対し外側)に曲がって延び出した外傾斜板部23cとからなる外本体部23を有している。
【0028】
この外本体部23は、連結部15において、第1、第2及び第3の角材(軒桁5、隅柱2又は間柱3、小屋梁6)の外側面に沿い付けるように構成されている。すなわち、鉛直板部23aを隅柱2又は間柱3の外側面と軒桁5の外側横面に添い付け、水平板部23bを軒桁5の上側面に添い付け、外傾斜板部23cを小屋梁6の上側面に沿い付けている。
【0029】
また、外本体部23には、第1、第2及び第3の角材の外側面にネジ部材21を介して係止するための少なくとも三個のネジ部材挿通孔22を形成されている。尚、図2(a) では、鉛直板部23aに上下2個のネジ部材挿通孔22が形成されているが、上のネジ部材挿通孔22は無くてもよい。
【0030】
この外側連結部材11aの外本体部23には、一方の端部(図2(a) では鉛直板部23aの端部)の両側からほぼ直角に延出し、第2の角材(隅柱2又は間柱3)の外面側から両側面に回り込む延出部24と、この延出部24から直角に外側に曲って、内側連結部材11bと協働して第2の角材を連結部15に固定保持する第1の外側結合部24a及び24bが形成されている。
【0031】
更に外側連結部材11aの外本体部23には、他方の端部(図2(a) では外傾斜板部23c)の両側からほぼ直角に延出し、第3の角材(小屋梁6)の外面側から両側面に回り込む延出部25と、この延出部25から直角に外側に曲って、内側連結部材11bと協働して第3の角材を連結部15に固定保持する第2の外側結合部25a及び25bが形成されている。
【0032】
他方、角材用連結金具11の内側連結部材11bは、谷折りの2面からなる鉛直板部26aと傾斜板部26bとで形成された内本体部26を有している。この内本体部26は、第2及び第3の角材(隅柱2又は間柱3、小屋梁6)の内側に沿い付けるように構成されている。
【0033】
すなわち、鉛直板部26aを隅柱2又は間柱3の内側面に添い付け、傾斜板部26bを小屋梁6の下面に沿い付けるようになっている。また、この内本体部26には、第2及び第3の角材の内側面にネジ部材21を介して係止するための少なくとも二個のネジ部材挿通孔22を形成されれている。
【0034】
この内側連結部材11bの内本体部26には、鉛直板部26aの両側からほぼ直角に延出し、第2の角材(隅柱2又は間柱3)の外面側から両側面に回り込む延出部27と、この延出部27から直角に外側に曲って、外側連結部材11aの第1の外側結合部24a及び24bとボルト挿通孔29を介して結合し、外側連結部材11aと協働して第2の角材を連結部15に固定保持する第1の内側結合部27a及び27bが形成されている。
【0035】
更に内側連結部材11bの内本体部26には、傾斜板部26bの両側からほぼ直角に延出し、第3の角材(小屋梁6)の下面側から両側面に回り込む延出部28と、この延出部28から直角に外側に曲って、外側連結部材11aの第2の外側結合部25a及び25bとボルト挿通孔29を介して結合し、外側連結部材11aと協働して第3の角材を連結部15に固定保持する第2の内側結合部28a及び28bが形成されている。
【0036】
上記外側連結部材11aの第1の外側結合部24a及び24bと内側連結部材11bの第1の内側結合部27a及び27bとの結合、又は外側連結部材11aの第2の外側結合部25a及び25bと内側連結部材11bの第2の内側結合部28a及び28bとの結合は、図2(d) に示すようにボルトとナットによる締め付けによって行われる。
【実施例2】
【0037】
図3(a),(b) は本発明の実施例2に係る角材用連結金具12を示している。角材用連結金具12は、同図(a) に示す平形連結部材12aと、同図(b) に示す立形連結部材12bとが一対となって構成されている。
【0038】
また同図(c) は、この角材用連結金具12によって連結される四本の角材の組手部分となる連結部16を示す斜視図であり、同図(d) は、角材を金属製角パイプに代替した場合の例を示す図であり、角材(又は金属製角パイプ)に対する角材用連結金具12による連結状態を示している。尚、金属製角パイプについても比較し易いように角材と同一の番号を付与して示している。
【0039】
以下、四本の角材については図3(c) を参照し、角材用連結金具12の連結部16への取付け状態については図3(d) を参照しながら、角材用連結金具12について説明する。この角材用連結金具12は、簡易建造物1において、軸組みにおける組手部分となる連結部16において四本の角材を連結する角材用連結金具である。
【0040】
四本の角材のうち第1の角材は大棟4であり、第2及び第3の角材は小屋梁6(6a、6c又は6e)と6(6b、6d又は6f)であり、第4の角材は管柱10(10a、10b又は10c)である。尚、図3(c),(d) は、図1の手前から大棟4を見た場合を示している。
【0041】
また、第4の角材を図1の手前側の妻側の管柱10cとした場合、第1の角材の大棟4を図のように妻側に伸ばして出すと、軒出しの切妻となり、第2、第3及び第4の角材の妻側面に合わせて図のB−B´矢視断面で4xの部分を切り落とすと、軒無しの切妻となる。
【0042】
角材用連結金具12の平形連結部材12aは、第1の角材(大棟4)の側面に沿い付ける角面部30と、この角面部30と一体に角面部30の一方の対向辺からそれぞれ斜め下方に曲って延在する二面の横張出部31(31a、31b)と、を有する。
【0043】
更に、この平形連結部材12aにおいて、二面の横張出部31の一方(31a)は第2の角材(小屋梁6(6a、6c又は6e))の側面に沿い付け他方は第3の角材(小屋梁6(6b、6d、又は6f))の側面に沿い付けるように形成されている。そして、第1、第2及び第3の角材の添い付け部にネジ部材を介して係止するための少なくとも三個のネジ部材挿通孔22を有する。
【0044】
そして、一方の横張出部31aには、その両側からほぼ直角に下に延出し、第2の角材(小屋梁6(6a、6c又は6e))の側面(上面)から他の二側面に回り込む延出部32と、この延出部32から直角に外側に曲って、立形連結部材12bと協働して上記第2の角材を連結部16に固定保持する第1の平形側結合部32a及び32bが形成されている。
【0045】
また、 他方の横張出部31bには、その両側からほぼ直角に下に延出し、第3の角材(小屋梁6(6b、6d又は6f))の側面から他の二側面に回り込む延出部33と、この延出部33から直角に外側に曲って、立形連結部材12bと協働して上記第3の角材を連結部16に固定保持する第2の平形側結合部33a及び33bが形成されている。
【0046】
他方、角材用連結金具12の立形連結部材12bは、第1の角材(大棟4)の一側面(下面)と第4の角材(管柱10(10a、10b又は10c))の端面とに挟持される角面部34と、角面部34と一体に角面部34の一方の対向辺からそれぞれ斜め下方に曲って延在する二面の横張出部35(35a、35b)と、角面部34と一体に角面部34の他方の対向辺からそれぞれほぼ直角に曲がって延在する二面の立形張出部36(36a、36b)とを有している。
【0047】
二面の横張出部35の一方の横張出部35aは、第2の角材(小屋梁6(6a、6c又は6e))の側面(下面)に添い付け、この第2の角材の側面(下面)にネジ部材を介して係止するための少なくとも1個のネジ部材挿通孔22を有する。
【0048】
更にこの横張出部35aは、その両側からほぼ直角に延出し、第2の角材(小屋梁6(6a、6c又は6e))の側面(下面)から他の二側面に回り込む延出部37と、この延出部37から直角に外側に曲って、平形連結部材12aの第1の平形側結合部32とボルト挿通孔29を介して結合し、平形連結部材12aと協働して上記第2の角材を連結部16に固定保持する第1の立形側結合部37a及び37bを有している。
【0049】
また、二面の横張出部35の他方の横張出部35bは、第3の角材(小屋梁6(6b、6d又は6f))の側面(下面)に添い付け、この第3の角材の側面(下面)にネジ部材を介して係止するための少なくとも1個のネジ部材挿通孔を有している。
【0050】
更にこの横張出部35bは、その両側からほぼ直角に延出し、第3の角材(小屋梁6(6b、6d又は6f))の側面(下面)から他の二側面に回り込む延出部38と、この延出部38から直角に外側に曲って、平形連結部材12aの第2の平形側結合部33とボルト挿通孔29を介して結合し、平形連結部材12aと協働して上記第3の角材を連結部16に固定保持する第2の立形側結合部38a及び38bを有している。
【0051】
また、二面の立形張出部36(36a、36b)は、それぞれ第4の角材(管柱10(10a、10b又は10c))の端部において対向する側面に添い付け、側面にネジ部材を介して係止するための少なくとも一個のネジ部材挿通孔22をそれぞれ有している。
【0052】
また、この二面の立形張出部36(36a、36b)は、それぞれ、その両側からほぼ直角に延出する延出部39を有し、一方の立形張出部36aの延出部39と他方の立形張出部36bの延出部39は、それぞれ第4の角材(管柱10(10a、10b又は10c))の両側面にネジ部材を介して係止するための少なくとも一個のネジ部材挿通孔22を有する。
【0053】
上記平形連結部材12aの第1の平形側結合部32a及び32bと立形連結部材12bの第1の立形側結合部37a及び37bとの結合と、平形連結部材12aの第2の平形側結合部33a及び33bと立形連結部材12bの第2の立形側結合部38a及び38bとの結合は、図3(d) に示すようにボルトとナットによる締め付けによって行われる。
【実施例3】
【0054】
図4(a),(b) は本発明の実施例3に係る角材用連結金具13を示している。角材用連結金具13は、同図(a) に示す外側連結部材13aと、同図(b) に示す内側連結部材13bとが一対となって構成されている。
【0055】
また同図(c) は、この角材用連結金具13によって連結される三本の角材の組手部分となる連結部17を示す斜視図である。同図(d) は、角材を金属製角パイプに代替した場合の例を示す図であり、角材(又は金属製角パイプ)に対する角材用連結金具13による連結状態を示している。尚、金属製角パイプについても比較し易いように角材と同一の番号を付与して示している。
【0056】
以下、三本の角材については図4(c) を参照し、角材用連結金具13の連結部17への取付け状態については図4(d) を参照しながら、角材用連結金具13について説明する。この角材用連結金具13は、簡易建造物1において、軸組みにおける組手部分となる連結部17において三本の角材を連結する角材用連結金具である。
【0057】
同図(c) を丸zで囲んで示す座標方向で見るときは、三本の角材のうちz方向に配置される第1の角材、x方向に配置される第2の角材及びy方向に配置される第3の角材は、それぞれ、「隅柱2a、胴差し梁7a−1及び胴差し桁7b−1」又は「隅柱2b、胴差し桁7b−2及び胴差し梁7a−1」又は「隅柱2c、胴差し桁7b−1及び胴差し梁7a−2」又は「隅柱2d、胴差し梁7a−2及び胴差し桁7b−2」である。
【0058】
また同図(c) を丸xで囲んで示す座標方向で見るときは、三本の角材のうちx方向に配置される第1の角材は胴差し梁7a−1又は7a−2であり、y方向に配置される第2の角材は桁9a又は9bであり、z方向に配置される第3の角材は管柱10a又は10cである。
【0059】
本例における角材用連結金具13は、図4(a) に示す外側連結部材13aが、図2(a),(b) に示した角材用連結金具11の外側連結部材11aにおいて、水平板部23bに続く外傾斜板部23cを、斜め上方に曲げすに水平に延ばした形状となっている。
【0060】
また、図4(b) に示す内側連結部材13bも、図2(a),(b) に示した角材用連結金具11の内側連結部材11bにおいて谷折りの2面からなる鉛直板部26aと傾斜板部26bを、図4(b) では直角に谷折りの2面からなる鉛直板部と水平板部にした形状となっている。
【0061】
つまり、本例の角材用連結金具13は、図4(c) に示す連結部17に連結する角材とその連結の傾きが、図2(c) の場合と異なるだけで、機能及び作用は図2(a),(b) の角材用連結金具11の場合と同様である。
【実施例4】
【0062】
図5(a),(b) は本発明の実施例4に係る角材用連結金具14を示している。角材用連結金具14は、同図(a) に示す外側連結部材14aと、同図(b) に示す内側連結部材14bとが一対となって構成されている。
【0063】
また同図(c) は、この角材用連結金具14によって連結される四本の角材の組手部分となる連結部18を示す斜視図である。同図(d) は、角材を金属製角パイプに代替した場合の例を示す図であり、角材(又は金属製角パイプ)に対する角材用連結金具14による連結状態を示している。尚、金属製角パイプについても比較し易いように角材と同一の番号を付与して示している。
【0064】
以下、四本の角材については図5(c) を参照し、角材用連結金具14の連結部18への取付け状態については図5(d) を参照しながら、角材用連結金具14について説明する。この角材用連結金具14は、簡易建造物1において、軸組みにおける組手部分となる連結部18において四本の角材を連結する角材用連結金具である。
【0065】
同図(c) を丸zで囲んで示す座標方向で見るときは、四本の角材のうちz方向に配置される第1の角材は間柱3a又は3bであり、y方向に配置される第2及び第3の角材は胴差し桁7b−1と7b−3又は胴差し桁7b−4又は7b−2であり、x方向に配置される第4の角材は差し渡し一本梁8である。
【0066】
また、同図(c) を丸xで囲んで示す座標方向で見るときは、四本の角材のうちx方向に配置される第1の角材は差し渡し一本梁8であり、y方向に配置される第2及び第3の角材は桁9aと9bであり、z方向に配置される第4の角材は管柱10bである。
【0067】
本例における角材用連結金具14は、図5(a) に示す立形連結部材14aが、図3(a),(b) に示した角材用連結金具12の図3(b) に示した立形連結部材12bにおいて、角面部34に続く横張出部35(35a、35b)を、斜め下方(図5(a) では斜め上方となる)に曲げすに水平に延ばした形状となっている。
【0068】
また、図5(b) に示す平形連結部材14bも、図3(a),(b) に示した角材用連結金具12の図3(a) に示した平形連結部材12aにおいて、角面部30と、この角面部30と一体に角面部30の一方の対向辺からそれぞれ斜め下方に曲って延在する二面の横張出部31(31a、31b)が、図5(b) では二面の横張出部を曲げることなく全て端から端まで水平板部にした形状となっている。
【0069】
つまり、本例の角材用連結金具14は、図5(c) に示す連結部18に連結する角材とその連結の傾きが、図3(c) の場合と異なるだけで、機能及び作用は図3(a),(b) の角材用連結金具12の場合と同様である。
【実施例5】
【0070】
図6は、実施例5に係る角材用連結金具と上述した実施例1に係る角材用連結金具とを用いて構築可能な簡易建造物の例を示す斜視図である。図6に示す簡易建造物40は、片流れの屋根構造を有する軸組みである。
【0071】
先ず比較的長い二本の隅柱41(41a、41b)と、これらよりも短い二本の隅柱42(42a、42b)が設けられている。長い二本の隅柱41aと41bの頂上間には平入りとなる平側の桁43が張り渡されている。そして、短い二本の隅柱42aと42bの頂上間には後の平となる平側の桁44が張り渡されている。
【0072】
また、長い二本の隅柱41と、短い二本の隅柱42との頂上間には、それぞれ小屋梁45(45a、45b)が張り渡されている。この建造物は、屋根と妻と後の平に帆布等の幕材を張り渡して、例えば、運動会等の催しものを監督する校長やPTA役員等が控える場所として提供される。
【0073】
もちろん、屋根と妻と後の平に加えて平入りとなる前の平にも幕材、例えばビニール製の幕を張り巡らして、ビニールハウスとして用いることもできる。また、太陽光発電システムの架台として使用することもできる。
【0074】
上記の軸組において、破線丸e(e1、e2)で示す組手部分の三本の角材(隅柱41a又は41b、前平の桁43、小屋梁45a又は45b)の連結には後述する角材用連結金具46が使用される。そして、破線丸f(f1、f2)で示す組手部分の三本の角材(隅柱42a又は42b、後平の桁44、小屋梁45a又は45b)の連結には前述した角材用連結金具11が使用される。
【0075】
図7(a),(b) は、本発明の実施例5に係る角材用連結金具46を示している。角材用連結金具46は、同図(a) に示す外側連結部材46aと、同図(b) に示す内側連結部材46bとが一対となって構成されている。
【0076】
また、図7(c) は、図6に示した破線丸e1で示す組手部分となる連結部47を示す斜視図であり、図7(d) は、図6に示した破線丸e2で示す組手部分となる連結部48を示す斜視図である。
【0077】
また、図7(e) は、角材を金属製角パイプに代替した場合の例を示す図であり、角材(又は金属製角パイプ)に対する角材用連結金具46による連結状態を示している。尚、金属製角パイプについても比較し易いように角材と同一の番号を付与して示している。
【0078】
以下、三本の角材については図7(c),(d) を参照し、角材用連結金具46の連結部47及び48への取付け状態については図7(e) を参照しながら、角材用連結金具46について説明する。
【0079】
本例における角材用連結金具46は、図7(a) に示す外側連結部材46aが、図2(a),(b) に示した角材用連結金具11の外側連結部材11aにおいて、水平板部23bに続く外傾斜板部23cを、斜め上方に曲げすに斜め下方に曲げた内傾斜板部の形状となっている。
【0080】
また、図7(b) に示す内側連結部材46bも、図2(a),(b) に示した角材用連結金具11の内側連結部材11bにおいて谷折りの2面からなる鉛直板部26aと傾斜板部26bの傾斜板部26bが、図7(b) では谷折りから斜め上に傾斜するのではなく斜め下に傾斜する形状となっている。
【0081】
つまり、本例の角材用連結金具46は、図7(c),(d) に示す連結部47及び48に連結する角材とその連結の傾きが、図2(c) の場合と異なるだけで、機能及び作用は図2(a),(b) の角材用連結金具11の場合と同様である。
【0082】
図6に示した破線丸f1及びf2で示した組手部分となる連結部の角材(隅柱42a又は42b、後平の桁44、小屋梁45a又は45b)を連結する角材用連結金具11については既に説明したので、ここでの説明は省略する。
【実施例6】
【0083】
尚、上述した実施例1〜5において、延出部24、25、27、28、32、33、37及び38から直角に外に曲った形状でボルト挿通孔29を有する結合部は、端部を更に折り曲げた形状にして結合部の変形を防止し、その強度を高めるようにしてもよい。
【0084】
図8は、実施例6に係る角材用連結金具の延出部と結合部の部分のみを取り出して示す斜視図である。同図に示すように、実施例1〜5において示した延出部24、25、27、28、32、33、37又は38から直角に外に曲った形状でボルト挿通孔29を有する結合部24a、24b、・・・、38a、38bの端部には、延出部に対する結合部の折り部を谷折りとすれば山折りとなる曲げ方向に折り曲げた形状の折り曲げ部46が形成されている。
【0085】
これにより、対向する結合部24a、24b、・・・、38a、38bを、ボルト挿通孔29を介してボルト・ナットにより相互に締め付けた際に、対向するいずれか一方の折り曲げ部46が他方の折り曲げ部46に重なってその内側に入り込み、曲げ部46部の高さの分だけ結合部の外端を締め付けに抗して押圧するので、ボルト・ナットによる締め付け部が締め付け方向に凹んでバネ製の付勢力が締め付け方向に発生する。これにより、実施例1〜5において、結合部の弛みを防止することができ、より信頼性の高い軸組みを構築することができるようになる。
【0086】
以上述べた本発明の各実施例によれば、簡易建造物の軸組みにおいて、少ない金具で角材(木材)又は角パイプ(金属)の組立が容易な角材用連結金具を提供することが可能となる。
【0087】
また、建造物施行時に、角材に対するカスガイやボルト締付け加工、金属製角パイプに対する溶接工法等の高度な技術が必要なく、熟練者でなくても軸組みの加工・組立が容易にできるので作業の能率が向上する。
【0088】
また、連結金具を用いる工法でありながら、組手部における部材のいずれも、その荷重が柱の軸心に掛かるよう構成されているので、強度の強い構造物の施行が容易でとなる。
【0089】
また、金属の骨組みに限らず角材の骨組みにも容易に適用できるので、金属の骨組みを傷め易いアンモンニヤ分の多い家畜小屋、肥料置場の構築に金属の骨組みを避け角材の骨組みを用いることで持続性のある良質な家畜小屋、あるいは肥料置場等の構築が可能となる。
【0090】
また、例えば葡萄のような蔓科の植物を生産するビニールハウス等のように金属の骨組みを避けた方がよいような構築物にも角材の骨組みで容易に対応できるので便利である。また、骨材を角材で説明しているが、ネジ部材挿通孔22とネジ部材を用いれば、例えば丸太、金属製丸パイプのような丸棒材にもそのまま適用できることは言うまでも無い。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、ビニールハウス、車庫、物置場、コンテナハウス、研究用ハウス、野外ステージ、太陽光発電システムの架台、災害時の架設住宅等の簡易建造物の構築に利用することができる。
【符号の説明】
【0092】
1 簡易建造物
2(2a、2b、2c、2d) 隅柱
3(3a、3b) 間柱
4 大棟
5(5a、5b) 軒桁
6(6a、6b、6c、6d、6e、6f) 小屋梁
7 胴差し
7a(7a−1、7a−2) 胴差し梁
7b(7b−1、7b−2、7b−3、7b−4) 胴差し桁
8 差し渡し一本梁
9(9a、9b) 桁
10(10a、10b、10c) 管柱
11 角材用連結金具
11a 外側連結部材
11b 内側連結部材
12 角材用連結金具
12a 平形連結部材
12b 立形連結部材
13 角材用連結金具
13a
13b
14 角材用連結金具
14a
14b
15、16、17、18 連結部
21 ネジ部材
22 ネジ部材挿通孔
23 外本体部
23a 鉛直部
23b 水平部
23c 外傾斜部
24 第1の外側結合部
25 第2の外側結合部
26 内本体部
26a 鉛直板部
26b 傾斜板部
27 第1の内側結合部
28 第2の内側結合部
29 ボルト挿通孔
30 角面部
31(31a、31b) 横張出部
32 第1の平形側結合部
33 第2の平形側結合部
34 角面部
35(35a、35b) 横張出部
36(36a、36b) 立形張出部
37 第1の立形側結合部
38 第2の立形側結合部
39 延出部
40 簡易建造物
41(41a、41b) 長い隅柱
42(42a、42b) 短い隅柱
43 平入り側の桁
44 後の平側の桁
45(45a、45b) 小屋梁
46 折り曲げ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
簡易建造物を構築する骨材としての角材による軸組みにおける組手部分となる連結部において三本の前記角材を連結する外側連結部材と内側連結部材とから成る角材用連結金具であって、
前記角材のうち第1の角材は前記連結部を貫通し、第2及び第3の角材はそれぞれ端部を前記連結部において前記第1の角材に連結する形態の前記連結部において、
前記外側連結部材は、
前記第1、第2及び第3の角材の外側に添い付け、前記第1、第2及び第3の角材の外側面にネジ部材を介して係止するための少なくとも三個のネジ部材挿通孔を有する外本体部と、
該外本体部の一方の端部両側からほぼ直角に延出し、前記第2の角材の外面側から両側面に回り込み前記内側連結部材と協働して前記第2の角材を前記連結部に固定保持する第1の外側結合部と、
前記外本体部の他方の端部両側からほぼ直角に延出し、前記第3の角材の外面側から両側面に回り込み前記内側連結部材と協働して前記第3の角材を前記連結部に固定保持する第2の外側結合部と、
を有し、
前記内側連結部材は、
前記第2及び第3の角材の内側に添い付け、前記第2及び第3の角材の内側面にネジ部材を介して係止するための少なくとも二個のネジ部材挿通孔を有する内本体部と、
該内本体部の一方の端部両側からほぼ直角に延出し、前記第2の角材の外面側から両側面に回り込み、前記外側連結部材の前記第1の外側結合部と結合し、前記外側連結部材と協働して前記第2の角材を前記連結部に固定保持する第1の内側結合部と、
前記内本体部の他方の端部両側からほぼ直角に延出し、前記第3の角材の外面側から両側面に回り込み、前記外側連結部材の第2の外側結合部と結合し、前記外側連結部材と協働して前記第3の角材を前記連結部に固定保持する第2の内側結合部と、
を有する、
ことを特徴とする角材用連結金具。
【請求項2】
前記外本体部は山折りの二面を形成する鉛直板部と水平板部と該水平板部に続く外傾斜板部からなり、前記内本体部は谷折りの鉛直板部と上向き傾斜板部からなり、前記第1の角材は軒桁であり、前記第2の角材は隅柱又は中柱であり、前記第3の角材は小屋梁である、ことを特徴とする請求項1記載の角材用連結金具。
【請求項3】
前記外本体部は直角山折りの二面の板部からなり、前記内本体部は直角谷折りの二面の板部からなり、前記第1の角材は隅柱又は胴差し梁であり、前記第2の角材は胴差し梁又は桁であり、前記第3の角材は胴差し桁又は管柱である、ことを特徴とする請求項1記載の角材用連結金具。
【請求項4】
前記外本体部は山折りの二面を形成する鉛直板部と水平板部と該水平板部に続く内傾斜板部からなり、前記内本体部は谷折りの鉛直板部と下向き傾斜板部からなり、前記第1の角材は四本の隅柱のうち丈長の2本の隅柱に渡される軒桁であり、前記第2の角材は前記丈長の隅柱であり、前記第3の角材は小屋梁である、ことを特徴とする請求項1記載の角材用連結金具。
【請求項5】
前記角材を金属製角パイプで代替した、ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の角材用連結金具。
【請求項6】
簡易建造物を構築する骨材としての角材による軸組みにおける組手部分となる連結部において四本の前記角材を連結する平形連結部材と立形連結部材とから成る角材用連結金具であって、
前記角材のうち第1の角材は前記連結部を貫通し、第2、第3及び第4の角材はそれぞれ端部を、前記連結部において前記第1の角材の軸に対し直角な輻射状に連結する形態の前記連結部において、
前記平形連結部材は、
前記第1の角材の側面に沿い付ける角面部と、該角面部と一体に該角面部の一方の対向辺からそれぞれ延在する二面の横張出部と、を有し、該二面の横張出部の一方は前記第2の角材の側面に沿い付け他方は前記第3の角材の側面に沿い付けるように形成され、前記第1、第2及び第3の角材の添い付け部にネジ部材を介して係止するための少なくとも三個のネジ部材挿通孔を有する平形本体部と、
一方の前記横張出部の両側からほぼ直角に下に延出し、前記第2の角材の前記側面から他の二側面に回り込み前記立形連結部材と協働して前記第2の角材を前記連結部に固定保持する第1の平形側結合部と、
他方の前記横張出部の両側からほぼ直角に下に延出し、前記第3の角材の前記側面から他の二側面に回り込み前記立形連結部材と協働して前記第3の角材を前記連結部に固定保持する第2の平形側結合部と、
を有し、
前記立形連結部材は、
前記第1の角材の一側面と前記第4の角材の端面とに挟持される角面部と、
該角面部と一体に該角面部の一方の対向辺からそれぞれ延在する二面の横張出部と、
前記角面部と一体に該角面部の他方の対向辺からそれぞれほぼ直角に曲がって延在する二面の立形張出部と、
を有し、
二面の前記横張出部の一方は前記第2の角材の側面に添い付け、該第2の角材の前記側面にネジ部材を介して係止するための少なくとも1個のネジ部材挿通孔を有すると共に、両側からほぼ直角に延出し、前記第2の角材の前記側面から他の二側面に回り込み、前記平形連結部材の前記第1の平形側結合部と結合し、前記平形連結部材と協働して前記第2の角材を前記連結部に固定保持する第1の立形側結合部を有し、
二面の前記横張出部の他方は前記第3の角材の側面に添い付け、該第3の角材の前記側面にネジ部材を介して係止するための少なくとも1個のネジ部材挿通孔を有すると共に、両側からほぼ直角に延出し、前記第3の角材の前記側面から他の二側面に回り込み、前記平形連結部材の前記第2の平形側結合部と結合し、前記平形連結部材と協働して前記第3の角材を前記連結部に固定保持する第2の立形側結合部を有し、
二面の前記立形張出部は、それぞれ前記第4の角材の端部において対向する側面に添い付け、該側面にネジ部材を介して係止するための少なくとも一個のネジ部材挿通孔をそれぞれ有すると共に、両側からほぼ直角に延出する延出部を有し、該延出部はそれぞれ前記第4の角材の両側面にネジ部材を介して係止するための少なくとも一個のネジ部材挿通孔を有する、
ことを特徴とする角材用連結金具。
【請求項7】
前記平形連結部材の二面の横張出部はそれぞれ斜め下方に傾斜し、前記立形連結部材の二面の前記横張出部は斜め下方に傾斜すると共に二面の前記立形張出部は鉛直に延在し、前記第1の角材は大棟材であり、前記第2、第3の角材は小屋梁であり、前記第4の角材は管柱である、ことを特徴とする請求項6記載の角材用連結金具。
【請求項8】
前記平形連結部材の二面の横張出部はそれぞれ水平であり、前記立形連結部材の二面の前記横張出部はそれぞれ水平であり、前記第1の角材は間柱又は差し渡し一本梁であり、前記第2、第3の角材は胴差し桁又は桁であり、前記第4の角材は差し渡し一本梁又は管柱である、ことを特徴とする請求項6記載の角材用連結金具。
【請求項9】
前記角材を金属製角パイプで代替した、ことを特徴とする請求項6、7又は8記載の角材用連結金具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−52425(P2011−52425A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201556(P2009−201556)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(591205776)
【Fターム(参考)】