説明

触媒担体およびその調製方法

シリカ、酸化ゲルマニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたはそれらの混合物からなる群から選択される第1酸化物、好ましくはシリカゲルビーズまたはケイ藻土と;第3族金属酸化物と;触媒担体の10質量%以下の量での陰イオンとを少なくとも含む非晶質触媒担体であって、第3族金属酸化物が分子レベルで第1酸化物構造中に組み込まれている触媒担体。この触媒担体は、(a)第1酸化物を、第3族金属酸化物の無水源、および水と、11より上のpHで混合し、こうして懸濁液を形成する工程と、(b)触媒担体を水で洗浄する工程と、(c)触媒担体を水から分離する工程と、(d)任意選択的に触媒担体を乾燥させる工程および/またはカ焼する工程とによって調製される。かかる担体をベースとする触媒は、向上した触媒特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、参照により本明細書に援用される、2007年8月30日出願の欧州特許出願公開第07115255.7号明細書の優先権を主張するものである。
本発明は、触媒担体およびその調製方法に関する。特に、本発明は、限定はされないが特に水素化反応のような、様々な反応を触媒するための触媒活性成分と共に使用することができるシリカ/アルミナ触媒担体に関する。
【背景技術】
【0002】
シリカなどの、多孔質の耐熱性酸化物をベースとするものをはじめとする、多種多様な触媒担体が公知である。シリカゲル担体の使用は、比較的不十分な結果を一般にもたらす。
塩化アルミニウムまたは硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩とケイ酸ナトリウム(水ガラス)などのケイ素源とから非晶質シリカ−アルミナを調製することは公知である。かかる方法は、例えば、米国特許第4,988,659号明細書に記載されている。かかる非晶質シリカ−アルミナの主な欠点は、球状粒子を形成するためにコゲル塊を噴霧乾燥させる必要性、および洗浄工程にもかかわらず、残留塩含有率が高いことである。実際に、Cl-および/または(SO42-などの多くの陰イオンが、洗浄後でさえ、シリカ−アルミナ構造中に捕捉されたままであり、そして一方相当する陽イオン、通常Na+は、シリカ−アルミナ構造中へ固定される。
【0003】
様々な文書は、シリカゲルとアルミナとの組み合わせを開示しており、これらには、シリカゲルが含水アルミナと混合されてシリカ/アルミナ触媒を形成する米国特許第2,285,314号明細書、およびシリカゲルが、アルミン酸ナトリウムなどの、アルミニウム源と、7.5〜11のpHで混合されてアルミナ粒子がその上に沈殿したシリカ担体を生成する英国特許第1,223,878号明細書が含まれる。これらの担体は両方とも、純シリカよりも性能の向上に限界がある。
英国特許第1,178,594号明細書などの、様々な他の文書は、触媒担体としての合成ゼオライト(アルミノ−シリケート)の使用を開示している。合成ゼオライトは結晶性固体である。合成ゼオライトは、アルカリおよび有機テンプレートの存在下に(細分された純シリカとアルミン酸ナトリウムとから得られた)シリカ−アルミナゲルのゆっくりした結晶化のプロセス、引き続く洗浄および乾燥によって通常形成される。ゼオライト合成を実施するための重要な方法の1つは、ゾル−ゲル法である。
【0004】
ゼオライトは触媒担体としてより良好な結果を与えるが、製造するのに高くつく。さらに、合成ゼオライトは通常小さい粒子(約10μm)からなる。触媒担体は約100μmのサイズを通常有するので、ゼオライト粒子(約10μm)は、より大きい粒子(約100μm)に固めなければならず、それはバインダーを使用して通常実施される。かかる生成物は、シリカゲルをベースとするものなどの、「ワンピース」生成物と比較して摩耗により敏感であるという欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、向上した特性、特に高い性能および低い摩耗値を有する触媒担体を提供することである。本発明の目的はまた、かかる触媒担体の簡単な製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、
(1)シリカ、酸化ゲルマニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたはそれらの混合物からなる群から選択される第1酸化物と、
(2)第3族金属酸化物と、
(3)触媒担体の10質量%以下の量での陰イオンと
を少なくとも含む非晶質触媒担体であって、第3族金属酸化物が分子レベルで第1酸化物構造中に組み込まれている触媒担体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1の触媒担体の27Al NMR分析の結果を表すグラフである。
【図2】実施例1の触媒の光学顕微鏡分析の結果を表す図である。
【図3】実施例2〜5の触媒担体の27Al NMR分析の結果を表すグラフである。
【図4】例6(比較)の触媒担体の27Al NMR分析の結果を表すグラフである。
【図5】例6(比較)の触媒の光学顕微鏡分析の結果を表す図である。
【図6】アニリンへのニトロベンゼンの水素化反応において、実施例1および比例6(比較)で調製した触媒、各々について、測定した水素ガス吸収量を表すグラフである。
【図7】アルキルアントラヒドロキノンおよびアルキルテトラヒドロアントラキノンへのアルキルアントラキノンの水素化において、実施例1および比例6(比較)で調製した触媒、各々について、測定した水素ガス吸収量を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
特に、第3族金属酸化物は、核磁気共鳴分析によって示される、四面体配置で典型的には存在する。特に、27Al固体NMRは、第3族金属酸化物がアルミナであるとき、第3族金属酸化物の四面体配置を示すために用いることができる。実際に、27Al NMRは、アルミニウムの異なる配置間を区別することを可能にする。50〜70ppmのスペクトル領域、特に約54ppmは、四面体配位アルミニウムに相当し、領域約0ppmは八面体配位アルミニウムに帰属され、領域約30ppmは五面体アルミニウムに関係し、領域約−180ppmは金属アルミニウムに相当する。本発明において、表現「第3族金属酸化物がNMR分析によって示される四面体配置で存在する」は、金属、五面体アルミニウムに、または特に八面体アルミニウムに相当する他のピークが27Al NMR分析に関連して全く存在しないことを意味する。実際に、八面体配位アルミニウムの部分は、これらの部位の高い異方性のためにNMRサイレントである。従って、本発明によれば、四面体配位のNMRピークのみがスペクトルに存在するべきである。これは、生成物における、2、3の他の配置、特に八面体配位の存在を排除しないが、他の配置がNMRスペクトルで明らかではないようである。11Bマジック角度回転(MAS)NMRまたは11B固体NMRは、第3族金属酸化物が酸化ホウ素であるとき、第3族金属酸化物の四面体配置を示すために用いることができる。71Ga固体NMRは、第3族金属酸化物が酸化ガリウムであるとき、第3族金属酸化物の四面体配置を示すために用いることができる。
【0009】
エネルギー分散型X線分光分析(EDX)と結合した透過電子顕微鏡法(TEM)および/または走査電子顕微鏡法(SEM)は、アルミナが意外にも(例えば、コーティングとして)シリカゲルビーズの外面上にのみならず、シリカゲルビーズの内部にも見いだされることを示す。本発明の触媒担体は、それ故分子レベル完全に均一である。従って、表現「分子レベルで第1酸化物構造に組み込まれている」は、第2酸化物が第1酸化物の微細構造中に組み込まれていること、従って、第2酸化物がその上に沈着したおよび/または沈殿した第1酸化物とは反対に、生じた触媒担体が均一であることを意味することを意図する。
【0010】
表現「非晶質」は、結晶性固形分と呼ばれるロングレンジ原子配列がある固体とは対照的に、原子の配置のロングレンジ秩序が全くない固体を意味することを意図する。ゼオライトは結晶性固体である。本発明の触媒担体の「非晶質」または「結晶性」特性は、X線回折分光分析(XRD)によって示され得る。
【0011】
本発明によれば、触媒担体中に任意選択的に存在する陰イオンは、例えば、Cl-、(CO32-、(SO42-、および/またはNO3-であってもよい。関連陽イオンは、例えば、Na+であってもよい。陰イオンの量は、通常、触媒担体の多くとも10質量%、好ましくは多くとも8質量%、より好ましくは多くとも6質量%、特に多くとも5質量%であり、多くとも3質量%が特に好ましく、多くとも2.5質量%がより非常に好ましい。陰イオンの量は、通常、触媒担体の少なくとも0.05質量%、特に少なくとも0.5質量%、より特に少なくとも1質量%、例えば少なくとも1.5質量%である。陽イオンの量は、通常、多くとも10質量%、好ましくは多くとも5質量%、より好ましくは多くとも3質量%、特に多くとも2.5質量%である。
【0012】
触媒担体中に存在する陰イオンの量は、任意の公知の方法によって測定されてもよい。特に、全塩素は、Wurzschmitt法(過酸化ナトリウムでの全酸化分解および0.1NのAgNO3でのその後の滴定)によって測定されてもよく;硫黄濃度は、試料の密閉容器マイクロ波全蒸解後の誘導結合プラズマ発光分析(ICP−OES)によって測定されてもよく;炭素および窒素濃度は、例えばVarioEL装置(Elementar)を用いる元素分析によって測定されてもよい。これらの元素はそれぞれの陰イオンに相当すると考えることができる。特に、ClはCl-に相当し、NはNO3-に相当し、Cは(CO32-に相当し、Sは(SO4-2に相当する。Cl、N、CおよびSについて得られた値は、こうして相当する陰イオンの量へ換算することができる。
【0013】
第3族金属酸化物は、アルミナ、酸化ホウ素、および酸化ガリウムからなる群から、好ましくはアルミナおよび酸化ガリウムから選択することができる、特に好ましい実施形態はアルミナを含む。
第1酸化物は有利には、シリカ、特に、シリカゲルビーズ、またはケイ藻土などの非晶質シリカを含む。
シリカゲルビーズが特に好ましい。シリカゲルビーズは、20〜4000μmの範囲の平均直径を有することができる。
例えば、固定床触媒用には、シリカゲルビーズは、500〜4000μmの、好ましくは1000〜3000μmの、例えば2000〜2500μmの範囲の平均直径を有してもよい。
【0014】
別の実施形態では、流動床触媒用には、シリカゲルビーズは、20〜500μmの、好ましくは30〜300μmの、より好ましくは50〜200μmの範囲の平均直径を有してもよく、90〜140μmのもの、典型的には100〜130μmのもの、特に110〜120μmのものが特に好ましい。40μm未満の直径を有するシリカゲルビーズは普通は存在せず;実際に典型的には、50μm未満の直径のビーズ、特に63μm未満の直径のビーズは使用されない。シリカゲルビーズのBET表面積は、100〜800m2/g、典型的には200〜700m2/g、特に300〜600m2/gであることができる。シリカゲルビーズの細孔径は、1〜30nm、好ましくは2.5〜25nm、特に5〜20nmであってもよい。
【0015】
第3族金属酸化物は、通常、本発明による触媒担体中に少なくとも1%、好ましくは少なくとも2%、より好ましくは少なくとも3%の量で存在し、約5%の値が良好な結果を与える。本発明による触媒担体中の第3族金属酸化物の量は、一般に、多くとも50%、特に多くとも30%、特に多くとも20%、例えば多くとも10%である。第3族金属酸化物の量についての好適な範囲は、1〜50%、例えば約5〜10%である。第3族金属酸化物の量は、触媒担体の質量パーセントで表される。
【0016】
本発明の触媒担体は、触媒活性成分と共に普通は使用されて触媒を形成する。
従って本発明はまた、本明細書に記載されるような触媒活性成分と担体とを含む触媒を提供する。
触媒活性成分は、触媒の意図される使用に依存して広範囲に変わってもよい。本発明に従った担体は、活性金属、特にバナジウムもしくはモリブデンなどの、遷移金属と共に、特に白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、金、銀またはそれらの混合物からなる群から選択されるものなどの貴金属と共に使用されてもよい。
【0017】
本発明による触媒は、Ullmann’s Encyclopaedia of Industrial Chemistry、Chapter「Heterogeneous Catalysis and Solid Catalysts」(DOI:10.1002/14356007.a05_313、Article Online Posting Date:2003年1月15日)、特に42−44ページに開示されているような、本発明の触媒担体を使用する任意の公知の方法によって調製することができる。例えば、触媒は、含浸、吸着、沈殿、または還元沈着の任意の公知の方法によって調製されてもよい。
【0018】
本発明のさらなる態様によれば、触媒担体の調製方法であって、
(a)シリカ、酸化ゲルマニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたはそれらの混合物からなる群から選択される第1酸化物、好ましくはシリカゲルビーズまたはケイ藻土を、第3族金属酸化物の無水源、および水と、11より上のpHで混合し、こうして懸濁液を形成する工程と、
(b)任意選択的に触媒担体を水で洗浄する工程と、
(c)触媒担体を水から分離する工程と、
(d)任意選択的に触媒担体を乾燥させる工程および/またはカ焼する工程と
を含む方法が提供される。
典型的には、本発明の前記さらなる態様に従った方法は、本発明の前の態様に従った触媒担体をもたらす。
【0019】
典型的には、本発明の前記さらなる態様に従った第1酸化物は、本明細書に記載されるような第1酸化物を含む。
第1金属酸化物は、水性懸濁液の形態で使用することができ、第3族金属酸化物の無水源は水溶液として使用することができる。
【0020】
工程(a)における温度は一般に少なくとも30℃、特に少なくとも50℃であり、少なくとも70℃の値が良好な結果を与える。工程(a)における温度は通常高くても95℃、多くの場合には高くても90℃であり、高くても85℃の、特に高くても80℃の値が一般的である。工程(a)における温度について好適な範囲は、30〜90℃、好ましくは55〜85℃、より好ましくは70〜80℃、例えば約75℃である。
工程(a)に使用される水は通常脱塩水である。
工程(a)における混合物のpHは、11より上、好ましくは少なくとも11.5である。工程(a)における混合物のpHは、通常、高くても12.5、特に高くても12である。例えば、工程(a)における混合物のpHは11.5〜12である。工程(a)における混合物のpHは、pH調整化合物を用いて調整されてもよい。特に、pHが上げられなければならない場合、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムなどの、アルカリ水酸化物、または好適な代わりの塩基が加えられてもよい。工程(a)における混合物は、シリカゲルを懸濁として維持するために機械撹拌機で通常かき混ぜられる。
工程(a)における混合物は、5〜90分間、典型的には10〜75分間、好ましくは15〜60分間、特に15〜30分間、例えば約20分間撹拌されてもよい。
【0021】
用語「無水」は、水を含有しない物質を意味する。従って、アルミナゲルは例えば含水であり、無水ではない。無水源は実際には溶液または懸濁液中で提供されてもよいが、それにもかかわらず無水と分類される。
第3族金属酸化物の無水源は、金属−[第3族金属]酸化物を含むことができる。第3族金属酸化物がアルミナを含む例については、第3族金属酸化物の無水源はアルミン酸ナトリウムであってもよい。これは、アルミニウム塩がアルミナ源として一般に使用され、金属塩を酸化するためにカ焼工程を必要とする、例えば、シリカ/アルミナを調製するための普通の技法とは好対照である。
【0022】
本発明のさらなる態様によれば、工程(a)から生じた生成物は、小さい粒子および/または不純物、例えばNaOHまたはケイ酸ナトリウムなどのアルカリ誘導体を排除するために、水で少なくとも1回洗浄されてもよい。水は通常脱塩水である。さらなる実施形態では、工程(a)から生じた生成物は水で2回以上洗浄されてもよく、例えば、工程(a)から生じた生成物は水で3回洗浄されてもよい。別のさらなる実施形態によれば、工程(a)から生じた生成物において存在する上澄み液が新鮮な水で置き換えられるだけでもよい。
【0023】
工程(c)における水からの触媒担体の分離は、当該技術分野で公知の任意の方法に従って、例えばデカンテーション、濾過、および/または遠心分離によって行うことができる。
工程(c)から生じた触媒担体は、当該技術分野で公知の任意の方法に従って、工程(d)において任意選択的に乾燥させられてもおよび/またはカ焼されてもよい。触媒活性成分が水中で担体に加えられる場合、特に第3族金属源が酸化物である場合には、都合の良いことには担体の乾燥またはカ焼は触媒活性成分の添加前には必要とされない。
例えば、工程(c)から生じた触媒担体は、例えば100〜200℃の温度で、大気圧で、空気循環オーブンを用いて乾燥させられてもよい。それはまた、減圧下のオーブン中で乾燥させることができる。触媒担体はまた、例えば約400℃の温度でカ焼されてもよい。このように本方法は工程(d)を含んでもよく、(d)は触媒担体の乾燥を含む。カ焼もまた行われてもよいが、好ましい実施形態は、触媒活性成分の添加前に200℃より上の温度に加熱されない。
【0024】
本発明のこのさらなる態様に従った方法は、簡単であり、それ故、容易な方法で本発明の実施形態に従った触媒担体をもたらす利点を有する。本方法はまた、高くつく洗浄を必要としない、不純物をほとんど含有しないきれいな生成物をもたらす利点を有する。本発明のこのさらなる態様に従って得られる生成物は、15質量%未満の不純物、好ましくは10質量%未満の不純物、より好ましくは5質量%未満の不純物、例えば2質量%未満の不純物を含有し得る。不純物の百分率は、触媒担体の質量による百分率として表される。本発明の触媒担体中に存在することができる不純物は、例えば、ケイ酸ナトリウムなどのナトリウム塩である。
【0025】
本発明はまた、
(a)シリカ、酸化ゲルマニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたはそれらの混合物からなる群から選択される第1酸化物、好ましくはシリカゲルビーズまたはケイ藻土を、第3族金属酸化物の無水源、および水と、11より上のpHで混合し、こうして懸濁液を形成する工程と、
(b)任意選択的に触媒担体を水で洗浄する工程と、
(c)触媒担体を水から分離する工程と、
(d)任意選択的に触媒担体を乾燥させる工程および/またはカ焼する工程と
によって調製される触媒担体を提供する。
【0026】
本発明はまた、本明細書に記載される触媒活性成分および触媒担体の触媒としての使用を提供する。
触媒活性成分は、触媒の意図される使用に依存して広範囲にわたって変わり得る。本明細書に従った担体は、活性金属、特にバナジウムもしくはモリブデンなどの、遷移金属と共に、特に白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、銀もしくは金、またはそれらの混合物などの貴金属と共に使用されてもよい。かかる触媒は、特に炭化水素もしくはニトロベンゼンの水素化などの水素化反応のための、還元反応を触媒するのに、または、アクロレインへのプロピレンの酸化などの、酸化反応を触媒するのに有用である。
【0027】
本発明による触媒担体は、周知のアルキルアントラキノン、またはAO法(例えば、「Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、1989年、第3巻、447−457ページ」を参照されたい)に使用される水素化触媒の調製に特に好適である。表現「アルキルアントラキノン法」は、希釈剤中で、少なくとも1つのアルキルアントラキノンのおよび/または少なくとも1つのテトラヒドロアルキルアントラヒドロキノンの作業溶液を水素化工程にかけて、1つ以上のアルキルアントラヒドロキノンおよび/またはアルキルテトラヒドロアントラキノンを生成することにある過酸化水素水溶液の製造方法を意味することを意図される。水素化工程を出た作業溶液は次に、酸素、空気または酸素に富む空気での酸化にかけられて過酸化水素を与え、かつ、アルキルアントラキノンおよび/またはアルキルテトラヒドロアントラキノンを再形成する。形成過酸化水素は次に、例えば水を使用する、抽出工程を用いて作業溶液から分離され、過酸化水素は粗過酸化水素水溶液の形態で回収される。抽出工程を出た作業溶液は次に、過酸化水素製造サイクルを再開するために水素化工程へリサイクルされる。
【0028】
用語「アルキルアントラキノン」は、例えば、少なくとも1個の炭素原子を含む線状または分岐の脂肪族タイプの少なくとも1つのアルキル側鎖で1、2または3位に置換された9,10−アントラキノンを意味することを意図される。これらのアルキル鎖は通常、9個未満の炭素原子、好ましくは6個未満の炭素原子を含む。かかるアルキルアントラキノンの例は、2−エチルアントラキノン、2−イソプロピルアントラキノン、2−第二および2−第三ブチルアントラキノン、1,3−、2,3−、1,4−および2,7−ジメチルアントラキノン、ならびに2−イソ−および2−第三アミルアントラキノン、ならびにこれらのキノンの混合物である。
用語「アルキルアントラヒドロキノン」は、上に明記された9,10−アルキルアントラキノンに対応する9,10−ヒドロキノンを意味することを意図される。
【0029】
本発明はそれ故また、過酸化水素の製造のためのアルキルアントラキノン法における水素化反応の触媒作用のための、本発明の触媒担体と触媒活性成分としてのパラジウムとを含む触媒に関する。
本発明はまた、過酸化水素の製造のためのアルキルアントラキノン法における水素化反応を触媒するための触媒としての触媒活性成分と本発明の触媒担体との使用に関する。
【0030】
本発明を一般論として説明してきたが、その具体的な実施形態がほんの一例としてここで例示される。
【実施例】
【0031】
27Al核磁気実験(27Al NMR)
触媒担体についての27Al NMR実験は、18°のパルス、1秒のパルス遅延、および8kHzの回転速度で、78.2MHzでの分光計で行った。基準はAl(NO33であった。これらの実験の目的は、Alの四面体および/または八面体配置を示すことであった。実際に、これらの2種のアルミニウムは、27Al NMRにおいて異なるピークを示す:50〜70ppm、特に約54ppmのスペクトル領域は、四面体配位アルミニウムに相当するが、約0ppmの領域は八面体配位アルミニウムに帰属される。アルミニウム化学種に相当する他のピークは、約−180ppm(金属アルミニウム)または約30ppm(五面体アルミニウム)に存在することができよう。
【0032】
X線回折分光分析(XRD)
触媒担体は、Cu陽極X線チューブ、およびPhilips PW1710回折計制御装置を備えた、Philips PW1729X線発生器装置と組み合わせた、Philips PW1050シータ/2−シータBragg−Brentano型粉末角度計を用いるXRDによって分析した。分析前に、試料を平らな長方形試料ホルダーに僅かに押し込んだ。40mAの陽極電流および40kVの電圧でおよそ1時間中に1〜70度2−シータ(1.2°2−シータ/分)で回折図を記録した。回折図を識別プログラムTraces v6で定量的に評価した。
【0033】
エネルギー分散型X線分光分析(EDX)
触媒担体中の異なる元素、特にアルミニウムの分散均一性を評価するためにEDXマッピングを用いた。
【0034】
EDXマッピングを確立するために、関心領域(ROI)のXRDスペクトルおよび走査電子顕微鏡法(SEM)または透過電子顕微鏡法(TEM)画像を記録した後、取得パラメーターを試料および顕微鏡設定(例えば倍率)の関数として選択する。これらには、画像におけるピクセルの数(典型的には、128×128ピクセルまたは256×256ピクセル)、マッピングされるべき元素のピークに相当するエネルギーウィンドウ、ドウェル時間(1ピクセル当たりの取得時間)およびスキャンの数が含まれる。
【0035】
SEM−EDX分析は、EDX検出器(Oxford)と結び付けた走査電子顕微鏡(Gemini Leo 982)を用いて行った。
分析前に、試料をポリメタクリル酸メチル(PMMA)中へ埋込み、Reichert Supernova Ultramicrotomeを用いて試料の表面を平滑にし、Cressington Sputter Coaterを用いてPt/Pdで金属化した。
TEM−EDX分析は、EDX検出器(Oxford)と結び付けた透過電子顕微鏡(Zeiss EM910)を用いて行った。
分析前に、試料をポリメタクリル酸メチル(PMMA)中へ埋込み、Reichert Supernova Ultramicrotomeを用いて試料の薄いセクションをカットした。
触媒担体の低倍率マッピングについてはSEM−EDXを用い、一方、高倍率についてはTEM−EDXを用いた。
【0036】
波長分散型X線蛍光分光分析(WD−XRF)
WD−XRF測定は、PW 2540 VRC試料チェンジャーおよびUniQuant(登録商標)ソフトウェアパッケージ(Omega Data Systems)を備えたPANalytical PW2404 XRF分析計を用いて触媒について行った。
分析前に、Herzog TP40/2Dプレスを用いて、試料をChemplex(登録商標)アルミニウム試料コップ中でプレスした。
【0037】
陰イオンの量
全塩素は、Wurzschmitt法に従って、すなわち、過酸化ナトリウムでの試料の全酸化分解後0.1NのAgNO3でのその後の滴定によって測定した。
硫黄濃度は、試料の密閉容器マイクロ波全蒸解後の誘導結合プラズマ発光分析(ICP−OES)によって測定した。
炭素および窒素濃度は、VarioEL装置(Elementar)を用いる元素分析によって測定した。
【0038】
重量測定法によるパラジウム分析
酸化剤として過酸化水素を含有する希塩化水素溶液中80℃で15分間穏やかに沸騰させることによってパラジウムを触媒から抽出する(3gの触媒、50mlの脱塩水、10mlの濃HCl溶液、および1mlのH22)。濾過および不溶部分の水での洗浄によって担体を分離する。可溶化後に、パラジウムを含有する溶液を5mlのNaOH(10N)で処理して約0.25Nの酸性度にする。混合物を沸騰するまで加熱し、ガラス棒で激しく混合しながらメタノール中1%での20mlのジメチルグリオキシムを加え、加熱を30分間続行する。混合物を2時間冷却し、次に沈殿物を濾過し、5×20mlの熱酸性水および2×10mlのメタノールで洗浄し、オーブン中110℃で30分間乾燥させる。パラジウム含有率(g/kg)を次式に従って計算する:
パラジウム含有率(g/kg)=沈殿物の質量(g)×0.3167×1000/試料の質量
定数0.3167は、パラジウムおよびジメチルグリオキシム沈殿物の分子量の比に相当する。
【0039】
実施例1:本発明による触媒担体のおよびパラジウム触媒の調製
100gのシリカゲルビーズを500mlの脱塩水と一緒に2リットル反応容器に加え、その結果水中のシリカゲルビーズの懸濁液を形成した。シリカゲルビーズは、63〜150μmの粒度分布、および110〜120μmの平均直径のダブル篩い分け品質であった。細孔径は5〜20nmの範囲にあり、BET表面積は300〜600m2/gであった。好ましいシリカ規格値を下表に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
21.7gのアルミン酸ナトリウム溶液(23%アルミナ−19%Na2O)をシリカゲルビーズ懸濁液に加え、懸濁液を形成した。生じた触媒担体はこうして約5質量%の理論量のアルミナを含有した。混合物を約200rpmでかき混ぜて懸濁を維持し、周囲温度から60℃まで30分にわたって加熱し、次に60℃で1時間維持した。残っている液体を次にデカンテーションによって除去した。主として過剰のアルカリ度を除去するために、生じた触媒担体を毎回500mlの脱塩水で3回洗浄した。生じた触媒担体を次に、大気圧下約110℃の温度で、空気循環オーブン中で乾燥させた。
【0042】
生じた触媒担体を27Al NMR、XRDならびにSEM−EDXおよびTEM−EDXマッピングで分析した。
この触媒担体のXRD分析は、触媒担体が非晶質であることを示した。シリカまたはアルミナの結晶性形態は全く観察されなかった。
SEM−EDXマッピングおよびTEM−EDX分析は、アルミナが意外にもシリカゲルの外面上のみならずその内部にも見いだされることを示した。触媒担体はそれ故完全に均一である。
触媒担体の27Al NMR分析は、アルミナがゼオライトにおいて見いだされるものに類似の四面体配置(約54ppmのピーク)で存在すること、かつ、八面体配置でのアルミナに相当するピークが全く識別できないこと(約0ppmのピークなし)を示した(図1)スキャンの数は8192であった。
【0043】
触媒担体の分析は、これらの方法の検出限界より下のCl,N、CおよびS総量、すなわち、全塩素については0.5g/kgより下、窒素および炭素については1g/kgより下、および硫黄については1.5g/kgより下を示した。これらの元素はCl-、NO3-、(CO32-、および(SO42-にそれぞれ相当すると考えることができる。これらの値は従って0.5g/kgより下のCl-、4.4g/kgより下のNO3-、5g/kgより下の(CO32-、および1.5g/kgより下の(SO42-の量に変換することができ、これは陰イオン含有率11.4g/kgより下、または1.14質量%より下に相当する。
【0044】
2%パラジウムを含む触媒を、上記の触媒担体を使用して調製した。アルカリの存在下にパラジウム塩溶液から触媒担体上にパラジウムを沈殿させることによってパラジウムを沈着させた。得られた触媒を次に水で3回洗浄し、窒素中の20%H2の混合物下に約150℃で乾燥させた。
この触媒のWD−XRF分析は、2.4質量%のナトリウム、3質量%のアルミニウムおよび41質量%のケイ素の含有率を示した。
重量測定法によって測定される、触媒中のパラジウムの量は20.1g/kgであった。
この触媒の光学顕微鏡分析は、全ての触媒担体粒子がパラジウムで覆われていること(粒子の黒色外見)を示した(図2)。
【0045】
実施例2〜5:様々な量のアルミナを含む触媒担体の調製
実施例1の手順を、しかし触媒担体の2.5質量%(実施例2)、10質量%(実施例3)、15質量%(実施例4)および25質量%(実施例5)のアルミナ量に相当する、異なる量のアルミン酸ナトリウムで再現した。
実施例2〜5の触媒担体の27Al NMR分析は、アルミナがゼオライトに見いだされるものに類似の四面体配置(約54ppmのピーク)で存在すること、および、触媒担体の25質量%ほどに多いアルミナ量についてさえ、八面体配置でのアルミナに相当するピークは全く識別できないこと(約0ppmのピーク全くなし)を示した(図3)。
【0046】
例6(比較):11未満のpHでの触媒担体のおよびパラジウム触媒の調製
比較例6の触媒担体は、シリカゲル懸濁液のpHを2N硫酸で8〜9.3の値に調整したことを除いて、実施例1に従って調製した。pHが全反応の間ずっと8〜9.3の範囲に維持されるように、硫酸をアルミン酸ナトリウム溶液の添加と同時に反応混合物に加えた。
比較例6の触媒担体の27Al NMR分析は、アルミナが四面体(約54ppmのピーク)および八面体配置(約0ppmのピーク)の両方で存在することを示した(図4)。スキャンの数は48000であった。
【0047】
触媒の2質量%のパラジウムを次に、実施例1と同じ方法に従って触媒担体へ沈着させた。
この触媒のWD−XRF分析は、実施例1の触媒について得られた結果に匹敵する、1.7質量%のナトリウム、3.7質量%のアルミニウムおよび41質量%のケイ素の含有率を示した。
重量測定によって測定される、触媒中のパラジウムの量は18.7g/kgであった。
この触媒の光学顕微鏡分析は、触媒担体粒子の幾つかの上にはパラジウム沈着が全くなく、こうして比較例6に従って調製した触媒担体を使用したときに触媒担体上へのパラジウムのあまり良くない固定が起こることを示した(図5)。
【0048】
アニリンへのニトロベンゼンの水素化における実施例1および比較例6に従って調製した触媒の活性の比較
実施例1および比較例6に従って調製した触媒を、アニリンへのニトロベンゼンの水素化反応で試験した。1150ミリバール(ミリバール絶対)または150ミリバール(ミリバール相対)の圧力下に、および撹拌(ガス効果タービン)下に、55℃の温度で、20g/lの濃度で、非極性溶媒中で行った。(作業溶液の1kg当たりの標準リットル単位で表される)水素ガス吸収量を2つの触媒について測定した(図6)。これは、比較担体をベースとする触媒(比較例6)よりもむしろ、本発明の担体をベースとする触媒(実施例1)を使用したときにより良好な結果が得られることを明確に示す。
【0049】
アルキルアントラヒドロキノンおよびアルキルテトラヒドロアントラキノンへのアルキルアントラキノンの水素化における実施例1および比較例6に従って調製した触媒の活性の比較
アルキルアントラヒドロキノンおよびアルキルテトラヒドロアントラキノンへのアルキルアントラキノンの水素化を、1150ミリバール(ミリバール絶対)または150ミリバール(ミリバール相対)の水素ガスの圧力下に、55℃の温度で、水で飽和された極性溶媒(20質量%)と非極性溶媒(80質量%)との混合物中で行った。アルキルアントラキノンの濃度は約70g/1kgの作業溶液(溶媒の混合物)であり、触媒の量は作業溶液の約0.6質量%であった。
(作業溶液の1kg当たりの標準リットル単位で表される)水素ガス吸収量を2つの触媒について測定した(図7)。これは、比較担体をベースとする触媒(比較例6)よりもむしろ、本発明の担体をベースとする触媒(実施例1)を使用したときにより良好な結果が得られることを明確に示す。
【0050】
実施例1および比較例6に従って調製した触媒で得られた結果を下表にまとめる。アルキルアントラヒドロキノンへのアルキルアントラキノンのおよびアルキルテトラヒドロアントラキノンへのアルキルアントラヒドロキノンの転化の速度は、10-4-1-1および10-6-1-1(「触媒の1グラム当たり」に相当するg-1)単位でそれぞれ表す。
【0051】
【表2】

【0052】
改良および修正は、本発明の範囲から逸脱することなく行われ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)シリカ、酸化ゲルマニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたはそれらの混合物からなる群から選択される第1酸化物と、
(2)第3族金属酸化物と、
(3)触媒担体の10質量%以下の量での陰イオンと
を少なくとも含む非晶質触媒担体であって、前記第3族金属酸化物が分子レベルで前記第1酸化物構造中に組み込まれている触媒担体。
【請求項2】
前記第3族金属酸化物が、NMR分析によって示される、四面体配置で存在する、請求項1に記載の触媒担体。
【請求項3】
前記第1酸化物が、シリカ、好ましくはシリカゲルビーズ、またはケイ藻土を含み、前記第3族金属酸化物がアルミナを含む、請求項1または2に記載の触媒担体。
【請求項4】
前記シリカゲルビーズの平均直径が20〜4000μmである、請求項3に記載の触媒担体。
【請求項5】
前記第3族金属酸化物の濃度が触媒担体の1〜50質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の触媒担体。
【請求項6】
前記陰イオンが、Cl-、(CO32-、(SO42-、NO3-およびそれらの混合物から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の触媒担体。
【請求項7】
陰イオンの量が多くとも5質量%、好ましくは多くとも3質量%、より好ましくは多くとも2.5質量%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の触媒担体。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の触媒担体と、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、金、銀またはそれらの混合物からなる群から選択される触媒活性成分とを含む触媒。
【請求項9】
前記触媒活性成分がパラジウムである触媒であって、過酸化水素の製造のためのアルキルアントラキノン法における水素化反応の触媒作用に使用される、請求項8に記載の触媒。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の触媒担体の調製方法であって、
(a)前記第1酸化物、好ましくはシリカゲルビーズまたはケイ藻土を、第3族金属酸化物の無水源、および水と11より上のpHで混合し、こうして懸濁液を形成する工程と、
(b)任意選択的に前記触媒担体を水で洗浄する工程と、
(c)前記触媒担体を水から分離する工程と、
(d)任意選択的に前記触媒担体を乾燥させる工程および/またはカ焼する工程と
を含む方法。
【請求項11】
工程(a)の温度が30〜90℃の、好ましくは55〜85℃の範囲にある、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第3族金属酸化物の無水源が金属−[第3族金属]酸化物、好ましくはアルミン酸ナトリウムを含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
工程(a)における混合物が5〜90分間、好ましくは15〜60分間撹拌される、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
還元反応、特に水素化反応、より好ましくは過酸化水素の製造のためのアルキルアントラキノン法における水素化反応を触媒するための触媒としての触媒活性成分と請求項1〜9のいずれか一項に記載の触媒担体との使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−536572(P2010−536572A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522362(P2010−522362)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【国際出願番号】PCT/EP2008/061239
【国際公開番号】WO2009/027439
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(591001248)ソルヴェイ(ソシエテ アノニム) (252)
【Fターム(参考)】