説明

触媒格納装置

粒状触媒を収容しうる環状空間を規定する2つの同心有孔部材及び前記有孔部材の末端に取り付けられた2つのプロセス流体不透過性末端部材を含む、アンモニア酸化槽の使用に好適な触媒格納装置が記載されている。ここで、一方の末端部材は前記装置全体に延びて閉じた末端を提供し、他方の末端部材は前記環状空間を閉じ、それによりガスが前記装置を出入できる開いた末端と、前記装置を反応槽内に固定する一方又は両方の末端部材に取り付けられた懸垂手段を提供する。前記装置は、望ましくは、貴金属アンモニア酸化細目網容器の下方に懸垂し、好ましくは粒状アンモニア酸化触媒又は亜酸化窒素低減触媒を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は触媒、特にアンモニア酸化槽で用いる触媒を格納する装置、及びこの装置を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アンモニアの酸化は、空気を用いて行われ一酸化窒素(硝酸の製造(オストワルド法)に使用される)を生成するため、あるいは、空気とメタンを用いてシアン化水素を生成(アンドリュッソー法)するために工業的に実施される。いずれの方法においても、反応ガスを混合し、酸化反応を触媒する白金/ロジウム細目網の容器が置かれている反応槽に高温高圧で通す。この細目網は通常円形であり、反応槽を通るガスの流れに垂直に細目網を保持する枠又はかごに支えられている。触媒容器は揮発した白金を捕獲する作用を持つ「捕獲細目網(catchment gauzes)」として知られる1枚以上の高パラジウム含量の細目網も含んでもよい。
【0003】
近年、触媒容器に使用する白金の量を節約したいという要求があり、貴金属細目網と微粒子金属酸化物触媒の両方を併用した触媒配置が試験されてきた。WO99/64352には、アンモニアと空気との高温の混合物を元素状フィラメント形態の少なくとも一種の貴金属で構成される1枚以上の細目網を含む触媒に供給し、得られたガス混合物を、細目網の下に置かれた粒状酸化コバルト含有触媒の層内に通す方法が記載されている。
【0004】
更に、使用されるアンモニア酸化工程における亜酸化窒素(NO)の発生が強力な温室効果ガスとして厳しい目にさらされるようになり、亜酸化窒素低減触媒も貴金属アンモニア酸化触媒の下の層としてアンモニア酸化槽に含まれてきている。例えば、WO99/07638では、白金細目網触媒の存在下でアンモニアを空気で燃焼し、得られたガスをアンモニア酸化反応槽中の細目網の下でかつ熱回収手段の上に配置した特定の金属又は金属酸化物でドープしたセラミックを含む亜酸化窒素分解触媒の床の層内に通すことでアンモニアを酸化することが提案されている。同様に、WO00/13789には、アンモニア酸化反応槽内に白金細目網の直後に亜酸化窒素分解触媒としてLa、Cr、Mn、Fe、Co、Ni及びCuの酸化物から選択される金属酸化物を使用する同様な方法について記載されている。
【発明の概要】
【0005】
これらの場合のいずれにおいても、貴金属細目網の下方の層に粒状触媒を置くことによりガスの流れに対する抵抗が増加するという問題が存在している。そのため反応槽内の圧力損失が増え加圧コストが増加する。その上、高圧、例えば7気圧を超えて操作する工程では、反応剤と粒状触媒の間の接触時間は圧力損失の問題を軽減する目的で使用する薄い床では不十分と考えられる。従って、これらの問題を克服する触媒配置を提供する必要がある。
【0006】
従って、本発明は、アンモニア酸化槽での使用に好適な触媒格納装置であって、粒状触媒を収容しうる環状空間を規定する2つの同心有孔部材、及び、有孔部材の末端に取り付けられたプロセス流体不透過性末端部材、を含み、一方の末端部材は装置全体に延びて閉じた末端を提供し、他方の末端部材は環状空間を閉じ、それによりガスが装置を出入できる開いた末端、及び、装置を反応槽内に固定することができる一方又は両方の末端部材に取り付けられた懸垂手段、を提供する、触媒格納装置を提供する。
【0007】
従って、触媒格納装置はガスを粒状触媒の中を放射状に通す方法を提供する。放射流反応槽は既知であるが、本発明者の知る限り、装置を反応槽内に固定する懸垂手段として末端部材が機能する触媒格納装置を含むものはない。その上、本発明者の知る限り、放射流触媒床構造がこれまでアンモニア酸化槽に用いられたことはない。放射流装置によって同じ粒子触媒体積に対して圧力欠損を小さくできる、あるいは同じ圧力欠損に対しては触媒を増量することができ、従って、オペレーターに操作の自由度の増大と加圧コストの削減を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、外向きの放射流を提供するように配置された末端部材を伴う第1の態様による触媒格納装置の側断面図である。
【図2】図2は、内向きの放射流を提供するように配置された末端部材を伴う第2の態様による触媒格納装置の側断面図である。
【図3】図3は、外向きの放射流を提供するように配置された末端部材を伴う触媒格納装置を有するアンモニア酸化槽の側断面図である。
【図4】図4は、かごに担持された貴金属細目網と外向きの放射流を提供するように配置された末端部材を伴う前記かごから懸垂された触媒格納装置とを含む触媒組み合わせを有するアンモニア酸化槽の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
前記有孔部材は、好適には、触媒を収容するのに十分な構造と強度を有する円筒形の網目、又は複数の孔を有する板である。円筒形の鋼鉄の網目を用いてもよい。「鋼鉄(steel)」という用語は、Ni系材料等の非鉄系合金を含む好適な高温安定性合金を意味する。好ましい一態様において、一方又は両方の有孔部材は1枚以上の白金触媒細目網、及び/又はパラジウム製捕獲細目網を含む。この場合には、有孔部材を作製するために使用する貴金属細目網は矩形でもよく、従って同じ表面積の円形貴金属細目網よりも製作時の廃棄量を少なくできるという利点がある。複数の触媒及び/又は捕獲及び/又は鋼鉄細目網を用いてよく、それらは同じでも異なってもよい。末端部材は好適に鋼板から製作でき、好ましくは、触媒を装填及び取り外しできるように有孔部材に取り外し可能に搭載する。有孔部材が円筒形である場合、閉じた末端部材は少なくとも外側の有孔部材の直径を有する円形であり、開いた端部は最大でも内側の有孔部材の直径に等しい直径の中心孔を持つ環状であればよい。懸垂手段は一方又は両方の末端部材に取り付けてもよい。好ましくは、懸垂手段を、装置の開いた末端を形成する末端部材を延長して設けてもよい。装置を反応槽の中に置いた場合、末端部材はまた所望の方法で格納装置を通るガスの流れの方向付けをするように傾いていてもよい。更に、ガスの流れが触媒を放射状に通るように方向付けるために邪魔板を装置に設けてもよい。例えば、閉じた末端部材には円錐形の邪魔板を置いてもよい。
【0010】
格納装置を通るガスの流れは放射状で内向き、即ち装置の周辺部から中心に向かって、あるいは放射状で外向き、即ち中心部から周辺に向かう。設計を単純にするには外向きの放射流が好ましい。この場合、邪魔板は熱遮蔽板として機能し、装置を出る熱ガスがアンモニア酸化槽の内壁と直接接触するのを防ぐのが望ましい。
【0011】
槽を通る流れは上向流でも下向流でもよい。
粒状触媒は好ましくは、アンモニア酸化触媒、亜酸化窒素低減触媒、又はそれらの混合物もしくは層状組み合わせである。当然であるが、必要に応じ、追加の有孔部材を格納装置内の粒状触媒の層を分離するために使用してもよい。
【0012】
粒状触媒は、好ましくは、ペレット、球、環、円筒、多孔押出物等の形状を有する成形体であり、丸い突起や溝が付いていてもよく、最大と最小の寸法が1.5〜20mm、特に3〜10mmの範囲にある。成型ユニットのアスペクト比、即ち最大寸法の最小寸法に対する比は2未満が好ましい。
【0013】
一態様において、粒状触媒はアンモニア酸化触媒である。アンモニア酸化触媒は、白金族金属触媒(担持されていてもよく、例えば、Rh系及び/又はIr系触媒)であってよく、あるいは卑金属もしくは卑金属酸化物であるか又はこれらを含んでもよく(特に卑金属が遷移金属もしくは希土類金属の場合)、また、例えば、鉄、ニッケル、銅、コバルト、マンガン、銀、担持白金、担持パラジウム、もしくは担持ルテニウムを含んでもよい。触媒は、また一種以上の卑金属と一種以上の貴金属との混合物であってもよい。従って、本発明での使用に好適なアンモニア酸化触媒としては、コバルト含有アンモニア酸化触媒及びコバルト非含有アンモニア酸化触媒及びこれらの混合物が挙げられる。これらに含まれるものとしては、Au、担持PGM触媒、La、Co(所望により少量のLiOを含む)、特定のスピネル(例えば、CoAl)、特定の置換ABO物質、特定のペロブスカイト(例えば、LaCoO、A−部位の部分置換(例えば、最大で20モル%)が例えばSrもしくはCeでなされているLaCoO、あるいはB−部位の部分置換(例えば最大で50モル%)が例えばCuでなされているLaCoOを含む)、LaCoO;アルミナ、トリア、セリア、酸化亜鉛、もしくは酸化カルシウム表面に担持されたCo;希土類元素もしくはトリウムによって促進され、所望によりMn、Fe、Mg、Cr、もしくはNbの酸化物の一種以上を含有するCo又はBi、及びPtを担体表面に含んだCoOが含まれる。
【0014】
好ましい態様において、触媒格納装置は粒状亜酸化窒素低減触媒を格納するために用いられる。亜酸化窒素分解触媒は担持金属、純金属酸化物もしくは混合金属酸化物、又はゼオライト系(例えば、Kapteijnら、Applied Catalysis B:Environmental、9巻、1996年、25〜64頁の中の30〜32頁、及びその中の参考文献に記載されたもの)でもよい。本発明で使用される担持金属亜酸化窒素低減触媒としては、マグネシウム(Mg)もしくはカルシウム(Ca)等のアルカリ土類金属の酸化物、アルミナ、シリカ、チタニア、又はジルコニアの成型物に担持されたロジウム、ルテニウム、パラジウム、クロム、コバルト、ニッケル、鉄及び銅の一種以上が挙げられる。担持金属亜酸化窒素分解触媒への金属の充填は金属の活性と用いる担体の性質に依存する。金属の充填は1%重量以下でもよいが、20重量%を超えてもよい。担持金属触媒により、反応条件で酸化物相が形成できる。従って、好適な亜酸化窒素分解触媒としては、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu(II))、ランタン(La)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バナジウム(V(III))、ハフニウム(Hf),マンガン(Mn(III))、セリウム(Ce)、トリウム(Th)、スズ(Sn)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、及びカドミウム(Cd)の酸化物が挙げられ、好ましくは、Rh、Ir、Co、Fe、及びNiの酸化物が挙げられる。本発明に使用できる担持金属酸化物としては、上記の純酸化物のいずれでもよく、特に、マグネシウムもしくはカルシウム等のアルカリ土類金属の酸化物、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア又はセリア表面に担持されたFe、Cr(III)、Mn(III)、Rh、Cu、及びCoの酸化物が挙げられる。好ましくは、担持酸化物は、0.5〜50重量%の純粋金属酸化物触媒を含む。
【0015】
亜酸化窒素分解触媒として効果のある混合金属酸化物としては、ドープ酸化物または固溶体、スピネル、パイロクロア及びペロブスカイトが挙げられる。本発明の方法に使用できるその他の有用な混合酸化物触媒としては、Co、Ni、Cu、La、Mg、Pd、Rh、及びRuを含む遷移金属変性ハイドロタルサイト構造体、及びマグネシアもしくはアルミナ中にCo(II)酸化物及びMn(III)酸化物を含む固溶体が挙げられる。
【0016】
また、好ましい混合酸化物の亜酸化窒素分解触媒は、スピネル及びペロブスカイトである。本発明で使用できるスピネル触媒は、式Mであってもよく、式中、MはCo、Cu、Ni、Mg、Zn及びCaから選択され、Mは、Al、Cr又はCo(及びCoも含む)から選択され、CuCo3−x(式中、x=0〜1である)、Cox’Mg1−x’Al(式中、x’=0〜1である)、Co3−x’’Fex’’又はCo3−x’’Alx’’(式中、x’’=0〜2である)。好ましい亜酸化窒素低減触媒はWO02/02230に記載されている。この触媒は、酸化セリウム担体表面に0.1〜10mol%Co3−xを含み、式中、MはFe又はAlであり、X=0〜2である。この触媒は、また、0.01〜2重量%のZrOを含有してもよい。好適なコバルトを含有しないスピネル触媒はCuAlである。
【0017】
ペロブスカイト亜酸化窒素分解触媒は、一般式ABOにより表すことができ、式中、AはLa、Nd、Sm及びPrから選択することができ、BはCo、Ni、Cr、Mn、Cu、Fe及びYから選択することができる。A−部位の部分置換(例えば、最大で20mol%)を2価又は4価カチオン、例えばSr2+又はCe4+で実施して、更に有用な亜酸化窒素分解触媒を提供することができる。更に、必要に応じて一つのB−部位元素(例えば、最大で50mol%)ともう一つの部分置換を実施して、更に有用な亜酸化窒素分解触媒を提供することができる。好適なペロブスカイト触媒としては、LaCoO、La1−xSrCoO、La1−xCeCoO(式中、x≦0.2)及びLaCuCo1−y(式中、y≦0.5)が挙げられる。
【0018】
好ましい亜酸化窒素分解触媒は、担持Rh触媒、及びスピネル又はペロブスカイト構造中のCo、Mn、Fe、Cu、Cr及びNi、好ましくはCoの一種以上の担持又は非担持の純粋金属酸化物及び混合金属酸化物である
好ましい態様において、亜酸化窒素分解触媒は効果的なアンモニア酸化触媒でもある。従って、本発明者らは、触媒装置内に保護材料を収容するために、アンモニア酸化触媒及び亜酸化窒素分解触媒のいずれとしても作用する触媒の使用が触媒装置の設計及び構築で実用面の利点をもたらすことに気が付いた。従って、特に好ましい亜酸化窒素分解触媒は、例えば、欧州特許第EP−B−0946290号に記載されているような、コバルトや他の金属、特に希土類の酸化物を含む粒状組成物である。これらのコバルト含有触媒は、それら自体で非常に活性なアンモニア酸化触媒であるという点で更に有利である。好ましい触媒は、(a)セリウム及びプラセオジムから選択される少なくとも一つの元素Vv及び価数が変化しない希土類及びイットリウムから選択される少なくとも一つの元素Vnと(b)コバルトとの酸化物を含み、前記コバルト並びに元素Vv及びVnは、(元素Vv+元素Vn)のコバルトに対する原子比が0.8〜1.2の範囲の割合であり、前記酸化物の少なくともいくらかは遊離コバルト酸化物として存在する30(原子)%未満のコバルトを含む混合酸化物相として存在する。コバルトの25(原子)%未満が遊離コバルト酸化物として存在するのが好ましく、特にコバルトの15(原子)%未満がコバルト一酸化物CoOとして存在するのが好ましい。種々の相の割合は、X線回折(XRD)又は熱重量分析(TGA)により決定することができ、熱重量分析の場合には、空気中で、約930℃で起こるCoの特徴的な熱分解に伴う重量損失を利用する。組成物の好ましくは10重量%未満、特に5重量%未満が遊離コバルト・コバルト酸化物であり、2重量%未満が遊離コバルト一酸化物である。
【0019】
従って、Vv、Vn、(VvVn1−x又はVvVn1−x等の他の相と混合したペロブスカイト相、例えば、VnCoO又はVvCoOであってもよい。特に好ましい触媒は、La1−xCeCoO物質である。そのような触媒は、本明細書中に参照として含まれる欧州特許第EP−B−0946290号の実施例2及び3に従って製造できる。
【0020】
格納装置を独立型装置として反応槽に置いてもよいが、その装置は、貴金属アンモニア酸化触媒と組み合わせて用いることが好ましい。従って、本発明は支持構造上の貴金属アンモニア酸化触媒細目網と触媒格納装置中に配置された粒状触媒とを含む触媒の組み合わせを更に提供する。
【0021】
貴金属細目網は、貴金属フィラメントを織る又は編む、あるいは別の方法で細目網様構造体に成形することによって形成することができる。そのような触媒細目網は十分に確立されており、長方形の隙間を提供するように織られているか、規則正しいループ構造を提供するように編まれているか、あるいは不織の不規則構造体を提供するように単に凝集させたかの0.02〜0.15mmの厚さの白金もしくは白金合金フィラメントから成っていてもよい。本明細書において、「フィラメント」という用語は、実質的に円形の断面を有するワイヤ、及び扁平な、別の形状で非円形断面を有するワイヤも含むものとする。織り細目網は十分に確立されており、通常、1平方センチメートル当たり1024個の狭い隙間を提供するように織られ、かつワイヤ組成に応じて単位面積当たりの比重量で製造した0.076mm直径のワイヤを含む。編み細目網は、触媒の物理的特性、触媒活性及び寿命において多くの利点を提供する。編み細目網は規則正しいループ構造を含み、織った材料と同じ範囲の直径を有し、トリコット、ジャカード、サテンステッチ(平滑な沈みループ)及びラッシェル等の種々のステッチを用いた様々な形状及び厚さのワイヤを使用して形成することができる。欧州特許第EP−B−0364153号、3頁、第5行〜第56行には、本発明の特別な仕様の編み細目網が記載されている。不織細目網も、イギリス特許第GB2064975号及び同第GB2096484号に記載されている。
【0022】
貴金属アンモニア酸化触媒が、好ましくは、白金(Pt)、又は85重量%以上、好ましくは90重量%以上のPtを含有するロジウム(Rh)及び/又はパラジウム(Pd)との白金の合金等の白金合金である。硝酸又はシアン化水素の製造のアンモニア酸化で使用される合金としては、10%Rh90%Pt、8%Rh92%Pt、5%Pd5%Rh90%Pt及び5%Rh95%Ptが挙げられる。約5%までのイリジウム(Ir)を含有する合金も、本発明で使用することができる。貴金属触媒は、亜酸化窒素副生成物の形成を減らすように配合するのが望ましく、従って、ロジウム(Rh)含有量が多くてもよく、又はコバルト(Co)等の他の成分を含んでもよい。
【0023】
通常の硝酸プラントにおいて、使用する細目網の数はこの方法を操作する圧力に依存する。例えば、低圧、例えば約5バール(絶対値)以下で操作するプラントでは、通常は10枚未満、多くの場合には3〜6枚の細目網を使用し、高圧、例えば20バール(絶対値)以下では、通常は20枚未満、多くの場合には35〜45枚のより多くの細目網を使用することができる。通常は円形であるこの細目網は、反応槽に個々に組み込んでもよく、あるいは外周で溶接ができる何枚かの細目網を含むパッドに予め形成しておいてもよい。このパッドは、織り細目網と編み細目網、あるいは場合によっては不織細目網との組み合わせを含むこともでき、元素組成は同一又は異なっていてもよい。織り細目網が隣接して存在する場合、取り替え易くするために、これらの縦糸又は横糸が互いに45゜の角度になるように配置するのが好ましい。ガス流路形成の機会を減らすために、隣接する織り細目網間の角変位を好適には90゜としてもよい。
【0024】
パラジウムを主成分とする捕獲細目網を、化学作用、蒸発あるいは機械的損失によって貴金属触媒から失われた「気化した」白金のいわゆる「ゲッター」又はコレクターとして機能させるように、アンモニア酸化プラントで使用するのが望ましい。そのような捕獲細目網は、貴金属触媒に関して上述したものと類似の織り細目網もしくは編み細目網又は凝集不織細目網の形状であってもよい。細目網に存在する全てのパラジウムは、その上を通過する気化した白金を捕獲することができるので、捕獲細目網のパラジウム含有量は重量で10〜95%以上、好ましくは40%超、より好ましくは70%超であってもよい。パラジウムを主成分とする1枚以上の捕獲細目網を使用することができる。この捕獲細目網を、個別に貴金属触媒細目網の下に設けるか、あるいは貴金属触媒パッドの一部として下部もしくは最終の細目網を形成してもよい。この捕獲細目網は、例えば、上記欧州特許第EP−B−0364153号に従って編んでもよく、あるいは編まれたパッド中の層等の貴金属触媒の編み構造中の単数又は複数の層を形成してもよい。別の方法として、このパラジウムを主成分とする保護材料を、織る又は編む工程でフィラメントとして使用して織って又は編んで貴金属アンモニア酸化触媒細目網にする。細目網構造に織る又は編むために好適なパラジウムを主成分とする保護材料は、パラジウム又は、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)もしくは金(Au)とのパラジウム合金である。例えば、捕獲細目網は、PdとNiが重量%比で95:5の合金から製造することができる。更に、このパラジウムを主成分とする保護材料は、亜酸化窒素副生成物の形成を減少させるように配合するのが望ましく、従って好ましくは少量、例えば5%未満のロジウム(Rh)を含むのが好ましい。特に、ある量の白金とロジウムとを含むパラジウム細目網を使用することができる。そのような細目網は、例えば、92重量%超のパラジウム、2〜4重量%のロジウム、及び残りは白金を含む、あるいは82〜83重量%パラジウム、2.5〜3.5重量%ロジウム、及び残りは白金を含んでもよい。このパラジウムを主成分とする材料以外にも、アルミナやジルコニア等の不活性耐熱材料を含むセラミック繊維を織って又は編んで捕獲細目網にすることもできる。
【0025】
細目網の支持構造は現在使われているものであればどれでもよく、槽内全体に延びる単純な桁支持配置物とアンモニア酸化槽内に懸垂された円筒状装置の基部に貴金属細目網が担持されているいわゆる「かご」とが含まれる。
【0026】
格納装置は貴金属細目網の支持構造と分離していてもよいが、好ましい一態様において、懸垂手段を用いて格納装置を貴金属支持構造に固定してもよい。特に好ましい配置において、触媒格納装置は貴金属触媒かごから懸垂される。
【0027】
触媒格納装置は、それを収容できる好適な空間を有するいかなるアンモニア酸化槽にも設けることができる。あるいは、空間を好適に使えるように槽を改良することもできる。様々な大きさのアンモニア酸化槽があるが、通常は内径が0.5〜6メートルの範囲であるドーム型の円筒形槽である。本発明の触媒格納装置をこれらの反応槽に合うように作製してもよい。例えば、直径が1.5mの槽では、この装置によってできる環状空間は幅が180mmで、高さが700〜750mmである。このようにしてできる触媒体積は、もし従来のように貴金属細目網容器の下方に層として設けた場合には、非常に大きな圧力損失をもたらすと考えられる。
【0028】
触媒格納装置は貴金属細目網の下に置いてもよく、それにより、ガスは頂辺の吸気口を通しアンモニア酸化槽に入り、次に垂直(即ち、軸方向)下方に貴金属触媒層内を通り、格納装置の開いた末端に入り、次いで格納装置に置いた粒状触媒内を放射状に通り、次に装置の底部から出て、アンモニア酸化槽から底部の排気口を経て抜ける。上向流槽では配置は逆向きである。
【0029】
貴金属細目網と粒状触媒との組み合わせを用いる場合、本発明は、貴金属触媒の下に触媒格納装置を懸垂することを含むアンモニア酸化槽の改造方法を更に提供する。
本発明は、アンモニア、空気等の酸素を含有するガス、及び所望によりメタンを含有するガスを含む混合ガスを、触媒格納装置に配置した粒状触媒内に通す段階を含むアンモニア酸化方法を更に提供する。
【0030】
好ましくは、この方法は、アンモニア、空気等の酸素を含有するガス及び所望によりメタンを含有するガスを含む混合ガスを、支持構造上の貴金属触媒細目網及び触媒格納装置に配置した粒状触媒内に通すことを含む。
【0031】
硝酸の製造でのアンモニアの一酸化窒素への酸化において、酸化工程は、750〜1000℃、特に850〜950℃の温度、1(低圧)〜15(高圧)バール(絶対値)の圧力、空気中のアンモニア濃度7〜13体積%、多くの場合には約10体積%で操作することができる。シアン化水素の製造のためのメタン存在下での空気によるアンモニアの酸化、即ちアンドリュッソー法でも操作条件は同様である。本発明は、中圧及び大気圧のプラントでは細目網の下に通常ある熱回収手段を移動や調節する必要なく、格納装置が槽に容易に配置できるので、特に6〜15バール(絶対)、特に7〜15バール(いわゆる高圧装置)の範囲で操作するアンモニア酸化反応槽の方法に好適である。
【0032】
これまで述べてきた操作条件のもとでは、貴金属触媒細目網内を通してアンモニアを完全に酸化することが常套手段であり、必要に応じて、得られた窒素酸化物を亜酸化窒素分解触媒の床の上を通していた。処理効率の低下以外にも、この方法とは違う操作をすると、爆発性の硝酸アンモニウムが生成する可能性のある一酸化窒素吸収剤にアンモニアを通す(即ち、「アンモニアスリップ」)という極めて望ましくない危険にオペレーターは曝される。効果的なアンモニア酸化触媒でもある亜酸化窒素分解触媒を触媒装置に組み込むことによって、貴金属触媒に供給されるアンモニアの内の制御された分量を亜酸化窒素分解触媒に通すことが可能になる。これによって、必要な貴金属触媒の量を減らすことが可能になるか、おそらく、より多くの流量のアンモニアが利用可能になる。更に、今まで参照してきたように、従来の貴金属細目網触媒は使用時に白金を失い、最終的には、これにより転換の低下をもたらし、アンモニアスリップの危険性の増加が十分に引き起こされる。好ましい条件下では、本発明により、貴金属触媒を置き換えるために遮断する前の触媒寿命、即ち「作用期間」を延ばすことができる。なぜなら、好ましい亜酸化窒素分解触媒はアンモニアの酸化を触媒するのに効果的だからである。そのように作用期間が延びることはプラントオペレーターにとって極めて重要であり、非常に望ましいことである。
【0033】
本発明の方法は粒状の亜硝酸低減触媒が触媒格納装置に設けられている場合には、1600ppm未満、好ましくは600ppm未満、より好ましくは500ppm未満、最も好ましくは200ppm未満の総NOレベルを提供することができる。更に本発明の触媒装置を使用することによって、アンモニア酸化工程の作用期間を例えば10%以上、好ましくは20%以上延ばすことができる。
【0034】
従って、低圧アンモニア酸化工程に関しては、本発明の触媒装置は、1又は2枚の貴金属アンモニア酸化触媒細目網、続いて1枚以上のパラジウム製捕獲細目網、続いて酸化コバルト含有亜酸化窒素分解触媒の成形体の放射流床を含むことができる。同様に、高圧プラントでは、15枚未満、例えば10枚の貴金属アンモニア酸化触媒細目網、続いて捕獲細目網及び酸化コバルト含有亜酸化窒素分解触媒の床を含むことができる。このように、例えば、触媒装置は、10枚以下の白金又は白金合金アンモニア酸化触媒細目網、1枚以上のパラジウム製捕獲細目網、及び混合金属希土類コバルトペロブスカイト触媒の成形体の放射流床を含むことができる。好ましい一態様では、触媒装置は、10枚以下の白金又は白金合金アンモニア酸化触媒細目網、続いて1枚以上の5重量%未満のRhを含むパラジウム製捕獲細目網、続いて好ましくは欧州特許第EP−B−0946290号に記載の混合金属希土類コバルトペロブスカイト触媒の成形体の放射流床を含む。
【0035】
本発明について、更に以下の図を参照して説明する。
図1は、外向きの放射流を提供するように配置された末端部材を伴う第1の態様による触媒格納装置の側断面図であり、図2は、内向きの放射流を提供するように配置された末端部材を伴う第2の態様による触媒格納装置の側断面図であり、図3は、外向きの放射流を提供するように配置された末端部材を伴う触媒格納装置を有するアンモニア酸化槽の側断面図であり、図4は、かごに担持された貴金属細目網と外向きの放射流を提供するように配置された末端部材を伴う前記かごから懸垂された触媒格納装置とを含む触媒組み合わせを有するアンモニア酸化槽の側断面図である。
【0036】
図1において、触媒格納装置は、鋼鉄網、及び/又は1枚以上の白金酸化触媒細目網、及び/又は1枚以上のパラジウム製捕獲細目網で形成され、粒状アンモニア酸化触媒及び/又は亜酸化窒素低減触媒16を収納できる空間14を規定する、内側及び外側の同心円筒形網10、12を含む。前記網10、12は、装置の幅方向の全域に渡って水平に延び、閉じた末端を形成する円形の鋼鉄シート18上に取り付けられている。シート18の上面で内側の円筒形網10の内部には、装置内にガスを放射状に通させるように機能する円錐形の邪魔板20が取り付けられている。環状空間14は内側の網の直径に対応する中央孔を有し、開孔末端を形成する輪状の鋼鉄末端部材22によって網10,12の他方の末端で閉じられている。末端部材22は、外側の網から内側の網に向かって下方に約45度の角度で曲げられている。懸垂アーム24は、外側の網12から輪状部材22の縁を垂直に延ばすことにより形成されている。懸垂アーム24は装置を反応槽に組み込めるように、その先端にフランジ26を有する。ねじ付きの鋼鉄棒(不図示)は末端部材18、22を連結し、触媒を装填及び取り外すために装置を分解できるようにしている。
【0037】
使用中は、ガスは輪状の末端部材22の中央孔を通って装置に入り、網10、触媒16、及び網12を通り、次いで装置から出ていく。
図2において、触媒格納装置は、鋼鉄網、及び/又は1枚以上の白金酸化触媒細目網、及び/又は1枚以上のパラジウム製捕獲細目網で形成され、粒状アンモニア酸化触媒及び/又は亜酸化窒素低減触媒36を収納しうる空間34を規定する、内側及び外側の同心円筒形網30、32を含む。網30、32は、内側の網の直径に対応する中央孔を有し、開いた末端を形成する円形の鋼鉄末端部材38に取り付けられている。前記装置は、網30、32の他方の末端において、前記網に水平に取り付けられ、装置の幅全域に渡って延び、閉じた末端を形成する円形の鋼鉄シート末端部材40を有する。シート40の上面でその幅全域に延びているのが、円錐形邪魔板42である。懸垂アーム44は、輪状末端38の両面を水平に延ばし、次に外側の網32から垂直に末端部材40の上方まで延ばして形成されている。このように懸垂手段を設けることで、外側の網32の周りに周辺環状空洞46が得られ、そこを通ってガスが装置の中に流れることができる。懸垂アーム44は装置を反応槽に組み入れるために、その先端にフランジ48を有する。ねじ付きの鋼鉄棒(不図示)は末端部材38、40を連結し、また、触媒を装填及び取り外すために装置を分解できるようにする。
【0038】
使用中には、ガスは環状空洞46を通って装置に入り、網32、触媒36、及び網30を通り、それから輪状部材38の中央孔を経て装置から出る。
図3において、円筒形アンモニア酸化槽は、吸気口64付きのドーム型上部62及び排気口68付きのドーム型下部66を含む。フランジ継ぎ手70は上部と下部を連結する。槽内のこの継ぎ手70から懸垂されているのは、図1に示すような触媒格納装置であり、その中で網10が複数の白金アンモニア酸化触媒細目網を含む。網10の触媒側も1枚以上のパラジウム製捕獲細目網を有し、前記網は更に1枚以上の強化鋼鉄網を含んでもよい。網12は、好ましくは鋼鉄網である。下部66の内部壁への圧力を低減するために、側邪魔板即ち熱遮蔽板72が触媒格納装置の外面の周りで、外側の網12と槽66の内壁との間に設けられている。側邪魔板72は装置から出てくるガスが容易に通過して槽の下部に行くように都合よく懸垂手段24から懸垂され、外側の網から離間している。
【0039】
使用中には、所望によりメタンを含むアンモニアと空気の混合物を高温高圧で吸入口64を下向きに通過させ、部材22により方向を変え、触媒格納装置の開いた末端を通過させる。次に、ガスは邪魔板20の助けで放射状に触媒網10、粒状触媒16、及び鋼鉄網12を通過する。触媒網はアンモニアの酸化を触媒し、粒状触媒はアンモニア酸化反応を完結させること、及び/又は、初期の酸化段階に生成する亜酸化窒素の分解を触媒することができる。反応したガスは、次に装置から出て、囲い板72によって下方に曲げられ槽の下部66に向かい、次いで排出口68を通って槽から出る。
【0040】
図4において、円筒形アンモニア酸化槽は、吸気口104付きのドーム型上部102及び排気口108付きのドーム型下部106を含む。フランジ継ぎ手110は上部と下部を連結する。槽内のこの継ぎ手110から懸垂されているのは、複数の白金/ロジウムアンモニア酸化細目網及びそれより少数のパラジウム系捕獲細目網で構成されている貴金属細目網容器114を含む鋼鉄枠かごの形状の細目網担体112である。かご112から懸垂されているのは、図1に示すような触媒格納装置であり、その中で網10,12は鋼鉄網であり、懸垂手段24のフランジ26はかご112の下面から延長した突出部116に取り付けられている。下部106の内部壁への圧力を低減するために、側邪魔板又は熱遮蔽板118が、触媒格納装置の周りで、外側の網12と槽106の内壁との間に設けられている。側邪魔板は、懸垂手段24に固定され、装置から出てくるガスが容易に通過し槽の下部に行くように外側の網から離間している。
【0041】
使用中には、所望によりメタンを含むアンモニアと空気の混合物を高温高圧で吸入口104を通過させ、分配手段(不図示)によって触媒細目網容器114の表面全体に行き渡らせる。ガスは、アンモニア酸化反応が起こる細目網容器中を下方に(軸方向に)通る。次に、高温ガス混合物は下方に通過し、部材22により曲げられ、触媒格納装置の開口末端を通過する。次に、ガスは邪魔板20の助けで放射状に所望の反応が起こる網10、粒状触媒16、及び網12を通過する。所望の反応は、容器114を通過後も未反応で残存するアンモニアの酸化、及び/又は初期の段階に形成される亜酸化窒素の分解によるアンモニア酸化反応の完結であってもよい。反応したガスは次に装置を出て、側板118により下方に曲げられ槽の下部106を通り、次に排気口108を経て槽から出る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンモニア酸化槽での使用に好適な触媒格納装置であって、粒状触媒を収容しうる環状空間を規定する2つの同心有孔部材及び有孔部材の末端に取り付けられたプロセス流体不透過性末端部材を含み、一方の末端部材は装置全体に延びて閉じた末端を提供し、他方の末端部材は環状空間を閉じ、それによりガスが装置を出入できる開いた末端及び装置を反応槽内に固定することができる一方又は両方の末端部材に取り付けられた懸垂手段を提供する、触媒格納装置。
【請求項2】
有孔部材が円筒形鋼鉄網である、請求項1に記載の触媒格納装置。
【請求項3】
一方又は両方の有孔部材が、1枚以上の白金触媒細目網及び/又は1枚以上のパラジウム製捕獲細目網を含む、請求項1又は請求項2に記載の触媒格納装置。
【請求項4】
有孔部材が円筒形であり、閉じた末端部材が少なくとも外側の有孔部材の直径を持つ円形であり、開いた末端部材が最大で内側の有孔部材の直径に等しい直径の中心孔を持つ環状である、請求項1〜3のいずれかに記載の触媒格納装置。
【請求項5】
末端部材が、触媒を装填及び取り外しできるように有孔部材に取り外し可能に取り付けられた、請求項1〜4のいずれかに記載の触媒格納装置。
【請求項6】
懸垂手段が装置の開いた末端を形成する末端部材を延長することで提供される、請求項1〜5のいずれかに記載の触媒格納装置。
【請求項7】
ガスの流れが触媒を放射状に通るように方向付けるために、装置に邪魔板が設けられている、請求項1〜6のいずれかに記載の触媒格納装置。
【請求項8】
粒状アンモニア酸化触媒、粒状亜酸化窒素低減触媒、又はそれらの混合物もしくは層状組み合わせを含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の触媒格納装置。
【請求項9】
亜酸化窒素分解触媒が担持Rh触媒、又は、スピネルもしくはロブスカイト構造中に、Co、Mn、Fe、Cu、Cr及びNiの一種以上、好ましくはCoの担持もしくは非担持の純粋及び混合金属酸化物である、請求項8に記載の触媒格納装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の触媒格納装置中に配置された、支持構造上の貴金属アンモニア酸化触媒細目網及び粒状触媒を含む、触媒の組み合わせ。
【請求項11】
貴金属アンモニア酸化触媒が白金(Pt)、又は85重量%以上、好ましくは90重量%以上のPtを含有する白金のロジウム(Rh)及び/又はパラジウム(Pd)との合金等の白金合金である、請求項10に記載の触媒の組み合わせ。
【請求項12】
パラジウム製捕獲細目網が貴金属触媒の下に設けられる、請求項10又は請求項11に記載の触媒の組み合わせ。
【請求項13】
細目網の支持構造が、桁支持配置物を含むか、又は、貴金属細目網が円筒形装置の底部に担持されるかごである、請求項10〜12のいずれかに記載の触媒の組み合わせ。
【請求項14】
格納装置が、貴金属細目網の支持構造と分離されているか、又は、懸垂手段を用いて貴金属支持構造に固定されている、請求項10〜13のいずれかに記載の触媒の組み合わせ。
【請求項15】
アンモニア、空気等の酸素を含有するガス、及び、所望によるメタンを含有するガス、を含む混合ガスを、請求項1〜9のいずれかに記載の触媒格納装置中に配置した粒状触媒内に通すことを含む、アンモニア酸化方法。
【請求項16】
ガス混合物を請求項10〜14のいずれかに記載の触媒の組み合わせ内に通す、請求項15に記載のアンモニア酸化方法。
【請求項17】
アンモニア、空気等の酸素を含有するガス、及び、所望によるメタンを含有するガス、を含むガス混合物を、触媒格納装置に配置した、支持構造上の貴金属触媒に通し、次に粒状触媒に通すことを含む請求項15又は請求項16に記載のアンモニア酸化方法。
【請求項18】
750〜1000℃の温度、1〜15バール(絶対値)の圧力、空気中のアンモニア濃度が7〜13体積%で操作される、請求項15〜請求項17のいずれかに記載のアンモニア酸化方法。
【請求項19】
6〜15バール(絶対値)の範囲の圧力で操作される、請求項15〜請求項18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
存在する貴金属触媒細目網の支持構造の下に請求項1〜9のいずれかに記載の触媒格納装置を懸垂することを含む、アンモニア酸化槽を改造する方法。
【請求項21】
請求項1〜請求項9のいずれかに記載の触媒格納装置を存在する貴金属触媒細目網支持構造に固定することを含む、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−505743(P2012−505743A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531561(P2011−531561)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際出願番号】PCT/GB2009/051205
【国際公開番号】WO2010/046675
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(590004718)ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー (152)
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON MATTHEY PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】