計器直送システム
【課題】計器の供給業務を効率化でき、しかも計器の多量の出荷指示に対しても計器の迅速な供給を可能とする計器直送システムを提供する。
【解決手段】計器を梱包するための配送ケース30に設けられたICタグに計器情報を書き込む計器情報書き込みステーションST1と、ICタグに書き込まれた計器情報を読み取り計器が梱包された配送ケース30の一時保管の可否を判定する保管判定ステーションST2と、保管判定ステーションST2における判定結果に基づき計器が梱包された配送ケース30を一時保管する自動倉庫13と、計器の出庫指示情報に基づき自動倉庫13から出庫された配送ケース30のICタグに対して配送先情報を書き込む配送先情報書き込みステーションST3と、ICタグに書き込まれた計器情報および配送先情報の内容を印刷する印刷ステーションST4とを備える。
【解決手段】計器を梱包するための配送ケース30に設けられたICタグに計器情報を書き込む計器情報書き込みステーションST1と、ICタグに書き込まれた計器情報を読み取り計器が梱包された配送ケース30の一時保管の可否を判定する保管判定ステーションST2と、保管判定ステーションST2における判定結果に基づき計器が梱包された配送ケース30を一時保管する自動倉庫13と、計器の出庫指示情報に基づき自動倉庫13から出庫された配送ケース30のICタグに対して配送先情報を書き込む配送先情報書き込みステーションST3と、ICタグに書き込まれた計器情報および配送先情報の内容を印刷する印刷ステーションST4とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力量計やタイムスイッチなどの計器を関係会社へ直送するための計器直送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電力量計などの計器の工事店への供給業務は、電力会社の各出先の営業所で行っている。図13は、従来における計器の供給業務の流れを示している。図13に示すように、工事店102は、電力会社の営業所100に計器交付の申請を行う。その後、電力会社の営業所100は、工事店102からの計器の交付申請に基づき計器会社101に対して営業所100への計器の納入を指示する。工事店102は、電力会社の営業所100に納入されたことを確認して、計器の営業所100からの引き取りを行っている。
【0003】
しかし、図13による計器の供給業務においては、電力会社の営業所100が窓口になっているので、各営業所100では専任の担当者を計器の供給業務に従事させる必要がある。また、計器は、電力会社の営業所100を介して工事店102に供給されるので、計器会社101から発送された計器が工事店102に届くまで時間がかかり、迅速なサービス提供の為には、予め予測し、営業所にストックしておく必要があり、ムダが生じる。
【0004】
従来から、物流の円滑化を図るための配送システムが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。この配送システムにおいては、物品の配送にICタグやバーコードを用いており、これによって物品配送の一元的な管理を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−206377号公報
【特許文献2】特開2006−176297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、バーコードを用いた配送システムにおいては、バーコードに大量の情報量を付与することが難しいため、計器の製品情報および顧客情報を関係部署が共有することができず、計器の供給業務の効率化を図ることが困難である。また、単にICタグを用いた配送システムでは、計器の発送業務に携わる作業者がICタグに書き込まれている情報を十分に把握することが難しく、計器の出荷指示が集中する場合には、発送先や機種選定に間違いが生じやすいという問題がある。したがって、計器の出荷指示が集中する場合でも発送先や機種選定の間違いを確実に防止することが可能なシステムの開発が求められる。このような問題は、電力量計やタイムスイッチなどの計器に限られず、今後急速な普及が予想されるスマートメータなどの計器の配送についても存在する。
【0007】
そこでこの発明は、計器の供給業務を効率化でき、しかも計器の多量の出荷指示に対しても計器の迅速な供給を可能とする計器直送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、計器を梱包するための配送ケースに設けられたICタグに計器情報を書き込む計器情報書き込みステーションと、前記ICタグに書き込まれた前記計器情報を読み取り前記計器が梱包された前記配送ケースの一時保管の可否を判定する保管判定ステーションと、前記保管判定ステーションにおける判定結果に基づき前記計器が梱包された前記配送ケースを一時保管する自動倉庫と、前記計器の出庫指示情報に基づき前記自動倉庫から出庫された前記配送ケースの前記ICタグに対して配送先情報を書き込む配送先情報書き込みステーションと、前記ICタグに書き込まれた前記計器情報および前記配送先情報の内容を印刷する印刷ステーションと、を備えたことを特徴とする計器直送システムである。
【0009】
この発明によれば、計器を梱包する計器情報書き込みステーションにおいて、配送ケースのICタグに計器に関する計器情報が書き込まれる。その後、自動倉庫において一時保管されていた配送ケースが出庫請求に基づき出庫され、この配送ケースのICタグに配送先情報が書き込まれ、このICタグの書き込み情報に基づき、配送ケース毎に計器情報および配送先情報の内容が印刷される。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の計器直送システムにおいて、前記計器情報書き込みステーションにおける前記計器情報は、前記計器に付与されているコード情報(バーコードや二次元コードなどの情報)を自動読み取りによって入手することを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の計器直送システムにおいて、前記ICタグには、前記計器情報書き込みステーションにおける前記計器の計量値が書き込まれることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の計器直送システム。おいて、前記印刷ステーションでは、印刷された前記計器情報および前記配送先情報の内容と前記配送ケース内の計器現品との照合が行われることを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の計器直送システムにおいて、前記配送ケースは、配送先から戻された後に、少なくとも前記計器情報書き込みステーションの近傍に配置される空ケース受入れステーションにおいて前記ICタグの書き込み情報が消去されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、計器を梱包する配送ケースに設けられたICタグの情報に基づき、配送ケース毎に計器情報および配送先情報の内容が印刷されるので、発送の準備段階で発送先や計器の機種の間違いを確実に防止することができ、計器の供給業務の効率化を実現することができる。また、保管判定ステーションの判定結果に基づき計器が梱包された配送ケースを自動倉庫に一時的に保管するようにしているので、計器の出荷指示が集中した場合でも計器の迅速な供給が可能となる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、計器のコード情報を読み取ることにより計器情報が入手可能であるので、計器情報の読み違いによる入力ミスを防止することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、ICタグには計器の梱包時における計量値が書き込まれるので、計量値に基づき電気料金などの計算を正確に行うことができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、印刷された計器情報および配送先情報の内容と配送ケース内の計器現品との照合が行われるので、誤出荷を確実に防止することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、配送ケースは配送先から戻された後は、空ケース受入れステーションにおいてICタグの書き込み情報が消去されるので、配送ケースを繰り返し使用することができ、ダンボール箱などの梱包に比べてコストの低減が図れる。また、空ケース受入れステーションは、少なくとも計器情報書き込みステーションの近傍に配置されるので、配送先から戻された空の配送ケースを再利用のために計器情報書き込みステーションへ移動させる労力を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係わる計器直送システムの概要を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる計器直送システムを利用した電力量計の供給業務の流れを示すブロック図である。
【図3】図1の計器直送システムを利用して配送される電力量計の正面図である。
【図4】図1の計器直送システムに用いられる配送ケースの断面図である。
【図5】図4の配送ケースに設けられたICタグに対する情報書き込みまたは情報読み取り状態を示す断面図である。
【図6】図1の計器直送システムの制御構成を示すブロック図である。
【図7】図1の計器直送システムにおける計器出庫の手順を示すフローチャートである。
【図8】図7のフローチャートに続く計器出庫の手順を示すフローチャートである。
【図9】図1の計器直送システムにおける計器返却用の空の配送ケースを出庫する際の作業手順を示すフローチャートである。
【図10】図1の計器直送システムにおける配送先から戻った空ケースを受取る手順を示すフローチャートである。
【図11】図1の計器直送システムにおける配送先から戻った空ケースのICタグの情報を消去する手順を示すフローチャートである。
【図12】図1の計器直送システムによる計器の供給業務の流れの詳細を示す説明図である。
【図13】従来の電力用計器の供給業務の流れを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
つぎに、この発明の実施の形態について図面を用いて詳しく説明する。
【0021】
図1ないし図12は、この発明の実施の形態を示しており、とくに図3に示す計器3としての電力量計の供給業務に適用した場合を示している。図2において、電力会社1は、工事店40から計器3の交付申請情報J1を受信可能となっている。この交付申請情報J1は、インターネットによるものであってもよいし、ファクシミリによるものであってもよい。電力会社1には、図6に示すように出庫管理部2が設けられている。出庫管理部2は、通信回線に接続された電子計算機から構成されている。出庫管理部2は、工事店40からの交付申請情報J1に基づき計器会社5に向けて出庫指示情報J2を送信するようになっている。計器会社5は、電力会社1からの出庫指示情報J2に基づき計器3を工事店40に直送するようになっている。電力会社1からの計器会社40への出庫指示情報J2としては、計器種類、発送先、発送納期などがある。
【0022】
図1は、計器会社5に設置された計器直送システム10を示している。計器直送システム10は、図6に示すように、主として中央制御装置11、搬送コンベア12、自動倉庫13、ICタグ読み書き部16〜19、プリンタ20を備えている。図1に示すように、搬送コンベア12には複数のステーションST1〜4が設けられている。搬送コンベア12は、回転駆動型のローラーコンベアから構成されており、配送ケース30を水平方向に自動搬送する機能を有している。
【0023】
図3は、計器3が電力量計から構成される場合を示している。計器3は、前面に表示窓3aを有しており、表示窓3aの内側には計量値を数字で表示する表示部3bが設けられている。計器3は、誘導型計器の場合は現字式(円筒ローター回転)の数字表示方式であり、電子計器の場合には液晶によるデジタル表示方式となっている。
【0024】
図4は、配送ケース30の詳細を示している。配送ケース30は、計器3を確実に外力などから保護するために所定の強度を有する箱形の合成樹脂から構成されており、計器3を一個だけ収納可能な容積を有している。配送ケース30の底壁30aの内面側には、ICタグ32が設けられている。ICタグ32は、RFID(Radio Frequency IDentification)タグから構成されている。RFIDタグは、周知の通り固体識別情報を有するICタグであり、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信によって情報をやりとりするものである。
【0025】
搬送コンベア12の上流端には、No.1ステーションST1が設けられている。No.1ステーションST1は、計器3を梱包のために配送ケース30内にセットする場所であり、計器3を梱包するための配送ケース30に設けられたICタグ32に計器情報を書き込む計器情報書き込みステーションとして機能する。No.1ステーションST1には、第1のICタグ読み書き部(ICタグ32のリーダー機能およびライター機能を兼ね備えた装置)16が設けられている。第1のICタグ読み書き部16は、No.1ステーションST1にセットされた配送ケース30に設けられたICタグ32に対して、情報の書き込みおよび情報の読み取りの双方が可能となっている。
【0026】
No.1ステーションST1の近傍には、バーコードリーダ14と計器情報入力部15が設けられている。バーコードリーダ14は、No.1ステーションST1にセットされた配送ケース30によって梱包される計器3に貼り付けられたバーコードの計器情報を読み取る機能を有している。計器情報入力部15は、計器3の計量値(指示数)をテンキーを介して入力する機能を有している。計器情報入力部15からは、計器情報と計量値がICタグ読み書き部16に転送され、ICタグ読み書き部16を介してICタグ32に計器情報と計量値が書き込まれるようになっている。図3に示すように、計器3が例えば電力量計である場合は、計器情報としては、型式承認番号、相、線式、電圧、電流容量、製造メーカ、機種名、製造年月、製造番号、検定年月などがある。また、電力量計には、誘導型計器と電子計器の二種類があり、下3桁の数字が計量値としてICタグ32に書き込まれるようになっている。
【0027】
搬送コンベア12におけるNo.1ステーションST1の下流側には、No.2ステーションST2が設けられている。No.2ステーションST2には、第2のICタグ読み書き部17が設けられている。No.2ステーションST2は、ICタグ32に書き込まれた計器情報を読み取り、計器3が梱包された配送ケース30の一時保管の可否を判定する保管判定ステーションとして機能する。すなわち、No.2ステーションST2では、計器3の引き当てがあるか否かを第2のICタグ読み書き部17を介してICタグ32の書き込み情報を読み取り、その読み取り信号を中央制御装置11に送信し、配送ケース30の一時保管の可否を判定するようになっている。
【0028】
搬送コンベア12におけるNo.2ステーションST2の下流側には、保管判定結果に基づき計器3が梱包された配送ケース30を一時保管する自動倉庫13が設けられている。自動倉庫13は、多数の配送ケース30を複数段に分けて収容する立体倉庫から構成されており、配送ケース30の入庫および出庫を自動で行う機能を有している。No.2ステーションST2の下流側は二股に分かれており、一方の搬送コンベア12は自動倉庫13の入庫用として使用される。No.2ステーションST2に近い方から分岐している搬送コンベア12側の一部は、自動倉庫13の出庫用として使用される。No.2ステーションST2において、引き当てが無いと判断された場合は、配送ケース30は自動倉庫13へ搬送される。
【0029】
No.2ステーションST2において、電力会社1からの出庫指示情報J2に基づき引き当てが有ると判断された場合は、配送ケース30は、後述するNo.3ステーションST3へ搬送される。ここで、引き当てが有る場合であっても、自動倉庫13内に同種の計器3の在庫がある場合は、自動倉庫13内の計器3の出庫が優先されることになり、No.2ステーションST2の配送ケース30は自動倉庫13に入庫される。
【0030】
搬送コンベア12における自動倉庫13の出庫口の下流側には、No.3ステーションST3が設けられている。No.3ステーションST3には、第3のICタグ読み書き部18が設けられている。No.3ステーションST3は、計器3の出庫指示情報(図2に示す電力会社1から計器会社5への出庫指示請求J2)に基づき自動倉庫13から出庫された配送ケース30のICタグ32に対して配送先情報を書き込む配送先情報書き込みステーションとして機能する。すなわち、No.3ステーションST3では、第3のICタグ読み書き部18を介してICタグ32の書き込み情報を読み取るとともに、電力会社1の出庫管理部2からの出庫指示情報J2に基づき配送先情報をICタグ32に書き込むようになっている。配送先情報としては、受付番号、工事番号、工事店名、住所、ユーザー名などがある。
【0031】
搬送コンベア12におけるNo.3ステーションST3の下流側には、No.4ステーションST4が設けられている。No.4ステーションST4は、搬送コンベア12のほぼ下流端に位置している。No.4ステーションST4には、第4のICタグ読み書き部19が設けられている。第4のICタグ読み書き部19の近傍には、複数台のプリンタ20が配置されている。No.4ステーションST4は、配送ケース30のICタグ32に書き込まれた計器情報および配送先情報の内容を印刷する出庫配送準備ステーションとして機能する。すなわち、No.4ステーションST4では、第4のICタグ読み書き部19を介してICタグ32の書き込み情報を読み取り、プリンタ20によって送り状(図示略)の印刷および出庫明細書(図示略)やその他の印刷を行う。
【0032】
図1に示すように、搬送コンベア12の上流端に位置するNo.1ステーションST1の近傍には、空の配送ケース30が3列に並んでストックされる滞留コンベア25が設けられている。滞留コンベア25にストックされた空の配送ケース30は、作業者によって一個ずつNo.1ステーションST1にセットされるようになっている。滞留コンベア25にストックされた空の配送ケース30は、配送ケース30が作業者によってNo.1ステーションST1にセットされる度に、No.1ステーションST1側に移動するようになっている。
【0033】
滞留コンベア25の上流端から少し離れた場所には、No.5ステーションST5が設けられている。No.5ステーションST5は、配送先から戻った配送ケース30を受け入れるためのステーションであり、No.5ステーションST5には、第5のICタグ読み書き部21が設けられている。No.5ステーションST5は、配送先から戻された配送ケース30のICタグ32の情報を読み取るとともに、消去する空ケース受入れステーションとして機能する。すなわち、No.5ステーションST5では、第5のICタグ読み書き部21を介してICタグ32の書き込み情報を読み取るとともに、ICタグ32に書き込まれている出荷先情報が消去されるようになっている。
【0034】
No.4ステーションST4から少し離れた場所には、大型配送ケース31を扱う同梱品ヤード23が設けられている。同梱品ヤード23は、複数の計器23を一つの大型配送ケース31によって梱包する場所であり、一つの大型配送ケース31には例えば積算電力計とタイムスイッチとが梱包されるようになっている。同梱品ヤード23には、複数台のプリンタ26が配置されている。同梱品ヤード23から少し離れた場所には、空箱発送ヤード24が設けられている。空箱発送ヤード24は、顧客側の計器3を引き取るために空の配送ケース30を発送するためのものである。空箱発送ヤード24には、複数台のプリンタ27が配置されている。
【0035】
つぎに、計器直送システム10における配送ケース30の流れ順序および作用について説明する。
【0036】
図7に示すように、ステップS1において出庫指示が行われる。出庫指示は、図2および図6に示すように、電力会社1の出庫管理部2から計器会社5の中央制御装置11に向けて出庫指示情報J2が出力されることによって行われる。ここで、自動倉庫13に一時保管されている計器に対しては、出庫を指示し、自動倉庫13内にストックされていない計器については、この計器が自動倉庫13に流入するまで待つことになる。ステップS1での出庫指示が行われると、ステップS2に進み、出庫指示内容に対応する計器3が選定され、出庫に備える。計器準備に際しては、当日出庫指示のあった全計器リストを印刷し、それに基づき計器を予めピッキングし、ピッキングした計器をNo.1ステーションST1の作業場の近傍に持ち込んでおくことで、作業能率を高めている。
【0037】
つぎに、ステップS3に進み、作業者によってNo.1ステーションST1に配送ケース30がセットされる。つぎに、選定された計器3に関する計器情報の読み取りが行われる(ステップS4)。計器情報の読み取りは、計器3に貼り付けられたバーコード(図示略)をバーコードリーダ14で読み取ることにより行われる。その後、計器情報の入力が行われる(ステップS5)。計器情報の入力は、図3に示す計器3の表示部3bに表示されている計量値(指示数)を計器情報入力部15のテンキーを介して入力することにより行われる。
【0038】
つぎに、ステップS6に進み、バーコードリーダ14で読み取られた計器3に関する情報が配送ケース30のICタグ32に転送される。ここで、機械式計器の場合はテンキーによって入力された計量値が、電子式計器の場合は内部メモリーに記録されている計量値が、それぞれ自動的に出力され、配送ケース30のICタグ32に転送される。この際入力された数値は音声でも発生され、目視と聴覚にて計器情報のチェックが可能となる。すなわち、図5に示すように、No.1ステーションST1においては、配送ケース30の直下に第1のICタグ読み書き部16が位置しているので、計器情報と計量値は第1のICタグ読み書き部16を介して配送ケース30のICタグ32に書き込まれる。ICタグ32に書き込みが終了すると、ステップS7に進み、配送ケース30内に計器3がセットされ、計器3の配送ケース30による梱包準備が完了する。
【0039】
計器3の梱包準備が完了すると、配送ケース30は搬送コンベア12によってNo.2ステーションST2まで搬送される(ステップS8)。No.2ステーションST2では、配送ケース30内の計器3に対して引き当ての有無が判断される(ステップS9)。すなわち、No.2ステーションST2では、計器3の引き当てがあるか否かを第2のICタグ読み書き部17を介してICタグ32の書き込み情報を読み取り、その読み取り信号を中央制御装置11に送信して電力会社1からの出庫指示情報J2と照合し、配送ケース30の一時保管の可否を判定する。ここで、引き当て計器が自動倉庫13内に有ると判断された場合は、ステップS10に進み、配送ケース30は自動倉庫13に搬送され、ステップS11で自動倉庫13による入庫管理が行われる。ここで、配送ケース30は蓋30bを取付けない状態で自動倉庫13に一時的に保管される。蓋30bの配送ケース30への取付けは、後述するようにNo.4ステーションST4で行われる。
【0040】
ステップS9において、引き当て計器が自動倉庫13内に無いと判断された場合は、ステップ12に進み、配送ケース30は搬送コンベア12によってNo.3ステーションST3まで搬送される。図8のステップS13では、配送ケース30のICタグ32の自動読み取りが行われる。すなわち、No.3ステーションST3では、第3のICタグ読み書き部18を介してICタグ32の書き込み情報が読み取られる。その後、ステップS14に進み、電力会社1の出庫管理部2からの出庫指示情報J2に基づき配送先情報がICタグ32に書き込まれる。ステップS14では、ICタグ32内の計器情報を読み出し、この計器情報を一旦コンピュータに記憶して、この計器情報に電力会社1からの指示データを加え、この内容をICタグ32に書き込む動作が自動で行われるため、図12に示すように、あたかも上書きしたように見えるが、実際にはICタグ32の総書き換えを行っている。
【0041】
No.3ステーションST3におけるICタグ32に対する読み取りおよび書き込みが終了すると、ステップS15に進み、配送ケース30は搬送コンベア12によってNo.4ステーションST4まで搬送される。No.4ステーションST4では、配送ケース30のICタグ32に書き込まれた計器情報および配送先情報の内容を読み取り、この内容を印刷する(ステップS16)。すなわち、No.4ステーションST4では、第4のICタグ読み書き部19を介してICタグ32の書き込み情報を読み取り、プリンタ20によって送り状(図示略)の印刷および出庫明細書(図示略)の印刷を行う。
【0042】
No.4ステーションST4における印刷作業が終了すると、このNo.4ステーションにおいて、印刷された送り状および出庫明細書の内容と配送ケース30の計器3との照合が行われ、印刷内容と計器現物とが合致しているか否かが作業者によって判断される(ステップS17)。ここで、印刷内容と計器現物とが合致している場合は、ステップS18に進み、出庫明細書が配送ケース30内に計器3とともに梱包される。そして、配送ケース30に蓋30bが取付けられ、送り状は蓋30bに貼り付けられたビニール袋に差し込まれる。つぎに、ステップ19に進み、配送ケース30は所定の位置に移動される。その後、ステップS20に進み、配送ケース30は運送会社に引き渡され、配送ケース30は工事店40に向けて出荷される。配送ケース30が出荷されると、ステップS21において、出庫完了情報J3が計器会社3から電力会社1に返信される。
【0043】
図9は、空ケース発送の作業手順を示している。計器3の契約終了に伴い顧客(電力需要家)に設置されている計器3を計器会社5に戻す必要がある場合は、空の配送ケース30を工事店40などに発送する必要がある。この空ケースの発送作業は、空箱発送ヤード24で行われる。図9に示すように、ステップS25では、電力会社1の出庫管理部2からの受信データを例えば納期順に並び替えるなどの作業が中央制御装置11によって行われる。そして、ステップS26では、送り状(図示略)および入庫明細書(図示略)に受信した内容をプリンタ27によって印刷する。その後、空の配送ケース30に取付けられた蓋30bに送り状を貼り付け、配送ケース30内に入庫明細書を収納する(ステップS27)。つぎに、空の配送ケース30は、ステップS28において所定位置に移動され、ステップS29で運送業者に引き渡される。
【0044】
図10は、計器会社5へ戻された配送ケース30の作業手順を示している。ステップS31では、計器3の契約終了に伴い戻される配送ケース30がNo.5ステーションST5で受取られる。つぎに、ステップS32に進み、配送ケース30に収納された送り状、明細書などが取り出される。その後、ステップS33に進み、No.5ステーションST5にセットされた配送ケース30は、第5のICタグ読み書き部21によってICタグ32の情報が読み取られる。これにより、読み取った情報から配送ケース30が何処の配送先から戻ってきたかを把握することが可能となる。つぎに、ステップS34に進み、配送ケース30内に計器3などが収納されているか否かの確認が行われる。ここで、計器3など製品が収納されている場合は、計器3と同封された明細書との照合が行われ、計器3と明細書の整合を確認する(ステップS35)。
【0045】
つぎに、ステップS36に進み、計器3に貼り付けられているバーコードがバーコードリーダ(図示略)によって読み取られ、No.5ステーションST5に配置されたパーソナルコンピュータ(図示略)へ入力される。そして、ステップS37では、戻された計器3の計量値がテンキーを介してパーソナルコンピュータへ入力される。その後、No.5ステーションST5において読み取った入庫情報は、ステップS38において中央制御装置11を介して電力会社1に送信される。
【0046】
図11は、No.5ステーションST5におけるICタグ32の情報消去の手順を示している。ステップS41において、配送ケース30のICタグ32に書き込まれている送り先情報が第5のICタグ読み書き部21を介して自動的に消去される。ステップS41では、情報の消去前にICタグ32に書き込まれた配送先情報を読み取ることにより、配送ケース30の戻りを確認することが可能となる。つぎに、ステップS42に進み、個人情報管理のためにICタグ32内のデータが第5のICタグ読み書き部21を介して消去される。すなわち、ステップS42では、その後ICタグ32に書き込まれた情報のリセットが行われ、ICタグ32内のデータは空白となる。ICタグ32の情報消去が終了すると、ステップS43に進み、配送ケース30の蓋30bに貼り付けられた送り状が剥がされる。その後、ステップS44に進み、配送ケース30および蓋30bは集約保管場所へ運搬される。そして、配送ケース30および蓋30bは何度も繰り返して使用されることになる。
【0047】
図12は、計器供給業務に関する顧客(需要家)、工事店40、電力会社1、計器会社5、運送会社との関係を示している。図12に示すように、電力会社1からの出庫指示により、計器3を計器会社5から工事店40に直送するようにしているので、図13に示す従来の計器供給業務に対して、計器会社5から発送された計器3を短期間で工事店40に届けることが可能となり、迅速なサービスが提供できる。また、配送ケース30は繰り返し使用できるので、ダンボール箱などの梱包に比べてコストの低減が図れる。
【0048】
このように、ICタグ32を利用した計器直送システム10を計器会社5に導入することにより、配送ケース30に設けられたICタグ32の情報に基づき配送ケース30毎に計器情報および配送先情報の内容が印刷することができる。その結果、発送の準備段階で発送先や計器の機種の間違いを確実に防止することができ、計器3の供給業務の効率化を図ることができる。また、保管判定保管判定ステーションとして機能するNo.2ステーションST2の判定結果に基づき、計器3が梱包された配送ケース30を自動倉庫13に一時的に保管するようにしているので、計器3の出荷指示が集中した場合でも計器3の迅速な供給が可能となる。
【0049】
No.1ステーションST1では、機械式計器の場合は計器3のバーコード情報を、電子式計器の場合は内部メモリーから情報を、それぞれ読み取ることにより計器情報が入手可能であるので、計器情報の読み違いによる入力ミスを防止することができる。また、ICタグ32には、計器3の梱包時における計量値が書き込まれるので、計量値に基づき電気料金の計算を正確に行うことができる。そして、No.4ステーションにおいて、印刷された送り状および出庫明細書の内容と配送ケース30の計器3との照合が行われ、印刷内容と計器現物とが合致しているかの確認が行われるので、誤出荷を確実に防止することができる。この照合作業は、作業者によって行われるが、CCDカメラなどによって印刷内容と計器現物を撮像し、コンピュータによる画像処理によって照合作業を自動化することも可能である。また、この計器直送システム10では、各工程でICタグ32に書き込みと読み込みを行っており、現在の状態が「未開始、出庫中、発送済、回収済」のどれかをリアルタイムで管理可能となっている。
【0050】
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、計器3として電力量計の場合を説明したが、計器3は電力量計に限定されず、タイムスイッチやスマートメータなどの計器類であってもよい。スマートメータは、周知の通り、一つの装置で通信機能、開閉機能、計量機能を有し、遠隔操作によって需要家側の使用電力量を制御することができる。
【0051】
また、この実施の形態においては、空の配送ケース30を受け入れるNo.5ステーションST5は、図1に示すように、空箱発送ヤード24の近くのエリアAに配置されているが、図1のエリアAに限定されることはなく、他の場所に配置する構成としてもよい。ただし、No.5ステーションST5を少なくとも計器情報書き込みステーションST1の近傍に配置すれば、配送先から戻された空の配送ケース30を再利用のために計器情報書き込みステーションST1へ移動させる労力を低減することが可能となる。さらに、すべてのステーションST1〜ST5に、リーダーとライターとを兼ね備えたICタグ読み書き部を設ける構成としているが、ステーションの機能に応じてリーダー機能のみを有する装置を設けてもよいし、ライター機能のみを有する装置を設けてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 電力会社
2 出庫管理部
3 計器
5 計器会社
10 計器直送システム
11 中央制御装置
12 搬送コンベア
13 自動倉庫
14 バーコードリーダ
15 計器情報入力部
16〜19 ICタグ読み書き部
20 プリンタ
30 配送ケース
30b 蓋
32 ICタグ
40 工事店
ST1 No.1ステーション(計器情報書き込みステーション)
ST2 No.2ステーション(保管判定ステーション)
ST3 No.3ステーション(配送先情報書き込みステーション)
ST4 No.4ステーション(印刷ステーション)
ST5 No.5ステーション(空ケース受入れステーション)
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力量計やタイムスイッチなどの計器を関係会社へ直送するための計器直送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電力量計などの計器の工事店への供給業務は、電力会社の各出先の営業所で行っている。図13は、従来における計器の供給業務の流れを示している。図13に示すように、工事店102は、電力会社の営業所100に計器交付の申請を行う。その後、電力会社の営業所100は、工事店102からの計器の交付申請に基づき計器会社101に対して営業所100への計器の納入を指示する。工事店102は、電力会社の営業所100に納入されたことを確認して、計器の営業所100からの引き取りを行っている。
【0003】
しかし、図13による計器の供給業務においては、電力会社の営業所100が窓口になっているので、各営業所100では専任の担当者を計器の供給業務に従事させる必要がある。また、計器は、電力会社の営業所100を介して工事店102に供給されるので、計器会社101から発送された計器が工事店102に届くまで時間がかかり、迅速なサービス提供の為には、予め予測し、営業所にストックしておく必要があり、ムダが生じる。
【0004】
従来から、物流の円滑化を図るための配送システムが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。この配送システムにおいては、物品の配送にICタグやバーコードを用いており、これによって物品配送の一元的な管理を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−206377号公報
【特許文献2】特開2006−176297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、バーコードを用いた配送システムにおいては、バーコードに大量の情報量を付与することが難しいため、計器の製品情報および顧客情報を関係部署が共有することができず、計器の供給業務の効率化を図ることが困難である。また、単にICタグを用いた配送システムでは、計器の発送業務に携わる作業者がICタグに書き込まれている情報を十分に把握することが難しく、計器の出荷指示が集中する場合には、発送先や機種選定に間違いが生じやすいという問題がある。したがって、計器の出荷指示が集中する場合でも発送先や機種選定の間違いを確実に防止することが可能なシステムの開発が求められる。このような問題は、電力量計やタイムスイッチなどの計器に限られず、今後急速な普及が予想されるスマートメータなどの計器の配送についても存在する。
【0007】
そこでこの発明は、計器の供給業務を効率化でき、しかも計器の多量の出荷指示に対しても計器の迅速な供給を可能とする計器直送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、計器を梱包するための配送ケースに設けられたICタグに計器情報を書き込む計器情報書き込みステーションと、前記ICタグに書き込まれた前記計器情報を読み取り前記計器が梱包された前記配送ケースの一時保管の可否を判定する保管判定ステーションと、前記保管判定ステーションにおける判定結果に基づき前記計器が梱包された前記配送ケースを一時保管する自動倉庫と、前記計器の出庫指示情報に基づき前記自動倉庫から出庫された前記配送ケースの前記ICタグに対して配送先情報を書き込む配送先情報書き込みステーションと、前記ICタグに書き込まれた前記計器情報および前記配送先情報の内容を印刷する印刷ステーションと、を備えたことを特徴とする計器直送システムである。
【0009】
この発明によれば、計器を梱包する計器情報書き込みステーションにおいて、配送ケースのICタグに計器に関する計器情報が書き込まれる。その後、自動倉庫において一時保管されていた配送ケースが出庫請求に基づき出庫され、この配送ケースのICタグに配送先情報が書き込まれ、このICタグの書き込み情報に基づき、配送ケース毎に計器情報および配送先情報の内容が印刷される。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の計器直送システムにおいて、前記計器情報書き込みステーションにおける前記計器情報は、前記計器に付与されているコード情報(バーコードや二次元コードなどの情報)を自動読み取りによって入手することを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の計器直送システムにおいて、前記ICタグには、前記計器情報書き込みステーションにおける前記計器の計量値が書き込まれることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の計器直送システム。おいて、前記印刷ステーションでは、印刷された前記計器情報および前記配送先情報の内容と前記配送ケース内の計器現品との照合が行われることを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の計器直送システムにおいて、前記配送ケースは、配送先から戻された後に、少なくとも前記計器情報書き込みステーションの近傍に配置される空ケース受入れステーションにおいて前記ICタグの書き込み情報が消去されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、計器を梱包する配送ケースに設けられたICタグの情報に基づき、配送ケース毎に計器情報および配送先情報の内容が印刷されるので、発送の準備段階で発送先や計器の機種の間違いを確実に防止することができ、計器の供給業務の効率化を実現することができる。また、保管判定ステーションの判定結果に基づき計器が梱包された配送ケースを自動倉庫に一時的に保管するようにしているので、計器の出荷指示が集中した場合でも計器の迅速な供給が可能となる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、計器のコード情報を読み取ることにより計器情報が入手可能であるので、計器情報の読み違いによる入力ミスを防止することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、ICタグには計器の梱包時における計量値が書き込まれるので、計量値に基づき電気料金などの計算を正確に行うことができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、印刷された計器情報および配送先情報の内容と配送ケース内の計器現品との照合が行われるので、誤出荷を確実に防止することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、配送ケースは配送先から戻された後は、空ケース受入れステーションにおいてICタグの書き込み情報が消去されるので、配送ケースを繰り返し使用することができ、ダンボール箱などの梱包に比べてコストの低減が図れる。また、空ケース受入れステーションは、少なくとも計器情報書き込みステーションの近傍に配置されるので、配送先から戻された空の配送ケースを再利用のために計器情報書き込みステーションへ移動させる労力を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係わる計器直送システムの概要を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる計器直送システムを利用した電力量計の供給業務の流れを示すブロック図である。
【図3】図1の計器直送システムを利用して配送される電力量計の正面図である。
【図4】図1の計器直送システムに用いられる配送ケースの断面図である。
【図5】図4の配送ケースに設けられたICタグに対する情報書き込みまたは情報読み取り状態を示す断面図である。
【図6】図1の計器直送システムの制御構成を示すブロック図である。
【図7】図1の計器直送システムにおける計器出庫の手順を示すフローチャートである。
【図8】図7のフローチャートに続く計器出庫の手順を示すフローチャートである。
【図9】図1の計器直送システムにおける計器返却用の空の配送ケースを出庫する際の作業手順を示すフローチャートである。
【図10】図1の計器直送システムにおける配送先から戻った空ケースを受取る手順を示すフローチャートである。
【図11】図1の計器直送システムにおける配送先から戻った空ケースのICタグの情報を消去する手順を示すフローチャートである。
【図12】図1の計器直送システムによる計器の供給業務の流れの詳細を示す説明図である。
【図13】従来の電力用計器の供給業務の流れを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
つぎに、この発明の実施の形態について図面を用いて詳しく説明する。
【0021】
図1ないし図12は、この発明の実施の形態を示しており、とくに図3に示す計器3としての電力量計の供給業務に適用した場合を示している。図2において、電力会社1は、工事店40から計器3の交付申請情報J1を受信可能となっている。この交付申請情報J1は、インターネットによるものであってもよいし、ファクシミリによるものであってもよい。電力会社1には、図6に示すように出庫管理部2が設けられている。出庫管理部2は、通信回線に接続された電子計算機から構成されている。出庫管理部2は、工事店40からの交付申請情報J1に基づき計器会社5に向けて出庫指示情報J2を送信するようになっている。計器会社5は、電力会社1からの出庫指示情報J2に基づき計器3を工事店40に直送するようになっている。電力会社1からの計器会社40への出庫指示情報J2としては、計器種類、発送先、発送納期などがある。
【0022】
図1は、計器会社5に設置された計器直送システム10を示している。計器直送システム10は、図6に示すように、主として中央制御装置11、搬送コンベア12、自動倉庫13、ICタグ読み書き部16〜19、プリンタ20を備えている。図1に示すように、搬送コンベア12には複数のステーションST1〜4が設けられている。搬送コンベア12は、回転駆動型のローラーコンベアから構成されており、配送ケース30を水平方向に自動搬送する機能を有している。
【0023】
図3は、計器3が電力量計から構成される場合を示している。計器3は、前面に表示窓3aを有しており、表示窓3aの内側には計量値を数字で表示する表示部3bが設けられている。計器3は、誘導型計器の場合は現字式(円筒ローター回転)の数字表示方式であり、電子計器の場合には液晶によるデジタル表示方式となっている。
【0024】
図4は、配送ケース30の詳細を示している。配送ケース30は、計器3を確実に外力などから保護するために所定の強度を有する箱形の合成樹脂から構成されており、計器3を一個だけ収納可能な容積を有している。配送ケース30の底壁30aの内面側には、ICタグ32が設けられている。ICタグ32は、RFID(Radio Frequency IDentification)タグから構成されている。RFIDタグは、周知の通り固体識別情報を有するICタグであり、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信によって情報をやりとりするものである。
【0025】
搬送コンベア12の上流端には、No.1ステーションST1が設けられている。No.1ステーションST1は、計器3を梱包のために配送ケース30内にセットする場所であり、計器3を梱包するための配送ケース30に設けられたICタグ32に計器情報を書き込む計器情報書き込みステーションとして機能する。No.1ステーションST1には、第1のICタグ読み書き部(ICタグ32のリーダー機能およびライター機能を兼ね備えた装置)16が設けられている。第1のICタグ読み書き部16は、No.1ステーションST1にセットされた配送ケース30に設けられたICタグ32に対して、情報の書き込みおよび情報の読み取りの双方が可能となっている。
【0026】
No.1ステーションST1の近傍には、バーコードリーダ14と計器情報入力部15が設けられている。バーコードリーダ14は、No.1ステーションST1にセットされた配送ケース30によって梱包される計器3に貼り付けられたバーコードの計器情報を読み取る機能を有している。計器情報入力部15は、計器3の計量値(指示数)をテンキーを介して入力する機能を有している。計器情報入力部15からは、計器情報と計量値がICタグ読み書き部16に転送され、ICタグ読み書き部16を介してICタグ32に計器情報と計量値が書き込まれるようになっている。図3に示すように、計器3が例えば電力量計である場合は、計器情報としては、型式承認番号、相、線式、電圧、電流容量、製造メーカ、機種名、製造年月、製造番号、検定年月などがある。また、電力量計には、誘導型計器と電子計器の二種類があり、下3桁の数字が計量値としてICタグ32に書き込まれるようになっている。
【0027】
搬送コンベア12におけるNo.1ステーションST1の下流側には、No.2ステーションST2が設けられている。No.2ステーションST2には、第2のICタグ読み書き部17が設けられている。No.2ステーションST2は、ICタグ32に書き込まれた計器情報を読み取り、計器3が梱包された配送ケース30の一時保管の可否を判定する保管判定ステーションとして機能する。すなわち、No.2ステーションST2では、計器3の引き当てがあるか否かを第2のICタグ読み書き部17を介してICタグ32の書き込み情報を読み取り、その読み取り信号を中央制御装置11に送信し、配送ケース30の一時保管の可否を判定するようになっている。
【0028】
搬送コンベア12におけるNo.2ステーションST2の下流側には、保管判定結果に基づき計器3が梱包された配送ケース30を一時保管する自動倉庫13が設けられている。自動倉庫13は、多数の配送ケース30を複数段に分けて収容する立体倉庫から構成されており、配送ケース30の入庫および出庫を自動で行う機能を有している。No.2ステーションST2の下流側は二股に分かれており、一方の搬送コンベア12は自動倉庫13の入庫用として使用される。No.2ステーションST2に近い方から分岐している搬送コンベア12側の一部は、自動倉庫13の出庫用として使用される。No.2ステーションST2において、引き当てが無いと判断された場合は、配送ケース30は自動倉庫13へ搬送される。
【0029】
No.2ステーションST2において、電力会社1からの出庫指示情報J2に基づき引き当てが有ると判断された場合は、配送ケース30は、後述するNo.3ステーションST3へ搬送される。ここで、引き当てが有る場合であっても、自動倉庫13内に同種の計器3の在庫がある場合は、自動倉庫13内の計器3の出庫が優先されることになり、No.2ステーションST2の配送ケース30は自動倉庫13に入庫される。
【0030】
搬送コンベア12における自動倉庫13の出庫口の下流側には、No.3ステーションST3が設けられている。No.3ステーションST3には、第3のICタグ読み書き部18が設けられている。No.3ステーションST3は、計器3の出庫指示情報(図2に示す電力会社1から計器会社5への出庫指示請求J2)に基づき自動倉庫13から出庫された配送ケース30のICタグ32に対して配送先情報を書き込む配送先情報書き込みステーションとして機能する。すなわち、No.3ステーションST3では、第3のICタグ読み書き部18を介してICタグ32の書き込み情報を読み取るとともに、電力会社1の出庫管理部2からの出庫指示情報J2に基づき配送先情報をICタグ32に書き込むようになっている。配送先情報としては、受付番号、工事番号、工事店名、住所、ユーザー名などがある。
【0031】
搬送コンベア12におけるNo.3ステーションST3の下流側には、No.4ステーションST4が設けられている。No.4ステーションST4は、搬送コンベア12のほぼ下流端に位置している。No.4ステーションST4には、第4のICタグ読み書き部19が設けられている。第4のICタグ読み書き部19の近傍には、複数台のプリンタ20が配置されている。No.4ステーションST4は、配送ケース30のICタグ32に書き込まれた計器情報および配送先情報の内容を印刷する出庫配送準備ステーションとして機能する。すなわち、No.4ステーションST4では、第4のICタグ読み書き部19を介してICタグ32の書き込み情報を読み取り、プリンタ20によって送り状(図示略)の印刷および出庫明細書(図示略)やその他の印刷を行う。
【0032】
図1に示すように、搬送コンベア12の上流端に位置するNo.1ステーションST1の近傍には、空の配送ケース30が3列に並んでストックされる滞留コンベア25が設けられている。滞留コンベア25にストックされた空の配送ケース30は、作業者によって一個ずつNo.1ステーションST1にセットされるようになっている。滞留コンベア25にストックされた空の配送ケース30は、配送ケース30が作業者によってNo.1ステーションST1にセットされる度に、No.1ステーションST1側に移動するようになっている。
【0033】
滞留コンベア25の上流端から少し離れた場所には、No.5ステーションST5が設けられている。No.5ステーションST5は、配送先から戻った配送ケース30を受け入れるためのステーションであり、No.5ステーションST5には、第5のICタグ読み書き部21が設けられている。No.5ステーションST5は、配送先から戻された配送ケース30のICタグ32の情報を読み取るとともに、消去する空ケース受入れステーションとして機能する。すなわち、No.5ステーションST5では、第5のICタグ読み書き部21を介してICタグ32の書き込み情報を読み取るとともに、ICタグ32に書き込まれている出荷先情報が消去されるようになっている。
【0034】
No.4ステーションST4から少し離れた場所には、大型配送ケース31を扱う同梱品ヤード23が設けられている。同梱品ヤード23は、複数の計器23を一つの大型配送ケース31によって梱包する場所であり、一つの大型配送ケース31には例えば積算電力計とタイムスイッチとが梱包されるようになっている。同梱品ヤード23には、複数台のプリンタ26が配置されている。同梱品ヤード23から少し離れた場所には、空箱発送ヤード24が設けられている。空箱発送ヤード24は、顧客側の計器3を引き取るために空の配送ケース30を発送するためのものである。空箱発送ヤード24には、複数台のプリンタ27が配置されている。
【0035】
つぎに、計器直送システム10における配送ケース30の流れ順序および作用について説明する。
【0036】
図7に示すように、ステップS1において出庫指示が行われる。出庫指示は、図2および図6に示すように、電力会社1の出庫管理部2から計器会社5の中央制御装置11に向けて出庫指示情報J2が出力されることによって行われる。ここで、自動倉庫13に一時保管されている計器に対しては、出庫を指示し、自動倉庫13内にストックされていない計器については、この計器が自動倉庫13に流入するまで待つことになる。ステップS1での出庫指示が行われると、ステップS2に進み、出庫指示内容に対応する計器3が選定され、出庫に備える。計器準備に際しては、当日出庫指示のあった全計器リストを印刷し、それに基づき計器を予めピッキングし、ピッキングした計器をNo.1ステーションST1の作業場の近傍に持ち込んでおくことで、作業能率を高めている。
【0037】
つぎに、ステップS3に進み、作業者によってNo.1ステーションST1に配送ケース30がセットされる。つぎに、選定された計器3に関する計器情報の読み取りが行われる(ステップS4)。計器情報の読み取りは、計器3に貼り付けられたバーコード(図示略)をバーコードリーダ14で読み取ることにより行われる。その後、計器情報の入力が行われる(ステップS5)。計器情報の入力は、図3に示す計器3の表示部3bに表示されている計量値(指示数)を計器情報入力部15のテンキーを介して入力することにより行われる。
【0038】
つぎに、ステップS6に進み、バーコードリーダ14で読み取られた計器3に関する情報が配送ケース30のICタグ32に転送される。ここで、機械式計器の場合はテンキーによって入力された計量値が、電子式計器の場合は内部メモリーに記録されている計量値が、それぞれ自動的に出力され、配送ケース30のICタグ32に転送される。この際入力された数値は音声でも発生され、目視と聴覚にて計器情報のチェックが可能となる。すなわち、図5に示すように、No.1ステーションST1においては、配送ケース30の直下に第1のICタグ読み書き部16が位置しているので、計器情報と計量値は第1のICタグ読み書き部16を介して配送ケース30のICタグ32に書き込まれる。ICタグ32に書き込みが終了すると、ステップS7に進み、配送ケース30内に計器3がセットされ、計器3の配送ケース30による梱包準備が完了する。
【0039】
計器3の梱包準備が完了すると、配送ケース30は搬送コンベア12によってNo.2ステーションST2まで搬送される(ステップS8)。No.2ステーションST2では、配送ケース30内の計器3に対して引き当ての有無が判断される(ステップS9)。すなわち、No.2ステーションST2では、計器3の引き当てがあるか否かを第2のICタグ読み書き部17を介してICタグ32の書き込み情報を読み取り、その読み取り信号を中央制御装置11に送信して電力会社1からの出庫指示情報J2と照合し、配送ケース30の一時保管の可否を判定する。ここで、引き当て計器が自動倉庫13内に有ると判断された場合は、ステップS10に進み、配送ケース30は自動倉庫13に搬送され、ステップS11で自動倉庫13による入庫管理が行われる。ここで、配送ケース30は蓋30bを取付けない状態で自動倉庫13に一時的に保管される。蓋30bの配送ケース30への取付けは、後述するようにNo.4ステーションST4で行われる。
【0040】
ステップS9において、引き当て計器が自動倉庫13内に無いと判断された場合は、ステップ12に進み、配送ケース30は搬送コンベア12によってNo.3ステーションST3まで搬送される。図8のステップS13では、配送ケース30のICタグ32の自動読み取りが行われる。すなわち、No.3ステーションST3では、第3のICタグ読み書き部18を介してICタグ32の書き込み情報が読み取られる。その後、ステップS14に進み、電力会社1の出庫管理部2からの出庫指示情報J2に基づき配送先情報がICタグ32に書き込まれる。ステップS14では、ICタグ32内の計器情報を読み出し、この計器情報を一旦コンピュータに記憶して、この計器情報に電力会社1からの指示データを加え、この内容をICタグ32に書き込む動作が自動で行われるため、図12に示すように、あたかも上書きしたように見えるが、実際にはICタグ32の総書き換えを行っている。
【0041】
No.3ステーションST3におけるICタグ32に対する読み取りおよび書き込みが終了すると、ステップS15に進み、配送ケース30は搬送コンベア12によってNo.4ステーションST4まで搬送される。No.4ステーションST4では、配送ケース30のICタグ32に書き込まれた計器情報および配送先情報の内容を読み取り、この内容を印刷する(ステップS16)。すなわち、No.4ステーションST4では、第4のICタグ読み書き部19を介してICタグ32の書き込み情報を読み取り、プリンタ20によって送り状(図示略)の印刷および出庫明細書(図示略)の印刷を行う。
【0042】
No.4ステーションST4における印刷作業が終了すると、このNo.4ステーションにおいて、印刷された送り状および出庫明細書の内容と配送ケース30の計器3との照合が行われ、印刷内容と計器現物とが合致しているか否かが作業者によって判断される(ステップS17)。ここで、印刷内容と計器現物とが合致している場合は、ステップS18に進み、出庫明細書が配送ケース30内に計器3とともに梱包される。そして、配送ケース30に蓋30bが取付けられ、送り状は蓋30bに貼り付けられたビニール袋に差し込まれる。つぎに、ステップ19に進み、配送ケース30は所定の位置に移動される。その後、ステップS20に進み、配送ケース30は運送会社に引き渡され、配送ケース30は工事店40に向けて出荷される。配送ケース30が出荷されると、ステップS21において、出庫完了情報J3が計器会社3から電力会社1に返信される。
【0043】
図9は、空ケース発送の作業手順を示している。計器3の契約終了に伴い顧客(電力需要家)に設置されている計器3を計器会社5に戻す必要がある場合は、空の配送ケース30を工事店40などに発送する必要がある。この空ケースの発送作業は、空箱発送ヤード24で行われる。図9に示すように、ステップS25では、電力会社1の出庫管理部2からの受信データを例えば納期順に並び替えるなどの作業が中央制御装置11によって行われる。そして、ステップS26では、送り状(図示略)および入庫明細書(図示略)に受信した内容をプリンタ27によって印刷する。その後、空の配送ケース30に取付けられた蓋30bに送り状を貼り付け、配送ケース30内に入庫明細書を収納する(ステップS27)。つぎに、空の配送ケース30は、ステップS28において所定位置に移動され、ステップS29で運送業者に引き渡される。
【0044】
図10は、計器会社5へ戻された配送ケース30の作業手順を示している。ステップS31では、計器3の契約終了に伴い戻される配送ケース30がNo.5ステーションST5で受取られる。つぎに、ステップS32に進み、配送ケース30に収納された送り状、明細書などが取り出される。その後、ステップS33に進み、No.5ステーションST5にセットされた配送ケース30は、第5のICタグ読み書き部21によってICタグ32の情報が読み取られる。これにより、読み取った情報から配送ケース30が何処の配送先から戻ってきたかを把握することが可能となる。つぎに、ステップS34に進み、配送ケース30内に計器3などが収納されているか否かの確認が行われる。ここで、計器3など製品が収納されている場合は、計器3と同封された明細書との照合が行われ、計器3と明細書の整合を確認する(ステップS35)。
【0045】
つぎに、ステップS36に進み、計器3に貼り付けられているバーコードがバーコードリーダ(図示略)によって読み取られ、No.5ステーションST5に配置されたパーソナルコンピュータ(図示略)へ入力される。そして、ステップS37では、戻された計器3の計量値がテンキーを介してパーソナルコンピュータへ入力される。その後、No.5ステーションST5において読み取った入庫情報は、ステップS38において中央制御装置11を介して電力会社1に送信される。
【0046】
図11は、No.5ステーションST5におけるICタグ32の情報消去の手順を示している。ステップS41において、配送ケース30のICタグ32に書き込まれている送り先情報が第5のICタグ読み書き部21を介して自動的に消去される。ステップS41では、情報の消去前にICタグ32に書き込まれた配送先情報を読み取ることにより、配送ケース30の戻りを確認することが可能となる。つぎに、ステップS42に進み、個人情報管理のためにICタグ32内のデータが第5のICタグ読み書き部21を介して消去される。すなわち、ステップS42では、その後ICタグ32に書き込まれた情報のリセットが行われ、ICタグ32内のデータは空白となる。ICタグ32の情報消去が終了すると、ステップS43に進み、配送ケース30の蓋30bに貼り付けられた送り状が剥がされる。その後、ステップS44に進み、配送ケース30および蓋30bは集約保管場所へ運搬される。そして、配送ケース30および蓋30bは何度も繰り返して使用されることになる。
【0047】
図12は、計器供給業務に関する顧客(需要家)、工事店40、電力会社1、計器会社5、運送会社との関係を示している。図12に示すように、電力会社1からの出庫指示により、計器3を計器会社5から工事店40に直送するようにしているので、図13に示す従来の計器供給業務に対して、計器会社5から発送された計器3を短期間で工事店40に届けることが可能となり、迅速なサービスが提供できる。また、配送ケース30は繰り返し使用できるので、ダンボール箱などの梱包に比べてコストの低減が図れる。
【0048】
このように、ICタグ32を利用した計器直送システム10を計器会社5に導入することにより、配送ケース30に設けられたICタグ32の情報に基づき配送ケース30毎に計器情報および配送先情報の内容が印刷することができる。その結果、発送の準備段階で発送先や計器の機種の間違いを確実に防止することができ、計器3の供給業務の効率化を図ることができる。また、保管判定保管判定ステーションとして機能するNo.2ステーションST2の判定結果に基づき、計器3が梱包された配送ケース30を自動倉庫13に一時的に保管するようにしているので、計器3の出荷指示が集中した場合でも計器3の迅速な供給が可能となる。
【0049】
No.1ステーションST1では、機械式計器の場合は計器3のバーコード情報を、電子式計器の場合は内部メモリーから情報を、それぞれ読み取ることにより計器情報が入手可能であるので、計器情報の読み違いによる入力ミスを防止することができる。また、ICタグ32には、計器3の梱包時における計量値が書き込まれるので、計量値に基づき電気料金の計算を正確に行うことができる。そして、No.4ステーションにおいて、印刷された送り状および出庫明細書の内容と配送ケース30の計器3との照合が行われ、印刷内容と計器現物とが合致しているかの確認が行われるので、誤出荷を確実に防止することができる。この照合作業は、作業者によって行われるが、CCDカメラなどによって印刷内容と計器現物を撮像し、コンピュータによる画像処理によって照合作業を自動化することも可能である。また、この計器直送システム10では、各工程でICタグ32に書き込みと読み込みを行っており、現在の状態が「未開始、出庫中、発送済、回収済」のどれかをリアルタイムで管理可能となっている。
【0050】
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、計器3として電力量計の場合を説明したが、計器3は電力量計に限定されず、タイムスイッチやスマートメータなどの計器類であってもよい。スマートメータは、周知の通り、一つの装置で通信機能、開閉機能、計量機能を有し、遠隔操作によって需要家側の使用電力量を制御することができる。
【0051】
また、この実施の形態においては、空の配送ケース30を受け入れるNo.5ステーションST5は、図1に示すように、空箱発送ヤード24の近くのエリアAに配置されているが、図1のエリアAに限定されることはなく、他の場所に配置する構成としてもよい。ただし、No.5ステーションST5を少なくとも計器情報書き込みステーションST1の近傍に配置すれば、配送先から戻された空の配送ケース30を再利用のために計器情報書き込みステーションST1へ移動させる労力を低減することが可能となる。さらに、すべてのステーションST1〜ST5に、リーダーとライターとを兼ね備えたICタグ読み書き部を設ける構成としているが、ステーションの機能に応じてリーダー機能のみを有する装置を設けてもよいし、ライター機能のみを有する装置を設けてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 電力会社
2 出庫管理部
3 計器
5 計器会社
10 計器直送システム
11 中央制御装置
12 搬送コンベア
13 自動倉庫
14 バーコードリーダ
15 計器情報入力部
16〜19 ICタグ読み書き部
20 プリンタ
30 配送ケース
30b 蓋
32 ICタグ
40 工事店
ST1 No.1ステーション(計器情報書き込みステーション)
ST2 No.2ステーション(保管判定ステーション)
ST3 No.3ステーション(配送先情報書き込みステーション)
ST4 No.4ステーション(印刷ステーション)
ST5 No.5ステーション(空ケース受入れステーション)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計器を梱包するための配送ケースに設けられたICタグに計器情報を書き込む計器情報書き込みステーションと、
前記ICタグに書き込まれた前記計器情報を読み取り前記計器が梱包された前記配送ケースの一時保管の可否を判定する保管判定ステーションと、
前記保管判定ステーションにおける判定結果に基づき前記計器が梱包された前記配送ケースを一時保管する自動倉庫と、
前記計器の出庫指示情報に基づき前記自動倉庫から出庫された前記配送ケースの前記ICタグに対して配送先情報を書き込む配送先情報書き込みステーションと、
前記ICタグに書き込まれた前記計器情報および前記配送先情報の内容を印刷する印刷ステーションと、
を備えたことを特徴とする計器直送システム。
【請求項2】
前記計器情報書き込みステーションにおける前記計器情報は、前記計器に付与されているコード情報を自動読み取りによって入手することを特徴とする請求項1に記載の計器直送システム。
【請求項3】
前記ICタグには、前記計器情報書き込みステーションにおける前記計器の計量値が書き込まれることを特徴とする請求項1または2に記載の計器直送システム。
【請求項4】
前記印刷ステーションでは、印刷された前記計器情報および前記配送先情報の内容と前記配送ケース内の計器現品との照合が行われることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の計器直送システム。
【請求項5】
前記配送ケースは、配送先から戻された後に、少なくとも前記計器情報書き込みステーションの近傍に配置される空ケース受入れステーションにおいて前記ICタグの書き込み情報が消去されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の計器直送システム。
【請求項1】
計器を梱包するための配送ケースに設けられたICタグに計器情報を書き込む計器情報書き込みステーションと、
前記ICタグに書き込まれた前記計器情報を読み取り前記計器が梱包された前記配送ケースの一時保管の可否を判定する保管判定ステーションと、
前記保管判定ステーションにおける判定結果に基づき前記計器が梱包された前記配送ケースを一時保管する自動倉庫と、
前記計器の出庫指示情報に基づき前記自動倉庫から出庫された前記配送ケースの前記ICタグに対して配送先情報を書き込む配送先情報書き込みステーションと、
前記ICタグに書き込まれた前記計器情報および前記配送先情報の内容を印刷する印刷ステーションと、
を備えたことを特徴とする計器直送システム。
【請求項2】
前記計器情報書き込みステーションにおける前記計器情報は、前記計器に付与されているコード情報を自動読み取りによって入手することを特徴とする請求項1に記載の計器直送システム。
【請求項3】
前記ICタグには、前記計器情報書き込みステーションにおける前記計器の計量値が書き込まれることを特徴とする請求項1または2に記載の計器直送システム。
【請求項4】
前記印刷ステーションでは、印刷された前記計器情報および前記配送先情報の内容と前記配送ケース内の計器現品との照合が行われることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の計器直送システム。
【請求項5】
前記配送ケースは、配送先から戻された後に、少なくとも前記計器情報書き込みステーションの近傍に配置される空ケース受入れステーションにおいて前記ICタグの書き込み情報が消去されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の計器直送システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−153461(P2012−153461A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12570(P2011−12570)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(599151776)中国計器工業株式会社 (49)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(599151776)中国計器工業株式会社 (49)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
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