説明

計量具

【課題】正確かつ容易に被計量物を計量できる計量具を提供する。
【解決手段】底壁部及び該底壁部の外周縁に立設された側壁部を備えた単位計量部が、前記側壁部の立設方向に複数段連続して重ねられた計量部3を備え、上位の単位計量部と下位の単位計量部とは、その内部同士が連通するものとされ、前記上位の単位計量部の底壁部は、前記下位の単位計量部の側壁部の上端開口部から外方に延設され、前記上位の単位計量部の底壁部の外周輪郭形状が、前記下位の単位計量部の底壁部の外周輪郭形状と異なる形状とされ、第三の単位計量部50における第三の上端開口部51が被計量物の出入口とされ、第一の単位計量部30における第一の側壁部32の下端開口部を閉塞することよりなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液体の洗濯洗剤、液体の自動食器洗浄機用洗剤等の液体洗剤、液体の柔軟仕上剤、液体の漂白剤、液体調味料等の液状物、粒状の洗濯洗剤又は粒状の自動食器洗浄機用洗剤等の粒状洗剤、粉状の漂白剤、粉体調味料、粉体食品等の粉粒物は、容器に収納され、この容器に付属された計量キャップや計量スプーン等の計量具で計量されて使用に供される。これらの計量具には、被計量物の量を確認しやすくするために、刻印や印刷により表示された目盛が形成されている。
【0003】
例えば、計量キャップは、注出ノズルを備えた容器本体の口部と着脱自在に装着され、被計量物を貯留する計量部を備えるものであり、計量部が被計量物の使用量に応じた容量とされたものである。計量キャップの使用方法は、容器本体内の被計量物を注出ノズルから計量部に注出し、計量部に形成された目盛に合わせて、任意の量の被計量物を計量する。
【0004】
また、例えば、計量スプーンは、被計量物を掬い取る器状の計量部と、この計量部に延設された把持部とを備え、計量部が被計量物の使用量に応じた容量とされたものである。計量スプーンの使用方法は、容器内の被計量物を計量部に形成された目盛に合わせて掬い取ったり、掬い取った被計量物を計量部の開口縁部で摺り切って、所望の量に調整する。
【0005】
目盛に合わせて被計量物を計量することで、被計量物を任意の量に正確に計量することができるが、所望する量を表示する目盛を読み取りながら被計量物を加減するのが煩雑であるという問題がある。また、不透明な材質で成形された計量具においては、計量具内の被計量物を計量具の外面から視認できないため、被計量物を目盛に合わせにくいという問題があった。
【0006】
こうした問題に対し、例えば、凹部が形成された計量キャップであって、該凹部内に形成された側壁と、凹部の周辺に形成された周辺壁と、側壁と周辺壁とが接することにより形成された屈曲部とを含み、屈曲部を目印として用いる計量キャップが開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の発明によれば、凹部に収容物を入れ、屈曲部を計量の目印とすることにより、収納物の正確かつ簡単な計量が図られている。
また、例えば、略円筒形の本体に、減少直径を有する複数の同心の円筒部が形成された計量・希釈用カップが開示されている(例えば、特許文献2)。特許文献2の発明によれば、薬剤を複数の同心の円筒部の縁部に合わせることで、任意の量を正確かつ容易に計量できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−221153号公報
【特許文献2】特表2009−541009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の発明では、被計量物を計量部に貯留した際、計量キャップの傾き具合によって計量値が異なるものとなる。加えて、計量キャップが傾いていることを簡単に認識できないため、被計量物を正確に計量しにくい。
また、特許文献2の技術では、被計量物を同心の円筒部の縁部に合わせることで、正確に計量できるものの、いかなる位置の円筒部で計量しているのかを認識しにくい。
そこで、本発明は、正確かつ容易に被計量物を計量できる計量具を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の計量具は、底壁部及び該底壁部の外周縁に立設された側壁部を備えた単位計量部が、前記側壁部の立設方向に複数段連続して重ねられた計量部を備え、上位の単位計量部と下位の単位計量部とは、その内部同士が連通するものとされ、前記上位の単位計量部の底壁部は、前記下位の単位計量部の側壁部の上端開口部から外方に延設され、前記上位の単位計量部の底壁部の外周輪郭形状が、前記下位の単位計量部の底壁部の外周輪郭形状と異なる形状とされ、最上位の単位計量部の側壁部の上端開口部が被計量物の出入口とされ、最下位の単位計量部の底壁部が側壁部の下端開口部を閉塞することを特徴とする。
前記上位の単位計量部の底壁部は、前記下位の単位計量部の側壁部の上端開口部の外方に突出する単位底壁部が環状配置されていることが好ましく、前記上位の単位計量部の単位底壁部の数量は、前記下位の単位計量部の単位底壁部の数量と異なることが好ましく、前記単位底壁部は、略円弧状であることが好ましく、前記上位の単位計量部の底壁部の輪郭形状と前記下位の単位計量部の底壁部の輪郭形状とは、略同心状であることが好ましい。
前記単位計量部の側壁部の内面には、表示部が印字されていてもよく、前記単位計量部の底壁部の内面には、表示部が印字されていてもよく、前記単位計量部の内面には、底壁部と側壁部との境界線が印字されていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の計量具によれば、単位計量部が複数段連続して重ねられた計量部を備え、上位の単位計量部の底壁部は、下位の単位計量部の側壁部の上端開口部から外方に延設され、前記上位の単位計量部の底壁部の外周輪郭形状が、前記下位の単位計量部の底壁部の外周輪郭形状と異なる形状とされているため、正確かつ容易に被計量物を計量できる。
本発明の計量具によれば、前記上位の単位計量部の底壁部は、前記下位の単位計量部の側壁部の上端開口部の外方に突出する単位計量部が環状配置されているため、被計量物をより正確に計量できる。
本発明の計量具によれば、前記上位の単位計量部の単位底壁部の数量は、前記下位の単位計量部の単位底壁部の数量と異なるため、被計量物をより容易に計量できる。
本発明の計量具によれば、前記単位底壁部が略円弧状とされているため、耐久性が高い。
本発明の計量具によれば、前記上位の単位計量部の底壁部の輪郭形状と前記下位の単位計量部の底壁部の輪郭形状とは、略同心状であるため、計量具の転倒を防止できる。
本発明の計量具によれば、前記単位計量部の側壁部の内面には、表示部が印字されているため、計量部内の被計量物の量を容易に確認できる。
本発明の計量具によれば、前記単位計量部の底壁部の内面には、表示部が印字されているため、計量部内の被計量物の量を容易に確認できる。
本発明の計量具によれば、前記単位計量部の内面には、底壁部と側壁部との境界線が印字されているため、被計量物を容易に計量できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)本発明の第一の実施形態にかかる計量具の平面側の斜視図である。(b)本発明の第一の実施形態にかかる計量具の底面側の斜視図である。
【図2】(a)本発明の第一の実施形態にかかる計量具の平面図である。(b)本発明の第一の実施形態にかかる計量具の正面図である。(c)本発明の第一の実施形態にかかる計量具の底面図である。
【図3】(a)図2(a)のIII−III断面図である。(b)図3(a)の断面斜視図である。
【図4】本発明の第一の実施形態にかかる計量具を備えた計量キャップ付き容器の部分正面図である。
【図5】(a)本発明の第二の実施形態にかかる計量具の平面側の斜視図である。(b)本発明の第二の実施形態にかかる計量具の底面側の斜視図である。
【図6】(a)本発明の第二の実施形態にかかる計量具の平面図である。(b)本発明の第二の実施形態にかかる計量具の正面図である。(c)本発明の第二の実施形態にかかる計量具の底面図である。
【図7】(a)本発明の第三の実施形態にかかる計量具の平面側の斜視図である。(b)本発明の第三の実施形態にかかる計量具の底面側の斜視図である。
【図8】(a)本発明の第三の実施形態にかかる計量具の平面図である。(b)本発明の第三の実施形態にかかる計量具の正面図である。(c)本発明の第三の実施形態にかかる計量具の底面図である。
【図9】本発明の一実施形態にかかる計量具の断面斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態にかかる計量具の断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態にかかる計量具について、以下に図1〜4を参照して説明する。
図4に示す計量キャップ付き容器10は、被計量物として、液体の洗濯洗剤、液体の自動食器洗浄機用洗剤等の液体洗剤、液体の柔軟仕上剤、液体の漂白剤、液体調味料等の液状物を収容する容器本体7と、容器本体7の口部70に装着された注出キャップ6と、注出キャップ6に着脱可能に装着される計量具1とを備えるものである。
注出キャップ6は、口部70と螺合される螺合筒部62と、螺合筒部62の内側に設けられ、本体容器7内外を連通するノズル60とを備え、螺合筒部62の外面上部にはネジ部64が形成されたものである。また、螺合筒部62の内側には、口部70に形成されたネジ部72と螺合するネジ部が形成されている(不図示)。
【0013】
図1〜3に示すように、計量具1は、計量部3と、計量部3の外周面に設けられた外筒部2とを備えるものである。計量部3は、第一の単位計量部30と、第二の単位計量部40と、第三の単位計量部50とがこの順で積み重ねられ相互に内部が連通され、被計量物を貯留して計量するものである。
【0014】
第一の単位計量部30は、平面視略円形の第一の底壁部34と、第一の底壁部34の外周縁に立設された略円筒状の第一の側壁部32とを備え、第一の側壁部32の上端縁を周縁とする第一の上端開口部31が形成されたものである。
【0015】
第二の単位計量部40は、第一の側壁部32の上端縁に、第一の上端開口部31から外方に向かい延設された第二の底壁部44と、第二の底壁部44の外周縁に立設された第二の側壁部42とを備え、第二の側壁部42の上端縁を周縁とする第二の上端開口部41が形成されたものである。第二の底壁部44は、第一の上端開口部31の外方に、略円弧状に膨出した形状の4つの単位底壁部45が、第一の上端開口部31の周方向に略等間隔で環状配置されたものである。略円弧状とは、肉眼で円弧状と認識できる程度の形状をいう。
第二の底壁部44には、表示部46である「20」の数字が印字されており、この表示部46は、第一の上端開口部31に合わせて計量した被計量物が20gであることを示している。この表示部46は、刻印や、MD−V9900(株式会社キーエンス社製)、FAYbレーザーマーカ LP−Z250(SUNIX株式会社製)等のレーザー照射機を用いたレーザー印字等により形成されるものである。
【0016】
第三の単位計量部50は、第二の側壁部42の上端縁に、第二の上端開口部41から外方に向かい延設された第三の底壁部54と、第三の底壁部54の外周縁に立設された第三の側壁部52とを備え、第三の側壁部52の上端縁を周縁とする第三の上端開口部51が形成されたものである。第三の底壁部54は、第二の上端開口部41の外方に、略円弧状に膨出した形状の8つの単位底壁部55が、第二の上端開口部41の周方向に略等間隔で環状配置されたものである。
【0017】
第三の底壁部54には、表示部56である「30」の数字が印字されており、この表示部56は、第二の上端開口部41に合わせて計量した被計量物が30gであることを示している。
【0018】
第二の底壁部44の外周輪郭形状は、第一の底壁部34の中心を通り、かつ第一の底壁部34から第三の上端開口部51の方向に延びる中心軸線O1を中心とする仮想円に内接するものであり、この仮想円は、第一の底壁部34の外周輪郭形状と略同心状のものとされている。「略同心状」とは、肉眼において、同心と認識できる程度に位置していることをいう。
第三の底壁部54の外周輪郭形状は、中心軸線O1を中心とする仮想円に内接するものであり、この仮想円は、第一の底壁部34の外周輪郭形状と略同心状のものとされている。
即ち、本実施形態において、第一の底壁部34の外周輪郭形状と、第二の底壁部44の外周輪郭形状と、第三の底壁部54の外周輪郭形状とは、略同心状とされている。
【0019】
本実施形態において、第一の底壁部34は単位底壁部を備えておらず、第二の底壁部44は4つの単位底壁部45を備え、第三の底壁部54は8つの単位底壁部55を備えている。即ち、上位の単位計量部は、下位の単位計量部より多くの単位底壁部を備えたものとされている。
【0020】
計量部3を構成する3つの単位計量部の内、最上位に位置する第三の単位計量部50における第三の上端開口部51は、計量部3に被計量物を出入させる出入口とされている。
計量部3を構成する3つの単位計量部の内、最下位に位置する第一の単位計量部30における第一の底壁部34は、第一の側壁部32の下端開口部を閉塞するものとされている。
【0021】
外筒部2は、計量部3の外周面に突設され、平面視略円形の平板状の主壁部20と、この主壁部20の外周縁に立設された嵌合壁部22とを備え、嵌合壁部22の内面にネジ部24が形成されたものである。このネジ部24は、注出キャップ6の外面に形成されたネジ部64と螺合し、計量具1を注出キャップ6に装着するものである。
【0022】
計量具1の材質は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックが挙げられる。
【0023】
次に計量具1の使用方法について、図1、4を用いて説明する。
まず、計量具1を注出キャップ6から螺脱し、第三の上端開口部51を鉛直方向上向きにする。容器本体7内の被計量物をノズル60から注出し、第三の上端開口部51から計量部3内に注ぎ入れ、第一の上端開口部31、第二の上端開口部41又は第三の上端開口部51に、被計量物の天面(本実施形態では液面)を合わせる。
例えば、被計量物を第一の単位計量部30の容量に合わせる場合、第一の上端開口部31と、被計量物の液面とが略一致することを第三の上端開口部51から目視によって確認する。この際、第一の上端開口部31の外周輪郭形状と、第二の底壁部44の外周輪郭形状とが異なるため、計量部3内の被計量物の量が第一の単位計量部30の容量を超えると、第三の上端開口部51からみた液面の輪郭形状が第二の底壁部44の外周輪郭形状となる。また、第一の上端開口部31が水平に対し傾斜した状態であると、被計量物が単位底壁部45の一部を覆うこととなり、第三の上端開口部51から見た被計量物の液面の輪郭形状が第一の上端開口部31の外周輪郭形状と異なるものとなる。このため、第一の上端開口部31が略水平に保たれていることを確認しつつ、被計量物を第一の単位計量部30の容量に合わせて容易に計量できる。
【0024】
また、例えば、被計量物を第二の単位計量部40の容量に合わせる場合、第二の上端開口部41と、被計量物の液面とが略一致することを第三の上端開口部51から目視によって確認する。この際、第二の上端開口部41の外周輪郭形状と、第三の底壁部54の外周輪郭形状とが異なるため、計量部3内の被計量物の量が第二の単位計量部40の容量を超えると、第三の上端開口部51からみた液面の輪郭形状が第三の底壁部54の外周輪郭形状となる。また、第二の上端開口部41が水平に対し傾斜した状態であると、被計量物が単位底壁部55の一部を覆うこととなり、第三の上端開口部51から見た被計量物の液面の輪郭形状が第二の上端開口部41の外周輪郭形状と異なるものとなる。このため、第二の上端開口部41が略水平に保たれていることを確認しつつ、被計量物を第二の単位計量部40の容量に合わせて容易に計量できる。
【0025】
任意の量の被計量物を計量した後、計量部内の被計量物を第三の上端開口部51から排出し、被計量物を投入する対象、例えば、被計量物が液体洗剤であれば、洗濯機や自動食器洗浄機等の任意の場所に投入する。
【0026】
本実施形態の計量具は、第一の単位計量部、第二の単位計量部及び第三の単位計量部がこの順で重ねられた計量部を備え、第二の底壁部が第一の上端開口部から外方に延設され、第三の底壁部が第二の上端開口部から外方に延設されているため、被計量物を第一〜第三の上端開口部のいずれかに合わせることで、任意の量の被計量物を計量できる。
加えて、本実施形態の計量具は、第一〜第三の底壁部の外周輪郭形状が、相互に異なる形状とされているため、被計量物を計量する際、任意の上端開口部を水平に保ちつつ、被計量物の天面が任意の上端開口部に合わせられたことを容易に確認できる。このため、任意の量の被計量物を正確かつ容易に計量できる。そして、被計量物を第三の上端開口部から目視で確認しながら計量できるため、計量具の材質を不透明なものにできる。
さらに、本実施形態の計量具は、第二の底壁部及び第三の底壁部に表示部が印字されているため、第三の上端開口部から見た被計量物の天面の輪郭形状のみならず、計量した被計量物の量を表示部により容易に確認できる。
【0027】
本実施形態の計量具は、第一〜第三の底壁部が略同心状であるため、第一の底壁部を下方として机上等に置かれた際に重心が安定し、転倒しにくい。
【0028】
本実施形態の計量具は、第二の底壁部及び第三の底壁部は、上端開口部の外方に略円弧状に膨出した単位底壁部が環状配置されたものであるため、任意の上端開口部が水平に対しいずれの方向に傾斜しても、第三の上端開口部から見た被計量物の天面の輪郭形状が変化する。このため、任意の上端開口部を水平に保ちつつ、被計量物を計量できる。
加えて、本実施形態の計量具は、上位の単位計量部が、下位の単位計量部より多くの単位底壁部を備えているため、計量部内の被計量物の天面の位置を把握するのが容易である。
さらに、本実施形態の計量具は、4つの単位底壁部が環状配置された第二の底壁部と、8つの単位底壁部が環状配置された第三の底壁部を備えるため、計量部内の被計量物の量に伴う天面の輪郭形状と、計量部内の被計量物の天面の位置との関係を容易に把握でき、被計量物をより容易に計量できる。
【0029】
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態にかかる計量具について、以下に図5〜6を参照して説明する。
図5〜6に示すように、計量具100は、計量部103と、計量部103の外周面に設けられた外筒部2とを備えるものである。計量部103は、第一の単位計量部130と、第二の単位計量部140と、第三の単位計量部150とがこの順で積み重ねられ相互に内部が連通され、被計量物を貯留して計量するものである。
【0030】
第一の単位計量部130は、平面視略円形の第一の底壁部134と、第一の底壁部134の外周縁に立設された略円筒状の第一の側壁部132とを備え、第一の側壁部132の上端縁を周縁とする第一の上端開口部131が形成されたものである。図5〜6中、符号O2は、第一の底壁部134の中心を通り、かつ第一の底壁部134から第一の上端開口部131の方向に延びる、第一の単位計量部130の中心軸線である。
【0031】
第二の単位計量部140は、第一の側壁部132の上端縁に、第一の上端開口部131から外方に向かい延設された第二の底壁部144と、第二の底壁部144の外周縁に立設された第二の側壁部142とを備え、第二の側壁部142の上端縁を周縁とする第二の上端開口部141が形成されたものである。第二の底壁部144は、第一の上端開口部131の外方に、略円弧状に膨出した形状の4つの単位底壁部145が、第一の上端開口部131の周方向に略等間隔で環状配置されたものである。
図5〜6中、符号O3は、第二の底壁部144の中心を通り、かつ第二の底壁部144から第二の上端開口部141の方向に延びる、第二の単位計量部140の中心軸線である。この中心軸線O3は、第一の単位計量部130の中心軸線O2と、第一の底壁部134の面方向に離間している。
第二の底壁部144の外周輪郭形状は、中心軸線O3を中心とする仮想円に内接するものである。
【0032】
第三の単位計量部150は、第二の側壁部142の上端縁に、第二の上端開口部141から外方に向かい延設された第三の底壁部154と、第三の底壁部154の外周縁に立設された第三の側壁部152とを備え、第三の側壁部152の上端縁を周縁とする第三の上端開口部151が形成されたものである。第三の底壁部154は、第二の上端開口部141の外方に、略円弧状に膨出した形状の8つの単位底壁部155が、第二の上端開口部141の周方向に略等間隔で環状配置されたものである。本実施形態において、第三の底壁部154は、主壁部20と略面一なものである。
図5〜6中、符号O4は、第三の底壁部154の中心を通り、かつ第三の底壁部154から第三の上端開口部151の方向に延びる、第三の単位計量部150の中心軸線である。この中心軸線O4は、第一の単位計量部130の中心軸線O2及び第二の単位計量部140の中心軸線O3と、第一の底壁部134の面方向に離間している。
第三の底壁部154の外周輪郭形状は、中心軸線O4を中心とする仮想円に内接するものである。
【0033】
本実施形態において、第一の底壁部134は単位底壁部を備えておらず、第二の底壁部144は4つの単位底壁部145を備え、第三の底壁部154は8つの単位底壁部155を備えている。即ち、上位の単位計量部は、下位の単位計量部より多くの単位底壁部を備えたものとされている。
【0034】
計量部103を構成する3つの単位計量部の内、最上位に位置する第三の単位計量部150における第三の上端開口部151は、計量部103に被計量物を出入させる出入口とされている。
計量部103を構成する3つの単位計量部の内、最下位に位置する第一の単位計量部130における第一の底壁部134は、第一の側壁部132の下端開口部を閉塞するものとされている。
【0035】
本実施形態の計量具は、第一〜第三の計量部の中心軸線が相互に異なり、第一〜第三の底壁部の外周輪郭形状の中心が相互に異なる。即ち、第一〜第三の底壁部の外周輪郭形状が略同心状でないため、被計量物を計量部内で計量する際、計量部内の被計量物の天面の輪郭形状と、計量部内の被計量物の天面の位置との関係を把握するのがより容易となり、被計量物をより容易に計量できる。
【0036】
(第三の実施形態)
本発明の第三の実施形態にかかる計量具について、以下に図7〜8を参照して説明する。
図7〜8に示すように、計量具200は、計量部203と、計量部203の外周面に設けられた外筒部2とを備えるものである。計量部203は、第一の単位計量部230と、第二の単位計量部240と、第三の単位計量部250とがこの順で積み重ねられ相互に内部が連通され、被計量物を貯留して計量するものである。
【0037】
第一の単位計量部230は、平面視略正方形の第一の底壁部234と、第一の底壁部234の外周縁に立設された略角筒状の第一の側壁部232とを備え、第一の側壁部232の上端縁を周縁とする第一の上端開口部231が形成されたものである。
【0038】
第二の単位計量部240は、第一の側壁部232の上端縁に、第一の上端開口部231から外方に向かい延設された第二の底壁部244と、第二の底壁部244の外周縁に立設された第二の側壁部242とを備え、第二の側壁部242の上端縁を周縁とする第二の上端開口部241が形成されたものである。第二の底壁部244は、第一の上端開口部231の外方に、略円弧状に膨出した形状の4つの単位底壁部245が、第一の上端開口部231の周方向に略等間隔で環状配置されたものである。
【0039】
第三の単位計量部250は、第二の側壁部242の上端縁に、第二の上端開口部241から外方に向かい延設された第三の底壁部254と、第三の底壁部254の外周縁に立設された第三の側壁部252とを備え、第三の側壁部252の上端縁を周縁とする第三の上端開口部251が形成されたものである。第三の底壁部254は、第二の上端開口部241の外方に、略三角に突出した形状の8つの単位底壁部255が、第二の上端開口部241の周方向に略等間隔で環状配置されたものである。本実施形態において、第三の底壁部254は、主壁部20と略面一なものである。
【0040】
第二の底壁部244の外周輪郭形状は、第一の底壁部234の中心を通り、かつ第一の底壁部234から第三の上端開口部251の方向に延びる中心軸線O5を中心とする仮想円に内接するものであり、この仮想円は、第一の底壁部234の外周輪郭形状と略同心状のものとされている。
第三の底壁部254の外周輪郭形状は、中心軸線O5を中心とする仮想円に内接するものであり、この仮想円は、第一の底壁部234の外周輪郭形状と略同心状のものとされている。
即ち、本実施形態において、第一の底壁部234の外周輪郭形状と、第二の底壁部244の外周輪郭形状と、第三の底壁部254の外周輪郭形状とは、略同心状とされている。
【0041】
本実施形態において、第一の底壁部234は単位底壁部を備えておらず、第二の底壁部244は4つの単位底壁部245を備え、第三の底壁部254は8つの単位底壁部255を備えている。即ち、上位の単位計量部は、下位の単位計量部より多くの単位底壁部を備えたものとされている。
【0042】
計量部203を構成する3つの単位計量部の内、最上位に位置する第三の単位計量部250における第三の側壁部252の第三の上端開口部251は、計量部203に被計量物を出入させる出入口とされている。
計量部203を構成する3つの単位計量部の内、最下位に位置する第一の単位計量部230における第一の底壁部234は、第一の側壁部232の下端開口部を閉塞するものとされている。
【0043】
(その他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
第一の実施形態では、第二及び第三の底壁部に表示部が形成されているが、本発明はこれに限定されず、表示部が形成されていなくてもよいし、第二又は第三の側壁部の内面に表示部が形成されていてもよい。また、第一の実施形態では、表示部が数字であったが、表示部の種類はこれに限定されず、文字や記号等であってもよい。あるいは、表示部は、計量部の内面から外面に向かい凹む凹状であってもよいし、側壁部又は底壁部の内面に突出する凸状であってもよい。ただし、視認性が良好である点から、表示部は印字であることが好ましい。
【0044】
例えば、第二及び第三の側壁部の内面に表示部が形成された計量具について、図9を用いて説明する。図9は、計量具300の縦断面の斜視図である。第一の実施形態の計量具1と同じ構成には同じ符号を付してその説明を省略し、主に第一の実施形態と異なる点について説明する。
図9に示すように、計量具300は、表示部346と表示部356とが印字されたものである。第二の側壁部42の内面の第二の底壁部44側には、表示部346である「▽」の図形と「20」の数字が印字されている。この表示部346は、第一の上端開口部31に合わせて計量した被計量物が20gであることを示している。また、第三の側壁部52の内面には、第三の底壁部54側に、表示部356である「▽」の図形と「30」の数字が印字されている。この表示部356は、第二の上端開口部41に合わせて計量した被計量物が30gであることを示している
表示部346の印字方法は、第一の実施形態における表示部46の印字方法と同じである。表示部356の印字方法は、第一の実施形態における表示部46の印字方法と同じである。
【0045】
また、例えば、計量部の内面には、底壁部と側壁部との境界線が印字されていてもよい。境界線が印字された計量具について、図10を用いて説明する。図10は、計量具400の縦断面の斜視図である。第一の実施形態の計量具1と同じ構成には同じ符号を付してその説明を省略し、主に第一の実施形態と異なる点を説明する。
図10に示すように、計量具400は、境界線446と境界線456とが印字されたものである。境界線446は、第一の側壁部32と第二の底壁部44との境界、即ち第一の上端開口部31の周縁に形成されたものである。また、境界線456は、第二の側壁部42と第三の底壁部54との境界、即ち第二の開口部41の周縁に形成されたものである。このような境界線446、456が形成されることで、被計量物の天面と上端開口部との位置合わせがより容易になる。
【0046】
第二及び第三の実施形態では、計量部に表示部が印字されていないが、本発明はこれに限定されず、計量部に表示部が印字されていてもよい。
【0047】
第一〜第三の実施形態では、計量具が3つの単位計量部を備えているが、本発明はこれに限定されず、単位計量部の数は、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。単位計量部の数は、被計量物の用途等を勘案して決定できる。
【0048】
第一及び第二の実施形態では、第二の底壁部及び第三の底壁部における単位底壁部が略円弧状に膨出するものであるが、本発明はこれに限定されず、例えば、略三角、略四角に突出する形状のものであってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。ただし、耐久性の観点から、単位底壁部は略円弧状に膨出する形状が好ましい。
第三の実施形態では、第二の底壁部の単位底壁部が略円弧状に膨出するものとされ、第三の底壁部の単位底壁部が略三角に突出する形状とされているが、本発明はこれに限定されず、第二の底壁部の単位底壁部が略三角に突出した形状であってもよいし、第三の底壁部の単位底壁部が略円弧状に膨出した形状であってもよい。
【0049】
第一〜第三の実施形態では、第二の底壁部における単位底壁部の数が4つであり、第三の底壁部における単位底壁部の数が8つであるが、単位底壁部の数はこれに限定されず、任意の数とすることができる。ただし、計量部内の被計量物の天面の輪郭形状を直ちに認識できるという観点から、第二の底壁部における単位底壁部の数と、第三の底壁部における単位底壁部の数とは、2以上異なることが好ましい。
また、第一〜第三の実施形態では、上位の単位計量部は、下位の単位計量部より多くの単位底壁部を備えているが、本発明はこれに限定されず、下位の単位計量部が、上位の単位計量部より多くの単位底壁部を備えていてもよい。
【0050】
第一〜第三の実施形態では、計量具がいわゆる計量キャップであるが、本発明はこれに限定されず、被計量物の種類や、被計量物を収容する容器の種類等に応じた形態とすることができる。例えば、第一〜第三の実施形態における計量部と、この計量部の第三の側壁部の上端縁に延設された把持部とを備える計量スプーンであってもよいし、第一〜第三の実施形態における計量部と、この計量部の側壁部の外面に設けられた円弧状の取っ手部とを備える計量カップであってもよい。計量スプーン又は計量カップにおいては、外筒部を備えていなくてもよいし、備えていてもよい。
【0051】
第一〜第三の実施形態では、被計量物を液状物とするものであるが、本発明はこれに限定されず、被計量物は、粒状の洗濯洗剤又は粒状の自動食器洗浄機用洗剤等の粒状洗剤、粉体調味料、粉体食品等の粉粒物であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
1、100、200、300、400 計量具
3、103、203 計量部
30、130、230 第一の単位計量部
31、131、231 第一の上端開口部
32、132、232 第一の側壁部
34、134、234 第一の底壁部
40、140、240 第二の単位計量部
41、141、241 第二の上端開口部
42、142、242 第二の側壁部
44、144、244 第二の底壁部
45、55、145、155、245、255 単位底壁部
46、56、346、356 表示部
50、150、250 第三の単位計量部
51、151、251 第三の上端開口部
52、152、252 第三の側壁部
54、154、254 第三の底壁部
446、456 境界線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁部及び該底壁部の外周縁に立設された側壁部を備えた単位計量部が、前記側壁部の立設方向に複数段連続して重ねられた計量部を備え、
上位の単位計量部と下位の単位計量部とは、その内部同士が連通するものとされ、
前記上位の単位計量部の底壁部は、前記下位の単位計量部の側壁部の上端開口部から外方に延設され、
前記上位の単位計量部の底壁部の外周輪郭形状が、前記下位の単位計量部の底壁部の外周輪郭形状と異なる形状とされ、
最上位の単位計量部の側壁部の上端開口部が被計量物の出入口とされ、最下位の単位計量部の底壁部が側壁部の下端開口部を閉塞することを特徴とする計量具。
【請求項2】
前記上位の単位計量部の底壁部は、前記下位の単位計量部の側壁部の上端開口部の外方に突出する単位底壁部が環状配置されていることを特徴とする請求項1に記載の計量具。
【請求項3】
前記上位の単位計量部の単位底壁部の数量は、前記下位の単位計量部の単位底壁部の数量と異なることを特徴とする請求項2に記載の計量具。
【請求項4】
前記単位底壁部は、略円弧状であることを特徴とする請求項2又は3に記載の計量具。
【請求項5】
前記上位の単位計量部の底壁部の輪郭形状と前記下位の単位計量部の底壁部の輪郭形状とは、略同心状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の計量具。
【請求項6】
前記単位計量部の側壁部の内面には、表示部が印字されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の計量具。
【請求項7】
前記単位計量部の底壁部の内面には、表示部が印字されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の計量具。
【請求項8】
前記単位計量部の内面には、底壁部と側壁部との境界線が印字されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の計量具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−101808(P2012−101808A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249984(P2010−249984)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】