説明

記憶タグ付き用紙束、その製造方法、及び画像形成装置における用紙搬送構造

【課題】記憶タグ付き用紙束の凹凸を軽減することが可能な記憶タグ付き用紙束、その製造方法、及び画像形成装置における用紙搬送構造を提供する。
【解決手段】用紙束10は、紙面直交方向から見たときのRFIDタグ15の添付位置P1〜P4が互いに異なる複数種類の用紙を含んでいる。これにより、RFIDタグ15の添付位置P1〜P4が一所に集中せずに分散されるため、用紙束10の凹凸を軽減することができる。従って、用紙束10の嵩張りを抑えることができる。その結果、用紙束10を梱包する場合にパッケージがコンパクトになり、運搬や保管に便利である。また、用紙束10を画像形成装置に使用する場合にも積載性が良好である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶タグ付き用紙束、その製造方法、及び画像形成装置における用紙搬送構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ICチップ及びアンテナ回路を内蔵した、RFID(Radio Frequency IDentification)と呼ばれる記憶タグ(ICタグ)に対し、非接触でデータの書き込みや読み出しを行う技術が開発されている。また、この記憶タグを印刷用紙に添付し、記憶タグ対応のプリンタによって、用紙上に画像の印刷を行うとともに、添付された記憶タグに対してデータの書き込みや読み出しを行う技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−015294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の記憶タグ付き用紙は、例えば、紙基材の上にICチップやアンテナ回路、保護部材などを貼り付けて形成されるため、記憶タグが添付された箇所が他の部分に比べて厚くなる。そのため、記憶タグ付き用紙を多数重ねた用紙束の状態では、各用紙の同じ位置に添付された記憶タグが積み重なって、その箇所が凸になるように用紙が曲がってしまう。その結果、用紙束が嵩張り、運搬時や保管時に不便になる。また、用紙束をプリンタの供給部にセットしたときに、用紙の凹凸のために、用紙の送り出しを正常に行うことができなくなるおそれがある。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、記憶タグ付き用紙束の凹凸を軽減することが可能な記憶タグ付き用紙束、その製造方法、及び画像形成装置における用紙搬送構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための手段として、第1の発明に係る記憶タグ付き用紙束は、記憶タグが添付された用紙であって、前記記憶タグの添付位置の厚さが他の位置の厚さよりも大きい用紙を複数重ねてなる記憶タグ付き用紙束において、当該用紙束を紙面直交方向から見たときの前記記憶タグの添付位置が互いに異なる複数種類の用紙を含んでいる。
【0007】
第1の発明によれば、記憶タグ付き用紙束は、用紙束を紙面直交方向から見たときの記憶タグの添付位置が互いに異なる複数種類の用紙を含んでいる。これにより、記憶タグの添付位置が一所に集中せずに分散されるため、用紙束の凹凸を軽減することができる。従って、用紙束の嵩張りを抑えることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記各用紙は、長方形状をなしており、前記記憶タグの添付位置が前記用紙の一辺方向における中央に対して両側に配置されている。
【0009】
第2の発明によれば、記憶タグの添付位置が用紙の一辺方向における中央に対して両側に配置されている。このため、記憶タグの添付位置が一辺方向における片側のみに偏らない。これにより、例えば、用紙束を画像形成装置の供給部にセットしたときに用紙が一辺方向に傾くことを抑制することが可能であり、それにより用紙を供給部から一辺方向に直交する方向へ送り出す際の送り出しを円滑に行うことができる。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、当該用紙束を紙面直交方向から見たときに、全ての記憶タグについての重心位置が前記一辺方向における中央に配置されている。
【0011】
第3の発明によれば、用紙束を紙面直交方向から見たときに、全ての記憶タグについての重心位置が一辺方向における中央に配置されている。このため、一辺方向についての用紙束の重量バランスが良い。例えば、この用紙束を使用する画像形成装置の給紙機構が用紙束をバネの弾力等を用いて下方から持ち上げる構成のものであれば、用紙束が重量の偏りにより一辺方向に傾かず、安定した給紙を行うことができる。
【0012】
第4の発明は、第2または第3の発明において、前記記憶タグの添付位置がさらに前記用紙の前記一辺方向に直交する方向における中央に対して両側に配置されている。
【0013】
第4の発明によれば、記憶タグの添付位置がさらに用紙の一辺方向に直交する方向の中央に対して両側に配置されている。このため、この直交方向についても記憶タグの添付位置の偏りを低減することができる。また、例えば、用紙束を画像形成装置の供給部にセットしたときに用紙が直交方向に傾くことを抑制することが可能であり、それにより用紙を供給部から一辺方向へ送り出す際の送り出しを円滑に行うことができる。
【0014】
第5の発明は、第4の発明において、当該用紙束を紙面直交方向から見たときに、全ての記憶タグについての重心位置が前記用紙の中央に配置されている。
【0015】
第5の発明によれば、用紙束を紙面直交方向から見たときに、全ての記憶タグについての重心位置が(一辺方向及びその直交方向における)中央に配置されている。このため、用紙束全体の重量バランスが良い。例えば、この用紙束を使用する画像形成装置の給紙機構が用紙束をバネの弾力等を用いて下方から持ち上げる構成のものであれば、用紙束が重量の偏りにより傾かず、安定した給紙を行うことができる。
【0016】
第6の発明は、第1から第5のいずれか一つの発明において、前記各記憶タグの添付位置に配置される前記記憶タグの個数が略同数である。
【0017】
第6の発明によれば、記憶タグの添付位置に配置される記憶タグの個数が略同数である。このため、各記憶タグの添付位置に形成される凸部の高さがほぼ均一になり、用紙束の全体的な凹凸を抑えることができる。
【0018】
第7の発明は、第1から第6のいずれか一つの発明において、所定単位数の用紙ごとに前記記憶タグの添付位置が異なる用紙が配置されている。
【0019】
第7の発明によれば、記憶タグ付き用紙束は、所定単位数の用紙ごとに記憶タグの添付位置が異なる用紙が配置されている。即ち、記憶タグの添付位置が同一の用紙が所定単位数を超えて連続しないため、用紙束中の各用紙に生じる凹凸や傾きを軽減できる。従って、例えば、用紙束から一部のみを抜き出した場合や、画像形成装置において用紙束の一部が消費された場合にも、用紙束の凹凸を軽減できる。
【0020】
第8の発明は、第7の発明において、前記単位数は1である。
第8の発明によれば、1枚の用紙毎に記憶タグの添付位置が異なる用紙が配置されている。即ち、隣接する用紙間における記憶タグの添付位置が異なるため、用紙束中の各用紙に生じる凹凸や傾きをより軽減することができる。
【0021】
第9の発明は、第1から第8のいずれか一つの発明において、所定数の用紙ごとに前記各記憶タグの添付位置に配置された前記記憶タグの個数が同数となるように配置されている。
【0022】
第9の発明によれば、所定数の用紙ごとに各記憶タグの添付位置に配置された記憶タグの個数が同数となるように配置されている。従って、例えば、用紙束から一部のみを抜き出した場合や、画像形成装置において用紙束の一部が消費された場合にも、各記憶タグの添付位置に配置される記憶タグの個数がほぼ同数となり、その結果各記憶タグの添付位置に形成される凸部の高さがほぼ同じとなる。
【0023】
第10の発明は、第1から第9のいずれか一つの発明において、前記各用紙における前記記憶タグの添付位置が一定順序で変化するように配置されている。
【0024】
第10の発明によれば、各用紙における記憶タグの添付位置が一定順序で変化するように配置されている。記憶タグの添付位置を一定順序で変化させることで、効率良く用紙束を製造することができる。
【0025】
第11の発明は、第1から第10のいずれか一つの発明において、全ての用紙間で前記記憶タグの添付位置が異なる。
第11の発明によれば、全ての用紙間で記憶タグの添付位置が異なる。これにより、用紙束の厚さを効果的に抑えることができる。
【0026】
第12の発明は、第1から第11のいずれか一つの発明において、当該用紙束は、前記用紙上に画像を形成する形成手段と、前記記憶タグに対しデータの書き込み及び読み出しの少なくとも一方のアクセス動作を行うアクセス手段と、前記用紙を搬送する搬送手段と、を備えた画像形成装置において使用されるものであって、前記搬送手段は、供給部にセットされた用紙束の最上位の用紙に当接し、その回転により前記用紙を送り出す供給ローラを有し、前記各記憶タグの添付位置は、少なくとも一部分が前記供給ローラの当接範囲外に配置されている。
【0027】
第12の発明によれば、記憶タグの添付位置が画像形成装置が有する供給ローラの当接範囲外に配置されている。このため、用紙束から供給ローラの回転により用紙を送り出すときに記憶タグによる凹凸により影響を受けることを防止でき、円滑に用紙を送り出すことができる。
【0028】
第13の発明は、第1から第11のいずれか一つの発明において、当該用紙束は、前記用紙上に画像を形成する形成手段と、前記記憶タグに対しデータの書き込み及び読み出しの少なくとも一方のアクセス動作を行うアクセス手段と、前記用紙を搬送する搬送手段と、を備えた画像形成装置において使用されるものであって、前記形成手段は、前記用紙上における一部分である画像形成範囲内に画像を形成可能であって、前記各記憶タグの添付位置は、少なくとも一部分が前記画像形成範囲外に配置されている。
【0029】
第13の発明によれば、各記憶タグの添付位置が画像形成装置の画像形成範囲外に配置されている。このため、各用紙における記憶タグによる凹凸が画像形成に与える影響を抑制し、画像品質を確保することができる。
【0030】
第14の発明は、第1から第11のいずれか一つの発明において、当該用紙束は、前記用紙上に画像を形成する形成手段と、前記記憶タグに対しデータの書き込み及び読み出しの少なくとも一方のアクセス動作を行うアクセス手段と、前記用紙を搬送する搬送手段と、を備えた画像形成装置において使用されるものであって、前記アクセス手段は、前記用紙の一部分であるアクセス範囲内で前記アクセス動作が可能であり、前記各記憶タグの添付位置は、前記アクセス範囲内に配置されている。
【0031】
第14の発明によれば、各記憶タグの添付位置がアクセス手段のアクセス範囲内に配置されている。これにアクセス動作のエラーの発生を防ぐことができる。
【0032】
第15の発明に係る記憶タグ付き用紙束の製造方法は、記憶タグが添付された用紙であって、前記記憶タグの添付位置の厚さが他の位置の厚さよりも大きい用紙を複数重ねてなる記憶タグ付き用紙束の製造方法であって、紙面直交方向から見たときの前記記憶タグの添付位置が異なる複数種類の用紙を互いに重ね合わせる工程を含む。
【0033】
第15の発明によれば、紙面直交方向から見たときの記憶タグの添付位置が異なる複数種類の用紙を互いに重ね合わせて記憶タグ付き用紙束を製造する。これにより、記憶タグの添付位置が一所に集中せずに分散されるため、用紙束の凹凸を軽減することができる。従って、用紙束の嵩張りを抑えることができる。
【0034】
第16の発明は、第15の発明において、前記各記憶タグの添付位置に略同数の前記記憶タグを配置する。
【0035】
第16の発明によれば、記憶タグの添付位置に配置される記憶タグの個数が略同数である。このため、各記憶タグの添付位置に形成される凸部の高さがほぼ均一になり、用紙束の全体的な凹凸を抑えることができる。
【0036】
第17の発明は、第15または第16の発明において、所定数の用紙ごとに前記各記憶タグの添付位置に配置された前記記憶タグの個数が同数となるように配置する。
【0037】
第17の発明によれば、所定数の用紙ごとに各記憶タグの添付位置に配置される記憶タグの個数が同数となるように配置する。従って、例えば、用紙束から一部のみを抜き出した場合や、画像形成装置において用紙束の一部が消費された場合にも、各記憶タグの添付位置に配置される記憶タグの個数がほぼ同数となり、その結果各記憶タグの添付位置に形成される凸部の高さがほぼ同じとなる。
【0038】
第18の発明は、第15から第17のいずれか一つの発明において、前記各用紙における前記記憶タグの添付位置が一定順序で変化するように配置する。
【0039】
第18の発明によれば、各用紙における記憶タグの添付位置が一定順序で変化するように配置する。記憶タグの添付位置を一定順序で変化させることで、効率良く用紙束を製造することができる。
【0040】
第19の発明に係る画像形成装置における用紙搬送構造は、画像形成装置において、記憶タグが添付された用紙を複数重ねてなる用紙束から用紙を搬送するための用紙搬送構造であって、前記画像形成装置は、供給部にセットされた前記用紙束から用紙を送り出す搬送手段と、送り出された用紙上に画像を形成する形成手段と、送り出された用紙の記憶タグに対しデータの書き込み及び読み出しの少なくとも一方のアクセス動作を行うアクセス手段と、を備え、前記用紙束は、各用紙における前記記憶タグの添付位置の厚さが他の位置の厚さよりも大きくされており、かつ当該用紙束を紙面直交方向から見たときの前記記憶タグの添付位置が互いに異なる複数種類の用紙を含んでいる。
【0041】
第19の発明によれば、用紙束は、当該用紙束を紙面直交方向から見たときの記憶タグの添付位置が互いに異なる複数種類の用紙を含んでいる。これにより、記憶タグの添付位置が一所に集中せずに分散されるため、用紙束の凹凸を軽減することができる。従って、用紙の送り出しを円滑に行うことができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、記憶タグ付き用紙束は、用紙束を紙面直交方向から見たときの記憶タグの添付位置が互いに異なる複数種類の用紙を含んでいる。これにより、記憶タグの添付位置が一所に集中せずに分散されるため、用紙束の凹凸を軽減することができる。従って、用紙束の嵩張りを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態におけるRFIDタグ付きの用紙束を示す平面図
【図2】用紙の部分拡大断面図
【図3】用紙束を構成する4種類の用紙を示す平面図
【図4】用紙束の重なり状態を示す概略断面図
【図5】比較例の用紙束を示した概略断面図
【図6】プリンタの概略側断面図
【図7】用紙束の製造方法を説明する図
【図8】別の実施形態における用紙束を示す平面図
【図9】さらに別の実施形態における用紙束を示す平面図
【図10】さらに別の実施形態における用紙束を構成する4種類の用紙を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0044】
次に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0045】
(RFIDタグ付き用紙束)
図1は、本実施形態のRFIDタグ15付きの用紙束10を示す平面図、図2は、用紙11の部分拡大断面図、図3は、用紙束10を構成する4種類の用紙11A〜11Dを示す平面図、図4は、用紙束10の重なり状態を示す概略断面図である。なお、以下の説明では、用紙11の種類を区別する場合に、「11A」のように符号11に添え字を付して示す。
【0046】
用紙束10は、RFIDタグ15(記憶タグの一例)が添付された複数枚の用紙11を厚さ方向に重ね合わせたものである。各用紙11は、図2に示すように、紙若しくはプラスチックからなる一対の基材シート13,14の間にRFIDタグ15を挟み込んだ構成となっている。RFIDタグ15は、ベースフィルム16の上面にICチップ17と、アンテナ回路18とを設置し、その上面をプラスチックシート等の保護部材19で覆った構成となっており、全体として概ね扁平な板状をなしている。用紙11は、RFIDタグ15が添付された箇所の厚さが、RFIDタグ15の厚さ寸法分だけ他の位置の厚さよりも大きくなっている。
【0047】
また、用紙束10は、図3に示すように、紙面直交方向から見たときのRFIDタグ15の添付位置P1〜P4が互いに異なる4種類の用紙11A〜11Dから構成されている。これらの用紙11A〜11Dは、それぞれ一個のRFIDタグ15を備えている。用紙11AのRFIDタグ15は、紙面を短辺方向における中央と長辺方向における中央とで4つのエリアA1〜A4に分けたときに、図示左上のエリアA1内に含まれる添付位置P1に配置されている。同様に、用紙11Bは図示右上のエリアA2内の添付位置P2に、用紙11Cは図示右下のエリアA3内の添付位置P3に、用紙11Dは図示左下のエリアA4内の添付位置P4に、それぞれRFIDタグ15が配置されている。これら4つの添付位置P1〜P4は、用紙11の短辺方向及び長辺方向について対称の位置関係にある。
【0048】
用紙束10は、図4に示すように、4種類の用紙11A〜11Dが一定順序で重ねて配置されている。即ち、下から順に、11A,11B,11C,11D,11A,11B,11C,11D,11A,…というように、4種類4枚の用紙11A〜11Dが同じパターンで繰り返すように配置されている。言い換えれば、用紙11毎のRFIDタグ15の添付位置は、P1,P2,P3,P4の4つの位置を1枚単位で順に移動し、4枚毎に一巡するように配置されている。
【0049】
これにより、用紙束10全体では、4つの添付位置P1〜P4に配置されるRFIDタグ15の個数が互いにほぼ同数となる。より詳細には、用紙束10を構成する用紙11の総数が4の倍数であれば、各添付位置P1〜P4のRFIDタグ15の個数が等しくなり、それ以外の数であれば、各添付位置P1〜P4に配置されるRFIDタグ15の最大個数と最小個数との差が1となる。
【0050】
図5は、比較例として従来の用紙束100を示した概略断面図である。この比較例では、用紙束100を構成する各用紙101におけるRFIDタグ102の添付位置が全て同じである。このため、用紙束100は、RFIDタグ102の添付位置が大きく盛り上がり、用紙101の姿勢に凹凸や傾きが生じている。
【0051】
これに対し、本実施形態の用紙束10では、RFIDタグ15の添付位置P1〜P4が4つに分散されているため、比較例のように添付位置を1カ所のみにした場合に比べて用紙束10全体の高さ寸法(厚さ寸法)を小さくすることができる。特に各添付位置P1〜P4に配置されるRFIDタグ15の個数がほぼ同数であるため、添付位置を1カ所のみにした場合に比べて、一つの添付位置P1〜P4に配されるRFIDタグ15の個数がほぼ4分の1になる。従って、用紙束10を載置したときに、各添付位置P1〜P4に生じる凸部の高さ寸法が概ね等しくなり、各用紙11に生じる凹凸や傾きが軽減され、各用紙11の姿勢がおおよそ水平姿勢に近くなる。
【0052】
このように、本実施形態の用紙束10は、紙面直交方向から見たときのRFIDタグ15の添付位置P1〜P4が互いに異なる複数種類の用紙を含んでいる。これにより、RFIDタグ15の添付位置P1〜P4が一所に集中せずに分散されるため、用紙束10の凹凸を軽減することができる。従って、用紙束10の嵩張りを抑えることができる。その結果、用紙束10を梱包する場合にパッケージがコンパクトになり、運搬や保管に便利である。また、用紙束10を画像形成装置に使用する場合にも積載性が良好である。
【0053】
また、用紙束10は、RFIDタグ15の添付位置P1〜P4に配置されるRFIDタグ15の個数が略同数である。このため、各RFIDタグ15の添付位置P1〜P4に形成される凸部の高さがほぼ均一になり、用紙束10の全体的な凹凸を抑えることができる。
【0054】
また、用紙束10は、所定単位数の用紙11ごとにRFIDタグ15の添付位置P1〜P4が異なる用紙11A〜11Dが配置されている。即ち、RFIDタグ15の添付位置P1〜P4が同一の用紙11A〜11Dが所定単位数を超えて連続しないため、用紙束10中の各用紙11に生じる凹凸や傾きを軽減できる。従って、例えば、用紙束10から一部のみを抜き出した場合や、画像形成装置において用紙束10の一部が消費された場合にも、用紙束10の凹凸を軽減できる。
【0055】
また、1枚の用紙11毎にRFIDタグ15の添付位置P1〜P4が異なる用紙11A〜11Dが配置されている。即ち、隣接する用紙11間におけるRFIDタグ15の添付位置P1〜P4が異なるため、用紙束10中の各用紙11に生じる凹凸や傾きをより軽減することができる。
【0056】
また、所定数(4枚)の用紙11毎に各RFIDタグ15の添付位置P1〜P4に配置されるRFIDタグ15の個数が同数となるように配置されている。従って、例えば、用紙束10から一部のみを抜き出した場合や、画像形成装置において用紙束10の一部が消費された場合にも、各RFIDタグ15の添付位置P1〜P4に配置されるRFIDタグ15の個数がほぼ同数となり、その結果各RFIDタグ15の添付位置P1〜P4に形成される凸部の高さがほぼ同じとなる。
【0057】
(プリンタにおける用紙搬送構造)
次に画像形成装置の一例であるプリンタ30における用紙搬送構造について説明する。図6は、プリンタ30の概略側断面図である。
【0058】
図6に示すように、プリンタ30は、用紙束10を積載可能な供給トレイ31(供給部の一例)を備えている。なお、用紙束10は、供給トレイ31に対して縦向き及び横向きに積載可能であり、即ち用紙11の搬送方向を用紙11の長辺方向及び短辺方向のいずれともすることができる。
【0059】
供給トレイ31の底部には、揺動可能な用紙押圧板32が設けられており、この用紙押圧板32は1つまたは複数のばね部材33によって、上向きに付勢されている。供給トレイ31に積載された用紙束10は、用紙押圧板32により前部が持ち上げられ、最上位の用紙11が供給トレイ31の前部上方に設けられた供給ローラ34に押し付けられる。そして、供給ローラ34の回転により、供給ローラ34に当接した用紙11が前方へ送り出される。送り出された用紙11は、供給ローラ34側に付勢された分離パッド35と供給ローラ34との間に挟まれたときに1枚ずつ捌かれる。
【0060】
給紙ローラ34から送り出された用紙11は、レジストローラ36により画像形成部37(形成手段の一例)による画像形成位置に搬送される。画像形成部37は、1色または複数色の着色剤(インクやトナー)を用いて用紙11上に画像を形成する。画像形成位置を経た用紙11は、ICリーダライタ38(アクセス手段の一例)によるアクセス位置に搬送される。ICリーダライタ38は、用紙11に添付されたRFIDタグ15と電波による通信を行うことで、RFIDタグ15に記録されたデータの読み出し、及びRFIDタグ15へのデータの書き込みのうちいずれか一方、若しくは読み出しと書き込みの両方の動作(以下、これらの動作をアクセス動作ともいう。)を行う機能を有している。アクセス位置を経た用紙11は、プリンタ30上部に設けられた排出トレイ39上に排出される。
【0061】
ここで、既述の供給ローラ34は、用紙11の搬送方向に直交する方向における中央部に設けられている。図1には、用紙束10を縦置きにした場合(用紙11を長辺方向に搬送する場合)の供給ローラ34の当接範囲41Aと、用紙束10を横置きした場合(用紙11を短辺方向に搬送する場合)の供給ローラ34の当接範囲41Bとが示されている。同図に示すように、用紙束10におけるRFIDタグ15の添付位置P1〜P4は、供給ローラ34の当接範囲41A,41B外に配置されている。このため、RFIDタグ15の凹凸が用紙11の送り出しに影響を与えることが抑制され、用紙11を円滑に送り出すことができる。
【0062】
また、既述のICリーダライタ38は、図1に示すように、用紙11を短辺方向に搬送する場合に、用紙11の一部分であるアクセス範囲42内においてアクセス動作(RFIDタグ15との通信)が可能である。なお、用紙11を長辺方向に搬送する場合には、用紙11の全面がアクセス範囲に含まれる。各RFIDタグ15の添付位置P1〜P4は、このアクセス範囲42内に配置されている。これにより、アクセス動作のエラーの発生を防ぐことができる。
【0063】
また、用紙束10は、RFIDタグ15の添付位置P1〜P4が用紙11の一辺方向(例えば短辺方向)における中央に対して両側に配置されている。このため、RFIDタグ15の添付位置P1〜P4が一辺方向における片側のみに偏らない。これにより、用紙束10をプリンタ30の供給トレイ31にセットしたときに用紙11が一辺方向に傾くことを抑制することが可能であり、従って用紙11を供給トレイ31から一辺方向に直交する方向(例えば長辺方向)へ送り出す際の送り出しを円滑に行うことができる。
【0064】
また、用紙束10を紙面直交方向から見たときに、全てのRFIDタグ15についての重心位置が一辺方向における中央に配置されている。このため、一辺方向についての用紙束10の重量バランスが良い。この用紙束10を使用するプリンタ30の給紙機構が上述のように用紙束10をばね部材33等の弾力を用いて下方から持ち上げる構成のものであれば、用紙束10が重量の偏りにより一辺方向に傾かず、供給ローラ34に対して真っ直ぐな姿勢で当接し、安定した給紙を行うことができる。
【0065】
また、RFIDタグ15の添付位置P1〜P4がさらに用紙11の一辺方向に直交する方向(例えば長辺方向)の中央に対して両側に配置されている。このため、この直交方向についてもRFIDタグ15の添付位置P1〜P4の偏りを低減することができる。これにより、用紙束10をプリンタ30の供給トレイ31にセットしたときに用紙11が直交方向に傾くことを抑制することが可能であり、従って用紙11を供給トレイ31から一辺方向(例えば短辺方向)へ送り出す際の送り出しを円滑に行うことができる。
【0066】
また、用紙束10を紙面直交方向から見たときに、全てのRFIDタグ15についての重心位置が(一辺方向及びその直交方向における)中央に配置されている。このため、用紙束10全体の重量バランスが良い。例えば、この用紙束10を使用するプリンタ30の給紙機構が上述のように用紙束10をばね部材33等の弾力を用いて下方から持ち上げる構成のものであれば、用紙束10が重量の偏りにより傾かず、供給ローラ34に対して真っ直ぐな姿勢で当接し、安定した給紙を行うことができる。
【0067】
(用紙束の製造方法)
次に用紙束10の製造方法について説明する。図7は、用紙束10の製造方法を説明する図である。
【0068】
図7に示すように、まず基材シート巻体51から、紙製等の帯状の基材シート13が供給される。基材シート13は、ニップローラ53からニップローラ54側へと搬送される。この間、タグ装着装置(図示せず)により基材シート13の上面にRFIDタグ15が装着される。ここでは、例えば、基材シート13上面に加圧接着式の接着フィルム(図示せず)を塗布しておくことにより、RFIDタグ15を接着固定する。
【0069】
ここでは、既述の4種類の用紙11A〜11Dを1枚ずつ順に製造するため、基材シート13に対するRFIDタグ15の装着位置は、用紙11A〜11Dの種類に応じて順次変更される。即ち、タグ装着装置は、基材シート13上にRFIDタグ15を1個装着するごとに、RFIDタグ15の装着位置を次の種類の用紙11A〜11Dに対応する位置に移動させる。
【0070】
そして、もう一つの基材シート巻体55から供給された基材シート14をRFIDタグ15が装着された基材シート13の上面に接着し、ニップローラ54により圧着する。その後、基材シート13,14をカッタ56により用紙11のサイズに裁断し、裁断された用紙11を順にトレイ57上に積み重ねる。トレイ57上の用紙11が所定枚数に至ったところで、完成した用紙束10をトレイ57から取り出し、梱包する。
【0071】
このように、各用紙11におけるRFIDタグ15の添付位置P1〜P4を一定順序で変化させることで、効率良く用紙束10を製造することができる。
【0072】
(他の実施形態)
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0073】
(1)上記実施形態の製造方法では、RFIDタグの添付位置が異なる用紙を1枚ずつ形成し、それらを重ね合わせるものを示したが、本発明によれば、記憶タグの添付位置が互いに異なる用紙を別々に形成して、各種類の用紙ごとの用紙束を製造し、それらの用紙束から所定の順序で用紙を取り出して重ね合わせるようにしても良い。このとき、用紙の方向性に問題がない場合には、同じ位置に記憶タグを添付した用紙束から一部の用紙束を取り出してその用紙束の向きを紙面に直交する軸周りに回転させたり、表裏を反転させることで、異なる位置に記憶タグが添付された別種類の用紙束として用いても良い。
【0074】
(2)上記実施形態では、1枚単位でRFIDタグの添付位置が異なる用紙束を示したが、本発明によれば、2枚以上の所定単位でRFIDタグの添付位置が異なるようにしても良い。例えば、2枚単位でRFIDタグ15の添付位置P1〜P4が異なる用紙11A〜11Dを配置する場合には、「P1,P1,P2,P2,P3,P3,P4,P4,P2,P2,P4,P4,…」のように配置しても良い。
【0075】
(3)上記実施形態では、各RFIDタグの添付位置におけるRFIDタグの個数が4枚毎に同数となるものを示したが、この枚数は適宜変更できる。例えば、RFIDタグの添付位置を「P2,P1,P1,P2,P3,P4,P4,P3,P2,P1,P1,P2,…」のように配置した場合には、各RFIDタグの添付位置P1〜P4におけるRFIDタグの個数が8枚毎に同数となる。
【0076】
(4)上記実施形態では、用紙束におけるRFIDタグの添付位置が4カ所のものを示したが、これに限らず、本発明によれば、記憶タグの添付位置を例えば2カ所とし、記憶タグが各添付位置に配置された用紙を1枚ごとに交互に配置しても良い。また、用紙束におけるRFIDタグの添付位置は、3カ所、若しくは5カ所以上としても良い。なお、記憶タグの添付位置が多くなると、添付位置が異なる多種類の用紙を用意することになり、製造方法によってはコストがかかる場合があるが、その場合、記憶タグの添付位置を少数に抑えることでコストを抑制することができる。
【0077】
(5)上記実施形態では、RFIDタグを4つのエリアにほぼ同数ずつ分散するものを示したが、本発明によれば、記憶タグを一部のエリアに偏って配置しても良い。また、上記実施形態では、各RFIDタグの添付位置に配置されるRFIDタグの個数が同数または1個差のものを示したが、2個差以上としても、用紙束の凹凸を軽減する効果が得られる。
【0078】
(6)上記実施形態では、用紙を長辺方向及び短辺方向のいずれにも搬送可能な構造を示したが、本発明は、用紙が一方向のみに搬送される構造にも適用することができる。
【0079】
(7)上記実施形態では、各用紙におけるRFIDタグの添付位置が一定順序で変化するように配置したものを示したが、本発明によれば、製造時に各用紙の記憶タグの添付位置(若しくは用紙の種類)を乱数などに基づいてランダムに決めても良い。
【0080】
(8)上記実施形態では、RFIDタグの添付位置を用紙の一辺方向若しくはその直交方向の中央に対して両側にほぼ同数配置したものを示したが、本発明によれば、一辺方向の中央等に記憶タグを配置しても良く、その場合、例えば、両側に記憶タグが0.5個ずつ配置されるとみなしても良い。
【0081】
(9)図8に示す用紙束60のように、画像形成装置において画像形成可能な画像形成範囲61が用紙11の一部分である構成においては、各RFIDタグ15の添付位置P5〜P8の少なくとも一部分を画像形成範囲61外に配置しても良い。これにより、各用紙11におけるRFIDタグ15による凹凸が画像形成に与える影響を抑制し、画像品質を確保することができる。特に、各RFIDタグ15の添付位置P5〜P8の全体を画像形成範囲61外に配置することで、RFIDタグ15による凹凸が画像形成に与える影響をより効果的に抑制することができる。
【0082】
(10)用紙束は、全ての用紙間で記憶タグの添付位置が異なるように構成しても良い。例えば、図9に示す用紙束62は、16枚の用紙11にRFIDタグ15が1個ずつ添付されており、各用紙11は、互いにRFIDタグ15の添付位置P11〜P26が異なっている。用紙束62におけるRFIDタグ15の添付位置P11〜P26は、既述の各エリアA1〜A4に4つずつ分散されており、全てのRFIDタグ15の重心が中央にあるためバランスが良い。これにより、用紙束62の厚さを効果的に抑えることができる。
【0083】
なお、近接する用紙11間では、RFIDタグ15の添付位置P11〜P26が偏らないように配置すると良い。即ち、例えば、「エリアA1のP11,エリアA2のP15,エリアA3のP19、エリアA4のP23,エリアA1のP12,…」のようにRFIDタグ15の添付位置P11〜P26を分散させることで、用紙束62中の用紙11に生じる凹凸や傾きを軽減することができる。
【0084】
(11)上記実施形態では、1枚の用紙に1個のRFIDタグが添付されたものを示したが、本発明は、1枚の用紙に複数のRFIDタグが添付されたものにも適用することができる。例えば、図10に示すように、2個のRFIDタグ15を有し、かつ互いにRFIDタグ15の添付位置P1〜P4(の組合せ)が異なる4種類の用紙11E〜11Hにより用紙束を構成しても良い。
【0085】
(12)用紙束のRFIDタグに対応する画像形成装置の機種情報を記憶させておき、画像形成装置にその用紙束をセットして画像形成やアクセス動作を行う際に、その機種情報を参照し、画像形成装置自身が対応する機種でない場合には、画像形成等を実行しないように構成しても良い。これにより、対応していない画像形成装置により画像形成等が実行されることを防止できる。
【0086】
(13)上記実施形態では、用紙上における各RFIDタグの添付位置が重なり合わないものを示したが、本発明によれば、記憶タグの位置がずれていれば、一部が重なり合っても良い。
(14)本発明は、用紙が長方形以外の形状のものにも適用することができる。
【符号の説明】
【0087】
10,60,62(記憶タグ付き用紙束)
11…用紙
15…RFIDタグ(記憶タグ)
30…プリンタ(画像形成装置)
31…供給トレイ(供給部)
34…供給ローラ(搬送手段)
37…画像形成部(形成手段)
38…ICリーダライタ(アクセス手段)
41A,41B…供給ローラの当接範囲
42…アクセス範囲
61…画像形成範囲
P1〜P8,P11〜P26…記憶タグの添付位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶タグが添付された用紙であって、前記記憶タグの添付位置の厚さが他の位置の厚さよりも大きい用紙を複数重ねてなる記憶タグ付き用紙束において、
当該用紙束を紙面直交方向から見たときの前記記憶タグの添付位置が互いに異なる複数種類の用紙を含んでいる記憶タグ付き用紙束。
【請求項2】
請求項1に記載の記憶タグ付き用紙束において、
前記各用紙は、長方形状をなしており、
前記記憶タグの添付位置が前記用紙の一辺方向における中央に対して両側に配置されている。
【請求項3】
請求項2に記載の記憶タグ付き用紙束において、
当該用紙束を紙面直交方向から見たときに、全ての記憶タグについての重心位置が前記一辺方向における中央に配置されている。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の記憶タグ付き用紙束において、
前記記憶タグの添付位置がさらに前記用紙の前記一辺方向に直交する方向における中央に対して両側に配置されている。
【請求項5】
請求項4に記載の記憶タグ付き用紙束において、
当該用紙束を紙面直交方向から見たときに、全ての記憶タグについての重心位置が前記用紙の中央に配置されている。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の記憶タグ付き用紙束において、
前記各記憶タグの添付位置に配置される前記記憶タグの個数が略同数である。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の記憶タグ付き用紙束において、
所定単位数の用紙ごとに前記記憶タグの添付位置が異なる用紙が配置されている。
【請求項8】
請求項7に記載の記憶タグ付き用紙束において、
前記単位数は1である。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の記憶タグ付き用紙束において、
所定数の用紙ごとに前記各記憶タグの添付位置に配置された前記記憶タグの個数が同数となるように配置されている。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の記憶タグ付き用紙束において、
前記各用紙における前記記憶タグの添付位置が一定順序で変化するように配置されている。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の記憶タグ付き用紙束において、
全ての用紙間で前記記憶タグの添付位置が異なる。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の記憶タグ付き用紙束において、
当該用紙束は、前記用紙上に画像を形成する形成手段と、前記記憶タグに対しデータの書き込み及び読み出しの少なくとも一方のアクセス動作を行うアクセス手段と、前記用紙を搬送する搬送手段と、を備えた画像形成装置において使用されるものであって、
前記搬送手段は、供給部にセットされた用紙束の最上位の用紙に当接し、その回転により前記用紙を送り出す供給ローラを有し、
前記各記憶タグの添付位置は、少なくとも一部分が前記供給ローラの当接範囲外に配置されている。
【請求項13】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の記憶タグ付き用紙束において、
当該用紙束は、前記用紙上に画像を形成する形成手段と、前記記憶タグに対しデータの書き込み及び読み出しの少なくとも一方のアクセス動作を行うアクセス手段と、前記用紙を搬送する搬送手段と、を備えた画像形成装置において使用されるものであって、
前記形成手段は、前記用紙上における一部分である画像形成範囲内に画像を形成可能であって、
前記各記憶タグの添付位置は、少なくとも一部分が前記画像形成範囲外に配置されている。
【請求項14】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の記憶タグ付き用紙束において、
当該用紙束は、前記用紙上に画像を形成する形成手段と、前記記憶タグに対しデータの書き込み及び読み出しの少なくとも一方のアクセス動作を行うアクセス手段と、前記用紙を搬送する搬送手段と、を備えた画像形成装置において使用されるものであって、
前記アクセス手段は、前記用紙の一部分であるアクセス範囲内で前記アクセス動作が可能であり、
前記各記憶タグの添付位置は、前記アクセス範囲内に配置されている。
【請求項15】
記憶タグが添付された用紙であって、前記記憶タグの添付位置の厚さが他の位置の厚さよりも大きい用紙を複数重ねてなる記憶タグ付き用紙束の製造方法であって、
紙面直交方向から見たときの前記記憶タグの添付位置が異なる複数種類の用紙を互いに重ね合わせる工程を含む記憶タグ付き用紙束の製造方法。
【請求項16】
請求項15に記載の記憶タグ付き用紙束の製造方法において、
前記各記憶タグの添付位置に略同数の前記記憶タグを配置する。
【請求項17】
請求項15または請求項16に記載の記憶タグ付き用紙束の製造方法において、
所定数の用紙ごとに前記各記憶タグの添付位置に配置された前記記憶タグの個数が同数となるように配置する。
【請求項18】
請求項15から請求項17のいずれか一項に記載の記憶タグ付き用紙束の製造方法において、
前記各用紙における前記記憶タグの添付位置が一定順序で変化するように配置する。
【請求項19】
画像形成装置において、記憶タグが添付された用紙を複数重ねてなる用紙束から用紙を搬送するための用紙搬送構造であって、
前記画像形成装置は、供給部にセットされた前記用紙束から用紙を送り出す搬送手段と、送り出された用紙上に画像を形成する形成手段と、送り出された用紙の記憶タグに対しデータの書き込み及び読み出しの少なくとも一方のアクセス動作を行うアクセス手段と、を備え、
前記用紙束は、各用紙における前記記憶タグの添付位置の厚さが他の位置の厚さよりも大きくされており、
かつ当該用紙束を紙面直交方向から見たときの前記記憶タグの添付位置が互いに異なる複数種類の用紙を含んでいる画像形成装置における用紙搬送構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−194945(P2010−194945A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44182(P2009−44182)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】