説明

記録再生装置及び記録再生方法

【課題】未記録部分直後の読み取り対象のデータを、より確実に読み取ることができる記録再生装置及び記録再生方法を提供すること。
【解決手段】読み取り処理部106aは、読み取り対象のデータが光ディスク102から読み取れるか否かを判定し、当該データが読み取れると判定された場合、当該データを再生処理部110に出力する。読み取り対象のデータが読み取れないと判定された場合、未記録部分検出部106bは、読み取り対象のデータの直前の未記録部分に関する情報を光ディスク102から検出する。自記録データ決定部106cは、未記録部分に関する情報に基づいて、自記録データの先頭位置を決定し、先頭位置から自記録データを書込むように書込み制御部108に指示を出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクの記録再生装置及び記録再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、光ディスクに未記録領域が存在すると、安定した読み取り動作を行うことが困難な場合がある。この一因としては、未記録領域ではRF信号が検出されず、同期を取りづらいことが挙げられる。
【0003】
このため、光ディスクに記録されたデータを確実に読み取るための技術が種々提案されている。例えば、各フラグメント間にRUN−IN(ランイン)としてダミーデータを記録するダミーデータ記録ステップを備え、各フラグメント間をRUN−IN記録領域により連結させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、各フラグメント間は必ずRUN−IN記録領域により連結されることとなる。
【特許文献1】特開2003−228919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、光ディスクに記録されたデータの記録特性は、記録後に劣化してしまう場合がある。例えば、光ディスクの表面に汚れが付着した場合、あるいは傷がついた場合、記録特性は劣化し得る。また、光ディスクにデータを記録する際に用いたドライブの性能によっては、記録パワー不足により、記録済み部分の先頭部分において良好な記録特性が得られない場合もある。従って、読み取り対象のデータが、未記録部分直後の記録済み部分に存在する場合、当該データの読み取りが困難なことがある。
【0005】
そこで、本発明は、未記録部分直後の読み取り対象のデータを、より確実に読み取ることができる記録再生装置及び記録再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一つの面によれば、書換え可能な光ディスクへのデータの記録及び前記光ディスクからのデータの再生が可能な記録再生装置であって、前記光ディスクを駆動する光ディスクドライブと、前記光ディスクドライブによって駆動される前記光ディスクへのデータの書込みを制御する書込み制御部と、前記光ディスクドライブによって駆動される前記光ディスクからの前記データの読み込みを制御し、前記データを出力する読み込み制御部と、前記読み込み制御部から出力された前記データを再生する再生処理部とを備え、前記読み込み制御部は、読み取り対象のデータが前記光ディスクから読み取れるか否かを判定し、前記読み取り対象のデータが前記光ディスクから読み取れると判定された場合、前記読み取り対象のデータを前記再生処理部に出力する読み取り処理部と、前記読み取り対象のデータが前記光ディスクから読み取れないと判定された場合、前記読み取り対象のデータの直前の未記録部分に関する情報を前記光ディスクから検出し、出力する未記録部分検出部と、前記未記録部分に関する前記情報に基づいて、自記録データの先頭位置を決定し、前記自記録データの前記先頭位置からの書込み指示を前記書込み制御部に出力する自記録データ決定部とを備えることを特徴とする、記録再生装置が提供される。
【0007】
また、本発明の別の面によれば、書換え可能な光ディスクへのデータの記録、及び前記光ディスクからのデータの再生を行なう記録再生方法であって、読み取り対象のデータが前記光ディスクから読み取れるか否かを判定するステップと、前記読み取り対象のデータが前記光ディスクから読み取れると判定された場合、前記読み取り対象のデータを再生するステップと、前記読み取り対象のデータが前記光ディスクから読み取れないと判定された場合、前記読み取り対象のデータの直前の未記録部分に関する情報を前記光ディスクから検出するステップと、前記未記録部分に関する前記情報に基づいて、自記録データの先頭位置を決定するステップと、前記先頭位置から前記自記録データを書き込むステップとを備えることを特徴とする記録再生方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、未記録部分直後の読み取り対象のデータを、より確実に読み取ることができる記録再生装置及び記録再生方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0010】
まず、図1及び図2を参照しつつ、光ディスクに対する記録フォーマットについて説明する。HD DVD−RW規格においては、連続記録方式及びランダム記録方式の2種類の記録方式が採用されている。図1は、連続記録方式(sequential recording mode)を説明するための概略図である。図2は、ランダム記録方式(fragment recording mode)を説明するための概略図である。
【0011】
図1に示すように、連続記録方式において、データはデータ領域の先頭から順次記録される。図1は、ファイルデータAが、光ディスクのデータ領域の先頭(図1左側)から順次記録された状態を示す。連続記録方式は、例えば、映像データといった長時間連続するデータを記録する場合に採用することができる。
【0012】
一方、図2に示すように、ランダム記録方式において、データはデータ領域内にランダムに記録される。より具体的には、データは、データ領域の任意の場所に任意の順番で記録することができる。結果として、ランダム記録方式では、記録済み部分と記録済み部分との間に未記録部分が存在することになる。ランダム記録方式は、例えば、小容量のデータを頻繁に記録する場合に採用することができる。このため、ランダム記録方式は、パーソナルコンピュータを用いてデータを記録する場合に採用することができる。
【0013】
図2は、ファイルデータB、ファイルデータC、及びファイルデータDが、光ディスクのデータ領域にランダムに記録された状態を示している。ファイルデータBとファイルデータCとの間には、未記録部分Xが存在し、ファイルデータCとファイルデータDとの間には、未記録部分Yが存在する。
【0014】
次に、図3を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る記録再生装置について説明する。
【0015】
図3は、本発明の一実施形態に係る記録再生装置100の構成を概略的に示すブロック図である。この記録再生装置100は、例えば、HD DVD(high-definition digital versatile disc)といった記憶媒体に対する再生動作及び記録動作を行うことができるHD DVDプレーヤとして実現される。
【0016】
記録再生装置100は、HD DVDといった光ディスク102を駆動する光ディスクドライブ(ODD)104、読み取り制御部106、書込み制御部108、再生処理部110、チューナ112、アンテナ114、AV出力端子116等を備える。
【0017】
光ディスクドライブ104は、HD DVD−ROM、HD DVD−R、HD DVD−RW、HD DVD−RAMといった各種の光ディスクを駆動するためのドライブユニットである。
【0018】
読み取り制御部106は、光ディスクドライブ102にアクセスして、光ディスク102に格納されたデータを読み取る。読み取り制御部106によって読み取られたデータは、再生処理部110に出力される。また、読み取り制御部106は、読み取り処理部106a、未記録部分検出部106b、及び自記録データ決定部106cを備える。
【0019】
読み取り処理部106aは、ホストから要求される、読み取り対象のデータ(以下、「ターゲットデータ」と称する)を、光ディスクドライブ104を介して光ディスク102から読み取る。このとき、読み取り処理部106aは、光ディスク102からターゲットデータを読み取れるか否か(ターゲットデータのサーチが可能か否か)を判定する。例えば、ターゲットデータの先頭部分から得られるRF信号の強度が所定の閾値以上である場合は、ターゲットデータは読み取れる(サーチ可能)と判定し、当該RF信号の強度が所定の閾値未満である場合に、ターゲットデータは読み取れない(サーチ不可能)と判定してもよい。
【0020】
より具体的には、読み取り処理部106aは、ターゲットデータをサーチし、サーチが成功した場合には、ターゲットデータの読み取りを行う。一方、ターゲットデータのサーチに失敗した場合、読み取り処理部106aは、未記録部分検出部106bに対して、ターゲットデータの直前に位置する未記録部分を検出するように指示を出す。例えば、ターゲットデータが図2中のファイルデータDである場合、読み取り処理部106aは、ファイルデータDをサーチし、サーチが成功した場合には、ファイルデータDの読み取りを行う。一方、ファイルデータDをサーチできない場合、読み取り処理部106aは、未記録部分検出部106bに対して、ファイルデータDの直前に位置する未記録部分Yを検出するように指示を出す。
【0021】
未記録部分検出部106bは、読み取り処理部106aからの指示に応じて、ターゲットデータの直前に位置する未記録部分を検出する。より具体的には、未記録部分検出部106bは、光ディスク102に格納されている管理情報(ビットマップ)を参照して、ターゲットデータの先頭位置(例えば、先頭アドレス)、換言すれば、未記録部分の終端位置(例えば、終端アドレス)を検出する。検出された情報は、未記録部分に関する情報として、未記録部分検出部106bから自記録データ決定部106cに出力される。ビットマップには、例えば、光ディスク102に記録された各データ(例えば、図2に示すファイルデータB、C及びDの各々)の記録開始位置(先頭アドレス)及びデータ長(ファイル長)が格納されている。なお、ビットマップに、光ディスク102の各セクタ(あるいは所定の記録単位)が記録済みであるか否かを示す情報を格納してもよい。例えば、あるセクタが記録済みであれば「1」を格納し、当該セクタが未記録であれば「0」を格納してもよい。
【0022】
自記録データ決定部106cは、自記録データの書込みを開始する位置、例えば、自記録データの先頭アドレスを決定する。なお、本明細書において、「自記録データ」とは、記録再生装置100が、ターゲットデータの読み取りを可能とするために、ターゲットデータの直前に位置する未記録部分に自ら書き込むデータをいう。自記録データのサイズとしては、予め任意のサイズを設定しておくことができる。例えば、光ディスク102がHD DVDメディアである場合、自記録データのサイズを、1ECC(Error Correction Code)ブロック、即ち、32セクタに設定することができる。HD DVDメディアにおいては、1ECCブロックが最小の書込み単位及び読み取り単位である。従って、自記録データのサイズを1ECCブロックに設定することで、自記録データのサイズを最小値に抑えることができる。また、自記録データを書き込むために要する処理負荷も最低限に抑えることができる。自記録データの先頭位置は、未記録部分検出部106bから出力された情報に基づいて決定される。より具体的には、自記録データの終端アドレスは、未記録部分検出部106bから出力されたアドレスに決定される。また、自記録データの先頭位置(先頭アドレス)は、終端位置(終端アドレス)から自記録データのサイズ分を差し引いて得られる位置(アドレス)に決定される。
【0023】
書込制御部108は、光ディスクドライブ104にアクセスして、光ディスク102に対してデータを書き込む。例えば、書込制御部108は、地上デジタル放送波をアンテナ114を介してチューナ112で受信し、受信した放送波から抽出されるデータを光ディスク102に書き込むことができる。また、書込制御部108は、読み取り制御部106の自記録データ決定部106cから出力される情報に基づいて、光ディスク102に対して自記録データを書き込むことができる。
【0024】
なお、自記録データに関する情報(例えば、先頭アドレス、データ長等)は、例えば、光ディスク102には直接書き込まず、記録再生装置100が備えるメモリ等に一時的に格納する。このような構成を採用することで、光ディスク102に対して記録再生装置100以外の装置で読み取り動作又は書込み動作を行う場合に、自記録データが記録された部分を未記録部分として扱うことができ、自記録データが記録された部分に上書きすることができる。換言すれば、実際には未記録部分であるのに、当該未記録部分に自記録データが書き込まれているためにデータの書込みが阻害されるといった不都合を防止することができる。
【0025】
再生処理部110は、読み取り制御部106から出力されるデータを、ビデオデータ及びオーディオデータに分離する。また、再生処理部110は、ビデオデータ及びオーディオデータ等をデコードし、ブレンド処理等を適宜行った上で、記録再生装置100にAV出力端子116を介して接続されたテレビ受像機等に出力する。AV出力端子116は、例えば、HDMI出力端子、D1/D2/D3/D4映像出力端子等であってよい。
【0026】
なお、図3図中の矢印は、記録再生装置100を構成する要素間の代表的な信号、情報、又はデータの流れを表すものにすぎず、信号等の全ての流れを表すものではない。
【0027】
次に、図4A及び図4Bを参照しつつ、記録再生装置100の読み取り制御部106によって行われる自記録データの書込み動作について、より詳細に説明する。図4Aは、図2に示したファイルデータDの先頭部分の記録特性が劣化した状態を示す概略図である。図4A中、点線Zで囲まれた部分は、記録特性が劣化した部分である。また、図4Bは、ファイルデータDの直前のロケーションに書き込まれる自記録データを説明するための概略図である。以下、説明の都合上、ターゲットデータがファイルデータDである場合を想定する。
【0028】
読み取り制御部106の読み取り処理部106aは、ターゲットデータであるファイルデータDが、光ディスクドライブ104を介してサーチできるが否かを判定する。ここで、図4Aに示すように、ファイルデータDの先頭部分の記録特性は劣化している。このため、読み取り処理部106aは、ファイルデータDをサーチすることができず、未記録部分検出部106bに対して、ファイルデータDの直前に位置する未記録部分、即ち、未記録部分Yを検出するように指示を出す。
【0029】
未記録部分検出部106bは、読み取り処理部106aからの指示に応じて、光ディスク102に格納されている管理情報(ビットマップ)を参照して、図4Bに示されるファイルデータDの直前にある未記録領域Yの終端アドレス(YEND)を検出する。検出された終端アドレス(YEND)は、未記録部分検出部106bから自記録データ決定部106cに出力される。
【0030】
自記録データ決定部106cは、未記録部分検出部106bから出力された終端アドレス(YEND)に基づいて、自記録データのサイズ及び位置を決定する。ここでは、自記録データのサイズが、1ECCブロック(例えば、32セクタ)に決定されるものとする。自記録データの終端アドレス(SEND)は、未記録部分検出部106bから出力された終端アドレス(YEND)に決定される。即ち、SEND=YENDとなる。また、自記録データの先頭アドレス(SSTART)は、自記録データの終端アドレス(SEND)から自記録データのサイズ分(ここでは、32セクタ分)を差し引いて得られるアドレスに決定される。なお、自記録データのサイズは、未記録部分Yの大きさを越えないものとする。換言すれば、YSTART≦SSTARTの関係が満たされるものとする。この理由は、自記録データのサイズが未記録部分Yよりも大きくなると、未記録部分Yの直前に位置するファイルデータCのデータが上書きされ、記録済みのデータが失われてしまうからである。自記録データのサイズ及び位置に関する情報は、自記録データ決定部106cから書込み制御部108に出力される。
【0031】
書込み制御部108は、自記録データ決定部106cから出力された情報に基づいて、光ディスク102に自記録データを書き込む。この結果、ターゲットデータであるファイルデータDの直前の未記録部分、より詳細には、アドレスSSTARTからSENDまでの部分に、自記録データが書き込まれる。
【0032】
書込み制御部108によって光ディスク102に自記録データが書き込まれた後、読み取り制御部106の読み取り処理部106aによって、自記録データがサーチされる。自記録データをサーチし読み取ることで、良好なRF信号を検出し、同期を取ることができるので、自記録データに続くファイルデータDをより確実に読み取ることができる。このとき、ターゲットデータであるファイルデータDに加えて、自記録データも読み取られるが、上述したように自記録データの先頭位置及びデータ長は既知である。従って、読み取り処理部106aは、自記録データをサーチして読み取ったデータ全体(自記録データ+ターゲットデータ)から、自記録データに相当する部分を除いたデータを再生処理部110に出力すればよい。
【0033】
上述したように、本発明の一実施形態に係る記録再生装置100によれば、ターゲットデータの先頭部分の記録特性が劣化している場合に、ターゲットデータの直前の未記録部分に自記録データが書き込まれる。従って、自記録データから良好なRF信号を検出し、同期を取ることで、ターゲットデータをより確実に読み取ることができる。さらに、自記録データが書き込まれるタイミングは、ターゲットデータの読み取り時であるので、ターゲットデータの記録後にその記録特性が劣化した場合であっても、ターゲットデータの読み取り性能を向上させることができる。
【0034】
なお、ターゲットデータの直前に自記録データを書き込んでも、記録特性が劣化した部分に当初記録されていたデータを正確に読み取ることができるわけではない。しかし、自記録データをターゲットデータの直前に書き込むことで、ターゲットデータの読み取り時にリードエラーが発生することを防止し、記録特性が劣化した部分に続くデータを読み取ることができる。
【0035】
図5を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る記録再生方法を説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る記録再生方法を説明するためのフローチャートである。この記録再生方法は、例えば、図3に示した記録再生装置100に適用することができる。以下、説明の都合上、図5に示される記録再生方法を記録再生装置100に適用した場合を例に説明する。
【0036】
まず、記録再生装置100の読み取り制御部106は、ターゲットデータに対する要求をホストから受け取る(ステップS502)。このホストからの要求に応答して、読み取り制御部106の読み取り処理部106aは、ターゲットデータを光ディスクドライブ104を介して光ディスク102からサーチする(ステップS504)。次いで、読み取り処理部106aは、ターゲットデータのサーチが成功したか否かを判定する(ステップS506)。
【0037】
ターゲットデータのサーチに成功した場合(ステップS506でYES)、読み取り処理部106aはターゲットデータを光ディスク102から光ディスクドライブ104を介して読み込み(ステップS508)、処理は終了する。
【0038】
一方、ターゲットデータのサーチに失敗した場合(ステップS506でNO)、読み取り処理部106aは、未記録部分検出部106bに対して、ターゲットデータ直前のロケーションに位置する未記録部分を検出するように指示を出す(ステップS510)。
【0039】
未記録部分検出部106bは、読み取り処理部106aからの指示に応じて、ターゲットデータの直前に位置する未記録部分を検出する(ステップS510)。より具体的には、未記録部分検出部106bは、光ディスク102に格納されている管理情報(ビットマップ)を参照して、未記録部分に関する情報(例えば、ターゲットデータの先頭アドレス)を検出する。この情報は、未記録部分検出部106bから自記録データ決定部106cに出力される。
【0040】
自記録データ決定部106cは、図4A及び図4Bを参照しつつ上述したように、未記録部分検出部106bから出力された情報に基づいて、自記録データの先頭アドレスを決定し、自記録データのサイズ及び位置に関する情報を書き込み制御部108に出力する(ステップS512)。
【0041】
書込制御部108は、自記録データ決定部106cから出力される情報に基づいて、ターゲットデータの直前の未記録部分に自記録データを書き込む(ステップS514)。
【0042】
自記録データが書き込まれた後、読み取り処理部106aは、自記録データをサーチし(ステップS516)、自記録データから検出されたRF信号を用いて同期を取り、ターゲットデータを読み取り(ステップS508)、処理は終了する。
【0043】
上述した本発明の一実施形態に係る記録再生方法によれば、ターゲットデータの先頭部分の記録特性が劣化している場合に、ターゲットデータの直前の未記録部分に自記録データが書き込まれる。従って、自記録データから良好なRF信号を検出し、同期を取ることで、ターゲットデータをより確実に読み取ることができる。また、自記録データが書き込まれるタイミングは、ターゲットデータの読み取り時であるので、ターゲットデータの記録後にその記録特性が劣化した場合であっても、ターゲットデータの読み取り性能を向上させることができる。
【0044】
なお、ターゲットデータの直前に自記録データを書き込んでも、記録特性が劣化した部分に当初記録されていたデータを正確に読み取ることができるわけではない。しかし、自記録データをターゲットデータの直前に書き込むことで、ターゲットデータの読み取り時にリードエラーが発生することを防止し、記録特性が劣化した部分に続くデータを読み取ることができる。
【0045】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではない。本発明は、実施段階では、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変更して具現化できる。
【0046】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることで、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】連続記録方式を説明するための概略図である。
【図2】ランダム記録方式を説明するための概略図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る記録再生装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図4A】ファイルデータの先頭部分の記録特性が、劣化した状態を示す概略図である。
【図4B】ファイルデータの直前に書き込まれる自記録データを説明するための概略図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る記録再生方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
100…記録再生装置、102…光ディスク、104…光ディスクドライブ(ODD)、106…読み取り制御部、106a…読み取り処理部、106b…未記録部分検出部、106c…自記録データ決定部、108…書込み制御部、110…再生処理部、112…チューナ、114…アンテナ、116…AV出力端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書換え可能な光ディスクへのデータの記録及び前記光ディスクからのデータの再生が可能な記録再生装置であって、
前記光ディスクを駆動する光ディスクドライブと、
前記光ディスクドライブによって駆動される前記光ディスクへのデータの書込みを制御する書込み制御部と、
前記光ディスクドライブによって駆動される前記光ディスクからの前記データの読み込みを制御し、前記データを出力する読み込み制御部と
前記読み込み制御部から出力された前記データを再生する再生処理部とを備え、
前記読み込み制御部は、
読み取り対象のデータが前記光ディスクから読み取れるか否かを判定し、前記読み取り対象のデータが前記光ディスクから読み取れると判定された場合、前記読み取り対象のデータを前記再生処理部に出力する読み取り処理部と、
前記読み取り対象のデータが前記光ディスクから読み取れないと判定された場合、前記読み取り対象のデータの直前の未記録部分に関する情報を前記光ディスクから検出し、出力する未記録部分検出部と、
前記未記録部分に関する前記情報に基づいて、自記録データの先頭位置を決定し、前記自記録データの前記先頭位置からの書込み指示を前記書込み制御部に出力する自記録データ決定部とを備えることを特徴とする、記録再生装置。
【請求項2】
前記未記録部分検出部が出力する前記未記録部分に関する前記情報は、前記読み取り対象のデータの先頭アドレスであることを特徴とする、請求項1記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記自記録データのサイズは1ECCブロックであることを特徴とする、請求項1記載の記録再生装置。
【請求項4】
書換え可能な光ディスクへのデータの記録、及び前記光ディスクからのデータの再生を行なう記録再生方法であって、
読み取り対象のデータが前記光ディスクから読み取れるか否かを判定するステップと、
前記読み取り対象のデータが前記光ディスクから読み取れると判定された場合、前記読み取り対象のデータを再生するステップと、
前記読み取り対象のデータが前記光ディスクから読み取れないと判定された場合、前記読み取り対象のデータの直前の未記録部分に関する情報を前記光ディスクから検出するステップと、
前記未記録部分に関する前記情報に基づいて、自記録データの先頭位置を決定するステップと、
前記先頭位置から前記自記録データを書き込むステップとを備えることを特徴とする、記録再生方法。
【請求項5】
前記検出するステップは、
前記読み取り対象のデータの先頭アドレスを前記未記録部分に関する前記情報として検出するステップを備えることを特徴とする、請求項4記載の記録再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−15896(P2009−15896A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173056(P2007−173056)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】