説明

記録媒体およびナビゲーションシステムおよび携帯端末および光ディスク

【課題】通常使い慣れているナビゲーションシステムが変わった環境下においても、ユーザーデータを共有でき、同一のユーザーインターフェイスを利用することができる記録媒体およびナビゲーションシステムおよび携帯端末を提供する。
【解決手段】ナビゲーション用のアプリケーションプログラムが記録されたROM層と、ナビゲーション用データを含むユーザーデータが記録されるRAM層とを有するコンビネーションブルーレイディスク10が着脱可能なドライブ装置1と、上記ドライブ装置1によりコンビネーションブルーレイディスク10のRAM層から読み込まれたナビゲーション用データに基づいて、ドライブ装置1によりコンビネーションブルーレイディスク10のROM層から読み込まれたアプリケーションプログラムを実行する制御装置2とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、記録媒体およびナビゲーションシステムおよび携帯端末および光ディスクに関し、詳しくは、地図データ等が記録された記録媒体およびその記録媒体を用いたナビゲーションシステムおよび携帯端末および光ディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の運転に際して、道案内するカーナビゲーションシステムが広く普及している。また、携帯電話等の小型情報機器においても、歩行者のナビゲーションを行うシステムが普及している。これらは、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等によって車両や歩行者の位置を把握し、表示画面や音声等を用いて運転者に目的地へのルートを案内するものである。
【0003】
特に最近では、単に現在地から目的地へのルートを案内するだけでなく、ユーザーデータ(ユーザーの走行記録やユーザーの走行記録から得られた新規道路情報等)を記録し、ユーザーに応じたナビゲーションを行う双方向的なものとなっている。
【0004】
例えば、特許文献1では、ユーザーの走行軌跡から新規の道路情報を作成して、記録媒体に記録する技術が開示されている。また、特許文献2では、ユーザーによって予め家庭内で書き込まれた位置情報を、カーナビゲーションシステムが読み出す技術が開示されている。さらに、特許文献3では、地図上にない道路を走行している場合に、走行軌跡から新規道路情報を生成し、地図を自動更新する技術が開示されている。
【0005】
ところが、一般にこれらのナビゲーションソフトウェアは、カーナビゲーションシステム本体に付随しているため、別の車のナビゲーションシステムを使うときには、例えば、他の人の車やレンタカーを使うときには、これらの自身のユーザーデータを共有できない。
【0006】
例えば、レンタカーを借りた場合や、車を乗り換えた場合において、ユーザーデータを最初から作り直さなければならない。
【0007】
また、一般にナビゲーションシステムごとに異なるインターフェースを有しており、普段使わない車に乗ったときには、ユーザーは新しいユーザーインターフェースに慣れるまでに多大な苦労を必要とする。
【特許文献1】特開平7−49993号公報
【特許文献2】特開平11−94577号公報
【特許文献3】特開2004−251790号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の課題は、通常使い慣れているナビゲーションシステムと異なるナビゲーションシステムを使用する場合においても、ユーザーデータを共有でき、同一のユーザーインターフェースを利用することができる記録媒体およびナビゲーションシステムおよび携帯端末および光ディスクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、この発明の記録媒体は、
記録再生装置に対して着脱可能な記録媒体であって、
少なくともナビゲーション用のアプリケーションプログラムが記録された読出し専用記録部と、
ナビゲーション用データを含むユーザーデータが記録される記録可能な記録部と
を有することを特徴とする。
【0010】
上記構成の記録媒体によれば、ナビゲーションシステムにおいて、読出し専用記録部に記憶されたナビゲーション用のアプリケーションプログラムを読み込むと共に、上記記録可能な記録部に記録されたナビゲーション用データを含むユーザーデータを読み込む。そして、上記ナビゲーションシステムでナビゲーション用のアプリケーションプログラムが実行されると、ユーザーデータに含まれるナビゲーション用データを用いて、道案内を行う。このようなユーザーデータのナビゲーション用データを用いて、ナビゲーション用のアプリケーションプログラムを実行するナビゲーションシステムを、構成,機能の共通するシステムとして標準化することによって、ユーザーが普段使っているナビゲーションシステムと異なるナビゲーションシステムを使用する場合においても、ユーザーデータを共有でき、ユーザーインターフェースを共通化することができる。また、読出し専用記録部は、書き込みが禁止されている記録部であり、記録されたナビゲーション用のアプリケーションプログラムなどを消去したり書き換えたりしてはいけないデータを保護できる。
【0011】
また、一実施形態の記録媒体では、上記読出し専用記録部である読出し専用記録層と、上記記録可能な記録部である記録可能な記録層とが積層された光ディスクである。
【0012】
上記実施形態によれば、上記読出し専用記録部である読出し専用記録層と、上記記録可能な記録部である記録可能な記録層とが積層された光ディスクを記録媒体として用いることによって、取り扱いが簡便で、ナビゲーションシステム間での移し替えが容易にできる。
【0013】
また、一実施形態の記録媒体では、上記記録可能な記録部である記録可能な記録層は、記録後の書き換えが不可能な第1の記録層と、書き込みが複数回記録可能な第2の記録層とを有する。
【0014】
上記実施形態によれば、上記記録可能な記録部である記録可能な記録層のうちの記録後の書き換えが不可能な第1の記録層には、例えば、変更の必要がないユーザー個人の認証のためのデータを書き込む。また、上記記録可能な記録部である記録可能な記録層のうちの書き込みが複数回記録可能な第2の記録層には、ユーザーデータに含まれる更新の必要がある地図データあるいは経路情報などのナビゲーション用データを書き込む。
【0015】
また、一実施形態の記録媒体では、
円盤状の基材と、
上記円盤状の基材上に形成された上記記録可能な記録層と、
上記記録可能な記録層上に形成された上記読出し専用記録層と、
上記読出し専用記録層上に形成されたカバー層と
を有する光ディスクである。
【0016】
上記実施形態によれば、円盤状の基材と、円盤状の基材上に形成された上記記録可能な記録層と、上記記録可能な記録層上に形成された上記読出し専用記録層と、上記読出し専用記録層上に形成されたカバー層とを有する光ディスクを記録媒体として用いることによって、記録可能な記録層と読出し専用記録層が2層構造であるので、関連するデータを光ディスクにおいて同じ半径位置に記録して、記録可能な記録層と読出し専用記録層に記録されたデータを交互に読み込むときにピックアップの移動を少なくすることができ、読出し動作や書き込み動作の高速化が可能となる。したがって、ディスクアクセスが煩雑になるナビゲーションにおいて、高速化に特に有効である。さらには、2層構造は、記録容量を大幅に増やすことができるという特徴を有する。
【0017】
また、一実施形態の記録媒体では、上記読出し専用記録部にオペレーティングシステムプログラムが記録されている。
【0018】
上記実施形態によれば、上記読出し専用記録部にオペレーティングシステムプログラムが記録されていることによって、ユーザーが普段使っているナビゲーションシステムと異なるナビゲーションシステムを使用する場合においても同一のオペレーティングシステムを使用することができるので、異なるナビゲーションシステム間でも同一のユーザーインターフェースを利用することができる。また、オペレーティングシステムプログラムを誤って書き換えてしまうことを防止できる。
【0019】
また、一実施形態の記録媒体では、上記読出し専用記録部は、論理的に書き込みが禁止されている。
【0020】
上記実施形態によれば、上記読出し専用記録部への書き込みが論理的に禁止されていることによって、論理的な禁止を解除することにより読出し専用記録部への書き込みが可能となり、ナビゲーション用のアプリケーションプログラムなどを一括して更新することができる。
【0021】
また、一実施形態の記録媒体では、上記読出し専用記録部は、物理的に書き込みが禁止されている。
【0022】
上記実施形態によれば、上記読出し専用記録部への書き込みが物理的に禁止されていることによって、読出し専用記録部に記録されたナビゲーション用のアプリケーションプログラムなどがナビゲーションシステムの誤動作などにより書き換えられる恐れがなく、安全性が高くなる。
【0023】
また、この発明のナビゲーションシステムでは、
上記のいずれか1つの記録媒体が着脱可能であり、装着された上記記録媒体の読み込みおよび書き込みを行う記録再生装置と、
上記記録再生装置により上記記録媒体の上記記録可能な記録部から読み込まれた上記ナビゲーション用データに基づいて、上記記録再生装置により上記記録媒体の読出し専用記録部から読み込まれた上記アプリケーションプログラムを実行する制御装置と
を備えた。
【0024】
上記構成によれば、上記記録再生装置に装着された上記記録媒体の読出し専用記録部に記憶されたナビゲーション用のアプリケーションプログラムを読み込むと共に、上記記録可能な記録部に記録されたナビゲーション用データを含むユーザーデータを読み込む。そして、上記制御装置により、ナビゲーション用のアプリケーションプログラムが実行されると、ユーザーデータに含まれるナビゲーション用データを用いて道案内を行う。このようなユーザーデータのナビゲーション用データを用いて、ナビゲーション用のアプリケーションプログラムを実行するナビゲーションシステムを、構成,機能の共通するシステムとして標準化することによって、ユーザーが普段使っているナビゲーションシステムと異なるナビゲーションシステムを使用する場合においても、ユーザーデータを共有でき、同一のユーザーインターフェースを利用することができる。
【0025】
また、一実施形態のナビゲーションシステムでは、
上記ナビゲーション用データを取得するナビゲーション用データ取得部を備え、
上記制御装置は、上記ナビゲーション用のアプリケーションプログラムを実行しているとき、上記ナビゲーション用データ取得部により取得された上記ナビゲーション用データを、上記記録再生装置により上記記録媒体の上記記録可能な記録部に書き込むように、上記記録再生装置を制御する。
【0026】
上記実施形態によれば、上記制御装置は、ナビゲーション用のアプリケーションプログラムを実行しているとき、記録再生装置を制御して、ナビゲーション用データ取得部により取得されたナビゲーション用データを、記録再生装置により記録媒体の記録可能な記録部に書き込む。ここで、ナビゲーション用データ取得部により取得されたナビゲーション用データとしては、例えばカーナビゲーションシステムでは、自動車の各種データ、ナビゲーション動作中にユーザーが入力したデータ、走行軌跡データなどがある。
【0027】
また、一実施形態のナビゲーションシステムでは、
上記ナビゲーション用データ取得部により取得された上記ナビゲーション用データを記録するバッファメモリを備え、
上記制御装置は、上記バッファメモリから読み込まれた上記ナビゲーション用データを、上記記録媒体の上記記録可能な記録部に書き込むように、上記記録再生装置を制御する。
【0028】
上記実施形態によれば、上記制御装置は、記録再生装置を制御して、バッファメモリから読み込まれたナビゲーション用データを、記録媒体の記録可能な記録部にまとめて書き込むことによって、記録媒体への書き込み頻度を少なくし、記録媒体への書き込み動作を効率的に行うことができる。ここで、ナビゲーション動作が終了したときに書き込み動作を行ってもよいし、バッファメモリに記録されたデータの容量が所定値を越えたときに書き込み動作を行ってもよいし、バッファメモリに記録されたデータがあるときに所定時間毎に書き込み動作を行ってもよい。また、これらを組み合わせた書き込み動作でもよい。
【0029】
また、一実施形態のナビゲーションシステムでは、上記制御装置は、上記ナビゲーション用データ取得部により取得された更新すべき上記ナビゲーション用データについて、上記記録媒体の上記記録可能な記録部に記録された上記ナビゲーション用データを更新するように、上記記録再生装置を制御する。
【0030】
上記実施形態によれば、上記制御装置は、記録再生装置を制御して、ナビゲーション用データ取得部により取得された更新すべきナビゲーション用データについて、記録媒体の記録可能な記録部に記録されたナビゲーション用データを更新することにより、記録可能な記録部のナビゲーション用データの更新が確実に行われる。
【0031】
また、一実施形態のナビゲーションシステムでは、上記記録再生装置は、上記記録媒体の上記読出し専用記録部または上記記録可能な記録部からデータの読み込みを行うと共に、上記記録媒体の上記記録可能な記録部にデータの書き込みを行う。
【0032】
また、一実施形態のナビゲーションシステムでは、上記制御装置は、上記記録媒体の読出し専用記録部から上記アプリケーションプログラムを読み込む前に、上記記録媒体の上記読出し専用記録部に記録された上記オペレーティングシステムプログラムを読み込むように上記記録再生装置を制御して、読み込まれた上記オペレーティングシステムプログラムを実行する。
【0033】
上記実施形態によれば、上記記録媒体の読出し専用記録部からアプリケーションプログラムを読み込む前に、制御装置により記録再生装置を制御して、記録媒体の読出し専用記録部に記録されたオペレーティングシステムプログラムを読み出し、読み込まれたオペレーティングシステムプログラムを実行することによって、制御の基幹となる汎用性の高いオペレーティングシステムプログラムをナビゲーションシステムに導入して、標準化することができる。
【0034】
また、一実施形態のナビゲーションシステムでは、上記制御装置は、上記記録媒体の上記記録可能な記録部に対して上記ナビゲーション用データのうちの地図データの読み込みおよび書き込みを行うように、上記記録再生装置を制御する。
【0035】
上記実施形態によれば、上記制御装置により記録再生装置を制御して、記録媒体の記録可能な記録部に対してナビゲーション用データのうちの地図データの読み込みおよび書き込みを行うことによって、読み込まれた地図データによりナビゲーション動作を行うと共に、更新が必要な地図データに対して新しい地図データを書き込んで更新することができる。また、記録媒体の記録可能な記録部に対して地図データを一括して更新することも可能となる。
【0036】
また、一実施形態のナビゲーションシステムでは、上記制御装置は、上記記録媒体の上記記録可能な記録部に対してコンテンツデータの読み込みおよび書き込みを行うように、上記記録再生装置を制御する。
【0037】
上記実施形態によれば、上記制御装置により記録再生装置を制御して、記録媒体の記録可能な記録部に対してコンテンツデータの読み込みおよび書き込みを行うことによって、ユーザーが普段使っているナビゲーションシステムと異なるナビゲーションシステムを使用する場合においても、音楽,映像,画像などのコンテンツデータを読み込んで、再生することができる。
【0038】
また、この発明の携帯端末では、上記のいずれか1つのナビゲーションシステムを搭載したことを特徴とする。
【0039】
上記構成によれば、上記ナビゲーションシステムを搭載することによって、携帯端末が変わった場合においても、ユーザーデータを共有でき、同一のユーザーインターフェースを利用することができる。
【0040】
また、この発明の光ディスクでは、
ナビゲーションシステムにより読み取り可能な光ディスクにおいて、
アプリケーションプログラムの実行環境を整えるためのブートプログラムと、ナビゲーションを行うナビゲーションプログラムと、が記録されており、
上記ナビゲーションプログラムは、上記ブートプログラムによって整えられたアプリケーションプログラムの実行環境下で実行可能なプログラムであることを特徴とする。
【0041】
上記構成によれば、通常使い慣れているナビゲーションシステムが変わった環境下においても、ユーザーデータを共有でき、同一のユーザーインターフェースを利用することができる。
【発明の効果】
【0042】
以上より明らかなように、この発明の記録媒体によれば、通常使い慣れているナビゲーションシステムと異なるナビゲーションシステムを使用する場合においても、ユーザーデータを共有でき、同一のユーザーインターフェースでナビゲーションシステムを利用することができる。
【0043】
また、この発明のナビゲーションシステムによれば、通常使い慣れているナビゲーションシステムと異なるナビゲーションシステムを使用する場合においても、ユーザーデータを共有でき、同一のユーザーインターフェースを利用できるナビゲーションシステムを提供することができる。
【0044】
また、この発明の携帯端末によれば、携帯端末が変わった場合においても、ユーザーデータを共有でき、同一のユーザーインターフェースを利用できる携帯端末を提供することができる。
【0045】
また、この発明の光ディスクによれば、通常使い慣れているナビゲーションシステムと異なるナビゲーションシステムを使用する場合においても、ユーザーデータを共有でき、同一のユーザーインターフェースでナビゲーションシステムを利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、この発明の記録媒体およびナビゲーションシステムおよび携帯端末および光ディスクを図示の実施の形態により詳細に説明する。この発明における「記録媒体」とは、媒体部分のみで記録再生装置に対して着脱可能なものであり、媒体に記録するための記録手段(書き込みヘッドなど)と共に着脱する着脱可能なHDD(ハード・ディスク・ドライブ)とは異なる。
【0047】
〔第1実施形態〕
図1はこの発明の第1実施形態の記録媒体を用いたナビゲーションシステムの一例としてのカーナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【0048】
この第1実施形態のカーナビゲーションシステムは、図1に示すように、記録媒体の一例としてのDVD(Digital Versatile Disc:ディジタル多用途ディスク)ディスクや次世代光ディスクであるBlu-rayディスクなどの光ディスク10が装着される記録再生装置の一例としてのドライブ装置1と、上記ドライブ装置1を制御して、光ディスク10の読み込みおよび書き込みを行う制御装置2と、車両の現在位置を検出して位置情報を制御装置2に出力する車両位置検出部3と、上記制御装置2により制御され、音声案内によりユーザーにナビゲーションを行うためのスピーカー4と、上記制御装置2により制御され、地図や自車両の位置を表示させる液晶ディスプレイ等からなる表示部5と、上記制御装置2により制御され、ユーザーからのキー操作を受け付けるキー入力部6と、バッファメモリ7とを備えている。ここで、本発明に最適な光ディスクについて説明する。本発明での光ディスクはOS(Operating System:オペレーティング・システム)プログラムやナビゲーションプログラム等が記録された読出し専用記録部の一例としての再生領域と、ユーザーデータなどを記録する記録領域の両方、即ち再生領域と記録領域の両方の領域を備える光ディスクである。
【0049】
上記制御装置2は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)や入出力装置などからなり、カーナビゲーションシステム全体を制御する。
【0050】
上記車両位置検出部3は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)受信機3aと、車の回転を検出するジャイロ3bと、車速を検出するための車速パルスセンサ3cとを有する。上記GPS受信機3aによりGPS衛星からの位置情報電波をGPSアンテナ11を介して受信して、受信した位置情報に基づいて現在位置を示す緯度,経度を算出する。
【0051】
なお、スピーカー4、表示部5、キー入力部6等のユーザーに対する情報の表示や、ユーザーのデータ入力を行う部分をユーザーインターフェースという。また、表示部5は、タッチパネルを含み、ユーザーからのキー操作を受け付けるようにしてもよい。
【0052】
図2は上記カーナビゲーションシステムに用いられる光ディスク10とドライブ装置1を示す模式図である。図2に示すドライブ装置1の挿入口1aに光ディスク10を挿入する。
【0053】
好ましくは、上記光ディスク10には、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc:登録商標)を2層または3層構造にしたものを用いている。ブルーレイディスクは、DVDと比較すると記録密度が約5倍高く、例えば、2層ディスクの場合、50GBの記録容量を持つ。
【0054】
このような図1に示す構成のカーナビゲーションシステムで使用する光ディスク10は、図3Aに示すように、読出し専用記録部である読出し専用記録層の一例としてのROM(リード・オンリー・メモリー)層33と、記録可能な記録部である記録可能な記録層の一例としてのRAM(ランダム・アクセス・メモリー)層31とで構成されている。
【0055】
上記光ディスク10は、円盤状の基材の一例としてのディスク基板3上に、RAM層31、中間層32、ROM層33、カバー層34が順に形成されている。上記ディスク基板30は、厚さ1.1mmのポリカーボネートからなる。ディスク基板の材料はこれに限らず、ポリオレフィン樹脂や金属などでもよい。
【0056】
上記カバー層34は、例えば、厚さ75μmの紫外線硬化樹脂からなる。カバー層34の材料は、再生光の波長において透過率が高ければよく、ポリカーボネートフィルムと透明粘着剤で形成されていてもよいし、表面に表面保護のためのハードコートが設けられていてもよい。さらに再生装置が有する光学系に応じて厚さを変更してもよく、例えば0.6mmのポリカーボネート基板でもよい。
【0057】
また、上記ROM層33は、例えば、厚さ10nmの窒化シリコンからなる。ROM層33の厚さや材料はこれに限られるものではなく、再生光波長において屈折率が2.2以上2.5以下であり、かつ再生光の波長において透光性を有する誘電体で、RAM層31への水分の浸入を防止できる厚さであればよいし、例えば酸化タンタルなどでもよい。さらに多層構造であってもよい。
【0058】
また、上記中間層32は、例えば、厚さ25μmの透明紫外線硬化樹脂からなっている。また、中間層32のROM層33側には、ROM層33に記録される情報に応じた凹凸からなるプリピットが設けられている。この中間層32は、再生光の波長において透過率が高い材料であればよく、特に材料が限られるものではない。また、厚さも各記録層を分離でき、層間クロストークが問題にならない適度な厚さがあればよい。さらに多層構造であってもよい。
【0059】
また、上記RAM層31は、例えば7層の薄膜からなり、再生光入射側より、第1保護膜として厚さ35nmのZnS−SiO、第2保護膜として厚さ5nmのZrO、記録層として厚さ10nmのGeTeSbTe、第3保護膜として厚さ5nmのZrO、第4保護膜として厚さ35nmのZnS−Si0、第5保護膜として厚さ5nmのZrO、及び反射膜として20nmのAPC(AgPdCu)が順に積層されている。RAM層31の材料や厚さや層数は、これらに限られるものではなく、RAM層として機能するものであればよい。
【0060】
上記光ディスク10のRAM層31に対して、読み取り光がカバー層34,ROM層33,中間層32を介して集光されて記録情報を読み出し、ROM層33層に対しては、読み取り光がカバー層34を介して集光されて記録情報を読み出す。ここで、上記光ディスク10のROM層33は、書き込みが物理的に禁止されていることによって、ROM層33に記録されたナビゲーション用のアプリケーションプログラムなどがナビゲーションシステムの誤動作などにより書き換えられる恐れがなく、安全性が高くなる。
【0061】
なお、上記ROM層33への書き込みが論理的に禁止されていてもよく、論理的な禁止を解除することによりROM層33への書き込みが可能となり、ナビゲーション用のアプリケーションプログラムなどを一括して更新することができる。
【0062】
さらに、ROM層33には、OSプログラムとナビゲーションプログラムが記録されている。また、RAM層31には、地図データ、OSプログラムの更新情報、ナビゲーションプログラムの更新情報、地図データの更新情報、ユーザーデータが記録される。
【0063】
ここで、「OSプログラム」とは、制御装置2を制御する基本プログラムである。また、「ナビゲーションプログラム」とは、ナビゲーションに関連する位置情報処理、表示部5の処理、キー入力部6等のユーザーインターフェースの処理、スピーカー4から出力される音声処理等を制御するプログラムである。また、「地図データ」とは、経度,緯度に対応づけられた道路情報や建物情報、周辺情報(店,施設など)、道路や建物等の形状情報などである。また、「更新情報」とは、ROM層33に記録されたOSプログラムおよびナビゲーションプログラムの変更データ、および、RAM層31に記録された地図データの一部を更新する更新データである。また、「ユーザーデータ」とは、ユーザー登録情報、ユーザー固有のナビゲーション情報(過去の経路履歴や目各種設定情報など)、音楽等のコンテンツなどである。上記ユーザー登録情報である個人認証データを、例えば自動車の起動に用いたり、ETC(Electronic Toll Collection)の決済に用いたりしてもよい。
【0064】
なお、光ディスク10の構成は、図3Aに示す2層構造のものに限らず、図3B,図3Cに示す3層構造のコンビネーションブルーレイディスク等を用いてもよい。
【0065】
図3Bに示すコンビネーションブルーレイディスクは、読出し専用記録部の一例としてのROM層45と、記録可能な記録部の一例としてのRAM層41,43とで構成されている。
【0066】
このコンビネーションブルーレイディスクは、ディスク基板40上に、RAM層41、中間層42、RAM層43、中間層44、ROM層45、カバー層46が順に形成されている。ROM層45は、物理的に再生専用であるが、論理的に再生専用であってもよい。上記コンビネーションブルーレイディスクのRAM層41に対して、読み取り光がカバー層46,ROM層45,中間層44,RAM層43,中間層42を介して集光されて記録情報を読み出し、RAM層43に対しては、読み取り光がカバー層46,ROM層45,中間層44を介して集光されて記録情報を読み出し、ROM層45層に対しては、読み取り光がカバー層46を介して集光されて記録情報を読み出す。
【0067】
また、図3Cに示すコンビネーションブルーレイディスクは、読出し専用記録部の一例としてのROM層55と、記録可能な記録部の一例としてのRAM層51,RO層53とで構成されている。
【0068】
このコンビネーションブルーレイディスクは、ディスク基板50上に、RAM層51、中間層52、RO層53、中間層54、ROM層55、カバー層56が順に形成されている。ROM層55は、物理的に再生専用であるが、論理的に再生専用であってもよい。
【0069】
このコンビネーションブルーレイディスクのRO層53は、記録後の書き換えが不可能な第1の記録層であり、RAM層51は、複数回書き込み可能な第2の記録層である。上記コンビネーションブルーレイディスクのRAM層51に対して、読み取り光がカバー層,56ROM層55,中間層54,RO層53,中間層52を介して集光されて記録情報を読み出し、RO層53に対しては、読み取り光がカバー層,56ROM層55,中間層54を介して集光されて記録情報を読み出し、ROM層55層に対しては、読み取り光がカバー層56を介して集光されて記録情報を読み出す。
【0070】
図3Cに示すコンビネーションブルーレイディスクでは、記録可能な記録部である記録可能な記録層のうちの記録後の書き換えが不可能な記録可能な第1の記録層であるRO層53は、例えば、変更の必要がないユーザー個人の認証のためのデータを書き込む。また、上記記録可能な記録部である記録可能な記録層のうちの書き込みが複数回記録可能な第2の記録層であるRAM層51には、ユーザーデータに含まれる更新の必要がある地図あるいは経路情報などのナビゲーション用データを書き込む。
【0071】
次に、図4Aに示すフローチャートを用いて図1に示すカーナビゲーションシステムの動作を説明する。
【0072】
まず、電源が投入されて処理がスタートすると、ステップS1でナビゲーションシステムが起動する。例えば、ユーザーにより車のキーが回され、車の電源が入ると、ナビゲーションシステムが起動する。
【0073】
そして、ナビゲーションシステムが起動した後、次に、ステップS2に進み、ナビゲーションシステムの制御装置2(図1に示す)は、ドライブ装置1(図1に示す)により光ディスク10のROM層33(図3Aに示す)からOSプログラムを読み出し、ステップS3でOSプログラムが起動される。
【0074】
次に、ステップS4に進み、OSプログラムに基づいて、制御装置2は、光ディスク10のROM層33からナビゲーションプログラムを読み込み、ステップS5でナビゲーションプログラムを起動する。
【0075】
次に、ステップS6に進み、ナビゲーションプログラムが動作する。
【0076】
そして、ナビゲーション動作が終了し、ユーザーによって電源が切られると、ナビゲーションプログラムおよびOSプログラムが終了し、最終的にナビゲーションシステムが終了する。
【0077】
また、図4Bは図4Aに示すフローチャートにおけるステップS1〜S3の詳細を説明するフローチャートを示している。
【0078】
まず、ステップS101でナビゲーションシステムの電源をオンする。
【0079】
次に、ステップS102に進み、制御装置2のROM22(図10に示す)に記憶されたPOST(Power On Self Test;自己診断テスト)プログラムを実行する。ここで、POSTプログラムとは、電源投入時に自動的に実行されるハードウェアの診断テストのことである。詳しくは、メモリやディスクコントローラ、入力ボタンのコントローラなどの各機能ブロックに異常がないかを調べる。このPOSTプログラムは、BIOS(basic input output system)プログラムの一部として制御装置2のROM22に記憶されている。
この実施形態では、システム初期プログラムの一例としてBIOSプログラムを用いたが、システム初期プログラムはこれ限らず、EFI(Extensible Firmware Interface)などの他のプログラムであってもよい。
【0080】
次に、ステップS103に進み、制御装置2のROM22に記憶されたBIOSプログラムを実行する。ここで、BIOS(basic input output system)プログラムとは、ファームウェアの1つで、コンピュータに搭載されたプログラムのうちのハードウェアとの最も低レベルの入出力を行うためのプログラムである。
【0081】
人間がコンピュータを操作するためのプログラムがWindowsやMacOSといったOS(Operating System:オペレーティング・システム) プログラムであるが、BIOSは主にハードウェアを制御するためのプログラムである。
【0082】
次に、ステップS104に進み、BIOSが光ディスク10を読みに行き、光ディスク10の読込領域にあるMBR(Master Boot Record;マスター・ブート・レコード)を読み込む。ここで、MBRには、光ディスク10を読み込むための専用のプログラムが記録されている。
【0083】
次に、ステップS105に進み、マスターブートレコードの情報に従って、OSの起動プログラムを読み込む。
【0084】
次に、ステップS106に進み、OSの起動プログラムによりOSプログラムを起動する。ここで、OSプログラムとは、キーボード入力や画面出力といった入出力機能やディスクやメモリの管理など、多くのアプリケーションソフトから共通して利用される基本的な機能を提供し、コンピュータシステム全体を管理するソフトウェアである(「基本ソフトウェア」とも呼ばれる)。
【0085】
このOSプログラムとしては、次のものがある。
ウィンドウズ(Windows95(登録商標),Windows2000(登録商標),WindowsMe(登録商標),WindowsXP(登録商標),WindowsVista(登録商標))
MacOS(登録商標)
リナックス(Linux(登録商標),Fedora(登録商標),Ubuntu(登録商標)) 他
【0086】
上記OSプログラムの起動時にハードウェアの認識プログラムが実行されて、表示部5、キー入力部6、スピーカー4などのハードウェアが自動認識され、必要なデバイスドライバが組み込まれる。
【0087】
なお、ナビゲーションシステムの種類によっては、キー入力部の構成が異なるものがある。例えば、タッチパネル上で基本的な操作を可能とするものや、カーソルキー、実行ボタンなどは認識するようにするものや、使用できないボタンの注意を表示するものがある。
【0088】
また、ハードウェアの認識プログラムが、表示部5の解像度、画素数等のモニタ性能を認識して、そのモニタ性能に合った最適な画像を出力する。例えば、モニタの解像度としては、次のものがある。
WVGA(Wide Video Graphics Array):800×480ドット
VGA(Video Graphics Array):640×480ドット
QVGA(Quarter Video Graphics Array):320×240ドット 他
【0089】
また、ハードウェアの認識プログラムは、図1に示す車両位置検出部3をハードウェアとして認識して、ドライバを組み込み、使用可能とする。
【0090】
そうして、ステップS107でナビゲーションプログラムが起動する。
【0091】
次に、図4Cは図4Aに示すフローチャートにおけるステップS6のナビゲーション動作の終了を説明するフローチャートを示している。
【0092】
ステップS111でユーザーが電源オフの操作をする。例えば、ナビゲーションシステムの電源ボタンを長押ししたり、エンジンキーを抜いてエンジンを止めたりすることが、ナビゲーションシステムの電源オフの操作になる。
【0093】
次に、ステップS112でデータの保存を行う。例えば、カーナビゲーションシステムでは、走行履歴などを保存する。ナビゲーションシステムの電源をオフする。
なお、ここでは、ナビゲーションシステムの電源オフ時にデータを保存したが、データの保存は随時行ってもよい。
【0094】
次に、ステップS113に進み、OSプログラムを終了する。
【0095】
図5を用いてカーナビゲーションの動作を説明する。
【0096】
まず、ナビゲーションプログラムが起動されると、ステップS11でナビゲーションシステムの制御装置2は、地図データとユーザーデータを光ディスク10のRAM層31から読み込む。
【0097】
次に、ステップS12に進み、GPS受信機3a(図1に示す)を用いて、車の現在位置を把握する。
【0098】
そして、車両の現在位置が把握されると、ステップS13に進み、図6に示すように、表示部5(図1に示す)により地図と車の位置が表示画面上に表示される。図6は、道路情報と建物の情報△印が車の現在位置である。
【0099】
次に、ステップS14に進み、ユーザーがキー入力部6(図1に示す)を操作することによって、目的地が設定されると、経路を検索する。このとき、ユーザーによる目的地の設定は、キー入力部6および表示部5上のタッチパネルを用いて行われる。
【0100】
なお、目的地を設定するときに、上記ステップS11で読み込んだユーザーデータを元に、予め目的地候補を表示部5に表示させて、ユーザーが選択できるようにしてもよい。
【0101】
この経路検索において、目的地までの経路を計算する。このときに、ユーザーデータの一つである計算条件(高速道路利用の有無、過去の走行ルート等)を光ディスク10のRAM層31から読み出して、経路選択に反映させる。また、通信機能を用いて取得した渋滞情報などを考慮して最適な経路を選択するようにしてもよい。
【0102】
そうして、最適経路を選択すると、ステップS15に進み、図7に示すように、最適経路を表示部5の画面上に表示する。なお、このときに目的地までの距離、到着時刻が合わせて表示される。また音声によるアナウンスも行われる。
【0103】
こうして、音声または画面表示によって、ユーザーを道案内する。このときに、走行経路や走行時間等の走行データを、光ディスク10のRAM層31(図3Aに示す)に記録する。
【0104】
なお、図8に示す点線の経路のように、地図データにない場所を走行した場合は、通信部26(図10に示す)を用いて通信を行う。具体的には、地図データにない場所を走行した場合に通信部26により、地図データ提供会社に更新道路情報の問い合わせを行う。更新道路情報があった場合は、光ディスク10のRAM層31に更新地図情報として記録する。更新道路情報がない場合であっても、このような新規道路情報をユーザーデータとして記録し、次回のナビゲーションのときに、反映させるようにしてもよい。
上記通信部26は、携帯電話ネットワーク、VICS(Vehicle Information and Communication System :FM多重放送や道路上の発信機から受信した交通情報を図形・文字で表示するシステム)などのネットワークと通信を行う機能を有し、更新情報や渋滞情報を受信する。
【0105】
次に、ステップS17に進み、目的地に到着すると、その旨を音声または、画面表示によってユーザーに伝える。
【0106】
また、到着時間等を光ディスク10のRAM層31に記録する。
【0107】
目的地に駐車した後に、ユーザーによってナビゲーションシステムの電源が切られると、ナビゲーションプログラムの動作を終了する。
【0108】
このように、光ディスク10のROM層33にOSプログラムとナビゲーションプログラムを記録し、RAM層31に地図情報・更新情報・ユーザーデータを記録しているので、別のカーナビゲーションシステムにこの光ディスク10を挿入した場合にも、ユーザーは同一の環境下でナビゲーションを受けることができる。
【0109】
すなわち、異なるナビゲーションシステム間で、構成,機能の共通するシステムとして標準化されたカーナビゲーションシステムであれば、ユーザーデータの共有のみならず、同じナビゲーションプログラムを使用するから、ユーザーインターフェースを共通化することもできる。
【0110】
また、上記カーナビゲーションシステムに用いられる光ディスク10は、車を離れたパーソナルコンピュータの環境で読み書きすることが可能であるので、パーソナルコンピュータにより地図データをRAM層に記録したり、地図データを読出しながら、軌跡データを書き込んだりすることが可能となる。
【0111】
したがって、例えば、家庭のパーソナルコンピュータでルート決定し、光ディスク10に目的地を含む経路情報を記録して、その光ディスク10を車のカーナビゲーションシステムのドライブ装置1に装着して使用することができる。
【0112】
また、上記読出し専用記録部である読出し専用記録層としてのROM層33と、記録可能な記録部である記録可能な記録層としてのRAM層31とが積層された光ディスク10を記録媒体として用いることによって、取り扱いが簡便で、ナビゲーションシステム間での移し替えが容易にできる。
【0113】
また、図3Aに示すように、円盤状の基材としてのディスク基板30と、そのディスク基板30上に形成された記録可能な記録層としてのRAM層31と、上記RAM層31上に形成された読出し専用記録層としてのROM層33と、上記ROM層33上に形成されたカバー層34とを有する光ディスク10を記録媒体として用いることによって、RAM層31とROM層33が2層構造であるので、記録容量を大幅に増やすことができる。また、関連するデータを光ディスク10において同じ半径位置に記録して、RAM層31とROM層33に記録されたデータを交互に読み出すときにピックアップの移動を少なくすることができ、アクセス速度が向上して、読出し動作や書き込み動作の高速化が可能となる。したがって、車の移動に伴って地図表示が変わるディスクアクセスが煩雑になるナビゲーションにおいて、高速化に特に有効である。
【0114】
また、光ディスク10のROM層33に大まかな地図データを記録し、RAM層31に詳細な地図データを記録することによって、表示部5に表示される地図の拡大,縮小をスムーズに行うことが可能となる。
【0115】
また、図3Bに示すコンビネーションブルーレイディスクを用いて、RAM層41に地図データを記録し、RAM層43にユーザーが入力するランドマークデータや軌跡データを記録することによって、地図と同時に表示部5に表示されるランドマークデータや軌跡データをスムーズに表示することが可能となる。
【0116】
また、上記ROM層33にOSプログラムが記録されていることによって、構成,機能の共通するシステムとして標準化されたナビゲーションシステムにおいて、制御の基幹となるOSプログラムの更新が容易にできる。
【0117】
また、上記構成のナビゲーションシステムによれば、ドライブ装置1に装着された光ディスク10のROM層33に記憶されたナビゲーション用のアプリケーションプログラムを読み込むと共に、RAM層31に記録されたナビゲーション用データを含むユーザーデータを読み込む。そして、上記制御装置2により、ナビゲーション用のアプリケーションプログラムが実行されると、ユーザーデータに含まれるナビゲーション用データを用いて、道案内を行う。このようなユーザーデータのナビゲーション用データを用いて、ナビゲーション用のアプリケーションプログラムを実行するナビゲーションシステムを、構成,機能の共通するシステムとして標準化することによって、ユーザーが普段使っているナビゲーションシステムと異なるナビゲーションシステムを使用する場合においても、ユーザーデータを共有でき、同一のユーザーインターフェースを利用することができる。
【0118】
また、上記制御装置2は、ナビゲーション用のアプリケーションプログラムを実行しているとき、ドライブ装置1を制御して、ナビゲーション用データ取得部により取得されたナビゲーション用データを、ドライブ装置1により光ディスク10のRAM層31に書き込む。ここで、ナビゲーション用データを取得するナビゲーション用データ取得部は、車両位置検出部3やキー入力部6である。
【0119】
また、上記制御装置2は、ドライブ装置1を制御して、バッファメモリ7から読み込まれたナビゲーション用データを、光ディスク10のRAM層31にまとめて書き込むことによって、光ディスク10への書き込み頻度を少なくし、光ディスク10への書き込み動作を効率的に行うことができる。ここで、バッファメモリ7に記録されたデータの容量が所定値を越えたときに書き込み動作を行ってもよいし、バッファメモリ7に記録されたデータがあるときに所定時間毎に書き込み動作を行ってもよし、これらを組み合わせた書き込み動作でもよい。
【0120】
また、上記制御装置2によりドライブ装置1を制御して、ナビゲーション用データ取得部により取得された更新すべきナビゲーション用データについて、光ディスク10のRAM層31に記録されたナビゲーション用データを更新することにより、RAM層31のナビゲーション用データの更新が確実に行われる。
【0121】
また、上記光ディスク10のROM層33からアプリケーションプログラムを読み込む前に、制御装置2によりドライブ装置1を制御して、光ディスク10のROM層33に記録されたOSプログラムを読み出し、読み込まれたOSプログラムを実行することによって、制御の基幹となる汎用性の高いOSプログラムをナビゲーションシステムに導入して、標準化することができる。
【0122】
また、上記制御装置2によりドライブ装置1を制御して、光ディスク10のRAM層31に対してナビゲーション用データのうちの地図データの読み込みおよび書き込みを行うことによって、読み込まれた地図データによりナビゲーション動作を行うと共に、更新が必要な地図データに対して新しい地図データを書き込んで更新することができる。また、光ディスク10のRAM層31に対して地図データを一括して更新することができる。
【0123】
また、上記制御装置2によりドライブ装置1を制御して、光ディスク10のRAM層31に対してコンテンツデータの読み込みおよび書き込みを行うことによって、ユーザーが普段使っているナビゲーションシステムと異なるナビゲーションシステムを使用する場合においても、音楽,映像,画像などのコンテンツデータを読み込んで、再生することができる。他人の車でも自分の運転環境を実現できる。
【0124】
図10は上制御装置2の構成を示すブロック図を示しており、21はCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、22はBIOS(basic input output system)プログラムが記憶されるROM(リード・オンリー・メモリー)、23は一時的にデータを記憶する揮発性のワークメモリであるRAM(ランダム・アクセス・メモリー)、24はデータを不揮発的に記憶する機能を有するHDD(ハード・ディスク・ドライブ)、25は入出力インターフェース、26は通信部、27はナビゲーションシステム用の電源スイッチである。ここで、BIOSプログラムは、電源がオンされたときに実行されるプログラムである。
【0125】
なお、HDD24に限定されることなく、データを不揮発的に記憶する機能を有するメモリであってもよい。
【0126】
CPU21は、バスを介してROM22,RAM23,HDD24,入出力インターフェース25および通信部26に接続され、入出力インターフェース25を介して、図1に示す車両位置検出部3とスピーカー4と表示部5とキー入力部6にアクセスする。
【0127】
この制御装置2は、電源スイッチ27がオンされて電源20から電力が供給されると、ROM22に記憶されたBIOSプログラムを実行することにより、BIOSプログラムに基づく初期処理を行う。
【0128】
また、制御装置2は、光ディスク10やHDD24に記憶されたプログラムに従って、ナビゲーションシステムの各部に対する処理や演算処理などを行う機能を有する。
【0129】
次に、図11は上記ドライブ装置1の構成を示すブロック図を示しており、71はMPU(マイクロプロセシング装置)、72は制御装置2の入出力インターフェース25に接続されるインターフェース、73はSDRAM(シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)、74はフラッシュメモリ、75は光ディスク10の読出し書き込みのためのピックアップである。
【0130】
ここで、インターフェース72は、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、SCSI(Small Computer System Interface)などが用いられ、汎用性およびデータ通信速度の観点から、SATAまたはUSBであるのが好ましい。
【0131】
ピックアップ75は、MPU71からの制御信号に基づいて駆動され、光ディスク10のROM層33やRAM層31に記録されているデータを読み出したり、RAM層31にデータを書き込んだりするための光源と受光部を備えている。
【0132】
また、フラッシュメモリは、電源を切っても記憶した内容の消えない不揮発性メモリであり、光ディスク10に記録されているデータをキャッシュデータとして一時的に記録するキャッシュメモリとして機能する(キャッシュデータ以外のデータを記録するデータメモリとしても機能する)。また、フラッシュメモリのうちのキャッシュデータの記録されていない領域には、キャッシュデータ以外のデータを記録することができる。
【0133】
ここで、「キャッシュデータ」とは、フラッシュメモリに記録された光ディスク10に記録されているデータのことである。また、「キャッシュメモリ」とは、光ディスク10に記録されたデータを一時的に記録すると共に、光ディスク10へのデータの読み出しがあった場合には、そのデータを光ディスク10からではなくフラッシュメモリから読み出す機能を有するメモリのことである。上記フラッシュメモリは、NAND型のフラッシュメモリを用いてもよいし、NOR型のフラッシュメモリを用いてもよい。
【0134】
〔第2実施形態〕
図9はこの発明の第2実施形態のナビゲーションシステムを搭載した携帯端末の一例としての携帯電話端末の構成を示すブロック図である。
【0135】
この第2実施形態の携帯電話端末は、図9に示すように、記録媒体の一例としてのコンビネーションブルーレイディスク60が装着される記録再生装置の一例としてのドライブ装置61と、上記ドライブ装置61を制御して、コンビネーションブルーレイディスク60の読み込みおよび書き込みを行う制御装置62と、現在位置を検出して位置情報を制御装置62に出力する位置検出部63と、上記制御装置62により制御され、音声案内によりユーザーにナビゲーションを行うスピーカー64と、上記制御装置62により制御され、地図や自車両の位置を表示させる液晶ディスプレイ等からなる表示部65と、上記制御装置2により制御され、ユーザーからのキー操作を受け付けるキー入力部66と、バッファメモリ67とを備えている。上記コンビネーションブルーレイディスク60は、OS(Operation System:オペレーティング・システム)プログラムやナビゲーションプログラム等を含む読出し専用記録部の一例としての再生領域と、ユーザーデータなどを記録する記録領域とからなる光ディスクである。
【0136】
この携帯電話端末のドライブ装置61と制御装置62とスピーカー64と表示部65とキー入力部66およびバッファメモリ67とは、第1実施形態のカーナビゲーションシステムと同等の機能を有するが、可搬性を高めるために小型化,軽量化された形態が望ましい。
【0137】
上記位置検出部63は、GPS受信機63aと、ジャイロ63bとを有する。上記GPS受信機63aによりGPS衛星からの位置情報電波をGPSアンテナ68で受信して、受信した位置情報に基づいて現在位置を示す緯度,経度を算出する。
【0138】
なお、この携帯電話端末のコンビネーションブルーレイディスク60には、携帯性を向上させるために小径のディスクを適用する。
【0139】
また、この携帯電話端末によれば、ナビゲーションシステムを搭載することによって、端末が変わった場合においても、ユーザーデータを共有でき、同一のユーザーインターフェースを利用することができる。
【0140】
〔第3実施形態〕
図12はこの発明の第3実施形態の記録媒体の一例として光ディスクを用いたパーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【0141】
この第3実施形態のパーソナルコンピュータPC1は、図12に示すように、光ディスク10が装着される記録再生装置の一例としての記録媒体アクセス部200と、制御部203と、BIOSプログラム204aが記憶されたROM204と、プログラム205aが記憶された記憶部205と、RAM206と、表示部207と、入力部208と、インターネット網211に接続された通信部209とを備えている。上記パーソナルコンピュータPC1は、電源部210から電力が供給される。
上記記憶部205に記憶されたプログラム205aは、OS(例えばマイクロソフト社のウィンドウズ(Windows)など)やアプリケーションプログラム(例えばマイクロソフト社のワード(Word)やエクセル(Excel)など)である。このパーソナルコンピュータPC1では、記憶部205のOSは実行せずに、光ディスク10に記録されているOSとナビゲーションプログラムを実行することができる。
【0142】
上記記録媒体アクセス部200は、制御部201とバッファ202とを有し、記録媒体の一例としての光ディスク10のROM層33の読出しを行うと共に、RAM層31の読出し書き込みを行う。
【0143】
上記構成のパーソナルコンピュータPC1において、光ディスク10のROM層33に記憶されたナビゲーションプログラムを起動することによって、家庭内でカーナビの設定が可能となる。この場合、パーソナルコンピュータPC1の表示部207のモニタ表示を見ながら、入力部208のキーボードやマウスで設定するほうが設定しやすく、操作性がよい。また、インターネット等の情報検索と合わせてナビゲーションのセッティングができる。
【0144】
従来、通常のプログラムは、パーソナルコンピュータのHDDに記憶されたOSプログラムとの互換性を考慮する必要がある。例えば、ウィンドウズ(登録商標),MacOS(登録商標),リナックス(登録商標)に対するプログラムの互換性が必要である。
【0145】
これに対して、上記第3実施形態のパーソナルコンピュータPC1では、光ディスク10が起動ファイルを内蔵しているブータブルディスクであるので、OSに依存することなく、起動が可能である。特に、最近のパーソナルコンピュータは、光学ドライブからの起動が可能である。
【0146】
次に、上記パーソナルコンピュータPC1における操作手順を以下に説明する。
(1) パーソナルコンピュータPC1の電源を入れる。
(2) パーソナルコンピュータPC1のBIOSのセッティングを行う。この場合、通常のPCであれば、F2キーやF10キーを押す。そして、BIOSのセッティング画面を表示して、上下ボタンやENTERボタンの操作によって、ブートデバイスを記録媒体アクセス部200に設定する。
(3) BIOSのプログラムにより光ディスク10にアクセスして、光ディスク10からOSが起動する。この起動の手順は、第1実施形態の場合と同様であり、終了の際の動作も同様である(データ保存は光ディスク10のRAM層31に保存)。
【0147】
また、パーソナルコンピュータPC1のOS上でナビゲーションプログラムを実行することもできる。光ディスク10は、ブータブルディスクではあるが、光ディスク10のナビゲーションプログラムは、パーソナルコンピュータPC1のOS上で動くプログラムでもある。この場合、記憶部205に記憶されたOSを例えばウィンドウズ(Windows)とすると、光ディスク10に記録されたナビゲーションプログラムは、ウィンドウズ上で動くワード(Word)やエクセル(Excel)などのアプリケーションプログラムと同様に、ウィンドウズに対応したプログラムである。
【0148】
このときの操作手順を以下に説明する。
(1) 通常の操作にしたがって、ウィンドウズを起動する。
(2) ウィンドウズの起動後に光ディスク10を記録媒体アクセス部200に挿入する。
【0149】
そうして、ウィンドウズ上で、ナビゲーションプログラムを起動する。このとき、光ディスク10の挿入と同時に自動的にナビゲーションプログラムが起動するか、あるいは、ユーザーの操作でナビゲーションプログラムを起動する。例えば、光ディスク10の挿入後に、エキスプローラー(ウィンドウズのユーザーインターフェース)上に表示されたアイコンをポインティングデバイスで指定してダブルクリック操作することにより、ナビゲーションプログラムを起動させる。
【0150】
この場合は、光ディスク10のOSは実行されず、ウィンドウズ上でナビゲーションプログラムのみ実行される。したがって、ウィンドウズ上で他のソフトウェアと同時に操作が可能となり、利便性が向上する。
例えば、インターネットで地図や地名を調べながら、同時にナビゲーションシステムの目的地の入力が可能となる。
また、パーソナルコンピュータPC1のナビゲーションシステム上で目的地等の設定を行った後は、光ディスク10上に設定が記録される。その後に光ディスク10をパーソナルコンピュータPC1から取り出してナビゲーションシステムに挿入すると、設定した目的地までのナビゲーションが行われる。
【0151】
上記第3実施形態の光ディスク10によれば、通常使い慣れているナビゲーションシステムが変わった環境下においても、ユーザーデータを共有でき、同一のユーザーインターフェースを利用することができる。
【0152】
上記第1〜第3実施形態では、記録媒体としてブルーレイディスクを用いたが、CD(Compact Disc:コンパクト・ディスク),DVD(Digital Versatile Disc:ディジタル多用途ディスク),MD(Mini Disc)などを用いてもよい。
【0153】
また、上記第1〜第3実施形態において、アプリケーションの動作に関して、それぞれの長所を生かして、大容量のHDD、高速なフラッシュメモリ、大容量で持ち運び容易な光ディスクの記録層を組み合わせてもよい。
【0154】
例えば、フラッシュメモリに一時的なデータを読み書きしたり、HDDに超大容量が必要な地図データ等のデータを記憶したり、光ディスクにOS、プログラム、ユーザー設定、走行履歴などを記憶したりする。なお、地図データ等をダウンロードしてHDDに記憶する場合、光ディスクを別のカーナビに使用したときに再度ダウンロードが必要となる。
【0155】
また、光ディスクは、ブータブルディスクであればなおよい。ブータブルディスクは、コンピュータの起動のために必要な情報が入ったディスク媒体のことであり、ブータブルディスクをブートに対応したディスクドライブに入れた状態でコンピュータを起動すると、コンピュータが自動的にブータブルディスクの内容を読み込んで起動する。また、ブータブルディスクは、OSプログラムが起動していない段階で、起動可能なシステムを備えたディスクである。
【0156】
また、光ディスクとは、光学的に情報が読み取り可能なディスクのことであり、例えば、BD(Blu-ray Disc:ブルーレイディスク)、DVD(Digital Versatile Disc:ディジタル多用途ディスク)、CD(Compact Disc:コンパクト・ディスク)、MD(Mini Disc)などである。この光ディスクは、HDDに比べて、ヘッドや筐体を含まないため、安価、軽量、コンパクトであり、手軽に持ち運ぶことが可能で、ユーザーにとって利便性がよい。
【0157】
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1,第2実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】図1はこの発明の第1実施形態の記録媒体を用いたナビゲーションシステムの一例としてのカーナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は上記カーナビゲーションシステムに用いられるコンビネーションブルーレイディスクとドライブ装置を示す模式図である。
【図3A】図3Aは上記カーナビゲーションシステムに用いられる2層構造のコンビネーションブルーレイディスクの断面図である。
【図3B】図3Bは上記カーナビゲーションシステムに用いられる他の3層構造のコンビネーションブルーレイディスクの断面図である。
【図3C】図3Cは上記カーナビゲーションシステムに用いられる他の3層構造のコンビネーションブルーレイディスクの断面図である。
【図4A】図4Aは上記カーナビゲーションシステムの動作を説明するフローチャートである。
【図4B】図4Bは図4Aに示すフローチャートにおけるステップS1〜S3の詳細を説明するフローチャートである。
【図4C】図4Cは図4Aに示すフローチャートにおけるステップS6のナビゲーション動作の終了を説明するフローチャートである。
【図5】図5は上記カーナビゲーションシステムのナビゲーションの動作を説明するフローチャートである。
【図6】図6は上記カーナビゲーションシステムの表示例を示す図である。
【図7】図7は上記カーナビゲーションシステムの他の表示例を示す図である。
【図8】図8は上記カーナビゲーションシステムの他の表示例を示す図である。
【図9】図9はこの発明の第2実施形態のナビゲーションシステムを搭載した携帯端末の一例としての携帯電話端末の構成を示すブロック図である。
【図10】図10は上記第1実施形態のカーナビゲーションシステムの制御装置の構成を示すブロック図である。
【図11】図11は上記カーナビゲーションシステムのドライブ装置の構成を示すブロック図である。
【図12】図12はこの発明の第3実施形態のナビゲーションシステムを搭載したパーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0159】
1,61…ドライブ装置
2,62…制御装置
3…車両位置検出部
3a…GPS受信機
3b…ジャイロ
3b…車速パルスセンサ
4,64…スピーカー
5,65…表示部
6,66…キー入力部
7,67…バッファメモリ
10…光ディスク
11,68…GPSアンテナ
21…CPU
22…ROM
23…RAM
24…HDD
25…入出力インターフェース
26…通信部
27…電源スイッチ
30,40,50…ディスク基板
31,41,43,51,43…RAM層
32,42,44,52,54…中間層
33,45,55…ROM層
34,46,56…カバー層
53…RO層
63…位置検出部
71…MPU
72…インターフェース
73…SDRAM
74…フラッシュメモリ
75…ピックアップ
200…記録媒体アクセス部
201…制御部
202…バッファ
203…制御部
204a…BIOSプログラム
204…ROM
205a…プログラム
205…記憶部
206…RAM
207…表示部
208…入力部
209…通信部
PC1…パーソナルコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録再生装置に対して着脱可能な記録媒体であって、
少なくともナビゲーション用のアプリケーションプログラムが記録された読出し専用記録部と、
ナビゲーション用データを含むユーザーデータが記録される記録可能な記録部と
を有することを特徴とする記録媒体。
【請求項2】
請求項1に記載の記録媒体において、
上記読出し専用記録部である読出し専用記録層と、上記記録可能な記録部である記録可能な記録層とが積層された光ディスクであることを特徴とする記録媒体。
【請求項3】
請求項2に記載の記録媒体において、
上記記録可能な記録部である記録可能な記録層は、記録後の書き換えが不可能な第1の記録層と、書き込みが複数回記録可能な第2の記録層とを有することを特徴とする記録媒体。
【請求項4】
請求項2または3に記載の記録媒体において、
円盤状の基材と、
上記円盤状の基材上に形成された上記記録可能な記録層と、
上記記録可能な記録層上に形成された上記読出し専用記録層と、
上記読出し専用記録層上に形成されたカバー層と
を有する光ディスクであることを特徴とする記録媒体。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1つに記載の記録媒体において、
上記読出し専用記録部にオペレーティングシステムプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1つに記載の記録媒体において、
上記読出し専用記録部は、論理的に書き込みが禁止されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項7】
請求項1から5までのいずれか1つに記載の記録媒体において、
上記読出し専用記録部は、物理的に書き込みが禁止されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1つに記載の記録媒体が着脱可能であり、装着された上記記録媒体の読み込みおよび書き込みを行う記録再生装置と、
上記記録再生装置により上記記録媒体の上記記録可能な記録部から読み込まれた上記ナビゲーション用データに基づいて、上記記録再生装置により上記記録媒体の読出し専用記録部から読み込まれた上記アプリケーションプログラムを実行する制御装置と
を備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のナビゲーションシステムにおいて、
上記ナビゲーション用データを取得するナビゲーション用データ取得部を備え、
上記制御装置は、上記ナビゲーション用のアプリケーションプログラムを実行しているとき、上記ナビゲーション用データ取得部により取得された上記ナビゲーション用データを、上記記録再生装置により上記記録媒体の上記記録可能な記録部に書き込むように、上記記録再生装置を制御することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のナビゲーションシステムにおいて、
上記ナビゲーション用データ取得部により取得された上記ナビゲーション用データを記録するバッファメモリを備え、
上記制御装置は、上記バッファメモリから読み込まれた上記ナビゲーション用データを、上記記録媒体の上記記録可能な記録部に書き込むように、上記記録再生装置を制御することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項11】
請求項9または10に記載のナビゲーションシステムにおいて、
上記制御装置は、上記ナビゲーション用データ取得部により取得された更新すべき上記ナビゲーション用データについて、上記記録媒体の上記記録可能な記録部に記録された上記ナビゲーション用データを更新するように、上記記録再生装置を制御することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項12】
請求項8から11までのいずれか1つに記載のナビゲーションシステムにおいて、
上記記録再生装置は、上記記録媒体の上記読出し専用記録部または上記記録可能な記録部からデータの読み込みを行うと共に、上記記録媒体の上記記録可能な記録部にデータの書き込みを行うことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項13】
請求項8から12のいずれか1つに記載のナビゲーションシステムにおいて、
上記制御装置は、上記記録媒体の読出し専用記録部から上記アプリケーションプログラムを読み込む前に、上記記録媒体の上記読出し専用記録部に記録された上記オペレーティングシステムプログラムを読み込むように上記記録再生装置を制御して、読み込まれた上記オペレーティングシステムプログラムを実行することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項14】
請求項8から13のいずれか1つに記載のナビゲーションシステムにおいて、
上記制御装置は、上記記録媒体の上記記録可能な記録部に対して上記ナビゲーション用データのうちの地図データの読み込みおよび書き込みを行うように、上記記録再生装置を制御することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項15】
請求項8から14のいずれか1つに記載のナビゲーションシステムにおいて、
上記制御装置は、上記記録媒体の上記記録可能な記録部に対してコンテンツデータの読み込みおよび書き込みを行うように、上記記録再生装置を制御することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項16】
請求項8から15までのいずれか1つに記載のナビゲーションシステムを搭載したことを特徴とする携帯端末。
【請求項17】
ナビゲーションシステムにより読み取り可能な光ディスクにおいて、
アプリケーションプログラムの実行環境を整えるためのブートプログラムと、ナビゲーションを行うナビゲーションプログラムと、が記録されており、
上記ナビゲーションプログラムは、上記ブートプログラムによって整えられたアプリケーションプログラムの実行環境下で実行可能なプログラムであることを特徴とする光ディスク。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−3398(P2010−3398A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52072(P2009−52072)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】