説明

記録媒体処理装置

【課題】記録媒体を流下させる流路を配設するための広い設置スペースを必要としたり、記録媒体が流路内で詰まりやすくなることがないとともに、投入された記録媒体を破損することなく、かつ、確実に回収することができる記録媒体処理装置を提供すること。
【解決手段】投入された記録媒体Vを回収する回収部を備える記録媒体処理装置において、前記回収部の上方に設けられ、前記投入された記録媒体Vを受け止める受け部材102と、前記受け部材102を、少なくとも前記投入された記録媒体Vを受け止める受け止め位置と該受け止め位置にて受け止めた記録媒体Vを前記回収部に落下させる落下位置との間で駆動させる駆動手段と、所定の駆動開始条件の成立に基づいて、前記駆動手段を介して前記受け部材を少なくとも前記受け止め位置から前記落下位置まで駆動させる制御を行う駆動制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば遊技場等に設置され、投入された記録媒体を回収する回収部を備える記録媒体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機が設置される遊技場において、磁気カードやICカード等からなるプリペイドカード等の記録媒体を使用して遊技媒体であるパチンコ球等を借り受けて遊技を行うことができるようになっている。従来は、これら使用済みのカード(プリペイドカード)は使い捨てとされて回収されることがなかったが、使い捨ては資源の無駄であることから、近年においては、例えば各パチンコ機に並設される台間玉貸機(カードユニット)に投入されて使用済みとなったカードを、該台間玉貸機の本体内部に設けられたカード収納部(回収部)に収納しておき、営業時間外等に回収するようにしたものや、各カードユニットに投入されて使用済みとなったカードを、遊技機を設置する遊技島内部に長手方向に延設された搬送路に排出し、遊技島の一端側に設置した分別収容部まで搬送して収容し、営業時間外等に回収するようにしたもの等がある。
【0003】
これら使用済みのカード(記録媒体)は、回収する際において破損すると再利用できなくなることから、例えば前述のように使用済みのカードを台間玉貸機内部に設けられたカード収納部に収納するものにおいて、使用済みとなってリーダライタの背面側に搬送した使用済みのカードを、リーダライタの後端から装置本体から背面側に向けて湾曲するように突出形成されたカードガイド内を垂直方向に自然落下させ、傾斜部において落下速度を減速した後、カードガイド先端部にてカードストッパにより停止させ、そのまま下方のカード収納部内に自然落下させて収納するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、各カードユニットから投入された遊技島内部の搬送路に搬出して分別収容部に収容させるものにおいて、使用済みとなってリーダライタの背面側に搬送した使用済みのカードをカード支流路内を垂直方向に自然落下させた後、搬送路の搬送方向に向けて湾曲された合流ガイドにより落下速度を減速させてから搬送路に合流させるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−129234号公報(第4頁、第2図)
【特許文献2】特開2000−237440号公報(第5頁、第7図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1、2に記載されている湾曲したカードガイドや合流ガイドの傾斜部によりカードの落下速度を減速して衝撃を緩和することでカードの破損を防止する場合にあっては、落下速度を十分に減速させるために傾斜部を長く形成すると、広い設置スペースが必要となるばかりか、落下速度を減速させることで、流路内の汚れ等により流路内でカードが詰まりやすくなる虞があった。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、記録媒体を流下させる流路を配設するための広い設置スペースを必要としたり、記録媒体が流路内で詰まりやすくなることがないとともに、投入された記録媒体を破損することなく、かつ、確実に回収することができる記録媒体処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の記録媒体処理装置は、
投入された記録媒体を回収する回収部を備える記録媒体処理装置において、
前記回収部の上方に設けられ、前記投入された記録媒体を受け止める受け部材と、
前記受け部材を、少なくとも前記投入された記録媒体を受け止める受け止め位置と該受け止め位置にて受け止めた記録媒体を前記回収部に落下させる落下位置との間で駆動させる駆動手段と、
所定の駆動開始条件の成立に基づいて、前記駆動手段を介して前記受け部材を少なくとも前記受け止め位置から前記落下位置まで駆動させる制御を行う駆動制御手段と、
を備える、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、投入された記録媒体を、回収部の上方において受け部材にて受け止めてから受け部材を落下位置まで駆動することで、記録媒体を常に安定した状態で回収部に落下させることができるとともに、落下による衝撃により破損させることなく回収することができる。また、落下流路の傾斜部により落下速度を減速させるものに比べて、流路を設置するための広い設置スペースを必要としたり、流下途中で記録媒体が詰まりやすくなることがないので、記録媒体を確実に回収できる。
【0009】
本発明の請求項2に記載の記録媒体処理装置は、請求項1に記載の記録媒体処理装置であって、
前記駆動手段は、前記受け部材を少なくとも前記受け止め位置と前記落下位置との間で回動させる回動機構を有し、
前記駆動制御手段は、前記駆動手段を介して前記受け部材を少なくとも前記受け止め位置から前記落下位置まで回動させる制御を行う、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、受け部材の駆動範囲を極力小さくできるので、装置の小型化を図ることができる。
【0010】
本発明の請求項3に記載の記録媒体処理装置は、請求項1または2に記載の記録媒体処理装置であって、
前記回収部は、装置本体に設けられた設置部に対して取り外し自在に設けられ、
前記回収部が前記設置部に設置されているか否かを検出する検出手段を備え、
前記駆動制御手段は、前記検出手段により前記回収部が検出されていることを条件に、前記駆動手段を介して前記受け部材を少なくとも前記受け止め位置から前記落下位置まで駆動させる制御を行う、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、回収部が設置部に設置されていない状態で記録媒体が落下し、装置内部に散乱することを効果的に防止できる。
【0011】
本発明の請求項4に記載の記録媒体処理装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の記録媒体処理装置であって、
前記回収部に回収した記録媒体数を記憶する記憶手段と、
前記駆動手段による前記受け部材の駆動に基づいて、前記記憶手段に記憶されている記録媒体数を加算更新する記録媒体数更新手段と、
前記記憶手段に記憶されている記録媒体数が所定値に達したことに基づいて報知を行う報知手段と、
を備える、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、報知手段の報知により、回収部が満杯になる前に回収部に溜まった記録媒体を回収することができるとともに、回収した記録媒体数を検出する検出手段を回収部側に設けなくて済むため、製造コストを効果的に低減することができる。
【0012】
本発明の請求項5に記載の記録媒体処理装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の記録媒体処理装置であって、
前記記録媒体が投入されたことまたは前記投入された記録媒体の処理が終了したことに基づいて計時を開始する計時手段を備え、
前記駆動制御手段は、前記計時手段が計時を開始してからの時間が所定値に達したことを条件に、前記駆動手段を介して前記受け部材を少なくとも前記受け止め位置から前記落下位置まで駆動させる制御を行う、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、記録媒体を受け部材にて確実に受け止めた後に落下させることができるため、記録媒体をより安定した状態で回収部に落下させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0014】
本発明の記録媒体処理装置が適用された本実施例の遊技用システムは、図1に示すように、遊技場内に設置され、遊技場において複数配置された遊技島に並設される遊技機としてのカードリーダ式パチンコ機(以下パチンコ機)2に対して1対1に設置されるカードユニット3と、当該カードユニット3にて使用される会員用記録媒体である会員カード(図示略)、並びにプリペイドコインであるビジターコイン(記録媒体)に記録されているID番号(カードID、コインID)に対応付けて、当該会員カードやビジターコインに残存する金額(残額)の管理等を行うシステムコントローラ200と、前記会員カードやビジターコインの残額の精算及び精算済み(使用済み)のビジターコインの回収を行う記録媒体処理装置の一例としての精算機50と、会員遊技者が遊技にて獲得したパチンコ玉を計数して再度遊技に使用可能とするための玉計数器40と、各遊技場に設置され、当該遊技場において会員登録した会員遊技者に関する情報を収集、管理する会員管理コンピュータ220と、これら各遊技場に設置された会員管理コンピュータ220にルータ5並びに通信回線11を通じて双方向にデータ通信可能に接続され、各遊技場の会員管理コンピュータ220から送信される会員登録情報や貯玉情報や遊技履歴データ等を含む会員遊技履歴情報や台情報や会員別使用金額情報の受信に基づいて、各遊技場別に会員遊技者の属性情報や貯玉数や所有ポイント等の会員利用関連情報や遊技履歴や台情報等を集中管理する、カード管理会社に設置された場外管理装置を成す管理サーバ240と、から主に構成されており、これらカードユニット3、システムコントローラ200、会員管理コンピュータ220、精算機50、玉計数器40は通信ケーブル8を介して接続されている。
【0015】
また、各遊技場に設置されているシステムコントローラ200も、ルータ5並びに通信回線11を通じてカード管理会社に設置されている管理サーバ240に接続されており、該管理サーバ240において、各遊技場にて使用される会員カードやビジターコインの残額等、会員カードやビジターコインに関する情報が管理されている。
【0016】
尚、本実施例における記録媒体の一例であるビジターコインは、本体が円盤形状に形成され、内部にメモリが内蔵された集積回路としてのICチップとを内在するICタグ(図示略)が密封されたIC型コインが適用されているとともに、同じく記録媒体の一例である会員カードは、本体がカード形状(矩形状)に形成され、内部にメモリを内蔵したICチップが実装されたIC型カードが適用されており、これらビジターコインや会員カードのメモリには、各ビジターコインや会員カードを個々に識別可能なID番号が予め書き換え不可に記録されている。尚、本実施例では、ビジターコイン並びに会員カードに残額情報は記録されないようになっている。
【0017】
カードユニット3は、対応するパチンコ機2と直接、及び中継端末4を介して接続されており、カードユニット3と対応するパチンコ機2との間で各種信号の送受が可能とされているとともに、対応するパチンコ機2等から出力された各種遊技情報を示す信号が中継端末4を介して対応するカードユニット3に入力されるようになっている。
【0018】
また、カードユニット3は、ビジターコイン並びに会員カードを受け付け可能に構成されており、ビジターコインまたは会員カードの受付中において、対応して設けられるパチンコ機2における遊技に使用するパチンコ球(遊技媒体)を貸し出す貸出処理を行う。具体的には、カードユニット3は、ビジターコインまたは会員カードを受け付けると、該受付中のビジターコインまたは会員カードの利用の可/不可を判別する認証処理の実施並びに該認証処理にて利用可とされたビジターコインまたは会員カードから読み出したコインIDまたはカードIDに対応付けて管理されている残額をシステムコントローラ200に要求して、受付中のビジターコインまたは会員カードの利用の可/不可並びに残額情報を取得するとともに、遊技者による貸出要求に基づき、受付中のビジターコインまたは会員カードの残額の範囲内で、対応して設けられているパチンコ機2における遊技に使用するパチンコ球を貸し出す貸出処理を実施する。
【0019】
また、各カードユニット3及び精算機50は、システムコントローラ200並びに会員管理コンピュータ220とハブ(HUB)8’(図4参照)並びに通信ケーブル8を介して双方向のデータ通信可能に接続されていて、各接続機器にはそれぞれローカルIPアドレスが付与されてローカルエリアネットワーク(LAN)が形成されていて、該ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているこれら各装置には、当該装置を個々に識別可能な装置IDが付与されており、各装置が装置IDとローカルIPアドレスとが対応付けられたIPアドレステーブルを有することで、装置IDからローカルIPアドレスを特定して、当該装置IDから特定される装置との各種データの送受信を実施できるようになっている。
【0020】
次に、本実施例における記録媒体処理装置としての精算機50の構造を、図2及び図3に基づいて説明する。図2は、精算機を示す正面図であり、図3は精算機の前面扉を開放した状態を示す正面図である。
【0021】
精算機50は、図3に示すように、前面が開口する箱状の本体50aと、該本体50aの一側辺に回動自在に枢支された前面扉50bと、から構成されている。前面扉50bの前面には、図2に示すように、ビジターコインが投入されるビジターコイン投入口51と、投入されたものの精算が不可または精算が取り消された場合に該投入されたビジターコインが返却されるビジターコイン返却口52と、会員カードが挿入される会員カード挿入口53と、精算額に応じた紙幣が出金される紙幣出金口54と、精算額に応じた硬貨が出金される硬貨出金口55と、精算を行う際に押圧される精算スイッチ56と、精算を取り消す際に押圧される取消スイッチ57と、精算に伴う案内画面等が表示される接客用液晶表示部58と、会員カードの暗証番号を入力するためのテンキー入力部59と、ビジターコインまたは会員カードが排出された旨を点灯表示するコイン・カード排出口表示部60と、紙幣が出金された旨を点灯表示する紙幣出金口表示部61と、硬貨が出金された旨を点灯表示する硬貨出金口表示部62と、出金用の紙幣切れが近い旨を点灯表示する紙幣ニアエンプティ表示部63と、出金用の硬貨切れが近い旨を点灯表示する硬貨ニアエンプティ表示部64と、がそれぞれ配設されている。
【0022】
本体50aの内部には、紙幣を収容する収容部及び該収容部に収容されている紙幣を精算金額に応じて排出する機構を有する紙幣出金ユニット65と、硬貨を収容する収容部及び該収容部に収容されている硬貨を精算金額に応じて排出する機構を有する3つの硬貨出金ユニット66a〜66cと、精算済みのビジターコインを回収する後述する回収ユニット67と、投入されたビジターコイン及び会員カードを留保する留保機構及び該留保したビジターコインのコインIDや会員カードのカードIDの読み出が可能なリーダライタ68a,68b(図4参照)を備えるリーダライタユニット68と、精算履歴等の情報を印字可能なプリンタ69と、前述したテンキー入力部59と、当該精算機50内における各種装置に電力を供給する電源ユニット71と、精算機の状態や精算金額等の情報を外部に出力する機能を有する外部出力ユニット72と、精算機に関わる各種機器の制御を行う制御部70a(図4参照)が設けられた制御基板(図示略)が収納される制御ユニット70と、がそれぞれ配置されている。尚、紙幣出金ユニット65,硬貨出金ユニット66a〜66c,リーダライタユニット68,テンキー入力部59は、本体50aに対して前方に引き出し自在に設けられた台座上に配置されており、手前側に引き出した状態で補充やメンテナンスができるようになっている。
【0023】
前面扉50bの裏面には、当該精算機50に関わる種々の設定を行うための設定操作スイッチ73a及び設定用液晶表示器73bを備える設定操作ユニット73と、接客用液晶表示器58aとが配設されているとともに、前述した本体50a側に配設されたビジターコイン投入口51を前面側に臨ませるための投入開口部74と、本体50a側に配設されたビジターコイン返却口52及び会員カード挿入口53を前面側に臨ませるための返却・挿入開口部75と、本体50a側に配設されたテンキー入力部59内を前面側に臨ませるためのテンキー開口部76と、本体50a側に配設された紙幣出金口54を前面側に臨ませるための紙幣開口部77と、がそれぞれ対応する箇所に形成されている。
【0024】
また、前面扉50bを閉位置とした状態において、上方の硬貨出金ユニット66b,66c内の硬貨を排出する排出口66eに対向配置される受け入れ口78aと、硬貨出金ユニット66a内の硬貨を排出する排出口66dの下方に配置される受け入れ口78bとを有し、これら各受け入れ口78a,78bに排出された硬貨を、これら受け入れ口78a,78bよりも下方に配設した硬貨出金口55まで流下させて排出させる硬貨流路を形成する硬貨流路カバー78が取り付けられている。
【0025】
図4は、精算機50の構成を示すブロック図である。精算機50は、本体50aおよび前面扉50bに設けられる各種電子機器の制御を行う制御部70aと、リーダライタユニット68と、から主に構成されており、これら各種電子機器及びリーダライタユニット68は制御部70aと接続され、各種データの送受が可能とされている。
【0026】
リーダライタユニット68は、会員カードやビジターコインに記録されている識別情報であるコインIDやカードID等の記録情報の読み出しを行うとともに、HUB8’を介してシステムコントローラ200とデータ通信可能に接続されており、ビジターコインや会員カードに記録されたコインIDやカードIDによる認証や残額の確認等をシステムコントローラ200との間で行う。
【0027】
制御部70aには、紙幣出金ユニット65と、硬貨出金ユニット66a〜66cと、リーダライタユニット68から排出されたビジターコインを受け止める受止体102(図6参照)を回転駆動させる回収部モータ67aと、該受止体102の停止位置検出を行うための回収部センサ67bと、受止体102から落下されたビジターコインを回収する回収箱103が設置されているか否かを検出する回収箱検知スイッチ67cと、プリンタ69と、前面扉50bが開放されているか否かを検知する扉開放検知センサ79と、精算操作や設定操作等に応じて操作音を出力するブザー80と、接客用液晶表示器58aと、ビジターコインまたは会員カードの排出時にコイン・カード排出口表示部60を点灯させるコイン・カード排出口表示LED60aと、紙幣出金時に紙幣出金口表示部61を点灯させる紙幣出金口表示LED61aと、硬貨出金時に硬貨出金口表示部62を点灯させる硬貨出金口表示LED62aと、紙幣切れが近づいたときに紙幣ニアエンプティ表示部63を点灯させる紙幣ニアエンプティ表示LED63aと、硬貨切れが近づいたときに硬貨ニアエンプティ表示部64を点灯させる硬貨ニアエンプティ表示LED64aと、テンキー入力部59内に配置されるテンキー59aと、精算を行う際に押圧される精算スイッチ56と、該精算スイッチ56内に内蔵され、該精算スイッチ56が有効化されたときに点灯する精算スイッチ有効化LED56aと、精算を取り消す際に押圧される取消スイッチ57と、設定操作ユニット73に配設された設定操作スイッチ73a及び設定用液晶表示器73bと、外部出力ユニット72とがそれぞれ接続されており、これら各電子機器の制御を行う。
【0028】
また、制御部70aは、各種スイッチの検出信号等を受けて、制御部70aに接続されているLED、リーダライタユニット68の制御、全体の動作制御、並びに後述する精算処理やコイン回収処理等の各種処理を実行する。
【0029】
また、制御部70aは、HUB8’を介してローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されており、該ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して会員管理コンピュータ220やシステムコントローラ200とデータ通信可能とされており、各種データの送受が可能とされている。
【0030】
ここで、本実施例の精算機50の制御部70aが実施する主な処理内容について簡潔に説明すると、制御部70aは、リーダライタユニット68の制御部が、ビジターコイン投入口51に投入されたビジターコイン及び会員カード挿入口53に挿入された会員カードに対して精算の可/不可の判別を実施する受付処理において受け付けたビジターコインまたは会員カードに残額がある場合であって、精算スイッチ56の操作が検出された場合に、リーダライタユニット68に対して精算要求を出力し、ビジターコインまたは会員カードの残額(精算金額)に相当する貨幣を払い出して精算する精算処理を行う。
【0031】
また、制御部70aは、前記受付処理において受け付けられたビジターコインまたは会員カードの残額が0円の場合、または読み取りエラー等の要因により精算不可と判別された場合、または取消スイッチ57が操作された場合に、受け付け中のビジターコインまたは会員カードを排出して返却させる返却処理を行う。
【0032】
また、制御部70aは、受け付け中のビジターコインの精算処理が終了し、リーダライタユニット68から排出された精算処理済み(使用済み)のビジターコインを回収する回収処理を行うとともに、該回収処理にて回収したビジターコインが予め設定した枚数に達したときに、回収が必要となった旨を外部に報知する報知処理を行う。
【0033】
尚、本実施例では、前記受付処理において受け付けられたビジターコインまたは会員カードの残額が0円の場合、前述のしたように受け付け中のビジターコインまたは会員カードを排出して返却させるようになっているが、ビジターコインまたは会員カードの残額が0円である場合、前記回収処理を実施し、当該受付中のビジターコインを使用済みのビジターコインとして回収するようにしてもよい。
【0034】
次に、リーダライタユニット68におけるビジターコインの流路構造及び回収ユニット67の構造を、図5〜図8に基づいて説明する。図5は、図3のA−A断面図であり、図6は、回収部の要部を示す斜視図であり、図7は、図6のB−B断面図であり、図8は、図7のC−C断面図である。尚、図5における紙面右側が精算機50の正面側となっている。
【0035】
リーダライタユニット68は、図5に示されるように、側面視直方体をなす筺体にて構成されており、その前面上部には前述したビジターコイン投入口51が配設されているとともに、前面下部にはビジターコイン返却口52及び会員カード挿入口53が左右方向に並設されている(図2,3参照)。リーダライタユニット68内には、ビジターコイン投入口51から投入されたビジターコインVが縦向き姿勢で自然流下(転動)する投入路80が、ビジターコイン投入口51から後方(図5中左側)に向けて延設されているとともに、該投入路80におけるビジターコイン投入口51の近傍における投入路80の一側方には、投入されたビジターコインVに記録されているコインIDを読み出す読み出し手段としてのリーダライタ68aが配設されている。
【0036】
このリーダライタ68aの配設位置には、特に詳細な図示はしないが、投入されたビジターコインVを読み出し位置にて留保可能とするとともに、該留保したビジターコインVの流路を、リーダライタ68aの背面側から延設される回収路81またはリーダライタ68aの下面側から延設される返却路82のいずれかに切り替えて排出することが可能な流路切替機構(図示略)が設けられており、留保したビジターコインVを回収または返却できるようになっている。
【0037】
回収路81は、リーダライタ68aの背面側にて下方に向けて屈曲され、該屈曲部から下方に向けて延設されており、該回収路81の下端は、リーダライタユニット本体の左側面下部からさらに下方に向けて延設され、下方に配置された回収ユニット67に連通されている。尚、回収路81における下方に向けて延びる直線状部の途中には、背面側に向けて傾斜する傾斜部81aが形成されているとともに、該傾斜部83からは、前方のビジターコイン返却口52に連通する予備路83が延設されている。この予備路83は、当該リーダライタユニット68をカードユニット3等に適用する際にビジターコインVの貯留路として使用されるものであり、本実施例においては、該予備路83にビジターコインVが流入しないように図示しないカバー部材が取り付けられており、傾斜部81aを流下するビジターコインは全て下流側の回収路81に流下するようになっている。
【0038】
返却路82は、リーダライタ68aの下面側から下方に向けて延設されるとともに、該返却路82におけるビジターコイン返却口52の近傍に設けられたリーダライタ68bの配置位置において前方に屈曲され、ビジターコイン返却口52に連通されている。尚、リーダライタ68bは、リーダライタユニット68を正面側から見て返却路82の右側であって、会員カード挿入口53に連通するカードスロット(図示略)の左側、すなわち、返却路82と図示しないカードスロットとの間に挟まれた位置に配設されており、会員カード挿入口53から挿入された会員カードに記録されている情報の読み出し並びに書き込みができるようになっている。また、返却路82にも面していることから、前述したように当該リーダライタユニット68をカードユニット3等に適用する際において、予備路83におけるリーダライタユニット68の配置位置にて留保されたビジターコインVに情報を書き込むこともできるようになっている。
【0039】
リーダライタユニット68を正面側から見て左側下方には、回収路81を流下してきたビジターコインV、すなわち、リーダライタ68aにて読み出されたコインIDに基づいて管理されている残額(精算金額)に相当する貨幣を払い出す精算処理が終了して残額が0円となった使用済みのビジターコインVを回収するための回収機構を備える回収ユニット67が配設されている。
【0040】
回収ユニット67は、図5及び図6に示されるように、回収路81の下端近傍に配設される受け止め部100と、該受け止め部100の直下に配設される回収部101と、から主に構成される。受け止め部100は、回収路81の下端から流出してきたビジターコインVを受け止めて留保するとともに、受け止めて留保したビジターコインVを下方の回収部101に落下させる受け部材としての受止体102を備えるとともに、回収部101は、受止体102から落下したビジターコインVを貯留可能な回収箱103を備えている。
【0041】
詳しくは、受け止め部100は、本体50a内部に固設された上下方向を向く仕切り板104(図3参照)に右側面が固着された上下に貫通する四角枠状の支持枠105と、該支持枠105内部に前後方向を向く軸を中心として回動自在に支持された受止体102と、該受止体102を正面側から見て時計回りに回転(駆動)させる回収部モータ67aと、受止体102を図6に示す受け止め位置にて停止させるための回収部センサ67bと、を主に備えている。
【0042】
仕切り板104における受け止め部100の反対側、すなわちリーダライタユニット68の配置位置側(正面から見て右側)には、図6〜図8に示されるように、回収路81の下部が該仕切り板104に沿うように下方向に向けて延設されているとともに、該仕切り板104における回収路81の下部に対応する箇所には連通口106が形成されており、回収路81の下部に形成された傾斜部81b及び後述する前後一対の落下防止片108が、前記連通口106を通してリーダライタユニット68の配置位置側から受け止め部100側に入り込むように配設されている。尚、回収路81の外側には、図6に示すように、リーダライタユニット68の下端から下方に向けて延設される回収路81を流下方向に向けて覆うとともに、該回収路81を構成する通路部材を固定する流路カバー107が取り付けられているとともに(図8参照)、該流路カバー107の下端には、傾斜部81bの流下方向の左右側からのビジターコインVの落下を防止するための前後一対の落下防止片108が取り付けられている。
【0043】
支持枠105の左側面板上部には、連通口106との干渉を回避するための切欠部105aが形成されている。また、前面板の前面左右側には、該受け止め部100の上部前方を覆う図示しないカバー体を取り付けるための止めネジ109が取り付けられているとともに、上端縁部には、回収部センサ67bを取り付けるための取付片110が後向きに延設されている。後面板の後面側には、回収部モータ67aがネジにより固設されているとともに、該回収部モータ67aの駆動軸112aが回動自在に軸支されている。
【0044】
受止体102は、底面板102aと、前後一対の前後面板102bと、右側面板102c、左側面板102dと、から上面が開口する箱状に形成されており、底面板102aがほぼ水平方向を向き、傾斜部81b上を滑り落ちてきたビジターコインVを受け入れて流下を止める受け止め位置にて停止されるとともに、該受け止め位置から360度回転して該受け止めたビジターコインVを落下させることができるように支持枠105に回転自在に支持されている。すなわち、受止体102は、受け止め位置から360度回転することで受け止め位置に復帰して停止するようになっており、受け止めたビジターコインVを下方の回収箱103内に落下させる落下位置は、図9(c)に示すように、受け止め位置から時計回りに約90〜150度回転した位置となっている。
【0045】
このように、図9(a)に示す受け止め位置から図9(c)に示す落下位置まで回転した時点で逆回転して受け止め位置に復帰するのではなく、受け止め位置から落下位置まで回転した後も回転を続けて受け止め位置に復帰するようにすることで、受止体102を完全に上下反転させることができるので、箱状に形成された受止体102に受け入れたビジターコインVを、1回の駆動で確実に落下させることができる。また、本実施例においては、回転開始後は、落下位置にて一時停止等することなく、一定速度にて360度回転するようになっている。
【0046】
左側面板102dの内面には、回収路81の傾斜部81bから流下してきたビジターコインVとの接触時における衝撃を吸収するためのゴムパッド111が接着テープにより固着されている。また、右側面板102cの上端縁からは、右斜め上方に向けて傾斜する接続片部102eが連設されているとともに、該接続片部102eの前後方向中央部には、傾斜部81bの下端における前後方向の中央位置から下向きに延設された舌片81cが遊挿される切欠部102fが凹設されている。
【0047】
図8に示すように、受止体102が受け止め位置に停止している状態において、接続片部102fは、傾斜部81bよりも若干下方位置に、該傾斜部81bとほぼ平行をなすように配置され、傾斜部81bの上面と接続片部102eの上面との間には高さ方向の段部が形成されるとともに、受止体102の回転時において接続片部102eの上端と傾斜部81bの下端とが干渉しないように互いに離間配置されている。これにより、受止体102が受け止め位置に位置した状態において、停止制御の精度等の要因により、接続片部102eの上面の方が傾斜部81bの上面よりも上方に位置して、ビジターコインVの流路上面に高さ方向の段部が形成され、これによりコイン詰まりが発生することが防止されている。
【0048】
また、受け止め位置にて舌片81cが切欠部102f内に遊挿され、傾斜部81bの一部と接続片部102eの一部とが互いに嵌り合うようになっていることで、傾斜部81bの下端と接続片部102eの上端との間にビジターコインVが落下可能な隙間が形成されることが回避されているため、傾斜部81b上を流下してきたビジターコインVは、舌片81cと接続片部102eとの接続部から落下することなく、確実に受止体102内に流下するようになっている。
【0049】
受止体102の後面板102bの下部には、前述した駆動軸112aの先端が固着されているとともに、前面板102bの下部には、一端が支持枠105の前面板における駆動軸112aの軸心上に回動自在に枢支された枢軸112bの他端が固着されており、互いに同心をなす前後方向を向く駆動軸112a及び枢軸112bを中心として回動自在に設けられている。
【0050】
枢軸112bには、受止体102の位置検出用の円盤113の中心が固着されている。円盤113は、取付片110にネジ止めされた下向きコ字形の回収部センサ67bの両先端部に設けられた投光部と受光部との間に周縁部が遊挿されるように枢軸112bに固着されており、その周縁部所定箇所には、投光部からの光を通過可能とする投光穴114が形成されている。投光穴114は、図6及び図7に示されるように、受止体102が受け止め位置にあるときに、回収部センサ67bにおける投光部・受光部間に位置するようになっているため、投光部からの光が受光部に入射され、これにより受止体102が受け止め位置に位置していることが検出されるようになっている。
【0051】
回収部101は、図5及び図6に示すように、受け止め部100の下方に配置される回収箱103にて構成されている。回収箱103は、金属板により上面が開口する箱体に形成され、前面には取手115が固着されており、本体50a内に設けられた設置部としての設置板116上に、前方に向けて取り出し自在に載置されている。
【0052】
回収箱103の前面板103a及び左側面板103bは、設置板116上に載置されている状態において、上方に配置される支持枠105の前面板及び左側面板の下部外面に上部が当接可能な高さを有しており、前面板103a及び左側面板103bの上部内面が支持枠105の前面板及び左側面板の下部外面にそれぞれ当接することで、所定の設置位置(図5中実線にて示す位置)に位置決めされるようになっている。後面板103c及び右側面板103d(図5参照)は、支持枠105の下端よりも下方に位置するように、前面板103a及び左側面板103bよりも高さが低くなっている。また、回収箱103の底面板の上面には緩衝材としてのゴムパッド119が敷設されており、上方から落下してくるビジターコインVが落下した際の衝撃や衝突音等が効果的に抑制されるようになっている。
【0053】
後面板103cの背面下部には、設置板116の奥側に固設されたクリップ117の左右の挟持片(図示略)間に係脱可能な係合片118が突設されており、回収箱103を設置板116の上面前部に載置した状態で後側に向けてスライド移動させ、係合片118がクリップ117に係合することで、所定の設置位置にて保持されるようになっている。また、設置板116の後部所定箇所には、設置板116上に回収箱103があるか否かを検出するための回収箱検知スイッチ67cが配設されている。回収箱検知スイッチ67cは、図示しないスイッチ部が設置板116の上面に望むように設けられており、回収箱103が設置板116の上面に設置されたときに該回収箱103の底面板によりスイッチ部が押圧されることにより、設置位置に設置したことが検知されるようになっている。
【0054】
尚、本実施例においては、回収箱103が回収箱検知スイッチ67cにて検出されていないとき、つまり回収箱103が設置板116の上面に設置されていることが検出されていない場合には、ビジターコイン投入口51から投入されたビジターコインは、残額があっても返却路82を介して返却されるようになっており、回収部モータ67aが駆動してビジターコインの回収動作が行われることもないので、回収箱103が設置されていない状態で使用済みのビジターコインVが回収ユニット67に流入し、本体50a内にビジターコインVが散乱することがない。
【0055】
尚、本実施例では、上記のように、回収箱103が回収箱検知スイッチ67cにて検出されていないとき、つまり回収箱103が設置板116の上面に設置されていることが検出されていない場合には、ビジターコイン投入口51から投入されたビジターコインは、残額があっても返却路82を介して返却されるようになっているが、回収箱103が回収箱検知スイッチ67cにて検出されていないときであっても、ビジターコインを受け付け、該ビジターコインの残額(精算金額)に相当する貨幣を払い出す精算処理を実施するようにしてもよく、この場合、リーダライタユニット68から使用済みのビジターコインが排出されても、受止体102を回転駆動させないようにすれば、本体50a内にビジターコインVが散乱することを一時的に回避できる。また、このような場合、受止体102が箱状に構成され、数枚のビジターコインを受け付け可能な構造としていることで、精算機50における精算の受け付け(稼動)を止めることなく、一時的な処置として精算処理及び回収処理を実施できることになる。
【0056】
あるいは、回収箱103が回収箱検知スイッチ67cにて検出されていないときは、ビジターコイン投入口51からのビジターコインの投入ができないように、投入口を閉鎖するようにしてもよい。
【0057】
以上のように、本発明の駆動制御手段を構成する制御部70aは、検出手段としての回収箱検知スイッチ67cにより回収箱103(回収部)が検出されていることを条件に、駆動手段としての回収部モータ67aを介して受け部材としての受止体102を少なくとも受け止め位置から落下位置まで駆動させる制御を行うようになっている。
【0058】
このように使用済みのビジターコインVを貯留可能な回収箱103は、設置板116上に形成された設置部から前方に向けて取り外し自在に載置されており、内部に所定枚数のビジターコインVが貯留された場合には、本体50aの正面側から取手115を把持して設置位置から手前側に向けて引き出すことで、本体50aの外部に取り出しできるようになっているため、精算機50内に投入され、精算処理が終了して使用済みとなった後、精算機本体内部に回収されたビジターコインVを外部に取り出し、遊技場に設置されたカードユニット3等にて再度利用することができる。
【0059】
次に、リーダライタユニット68から排出され、回収路81内を落下してきた使用済みのビジターコインVが回収ユニット67において回収される際の動作状況を、主に図9に基づいて説明する。
【0060】
リーダライタユニット68において精算処理が完了し、該リーダライタユニット68から排出された使用済みのビジターコインVは、図9(a)に示すように、回収路81内を縦向き姿勢で落下してくる。そして、回収路81の下部に設けられた傾斜部81bに差し掛かると、傾斜部81bの上面に沿って斜め横向きに姿勢を変えて傾斜部81b上を流下し、連通口106を通過して受け止め部100側に入り込む。尚、回収路81内を垂直方向に落下してきたビジターコインVが傾斜部81bに差し掛かかり斜め横向きになることで、ビジターコインVの落下速度が効果的に低減される。
【0061】
次いで、舌片81cと接続片部102eとの間に形成される接続段部を超えて、受止体102内に斜め横向きの姿勢のまま滑り込むように入り込み、受止体102の底面板102aの上面にて転倒して横向き姿勢で受け止められる。すなわち、回収路81内を自然流下(落下)してきたビジターコインVが、受止体102により下方から受支するように受け止められることで、該ビジターコインVの自然流下(落下)が確実に止められる。また、傾斜部81bを介して斜め横向きの姿勢で底面板102aの上面に滑り込むように流入するように構成されている、つまり、受け止め部を構成する底面板102a上面に対してビジターコインVを鋭角に傾斜した姿勢で流入させるようになっていることで、ビジターコインVに大きな衝撃を与えたり、大きな衝撃音を発生させることなく、受け止めることができる。
【0062】
尚、受止体102内に入り込んだビジターコインVが流下の勢いで受止体102の左側面板102d側に移動した場合でも、ゴムパッド111に当たることでその衝撃や衝撃音等が抑制されるとともに、受止体102が、周囲に壁(前後面板102b,左右側面板102c、120d)が形成された箱体にて構成されていることで、受け止めたビジターコインVのあばれや落下が周壁により効果的に抑制される。
【0063】
受止体102内に受け止められたビジターコインVは、そのままの状態で所定時間留保された後、回収部モータ67aが駆動され、駆動軸112a及び枢軸112bを中心として、受止体102が正面から見て時計回り(図9(b)中白矢印方向)に回動される。尚、この回収部モータ67aの駆動開始タイミングは、後述するように、制御部70aがリーダライタユニット68から出力された精算完了通知を受信してから所定時間(本実施例では4秒)が経過した時点とされている。この所定時間である4秒は、リーダライタユニット68のリーダライタ68aの配置位置にて留保されていたビジターコインVが回収路81に排出されてから、回収路81内を流下して受止体102にて確実に受け止められるまでの時間であって、回収路81の流路長さ等の状況に応じて予め設定されており、種々に変更可能である。
【0064】
また、回収路81内を流下してきたビジターコインVが、受止体102に流入して受け止められた後、所定時間留保された後に落下されるようにすることで、ビジターコインVを受け止めた直後の不安定な状態のまま受止体102を回転させ、回収箱103の外に落下させてしまうといった虞がなく、受け止めたビジターコインを安定した状態で落下させて確実に回収することができる。
【0065】
図9(b)に示すように、受止体102が図9(a)に示す受け止め位置から時計回りに所定角度回転するまでの間は、内部に受け止められているビジターコインVは右側面板102c側に寄せられたまま保持され(図9(b)参照)、図9(c)に示すように、受止体102の上面開口がほぼ下向きとなる落下位置となった時点で保持されていたビジターコインが落下し、下方に設置されている回収箱103内に貯留されることになる。尚、受止体102は、図9(c)に示す落下位置で停止することなく継続して回転を続け、最終的に図9(c)中2点鎖線で示す受け止め位置に戻ったときに駆動が停止され、次のビジターコインを受け入れ可能な受け止め位置に位置した状態で待機する。
【0066】
以上のように、本実施例の精算機50は、投入されたビジターコインVを受け止める受止体102を、少なくとも図9(a)に示す受け止め位置から図9(c)に示す落下位置まで駆動させる駆動手段、より具体的には受止体102を少なくとも受け止め位置から落下位置まで回動させる回動機構として、回収部モータ67a、駆動軸112a及び枢軸112b等を有している。また、所定の駆動開始条件の成立、具体的には、ビジターコインVがリーダライタ68aの配置位置から排出されてからの計時時間が所定値に達したことを条件に、回収部モータ67aを介して受止体102を少なくとも受け止め位置から落下位置まで駆動(回動)させる制御を行う制御部70aを有している。
【0067】
回収箱103内に予め設定した枚数(本実施例では600枚)のビジターコインVが貯留(回収)されると、制御部70aは、後述するように接客用液晶表示器58aの表示画面に、回収箱103に予め設定した枚数である600枚のビジターコインVが貯留された旨を示すエラーコードを表示し、回収箱103が満タンになった旨の報知を行う。
【0068】
本実施例においては、回収箱103内に予め設定した枚数のビジターコインVが貯留(回収)されたか否かを、回収部モータ67aの駆動回数、すなわち、受止体102の回動回数を計数することにより判別するようになっている。具体的には、制御部70aは、回収部モータ67aを駆動させると、制御部70a内に設けられる記憶手段としての駆動回数カウンタ(図示略)のカウンタ値を1加算更新し、該カウンタ値が所定値(600)に達したときに前記報知を行う。
【0069】
駆動回数カウンタは、回収箱検知スイッチ67cからの検出信号がoffとなったとき、つまり、回収箱103が設置板116上の設置部から取り外されたときにリセットされるようになっており、回収箱検知スイッチ67cからの検出信号がoffからonとなったときから、回収部モータ67aが駆動されるごとにカウンタ値に1を加算更新していく。回収箱103が設置板116上から取り外されるのは、主に回収箱103内に回収されたビジターコインVを外部に取り出すときであるため、回収箱検知スイッチ67cからの検出信号がoffからonとなることで、内部が空の状態の回収箱103が設置されたものとして、その時点からの回収部モータ67aの駆動回数の加算を開始する。
【0070】
このように、回収箱103内に回収されたビジターコインVが満タンになって本体50a内に溢れ出る前に報知が行われ、回収したビジターコインを取り出しできるようになっているとともに、回収箱103内に回収されたビジターコインVの回収枚数を、受止体102の駆動(回転)回数に基づいて判定していることで、精算機50の本体50aに対して取り外し自在に設置される回収箱103側に、ビジターコインの満タンを検知する満タンセンサ等を配置する必要がないので、製造コストを効果的に低減することができる。
【0071】
また、制御部70aは、回収箱検知スイッチ67cからの検出信号がoffであることを検出しているとき、つまり、回収箱103が設置板116上の設置位置から取り外されている状態では、リーダライタユニット68に対して、リーダライタ68aの配置位置に設けられた前述の流路切替機構(図示略)により投入されたビジターコインVの流路を返却路82側に切り替え、該投入されたビジターコインVの精算処理等を行うことなく、そのままビジターコイン返却口52から返却させる指示を行う。つまり、回収箱103が設置板116上の設置位置から取り外されている状態において前述した回収処理が行われることがないため、ビジターコインVが本体50a内に散乱することが防止される。
【0072】
また、例えば何らかの要因で回収部モータ67aを駆動して受止体102を正常に回転させることができない故障時等においては、図10に示すように、受止体102の右側面板102c及び接続片部102eが下方または上方を向く非受け止め位置まで受止体102を手で強制的に回転させ、該縦向き姿勢にて保持しておけば、傾斜部81bの下端と受止体102との間にビジターコインVが落下するのに十分な間隙が形成されるため、受止体102にてビジターコインVを受け止めることなく、傾斜部81bからそのまま落下させて回収を行うことができる。
【0073】
尚、本実施例では、制御部70aは、前記回収処理にて受止体102の駆動を開始させてから所定時間(受止体102が1回転するのに要する時間よりも長く設定された時間、例えば20秒)が経過した時点で回収部センサ67bからの検出信号がonとならないときは、受止体102が受け止め位置(基準位置)に復帰していないものとして駆動エラー報知を行うようになっている。このようにすることで、受止体102の回転が正常に行われていない状態で回収処理が延々と実施され、ビジターコインが受止体102にて受け止められることなく回収箱103内に落下して破損したり、コイン詰まりが発生して回収部モータ67aが故障すること等を回避することができる。
【0074】
また、本実施例では、前記設定操作ユニット73における設定操作スイッチ73aによる設定操作により、上記駆動エラー報知を実施するか否かの設定、より具体的には、受止体102を回転駆動させず、かつ駆動エラー報知を行わずに回収処理を実施可能に設定できるようになっており、このようにすることで、上記したように何らかの要因で回収部モータ67a等に故障が発生した場合、設定操作ユニット73にて上述した設定操作を行い、図10に示すように、受止体102を手で強制的に回転させて縦向き姿勢に保持することで、受止体102を回転駆動させることなく、かつ、駆動エラー報知が行われない状態で回収処理を実施することができる。
【0075】
以上説明したように、本実施例における精算機50にあっては、ビジターコイン投入口51から投入された記録媒体としてのビジターコインVを、回収部101の上方に配置された受け止め部100に回動自在に設けられた受止体102にて下方から支持するように受け止めてから、該受止体102を落下位置まで回転駆動することで、ビジターコインVを常に安定した状態で回収部101の回収箱103内に落下させることができるため、回収路81内を落下してきたビジターコインVをそのまま回収箱103内に落下させる場合に比べて、自然流下(落下)を確実に止めてから落下させて回収箱103内に落下した際の衝撃を効果的に抑制することができ、これによりIC型のビジターコインVを破損させることなく回収することができる。また、回収路81内にてビジターコインVの落下速度を減速させるために、傾斜部や蛇行部等を必要以上に形成する必要がないので、回収路81を設置するための広い設置スペースを設ける必要がないばかりか、回収路81内を落下するビジターコインVに摩擦部材等を接触させるなどして抵抗を付与すること等により、ビジターコインVが回収路81内で詰まりやすくなることがないので、ビジターコインVを確実に、かつ、破損させることなく回収することができる。
【0076】
また、受止体102は、受け止め位置から落下位置まで回転により移動するように設けられていることで、受止体102の駆動範囲を極力小さくできるので、回収ユニット67の小型化を図ることができるばかりか、特に本実施例においては、落下位置において逆回転することで受け止め位置に戻ることなく、落下位置からさらに同方向の回転を続けて受け止め位置に戻るようになっているので、ビジターコインVを確実に落下させることができるとともに、駆動制御や停止制御が複雑化することがない。また、例えばビジターコインVが完全に落下していない状態で受け部材が復帰動作することにより、該復帰動作によりビジターコインVが弾き飛ばされて回収部の外に散乱してしまうこと等がない。
【0077】
次に、ビジターコイン投入口51からビジターコインが投入されたことに基づいて、前述した受け付け処理,精算処理,回収処理が実施される場合における制御部70aとリーダライタユニット68とシステムコントローラ200との間で行われる処理状況を、図11に基づいて説明する。
【0078】
まず、リーダライタユニット68におけるビジターコイン投入口51からビジターコインVが投入され、該投入されたビジターコインがリーダライタ68aにて留保されると、リーダライタユニット68の制御部(図示略)は、受け付けたビジターコインVから読み出したコインIDと当該精算機50の装置IDとを含む受け付け通知を精算機50の制御部70a及びシステムコントローラ200の双方に送信する。受け付け通知を受信した制御部70aは、投入されたビジターコインに記憶されている情報を読み出している旨を示す読み出し中画面(図示略)を接客用液晶表示器58aに表示させる。
【0079】
一方、受け付け通知を受信したシステムコントローラ200は、受信した受け付け通知に含まれるコインIDに対応付けて記憶されている残額情報を含む残額通知をリーダライタユニット68に送信する。該残額通知を受信したリーダライタユニット68の制御部は、精算可能、すなわち残額があり、かつ正規なビジターコインが受け付けられていると判断した場合は、制御部70aに読み取り完了通知を送信する。一方、精算不可、すなわち残額が0円であるコインまたはエラー起因コイン(例えば他店のコインや読み取りエラー等)が受け付けられていると判断した場合は、制御部70aに読み取り完了通知を送信するとともに、リーダライタ68aにて留保しているビジターコインを返却路82側に排出し、ビジターコイン返却口52から返却させる。
【0080】
制御部70aは、読み取り完了通知を受信した場合、読み取り結果を接客用液晶表示器58aに表示させる。具体的には、精算が可能であった場合には、残額(精算金額)及び該残額の精算を実施するための精算スイッチ56の操作を促す画面(図示略)を表示させるとともに、精算スイッチ56の操作を有効化して精算スイッチ有効化LED56aを点灯させる。また、精算が不可であった場合には、残額が0円である、またはエラー起因コインであるために精算を中止する旨を示す画面(図示略)を表示させ、精算処理を終了する。
【0081】
また、精算スイッチ56の操作が有効化された場合、該精算スイッチ56の操作待機状態とし、精算スイッチ56の操作が検出されるまでの間に取消スイッチ57の操作を検出した場合には、取引中断通知をリーダライタユニット68に送信し、精算処理を終了する。また、精算スイッチ56の操作待機状態において精算スイッチ56の操作が検出された場合には、精算要求通知をリーダライタユニット68に送信する。
【0082】
リーダライタユニット68は、制御部70aから送信された取引中断通知を受信した場合には、リーダライタ68aにて留保しているビジターコインを返却路82側に排出し、ビジターコイン返却口52から返却させる。また、制御部70aから送信された精算要求通知を受信した場合には、コインIDと装置IDとを含む精算要求通知をシステムコントローラ200に送信する。
【0083】
リーダライタユニット68から送信された精算要求通知を受信したシステムコントローラ200は、受信した精算要求通知に含まれるコインIDに対応付けて記憶されている残額情報を精算後の残額(0円)に更新した後、精算金額情報を含む精算完了通知をリーダライタユニット68に送信する。該精算完了通知を受信したリーダライタユニット68の制御部は、リーダライタ68aにて留保しているビジターコインを回収路81側に排出するとともに、精算金額情報を含む精算完了通知を制御部70aに送信する。
【0084】
精算完了通知を受信した制御部70aは、該精算完了通知の受信に基づいて、受信した精算完了通知に含まれる精算金額情報から特定される精算金額分の貨幣を、紙幣出金ユニット65,硬貨出金ユニット66a〜66cにて払い出しさせるとともに、制御部70a内部に設けられたタイマ(図示略)によるカウント(計時)を開始する。
【0085】
そして、タイマカウントの開始から、前述した予め設定した時間である4秒が経過したと判定した時点で回収部モータ67aの駆動を開始させ、ビジターコインの回収箱103内へのコイン回収処理を実施する。さらに、該回収部モータ67aの駆動に基づき、前述した駆動回数カウンタ(図示略)に記憶されているカウンタ値に1を加算更新した後、該加算更新後におけるカウンタ値が600に達したか否か、つまり回収部モータ67aの駆動回数が、前回駆動回数カウンタがリセットされてから600回に達したか否かを確認し、600回に達していると判定した場合には、当該コイン回収処理の実施により回収箱103内に600枚のビジターコインが回収されたとして、前述したように回収箱103が満タンになった旨を示す報知画面(図示略)を接客用液晶表示器58aに表示させる。
【0086】
尚、本実施例では、回収部モータ67aを駆動するごとに、駆動回数カウンタのカウンタ値に1を加算していくようになっているが、例えばリセット時に駆動回数カウンタのカウンタ値を600とし、回収部モータ67aを駆動するごとに、駆動回数カウンタのカウンタ値を1ずつ減算し、カウンタ値が0となったことに基づいて報知を行うようにしてもよい。
【0087】
該報知画面の表示後において、回収箱検知スイッチ67cからの検出信号がoffとなった場合、すなわち、回収箱103が設置板116から取り出されて回収されたコインが外部に取り出されたと判定したら、報知画面の表示を終了させて当該コイン回収処理を終了する。または駆動回数カウンタ(図示略)のカウンタ値への加算更新後におけるカウンタ値が600に達していなかった場合には、そのまま当該コイン回収処理処理を終了する。
【0088】
このように制御部70aは、リーダライタユニット68から送信された精算完了通知の受信に基づいてタイマカウントを開始し、該タイマカウントの開始から4秒経過した時点、つまりビジターコイン投入口51から投入されたビジターコインの残額に相当する精算金額を払い出す精算処理が終了したことに基づいてタイマカウントを開始し、該タイマカウントを開始してから4秒が経過した時点で回収処理を実施する。すなわち、リーダライタ68aに留保されていたビジターコインが回収路81に排出されてから、該ビジターコインが回収路81内を流下し、受止体102にて確実に受け止められて留保されるまでに要する時間として設定された4秒が経過したことを条件に、回収部モータ67aの駆動を開始して受止体102にて受け止めたビジターコインを落下させることで、ビジターコインを受止体102にて確実に受け止めた後に、ビジターコインをより安定した状態で回収部101に落下させることができる。
【0089】
尚、本実施例においては、回収部モータ67aの駆動を開始させるタイミングを計るタイマカウントを、リーダライタユニット68から送信された精算完了通知を制御部70aが受信したこと、つまりシステムコントローラ200においてコインIDに対応付けて記憶されている残額が0円となり精算処理が完了したこと(投入されたビジターコインVの処理が完了したこと)に基づいて開始するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばビジターコインが投入されたこと、つまり、ビジターコイン投入口51から投入されたビジターコインがリーダライタ68aに留保された(受け付けられた)こと(を検出し、該検出)に基づいてカウントを開始するようにしてもよい。
【0090】
また、回収箱103内に回収されたビジターコインVの回収枚数を、回収部モータ67aの駆動(回転)回数を計数することにより判別するようにしていることで、精算機50の本体50aに対して取り外し自在に設置される回収箱103側に、ビジターコインの満タンを検知する満タンセンサ等を配置する必要がないので、製造コストを効果的に低減することができる。
【0091】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0092】
例えば、前記実施例では、回収部に回収する記録媒体の一例として、内部にIC回路が組み込まれたコイン型のICコイン(ビジターコイン)が適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記実施例に記載した会員カード(ICカード)のようなカード型の記録媒体や、スティック型の記録媒体、球型の記録媒体等、種々の形状の記録媒体を、回収ユニット67と同様の機構にて回収するようにしてもよい。さらに記録媒体は、前記実施例のようにIC回路が組み込まれた記録媒体に限定されるものではなく、磁気式の記録媒体であってもよいし、記録方式は限定されるものではない。
【0093】
また、前記実施例では、記録媒体処理装置の一例として精算機50が適用されていたが、投入された記録媒体を回収する回収部を備える装置であれば、例えば、パチンコ機等の遊技機に並設され、前述した貸出処理の実施により残額が0円となったビジターコイン等を回収する回収部を備えたカードユニット3であってもよいし、あるいは、各カードユニットから投入された後、これら遊技機やカードユニットを設置する遊技機設置島の内部に排出された記録媒体(例えばビジターコインやビジターカード)を、遊技機設置島の一端側に搬送してまとめて回収する島端回収装置等であってもよい。
【0094】
尚、本発明における、投入された記録媒体を回収する回収部を備える記録媒体処理装置は、前記実施例のように、遊技者等により投入部(ビジターコイン投入口51)から人為的に本体内部に投入される記録媒体を回収する回収部を有する精算機等に限定されるものでなく、例えば前記島端回収装置のように、各カードユニットから排出された記録媒体を搬送する搬送コンベア等から装置本体内部に投入(流入)される記録媒体を回収する回収部を備える装置であってもよい。つまり、本発明の請求項中に記載の「前記投入された記録媒体」とは、上記のように遊技者等により装置内に投入された記録媒体や、搬送手段等により外部から搬送されて装置内部に投入された記録媒体等を含む。
【0095】
また、前記実施例では、記録媒体処理装置として、遊技場に設置される精算機50を例にとって説明しているが、本発明の記録媒体処理装置は遊技場に設置されるものに限られるものではなく、例えば、金銭価値の付与された記録媒体を受け付けて物品の販売を行い、金銭価値のなくなった記録媒体を回収する自動販売機であってもよい。
【0096】
また、前記実施例の記録媒体処理装置としての精算機50は、投入された記録媒体の記録情報を読み取って処理を行った後に該記録媒体を回収する装置とされているが、投入された記録媒体の記録情報に基づいた処理を行うことなく回収する装置であってもよく、例えばコンサート会場の出口等に設置され、チケットとして使用された記録媒体が投入されると、記録情報に基づく処理を行うことなく、回収するような装置であってもよい。
【0097】
また、前記実施例における受け部材としての受止体102は、受け止め位置から落下位置まで回転した後、さらに同方向に回転して受け止め位置に復帰するようになっていたが、受け部材は少なくとも受け止め位置と落下位置との間で駆動するようになっていればよく、例えば受け止め位置から落下位置まで回転した後、逆回転して受け止め位置に復帰するように、受け止め位置と落下位置との間で反復移動自在に設けてもよい。
【0098】
また、前記実施例における受け部材としての受止体102は、受け止め位置から落下位置まで回転駆動するように設けられていたが、例えば受け止め位置と、該受け止め位置から水平方向に退避する退避位置(落下位置)と、の間で直線的に反復駆動するシャッタ板等を受け部材として適用してもよい。つまり、受け部材は回転自在に設けられたものに限定されるわけではなく、スライドあるいは揺動自在に設けられていてもよい。
【0099】
また、前記実施例における受け部材としての受止体102は、底板(102a)及び周壁(102b〜102d)全体が一体的に回転するようになっていたが、例えば底面板102aのみが回転するようになっていてもよい。
【0100】
また、前記実施例では、受止体102にてビジターコインを受け止める際に、横向き姿勢にした状態で受け止めるようになっていたが、縦向き姿勢のまま受け止めるようにしてもよい。さらに、受止体102には斜め上方からビジターコインが流入するようになっていたが、鉛直上方から流入するようになっていてもよい。
【0101】
また、前記実施例では、受止体102が回収路81の下流側端部である傾斜部81bのさらに下流側に配置されていたが、このような受け部材は、回収部101の上方に配置されていれば、例えば回収路81の下流側端の内部等に配置してもよい。
【0102】
また、前記実施例では、ビジターコインVがリーダライタ68aの配置位置から排出されてから4秒後に回収部モータ67aを駆動することで、ビジターコインVが受止体102上で静止した後に落下させられることとなるが、これに限らず、ビジターコインVが受止体102に流入して静止する前に落下させるようにしてもよい。
【0103】
また、前記実施例では、各会員カードや各ビジターコインには、残額等を特定可能な情報としてカードIDやコインIDのみが記録されており、システムコントローラ200において、各カードIDやコインIDに対応付けて残額等の情報が管理されるようになっているが、各会員カードや各ビジターコインに残額等の情報を記録するようにしてもよい。
【0104】
前記実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
【0105】
本発明の請求項1は、
投入された記録媒体(ビジターコイン)を回収する回収部(101、回収箱103)を備える記録媒体処理装置(精算機50)において、
前記回収部の上方に設けられ、前記投入された記録媒体を受け止める受け部材(受止体102)と、
前記受け部材を、少なくとも前記投入された記録媒体を受け止める受け止め位置と該受け止め位置にて受け止めた記録媒体を前記回収部に落下させる落下位置との間で駆動させる駆動手段(回収部モータ67a)と、
所定の駆動開始条件(精算完了通知の受信から4秒が経過すること)の成立に基づいて、前記駆動手段を介して前記受け部材を少なくとも前記受け止め位置から前記落下位置まで駆動させる制御を行う駆動制御手段(制御ユニット70の制御部70a)と、
を備える、
ことを特徴としている。
【0106】
本発明の請求項2は、
前記駆動手段(回収部モータ67a)は、前記受け部材(受止体102)を少なくとも前記受け止め位置と前記落下位置との間で回動させる回動機構(支持枠105、駆動軸112a及び枢軸112b)を有し、
前記駆動制御手段(制御ユニット70の制御部70a)は、前記駆動手段を介して前記受け部材を少なくとも前記受け止め位置から前記落下位置まで回動させる制御を行う、
ことを特徴としている。
【0107】
本発明の請求項3は、
前記回収部(101、回収箱103)は、装置本体(50a)に設けられた設置部(設置板116上面)に対して取り外し自在に設けられ、
前記回収部が前記設置部に設置されているか否かを検出する検出手段(回収箱検知スイッチ67c)を備え、
前記駆動制御手段(制御ユニット70の制御部70a)は、前記検出手段により前記回収部が検出されていることを条件に、前記駆動手段(回収部モータ67a)を介して前記受け部材(受止体102)を少なくとも前記受け止め位置から前記落下位置まで駆動させる制御を行う、
ことを特徴としている。
【0108】
本発明の請求項4は、
前記回収部(101、回収箱103)に回収した記録媒体数(ビジターコイン枚数)を記憶する記憶手段(駆動回数カウンタ)と、
前記駆動手段(回収部モータ67a)による前記受け部材(受止体102)の駆動に基づいて、前記記憶手段に記憶されている記録媒体数(カウンタ値)を加算更新する記録媒体数更新手段(制御ユニット70の制御部70a)と、
前記記憶手段に記憶されている記録媒体数が所定値(600)に達したことに基づいて報知を行う報知手段(制御ユニット70の制御部70a、接客用液晶表示器58a)と、
を備える、
ことを特徴としている。
【0109】
本発明の請求項5は、
前記記録媒体(ビジターコイン)が投入されたこと(リーダライタ68aの配置位置にて留保されたこと)または前記投入された記録媒体の処理(精算処理)が終了したことに基づいて計時(カウント)を開始する計時手段(制御部70aの内部タイマ)を備え、
前記駆動制御手段(制御ユニット70の制御部70a)は、前記計時手段が計時を開始してからの時間が所定値(4秒)に達したことを条件に、前記駆動手段(回収部モータ67a)を介して前記受け部材(受止体102)を少なくとも前記受け止め位置から前記落下位置まで駆動させる制御を行う、
ことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の実施例における遊技用システムの構成を示す図である。
【図2】精算機を示す正面図である。
【図3】精算機の前面扉を開放した状態を示す正面図である。
【図4】精算機の構成を示すブロック図である。
【図5】図3のA−A断面図である。
【図6】回収部の要部を示す斜視図である。
【図7】図6のB−B断面図である。
【図8】図7のC−C断面図である。
【図9】(a)〜(c)は、ビジターコインが回収ユニット67において回収される際の動作状況を示す受け止め部の概略断面図である。
【図10】故障時において回収を行う際における受け止め部の状態を示す概略断面図である。
【図11】受け付け処理,精算処理,回収処理が実施される場合における制御部70aとリーダライタユニット68とシステムコントローラ200との間で行われる処理状況を示す図である。
【符号の説明】
【0111】
2 パチンコ機
3 カードユニット
50 精算機
51 ビジターコイン投入口
56 精算スイッチ
67 回収ユニット
67a 回収部モータ
67b 回収部センサ
67c 回収箱検知スイッチ
68 リーダライタユニット
70 制御ユニット
70a 制御部
80 投入路
81 回収路
81b 傾斜部
100 受け止め部
101 回収部
102 受止体
103 回収箱
112a 駆動軸
112b 枢軸
116 設置板
200 システムコントローラ
V ビジターコイン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された記録媒体を回収する回収部を備える記録媒体処理装置において、
前記回収部の上方に設けられ、前記投入された記録媒体を受け止める受け部材と、
前記受け部材を、少なくとも前記投入された記録媒体を受け止める受け止め位置と該受け止め位置にて受け止めた記録媒体を前記回収部に落下させる落下位置との間で駆動させる駆動手段と、
所定の駆動開始条件の成立に基づいて、前記駆動手段を介して前記受け部材を少なくとも前記受け止め位置から前記落下位置まで駆動させる制御を行う駆動制御手段と、
を備える、
ことを特徴とする記録媒体処理装置。
【請求項2】
前記駆動手段は、前記受け部材を少なくとも前記受け止め位置と前記落下位置との間で回動させる回動機構を有し、
前記駆動制御手段は、前記駆動手段を介して前記受け部材を少なくとも前記受け止め位置から前記落下位置まで回動させる制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体処理装置。
【請求項3】
前記回収部は、装置本体に設けられた設置部に対して取り外し自在に設けられ、
前記回収部が前記設置部に設置されているか否かを検出する検出手段を備え、
前記駆動制御手段は、前記検出手段により前記回収部が検出されていることを条件に、前記駆動手段を介して前記受け部材を少なくとも前記受け止め位置から前記落下位置まで駆動させる制御を行う、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の記録媒体処理装置。
【請求項4】
前記回収部に回収した記録媒体数を記憶する記憶手段と、
前記駆動手段による前記受け部材の駆動に基づいて、前記記憶手段に記憶されている記録媒体数を加算更新する記録媒体数更新手段と、
前記記憶手段に記憶されている記録媒体数が所定値に達したことに基づいて報知を行う報知手段と、
を備える、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の記録媒体処理装置。
【請求項5】
前記記録媒体が投入されたことまたは前記投入された記録媒体の処理が終了したことに基づいて計時を開始する計時手段を備え、
前記駆動制御手段は、前記計時手段が計時を開始してからの時間が所定値に達したことを条件に、前記駆動手段を介して前記受け部材を少なくとも前記受け止め位置から前記落下位置まで駆動させる制御を行う、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の記録媒体処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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