説明

記録媒体視認システム

【課題】目視判別のような個人差が生じない判別システムであり、且つ特殊な大型装置を利用しないため、手軽に使用ができ、迅速に確実にできる偽造防止が可能である。
【解決手段】 記録媒体視認システム1は、少なくとも、券面に情報記録20と偽造変造防止手段21が付与されている記録媒体2と、記録媒体2を視認するメガネ式表示媒体3と、を有する。メガネ式表示媒体3にて記録媒体2を視認し、偽造変造防止手段21の整合性を照合し、真偽品か否か判別可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、金券、有価証券、カードその他の書類などの偽造防止を支援する記録媒体システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばカラーコピー機などの技術的進歩により、高度な偽造防止対策が施されているはずの銀行券、商品券、招待券、カード等の偽造物が出回るようになり、社会問題となっている。このカラーコピーによる偽造防止対策の一つとして、コピー機の解像能力を越える微細文字を印刷しておき、微小文字をルーペを用いてチェックして真偽判定する方法、また、同じく複写機の解像能力を利用する方法で、複写すると複写物には潜在パターンいわゆる「コピー牽制パターン」が現れる方法が用いられている。
【0003】
例えば、色相変化インキを用いた偽造変造防止技術が公開され、特開平9-62894では色相変化インクからなる印刷物の偽造防止判別方法が開示されている。また、蛍光体を用い特殊印刷で偽造防止層を形成させるものがある。
【特許文献1】特開平9−62894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、色相変化インキを用いた偽造変造防止技術では、目視判別であるために個人差が生まれ確実のものでなかった。色相変化インクからなる印刷物の偽造防止判別方法では、判別読み取り機が大型、高価などの問題があった。さらに、蛍光体を用い特殊印刷で偽造防止手段を形成するものでは、目視判別できず、特殊判別機が必要となり問題であった。
【0005】
記録媒体には、偽造防止のため偽造防止手段が付与されているが、実際それを用いた記録媒体の使用方法は、高度な技術が使われているのも関わらず目視判別、触感等の判断が主で、機械等の判別装置は装置が高価であったり、手間がかかるなどの問題であまり判別機は使用されていない状況であった。また、特殊ライトなどの小型化した偽造判別治具などがあるが、高価であるとともに、使用する人によって判別精度が低下するなどの問題を抱えていた。
【0006】
そこで、この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、目視判別のような個人差が生じない判別システムであり、且つ特殊な大型装置を利用しないため、手軽に使用ができ、迅速に確実にできる偽造防止が可能な記録媒体視認システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成されている。
【0008】
請求項1に記載の発明は、少なくとも、券面に情報記録と偽造変造防止手段が付与されている記録媒体と、前記記録媒体を視認するメガネ式表示媒体と、を有することを特徴とする記録媒体視認システムである。これにより、メガネ式表示媒体は小型であり、特殊な大型装置を利用しないため、手軽に使用ができ、迅速に確実にできることができる。また、目視に比較し、メガネ式表示媒体で視認する場合、見る角度が一定化される等の利点から好ましい。
【0009】
請求項2に記載の発明は、少なくとも、券面に情報記録と偽造変造防止手段が付与されている記録媒体と、前記記録媒体を視認するメガネ式表示媒体と、を有し、前記メガネ式表示媒体にて前記記録媒体を視認し、偽造変造防止手段の整合性を照合し、真偽品か否か判別することを特徴とする記録媒体視認システムである。これによると、メガネ式表示媒体にて記録媒体を視認し、偽造変造防止手段の整合性を照合し、真偽品か否か判別するから、目視判別のような個人差が生じない判別システムであり、迅速に確実に真偽判別をすることができる。また、目視に比較し、メガネ式表示媒体で視認する場合、見る角度が一定化される等の利点から好ましい。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記メガネ式表示媒体が、前記券面に付与されている情報記録と偽造変造防止手段を視認可能にする映像表示素子と光学ユニットを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の記録媒体視認システムである。これによると、メガネ式表示媒体が情報記録と偽造変造防止手段を視認可能にする映像表示素子と光学ユニットを備えており、目視判別のような個人差が生じない判別システムである。また、映像表示となるためより精度が向上し、迅速に確実に真偽判別をすることができる。また、目視に比較し、メガネ式表示媒体で視認する場合、見る角度が一定化される等の利点から好ましい。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記偽造変造防止手段が微小文字、光学変化素子材料、特殊染料、特殊顔料、特殊印刷パターンのいずれかの1つの材料を用いて作成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の記録媒体視認システムである。メガネ式表示媒体で視認する際、券面をいずれの方式で検出をすることができるが、光学系式に検出することが好ましい。その際券面の材料は前記記載の材料であることにより、より偽造防止の検出精度が向上し好ましい。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記記録媒体が、カード材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の記録媒体視認システムである。偽造変造防止した記録媒体は、金券、有価証券、カードその他の書類などのカード材料が挙げられる。多くのユーザが偽造判別装置を必要としているが、目視判別に頼っているカード用途に用いられることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の記録媒体視認システムの実施の形態について説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものである。
【0014】
図1は記録媒体視認システムの概略構成図である。この発明の記録媒体視認システム1は、少なくとも、券面に情報記録20と偽造変造防止手段21が付与されている記録媒体2と、記録媒体2を視認するメガネ式表示媒体3と、を有する。メガネ式表示媒体3は小型であり、特殊な大型装置を利用しないため、手軽に使用ができ、迅速に確実にできることができる。また、目視に比較し、メガネ式表示媒体3で視認する場合、見る角度が一定化される等の利点から好ましい。
【0015】
また、メガネ式表示媒体3にて記録媒体2を視認し、偽造変造防止手段21の整合性を照合し、真偽品か否か判別することができる。これによると、メガネ式表示媒体3にて記録媒体2を視認し、偽造変造防止手段21の整合性を照合し、真偽品か否か判別するから、目視判別のような個人差が生じない判別システムであり、迅速に確実に真偽判別をすることができる。また、目視に比較し、メガネ式表示媒体3で視認する場合、見る角度が一定化される等の利点から好ましい。
[記録媒体]
この発明の記録媒体2は、図2に示すように、少なくとも、券面に情報記録20と偽造変造防止手段21が付与されている。記録媒体2には、顔画像、住所、名前、生年月日等の個人情報20aを記載することで、身分証明書、パスポート、外国人登録証、図書館利用カード、キャッシュカード、クレジットカード、自動車免許証等の免許証類、従業者証、社員証、会員証、医療カード及び学生証などに用いることができる。記録媒体2は、より好ましくはカード材料であることが好ましい。偽造変造防止した記録媒体2は、金券、有価証券、カードその他の書類などのカード材料が挙げられる。多くのユーザが偽造判別装置を必要としているが、目視判別に頼っているカード用途に用いられることが好ましい。下記にカード材料の一例を図3に示し、基材30と受像層31とを有する。
【0016】
<カード材料>
基材30としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性ポリカーボネート、生分解性ポリ乳酸、生分解性ポリビニルアルコール、生分解性セルロースアセテート、生分解性ポリカプロラクトン等の生分解性樹脂、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら2層以上の積層体が挙げられる。シート部材の厚みは、30〜500μm程度、望ましくは50〜400μmである。これらのシート部材には易接化処理を施してもよく、カップリング剤、ラテックス、親水性樹脂などの層を形成したり、コロナ処理、プラズマ処理を施したりすることで易折化する。また、熱収縮を低減するためにアニール処理などを行っても良い。
【0017】
この発明の記録媒体2には、画像、情報記録、偽造防止記録層を形成するために必要に応じて受像層31を設けることができる。なお、受像層31は前記記載の基材30の片側一方に設けられていれば良くこの発明では制限はない。
【0018】
受像層31には、昇華型熱転写方式または溶融型熱転写方式、電子写真方式、インクジェット方式により、画像、情報記録、偽造防止記録層を設けるためにインク密着性、受容性向上のために一般的に知られている、熱可塑性樹脂を用いることができる。具体的には、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂などさまざまのバインダーを使用することができる。また、必要に応じて各種の添加剤を添加しても良い。
【0019】
この発明のカード材料には、券面に偽造防止手段21を設なくてはならないが、図4に示すように、必要に応じてカード内部に電子部品32aを有する ICモジュール32を接着剤34を介して設けても良い。例えば、 ICモジュール32が、アンテナパターンを有する場合、銅の巻き線によるコイルや、銀ペースト等の導体ペーストを絶縁性の基盤上に渦巻き状に印刷したものや、銅箔等の金属箔をエッチングしたコイル等が用いられる。通信性の点では銅の巻き線によるコイルを使用することが好ましく、樹脂、絶縁層などで被覆していても良い。また、電子部品32aを保持するためにプリント基板33を設けてもよく、ポリエステル、ポリイミド等の熱可塑性のフィルムが用いられる。電子部品32aがICチップとアンテナパターンとの接合は銀ペースト、銅ペースト、カーボンペースト等の導電性接着剤や、異方性導電フィルムを用いる方法、或いは半田接合、ACF接合を行う方法のいずれを用いてもよい。
【0020】
ICモジュール32を所定の位置に載置するために、予めシート部材に接着剤層を形成しモジュールを載置して封入する。それに当たり電子部品を多孔質の樹脂フィルム、多孔質の発泡性樹脂フィルム、可撓性の樹脂シート、多孔性の樹脂シート又は不織布シートの基板上に形成することが好ましい。また、ICチップは点圧強度が弱いためにICチップ近傍に接着剤を介して補強板を設けることが耐久性の点から好ましい。
【0021】
基材30は、電子部品を貼り合わせる際、もしくは電子部品を設けない場合も、公知方法で第1の基材と第2の基材とを貼り合わせることができる。従来の接着剤貼合法を任意に採用できるが、ここでは、ホットメルト接着剤を使用したICカードの作製方法の一例を図5に挙げる。
【0022】
この発明の記録媒体には、必要に応じ基材30同士を貼り合わせるために接着剤34を用いても良い。その際前記記載の受像層31の形成面は、貼り合わせ基材30の最外層に位置すればよい。
【0023】
貼り合わせる接着剤34としては、例えばホットメルト接着剤や、光硬化型接着剤、湿気硬化型接着剤、弾性エポキシ接着剤等の反応型ホットメルト接着剤を用いることができる。
【0024】
ホットメルト接着剤としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)系、ポリエステル系、ポリアミド系、熱可塑性エラストマー系、ポリオレフィン系などが挙げられ、熱可塑性エラストマー系ホットメルト接着剤、特開平10−316959、特開平11−5964、特開平11−161762等に記載の光硬化型接着剤、特開2000−036026、特開2000−219855、特開2000−211278に記載の湿気硬化型接着剤、特開昭63−63716、特開平10−120764、特開2000−229927、特開平6−87190、特開平5−295272等に記載の弾性エポキシ接着剤を用いることができる。
【0025】
ICカードは、先ず表裏のシートにアプリケーターでホットメルト接着剤を所定の厚さに塗工する。塗工方法としてはローラー方式、Tダイ方式、ダイス方式などの通常の方法が使用される。塗工した接着剤を予めヒータ等で加熱しておいてICモジュール32を装着してもよい。その後、上下シート間にICモジュール32を装着したものを接着剤34の貼り合わせ温度に加熱したプレスで所定時間プレスするか、またはプレスでの圧延の替わりに所定温度の恒温層中でシートを搬送しながらロールで圧延してもよい。また、貼り合わせ時に気泡が入るのを防止するために真空プレスしてもよい。
【0026】
また、基材密着性向上のため加熱及び加圧を行うことが好ましく、上下プレス方式、ラミネート方式、キャタピラ方式等で製造することが好ましい。
【0027】
この発明の記録媒体2には、画像、情報記録、偽造防止記録層を形成し、少なくとも、券面に情報記録20と偽造変造防止手段21が付与されていることが必要である。
【0028】
偽造防止記録層は、「日本印刷学会誌第35巻第6号 P.20-34」、「最新・特殊機能インキ (株)シーエムシー発行」、「色材 56(1)P.39-57(1983年)」、「最先端偽造防止技術-事例集- 技術情報協会」、特開2002-88689、特開平8-259870、に記載されているような特殊インキ、特開2000-168224などに記載されているような微小文字、特開2000-218922、特開2000-313161特開平10-97171、特開平11-11054などの特殊印刷パターンを用い記録媒体上に記録されていることが好ましい。更にはホログラム、マット調柄、細紋、地紋等を付与し、可視光吸収色材、紫外線吸収材、蛍光増白材、ガラス蒸着層、ビーズ層、光学変化素子層、IC隠蔽層、透かし印刷層などを印刷等で設けることも可能である。
【0029】
偽造変造防止手段21を構成する偽造変造防止層は、日本印刷技術協会出版の「平版印刷技術」、「新・印刷技術概論」、「オフセット印刷技術」、「製版・印刷はやわかり図鑑」等に記載されている方法で形成することができる。
【0030】
この発明で用いられる偽造変造防止層は、顔画像、住所、名前、生年月日等の個人情報でもよく、偽造防止のために特殊パターン形状や特定文字などの形態で設けても良い。
【0031】
この発明は必要に応じて、偽造変造防止層とは異なり、フォーマット印刷層からなる情報坦持体層を設けることができる。具体的には、罫線、社名、カード名称、注意事項、発行元電話番号等を表す。
【0032】
フォーマット印刷は、日本印刷技術協会出版の「平版印刷技術」、「新・印刷技術概論」、「オフセット印刷技術」、「製版・印刷はやわかり図鑑」等に記載されている一般的な光硬化型インキ、油溶性インキ、溶剤型インキなどにより形成される。
【0033】
この発明の記録媒体は、1枚1枚に固有情報(顔画像等の認証識別画像、書誌事項等の属性情報画像)や偽造変造防止層を設けてもよく、その場合、昇華型熱転写方式または溶融型熱転写方式、電子写真方式、インクジェット方式により固有情報を設けることができる。また、カード表面には、表面保護層35を設けることもでき、一般的な熱可塑性樹脂などを設けることができる。カード耐久性から光硬化型樹脂によるものが好ましく、表面保護層35は樹脂溶液の塗布で設けても転写箔を用いても良い。転写箔にはホログラムの様な光学変化素子を偽変造防止目的で設けても良い。
【0034】
この発明の偽造変造防止手段21は、微小文字、光学変化素子材料、特殊染料、特殊顔料、特殊印刷パターンのいずれかの1つの材料を用いて作成され、メガネ式表示媒体3で視認する際、券面をいずれの方式で検出をすることができるが、光学系式に検出することが好ましい。その際券面の材料は前記記載の材料であることにより、より偽造防止の検出精度が向上し好ましい。
【0035】
つぎに、この発明に用いた記録媒体2の図面を示す。
【0036】
図6は、カード基材上に、偽造変造防止手段21を構成する偽造防止層として「真正品」という文字40をパール顔料(変角により緑⇔赤に発色する顔料)を用い、オフセット印刷により形成した記録媒体2を示す。
【0037】
図7は、カード基材上に、偽造変造防止手段21を構成する偽造防止層として「真正品」という文字40を赤外線吸収材料を用い、他の情報には、赤外線吸収材料用いず作成した記録媒体2を示す。
【0038】
図8は、カード基材上に、カード基材上に、偽造変造防止手段21を構成する偽造防止層として、オフセット印刷により特殊パターン(モアレ画像)41を形成した記録媒体2を示す。
[メガネ式表示媒体]
この発明のメガネ式表示媒体3は、記録媒体2の情報記録20と偽造変造防止手段21を視認する。メガネ式表示媒体3は小型であり、特殊な大型装置を利用しないため、手軽に使用ができ、迅速に確実にできることができる。また、目視に比較し、メガネ式表示媒体3で視認する場合、見る角度が一定化される等の利点から好ましい。
【0039】
また、メガネ式表示媒体3にて記録媒体2を視認し、偽造変造防止手段21の整合性を照合し、真偽品か否か判別するようにすることができる。これによると、メガネ式表示媒体3にて記録媒体2を視認し、偽造変造防止手段21の整合性を照合し、真偽品か否か判別するから、目視判別のような個人差が生じない判別システムであり、迅速に確実に真偽判別をすることができる。また、目視に比較し、メガネ式表示媒体3で視認する場合、見る角度が一定化される等の利点から好ましい。
【0040】
また、メガネ式表示媒体3は、記録媒体2の券面に付与されている情報記録20と偽造変造防止手段21を視認可能にする映像表示素子と光学ユニットを備える構成することができる。これによると、メガネ式表示媒体3が記録媒体2の情報記録20と偽造変造防止手段21を視認可能にする映像表示素子と光学ユニットを備えることで、目視判別のような個人差が生じない判別システムである。また、映像表示となるためより精度が向上し、迅速に確実に真偽判別をすることができる。また、目視に比較し、メガネ式表示媒体3で視認する場合、見る角度が一定化される等の利点から好ましい。
【0041】
この発明で使用されるメガネ式表示媒体3の一例を、以下に示す。
【0042】
図9は、プリズムユニットが内蔵されているメガネ式表示媒体を示す斜視図である。このメガネ式表示媒体3は、レンズ50に光学ユニットとしてプリズムユニット51が設けられている。
【0043】
図10は、プリズムユニットの拡大と見る角度を表した図である。このメガネ式表示媒体3の見る角度は、記録媒体2に対して、眼52が上面から垂直になるように見て使用することができる。プリズムユニット51の角度は、図6の記録媒体2の偽造防止層として「真正品」という文字40のパール顔料の色相が、安定化確認できる角度にし作成している。
【0044】
図11は、赤外線照射部53を設け、記録媒体2に向け照射し返ってきた光を530nmの光学フィルターを設けたレンズ50を通して眼で確認するメガネ式表示媒体3を示す斜視図である。図10と同様に上面から垂直方向で見ることにより、図7の記録媒体2の偽造防止層として「真正品」という文字40の赤外線吸収材料に赤外線照射部53からの赤外線が効率よく当たり、返ってきた光を530nmの光学フィルターを設けたレンズ50を通して眼で検出することができる。
【0045】
図12では、レンズ50に偽造防止記録材料に合わしたモアレ状の記録体54を設けて、通して眼で確認するメガネ式表示媒体3を示す斜視図である。図10と同様に上面から垂直方向で見ることにより、図8の記録媒体2のオフセット印刷した特殊パターン(モアレ画像)41をモアレ状の記録体54を通して眼で確認することができる。
【0046】
メガネ式表示媒体3が図12に示すように構成されると、メガネ式表示媒体3を使用する人はものが見えずらく問題なるため、図13のようにモアレ状の記録体54を開閉式にすることで使用しやすくなるので好ましい。
<映像素子出力用メガネ式表示媒体>
この発明のメガネ式表示媒体3は、映像表示素子と光学ユニットを備える構成とすることができる。このメガネ式表示媒体3を用いる際は、記録媒体2を判別する機器を間に返して、電子信号をメガネ式表示媒体3に表示することが好ましい。
【0047】
この発明のメガネ式表示媒体3は、図14に示すように、メガネ型したフレーム61に人体の目に対応して光学ユニット62が設けられているとともに、側頭部および耳に対応して耳掛け部63が設けられており、フレーム61と耳掛け部63との間は支軸64を介して内側へ折り畳み可能に連結されている。
【0048】
メガネ式表示媒体3には、メガネ型したフレーム61、映像信号の処理回路や電源回路等が配設された回路部65の他に、例えば有機EL、FPD等の液晶表示部からなる映像表示素子の映像表示器66とが設けられている。光学ユニット62は、必要に応じ接眼レンズ、鏡、プリズム、反射型ホログラム素子等も設けることができ。また、使用する人の個人差に合わせて視度調整や輻輳角調整、拡大投影等も行える構造になっている。
【0049】
この発明のメガネ式表示媒体3は、記録媒体2のカード情報の読み取り、書き込み部から送信されてくる情報を無線式又は接触式のいずれの手段でメガネ式表示媒体3へデータ通信を行っても良い。また、映像表示器66による映像画像は、メガネ式表示媒体3の片側レンズ部もしくは両側レンズ部、レンズ片側中央部、レンズ片側一部、レンズ両側中央部、レンズ両側一部に表示されても良い視認できる映像であれば特に制限はない。
<記録媒体を判別する間接機器>
図6の記録媒体2を見る場合、変角光度計などを用い、電子データに変換し、メガネ式表示媒体3の映像素子へ映像信号として伝達した。図7の記録媒体2を用いる場合、ナイトショット内蔵のカメラ部材などを用い、電子データに変化しメガネ式表示媒体3に映像信号として伝達した。図8の記録媒体2を用いる場合、図15に示すような画像を有したフィルム70を用いた画像解析装置で、電子データ化しメガネ式表示媒体3に映像信号として伝達した。
【0050】
この発明で実施される形態について説明する。図16及び図17は、この発明で実施した記録媒体とメガネ式表示媒体の位置関係を表した図である。図16はメガネ式表示媒体3を映像情報として用いるのではなく、直接偽造防止記録媒体を視認するシステムとして用いたときの図であり、記録媒体に対して上面から垂直になるように見た様子を表す。尚、この発明においては記録媒体に対して上面から垂直に観察する方法を実施例で挙げているが、特定の角度で視認すれば特に角度には制限はない。
【0051】
図17は記録媒体2上に中間測定機器71により測定した画像をメガネ式表示媒体3にデータ送信部材72を介して映像情報として送っている図である。
【0052】
この発明では、メガネ式表示媒体から記録媒体から得られた情報を拡大して図18乃至図22に示す。
【0053】
図18の実施例は、図6の偽造防止カードである記録媒体2を図9のメガネ式表示媒体3で視認した場合、記録媒体2のカード上に下記の「真正品」という文字40が、赤色に見えた。比較としてメガネ式表示媒体3を使用しないと、記録媒体2のカードをあらゆる方向から見てやっと発色する位置が見つかり視認することができた。また、有識者がやらないと再現性が乏しいものであった。
【0054】
図19の実施例は、 図7の偽造防止カードである記録媒体2を図9のメガネ式表示媒体3で視認した場合、カード上に下記の「真正品」という文字40が、黒色に見えた。比較としてメガネ式表示媒体3を使用しなかった場合、「真正品」という文字画像は見えなかった。
【0055】
図20の実施例は、図7の偽造防止カードである記録媒体2を図11のメガネ式表示媒体3で視認した場合、記録媒体2のカード上に下記の「真正品」という文字40が、黒色に見えた。他は画像を視認することができなかった。比較として、目視した場合、図7と同じ画像しか認識することができなかった。
【0056】
図20の実施例は、図7の偽造防止カードである記録媒体2を、ナイトショットモードのあるカメラを通して、図14のメガネ式表示媒体3で視認した場合、カード上に上記の「真正品」という文字40が、黒色に見えた。他は画像を視認することができなかった。
【0057】
図21の実施例は、図8の偽造防止カードである記録媒体2を、図13のモアレ状の記録体54でレンズ50に密着するように閉じ、レンズ表面に特定パターンフィルタを設けた後、視認した場合、カード上に図21(a)、(b)のモアレ画像80,81が浮かんで見えた。尚、2つの図を示しているが、見る位置で微妙に画像が変わるため、この2つの画像が見えることが、この偽造防止カードの偽造防止判別システムとしては必要となる。尚、図22(a)、(b)に、モアレ画像80,81の拡大して示す。
【産業上の利用可能性】
【0058】
この発明は、金券、有価証券、カードその他の書類などの偽造防止を支援する記録媒体システムに適用でき、目視判別のような個人差が生じない判別システムであり、且つ特殊な大型装置を利用しないため、手軽に使用ができ、迅速に確実にできる偽造防止が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】記録媒体視認システムの概略構成図である。
【図2】記録媒体の平面図である。
【図3】カード材料の一例を示す図である。
【図4】カード材料のカード内部に電子部品を有するICモジュールを設ける実施の形態を示す図である。
【図5】ICカードの作製方法の一例を示す図である。
【図6】カード基材上に、偽造変造防止手段を構成する偽造防止層として「真正品」という文字をパール顔料(変角により緑⇔赤に発色する顔料)を用い、オフセット印刷により形成した記録媒体を示す図である。
【図7】カード基材上に、偽造変造防止手段を構成する偽造防止層として「真正品」という文字を赤外線吸収材料を用い、他の情報には、赤外線吸収材料用いず作成した記録媒体を示す図である。
【図8】カード基材上に、カード基材上に、偽造変造防止手段を構成する偽造防止層として、オフセット印刷により特殊パターン(モアレ画像)を形成した記録媒体を示す図である。
【図9】プリズムユニットが内蔵されているメガネ式表示媒体を示す斜視図である。
【図10】プリズムユニットの拡大と見る角度を表した図である。
【図11】メガネ式表示媒体の斜視図である。
【図12】メガネ式表示媒体の斜視図である。
【図13】メガネ式表示媒体の斜視図である。
【図14】メガネ式表示媒体の斜視図である。
【図15】画像を有したフィルムを用いた画像解析装置で、電子データ化しメガネ式表示媒体3に映像信号として伝達する実施例を示す図である。
【図16】メガネ式表示媒体を映像情報として用いるのではなく、偽造防止視認材料として用いたときの図である。
【図17】記録媒体上に中間測定機器により測定した画像をガネ式表示媒体にデータ送信部材を介して映像情報として送っている図である。
【図18】記録媒体をメガネ式表示媒体で視認した場合の実施例を示す図である。
【図19】記録媒体をメガネ式表示媒体で視認した場合の実施例を示す図である。
【図20】偽造防止カードである記録媒体を、ナイトショットモードのあるカメラを通して、メガネ式表示媒体で視認した場合の実施例を示す図である。
【図21】偽造防止カードである記録媒体を示す図である。
【図22】モアレ画像の拡大を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1 記録媒体視認システム
3 メガネ式表示媒体
20情報記録
21偽造変造防止手段
30基材
31受像層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、券面に情報記録と偽造変造防止手段が付与されている記録媒体と、
前記記録媒体を視認するメガネ式表示媒体と、
を有することを特徴とする記録媒体視認システム。
【請求項2】
少なくとも、券面に情報記録と偽造変造防止手段が付与されている記録媒体と、
前記記録媒体を視認するメガネ式表示媒体と、
を有し、
前記メガネ式表示媒体にて前記記録媒体を視認し、偽造変造防止手段の整合性を照合し、真偽品か否か判別可能であることを特徴とする記録媒体視認システム。
【請求項3】
前記メガネ式表示媒体が、前記券面に付与されている情報記録と偽造変造防止手段を視認可能にする映像表示素子と光学ユニットを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の記録媒体視認システム。
【請求項4】
前記偽造変造防止手段が微小文字、光学変化素子材料、特殊染料、特殊顔料、特殊印刷パターンのいずれかの1つの材料を用いて作成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の記録媒体視認システム。
【請求項5】
前記記録媒体が、カード材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の記録媒体視認システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−318140(P2006−318140A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−139082(P2005−139082)
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】