説明

記録情報管理システムおよび記録情報管理方法、記録装置とそのプログラム

【課題】記録装置が故障してしまっている場合でも、当該故障後に、記録装置に記録されている情報のセキュリティの設定を可能とすることのできる記録情報管理システムを提供する。
【解決手段】施錠端末20が記録装置10へのアクセス不可を示す施錠情報を施錠情報記憶部14に記録する。そして、アクセス可否判定部121は、施錠情報記憶部14に施錠情報が記録されている場合には、記録素子11への記録素子アクセスインタフェース13を介したアクセスを拒否する。そして施錠端末20は、施錠情報を施錠情報記憶部14へ登録するためにのみ利用される施錠専用アクセスインタフェース15を介して、施錠情報記憶部14に対する情報の読み書きを制御する記憶情報制御部16へ直接接続し、施錠情報記憶部14への施錠情報の書き込みを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録素子に記録された情報の管理を行う記録情報管理システムおよび記録情報管理方法、記録装置とそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
PC、サーバ、ワークステーションなどの情報処理装置に使用される、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記録装置は、データ蓄積をするために必要不可欠なデバイスとなっている。ここで、記録装置やその記録装置を備えた情報処理装置の修理や障害調査の際には、当該記録装置や情報処理装置を輸送するケースがあるが、記録装置内に個人情報など重要なデータが記録されている場合、万全なセキュリティ対策を施すことが求められる。
なお、記録装置内に記録されている情報のセキュリティに関連する技術として、記憶装置を備えたデバイスにおいて不正アクセスを防止する技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3071327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、記録装置内の重要なデータのセキュリティ対策としては、予め記録装置内に格納されている情報を暗号化しておき、当該記録装置を他の情報処理装置に接続してもデータを読めないようにする技術が存在する。しかしながら、記録装置や当該記録装置を備えた情報処理装置が故障して後に、記録装置内の情報を暗号化してセキュリティをかけようと考えても、記録装置へアクセスできないことから、既に記録装置や情報処理装置の故障によりセキュリティを施すことが不可能になってしまうという問題がある。
【0005】
そこでこの発明は、記録装置が故障してしまっている場合でも、当該故障後に、記録装置に記録されている情報のセキュリティの設定を可能とすることのできる記録情報管理システムおよび記録情報管理方法、記録装置とそのプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、記録素子を備えた記録装置の記録情報管理システムであって、前記記録装置が、前記記録素子へのアクセスの不可を示す施錠情報を記憶する施錠情報記憶部と、前記記録素子からの情報の読み出し要求信号または前記記録素子への情報の書き込み要求信号を仲介する記録素子アクセスインタフェースと、前記読み出し要求信号または前記書き込み要求信号の取得に基づいて、前記施錠情報記憶部に前記施錠情報が記録されているかを判定し、前記施錠情報記憶部が前記施錠情報を記憶している場合には前記記録素子へのアクセスをアクセス不可と判定するアクセス可否判定部と、前記施錠情報記憶部に直接接続され、前記記録素子への前記施錠情報の書き込みを仲介する施錠専用アクセスインタフェースと、前記施錠専用アクセスインタフェースを介した前記施錠情報記憶部からの情報の読み出し要求または前記施錠情報記憶部への情報の書き込み要求に基づいて前記施錠情報記憶部から情報を読み出す、または前記施錠情報記憶部へ情報を書き込む記憶情報制御部と、を備え、施錠端末が、前記施錠専用アクセスインタフェースを介して前記記憶情報制御部へ電源供給する電源供給部と、施錠指示の入力に基づいて前記施錠情報を前記施錠専用アクセスインタフェースを介して前記記録素子へ書き込む施錠処理部と、を備えることを特徴とする記録情報管理システムである。
【0007】
また本発明は、上述の記録情報管理システムにおいて、前記施錠端末は、パスワードを入力するパスワード入力部を備え、前記施錠処理部は、入力した前記パスワードを前記施錠情報と共に前記施錠専用アクセスインタフェースを介して前記記録素子へ書き込むことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上述の記録情報管理システムにおいて、前記施錠端末は、施錠ボタンおよび開錠ボタンを備え、前記施錠処理部は、前記開錠ボタンの押下を検出し、さらに前記パスワードの入力を受け付けて、当該パスワードが前記記録装置の記録素子に記録されているパスワードと一致すると判定した場合に、前記記録装置の記録素子に記録されている施錠情報の削除を行うことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上述の記録情報管理システムにおいて、前記施錠端末の前記施錠処理部は、前記開錠ボタンの押下を検出し、さらに前記パスワードの入力を受け付けて、当該パスワードが前記記録装置の記録素子に記録されているパスワードと一致すると判定した場合に、前記記録装置の記録素子に記録されている施錠情報の削除を行うと共に、開錠情報を前記記録装置の記録素子に書き込み、前記記録装置のアクセス可否判定部は、前記読み出し要求信号または前記書き込み要求信号の取得に基づいて、前記施錠情報記憶部に前記施錠情報または前記開錠情報のいずれが記録されているかを判定し、前記施錠情報記憶部が前記開錠情報を記憶している場合には前記記録素子へのアクセスをアクセス可と判定することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、記録素子を備えた記録装置の記録情報管理システムの記録情報管理方法であって、前記記録装置の施錠情報記憶部が、前記記録素子へのアクセスの不可を示す施錠情報を記憶し、前記記録装置の記録素子アクセスインタフェースが、前記記録素子からの情報の読み出し要求信号または前記記録素子への情報の書き込み要求信号を仲介し、前記記録装置のアクセス可否判定部が、前記読み出し要求信号または前記書き込み要求信号の取得に基づいて、前記施錠情報記憶部に前記施錠情報が記録されているかを判定し、前記施錠情報記憶部が前記施錠情報を記憶している場合には前記記録素子へのアクセスをアクセス不可と判定し、前記記録装置の施錠専用アクセスインタフェースが、前記施錠情報記憶部に直接接続され、前記記録素子への前記施錠情報の書き込みを仲介し、前記記録装置の記憶情報制御部が、前記施錠専用アクセスインタフェースを介した前記施錠情報記憶部からの情報の読み出し要求または前記施錠情報記憶部への情報の書き込み要求に基づいて前記施錠情報記憶部から情報を読み出す、または前記施錠情報記憶部へ情報を書き込み、施錠端末の電源供給部が、前記施錠専用アクセスインタフェースを介して前記記憶情報制御部へ電源供給し、前記施錠端末の施錠処理部が、施錠指示の入力に基づいて前記施錠情報を前記施錠専用アクセスインタフェースを介して前記記録素子へ書き込むことを特徴とする記録情報管理方法である。
【0011】
また本発明は、記録素子へのアクセスの不可を示す施錠情報を記憶する施錠情報記憶部と、前記記録素子からの情報の読み出し要求信号または前記記録素子への情報の書き込み要求信号を仲介する記録素子アクセスインタフェースと、前記読み出し要求信号または前記書き込み要求信号の取得に基づいて、前記施錠情報記憶部に前記施錠情報が記録されているかを判定し、前記施錠情報記憶部が前記施錠情報を記憶している場合には前記記録素子へのアクセスをアクセス不可と判定するアクセス可否判定部と、前記施錠情報記憶部に直接接続され、前記記録素子への前記施錠情報の書き込みを仲介する施錠専用アクセスインタフェースと、前記施錠専用アクセスインタフェースを介した前記施錠情報記憶部からの情報の読み出し要求または前記施錠情報記憶部への情報の書き込み要求に基づいて、施錠端末からの前記施錠専用アクセスインタフェースを介した電源供給により、前記施錠情報記憶部から情報を読み出す、または前記施錠情報記憶部へ情報を書き込む記憶情報制御部と、を備えることを特徴とする記録装置である。
【0012】
また本発明は、記録素子へのアクセスの不可を示す施錠情報を記憶する施錠情報記憶部と、前記記録素子からの情報の読み出し要求信号または前記記録素子への情報の書き込み要求信号を仲介する記録素子アクセスインタフェースと、前記施錠情報記憶部に直接接続され、前記記録素子への前記施錠情報の書き込みを仲介する施錠専用アクセスインタフェースと、を備えた記録装置のコンピュータを、前記読み出し要求信号または前記書き込み要求信号の取得に基づいて、前記施錠情報記憶部に前記施錠情報が記録されているかを判定し、前記施錠情報記憶部が前記施錠情報を記憶している場合には前記記録素子へのアクセスをアクセス不可と判定するアクセス可否判定手段、前記施錠専用アクセスインタフェースを介した前記施錠情報記憶部からの情報の読み出し要求または前記施錠情報記憶部への情報の書き込み要求に基づいて、施錠端末からの前記施錠専用アクセスインタフェースを介した電源供給により、前記施錠情報記憶部から情報を読み出す、または前記施錠情報記憶部へ情報を書き込む記憶情報制御手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、記録装置において、施錠情報記憶部,施錠専用アクセスインタフェース,記憶情報制御部が正常であれば、施錠端末により記憶情報制御部に電源供給され、当該施錠端末が直接、施錠情報記憶部に対して施錠情報を登録することができる。これにより、記録装置に記録素子アクセスインタフェースからの記録素子へのアクセスが不可となるような故障が発生したとしても、記録素子に記録された情報のセキュリティの設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】記録情報管理システムの機能ブロック図である。
【図2】記録情報管理システムのシステム概観を示す図である。
【図3】記録情報管理システムの処理フローを示す第1の図である。
【図4】記録情報管理システムの処理フローを示す第2の図である。
【図5】記録情報管理システムの処理フローを示す第3の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態による記録情報管理システムを図面を参照して説明する。
図1は同実施形態による記録情報管理システムの機能ブロック図である。
この図において、符号1は記録情報管理システムである。この記録情報管理システム1は、記録装置10と、施錠端末20からなる。ここで、記録装置10は、情報を記録する記録素子11、記録素子11への情報の書き込みまたは記録素子11からの情報の読み出しを行うデバイスコントローラ12、記録素子11からの情報の読み出し要求信号または記録素子11への情報の書き込み要求信号を仲介する記録素子アクセスインタフェース13、記録素子11へのアクセスが不可であることを記憶する施錠情報等を記憶する施錠情報記憶部14、施錠情報記憶部14への施錠情報の書き込みを仲介する施錠専用アクセスインタフェース15、施錠情報記憶部14からの情報の読み出し要求または施錠情報記憶部14への情報の書き込み要求を施錠専用アクセスインタフェース15を介して施錠端末20より受け付けて、施錠情報記憶部14から情報を読み出すまたは施錠情報記憶部14へ情報を書き込む処理を行う記憶情報制御部16、を備えている。またデバイスコントローラ12は、記録素子アクセスインタフェース13を介した読み出し要求信号または書き込み要求信号の取得に基づいて記録素子11に記録されている情報のアクセス可否を判定するアクセス可否判定部121を備えている。
【0016】
また施錠端末20は、内部に記録装置10の施錠情報記憶部14へ施錠専用アクセスインタフェース15を介して施錠情報を登録する施錠処理部21と、記憶情報制御部16へ施錠専用アクセスインタフェース15を介して電源供給する電源供給部22とを備えている。また、施錠端末20は、記録装置10への記録素子アクセスインタフェース13を介した外部からのアクセスを不可能とする指示を入力するための施錠ボタン23、記録装置10への記録素子アクセスインタフェース13を介した外部からのアクセスを可能となる指示を入力するための開錠ボタン24、パスワードを入力するためのパスワード入力部25、入力されたパスワードを表示部する表示部26を備えている。
【0017】
図2は記録情報管理システムのシステム概観を示す図である。
図2において符号30はモバイルPC等の情報処理装置である。そして図1で示す記録装置10は情報処理装置30に内蔵されている。または記録装置10は情報処理装置30に挿入接続することができるようにしてもよい。そして、施錠端末20は、情報処理装置30内に備えられた記録装置10の施錠専用アクセスインタフェース15へ専用ケーブル等で接続することができる構成となっている。記録装置10の記録素子11に記録されている情報へのアクセスは、情報処理装置30のCPU等の制御部から、記録素子アクセスインタフェース13を介して行われる。
【0018】
そして、本実施形態の記録情報管理システムにおいては、施錠端末20は、施錠情報を施錠情報記憶部14へ登録するためにのみ利用される施錠専用アクセスインタフェース15を介して、施錠情報記憶部14に対して電源供給するとともに、当該施錠情報記憶部14に対する情報の読み書きを制御する記憶情報制御部16へ直接接続し、施錠情報記憶部14への施錠情報の書き込みを制御する。これにより、施錠端末20は、記録装置10において、施錠情報記憶部14,施錠専用アクセスインタフェース15,記憶情報制御部16が正常であれば、記憶情報制御部16に電源供給して、直接、施錠情報記憶部14に対して、施錠情報を登録することができる。これにより、記録装置10が記録素子アクセスインタフェース13からの記録素子11へのアクセスが不可となるような故障が発生したとしても、記録素子11へのアクセス制限を行うことができる。
【0019】
図3は記録情報管理システムの処理フローを示す第1の図である。
まず、図3を用いて記録装置10の記録素子11へのアクセス処理について説明する。
記録素子11への通常のアクセス(情報の読み出し、情報の書き込み)は、記録素子アクセスインタフェース13を介して行われる。記録素子アクセスインタフェース13を介して、記録素子11へのアクセス要求をデバイスコントローラ12が入力すると(ステップS101)、アクセス可否判定部121は、施錠情報記憶部14に記録されている情報を読み取る(ステップS102)。ここで施錠情報記憶部14には記録素子11へのアクセス不可を示す施錠情報または記録素子11へのアクセス可を示す開錠情報の何れか一方のみが記録されている。この施錠情報または開錠情報は施錠端末20の処理によって施錠情報記憶部14に記録されたものである。アクセス可否判定部121は、施錠情報記憶部14から読み取った情報が施錠情報であるかを判定し(ステップS103)、施錠情報である場合には、記録素子11へのアクセスは不可である判定し(ステップS104)、開錠情報である場合にはアクセスは可であると判定する(ステップS105)。そして、デバイスコントローラ12は、アクセス可否判定部121においてアクセス可と判定された場合には、記録素子アクセスインタフェース13を介して入力したアクセス要求に基づいて、記録素子11に記録されている情報を、記録素子アクセスインタフェース13を介して外部へ出力する(ステップS106)。
【0020】
図4は記録情報管理システムの処理フローを示す第2の図である。
次に、図4を用いて施錠端末20の施錠時の処理フローについて説明する。
施錠時には、ユーザは施錠端末20を施錠専用アクセスインタフェース15へ専用ケーブルを用いて接続する。専用ケーブルにより施錠端末20と記録装置10が接続され施錠端末20の電源がONされると、電源供給部22は施錠専用アクセスインタフェース15を介して記憶情報制御部16へ電源供給する。そして、ユーザは、パスワード入力部25へパスワードを入力する(ステップS201)。このとき入力されたパスワードは表示部26に表示される。そして、ユーザが施錠ボタン23を押下すると(ステップS202)、当該施錠ボタンの押下を施錠処理部21が検出し、施錠情報とパスワード情報とを施錠専用アクセスインタフェース15を介して記憶情報制御部16へ出力する(ステップS203)。すると記憶情報制御部16は、電源供給部22による電源供給に基づいて動作し、施錠情報記憶部14に開錠情報が格納されている場合には当該開錠情報を削除して(ステップS204)、施錠処理部21から入力した施錠情報とパスワード情報とを施錠情報記憶部14へ書き込む(ステップS205)。これにより、記録素子アクセスインタフェース13を介した記録素子11へのアクセスが不可能となる。
【0021】
図5は記録情報管理システムの処理フローを示す第3の図である。
次に、図5を用いて施錠端末20の開錠時の処理フローについて説明する。
開錠時にも、施錠時と同様に、ユーザは施錠端末20を施錠専用アクセスインタフェース15へ専用ケーブルを用いて接続する。専用ケーブルにより施錠端末20と記録装置10が接続され施錠端末20の電源がONされると、電源供給部22は施錠専用アクセスインタフェース15を介して記憶情報制御部16へ電源供給する。そして、ユーザは、パスワード入力部25へパスワードを入力する(ステップS301)。このとき入力されたパスワードは表示部26に表示される。そして、ユーザが開錠ボタン24を押下すると(ステップS302)、当該施錠ボタンの押下を施錠処理部21が検出し、パスワード情報の読み出し要求を記録装置10の記憶情報制御部16へ送信する(ステップS303)。すると記憶情報制御部16はパスワード情報を施錠情報記憶部14から読み取って、当該パスワード情報を施錠端末20へ出力する(ステップS304)。次に、施錠端末20では施錠処理部21がパスワード情報を受信し、パスワード入力部25から入力されたパスワードと比較する(ステップS305)。そして、施錠処理部21はパスワードが一致すれば、開錠情報を施錠専用アクセスインタフェース15を介して記憶情報制御部16へ送信する(ステップS306)。すると記憶情報制御部16は、施錠情報記憶部14に施錠情報が格納されている場合には当該施錠情報を削除して(ステップS307)、施錠処理部21から入力した開錠情報を施錠情報記憶部14へ書き込む(ステップS308)。これにより、記録素子アクセスインタフェース13を介した記録素子11へのアクセスが可能となる。
【0022】
以上の処理によれば、記録装置10において、施錠情報記憶部14,施錠専用アクセスインタフェース15,記憶情報制御部16が正常であれば、施錠端末20により記憶情報制御部16に電源供給され、当該施錠端末20が直接、施錠情報記憶部14に対して施錠情報を登録することができる。そして、この施錠情報が施錠情報記憶部14に記録されている間は記録素子11へのアクセスは不可能となる。これにより、記録装置10に記録素子アクセスインタフェース13からの記録素子11へのアクセスが不可となるような故障が記録装置10や当該記録装置10が備えられた情報処理装置30に発生したとしても、記録素子11に記録された情報のセキュリティの設定を行うことができるようになる。
【0023】
なお、上述の記録装置や施錠端末、情報処理装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。
【0024】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0025】
1・・・記録情報管理システム
10・・・記録装置
11・・・記録素子
12・・・デバイスコントローラ
13・・・記録素子アクセスインタフェース
14・・・施錠情報記憶部
15・・・施錠専用アクセスインタフェース
16・・・記憶情報制御部
20・・・施錠端末
21・・・施錠処理部
22・・・電源供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録素子を備えた記録装置の記録情報管理システムであって、
前記記録装置が、
前記記録素子へのアクセスの不可を示す施錠情報を記憶する施錠情報記憶部と、
前記記録素子からの情報の読み出し要求信号または前記記録素子への情報の書き込み要求信号を仲介する記録素子アクセスインタフェースと、
前記読み出し要求信号または前記書き込み要求信号の取得に基づいて、前記施錠情報記憶部に前記施錠情報が記録されているかを判定し、前記施錠情報記憶部が前記施錠情報を記憶している場合には前記記録素子へのアクセスをアクセス不可と判定するアクセス可否判定部と、
前記記録素子への前記施錠情報の書き込みを仲介する施錠専用アクセスインタフェースと、
前記施錠専用アクセスインタフェースを介した前記施錠情報記憶部からの情報の読み出し要求または前記施錠情報記憶部への情報の書き込み要求に基づいて前記施錠情報記憶部から情報を読み出す、または前記施錠情報記憶部へ情報を書き込む記憶情報制御部と、を備え、
施錠端末が、
前記施錠専用アクセスインタフェースを介して前記記憶情報制御部へ電源供給する電源供給部と、
施錠指示の入力に基づいて前記施錠情報を前記施錠専用アクセスインタフェースを介して前記記録素子へ書き込む施錠処理部と、
を備えることを特徴とする記録情報管理システム。
【請求項2】
前記施錠端末は、
パスワードを入力するパスワード入力部を備え、
前記施錠処理部は、入力した前記パスワードを前記施錠情報と共に前記施錠専用アクセスインタフェースを介して前記記録素子へ書き込む
ことを特徴とする請求項1に記載の記録情報管理システム。
【請求項3】
前記施錠端末は、施錠ボタンおよび開錠ボタンを備え、
前記施錠処理部は、前記開錠ボタンの押下を検出し、さらに前記パスワードの入力を受け付けて、当該パスワードが前記記録装置の記録素子に記録されているパスワードと一致すると判定した場合に、前記記録装置の記録素子に記録されている施錠情報の削除を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の記録情報管理システム。
【請求項4】
前記施錠端末の前記施錠処理部は、前記開錠ボタンの押下を検出し、さらに前記パスワードの入力を受け付けて、当該パスワードが前記記録装置の記録素子に記録されているパスワードと一致すると判定した場合に、前記記録装置の記録素子に記録されている施錠情報の削除を行うと共に、開錠情報を前記記録装置の記録素子に書き込み、
前記記録装置のアクセス可否判定部は、前記読み出し要求信号または前記書き込み要求信号の取得に基づいて、前記施錠情報記憶部に前記施錠情報または前記開錠情報のいずれが記録されているかを判定し、前記施錠情報記憶部が前記開錠情報を記憶している場合には前記記録素子へのアクセスをアクセス可と判定する
ことを特徴とする請求項3に記載の記録情報管理システム。
【請求項5】
記録素子を備えた記録装置の記録情報管理システムの記録情報管理方法であって、
前記記録装置の施錠情報記憶部が、前記記録素子へのアクセスの不可を示す施錠情報を記憶し、
前記記録装置の記録素子アクセスインタフェースが、前記記録素子からの情報の読み出し要求信号または前記記録素子への情報の書き込み要求信号を仲介し、
前記記録装置のアクセス可否判定部が、前記読み出し要求信号または前記書き込み要求信号の取得に基づいて、前記施錠情報記憶部に前記施錠情報が記録されているかを判定し、前記施錠情報記憶部が前記施錠情報を記憶している場合には前記記録素子へのアクセスをアクセス不可と判定し、
前記記録装置の施錠専用アクセスインタフェースが、前記記録素子への前記施錠情報の書き込みを仲介し、
前記記録装置の記憶情報制御部が、前記施錠専用アクセスインタフェースを介した前記施錠情報記憶部からの情報の読み出し要求または前記施錠情報記憶部への情報の書き込み要求に基づいて前記施錠情報記憶部から情報を読み出す、または前記施錠情報記憶部へ情報を書き込み、
施錠端末の電源供給部が、前記施錠専用アクセスインタフェースを介して前記記憶情報制御部へ電源供給し、
前記施錠端末の施錠処理部が、施錠指示の入力に基づいて前記施錠情報を前記施錠専用アクセスインタフェースを介して前記記録素子へ書き込む
ことを特徴とする記録情報管理方法。
【請求項6】
記録素子へのアクセスの不可を示す施錠情報を記憶する施錠情報記憶部と、
前記記録素子からの情報の読み出し要求信号または前記記録素子への情報の書き込み要求信号を仲介する記録素子アクセスインタフェースと、
前記読み出し要求信号または前記書き込み要求信号の取得に基づいて、前記施錠情報記憶部に前記施錠情報が記録されているかを判定し、前記施錠情報記憶部が前記施錠情報を記憶している場合には前記記録素子へのアクセスをアクセス不可と判定するアクセス可否判定部と、
前記記録素子への前記施錠情報の書き込みを仲介する施錠専用アクセスインタフェースと、
前記施錠専用アクセスインタフェースを介した前記施錠情報記憶部からの情報の読み出し要求または前記施錠情報記憶部への情報の書き込み要求に基づいて、施錠端末からの前記施錠専用アクセスインタフェースを介した電源供給により、前記施錠情報記憶部から情報を読み出す、または前記施錠情報記憶部へ情報を書き込む記憶情報制御部と、
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項7】
記録素子へのアクセスの不可を示す施錠情報を記憶する施錠情報記憶部と、
前記記録素子からの情報の読み出し要求信号または前記記録素子への情報の書き込み要求信号を仲介する記録素子アクセスインタフェースと、
前記施錠情報記憶部に直接接続され、前記記録素子への前記施錠情報の書き込みを仲介する施錠専用アクセスインタフェースと、を備えた記録装置のコンピュータを、
前記読み出し要求信号または前記書き込み要求信号の取得に基づいて、前記施錠情報記憶部に前記施錠情報が記録されているかを判定し、前記施錠情報記憶部が前記施錠情報を記憶している場合には前記記録素子へのアクセスをアクセス不可と判定するアクセス可否判定手段、
前記施錠専用アクセスインタフェースを介した前記施錠情報記憶部からの情報の読み出し要求または前記施錠情報記憶部への情報の書き込み要求に基づいて、施錠端末からの前記施錠専用アクセスインタフェースを介した電源供給により、前記施錠情報記憶部から情報を読み出す、または前記施錠情報記憶部へ情報を書き込む記憶情報制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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