説明

記録装置

【課題】紙間調整部による影響がなく、キャッピング動作時のキャリッジの姿勢を安定させ、キャリッジモータにかかる負荷トルクを軽減し、キャリッジモータのコストダウンをし得る記録装置を提供すること。
【解決手段】クリーニング機構204に進入したキャリッジユニット203がブレードホルダ18およびキャップ1から付勢力を受け、紙間が広くなる方向へ第2ガイドレール212をおよそ中心として回動する際、キャリッジユニット203に備えられている紙間レバー33の第3摺動部339あるいはキャリッジ6の第3摺動部69が第1ガイドレール211において第1ガイド面211aと表裏一体で構成されている第3ガイド面211bと摺動するよう構成した記録装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と交差する方向に、記録ヘッドを保持するキャリッジが主走査するシリアルタイプの記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーションの出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づいて用紙やプラスチック薄板等の被記録材(記録媒体)に画像を記録していくように構成されている。前記記録装置は、記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等に分けることができる。
【0003】
被記録材の搬送方向(副走査方向)と交差する方向に主走査するシリアルスキャン方式を採るシリアルタイプの記録装置においては、被記録材に沿って移動するキャリッジ上に搭載した記録手段によって画像を記録(主走査)し、1行分の記録を終了した後に所定量の紙送り(ピッチ搬送)を行い、その後に再び停止した被記録材に対して、次の行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返すことにより、被記録材全体への記録が行われる。
【0004】
従来のシリアルタイプの記録装置としては、記録ヘッドを着脱自在に搭載するキャリッジを、互いに平行に設けられたガイド軸およびガイドレールに摺動自在に取り付けたものがある。キャリッジは、キャリッジモータの出力軸に固着されたプーリと回転自在に軸支されたアイドルプーリとに掛け回されたタイミングベルトの一部位に結合されており、キャリッジモータの正転および逆転によって記録ヘッドは往復走査される。また、キャリッジには、記録ヘッドと被記録材とのギャップを調整するための紙間調整部が設けられている。
【0005】
この紙間調整部としては、キャリッジ上端部近傍に設けられたものが使用されている。紙間調整部の調整レバーはキャリッジに設けられた穴にピンが挿入されて回転可能に軸支され、紙間距離ポジションに応じた調整レバーの回転中心からの距離が異なる摺動面を有している。また、圧接レバーはキャリッジに設けられたピンを中心に回転可能に軸支され、圧接バネにより調整レバーの摺動面をガイドレールに付勢することで、ガイド軸を中心にキャリッジ上方を手前側に変位させるように回動付勢している。ここで、調整レバーの摺動面を変えることで、キャリッジがガイド軸を中心に回転するので、紙間距離を変えることができる。さらに、キャリッジの往復走査範囲の一端部において、キャリッジに搭載された記録ヘッドに対する回復処理を行うための回復機構が設けられている。回復機構は、記録ヘッド内の増粘インクを除去したり非記録時に記録ヘッドを保護するためのキャップを有しており、圧接レバーがガイドレールを押圧する力を利用して、記録ヘッドがキャップへ当接する際の両者間の当接圧を得ており、またこのとき調整レバーの摺動面がガイドレールと当接しないようにガイドレールの一部が切り欠くことで、回復動作時に調整レバーのポジションに影響を受けない構成をとっている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−309842号公報(段落、図11、図12)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の記録装置においては、キャッピング動作時に、キャリッジの一部が記録装置の本体に設けられたカム面の乗り越えるが、このときのキャリッジの挙動が不安定、とりわけガイド軸を中心とした回転方向への姿勢の変化が大きくなっており、キャッピング動作時にキャリッジモータかかる負荷トルクの増大を招いている。また、紙間調整レバーにより変化するキャリッジの姿勢差も、該キャリッジの挙動を変化させ、前記負荷トルクの増大を招く一因となっている。負荷トルクの増大により、キャリッジモータの高トルク化が必要となるため、コストアップ要因となっている。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、紙間調整部による影響がなく、キャッピング動作時のキャリッジの姿勢を安定させ、キャリッジモータにかかる負荷トルクを軽減し、キャリッジモータのコストダウンをし得る記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するために考案された下記の構成を特徴とする記録装置である。
【0009】
(1)被記録媒体に画像を形成する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを搭載し主走査方向に往復移動させるキャリッジと、前記キャリッジを前記主走査方向にガイドする第1のガイド部および第2のガイド部と、前記被記録媒体の厚みに応じて前記キャリッジの姿勢および前記記録ヘッドの吐出口面と前記被記録媒体との距離を変化させる紙間調整部材と、前記紙間調整部材に第1のガイド部と前記キャリッジ主走査方向の記録領域で摺動する第1の摺動部と、
前記キャリッジ主走査方向の非記録領域に前記記録ヘッドの吐出口を保護するキャップと、前記キャップを搭載するキャップホルダと、前記キャップを前記記録ヘッドに対して圧接し得るキャップ付勢部材と、
を有する記録装置において、
前記紙間調整部材の第1の摺動部と前記第1のガイド部を挟んで対向する第3の摺動部を有し、該第3の摺動部と摺動する第3のガイド部を有し、該第3の摺動部は前記紙間調整部材の複数の調整位置に応じた独立した複数の摺動部からなることを特徴とする。
【0010】
(2)上記(1)に記載の記録装置において、
前記第3の摺動部のうち、少なくとも一つの摺動部は前記紙間調整部材に設けられ、他の少なくとも一つの摺動部は前記キャリッジに設けられていることを特徴とする。
【0011】
(3)上記(1)又は(2)に記載の記録装置において、
前記第3の摺動部が、前記キャップにより前記記録ヘッドを保護するキャッピング動作時に、前記キャップ付勢部材の付勢力に抗して、前記記録ヘッドおよび前記キャリッジを支えることを特徴とする。
【0012】
(4)上記(1)乃至(3)いずれかに記載の記録装置において、
前記キャリッジ主走査方向の前記非記録領域に、前記キャリッジを前記主走査方向にガイドし得る前記第3のガイド部と異なる第4のガイド部を有し、前記キャリッジに前記第4のガイド部と摺動する第3の摺動部と異なる第4の摺動部を有し、該第4の摺動部が、前記キャップにより前記記録ヘッドを保護するキャッピング動作時に、前記キャップ付勢部材の付勢力に抗して、前記記録ヘッドおよび前記キャリッジを支えることを特徴とする。
【0013】
(5)上記(1)乃至(4)いずれかに記載の記録装置において、
前記キャップホルダは、記録装置本体側のカム面に沿って移動可能なキャップスライダに保持され、前記キャップスライダは前記キャリッジの主走査方向への移動により、前記記録ヘッドに対し前記キャッピング動作を行うことを特徴とする。
【0014】
(6)上記(5)に記載の記録装置において、
前記録ヘッドの吐出口面を拭掃するワイパーを有するワイピング手段を有し、前記ワイピング手段を前記キャリッジに対して付勢し得るワイピング手段付勢部材を有し、前記ワイピング手段は前記記録ヘッドの吐出口面に対し略垂直方向に揺動可能に前記キャップスライダに保持されていることを特徴とする。
【0015】
(7)上記(5)又は(6)に記載の記録装置において、
前記キャリッジの主走査方向の移動による前記キャッピング動作において、前記キャップ付勢部材の前記付勢力、および前記ワイピング手段付勢部材の前記付勢力に抗して前記キャリッジの姿勢を確定する摺動部が、前記第3の摺動部から前記第4の摺動部へと移行することを特徴とする。
【0016】
(8)上記(1)乃至(7)いずれかに記載の記録装置において、
前記キャリッジ主走査方向の前記非記録領域では、前記第1のガイド部が前記紙間調整部材の前記第1の摺動部から離間することを特徴とする。
【0017】
(9)上記(1)乃至(8)いずれかに記載の記録装置において、
前記キャリッジ主走査方向の前記非記録領域において、前記第4のガイド部と前記キャリッジの前記第4の摺動部により確定する前記キャリッジの姿勢が、
前記記録領域における前記記録ヘッドの吐出口面と前記被記録媒体との前記距離が最も小さいときの前記キャリッジの姿勢とほぼ同一であることを特徴とする。
【0018】
(10)上記(1)乃至(9)いずれかに記載の記録装置において、
前記第4のガイド部は、前記紙間調整部材により確定する前記キャリッジの姿勢によらず、前記キャリッジ主走査方向の前記非記録領域における前記キャリッジの姿勢が一定となるカム形状を有することを特徴とする。
【0019】
(11)上記(1)乃至(10)いずれかに記載の記録装置において、
前記キャリッジが前記第2のガイド部を中心に回動可能に設けられていることを特徴とする。
【0020】
(12)上記(1)乃至(11)いずれかに記載の記録装置において、
前記紙間調整部材の前記第1の摺動部は、前記キャリッジおよび前記記録ヘッドの自重によって前記第1のガイド部に当接することを特徴とする。
【0021】
(13)上記(1)乃至(12)いずれかに記載の記録装置において、
前記第1のガイド部および前記第3のガイド部は、板状のレールの表裏であることを特徴とする。
【0022】
(14)上記(1)乃至(13)いずれかに記載の記録装置において、
前記第1のガイド部および前記第3のガイド部は、本体シャーシと一体に形成されていることを特徴とする。
【0023】
(15)上記(1)乃至(14)いずれかに記載の記録装置において、
前記第4のガイド部は、本体シャーシと一体に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
即ち、上記構成を有する本発明によれば、
被記録媒体に画像を形成する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを搭載し主走査方向に往復移動させるキャリッジと、前記キャリッジを前記主走査方向にガイドする第1のガイド部および第2のガイド部と、前記被記録媒体の厚みに応じて前記キャリッジの姿勢および前記記録ヘッドの吐出口面と前記被記録媒体との距離を変化させる紙間調整部材と、前記紙間調整部材に第1のガイド部と前記キャリッジ主走査方向の記録領域で摺動する第1の摺動部と、
前記キャリッジ主走査方向の非記録領域に前記記録ヘッドの吐出口を保護するキャップと、前記キャップを搭載するキャップホルダと、前記キャップを前記記録ヘッドに対して圧接し得るキャップ付勢部材と、
を有する記録装置において、
前記紙間調整部材の第1の摺動部と前記第1のガイド部を挟んで対向する第3の摺動部を有し、該第3の摺動部と摺動する第3のガイド部を有し、該第3の摺動部は前記紙間調整部材の複数の調整位置に応じた独立した複数の摺動部からなることを特徴とするため、
紙間調整部材の調整位置による影響を最小限にし、キャッピング動作時のキャリッジの姿勢を安定させ、キャリッジモータにかかる負荷トルクを軽減し、キャリッジモータのコストダウンをし得る記録装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。
【実施例1】
【0026】
図1は本発明を適用したインクジェット記録装置の一実施例を示す模式的斜視図である。図1において、図示のインクジェット記録装置には、記録用紙等の被記録材を記録装置本体内へ供給するための給紙部201と、記録装置本体内(記録部等)を通して被記録材を紙送りするための搬送部202と、画像情報に基づいて被記録材に画像(文字や記号等も含む)を記録していく記録機構部(キャリッジユニット)203と、記録機構部(キャリッジユニット)203によって形成される画像品位を維持するためのクリーニング機構部(回復機構部)204が設けられている。
【0027】
給紙部201に積載された記録用紙等の被記録材は、給紙モータにより駆動される給紙ローラによって1枚ずつ分離されて送り出され、前記搬送部202へ送り込まれる。この搬送部202へ送り込まれた被記録材は、搬送モータによって駆動される搬送ローラ221及び該搬送ローラに押圧されたピンチローラ222による摩擦搬送力によって記録部を通して搬送され、該記録部で紙送り(ピッチ搬送)されながら前記記録機構部(キャリッジユニット)203によって画像(文字や記号等も含む)を記録される。
【0028】
記録された被記録材は、前記搬送ローラ221と連動して駆動される排紙ローラ223及び該排紙ローラと協働する拍車の間に挟持されことによる搬送力によって装置本体外へ排出される。
【0029】
前記記録機構部(キャリッジユニット)203は、装置本体内部で主走査方向に往復移動可能に案内支持されたキャリッジ6及び記録手段としての記録ヘッド3などによって構成されている。すなわち、記録ヘッド3を搭載したキャリッジ6は装置本体に設置されたガイドレールに沿って往復移動可能に案内支持されており、該キャリッジ6に対してはキャリッジモータ240の駆動力がキャリッジベルト225を介して伝達され、該キャリッジ6は該キャリッジモータ240の駆動力によって前記ガイドレールに沿って往復移動させられる。キャリッジユニット203はDCモータであり、キャリッジユニット203に備えられたエンコーダセンサ(不図示)がコードストリップ230のスリットをセンシングすることによりキャリッジユニット203の位置および速度等を制御している。そして、前記キャリッジ6の往復移動(主走査)に同期して行われる記録ヘッド3の記録動作と被記録材の所定ピッチごとの搬送送り(副走査)とを繰り返すことにより被記録材全体の記録が行われる。
【0030】
前記回復機構部(クリーニング機構部)204は、インクジェット記録装置における記録ヘッド(インクジェットヘッド)3の目詰まり等を解消することで記録品位を正常(良好)な状態に維持回復するためのものであり、後述するように、吐出口からインクを吸引又は吐出させるためのポンプ手段、吐出口を覆うためのキャップ手段、並びに吐出口面を拭き取り清掃するためのワイピング手段などにより構成されている。
【0031】
図2(a),(b)は記録ヘッド3の斜視図であり、本実施例における記録ヘッド3の吐出口面81には、カラー(例えばシアン、マゼンタ、イエロー)吐出口列3cとブラック吐出口列3dが形成されている。
【0032】
図3は本発明に於けるキャップスライダ7にキャップ1や、ブレードホルダ18などを組み込んだ状態を示す上方斜視図であり、図4(a),(b)はブレードホルダ18を示す斜視図である。
【0033】
図3において、キャップ1はキャップホルダ2に固定され、図6に示すキャップばね4によってキャップスライダ7に対し上下移動可能な状態に保持されている。
【0034】
また、前記キャップホルダ2には吸引チューブ14が接続されており、これらのチューブは負圧発生手段としてのポンプ機構部(不図示)に接続されている。従って、キャップ1で記録ヘッド3をキャッピングした状態で、前記ポンプ機構部を作動させることにより、該チューブ14を通してキャップ1内を負圧状態にし、それによって記録ヘッド3の吐出口からインクを吸引できる(吸い出すことができる)ように構成されている。
【0035】
キャップスライダ7の一端にはブレードホルダ18が図4に示すブレードホルダばね21によって上方に付勢された状態で保持され、且つ一端をキャップスライダに固定されたブレードホルダスライドばね22によって、ワイパーブレード8,9の長手方向へ変位可能な状態に保持されている。
【0036】
なお、前記ブレードホルダ18には、カラー用ワイパーブレード8と、ブラック用ワイパーブレード9が、ブレードスペーサ19を介して、ブレードストッパ20によりブレードホルダ7へ位置決め固定されている。
【0037】
キャップスライダ7は図6に示す通り、記録装置本体のベース部13とスライダばね15によって接続(連結)されている。また、キャップスライダ7の側面の4箇所には、棒状を成して突出する突出部(スライダ軸部)7bが設けられており、これらの突出部7bはベース部13上に設けられたスライダ制御用のカム面13a、13bの上に載置されている(当接している)。
【0038】
つまり、キャップスライダ7は、前記スライダばね15によって前記各突出部(スライダ軸部)7bを前記ベース13上のカム面13a、13bに当接させた状態で、該カム面13a、13bに沿って上下位置を制御されながらキャリッジ移動方向に移動可能に装着されている。
【0039】
なお、前記4箇所の突出部(スライダ軸部)7bの一部の突出部(図示の例では被記録材搬送方向上流側の2箇所の突出部)の先端部には、前記ベース部のカム面13aを形成するリブ部を挟み込むことによりキャップスライダ7の位置決めを行うための凹部(溝部)が形成されている。
【0040】
キャップスライダ7には、クリーニング機構部204へ進入してきたキャリッジ6又は記録ヘッド3が当接する突き当て部7aが設けられている。つまり、キャリッジ6がクリーニング機構部204へ移動してきて該キャリッジ6の側面が前記突き当て部7aに当接すると、該キャリッジ6がクリーニング機構部へ進入するのに追従してキャップスライダ7も同様に移動することになる。
【0041】
そして、キャップスライダ7には、前記4箇所の突出部(スライダ軸部)7bの1つに対してキャリッジ6の主走査方向にスライド可能に組み込まれたロックレバー16が装着されている。
【0042】
このロックレバー16の端部16bは、図6に示すように、ロックレバーばね17によって記録装置のベース部13に接続(連結)されている。
【0043】
さらに、記録装置のベース部13には、図6に示すように、前記ロックレバー16用のカム部13bが設けられている。このカム部13bはロックレバー16のカム面16bと当接(係合)可能なものである。
【0044】
こうして、前記ロックレバー16は、キャップスライダ7と記録装置のベース部13との間に挟み込まれる状態で保持されている。
【0045】
図7(a)、(b)はキャリッジユニット203の模式的斜視図である。キャリッジユニット203は、記録ヘッドを装着するキャリッジ6、記録媒体の厚みに応じて記録ヘッドの吐出口面と記録媒体の距離(紙間)を変化させる紙間調整レバー33、キャリッジカバー30、記録ヘッド3をキャリッジ6に固定するセットレバー32等からなる。
【0046】
また前記キャリッジ6、キャリッジカバー30には前記ブレードホルダ18と当接して作用する摺動面6A、301がキャリッジ6の主走査方向の幅全域に渡って、それぞれ設けられている。
【0047】
図8(a)、(b)はキャリッジ6の詳細を示す模式的斜視図である。キャリッジ6の上面には、記録ヘッド3の上部のリブ3eに掛止して該記録ヘッドを固定するための板バネ31が取り付けられている。すなわち、セットレバー32の操作によって該板バネ31を退避方向へ弾性変形させ、記録ヘッド3をキャリッジ6に引き込んだ後、該板バネ31を解放して記録ヘッド3のリブ3eに掛止することにより、記録ヘッド3をキャリッジ6に固定するように構成されている。
【0048】
キャリッジ6に形成された面61は記録ヘッド3の上部に設けられた記録媒体搬送方向(前後方向)の位置決め面(突き当て面)と圧接する面であり、キャリッジ6に形成された面62は記録ヘッド3の下部に設けられた鉛直方向(上下方向)の位置決め面(突き当て面)と圧接する面であり、キャリッジ6に形成された面63は記録ヘッド3の搬送方向(前後方向)の位置決め面(突き当て面)と圧接する面であり、キャリッジ6に形成された面64は記録ヘッド3の主走査方向(左右方向)の位置決め面(突き当て面)と圧接する面である。また、キャリッジ6の左右に形成された穴65は、セットレバー32の左右のボス部を回動可能に軸支するための軸受穴であり、キャリッジ6の左右に形成された穴66はキャリッジカバー30の左右のボス部30Dと嵌合して該キャリッジカバー30をキャリッジ6に固定するためのカバー取り付け穴である。
【0049】
キャリッジ6の上部には紙間調整レバー33をスライド可能に装着するための溝カム部67があり、紙間調整レバー33が溝カム部67に挿入され、キャリッジカバー30をキャリッジ6にかぶせることにより、摺動可能に保持される。図7(a)に示すように、紙間調整レバー33は矢印X方向にスライド可能である。
【0050】
また、キャリッジ6の上部の一部には、キャリッジ主走査方向の非記録領域において、シャーシ210と一体に構成された第4ガイドレール213と摺動可能な摺動ボス68、および、同様にシャーシ210と一体に構成された第3のガイドレールとなる第3ガイド面211bと後述する紙間ポジションPBのときに摺動可能な第3摺動部69が設けられている。
【0051】
図9はキャリッジカバー30の模式的斜視図である。キャリッジカバー30は、後述の紙間調整レバー33の操作レバー部331を覗く穴30Aが設けられている。この穴30Dの一部には、紙間調整レバー係り止め部30Aおよび30Bが設けられており、後述の紙間調整レバー33のストッパー部332が入り込むように構成されている。
【0052】
図10(a)〜(c)は紙間調整レバー33の模式図である。紙間調整レバー33は、操作レバー部331、ストッパー部332、第1ガイドレール211との摺動部である第1の摺動部333、位置決めボス334、および、335、ガイドボス336、および、337、位置決め面338、第3ガイド面211bと後述する紙間ポジションPAのときに摺動可能な第3摺動部339を備える。
【0053】
図11に示すように、ストッパー部332は、キャリッジカバー30の紙間調整レバー係り止め部30Aおよび30Bに入り込むことで、紙間調整レバー33の矢印V方向へのスライドを規制している。ストッパー部332は、キャリッジ6および記録ヘッド3の自重によりキャリッジカバー30の紙間調整レバーの係り止め部30Aおよび30Bに対し食い込む方向に構成されており、紙間調整レバー33の矢印V方向へのスライドを確実に防止している。図11中、紙間調整レバー33Aは紙間ポジションPA(普通紙などの薄紙ポジション)のときの紙間調整レバー33のセットされる位置であり、紙間調整レバー33Bは紙間ポジションPB(封筒などの厚紙ポジション)のときの紙間調整レバー33のセットされる位置である。また、紙間調整レバー33Cは、紙間ポジションPAと紙間ポジションPBの間に位置し、紙間調整レバー33のストッパー部332がキャリッジカバー30のガイド部30Cにより押し下げられるように構成されている。
【0054】
紙間ポジションPAから紙間ポジションPBに動かすとき、紙間調整レバー33のストッパー部332は、キャリッジカバー30の紙間調整レバー係り止め部部30Aからキャリッジカバー30のガイド部30Cに向かう斜面に沿って図中矢印V方向に移動する。紙間調整レバー33のストッパー部332はキャリッジカバー30のガイド部30Cに沿って移動し、キャリッジカバー30の紙間調整レバー係り止め部部30Bまで移動し、キャリッジ6および記録ヘッド3の自重によりキャリッジカバー30の紙間調整レバーの係り止め部30Aおよび30Bに対し食い込むため、紙間調整レバー33の矢印X方向に対して固定される。
【0055】
位置決めボス334、および、335はキャリッジ6上部の溝カム部67と係合し、前述のようにキャリッジ6に対し摺動可能に保持される。
【0056】
図12(a)、(b)は、キャリッジユニット203を含む記録装置の部分断面図である。第1ガイドレール211、第2ガイドレール212および第4ガイドレール213はシャーシ210と一体に構成されている。図12(a)、(b)に示すように、キャリッジ6および記録ヘッド3の自重により、位置決め面338はキャリッジ6の紙間調整レバー位置決め面6Bと当接し、また同時に、第1の摺動部333は、シャーシ210と一体に構成された第1ガイドレール211の第1ガイド面211aと当接することで、キャリッジ6および記録ヘッド3の姿勢を決めている。
【0057】
また、第1ガイドレール211は、第3のガイドレールとして機能する第3ガイド面211bを備えており、第3ガイド面211bは、第1ガイドレール211において第1ガイド面211aと表裏一体で構成されている。
【0058】
図13は溝カム部67を摺動する紙間調整レバー33の位置決め摺動ボス334,335の位置関係を示した模式的断面図である。紙間調整レバー33を矢印X方向にスライドさせると、紙間調整レバー33の摺動ボス334、335は溝カム部67に従い移動し、紙間調整レバー33の第1ガイドレール211との摺動部333は、キャリッジ6に対して図中Y方向へ相対的に変位する。このため紙間調整レバー33をスライドさせることにより、第2ガイドレール212をおよそ中心としてキャリッジ6が回転し、その結果として、キャリッジ6に搭載された記録ヘッド3の吐出口面81と記録紙の表面との間隔(紙間距離)を変化させることができる。
【0059】
図中、溝カム部67の面67Aは、紙間ポジションPA(普通紙などの薄紙ポジション)、面67Bは紙間ポジションPB(封筒などの厚紙ポジション)にそれぞれ対応しており、紙間調整レバー33の位置決め摺動ボス334、335が各面67Aおよび面67Bに当接している状態で、前述の紙間調整レバー33のストッパー部332がキャリッジカバー30の紙間調整レバー係り止め部30Aおよび30Bに入り込むようになっている。
【0060】
図14(a)、(b)はキャリッジ6の主走査方向の非記録領域におけるシャーシ210と一体となっている第1ガイドレール211近傍を示したものである。キャリッジ6の主走査方向の非記録領域には本体ベース13に前述のクリーニング機構204が設けられている。また、図15(a)、(b)および図16(a)、(b)は、それぞれ紙間ポジションA(普通紙などの薄紙ポジション)および紙間ポジションB(封筒などの厚紙ポジション)での、キャッピング動作における、紙間調整レバー33の第3摺動部339あるいはキャリッジ6の第3摺動部69、紙間調整レバー33の摺動部333およびキャリッジ6上部の摺動ボス68と、シャーシ210の関係を示した模式的断面図である。
【0061】
非記録領域の第1ガイドレール211は、キャリッジ6が進入してきたとき、紙間調整レバー33の摺動部333から離間する方向に避けるように、第1ガイドレール211の逃げ部211cが構成されている。また、この第1ガイドレール211の逃げ部211cと紙間調整レバー33の摺動部333を挟んで対向する位置には、シャーシ210と一体で第4ガイドレール213が設けられている。第4ガイドレール213は、キャリッジ6上部の摺動ボス68と摺動可能な構成となっている。共にシャーシ210と一体で構成された第1ガイドレール211の逃げ部211cと第4ガイドレール213は、紙間調整レバー33の摺動部333とキャリッジ6上部の摺動ボス68とが、同時に第1ガイドレール211の逃げ部211cあるいは第4ガイドレール213と当接しないように、所定のクリアランスを持って配設されている。
【0062】
また、このクリアランスは、紙間調整レバーが紙間ポジションA(普通紙などの薄紙ポジション)、あるいは紙間ポジションB(封筒などの厚紙ポジション)のどちらの状態でも、紙間調整レバー33の摺動部333とキャリッジ6上部の摺動ボス68とが、第1ガイドレール211の逃げ部211cおよび第4ガイドレール213に、同時に当接しないように構成されている。
【0063】
次に、キャリッジユニット203が非記録領域に移動し、クリーニング機構204にキャリッジ6および記録ヘッド3が進入した際の、キャッピング動作と、キャリッジ6の姿勢に関して述べる。
【0064】
キャリッジユニット203が非記録領域に移動すると、前述のようにクリーニング機構部204にキャリッジ6が進入するため、キャリッジ6がキャップスライダ7の突き当て部7aに当接する。さらにキャリッジユニット203が移動を続けると、キャリッジ6の動作に連動して、キャップスライダ7も図6中矢印U方向へ移動する。このとき、キャップスライダ7はキャップスライダ制御用カム面13b、13cに沿って、徐々に記録ヘッド3に向かって図中矢印W方向へも移動する。キャップスライダ7には、ブレードホルダ18が設けられているため、ブレードホルダ18はキャリッジ6およびキャリッジカバー30に対し、徐々に近づいていく。
【0065】
キャリッジ6の移動が進み、ブレードホルダ18の各摺動面18a〜dがキャリッジ6の摺動面6A、およびキャリッジカバー30の各摺動面301に当接する。ブレードホルダ18がキャリッジユニット203に当接すると、ブレードホルダ18はブレードホルダバネ21から反力を受けるため、ブレードホルダ18はキャリッジユニット203を押し上げる方向(図6中W方向)に付勢する。
【0066】
キャリッジユニット203はブレードホルダ18から付勢力を受け、紙間が広くなる方向へ第2ガイドレール212をおよそ中心として回動する。
【0067】
このとき紙間設定が薄紙ポジションであれば、紙間調整レバー33は紙間ポジションPAにあり、図15(a)に示すように、紙間調整レバー33の第3摺動部339がシャーシ210と一体で構成されている第3ガイド面211bに当接する。また、紙間設定が厚紙ポジションであれば、紙間調整レバー33は紙間ポジションPBにあり、図16(a)に示すように、キャリッジ6の第3摺動部69が第3ガイド面211bに当接する。
【0068】
ブレードホルダ18から付勢力を受けながらキャリッジユニット203の移動するとき、紙間レバー33の第3摺動部339あるいはキャリッジ6の第3摺動部69が第3ガイド面211bと摺動することで、姿勢を安定化させている。
【0069】
さらにキャリッジユニット203の移動が進むと、キャップスライダ7にはキャップホルダ2を介してキャップ1も設けられているため、記録ヘッド3の吐出口面81に対し、キャップ1が当接する。キャップ1を搭載したキャップホルダ2はキャップバネ4から反力を受けるため、キャップ1は記録ヘッド3を押し上げる方向に圧接するが、このとき、キャリッジユニット203は紙間レバー33の第3摺動部339あるいはキャリッジ6の第3摺動部69と第3ガイド面211bとの当接により、安定した姿勢を保っている。
【0070】
さらにキャリッジユニット203の移動が進むと、紙間調整レバー33の摺動部333が第1ガイドレール211の逃げ部211cに進入し、キャリッジ6上部の摺動ボス68が第4ガイドレール213と当接する。第4ガイドレール213の一部はカム面になっており、キャリッジ6上部の摺動ボス68が第4ガイドレール213に沿って摺動することで、ブレードホルダ18およびキャップ1の付勢力に抗して、キャリッジユニット203はやや紙間が狭くなる方向へ第2ガイドレール212をおよそ中心として回動し、やがてキャリッジユニット203の姿勢が一定となる位置まで到達し、図15(b)および図16(b)に示すように、キャリッジユニット203はキャッピング位置に到達し、キャッピング動作が完了する。
【0071】
図15(b)および図16(b)は、紙間ポジションA(普通紙などの薄紙ポジション)および紙間ポジションB(封筒などの厚紙ポジション)での、キャッピング状態における、紙間調整レバー33の摺動部333およびキャリッジ6上部の摺動ボス68とシャーシ210の関係を示した図であるが、各図に示すように、キャッピング位置でのキャリッジ6の姿勢は紙間調整レバー333のポジションによらず、ブレードホルダ18およびキャップ1の付勢力をキャリッジ6上部の摺動ボス68で支持する構成となっているため、常に一定となっている。このときのキャリッジ6の姿勢は、記録範囲における紙間調整レバー33が紙間ポジションA(普通紙などの薄紙ポジション)の状態とほぼ同じ姿勢であり、記録ヘッドの吐出口面はプラテン224(あるいは記録媒体)とほぼ平行である。
【0072】
上述のように本実施例によれば、クリーニング機構204に進入したキャリッジユニット203がブレードホルダ18およびキャップ1から付勢力を受け、紙間が広くなる方向へ第2ガイドレール212をおよそ中心として回動する際、キャリッジユニット203に備えられている紙間レバー33の第3摺動部339あるいはキャリッジ6の第3摺動部69が第1ガイドレール211において第1ガイド面211aと表裏一体で構成されている第3ガイド面211bと摺動することにより、紙間調整レバー位置による影響を最小限にし、キャッピング動作時のキャリッジユニット203の姿勢を安定させ、キャリッジモータ240にかかる負荷トルクを軽減し、キャリッジモータ240のコストダウンをし得る記録装置を提供することができる。
【0073】
また、キャリッジユニット240はDCモータであり、キャリッジユニット203に備えられたエンコーダセンサ(不図示)がコードストリップ230のスリットをセンシングすることによりキャリッジユニット203の位置および速度等を制御する構成であるため、クリーニング機構部204に進入したキャリッジユニット203の姿勢が安定化することにより、エンコーダセンサのセンシング性能を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1実施例における記録装置の斜視図
【図2】(a),(b) 本発明の第1実施例における記録ヘッドの斜視図
【図3】本発明の第1実施例におけるクリーニング機構部の上方斜視図
【図4】(a),(b) 本発明の第1実施例におけるブレードホルダ部の側面斜視図
【図5】本発明の第1実施例におけるキャップスライダ部とキャリッジとの位置関係を示した側面図
【図6】本発明の第1実施例におけるキャップスライダ部とキャリッジとの位置関係を示した記録装置正面側から見た概略図
【図7(a)】本発明の第1実施例におけるキャリッジユニットの模式的斜視図
【図7(b)】本発明の第1実施例におけるキャリッジユニットの模式的斜視図
【図8(a)】本発明の第1実施例におけるキャリッジの模式的斜視図
【図8(b)】本発明の第1実施例におけるキャリッジの模式的斜視図
【図9】本発明の第1実施例におけるキャリッジカバーの模式的斜視図
【図10】(a),(b),(c) 本発明の第1実施例における紙間調整レバーの模式図
【図11】本発明の第1実施例における紙間調整レバーとキャリッジカバーの係り止め部の関係を示した模式図
【図12(a)】本発明の第1実施例におけるキャリッジおよび紙間調整レバーの位置関係を示した側断面図および部分断面詳細図
【図12(b)】本発明の第1実施例におけるキャリッジおよび紙間調整レバーの位置関係を示した側断面図および部分断面詳細図
【図13】本発明の第1実施例における紙間調整レバーおよびキャリッジの溝カム部近傍における部分断面詳細図
【図14(a)】本発明の第1実施例における非記録領域における第1ガイドレール近傍の部分詳細図
【図14(b)】本発明の第1実施例における非記録領域における第1ガイドレール近傍の部分詳細図
【図15(a)】本発明の第1実施例における紙間ポジションA(薄紙ポジション)での紙間調整レバー、キャリッジおよびシャーシの位置関係を示した部分詳細図
【図15(b)】本発明の第1実施例における紙間ポジションA(薄紙ポジション)での紙間調整レバー、キャリッジおよびシャーシの位置関係を示した部分詳細図
【図16(a)】本発明の第1実施例における紙間ポジションB(厚紙ポジション)での紙間調整レバー、キャリッジおよびシャーシの位置関係を示した部分詳細図
【図16(b)】本発明の第1実施例における紙間ポジションB(厚紙ポジション)での紙間調整レバー、キャリッジおよびシャーシの位置関係を示した部分詳細図
【符号の説明】
【0075】
1 キャップ
2 キャップホルダ
3 記録ヘッド(記録手段)
3a 嵌合穴(溝)
3c カラー吐出口列
3d ブラック吐出口列
4 キャップばね
6 キャリッジ
61,62,63,64 記録ヘッド位置決め面
67 溝カム部
68 摺動ボス部
69 第3摺動面
6A ブレードホルダ18との摺動面
6B 位置決め面
7 キャップスライダ
7a 突き当て部
7b 突出部(スライダ軸部)
7c 嵌合ピン
8、9 ワイパーブレード
11 ブレードストッパ
12 ロックレバー
13 記録装置側のベース部
13a カム部
13b カム面
14 吸引チューブ
15 キャップスライダばね
16 ロックレバー
17 ロックレバーばね
18 ブレードホルダ
19 ブレードスペーサ
20 ブレードストッパ
21 ブレードホルダばね
22 ブレードホルダスライドばね
30 キャリッジカバー
30A 係り止め部A(紙間ポジションA用)
30B 係り止め部B(紙間ポジションB用)
301 ブレードホルダ18との摺動部
31 板バネ
32 セットレバー
33 紙間調整レバー
331 操作レバー部
332 ストッパー部
333 摺動部
334 位置決めボス
335 位置決めボス
336 ガイドボス
337 ガイドボス
338 位置決め面
339 第3摺動面
81 吐出口面
201 給紙部
202 搬送部
203 記録機構部
204 クリーニング機構部(回復機構部)
210 シャーシ
211 第1ガイドレール
211a 第1ガイド面
211b 第3ガイド面
212 第2ガイドレール
213 第4ガイドレール
225 キャリッジベルト
230 コードストリップ
240 キャリッジモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体に画像を形成する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを搭載し主走査方向に往復移動させるキャリッジと、前記キャリッジを前記主走査方向にガイドする第1のガイド部および第2のガイド部と、前記被記録媒体の厚みに応じて前記キャリッジの姿勢および前記記録ヘッドの吐出口面と前記被記録媒体との距離を変化させる紙間調整部材と、前記紙間調整部材に第1のガイド部と前記キャリッジ主走査方向の記録領域で摺動する第1の摺動部と、
前記キャリッジ主走査方向の非記録領域に前記記録ヘッドの吐出口を保護するキャップと、前記キャップを搭載するキャップホルダと、前記キャップを前記記録ヘッドに対して圧接し得るキャップ付勢部材と、
を有する記録装置において、
前記紙間調整部材の第1の摺動部と前記第1のガイド部を挟んで対向する第3の摺動部を有し、該第3の摺動部と摺動する第3のガイド部を有し、該第3の摺動部は前記紙間調整部材の複数の調整位置に応じた独立した複数の摺動部からなることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記第3の摺動部のうち、少なくとも一つの摺動部は前記紙間調整部材に設けられ、他の少なくとも一つの摺動部は前記キャリッジに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記第3の摺動部が、前記キャップにより前記記録ヘッドを保護するキャッピング動作時に、前記キャップ付勢部材の付勢力に抗して、前記記録ヘッドおよび前記キャリッジを支えることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記キャリッジ主走査方向の前記非記録領域に、前記キャリッジを前記主走査方向にガイドし得る前記第3のガイド部と異なる第4のガイド部を有し、前記キャリッジに前記第4のガイド部と摺動する第3の摺動部と異なる第4の摺動部を有し、該第4の摺動部が、前記キャップにより前記記録ヘッドを保護するキャッピング動作時に、前記キャップ付勢部材の付勢力に抗して、前記記録ヘッドおよび前記キャリッジを支えることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の記録装置。
【請求項5】
前記キャップホルダは、記録装置本体側のカム面に沿って移動可能なキャップスライダに保持され、前記キャップスライダは前記キャリッジの主走査方向への移動により、前記記録ヘッドに対し前記キャッピング動作を行うことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の記録装置。
【請求項6】
前記録ヘッドの吐出口面を拭掃するワイパーを有するワイピング手段を有し、前記ワイピング手段を前記キャリッジに対して付勢し得るワイピング手段付勢部材を有し、前記ワイピング手段は前記記録ヘッドの吐出口面に対し略垂直方向に揺動可能に前記キャップスライダに保持されていることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記キャリッジの主走査方向の移動による前記キャッピング動作において、前記キャップ付勢部材の前記付勢力、および前記ワイピング手段付勢部材の前記付勢力に抗して前記キャリッジの姿勢を確定する摺動部が、前記第3の摺動部から前記第4の摺動部へと移行することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の記録装置。
【請求項8】
前記キャリッジ主走査方向の前記非記録領域では、前記第1のガイド部が前記紙間調整部材の前記第1の摺動部から離間することを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の記録装置。
【請求項9】
前記キャリッジ主走査方向の前記非記録領域において、前記第4のガイド部と前記キャリッジの前記第4の摺動部により確定する前記キャリッジの姿勢が、
前記記録領域における前記記録ヘッドの吐出口面と前記被記録媒体との前記距離が最も小さいときの前記キャリッジの姿勢とほぼ同一であることを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の記録装置。
【請求項10】
前記第4のガイド部は、前記紙間調整部材により確定する前記キャリッジの姿勢によらず、前記キャリッジ主走査方向の前記非記録領域における前記キャリッジの姿勢が一定となるカム形状を有することを特徴とする請求項1乃至請求項9いずれかに記載の記録装置。
【請求項11】
前記キャリッジが前記第2のガイド部を中心に回動可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項10いずれかに記載の記録装置。
【請求項12】
前記紙間調整部材の前記第1の摺動部は、前記キャリッジおよび前記記録ヘッドの自重によって前記第1のガイド部に当接することを特徴とする請求項1乃至11いずれかに記載の記録装置。
【請求項13】
前記第1のガイド部および前記第3のガイド部は、板状のレールの表裏であることを特徴とする請求項1乃至12いずれかに記載の記録装置。
【請求項14】
前記第1のガイド部および前記第3のガイド部は、本体シャーシと一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至13いずれかに記載の記録装置。
【請求項15】
前記第4のガイド部は、本体シャーシと一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至14いずれかに記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図8(a)】
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【図8(b)】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12(a)】
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【図12(b)】
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【図13】
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【図14(a)】
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【図14(b)】
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【図15(a)】
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【図15(b)】
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【図16(a)】
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【図16(b)】
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【公開番号】特開2006−43893(P2006−43893A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−223796(P2004−223796)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】