記録装置
【課題】吸引領域の切り替えの誤作動を防止することのできる記録装置を提供する。
【解決手段】複数の吸引孔61が形成された支持面60aを有し、吸引孔61に連通する内部空間に負圧を付与して支持面60aに沿って搬送される用紙を支持する支持台32と、支持面60aに支持された用紙に対し、インクを噴射して印字する記録ヘッドと、用紙の搬送方向と直交する幅方向において、支持台32の一方側に設けられ、上記インクの予備噴射を受けるフラッシングボックス34Aと、上記内部空間の内部において変位することにより支持面60aの上記負圧を付与する領域を切り替えるカム機構と、上記幅方向における支持台32の他方側に設けられ、上記内部空間の外部においてカム機構を変位駆動させる変位駆動装置94と、を有するプリンター11を採用する。
【解決手段】複数の吸引孔61が形成された支持面60aを有し、吸引孔61に連通する内部空間に負圧を付与して支持面60aに沿って搬送される用紙を支持する支持台32と、支持面60aに支持された用紙に対し、インクを噴射して印字する記録ヘッドと、用紙の搬送方向と直交する幅方向において、支持台32の一方側に設けられ、上記インクの予備噴射を受けるフラッシングボックス34Aと、上記内部空間の内部において変位することにより支持面60aの上記負圧を付与する領域を切り替えるカム機構と、上記幅方向における支持台32の他方側に設けられ、上記内部空間の外部においてカム機構を変位駆動させる変位駆動装置94と、を有するプリンター11を採用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、記録装置としてインクジェット式プリンターが開示されている。
このインクジェット式プリンターは、複数の吸引孔が形成された支持台と、吸引孔内に負圧を生じさせるファンと、各吸引孔内の空気の流れを調整する弁と、弁の開弁状態と閉弁状態とを切り替えるカムを有する切替部材と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−280320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術のようなサクション方式のプリンターでは、上記切替部材を変位駆動させるモーター等の変位駆動装置を支持台の上記吸引孔と連通する内部空間に配置することがある。
しかしながら、支持台の内部空間に変位駆動装置を配置すると、例えば、印字時の噴射により発生したミスト状のインク(サテライトやミスショット等が要因)が吸引孔を介して内部空間に進入し、モーターの駆動軸や変位量を検出する光学センサ等に付着して、吸引領域の切り替えの誤作動を引き起こす場合がある。また、インクジェット式プリンターでは、印字前にインクを予備噴射(フラッシング)して、噴射特性の調整(メニスカスの調整、増粘インクの排出等)を行うが、その際に発生したミスト状のインクが機内に漂い、吸引孔から内部空間に進入する場合もある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、吸引領域の切り替えの誤作動を防止することのできる記録装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、複数の吸引孔が形成された支持面を有し、上記吸引孔に連通する内部空間に負圧を付与して上記支持面に沿って搬送される記録媒体を支持する支持台と、上記支持面に支持された上記記録媒体に対し、流体を噴射して印字する記録ヘッドと、上記記録媒体の搬送方向と直交する幅方向において、上記支持台の一方側に設けられ、上記流体の予備噴射を受ける流体受け部材と、上記内部空間の内部において変位することにより上記支持面の上記負圧を付与する領域を切り替える切替部材と、上記幅方向における上記支持台の他方側に設けられ、上記内部空間の外部において上記切替部材を変位駆動させる変位駆動装置と、を有する記録装置を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明は、切替部材を変位駆動させる変位駆動装置を、支持台の内部空間の外部であって、流体の予備噴射を受ける流体受け部材が配置される一方側に対して支持台を挟んだ逆側の他方側に設ける。これにより、吸引孔を介して内部空間に流体が進入しても変位駆動装置に流体が付着することがなく、また、流体の予備噴射の位置から離れて変位駆動装置が配置されるため、該予備噴射によって機内に漂った流体の付着を抑制することができる。
【0007】
また、本発明においては、上記変位駆動装置は、上記内部空間の外部において上記切替部材の変位に係る情報を検出する光学センサを有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、光学センサが備える投光部や受光部等に流体が付着することによる切替部材の変位に係る情報の誤検出を抑制することができる。
【0008】
また、本発明においては、上記支持面よりも上方に上記記録ヘッドが設けられ、上記支持面よりも下方に上記変位駆動装置が設けられているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、支持面よりも下方に変位駆動装置を設けることにより、記録ヘッドが設けられる支持面よりも上方で発生したミスト状の流体の変位駆動装置への付着を抑制することができる。
【0009】
また、本発明においては、上記変位駆動装置と上記支持面との間において上記支持台から側方に延在して設けられ、上記変位駆動装置の上方を覆うカバー部材を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、変位駆動装置の上方を覆うカバー部材を設けることで、記録ヘッドが設けられる支持面よりも上方で発生したミスト状の流体の変位駆動装置への付着を抑制することができる。
【0010】
また、本発明においては、上記カバー部材には、上記記録ヘッドをメンテナンスするメンテナンスユニットが設けられているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、変位駆動装置への付着を抑制するカバー部材にメンテナンスユニットを設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態におけるプリンターを示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態における記録部を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態における支持台が備えるプラテンを示す平面図である。
【図4】本発明の実施形態における支持台の分解斜視図である。
【図5】本発明の実施形態における支持台の分解斜視図である。
【図6】本発明の実施形態における支持台本体の分解斜視図である。
【図7】本発明の実施形態におけるカム機構の要部を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態における変位駆動装置の配置を示す図である。
【図9】本発明の実施形態における変位駆動装置の取り付け状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態における変位駆動装置を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施形態における変位駆動装置を示す正面図である。
【図12】本発明の実施形態における変位駆動装置を示す右側面図である。
【図13】本発明の実施形態におけるモーターを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る記録装置の実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面では、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明することがある。ここで、水平面内の所定方向をX軸方向(幅方向)、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向(搬送方向)、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向とする。
本実施形態では、記録装置として、インクジェット式プリンター(以下、単にプリンターと称する)について例示する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態におけるプリンター11を示す概略構成図である。
プリンター11は、ロール状に巻かれたロール紙RPから延出される長尺の用紙(記録媒体)Pに対して、インク(流体)を記録ヘッド31から噴射して画像や文字等を印字する構成となっている。プリンター11は、ロール紙RPから延出された用紙Pを搬送する搬送部20と、用紙Pに対し印字を行う記録部30と、印字を経た用紙Pを所定サイズに切断する切断部40と、切断後の用紙Psの裏面に印字を行う裏面印字部50と、上記各構成部位の動作を統括的に制御する制御装置CONTと、を有している。
【0014】
プリンター11は、ロール紙RPを収容するケース12と、搬送部20、記録部30、切断部40、裏面印字部50等を収容する本体ケース13と、を備えている。そして、本体ケース13の前側(+Y側)には、印字が施されて切断された用紙Psが排出される排紙トレイ17が設けられている。また、用紙Pの切断によって生ずる切断片Pkを受けて溜める容器(以降、「切屑容器」と称する)15が、本体ケース13の右側面において、表面から少し凹むように面が形成された凹部14内に配設されている。切屑容器15は、本実施形態では本体ケース13から搬送方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)に引き抜くことができるようになっており、その直交方向の端面が凹部14において露出するとともに、その端面において切屑容器15を引く抜くための取手16が設けられている。
【0015】
以下、プリンター11に設けられた各構成部位について、プリンター11に備えられた搬送部20として機能する複数のローラー対によって搬送される用紙Pの搬送順に従って説明する。搬送部20は、給紙ローラー対21、搬送ローラー対22,23,24,25、排紙ローラー対26を有する。まず、ロール紙RPから巻き解かれた用紙Pは、給紙ローラー対21によって、記録部30に給紙されるようになっている。記録部30は、インクを噴射する記録ヘッド31と、用紙Pを支持する支持台32と、を有する。
【0016】
記録部30では、ロール紙RPから給送された用紙Pを搬送して、用紙Pの上面(表面)に画像等を印字する。まず搬送ローラー対22によって記録ヘッド31と支持台32との間に用紙Pを送り出す。送り出された用紙Pの上面(表面)は記録ヘッド31に対して所定の距離を保って搬送され、このとき、用紙Pの上面に記録ヘッド31からインクが噴射されて印字が行われる。その後、用紙Pは、搬送ローラー対23によって切断部40に搬送される。
【0017】
切断部40は、回転刃などによって構成されるカッター41を機能部品として有し、用紙Pを、印字された画像等に対応する領域毎に切断する。このとき、切断部40では、印字された領域について搬送方向の端部に存在する不要な領域を取り除くように切断が行われるようになっている。このため、図示するように、用紙Pは、切断によって切断片Pkが発生し、発生した切断片Pkは重力方向に落下するようになっている。従って、この落下する切断片Pkを受けて溜めるために、切屑容器15が切断部40よりも下側に配設されている。
【0018】
切断後の用紙Psは、次に裏面に文字を印刷する裏面印字部50に搬送される。裏面印字部50は、インクリボンを用紙Psの下面(裏面)に押し付けてインクドットを形成する所謂インパクトドット方式の印字ユニット51と、用紙Psを印字の際に上側から支持する支持台52と、を有している。裏面印字部50では、搬送される用紙Psを、まず搬送ローラー対24によって印字ユニット51と支持台52との間に用紙Psを送り出す。そして、送り出された用紙Psは、その下面(裏面)に印字ユニット51によってドットが記録されることによって所定の文字が印字され、搬送ローラー対25によって搬送方向に送られる。
【0019】
その後、用紙Psは、例えば、乾燥部(不図示)に搬送され、機能部品としてのヒーターユニット(不図示)などによって乾燥が施されるなどの処理を経て、最後に排紙ローラー対26によって排紙トレイ17に排出されるようになっている。
【0020】
次に、本実施形態の記録部30の構成について詳しく説明する。
図2は、本発明の実施形態における記録部30を示す斜視図である。図3は、本発明の実施形態における支持台32が備えるプラテン60を示す平面図である。
図2における符号33は、記録ヘッド31を搭載したキャリッジを示す。本実施形態の記録ヘッド31は、搬送される用紙Pの幅方向(X軸方向)に移動するキャリッジ33に搭載される所謂シリアル型インクジェットヘッドである。なお、図2における符号34Aは、記録ヘッド31のフラッシング(予備噴射)を受けるフラッシングボックス(流体受け部材)を示し、同図における符号34Bは、キャップ部材を備えて記録ヘッド31のメンテナンス(保湿、吸引クリーニング等)を行うメンテナンスユニットを示す。
【0021】
キャリッジ33は、ガイドロッド35によって幅方向に移動自在に支持されている。キャリッジ33は、プーリー36に張架されたベルト37の駆動により、ガイドロッド35に沿って移動する構成となっている。ベルト37は、キャリッジモーター38により駆動される。また、記録部30には、キャリッジ33の移動経路に沿って、リニアエンコーダ39が設けられている。リニアエンコーダ39は、キャリッジ33の幅方向の位置を検出する。この検出信号は、位置情報として制御装置CONTに送信されるようになっている。制御装置CONTは、このリニアエンコーダ39からの位置情報に基づいて記録ヘッド31の走査位置を認識し、記録ヘッド31による印字動作等を制御するようになっている。
【0022】
支持台32は、用紙Pを支持する支持面60aを有するプラテン60を備える。図2及び図3に示すように、プラテン60の支持面60aには、用紙Pの平面性を保つために負圧を付与する吸引孔61が複数形成されている。また、プラテン60には、所謂フチなし印刷を行うために、支持面60aに開口してインクを受けるインク受部62が複数設けられている。インク受部62は、例えば、インクを吸収するスポンジ、不織布等のインク吸収体を備える。本実施形態の用紙Pの給紙形態は、所謂センター給紙を採用しており、インク受部62は、プラテン60のセンター位置に対して対称に配置されている。インク受部62は、用紙Pの規格(A4、B4、A3、B3等)に応じた紙幅に対応する位置にそれぞれ設けられている。
【0023】
複数の吸引孔61で用紙Pを吸引する吸引領域Aは、幅方向(X軸方向)に延在している。吸引孔61を介した吸引は、図2に示すファン63により行われる構成となっている。ファン63と、支持台32の底部とは、ダクト64を介して接続されている。
次に、本実施形態の支持台32の内部構成について詳しく説明する。
図4は、本発明の実施形態における支持台32の分解斜視図である。図5は、本発明の実施形態における支持台32の分解斜視図である。図6は、本発明の実施形態における支持台本体70の分解斜視図である。
【0024】
図4に示すように、支持台32は、プラテン60と、支持台本体70と、底部フレーム80と、が組み合わされて構成されている。支持台本体70には、吸引孔61に連通する空気室71と、インク受部62に連通するインク受室72とが形成されている。空気室71は、幅方向の位置に応じて複数に分割されている。より詳しくは、インク受室72により挟まれた領域毎に分割されている。なお、中央の空気室71を空気室71aと、空気室71aの外側で隣り合う空気室71を空気室71bと、空気室71bの外側で隣り合う空気室71を空気室71cと、空気室71cの外側で隣り合う空気室71を空気室71dと、空気室71dの外側で隣り合う空気室71を空気室71eと、空気室71eの外側で隣り合う空気室71を空気室71fと、称する。
【0025】
図5に示すように、空気室71a以外の空気室71の底部は、フレーム73及び弁体74によって閉塞されている。すなわち、空気室71aは、用紙Pの最小紙幅に対応する領域に設けられているために常時開放され、この空気室71aに連通する吸引孔61は、用紙Pの紙幅によらずに吸引を行うようになっている。
図6に示すように、空気室71a以外の空気室71には、それぞれ弁体74が設けられている。弁体74は、付勢部材75によって下方に付勢されている。弁体74は、搬送方向に延びる長方形状のベース部74aと、ベース部74aから下方に突出する突出部74bとを有する。突出部74bは、フレーム73に形成された開口部76に挿入可能な大きさを有する。
【0026】
図4に戻り、底部フレーム80は、支持台本体70の底部と接続され、チャンバーとして機能する構成となっている。底部フレーム80の中央部には、ダクト64(図2参照)が接続される開口部81が設けられている。この底部フレーム80には、支持台32の内部空間の内部において変位することにより、弁体74を選択的に持ち上げて、支持面60aの負圧を付与する領域を切り替えるカム機構(切替部材)91が設けられている。
【0027】
カム機構91は、幅方向に延びる回転軸91aを備え、該回転軸91a周りに回転自在に支持されており、各弁体74に対応する位置に、各弁体74に対応する形状のカム92を備える構成となっている。具体的に、カム機構91は、空気室71bの弁体74に対応するカム92bと、空気室71cの弁体74に対応するカム92cと、空気室71dの弁体74に対応するカム92dと、空気室71eの弁体74に対応するカム92eと、空気室71fの弁体74に対応するカム92fと、を有する。
【0028】
図7は、本発明の実施形態におけるカム機構91の要部を示す斜視図である。
図7(a)及び図7(b)に示すように、カム92の形状は、幅方向における位置に応じて異なる形状を有している。カム92は、弁体74の突出部74bと当接可能な径を有する凸部93を有しており、この凸部93の周方向に占める割合が、カム92b〜92fで異なっている。カム92bにおける凸部93の割合が最も多く、次に、カム92c〜92fの順で小さくなっている。
【0029】
具体的に、カム機構91を軸周りに変位させると、カム92b〜92fの全てが弁体74と当接しない状態と、カム92bのみが弁体74を持ち上げ空気室71bを開放する状態と、カム92b,92cが弁体74を持ち上げ空気室71b,72cを開放する状態と、カム92b〜92dが弁体74を持ち上げ空気室71b〜71dを開放する状態と、カム92b〜92eが弁体74を持ち上げ空気室71b〜71eを開放する状態と、カム92b〜92fの全てが弁体74を持ち上げ空気室71b〜71fの全てを開放する状態と、に切り替えることが可能となっている。
【0030】
例えば、図3に示す紙幅の用紙Pがセットされた場合は、カム機構91を変位駆動させ、カム92bのみが弁体74を持ち上げて空気室71bを開放する状態とさせる。そうすると、幅方向において、用紙Pから外れた吸引領域Aにおける吸引孔61c〜61fの各列における吸引を停止させることができる。なお、図3に示す吸引孔61aの各列は空気室71aに連通し、吸引孔61bの列は空気室71bに連通し、吸引孔61cの列は空気室71cに連通し、吸引孔61dの各列は空気室71dに連通し、吸引孔61eの各列は空気室71eに連通し、吸引孔61fの各列は空気室71fに連通している。
【0031】
続いて、図8〜図12を参照して上記構成のカム機構91を変位駆動させる変位駆動装置94の構成及び配置について説明する。
図8は、本発明の実施形態における変位駆動装置94の配置を示す図である。
なお、図8においては、視認性を向上させるため、キャリッジ33及びメンテナンスユニット34Bについて図示を省略している。
【0032】
変位駆動装置94は、フラッシングボックス34Aが設けられる支持台32の幅方向の一方側(+X側)に対して、支持台32の幅方向の他方側(−X側)に設けられている。すなわち、変位駆動装置94及びフラッシングボックス34Aは、幅方向で支持台32を挟んだ位置関係を有する。この変位駆動装置94は、支持台32の内部空間において変位するカム機構91に対して、その内部空間の外部からカム機構91を変位駆動させる構成となっている。変位駆動装置94は、支持台32の側部に露出するカム機構91の回転軸91aの一端部に設けられたギア機構95(図4参照)と、ギア機構95を駆動させるモーター96とを有する。
【0033】
図9は、本発明の実施形態における変位駆動装置94の取り付け状態を示す斜視図である。図10は、本発明の実施形態における変位駆動装置94を示す斜視図である。図11は、本発明の実施形態における変位駆動装置94を示す正面図である。図12は、本発明の実施形態における変位駆動装置94を示す右側面図である。図13は、本発明の実施形態におけるモーター96を示す斜視図である。
なお、図9においては、視認性を向上させるため、変位駆動装置94の上方に設けられたカバーフレーム(カバー部材)97及びファン63について図示を省略している。また、図10〜12においては、さらにモーター96を取り付ける取り付けフレーム98(図9参照)について図示を省略している。
【0034】
変位駆動装置94は、図11及び図12に示すように、支持台32の側部に設けられ、支持面60aよりも下方に設けられている。モーター96の駆動力は、出力軸96aを介してギア100aに伝達され、ギア100aを介してギア100bに伝達され、ギア100bと同軸に設けられた不図示のギアを介してギア100cに伝達され、ギア100cと接続されたカム機構91の回転軸91aに伝達される。
【0035】
図10に示すように、ギア100cと同軸には、回転軸91aと一体的に回転する略L字状のレバー部材101が設けられている。そして、レバー部材101が回転する経路を跨いでフォトインタラプタ(光学センサ)102が設けられている。フォトインタラプタ102は、光を投光する投光部102aと、該光を受光する受光部102bとを備え、レバー部材101により光が遮られたか否かを検出する構成となっている。本実施形態では、レバー部材101により光が遮られたときを、カム機構91の変位の原点として設定している。カム機構91の変位の原点は、例えば、カム92b〜92fの全てが弁体74と当接しない状態とする。
【0036】
モーター96は、DCモーターであり、出力軸96aの回転量を検出するロータリーエンコーダ(光学センサ)103を有する。フォトインタラプタ102及びロータリーエンコーダ103の検出結果は、制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、該検出結果に基づいてモーター96に指令を与え、カム機構91の変位駆動制御を行い、支持面60aに負圧を付与する領域を、セットされた用紙Pの紙幅に対応させる構成となっている。
【0037】
図13に示すように、モーター96には、フォトインタラプタ102及びギア100aを保持する保持部材104が締結されている。保持部材104には、取り付けフレーム98(図9参照)にモーター96を締結するための孔部105が形成されている。図9に示すように、取り付けフレーム98には、フォトインタラプタ102及びギア100aを挿入可能な開口部106が形成されている。したがって、組立時及び修理交換時等においては、モーター96と共にフォトインタラプタ102の取り付け及び取り外しが可能となるため、作業性が向上する。
【0038】
上記のように取り付けられた変位駆動装置94の上方には、図8に示すように、カバーフレーム97が設けられている。カバーフレーム97は、変位駆動装置94と支持面60aとの間において、支持台32から側方に延在して設けられ、変位駆動装置94の上方を覆う構成となっている。また、図2に示すように、このカバーフレーム97には、メンテナンスユニット34Bが設けられる構成となっている。
【0039】
続いて、上記構成のプリンター11の記録部30における作用を印字動作と共に説明する。
先ず、セットされた用紙Pの紙幅に基づいて、幅方向において、用紙Pから外れた吸引領域Aにおける吸引孔61による吸引を停止させる。具体的には、制御装置CONTが、変位駆動装置94に対し指令を与え、カム機構91を変位駆動させることで行う。図3に示す紙幅の用紙Pがセットされた場合、制御装置CONTは、セットされた用紙Pの紙幅情報に基づいてモーター96を駆動させ、カム機構91の変位量を制御し、カム92bのみが弁体74を持ち上げ空気室71bを開放する状態とさせる。そうすると、ファン63の駆動によって、常時開放されている空気室71aに連通する吸引孔61a及び開放された空気室71bに連通する吸引孔61bからの吸引が開始される。一方、空気室71c〜71fは、弁体74によって閉塞された状態となるので、幅方向において、用紙Pから外れた吸引領域Aにおける吸引孔61c〜61fによる吸引を停止させることができる。
【0040】
次に、搬送部20によって、用紙Pをプラテン60の支持面60aに沿ってY軸方向に搬送する。用紙Pの先端部が、吸引領域Aに進入すると、吸引孔61a,61bによる吸引力が作用し、用紙Pの平面度が保たれる。
次に、制御装置CONTは、記録ヘッド31によって平面度が保たれた用紙Pに対して印字を実行させるが、該印字前に所定時間が経過している等の場合は、先ずキャリッジ33を駆動させ、記録ヘッド31とフラッシングボックス34Aとを対向させた後、フラッシング(予備噴射)を実行させ、噴射特性の調整(メニスカスの調整、増粘インクの排出等)をする。
【0041】
このフラッシングの際、ミスト状のインクが発生しても、フラッシングボックス34Aが配置される一方側に対して支持台32を挟んだ他方側に変位駆動装置94が設けられているので、このミスト状のインクが、モーター96の出力軸96aやフォトインタラプタ102、ロータリーエンコーダ103等に付着してしまうことを抑制することができる。また、ミスト状のインクが、支持台32の幅方向の一方側から他方側に漂う間に、吸引孔61に吸われても、変位駆動装置94は、支持台32の内部空間の外部に配置されているため、この影響も回避することができる。
【0042】
また、用紙Pに対する印字中に、サテライトやミスショット等により発生したミスト状のインクは、記録ヘッド31が設けられた支持面60aよりも上方に漂うが、本実施形態では、変位駆動装置94を図11に示すように支持面60aよりも下方に設けているので、このミスト状のインクの変位駆動装置94への到達及び付着を抑制することができる。
加えて、本実施形態では、図8に示すように変位駆動装置94と支持面60aとの間においてカバーフレーム97を設けて上下を空間的に分離し、上方からのミスト状のインクの侵入を阻止すると共に、さらに、カバーフレーム97にメンテナンスユニット34Bを設けることで、スペースを有効活用しつつ上方からのミスト状のインクの侵入を阻止することができる。
【0043】
したがって、上述した本実施形態によれば、複数の吸引孔61が形成された支持面60aを有し、吸引孔61に連通する内部空間に負圧を付与して支持面60aに沿って搬送される用紙Pを支持する支持台32と、支持面60aに支持された用紙Pに対し、インクを噴射して印字する記録ヘッド31と、用紙Pの搬送方向と直交する幅方向において、支持台32の一方側に設けられ、上記インクの予備噴射を受けるフラッシングボックス34Aと、上記内部空間の内部において変位することにより支持面60aの上記負圧を付与する領域を切り替えるカム機構91と、上記幅方向における支持台32の他方側に設けられ、上記内部空間の外部においてカム機構91を変位駆動させる変位駆動装置94と、を有するプリンター11を採用することによって、カム機構91を変位駆動させる変位駆動装置94を、支持台32の内部空間の外部であって、インクの予備噴射を受けるフラッシングボックス34Aが配置される一方側に対して支持台32を挟んだ逆側の他方側に設けることにより、吸引孔61を介して内部空間にインクが進入しても変位駆動装置94にインクが付着することがなく、また、インクの予備噴射の位置から離れて変位駆動装置94が配置されるため、該予備噴射によって機内に漂ったインクの付着を抑制することができる。
したがって、本実施形態では、変位駆動装置94にミスト状のインクが付着することによる吸引領域の切り替えの誤作動を防止するこができる。
【0044】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0045】
例えば、上記実施形態においては、記録装置がプリンター11である場合を例にして説明したが、プリンターに限られず、複写機及びファクシミリ等の装置であってもよい。
【0046】
また、記録装置としては、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする記録装置を採用してもよい。本発明は、例えば微小量の液滴を吐出させる記録ヘッド等を備える各種の記録装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記記録装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、記録装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクが挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。また、記録装置の具体例としては、上記実施形態で説明したような用紙がロール状に巻かれたロール紙を収容体(ケース12)に備えた装置に限られない。例えば、可撓性を有する基板や金属板、あるいはプラスチックシートや布など、長尺状の記録媒体がロール状に巻かれているものを収容体に備えた装置であれば、いずれも記録装置として採用することができる。さらに、収容体に備えられた長尺状の記録媒体は、例えば葛折状になっているなどのように必ずしもロール状に巻かれていなくてもよい。
【符号の説明】
【0047】
11…プリンター(記録装置)、31…記録ヘッド、32…支持台、34A…フラッシングボックス(流体受け部材)、34B…メンテナンスユニット、60a…支持面、61…吸引孔、91…カム機構(切替部材)、94…変位駆動装置、97…カバーフレーム(カバー部材)、102…フォトインタラプタ(光学センサ)、103…ロータリーエンコーダ(光学センサ)、P…用紙(記録媒体)
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、記録装置としてインクジェット式プリンターが開示されている。
このインクジェット式プリンターは、複数の吸引孔が形成された支持台と、吸引孔内に負圧を生じさせるファンと、各吸引孔内の空気の流れを調整する弁と、弁の開弁状態と閉弁状態とを切り替えるカムを有する切替部材と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−280320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術のようなサクション方式のプリンターでは、上記切替部材を変位駆動させるモーター等の変位駆動装置を支持台の上記吸引孔と連通する内部空間に配置することがある。
しかしながら、支持台の内部空間に変位駆動装置を配置すると、例えば、印字時の噴射により発生したミスト状のインク(サテライトやミスショット等が要因)が吸引孔を介して内部空間に進入し、モーターの駆動軸や変位量を検出する光学センサ等に付着して、吸引領域の切り替えの誤作動を引き起こす場合がある。また、インクジェット式プリンターでは、印字前にインクを予備噴射(フラッシング)して、噴射特性の調整(メニスカスの調整、増粘インクの排出等)を行うが、その際に発生したミスト状のインクが機内に漂い、吸引孔から内部空間に進入する場合もある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、吸引領域の切り替えの誤作動を防止することのできる記録装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、複数の吸引孔が形成された支持面を有し、上記吸引孔に連通する内部空間に負圧を付与して上記支持面に沿って搬送される記録媒体を支持する支持台と、上記支持面に支持された上記記録媒体に対し、流体を噴射して印字する記録ヘッドと、上記記録媒体の搬送方向と直交する幅方向において、上記支持台の一方側に設けられ、上記流体の予備噴射を受ける流体受け部材と、上記内部空間の内部において変位することにより上記支持面の上記負圧を付与する領域を切り替える切替部材と、上記幅方向における上記支持台の他方側に設けられ、上記内部空間の外部において上記切替部材を変位駆動させる変位駆動装置と、を有する記録装置を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明は、切替部材を変位駆動させる変位駆動装置を、支持台の内部空間の外部であって、流体の予備噴射を受ける流体受け部材が配置される一方側に対して支持台を挟んだ逆側の他方側に設ける。これにより、吸引孔を介して内部空間に流体が進入しても変位駆動装置に流体が付着することがなく、また、流体の予備噴射の位置から離れて変位駆動装置が配置されるため、該予備噴射によって機内に漂った流体の付着を抑制することができる。
【0007】
また、本発明においては、上記変位駆動装置は、上記内部空間の外部において上記切替部材の変位に係る情報を検出する光学センサを有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、光学センサが備える投光部や受光部等に流体が付着することによる切替部材の変位に係る情報の誤検出を抑制することができる。
【0008】
また、本発明においては、上記支持面よりも上方に上記記録ヘッドが設けられ、上記支持面よりも下方に上記変位駆動装置が設けられているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、支持面よりも下方に変位駆動装置を設けることにより、記録ヘッドが設けられる支持面よりも上方で発生したミスト状の流体の変位駆動装置への付着を抑制することができる。
【0009】
また、本発明においては、上記変位駆動装置と上記支持面との間において上記支持台から側方に延在して設けられ、上記変位駆動装置の上方を覆うカバー部材を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、変位駆動装置の上方を覆うカバー部材を設けることで、記録ヘッドが設けられる支持面よりも上方で発生したミスト状の流体の変位駆動装置への付着を抑制することができる。
【0010】
また、本発明においては、上記カバー部材には、上記記録ヘッドをメンテナンスするメンテナンスユニットが設けられているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、変位駆動装置への付着を抑制するカバー部材にメンテナンスユニットを設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態におけるプリンターを示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態における記録部を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態における支持台が備えるプラテンを示す平面図である。
【図4】本発明の実施形態における支持台の分解斜視図である。
【図5】本発明の実施形態における支持台の分解斜視図である。
【図6】本発明の実施形態における支持台本体の分解斜視図である。
【図7】本発明の実施形態におけるカム機構の要部を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態における変位駆動装置の配置を示す図である。
【図9】本発明の実施形態における変位駆動装置の取り付け状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態における変位駆動装置を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施形態における変位駆動装置を示す正面図である。
【図12】本発明の実施形態における変位駆動装置を示す右側面図である。
【図13】本発明の実施形態におけるモーターを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る記録装置の実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面では、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明することがある。ここで、水平面内の所定方向をX軸方向(幅方向)、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向(搬送方向)、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向とする。
本実施形態では、記録装置として、インクジェット式プリンター(以下、単にプリンターと称する)について例示する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態におけるプリンター11を示す概略構成図である。
プリンター11は、ロール状に巻かれたロール紙RPから延出される長尺の用紙(記録媒体)Pに対して、インク(流体)を記録ヘッド31から噴射して画像や文字等を印字する構成となっている。プリンター11は、ロール紙RPから延出された用紙Pを搬送する搬送部20と、用紙Pに対し印字を行う記録部30と、印字を経た用紙Pを所定サイズに切断する切断部40と、切断後の用紙Psの裏面に印字を行う裏面印字部50と、上記各構成部位の動作を統括的に制御する制御装置CONTと、を有している。
【0014】
プリンター11は、ロール紙RPを収容するケース12と、搬送部20、記録部30、切断部40、裏面印字部50等を収容する本体ケース13と、を備えている。そして、本体ケース13の前側(+Y側)には、印字が施されて切断された用紙Psが排出される排紙トレイ17が設けられている。また、用紙Pの切断によって生ずる切断片Pkを受けて溜める容器(以降、「切屑容器」と称する)15が、本体ケース13の右側面において、表面から少し凹むように面が形成された凹部14内に配設されている。切屑容器15は、本実施形態では本体ケース13から搬送方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)に引き抜くことができるようになっており、その直交方向の端面が凹部14において露出するとともに、その端面において切屑容器15を引く抜くための取手16が設けられている。
【0015】
以下、プリンター11に設けられた各構成部位について、プリンター11に備えられた搬送部20として機能する複数のローラー対によって搬送される用紙Pの搬送順に従って説明する。搬送部20は、給紙ローラー対21、搬送ローラー対22,23,24,25、排紙ローラー対26を有する。まず、ロール紙RPから巻き解かれた用紙Pは、給紙ローラー対21によって、記録部30に給紙されるようになっている。記録部30は、インクを噴射する記録ヘッド31と、用紙Pを支持する支持台32と、を有する。
【0016】
記録部30では、ロール紙RPから給送された用紙Pを搬送して、用紙Pの上面(表面)に画像等を印字する。まず搬送ローラー対22によって記録ヘッド31と支持台32との間に用紙Pを送り出す。送り出された用紙Pの上面(表面)は記録ヘッド31に対して所定の距離を保って搬送され、このとき、用紙Pの上面に記録ヘッド31からインクが噴射されて印字が行われる。その後、用紙Pは、搬送ローラー対23によって切断部40に搬送される。
【0017】
切断部40は、回転刃などによって構成されるカッター41を機能部品として有し、用紙Pを、印字された画像等に対応する領域毎に切断する。このとき、切断部40では、印字された領域について搬送方向の端部に存在する不要な領域を取り除くように切断が行われるようになっている。このため、図示するように、用紙Pは、切断によって切断片Pkが発生し、発生した切断片Pkは重力方向に落下するようになっている。従って、この落下する切断片Pkを受けて溜めるために、切屑容器15が切断部40よりも下側に配設されている。
【0018】
切断後の用紙Psは、次に裏面に文字を印刷する裏面印字部50に搬送される。裏面印字部50は、インクリボンを用紙Psの下面(裏面)に押し付けてインクドットを形成する所謂インパクトドット方式の印字ユニット51と、用紙Psを印字の際に上側から支持する支持台52と、を有している。裏面印字部50では、搬送される用紙Psを、まず搬送ローラー対24によって印字ユニット51と支持台52との間に用紙Psを送り出す。そして、送り出された用紙Psは、その下面(裏面)に印字ユニット51によってドットが記録されることによって所定の文字が印字され、搬送ローラー対25によって搬送方向に送られる。
【0019】
その後、用紙Psは、例えば、乾燥部(不図示)に搬送され、機能部品としてのヒーターユニット(不図示)などによって乾燥が施されるなどの処理を経て、最後に排紙ローラー対26によって排紙トレイ17に排出されるようになっている。
【0020】
次に、本実施形態の記録部30の構成について詳しく説明する。
図2は、本発明の実施形態における記録部30を示す斜視図である。図3は、本発明の実施形態における支持台32が備えるプラテン60を示す平面図である。
図2における符号33は、記録ヘッド31を搭載したキャリッジを示す。本実施形態の記録ヘッド31は、搬送される用紙Pの幅方向(X軸方向)に移動するキャリッジ33に搭載される所謂シリアル型インクジェットヘッドである。なお、図2における符号34Aは、記録ヘッド31のフラッシング(予備噴射)を受けるフラッシングボックス(流体受け部材)を示し、同図における符号34Bは、キャップ部材を備えて記録ヘッド31のメンテナンス(保湿、吸引クリーニング等)を行うメンテナンスユニットを示す。
【0021】
キャリッジ33は、ガイドロッド35によって幅方向に移動自在に支持されている。キャリッジ33は、プーリー36に張架されたベルト37の駆動により、ガイドロッド35に沿って移動する構成となっている。ベルト37は、キャリッジモーター38により駆動される。また、記録部30には、キャリッジ33の移動経路に沿って、リニアエンコーダ39が設けられている。リニアエンコーダ39は、キャリッジ33の幅方向の位置を検出する。この検出信号は、位置情報として制御装置CONTに送信されるようになっている。制御装置CONTは、このリニアエンコーダ39からの位置情報に基づいて記録ヘッド31の走査位置を認識し、記録ヘッド31による印字動作等を制御するようになっている。
【0022】
支持台32は、用紙Pを支持する支持面60aを有するプラテン60を備える。図2及び図3に示すように、プラテン60の支持面60aには、用紙Pの平面性を保つために負圧を付与する吸引孔61が複数形成されている。また、プラテン60には、所謂フチなし印刷を行うために、支持面60aに開口してインクを受けるインク受部62が複数設けられている。インク受部62は、例えば、インクを吸収するスポンジ、不織布等のインク吸収体を備える。本実施形態の用紙Pの給紙形態は、所謂センター給紙を採用しており、インク受部62は、プラテン60のセンター位置に対して対称に配置されている。インク受部62は、用紙Pの規格(A4、B4、A3、B3等)に応じた紙幅に対応する位置にそれぞれ設けられている。
【0023】
複数の吸引孔61で用紙Pを吸引する吸引領域Aは、幅方向(X軸方向)に延在している。吸引孔61を介した吸引は、図2に示すファン63により行われる構成となっている。ファン63と、支持台32の底部とは、ダクト64を介して接続されている。
次に、本実施形態の支持台32の内部構成について詳しく説明する。
図4は、本発明の実施形態における支持台32の分解斜視図である。図5は、本発明の実施形態における支持台32の分解斜視図である。図6は、本発明の実施形態における支持台本体70の分解斜視図である。
【0024】
図4に示すように、支持台32は、プラテン60と、支持台本体70と、底部フレーム80と、が組み合わされて構成されている。支持台本体70には、吸引孔61に連通する空気室71と、インク受部62に連通するインク受室72とが形成されている。空気室71は、幅方向の位置に応じて複数に分割されている。より詳しくは、インク受室72により挟まれた領域毎に分割されている。なお、中央の空気室71を空気室71aと、空気室71aの外側で隣り合う空気室71を空気室71bと、空気室71bの外側で隣り合う空気室71を空気室71cと、空気室71cの外側で隣り合う空気室71を空気室71dと、空気室71dの外側で隣り合う空気室71を空気室71eと、空気室71eの外側で隣り合う空気室71を空気室71fと、称する。
【0025】
図5に示すように、空気室71a以外の空気室71の底部は、フレーム73及び弁体74によって閉塞されている。すなわち、空気室71aは、用紙Pの最小紙幅に対応する領域に設けられているために常時開放され、この空気室71aに連通する吸引孔61は、用紙Pの紙幅によらずに吸引を行うようになっている。
図6に示すように、空気室71a以外の空気室71には、それぞれ弁体74が設けられている。弁体74は、付勢部材75によって下方に付勢されている。弁体74は、搬送方向に延びる長方形状のベース部74aと、ベース部74aから下方に突出する突出部74bとを有する。突出部74bは、フレーム73に形成された開口部76に挿入可能な大きさを有する。
【0026】
図4に戻り、底部フレーム80は、支持台本体70の底部と接続され、チャンバーとして機能する構成となっている。底部フレーム80の中央部には、ダクト64(図2参照)が接続される開口部81が設けられている。この底部フレーム80には、支持台32の内部空間の内部において変位することにより、弁体74を選択的に持ち上げて、支持面60aの負圧を付与する領域を切り替えるカム機構(切替部材)91が設けられている。
【0027】
カム機構91は、幅方向に延びる回転軸91aを備え、該回転軸91a周りに回転自在に支持されており、各弁体74に対応する位置に、各弁体74に対応する形状のカム92を備える構成となっている。具体的に、カム機構91は、空気室71bの弁体74に対応するカム92bと、空気室71cの弁体74に対応するカム92cと、空気室71dの弁体74に対応するカム92dと、空気室71eの弁体74に対応するカム92eと、空気室71fの弁体74に対応するカム92fと、を有する。
【0028】
図7は、本発明の実施形態におけるカム機構91の要部を示す斜視図である。
図7(a)及び図7(b)に示すように、カム92の形状は、幅方向における位置に応じて異なる形状を有している。カム92は、弁体74の突出部74bと当接可能な径を有する凸部93を有しており、この凸部93の周方向に占める割合が、カム92b〜92fで異なっている。カム92bにおける凸部93の割合が最も多く、次に、カム92c〜92fの順で小さくなっている。
【0029】
具体的に、カム機構91を軸周りに変位させると、カム92b〜92fの全てが弁体74と当接しない状態と、カム92bのみが弁体74を持ち上げ空気室71bを開放する状態と、カム92b,92cが弁体74を持ち上げ空気室71b,72cを開放する状態と、カム92b〜92dが弁体74を持ち上げ空気室71b〜71dを開放する状態と、カム92b〜92eが弁体74を持ち上げ空気室71b〜71eを開放する状態と、カム92b〜92fの全てが弁体74を持ち上げ空気室71b〜71fの全てを開放する状態と、に切り替えることが可能となっている。
【0030】
例えば、図3に示す紙幅の用紙Pがセットされた場合は、カム機構91を変位駆動させ、カム92bのみが弁体74を持ち上げて空気室71bを開放する状態とさせる。そうすると、幅方向において、用紙Pから外れた吸引領域Aにおける吸引孔61c〜61fの各列における吸引を停止させることができる。なお、図3に示す吸引孔61aの各列は空気室71aに連通し、吸引孔61bの列は空気室71bに連通し、吸引孔61cの列は空気室71cに連通し、吸引孔61dの各列は空気室71dに連通し、吸引孔61eの各列は空気室71eに連通し、吸引孔61fの各列は空気室71fに連通している。
【0031】
続いて、図8〜図12を参照して上記構成のカム機構91を変位駆動させる変位駆動装置94の構成及び配置について説明する。
図8は、本発明の実施形態における変位駆動装置94の配置を示す図である。
なお、図8においては、視認性を向上させるため、キャリッジ33及びメンテナンスユニット34Bについて図示を省略している。
【0032】
変位駆動装置94は、フラッシングボックス34Aが設けられる支持台32の幅方向の一方側(+X側)に対して、支持台32の幅方向の他方側(−X側)に設けられている。すなわち、変位駆動装置94及びフラッシングボックス34Aは、幅方向で支持台32を挟んだ位置関係を有する。この変位駆動装置94は、支持台32の内部空間において変位するカム機構91に対して、その内部空間の外部からカム機構91を変位駆動させる構成となっている。変位駆動装置94は、支持台32の側部に露出するカム機構91の回転軸91aの一端部に設けられたギア機構95(図4参照)と、ギア機構95を駆動させるモーター96とを有する。
【0033】
図9は、本発明の実施形態における変位駆動装置94の取り付け状態を示す斜視図である。図10は、本発明の実施形態における変位駆動装置94を示す斜視図である。図11は、本発明の実施形態における変位駆動装置94を示す正面図である。図12は、本発明の実施形態における変位駆動装置94を示す右側面図である。図13は、本発明の実施形態におけるモーター96を示す斜視図である。
なお、図9においては、視認性を向上させるため、変位駆動装置94の上方に設けられたカバーフレーム(カバー部材)97及びファン63について図示を省略している。また、図10〜12においては、さらにモーター96を取り付ける取り付けフレーム98(図9参照)について図示を省略している。
【0034】
変位駆動装置94は、図11及び図12に示すように、支持台32の側部に設けられ、支持面60aよりも下方に設けられている。モーター96の駆動力は、出力軸96aを介してギア100aに伝達され、ギア100aを介してギア100bに伝達され、ギア100bと同軸に設けられた不図示のギアを介してギア100cに伝達され、ギア100cと接続されたカム機構91の回転軸91aに伝達される。
【0035】
図10に示すように、ギア100cと同軸には、回転軸91aと一体的に回転する略L字状のレバー部材101が設けられている。そして、レバー部材101が回転する経路を跨いでフォトインタラプタ(光学センサ)102が設けられている。フォトインタラプタ102は、光を投光する投光部102aと、該光を受光する受光部102bとを備え、レバー部材101により光が遮られたか否かを検出する構成となっている。本実施形態では、レバー部材101により光が遮られたときを、カム機構91の変位の原点として設定している。カム機構91の変位の原点は、例えば、カム92b〜92fの全てが弁体74と当接しない状態とする。
【0036】
モーター96は、DCモーターであり、出力軸96aの回転量を検出するロータリーエンコーダ(光学センサ)103を有する。フォトインタラプタ102及びロータリーエンコーダ103の検出結果は、制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、該検出結果に基づいてモーター96に指令を与え、カム機構91の変位駆動制御を行い、支持面60aに負圧を付与する領域を、セットされた用紙Pの紙幅に対応させる構成となっている。
【0037】
図13に示すように、モーター96には、フォトインタラプタ102及びギア100aを保持する保持部材104が締結されている。保持部材104には、取り付けフレーム98(図9参照)にモーター96を締結するための孔部105が形成されている。図9に示すように、取り付けフレーム98には、フォトインタラプタ102及びギア100aを挿入可能な開口部106が形成されている。したがって、組立時及び修理交換時等においては、モーター96と共にフォトインタラプタ102の取り付け及び取り外しが可能となるため、作業性が向上する。
【0038】
上記のように取り付けられた変位駆動装置94の上方には、図8に示すように、カバーフレーム97が設けられている。カバーフレーム97は、変位駆動装置94と支持面60aとの間において、支持台32から側方に延在して設けられ、変位駆動装置94の上方を覆う構成となっている。また、図2に示すように、このカバーフレーム97には、メンテナンスユニット34Bが設けられる構成となっている。
【0039】
続いて、上記構成のプリンター11の記録部30における作用を印字動作と共に説明する。
先ず、セットされた用紙Pの紙幅に基づいて、幅方向において、用紙Pから外れた吸引領域Aにおける吸引孔61による吸引を停止させる。具体的には、制御装置CONTが、変位駆動装置94に対し指令を与え、カム機構91を変位駆動させることで行う。図3に示す紙幅の用紙Pがセットされた場合、制御装置CONTは、セットされた用紙Pの紙幅情報に基づいてモーター96を駆動させ、カム機構91の変位量を制御し、カム92bのみが弁体74を持ち上げ空気室71bを開放する状態とさせる。そうすると、ファン63の駆動によって、常時開放されている空気室71aに連通する吸引孔61a及び開放された空気室71bに連通する吸引孔61bからの吸引が開始される。一方、空気室71c〜71fは、弁体74によって閉塞された状態となるので、幅方向において、用紙Pから外れた吸引領域Aにおける吸引孔61c〜61fによる吸引を停止させることができる。
【0040】
次に、搬送部20によって、用紙Pをプラテン60の支持面60aに沿ってY軸方向に搬送する。用紙Pの先端部が、吸引領域Aに進入すると、吸引孔61a,61bによる吸引力が作用し、用紙Pの平面度が保たれる。
次に、制御装置CONTは、記録ヘッド31によって平面度が保たれた用紙Pに対して印字を実行させるが、該印字前に所定時間が経過している等の場合は、先ずキャリッジ33を駆動させ、記録ヘッド31とフラッシングボックス34Aとを対向させた後、フラッシング(予備噴射)を実行させ、噴射特性の調整(メニスカスの調整、増粘インクの排出等)をする。
【0041】
このフラッシングの際、ミスト状のインクが発生しても、フラッシングボックス34Aが配置される一方側に対して支持台32を挟んだ他方側に変位駆動装置94が設けられているので、このミスト状のインクが、モーター96の出力軸96aやフォトインタラプタ102、ロータリーエンコーダ103等に付着してしまうことを抑制することができる。また、ミスト状のインクが、支持台32の幅方向の一方側から他方側に漂う間に、吸引孔61に吸われても、変位駆動装置94は、支持台32の内部空間の外部に配置されているため、この影響も回避することができる。
【0042】
また、用紙Pに対する印字中に、サテライトやミスショット等により発生したミスト状のインクは、記録ヘッド31が設けられた支持面60aよりも上方に漂うが、本実施形態では、変位駆動装置94を図11に示すように支持面60aよりも下方に設けているので、このミスト状のインクの変位駆動装置94への到達及び付着を抑制することができる。
加えて、本実施形態では、図8に示すように変位駆動装置94と支持面60aとの間においてカバーフレーム97を設けて上下を空間的に分離し、上方からのミスト状のインクの侵入を阻止すると共に、さらに、カバーフレーム97にメンテナンスユニット34Bを設けることで、スペースを有効活用しつつ上方からのミスト状のインクの侵入を阻止することができる。
【0043】
したがって、上述した本実施形態によれば、複数の吸引孔61が形成された支持面60aを有し、吸引孔61に連通する内部空間に負圧を付与して支持面60aに沿って搬送される用紙Pを支持する支持台32と、支持面60aに支持された用紙Pに対し、インクを噴射して印字する記録ヘッド31と、用紙Pの搬送方向と直交する幅方向において、支持台32の一方側に設けられ、上記インクの予備噴射を受けるフラッシングボックス34Aと、上記内部空間の内部において変位することにより支持面60aの上記負圧を付与する領域を切り替えるカム機構91と、上記幅方向における支持台32の他方側に設けられ、上記内部空間の外部においてカム機構91を変位駆動させる変位駆動装置94と、を有するプリンター11を採用することによって、カム機構91を変位駆動させる変位駆動装置94を、支持台32の内部空間の外部であって、インクの予備噴射を受けるフラッシングボックス34Aが配置される一方側に対して支持台32を挟んだ逆側の他方側に設けることにより、吸引孔61を介して内部空間にインクが進入しても変位駆動装置94にインクが付着することがなく、また、インクの予備噴射の位置から離れて変位駆動装置94が配置されるため、該予備噴射によって機内に漂ったインクの付着を抑制することができる。
したがって、本実施形態では、変位駆動装置94にミスト状のインクが付着することによる吸引領域の切り替えの誤作動を防止するこができる。
【0044】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0045】
例えば、上記実施形態においては、記録装置がプリンター11である場合を例にして説明したが、プリンターに限られず、複写機及びファクシミリ等の装置であってもよい。
【0046】
また、記録装置としては、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする記録装置を採用してもよい。本発明は、例えば微小量の液滴を吐出させる記録ヘッド等を備える各種の記録装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記記録装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、記録装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクが挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。また、記録装置の具体例としては、上記実施形態で説明したような用紙がロール状に巻かれたロール紙を収容体(ケース12)に備えた装置に限られない。例えば、可撓性を有する基板や金属板、あるいはプラスチックシートや布など、長尺状の記録媒体がロール状に巻かれているものを収容体に備えた装置であれば、いずれも記録装置として採用することができる。さらに、収容体に備えられた長尺状の記録媒体は、例えば葛折状になっているなどのように必ずしもロール状に巻かれていなくてもよい。
【符号の説明】
【0047】
11…プリンター(記録装置)、31…記録ヘッド、32…支持台、34A…フラッシングボックス(流体受け部材)、34B…メンテナンスユニット、60a…支持面、61…吸引孔、91…カム機構(切替部材)、94…変位駆動装置、97…カバーフレーム(カバー部材)、102…フォトインタラプタ(光学センサ)、103…ロータリーエンコーダ(光学センサ)、P…用紙(記録媒体)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の吸引孔が形成された支持面を有し、前記吸引孔に連通する内部空間に負圧を付与して前記支持面に沿って搬送される記録媒体を支持する支持台と、
前記支持面に支持された前記記録媒体に対し、流体を噴射して印字する記録ヘッドと、
前記記録媒体の搬送方向と直交する幅方向において、前記支持台の一方側に設けられ、前記流体の予備噴射を受ける流体受け部材と、
前記内部空間の内部において変位することにより前記支持面の前記負圧を付与する領域を切り替える切替部材と、
前記幅方向における前記支持台の他方側に設けられ、前記内部空間の外部において前記切替部材を変位駆動させる変位駆動装置と、を有することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記変位駆動装置は、前記内部空間の外部において前記切替部材の変位に係る情報を検出する光学センサを有することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記支持面よりも上方に前記記録ヘッドが設けられ、前記支持面よりも下方に前記変位駆動装置が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記変位駆動装置と前記支持面との間において前記支持台から側方に延在して設けられ、前記変位駆動装置の上方を覆うカバー部材を有することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記カバー部材には、前記記録ヘッドをメンテナンスするメンテナンスユニットが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項1】
複数の吸引孔が形成された支持面を有し、前記吸引孔に連通する内部空間に負圧を付与して前記支持面に沿って搬送される記録媒体を支持する支持台と、
前記支持面に支持された前記記録媒体に対し、流体を噴射して印字する記録ヘッドと、
前記記録媒体の搬送方向と直交する幅方向において、前記支持台の一方側に設けられ、前記流体の予備噴射を受ける流体受け部材と、
前記内部空間の内部において変位することにより前記支持面の前記負圧を付与する領域を切り替える切替部材と、
前記幅方向における前記支持台の他方側に設けられ、前記内部空間の外部において前記切替部材を変位駆動させる変位駆動装置と、を有することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記変位駆動装置は、前記内部空間の外部において前記切替部材の変位に係る情報を検出する光学センサを有することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記支持面よりも上方に前記記録ヘッドが設けられ、前記支持面よりも下方に前記変位駆動装置が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記変位駆動装置と前記支持面との間において前記支持台から側方に延在して設けられ、前記変位駆動装置の上方を覆うカバー部材を有することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記カバー部材には、前記記録ヘッドをメンテナンスするメンテナンスユニットが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−101500(P2012−101500A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253543(P2010−253543)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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