説明

許可ドメインポリシの方法

本発明は、複数のエントリ識別子を有するドメインにおいて、エントリ識別子から、マルチメディアコンテンツへのアクセスを決定する方法及び装置に関し、該マルチメディアコンテンツは、該マルチメディアコンテンツにアクセスし得るエントリ識別子の数を示すアクセス番号nを割り当てられる。このことは、前記ネットワークドメインにおける前記エントリ識別子の少なくともいくつかを示すドメインリストにアクセスすることによって、及び、前記エントリ識別子が、評価ルールにより決定される前記ドメインリストにおけるn個のエントリの間にある場合、エントリ識別子が前記マルチメディアコンテンツにアクセスし得ることを更に決定することによって、得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エントリ識別子から、マルチメディアコンテンツへのアクセスを決定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチメディアコンテンツを不正な複製からどの様に守るべきかに関して、コンテンツ所有者と、供給者と、消費者との間で、相違し、いくらかの衝突する利害が存在する。一方では、コンテンツ所有者及び供給者は、当然ながら自身の著作権を保護したい、他方、コンテンツの消費者は、非制限的で複雑でないコンテンツの使用を許可されたい。許可されたドメインの主な目的は、消費者が許可ドメイン全体において、コンテンツに自由にアクセスし、自由にコンテンツを配布し、一方同時に、コンテンツ所有者及び供給者の権利は、コンテンツの非制限的なデジタル複製及びドメインにまたがるコンテンツ配布を回避するために、厳格なインポート及びエクスポートのルールを課すことにより保護されるという意味では、コンテンツ所有者(及び/又はコンテンツ供給者)とコンテンツ消費者の両方の利害を尊重する。
【0003】
許可ドメインの基本的な原則は、許可ドメインの境界を渡らない限り、コンテンツが比較的自由に使用され得る制御されたネットワーク環境を有することである。典型的に許可ドメインは、家庭内環境の周りに集中され、ホームネットワークとも呼ばれる。もちろん他のシナリオも可能である。ユーザは、例えば旅行にポータブルテレビを持っていくことができ、ホテルにおいて、家にある自分のパーソナルビデオレコーダに記憶されたコンテンツにアクセスするために、該テレビを使用することができることもあり得る。ポータブルテレビはホームネットワークの外側にあるにも関わらず、該テレビは、ユーザの許可ドメインの一部である。
【0004】
許可ドメイン(AD)は、装置ベース、人ベース、又は2つのハイブリッドであり得る。典型的に、装置ベースの許可ドメインにおいて、ドメインは、装置とコンテンツアイテムとの特定のセットにより形成される。このような装置ベースのADの例は、同出願人による国際特許出願公開WO03/098931(代理人整理番号PHNL020455)、国際特許出願公開WO2005/088896(代理人整理番号PHNL040288)、及び国際特許出願公開WO04/027588(代理人整理番号PHNL030283)により与えられ、これらは全て参照によりここで組み込まれる。
【0005】
あるタイプの装置ベースADは、ドメインに束縛されたクライアントのセットに、該ドメインに束縛されたコンテンツにアクセスすることを許可する。この2つの束縛は、全てのメンバが当該コンテンツにアクセスすることができることを保証する。装置の特定のセットの様々なユーザのいかなる区別もなされない。装置ベースの許可ドメインシステムの欠点は、ユーザが特定の制限されたセットの装置に制限されるので、ユーザの所望する又は必要とする典型的な柔軟性を通常提供しないことである。このように、ユーザが何時、何処で、どの装置において得るかを、ユーザが選択する権利を行使することを、ユーザは許可されていない。
【0006】
前のソリューションの他のタイプは、例えば同出願人による国際特許出願公開WO2004/038568(出願人整理番号PHNL021063)に開示されるような人ベースの許可ドメインであり、参照によりここに組み込まれる。ここで該ドメインは、装置ベース許可ドメインの場合のような装置の代わりに人に基づく。人ベース許可ドメインにおいて、コンテンツは、人に結合され、それから該人はドメインにグループ化される。典型的な人ベース許可ドメインにおいて、当該許可ドメインに束縛されたコンテンツへのアクセスは、例えば準拠した装置を使用する、特定の制限されたセットのユーザのみにより許可される。人ベースの許可ドメインは、典型的に装置ベースの許可ドメインと比較して、より容易なドメイン管理を提供する。しかしながら、人ベースのシステムは、あまり便利ではない、又はユーザにより好まれない、人の識別情報をいつも必要とする。
【0007】
いわゆるハイブリッド許可ドメインベースのDRMシステムは、コンテンツと、装置及び人を含み得るグループとを結びつける。ハイブリッドADシステムの例は、国際特許出願公開WO2005/010879(代理人整理番号PHNL030926)、及び国際特許出願公開WO2005/093544(代理人整理番号PHNL040315)に見つけられ、参照により両方ともここに含まれる。
【0008】
国際特許出願番号IB2005/053531(PHNL041254)は、設計により装置ベースであるADシステムにおけるドメインのコンテンツに対して、人ベースのアクセスを許可する態様を開示する。
【0009】
許可ドメインにおける非常に重要な機能は、誰(人)又は何(装置)がいくつかのポリシによる許可ドメインの部分になり得るか、及びそれらがどのようにコンテンツアイテムにアクセスすることができるのかを決定する許可ドメイン管理である。最も一般的な許可ドメインポリシは、単純に、ドメインがいくつの装置及び/又は何人の人がドメインにおいて許可されるかについての数の、組み込んだ固定の、変更不可能な上限を有するというものである。実施するのにシンプルなルールであるが、このようなルールは、コンテンツ消費者にとって理想的にはかけ離れている。1つには、両者が同意しなければならない制限として、適切な制限を選択することが困難だからである。さらに自身のドメインにおいて、装置及び/又は人を変更することは、新たなものを加えることを許可される前に1つの物及び/又は1人の人を削除しなければならず、かなり扱いにくくなる。また、記載されたポリシは、コンテンツ供給者に対して、例えば特別な申し出等に基づいてこの最大数を変更するという可能性を付与しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
それゆえ、本発明の目的は、非制限的なデジタルの使用を避けるために厳格なルールを課すと共に、許可ドメイン内のコンテンツアイテムがどこで誰にアクセスされるかに関して、コンテンツ消費者に最大の柔軟性を付与することにより、コンテンツ所有者(及び/又はコンテンツ供給者)の利害及び権利の両方を尊重しながら、上記の問題を克服する許可ドメインポリシを記載することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このことは、本発明の一実施例において、複数のエントリ識別子を有するドメインにおいて、エントリ識別子から、マルチメディアコンテンツへのアクセスを決定する方法により得られ、前記アクセスが、前記マルチメディアコンテンツにアクセスし得るエントリ識別子の数を示すアクセス番号nを使用して決定され、前記方法は、
‐前記ネットワークドメインにおける前記エントリ識別子の少なくともいくつかを示すドメインリストにアクセスするステップと、
‐前記エントリ識別子が評価ルールにより決定された前記ドメインリストにおけるn個のエントリの間にある場合、前記エントリ識別子が前記マルチメディアコンテンツにアクセスし得ることを決定するステップと、
を有する。
【0012】
これによって、例えば消費者が更に支払うことを選択する等、特別な申し出の間、コンテンツ供給者は、マルチメディアコンテンツに接続されたアクセス数nを容易に変更することができるということが得られる。このことは、異なるサービスプロバイダ間の競争を刺激し得るという点で有利である。それにも関わらず、コンテンツ供給者は、マルチメディアコンテンツを使用するドメインのサイズに渡る完全な制御を依然として有し、それゆえ、コンテンツの非制限的な複製が、依然として維持される。マルチメディアコンテンツへのアクセスを決定する提示された方法による更なる利点は、(アクセス番号nが変化したとしても)許可ドメインが同じままであり得ることである。このことは、コンテンツ消費者にとって、許可ドメインを作り、維持し、使用することを、より容易に、より理解しやすくする。更に、許可ドメインにおける人又はコンテンツ消費者は、所望すれば、しなくても良いが、エントリ識別子に渡って順序付けられたドメインリストを作ることができる。このような順序は、特定のマルチメディア装置に関して、最も重要であり関連する装置/人におけるコンテンツを、ユーザが常に使用することができるという点で、マルチメディアコンテンツの消費者及びユーザの優先順位を保証する。更にドメインリストが固定された変更不可能な長さではないので、ドメインリストにおいて生じるエントリ識別子の順序は容易に変更することができ、すなわちエントリ識別子が加えられ、削除され、又は再度順序付けされ得る。更なる利点は、詳細な説明を通じて言及される。
【0013】
他の実施例における方法は、前記マルチメディアコンテンツのカテゴリを決定するステップと、前記マルチメディアコンテンツの前記カテゴリにリンクされたドメインリストにアクセスするステップとを更に有する。これにより、異なるドメインリストは、ドメインが同じままであるとしても、システムの最大の柔軟性をもたらすマルチメディアコンテンツの特定のカテゴリ又はタイプをあわせるために作られるということが得られる。
【0014】
更なる実施例において、上記の方法は、前記マルチメディアコンテンツのカテゴリを決定するステップと、それから前記エントリ識別子が前記マルチメディアコンテンツにアクセスし得るかどうかの決定において、前記マルチメディアコンテンツの前記カテゴリにリンクされた評価ルールを使用するステップとを有する。
【0015】
他の実施例において、上記の方法は、更に、前記エントリ識別子が更新のときにネットワークに接続されることにより、前記エントリ識別子が、更新のときにネットワーク上で利用可能であることにより、又は前記エントリ識別子が、更新のときに最も使用されることによって、前記ドメインリストを更新するステップを有する。3つの提案されたルールの何れかにしたがってドメインリストを更新することにより、コンテンツアイテムへのアクセスは、ドメインにおいて最も関連する装置及び/又は人に許可されるということが得られる。
【0016】
本発明は、処理ユニットに、上に記載の何れかにしたがう方法を実行させるための命令を記憶したコンピュータ読取可能媒体にも関する。これに対する利点は、アクセスを決定する方法に関して上述の通りである。
【0017】
本発明は、更に、複数のエントリ識別子を有するドメインにおいて、エントリ識別子から、マルチメディアコンテンツへのアクセスを決定する装置に関し、前記アクセスは、前記マルチメディアコンテンツにアクセスし得るエントリ識別子の数を示すアクセス番号nを使用して決定され、前記装置は、前記ネットワークドメインにおける前記エントリ識別子の少なくともいくつかを示すドメインリストにアクセスする手段と、エントリ識別子が、評価ルールにより決定される前記ドメインリストにおけるn個のエントリの間にあるかどうかを評価することにより、前記エントリ識別子が前記マルチメディアコンテンツにアクセスし得るかどうかを決定する手段とを有する。これに対する利点は、アクセスを決定する方法に関して、上述の通りであり、更なる利点が、記載と通じて言及される。
【0018】
本発明の他の実施例において、上述の装置は、前記マルチメディアコンテンツのカテゴリを決定する手段を更に有する。上述の装置は、更なる実施例にしたがって、前記マルチメディアコンテンツの前記カテゴリにリンクされたドメインリストを評価する手段か、又は、前記エントリ識別子が前記マルチメディアコンテンツにアクセスし得るかどうかの決定において、前記マルチメディアコンテンツの前記カテゴリにリンクされた評価ルールを適用する手段を有し得る。
【0019】
本発明によると、装置は、上述によるアクセスを決定することができ、更に、前記エントリ識別子が、更新のときにネットワークに接続されることに従うか、前記エントリ識別子が、更新のときにネットワーク上で利用可能であることに従うか、又は、前記エントリ識別子が、更新のときに最も使用されることに従うかして、前記ドメインリストを更新する手段を有し得る。
【0020】
上述の装置は、前記エントリ識別子を加えるか、削除するか、又は再度順序付けることにより、前記ドメインリストを変更する手段を更に有し得る。
【0021】
本発明の以下の好ましい実施例は、図面を参照して記載されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、ネットワーク110を介して相互接続された装置101乃至105を有するシステム100を示し、ここに本発明が適用され得る。この例において、システム100は、家庭内ネットワークである。典型的なデジタルホームネットワークは、複数の装置、例えばコンピュータ、携帯電話104、無線受信機、チューナ/デコーダ、CDプレーヤ105、一対のスピーカ、テレビ102、VCR,テープデッキ等を含む。これらの装置は、ある装置が他の装置とコンテンツ及び情報を共有することを可能にするため、通常相互接続される。ポータブルディスプレイ装置103及び携帯電話104は、ベースステーション111を使用して、例えばBlueTooth又はIEEE802.11bを使用して、ネットワーク110にワイヤレスで接続される。他の装置は、従来の有線接続を使用して接続される。
【0023】
マルチメディアコンテンツは、典型的に、音楽、歌、映画、テレビ番組、写真、書籍等のようなものに関連するデータテキスト、ソフトウェア、音、画像等であるが、ゲームのようなインタラクティブなサービス、及びコンピュータコードも含み、典型的に、セットトップボックス101になり得る住居用ゲートウェイを通じて受信される。これは、ブロードバンドケーブルネットワーク、インターネット接続、衛星ダウンリンク等への接続になるか、又は、例えばディスク120のようなストレージメディアのような他のソースを介して、若しくはポータブル装置を使用して、ホームネットワークに入り得る。コンテンツは、例えば、テレビディスプレイ102、ポータブルディスプレイ装置103、携帯電話104、及び/又はオーディオ再生装置105のような他の装置において使用されるように、ネットワーク110に渡って転送され得る。
【0024】
コンテンツアイテムがレンダリングされる厳密な態様は、装置のタイプ及びコンテンツのタイプに依存する。例えば無線受信機において、レンダリングは、オーディオ信号を生成するステップと、スピーカに該信号を入力するステップとを有する。テレビ受信機に対して、レンダリングは、通常、オーディオ及びビデオ信号を生成するステップと、これらの信号をディスプレイスクリーン及びスピーカに入力するステップとを有する。他のタイプのコンテンツに対して、類似する適切な行動がとられなければならない。レンダリングは、受信信号を解読又はスクランブルを解く、オーディオ信号と、ビデオ信号とを同期する等のような操作も含み得る。
【0025】
セットトップボックス101、又はパーソナルデジタルレコーダのような、システム100における他の装置は、記録し、記録されたコンテンツを後で再生することを可能にする、適切な容量のハードディスクのようなストレージメディア106を有し得る。コンテンツは、コンパクトディスク(CD)又はデジタル多用途ディスク(DVD)のような担体120に記憶されるシステム100にも入り得る。
【0026】
図2は、ドメイン管理者201により設定される許可ドメイン200の概略図を示す。この図においてハイブリッドとして図示される許可ドメイン200は、1又はそれより多くの人203とともに、TV102、コンピュータ103、MP3プレーヤ等のような複数のマルチメディア装置を有し得る。各々の装置及び各々の人は、いくつかの種類の識別情報を付与される。該情報を、以下ではエントリ識別子と呼ぶ。特定の許可ドメインに関連して、エントリ識別子は、許可ドメインが装置ベースか、人ベースか、又はハイブリッドかに依存し、特定の装置、特定の人、又はその2つの組合せ、すなわち特定の装置を使用する特定の人に関連し得る。ドメインを設定する場合、ドメイン管理者は、自身のエントリ識別子により識別されるドメインにおける装置及び/又は人のいくらか又は全ての順序付けられたドメインリスト204を作ることを選択することができる。本発明による一実施例によると、このリストにおけるエントリ識別子の順序は、最も単純な場合のアクセスが、リストの最初としてそのエントリ識別子を有する複数の装置又は人に許可されるという点で、ドメインにおけるマルチメディアコンテンツのアクセスの管理に必須である。このことは、更に、図4に関して詳細に記載される。ドメインリスト204は、そのようにすることを許可された人により、又は許可ドメインに属する他の人により、まとめられ得る。本発明の一実施例において、初期のドメインリストは、システムにより自動的に生成され、ここでドメインにおける自身のエントリ識別子を介して全ての装置及び/又は人は、ランダム又はいくつかの一般的なルールにしたがってリストにされる。このようなルールは、例えば、装置及び人が、いつドメインに入ったかにしたがってリスト化されるか、又は、ルールは、コンピュータがまずリスト化され、それから人がされ、もしあれば全てのゲーム装置がされる等であり得る。他の実施例において、リストは、装置がどのくらい使用されたかにしたがって、装置をリスト化し得る。どのユーザもリストを作成することを選択しなかった場合に、初期のリストが、デジタル権利の管理において使用される。ドメインリスト204は、ネットワークに属するいくつかの中央制御点、又は制御器に記憶される。該リストは、ドメイン内又はドメイン外の、いくつかの又は全ての装置にローカルにも記憶され得る。ここで重要な部分は、コンテンツアイテムを使用したい人及び/又は装置が、コンテンツの評価アクセスのために、直接的又は間接的に、ドメインリストを有するか、又はドメインリストへのアクセスを有するということである。
【0027】
本発明の一実施例において、ドメインリストは、更新時において現在ドメインに接続されているエントリ識別子のみを含むように、中央制御器によって時々更に更新され得る。リストは、装置がオンにされる、及び/又は人がログインすることによっても、更新され得る。このような更新は、新たな装置/人が検出されることに関してドメインにおける変更があるとき、又は定期的な間隔、若しくは所定の時間において、いつでも有利に実行され得る。更新は、ドメインリストが要求されるか、又は必要とされるときも、いつでも実行され得る。どんな頻度で、又はどんな状況下において、ドメインリストのこのような更新が、更新されることを許可されるかについての制限は、システムの搾取を回避するために課され得る。
【0028】
装置103及び104のようなポータブル装置が、リストにおける装置の1つであることがあり得る。ポータブル装置は、その後、ベースステーション111の範囲外に移動されるか、又は、(例えばApple iPodのようなポータブル音楽プレーヤの場合のような)つながれた装置から切断される。そのような場合、本発明の一実施例は、このポータブル装置が許可ドメインに戻ってくるまで、リストへの更新をしないことを提案する。このことは、ユーザがポータブル装置をリストに加えて、コンテンツをこのポータブル装置に転送し、当該装置を切断し、それから他の装置を加えられるように前記ポータブル装置をリストから削除するという状況を回避する。切断されたポータブル装置は、リストの変更を知ることができず、前記装置に転送されたコンテンツにアクセスすることを許可し続けるであろう。結果として、コンテンツに同時にアクセスするnより多くの装置があるだろう。
【0029】
他の実施例において、ドメインメンバとして登録されている全てのポータブル装置が許可ドメインに戻ってくるまで、これらのポータブル装置がリストにないとしても、リストへの更新をしない。このことは、ドメインにおける全ての装置が、リストの更新を知ることを保証する。これは、ユーザが装置をリストから削除し、古いバージョンのリストを持つポータブル装置から、この削除された装置にコンテンツを転送するという状況を回避する。このポータブル装置は、自身のバージョンのリストにより、この装置が削除されていないので、転送を許可するであろう。
【0030】
リストは、ドメイン管理者により、自動的に、又はそうすることを認証された人の操作の下で、前記人が望んだときいつも、又はいくつかのルール(例えば最大回数、それほど頻繁ではない、又は新たな装置が追加/削除等されるときのみ)に従って、変更(すなわち、装置及び/又は人に関連するエントリ識別子を追加、削除、再順序付け)され得る。このような修正又は変更は、いかなるコンテンツ供給者にも独立するとともに、現在のコンテンツアクセス番号にも独立して実行され得、これにより、ドメインがある固定された最大数の装置及び/又は人のみを含む従来技術よりも、非常に柔軟なドメイン管理システムが得られる。
【0031】
図3において、コンテンツ消費者301が、マルチメディアコンテンツアイテム302(例えばゲーム、音楽、映画、プログラミングツール等)を購入する状況が、概略的に示される。コンテンツアイテムは、音符(note)302により描写された図にある。コンテンツ消費者301は、インターネット又はいくつかの他の適切なネットワークを介して、コンテンツ供給者303のサイトにログオンする。消費者がそのようにすることを認証されるか、又は、消費者が認証された装置304を介してログオンする。コンテンツアイテムを購入及び獲得する場合、消費者は、コンテンツ供給者305とともに、ライセンス条件及びいくつの装置及び/又は人306によるかについて同意する。この同意は、上記の制限の1つについて、多かれ少なかれ暗示的になり得るか、又は双方が例えば先験的に固定されるか、若しくは非制限的になり得る。コンテンツアイテム302の価格は、メインアクセス制限を規定するこれら2つのパラメータに非常に依存することが、非常に想像されるであろう。コンテンツアイテムを購入すると、アイテムは、その後、ライセンス条件、及び、非制限的でない場合にアクセスパラメータについての情報とともに消費者に転送される(307)。すなわち、どのくらいの装置/人によりコンテンツアイテムが使用され得るかについての情報は、以下ではコンテンツアクセス番号nと呼ばれる。割り当てられたアクセス番号は、代替の実施例において、装置、ドメイン、又はシステムにも関連付けられ得、コンテンツが装置、ドメイン、又はシステムにおいて使用されるので、割り当てられ得る。
【0032】
消費者は、もちろん従来の店舗においてもコンテンツアイテムを購入することを選択することができる。この状況において、コンテンツは、例えばCD,DVD、又はメモリスティックにおいて、消費者に引渡され得る。アクセスパラメータについての情報は、例えば権利によりウォーターマークされるか、又は示されることにより、ここでコンテンツとともに記憶され得る。
【0033】
図1に記載されるように、マルチメディアコンテンツは、中央ハードディスク106に記憶されるか又は位置され得る。他の可能性は、当該コンテンツがいかなる装置にもローカルに維持されるというものである。許可ドメインに接続される装置及び/又は人は、通常、許可ドメイン内でコンテンツアイテムを自由に配信することができ、そうすることが許可される。このように、例えばある装置に記憶されたコンテンツは、他の装置により容易に取り出すことができる。装置が前記コンテンツアイテムを使用することができるかどうかは、適用されたデジタル権利ポリシの種類に依存する。
【0034】
本発明によると、アクセスは、ドメインリストとともに上述されたいわゆる装置アクセス番号nにより制御される。コンテンツ消費者が装置におけるコンテンツアイテムを使用したい場合に起きることは、まず、コンテンツが装置において直接アクセス可能でない場合、コンテンツがどこに記憶されていようとも、記憶されたところから、装置はコンテンツアイテムを取り出す。しかしながら、コンテンツアイテムに接続されたコンテンツアクセス番号nが、関連して順序付けられたドメインリストにおける消費者、又は装置のエントリ識別情報の配置に準拠する場合、コンテンツアイテムは、この特定の装置のみにおいて使用され得る。このことは、いくつかの評価ルールに従ってチェックされる。例えば許可は、リストにおける最初のn個のエントリ、若しくは最後のn個のエントリに対して付与されるか、又はリストの3エントリごとに付与され、総数はn以下になる等である。エントリ識別子が、コンテンツアイテムを使用することを許可されるn個の装置及び/又はn人の人の中にある場合でも、大丈夫であり、コンテンツアイテムは再生され得る。そうでなければ、アクセス要求が拒絶される。
【0035】
アクセスポリシは、図4において記載される。ここで接続されたコンテンツアクセス番号n306をもつマルチメディアコンテンツアイテム302は、現在のドメインリスト204と組み合わされる。この例において示されたコンテンツアクセス番号n306は、ドメインリスト204における最初のn個のエントリ識別子が、コンテンツアイテム302を使用するためのアクセスを持つことができるということを決定する。ここで、アクセスは、それゆえ最初のn個のエントリ識別子を担持されたチェックマークでマークされた人及び装置に付与される。(ドメインリストの斜線の位置における、図において削除された)残りの装置は、アクセスを拒否される。提示されたアクセスポリシの最大の利点の1つは、マルチメディアコンテンツアイテムが、特定のマルチメディアコンテンツに関連して、最も重要且つ関連する装置及び/又は人に常に使用され得るという意味で、評価ルールに沿うドメインリストの順序が、ドメインにおける消費者の優先順位を保証するということである。
【0036】
上述のように、ドメインリストは、いくつかの中央制御装置において位置されるとともに、いくつか又は全ての装置にローカルに位置され得る。ドメインリストがいくつかの中央制御器にある場合、ドメインリストとコンテンツアクセス番号nとの比較は、本発明の一実施例において、中央制御器内で実行され得る。この場合において、コンテンツアクセス番号は、コンテンツアイテムを使用する許可を求める装置及び/又は人のエントリ識別子とともにコンテンツアイテムのあるところから取り出される。このエントリ識別子の位置は、ドメインリストにおいて見つけられる。装置又は人のエントリ識別子がリストにおいてまったく現れない場合、アクセス要求は、もちろんすぐに拒絶され得る。ドメインリストにおいてどこにドメイン又は人が現れるのか識別された後、この位置は、それから所定の評価ルールを使用して、コンテンツアクセス番号nと比較される。この比較の結果に依存して、アクセス又は拒否信号が装置又は人に返信される。
【0037】
本発明の他の実施例において、コンテンツアクセス番号nと、ドメインリストとのこの比較は、コンテンツアイテムを使用したい装置自身においても実行され得る。上述のチェックも、直前又は、装置若しくは人がコンテンツアイテムを使用したいときに行われ得る。しかしながら、他の可能性は、チェックがそれよりも早くなされることである。これは、例えば、装置が実際にホームネットワークから切断されている場所において、又は装置がコンテンツアイテムを一度に使用したい場合に有利になり得る。ここで、消費者が、後で使用するために装置とともに持って行きたいコンテンツアイテムにアクセスすることは、装置を切断する前にチェックされ、許可され得る。他の可能性は、装置が切断の前に関連するドメインリストを入手し、それ自身で必要に応じて後でアクセスのチェックを実行するという場合である。
【0038】
しかしながら、1又はそれより多くの消費者により、同一ドメインにおいて得られるコンテンツアイテムは、非常に異なるタイプになり得、異なるタイプの装置又は人に使用され得る。例えば、映画は、最も好ましくは家庭の全てのテレビ、及びコンピュータにおいて再生され得るべきであるが、一方同時にプログラミングツールは、コンピュータのみにおいてアクセス可能であるべきであり、いくつかの種類のゲームは、プレイステーションのみでアクセス可能であるべきである。それゆえ本発明の特定の実施例において、1より多くのドメインリストを有することが有利であり、そのとき各々のリストがコンテンツアイテムの異なる種類又はカテゴリに関連付けられる。
【0039】
図5において記載されるように、複数のドメインリスト501,502,503が作成され得る。これらのリストにおいて、1つは初期状態のリストである。コンテンツアイテムの異なるカテゴリの一例として、1つは、プログラミングツール及びコンパイラ用の関連付けられたリスト及びカテゴリを有し、第2のリストはゲーム用、第3のリストは子供向けの音楽用、第4のリストはジャズファンのための音楽用等であり得る。このように子どもは、自分の部屋のラジオ及びコンピュータのエントリ識別子を、子供用音楽のドメインリストのトップに置くことができ、したがってこれらの最も重要な装置における、購入した音楽へのアクセスを付与されることを保証する。これらのドメインリスト及びカテゴリは、ドメイン管理者又はドメインに所属する1若しくはそれより多くの人により、前に記載されたように選択される。いくつかのリストが作成される場合、これらの1つは、他の何も選択されない場合に使用されるべき初期のリストとして、(ユーザにより又はシステムにより)選択される。1より多くの順序付けられたリストがある場合、コンテンツ消費者は、どのドメインリストがこの特定のコンテンツアイテムと関連付けられるべきかを選択することができる。このことは、コンテンツアイテムが購入される、若しくはコンテンツアイテムが最初に使用されるときのみ、又は代替としてコンテンツアイテムが使用されるときいつでも、若しくは単に消費者が所望するときはいつでも実行され得る。消費者によりどのリストも関連付けられない場合、初期のドメインリストが使用される。
【0040】
本発明の他の実施例において、マルチメディアコンテンツの異なるカテゴリが、例えば1つのドメインリストのみであるが、その代わり複数の異なる評価ルールを有し、各々がコンテンツの特定のカテゴリに関連することにより取り扱うことができる。1つの評価ルールは、例えばアクセス番号nをもつポップソングが、ティーンエイジャの娘等のMP3プレーヤ、及び携帯電話に関連付けられたトータルn個のエントリ識別子において再生され得るということになり得る。あるマルチメディアコンテンツへのアクセスの決定に使用される評価ルールは、コンテンツ消費者、コンテンツ供給者、又はドメイン管理者により選択され得る。この実施例と、前に記載されたものとの両方は、マルチメディアコンテンツのユーザの異なる要求及びニーズに対して、許可ドメインの最大の柔軟性を保証する。
【0041】
図6において、消費者301がある装置においてコンテンツアイテム302を使用したいという状況が記載される。この特定の例において、マルチメディアコンテンツアイテム302は、ユーザ301が彼女のラップトップ202で見たいと思っている映画である。まず装置は、そのエントリ識別子を入手する(600)。状況及びどのような許可ドメインが作られたかに依存して、エントリ識別子は、上述のように、装置、該装置を使う人、又はその組合せ、すなわち特定の装置における特定の人に、特に関連付けることができる。映画302は、それから、該映画に関連付けられたコンテンツアクセス番号n306とともに取り出される(601)。コンテンツアイテムは、例えば単に装置のハードディスクから、CD若しくはDVDのようないくつかの種類のストレージメディアから、又は、ドメインにおける他の装置若しくは人からホームネットワークを介して、取り出される。コンテンツアイテム502のどのカテゴリ、例えばアニメ、アクションムービー等のカテゴリに映画が属するのかが決定される(602)。1つのドメインリストしかない場合、もちろんこのステップは必要ない。関連ドメインリスト502は、それから装置自身において、又は他の装置において、アクセスされる(603)。該リストは、アクセス番号n306及び評価ルールを使用することにより評価される(604)。単純な場合において、このことは、ラップトップのエントリ識別子が、上位n個のエントリの中のドメインリストにおいて現れる場合、コンテンツアイテム302へのアクセスが許可され(606)、映画がラップトップにおいて再生され得ることを意味する。一方ラップトップのエントリ識別子がドメインリストにおける最初のn個のエントリの1つでない場合、アクセスは拒否され(605)、ラップトップは映画を再生することができない。
【0042】
上述の実施例は、本発明を制限ではなく説明しており、当業者は、請求項の範囲から逸脱することなく多くの代替の実施例を設計することができるであろうということは、留意されるべきである。請求項において、括弧の間に置かれたいかなる参照符号も、請求項を制限するとして解釈されるべきではない。「有する」という言葉は、請求項において列挙された以外の他の要素又はステップの存在を排除しない。本発明は、いくつかの別体の要素を有するハードウェアによって、及び適切にプログラムされたコンピュータにより実施され得る。いくつかの手段が列挙された装置の請求項において、これらの手段は、ハードウェアの同一の部品によっても実施され得る。ある手段が相互に異なる従属請求項において繰り返されるという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用され得ないということを示すわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、ネットワークを介して相互接続された装置を有する、本発明が有利に適用され得る従来技術のシステムを概略的に示す。
【図2】図2は、本発明の一実施例による許可ドメインセットアップの概略図を示す。
【図3】図3は、コンテンツアイテムの購入を記載する。
【図4】図4は、本発明の一実施例によるコンテンツアイテムへのアクセスの配信を記載する。
【図5】図5は、コンテンツアイテムの異なるグループに関連するドメインリストの構築を記載する。
【図6】図6は、コンテンツアイテムを使用したいユーザの一例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエントリ識別子を有するネットワークドメインにおいて、エントリ識別子から、マルチメディアコンテンツへのアクセスを決定する方法であって、前記アクセスが、前記マルチメディアコンテンツにアクセスし得るエントリ識別子の数を示すアクセス番号nを使用して決定され、
‐前記ネットワークドメインにおける前記エントリ識別子の少なくともいくつかを示すドメインリストにアクセスするステップと、
‐前記エントリ識別子が、評価ルールにより決定される前記ドメインリストにおけるn個のエントリの間にある場合、前記エントリ識別子が前記マルチメディアコンテンツにアクセスし得る事を決定するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記ドメインリストにアクセスするステップが
‐前記マルチメディアコンテンツのカテゴリを決定するステップと、
‐前記マルチメディアコンテンツの前記カテゴリにリンクされたドメインリストにアクセスするステップと、
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記評価ルールが、
‐前記マルチメディアコンテンツのカテゴリを決定するステップと、
‐前記エントリ識別子が前記マルチメディアコンテンツにアクセスし得るかどうかを決定するステップにおいて、前記マルチメディアコンテンツの前記カテゴリにリンクされた評価ルールを使用するステップと、
により得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エントリ識別子が、更新のときにネットワークに接続されるか、又は該ネットワークにおいて利用可能であることにしたがって、前記ドメインリストを更新するステップを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ドメインのメンバとして登録されている装置が、既に前記ネットワークに接続されていないか、又は前記ネットワークにおいて利用可能でない間、前記ドメインリストを更新するステップは回避される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
更新のときに最も使用されている前記エントリ識別子に従って、前記ドメインリストを更新するステップを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記評価ルールが、前記マルチメディアコンテンツにアクセスする前記装置により決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記評価ルールが、前記コンテンツの供給者により決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記評価ルールが前記ドメインの管理者により決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
処理ユニットに、請求項1乃至9に記載の方法を実行させる命令を内部に記憶するコンピュータ読取可能媒体。
【請求項11】
複数のエントリ識別子を有するネットワークドメインにおいて、エントリ識別子から、マルチメディアコンテンツへのアクセスを決定する装置であって、前記アクセスが、前記マルチメディアコンテンツにアクセスし得るエントリ識別子の数を示すアクセス番号nを使用して決定され、
‐前記ネットワークドメインにおいて、前記エントリ識別子の少なくともいくつかを示すドメインリストにアクセスする手段と、
‐前記エントリ識別子が、評価ルールにより決定される前記ドメインリストにおけるn個のエントリの間にあるかどうか評価することにより、前記エントリ識別子が、前記マルチメディアコンテンツにアクセスし得るかどうかを決定する手段と、
を有する装置。
【請求項12】
前記マルチメディアコンテンツのカテゴリを決定する手段を更に有する、請求項11に記載のアクセスを決定する装置。
【請求項13】
前記マルチメディアコンテンツの前記カテゴリにリンクされたドメインリストを評価する手段を更に有する、請求項11に記載のアクセスを決定する装置。
【請求項14】
前記エントリ識別子が前記マルチメディアコンテンツにアクセスし得るかどうかの決定において、前記マルチメディアコンテンツの前記カテゴリにリンクされた評価ルールを適用する手段を更に有する、請求項11に記載のアクセスを決定する装置。
【請求項15】
前記エントリ識別子が、更新のときにネットワークに接続されることに従って、前記ドメインリストを更新する手段を更に有する、請求項11に記載のアクセスを決定する装置。
【請求項16】
前記エントリ識別子が、更新のときにネットワークにおいて利用可能であることに従って、前記ドメインリストを更新する手段を更に有する、請求項11に記載のアクセスを決定する装置。
【請求項17】
前記エントリ識別子が、更新のときに最も使用されていることに従って、前記ドメインリストを更新する手段を更に有する、請求項11に記載のアクセスを決定する装置。
【請求項18】
前記エントリ識別子を追加、削除又は再度順序付けすることにより、前記ドメインリストを変更する手段を更に有する、請求項11に記載のアクセスを決定する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−546050(P2008−546050A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511827(P2008−511827)
【出願日】平成18年5月3日(2006.5.3)
【国際出願番号】PCT/IB2006/051384
【国際公開番号】WO2006/123265
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】